今後の産学連携の在り方に関する調査研究協力者会議(第4回)議事要旨 |
今後の産学連携の在り方に関する調査研究協力者会議(第4回)
議事要旨
日 時: | 平成12年10月30日(月)14:00〜16:30 |
場 所: | 霞山会館 まつの間・たけの間 |
出席者: | 阿部(座長)、井口、池上、今田、大滝、菊本、清水(勇)、清水(啓)、末松、野依、紋谷、安井の各協力者、溝上学術調査官 |
井上学術国際局担当審議官、磯谷研究協力室長、柴田研究協力専門官、中西科学技術庁研究基盤課長、谷通商産業省産業技術課長、他関係官 |
(○:協力者、△:事務局、▲:オブザーバー) | |
【特許等の取扱いにおける問題点について】 | |
○ | 大学から特許が出るという前提の下で議論を進めているが、大学から特許を出すにはどうしたらよいかという観点がある。このためには、大学に企業のニーズを伝え、企業から研究費をもらって研究を行うことが効果的である。企業側から現在の特許の仕組みを見たとき、果たして資金を出しやすくなっているかという観点が重要である。 |
○ | 私学は共同研究、受託研究のスキームを比較的自由に変えられるが、国立大学の共同研究、受託研究のスキームは決まっており、特許は全部国に帰属、又は企業との共有になっている。そういう点を踏まえた議論が必要である。 |
○ | 企業の方が進んでいる分野では、もはや、大学の研究に期待しないという感じがないわけではない。日本の企業が日本の大学に出している研究費は約700億円、外国に出している研究費が約1,800億円であり、外国の比率が増えているのが現状である。企業が日本の大学にアプローチしにくいことが問題だと思う。冠講座などで、企業が研究開発したい分野を大学に行ってもらうことも必要。 |
実施化について、TLO、JSTありきで議論しているが、今後JSTとTLOだけで物事を進めていくと企業はおそらく離れていく。産業界が参画するような形で特許のマーケティング機能を強化する必要がある。ただ、JSTは外国企業との間の契約について経験が豊富なので、そのノウハウは是非活用すべきである。 | |
○ | 企業の日本の大学離れについて、必ずしも研究費を出した企業に特許を持たせれば解決するとは思えない。 |
○ | スタンフォードやMITに共同研究を申し込むと、交渉時に大学に有利な条件を示してくる。ただ、企業がアプローチしやすいような仕組みは重要である。大学同士で行うこともあるし、プロを仲介とすることもあるし、大学の中のTLO組織が企業と直接交渉するということもある。特許については、海外の大学の方が企業に対して厳しいことを言ってくるのは事実である。 |
○ | 企業がやりやすい方向を見つけることが大事である。それには、大学の研究者が、どれだけ企業から受けた研究に専念できるか、という兼業の問題が絡んでくる。この問題は将来、独立行政法人になった際に、大事な問題になってくると思われる。 |
○ | どういうふうにすれば、特許が出て、国益にかなうかということを考えなくてはいけない。分野によって産学連携の在り方は異なる。医薬等では、基礎的な研究の段階から企業と共同して研究することが多い。いろいろな分野の方の意見を集約し、利益が出たときに社会にどれだけ還元できるかということを考えて、実効性があがるようなことを考えてほしい。 |
○ | 大学における材料分野の研究成果をライセンシングするとき、企業と相当長期の共同研究を実施しないと、大きな事業にはならない。今の共同研究のスキームでは、特許の帰属が半分は国有になり、その国有特許をTLOで活かす途は今のところ閉ざされている。これがいつもデッドロックになる。そこで帰属の問題に風穴を開けてもらえば、かなり大学と企業との距離は縮まる。あるいは、共同研究の枠組を変えていくか、共同研究で国有になった特許をTLOが優先的に管理ができるようにするだけでも随分違う。 |
○ | 企業が特許の帰属を主張するには、資金を出したというだけではできない。特許法では、発明を一緒にするなどしなければ発明者にはなれない。受託研究・共同研究は、権利の全部又は一部が国に帰属する。国に帰属した権利をTLOにどうやって移転するかが一番の問題である。国有の特許をTLOに譲渡、又は管理権だけを取得させるか、あるいはサブライセンス付き専用実施権を与えることなどが、企業にとってもインセンティブになる。 |
○ | 企業のニーズを出発点として、共同研究、受託研究を実施し、技術移転を行う際、一番の障害は特許の帰属である。サブライセンス付きの専用実施権が企業側に設定できるようになるだけでも改善になる。 |
○ | 奨学寄附金に基づく研究により生じた先生の発明について企業が特許を譲り受けるという慣行が日本の大学の大部分で行われてきた。大学の先生の発明を表にだして、その利益を大学及び先生に還元する制度がなかった。奨学寄附金は見返りを予定すべきものではない。先生からでた発明については、企業との共有・国有に関係なく、契約に基づいてTLOが関与していきたい。随意契約など何らかの運用上の措置でTLOに譲渡し、TLOと企業、TLOと大学との間で契約により、大学あるいは国へ利益を還元していくという体制を作っていきたい。そうすれば、企業からのニーズもうまく引き寄せられるのではないか。 |
○ | 企業との共同出願の際、大学は不実施であるという条件を設ける代わりに、企業が実施した場合には、その利益を大学側に還元してもらう、又は、企業が実施しない場合は、大学は第三者に実施させることができるという取り決めが望ましい。ただし、日本の大企業のほとんどは前例がないと取り合ってくれず、交渉が難航している。産業界と大学の双方が歩み寄って一つのスタンダードを作らなければ共同研究はうまくいかないのではないか。 |
大学で生まれた研究成果を活かしていくためにはルールとメカニズムが大事である。ルールとは、大学で生まれたモノは誰に帰属させるのか、ということである。メカニズムというのは技術移転システムのことである。ルールについては、国と個人との切り分けは、研究が一種類の研究費だけで実施できるのであれば明快に分けられるが、今のように一つの研究にいろんな研究費が入ってくると、区分が難しい。メカニズムについては、国有については全く機能していないのではないか。 | |
国立大学の個人有特許については、学外にTLOを作ると、特許の移動、売れた場合の大学への利益還元の際の税務処理など、いろんな問題が生じる。学外の機関が大学全体のルールを決めることは可能なのかという問題もある。ただし、帰属主体が違っても管理主体を一本化できるという形が可能なら一つの解決策となるのではないか。 | |
○ | 国立大学の場合、共同研究は国と企業との共有になる。国に半分いったものがどういう形でTLOにもっていけるのかが問題である。 |
○ | 特許が国有であること自体が実に不便であり、機能していないという認識があってもよい。 |
大学の事務体制についてだが、今の特許についての議論は個人有を中心にしている。個人の財産に対し大学の事務官が労力を割くのは非常にグレーゾーンではないかという点がある。事務官というのは担当部署を短期で移動しており、担当者育成のための特許教育というのは難しいのではないかという問題もある。 | |
○ | 国有特許を外国企業に使用させることができるのか。 |
△ | 国有特許を海外の企業に活用してもらったという例はまだないようだが、制度上不可能ではない。 |
○ | ライセンスはできるが、国の場合は通常実施権しか出せない。企業は通常実施権だけでは面白くない。JSTも通常実施権しか出せないというのが大きなネックになっている。 |
○ | ある技術というのは一つの特許でできるものではなく、複数の特許で構成されるものである。技術を移す際、これは国有、それは企業有と複雑なためにできないという話もある。 |
○ | 共同研究や技術移転に関する事務局体制についてであるが、企業の事務方はしっかりしているが、国立大学の事務方は訓練されていない。外に出して経験を積ませるなり、プロに頼むなり、やり方はいろいろある。 |
○ | 知的財産そのものと、権利化すること、さらにはそれを商品化することは、全く違う。権利に価値があるかどうかは市場で決まる。市場の中で売り買いができるものになれば、企業はそれに見合った金を出すのではないか。 |
【特許の帰属と管理の在り方について】 | |
○ | 実施化の流れが、国立大学の場合非常に複雑であり、企業から見たらさっぱりわからない。アメリカの場合は非常にシンプルであり、わかりやすい。資料4の枠組みを前提として、その手直しをするのか、または中長期的に見てこの流れを非常にシンプルでわかりやすいものにするのかを考えなければならない。 |
枠組みの手直しだけでは、問題は解決しない。企業サイドも含めた、実施化の流れをどうシンプル化できるかということに今回の会議の目的があるのではないか。 | |
また、企業に対しては、奨学寄附金に見返りを期待してはいけないとすることが必要。共同研究、受託研究の手続き等はTLO、JST等を窓口として、明確化する。 | |
○ | 帰属主体が違っていても管理主体を一本化するという案については、現状であれば管理主体はTLOを想定していると思われる。帰属主体が国又は個人であっても、管理主体を株式会社とすることが実際可能であれば、大きな方向性を示せる。また、マーケットに任せるという話はよくわかるが、大学の研究成果は、アーリーステージであり、磨いていかないと、そこまでにはつなげられない。 |
○ | 企業と接触したり、特許を商品だと割り切った考え方ができれば、大学の先生も良い特許を出せるのではないかと思う。 |
また、企業の方にも問題がある。企業自体が特許に対する関心が薄い。しかし、これからはアメリカのプロ・パテント戦略などにより、国内でモノが売れても海外では売れないという事例が出てきて、そういう危機感を持っている企業と話をしたりすれば、大学は、商品的価値の高い特許についての書き方がうまくなると思われる。 | |
○ | ポテンシャルはあるけれども、大学の研究はすぐには実用化できないのではないか。 |
○ | 良い特許を生むと金が集まるという仕組みを考えた方が良いのではないか。プライベートマネーもある程度許容するなどしてはどうか。海外は申告すれば認めるようにしている。 |
△ | TLOへの国有特許の譲渡が可能であれば、TLOが一括して管理できる。帰属の在り方にはいろいろと議論があるようだが、帰属がどうあれ企業から見てマーケティングの主体、管理主体が一本化されていれば活用しやすくなると思われる。短期的な問題と長期的な問題に整理してたたき台を作成した。 |
○ | 資料4を所与の概念としていかなければならないのか、それとも全部変え得ることはできないのか。国有という形になっても国有財産法の関係からするならば管理権なり譲渡なり一応理論としては考えられる。一番重要なのはTLOにどうやって持っていくかということである。 |
○ | 大学と企業との共同作業でできなければ良い発明はできないと思われる。これからは、発明自体について国益のためにあらゆる人が協力していくようにしなければならない。研究の在り方と権利の所在はパラレルに考えなければならない。 |
○ | 企業にとっても大学にとっても非常にメリットがあるのは、公開されるまでに技術を売ることである。大学発の技術の流通を考えると、オプションで秘密契約により流通することを重視する必要がある。 |
○ | 現在の国有財産関係法令上でも随意契約は可能ではないかと思うが、発明段階で随意契約の時の代金をどう判断するかが問題。 |
人材の件だが、内部でも人材を育成すればうまくいくと考えている。TLOは、外部から人材を連れてくるには資金が不充分なので、大学内の人材に協力してもらう必要がある。 | |
○ | 一番の問題は発明委員会の存在である。発明委員会という大学側の組織を通さない限り、企業側から帰属がどうなるのか見えないというのは問題である。帰属がどうなったか監視する組織は必要かもしれないが、それがなくても帰属がわかる仕組みを作るべきではないか。例えば、受託研究や科学研究費補助金によるものは国に、それ以外は個人に帰属するように分けてしまい、管理主体はTLOなどにするという形がシンプルで良いのではないか。 |
○ | 現役の立場からいうと、発明とは、我々の発想であるとか、他の人との知恵のかけ算などから生まれるものであり、お金の問題ではない。お金の種類で縛るというのは、我々のような研究を魂と思ってやっている人間にとってはなじまない。 |
○ | 私は私学に今いるが、特許をどうするか議論をした結果、大学に全部帰属させることに決めた。ロイヤリティーが入れば、1/3は発明者、1/3は学科、1/3は次の特許出願のために大学がもらうというふうにした。雇用契約書に職務専念義務があるのは当然だが、知的所有権に関しても同時にサインを書かせようと現在考えている。外部から様々な人が大学に入ってくるので、研究を大学の教育研究活動の一環として行ったのか企業のために行ったのか契約ではっきりさせておかないと、特許はなかなか出願できない。 |
○ | 窓口をきちんと決める、権限をどの程度持たせるかという話は結構であるが、もう一つ企業サイド、特許権を市場で売り買いする立場になったとき、何を求めるか。企業サイドにいる特許を扱っている人間の意見を集めるべきではないか。そして、それらの要望に対して現在の法律で、できることとできないことを整理すべきではないか。そうすれば全体の絵がわかるのではないか。 |
○ | 現行の手直しと理想形態では違うと思われる。長期的なものと当面の問題と両面に分けた方が良い。 |
○ | 海外の事例を見ると組織有に持っていかないところは必ず混乱が起きてうまくいっていない。こういう現実を見据えた上で戦略を立てるべきだというのがTLOを成功させるために必要である。 |
○ | 権利帰属の問題が一番重要であり、最後はTLOが全部管理できるようにするのが望ましい。日本の特許法では、研究する過程が職務であるならば、できあがった発明は職務発明であり、最終的には勤務規則等により組織が所有できることになる。現段階では国を通じて全部TLOに持ってくればよい。そこをはっきりさせれば、後は企業等との関係で権利帰属の話がでても解決できる。 |
○ | 最終的にTLOが交渉できるような仕組みになれば、帰属の関係は二の次と思える。将来独法化された場合、大学として対企業戦略をどう練るかを考えると大学帰属が望ましいと考えられる。それまでのつなぎとして、どういうシステムがいいのかというと、国有でも、個人有でもTLOをうまく使ってその権利を確保していくことが産学連携を進めていく立場から見てもやりやすい。 |
【JSTとTLOについて】 | |
○ | TLOができる前は、JSTが大きく貢献してきた。TLOがこれだけ増えてくると、JSTとTLOが並び立つような方向で考えて欲しい。JSTが絡むものは全てJSTが実施権を許諾する権限を持っているという現行の制度を見直してほしい。TLOがJSTと同じ案件を扱っているのであれば、TLOにも(マーケティングを)やらせていいのではないか。 |
○ | 各TLO単独では、各TLOが連携することによる大きな発明、ある大学とある大学の発明をコンポジットすることによる大きな発明という視点を持てない。TLO協議会ができたので、そういう形が作れるように話し合いをしていきたい。 |
○ | JSTは国有だけでなく、個人有についても大学の先生の発明をサポートしているため、どんなことをしても連携していかなくてはいけない。そのためにTLOとJSTがマーケティングで契約をして、寄与の割合で利益を分配できるような仕組みを目指している。 |
○ | JSTには、二つの面があり、一つは国の特許をうまく運用していくことであり、サポート体制は日本の中でトップである。もう一つは非常にいい研究プロジェクトを持っていることである。外国との契約について、いろいろな経験を持っているので、それを是非活かしていただきたい。また、新しい形を作る際、核になるのは現在のTLO、JSTかもしれないが、産業界、特許事務所などを巻き込んだ方がよい。 |
▲ | TLOとJSTとの連携はいろいろなフェーズでできるとは思う。省庁再編後の研究環境・産業連携課では、JSTの技術移転部門とTLOを両方お世話することになるため、連携を図っていきたい。 |
○ | 将来、独法化して各大学が内部的にTLOを持ったとき、マーケティングと特許係争をどこが行うのかというのが問題になると思う。この辺をうまくJSTみたいな組織に依存できるようにしないと個々のTLOで対応していたらつぶれるのではないか。 |
▲ | 特許係争の場合、専用実施権を設定すれば、設定された側が責任をもってそれに対応するということになる。通常実施権の場合は、設定された側が共同して対処する、あるいは中心になっているところが特許紛争に対処することになる。その原則に従って処理することになると思う。 |
【独法化に向けた対応について】 | |
○ | 大学の独法化のスキームが見えて来ないが、産学連携の責任体制、技術移転の責任体制がはっきりしないという側面と、研究協力者会議の方からこうしてほしいと提言していかないと本来のスキームがちゃんとしたものにならないという側面の両方があると思われる。 |
△ | 本協力者会議によって中・長期的な姿と短期的な対処法を整理して示してもらえば、文部省の担当部局が来年度中に独法化の制度設計を行うと聞いているので、できるだけその中に織り込んでいきたいと思っている。 |
○ | 独法化は、特許の帰属等を考える上でまたとないとタイミングである。独法化になったとき、その法人とその教官との間に雇用契約を交わして、そこに帰属の問題も含めてやるというのが極めて現実的である。 |
○ | 組織有にすると、各大学が特許を持つことになり、大学間の競争を促すためにも組織有がいいのではないか。 |
△ | 雇用契約で、という話は、独法の姿が公務員型なのか非公務員型なのかとも関係がある。職務発明の規定をどうするかという問題については、他省庁で独法化するケースが出てくるので、それらも参考にして検討していく必要がある。 |
○ | 将来の方向としては是非組織帰属としなければならないし、独法化のときしかそのチャンスはないと思われる。組織帰属にすれば明快になり、組織としてのルールも作れるようになる。一番望ましいのは組織帰属にして、その組織がTLO的なファンクションを持つことだと思う。特許の話ばかりしてきたが、扱うものは大学で生まれたものを全て(著作権等)カバーすべきではないか。 |
○ | 独法化されれば、組織帰属がよいと思うが、組織の定義を部局レベルまで広げて、それぞれの帰属意識を強めるべきではないか。 |
○ | 帰属意識が大事なのは確かだが、シーズを評価できる人材がいるのかという問題がある。研究者側から見ると、TLOに果たして専門的に信頼性があるのか、という疑問がある。自分の研究を一番高く評価し、深く理解してくれる人に相談したい。TLOが一番大きなリターンをもたらすのは、最も基礎的な、商品からほど遠いところにある種をピックアップすることだと思う。 |
○ | 一つの大学で対応できるというのは、小規模なところであろう。大きな大学では全ての分野をカバーするのは難しく、特色のある所をターゲットにして行うしかないのではないか。MITの例だと、産学連携センター長が、産学連携、地域連携、社会の動向について対応できる研究分野だけを見ているという話である。大学にそういった機能を持つことが大事である。ある一定のルールを決めて、ただし運営はフレキシブルにするということではないか。国が特許を持つなら、大学が一旦持つことにして後で国に移管するとか特殊なケースに限った方がいいのではないか。 |
○ | TLOは実際人数は少ない。これだけ広い分野で非常に深い研究が進められている時に、そういうものが充分理解できる人を集められるかというと、非常に難しい。専門家であればあるほどうまくいかないこともある。 |
○ | 今後TLOは次々とできてくると思うが、その大学で強い分野、いわゆる特色が出てくるのではないか。この技術に関しては、この大学のTLOにお願いするというネットワークを作るなど、日本全体にそうした評価をするグループがいるという形にしないと現実には対応しきれないだろうと思う。そうしない限り、間違った目利きが間違った判断をし、芽をつぶしてしまう可能性がある。TLO協議会を通じて各々のTLOが、ここならまかせとけという力を持ったTLOを育てていくことが重要だと思う。 |
○ | そのネットワークに産業界のエキスパートも巻き込んで評価をしてもらうことが研究者として一番信頼感があると思う。ただ特定の企業ならいいということではなく、いくつかの産業界の特許関連のオフィスを巻き込まないと、研究者側から信頼されるオフィスはできないのではないか。 |
▲ | 現時点の問題は、技術移転の主体と権利者、広く言えば権利者と社会の接点、インターフェイスが明確になっていないことである。現行法で対応は可能であり、ルールを各行政庁が決めていないというだけのことである。なるべく早急にルールを決めてやらねばならない。産業界の技術移転に関わる人の話を聞くと、10人中10人が、大学とやる場合まず時間がかかるという話をする。何処と、誰とやったらよいのかというのは、大学だけでなく我々の国研でも問題となっているから、法人化したときには、窓口を一本化しようと検討している。 |
(文責:学術国際局研究助成課研究協力室) |
(研究振興局研究環境・産業連携課)