HPCI計画推進委員会(第47回) 議事要旨

1.日時

令和3年6月7日(月曜日)15時30分~17時00分

2.場所

オンライン開催

3.出席者

委員

伊藤公平委員,伊藤宏幸委員,上田委員,梅谷委員,喜連川委員,小林主査代理,田浦委員,高橋委員,常行委員,中川委員,平田委員,藤井主査,朴委員

文部科学省

杉野局長,塩崎審議官,橋爪参事官,宅間室長,西川参事官補佐,太田専門職

オブザーバー

(理化学研究所 計算科学研究センター) 松岡センター長,松尾副センター長,新田室長,西之園室長代理,庄司部門長
(高度情報科学技術研究機構 神戸センター) 森センター長,奥田副センター長
(内閣府官房新型コロナウイルス感染症対策推進室) 居石主査
(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(調査・企画担当)付) 小門参事官補佐
(気象庁情報基盤部数値予報課数値予報モデル基盤技術開発室) 佐藤室長

4.議事要旨

冒頭、今期より主査を務める藤井主査および新任の各委員(高橋委員、常行委員、平田委員、朴委員)より挨拶があったのち、各議題の報告、審議を行った。今期の委員については、資料1-1を参照。

議題1:HPCI計画推進委員会について
資料1-2、資料2について事務局より説明があった。資料1-2の「HPCI計画推進委員会の議事運営等について」は案のとおり承認された。また、議事運営第2条第3項に基づき小林委員を主査代理に指名した。

課題2:次世代計算基盤に係るシステム検討ワーキンググループの設置について
資料3について事務局より説明があった。質疑は以下のとおり。

【藤井主査】 ありがとうございました。
ここまでの説明について、御質問等ありますでしょうか。委員の先生方、よろしくお願いします。大事なワーキンググループになるかと思います。いかがでしょう。
【中川委員】 日立の中川です。
【藤井主査】 よろしくお願いします。
【中川委員】 先ほど御説明があった次世代検討ワーキングの検討範囲について確認させていただきたいんですけれども。「京」のときには、どちらかというと科学技術計算、シミュレーションですとか、先ほどの資料1-2にもございましたけれども、そういった数値シミュレーションが主であったかなというふうに思うのですけれども、今般、例えば防災とか、そういう観点ではデータ科学、あるいは実際に観測されている事象を素早く捉えて、津波ですとか、あるいは大雨、豪雨とか、そういうものを予測するような、Society 5.0でもうたわれているような、そういった用途も科学技術計算については社会的な課題を解決するという意味で要望が高いというか期待が高いのではないかと思うのです。そういう意味でいうと計算だけではなくて、データを蓄積する、あるいはそれを広域なネットワークでつないで利用して現場に反映していくといったような、高速なネットワーク的な要素ですとか、システムというのは非常に広い概念なものですから、やっぱりそういう意味でいうと、どこまでの範囲をこの次世代システム検討ワーキングで検討するのかと。HPCIの配下で、どういう範囲を検討するのかというのは、いま一度、明確にしておいたほうがいいのかなと。ここは非常に簡単な説明なので、どこまでなのかなというのが、ちょっと分かりにくいのかなと思っております。
【藤井主査】 当然、幅広に入ってくるものと思いますが、事務局のほうから回答いただけますか。
【宅間室長】 事務局でございます。
今のような御指摘は、まさにこの情報委員会の次世代計算基盤検討部会のほうでもしていただいているところでございまして、データ科学との融合やネットワークの連携は大きな論点になっているところかと思います。
次世代計算基盤検討部会での示される方向性は、これからまとめられるものですので、現時点で、どこまでを具体的に議論に含むかというところを申し上げるのは、なかなか難しいところです。次世代計算基盤検討部会の方向性が中間まとめとして夏ぐらいにまとめられる予定です。恐らく、これまでの議論から、シミュレーションだけというところよりは少し広くなる方向なのかなというふうに考えておりますが、いずれにしましても、次世代部会のほうの報告を受けて、その方向性に沿って検討していただくということで考えております。
【中川委員】 なるほど。夏頃というのは、もう少し具体的にいつ頃というのはあるんでしょうか。
【宅間室長】 7月の終わりぐらいには、方向性をまとめる予定で進めております。
【中川委員】 ありがとうございます。了解しました。
【藤井主査】 よろしいですか。
朴委員、どうぞ。
【朴委員】 初めてなので、ちょっと教えてください。
今の中川委員の御指摘は、主にシステム本体の応用とか使い方の話も含めてという御質問だと思うんですけれども、例えば、HPCIを支えています共用ストレージシステムとかは、ここの検討とは別になるんでしょうか。
【藤井主査】 ここは事務局から回答いただけますか。
【宅間室長】 ありがとうございます。ストレージに関しては、HPCI全体の議論をする中に当然入ってくると思うんですけれども、このシステム検討ワーキングでの議論は、今想定しているのは、次世代計算基盤について検討を予定していますので、ストレージが直接入ってくるかどうか、今の時点では、そこもこれから検討の要素があるかなというふうに思っています。
当然、HPCI全体の議論をするときに、共用ストレージの議論、論点が入ってくるというのは認識をしてございます。
【藤井主査】 少なくとも論点には入ってくるということは間違いないようですね。よろしいですか、朴委員。
【朴委員】 はい。ありがとうございます。
【藤井主査】 ほか、いかがでしょうか。
【田浦委員】 すいません。これ、ちょっと今さらな質問かもしれないんですけど、これ同じグループで「富岳」開発の評価と次世代の議論をするんでしょうか。
【宅間室長】 はい。その予定でございます。
【田浦委員】 何かちょっと性質が違うもののような気がするんですけどね。
【藤井主査】 確かに田浦委員のおっしゃることもわからなくはないですね。事務局としては、どういうふうに考えておられたか、回答いただけますか。
【宅間室長】 いずれにしましても、スパコンのシステムの専門家の方、また、アプリケーション側の専門家の方の知見が必要ということは、どちらの議題でも共通するところでして、我々が委員をお願いしたい先生方というのが大分重複してくるんではないかなと思っているところもあり、一つの委員会で両方の議題をしていただくことを考えました。
また、議題としても、「富岳」の事後評価をした上で次世代の基盤を検討するということに当然なりますので、議題としても連結していると事務局としては考えております。
ただ1点、「富岳」の評価については、例えば、利害関係者に当たるような方なども委員に入っている可能性もありますので、その議題からは外れていただくとか、議題ごとに、そういったことの管理はしなければいけないというふうには思っております。
【田浦委員】 ということは、「富岳」の開発に関わった人も入れないわけではないということですか。
【宅間室長】 はい。そのように考えております。議題ごとに、そこは管理をするつもりでおります。
【田浦委員】 分かりました。
【藤井主査】 よろしいですか。注意して、委員をうまく選んでいただくということが大切になるかもしれません。それでよろしいでしょうか、田浦委員。
【田浦委員】 はい。
【藤井主査】 それでは、ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、この設置について、承認ということでよろしいですか。特に御異論がなければ、承認とさせていただきます。
どうもありがとうございます。

杉野局長より、今期開催の挨拶があった。

課題3:「富岳」利用制度について
資料4について一般財団法人高度情報科学技術研究機構 神戸センター 奥田副センター長より説明があった。質疑は以下のとおり。

【藤井主査】 ありがとうございました。
今の御説明に対して、御質問等ありますでしょうか。遠慮なく御質問いただければと思います。
田浦委員、どうぞ。
【田浦委員】 よろしいですか。ありがとうございます。
10ページですかね。いろいろ、利用報告書の公開とか非公開とかという御説明していただいたところですけれども、利用報告書の公開・非公開というのは、だから公開というのは本当に誰でも読めるという意味の公開で、非公開というのは、世の中には公開しないけれども報告はするということですか。
【奥田副センター長】 そういうことです。
【田浦委員】 だから、この利用報告書の公開と論文発表などによる成果公開というのは、要は媒体が違うだけで、情報開示の範囲としては両方とも同じということですね。
【奥田副センター長】 いや、論文発表は利用報告書とは別に、一般的な話ですが、レビューを通したような論文を発表していただく事が義務になっています。有償の課題の場合は、それがないということです。普通の課題の場合、利用報告書の提出と論文発表を両方していただいています。
【田浦委員】 それは分かっているつもりですけれども、公開という言葉の意味は。
【奥田副センター長】 そういう意味です。
【田浦委員】 論文って、出して通らない場合もあるので、それを義務というふうに言い切れる場合が、果たして本当にあるのかというのを、言葉の問題として気になりますけど、分かりました。つまり、これは何をやっているのかの報告もしないというオプションはないということで。
【奥田副センター長】 はい。ありません。
【田浦委員】 ありがとうございます。
【藤井主査】 よろしいでしょうか。
ほか、いかがでしょう。
では、どなたか質問いただく前に、1つ私からよいですか、奥田さん。
【奥田副センター長】 はい。
【藤井主査】 14ページにAI、データサイエンスというグラフがありましたよね。
【奥田副センター長】 はい。
【藤井主査】 これ、キーワードだけだと言われましたけど、色塗りで分けられている分野でいうとどんなところが多いのかとか、そんなに数ないのかもしれないけど、今、分かりますか。
【奥田副センター長】 今、そのデータを持っていません。すいません。
【藤井主査】 すいません。急で。
【奥田副センター長】 整理しておきます。
【藤井主査】 興味に近い質問ですけど、どんな分野から広がっていくのかというのを見たかったという主旨の質問でした。
【奥田副センター長】 自動的に計測できるので、集計はできると思います。
【藤井主査】 よろしくお願いします。
ほか、いかがでしょうか。
では、もう一つ質問をお願いしますね。
随時募集、応募が結構多いので、大変結構なことだと思うんですが、今回、大分やり方を変えて、年間の途中途中でも応募できるような課題が、ある程度の計算規模でできるようになりましたよね。この辺に対する、使われている方々の評価とかコメントみたいなことは、何となく伝わってきたりしていますか。変えてよかったみたいな。
【奥田副センター長】 今、応募していただいたばかりなので、何とも言えませんが、アンケートはこれから取る予定です。この数を見ると、非常に利用いただいていると考えております。
【藤井主査】 結果だけ見ていると、喜んでもらえているんじゃないかなと、そういう感じですか。
【奥田副センター長】 ええ。そう思っています。
先ほどお見せしなかった、この表ですが(資料4 P18)、これは先ほど御説明した供用前の利用準備課題で応募件数92件ですが、この中から、かなりの数の方が、試行課題39件に移ってきています。継続して使っていただいているということですので、使い勝手がよかったのかと思っています。産業界の方も何件か使われていますので。
この92件の方にアンケートを取ろうとしているところです。
【藤井主査】 分かりました。すみません、急にお願いして。
【奥田副センター長】 いや、大丈夫です。
【藤井主査】 ほかに何か御質問ありますでしょうか。コメントでも結構です。よろしくお願いします。
幾つか挙がっていますね。では、ダイキンの伊藤委員。
【伊藤(宏)委員】 伊藤でございます。
産業界に対しても、「富岳」については立ち上がりが非常によくて、感謝しているところでございますが、1点、質問がございまして、一番最後のページの新しい新規の課題代表者の内訳で、例えば、産業界で新たに参入されようとしている、その中の内訳とか分かりますか。
【奥田副センター長】 そんなには多くないですが、10件以上はあったと思います。これまであまり使われていなかったようなデジタルツインとか、計測器と「富岳」を一緒に使うといった、新しいテーマもありました。非常に面白いテーマです。
【伊藤(宏)委員】 それは結構なことだと思います。
【奥田副センター長】 その方は、今も次の課題を使われようとしていたと思います。
【伊藤(宏)委員】 そうですか。分かりました。ありがとうございます。
【藤井主査】 では、続いて、梅谷委員、お願いします。
【梅谷委員】 「富岳」などでの募集結果というのは、大体予定どおりのリソースになっているのでしょうか。
【奥田副センター長】 要求資源量という意味でしょうか。
【梅谷委員】 そうです。
【奥田副センター長】 我々が想像していたよりも、正直言って少なかったです。それで今、追加で、資源が足りない課題にはもう少し資源を割り当てるということで、1回目の希望を取って、追加で割り当てています。これから6月に、もう一度、追加の希望を取る予定にしています。
【梅谷委員】 そうですか。そうであれば、ぜひ追加募集をしていただきたいと思います。
【奥田副センター長】 はい、今、使われている方に、追加でもっと資源を使いませんかという、問合せの2回目をやる予定にしています。
【梅谷委員】 リソースを余らせるのは無駄、一方で課題実施側はやることを絞っている状況になっているので。
【藤井主査】 そうこうしているうちに資源不足になってパンクするかもしれませんね。
【梅谷委員】 「京」は持っているリソース以上の応募がありましたが、富岳はまだ少ないんですね。
【奥田副センター長】 ええ。我々が予想していたより少ない。ちょっと使ってみないと分からないと言う事かと思います。もともとノードあたりの絶対性能はすごく増えていますから、10倍以上になっていますから、確かに当たり前なのかもしれませんが。
【梅谷委員】 分かりました。ありがとうございました。
【藤井主査】 よろしいですか。
田浦委員、どうぞ。
【田浦委員】 すいません。
もう一回、同じスライドで、定額と従量という話がありましたけれども、ちょっと言葉の意味の確認なんですが、従量というのは、要は幾ら使うか分からないけれども、使い始めて、結果的に使った分だけ払えばいいと、これを従量というふうに呼んでいる。
【奥田副センター長】 はい。そうです。
【田浦委員】 定額の場合も、だから、どれだけ使うかは自分で宣言できて、それに応じて値段が変わるわけなので、普通の意味では従量じゃないかなと思うんですけど。要は前払いか、本当の使った分だけ払いかという、そういうことですか。
【奥田副センター長】 そうです。最初に、例えば、10万ノードと言ったら、10万ノード分だけお支払いいただいて、それより利用が少なくてもお返しはしないと、そういうことです。
【田浦委員】 この従量払いの場合は、だから、割と、どれだけ使うかがすごく読めないとか、あとは基盤ソフトの開発なんかだと、ノードの時間が別にそんなにたくさん要るわけじゃないよというのも結構あるんですけど、そういうのにも配慮されているというか、使いやすくなっているという理解でよろしいですか。
【奥田副センター長】 はい。ただ、利用者、特に産業界の利用者の方からすると、定額払いのほうがハンドリングしやすいという方もおられます。予算が最初から決まっていて、その予算で稟議書を作るので、使い勝手が良いという方もおられて、どちらかというと、そちらをメインに使っていただいたらどうかということで、この比率になっています。
【田浦委員】 会計的な意味で、そうかなって思うんですけれども。
【奥田副センター長】 そうです。
【田浦委員】 ありがとうございます。
【藤井主査】 よろしいですか。
松岡さん、お待たせしました。どうぞ。
【松岡センター長】 すいません。ありがとうございます。
今、奥田さんがおっしゃったように、今の料金体系というのは、産業界の使い方を、「京」の時代等から外挿して決められたもので、RISTと理研で決めたもので、ただ、これはある程度安定性は必要ですけれども、今後、「富岳」がビジーになってきたりとか、いろんなデマンドがあったら、それは見直しをしていくということは計画しております。ですので、これがひとまず船出として、こういうことをやっていて、より、さらにこういう制度が必要だということがあったら、ぜひ、委員の先生方も含めてサジェスチョンいただければ大変幸いです。
2番目に、これに加えて、さらに、これは文科省の枠になりますけれども、Society 5.0枠というのが5%ございまして、ただ、これはやはり産業や自治体の利用を前提としていまして、先ほど奥田さんがおっしゃったような、デジタルツインとか、まさにそのような利用を想定した枠でございまして、それの制度設計が最終段階に書いてあります。
最後に、さっき田浦委員からあったんですけど、論文をマンデートするのかという話だったんですけど、これも実は大分議論になったんですが、それは「京」のころからそうなっていたので、それを踏襲したものになっていますけど、いろいろあったんですが、最近はオープンパブリケーション等の機会も非常に多い。重要なことは、やっぱり成果を公開することだということで、今のようなルールに今のところ落ち着いているということで。これももし議論があったら見直す可能性もございますが、今のところはそのように、とにかく無償利用に関しては、成果をオープンにすることで、逆にやりやすく、理由づけをしやすくなるということで、今の規則になっていると理解しております。
以上でございます。
【藤井主査】 ありがとうございました。
続いて、喜連川委員、どうぞ。
【喜連川委員】 ありがとうございます。
ちょっと話が変わるかもしれないんですが、こういう民利用というのは、海外はどういうルールで、通常行っているのか、教えていただけるとありがたいです。
【藤井主査】 これは奥田さん、お願いできますか。
【奥田副センター長】 今回の制度設計より少し前に、海外の色々な状況を分かる範囲でヒアリング等をしています。
同じように成果を非公開にする場合は、運用費や、それに関わるような費用をチャージする事が基本的な考え方になっていました。
値段の設定については、国によって微妙に設定の考え方が違う状態です。
【喜連川委員】 ですから、その微妙に違うというのがちょっと気になっているんですけれども。例えば、アマゾンのHPCのオプションみたいなものがあろうかと思うんですが、そういうものとの競争関係を設定するのだとか、いろいろ論点はあるかと思うんですが、その辺、どうなっているでしょうか。
【奥田副センター長】 ヨーロッパはそういう意味で、ドイツの例を聞いてきた状況ですと、商用サービスとのコンペティションはしないように値段を設定する、要するに、不当に安くしないということは明確に言っておられました。ただ、アメリカの機関と話したときは、そういう話は全然出てきていません。だから、その辺は、どこまで決まっているのか、決まっていないのかというのは、よく分からないのが実情です。
【喜連川委員】 そうですか。そういうことを、1回、まとまっているといいかな。
要するに、パワーをでかくして、計算量って時間掛ける資源量ですよね。だから資源量、面積一定のとき、横幅をぐっと、パワーをたくさん取れるというのが魅力になるのか、何を魅力に民とのポジショニングをするのかなというのを、ちょっと気になったんですけど。お答えになるのが、なかなか現時点で難しかったら、この場では結構かと思いますけれども。
【奥田副センター長】 そういう観点でいうと、やはり国の施設を使っていただくことでできるサービスの意義を強調されていました。一般の民間でできるようなサービスではなくて、例えば、支援サービスが非常に充実しているとか、先ほど喜連川先生おっしゃったような、大きな資源を一時的に使えるといったようなことを強調されていました。ポイントとしては。
【喜連川委員】 ありがとうございます。
【奥田副センター長】 ただ、明文化はされていないという感じでした。
【喜連川委員】 そうですか。どうもありがとうございます。
【藤井主査】 一時的に大きな資源というのは間違いなくあるんでしょうね。
でも、もうちょっと様子を調べられてさらに情報が入ると、よいかもしれないですね。競争的な観点で。
【奥田副センター長】 ただ、こういう話はなかなか紙には書いてないんです。ヒアリングして、かなり突っ込んで聞いて分かってきたというのが現実です。
【藤井主査】 先生方の個人的な関係からも情報出てくると思いますので、委員の皆さんにも努力していただいて、情報をできるだけ集めることにしましょう。
【奥田副センター長】 よろしくお願いします。
【藤井主査】 奥田さん、ありがとうございました。
朴委員、何かありますか。どうぞ。
【朴委員】 これはコメントに近いんですけど、2点ありまして、1つ、近いところからいくと、今の喜連川先生の御質問の部分で、例のグラフがありましたよね。横に行くほどなだらかになるという。つまりスケールメリットを感じてもらうということは、まさに「富岳」の巨大性をなるべくちゃんと研究に役立てるという意味で、私はこういう設計は正しいと思っています。
逆に、本来だったら「富岳」は使いやすくて、すごく混んでいて、みんながいろんなものを動かしているから、じゃあ、小っちゃいジョブは「富岳」を当てにするんじゃなくて、民間のAWSなり何なりでやるというふうにいくのが多分健全というか、「富岳」の正しい使い方で、それが今は、さっきから話題になったように、思ったよりは、まだ売れていないというか、皆さん、「富岳」の魅力がまだ分かってないのか、あるいは、これはコンソーシアムの理事会でも議論したんですけど、「京」との差があまりにも大きいので、皆さん、奥ゆかしくて、もっと大胆に使ってほしいところを、ちょっと控えているという。これは多分、来年度以降、かなり改善してくると思います。ですから、大きいところがいっぱい動くというところで、うまく民業とのすみ分けということになるのが健全だと思います。
もう一点は、さっき言った、ちょっと期待よりも少ないというのは、やっぱり皆さんが、この額面でいったら100倍ぐらいのスケールになっていて、こちらのリソースでは10倍で、多分、「富岳」のほうが、私は今までのいろんな学術の議論とかを見ていると、より実行効率が高いと思うんです、「京」よりも。だから、それで、もっとみんな使いやすいということで魅力を感じてもらえるかなという気がします。
1点だけ、ちょっと「富岳」のデメリットがあって、ノード当たりのメモリが少ないんですよね。今、世の中にx86のサーバがほとんどのクラウドサービスなんで、それに比べると、やっぱりちょっと厳しいかもしれないけれども、だから、より科学技術計算とか、その代わり非常に大量ノードが使えますというところに行って、自然なすみ分けにはなるんじゃないかなと思っております。
何しろこの「富岳」のA64FXのCPUを持っているマシンは極めてまだ少数なんで、その辺で、まず、そういうものを積極的に使いたい人と、今までのクラウドサービスでx86を使って、別にそれでいいという人に分かれていくのかなというふうな感想を持っています。
以上です。
【藤井主査】 RISTさんへというよりは、委員会全体に対してというコメントのような印象で受け取りました。
【朴委員】 コメントというか、私なりの分析ですので。
【藤井主査】 御意見はよく分かります。
ほか、いかがでしょうか。
【藤井主査】 じゃあ、最後に私から1つだけ。
先ほどの準備課題ですね。すごくたくさん来たみたいですけれど、これは報告の義務がなくなったことが影響したのでしょうか。どこまで要求したか分かりませんけど、ほとんどなくてよくしたような気がします。試しに使ってみようみたいなことで、海外からの申請もあったという結果につながったのかです。
【奥田副センター長】 どうでしょうか。
報告書は忘れておられた方もおられましたが、終了後すぐに出していただいている方も多いので、それでというより、やはり話題性と、すぐに使える、という辺りだったのかなと思います。その辺り、アンケートで答えが返ってくれば、もう少し分かってくると思います。
【藤井主査】 本格的な利用の申請につながるようだといいですよね。うまくサポートしてあげてください。
【奥田副センター長】 そうです。ですから、何か困ったことがあったのか、という事も含めてアンケートで回答お願いして、R3年度に反映していきたいと考えています。この方々がどんどん上のほうに上がってくれば成功と思っています。
【藤井主査】 はい。よろしくお願いします。
ほか、いかがでしょう。こんなところでよろしいでしょうか。
それでは、この議題はここまでにして、どうも、奥田さん、ありがとうございました。
【奥田副センター長】 はい。ありがとうございました。

課題4:「富岳」政策対応枠の実施課題について
資料5について事務局から説明があった。質疑は以下のとおり。

【藤井主査】 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見等あれば、お聞きしたいと思います。
よろしいですか。
これも既にメールにて審議はいただいているところではありますが。
最初の表にありますけれど、政策対応枠はもともとは枠外ということで設定しています。これはうれしい悲鳴に近い話なのですが、今後どんどん増えてきたときに、どのぐらいまで広がることを覚悟しているのでしょう。結局は調整しながらやるという回答しかないのかもしれませんけど。今のところ、まだ出てくるのをほとんど待っている状態なので、事務局としてはそこまでは考えていないということでしょうか。
【宅間室長】 現時点では、上限は定めておりませんけれども、もし、仮にこれ以上、複数課題の希望があってということになってくると、全体でどれくらいの計算資源を、この政策対応枠で使うかという検討が必要な可能性はございます。ただ、現時点では、想定している範囲内に収まっているかなと思っております。
【藤井主査】 分かりました。現時点では想定の枠内でいいということですね。ありがとうございます。
ほか、いかがでしょう。よろしいでしょうか。
高橋委員、どうぞ。
【高橋委員】 高橋です。
少々審査のほうに携わっていたこともありまして、少し感じたことがあるんですけれども。この政策対応、枠外ですが、に要求される事項がありますよね。政策に緊急とか重要とか。あそこの説明が、やはり各課題ちょっと弱い感じがいたしまして、研究ベースであるからこそ仕方がないのかもしれませんけれども、もう少し具体的に政策のほうにどういうふうな投入をしていくのか、あるいはアプローチをしていくのかということが、申請書のほうの中で意識されて書かれるほうがよろしいと思うので、その辺の周知をもう少ししていただいたほうがよろしいかなというふうな感想を持ちましたので、この場を借りて申し上げたいと思います。
以上でございます。
【藤井主査】 ありがとうございます。
今の点は申請書の書きぶりを少し工夫したほうがよいのではないかということでよろしいですか、高橋委員。
【高橋委員】 工夫するというか、本当に重要性があって緊急性があるのかどうなのかが伝わってこないので、そこをきちんと審査の基準をよく知っていただく必要があるんじゃないかなというふうな気がいたしました。
【藤井主査】 では、申請書そのものというよりは、そのことがちゃんと申請側に伝わるように努力してくださいと、そういうことでよろしいですか。
【高橋委員】 はい。そのとおりでございます。
【藤井主査】 はい。
この点は私も賛成で、例えば、成果創出加速枠のプログラムとかにも、タイトルだけ見ると似たような活動もあるわけです。では、それと何が違うんだという点が、審査する先生方の評価で大切になります。今、高橋委員が言われたような、例えば、緊急性ですね。今すぐやらなきゃいけない。こういうところを、より明確に書いて申請していただくのが非常に重要ではないかと思います。それがないと、通常の課題と何が違うのというのがはっきりしないので、審査員も困るかなと今の話を聞いていて思いました。
梅谷委員、手が挙がっているので、どうぞ。
【梅谷委員】 高橋先生がおっしゃられるとおり、全部書き切るにこしたことはないんですけれども、応募側は書き切れなくて、あるいは専門が違っていて、審査側に意図が伝わっていないと感じることも多い。審査のコメントを見たときに、意図と違うコメントがあったりして、質問いただくみたいなことというのはできないんでしょうか。
【藤井主査】 審査側とのやり取りということでしょうか。
【梅谷委員】 審査側と応募側のやり取りがあると、そういう誤解というのはなくせるんじゃないかと思います。
【藤井主査】 なるほど。分かりました。
事務局、いかがでしょうか。
【宅間室長】 ありがとうございます。審査でいただきましたコメントにつきましては、申請省庁のほうにもお伝えをさせていただいて、それを踏まえて実施をしていただくというふうに今回しているのと、あと審査の過程につきまして、この場で申し上げられることには限度がございますけれども、例えば、委員の御質問事項をあらかじめ申請者のほうに確認をして、追加の説明をしていただいたりということを、一部はさせていただきました。
御指摘の点踏まえて、また次の応募の際とかには、この審査基準についての御説明を、よりもう少し分かりやすく我々もするとか、そういったところは気をつけてまいりたいと思っております。
【藤井主査】 梅谷委員、よろしいですか。
【梅谷委員】 はい。よろしくお願いします。
【藤井主査】 これは大いに応募してほしいので、ハードル下げたい側面と、一方で、先ほど高橋委員が言われたようなことが明確でないのは、本当にこの枠でいいのかみたいな判断があり、そこのせめぎ合いだと思うんですよね。だから、委員とのやり取りというのを事務局経由でやっていただいて、できるだけいい提案にしていただき、きちっと政策に生かしていただくというのが一番よい姿かなと聞いていて思いました。
ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。報告事項ですので。


議題5:その他
昨年度から引き続き委員を担当される方々の自己紹介があった。その後、全体を通しての質疑応答があった。質疑は以下のとおり。

【藤井主査】 繰り返して言いますが、今日全体、もしくは今後議論することで、コメントさらにあったらお聞きしますが、なければ事務局にお渡ししたいと思います。
小林委員、どうぞ。
【小林主査代理】 「富岳」の使い方というか、サービスの提供の仕方に関してなんですけど、先ほどから出ておりますように、Society 5.0に向けたアプリの開発ということで、オンラインのデータ処理とか、そういう形でのサービスというのは、今後、どんな形で進められるんでしょうか。リアルタイム処理やオンライン処理は今後先ほどRISTからご説明いただいたサービスの中にも入ってくるのでしょうか。
【松岡センター長】 これは私から答えたほうがよろしいですか。理研として。
【藤井主査】 今、発言されたのは松岡センター長でしょうか。
【松岡センター長】 はい。私が。
【藤井主査】 事務局、いかがでしょう。
【宅間室長】 それでは、松岡センター長にお願いしてよろしいですか。
【藤井主査】 はい。じゃあ、よろしくお願いします。
【松岡センター長】 ありがとうございます。
「富岳」は、幾つかの御指摘があったように、一番広いアプリケーション分野を、比較的狭い、「京」の時代のように狭いものじゃなくて、幅広いデータ科学AIとの融合もシミュレーションと融合をサポートするということで、既に運用開始して、多くのサービスを、普通のクラウドと変わらないレベルのサービスを提供しています。その一つは、特にAIのフレームワークを最適化したものを開発して、TensorFlowやPyTorchですね、これも非常に高速なものをサービスとしては提供しておりますし、また、様々なデータ、クラウド系の、例えば、コンテナだとか、クラウドAPIとか、そういうものも提供していまして、さらにデータ処理も様々な、Apache Flinkですとか、いろんなものも、これも通常サービスとして提供しております。
それらのサービスができるように、今、AI技術部門の体制強化をしておりまして、それは理研などのプロセスもあるんですが、それが今、最中でして、ユーザサポートも含めて、RISTとのすみ分けもあるんですけど、ユーザサポートの体制を含めて強化しております。
これらのサービスというのは、特に、例えば、クラウドサービス、サブスクライブしなきゃいけないとか、そういうのじゃなくて、「富岳」の全てのユーザが使えると。ですので、「富岳」のユーザであれば、統一的な融合したサービスというものを受けるというのをユーザが受けられる、そのような体制になっております。
【藤井主査】 これはノード占有みたいな形ですかね。小林委員、どうぞ。
【小林主査代理】 そうですね。藤井先生おっしゃったように、ノード占有という形で何か提供されるわけですか。
【松岡センター長】 いや、そうではなくて、全てのユーザがクラウドサービスとかは受けることができます。
ノード占有のサービスに関して、これは議論がありまして、これは非常に要望が多いので、通常のサービスに影響を与えない形で提供できないかというのは技術的には検討しています。
【小林主査代理】 そのとき、先ほども民業圧迫とか出ておりましたけど、「富岳」ならではのサービスという形になるんでしょうか。というのは、基盤センターとか、そういったことの連携も含めて、全体としてHPCIの基盤として、そういうのが提供できるようになるといいかなとは思うんですけど。
【松岡センター長】 そうですね。
【小林主査代理】 検討を進めていただければと思いますので。
【藤井主査】 そこは多分、大事なポイントの一つになってきますね。
奥田さん、何か。
【奥田副センター長】 今の「富岳」は、基本的には占有はこれまではなくて、全て共有というか、シェアする使い方だったんですけれども、今回、有償利用で最初に1つ占有というオプションを設けました。
それから、それ以外の一般利用でも占有に関するリクエストが出ていますので、それについては、今、どういう形で制度化するか。来年度からですね。というのを検討を、今、開始したところでございます。リアルタイムで、例えば、データを取り込んで計算して、それを何らかの形で外に戻すというようなことも、実用的なシステムというよりも、テスト的なシステムとして、そういうこともできるような形を、今、制度的に検討しているところでございます。
【藤井主査】 運用面で、いろいろやらなければいけないことがあって、結構負担になることは起こるかもしれないですね。
【奥田副センター長】 ええ、そうです。運用との関係も当然出てきます。
【藤井主査】 余計な話になるかもしれませんが、たまたま、コンソーシアムなんかの議論を最初にやった文科省の中川副大臣のときのワーキンググループだったかの議事メモを見ていたら、まさに今、小林先生が言われたこと、リアルタイム的な使い方はどうなるのでしょうというコメントしていたメモが出てきました。10年前ですね。余計な話でした。
朴委員、コメントありますか。どうぞ。
小林先生、よろしいですか、まず。
【小林主査代理】 ええ。先ほどから出ている防災とかは、まさにそういったデータを表していると思いますんで、ぜひ、運用も含めてお考えいただく必要があると思います。
【藤井主査】 そうですね。
朴委員、どうぞ。
【朴委員】 ありがとうございます。
1つはコメントで、まさに今、小林先生もおっしゃったんですけど、第2階層の、私、そちらのほうの運用もやっていますので、今の時期というのは、ちょうど「富岳」ができたばっかりで、一番、その第2階層の資源とフラッグシップの「富岳」の格差がすごく大きい時期で、多分、「京」が最初にできたときと似ている状況で、それからだんだんテクノロジーが上がってきて、第2階層が追いついて、最後には「京」を抜いたわけですけれども。ですから、第2階層とフラッグシップの関係が、ちょっと今、端境期というか、今までの数年間と大分変わるなということに傾注してから第2階層のほうの議論とか、コンソーシアムの議論もしたいなと思っていますというのが、今日、改めて、「富岳」の利用も見て感じました。
質問は、当面の議題についてと、この委員会ので、最後のほうに次世代計算基盤に関する具体的方策の検討というのがあって、ですから、まさに検討WGが立ち上がるわけで、ただ、私、今回初めて参加したので、時間軸の推移として、もし、次というのを考えるときに、大体この委員会でどれぐらいの時間をかけて練っていく話なのかなというのが、ちょっと興味があったんですけれども。
【藤井主査】 事務局、答えられますか。大体の時期的な話。なかなか今の段階では難しいかもしれませんけど。
【宅間室長】 今の段階で申し上げるのはなかなか難しいというのは確かにございますけれども、夏ぐらいに次世代計算基盤検討部会の中間まとめをまとめていただく予定ですけれども、それに沿って、どういう形になるか、今の時点では、まだ分かりませんけれども、文部科学省としては概算要求などに取り組んでいくことになります。
そういったことと並行しながら、来年度から、例えば、「富岳」の開発のときには、開発の前にいろいろな技術の可能性等を模索するための調査研究を数年やりましたけれども、仮にそういったことをやるとすると、例えば、どういった内容の調査研究が必要になるのかというような具体的な議論をしていくことを想定しています。
まず、今年度はそういった検討を想定しておりまして、調査研究を仮に実施することになれば、それと並行しながら、実際、次世代の開発を行うときには、どういう計画にしていくのかということを引き続いて議論をいただくことを考えております。
ですので、委員会自体は、今年度以降、来年度も継続することを考えてございますけれども、まず今年度、集中的に議論していただくのは、「富岳」開発の事後評価を、まず今年度中に御審議いただく予定であり、また、次世代に関しましては、今申し上げたような、例えば、調査研究のようなことをするとすると、どういったことをすればいいかというようなことを御検討いただく予定で考えています。
【朴委員】 ありがとうございます。
【藤井主査】 よろしいですか。
このワーキンググループは、できればHPCIの計画推進委員会とも適当なタイミングで合同開催みたいな形で進められたらいいなというふうには思っています。それも含めて、今後の議論ということで、よろしくお願いします。
特にこれ以上コメントがないようでしたら、事務局にお返しして、最終的なまとめをしていただきたいと思います。よろしいですか。

事務局より、次回開催時期に関するアナウンスがあった。

藤井主査より閉会を宣言。
 

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