平成24年度大学入試センター試験に関する検証委員会(第4回) 議事要旨

1.日時

平成24年3月27日(火曜日)14時~16時

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 平成24年度大学入試センター試験に関する独立行政法人大学入試センターにおける検証状況について
  2. その他

4.出席者

委員

相川委員、及川委員、岡本委員、佐野委員、長澤委員、藤原委員、森副大臣、城井大臣政務官

文部科学省

板東高等教育局長、德久政策評価審議官、常盤審議官、尾崎審議官、池田大学振興課長、平野大学入試室長

オブザーバー

柴田試験・研究統括官(大学入試センター)、荒井試験・研究副統括官(大学入試センター)

5.議事要旨

(○:委員、●:大学入試センター)

1)事務局より配布資料について説明の後、独立行政法人大学入試センターから平成24年度大学入試センター試験の実施に係る検証状況について報告後、主に次のような意見があった。

○ 監督要領等の用語が分かりにくさについて事後的に大学にアンケートしているが、こういうことは事前に大学から意見聴取をしていないのか。

● 監督要領の表記は、大学の入試担当課長を対象に連絡協議をする機会に、用語の定義について何度もやりとりをし、理解されていたが、入試担当課長が学内で監督者に説明することが難しいことが事後的に判明した。

○ 事後的な検証は、ミスの有無に関らず入試センターとして実施を考えていたのか。

● 毎年、監督要領等に関して、1月終わりから2月にかけて自由記述方式で大学に問題点を提出してもらっている。それらの意見を参考に、必要に応じて修正・変更を行っている。

○ 大学教員は、試験監督業務には不慣れなため、今回の監督要領等の表記では実施上、困難が生じるのではないかと入試担当課長が危惧をしたということか。

● そう捉えている。大学によって異なるが、例えば3年に1回ぐらい試験監督が回って来る大学では、実施方法の変更を説明会で初めて聞くことになるが、前回の実施方法をもとに変更点を理解してしまうことが一部にあったのではないかと危惧している。

○ 監督者が多い大学では、詳細に周知徹底ができなかったのではないかということについて、国公私別の傾向はどうか。

● 国立と私立には大規模試験室がある。公立は相対的に小規模試験室が多い。国立は私立に比べ試験室数が多い。一概に国立、私立の違いは言えないが監督者が200名を超えると、トラブルの発生率が高いことがデータからは読み取れる。

○ 問題が起きた大学の事例と問題が起こらなかった大学の事例をシェアすれば、同じミスが繰り返されないと考える。

○ 大学へのアンケート結果から見ても、監督要領の記述内容の見直しと、地理歴史と公民の問題冊子の合冊化が今回の配付ミスの改善の一番のポイントではないか。

● 入試センターが行う入試担当者説明会、学内の監督者説明会ともに監督要領を使っており、監督要領を初めて見る人でも理解できるように改善していかなければならない。また、問題冊子も1試験時間では1冊の問題冊子の配付が求められているということと認識している。

 

2)事務局より資料6、7及び机上配付資料について説明後、主に次のような意見があった。

○ 試験当日に、入試センターの実施本部に対して各試験場からいろいろなトラブルの報告や相談が来ると思うが、対応マニュアルはあったのか。

● 通常のマニュアルは、事前に準備している。今回のトラブルは想定になかったため、入試センターの実施本部にて急遽検討し、試験時間の確保、場合によっては第1解答科目と第2解答科目を入れ替えるという対応策を各実施大学へ緊急に指示した。試験終了後の対応としても、配付ミス試験室が他にないか緊急に各実施大学に確認をお願いした。

○ 東北大学における気仙沼試験場へのリスニング機器の輸送ミスの件のように、検証結果が公表されれば、問題の所在や防止策が明確になる。他の大学についても同様に公表すべきではないか。

○ 今回のトラブルに関する大学から入試センターへの事故報告では原因分析等はされていないという理解でよいか。

● 原因分析等はされていない。

○ 試験実施大学での各本部等でのトップはどういう役職の者が就いているのか。

● 実施体制について、マニュアルでは、各大学は学長のもとに入試担当教員で構成する実施本部を設けること、試験場ごとに実施場本部を設けて教職員を配置し体制を整えること、各試験場本部の試験場責任者は学部長クラスの教員が就くことになっている。

○ 大学内の監督者説明会資料として、入試センター作成のスライドは非常に使用率が低かった結果について、何が原因なのか。

● 入試センター作成スライドが全ての試験場にうまく適用できるような形に十分なっていなかったという点は反省が必要だが、入試担当者自らが作ったスライドの方が監督者の状況に応じてポイントを押さえた説明ができるということかと思う。

○ 実際に配付ミスがあった大学で、共同実施の意識と説明会の参加意識が希薄であると回答した者が同一であれば、ミスの発生原因の一つと捉えられ、そういう意識の見直しをすべきという改善策も出てくると思うが、相関関係はあるのか。

● この種の調査では、回答者側に揺らぎがあり、個別にそこに当たることはあまり説得的な根拠にならないため、集計結果以上のことはないと思う。

○ 入試センターの説明会後、各大学から懸念が示されたと思うが、それを反映したトラブルの想定や対策の検討を入試センターではされたのか。

● 監督者には、問題冊子等配付確認表の他に、受験生の配付パターン毎に色分けした用紙を受験生の席の受験番号の上に貼付し、併せて確認するよう大学に追加指示をしていた。また、監督要領では、試験開始前に配付漏れがあれば、受験生に挙手をしてもらうことになっていた。

● これまでも実施方法・受験方法の変更は何度か行っているが、より単純化する方向での変更がほとんど。今回は、隣の試験室と自分の試験室の問題冊子の配付方法が異なり、配付方法の情報交換をしても監督者の参考にならなかったという困難さがあった。

○ マニュアルどおりにやればミスはなかったと思うが、地理歴史と公民の2冊を同時に配付することが明記されていれば、結果は違っていたと考える。問題冊子配付に係る指示内容は見直し項目になるのではないか。

○ 確かに問題冊子を両方配付すると記述すればより分かり易いと思うが、大学教員なら普通に読めば、解答用紙は分けて配付するが、問題冊子は最初に配付すると理解できるのではないか。

● 配付確認表は大変分かり易いと思うが緊張した状態では、この表を確認しながら問題冊子を配付しても間違えることがあるということが今回の配付ミスの根幹だと思う。

○ 各試験時間、各試験室の問題冊子配付等確認表の実物は、会場に入る際に受け取るときが初見なのか。

● その通りである。

○ 試験室に行く前に自らの試験室の配布パターンを理解していたかどうかは、実際に聞いてみないと分からないと思うが、試験会場というのは異常な空間ができており、受験生ばかりでなく監督者もその雰囲気に呑まれていくようなことがある。

 

・事務局から今後の日程について説明後、閉会。

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