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理研RIビームファクトリー共用促進検討委員会中間とりまとめについて
平成17年10月4日
独立行政法人理化学研究所和光研究所
フロンティア研究システム重イオン加速器科学研究プログラム
プログラムディレクター 矢野 安重
RIビームファクトリー共用促進検討委員会について
1. |
設置の目的 |
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理研の独法化に伴い、所の業務として「研究所の施設及び設備を科学技術に関する試験、研究及び開発を行なうものの共用に供すること」が加えられ、所の先端研究施設をどのような仕組みで外部研究者への共用に供すべきかを定めることが急務となっている。
かかる状況のもと、RIビームファクトリーでは平成19年度より本格的な共用の開始を予定しており、共用のあり方、それに伴う問題点を検討し、共用制度のあるべき姿を議論する理事長の諮問委員会として、RIビームファクトリー共用促進検討委員会を設置した。
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2. |
委員 |
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岸 輝雄(独立行政法人物質・材料研究機構 理事長) ※委員長 |
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磯貝 彰(奈良先端科学技術大学院大学 理事) |
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岡村 定矩(東京大学大学院理学系研究科 教授) |
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小澤 豊(三菱重工業株式会社技術本部先進技術研究センター長) |
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加藤 義章(日本原子力研究所 理事) |
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黒川 真一(高エネルギー加速器研究機構加速器研究施設 研究総主幹) |
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鈴木 厚人(東北大学大学院理学系研究科ニュートリノ科学研究センター長) |
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平 朝彦(独立行政法人海洋研究開発機構・地球深部探査センター長) |
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土岐 博(大阪大学核物理研究センター長) |
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鳥井 弘之(東京工業大学原子炉工学研究所 教授) |
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永宮 正治(高エネルギー加速器研究機構 大強度陽子加速器計画推進部長) |
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福山 秀敏(東北大学金属材料研究所・材料科学国際フロンティアセンター長) |
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御園生 誠(独立行政法人製品評価技術基盤機構 理事長) |
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室伏 きみ子(お茶の水女子大学理学部 教授) |
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3. |
スケジュール |
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○ |
第1回 平成17年6月28日(火曜日) |
○ |
第2回 平成17年7月1日(金曜日) |
○ |
第3回 平成17年8月9日(火曜日) |
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中間とりまとめ |
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RIビームファクトリ共用促進検討委員会・中間とりまとめ(平成17年9月)
1. |
共用促進の原則 |
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(1) |
理研が施設を共用に供する場合、その施設の性格に応じた共用体制を確立すべきであるが、RIBFにおいては、理研研究者と外部ユーザーにおいて研究内容に大きな相違がなく、ユーザーコミュニティとも非常に密接であるため、理研研究者と外部ユーザーとを区別しないパブリックな運営体制の確保が必要である。 |
(2) |
RIBFを広く共用に供するためには、共用に係わる経費を国が負担する仕組みを構築することが必要である。ただし、この仕組みは施設運営という使用目的を持った経費を国が負担することになるため、国がその運営に関わる方策として、施設運営・研究成果などに対し、国が何らかの評価を行う等のシステムの導入が必要である。 |
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2. |
具体的な方策として |
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(1) |
共用促進に当たっては、共用促進を主に検討する委員会を設置し、外部研究者の意向を反映させる運営を行うことが望ましい。 |
(2) |
外部ユーザーが独自の研究を行うことを可能にする体制の構築と、研究環境の整備が必要である。そのための制度である連携研究部門と連携研究者制度の創設を強く支持する。 |
(3) |
連携研究者アカウント制度は、外部ユーザーの研究環境を向上させる上で極めて有効である。事務的に困難が予想されるが、わが国で最初の例であり、実現を大いに期待したい。 |
(4) |
連携研究者制度を発展させ、大学と共同でセンターを作るなど、RIBFを利用するユーザーコミュニティ全体の発展を考えて行くことが必要である。 |
(5) |
外部ユーザーが競争的資金などを得てRIBFに装置を建設し、利用することは望ましいことであり、この制度を支持する一方、外部ユーザーが多額の競争的資金を獲得し、高額な基幹実験装置を作製することは現状では極めて困難であることも認識しなければならない。そのため、研究の基幹となる実験装置に関しては、施設者側で建設することを強く希望する。 |
(6) |
共用促進の成否を決める重要な条件は、支援体制の整備である。予算的な限度があるにしてもその整備を期待する。 |
(7) |
共用に係わる経費を国が負担することに伴い、国が何らかの評価を行うシステム等の仕組みを構築することは極めて重要であり、その実現のためには、関係機関と協力して国に働きかけていくべきである。 |
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3. |
意見の列記 |
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(1) |
RIBFが国内外の研究機関と密接に協力し、共にその成果の普及と社会への還元を図ることは、RIBFの重要な役目である。 |
(2) |
産業利用については今後の課題であるが、産業界が純粋な基礎研究を行う場合と営利目的で利用する場合とを分けて取り扱う必要がある。 |
(3) |
一方、外部ユーザーがRIBFを利用して得られた成果に対して、利益が発生した場合、RIBFの運営費負担のため、利益還元を求めて行くことが将来的には必要であろう。 |
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4. |
その他 |
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RIBFのような大型装置の効率的な運営及び共用を実現化するためには、専属的な組織として「重イオン加速器研究センター」を新設することが必要であるとの指摘が理研側から提示された。これは適切かつ重要な措置である。この点を最後に指摘し、強調しておきたい。 |
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