平成24年度大学入試センター試験に関する検証委員会(第1回) 議事要旨

1.日時

平成24年2月22日(水曜日)10時~11時45分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 平成24年度大学入試センター試験の検証について
  2. その他

4.出席者

委員

相川委員、及川委員、岡本委員、佐藤委員、佐野委員、長澤委員、藤原委員、森副大臣、城井大臣政務官

文部科学省

板東高等教育局長、徳久政策評価審議官、常盤審議官、池田大学振興課長、平野大学入試室長、小谷教育制度改革室長

オブザーバー

柴田試験・研究統括官(大学入試センター)

5.議事要旨

(○:委員、●:大学入試センター、□:事務局)

  岡本委員を座長に選任後、議事の公開について了承が得られた後、事務局より配布資料について、説明があった後、審議がなされた。

(2科目受験導入の意義や準備状況等)

  □ 大学関係者からの強い要望があった2科目受験導入のメリットは、これまで選択できなかった科目の組合せが可能となり、大学は、受験生の多様な能力を判定する際の選択の幅が広がることになる。受験生は、科目選択の幅が拡がることで、学習成果をより発揮しやすくなる。そういう点を考慮し、平成24年度センター試験から導入に踏み切ることとした。

  ○ 新しい試験方法の実施に向け、例えば、模擬実施をやって、リスク検出をして、それからの周知徹底を図ることも含めて、大学入試センターは説明会に臨んだのか。

  ● 今回のスケジュールどおりの試行テストは最終的には行われていない。

  ● 最も混乱が少ないと考えた方法で実施したが、試験当日にこのような混乱が生じたことについては誠に慙愧に堪えない。

  ○ 受験生の科目選択の幅を拡げることは受験生が求めているのか。細分化することが逆に受験生に非常に負担になっているような気がする。

  ○ 科目選択の幅が拡がったことは、生徒にとってみれば、よかったのだろうと思う。

  ○ 大学入試センターは、細部まで本当によくやっているが、やっていることがむしろマニュアル化されてしまい、新しい制度や手法を導入したときに見落としたものが見直されないという点で、リスク管理が甘かったのではないか。

  ○ 実際に試験を実施する会場校の立場として、センターにも工夫する余地があったのかもしれないが、最終的には会場校に大きな責めがあると自戒している。

  ○ 今回と全く同じ試験を想定したシミュレーションはしていないということだが、実施したシミュレーションはどのようなことを想定し、その結果として何を変更したのか等について資料を提出してもらい、検証することが必要。

 

(トラブルの要因と今後の検証の方向性)

  ○ 今回のトラブルは本当に単純なミスで、防げることはたくさんあったのではないか。防止すべきことが大学の担当官にどれぐらい周知され、試験監督者がどれぐらいマニュアルに沿って準備をしていたのか。受験生の立場に立ち準備をしたなら、今回のトラブルは起きること自体が不思議。

  ○ リスニングのプレーヤーは、機械だから故障もあるだろうが、数が届いていないということは考えられないミス。

  ○ センター試験は、中立公正に全国で展開するもので、それを担保するものは、マニュアルだが、地理歴史及び公民の問題冊子を最初に2冊とも配付することが明記されていなかった。

  ○ 地理歴史と公民の問題冊子が一冊になっていれば、今回のミスは起きなかったのではないか。

  ○ 入学試験は0.0001%でもミスがあると、試験そのものが崩壊すると言われている。そういう意味では、今回、会場数でいうと約1%だが、非常に大きい。

  ○ 検証に当たっては、制度上もしくは枠組みを管理する側と実施責任を持つ側の問題を区分して考えるべき。実施面では、入試センターは、枠組みを変えた場合には、あらゆるリスクを事前に洗い出しておくべきである。起きないで当たり前のリスクを管理するのがリスク管理である。

  ○ 監督要領が206ページもある。事務局の説明では、各科目ごとにしか使わないとのことだが、具体的にどのように使われているのか、それから、実施者側に、せっかく準備しているマニュアルの内容などがどれぐらい伝わっているのか。毎年現場に立ち会う人と2年後に回ってくる人で受け止め方に濃淡があるのではないか。

  ○ この検証委員会の大前提として、来年度試験で同様の問題を発生させないことを目標に設置した。検証項目は大体ここに挙がっているもので、きちんと具体的に検証していかなければならない。

 

(センター試験のあり方、リスニング)

  ○ 大学入試センター試験は、全国一律で大規模に実施しなければいけないという前提がある一方で、多様性のニーズへの対応が年々増えてきている。多様性のニーズに対応し続ければ限界が来ると思うが、今回がその限界なのか、それとも、これから限界が来るのかについて、検証してほしい。多様性のニーズに対する限界なのであれば、試験の在り方そのものも見直しをしていかなければいけない。

  ○ 試験の体制そのものが限界に達しているのではないかというような問題提起もこの中であると思う。そういう問題については、大学改革タスクフォースや、中教審の場で議論する話だが、問題提起は是非してほしい。その問題提起に至る実態の検証の結果まで提示できればいいと思う。

  ○ リスニングテストが導入されて、高校側への影響、あるいは英語能力、リスニング能力について、その効果の検証が必要ではないかと思う。

  ○ リスニングテストは導入してから7年経つが、果たしてこの方法でいいのかどうか。なぜトラブルが起きているのか、その効果はどうであるのか等々についてきちんと検証する必要がある。さらには、リスニングテストの検討の方向性の提言を是非してほしい。

 

・事務局から今後の日程について説明後、閉会。

 

お問合せ先

高等教育局大学振興課大学入試室

電話番号:03-5253-4111(内線2469)

(高等教育局大学振興課大学入試室)