資料3 学士課程における看護学教育の質保証に関する論点整理(案)

学士課程における看護学教育の質保証に関する論点整理(案)

 

1.学士課程教育における職業教育の在り方に関して

  • 基礎教育で完璧な人材養成は不可能。大学教育が疲弊する中、教育の効率化は必要
  • オン・ザ・ジョブ・トレーニングを重視すべき。現場から学ぶと問題意識が高くなり、効果的に学修できる
  • それぞれの時代や現場のニーズに柔軟に対応できる教育が可能となるようなカリキュラムであることが望ましい
  • 学生の質が変化している。専門職業人のスタートラインに立てる人材を育てるために何が必要か、大学が主体的に検討する必要がある。
  • 基礎学力や学習のスキルが低下している学生が増えている。単位数を増やすことで期待する学習到達度が得られるか、吟味する必要がある。
  • 詰め込み教育は思考力を育てる教育への転換が必要
  • 単位数ではなく、卒業時の到達目標をどのように保証するかが課題
  • これから在宅で活躍する看護職がますます求められる中、大学教育の幅が狭められることは問題。
  • 教育理念や地域特性に応じた社会貢献の在り方などは大学ごとに異なる。大学の裁量は質保証のために重要。

 

2.保健師・助産師教育の質保証に関して

○「地域住民のニーズを踏まえて教育の質は検討されるべき」という意見が有り、以下のようなニーズが示された。

  • 生活の場において継続的に指導がなされ、対象者が指導を咀嚼した結果について評価できることが、保健師には必要
  • 保健師は潜在的な問題を見いだし、全体の中でその問題の位置づけを把握する能力が必要。
  • 求められている能力と自分ができることとのギャップが大きいことから、保健師がメンタルな問題を起こしている。
  • 保健師は上司が他職種の場合も多く、アイデンティティの養成は不可欠。
  • 助産師は、生活環境が大きく変わる中で女性の健康を守る能力、妊娠期のケア能力の強化等が必要になっている。
  • ハイリスク分べんが増える中、異常時への対応、ME機器の使用や検査結果の読解力が必要。

 

○また、指定規則改正による実習単位の増加に対しては、以下のような意見が出された。

  • 実習施設の確保が困難。国による実習協力の要請をして欲しい。
  • 新規の実習施設は、教育体制が整うまでに時間がかかる
  • マンパワーの充実が必要
  • モチベーションの高い学生は積極的に受け入れたい。
  • 教育の質向上と効率的な人材活用のために、教員と実践家の共有を進めるべき。

 

○保健師・助産師教育の質保証については、以下のような意見が出された。

  • 専門職教育とは、基礎教育、採用、現職の研修教育と、全過程を通して実現していかなければならない課題
  • 国家試験に合格する能力の保証、チーム医療人材として、他職種と協働する能力の保証が必要。
  • 保健師、助産師、看護師教育の質保証のためには、指定規則に定める教育内容はそれぞれ単独で教授されるべき。
  • 基礎的な学修をする段階では専門性に特化した領域だけではなく、その基盤となる学問的な知識体系や関連する領域を統合的に学ぶことが必要。
  • 単位数ではなく、指定規則の内容を担保するカリキュラムをいかに構築するか、が教員の課題
  • 監督官庁による教育の質保証は重要。それと同時に、大学の自己点検評価や、大学間、専門領域間での相互評価体制の構築が課題

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