HPCI計画推進委員会(第56回) 議事要旨

1.日時

令和6年2月9日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 17階 研究振興局会議室(傍聴はオンライン会議にて参加)

3.出席者

委員

合田委員、伊藤宏幸委員、上田委員、梅谷委員、小林主査代理、田浦委員、館山委員、中川委員、福澤委員、藤井主査、朴委員、棟朝委員

文部科学省

塩見局長、嶋崎参事官、国分室長、谷本参事官補佐、関口専門職

オブザーバー

(国立研究開発法人海洋研究開発機構 海域地震火山部門・地震津波予測研究開発センター)堀センター長
(経済産業省商務情報政策局情報産業課 デバイス・半導体戦略室)清水室長、齋藤課長補佐

4.議事要旨

会議開始にあたり、議題3および4については議事運営第4条一および二により非公開とすることが確認された。
  
議題1:我が国における半導体産業の戦略について
資料1について、清水室長より説明があった。
 

議題2:HPCI コンソーシアム調査検討ワーキンググループ 提言案について
資料2について、堀センター長より説明があった。
 
【藤井主査】  ありがとうございました。
 では、今の発表に対して御質問等あったら、委員の皆様、どうぞ。いかがでしょうか。
 朴委員、どうぞ。
【朴委員】  前にも携わっていたので、大体の方向性とかコンセプトは理解しているつもりです。1点だけ、次世代の基盤で、つまり、次期フラッグシップのところで、「量子コンピュータ関連計算のさらなる大規模化」という文言が7ページにありまして、私の理解では、今のFSで、もちろんAIとHPC、あるいはAI for HPCをどう実現するというのがメインで議論されているんですけど、量子コンピュータへの関連計算というところはあんまり議題になっていない気がするんですよ。例えばメモリがどれぐらい必要であるとか、それから、もちろん次期フラッグシップで、量子コンピュータ本格導入という話は現状ないわけで、ですから、当然、量子コンピュータのシミュレーションとか、あるいはデジタルアニーリングをやるかという話だと思うんですけど、これが議論から外れている気がするんですけども。小林先生、どうですかね。
【小林主査代理】  新計算原理チームは一応、アプリケーション一つとして、そういうシミュレーション的なアプローチの疑似量子と言うんでしょうかね。デジタル量子とか、そういう観点での必要性は述べられていたと思うので、そことのリンクかなというふうには。
【朴委員】  ええ。必要性はもちろんあって、だけど、その評価とか対象アプリケーションの中で、それはシステム調査研究チームの中で今あまりちゃんと考えられていないかなというのを改めて思ったものですから。
【小林主査代理】  まあ、そうですけどね。だんだんこれから、新計算原理チームがどういうふうな出し方をするかというところもあるかと思いますけど、そこら辺は調整されていくんじゃないかなと思います。
【朴委員】  その他の部分のコンソーシアムが、次期フラッグシップに期待するところというのはもう大体アラインできていると思うんですけど。ちょっとそこだけ気になりました。
【堀センター長】  ありがとうございます。一つ言うと、これは多分、簡略化し過ぎていて、まとめて書いてしまった部分もあるので、今おっしゃられたとおりで、量子コンピュータに関して、フラッグシップでというのはもうアプリケーションの一つとして、アルゴリズムの一つとして、将来的にどのタイミングか分からないですけど、ターゲットアプリまでなるのか、それとも、そういうアルゴリズムにも対応できるようにというような議論が今後出てくるという、そのぐらいのレベルだとは認識しています。
【藤井主査】  ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょう。
【朴委員】  もう1点よろしいですか。
これは計画推進委員会の場なので、もう一つ気になるのはAIなんですけれども、当然、AI for HPCは、HPCIの範疇だと思うんですが、純粋にAIという話は、先ほどの経産省の話の中でも盛んにAI向けのというのが出てきて、チップの話だけじゃなくて、実際にSACLAもそうだし、産総研のABCIもすごいプラットフォームを用意しているわけですね。だから、純粋なAIということで、文科省と経産省のすみ分けというのはどう考えられているんでしょうか。ちょっと文科省にお聞きしたいんですけど。
【藤井主査】  これは今の発表というよりは文科省への質問ですね。
【国分室長】  AIについて、まずターゲットとなる対象は、基本的に経産省は企業向けで、文科省はアカデミアを中心としているというのがまず一つ大きくあると思います。ただ、別にそれは全く重複がないようにではなくて、お互い連携してやるものなので、その間が落ちてはいけないというのはもちろん大前提です。そして、AIという意味でも、例えば文科省がやるのであれば、AI for Scienceが中心になっていくと思われますし、経産省がやるのであれば、もっと産業寄りの産業競争力などに資するようなものが中心になっていくと、大きな考え方はそういう形になると思っています。
【朴委員】  だから、目的とするところが違うのは、それはもうほぼ自明で、さっき、僕はAI for HPCと言いましたけど、AI for Scienceが正しいと思うんですけど、そこに出てくるデータサイエンスとか、いろいろなシミュレーションの仕方もなるべく効率よくするためにAIを使うというのは「富岳」でもやっていますし、ですから、そういうところはオーケーで、だから、本当に思うのは、プラットフォームを次期フラッグシップとしてどれぐらいAI向けにするかというのは、今すごい議論はしています。もちろんAIは最重要アプリの一つなので。経産省は基本的に開発というよりも、GPUなり、ポスト5Gはありますけれども、基本的には整備していくという方向性で、やはりそちらのほうが市場が強いから進むわけですよね。その中でうまく国としての予算の振り分けが、効率的に行くとか、相互にカバーし合いながらというようなことはやはりそろそろ必要なんじゃないかなとぼんやりと思っているんですけれども。
【国分室長】  おっしゃるとおりだと思います。文科省は文科省の立場できちんとアカデミアなり、研究開発というのを支えていくというのをやりつつ、一方で、先ほど経産省からプレゼンがありましたけれども、例えば半導体開発とかそういったものは、もうマーケットにあるものをさらにアップグレードしていくような話、メモリとかもそうだと思いますけども、そういうものを文科省が重複してやるというのはちょっと違うと思います。例えば、経産省が開発してきたものを新しい次のスパコンに導入するというのは当然あっていいわけですし、基礎研究からきちんとやらなければならないものは当然文科省がやるべきだと思います。次世代計算基盤というのは必ずしも基礎研究からやるものではなくて、研究をやる方々のための計算基盤を提供するものなので、基礎研究からやって、全て育て上げて、基盤をつくり上げるというのはちょっと違うのかなと思っています。
【朴委員】  ありがとうございました。
【国分室長】  ちょっと答えになっているか分からないんですが。
【小林主査代理】  一ついいですか。
【藤井主査】  小林先生、どうぞ。
【小林主査代理】  ワーキンググループ側の立場で。今の話は多分、スライドの3ページのHPCI全体としての在り方として、フラッグシップだけではなくて、第二階層なり、あるいは産総研も含めたHPCIの総体としての役割を述べたんだと、主査はそうだと思いますので、そこだけちょっとコメントさせていただきます。
【堀センター長】  ありがとうございます。
【藤井主査】  よろしいですかね。ほか、いかがでしょうか。
 説明いただいた内容に立ち戻って言うと、8ページの「幅広くオープンに様々な分野のアプリケーションを対象として」のところ、これは別の言い方をすると、次期フラッグシステムで特定の分野だけが非常に速く走るよりも、まんべんなくあるレベルの速度で走ってほしいと、こういう願いが出ているということでいいですか。
【堀センター長】  そこは結構議論があると。つまり、ここにも少し触れていますけど、加速機構の必要性とかも我々も認識していますので、やはりアプリケーションごとによってどのぐらい性能向上するかというのは変わってくるとは思っています。
【藤井主査】  もちろん。
【堀センター長】  ただ、「富岳」のときの課題として少し出てきていたのは、そのレベルにも全然達しないような、なかなか対象になっていなくて、性能が。
【藤井主査】  枠から外れてしまっているみたいな。
【堀センター長】  そうですね。そういうものをなくすというのが重要かなと。
【藤井主査】  そうすると、最低限のレベルはきちっと確保してねと、そういう願いだと思っていいですか。
【堀センター長】  はい。
【藤井主査】  分かりました。
 ほか、いかがでしょうか。
【中川委員】  シームレス化とユーザビリティ向上について質問です。シームレス化の定義が元の文章のほうにあるというのでちょっと読んでみたんですね。そうしたら、認証連携とか、webブラウザベースの対話的な環境とか、それから、大規模データの2次アクセスみたいなことが書いてありましたが、次世代計算基盤全体のフレームワークで見ると、先ほどちょっと文科省、経産省の話が出ましたけど、ABCIとかも入っていますので、企業ユーザーから見ると、この辺りがすごく重要だというのは共感が持てるんですが、それは2030年頃にならないとできないのかというのを言っているのか、そんなに大変じゃないだろうという気がしていて、例えば認証連携とかですね。
 なので、その辺りは、既に手がつけられるところ、例えばFSの運用技術チームのところでやり始めていただいてもいいんじゃないかなという気がするんですね。認証連携だけじゃなくて、実際に使い始めたときの、いろいろな、例えばデータのアップロードの仕方とか、ジョブの投入の仕方とかも結構システムによって違っていたりするんですね。なので、その辺りも、全部とは言わないんですけど、幾つかの第二階層群と一緒とか、何かそういうふうに、mdxとABCIはかなりそういうところが似てきていると思うんですけど、手がつけられるところから始めていただけると、企業ユーザーも少しフラッグシップのほうに興味が向くんじゃないかなと思いますので、これはお願いになりますけれども。あとは、シームレス化に関して、もうちょっと詳しく書いていただきたいなというのがお願いになります。
 以上です。
【堀センター長】  ありがとうございます。重要な観点に関してコメントいただき、ありがとうございます。我々の認識としては、既に今、触れていただいたように、mdxのほうでは、試験的な取組として、それこそABCIとの連携もされていまして、認証に関して、もう既にいろいろな取組を、今日、合田委員もおられますけども、既に取り組まれているとは伺っていますので、そういったものをぜひ、取組がもう既にあるので、それを強化してもらいたいということをこの提言としては述べているつもりです。
【朴委員】  運用技術チームのところでそこそこやっていると思いますね。FSで。
【堀センター長】  そうですね。
【藤井主査】  ただ、次世代計算基盤という形じゃなくてもやれることをやれというのが今のことかなと。
【朴委員】  むしろ、今のところからの連続性みたいな話もしているので、割とこの辺は押さえられているという気がするんですけど。
【合田委員】  調査検討ワーキングでのメンバーとしてですけれども、先ほどおっしゃった認証連携、まさに重要で、実はもう以前から、学の世界では、認証連携をする仕組みがあったので、そこを産学に広げるために産と学のIDを連携するとか、そういった取組の議論は、実はHPCIの外で進んでいるところがあります。技術的にはもう可能なのですけども、ただ、認証というのは技術だけではなくて、個々の制度面、本人を保証するわけで、そういったところの取組等も必要なので、HPCIの外との取組、連携みたいなのをHPCIの中で考えるのではなくて、しっかり進めていきましょうというのはこの提言の中で言おうとしていることになります。
【藤井主査】  ありがとうございます。
【中川委員】  よろしくお願いします。
【藤井主査】  中川委員、よろしいですか。
【中川委員】  はい。ありがとうございました。
【藤井主査】  ありがとうございます。次世代計算基盤で言うと、やはり第二階層との話はまだ十分議論が進んでないところなので、今後のことになりますが、そこはぜひ注意して、皆さんで進めていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
【堀センター長】  ありがとうございました。
 
 
議題3:「次世代計算基盤に係る調査研究」の検討状況について(非公開)
「次世代計算基盤に係る調査研究」の検討状況について事務局より説明があった後、質疑応答が行われた。
 
 
議題4:次世代計算基盤に関する報告書 中間取りまとめ案について(非公開)
次世代計算基盤に関する報告書 中間取りまとめ案について事務局より説明があった後、記載内容について議論が行われた。
 
 
事務局より、次回の開催予定について連絡を行い、藤井主査により閉会。
 

お問合せ先

研究振興局参事官(情報担当)付計算科学技術推進室

電話番号:03-6734-4275
メールアドレス:hpci-con@mext.go.jp

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