政策評価に関する有識者会議(第55回) 議事要旨

1.日時

令和3年8月2日(月曜日)13時30分~15時

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 令和2年度実施施策に係る政策評価書(案)について
  2. 文部科学省の使命と政策目標等の見直しについて
  3. その他

4.有識者委員からの主な御意見

1. 令和2年度実施施策に係る政策評価書(案)について

○文部科学省より資料1-2に基づき、令和2年度実施施策に係る政策評価書(案)について説明があった。その後、質疑応答がなされた。
委員からの主な意見は以下のとおり。

(長我部座長)
・測定指標の在り方や基準の付け方も発展途上であり、施策が動いているのか適切に判定するために政策評価を行っているということが、各担当者に伝わるようにすることが重要。
・測定指標の設定に係る労力について、過度に労力をかけても継続性がなくなる可能性があるが、重要な施策については力を入れて充実させた指標を作ることも重要ではないか。

(林委員)
・前年度比、過去3年度比といった目標設定自体は悪いものではないが、判定の基準が問題。目標から遠ざかっているという事実に対して、達成しているという判断が適切かについては、評価書を通じて再度精査が必要。

(貞廣委員)
・ロジックモデルの考え方にのりやすいものについては、政策的介入をしたときにタイムトレンドでプロセスの改善が見えるように、指標を年度ごとに変えるような思考も必要。ロジックモデルに馴染むものについては、指標の設定に工夫をし、重要なものがすくい取れないということの無いようにしてほしい。

(高木委員)
・毎年低い評価が続いている施策目標について、レビューを行って、適正な計画目標の改善を実施すべき。その内容が次年度に反映されて、目標達成に向けた新たなチャレンジを実行するような仕組みが必要なのではないか。

(湯浅委員)
・達成目標と指標が乖離しているものがいくつも見られる。そもそも指標がきちんと設定されていないと評価もできない。様々な計画の見直しに併せるなど、何が問題で今後どうしていくべきかの共通認識を持ったうえで、評価を行うことが重要。各委員からの意見をまとめて担当課に伝え、達成目標と測定指標の乖離が無いようにすべき。

(杉谷委員)
・施策目標によっては、部局を越えて総合的に勘案する視点が重要。また、施策目標で細分化していけばいくほど精緻な評価になっていくだろうが、評価の負担も大きい。重複も出てきたりするので、これらのバランスをうまくとりながら提案していければよい。

(南島委員)
・目標が達成できているのかが重要で、PRできるところをしっかりすべき。S評価など高い評価がついているもののみならず、高く評価されてないものの中にも優れた取組があるので、PRできるものがきちんと表に出てきているか見直してほしい。PRがしっかりできる部分があれば、職員のモチベーション向上や予算要求にも有効ではないか。
・現在の政策評価の基本計画期間中は大きな仕掛けの変更は難しいので色々見直していった上で、次の基本計画の改定の際に、様々な改善のアイディアが盛り込めるように準備してほしい。
・個別の基本計画の見直しがなされる中で議論していくと思うが、指標が変更・上書きされた際のルールをどうするのか、委員に照会するなどを含めどのような手順で見直しをオーソライズするのかといった点については、検討の余地があるのではないか。

(金藤委員)
・施策の達成目標と測定指標については、すべて同じ重みづけでフラットに並んでいる。達成目標や指標は経年変化をたどる必要があるとともに、社会の変化に対応する短期的なものの設定も必要ではないか。
 

2. 文部科学省の使命と政策目標等の見直しについて

○文部科学省より資料2-1~2-3に基づき、文部科学省の使命と政策目標等の見直しについて、説明があった。その後、質疑応答がなされた。
委員からの主な意見は以下のとおり。

(林委員)
・今後、新体系に合わせて様々な事業群を作っていくと思うが、新旧両方の体系を見ないと正しく評価ができないような気がする。枠組みが変わったときに、古い枠組みでしっかりやってきたものであって新体系においては不十分になるようなものや、新体系で新しく行う事業の両方の情報があると評価しやすいのではないか。

(南島委員)
・科学技術・イノベーション基本計画はいつ改定か概ね予想可能なので、本来であれば、旧体系の方で評価の総括をかけたうえで、新しい科技基本計画を作るという手順があると素直。文科省の政策評価は5年に1回評価をするという形なので、それに併せて整理ができるとわかりやすいのではないか。今回は計画期間の途中なのでやむを得ないと思うが、次の政策評価の基本計画の改定の際に、手順をどのように整理するのかを論点として持ってほしい。
 

3. その他

○文部科学省より資料3-1、3-2に基づき、政策評価結果の政策への反映状況について、資料4に基づき、令和3年度政策評価に係る主なスケジュールについて説明があった。
委員からの主な意見は以下のとおり。

(長我部座長)
・経済財政諮問会議が、年央にデータ活用に関する整備プランを策定するということになっているが、策定後どのように実現していくかの見通しはあるか。

(貞廣委員)
・教育特性を踏まえたEBPMの取組はとても重要と認識。期待としてお願いしたいのは、定性的にしか表現できないものも何らかの形で定量的に表現していくような開発的な研究も視野に入れ、中長期的には研究者と行政が連携して行ってほしい。
 

以上
 

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