次期学術情報ネットワーク整備について(中間取りまとめ)‐SINET3からSINET4への移行‐ 用語解説

<B>

bps(ビー・ピー・エス)
 ・・・ bits per secondの略で、1秒間にどれだけのデータを伝送できるかの速度を示す単位のこと。
 1Mbpsは、1秒間に1メガビットのデータを伝送できることを表し、メガは、10の6乗を意味する単位の接頭語で「M」と表記される。(1M=1000K<キロ>)
 1Gbpsは、1秒間に1ギガビットのデータを伝送できることを表し、ギガは、10の9乗を意味する単位の接頭語で「G」と表記される。(1G=1000M<メガ>)

<C>

CWDM(シー・ダブリュー・ディー・エム)
 ・・・ CWDMはCoarse Wavelength Division Multiplexing(低密度波長分割多重)の略。一本の光ファイバー中に複数の周波数の違う光信号を通すことで、高速な回線を実現できる技術の一つ。

<E>

e‐Education(イー・エデュケーション)
 ・・・ ネットワーク基盤のもとに、高品質な教育コンテンツの創生・蓄積・編集・配信・共有(利用)を一元的に行い、分散・遠隔教育環境を実現すること。

e‐Science(イー・サイエンス)
 ・・・ 実験装置、観測装置、シミュレーション等から出力される膨大なデータや高性能コンピュータを駆使して、研究者がネットワーク上で共同しつつ進める新たな科学研究の方法のこと。

<J>

JGN(ジェー・ジー・エヌ)
 ・・・ Japan Gigabit Networkの略で、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が運用する研究開発テストベッドネットワークのこと。
 JGN(平成11年度~平成15年度)、JGN2(平成16年度~平成19年度)を経て、平成20年度から平成22年度までの計画として、JGN2plusが運用されている。
※ テストベッド : 技術の実運用のための実験・検証・評価を行う場のこと。

<L>

L1オンデマンド(Layer‐1 bandwidth on demand)
 ・・・ 「リソース・オン・デマンド機能」を参照。

<S>

SINET(サイネット)
・・・ Science Information NETworkの略。
 国立情報学研究所の前身である学術情報センターが、昭和61年度に運用を開始した従来の目録所在情報サービスや電子メールサービス等の利用のためのパケット交換網のサービスに加え、インターネット通信需要の増加に対応したLAN間接続を行う情報基盤として日本全国の大学・研究機関を接続するため、平成4年度から構築・運用した学術情報ネットワーク。運用が開始された平成4年4月時点において、47の大学・研究機関が接続。

SINET3(サイネットスリー)
 ・・・  日本全国の大学・研究機関を接続する基盤として、国立情報学研究所が構築し、平成19年度から運用している学術情報ネットワーク。
 従来のSINETとスーパーSINETを統合し、超高速ネットワークを実現した。また、その基盤の上で、研究・教育環境の高度化のため、先進的で多様なネットワークサービスを提供している。さらに、海外の研究ネットワークとも相互接続し、国際学術情報ネットワークの一翼を担っている。運用が開始された平成19年6月時点において、706の大学・研究機関が接続。

SINET4(サイネットフォー)
 ・・・ SINET3の次期の学術情報ネットワークのこと。

<ア行>

アクセス回線
 ・・・ 各大学・研究機関等が学術情報ネットワークを利用するために、各機関からエッジノードまでを結ぶ回線のこと。

エッジ回線
 ・・・ 接続拠点であるエッジノードとコアノードを結ぶ回線のこと。

エッジノード
 ・・・ 「ノード」を参照。

<カ行>

仮想閉域ネットワーク(VPN:Virtual Private Network)機能
 ・・・ 多数で共用する通信回線の一部を、通信相手を特定したプライベートな専用回線であるかのように仮想的に利用するサービスのこと。

空白県エッジノード
 ・・・ これまでノードが整備されていなかった県(「空白県」)に、新たに設置するエッジノードのこと。

グリッド・コンピューティング
 ・・・ ネットワークを介して複数のコンピュータを結ぶことにより、実際に1つのハードウェアとしてコンピュータを組み立てることなく、性能としては高度な計算能力を実現するシステムのこと。
 これにより、個々のスーパーコンピュータの能力を超える処理や、複数のスーパーコンピュータ間でのデータ共有を可能とする。

コア回線
 ・・・ 学術情報ネットワークにおけるコアノード間を接続する回線のこと。

コアノード
 ・・・ 「ノード」を参照。

<サ行>

最先端学術情報基盤(CSI:Cyber Science Infrastructure)
 ・・・ 全国の大学・研究機関が個別に保有している膨大な計算機資源(コンピュータ設備、基盤的ソフトウェア)、学術情報(コンテンツ、データベース)及び人材、研究グループ等を学術コミュニティ全体の共有財産として、超高速ネットワーク上に創り出すための基盤のこと。

上位レイヤ機能
 ・・・ 学術情報ネットワークを活用した、高度なネットワークの利用やコンピュータリソース共有の実現、新たなアプリケーション提供のための機能全般のこと。
 上位レイヤ機能は、分散された計算機資源やユーザの端末がネットワークを介して連動することで実現される。ネットワーク機能と上位レイヤ機能の連携により、研究教育環境のより一層の高度化が期待される。

情報基盤センター
 ・・・ 研究分野を限定せず、保有するスーパーコンピュータ等を日本全国の大学等の研究者の利用に供する全国共同利用の施設のこと。
 北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の7大学に設置されている。

ストレージ基盤
 ・・・ 研究・教育及び業務上の重要なデータを、安全にアーカイブあるいはバックアップするための基盤のこと。

スーパーコンピュータ
 ・・・ 大規模な科学技術計算に用いられる超高性能コンピュータのこと。

スーパーSINET(Super Science Information NETwork)
 ・・・ 従来のネットワーク環境では不可能な、膨大な量のデータを共有し処理することが求められる先端的研究プロジェクトを支援するための最大10Gbps(ギガビット/秒)の高速ネットワーク。国立情報学研究所が構築し、平成13年度から平成18年度まで運用。運用が開始された平成14年1月時点において、14の大学・研究機関が接続。

全国大学共同電子認証基盤(UPKI:University Public Key Infrastructure)
 ・・・ 認証とはインターネット等のネットワークを利用してデータのやり取りやサービスの授受を行う際、相手方が真にその名義人であるか、内容が改ざんされていないかを相互に保証するための仕組み。
 全国大学共同電子認証基盤は、大学間で学術リソースを共有し、有効活用するために必要となる利用者の認証を行う基盤のこと。

専用回線
 ・・・ 広帯域の通信回線の資源の中の一部を、通信事業者が固定的に帯域を割り当てて占有できるようにして提供される回線のこと。

<タ行>

ダークファイバー
 ・・・ 電気通信事業者が敷設している光ファイバーのうち、サービスが提供されておらず稼動していないもの。

データセンター
 ・・・ ネットワーク機器や管理サーバ等を設置するために24時間365日無停電の環境が維持されている場所のこと。
 データセンター側で、電源・空調の提供、入館管理等を行う。

トラフィック
 ・・・ ネットワークを流れるデータのこと。また、そのデータ量のこと。

<ナ行>

ノード
 ・・・ 学術情報ネットワーク用の通信機器、電源設備等を設置した施設のこと。
 エッジノードは、エッジ回線及びアクセス回線を接続する通信機器等を置く拠点。
 コアノードは、コア回線及びエッジ回線を接続する通信機器等を置く拠点。

ノード校
 ・・・ エッジノードを設置している大学等のこと。
 ノード校は、学術情報ネットワークへの接続機器の設置場所や電源・空調の提供、当該ノードに接続される非ノード校との調整や故障時の入館対応などを行っている。

<ハ行>

波長多重可変速光回線(ダークファイバー及びCWDM)
 ・・・ ダークファイバーとCWDMを合わせることで、高速な回線を実現したもの。また、光ファイバー中の光信号の数を増やす装置を増設することで、回線速度の増速を容易に行うことができる。

非ノード校
 ・・・ ノード校以外の学術情報ネットワーク接続機関のこと。非ノード校は、各自の契約によるアクセス回線で学術情報ネットワークに接続している。

ペタフロップス(PFLOPS)
 ・・・ 倍量を表す接頭辞のペタ(P)と、1秒間に何回浮動小数点計算が出来るかを示すFLOPS(Floating point number Operations Per Second)を組み合わせた、計算機の計算速度を表す単位の一つ。
 1ペタフロップスは1秒間に10の15乗回(1千兆回)の浮動小数点計算が出来ることを示す。
※ 浮動小数点計算 : 計算機の計算方式の一つで、物理シミュレーションなど、科学計算一般で使われる。

<ラ行>

リソース・オン・デマンド機能
 ・・・ 回線帯域などのネットワーク資源を、利用者の要求に応じて、必要な時に必要な分だけ確保し提供する機能のこと。
 これにより、限られたネットワーク資源を、利用者に柔軟に提供することができるとともに、ネットワークの利用効率を高めることが出来る。
 SINET3においては、L1オンデマンドサービスとして提供されており、伝送路回線中に臨時の専用接続環境を瞬時に割り当てて、超大容量のデータ転送や超高品質な通信を可能としている。

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研究振興局情報課学術基盤整備室

(研究振興局情報課学術基盤整備室)