資料2 前回までの検討会議における主な意見

1.学事暦の多様化とギャップターム推進の意義 

(1) 大学や学生をめぐる課題、海外における事例 

(2) 学事暦の多様化の意義

・4学期(ターム)制の導入により、「学生・教員の国際流動性の向上」「学びの質の向上」「社会体験活動等の機会の充実」を促進

(3)ギャップターム期間中の活動の意義

・修学目的「なぜ学ぶのか」の明確化
・忍耐力のあるタフな人材の育成、  ・幅広い視野の獲得
・コミュニケーション能力、適応能力の向上
・企画力や行動力の育成、  ・勤労観の醸成
・異文化理解など国際的視野・感覚の育成、語学習得       等
      ⇒期待される効果の例:成績の向上、中退率の低下、バーンアウトの防止就業力の向上

2.ギャップターム期間の時期、活動内容等の在り方

(1)ギャップターム期間の時期等と学生の身分保障

・学生側の学びの姿勢を転換してマインドセットをするためには、大学教育が始まる前が効果的。
・一律に秋入学にするのではなく、各大学の教育目的や学生の状況に応じて、入学前入学後、就業前など、時期は多様であってよい。
・何度も行くことが学びにおいては重要。
・ギャップターム期間は短くても3か月から半年は必要ではないか。
・高校卒業後何の身分も無い状況は、学割が適用されず、インターン先も見つけにくいという問題が生じる。このため、4月以降は学生を入学させた方がよい。

(2)ギャップターム期間中の活動内容と対象者の規模

・国内外の事例によれば、ギャップターム期間中の活動は「留学」「インターンシップ」「ボランティア」「自由な研究活動」など多岐にわたる。
・活動プログラムを企画する主体別に分類すると、1 大学が企画運営する形、2 学生が企画し大学がそれをサポートする形、3 学生が自主的に行い大学は関与しない形等がある。
・高校卒業者全員を対象とすべきである。
・希望する学生全員が経験できるようにすることを目指すべき。
・活動内容は学生の自主性・自発性が重要だが、18歳全員を対象にしようとすると、この点を担保出来ないのではないか。
・学生が無為に過ごさないようにするため、大学により設計されたプログラムに期待する。カリキュラムの中に組み込み、単位を与える形も考えられる。学生が企画した活動を入学等の条件とする場合、しっかりとやり遂げたかどうかをフォローしていく必要がある。
・留学以外にも企業と連携したインターンシップ等、大学が学生側にある程度のプログラムメニューを提供していくことが大事。
・NPO法人などの団体が提供する既存のプログラムの活用も有効である。

(3)活動資金の確保

・学生からは、アルバイトをすれば実質的な活動期間が短くなるため、奨学金等を望む声がある。
・親元から支援を受けられない等の経済的余裕がない学生に対する配慮が必要。
・お金を稼ぐ大切さが分かるように、活動資金は学生がアルバイトで稼ぎ、一部を支援するというマッチング方式は教育効果が高い。

(4)学生の安全確保と危機管理

・海外等広い地理的範囲における学生の行動であるため、危機管理が困難。国際インターンの実施期間中24時間体制でのサポートを行っていて、担当教員は大変な状況という例もある。ただ、あまり細かくやると、何のために留学させるのかということになる。
・海外に行くことにリスクは確実にあるが、留学で危機管理能力を身に付けると考えるべき。
・安全面から大学がJICAと連携することも考えられる。
・保険会社との一括契約ができない中小規模大学に対して国の財政支援があると、普及していくのではないか。

3.学事暦の多様化やギャップタームの推進のための支援策

(1)社会や企業におけるギャップターム活動への理解・協力の促進

・学生は留年や1年遅れることを非常に恐れている。親や高校の先生を含めて、そういった固定観念を変えて理解を広めていくことが必要。企業がギャップターム経験者を採用すると宣言してもらうと効果的。
・企業としては、1~2年卒業が遅れても問題なく受け入れようと考えている。また、産業界も資金援助や人材の活用といった側面の支援を行っていく責務がある。産業界としてどうあるべきか考えていきたい。
・ギャップイヤーが普及すると「就職に有利」という噂が流れる可能性がある。お仕着せではなく、学生の自主性を大事にした活動プログラムを学生が受けたのかどうかを評価できる仕組みが必要。
・英国等のように、プログラムの質を認定する民間団体などの組織が設立されるべき。

(2)国等による支援策

・ギャップイヤーが海外で広まったきっかけも実践の積み重ねが認められたから。 大きな制度変更よりも現行の制度の中でロールモデルを確立していくことが必要。
・対象となる学生を増やすためには、大学がプログラムの大枠を提供し、学生を指導するメンターの存在が必要。国は、自主的に取り組もうとする大学に対して積極的に支援するべき。
・ギャップターム期間中の活動用の奨学金を設けることを期待する。
・日本からの留学生を倍増させるための国の新しい留学支援制度は、ギャップイヤー活動の普及において大きな役割を果たすと考える。

4.その他 

・「ギャップターム」という用語や定義をどうするのか、検討が必要。

お問合せ先

高等教育局大学振興課大学改革推進室

(高等教育局大学振興課大学改革推進室)