高等専門学校の機能強化に関する検討会(第5回)議事録

1.日時

令和8年9月25日(金曜日)14時00分~16時00分

2.議題

  1. これまでの議論について
  2. 今後の高専教育について
  3. その他

3.議事録

【谷口座長】  それでは,定刻になりましたので,ただいまから高等専門学校の機能強化に関する検討会ということで第5回の会議を始めさせていただきます。皆さんには,お忙しい中お集まりいただきまして,ありがとうございます。
 では,開催に当たりまして,この検討会の留意事項を事務局のほうから御説明願えればと思います。よろしくお願いします。
【佐藤課長補佐】  事務局でございます。本日は萱島委員が御欠席となります。
 また,五十棲委員,若原委員におかれましては,オンラインでの御参加という形になってございます。
 また,留意事項について御説明いたします。傍聴者の方々には,モニターの画面を共有し,YouTubeで御視聴いただいております。御説明,御発言に当たりましては,都度お名前をお伝えいただき,オンラインでも聞き取りやすいよう,ゆっくりはっきりとお話しくださいますようお願いいたします。
 また,資料を御参照される場合には,資料番号,ページ番号等該当箇所を分かりやすくお示しいただく等の御配慮をいただければと存じます。
 資料につきましては議事次第のとおりでございますけれども,不足があれば事務局へお伝えください。
 以上でございます。
【谷口座長】  ありがとうございます。今日は議題としては,大きいところが2つ,今までの議論をまとめていただいている,そういうところと,それから,こっちが大事だと思いますけれども,今後の高専教育についてどういうことを考える必要があるか,どうあるべきかというようなところを少しまた皆さんの御意見を頂戴しながら議論をさせていただければと思います。
 では順番に,これまでの議論等についてということで進めさせていただければと思います。資料1というのがあると思いますけれども,その資料1についての議論ということになります。では,説明は松本課長のほうからお願いできますか。
【松本課長】  資料1を御覧ください。1ページ目でございますが,8月28日に取りまとめました高等専門学校の機能強化に関する中間整理につきまして,御議論いただいたことを心より御礼申し上げます。短期間の中で先生方には大変精力的に議論を進めていただきますとともに,お時間を割いていただいて,ありがとうございました。事務局としても改めて感謝申し上げます。
 こちらで課題を抽出した上で,2ページ目でございますけれども,中間整理では,現状と課題の整理の上で機能強化に向けた考え方を量的拡大,質的向上,国際通用性の確保の柱に沿って整理をして,この3つの柱を一体的に進めるということで社会や産業界のニーズに応える人材育成を進めるという形にしております。
 それで,3つの柱でございます。柱の1つ目は,高専の量的拡大でございます。成長分野転換基金,こちらの高専の新設に関する支援の上限を20億円から40億円に倍増という,こういったものを活用した公私立高専の新設の推進,それから地域の産業構造変化に対応した農業やコンテンツ等の新分野に係る設置基準の整備の検討,また,多面的評価による入学者の選抜や,早期からのブランド力向上による志願者層の拡大といったところが柱の1つ目の考え方としていただいたところです。
 それから,柱の2つ目が,高専教育の質的向上でございます。物価・人件費高騰に対応した国立高専機構の運営費交付金等の抜本的拡充と老朽化施設の共創拠点化といった取組及び地域の防災の拠点化といったところ,それから研究の実態や機能高度化を踏まえた高専の設置目的への研究の位置づけについて法制的な観点も含めて検討するといったところをいただきました。また,実務家教員の資格の明確化や,技術科学大学との連携等による優秀な教員の確保・育成といったところの御意見もいただきました。
 また,柱の3つ目として,高専卒業者の国際通用性の確保ということです。本科卒業者に対する国際的にも通用する学位授与制度の法制的な観点も含めた検討,また,ディプロマサプリメント等による発信の強化,海外留学等の促進や日本型高専教育システムの海外展開推進といったことについても改めて御意見をいただいたところです。
 3ページ目でございます。この取りまとめていただきました中間整理を,8月末に締め切られました令和9年度概算要求において最大限反映をする形としております。一部,内数の表記になっているものもございます。
 公私立高専の新設等の量的拡大・体制強化といったところの成長分野転換基金に関するところでございますが,こちらに関しましては,高専の新設や高専における戦略17分野の人材育成,高専の学科・コース等の設置拡充といったところですけれども,こういったものの体制強化に伴い必要となる施設・設備整備費,人件費の支援ということで積み増しの要求をしております。特に高専新設に関する取組に関しましては,現行の20億円から40億円までの支援総額の引上げを要求しております。また,公立高専に関しましては,地方財政措置による対応のほうも進められておりまして,高専に転換していく等のための施設・設備の整備については,高等学校教育改革推進事業債の活用も可能という形になっております。
 また,国立高専の教育研究機能の強化・国際化といったところですけれども,こちらに関しましては,戦略17分野を中心としたカリキュラムの高度化など教育研究機能の強化,グローバル技術人材育成や高専の海外展開の推進といったこと,また,物価・人件費の上昇を踏まえて,安定的な教育研究の実現のための基盤的経費の拡充を目指して,対前年度比で260億円の増額要求をしております。
 また,国立高専の施設の高度化・魅力の向上というところでは,戦略17分野の人材育成・イノベーション創出の実現ということで,その基盤となる国立高専の施設に関して,老朽化した施設の戦略的なイノベーション等を基本としたキャンパスの共創拠点化と地域の防災拠点の実現ということで増額の要求をしております。
 また,私立の高専の機能強化ということでは,私立大学等経常費の補助ということで,こちらの私立大学経常費補助の拡充ということで全体の増額要求をしているという形でございます。
 4ページ目から7ページ目に関しましては,御参考までに個々の事業のポンチ絵を添付させていただいております。
 事務局のほうからは以上でございます。
【谷口座長】  ありがとうございました。今御説明があったように,今までいろいろ議論をさせていただいて,4回にわたってさせていただいて,一応中間まとめも出させていただきましたけれども,幸いなことに,高専の人材育成というのが非常に注目されているといいますか,上手にやってくださいという御支援等もあって,文科省をはじめとして国のほうも一生懸命支援をというようなことも考えていただいています。また高専をもう少し,今までの工業と商船だけじゃなくて少し広がってもいいんじゃないのということもあります。
 さらに,教育というか人材育成はやっぱり国の根幹ですから,これに関してやっぱり世の中がどんどん変わっていくのに対して対応できるようなそういう人材育成もしっかり考えていかないといけないということです。先生方もちゃんと確保していかないといけないということはもちろんあるわけですけれども。
 それから,日本で折角いい人材育成の何かをやっていても,国際的に通用しなかったらこれは話にならないですから,特にこれから学生さんとか若い方はこれからどんどん国際社会の中で活躍していくということが起こりますから,そういう意味で国際的な通用性というか,ちゃんと世界にも,今,大分認めていただいているんだけれども,しっかりと認めていただくというようなことを考えて,やるべきことがあるんならしっかりやっていかなきゃいけないよねということで,そういうような話として大体まとめていただいているということがあります。
 個々の細かいことは今日以降また議論をさせていただくことになりますけれども,こういうことで重要なことは幾つかあります。やっぱり世の中の変化の中で対応できるように,かつ学生さんが本当に活躍できるようにというようなことを考えた人材育成をやっていかないといけない。せっかくいい人材育成があっても,ある分野だけで終わってはもったいないよね,もうちょっと広げられるものがあるなら広げていかないとというようなこともある。幸い,いろいろな自治体が公立の高専をつくろうというような話をされ、かなり機運として盛り上がっている。私立高専もそうやってこれからまたもっと展開していく可能性もあると思いますけれども,そういうことの中でいろいろな議論をしていきましょうというふうに今までのところはまとめさせていただいているということですけれども,今までの御説明の中で何か御質問等ありますか。
 ありがたいことに,文科省が一生懸命頑張ってくれたということがあるんだろうと思いますけれども,政府も,やっぱり人材育成は大事だよと考えていただいている。ただし,世の中は今までと同じじゃないよと。社会が変わってきている中で,将来に向かって若い人が本当に活躍できるようにしっかりと人材育成してください。そのためだったらいろいろな手当ては考えないといけませんよねというところまで来ているかなと思いますので,その期待にも応えないといけない。社会の期待にも応えないといけない。そういう中でどうやっていくかということをしっかりと議論させていただければいいかなと思っていますけれども,このまとめのところまではよろしいですか。
 では,まとめはそういうことにさせていただいて,次の今後の高等教育というか高専の教育,高等教育でもあるんだけれども,若い学生さんをちゃんとそのレベルでどんどん活性化していくというか,今の社会あるいは未来の社会に対して活躍できるような人に育てていかないといけない。やっぱり10年前,20年前,30年前と全然世の中が変わっていますから,その中で学生さんをちゃんと育てないといけない。しかも,日本の場合には若い人の数が減っています。減っているということは,一人が本当に何人分かを分担しなければという,そういうことにもなりかねないわけです。やり方はいろいろあると思いますけれども,そういうことも考えて,本当に日本の将来のためにどういうふうにしたらいいかというようなことを今後の高専教育の中でしっかり考えていきましょうということかなと思います。
 では,次の第2の議題に入らせていただいて,今後の高等教育についてということでございます。これもまずは課長のほうから御説明いただけますか。
【松本課長】  まず,資料2から御覧いただければと思います。先ほど中間整理の御報告をしたとおりですけれども,今後の議論の御参考になるところで,9月9日に開催をされました中央教育審議会大学分科会において,先ほどの中間整理についての御報告をいたしました。分科会での委員のほうからいただいた御意見が資料2の8ページ目でございます。
 高専の機能強化に向けた考え方については御賛同いただいておりまして,特に議論のポイントとしては,高専教育の質保証や向上,魅力向上,それから国際通用性の確保,高専の役割や機能について御意見をいただいたところです。詳細は読み上げませんけれども,8ページのほうを御覧いただければと思います。
 その上でになりますけれども,資料3でございます。まず,本検討会は,本日含めまして残り3回ほどの開催を予定しておりますけれども,中間整理の方向性をさらに具体化,また深めていくために,今後の高専教育について,質保証の観点や各柱の項目を横断する観点から5項目について議論していただければどうかと考えております。もちろんそのほかに論点があれば追加もあるかと思っております。
 本日は,この5つのうちの上段の3つの項目に関しまして,御議論いただいたらどうかと考えております。また次回第6回の検討会では,さらに下段の2つの項目をめどで議論をいただいてはどうかと考えております。公私立の各高専における取組,校長先生方にも御参加いただいておりますので,それぞれの取組も踏まえて御議論をお願いできればと考えております。
 最初の項目でございます。公立高専が主でございますけれども,高専新設の動きが現状,非常に活発化しているという状況でございます。高専は,地域で活躍する人材の育成に加えまして,国全体の我が国の成長分野を牽引する高度な人材育成も担っているという存在でございます。中でも公立高専に関しましては,地域の産業政策や地域の未来戦略とも連動して運営されていくべき重要な教育基盤ということで,このため,地域産業との連携の強化や卒業者の地元定着の促進というところに向けて,国による支援拡充を含めてどういった方策が考えられるかといったところについて御議論いただいてはどうかと考えております。
 関係の資料といたしまして,11ページ目でございます。今,高専新設の動きとして挙がっているもので,これは社会的にもう出ているものでございます。現時点で動きを公表されている自治体などは8件に上っておりまして,潜在的なニーズを含めるとさらにあるという状況でございます。
 また,12ページが就職の状況でございます。本社・支社・営業所にかかわらず,主な勤務先が高専設置都道府県内に所在する企業への就職者の割合は,高専の卒業者は全国平均で21.6%,約2割という形になっておりまして,さらに都市圏以外は2割を切っているという状況がございます。
 それから,13ページが成長分野転換基金の現行のものでございます。情報系分野の高専が新設・転換される場合に,支援上限額は20億円としているところでございます。こちらに関して拡充する形で要求したというのは,先ほど御説明を申し上げたとおりです。
 それから,14ページ。こちらは総務省で講じていただいている支援スキームでございます。高等学校教育改革等推進事業債ということで,高専への転換のための施設・設備を対象として,改修の場合は地方債の充当率が90%,交付税の措置率が50%,新増築・改築の場合は地方債充当率が90%で交付税措置率は30%という形に,こういった制度のほうも講じていただいているというところでございます。
 取りあえず最初の点は以上でございます。
次が高専教育の新たな分野に関しまして,今後も社会・産業構造の変化や地域のニーズに応じて拡大していくことが想定されておりますけれども,まずはどのような分野を対象として具体的な基準を検討するかというところです。もう既に何回か議論をしていただいていますけれども,例えば一定の具体的なニーズが認められている農業分野,こちらを対象として制度整備,設置基準の整備等の検討を進めて,今後の他の分野についての型をつくっていくといいますか,今後の具体的な人材像やニーズ,高専が担う役割を踏まえつつ,他の分野,コンテンツの名前がもう議論として出ておりますけれども,段階的に検討してはどうかと考えております。また,今後どのように5年間のカリキュラム開発や教員確保を進めていくべきかというところに関しても,御議論いただいてはどうかと考えております。
 補足資料として,15ページからでございますけれども,先日,第3回検討会において鳥取県のほうから御発表いただいた検討状況の資料でございます。
 また,19ページが高専の設置基準でございまして,現行の規定でございます。また,基幹教員に関する基準,また,校舎の面積に関する基準において,工学に関する学科以外の学科については別に定めるという形にされております。
 また,20ページが大学設置基準でございます。こちらが参考として大学の基準のほうでございます。
 また,あと,21ページ目でございます。高専における実践的な教育プログラムの開発ということで,国立高専においては先進的な教育カリキュラムのモデルを構築・展開していくということで,GEARとかCOMPASSといった取組がこれまで行われてきているというところの参考の資料でございます。
 最後,3点目でございますが,高専で実践的な学びを進めていく上では,企業での実務経験を有する実務家教員の重要性が改めて確認されたところかと考えております。高専教員の質を確保しながら,特色や多様性を生かした幅広い優秀な人材の活用・参画といったところを促進するために,実務経験や実績の位置づけをどのような観点で明確化するべきかと。これは基準の厳格化とか緩和といったところが目的ではないと。どういった形で考えることが,任用の上でより明確化して,それが助けるかというところの議論かと考えております。また,教育活動への円滑な参画に向けて,教員研修等を含めてどのような方策が考えられるかといったところに関しても御意見をいただけるとよろしいかと考えております。
 これに関しましては,22ページでございますが,高専の設置基準で教員の資格に関わりますところがどのような形で示されているかというところをお示ししております。
 また,23ページでございますが,こちらが実務家教員のイメージでございます。国立高専におきまして実務家教員として任用されている教員の事例でございます。こちらのほうでは,企業で実務経験を有する教員がどういった形で経験を生かして実践的な教育やPBL等を展開しているかといったところが見てとれるかと思います。
 私のほうからの御説明は以上でございます。
【谷口座長】  ありがとうございます。24ページとかは後でいいですか。
【佐藤課長補佐】  後ほど。
【谷口座長】  分かりました。どうもありがとうございました。
 今,新しい高専をつくってというようなところ,その分野の中で今一番大きいところは,農業といいますか,それはちょっと広く捉えていいと思いますけれども,そういうような話があるよと。そうしたら今度は,その先生方をどういうふうに持ってくればいいかと,そういうような問題が当然起こります。高専の場合には,実務家教員を入れて,実務がちゃんとできるように人を育てることをやってきているわけですから,実務教員導入をどういうふうにやるのが一番適正かというようなことを含めて考えたい。ちょっと細かい話になったときにいろいろな課題が出てくるかなと思っているところです。
 まずは,今出てきたように,幾つかの県からあるいは市からこういう新しい高専をつくろうという考え方がどんどん出てきている中で,新しい高専をつくる一つの理由は,やはり地域の活性化ということを考えたいということがある。どうも高専の卒業生が必ずしもその地域に定着するわけじゃない。というのは,今までですと,どうしてもそこに産業がないというようなことがあると,本当は残りたいけどという人たちも地域の外へ行かざるを得なかった。
 そういう意味では,地域とつながったような産業という,ちょっと広い意味で考えたらいいと思いますけれども,そういうものも一方ではつくりながら,地域を活性化しながら,かつ,それを支える,担う人材をつくっていくと,こういう話を考えないといけない。このようなところから,いろいろなところから高専の設置に手が挙がっているというふうに考えていかない。
 地域定着は,何か働くところがあればどんどんやっていくと思いますけれども,あるいは一回地域外に出てまた戻ってくるというようなことも当然あっていいと思いますけれども,高専新設に関して,いいかげんな学校にしたら,一時的には効果があっても,後々続かない。日本の将来を担うような人材を本当につくるという意味では,やっぱり質の保証もしっかりとやっていかないといけないということがありますものですから,この高専の新設に関してまずは,ちょっと農業と絡むかもしれませんけれども,そこで何かこういうことはちゃんと押さえておかないといけないというような話がもしありましたら,まずお伺いできればと思います。
 小島先生のところは,農業とかはやっておられないかもしれませんが,新しくこれは何か考えたときに必要となってくるかもしれない。農業に限らないかもしれませんけど。ちょっとその辺で何か,質の保証ということも考えて。
 あんまり質の保証というのは,硬く考えると,何か立派な,立派な,立派なとなっちゃっても,高専の人材育成がうまくいかない面もありますので,そういうことを踏まえながら,だけど,ちゃんと人材育成が立派にできないと話にならないということもありますので,御意見をお伺いしたいと思います。
【小島委員】  ありがとうございます。特に資料に基づくわけではないんですけれども,おっしゃったように,まず一番最初に思い浮かんだのは,質の保証をどうするかなということでした。
 あともう1点は,これも先ほど先生がおっしゃったんですけれども,高専生にどこまで求めるのかというところをやっぱり明確にすることで,協力企業様とか例えば農業に行くなら農家の方とかに御協力願えると思うんですけれども,私ども,いわゆる学校側がきちんとその枠組みというか,何をどれくらいやっていただきたいのかということを明確にする必要がまずあるのかなと思います。その情報を集めていきながら,じゃ,高専全体でどれぐらいの教育を学生たちに与えていったらいいのかというのが見えてくるんじゃないかなという気はしています。
 以上です。
【谷口座長】  ありがとうございます。高専の学生さんは,最初からトップクラスの何とかというふうにはなかなかいかないけれども,素質というか,そのもとになるようなことを随分いろいろと人材育成の過程でやってきています。卒業したらすぐトップクラスというわけにはいかないかもしれないが5年たち何とか経験を重ねることをしたら,随分いろいろなことにチャレンジする能力を育てておくことが必要です。やっぱり基本的にはチャレンジ精神みたいのがあって,それで実務ができるから,いろいろな課題が見つかっていく。そういう中で彼らは一生懸命取り組むことによって,本当に力をつけていっているということがあります。
 だから,卒業の段階でどこまで求めるかという話と,将来はもっと成長してよねというようなこともある意味では分けて考えながら進めていかないと,最初からもうトップクラス何とかを求めるというのも無理もあるでしょうし,だからといって,求める能力を低くしてその辺でいいよと言ったら,これまた,あと伸びないという話になってはいけませんから,やっぱりその辺の両面を考えながら進める必要がありますね。
 だけども,何でもかんでも学校の責任だと言われてもこれは困っちゃうよともなるかなと思いますので,その辺のところをちょっと踏まえて,そこのところはしっかり押さえて,それが質保証ですよということを踏まえた上で考えていかないといけないねというような話かなと思います。
 柴崎先生はどういうふうにお考えなのか。
【柴崎委員】  都立高専の柴崎です。紹介があった新設の公立高専の滋賀,愛知,福岡,川崎はみんな,教育委員会等が視察にうちのところに来ました。いろいろとディスカッションしたんですけれども,工学系は国立高専のほうでMCCをつくったので,カリキュラムをつくるのはやっぱりそれを基準しているので,多分設置をしやすくなっていると思うんですね。そこが従来ですと,公立高専は全部自分で考えなきゃいけなかったところが,そうしなくていいということなので,上の地域の特徴を出すところをどうつくるかということを皆さん考えているという感じでありましたので,そこはすごく設置がしやすくなったかなと思います。
 また,農業とか新しい分野は,今,認証とかを受けると,卒業の目標,ディプロマ・ポリシーに向かってどうカリキュラムが整理されているかというのは結構厳格に厳しくなっていますので,やっぱり最終学歴の総まとめの科目をどういうところに目標を置くかというのをきちんとつくって,一般科目との絡みをきっちりやるというのが多分非常に以前より求められているので,その辺をつくれるように多分スキームをつくったほうがいいかなという,そういう感じであります。
【谷口座長】  工学系はやっぱり歴史が長いからある程度のまとまったものがありますけれども,新しくつくる分野もやっぱりそれにある種倣いながら,さっき言ったように,もう5年卒業したときにそんなの全部できるよという,そこまでやっちゃうと,これはもう大変な,がんじがらめになっちゃってということがありますけれども,やっぱり新しい分野もしかるべく,さっき申し上げたように将来的にもぐっと伸びていってくれるような,そういうようなことを考えながら人材育成をやっていかないと,学位の問題とか等が出てきたときに,何だこれはというふうになってもいけませんから……。
【柴崎委員】  この辺までいってほしいという像がないといけないとかということですね。
【谷口座長】  そういうことをある程度決めておかないといけないということはあります。ちょっと言い方が曖昧になっちゃうけれども,あるレベルまではできるというのは当然ですけれども,将来に向かっての可能性をちゃんと持っているよというようなところを踏まえて,それを入れながら,それを入れたものとして人材育成をやっていくと。完成したというような形にあんまり縛られると,これは大変なことになる。レベルをどういうふうに表現するかにもよるかもしれませんけれども。
 やっぱり高専のいいところである,実務とか,将来を見据えながら次にチャレンジしていくというようなところ,ちゃんとそういう能力を養っています。しかも,今までになかったらやれないよというんじゃなくて,いろいろなものにチャレンジして取り組みますよと,そういう力を持った,本当に潜在力のある学生さんを工業の場合にはやってきたけれども,ほかの分野でもちゃんとそういうものをうまく定義できるかどうか分かりませんけれども,決めながらやっていこうという,そんなことが大事かなということですかね。分かりました。
 坂口先生,どうですか,その辺の資格というのは。学位授与機構としては非常に気になるところだと思います。
【坂口委員】  そうですね。大学改革支援・学位授与機構の坂口です。特にこの農業の場合とかもそうですけれども,実務家教員だけだと,やはり研究・指導ということがしづらいと思いますので,恐らく1つの分野に関して,実務家教員と研究指導のできる教員のバランスを取らないといけないと思います。例えば教員の資格ということで見ますと,例えば准教授以上の人が最低1人は例えば1つの分野にいる,兼務でも構わないみたいなふうにしていかないと,例えば学術的なアウトプットとか研究をしているという強みが出せないのかなと思いつつ見ておりました。
【谷口座長】  先生方の資格の問題も,だからといって,先生方だけじゃなくて教育全体の形をちゃんとしながら学生さんをそういう中で育てていくと。多分先生がいなかったら育ちませんから,それ相応の方がおられることが必要ですよということだということですね。実務家というか,それは高専の一つの特徴でもありますから,そこはしっかりと押さえながら,実務家の指導もしっかりとやってないといけないよということと分野の基本のところの教育も必要になる。そのためには,先生方もある程度ちゃんとそろってないと,これは何だ? という話になっちゃうよということがありますねという,そういうことですかね。ありがとうございます。
 竹内先生,どうですか。
【竹内委員】  公立高専ということですから,最近私が非常に気になっていますのは,都道府県や政令市における技術職の定員が埋まらない。募集しても一人も来ない,あるいは半分しか埋まらないというところが,これは大都市を含めて非常に顕著になっています。こういった,職はあるのに来ないという問題について,これは高専卒業生で対応するのか,あるいは県立とか都立の大学,どこでそういったものを受け止めるのかというのをそろそろ考えていかないと技術継承できないということになってきますので,これは文科省の問題というよりは,それぞれ所管分野の省庁との協力・調整が必要だと思います。
 これは国家公務員もそうなんですね。一般職の大卒クラスの技術職というのは,定数の今,建築でいうと26%,土木5割,機械52%,デジタル・電気・電子64%ということで,募集定員に対して合格者数がそれぐらいしか出ていないと。さらに,そこから実際採用されるのはもっと少ないですし,入っても二,三年で辞める方も多い。こういった問題についてそれぞれ,地方自治体であれば,自治体が管理する道路,上下水道,ガス,バス,こういったものについて管理者がいないと将来的にメンテができない。委託するにしても,発注者側に技術能力がないと,やっぱりインフラの維持に物すごい支障をきたすおそれがある。
 こういったものについて,高専なのか地方大学なのか,どこにそういう人を求めるのかというのはそろそろ考えないといけない時期に来ている。もちろん成長17分野で先端的な人材を高専も関与して育てていくというのも国策として大事ですけれど,やはり地方で人が住んでいる地方のインフラをどう支えるか,そこで中核になる技術者をどこで育成してきちんとつないでいくのかということは多分,今後公立高専をつくっていくということになってくるとそういう役割も含めて考えるのかどうか。
 高専をつくれば,そこに産業が出来て市場が膨らむというのもあるかもしれませんけれども,一方で,今,人が現に足りないところをどう手当てするかというのも一方でバランス論としては欠いてはいけない視点だと思っておりますので,ぜひ今後機会があればそういったものをどう考えるのかということについて,高専として果たすべき役割があるのであれば,こういう場で議論してもいいのではないかと思います。
 それからもう1点だけ。地域産業との連携強化をどうしていくかということについては,これは地域未来戦略の中で,都道府県が中心になって地域産業クラスターをつくっていって産業界と連携をしてやっていきましょうということになっています。この地域産業クラスターが具体化している地域において,新しく高専をつくっていく,あるいは今,既に設置済みの公立高専があるとすると,そこの役割を,産業クラスターを具体化するときに人材という面でどういう役割を果たしていくかということを具体的に考えていけばいいのではないかと思います。
 多分出口として国による支援拡充というところでは,地域産業クラスターでのアウトプットを国内市場や海外市場に展開をしていくということを出口設定として考えるんでしょうから,そういった例えば産品やサービスの海外展開を国として支援をしていくとか,そういったところは,国による支援の拡充というところで出てくるのではないかなと考えております。
 以上2点でございます。
【谷口座長】  ありがとうございます。せっかく高専をつくるということは,その地域のためということも含まれるので,地域との連携というか,地域の方々と本当によく話をして,どういう人材をどういう責任においてつくるのかということをしっかりさせてお組事が重要です。勝手に高専をつくっても駄目だし,地域がいろいろなことを勝手に言うだけでも駄目だし,本当に連携というか一緒になって人材を育てていくということをやらないと,うまくいかない。学生さんというか卒業した人が地域で働けるようにということもちゃんと準備してあげないといけないということがありますよね。
 今までだったら地域の行政あたりはそんなに人材募集の内容について宣伝していなかったところがあるので,こんな人が欲しいと言ったら,大体来るだろうというところがあったようなところもある。それがどんどん今,必ずしもそうじゃないということが出てきているよということがある。
 一方では,実際に若い人を含めて,今まで汚いとかきついとかってそれでやらなかったような仕事を,むしろ自分のいろいろな力がそこで発揮できる,地域のためになる,人のためになるということを考えると,どんどん手を挙げるということもある。アメリカなんかでもだんだんそうなってきているというぐらい世の中も変わっているというようなこともあります。
 そういう情勢を見ながら,自分の地域の将来はどうあったほうがいいかということを本当によく議論をしながらつくっていかないと,学校が勝手につくっても駄目だし,勝手に行政が何かこんなのやってよと言っただけでも駄目だし,そこのところは本当にみんなで寄っていたかってじゃないけれども,一緒になってつくっていくということも非常に大事なことになってくるかなとは思っています。そういうようなことを踏まえていろいろなことを考えていかないといけないよねということですが,なかなか簡単ではないと思います。
 五十棲先生,何かありましたら。いろいろとチャレンジしてやってこられたので思いもあると思いますけれども,何かうちはこんなふうに努力しているよとか,そういうことを含めていきながら何かありましたら。
【五十棲委員】  ありがとうございます。いろいろな高専が出来てくること自体はすごくすばらしいことだと思っています。新しい人材を育てていくという中で,あらかじめ質保証をどうしていくのかというのは結構根源的な難しさを抱えた課題でもあると思っています。その中で,新しい分野に挑戦するという高専が出てきたときに,何かあまり決め過ぎると創意工夫もしづらいというのもあると思います。一方で質保証が大事だということも当然なんですが,新しい挑戦,創意工夫が認められるようにある程度幅を持たせてやっていただけると,いろいろな挑戦がしやすいのかなというのは少し思います。
 あと,先ほど竹内委員から,地元の技術職というか公務員だけではなくて,製造業を支える人材も含めていろいろなことがあると思います。これは文科省の検討会でどうこうできるものではないと思うんですが,人材を育成して,今度そこに働きたいと思うというときには,やはり賃金の問題,処遇の問題というのはどうしても避けられない問題があるとは思っています。これだけ人手不足の中でも,なかなかそういった技術職,ブルーカラーの賃金が必ずしも,必要だと言われる割には賃金も上がっていないということもあるかなと思います。こういった部分は,行政がどうこうできる部分とできない部分があるとは思いますけれども,ここら辺,高専卒の人材の処遇というところも一定の課題としてはあるんだろうなと思っております。
 3点目は,非常に大きな流れの中でそういったことを言うのもはばかられる部分はありますが,たくさん高専が出来ると,どうしても高専での教員人材の取り合いというわけではないんですが,やはり高専で働きたい方は,高専卒の方だったり,一定程度高専にゆかりのある方が多いという中で,どうしても人材の引っ張り合いということになって苦労するという部分があると思います。
 検討会で書いていただいているとおり,教員人材の育成,あるいは様々な民間から高専教員として入ってくるというところが円滑になるという部分がもっと進むと,新しい高専が出来ても,そこで教える教員人材の供給も同時に増えるという体制が確保されるということも非常に重要かなと。そこもやはり賃金というのも大きな要素である。居住地が結構,高専もというか,第2都市あるいは比較的都市部から遠いところにある高専が多いいので,そういった点も含めて御配慮いただけると大変ありがたいなと思っております。
 以上です。
【谷口座長】  ありがとうございます。こちらで勝手に給料を決めるというわけにはいけませんけれども,学生さんの卒業生の給料は,昔と違って,あんまり表に出てないかもしれないけれども,結構,今,給料はよくなっているんです。皆さんのところにはそういう話がどこまで伝わっているか分かりませんけれども。
 各企業とかあるいは組織がいろいろ工夫しておられますけれども,いわゆる給料という形ではなくて,正規の何とかという初任給とかそういう形で出しているところもあるんですけれども,そうじゃなくて手当みたいな形でいろいろな,この人はこんなことできるからといって足していったら,結果的には,高専を卒業していろいろな力を持っている子は,それを全体給与と見たら,給与って結構高いよというのが今すごく出てきています。
 そういうことも,やり方の問題はいろいろあるんだろうけれども,あんまり表に出ないんです。例えば,証券会社の一部のところは,初任給がかなり高いです,高専の卒業生は。でも,いろいろな製造業とかそういうところは,私の知っている限りでは必ずしも初任給という形で言いません。全部手当てという形で出しておられます。そういう形をとって,結局手取りというか自分に入ってくるのは結構多いよというようなこともあるよということも一方ではいいほうに働くという。ただあまり表に出てこないので,それが皆さんには一般的に伝わっていないという面もある。
 さっき五十棲先生が言われたように,先生方も何かネームバリューみたいなところがちょっとあって,だから,高専のステータスがこれからどんどん上がっていくとまた違うということになる。あるいは,クロスアポイントじゃないけれども,幾つかのポジションを兼ねるというような方も出てきて,それでやっていこうというふうになってきている面もあるので,ぜひ高専の存在意義じゃないけれども,学生さんを育てることは大事だよという話も,学生にももちろんしないといけないけれども,先生方とか周りの人にもうまく言っていかないと,必ずしも伝わっていない面も一方ではあるかなと思います。それが多分これからどんどん変わっていくかなとも思います。
 私が聞いたところでは,さっきも言いましたけれども,ネオブルーカラーというのが本当に正しい言い方かどうか分かりませんけれども,ブルーカラーのほうが今までの仕事よりも給料が倍になったよとか,そんなことを言っている人たちも結構います。だから,仕事の種類によるんだと思いますけれども,そういうものも世の中では少しずつ変わってきて起こっているよ,新しいことが生じ始めているよということもある程度踏まえながらやっていかないといけないということがあるかなとも思います。
 今,竹内先生あるいは五十棲先生から言っていただいたことも踏まえながらやっていくので,やっぱり一方では高専全体がある種アピールというか,うそを言ったらダメだけれども,正しいことを正しく伝えるという努力もしていかないと,なかなか皆さんに広がっていかない面もあるのかなというようにも思います。
 若原先生,いかがですか。
【若原委員】  豊橋技術科学,若原です。オンラインで失礼します。
【谷口座長】  よろしくお願いします。
【若原委員】  今おっしゃられたように,まず,質保証というところですが,国立高専のような工業系の高専というのは,歴史もありますので,ある程度質保証というのは確立されている。学生が何をどこまでどんな経験を積み上げたということも,きちんと公開されるようになっていて,そういう意味では学生の伸び代というんでしょうか,これもある程度予測がつきます。
 違う分野になったときに,これを見えるような形でつくっていく必要があります。そういう意味では,なかなか日本では定着していないのですが,教育で何を経験したか,あるいは何ができるようになったのか,学生時代に何をできたのかを示すということです。それから,本人の特性として,質的な学習に取り組む姿勢とか,課題解決に自主的に取り組んだ事例とか,こういったものを含めたポートフォリオというんですかね,これをしっかりつくって,産業界に開示をしていくことが必要と思います。
 特に中小企業の社長さんとお話をしていくと,採用人数も少ないので,何を,どこまでできているかというのがきちっとわかるものがあるといいよねとおっしゃることが多い。工業系の場合は,高専生は優秀なので,ぜひ来てくださいと思っていますが,来てくれないんですよねということをよくおっしゃられます。会社さんも企業ポートフォリオをちゃんとつくっていただいて,こういう人だったら,例えば何年後ぐらいにモデルケースとしてこういうプロジェクトのマネジメントができますとか,うちは若い人を活用して任せてやってもらいますとかそういうのがあれば,高専生って結構技術面で力を発揮されるところを選ぶ傾向はあると思います。現状は,知らないから知っている大企業に行くみたいな風潮があるので,これを払拭していかないと,12ページにあるような地元就職率というのは上がらないのではないかと思っています。
 そういう意味では地元定着率については,ちょっと定義がよく分からないので,12ページのデータを見せていただきたいです。主な勤務先が高専の設置都道府県内に所在する企業への就職者数という形なので,事業所があればということではなく,勤務先ですね。だから,自分の出身高専の都道府県内で働いていれば,カウントされているという調査ですね。それで定義はよろしかったでしょうか。
【佐藤課長補佐】  そういう理解で結構です。
【若原委員】  よくお伺いするのは,奈良県だと,エリアも小さいということもあるんですけれど,峠を越えたら大阪なので,職場は大阪ですという人がいます。なので,もう少し大局的に見てもいいのかなとは思います。関西圏で見てみるとかという必要もあるのかもしれないですね。
 それからもう一つ,公立高専をつくられたときに,多分,国立高専とはまた就職の状況は変わると思います。専攻科をつくるかつくらないかということに関しても,まずは地元に人材を派遣する。滋賀県立高専準備委員会の方と話をしたときには,まずは地元に定着する就職支援ということを強化しますということなので,大学進学をエンカレッジするということはあんまりしない方向ですということをいただきました。
 あと,地元に人が残るか残らないかは,それは給料が低いから,あるいは就職先がないからということもあると思いますが,その地域に未来像を描けるか描けないかということも大きいと思うんです。そういう意味では,公立高専に関してはまずその地域の未来像をちゃんと描いた上で,それを県民の皆さんとしっかり共有した上で人材育成と地域定着を推進する施策とセットで考えていかないと,国立高専と同じような平均の地元就職率に落ち着いてしまう可能性が高いなと思っています。
【谷口座長】  いいですか。
【若原委員】  はい。
【谷口座長】  ありがとうございます。確かに県の単位というのは,地域でちょっと隣の県へ行ったら,もうそれはそこにいなかったというふうに見るかというのは,地域をもうちょっと広く見てもいいですよねという,そういうことも確かにあると思います。だから,一つの参考のデータとして考える。一方で,これは地域の行政とか地域の産業とか会社の方とかそういう方も,これを見ながら何でということをもうちょっとみんなで一緒になって考えましょうよという,そういう材料にしていってというふうにやっていかないと,やっぱりさっき若原先生言われたように,未来像が見えないとどうしても,残って何するの? という感じになってしまってもいけないから,それはやっぱり地域の行政とかそういう人たちの責任でもあるし,最近はそういうものをしっかりといろいろなところと話合いをしながらというようなことでやっています。
 文科省の,ちょっと前,今もやっていると思いますけれども,例えば工業高校とか商業高校,いわゆる専門高校か,そういうようなところがいろいろと新しい取組をやるときに,かなり地域の方々と一緒にお話をすることで大分変わったような地域もあります。今まではそんな普通の高校の専門高校といえども,あんまりいろいろな方と話をしてなかったんだと。それがそういうことを一緒にやろうという話になったときに,随分話し合いをするようになったということで様子が大分変わってきましたよと言っておられる地域も幾つかあります。
 そういうようなことも含めて,やっぱり地域は地域でしっかりとやってもらわないと,何か学校つくったらそこに残るかなというぐらい思ってもらっていたのでは,やっぱりそうはいかないよということです。だから,いろいろな人が一緒になって地域をどういうふうにしようと思っているか,あるいは地域だけというわけにいかないから,日本の将来をどう考えればいいかというようなことをしっかりと議論をする中で,うちはこれが強いからこれをうまくやったらいけるじゃない? というようなことが出てくるかもしれないし,そういうようなことを踏まえてやっていかないといけないかなと,今いろいろな先生方の御意見を聞いていると,そういうふうに思います。
 江口先生,何かございますか。
【江口委員】  高専機構の江口でございます。本日の1つ目の論点にある,地域産業との連携強化とか地元への卒業生の定着とかいう観点から,新しく学校をつくるに当たってどのような見方をすればいいかというところでお話ししますと,やはり実際の教育課程の構築とかも含めて,産業界との対話をするという,そういう枠組みは,できればもう既に高専制度が出来てから相当の時間がたっていますので,新しくつくる場合は,最初からそういうことも含めて学校の設置または運営というのは非常に大事な要素になると思います。
 これ実は,教育課程の編成のところでいわゆる産業界がどういう人材を求めているのかということと合わせて教育課程を編成して,かつ実際に進路を選択するということになると,厚生補導の観点とか両方組み合わせられるわけですけれども,やはり学生が在学中に自分の志した分野の勉学を積み上げていく中で,地域産業との接点のあるようなそういうカリキュラムであったり厚生補導があると,いざ自分の進路選択を最終的に決定するというときに,これは非常に大きな影響があるということは十分考えられます。
 実は国立高専はもう既に多くのところは,地元産業界との連携組織をそれぞれの学校でもつくっている,また,行政との枠組みもあるという中で議論しておりますので,学生がそういうところに触れる機会は非常に多くなってきております。以前と比べると環境が変わってきていると思いますので,ぜひ今後新しく出来るところは,最初の段階からそういうところは非常に重要なんだろうと思います。
 どうしても高専の学生さんの場合は,いわゆる在学中の時間が教育課程に多くの時間を取られている部分もあって,実際に進路選択するときに,多くの情報を一度に整理して自分の最終進路を決定するのはちょっと難しいところもありますので,やはりこれは最後のところにいきなりどういうところがあるのかということを見るのではなくて,できるだけ在学中に地元の産業界と接点を持ったような,いわゆる勉学の中での取り入れ方というのは非常に大事だろうということがあると思います。ですので,ぜひそういうところは,今後新しく設置されるところはちょっと検討いただけるとありがたいです。
 実はこれは後ろの2つ目とか3つ目の論点とも非常に密接に関係するところではありますけれども,やはり産業界との対話というのは非常に大事だろうと。ただ,公立高専の場合は,設置される自治体は,恐らく産業振興を管轄する部署等も当然お持ちだと思いますので,そういうところと学校設置の段階から連携していただくということは非常に大事なことになるんじゃないかなと思います。
 少しだけ,本日の12ページの資料に,やっぱり地元就職率,特にこれ,多くは国立高専の状況を示しているわけですが,実態としては,実は今の高専を新しく設置されようとする動きというのは,高専の卒業者の絶対数がやはり足りていないというところが多くあると思います。ですので,実は各学校に来ている求人の数,その中のいわゆる県外企業の求人数と地元求人数の割合でいくと,そんなにこれは大きく実は離れていないというところがあります。ただ,これがもう少し多くの学校が設置されて,全国的に状況が変わってくると,そこの新しく設置されたところだけではなくて,全国の高専のそういう意味での状況も少し変化があるかもしれないのではないかと。そういう意味では,新しく出来る高専も含めて高専全体でどういう人材を輩出していくかということは一緒に議論できるのではないかとは考えております。
 以上でございます。
【谷口座長】  ありがとうございます。今,地域のほうで高専というのをもうちょっと正しく理解をしてもらおうというのを,たまたまかもしれませんけれども,地方新聞の組合というか連合体が主催者として,この前もちょっと,僕は行かなかったんですけれども,神戸でやったんです。年に2回,地域の新聞社が主催をしてやるというのをやっていて,あれがうまく広がっていくと,各地域に高専というものの中身をより正しく理解していただくのに随分役に立つかなと思うような活動も今一方では出てきつつあります。
 そういう意味では,地方というかそれぞれの地域での人材育成の重要性をいろいろな角度から理解するようになって,じゃ,どう取り組むかというような話が今随分出来上がりつつあるというようなこともあります。ですから,新しい高専をつくるに当たっては,当然そういうところ,あるいは行政とかともしっかりと議論をしていただくということをやっていかないといけない。場合によったらある程度,最初からもうすばらしいなんてなかなかいかないから,伴走するというか,お互いにお手伝いしていかないとということもあるかもしれません。
 だから,そういうことをお互いに,いろいろな高専がやる,あるいは高専に関係しているようなところは,ちょっとこうやったらいいよというような話等を行政とも一緒になってやっていくことができれば大分違うかなとも思います。新しい分野がいろいろと出来ていくというのは悪いことではないので。ただし,最初から今の工業と同じレベルで答えを求めるとちょっとしんどいかもしれない。やっぱり数年の余裕を持たせないと。それをちゃんとしたものに一緒になってみんなでやっていくというようなことを進めていかないといけないかなというふうにも思ったりもしますね。
 今までの話で何か,これちょっと言うのを忘れたとかいうのがあったら。
 坂口先生。
【坂口委員】  すみません,大学改革支援・学位授与機構の坂口です。教員の確保及び地方でどのように人材を残すかということに関して,あまり今まで話題となっていなかったんですけれども,例えば教員が,私,一応女性として,なぜ地方に行かないかというと,2人分のポストがないんですよね。いくら就職したくて,例えば地元とかでポストの空きがあって,来ませんかと言われたとしても,例えば女性の教員だとすると,パートナーも研究者だったりするので,そうすると,比較的近い分野で,本当に教員じゃなくてもいいかもしれないんですけれども,ポストがなければ,例えば若手の教員ですと,今,乳幼児を一人で育てていますとか,あるいは不妊治療中ですといったときに行けないと,もう地方には行かないわけです。首都圏とかでないともう選択肢がない。
 そういったところで,もし例えば家族を帯同してもいい,何かポストがありますとしていただけると,恐らく地元の女子学生とかも,そうか,勉強しながらでも生活ってできるんだ,専門職に就きながらでも家族を持っているんだというモデルケースがなければやはり出ていっちゃうと思います。特に女性の流出は非常に大きい問題で,やはり手に職をつけたいという要求が非常に強くて,やっぱり看護とかしか今までなかったので,これが高専が受皿になって,先生方がちゃんと小さい子供を育てながら教えてくれているんだ,研究もしているというのがあれば,それはもう全然違うと思います。
【谷口座長】  なるほど。先生が見本を見せられるような環境をつくれと,そういうことですね。
【坂口委員】  そうです。
【谷口座長】  もうやっているところもあるかもしれませんけれども,もうちょっと上手にそういうものをやろうと思ったらできないことはなくて,結構できるところはあると思いますね。今までそんなに熱心にやってこなかったということも事実なのかもしれませんね。
【坂口委員】  どうしても最初から選択肢から外れてしまうんですね。
【谷口座長】  なるほど,そういうことも行政とも一緒になって,あるいはその地域の企業さんと一緒になってやれば,ある程度できない話じゃないですよね,そこはね。都会のほうが何かそういう意味ではポジションがたくさんあって何とかなっちゃうよというのが,地方に行くとそれが少し少なくなるかなということがあるかもしれませんね。そういうのも入れながら,やり方の方法論としていろいろと工夫さえしたらもっとできるんじゃないのというお話かなと思いますね。そういう意味では,そういうちょっとしたアドバイスというか,そういうことをうまくしていきながら理解を深めていくということも極めて大事かなと思いますね。分かりました。ありがとうございました。
 ほかに先生方,何か,さっき言うの忘れたよというのはありますか。あったら言ってください。いいですか。特にないようですから。
 今,お話がいろいろ出たけれども,それはいろいろなところと協力をすることによって随分できるということもありますし,新しいこれから出来る高専に関しては,最初から完全なものでなくても,いいかげんにつくれという意味ではもちろんないですけれども,つくったところをどんどん何年かのうちによくしていくことを考えることも必要ですね。そういうようなことを踏まえながら,それにちょっとみんながある意味では協力するよと。新しい分野でつくった高専に関しては,工業分野のやり方がそのまま適用できるかどうかは別だと思いますけれども,いろいろなことを一緒になってやっていくことによって,日本の将来につながるような人材育成になるような,そういうことをしっかりやっていくというようなことをしっかりやっていきましょうということが大事かなと思います。ありがとうございました。
 それでうまく話がまとまるとは思いませんけれども,いろいろな課題はあると思いますけれども,だけども,新しい分野をとにかくつくる。ただし,それもみんな寄ってたかって質保証をしながらちゃんとつくっていく。そのためのいろいろな障害に関しては,みんなで力を合わせて乗り越えるぞと。環境がちゃんと整備されないといけなかったら,それも一緒になってやるぞというようなことで,これが将来の地域の発展につながる。そういう形に持っていくという努力をみんなでしましょうよというのを,これを一つのきっかけとして,高専が新しく出来るというのを一つのきっかけとして地域を挙げてやっていくと,そういうような機会にしましょうということがあるんだと思います。
 そのためには,いろいろな人が努力もするし,これから新しくつくられる学科に関しても,いろいろな人の協力を得ていいものをつくっていくよというふうにしっかり考えてくださいということです。最初からもう完璧なものというのは出来ないかもしれないけれども,それは数年の猶予があるかもしれないけれども,その中でいろいろと工夫しながら一緒になってやっていきましょうというようなことで何とか頑張りましょうというふうにしていければと思います。ありがとうございました。
 特に農業の話がありますけれども,カリキュラムをつくるときに,農業に関してこんなことをちょっと考えておいたほうがいいよというようなことが何かあったら。私としては,例えば,最終的には農業の経営をやる人とか,そういう意味では経済もちょっと分からないといけないよと。一方では,農工連携じゃないけれども,いろいろな新しい農業をつくらないといけない。アグリエンジニアリング,そういう領域というのもちゃんと学んでほしいなと思いますし,一方では,基本的な農業の在り方じゃないけれども,そういうものもしっかりと学んでもらわないと困る。
 例えば,僕は化学が専門だけれども,土壌の土の分析とかは,そんなもんちゃんとできなきゃ農業にならない。水の分析もちゃんとできなきゃ駄目。湿度・温度の管理もちゃんとできないといけない。ある意味では工学とか,理学もあるかもしれませんけれども,そういうものにも関係するところは実は農業はある。生物化学というのもあって,今でも工学部の生命科学のところなんかはそういうことやっていますから,これは農業をやるにしたって遺伝子組換えも関係ないわけじゃない。新しい新種のものを創らないといけない。そういうようなものを上手に,全部取り込んだらこれは大変なことになっちゃうけれども,ある種取り込みながら,農業の基本のところを押さえて,本当に農業が新しい形の産業というか,そういうものにつながっていくような農業高専という形をつくっていただくといいのかなと勝手に私個人は思っているんですけれども,その辺について,では,課長。
【松本課長】  この辺で少し実務的なところで先生方に御相談できたらなと思う点が1点あるんです。ちょっと話の前置きを申し上げますと,先日中公新書で手嶋先生が『高専』という本を書かれて,御参加の方も読まれた方いらっしゃるかと思うんですけれども,やはり新しく高専という学校種が出来るときに,カリキュラム開発というのは当初随分やっぱり悩まれたようで,国立大学にそれぞれお世話する大学を決めて,要は,既存の工学の大学のカリキュラムを参考にしながらカリキュラムをつくられたというような経緯がいろいろあったらしくて,先達も随分苦労されたんだなと思いながら本を拝読していました。
 農学に関しても,今度高専をつくるというふうな話になったときに,従前の私どもの仕事のスタイルだと,今,鳥取県が先導されているので,鳥取県がいろいろ考えて,多分鳥取大学農学部とかとも議論されると思うんですけれども,出てきたものをいいだの悪いだの言うというスタンスが多分普通の仕事の仕方だと思うんですけれども,こと,事実上新しい学校種をつくるようなところがあるので,鳥取県の検討は検討として,まさに今日先ほど議論が出ていますようなモデルコアカリキュラム的なものを農学でつくるとどうなるかみたいなものを研究会的に我々はやらなきゃいけないのかどうかというところと,やるとしたら,まさに今日御議論があったところで,何でもかんでも詰め込むわけにいかないので,5年間という高専の与えられたカリキュラムの中で,まさにディプロマ・ポリシーにも通じるところあると思うんですが,どのぐらいのものを求めるかというのを,工学も映し鏡で参考にしながら,農学が専門の先生にも入っていただいて,高専のカリキュラムに詳しい方にも入っていただいた上で少しやっぱり,これは我々がいいだの悪いだの言う意味でもちょっと物差しをつくって研究しなきゃいけないのかなと思ってもいるんですけれども,その辺りちょっと御助言いただければと思っております。
【谷口座長】  ある種のモデルみたいなものを,1つの例をね。例をつくっていくのはいいと思います。基本のところはもちろん,5年あったら,そういうところでやっていきながら,さっきも勝手に申し上げたけれども,最終的には経営とかというそういうようなことも少し入れていただきたい。農業というのは基本は物すごいいろいろ幅広いです。品種改良をやるといったら,これはもうあらゆるいろいろな知識が全部要ります。だから,その基本になるところはちゃんと,教養じゃないけれども基礎教育の中である程度入れていきながら,それで終わらないで,やっぱりせっかく高専を作るんだから,実務が,農業というのは本当に実務だと思いますけれども,そういう意味では農工連携じゃないけれども,そういうものも入れながら,農業のほうで何が困ってるの,何が問題なのということを入れながら取り組むと良いと思います。
【松本課長】  新しい分野をこれから立ち上げるって,農学が今,一番先行しているんですが,高専というもの中に新しい分野を取り入れようとするときに,どういうふうに処理をしていくかというか,取り込んでいくかという多分ひな形を今,農学でつくらなきゃいけないフェーズかなと思っています。
 それをやるときに,私,研究会形式で,モデルコアカリキュラム的なものを試案としてつくってみるみたいなのが,何か役人だとみんな思いそうなところではあるんですけれども,どんな座組がいいかというようなところをちょっと先生方から御意見をいただけるとありがたいなと。
【谷口座長】  僕が勝手にいろいろ言っちゃいましたけれども,そういうことに関して,今,工学あるいはその違う分野におられる方から見て,新しい分野をつくったときにどういうことを考えながらやったかという今までの経験等を踏まえて何かあったら。
 江口先生,どうですか。
【江口委員】  高専機構の江口でございます。今,松本課長からお話があったように,農学全般の中で実際に高専を設置したときにどういう人材を育成するかとなったときに,いわゆるキーになる分野について,本日の資料でいくと21ページには,国立高専の教育課程編成の,これは最近の動きなのでいわゆる基礎の部分とはちょっと違うところもあるんですけれども,例えば下にあるCOMPASSと書かれているところ,これは実は産業界と,どういう能力を育成したらいいのかというようなことの,最初のときにもちょっと申し上げましたけれども,対話をした上で到達目標を定めて,それに合った教材開発であったり,授業とか評価の在り方というものを相互的に組んで実践を行う,そういうような形になっているわけなんです。
 ですので,農学というのは非常に広いので,先ほど谷口先生のほうからもありましたように,その中で,高専が設置して人材育成するにおいていいだろうと思われる幾つかの分野を抽出した上で,その抽出した分野ごとに,今申し上げたような産業界との対話も含めて,到達目標をそれぞれについて定めた上で,教育課程の編成はどういうふうにやればいいのか,それによってどういうところまで到達すれば,我々が高専を設置したときに目指す人材が育成できるのかというようなところを議論できるようにするというのは,これは非常に重要だろうと思います。ですから,ぜひそれは,今後新しい分野になるときには,設置するところで全部考えるというよりは,ちょっと大きな枠組みがあったほうがいいのかなとは思います。
【谷口座長】  ありがとうございます。なかなかそれを学校に全部任せるとなったら,ばらばらになっちゃってもね。ある程度共通の部分,そこの学校の特徴はもちろんあっていいけれども,そういう基本の共通の部分。だから,いつもお話しするけれども,国立の工業高専でさえ6割は共通,あと3割,4割はそれぞれの学校の特性を持ったものという,そういう感じにしていけばいいんじゃないかなと。でも,共通の部分がしっかりしていないと,何もあんまり大したことになっていかない。それがあるからこそ後々卒業した学生さんが伸びていってくれるというのがありますので,ちょっとその辺を踏まえて何か考えないといけないかなというのがあります。
 小島先生,何かありますか。
【小島委員】  ちょっとテーマに合っているかどうか分からないんですけれども,本校は2年前に4学科から1学科に,情報科に,3つの学科の募集を停止したんですけれども,それを議論していく中で,これから先やっぱり1つの分野ではなくて,複合的な,情報プラス,ロボティクスとか,情報プラスほかの分野もある程度理解できる,そういう人材がこれから必要じゃないかということで,今そのカリキュラムとかを一生懸命進めています。
 これから新しく農業に特化した高専ができる上でも,5年制になったときに,もちろん専門を深く学ぶということもこれまでの高専の学びで非常に大事な部分であって,これは残す必要があるとは思うんですが,それにプラスアルファは,何か別のこともちゃんと分かる,別の分野もある程度ちゃんと理解できる,そういう学びというのも必要ではないかなと考えています。
【谷口座長】  そのとおりですね。学生さんがこれからの時代に生きていくためにはね。ただ,農業もせっかくそういう分野でつくるんだから,農業,農業,農業って従来のというのよりは,少し将来的なものを入れた形に多分されると思うんですけれども,そういうものをやっぱりある種のひな形をちょっと大ざっぱでもいいからつくってというような会があってもいいですよね,さっき課長が言われたみたいにね。
 柴崎委員,どうですか。
【柴崎委員】  我々の今の高専のカリキュラムって,昔からくさび型と言われて,一般科目が少なくなって,専門が5年間で多くなって,大学の工学でいうと4年のところまではやろうというような形になっていますけれども,私が勤めた頃は就職8割で進学2割ぐらいだったんですけれども,国立のほうの編入制度ができてからやっぱり進学が伸びているんですけれども,複線型の編入とかの出口を考えていくと,受け入れてもらう大学のレベルのところまではやらなきゃいけないということになって,カリキュラムが随分そこで変わった気がするんですね。
 それで,新しい高専で違う業種でつくるということになるんですけれども,出口のところをどう見定めるかが多分大事で,地元とも本当にタッグを組んで地元のための高専をつくるんだということであれば,それに合った出口で育てる姿にしてということになるし,いろいろなところにまだ活躍をして,進学してということも視野に入れば,多少違ってくると思うし,その辺の割合のところをどうするかというのを一応やりながら多分考えていかなきゃいけないのかなという。学生のところですね。
 多分国立高専のモデルコアは,一般科目とかその辺はすごく参考になると思うので,そこの入れ方は多分それを参考にしながら,英語もちょっと入れようとかということでいいと思うんですけれども,専門のところは多分一からつくらなきゃいけないので,そこはやっぱり農業の大学とか大学校とかいろいろなところの意見を聞いて多分やったほうがいいかなという感じがいたします。
【谷口座長】  もうつくろうというところは,そういうのはちょっとはやっているんですかね。
【松本課長】  今まさに各県,鳥取県さんなんかも検討会をつくられて,そういうまさに座組を組まれてというところまでは。
【谷口座長】  一応やっているのね。この辺まで出来ましたというのは,それは見せてくれたりしているんですか。そこまで行っていない?
【松本課長】  まだ県の中で,農業高専をつくるべきだというところの議論の取りまとめを今されているところだというのがこの間の御説明でした。
【谷口座長】  まだそこまで,もっと細かいところまでまだ行っていない感じだね。
【松本課長】  はい,そこまでは行っていない。
【谷口座長】  だから,そういうのをちょっと,工学系のつくるなら分かるからすぐ出来るけれども,新しい分野をつくるんだから,それ相応にしっかりと,こちらも必要なお手伝いはしていきながらやっていくということはできるといいかもしれませんね。
 意外と,僕が思うに,工学系とか言っても関係あるのは結構あるんですよ,それは。理学もそうかもしれんけれども,工学で何か関係ある分野というのは結構あると思うです。特に,環境整備とか,そういうのを計測するとかそんなのだったらもろに工学でしょう。だから,そこに新しい作物の種類を創るとか,遺伝子工学ももちろんそうなんだけれども,そういうのも結構関係あるかなと。
【松本課長】  先日,鳥取の部長さんからの御説明のときも,結局,農業法人がどのぐらい所在するかという企業化の割合とか,あとは施設園芸農業みたいなものがどのぐらいその地域で盛んかとか,その辺の時合いが地域によって異なるので,まさにどういった教育を重点的に,アグリテック的なものを重点的に施すのか,それとも自分が営農して成り立つような経営的なところを重視するのかとか,多分置かれる地域によって大分時合いが異なるということなのかなと思っていて,だから,その辺は,まさに残り3割4割の色をつける部分のお話かなと。
 ただ,就職の観点でいうと,皆さん議論していておっしゃるのは,農業というのは土から離れられないので,意外と地元に残るのではないかとおっしゃる方が多くて,また工業の卒業者の就職の振る舞いとはちょっと違う動きになるのかなと思っています。面白い話だと思うので,いずれにしてもまた先生方のお知恵も借りながら,我々としても多分何もしないというわけにいかないので,ちょっと今後の形は考えたい。
【谷口座長】  折角つくるんだから,いい農業高専をつくりたいというかね。それで,これから変わっていくと思うんだよね,農業もね。だから,変わっていったときにもちゃんと対応できて,例えば基本のところはしっかりしていてという,そういうことを考えながらつくっていくと,農業高専つくってよかったなと後々なる。最初からもう完璧なものってできないかもしれないけれども,やっぱりそういうものをみんなでちょっと力を合わせてつくっていくということは極めて大事かなと思いますので,その辺のところ,何かまた機会があれば,いろいろな人の御意見,あるいはそういう委員会か検討会の中でまた意見交換させていただきながら,新しい形を何かつくっていければいいかなと思います。
 学位授与機構としては,何かそういうような新しい分野というのを考えるときに,何かこれを考えているんだという,何かあるんですか。これを中心に考えないと,ここが抜けたら駄目よという。
【坂口委員】  分野に関してなんですけれども,例えば,先生おっしゃったみたいに,農学って工学と同じぐらい幅が広くて,工学の中にはたくさんの分野があって,それぞれ何をして,何を取らなきゃいけないか決まっていますけれども,農学って,うちの学位授与も1つだけだったりするんです。全部まとまっていたりするんです。そうすると,あまりにもジェネラルなコアカリキュラムにしちゃうと,誰にも当てはまらないみたいな感じで。本当に工学と同じぐらい広いと考えていただいて,結局どこを見ているのかというのは結構違ってくると思うんですよね。酪農になったり,林業になったりとかという……。
【谷口座長】  そういうものがあったほうが,各地域の特徴がむしろ出て,いい話になりますよ。
【坂口委員】  そうですね。なので,コアカリキュラムをあまりにも広くしてしまうと,ちょっと誰も使えないものになるかもしれないというのがちょっと懸念です。
【松本課長】  若原先生が手を挙げていらっしゃいます。
【谷口座長】  若原先生,お願いします。
【若原委員】  豊橋技科大,若原でございます。多分,新しい分野の高専をつくるという議論なので,農業だけではないだろうと思っています。例えば水産業なんかも,水温が上がっていて,魚の種類が劇的に1年で変わり,陸上養殖も増えていますので,もしかするとそういう分野は高専が扱うようになる可能性もあるかなと考えています。大学の農学部については,私はあまり詳しくないんですけれども,やっぱりラボワークが多いと思うんですね。実験農場って結構大規模で,1年に1回しか耕作経験できないので,教育するとなると,高専型教育でイメージする実習というのはなかなかしづらいと思います。
 なので,例えば魚とか海藻とかの陸上養殖もそうですし,農業もそうだと思うんですけれども,たとえ施設園芸を実習の場としても,1回育成して成果が出るまでに最短でも数か月から半年かかる中で,どうやって5年間の中で教育するか,経験を積んでもらうかというところを考えなくてはならないと思います。これが第1点目。
 それから第2点目は,ものづくりのエンジニアリングと違って,まだ暗黙知が中心の世界であるという点への対応ですね,漁師さんにしてもアグリテックでも,あちこちで研究開発されていて,論文発表もされていますけれども,ほとんど実用として投入(普及)されてないんです。本学でその原因を調べる研究チームをつくって報告をもらっているんですけれども,どうも熟練の営農者が感じているものと,センサーが測っているものがずれているんじゃないかと思われます。
 なので,工学的な視点を持った人と熟練の営農者がよく議論した上でカリキュラムをつくる必要があると思います。林業も同様に,この木は切ったほうがいいとか,この木は残しておこうというのは,単純ではないので,そういう知見を集めて新しい産業として育てていくということを念頭に置くならば,やっぱり工業の場合よりも実務家の方に入っていただいてよくカリキュラムを議論した上で,現場のフィールドワークを工学の場合よりも多くしていく必要があると思いました。
 以上です。
【谷口座長】  なるほど。ありがとうございました。ほかに何か今のことに関して,御意見ありますか。竹内先生,何かありますか。
【竹内委員】  おっしゃられるように,農業をやる場合に,農業といっても,田んぼがあり畑があり水産業があり,工学でいえば電気,機械,土木,情報と分かれているように,やはり,それぞれの県ごとに,うちは田んぼだ,うちは林業だというそれぞれで,それぞれが準農学士になるという形で,鳥取県は何がやりたいんですかということをきちんと明らかにして,それを5年間のカリキュラムに押し込んで,共通基盤系の専門学科と応用系のデジタルとかAIを埋め込んだ即戦力的なものを詰め込んで,5年のコースに落とし込んでいくということだと思います。
 その際に,設置基準として今は校舎の面積とか教員の数ですけれど,農業の場合というのはどちらかというと,先ほどお話がありましたけれども,演習というか実習の農地の広さみたいなものをどう考えるかというのがむしろ設置基準。これは農業高校とか農業大学がどうなっているかという多分ひな形があるので,そこから持ってくるということだとは思うんですけれど,それも,だから,田んぼの場合,畑の場合,林業の場合で違うと思いますので,そういう学科の特色に即した設置基準を,それに即して必要な広さがあればよいというのが基本で決められればいいんだろうかなと思います。あまり今の工学とかのように何平米,何か物すごく細かい5,024㎡とか1,256㎡とかみたいなのを機械的にあんまり当てはめる必要はないような気がしました。
【谷口座長】  農業は農業の特徴みたいなものを上手に生かしながら基準もつくっていかないということですね。
【竹内委員】  生かして,それを実現できるものになっていればよいということを考えればいいと思います。
【谷口座長】  多分それはそういうふうになっていかないといけないというところはありますよね。農業高校がどんなふうにやっているかもちょっと勉強しないといけないかもしれませんね。そういうものも踏まえながら,だけども,そこで終わるんじゃないですよという,そういうことをしっかりやっていけるようにという。そんなところですかね,農業に関しては。でも,ぜひそれらを議論する,専門家を入れてやるような会をつくっていただいて,そういういろいろな議論も踏まえた上でやっていければいいかなと思いますね。
 工学と同じように何か枠組みをというふうにはなかなかいかないこともあるかもしれないし,一方ではこれはちゃんとやらないかんよというのも出てくる可能性も十分あるということですから,当然そういう枠組みを踏まえながらやっていきましょうということですかね。ありがとうございました。
 それにも似ているかもしらんけれども,実務家教員とかその割合を含めて,今度は先生の規定をあまり厳しいというか,あまり細かくしても困るし,かといって野放図になっても困るしという。先生の枠というか,そういうものに関して何か御意見ありますか。先生を考えるときに,何をもってこれは実務家教員というんだとか,あるいは基本的な基礎的な先生というんだというようなところ。
 これ,でも,農業何とかとは言わないけれども,工業系の高専でもそれに近い何かをやっていたりしますよね。科学や生物系の学科の中でちょっとそういうのをやっている先生もおられますよね。その先生たちは,サイエンスとかテクノロジーの基本のところを,対応する何か対象物が農業に関わるものであるとか農産物であるとかそういうことの中でやっておられて,そういう側面も一つは必要だし,一方ではやっぱりノウハウみたいのが随分農業の場合にはあると思うから,そういうものを入れながら,やっぱり新しい農業人材になるようなそんなことにもしたいなという感じもあるので,その辺は何か先生方で,ここはちょっと注意したほうがいいよというような意見ありますかね,何か。
 五十棲先生,何か全然違う分野でやってこられた経験からいったら,何かありますか。これはちょっと注意しとかないととんでもないことになるよとかという。
【五十棲委員】  ありがとうございます。必ずしも私は農業はちょっと分からないんですが……。
【谷口座長】  農業じゃなくてもいいけれども,そこから共通の何か新しい分野をつくるときにというのがありそうな感じがするから。
【五十棲委員】  新しい分野ですと,その分野がまだ学問的に未確立であることが結構あって,民間の様々な工夫のほうが先行しているみたいなことはあることもあると思います。そういった場合に教員として,バランスだと思います。先ほど坂口委員でしたか,いわゆるアカデミックバックグラウンドの方と実務を結構やってこられた方をバランスよく配置すると。実務の方は,必ずしも学位とかそういったものがあるわけではひょっとしたらないかもしれない。例えば農業であれば,本当に高卒で,その後すごく現場で秀でた業績を持っていらっしゃる方とかも多数いらっしゃる分野ではないかなとも思います。そういった方が教えてくれたほうがいいとかということもある。ただ,その方だけで構成するのはよくないというのもそうだと思います。
 一方で,要は,既存の大学の農学部のミニチュア版をつくりたいわけではないのでは全くないかなとも思います。既存の農学部のカリキュラムがこうなっていますよ,それを圧縮したらこうですよということではないんだろうと思いますので,あんまり何か,手取り足取りこうだよ,ああだよとその分野で権威のある方が御指導さしあげると,逆に,これ,新しいものをつくる意味があったんだろうかということになってしまうし,恐らく地元の農学部のほうがちょっと充実している。
 要は,ミニチュア版であれば,結局相対評価になってしまうので,新しいものをつくるということを考えたときに,どちらかというとやりたい方々のまずは意図と狙いをどう具体化するかということを中心に考えつつ,じゃ,その質をどう担保するのかというのを考えていくというということが大事かなと思います。
【谷口座長】  ありがとうございます。やっぱりミニチュア版をつくってもあんまり意味がないから,参考にはさせてもらうとしても,もちろんそれも参考にはするけれども,やっぱり新しい農業高専というかそういうものにしていって,結局新しい分野の新しい人材をつくっていくと。それがある種高専の役割かなと思いますから,やっぱり参考にはさせていただくと思いますけれども,それでミニチュア版をつくっても全く意味がないというか,それではなかなか次の新しい分野は切り開いていけない,そんな感じがしますから,その辺だけはちょっと注意しないといけないかなと。
 そういう意味では,実務家という人たちが半分ぐらいはおられてもいいよねという,そういうのがあるけれども,じゃ,絶対半分いないといけないかというと必ずしもそうでもないよねと。工学とかほかの分野から入ってきて,新しいところをつくっていかれる。地域なり,新しくつくられる学校の目標というか,その地域の特性,そういうものにもよるけれども,そういうことをちょっとフレキシブルに押さえておかないといけないかなという,そんな感じですかね。
 ほかに今のことに関連して何か御意見ある……。
【江口委員】  ちょっとよろしいでしょうか。
【谷口座長】  どうぞ。
【江口委員】  高専機構の江口でございます。今の実務家教員の確保という観点でいきますと,本日の資料の中には,22ページのところに高専の設置基準で今日赤で示されている部分があるんですけれども,ある意味実務家教員が雇用できる枠組みとしては,ここの中にもう既に含まれているという考え方です。
 実際に,ただ,これを実運用するときには,どういうプロセスでこういう方を組織の中に入れて採用したのか,雇用したのかというところは,きちっと学校自身が残しておく必要がある。どういう観点でそれを見たのか。研究であれば,研究業績を見るというのもあるんですけれども,ここに書かれていることを実際にどういう形で採用するときに見たのかということはちゃんと残せるようにしておくということが非常に大事だろうと思います。
 やはり今回の論点になっている実務家教員があるというのは,高専の教育としては非常に重要なところですので,先ほど五十棲委員のほうからありましたように,全員がどっちかというわけにはなかなかないんだと思うんですけれども,やはりこういう方々が採用できる状況はつくっておく必要があるだろうと。
 本日,当初の説明の中にも国立高専の例として23ページには,実際にどういう方々が来ているかというのがあるんですけれども,ここの例でいきますと,最初のお二人というのは,これまで既存の専門学科にかなり近いところで実務経験のある方で,どういうふうに採用されて,どういう経歴を持たれて,どういうことを期待して,実際に活動されているのかいうところですね。下2つの例に関しては,直近のいわゆる課題解決を教育の中に取り込んだときに,そういうことをいわゆる専門分野をカバーしながら教育ができる方ということでこういう方々。これはやはり実際に採用するときは,先ほどお話ししたような設置基準にある,いわゆる実務経験があるというところをもとにしている部分ではありますので,ぜひこういうところは,現在の枠組みをうまく使いながら,採用するときにはやはりここはもうよく雇用する側がよくそこをちゃんと見るという枠をつくった上で,展開していくのがいいのかなとは思います。
 以上です。
【谷口座長】  学校の目的なり地域の目標とするところにも合った方でないとそれはいけないので,そのための実務家教員ですからね。ということで,結構もう今はいろいろな規則も柔軟になっていて,教員の選考をちゃんとさえやれば,目的に適ったかなりのことはできるようにもうかなり変更してあるんですよね。ただし,いいかげんにそれを使ってもらったら困るよというところはもちろん押さえないといけないということで,今,先生言われたように,何でこの方を使っているのか,お願いするのかということをしっかりと説明できるようにしとかないと駄目ですよという,そういうことですよね。
 竹内委員,何かありますか。
【竹内委員】  確認だけなんですが,これはあくまで学校長の説明責任に帰するという理解で正しいんでしょうか。
【谷口座長】  学校長ももちろん考えるし……。
【竹内委員】  つまり,例えば教授のところの4項とか5項に即してこの人を採用しましたという場合に,事前に何か審査をしたりみたいなことはなくて,これはあくまで学校の判断で何項に該当するのでこの人を採用して,こういう体制でやりますということを学校として説明責任を果たせばよいという理解でよろしいんでしょうか。
【谷口座長】  基本的には学校の責任でやっていますよね。
【松本課長】  新設時は審査があると。
【竹内委員】  新設時には教員の審査があると。途中で入れ替えるときは学校の判断で,いわゆる完全に学校として完成年度を迎えてからは,高専のほうの任用という形の判断で,あとは説明責任だということですね。
【松本課長】  はい。
【竹内委員】  分かりました。
【谷口座長】  ほかに何かありますか。割とそういう意味では柔軟になっているんだけれども,要は,いいかげんではないよ,ちゃんとしてないと駄目よ。だけども,そこのところはフレキシブルにかなりやっていただいていいですよと。その成果は,学生さんがどれだけ育つかということでちゃんと見れますよという,そういうところにある。先生方もどういう活動しているかというのもある意味では,チェックというとあれだけれども,理解しながらやっていますよということで,そのための学位授与機構が動いていただいてというのがある。
 そこのところが僕は大事なことだと思っていて,学位授与機構がある種絡んでもらうのは,いつも僕は言うけれども,日本の国が保証しているんだと,そういうことを世界に対してもしっかりと言えるような形にしておかないと,何かいろいろやっているじゃんみたいな話になったら,そっちの悪いほうにはすぐ流れますから,そうはしないよということをやりながら,だけど,がんじがらめで何か硬いことばかり言って何も新しいことにチャレンジできないって,それはないですよというようなことで,学位授与機構というか,国のそういうところ,学位の問題もそうなんだけど,そういうことでちゃんと国と一緒になって,国が保証しながら,かつ将来に向かって活躍できるような人材を責任を持って育てるよという,そこのところさえちゃんとしてればいいんじゃないかなとは思っているんですね。
 ただ,今までの工業と同じようなやり方だけでは,残念ながらやっぱり分野によっては必ずしもいかない。それを悪用しないでくださいね,いい方向に使ってくださいねということで理解しておかないとということがあるかなとは思っているんですけどね。
 そんなことでいいですかね。坂口先生,それでいいですか。僕はそういうふうに思っているんですけれども,いいですか。
【若原委員】  すいません,豊橋の若原でございます。
【谷口座長】  どうぞ。
【若原委員】  1点だけです。工業系と,農業あるいは水産業,林業で一番違うのは,実務家教員を確保するときに,法人の規模が多分圧倒的に小さい会社が多いと思うんです。個人経営であるとか。そういう意味では,常勤の教員で確保するというのはかなり難しいということがあります。高専教員も基幹教員制度が適用されていると思いますので,クロアポとか何かそういった形で断続的な運用確保ということも,工業系よりももっと広げて考えるようなことが必要なのではないかなと思いました。
【谷口座長】  なるほど。そうですよね。多分,農業何とか研究所とかが地域によってあったりして,そこの先生がそこを辞めて来てくれるような人も中にはいるかもしれないけれども,基本的には何かやりながらというのが多くなる可能性は十分あるかなと思います。だけども,農業研究所とか何ていうのか,地域によって違うかもしれない,そういうようなところとか,あるいは農業組合というか,そういうようなところともうまく連携をしながらやらないと動かないよということもあるかなということですね。まさに皆さんおっしゃるそのとおりだろうと思います。
 ほかに何か言っておきたいということありますか。
【五十棲委員】  五十棲ですけれども,よろしいですか。
【谷口座長】  どうぞ。
【五十棲委員】  今の若原先生の御意見を伺って思うことは,今,その他基幹専任教員というのがたしかベース基幹教員の4分の1となっているという理解をしています。これが仮に例えば農業系の高専でいわゆる基幹教員をもうある程度,要は,農業にふだんは従事しているけれども,今まで基幹教員というと6単位とかですか,6単位を教えるという方が4分の1で縛られると,場合によってはキャップがはまってしまうというところはあるかもしれない。要は,実務をやられながら教えるみたいな方,当校も実は4分の1いっぱいいっぱいなんですけれども,本当はもうちょっと増やしたいなと思ったりしたりするんですけれども,なかなかそこは今の制度上ではそこのキャップの中でやっている。そこのキャップをどう扱うのかというのは,一定の考慮の余地がいただけるとありがたいかなとは思いました。
【谷口座長】  今のところ規定はそういうふうになっているけれども,場合によったら,そこのところはもう1回考え直すなり,臨時的に例えばもうちょっと使えるよという形に持っていくとか,何かいろいろあるかもしれないということですね,そこは。
【五十棲委員】  そうですね。新しい分野ですと,そういった形の基幹教員の構成の仕方をやるほうが教育効果が高いということもあり得るんじゃないかなという御提案です。
【谷口座長】  どっちが教育効果が上がって,学生がどっちが育つかというようなことをちゃんと考えに入れながらやりましょうということですね。先生の質保証ももちろん大事だけれども,その辺のところも併せて考えましょうということですね。ありがとうございます。
 ほかに何か御意見ありますか。どうぞ。
【江口委員】  1点だけ,すみません。今のいわゆる実務家教員というのを,例えば設置基準上にあるような中に全部を入れてしまおうと思うとやはりなかなか難しいところがあると思うんですが,実際に,先ほどちょっと国立高専の例を紹介いたしましたが, COMPASSの事業なんかでも,新しく教育課程の中に入れ込んでつくっているわけなんですけれども,ここはやはり既存の学問分野のいわゆる融合体であったりしますので,いわゆる実務家の方々にやっぱり入っていただくというのは非常に実は教育効果が高い。
 ただ,これを今の基幹教員ベースでやってしまうと,なかなかそれは体制をどんどん変えていかないといけない。これは難しいところもあって,そこはいわゆる別の教員の雇用形態を活用して実務家教員として入ってもらうということは,特に新しく設置していくときにはうまく運用できると効果的な配置ができるんだろうと考えます。この辺のところは,設置基準との組合せをどのようにするのかということについては,新しく学校設置をする上ではちょっと検討の余地がある。または,もし別のバックアップの体制が出来るのであればそういうこともあるかもしれませんが,大枠をあまり触わろうとするとなかなか難しいところも出るんじゃないかなと,それはちょっと今あります。
【谷口座長】  いろいろなことが可能性があるならば,要するに,教育効果がどうやったら上がるかというようなことを考えながら。だから,今の枠の中で必ずしも全部やらなくても,ほかの方法がこれだったら取れるというようなことがあれば,そういうようなことも踏まえていろいろな形を取っていきたいということかもしれない。下手に崩しちゃうと,何か崩しちゃったみたいになって,いいかげんになっていくきらいもちょっと心配があるから,あんまりそこは。ほかの方法を取りながらということも入れながらやっていくということがあるかもしれないよというのが今の御意見ですよね,そこは。
 それはそのとおりだろうと思います。要は,人材育成がちゃんとできて,かつ教育の質というか,それが保証されていてということがちゃんと成り立ちながらやっていかないといけない。でも,教育のやり方が今までのような感じだけでは駄目ですよというようなことを踏まえないと駄目ですということで,いろいろな約束事をいじらなくてもできるようなことも踏まえて考えないといけないということですかね。
 ちょっとなかなかまとまらないところもありますけれども,およそ基本的な重要な観点は大体表に出てきたかなと思いますので,これを踏まえながらちゃんとまとめていくという形にさせていただければと思います。
 文科省のほうから何かありましたら。特にいいですか,この今の議論。
【松本課長】  ありがとうございます。また審議のまとめの中で御相談させていただきたいと思います。
【谷口座長】  なかなか簡単にはまとまらないことも多いので,できるだけいろいろなものをいじらないところでうまくやっていきながら,だけども,フレキシビリティーをうまく残しながらやっていければ,効果もちゃんと上がってという形になるかなと。難しいところはやっぱりありますけどね。あんまり根本的なことをいじってしまうとまたがたがたになるという,そういうことになったら元も子もない話になるから,それを守る。だけど,あんまり硬い,いわゆるがんじがらめというのでも困るよねと。その辺のところを踏まえながら少し工夫をしましょうということにさせていただければと思います。
 ほかに何かありますか,言っておきたいという。なければ,この2番目の今後の高専教育についてという議論は,今日はいろいろなお話が出ましたけれども,ここまでにさせていただければと思いますが,よろしいですか。
 ありがとうございました。では,その次に移らせていただいてというか,もう最後,資料4について,事務局のほうから御説明をお願いして終えたいと思います。では,事務局,お願いします。
【佐藤課長補佐】  事務局でございます。資料は24ページを御覧ください。資料4になります。令和8年熊本地震災害支援についてということです。前回検討会におきまして,江口委員により被災者支援についての御報告をいただいたところでございます。本件に関しまして実績がまとまりましたので,改めまして事務局のほうから御報告させていただきます。
 令和8年熊本地震におきましては,被災者の生活支援のために,8月14日から22日の期間において,大島・弓削・広島の3商船高専の練習船3隻を用いた給水支援,シャワーサービス等の提供を実施いたしました。本取組に当たりましては,高専機構本部と連携の上,さらに九州ブロックの5高専が,次のページにあるんですけれども,有明,佐世保,熊本,都城,鹿児島高専,この5高専の陸上支援とパッケージで実施されたという内容になってございます。
 給水支援につきましては,すみません,何度も戻って申し訳ありません,24ページに書かれているとおり,33.5トン,それからシャワー提供については302人に対して行うとともに,そのほか,飲料水,それから災害備蓄品の配布等も行われたという状況でございます。活動の状況のほうは写真を載せさせていただいております。
 また,これらの災害支援活動につきましては,先日,文部科学大臣より感謝状の授与をさせていただいたところでございます。感謝状授与の後に,災害支援について大臣との意見交換を実施させていただきました。こちらについても写真を掲載させていただいてございます。
 改めまして,被災者の生活を支えるための重要な役割を果たしていただいたというところで,大変感謝を申し上げております。御報告は以上となります。
 続けて,最後,事務的な御連絡となります。次回第6回の検討会でございます。次回第6回は,10月21日水曜日の午後3時からの開催を予定としてございますので,御出席のほどよろしくお願いいたします。
 また併せて,議事録についてでございます。こちらもこれまでと御案内は同様ですけれども,事務局で作成の上,委員の皆様方に御確認いただいた後,文科省ホームページにて掲載させていただく予定としてございます。
 以上でございます。
【谷口座長】  ありがとうございました。この感謝状は,各学校に全部それぞれに下さったんですか。たくさん何かみんな持っているから。
【佐藤課長補佐】  今回感謝状につきましては,記載されてあるとおり,授与は,高専機構本部1機構と,あとは,支援を実際いただいた8校,9機関に対して感謝状をお送りさせていただいてございます。
【谷口座長】  本部にも出してもらった?
【佐藤課長補佐】  はい。
【谷口座長】  それと各学校に,お手伝いしてくれた学校に,だから,九州にある高専,船を持ってないところにも出していただいたと,そういうことですね。
【佐藤課長補佐】  はい。
【谷口座長】  これは立派なもので,ある意味ではこんなのやるのは当たり前といえば当たり前なんだけれども,しっかりやっていただいて,褒めていただいてということで,こういう積み重ねが非常に大事ですので,市民の皆さんのことをちゃんと応援しているよということを示すことができたのかなとも思います。そういう意味でも,やっぱり高専が日本の社会をよくするために先導的な役割をある程度果たさせていただくという意味において,できることはいろいろな形でやりますよということの一環かなと思っています。ぜひさっきの農業高専とかいろいろなことについても,さらにさらに詰めていきながらよりよい形にしていければと思います。
 ありがとうございました。今日は長い時間にわたりまして,いろいろなお話をいただきまして,御議論いただきまして,改めて感謝を申し上げます。
 
 特にないようですので,第5回の会議はここまでにさせていただきます。今お話があったように,第6回の会議は10月21日3時から,1時間ちょっと後になりますけれども,3時から5時ということでやらせていただきますので,またよろしくお願いをいたします。
 ありがとうございました。今日はここまでにさせていただきます。
 
―― 了 ――

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