大学における教育情報の活用支援と公表の促進に関する協力者会議(第3回) 議事録

1.日時

平成23年7月6日(水曜日)17時00分~19時00分

2.場所

学術総合センター1階 特別会議室

3.出席者

委員

(委員)
井上洋,岡本和夫,金子元久,鈴木典比古,関根秀和,髙倉翔,早田幸政,福原美三,水上貴央,宗像敏夫,渡辺善子
(特別委員)
浅田尚紀,圓月勝博,小田一幸,佐久間勝彦,村上哲也,山田信博

大学評価・学位授与機構特別研究員金性希

大学評価・学位授与機構評価企画課長小笠原千寿
大学基準協会大学評価研究部主幹土居希久
日本高等教育評価機構評価事業部長伊藤敏弘
短期大学基準協会事務局長竹田貴文

文部科学省

小松高等教育局審議官,義本高等教育企画課長,榎本高等教育政策室長,西川高等教育政策室室長補佐,石橋大学振興課課長補佐

4.議事録

【鈴木座長】  大学の教育情報の公表、あるいは活用というテーマは、国内外の状況について幅広い観点から検討していくという必要があるために、前回までの会議では、米国における大学の教育情報の動向、あるいはインターネットを活用した教育内容の公表と、また、各大学での教育情報の公表・活用の状況、さらに、認証評価の過程での教育情報の取扱の状況等々について、現状を確認し、議論を進めてまいったところであります。
 本日は、引き続き、国内外の状況につきまして、現状を把握し、論点の確認を行っていきたいと思います。1つは、教育情報公表の制度化を受けまして、各大学では、ホームページを通じて情報の公表が行われておりますので、その状況について見ておきたいと思っております。もう一つは、諸外国における教育情報の公表の状況について、本日はイギリスと韓国の例を説明していただくということにしております。これらを踏まえまして、教育情報の公表及び活用に関する課題について整理をしていきたいと思っております。
 また、本協力者会議では、本日を含めまして、3回にわたって教育情報の公表・活用に関する論点を確認するということになりますので、次回以降にこれまでの議論を整理していきたいと考えております。
 そこで、本日は、協力者会議の議論を整理していくための骨子案を事務局で作成しておりますので、あわせて議論をしたいと思っております。

(文部科学省から配布資料の説明)

【鈴木座長】  諸外国の事情等につきまして、前々回の会議では、アメリカの状況について確認いたしましたけれども、本日は、イギリスと韓国の状況について、また、国内のデータベースの例について説明をいただいて、検討を深めたいと思います。
 本日は、大学評価・学位授与機構の金特別研究員にご出席いただいておりまして、韓国の状況についてご説明をいただきたいと思っております。それでは、順番ですけれども、イギリスの状況、韓国の状況、国内のデータベースの例の説明という順でいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。まず、イギリスの状況からお願いします。

【榎本高等教育政策室長】  資料3をご覧ください。1枚めくりますと、イギリスに関係して幾つか入れております。まず1ページですけれども、左上のほうですが、イギリスでは、大学ごとに学生数、教員数、収入の状況、キャンパス、面積ですとか、もろもろのデータは全部大学ごとに載っています。そういった基本的なデータに加えまして、幾つか教育活動に着目したperformance Indicatorというデータ集があります。1ページの右側のほうでは、中退に関連するデータを一部抜粋して載せてみてあります。この1ページの表、にイギリスの場合、中退は2つ考え方があるというふうにしていまして、1つは、その大学はやめたけれども、別の高等教育機関に転籍した人、そういった人は中退とは別な扱いにします。それとは別に、純粋に高等教育機関からいなくなった人という方についての割合を出します。
 それがこの1ページの表ですけれども、その際は、大学を見ていきますと、この表の右から2つ目の高等教育機関に在籍していない人の割合という数字がありますが、これをごらんいただきますと、大学によって大分数字が違います。イギリスの場合には、これは、大学はそれぞれ違うのだから、大学ごとのベンチマークというのをつくって、そのベンチマークとの差というのを評価といいますか、大学の活動状況を見る際の指標にしています。こういったデータベースに関しまして、ここでは中退のことを挙げましたけれども、ほかにも、例えばいわゆるマイノリティーの分野からの進学がどうなっているかですとか、あるいは卒業後の就職状況がどうかといったことについて、大学ごとにそれぞれのベンチマークをつくって、各大学の努力を比較するというふうにしています。したがって、こういったperformance Indicatorは、大学は多様であるということを前提とした上で情報を出していこうというふうな取り組みがあります。それが1つ目です。
 2ページでは、それとはまた違ったデータの話として、Unistatsという略称がありますけど、そういったのを少し3ページ目からウェブサイトの図を入れてみてありますけれども、これは、イギリスではいろんな大学団体がいろんなデータを集めていますけれども、それを大学団体の持っているデータを横断的に、横串で見られるようにしている仕組みです。これは、インターネットで分野を選択して、かつ大学を3つぐらい選ぶとその状況が出てくるというふうな仕組みになっていまして、ここでは3大学、バーミンガム、ケンブリッジ、シェフィールドというふうに挙げてみましたけども、3ページでは、基本的な数字がちょっと入っています。学生数が何人とか、それから、入学するときのスコアが幾つとか。
 4ページでは、今後は学生の満足度という調査があって、その結果をここで引用しています。満足度の調査は非常に項目いっぱいあるのですが、その上のほうだけ掲げてみてありますけれども、どれぐらい満足しているか、あと、教え方がどうかとかという項目があります。
 5ページの上段に円グラフがありますが、これは卒業するときの成績、イギリスは学位キーにファーストとか、セカンド等ついていますけれども、そういった成績がどうなっているのかというのを円グラフで表現しています。こういうことによって、どういうふうな成績授与方針であるかということもわかるようにしています。
 6ページでは、これは卒業後の進路、就職という観点で、それぞれの大学でどういう業種が多いかということを上から並べるようにしています。
 それから、7ページのほうにいくと、今度は、これは基本的な数字ですけれども、学生数が何人、それから、男女比がどうとか、それから、成人学生がどれぐらいいるとか、あるいは留学生が何%いるとか、そういった基本的な学生の構成比をつけていて、それから、一番下のところには、QAA reportということで、大学の評価の報告書にリンクが飛びようになっています。こういったインターネット上のデータベースといいますか、大学の状況をわかるようにする仕組みというのがあります。このイギリスの仕組みも、この三、四年ぐらいで急速にできてきているものです。
 8ページでは、先月イギリスで出た報告書の抜粋を入れてあるんですが、イギリス、これも大学団体、そのファンディングを担当している団体と、それから、イギリスの学長会議が一緒になった今後の情報公開の方向性というのが出ているのですが、一応それを入れてみてあります。この8ページの上のほうで、ちょっと字を小さくして小文字で入れてありますけれども、ここでは社会(public)に対する情報を出すということを定義していまして、そこでpublicとは何かという定義があったので、入れて見てありますけれども、高等教育機関に雇用されたり、専門的な関連はないけれども、強い関心を持つ人と。代表的なものとしては、現在、または将来の学生、その保護者や助言者、初中教育機関、雇用者、メディアといったところを社会と位置づけて、こういったところにどういう情報を出すかという観点で報告書を出しています。これによりますと、2012年、来年の秋から各大学では、主要情報(key Information sets)というのを各大学のウェブサイトで公表しましょうというふうにしています。こういった各大学で公表する情報を出しましょうという点では、日本におけるこの春からの教育情報のやり方と似ていると思いますけども、そこで、学生の満足度、卒業後の成果、学習活動ですとか、あと、授業料、学生支援、適格認定の結果といったことは必ず出しましょうと。それから、加えてということで、各大学は加えていろんな情報を出しましょう。各大学のミッション、それから、質保証の方針、教育の実施方針、あるいは他大学との連携方針とか、それから、学位課程の状況ということでプログラムガイド、それから、学びの質と水準といったものを出しましょうというふうにしています。
 9ページでは、架空の大学の公表の仕方というサンプルがありましたので、入れてありますけれども、数字が大きく載っていまして、69%の学生が満足しているとか、それから、卒業後の年収が大体平均2万1,000ポンドであるとか、そういった観点で情報を出すようにしましょうという目安が先月出ていまして、これをベースに各大学、来年の秋までにこういったものを整備するというふうになっています。
 10ページ、これはイギリスから外れますけれども、ヨーロッパの例として入れておきましたが、ヨーロッパの中で学生の移動を積極的に進めていくという観点からU-Mapという考え方が、これもプロジェクトとして始まっていまして、これは各大学の取り組みを、この絵にありますけれども、レーダーチャートのようにして表現するということで、大学によってこのレーダーチャートの向きとか、形とか、大きさが違うということを大学の個性と位置づけて、こういったことを積極的に出すようしてはどうかと。これも実践というよりも、まだこういうプロジェクトですけれども、こういった検討が進んでいるという状況でありまして、イギリス、それから、ヨーロッパにおける各大学の状況を発信するようにする仕組み、検討が進んでいるとうい状況でございます。

【大学評価・学位授与機構 金特別研究員】  韓国で、情報公開制度が始まったのは2008年の末です。教育関連機関の情報公開に関する特別令が制定されて、その以降、公開されるようになったのですが、基本的には、公開というと、閲覧とか、そういう要請した場合の公開を指しておりまして、このときに韓国が積極的に閲覧とか、データの要請なしで義務的に公開することにするということで、公示という言葉を用いております。11ページを見ていただきますと、現在、13領域におきまして、65項目が公開義務となっております。学校の規則などをはじめ、教育課程の編成だとか、運営に関する事項、こういう教育、学生、教員、財政とか、そういう面について公開されるようになっております。
 12ページですが、大まかに大学情報公示制度の概要を説明いたしますと、すべての高等教育機関がデータを義務的に公示しないといけません。先ほど説明いたしましたので、その公示範囲としては、13分野の65項目で、細部の内容としては99に至ります。公示単位は、その大学単位ももちろんですが、学科や学部別で、専攻単位で公開される項目もあります。公示回数ですが、項目別更新周期が違うので、年1回や2回、または随時公開する項目があります。これに従わなかった場合は、政府からの是正や変更命令が下ります。大学長の役割として、その特別令に示されておりますが、年1回以上大学情報を公示し、教育科学技術部長官に提出するとなっております。2011年度は、438機関がこれに従ってデータを公開することになっております。
 13ページ目ですが、情報公示制のシステムです。主務部署は、もちろん教育科学技術部でありまして、基本的な計画を立てたり、承認したり、総括関連機関と項目別管理機関を指定します。または情報公示運営委員会を構成して、その運営をしておりまして、この会議で政府が追加する項目だとか、削除する項目だとかを議論していきますし、総括管理機関としては、去年までは韓国教育開発院(KEDI)というところで、今までの韓国の教育基本データを持っていたので、そこで管理をしていましたが、今年からは大学入試のことも、韓国大学教育協議会で行うことになったので、外部評価も含め、システム上、大学情報公示センターをKCUEに移管して、今年からはKCUEが総括管理機関として任務を果たすことになっておりまして、こういった指針を立てたり、そういう全般的なことをこのKCUEでやっておりまして、項目管理機関といいますと、今まで大学情報、最初の2008年度のときには55項目でしたが、去年、今年、幾つかの項目が増えたので、現在は65項目になっておりますが、それぞれの項目が大学が直接入力するのは46ぐらいで、ほかはこういった今まで管理してきた機関で項目を入れるようにしております。ですので、大学側から見ると、そんなに負担が多いわけではないというシステムになっております。
 その情報公示の活用のところですが、14ページであります。実は、韓国の場合、情報公示を考えるときには、国の全体的な評価システムの中の一部として考えないといけないし、そういうふうに実際フレームワークの中に入っておりまして、自己評価も情報公開とともに義務化されて、その評価結果を公示しないといけないことになっております。自己評価手法に各大学は、その公示項目を活用して自己評価をしていくわけですが、大学は、自分の特性に合わせてそういう評価モデルを開発したりしております。さらには、この公開された項目、大学情報が外部評価にも活用されまして、全体的に見てみますと、大学の評価の省力化といいましょうか、負担が減少しているところでございます。
 実際公開されているホームページですが、アカデミック・インフォというホームページがありまして、そこですべての情報を閲覧することができます。それを15ページからの実際のホームページを示しておりますが、最初のページから、これは、一番上の表示されている統合比較、大学別検索、主要指標別検索、大学競争力とか、そういったものがリンクされておりまして、このページは統合比較検索のページであります。項目が大項目から小項目、学校種類までは選択が必須でありまして、そこをクリックして閲覧したい大学を見ることができます。
 それで、次のページが実際統合比較を検索してみた結果を載せております。大項目は教育・研究、小項目は卒業進路、で、学校の種類は、大学を選び、一般と私立大学、さらに、地域としてはソウルにある大学を検索した結果の画面でございます。こういった一覧が出ておりまして、エクセルファイルとしてダウンロードができますし、そのまま印刷もできるようになっておりまして、実際こういうデータを用いて、大学側は、経営、分析だとか、他大学との比較だとか、そういうことに用いております。研究者レベルでもこういった情報をダウンロードして、就職率等の影響だとか、そういうことを分析、現在、活用しているところであります。
 さらに、続きまして、17ページ目は、これは2010年度から新しく追加された項目でありまして、大学競争力を示すことになって、大学競争力とは、一般大学と専門大学だけですが、一般大学はもう7つの項目、競争力、これをもって全体の平均値と自分の大学がどこまで競争力を持っているのか、それを示すところでございます。地図から検索できますし、学校名を直接入れることもできまして、大学の一覧からクリックしてその大学を直接見ることができます。
 次のページが競争力の実際の結果をどういうふうに示されているか。星印を1から5まで等級間に分けてこういうふうに結果を出しております。これは韓国のソウル大学の例で、去年度の例でございます。在学生充足率は125点、値が出て、5つの星がつけられておる。そういったふうに大学の競争力を見ていくことができますし、これと別に、また一個一個の項目をクリックすると、その平均値と比較した数値の棒グラフが表示されます。そういった画面も実際提供されております。
 19ページ目は、ソウル大学の情報公示ウェブサイトの例ですが、これもすべてがアカデミック・インフォのホームページ上リンクされているところでありまして、主要情報と詳細情報、そして、そのリストの目録のページがそれぞれありまして、こういった棒グラフとか、PDFファイルとして5年間の分が見られるようになっております。
 20ページ目が続いての例ですけれども、目録の部分をクリックしますと、そのデータをだれが作成したのか、その作成者を確認するところもございますし、最後の部分で高等教育法の第11条の2によって大学評価結果を載せることになっておりまして、この自己評価、韓国では自体評価と呼んでおりますが、この自己評価の結果をPDFファイルでまとめたものと大学側に直接リンクできるようなふうにデータを提供しております。

【西川高等教育政策室室長補佐】  国内のデータベースの例について、引き続き説明させていただきます。国内のデータを4つご紹介したいと思いますが、例としておりまして、国内にはこのほかにもたくさんデータベースはございますので、幾つかデータベースがある中で、今回は独立行政法人が用いていたものを、その事例をご紹介させていただきたいと思っております。
 まず、21ページ、1つ目が、大学評価・学位授与機構が保有しております大学情報データベースでございます。この大学情報データベースは、現在、国立大学のみを対象として、国立大学のデータが登録されているところでございまして、国立大学法人評価で使われております。国立大学に対してその活動の改善に資するためにデータを提供するということを目的としているところでございます。個々の大学のデータの内容については、公表はされておりません。実際にこのデータベースから分析できる内容について、教育水準、研究水準といった観点で幾つか項目がございまして、こういった内容が登録、あるいはそこから分析ができるということになっております。
 公表されてないと申し上げましたが、左下のグラフがありますように、個々の大学は出ておりませんけれども、全体の平均の数字というのは公表しているところでございます。
 続いて、大学入試センターが持っておりましたハートシステムというデータベースがございます。大学入試センターのハートシステムは、さまざまな大学に関する状況を志願者に情報提供するということによって、適正な進路選択に資することを目的に導入したものでございます。これによって進路選択・進路指導に活用できる、あるいは検索機能を備えることによって情報提供を実施していくということで導入されたものです。これについては、昨年度末もって廃止をされておりまして、23年度以降は、センター試験に関する情報提供というのを大学入試センターのほうではされているところでございます。このハートシステムで得られていた情報の項目としまして、右側にありますように、大学の基礎的な情報、あるいは学部・学科ごとの教育課程、あるいはアドミッション・ポリシーの情報、さらには、入学者選抜に関係する幾つかに情報、一般選抜、あるいはアドミッション・オフィス入試ですとか、こういったものについての関係と実施日ですとか、その内容、情報が検索できるようになっておりました。さらには、オープンキャンパスの情報、あるいは公開講座の開催情報、そういったものの検索できるような形で公表されていたところでございます。
 続きまして、23ページは、日本学生支援機構が保有しておりました学生支援情報データベースでございます。日本学生支援機構の学生支援情報データベースは、大学における学生支援の各種の取り組み、あるいは調査統計資料を一元的に収集・蓄積、提供するということによって、大学における学生支援の充実に資するということを目的として導入されたものでございます。学生支援の窓口の情報、あるいは学生支援プログラムの情報、教職員の支援プログラム、研修会ですとか、そういった情報が検索できる形で提供されていたところでございます。これについても、昨年12月に廃止されているところでございます。
 実際の内容としましては、学生支援の窓口ということで、各大学の学生相談機関ですとか、就職支援・キャリア形成支援を行っている機関、あるいは部署の情報、さらには、学生プログラムとしてメンタルヘルスの関係の研修会・講演会の開催情報ですとか、インターンシップ、さらには、キャリア形成支援に相当する科目の情報、あるいはガイダンス・セミナーの内容、そういったことが情報提供されていたところでございます。
 続きまして、最後24ページは、国立大学財務・経営センターの国立大学財務・経営情報提供システムの概要でございます。こちらのシステムは、各国立大学における財務・経営の情報を分析して、各国立大学等に提供することで経営支援に資するということを目的に導入されていたものでございます。国立大学等の財務諸表、あるいは人件費等に関するデータというものをセンターにおいて収集・分析をされて、その結果を閲覧できるようにすると。あるいは刊行物として情報提供するということをされておりました。これについても、昨年度末で廃止されているところでございます。
 実際の提供項目としては、決算年度のデータとして、貸借対照表をはじめ、財務に関係するデータ、さらには、前年度のデータというものも含めております。右側には、それを簡潔にまとめた概要というものがありまして、その例を掲載しているところでございます。こういった独立行政法人の例としては、こういったデータベース、あるいは情報提供システムの例がありまして、これをご紹介させていただきました。

【鈴木座長】  イギリスの例、韓国の例、それから、国内のデータベースの例等をご説明いただきました。ただいまの説明につきまして、特段のご質問がございましたら、お願いいたします。

【渡辺委員】  例えばイギリスの例で、3ページから7ページまでこういう比較も含めて見られますというお話がありましたが、これは大学単位で見られるというのは、ここで分かったのですが、例えば学部とか、学科とか、そういうレベルでも見られるようになっているのでしょうか。

【榎本高等教育政策室長】  これは大学ごとというよりも、分野ごとで見られます。ここでは学部の歴史学科に限定しています。大学全体というよりも、この分野を勉強したいという高校生がいて、そこで3つぐらい大学を選んで見るというようになっています。学部によって大分状況が違いますので、分野に特化した形でのデータベースになっています。

【福原委員】  ちょうど今、ご説明になったところに絡みますけど、まさにその分野を選んでいるというのは、それは明確に提供者が高校生、入学を希望している人たちに対しての情報提供ということで、このシステムが成立しているということですか。

【榎本高等教育政策室長】  かなり高校生を想定しています。これはファンディングカウンシルと同時に、イギリスの大学入学を担当しているUCAS、そういったところと連携してやっていますので、おっしゃるとおりだと思います。

【髙倉委員】  13ページの総括管理機関のところでご説明がありました。KEDIからKCUEに総括管理機関が変わった背景というのは何でしょうか。

【大学評価・学位授与機構 金特別研究員】  公にされているその背景を見てみますと、KCUEが学生の入学業務を去年から担当することになりました。加えて韓国では、唯一の4年制大学の認証評価機関として認定されました。ですので、外部評価のときとその入試の情報、学生さんの情報だとか、多様な情報を持っていますので、KEDIからKCUEに移管することが業務の効率化を図るためにいいと判断して、KCUEに移管されました。

【渡辺委員】  日本のデータベースのご紹介がありましたけど、時を同じくして幾つものデータベースが廃止ということになっている。これは何かあったのでしょうか。

【西川高等教育政策室室長補佐】  経緯といたしましては、昨年、一昨年行われました事業仕分けの独立行政法人の業務の仕分けの中で、これらについては廃止という判定がありまして、それを踏まえて見直しをし、この3つについては廃止をしたという経緯でございます。

【渡辺委員】  活用されてなかったということはあるのですか。

【西川高等教育政策室室長補佐】  実際は一定の検索数もございました。ただ、高等教育関係で4つのシステムがあるといったことですとか、こういったデータベースについては、例えば民間でもできるのではないか、そういった意見が仕分けの中の議論ではありまして、そういった意見を踏まえた判断だということでございます。

【山田委員】  大学評価・学位授与機構に大学情報データベースというものがあるのですけれども、これをどのように取り扱っていくかという議論が国立大学協会の大学評価委員会で、2度ぐらい行われています。その中では、もちろんこの全てのデータが公表に適しているかどうかという議論もしていかないといけないということになっていますけれども、基本的には情報公開を進め、業務負担なく簡素な形で積極的に社会に対して説明責任を果たしていくという上では、この学位授与機構の大学情報データベースを利用しながら公表していこうというような考え方になりつつありますし、また、いろいろな大学から意見も聴取しましょうという状況になっています。

【圓月委員】  韓国の事例について1つお伺いします。内容については非常によく分かったのですが、例えば大学競争力という言葉がありましたけれども、この公表の目的というのはどういうものとして理解されているのか、また、どういう方がこの情報を見ると考えられているのでしょうか。

【大学評価・学位授与機構 金特別研究員】  この大学競争力は、政府としてグローバル競争力を高めるために必要な項目だけを、まず大学競争力の指標として活用しました。公表することによって大学側の自律的な競争力を高め、さらに、大学教育の質を高めようという意図があったわけです。ですので、大学側もこういった指標に力を入れて良い数値にしようと努力しているのですが、韓国の場合、教育熱心な国でありまして、さらに、こういった競争力の指標に関しましては、メディアの報道もあり、大学側も敏感になっているところです。

【水上委員】  本日、英国と韓国の事例を教えていただきまして、大変参考になりました。どちらの事例も見ながら思ったのですが、まず、情報を開示していくということを考えるときは、誰に向かって情報を開示するのかということがおそらく非常に重要なんだろうと思います。ターゲットは誰なのかという議論はいろいろあって、そこには納税者であったりとか、あるいは学生であったりとか、企業であったりとか、様々なターゲットがあります。様々なターゲットがあるというところまでは、恐らく全く異論のないところだと思いますが、その次の段階として、その教育情報を公開していこうとするときに、メインのターゲットは誰か、つまり、それぞれのターゲットが全くフラットに同じ位置どりなのか、それとも、特にこの人に対してはよくよく公開しないといけないというメインのターゲットがあるのかないのかという議論が次にあると思います。韓国と英国の例を見ると、かなり明確に、これはまず高校生なんだということがはっきりと出ています。納税者ではなくて、高校生なんだということがはっきり出ているという気がしています。高校3年生の人が比較検討してどこの大学に行こうかということに、きちっと活用できるデータでなければ意味がないんだということは、英国や韓国の例を見るとはっきりしていると思い。
 特に印象に残ったのは、8ページの新しい制度では、主要情報をウェブ上で公開しなければならないと言っている。この主要情報(key information sets)というものに、まさに学生の満足度とか、卒業時の成果とか、さらに言えば、就職している場合は給与水準まで出すようになっているわけで、これは、まさに高校生が比較検討するために必要なものが主要情報なんだということを英国では明確にうたっているというところが、私は一つポイントだと思っています。今後、教育情報の公開を考えるときに、様々なターゲットがいるけれども、どこがメインのターゲットなのか。例えば高校生だとすると、やはり高校生が使える情報の形で出さないと結局意味がない。高校生が大学を比較検討できるような形で出さない情報であれば、どんな情報を出しても何の意味もないということに基本的にはなるのだと思います。
 私は、その点で少なくともメインのターゲットの一つは、やはり高校生なのでではないかと思っています。もう一方のメインのターゲットは企業なのかなと思っていますけれども、一番大きなメインのターゲットは高校生だと思います。何故かというと、一番情報格差が生じやすいということだと思います。ある意味、納税者というのは、国とか、地方自治体が自分で国家権力なり、行政権力を使って調査しようと思えばできますから、それは情報格差はそれほど大きくないと思うのですけれども、高校生は、こういう情報がわかりやすい形で公開されない限りは、自分でコストを払って情報を収集するということは基本的にできないという主体だと思います。
 また、例えばボールペンを買おうというときに、このボールペンがいいのか、別の会社のボールペンがいいのかというのは、試しに買ってみればいいわけです。試しに買ってみて使い勝手のいいほうを、次にまた買えばいい。つまり、一般消費財であれば、試行錯誤は消費者がすればいいという議論があるけれども、高校生が大学を選択するときに試しに入ってみればいいということは、基本的にはあり得ないわけで、最初の失敗で後悔してしまったら、もう基本的には人生台なしだということになってしまうと思います。だとすると、高校生の確実な選択というものを支援する情報を出すということは、どうしても大学というものがその構造上持っている責務になっているのではないかと私は考えていますが、このターゲット論の議論を他の先生にもご意見をいただければ幸いです。

【金子委員】  今のお話はそうだと思いますが、ただ、私は情報公開というのは、ただ単に高校生に対する視点、進学を選択する際に参考になるということだけではなくて、一般的には質的水準の維持、それから、もう一つは、システム的な効率性の確保ということも非常に大きな目的としてあると思います。その3者がかなり密接に関係しているというところは、こういった情報公開を考える際に非常に重要な点ではないかと思います。
 確かに、これを見ていますと、表面的には特に公開している部分は、高校生向けに分かりやすいように出ているところが目立つわけですけれども、しかし、それはどう使われるかというか、それがどういう影響を及ぼすかということから言えば、質的な維持、質的水準維持の観点も非常に強いわけです。例えば韓国の場合は、先ほど髙倉先生からお尋ねがありましたけど、KEDIがまずやっていて、それから、KCUEに戻ったというのはどういう意味かというのはあって、私は、KEDIの担当者から聞きましたけど、結局やはりかなり政治的な問題もあったようですが、ただ、問題は、ただ単に指標を作るだけではなく、質的水準、御存知のように、KEDIというのは、質的維持に関して今まで責任を持っていた団体で、そこが扱うほうがいいのではないかという議論があった。これはもう少し先で議論になると思いますが、一般的に適格認定団体とこの情報公開の機関が一元化したほうがいいかどうかは議論があるところで、韓国の場合も、一元化したことによって、やはり問題があるんじゃないかという議論もあると思います。
 イギリスは、データを統合して表わしているのであって、その主体自体は違っているという形態を今とっていますが、ただ、最近の改革はかなり一元化しようという方向に向かっているので、これもちょっと問題あるところで、適格認定と情報公開というのがどのような関係にあるのかというのはかなりきちんと考えなければいけない点であるということは事実であろうと思います。
 それから、重要なのは、こういった情報公開というのが行われることによって、いろんな大学の姿が表われてくるということで、例えば韓国の場合、このインディケータが出ていた新聞をこの前見ててなるほどなと思いましたのは、ある新聞が一人当たりにかかっているコストと授業料を一覧して出していまして、そのような形で社会的な関心が喚起されることもあります。
 それから、イギリス場合は、明らかに、特に昨年のブラウン・レポートでしめされた改革は、学生を消費者と見立てて市場的に賢い選択をさせるのが一番その効率性を高めるということなので、ある意味では、やはり社会的効率性というのも非常に重要だということになるのだろうと思います。
 そういう意味で、確かに高校生というのは一つ重要な点ですが、こういった情報公開というのは、ただ単にそれにとどまらず、あるいは、それをやることが質的水準維持とか、社会的なシステムの効率性につながるということも重要な点ではないかと思います。

【早田委員】  今日の御報告を聞いて、非常に各国の事例、有意義だと思いますが、イギリス、それから、韓国のこういう情報公表の項目を見て、もちろんターゲットが高校生であれば、彼らはこれを見て、大学を選択すると思うのですが、日本に当てはめた場合、こういう項目というのは、従来から強いと思われている伝統的な大学にとって非常に有利な情報のような気がします。そういう意味では、大学の質の保証という観点では、従来の指標ではなく、大学が教育の改善のために努力をしていることを十分伝えて、そして、学生を獲得しようというところから見ると、どうかという気はします。
 イギリスの場合、満足度についてのことが出ているというのは、少し視点が違うと思いますが、今日配付されている資料を見ますと、そうした既存の情報のほかに、大学の強みをどう伝えていくかということについてもきちんと情報を提供する、そういう仕掛けを考えていくべきではないかというように言われている。ですから、そこのところの整合性をどう図るのかということは、やはりきちんと考えていかないといけないのではないかと思います。
 例えば日本でも今、公表されていないけれども、大学評価・学位授与機構の情報収集の項目を見ましても、それは、いわゆる研究力において強みを発揮している大学に有利に作用しているので、これがベースに教育情報の公表という枠組が拡大していくということには恐らくならないのだろうと思います。要するに、各大学の潜在的な競争力、目に見える、あるいは数値で見えない、そういう潜在的な競争力を示すことができるような仕組みというのを考えていくということが大事なのかなと思いました。
 それから、情報の収集といわゆる適格認定というか、アクレディテーションというのを一元化させる、あるいは相当程度密接に連動させるということについては、私も金子先生と同様の危惧を覚えております。

【井上委員】  私ども、経団連で会合を開きますと、人事の方が集まってくるわけですけれども、毎年何十人、何百人と採るような会社であれば、ある程度の大学、学部、あるいは学科、コースなどで、大体どういうレベルの知識を修得してきたか、教育を受けてきたかというのは少しずつ蓄積されていきます。御存知のとおり、今、就職に関して学生たちが焦りに近いようなものを持っていて、一斉に来るようになっている。しかも、大学の数も、あるいは学部、学科もどんどん増えている。もちろん大学に入学者、卒業者も増えるという状況になると、企業は、良い人材を採るために相当丁寧にやったとしても、時間が足らなくなるということが出てくるわけです。そのために全てがあるわけではないのかもしれませんが、大学あるいは学部、学科、コース等のミッションが一目瞭然で分かるようになってくると、この大学であればこういう人材が恐らくいるだろうから、丁寧に見ていこうという感じが出てくると思うのですが、一律にやっていくとどうしても、やはり有名大学等や社員が既にいる実績のある大学、学部に偏ってきてしまうという問題が起きるわけです。
 それが実は企業にとって好ましいことではないわけであります。多様な人材をグローバル事業に活用していきたいという考え方からすれば、海外からの留学生も含めて多様な人材を採るという観点で言うと、大学はこう変わったと、あるいはこういうミッションをもって今やっているということが本当に一目瞭然に分からないといけないと思います。
 例えば、秋田の国際教養大学は徹底して、リベラルアーツを4年間きっちりと修得させ、その先、さらに専門教育を受けたければマスター、ドクターという形で自分の専門をきっちり見つけさせるような教育をされています。4年で就職するのであれば、自分がリベラルアーツとしてこういうものを修得したということを堂々と胸張って言えるようにしているのです。さらに海外留学もしなければ卒業できませんので、必ず留学をした上で卒業していくわけですが、その中でどういう卒業してくるかというのは企業側も大体分かってくる。リベラルアーツを中心に学ばせる学校が今までなかったかと言えば、例えば東大の教養だとか、あるいはICUとかある。それらと秋田の国際教養大学とどう違うのかとか、そういうところまでよく分からないのが実態です。
 学生の側から見れば、充実した教育が授業料年間50万円で受けることが出来ればすごい得なことであります。もちろん全国から集まってくるのは、何か違う次元の大学生活を求めて来るわけで、そのあたりは学生にとっては魅力はあるのかもしれないけれど、やはり教育の質の色分けがあるとすれば、企業はどうやってそれを把握するかとなると、細かく大学の授業の内容を見ていかないといけない。極端なことを言えば、テストなり、レポートを出した場合、その採点されたものまで見ていかなければいけないということになってしまうわけで、そこまでやるかどうかという問題になってしまいます。そうなると、また大変なご苦労が、大学側に出てきてしまいます。データベース化する場合にも難しい課題だという感じがいたしました。
 いずれにしても、企業の方にも新しい大学の新しいやり方、ミッションというのを分かっていただくようなデータベースにする、一般論になってしまいますが、そういう取り組みは可視化した形で出していただけると良いという感じがいたします。

【浅田委員】  まず、企業にお願いしたいのが、就職の採用活動がどんどん早まって長期化しているということで、大学の教育が破壊されているという現状、ここはぜひ改善をお願いしたいと思っています。学生は急いで就職活動したいわけではなく、十分教育を受けてから就職することを望んでいる。大学としても4年間という教育の中で育てて、社会へ送り出したいのですが、現実には企業の採用活動の時期が早まっていて、そこが根本的な問題だと思います。それは改善をお願いしたいと思います。
 それから、お話を聞いて違和感を覚えるのは、学生を社会へ送り出すときに、平均値としての品質保証というのは大学の責任だと思っていますが、採用される個々の人物、そこについてどうもお話されているような気がしたのです。それは個々の企業が責任を持って採用試験で評価されているのだと思います。だから、個々の学生の評価の話と、大学の教育情報の公表が直接リンクしているような言い方をされた点に違和感を覚えました。
 各大学は人材育成の目標とか、あるいは教育の特色というのを出しております。当然それに沿ったカリキュラム、あるいはシラバスの内容なんかも全部公表していますから、そういうものを見ていただくと、どういう科目を受けてきたかというのは全部分かるはずです。どういう専門の先生が教えているかというのも全部分かります。個々の卒業生の品質保証ということを言われますと、基本的にはそれは学位であり、成績証明です。あとは個々の人物の面接等をしていただいて評価いただく、多分そこに落ちつくのだろうと思いますので、大学として、あるいは学部、学科として、情報を公表していくというところで伝えられることと、企業が期待されているものとは少しずれがあるような印象を持ちました。
 高校生はまた別で、個々の高校生がどの大学へ行きたい、どの学部へ行きたいというのは、確かに色々な情報が豊富にあった方がいいとは思いますけれど、企業側と高校生側で情報は求められますが、随分意味合いとか、質が違っていると思います。

【水上委員】  企業との関係で言うと、一つポイントだと思うのは、例えば非常に平凡な成績だけれど、大学の偏差値上はものすごい高いという大学の卒業生と、偏差値ではそれよりはるかに下だけれども、抜群の成績だという学生が2人来たときに、どっちのほうが優秀なんだろうっていうことがよく分わからない。面接というのは非常にコストがかかることなので、企業は、ある程度はそういう成績等々のよく分かるファクターで一旦フィルターをかけるんだと思うのですけれども、そのときに大学間の比較がなかなかできないのではないか。
 例えば東大のGPA2と早稲田のGPA2.3はどっちが上なんだと言われたときに全然分わからないということになったときに、結局そうなると、東大とっておけばいいという話になってしまうのではないかと思うのです。それは私はあまり幸福なことではないと思っています。つまり、最初の入学段階の偏差値が高ければいいかということは、必ずしも幸福なことではなくて、その後の大学内の教育でどういう教育を受けてきたかということもちゃんと加味されるべきだと思うのですけれど、そのためには大学に入った後の教育内容も含めて何か比較する軸がないと、最初の偏差値だけで結局決まってしまうような話にむしろならないだろうかという危惧が私はありますが、そのあたりはいかがでしょうか。

【浅田委員】  入学時の偏差値というのは、これはいろいろなところが出していると思いますが、一番今、関心があるのは、卒業時の偏差値だと思います。しかし、卒業時偏差値を誰も出してくれないし、測る指標も一定ではないから、今言われたように、東大と他の大学を一つの軸で並べてランキングするというのは、私は無謀な話だと思っています。そういうことがもしできたとするなら要するに、一番のところから採りましょうということになるだけであって、そうではなく、基本的には大学は色々な人材を出している点が重要なわけです。
 皆さん、大学を出たときのことを思い出していただきたいのですが、大学で学んだことが大学を出たときに全て身についていて、全て役立ちますでしょうか。結局大学で教えていることの価値というのは、それが10年後、20年後その人の人生の中で学んだことがどこかで生きるし、また、自らが前進していく、その基礎を与えたのが大学だと思うのですね。その可能性を採用時に見られるのが採用担当者だと私は思っています。だから、そのときに全てものが見えているわけではない。可能性のある人材を採るという、ある種のギャンブル的なものがあると思います。それをされているのが企業であるわけです。
 先ほど大学によって違いがあると言われましたが、大学としては、受験生を見るときも、やはり高校間格差があって、そういうものを見ながら、全部加味しながら、やはり人物を見て、例えば推薦入試は総合評価をします。だから、負荷は高いですけれど、やはり人物を見て、この人は受け入れて育てられるということで責任を持って入学させるわけです。企業でも多分同じだと思います。ですから、ここで議論されている教育情報の公開が何かオールマイティのような話、それは少々幻想だと私は思います。

【水上委員】  その話で言うと、私は浅田先生とはあまり対立がないと思っていて、例えば卒業時偏差値がもしあったとしても、全然オールマイティではなくて、最終的にはきちっと人物を見て面接をして決めないとしようがないと思っているんです。ただ、実際の採用過程は、一番最初の1次スクリーニングは面接ではないです。つまり、第1次を突破した人達に対してきちっと面接をして、人物を見るという話をしているわけです。そうすると、結局今の時点だと、どこの大学を卒業したかで門前払いを受ける学生がたくさんいるわけですよ、面接してもらえないで。

【浅田委員】  今の就職状況の実態をご存じでしょうか。高校生がセンター試験を受けるように、共通試験みたいなものがあって、就職の最初に受験するテストが今は存在するのです。そこで受けた試験の結果というのは、あっちの企業にも、こっちの企業にも使えるということになっているのです。だから、ある意味での基礎的な知識であるとか、教養であるとか、そういうことについての試験センターがあり、何回か受けて一番いい成績を使うとか、そういうこともあったりします。今はもうシステマチックにそういう状態になっています。ですから、エントリーシートをウェブで登録したら、いついつ試験を受けてください、その結果を出してくださいとなり、それによってふるい分けられる。だから、その時点で、今、言われているような意味のある種のふるい分けはされているのでしょうし、能力は評価されているのだと思います。私はそれがいい評価方法とは思わないです。ただ、大量に応募してくる人を何らかの基準で評価する方法として、今はそこに落ちついているのでしょうけれど、大学側としては本当は一人一人見てほしいと思います。

【井上委員】  大学間の比較に関して言えば、例えば交換留学をするときには、単位互換のレーティングのようなものをするのが一番大変だという話をある方から教えていただきました。実際にはお互いに、例えばアメリカのAという大学と日本のBという大学が学生を交換留学させて、ある科目で単位を与えるかどうかという際のレートというのは違うということです。ですから、極端なことを言えば、日本にある大学全てそれをやればいいということにもなるのですが、私どもはそういうことを求めているわけではなくて、どういう教育をして、どういう人物を育成しているのかが明確になるような仕組みが必要です。就職の際に試験を受けて、これの何点以上を取らなければだめだということばかりで人物を採っていたら、その会社の将来はない。
 実際に経団連でも職員を採っていますけれども、そういうことは課していませんし、独自の試験をやって、面接も3回行い、それぞれが点をつけて、上に上げていくというシステムでやりますから、丁寧にやろうと思えば、学校とか、学部とか、一切問わずにでも人は見られると思いますが、実は、大学の情報公開というのは、それだけのためのものではないのです。やはり大学が、先ほどもご説明があったけれども、グローバルな評価を得ていく、国際競争力をつけるというような観点からも必要なものですから、そういう観点からいうと、日本人だけではなくて、日本の学校に留学してみたいという人も評価できるような客観的なものがないと、日本の大学へ行ったけれども、結局何にも役に立たなかったということになりかねず、国益を失うことにもなるわけです。そういう意味でオールマイティではないのですが、何らかの色分けがわかるような、この大学にはこういう教育の方針があって、こういう授業なり、ゼミ型式のものがあって教育を行い、最終的にはこういう人物が社会で活躍しているというものがわかるようなものであれば、単に就職だけの問題ではない、様々に使えるものにはなるのではないかという感じがします。

【鈴木座長】  資料1の一番最後にありますこれまでの議論の整理というところで、とにかく教育情報の公表、それから、それをどう活用していくかというところに、もう一度皆様の意識を多少戻していただきまして、それで、今日はイギリス、韓国、それから、日本のデータベース等につきまして説明をいただいて、我々、ブレーンストーミングをしたわけですが、そういう我々のこの議論の方向性というものが一方であるということと、それから、本日御議論いただいたことは、日本の現実の大学、あるいは高校生が置かれている状況というものも御議論いただいているわけですので、その辺のところ、なかなか難しいですが、議論をなさるときにそちらのほうにも多少言及していただいてお願いしたいとも思います。

【佐久間委員】  今、大学全入時代を迎えているわけでして、2つに分ければ、志願者がいっぱいいて、その中で選べるという大学と、志願する人は基本的には全員を入れて、何とか2年間、あるいは4年間でより教育を受けて社会に出られる、そういう学生を育てようという2つに分かれていると思います。それで、いっぱい受けたい人がいるところでは、それは落とすのは大変です。しかしながら、今は短大でも70%は定員割れしているわけで、50%なんていうと、それはいっぱいいる中で半分しか入れていないのではなくて、半分しか志願していないという中で、でも、同じような学部、学科があるところでこの大学を受験してくれているということになり、AO入試なんかでも、高校時代の評点ではなくて、これからこういうことを学びたいんだということを見て、じゃあ、入れようという様な形であるところがかなりある。そういう認識を持った上で、どういう情報を公開したらいいのかを考えたいと思います。
 そうすると、今回の教育情報では、先ほど言われましたけど、その大学の強みをどういうふうに言っていくのか。この強みは、もしかすると、他のところでももっと強いところがあるかもしれないけれども、自分の大学はこういうところに力を入れているんですよ、2年間でこういう教育をやっているんですよということを、数値化できないところのものを言っていく。それを読んだ学生なり、あるいは地域の人達なり、企業も、それを誇りに思って応援していくという形の教育情報の公表。そういうためにそれぞれの教員たちも努力してもらう。他と同じことをやっていたってだめなんだ、類似の中でも、自分のところはこういうことをやっているのだ、そういうことをそれぞれやっていきましょうというふうな形で活用していくことになっていくというのが、私は基本だと思います。
 あとは、数値は、昨年法令化されているんですが、これはもう全部出せばいいわけであって、そんなことじゃないところで、私のところはこういうふうにやっていますよということをどんどん発信していって、これは比較できないんですよね、オンリーワンの世界ですから。それを積極的にやっていきましょうというのが、先ほど言われたことであるし、私は、何とかそういう情報の発信をしていきましょうという形にもっていくべきだと思います。単なる数値のことは法令で決まったものは公表しましょうと、それでいいのであって、それをもっと公表したいところは公表すればいいです。いいけれど、それをもっとこういうところもやっていますよ、あるいは、ここは数値を公表してないという形でやるのではなくて、数値化できないところをどういうふうに公表しているかと、それを競い合いましょうというのが、中心になってほしいと思っております。

【早田委員】  今の佐久間委員のご意見を前提としてなんですが、今日の資料1の5ページのさらに検討いただきたい内容(例)とあるのですけれども、それが今、委員の言われた大学のどのような活動を強み・特色として発信するか、また、それらをわかりやすく発信する仕組みについて、例えば国公私立を通じた優れた大学改革の事例などについて。それから、続いて、学生の学習状況や意識に関する情報の分析と活用についてというようにあるのですけれども、これは大学がその強み・特色を発信するというのは分かるのですが、その強みとか、特色というのが、これがいかに国公私立を通じた優れた取り組みなのかということを大学が明らかにしていく、また、そうした教育上の強みを発揮している大学において、学生の学習状況とか、満足度、あるいは達成度を含む意識について自己検証して、それを分析して、内部的にはそれを活用し、対外的にはこれを情報公開していくという、そういう意味なのか。それとも、それと同時に、情報を集積するような機関を想定して、そこで国公私立を通じた優れた大学改革の取り組み事例として紹介し、また、分析をしていくのかということについて、この文章の意図というのはどこにあるのでしょうか。

【榎本高等教育政策室長】  机上資料をご覧ください。これは、昨日の大学分科会の部会でお配りした資料と同じですけれども、まず、大学のミッションの明確化とか、それから、機能別分化とか、そういったよく出てくるワードの考え方を少し整理しようと思ったものです。
 上のほうは、大学の国際的な、あるいは歴史的な流れの中で、大学はどこの国であっても、教育と研究、自主的・自律的な団体、学位授与、そういった団体であるという、世界的に共通の概念があり、日本でも、明治以来、戦後ずっと大学法制が整えられて今に至っているところです。ここでは学校教育法を挙げましたけれども、大学であれば、どの大学も、学術の中心として広く知識を授け、深く専門の学芸を教授研究、知的、道徳的及び応力的能力を展開と、それから、卒業生には学士、それから、修士、博士、短期大学士、そういった学位を出します。これは日本の大学であれば、どこでも同じ話として存在しています。
 その上で、日本の今日の課題としては、学位という観点に着目して大きく2つあるのだろうと思っていて、そこで下のほうの(1)と(2)ですが、まず1つは、制度的な共通性、先ほどの学位を出す大学としての共通性というのがある。それから、もう一方として、各大学の個性・特色という点があると思っています。制度的な共通性という点では、学士課程答申で、3大ポリシーを明確にしていきましょうですとか、あるいは大学院答申で、大学院教育の実質化、課程制教育の確立といった観点から、学位課程をきちんと作り込んでいきましょうということがまず課題となってきています。
 その一方で、共通性と同時に個性・特色ということで、ミッションの明確化というのが課題になってきています。ということで、大学はどこでも大学であるけれども、しかし、それは全部一緒ではなくて、多様なんだということが今、テーマになっていると思っています。そういう点で各大学でどういったことをやろうとしているのかと、大学という共通の枠組みでありながら、どういった個性を出そうとしているのかというのが非常に問われていて、なかなかそれがまだ目に見えないところから、そういった各大学のやろうとしている事柄、ミッションの明確化をしていきながら取り組もうとしている事柄を、どのように具体化するかというのが課題だと思っています。なかなか大学でいろんなことを考えていても、あの大学は何してるんだろうというのがまだ見えにくいという中で、それをどう応援するかということを課題とし、こういった情報の扱いというのは、そこと関連が出てくるのではないかと思っております。

【鈴木座長】  今、早田先生がご質問なさって、それから、佐久間先生が、数値はもう出すのはいいが、我々はオンリーワンというところを高らかにうたえる、そういうものにしていかなければ、していってもらいたいということは、先ほど早田先生がそういうことでないといけないのではないかということで口火を切られて、そういうようになってきているわけですので、その辺のところをお考えいただければ。

【関根委員】  この今日いただいたこれまで議論の骨子の一番頭のところなんですが、(1)教育情報の特性と書いてあります。特性と重要性と書いてあるんですが、これは、非常に重要、大切な観点なんじゃないかなと思っています。先生方の話を聞きながら、自分の頭の中でこれを整理しておかないとだめだなと思いメモ書きをしながら整理したんですけれども、情報の公表やIRの形成ということの関連でいうと、3つぐらいの視点を持っておかないといけないのではないかと思います。
 1つは、これもずっと言われていることですけど、社会的質保証としての視点、それから、もう一つは、ステークホルダーに実効性のある、そういう視点、それから、もう一つは、それぞれの大学の改革、あるいは自己評価にかかわる視点、この3つぐらいの視点で検討していく必要があるのではないでしょうか。例えば社会的質保証ということでありますと、経営的継続性というのは非常に大きなことになりますし、それから、学修関係でいっても、今回の色々な実例の中に出てきて、非常に大切なことだと思いましたが、学修成果のスタンダード、自分の大学では学修目標とか、学修理念とかいうのはあるけれども、実際に最低限学修成果のスタンダードとしてはこれを確保する必要があるというような、そういうスタンダードの公表、それから、そのスタンダードに対して実際にどれだけ学修の成果が上がっているのか。その学修の成果が上がっているのかという場合も、学内の評価としてどうなのか、様態がどうなのかというのと、それから、共通の試験で、例えばTOEICのような、あるいはTOFLEのような、ほかにもいろいろ技術的なものがあると思いますけど、そういう共通評価で見てどうなのか。そのスタンダードに対して自分たちのところがどういう成果を上げているのか。それから、学生の学修の達成感とか、満足度がどうなのか。それから、これは教育の関係だけではなくて、社会的質保証になると研究の成果というのが出てくるでしょうから、そういうようなことはぜひとも社会的質保証としての公表の上では必要でしょうが、ステークホルダーになりますと、今の佐久間先生のご発言と関連してきますけど、うちはこうなんだというオンリーワンというものをやはり出していくということになると、真正面から非常にわかりやすく理念とか、目的とかというようなことを高校生にわかりやすく出していく必要があるでしょうし、それから、それに即してカリキュラムの構図はこういうことなんだというようなことがあるでしょうし、教える先生たちの教員組織の特徴、こんな人たちがいるんだというようなことも出す必要があるでしょうし、それから、履修モデルはぜひとも必要です。それから、選抜方法、こういう選抜方法で、それから、就職状況は、こういう就職状況だというようなもの、これはステークホルダーに対して出す公表の中では逃せないものだろうと。
 それから、改革自己評価ということになると、例えば学修成果がどうかというようなことでも、全部経年測定をして、それがどう変化してきているかという資料は絶対必要なわけです。それから、もう一つ大事なのは、その年度の当該の大学の事業計画の達成がどうだったかというようなことですね。それから、自己点検評価を進めていく上でのコントローラーの機能がその年間十分に働いたかどうかとか、それから、この段階でやっぱりぜひとも必要なのは、国際比較の中で自分たちはどういう位置づけになるのか。
 最後に変な話をさせてもらいますが、法然さんのすばらしい展示が京都の国立博物館でありました。私が今まで見たこともないような、長い絵巻物が何十点出ていたんですね。それをずっとつぶさに見ているうちに気がついたんだけど、絵巻物には遠近法がないんです。当然のことで、巻きながら見ていくわけでしょう。だから、人物が左側から出てきて、右側へ隠れていく。この人物が次、成長したらこうなっていくっていう、物語になってます。この我々の公表はそういう観点ではだめだと思います。実効性も全然出てこない。やはり遠近法がきちっとして、一定の角度からそれぞれにおいてその明確な構造化された公表が必要なのではないか。その辺のところが、この特性と重要性というのは非常に強く指摘しているのかなと思い、これをここで掘り下げていくということが非常に大事なのかなと思います。

【大学評価・学位授与機構 金特別研究員】  今のご議論に沿って、韓国の事例をもって補足したいと思うんですが、大学側の特徴、構成、強みを出すことは、実は、韓国の情報公開制度の中に義務化された65項目は、国際的な標準から見て比較できるような項目も入っておりますし、韓国ならではの項目も入っております。例えば11ページの項目11の教員の研究のところなんですけれども、そこで、ヌの大学の遠隔講座の現況とあります。これは今年から新しく追加された項目です。兵役の制度が韓国にはあり、軍隊に入っている学生さんは、休学して軍隊に入るのですが、その間でも遠隔講座、eラーニングを通して単位を取れるようにという意図として追加したわけです。さらにオープンコースウェアとしてeラーニングが公開されている状況も含めて、これは、海外から見ても国際的な項目の一つでありまして、このデータベース、情報公開の重要な点としては、やはり標準化されている項目でなければだめですし、それがだれから見ても比較可能なものではないといけない。もちろん韓国でも課題はありまして、少しずつ学科名にばらつきがあるだとか、それをどういうふうにしていくか。そういう議論もある中で、大学の自己評価が13項目で、自己評価の結果を公表することが義務になっておりまして、韓国の大学の自己評価は、ものすごく自由で、全ての大学が自由型式で評価しています。そこで自分の大学のミッションだとか、ポリシーだとか、学生の満足を測定し、これだけ満足していますよとか、いろいろな形で自己評価として結果を出しています。
 ですので、今の議論の中で、韓国の側は、そういう工夫をして、一つの大きなシステムの中で情報公開と自己評価をくっつけたということであります。

【圓月委員】  個性を、やはりオンリーワンを発信していくというのは非常に重要だと思います。私立大学連盟でも、私立大学ならではの教育等をやっておられる、そういうものを何らかの形で慫慂し、また、支援するようなシステムというのはあり得ないかということはよく話題になるんですけれども、なかなか基準というものが難しいのですが、ここでは大学関係団体という形でまとめておられますが、それの連携というものも考えていただきたいと思います。
 もう一つは、先ほど数値になっている共通の部分というのも、これは発信せざるを得ないんですけれども、それぞれ分野や地域によって事情が違う。そういう意味でいったら、今日の御報告の中ですと、イギリスのところの1ページのところにありましたけれども、大学の多様性等を考慮したベンチマークをやってというのは、非常に魅力的なアイデアではあるなと思います。そして、この中で今は、内部質保証システムと言っていますけれども、そのベンチマークに対しての改善度というものを経年等で示して、その大学が優良な取り組みをしているということが分かりやすい形で発信できたらいいなとは思っています。ただし、ベンチマークをどなたがどういう基準で作るかということになると、非常に難しい問題になるとは思います。

【浅田委員】  教育情報という言葉が非常にあいまいで、そこで議論が錯綜しているような気がしています。だから、この会議のタイトルがよくないのではないかというのは思っています。というのは、大学の最大のミッションは教育、それは誰も間違いなくそう言いますが、ただ、教育情報に関して言うと、多くのことはもう出ていると私は思っています。しかし、今議論されている情報の開示であるとか、公表ということに関して言うと、教育に関すること、研究に関すること、それから、大学運営に関すること、全てを含んでいます。法令化されて列挙されているのも、教育情報という言葉ではなく、いわゆる教育、研究活動をできるだけ出しなさいということを言っているわけです。
 イギリスの例も、韓国の例も教育情報という言葉は使っていません。基本的には、今大学がどういう、状態にあるかという情報をきちんと出してくださいということを言っているのであって、教育情報というから何か非常にあいまいで、人物像の話にまで広がったりしています。基本的には、先ほど出ていた意見に賛成で、法令に定められたことはきちっと全部出せばいいと思っています。それをどこかで、例えば大学評価・学位授与機構が国立大学をまとめられているようなデータベースに一元化していくことによって、そこでみんなが見られるような形にもっていくのがいいと思います。
 公立大学協会も、実は公立大学の会員校のデータを集めているのですけれど、それを学位授与機構に提供して統合できますかという話もしています。だから、まずは、いわゆる基礎データ的なものは集めて、見られるようにすればいいのではないか。それと、もう一つ出ている、いわゆる大学の強みや個性については、これは各大学がどんどん出せばいいし、それを主張すればいいと思うのです。そういう意味でいうと、法人化した大学が義務付けられている、毎年年度計画を立てて、年度評価を受けている、そこには大学の強みとか、特色を打ち出して、それがどこまで達成したかということが出ているわけですから、そういうものは、基本的に公表対象になると思います。そういうものが公表されるということについては、もう既にベースとしてはあるのではないかと思います。
 何度も意見が出ていますように、大学が意欲的に公表をやって、しかも、過剰な負荷で続かないというのは、制度としてよくないので、既にある制度とか、あるいは今ある、既にある体制であるとか、その蓄積されたものを最大限活かした形で、現実的なところを動かしていただければというのが私の希望です。

【宗像委員】  浅田先生がおっしゃった、公開されているというのは事実だと思いますが、情報を受け取る高校の立場から見ると、その情報は実は入ってきてないというのが現実です。大学はいろいろと発表するようにしていますが、それを高校の、例えば私たちが生徒に、あるいは保護者にこの大学はこういう大学ですよということを説明しようとしたときに、具体的に発表されているものだけではわからない。そうすると、予備校であるとか、出版社が大学から出てくるものを組みかえて都合のいいような形で、本当に高校生が飛びつくような情報を発信してしまって、それで高校生が飛びついてしまう。そういうのが現状ではないかなと今、感じています。ですから、もっと統一的に全体を同じような形で発表・公表してほしいと思います。また、必要なものは何であるかということを含めて、先ほど決まっていると言いましたけど、それだけで果たしていいのかどうか、私には、高校の立場から、もっといろいろな情報を高校生は知りたいということがあるのではないかなと思います。ですから、その辺も含めて検討する必要があるのではないかなというのが一つです。
 それから、大学はそれぞれ個性があって、自分の大学はこうですよという特徴を出していただきたいと思います。ただ、こういう言い方悪いんですけれど、一方的な部分だけで表現されると、高校生は純粋ですから、ついていってしまいます。生徒の進路指導をしていると、専門学校の部分が非常に難しくて、宣伝が非常に上手い専門学校、そこに飛びついていってしまう。実はまずいんだよと、幾ら説明しても分からない子ども達が結構います。ですから、個性、大学の特徴を出すと同時に、それを、例えば教員にはデータも含めて、補足できるような、それをもとにして生徒を指導できる、そういう情報が欲しいなというのが高校側の立場です。ですから、その辺で統一した資料というか、データを出していただけるとありがたいというのが思いです。

【山田委員】  国立大学は機能分化ということではなくて、今、機能強化ということを申し上げているんですけれども、それは大学の活動内容をより社会に理解をしていただいて、そして、見える化をしていきたいということでもあります。ただ、その活動内容を幾ら、今も話もありましたけど、情報公開したといっても、また、見える化したといっても、それを担保するような、社会からきちっとアクセスできて、データとしての場があるかどうかということになると、それを整備もしていかなければいけないというように感じていますし、そこに、実は大学一つ一つは金太郎飴ではなくて、きちっとした個性を持っているということが、そのアクセスした共通の場に行けば理解できるというような、そういう教育情報か、あるいは大学の実態、あるいは活動内容、あるいは大学の個性を見えるようなプラットフォームみたいなものができていくべきというのが、今日、聞いていた印象です。

【金子委員】  今までのご意見同じなんですけど、もう一回確認しておきたいのは、一定の基本情報は大体公開するのがいいんじゃないかというのが大方のご意見だろうとは思いますけれども、やはり一部かなり危惧があるということも事実で、それを大学が独自に主張する場を作ればいいということで今まで議論されていると思います。ただ、私は、特に数値的な基本情報は公開して、一覧表等にするということはやはりせざるを得ない、あるいはするべきだと思います。
 1つ、今まで議論されてないことですが、一覧表みたいにすると、比較的その知名度の低い大学とか、あるいは規模が小さい大学というのは不利になるのではないかという危惧がよくありますが、実際かなり色々なデータを集めたものを見てみますと、必ずしもそうでもないのです。例えば小規模大学というのは、学生と先生の比率なんていうのはむしろ小規模大学のほうがいい大学がかなりあるとか、物によっては非常に日本の大学は個性がありまして、いわゆる偏差値の序列で決まらないことがいっぱいあって、逆に言いますと、非常に有名な大学が非常にパフォーマンスが悪いといいますか、結果あまりよくないというのが結構あって、例えば私が前いた大学などは、幾つかの指標で見るとあんまりよくないです。例えば留学生の比率、在学中の留学経験比率は相当低い。そういうところでやはり強みとか弱みが実際にかなり外形的な指標で見てもあります。ですから、そういう意味では、私は、外的な指標、一覧表といいますか、何らかの形で比べる、かなり見やすく比べるようにするということは、高校生にとっても意味があると思いますし、それから、やはり大学自身にとっても非常に学ぶところは多いのではないかなと思います。

【村上委員】  今、小規模大学という話ありましたけども、本学は、地方の小さな都市にある小さな公立の短期大学で、ものすごい小規模ですが、小規模だからといって、私は、今言われたように、情報公開して不利だとは思っていません。逆に私は積極的にやるべきだと思っています。私の大学の歴史というか、情報公開に関する歴史というか、スタンスを紹介しますと、20年近く前になりますけれども、少子化とか、18歳人口とかが話題になったころですね。シンクタンクに依頼して、うちの大学はどうすればいいんだということを調査してもらったことがあります。そのとき1つだけ強烈に印象に残ったのが、知られていないことは存在しないに等しいということです。インターネット時代に入る前でした。それから数年してインターネット時代に入って、我々、大分メリットを受けている大学だとは思っています。
 今までメインターゲットの話とか、どこまで公開するかという議論がずっとされていますけれども、私どもは、知られてない時代に、じゃあ、どうやって知らせたらいいのかということで、いろんな高校の先生とか、企業とか、いろんな人たちに話を聞きました。入学してくる学生にも聞きました。うちの大学を志願した決定的なものは何だったかというのを毎年、20数年聞いていますけれども、高校の先生が、まず1番です。その次が両親です。その次が先輩、友達です。この順番はずっとうちの大学の場合変わっていません。ですから、メインターゲットはだれかといったときに、高校の先生、さっき話ありましたけれども、丁寧に知りたいことは全部、高校を訪問したり、オープンキャンパスで親とも話したりしますけれども、全部話そうというのが学内のコンセンサスで、どこまでというのは、私は、逆に公開して困るようなデータは何があるのかと思いつかないというか、何を公開してもいいと思っています。それはミスマッチがあっては絶対いけないというのがあります。高校の先生がうちの大学を紹介してくれるわけです。入ってきた学生がこの大学は気に入らない、合わないと、先生の話と違う。そういう話が絶対あってはいけないというのが我々の教員のスタンスです。ですので、知りたい情報は全部知らせてやりたいと。逆に、私は、高校の側には、何が欲しいのかというのを具体的に聞けたらなというのもあります。そんなことでうちは今進んでいます。

【福原委員】  お話を伺っていて感じるところが非常に強いのは、情報をどんどん出せるものは出せばいいし、今までも出しているよと、こういう話は常にあって、ただし、それが本当に誰のために、それを受け取る人のためになっている形で変換されてきちっと見やすい形で出ているかというと、多分出てないという話が必ず今まで出ているんですね。だから、それはエクスキューズとしての情報公開であっては決していけない。それを使う側にとって十分満足ができる形で公開されることが重要であるということ。ただし、もう一つは、共通の情報が共通に出てくると、数値の情報は、ある意味では人間性を持たない無味、無機質なものになって、極めて誤解を招く情報になると、これも事実ですね。そのためにもう少しそこの数値でないものをどうするんだ、こことコストの問題。例えば共通化して、共通の組織が共通のフォーマットで出せば比較はできるけれども、その中には個別の情報が失われてしまう。ここをどうバランスするのかという問題をどう議論するかというのが多分重要だろうなと聞いていて思いました。

【小田委員】  今までの何回か、数回のこの会議において、いろいろと先生方のご高説をお伺いいたしまして、非常に勉強になりました。本当に感謝いたしております。ただ、ここで議論されていることが、学内に帰りますと、かなりこのレベルが違う。実際に我々が学内で対面している学務というのは、まだまだもっとプリミティブな問題で解決しなければいけないことがたくさんあって、また、この会合でも、一つ、例えば前々から非常に私自身でわからないことの中に教育の質って何だろうかとか、それから、その公開ということはどういうことなのだろうかとか、国際性というのはどういう意味を持つことなんだろうかとか、そういうような意味で、いろいろと細かいことできちっとここで使われる言葉の概念の規定をしていかないと、我々の議論の、意識の共通化、共有化がなされないのではなかろうかという危険を感じますので、できることならば、やはり教育の質というものはどうなんだろうか、それから、いわゆる情報の公開というのはどういうことなんだろうか、そうしたもっと基本的なことについての概念規定をしていただきたい、しなければいけないんじゃないかなという気がいたしました。

【岡本副座長】  やはり基本的には、ある程度大学に関する情報を大学コミュニティーが共有するということと、それから、それを発信するということはちょっと別のことで、誰がターゲットかによって中身も変わってくるし、欲しい情報も変わってくる。情報の流すときというのは、ただ流すほうと受け手がいるのではなくて、受け手もどういう情報が欲しいかということを逆に発信していかなくてはいけない。別に個人という意味ではないのですけど、団体でもいいのですけど、そういうところの、やりとりができるようになれば一番いいなと思います。

【鈴木座長】  本日の議論で言い足りなかった事項、あるいは後日お気づきになられた点、または次回以降に協力者会議の議論を整理していくための骨子案へのご意見等がありましたら、事務局にその旨、ご連絡をいただきたいと思います。事務局で論点を整理して、次回は、協力者会議での議論の整理について意見交換をしたいと思います。

 

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