令和8年7月30日(木曜日)16時00分~18時00分
【谷口座長】 定刻でございますので,ただいまから第3回目の高等専門学校,高専の機能強化に関する検討会を開催します。今日は本当にお集まりいただきありがとうございます。画面の向こうの先生方もありがとうございます。よろしくお願いします。
開催に当たって,本検討会の留意事項等について事務局で御説明いただきます。
【佐藤課長補佐】 事務局でございます。本日,全員に御出席をいただいてございます。
また,萱島委員におかれましては,オンラインでの御参加となってございます。
また,本日は協力者として,鳥取県総務部長の佐々木俊二様,それから釧路工業高等専門学校校長の長尾和彦様にオンラインで御出席をいただいてございます。
また,留意事項について御説明いたします。
傍聴の方々にはモニターの画面を共有し,ユーチューブでの御視聴をいただいております。先生方の御説明,御発言に当たりましては,都度お名前をお伝えいただきまして,オンラインでも聞き取りやすいよう,ゆっくり,はっきりとお話しいただければ幸いでございます。
また,資料等,御参照される場合にはページ番号をお示しいただく等の御配慮いただきますと幸いでございます。
資料については議事次第のとおりとなってございますので,不足等がございましたら事務局へ申しつけください。
以上でございます。
【谷口座長】 ありがとうございました。早速,議題に移らせていただきます。
議題の1,最初の議題は第2回,前回の検討会及び,中教審の大学分科会で御議論いただいたことについての御報告を兼ねて,どんな議論だったかということをお話しいただければと思います。
資料の1に基づいて事務局から御説明お願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【松本課長】 前回の議論は,学位の関係や研究の扱いについての御議論をいただきました。今回の検討会,柱3つに沿って議論を進めておりますが,前回の議論に関しては資料1の2ページを御覧いただいて,柱の2となっておりますけれども,こちらで今,黄色でハッチングしているところが前回いただいた主要な点かと考えております。
中ほどですが,高専では研究推進や産学連携に関するポリシーや基本的な方針を定めるなどして広く研究活動が行われており,さらなる研究機能の高度化を図るために,法令改正により研究を高専の目的として位置づけてはどうかということ,それから高専教員は授業のほか多岐にわたる業務になっていることから,研究環境の整備や労働時間管理にも留意する必要があるとの御指摘,それから論文数や科研費獲得額などの業績を一律に求めると負担が大きくなるため,高専の実情を踏まえた配慮が必要であるといった御意見がございました。
それから3ページ目ですが,柱の3つ目に関係する高専卒業者の国際通用性の確保について,学位に関連した高専での学びの成果について,国際通用性が担保された形で適切に評価するスキームとして,大学改革支援・学位授与機構からの学位授与が考えられるのではないかという御意見,それから学位が授与されないことによる不都合は現に既卒者において生じていることから,既存の卒業生にも学位を授与する仕組みが必要であること,また,海外で活躍する高専卒業生が自ら高専の学位資格を説明できるようになれば,国際的な認知度向上につながるのではないかといった御意見をいただきました。
それから学位の名称については,国際通用性を確保する観点からも同等のレベルの教育資格との整合性にも配慮しつつ,高専の特徴が適切に理解される名称とすることが重要ではないかという御意見。
それから高専卒業者の卒業証明等の国際通用性の確保について,当面できることの御議論としてですが,学生本人が海外出願時に説明するだけでは限界があるため,文科省や大学改革支援・学位授与機構など,公的機関からの情報発信の強化が必要であるという御意見。
また,卒業証明書等に高専の位置づけ等の対応の明記,また,高専3年修了の位置づけについても適切に理解されるような対応が必要ではないかという御意見をいただいたところです。
5ページでございます。7月16日に中央教育審議会の大学分科会で御意見をいただきまして,内容は全て読み上げませんけれども,総じてこちらの検討会で御議論いただいたことと同様の議論になっております。設置目的に研究を明記する方向で検討することには賛同するといったこと,それから学位を授与する方向で検討することにも賛同をすること,それから教育課程,学習成果の評価,質保証,学位の妥当性について,どのような仕組みで担保するのか,検討が必要ではないかといった御意見,そのほか,専門職短期大学との違いや役割分担を明確にすべきと,他の学校種との制度との関係性というのを少し整理したほうがよいのではないかという御議論。
それから同様に,ディグリーとかディプロマとかサーティフィケートといったものがあるけれども,学位は何かという議論を制度全体で整理をした議論をしたほうがいいのではないかという,大学分科会ならではの観点の御議論もあったこと。それから卒業証明書にディプロマサプリメントを添付してはどうかと,こちらの検討会でも同様の御議論いただきましたが,そういった御議論もありました。
また,高専に関しては7月21日に閣議決定されました日本成長戦略, 6ページでございますけれども,こちらでも取り上げられておりまして,高専の学生数を少子化傾向においても2040年にかけて増加をさせていくこと,それから,そのための講ずる政策のパッケージとして大学,高専の体制強化ということで,現在3校にとどまる公立の高専の設置を促進することと,国立高専機構の交付金の着実な確保といったところがうたわれております。
それを踏まえまして7ページでございますけれども,いわゆる骨太の方針にもこのエッセンスが入りまして,高専の新設,機能強化といった文言が入り,注釈でございますけれども高専機構の交付金の着実な確保も盛り込まれています。
今日のその上での議論用の論点ですけれども,まず,高専に対しては8ページですけれども,高専に対して社会的需要が高い成長分野の人材育成や,地域課題・社会課題の解決に貢献する人材育成への期待はこれまでも出てきていますけれども,今,挙がっているお話として,工学以外の分野について,その高専教育を拡大していくことについてどう考えるかというお話がございます。
現状としましては,高専に関しては御承知のとおり昭和36年に制度が創設され,工学分野の技術者の養成を目的としてきました。その後,昭和42年に商船学校も加えられて高専化されて,また,そこから平成3年の制度改正で工学及び商船以外の分野に係る学科の設置も法律の立てつけとしては可能になっているところです。一方で,現行の高専設置基準においては,工学に関する学科以外の学科に関する基準は定められていない状況でございます。
実態としては,工学分野を基礎としつつ複数の分野を組み合わせた学科を設置している高専は存在をしております。また今日,御発表いただくところですけれども,新たに農学に関係をした高専の新設を検討する動きですとか,それから工学分野の学科から特にコンテンツといったところに関して力を入れた教育プログラムが実施されている例がございますので,今日はそういった事例のお話を伺った上で御議論をいただければと考えております。
その際に課題,論点としてございますけれども,工学以外の新たな分野への領域拡大についてどのように考えるべきか,また,農業やコンテンツ分野等を例として,こういった分野の人材需要の変化がどういったものか,それから中学校卒業段階から5年間を通じて一貫教育を行う意義や必要性,高専教育として取り組む分野を判断する際の考え方ですとか基準の立て方といったところに関して御意見をいただければと考えております。また,工学以外の学科の新設だけではなく,工学分野を基礎とした柔軟な教育課程の編成を含めて,どのような実施形態が望ましいかについても御議論をいただければ幸いです。
11ページです。また,高専の論点として高専教員の養成体制の強化という議論がございます。高専新設の動きが活発化しておりますので,今後は教員需要のさらなる増加が見込まれますが,11ページのハッチングしてあるデータでも明らかなように,高専の教員の年齢構成が高齢化しており,これによって将来の人材不足も懸念されているところでございます。
また,技術や産業構造の変化が急速でございますので,最新の実務知識を教育に反映させることが求められている状況を踏まえますと,高専教員に求められる資質や,高専教員の養成の在り方を検討するために必要な観点,方策は何かについても御意見をいただければと考えております。
現状,今,申し上げたところですが,かつてと比べると高専の教員の年齢層が上がってきており,各高専において教員の適材を得るところに御苦労が多いのは今日も校長先生が何人かいらっしゃいますけれども皆さん,実感されているところかと思いますので,高専教員に求められる資質・能力を踏まえて,高専教員の養成や能力開発とその向上,人材確保につながる好循環をどのように構築していくべきかに関して御意見をいただければ幸いでございます。
事務局からは以上です。
【谷口座長】 ありがとうございます。
今,お話あったように前回のまとめといいますか,量的な拡大,どういうふうに考えればいいかとか,質の保証,質の向上,どうしたらいいかとか,前回いろんな御意見いただきました。あるいは国際的なところでの展開ということに関して,高専がちゃんと高専として正しく評価されるようにというような御議論いただきました。その辺のところも幸いなことに中教審でありますとか,あるいは日本の成長戦略の中にも,中教審の場合には,全体的な方向としては我々の議論と同じような方向で行きつつ,こういうところ,注意しないといけないねというような御指摘も幾つかいただいている。
それから成長戦略では,高専は人口が少なくなっても,ちゃんとその役割をしっかり果たすのだから頑張ってねという,そういうメッセージもちゃんと記載されていると。お金をあんまり削らないよという,簡単に平たく言えばそういう感じになって,その代わり人材育成をしっかりやってくださいというようなことも書いていただいて大変ありがたいことだと思います。いろんな課題もありつつ,だけども期待が非常に大きいよということを理解してくださいということかなと思いますけど,今までの事務局の説明のことで何か御質問等ありますか,よろしいですか。
事務局からは,今日の議題というか,それの中心として今の課題になるような,もう高専も時代の流れが変わってきていますから,時代の中でどういう役割を果たすような人を育てないといけないかということがあって,その辺の新しい分野というのに対してどう取り組むかというような話でありますとか,取り組むのはいいけど,先生いなかったらできないよね,その先生をどうやって確保するか,あるいは育てて育成していくかと,そういうような話もありますよね,というようなことを少し今日は議題の中心において御議論させていただければということですよというのが,事務局からの御説明だったということですけど,よろしいですか。
それでは,早速ですけども,新しい分野云々ということに関連してですけども,今日,委員の方に加え,協力者の方発表をいただこうと思います。まずは鳥取県の総務部長でいらっしゃる佐々木様からお話いただいて,その後で新しい分野の一つとして,これは国立高専ですけど釧路高専の長尾校長先生からもお話をいただいて,さらに教員養成に関しては前回も出ましたけども,ここの委員でございます豊橋技科大の学長でいらっしゃる若原先生から今の現状等々のお話をいただいてということで,議論を進めていきたいと思います。
発表する人には大変申し訳ないけれど,重要なポイントを10分ぐらいのところでお話いただいて,その後,発表していただいた内容について,委員の皆さんから御意見いただきながら議論をさせていただければありがたいなと思いますのでよろしくお願いをいたします。
最初に資料の2-1ということになりますけども,佐々木様からの鳥取県の農業高専の検討についてということで,農業というのを入れた,しかも教育システムとしては高専ということの中で農業をどういうふうにやっていけばいいかというようなことを含めて,御発表いただければと思います。よろしゅうございましょうか。
佐々木さんから,申し訳ありませんが10分ぐらいというのをめどにお話いただければと思いますので,よろしくお願いいたします。
【佐々木部長】 皆さん,こんにちは。鳥取県総務部長の佐々木と申します。本日はよろしくお願い申し上げます。
せんだって,県内の産学官の関係者によります高専化を検討する協議会を立ち上げました。その際,鳥取県の中部地方に倉吉農業高校という専門高校がございますが,高校をベースにいたしまして高専化の可能性を探っていこうということが大きな起点となったところでございます。
今日は,こういった検討に至った背景ですとか本県の農業事情,さらにはせんだっての協議会の検討状況について御報告を申し上げたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
次のページをお願いいたします。まずは,本県の農業事情について御確認をいただきたいと思います。左側にグラフを掲載しております。農業産出額と農家数と,農家の年齢が高齢化している実態の数値であります。着目をいただきたいのが左上の農業産出額であります。鳥取県は,平成の時代までは,昭和から平成の時代にかけては農業産出額は1,000億円という額を超えておりました。しかしながら,その後,低迷を続けていく,そういう状況があったわけでございます。
本県の代表的な作物,いろいろあるんですが,以前の稼ぎ頭と言われていたのは米と,あとは梨などを中心とする果樹でありました。しかしながら米価の低迷,そして国民の皆様方の嗜好の変化などもありまして果樹の需要が大きく減ったところでございます。そういったこともあって,いっとき650億程度まで下がった時代もございました。
そこで,そのときに本県の農業政策として一つ大きなかじを切ったタイミングがございました。内容といたしましては2つございまして,一つは作物,ほかの品目に重点化を図ったということです。具体的にはスイカですとかブロッコリー,白ネギ,こういった園芸作物,そして和牛,酪農などの畜産,この分野に重点化を図ったことが一つあります。
そしてもう一つは規模の拡大を図っていくこと,法人化であります。また,法人化と併せて雇用就農,自営就農を含めた若い担い手を育成していくこと,この2つに農業政策として大きくかじを切ったのが平成27年でありました。その後,結果として若干,産出量を戻しつつあるのが現状でございます。
次のページお願いします。今,申し上げました,かじを切った人材育成策の一つの方策が,このスーパー農林水産業士制度というものであります。これは県内農業,林業,水産業の専門高校がいずれもございますが,その専門高校を対象といたしまして,これをベースにいたしまして,より実践的な学びを提供していく,また,そのインセンティブを与えていく,そして結果として農林水産業に従事をしていただくと,そういったキャリアパスと新たなプログラムを,これは平成29年からスタートをいたしました。
農業については,左側にございますとおり倉吉農業高校を基幹校といたしております。具体的には,例えば農業高校の生徒さんで希望する生徒さん,意欲のある生徒さんに限って,地元の農家が長期でインターンシップということで,就農実習で受け入れる,あるいは6次化といいまして農産品の加工のノウハウ,技術を身につけていただくと。そういった取組をした皆様方にあっては,例えば地元に県立の農業大学校,2年制の専修学校がございますが,この農業大学校に進学された際に奨励金を支給すると。あるいは国立鳥取大学の農学部というのがございますが,そちらに進学枠をつくっていただくと,このような形でより地元で学びやすくする,そして地元に定着をしやすくすると,そのようなキャリアパスを構築したところでございまして今年で10年目を迎えております。これまで倉吉農業高校の生徒35名が認定を受けておりまして,いずれの生徒さんも地元で就農,あるいは関連産業に御就職をいただいているところでございます。
次のページをお願いいたします。こういった学びをつかさどる農業教育施設が県内には2つございます。一つが左側の県立倉吉農業高校でありまして,これが今回の高専化の対象校,検討校であります。定員は1学年100人ですね。非常に小規模な学校ではございますが,圃場が20ヘクタールですとか,あるいは全寮制の学生寮があるとか,あと牛,馬,豚,鳥,全ての畜舎を完備するなど非常に充実した研究,実習環境にある学校でございます。
また,この倉吉農業高校で3年の学びをされたお子様,生徒様が2年制の鳥取県農業大学校,専修学校に進学されるケースも非常に多ございます。この農業大学校というのは非常に近接した場所にあります。倉吉農業高校とほぼ近いところにございまして,定員は30名でありまして,これも倉吉農業と同様に学生寮完備,また,大きな圃場を整備され,非常に充実した実習環境が整っている大学校であります。
この2校連携というのは既に先ほど申し上げましたスーパー農林水産業士を含めて,言ってみれば高大連携のような形での学びの連続性というのが,既に礎ができているところであります。しかしながら一方で,この学びの中で農業経営というのは若干,まだまだ十分ではないんじゃないかとか,あるいはスマート農業のような新しい農業技術の導入がもうちょっと欲しいなと,そのような5年の学びの充実を求めるお声も地元の産業界からは寄せられているところであります。
次のページお願いいたします。そこで,せんだって県立高専の検討に関する協議会というのを立ち上げて,倉吉農業高校,あるいは鳥取県の農業大学校という学びの連続性をより強化していくと,その先に高専化を視野にこれを検討する協議会を立ち上げたところであります。
上から順に申し上げると,メンバーは知事,教育長など行政関係はもとよりでございますが,市町村,産業,あとは保護者の団体,そのほかOB,大学,いわゆる学校に関係するであろう主体の代表者の皆様方,全てお入りいただく形で構成をいたしたところでございます。
検討テーマといたしましては大きく3点ございまして,そもそも,この倉吉農業高校の県立高専化が向かうかどうかの判断をしていくことが一つあります。また,高専化に向かう手法といたしまして他県さんの事例などを今,研究しているところでございますが,例えば滋賀県さんなどは新しく高専を新設でつくる形をとる一方で,愛知県さんなり福岡市さんなりは既存の工業高校に併設をする形での設置をなさっている,そういった方向が検討されていると伺っております。そのような方向性がベターなのかどうか。
また,3点目といたしましては,地元の皆様方,一番関心が高いのは卒業生の地元定着であります。その地元定着を図るために地域,あるいは産業界がどこまで努力ができるのか,汗をかいていただけるのか,こういった項目3点を主な協議会のテーマとさせていただいているところであります。
7月21日,第1回の協議会を開催いたしました。文部科学省様もオブザーバーとして御参加をいただいたところでもございます。総じて産業界を中心に倉吉農業高校の高専化に賛同する意見が大勢を占めたところでございます。その中で例えば求める人材像ということで申し上げますと,技術の高度化というのはもちろんでございますけども,それだけではなくて農業経営,経営の面,こういったものを兼ね備えた地域産地のリーダーとなるような人材育成をしてほしいという。
また今,鳥取県では非常に農業経営の拡大ということで法人化を進めてございますが,まだまだ十分ではないと。ただ,一方で非農家の方,農地をお持ちでない方でも農業経営をしてみたい,農家として就業したい方も当然ニーズはあるわけでございますが,そういった受皿もつくりつつ,農業経営のナンバー1,ナンバー2,ナンバー3になれるような方をぜひ育成をしてほしいと,こういった御要望などが届けられたところでございます。
また併せまして,人材を育成することと併せて受皿づくり,これは農業だけじゃなくて工業もそうなんですけれども,これをやっていかないといけないこと,産業政策と両輪で進めてほしいということで,これは行政に対しての非常に強い要望がございました。
また,大学も参加をいただきましたが,地元の大学からは農業研究の分野だけではなくて,あるいはカリキュラム作成の段階からぜひ協力をしたいというお申出もいただいたところでございます。
さらに,鳥取県独自の色を出していかなければいけないんじゃないかというような御意見も多数ございました。その中の一つとして中山間地域の環境保全,生物多様性というものを意識した農業というものも鳥取県ならではの農業の経営の在り方としてあるのではないか,こういった可能性も追求すべきじゃないか,このような意見なども寄せられたところでございます。
今後でございますけども,中ほどの下に四角囲みに記載のとおり,まだまだ論点は多数ございます。一番多く声が寄せられたのは,地元に定着していただくための対策をどういうふうに講じていくべきだろうか。また,教員の確保,そして既存の高校への,どういった影響が出てくるのか。すみ分けも含めてでございますが,様々な論点をこれから整理していきたいと思っております。
せんだって県議会で6月補正予算が成立をいたしましたが,この協議会を含めた検討経費が予算として措置をされたところでございます。その予算も活用しながら今後アンケート,調査・分析などを進めてまいります。今後の協議会で県立高専の設置可能性,在り方について議論していく予定でございますが,私どもの知事が申しておりますとおり早ければ年内,遅くとも年度内には一定の方向性,結論を導き出していきたいと考えているところでございます。引き続き,お力添えを賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
以上であります。
【谷口座長】 どうも御発表ありがとうございました。
ただいまの御発表に対して,意見交換をできればと思いますので御意見のある方どうですか。
では,若原先生。
【若原委員】 豊原技術科学大,若原と申します。非常に魅力的なお話ありがとうございます。教員の確保というところとカリキュラムの設定というところに2つ,お伺いしたいところがございます。
高専ですので高校生相当の学生も指導しないといけないということで,大学で学位を取った人がいきなり教師になっても,なかなか教育がうまくいかないということは皆さん,経験していることでございます。一方で,先ほど話に出ました愛知県の総合工科高校を愛知県立高専にするところの話で私,地元,近いものですからいろいろ見ているのですけども,経営母体として工業高校は教育委員会です。専攻科は教育委員会では管理できないということで外に委託契約を出していて,結論言いますと名城大学がそれを落札して教えているのですけども,カリキュラムの整合性がうまくとれていないように見える問題がございます。
5年間で,一貫で3+2ではない,5年一貫でシステマチックに実習も組み合わせて学べる場を設けることが高専化する一番のメリットだと思います。なので,農業高校の専攻科という形,あるいは農業大学校との連携とも考えておられますが,この接続性というのは今,どう考えておられるのかを教えていただきたいというのが1点です。
もう1点目は教員の確保です。どういった能力を持った方を実務家教員として選考するのかについて,この検討委員会で議論されていると思うんですけれども,この辺の議論のところで,こういった選考方針に関する話があれば教えていただきたいと思いました。
以上でございます。
【谷口座長】 佐々木様,何か今の御質問に対して答えられることがあったら答えていただくとありがたいです。
【佐々木部長】 ありがとうございます。まず,カリキュラム設定の観点で申し上げますと,若原委員がおっしゃるとおり単なる3プラス2では当然ならないわけでありまして,これをどう5年の連続性を持ったカリキュラムにしていくかというのは非常に重要な視点であると考えております。
現在,先ほど申し上げましたように倉吉農業と農業大学校,これは全員の生徒ではございませんが,特定の生徒さんに限ってカリキュラムをある意味,入り組むような形で,擬似的な5年の学びのような形をとらせていただいた生徒さんもございます。そういった生徒さんは,農業大学校に入った際には,農業大学校では通常の進学された生徒さんとは違うカリキュラムで実習をしているということで,特定のスーパー農林水産業士の資格を取った方だけに限っては,今でも5年の学びというのを疑似的に行わせていただいているところでありますので,これをより発展的に進めていきたいのが私どもの考えでございます。
また,教員の関係でございますが,せんだっての協議会では,まだ教員の確保が難しい視点のみの意見でございまして,農業分野という視点はございませんでした。ただ一方で今,地元の倉吉農業高校や農業大学校でしっかりと提供し切れていないノウハウの代表として農業経営の観点,また,これは多くの方がおっしゃいましたが,いわゆるAIとかデジタルを活用したスマート農業ですね。この分野での話。さらには農業工学ということで,これは事例として今,鳥取大学の工学部などが行っている梨の受粉作業を自動でやるような機械をつくるとか,いろいろ農業と工業の合わさったような技術といったものを学べる環境も必要ではないかというような御意見はございます。
全てできるとは思いませんが,そういった観点で今,倉吉農業であったり農業大学校で提供し切れていない分野,代表枠としたら今,申し上げました農業経営,また,先端技術,この部分については,ぜひ,何ていいますかね,得難い人材だと思いますけども獲得に努力したいと考えているところでございます。
以上であります。
【谷口座長】 ありがとうございます。いいですか。
【若原委員】 既に農業大学校と倉吉農業高校の間で,特定の生徒さん向けかもしれませんけれども入れ込みしたものが走っているとか,モデルが一つあるということは安心する材料だと思います。ありがとうございました。
【谷口座長】 カリキュラムも新しくつくっていかないといけない,そういうこともありますし,先生,どうやって確保するか。幾つかのところ,協力してという形を今とって,いろいろ試しをやって,どうやったらいいかというのを手探りっていいますか,そういうところをやっておられるということはありますね。新しい視点も入れながらという形でやろうとしておられるのだということが少し感じることができましたね。ありがとうございます。
ほかに。五十棲さん,どうぞ。経営とかという話がありましたが。農業経営というのはどういう形をとるべきなのか,よく分かりませんけど。何かお手伝いできることがあるかもしれないなというのはありますかね。
【五十棲委員】 まだ我々は自分の学校をつくるので手一杯です。
【谷口座長】 ほかに,どうぞ。
【竹内委員】 竹内です。御説明ありがとうございました。私も実家が農家なので,非常にこういうことを前向きに考えておられることに,まず敬意を表したいと思います。
その上で多分,ポイントになるのが17ページの1回目の会合で出された意見の恐らく3つ目のところ,受皿をどうするかところがポイントになるんだろうと思います。歴史を振り返ってみると高専ができたのは,高度成長時代に機械や電気や土木の分野で中堅技術者を育成しないといかんという,要するに産業側のニーズがあって,それに合う高専を各地域につくったということだと思います。
農業の場合に,この5年制の高専ができたとして卒業,例えば40人が,何人か知りませんけれど,30人,40人卒業したとして,その方々は自ら自営で自立することを前提に考えるのか,ここにあるような農業法人,まだ数が少なくてということがあるんですけれども,こういったところでスマート農業を鳥取県内で梨とか,先ほどあった畜産とか,そういったところで実際,スマート農業をやっていこうという動きがあって,もう機械もリースをして会社としてもやる方針があって,ただ,人が足りないんだというようなラインになっていて,例えば10人ぐらいは今ある法人で5年後ぐらいにはそういった方を使ってやっていこうと。
あとは,それ以外の新法人も支援していくし,自ら高専卒業生がスタートアップでやろうということであれば,例えば今,新しく農業を始められる方ですと年間100万円で何年間か農水省の補助があると思うんですけれども,ああいったスマート農業向けのいろんな融資だったり,県としての補助だったり,そういったものをつくって,とにかく40人,大学に進学される方も出てくるでしょうから40人丸ごとじゃないと思いますが,例えば20人ぐらいは県内で定着させるために法人にはこういう計画があるし,それ以外にも県としてこういうことを考えるというのが何かあると,新しく入学される方は,もしここで学ぶと日本一のスマート農業,鳥取でやれそうだなって感じになると思うんですけれども。
その辺りが少なくとも,こういうところとこういうところで,もう卒業したと同時に求人がありますよというのが何となく見えると,非常に学生がモチベーション高く入っていけると思うんですけど,その辺りはどういうふうに学生に対してアナウンスしていくのかなっていうのが何かポイントかなとお話を伺っていて思いました。
【谷口座長】 分かりました。県の方針とか地域の行く方向,いろんな事例もあるだろうし,法人をつくってやるのもあるだろうし,いろんなことあるんだろうと思っていますけど,佐々木さん,何か県の,県としてはこういうことをもっと強く進めたいんだというような感じのあれがありますか。
【佐々木部長】 ありがとうございます。法人か個人として自営就農するのかということで申しますと,鳥取県というのは農地を持った方,親元就農と私ども,呼んでおりますが,自営就農の比率というのは非常に高いです。それがメリットである反面,若い人が特に非農家の方,農地を十分お持ちでない方が就業しにくいデメリットにもなっております。
それで私どもとしては両輪やりたいんですね。自営就農で自ら農地を持っている方が自分ところの農地をどんどん拡大していくと。そのために収益を上げていくお取組も応援をしたいし,かつ今回の協議会でも議論がありましたけども,鳥取県はまだ法人が他県と比べて少ないんです。そのために非農家の方が入り込む余地というのが非常に少ないところでもございます。法人化を促していくというのを,これは農業政策として進めていきたいということを考えているところであります。
あともう一つ申し上げますと今,鳥取県では耕作放棄地が増えております。これは他県様も同様かと思いますが,今の取組の一つとしてスーパー園芸団地構想というのがございます。これは何かといいますと,既に後継者がいなくなった果樹園などを教える人もセットで引き継いでいく取組を,これはもう10年ぐらい前からさせていただいておりまして,梨などの果樹園というのは,そういったスーパー園芸団地に入り込む皆様,若い人たちが継いでいくものをやっております。
要は農地と技術を提供していくと,かなり安いお値段です。ほぼ無償に近い提供していく取組を進めてきて,今回もし高専化に至ることになれば,農地も提供していくと,しかも優良な農地をですね。優良な農地として,後継者として就農していただく取組を政策的に進めていきたいとは考えています。そういったものをぜひ高専化の暁にはPRをしていけたらなと考えています。
以上になります。
【谷口座長】 よろしいですか,竹内さん。
【竹内委員】 できれば,その卒業生が何人かと一緒になって集団でやっていこうと,それは法人になる場合もあるんでしょうし,そういう形で大規模化してやるのをやりやすくするような仕組みづくりを,後継者のいないところをうまく集約する中で,こういったものを何というんでしょうか,一人一人がリスクをとってやるというよりは大規模化して収益が上がりやすい形を,改めてこういった機会に背中を押していただけると,学生の方も安心して入学できるんじゃないかなという気がいたします。
【谷口座長】 規模については今,お話あったけれども,何か佐々木さんのところでは1クラス,高専って40名とか大体なっていますけど,この規模について,何か考えて,さっき30人とかという話がありましたけど,その辺は何かあるんですか。県もこうやって,かなり県が主導しながらやろうという感じで動いておられるのは大変,方向性としては分かりやすいというところあるかなと思いますけど,規模とか何か,その辺についての議論もあるんですか。
【佐々木部長】 規模の議論は恐らく2回目の協議会以降でさせていただく形になろうかと思っておりますが,他県さんのも今,研究させていただいておりまして,愛知県さんは40名,福岡市さんは80名とも伺っております。現在の倉吉農業高校の1学年の生徒は100名強でございますので,そういったものを前提にした,3年の学びも生かしながら5年の学びをセットすることを考えますと,40名ぐらいが適正規模なのかもしれないとは考えているところでございますが,いずれもこれは協議会で議論します。協議会にお諮りをした上で決定をしていただきたいと考えているところであります。
以上であります。
【谷口座長】 分かりました。もう一つ,令和6年度に,その前の年から一番最初に御説明いただいた農業産出額,鳥取県の,それががんと伸びていますよね。ここは何か特別なことをやったから増えたというのは何かあるんですか。
【佐々木部長】 この当時の事情を申し上げますと,全国和牛能力共進会,全共と私ども呼んでおりますが,畜産のオリンピックという,和牛のオリンピックと言っているのが,これ,農林水産省が主体でやっていらっしゃいますが,確か5年に1回の行事があります。和牛のオリンピックで鳥取県が初めて肉質が全国ナンバー1になったのがこの年でありまして,要は子牛とか繁殖牛といいますか,子牛とか,あるいは和牛の卸値単価が一気に上がった年がこの年でありまして,結構,畜産の分野の産出額,大きく増える形で産出額がV字回復したことがございます。
また,それ以降,頭打ちになっている状態の踊り場になっている時期がございますが,これは和牛の単価が伸びなくなった時期でありまして,あとまた伸びていったのはブロッコリーですとか,スイカですね。こういったものの単価が今,どんどん上がりつつあります。面積も広がっておりまして,そういったものに押し上げられる形で今,増えているというのが実情でございます。
【谷口座長】 ブランド化を上手にしながら,一方では新しいところというか,今の時代の中で何を社会が求めているかってそういうところを的確につかんで,それが農業経営なのかもしれませんけど,そういう形で伸ばしていくという,そういうことですよね。
【佐々木部長】 どうしても若い方は収益力,いかに収入が得られるかというところに関心は当然お持ちでもありますし,それが魅力にもなると思っておりますので,規模の拡大と併せてブランド力のある品目をどんどん生産をしていただくことで私ども,支援をしているところであります。
【谷口座長】 分かりました。ほかに何か御質問ありますか。大丈夫ですか。県とかいろんな団体が一緒になって大学も含めてやっておられるんで,ぜひいろんな議論を重ねていただいて,今年度中には遅くともある種の方向性を明確にすると言っておられるわけですから,その辺のところ,今,いろんな議論があると思いますけど,どういうふうにやるのがうまくいくかということに関して,これはほかのところの一つのモデルになる可能性があるものですから,いろんな議論をしっかりやっていただいて,うまい形で,これをやったらできるねというの,安心感を与えつつ,かつ,これは県外からももしかしたら来てもらってもいいよという,それで県に住んでいただいたらいいわけですからね。そういうことを含めてやろうとしておられるということはあると思いますし。
多分これからの農業というのは,今までの農業が農業,農業したのでやっても若い人はあまり魅力感じませんから,新しい何かって方向性が出てくると良いと思います。だからそういう意味では,ほかの分野との組合せみたいのが必ず必要ですよね。そうなってくると違うなという感じになって随分皆さん,若い人も参加しようという,そんな感じになっていくかなとも思いますので。日本は農業国ですからね。あちこちでこういう話が今,出つつありますから,そういう意味では一つのいいモデルになっていただくのがいいかなと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
【佐々木部長】 ありがとうございました。
【谷口座長】
続きまして,釧路高専の長尾先生から高専の実践力に基づいたクリエイティブ・イノベーター育成プログラム,イノベーターとかクリエイティブだという話は,私が機構長をやっていたときにも嫌というほど言っていましたけど,こういうものについて新しい取組というのを資料の2-2ですけど10分ぐらいでということでお話しいただけますか。
【長尾校長】 よろしくお願いします。釧路高専の長尾です。今日は発表の機会をいただきましてありがとうございます。
本校では,先ほど紹介いただいたプログラムを文化庁様の支援によって実施しております。これ,KCIPと読んで高専とも呼ぶという形でございます。まずは,これをどうして始めようと思ったかということを少し話させていただきたいと思います。
次,お願いします。御存じのとおり,高専は中学校卒業から5年間の一貫教育で,なおかつ実験実習を重視した専門教育を通して技術者を育成しているユニークなところであります。その中でPBL等については様々な高専を主体としたコンテストが多く行われていて,そこで創造性や実践性を多く育んでいる特徴があります。
次,お願いします。本校におけるPBLの事例ですけれども,4年生において複合融合演習というのがございまして,各分野横断型で,例えば左側のものは植物工場で植物を生産する,そういった体験を行うものであるとか,右側のものは建築分野で,あとは情報系と一緒になって,プロジェクションマッピングを用いて彼らがつくったデザインした町並みを再現する取組が行われています。
次,お願いします。一方で,高専では高専が実施しているコンテストが複数ございます。今年でもう38年になります高専ロボコンなど多くの課題解決型のコンテストが提供されています。
次,お願いします。また,デザイン関係では,建築やデザイン関係になりますけれどもデザインコンペティションというコンテストもございまして,最近では3Dプリンターを用いた作品であるとか様々な展開を行っております。
次,お願いします。最近,注目を集めているのが,生成AIとか起業に関して特化したコンテストとしてディープラーニングコンテストというものが注目をされています。ここでも高専生が独自のアイデアを用いて開発した作品やテーマなどが高く評価されているところであります。
次,お願いします。私のほうでは高専プロコンに長く関わっておりまして,そこでの学生の独創性を重視した作品づくりというものについて高く評価しておりまして,これが高専の教育の一番いい形での成果として考えているぐらいです。写真にありますのは35回の高専プロコン,2024年ですけども,香川高専の詫間キャンパスの作品です。これはカーテンですね。布にプロジェクターで映像を投影し,その布,カーテンに触れて風や布の感触あるいは音などを用いてインターフェース,体験をする体験型のシステムというか,作品になっています。この布が触れることによって形が変わるわけですけれども,それに合わせて投影する画像を修正して適用させるなどといった高度な技術も用いられております。
次,お願いします。これらの高専プロコンというのは多くの協賛企業,IT関係の企業ですけれども,の支援によって運営されておりまして,ゲームやコンテンツ関係の企業も多数,協力をいただいているところです。また,これらの企業への就職実績もあります。少し調査をさせていただいたんですが,回答いただいた8校からは過去5年間で合計32名,就職しているということであります。まだまだゲームコンテンツ関係に就職される学生の数としては,あまり多くはない状況であります。
その中でも特にチームラボという,今回の取組でも支援をいただいているんですけれども,に数多くの76名という多くの学生が就職しております。ここのチームラボ様からは高専生がやっているものづくりとチームラボがやっている作品づくり,この辺りの関わりがとても良いということでありまして高く評価されているところであります。
また,ゲーム開発会社でありますバンダイナムコスタジオ様からも,ゲームが好きで実際にそれをつくっている学生というのがとても価値があるということで,実際にそういったことを経験させていく動機づけが必要であることから,今回の取組については期待していることを受けていただいております。
次のページをお願いします。これらのことから,高専においてこういったクリエイター関係のコンテンツというか,芸術的にも優れた作品をつくるスキルというか,技術は十分にあることは分かっておりますが,なかなかそれを授業として定量的に実施していくことは難しいのもまたあります。したがいまして,そこの部分については企業の産業界からも支援をいただきながら,こういったコンテンツというか,教材があれば展開できるであるとか,あるいは,こういった技術を教えれば実務で役に立つとか,様々な取組助言をいただきながら開発を進めていこうということでこのプログラムを進めているところです。一応5年計画ということになっておりまして,今年が2年目という形になっております。
次,お願いします。その中では,教員のほうがスキル,リソースとしては足りておりませんし,また,学生もやりたいけど誰に聞いたらいいか分からないということがありますので,この辺りを企業と高専とで相互的に補い合いながらやっていこうということで計画をいたしました。また高専としては,国立高専としては全国的にモデルコアカリキュラムということで共通化も図っておりますので,それらの中に入れ込む形でこのコンテンツ開発型の教材など,カリキュラムとして取り組んでいくということも一つの目標となっています。
次のページ,お願いします。令和8年度に取り組んでいるものですけれども,オンデマンドの科目を展開していこうということを現在,進めているところです。左側にはテクノロジー型と書いておりますけれども,3Dのゲームを開発する入門編と,それと上級編という形で2つ用意する予定です。また現在,複合融合演習として実験で行われていたものをブラッシュアップしましてバーチャルリアリティ,あるいはプロジェクションマッピング,バーチャルライブ,ゲーム開発,あとはドローンの制御などといったものも用意しております。他高専からも連携をいただいておりまして,3Dゲームのところでも利用されるんですけども,Unityなどといった入門のプログラムなども含める予定です。
右側には,それらを補う形での知識としての学習,これらはもう既にやられているところもありますけれども,著作権であるとかメディアであるとか,あるいはシナリオ,これは国語の授業の中で入れ込んでいく予定ですが,こういった学習なども含める予定となっています。
それでは次のページから,これまでに出来上がっている成果について紹介したいと思います。まず1つ目が今年の7月に本校で行われたオープンキャンパスで公開されたものですけれども,バーチャルライブと言われるものです。これは3DのCG,それと音楽をシンクロさせてプロジェクターからスクリーンに投影し,そしてレーザー等で演出するというものになっております。エンターテイメント的なものであります。これを今回のものについては研究会がやっておりますけれども,ここに書いてあるようなツールなどを用いて開発しました。
次のページ,お願いします。これ,別の写真ですけども,会場にはこれだけの学生さん,保護者の方が集まりまして大変楽しんでいただいた状況であります。
次のページ,お願いします。これが会場の横で制御しているコンピューターのモニターなど操作している学生さんですけれども,こういう形で実際にコンサート的なものを演出するもの,会場設営からコンテンツの開発,それと実際の演奏まで体験することをやっております。参加学生からは,曲に合わせて照明の制作に挑戦をしました。本番を見て,また新たな改善点を見つけることができた。あるいは音響やネットワークアナウンスを担当しました。イベントというものについて技術面から支えることができたなど,前向きな感想をいただいております。また,特筆すべきは,これら取り組んでいるのが1年生や3年生ということで,上級生だけではないというところも大変頼もしいところであります。
では,ほかの学校の事例として次のページをお願いします。これは弓削商船高専に連携をさせていただきたいということで,お願いをして提供いただいているところですが,実は私の前任校でして,私がいなくなった後でゲーム開発を実験に取り入れたということで,それがうまく大成功だということでありました。そこで概要について紹介させていただいているところですけれども,これは工学実験という中で3週間,基礎学習を行い,その後の3週間,自由学習で課題を作成するものになっています。チームは2名から3名の小規模のグループで開発するということになっておりまして,非常に短い期間の中で作品を完成させています。今年度は15作品を完成させたということでありますが,その中で4作品についてはオープンキャンパスで公開をしております。
次のページをお願いします。学生からは,身についたスキルとしてはバーチャルリアリティのアプリ,これをつくる手順がよく分かりました,あるいはチーム開発の能力がつきました,ユーザーインターフェースや操作性など,どうすれば面白くなるかという新たな視点が身につきましたなどといった前向きな感想が寄せられておりますし,教員からも,バーチャルリアリティの入門として肯定的に学生は捉えていて,さらにその先に進もうという意欲が感じられたという評価はいただいております。
次のページをお願いします。これらのコンテンツ関係,クリエイターの関係の取組を幾らか,幾つかの科目で用意していく予定ですけれども,これを新しい学科として展開していくところまではまだ行っておりません。
次のページをお願いします。本校では今,学科改組を検討しているところですけれども,学科あるいはコースに関係しないところの融合型の部分として,コンテンツクリエイターというコース融合型のプログラムとして提供していく予定であります。学生が所属分野に関係なく,こういったものに参画して,そして学習をしていくことをやっていく予定であります。
最後のページですが,次お願いします。まとめになりますけれども,今年度は前期に科目構成に基づいてコンテンツの開発を行っているところです。一部については先ほどお示ししたような成果も得られております。
後期から始まります複合融合演習,本校で実施ですけれども,ここで開発したコンテンツなどの実証を行っていくこと,それと高専のコンテストが10月,11月にありますので,そことの連携を進めて,学生に動機づけを進めていきたいなと思っております。また,シンポジウムあるいは発表会として,これらの取組の成果,これを外部に対しても評価していく予定でありますし,あとは海外との連携ということで,ゲーム開発会社などの見学ができたらということで現在調整しているところです。令和9年度には,このコンテンツの改良の結果,これをカリキュラムとして提案して全国的に提案を進めていきたいなと思っております。
令和10年度は高専プロコンが本校であります。そこで国際コンテストとして,また実施できたらと考えております。高専と関わりのあるプロコンの企業様中心ですけども,組織の協力を仰ぎながら,高専版の独創的な実践力を持ったクリエイター,これを育てていくような事例として提案できたらなと考えているところであります。
説明は以上であります。ありがとうございます。
【谷口座長】 どうもありがとうございました。
それじゃ,今から御発表いただいた内容について意見交換できればと思いますけど,今,もう既に企業とも一緒にやっているんですか。それで海外研修で,海外の企業とどうのこうのという話がありましたけど,その辺をもうちょっと詳しく教えてください。
【長尾校長】 発表の中でも紹介しましたけど,チームラボさんと,それとバンダイナムコさんには連携ということで御支援をいただいております。コンテンツを教材としてのコンテンツ,これを作成する中で助言をいただきながら,こうやったほうがいいということで,バンダイナムコさんからは実態としてプログラム言語はこれを使ったほうがいいとか,そういった方向性なども助言いただきながら進めております。
【谷口座長】 こういうの,一緒にやっているから高専の学生さんがたくさん行っていますよということですかね。
【長尾校長】 はい。そういったこともあって,協力いただいているというところもあります。
【谷口座長】 分かりました。それで国際的に海外研修やるのは大変結構なことだけど,国際的な会社と,というのはバンダイナムコさんとか,チームラボさんが連携してやっているような海外の企業ともまたつながりを広げていくと,そういうことですか。
【長尾校長】 これについては本校でやっている海外研修プログラムというのがまた別にありまして,そこの行く国で日本の会社が先ほど言われたゲームであるとかアニメであるとかやっているのがありまして,そういうところに見学にまずは行けないかなということを検討しております。
【谷口座長】 そういったことも将来的にはというか,もう連携をしながら,さらに学生さんの視野を広めて,かつ新しい,いいものをつくろうと,そういう感じですかね。
【長尾校長】 そうですね。
【谷口座長】 分かりました。先生方で何か御質問あれば手を挙げていただいたらと思いますが。小島さん,どうですか。
【小島委員】 ありがとうございます。農業からエンタメまで,高専の守備範囲がどんどん広がっているなという印象を受けました。
一つ私,説明を聞いていて,どうされるのかなと思ったのが26ページの授業科目,今後計画されている育成プログラムにおける教授要目というのがございますけども,これを教える方をどのようにして今後,集めていかれるのかなって。結構それぞれ一つ一つの分野の専門性が高いので,先生を集めるのにとても苦労されるのではないのかなという感想を持ちました。でも,ぜひ発展させていただきたいなという期待しております。
以上です。
【谷口座長】 長尾先生,どうですか。先生方はいろんな企業からのもちろん御支援もいただいているんだと思うんだけど,学内を含めて,あるいは全国の学校から,と連携してという話がありましたけど。
【長尾校長】 そうですね。おっしゃるとおりでして,これを専門として教えられる先生というのは,なかなか大学でもおられないと思います。ただ,少しその一部についてかじっておられるとか,そういった学生指導やられている先生方おられますので,そういうところの知見を集めて,たたき台としてつくり,そしてそれを企業からまたフィードバックをいただくということで,これらをまとめていけたらなと思っています。いずれもオンデマンドで学生が学習できるように持っていきたいと思いますので,比較的シンプルなものとして構成できたらなと思っています。
【谷口座長】 いいですか。
【小島委員】 ありがとうございます。
【谷口座長】 ほかにありますか。どうぞ。
【五十棲委員】 神谷まるごと高専の五十棲です。ありがとうございます。当校の学生も非常に関心の多そうなテーマでもあり,非常に興味深く伺っておりました。
オンデマンドでやられるということですが,その場合に例えば現場での何か教員の関与とか,あるいは教員でなくてもフェイストゥフェイスの関与というのがあるのか,どんな感じでやっていらっしゃるのかなというのは,当校でも何か検討したいなと思って伺いたいなと思いました。
また,28ページでは外部委託で実践3Dゲーム制作概論,実装というのがあるかと思いますが,この場合は教える方もオンデマンドで教える方が外部で,民間企業の方がつくられるみたいな感じでオンデマンドプログラムをやられるのか,どんな感じでやられるのかなというのを少し教えていただければと思いました。
【長尾校長】 まず,オンデマンド科目に関しましてはe-ラーニングの形に最終的にはなっていくと計画をしております。ここに書いてある外部委託というのは3Dゲームの開発なので,これを教えられるのはなかなか難しいので,我々でつくったシナリオというか,シラバスを用いて,基にして,それに合ったコンテンツ,教材を外部の方,企業の方につくっていただくということです。ホームページを作成するのを外部委託する形ではあります。ただ,その中にこの3Dゲーム開発に長けた技術者の方おられまして,その方の経験なども踏まえながら学生の教材として提供いただけるとなっています。
【五十棲委員】 ありがとうございます。その場合,ちなみに採点とか評価というのはどのようにされるのでしょうか。すいません,実務に落とすときに私も大変興味がありました。
【長尾校長】 採点というものに関しては,試験は多分ないですよね,というのは私は思っていまして,要するに,どれだけ学生がいい作品を作ったかというのは,よくあるのがピアレビューであるとか,そういうところでの評価になると思いますし,あるいは開発中の評価の過程を自己評価するなどといった形でレポート提出などとなるのかなと思っています。いずれにせよ,先生方がそれを見て評価いただくのが必要になりますので,これは各校で担当いただくのが,途中の過程を見ていただけると思いますので望ましいと思います。
【五十棲委員】 ありがとうございます。大変しつこくて恐縮ですが,プログラム自体はオンデマンドであって,成績評価等々は各学校の教員がやるような感じのスタイルということで合っていますでしょうか。
【長尾校長】 はい。
【五十棲委員】 ありがとうございます。
【谷口座長】 今,学校の成績とかは,各学校の評価のやり方になっているからということですよね。評価法を共通にしてしまえば,場合によったら,それはそっちのほうを使えるということはあるかなと思いますね。
これ,1年生ね,入ってきたばっかりの学生さんがすごい関心を持って,わーっとやるというのは,そういうのにもともと興味持って入ってきたんですか。それとも入ってきて,こんなんがあるから面白いなと思って参加しているのですか。3年生とか1年生とか言っておられたから,1年生がというのはすごいいいですよね。それはどんな感じですか,学生さん。
【長尾校長】 オープンキャンパスとかを見て興味を持って入る学生もおりますし,また,入学してからそういうのを知る学生もおりまして,様々であります。
【谷口座長】 でも,1年生で結構,多くの方が興味持って,そういうのをやろうという感じになるんですか。感じとしてはすごく盛り上がって,いい雰囲気になりますよね。
【長尾校長】 そうですね,はい。部活動のレベルなので,また,そういった好きな者だけが集まるというのになるんですけど。
【谷口座長】 部活を使うということね。
【長尾校長】 はい。授業の中でやるときにもグループ活動で幾らかの選択できますし,また,具体的に作品としてつくるものについては彼らが自分たちで決められますから,そういう点では自主性を重視した楽しい取組になっていけばいいなと思います。
【谷口座長】 ほか。どうぞ,若原先生。
【若原委員】 豊橋技科大,若原でございます。
母校が活躍しているの,大変うれしく思っておりますが,一つだけ気になる点がございます。育成プログラムとして好きな子が集まって活動している分には非常に成果も出ていいと思うのですが,将来的にこのコンテンツの部分を高専にする,あるいは学科にするといったときに,入ってきて,やっぱり違うよねって思う学生さんも一定の比率,出てしまうと思うのですがどのようなセーフティーネットをつくるかということも考えていかないと厳しい局面が出てくるかなというのが1点目。
それからコンテンツ分野は日進月歩でどんどん進んでいます。既に動画なんかはAIが作ってしまいます。うちの学生でも時々いるのですけど,生成AI系にソフトをつくらせて,動いているんだけど何で動いているか説明できない輩がいまして,こういうような人が増えてきてしまうと,どこかで衰退のきっかけになってしまうので,本質をきちっと教えるところに注力をしないといけないかなと思っています。
そのときに,進歩の早い新しい分野をどうやって教えるか。っ走りながら考えていかれることが正解なのかもしれませんが,この点について,説明いただいたトライアルで何か知恵を見つけておられれば良いなと思って聞かせていただきました。
【長尾校長】 ありがとうございます。
【谷口座長】 この分野もどんどん,どんどん新しくなってきますから,変化の激しい分野だからね。何か長尾先生としては,こういうのに注意してやろうと思っているというのはありますか。
【長尾校長】 いや,まさしくAIというのが,これまでの技術力を模倣する点では非常に長けているところがありますので,従来のやり方だけだと非常にやりにくいなと思います。そんな中で感性を考えるというか,そこに訴えるというものについて,それを本質として考えないといけないコンテンツやクリエイター分野というのは,人がまだ中心にいられるのかなというか,いてほしいなと。そういったところを,アイデアを出すというところについては,ぜひ人間がやって,それを肉づけしたりとか実装するところについてはAIを,あるいはコンピューターを使う形で絡んでいただけたらいいのかなと思います。
また,セーフティーネットの話ですけれども,今現状の高専自体も非常に多様な学生が就職先,選んでおりますので,通常の企業であるとか,そういったところなんかへも行けるだろうとは思っておりますし,そういった技術力として本当にコンテンツに特化するだけではない,あるいはコンテンツをつくることによって様々な技術が身についているところが,今現状で我々が感じている高専が輩出できる人材としての位置づけなのかなと。コンテンツもできますよというものですね。
その中で我々としてはゲームであるとか,そういったところにももう少しチャレンジする学生が多くなってほしいという気持ちもありますので,ぜひそこら辺をピックアップというか,クローズアップしてやっていきたいです。
【谷口座長】 楽しみながら,かつチャレンジしながら,ということを大事にしながら,だけども,その基礎もちゃんと理解しているよという子とも大説だということですね。さっきお話あったように思いますけど。ほかによろしいですか。
萱島先生,どうぞ。
【萱島委員】 ありがとうございます。大変素人っぽい質問で,皆さんの前で発言するのは,はばかられるところもあるのですが,ぜひ教えていただけたらと思います。すばらしい取組をされておられて非常に感銘を受けたのですけれども,こういうコンテンツの分野というのは割と何ていいますか,専門学校だとか専修学校で人材育成が比較的,行われてきている分野なのかなというのが,すいません,少し素人の粗いイメージです。
この高専でこういうことを取り組むことの,良さとか強み,例えば,より体系的に学べるとか,しっかりとした理論や技術から学べるとか,例えばそういったものがあるのか。今,恐らく人材育成の大きな部分を占めている専修学校や専門学校でのコンテンツ分野の教育と比べて,こういうところにポテンシャルがあるとか強みがあるとかというようなことがもしあるのであれば,ぜひお伺いしたいと思いました。よろしくお願いします。
【谷口座長】 どうですか。お願いします。
【長尾校長】 ありがとうございます。高専と専修学校の比較ってなると,なかなか難しい部分あるのですけれど。専修学校も高専も即戦力としての人材を育てている点は共通していると思います。その中で,高専の場合には若いところからの5年間というところの,内容がぎゅっと濃縮できる部分が期待できるのかなと思っておりまして。あとはツールの使い方だけではない基礎的な学問というか,技術というか,そういったものに重点を置いて高専はやっているのかなとは思いますので,その点,違うのかなと思います。
あと,コンテンツの世界でいうと漫画とか映画とかの分野もあるんですけれども,さすがに想像力はすばらしいと思いますので,そこについては高専というところだけでは,高専の技術力では漫画には太刀打ちできないのかなと思っております。ゲーム開発とか,あるいはコンサート等の3Dとかのそういう活用とかってところが中心になるのかなと思います。
【谷口座長】 よろしいですか。なかなか難しいところだと思いますが。
【萱島委員】 ありがとうございました。
【谷口座長】 今,本当に幅広くいろいろと新しい分野というものが,どんどん,どんどんできつつある,あるいは,そういうものにチャレンジしようというところがありますけども,高専の良さというか,実践的でかつ創造的で実際にいろんなこともできて,だけども,表面だけじゃなくて,ちゃんと基礎のところまで含めてしっかり押さえるんだよと,高等教育機関ですから。
そういうことをしっかりやりながら,これからの社会とか経済とか産業とかいろんなものの変化にも対応できるようにしつつ,だけども,世の中がちょっとぐらい変わったって全然平気だよと,変わったらそれに対して対応できるよって,そういう基礎というのか,技術の根本というか,そういう先ほど話あったように深いところ,根本的なところをしっかり押さえているよというところがあるのが高専教育ですから。表面的なものだけじゃないですよと。
そういうようなことを専門教育のレベルの高さというようなことも押さえながら,いろんな環境の変化,社会の変化に対して対応できるというようなことを押さえながらやりますよというのが高専ですよということをしっかりと認識しながら新しい分野に取り組んでいきながら,だけども,その根本で基本的なところはちゃんと押さえるよという,そこのところの大事さというのはしっかりと認識しながらやるということかなと思います。そういうのが皆さんの御意見だったと思います。
そういうことを押さえながら,だけども世の中が変わっていったのに,そんなの,知らないよとは言わないで,ちゃんといろんなところに対しても対応できる。それだけ基本的な力はあるわけですから,いろんなものに対応しますということかなと思いますので,今日も御意見としてはそういうふうにまとめ,に集約させていただければと思います。ありがとうございました。
長尾先生,ありがとうございました。
【長尾校長】 ありがとうございました。
【谷口座長】 続きまして,じゃ,その先生,どうするのかという,先ほどからいろいろお話が出ていますけども,高専とか,あるいは技科大の教育,そこの良さをうまく取り込みながら高専の先生を育成する。技科大出ばっかりじゃないかもしれませんが,民間から来られる方,大学から来られる方,いろんなあれです場合があると思いますけれども,先生方に求められるものってどんどん変わってきているし,レベルが上がってきていることがあります。そういうことを考えながら,どうやって教員養成したらいいよという話を若原先生から御提案あるいは,自分たちでこうやっていこうとしているが,こういう問題があるよっていうことを含めてお話しいただければと思います。
これもまた10分でよろしくお願いします。
【若原委員】 豊橋技術科学大学,若原ございます。本学がこれまでやってきたことを踏まえて,いろいろ課題もあるなというところを今日,皆さんに共有いただきたいと思って用意してまいりました。
次のスライド,行ってください。本学は高専生を受け入れる大学という形でつくられております。そういう中で長岡,豊橋両技科大とも長期の実務訓練というのを開学当初からやっています。これは,在学中に会社に行って,完全に会社の業務,社員と同様にこなしてくるというもので,全部新卒生だけで進学していきますと大学しか知らない形になりますので,きちっと産業界を知ることを重点に置いて行っているところでございます。
次,お願いします。そのほかに高専の専攻科と連携した教育プログラムということで,こちらも文部科学省さんと立ち上げの当初からいろいろ意見交換をさせていただきながらつくってきております。最近,定常的に来ていただいているところは,大体テーマが固まっています。半導体とか一定数在籍者がいますが,このプログラムでは,通常,3年生に編入してくる学生さんとの違いとして,現場力の強い学生さん,だけどテストのように限られた時間で解答を導くのが苦手な学生さんが一定数いますので,こういった学生さんに対して研究開発の経験を通して伸びていただくことをトライアルの形で導入しました。これは案外,成果が出ています。特に連携した教育プログラムの中では,アントレプレナーシップのところで非常に優れた成果を出している学生さんもいるということでありました。
次,お願いします。技術科学大学では,開学当初から卒業生が一定の数で高等専門学校の先生になっている者がいます。開学直後は博士後期課程ありませんでしたので,修士課程から直接高専の先生になった場合,あるいは企業を経由して高専の先生になった場合,私の同級生も含めてたくさんおられます。こういった方々は現場を踏まえた上での先生ということになります。そのほかに高専の先生が内地研修制度,または人事交流制度を活用して学位を取得して,また,高専にお戻りになる,こういった方々もおられます。
高専で専攻科設置前後ですけども,学位未取得の先生方の学位取得支援を,共同研究を通しながら行ってきました。こういった知見を踏まえて,特に本学のOBで高専の先生を勤めている方々にいろいろ意見を聞いたところ,授業を受けるのと授業するのは違う,それからクラスルームの運営をするのは違う,学生の相談に乗るのも違うということで,学位は取って研究力はあっても,学生の指導力が全く何をしていいか分からない。だから教育のイロハぐらいちゃんと学んでから高専の先生になるべきだという声をいただきましたので,それを踏まえた上で教育のスキルを全部は無理なので,絞り込んだものとして用意したのが,2017年からスタートした技術科学教員プログラムです。
これは,市内の愛知大学に教員養成課程がございまして,これは学部の科目ですけど,博士後期課程の学生にアドオンする形で教育原論とかクラスルーム運営方法とか,教育の基本となる科目を受講し,その後で高専等で,通算で1か月以上の現場の教育研究実習を経験していただくものです。
この背景は,本学に入ってきた直後にアンケート取ると,2割ぐらいの学生さんが高専の先生になりたいと回答します。残念ながら博士後期課程まで行く間にいろんなところを見てしまうので,だんだん優先順位が下がっていってしまうのが本音でありまして。そういう意味では3年生のところから多段階に教員になるための実習を経験することによって,下がっていく優先順位をまた戻してあげることが必要だろうと思って,今年度から高専教員養成プログラムという形で3年生からできる形に修正しました。
次,お願いします。まず,もともとの技術科学教員プログラムですけども,これは高専の教員が,博士号取得が必要だというところからスタートしています。ドクターの1年生のときに教育論基礎という形で教育原論とか教育心理学,あるいは教育方法論,この中から1科目以上を取得し,そのほかにもう一つのカテゴリーから指導・相談方法の理論ということで生徒・進路指導の理論と方法,教育相談の理論と方法の,どちらかを受講してもらいます。この2つのカテゴリーで2科目以上取った学生に対してはドクターの2年か3年の前期までに高専等で1か月程度の実習を行っていただく。求人に関しては,各高専側のマターでございますので,我々としてできるのは高専における求人情報を,履修登録者に伝えて採用面接の支援をするところまででございます。
修了者の実績ですが,19年以降14名で,そのうち沼津,呉,岐阜,都城,函館高専に採用になっている方々がいます。ここに1期生の三枝さんの話が出ていますけども,研究だけじゃなくて教育のイロハを勉強できたのがいいということを書いている。ただし,結構単位がアドオンなので大変だったということも書いてあります。
次,お願いします。明らかに問題なのは期間が非常に長いことです。先ほど申し上げましたように,ニーズ,希望は高いんだけども多様な経験を経ると動機が低下していくことと,一番二の足を踏んでいるのが,博士後期課程に進学した3年後にちゃんと高専の職があるのかという不安,これが見通せないところで学生さんは迷っておられます。
それからプログラム運用上,教育研究実習の宿舎の確保というのが問題です。ほとんどは出身高専で受講しているので,結論を言うと,学生さんから見ると特定の高専の情報しかない得られず視野が広がらない。また,出身校であっても高専時代,寮生だった人は宿舎がない問題があります。それから出身校に行くと元指導教員がいますので,どうしても慣れというのが出て気づきが生まれにくいなというのがありました。出口の問題がありましたので,新しく変えていくのが,次の3年生から始めるに際していろいろ考えてみました。
まず,3年生からスタートするに当たって,オリエンテーション,学生の個別面談,それから自己分析をしながら個々の特性を把握していただくことにしました。自分の特性に合わせて,枠で囲ってあるメニューの中から選択していろいろな経験を重ねていく形にしました。当然,このモジュールを組み合わせて多段階でスキルアップをしていきます。
学部時代の達成目標は,教育を受ける側から教える側へという意識を持ってもらうこと。それから高専と大学の先生の違いというのが,こういうところだよというところを理解してもらう。さらに,自分の理想と現実にミスマッチがないかを確認する,ここが一番重要だと思います。理想は高いですけど,それが自分でできるかどうかをしっかり気づいてもらうことを学部の間に身につけてもらってから,大学院に入ってから本格的に先生への道を進んでいただくことを考えております。
次が最後です。例えば自己診断テストでは,教育の志向,忍耐性,業務適応力,現実理解などの特性と,メニューで用意された活動でどこが強化できるかを見える化してあります。こういうものを用意した上で,自分の特性に合わせて自分の弱いところを強化できる活動を選びながら素養点を,自己確認しながら身につけることを始めております。
最後に今後の展望でありますけれども,高専の卒業生を対象とする場合の課題です。学部3年生からドクター3年までですと7年間と非常にロングレンジのプログラムになっています。高専本科でも大体三,四年で1回,間延びする期間がありますので,その間延びをいかに解消するかが問題です。そういう意味では今回改良した高専教員養成プログラムでは追跡調査とフィードバックを行っていきます。学生もそうですけれども,新しく高専の先生を養成するプログラムを普及させる際には,皆さんが取組を共有しながら,たくさんのデータ,実例を踏まえながら改善していく必要があると思います。
それから博士後期課程での,長期インターンシップは,ぜひ高専だけではなく企業の経験を付加する意味でも必要だろうと思っています。新卒だけで先生になると社会経験がどうしても少ない。
ここから先は大学ではどうしようもないですけれども,7年間連続では間延びしちゃうので,修士修了後に高専で助手として一度採用していただいて,教育の現場をよく体験しながら社会人ドクターという形で学位取得していただくこともできるといいかなと思っています。
それから専攻科と,本学の場合,連携教育プログラムありますので,ここを使って最初の2年間をショートカットして早期修了までうまく結びつけられれば,7年は要らないという構想もありえるということが,高専卒業生を対象として育成する場合として出てくるプランも対応策としてあると思っています。
そのほかに,公立高専の先生をどうやって育成するかという問いについて,先ほど県立滋賀高専の話がありましたが,設立準備室10名の先生方のうち,8名が元職か前職が高専の先生です。新卒で,大学で学位取られた助手とか助教の方が2名だけなんですね。そうすると公立高専側も教員養成では,困っているだろうと。
愛知県立高専を試行,想定しながら考えてみたのですが,高校の先生を修士課程に社会人学生と受け入れて,高校や工業高校の先生がなかなかできていない研究力を身につけてもらうのが第一段階。修士獲得後,大学との連携を継続することで研究環境を維持しないと,修士で2年間だけの経験から先の持続的な研究ができなくなってしまうと,研究を学生に伝えることできなくなりますので,そこは面倒を最後までみるよということになると思います。
それから他の高専教員との交流ということを積極的に新設の公立高専にはお願いして,スキル向上を図るというのが要ると思います。
最後に先ほど出てきましたように,農業高専の場合は,農業を一つの生産技術という捉え方をすると,農工連携ということでは国立高専でも実践されている先生がたくさんいますし,大学でも関わっている人はいるので,袋小路に陥ってしまって,どうしていいか分からない状況になっても,相談により先生方の悩みは解決できるだろうと思います。
あとはアグリビジネス経験者等を候補として農業経営の学びに入れていくといいかなと思っています。さすがに農業の実務経験者ということで農家さんと言っても,片手間で高専の先生もしてくださいということはできないと思いますので,農工であるとかアグリビジネスやっている人,あるいは法人で経営している人などに先生として入ってもらうというのもあるのかなと思っております。
大体,今まで考えてきた中ではこういうことでございます。
【谷口座長】 ありがとうございました。何かいろんな課題がたくさんありそうで,何が一番いい方法かというのも必ずしも人によっても多分違うと思いますし,なかなか難しいところあると思いますけど,今のお話の内容に対して何か意見あるいは御質問ありましたら,どうぞお願いしたいと思いますけど,江口先生,何かありますか。
【江口委員】 高専機構の江口でございます。非常に今日のお話,現在の教員不足の現状からすると今後の対応としては先が見えてきた部分もあると思います。
若原先生から最後にお話のあった,特に学生さんがこの期間で先が見通せない中で,ここの今日の提案の中にもありました博士学位取得前に就職した形で,最終的には学位取得まで行くという,こういうところの辺りの協議といいますか,実際には助手なり助教で採用されてから,すぐに社会人課程に入ると結局,かなり御本人の負担が大きくなる部分もあるので,そこのスタート,社会人コースに入るスタートもある意味,柔軟に入れるのかどうかというところではどうですか。
【若原委員】 ありがとうございます。おっしゃるとおりです。我々もそこは高専に就職してすぐ社会人だと教育現場での経験も何もない状態ですから,それは最初の趣旨と違うと思っています。例えば2年なり3年なり,人によっては5年かかるかもしれませんけれども,現場で高専の先生の対応力というのを身につけていただいた後で,その人にとっていいタイミングで社会人として学位取得に来ていただくのが一番いいだろうなと思っています。
【江口委員】 実際,今,国立高専機構内ではそこのところでは雇用の関係をどうするかというところ,少し整理する必要があるかと思うんですけれども,ここは将来的には教員の確保,また,そういう,ある意味,多様な経歴を持つ意味では少しよく考えて,雇用する側の制度整備をしないといけないなというところを感じておりますので,この辺はぜひ協議させていただくのがいいのかなと思いました。
【若原委員】 本来は高専の先生といえ民間企業にも行ってほしい。しかし,本学の技術科学教員プログラムでも半分以上がそういうことを言って民間企業に就職しましたが,全然高専教員の道に帰ってこないです。
【谷口座長】 それはあるかもしれませんね。
【若原委員】 それは向こうの仕事が楽しくなってしまって。
【谷口座長】 企業での仕事が楽しくなっちゃうとね。
【若原委員】 はい。だから優先順位ですよね。そこのところをどういうふうにコントロールするか。これは職業選択の自由の権利ですから,こうしなさいと命令はできないです。一定数,そういう人は出ることを織り込んだ上で,その中でも一定数以上がちゃんとコースに帰ってきていただけるような仕組みがつくれないと厳しいかなと思っています。
【江口委員】 分かりました。ありがとうございます。
【谷口座長】 ある程度企業での経験をした上で,いろんな形で学校にも教えに行けるということができるといいですね。企業にいながら,学生さんを教育するという経験をしないと学校の良さが,なかなか分からないですよね。給与だけ考えたら,どうしてもなかなか帰ってこない形になりますもんね。
【若原委員】 そうですね。それは本学に進学している学生もそうですね。高専の先生とつながっている学生さんは,比較的モチベーションを維持しやすいんですよ。企業行っても高専の先生とつながっているとかであれば多分,戻る決断をどこかでできると思うんですけれども。
【谷口座長】 学校の話が伝わりますもんね。今,先生を探しているよとかという話がね。
【若原委員】 母校に行ったきりになっちゃうと,そこの経験のほうが楽しくなるので他の学校にというのが難しいなというのが実体験からの我々の悩みですね。
【谷口座長】 柴崎先生,何かありますか。
【柴崎委員】 都立高専の柴崎です。この高専の育成プログラムで4月になると大体推薦する学生の面接をやるんですけれども,今年初めて,これで教員になりたい希望動機で面接した学生がおりました。今,多分,目指していると思うんですけれども,そのときに教員を目指すはいいんですけど自分の専門性はどうなんだって,要するに研究指導もしなきゃいけないので,大学院まで行くとなれば,ここでやりたいということがちゃんとしっかりしていないといけないと思うんですけれども,この課程だと学位とか研究分野のリンクというのはどういう感じになるんですか。
【若原委員】 研究はほかのプログラムと全く独立です。それは,その学生さんの目指したいところの研究分野を極めていただく。大事なのは研究力だけを高めても高専の先生にはなれないので,教育のイロハを学ぶ場を設けています。それを最初はドクター3年間の中にぎゅっと詰め込んでいたんですけど,さすがにしんどいよということになります。ドクターの科目じゃない学部の科目を他大学に受けに行って,結構ガチンコで,試験で採点されますし,落とすと当然,高専に実習に行かれませんので,そこは一生懸命やってきますね。
ここでは博士後期課程の学生が企業でのジョブマッチング型のインターンシップを半年,行ってきてくださいというと,自分の研究もありますので皆さん,厳しいと言われるのと同じことが起こっています。そういう意味でもう少しスパンを長くして,だから結構濃密じゃないんだけども少しずつ積み重ねて,結論としてより多くの経験を,時間をかけて見つけられるような形にデザインし直したのが新しい高専教員養成プログラムの在り方になっています。
【柴崎委員】 研究室はここ,自分で選んでいって,それはそれで独立して,教職課程を取るみたいな感じでプログラムがある感じ,という感じ。
【若原委員】 はい。
【柴崎委員】 そうすると結構,勉強の量が多くなる気が。
【若原委員】 一応,そこは取得単位数を卒業要件から外出しすると大変なので,もともとの課程の中で読替え可能なものにつきましては,これをもって替えることができるようにして,学生に対する負担を下げるようにしています。
【柴崎委員】 ありがとうございます。
【谷口座長】 そうじゃないと学生,履修しなくなっちゃいますよね。
【柴崎委員】 そこ,大変かなと思ったので,大学の教職を取るのと一緒かなという気がしたので,そこは振替があるということですね。
【谷口座長】 同じプログラムで7年間,ちゃんとやらせるのは結構大変だと思うけど,これは,人数はどれぐらいを考えていますか。今,頑張ってくれている学生さんがいてくれるって話がさっきあったので大変いいなと思っているんですけど。
【若原委員】 博士後期課程だけで動かしていて毎年大体2から3名ぐらいですね。今年は3年生から拡大したところ,手を挙げた学生は9名に増えました。博士に進学する学生がそもそも少ないので厳しいですけれども,7年というスパンを考えても自分は高専の先生になりたいから,この大学に来ましたって言ってくれる学生さんもいいました。そういう子も含めて手を挙げて9名になったので,この子たちをうまく最後まで育てるのが我々の責任だと思います。
【谷口座長】 その1割,2割の,そういう希望するような学生さんがいたら高専の本部から奨学金出してくださいと思いますね,そんな大変ありがたい話にはね。だから,そうやってその代わり一気にしてもらって,実習じゃないけど,その面白さみたいなものを学んでもらうこともあるといいかもしれないね。
【若原委員】 そういう意味では高専とつながっていただくようなメニューもたくさん中に入れてあります。大学へ行ったきりだと,だんだん縁が薄くなってしまうので高専訪問とか,あるいは,ほかの高専かもしれませんけどオープンキャンパスへの出店に参加とか,そういうのを折に触れてたくさんメニューを用意したということなんです。
【谷口座長】 なるほどね。坂口委員,どうぞ。
【坂口委員】 大学改革支援・学位授与機構の坂口です。個人の感想ですけれども,一番最後に農業高専の話が出てきて農工連携とかアグリビジネスの話が出てきました。今回の一番最初の御発表でも農業との関わりがあって,こういうアプローチだとすごく高度な実務家を養成する方向性はあるんですけど,これだと何かあまり研究という感じにならないなと印象を受けまして,農業とか生物学関係ですごく研究のスキルはあるんだけれども職がないとか,孤職問題ですとか,あるいは,もうちょっと地に足のついた実務もやってみたい方,結構いると思うので,そういった方たちを何とかリクルートできないかなって。
そのためにはビジネスだけじゃなくって,例えば掛ける工学で生物工学みたいなもので面白いことって結構できると思うんですね。電子工学とか。そういったものをぜひ,農業をかっこよくやるだけではなくって,もうちょっと研究的な視点もあげたほうが恐らく教えたいなという人が来やすいんじゃないかなと思いました。
【若原委員】 ありがとうございます。私,あえて一言で括ったんですけど,生産技術だと思ってみたら工学も農学も多分みんな一緒なんですよ。水産学も。なので,高品質なプロダクトをつくるんだと,これをきっちり計画のとおりつくるんですよとなれば,そこには物すごく多様な知識が必要ですし,当然,時代が変われば品種改良も含めてどんどん必要になります。
今,地球温暖化の問題もあり,今までの経験が使えないので,そこは気象学とかAIを使って,この気象を予測した上で今年はどういう作物をどの時点に植えますかとかを支援できるかなということで,うちの大学でも,共創の場の事業を採択いただいて地元の営農者の方とチームつくって検討を始めているところです。工学からアプローチして,向こうは農学の専門の方で,こういう農業×工業というのは十分に人材確保もあるかなと思って,時間がありませんでしたので短く書かせていただきました。
【谷口座長】 ほかよろしいですか。ありがとうございました。先生の確保というのはもちろん量的なものもあるけど,今の話だとものすごい質というか,中身がいろんな能力を養っておかないと,経験も含めてというのが非常に大事になってきますよね。
そういうのがあって,そういう人だから,人が育っていくとか,それができる先生をうまくつくらないといかんということがありますので意識もしっかりしないといけないし,そのためのいろいろ準備というか,教育プログラムというか,何かそれも,かなりいろんなところで本当に話をしながら,人によって,場合によったらやり方,違うかもしれない。それを含めてやっていかないと,質が高くて,経験豊かな人が立派に育つのがなかなか簡単じゃないなと思いますし,大学だけ,高専だけではできませんよね。だから,みんな本当に力を合わせてというか,一緒になってやるというか,産業界も含めて。農業の話だったら,そういう関係者もみんな寄ってたかってという感じがかなりこれから必要になってきますよね。
そして時代がどうなろうと,その人たちが中核になってしっかり人も育てるし,自分もそれなりの役割を果たすという,そんな人材育成のシステムをつくり上げていかないというのがありますよね。それは本当にこれからの課題ですね。本当に連携しながら,日頃から話合いを常にするというか,そういうことをやっていかないと目的は達しないなという感じがしますけど,そういう何というか,いい方向で人もつくっていかないといけないし,育てていかないといけないのは非常に大事だということが今日のお話の中で感じました。その辺をみんなで力を合わせないと駄目よねという,そういう改めて当たり前のことだけど,そういうことで非常に感じましたのでよろしくお願いしたいと思います。
どうぞ。
【竹内委員】 少しだけよろしいでしょうか。2点だけコメントさせていただきます。一つは,高専教員になられた場合に奨学金の返還免除みたいなことは考えられないのか。
【若原委員】 どこの奨学金かによるんですけど。
【竹内委員】 ですけど。
【若原委員】 かつては私もそうだったんですが,高専でいただいた奨学金は高専に行かないと免除にならないんですね。私は大学で働いていますけど,高専でいただいているものは全部返しました。
【竹内委員】 ですから,ちょっと。
【若原委員】 今はその仕組みが変わっているので,その点には皆さん,優秀な人に限り免除になって,それ以外は返還の義務がある形になっていますので,かつてのような免除というのはもう公にはないですね。
【竹内委員】 ので,これだけ教員の確保に困難な現実に直面しているのであれば,この際,文科省に御見解いただいて。
【谷口座長】 もし,それに不都合があるなら,多分今,できるんじゃないか。
【松浦審議官】 今,企業の代理返還の仕組みが,これは自治体,例えば教育委員会,千葉県とかは導入をして教員確保やっていたりするので,それぞれの企業なり団体が教員とか社員を確保するために独自にやるということはあるので,同じような発想でやることはできないことはないと。
【竹内委員】 ということは,高専が免除する場合は高専が自分のもらった交付金の中で,あるいは機構で共通的に。
【若原委員】 でも,マスターとドクターと合わせると五,六百万になりますので。
【谷口座長】 まあ,その辺は少し現状に合わせて考えていかないと,それくらいの事をやらないと人なんて確保できないよということがあれば,そこのところは考えていかなきゃいけませんね。
【松浦審議官】 代理返還するのも全部ではなくて一部とか,いろいろやり方はあると思います。
【竹内委員】 それともう一つは,一つ,修士修了後に助手で採用して一旦企業に行く場合には返ってこないんじゃないかという問題をヘッジしようとすると,例えば今,公務員の場合だと官民交流プログラムというのがあって,出向する場合も公務員の身分を残して民間に行くと。給料は全部民間からもらうんだけれども,要するに1回帰ってくるということを制度上,担保してやる仕組みがありますので,そういうものが同じように,例えば高専機構に籍を残したまま民間企業に出向するみたいなことも,頭の体操としてはあり得るような気がしますので。
【若原委員】 あくまでも今回は大学で見たときにはそこをコントロールできないので。
【竹内委員】 分かります。
【若原委員】 今回には,そこまでは書き込んでいないです。
【竹内委員】 今後の話として一つ,そういう。
【若原委員】 そうですね,ありがとうございます。
【竹内委員】 共通の参考になるものはあると思いますので。
【谷口座長】 できることはいろんなことで工夫しながらやっていかないといけないし,法律があってできないということもちろんあるかもしれないし,そういうことを含めて,どうすればいいかというのは,方向性としてはいろいろ考えていかなきゃいけないですね。ありがとうございました。
時間もあと10分しかありませんので3つ目の議題というか,これで最後ですけど中間まとめをやっていかないといけないということですので,それの骨子について事務局から簡単に御説明いただけますか。課長からお願いできますか。
【松本課長】 資料4を御覧ください。今回の高等専門学校の機能強化に関する中間整理の骨子案ということで,今後,中間整備をつくる上での骨組みについて事項立てを整理いたしました。基本的に今まで委員の皆様からいただいた御意見を踏まえて,それを並べる形にしております。
構成といたしまして,まず,初めにこの検討の背景とか,中間整理の位置づけについて整理をしています。それから高等専門学校を取り巻く状況について今,どういう状況であるかのファクトを整理する。また,高等専門学校の現状として,基本的なデータに基づき高専の教員の特徴や,今,それぞれの要素がどういう状況になっているかというところを整理することを考えております。
また,高等専門学校の機能強化に向けた基本的な考え方として,今回,大臣が示したパッケージに基づいて議論をしてまいりましたので,それに基づいた議論の経緯と,それぞれの方向性に関して,次のページから整理しております。
47ページを御覧ください。最初が高専の量的拡大でございます。公私立高専の新設促進に関しては地域の産業,社会に必要な実践的技術者の育成を担う高専について,新設の促進や積極的な支援が必要であること,これは議論がありましたが,こういったところを整理すると。また,産業界等の連携による人材定着と成長分野を見据えた人材育成を進めるところ,また,教育委員会との連携ですとか地域全体との教育の整合性を図っていくことについて検討を進めていく必要がある御議論がありましたので,そういったところを書いてはどうかと考えております。
また,高専教育の領域拡大,今日,本日議論をいただいたところです。産業構造や地域のニーズの変化を踏まえて,工学以外の新たな分野への教育領域拡大が必要であるところ。また,その際の留意点について整理をしてはどうかと考えております。
学生の多様性の確保,こちらに関しては学力のみならず,適性・素養や志向を踏まえた多面的な評価を通じて教育内容との適合を重視して,ミスマッチの低減ですとか卒業後の活躍の幅の拡大を図っていくところ,また,学生の多様性を確保して多様な視点,発想を取り入れた高い成果を目指す教育研究の実現につながる仕組みとすることが重要であるところを整理してはいかがかと考えております。
また,高専志願者増に向けた取組に関しては,社会全体での高専の認知度向上や,初等中等教育段階からの理工系分野への関心の醸成を通じた志願者層の拡大,セーフティーネットの整備など高専進学に対するリスク認識の低減を図ることが重要であると。これは第1回の議論を基本にこの辺りを踏まえて書いてはどうかと考えております。
また,これは今後の議論になってきますけれども,質的向上のところに関しては1回目で出ているところとして,国立高専機構の運営費交付金ですとか施設整備費の補助金といったところが基盤的経費ですので,機能強化を図る上では近年の物価や人件費の上昇を踏まえますと連動した抜本的な予算の拡充が必要であるのを示してはどうかと。
それから高専の設置目的の見直し,これは前回の議論でございますけれども,高専の目的に研究を位置づけることが必要であると,法制的な検討も含めての検討が求められると。また,その際,高専で行われる研究の特色ですとか,研究環境の整備,教員の労働時間管理にも留意が必要であるところを述べてはどうかと考えております。
また,高専教育の確実な確保,先ほど御議論をいただいたところです。今後の人材確保の方策に向けた取組に関し支援が必要であるところを整理する必要があるかと考えております。
49ページでございます。高専卒業者の国際通用性の確保に関しては3-1となっておりますけれども,この高専卒業者の国際通用性の向上について前回御議論をいただきました,高専卒業者が学位を有しないことにより不利益が生じている実態を踏まえて,これに学位を授与する,これを可能とすることが必要であると,それに向けた法制的な観点も含めての検討が求められること。
また,その際に学位の授与主体としてはNIADも含めてそういったことを考えていくこと,既卒者への対応,現行の称号の取扱い,国際的に理解されやすい学位名称の検討が必要であることを整理して述べてはどうかと考えております。
また,高専卒業者の卒業証明等の国際通用性の確保についてでございますが,日本の教育資格に関する情報発信の強化,それから卒業証明書等に高専の位置づけや日本の教育資格枠組みとの対応関係を明記するなど,これについては電子的に行ったらどうかという御議論もありました。国際的な理解促進に資する内容や説明の統一を図る必要があることを整理して,また,高専3年修了の位置づけについても取扱いが適切に理解されるよう,対応が必要ではないかという御議論いただいたので,そういったところを記してはどうかと考えております。
また,高専学生の海外留学の促進ということに関しては,留学,海外進学を後押しする支援が重要であること,教育環境づくりが重要であるところを整理してはどうかということで,こういった形で御議論いただいて,次回になりますが具体的に案について御議論いただいてはどうかと考えております。
事務局から以上です。
【谷口座長】 ありがとうございました。よくまとめていただいてというか,当たり前といえば当たり前だけど,今まで議論をさせていただいたことを踏まえながら,課題ということもちゃんと入れ込みながら,だけど,どうやったらいいよという,高専というのは割といろんな政府の委員会等々,あるいは中教審でもいい方向でお認めいただいているところがありますので,そのいいところをちゃんと残しながらだけども,時代の変化に応じて,それに対応できるように,それに対して人もちゃんと育てていってくれるように,来てもらわないと話にならないけど,というような形のいい方向で,その代わり皆さん,協力しないと無理よという,そういうことが非常に大事なポイントが出ていますので,そういうことが分かるようにまとめていただいた中間報告にしていければと思っていますけど,何か今日の今のお話に対して御意見ありますか。
もしあれば出しておいていただければと思います。基本的には今までの議論をまとめていただいているかなと思いますので,よろしゅうございましょうか。そういう方向で,とにかく高専の良さをちゃんと守らないと話にならないので,そこをちゃんとやりながら,かつ,もっと前向いて将来に向かってやれるようにという,また教員の養成も含めて,ちゃんとやっていければと思いますので。今日はこれだけにしますけども,皆さんの協力は今後もかなり必要ですのでよろしくお願いしたいなと思います。教育の質はちゃんと保障しますよと,そこのところ,ちゃんとやらないと話にならないとなったら元も子もないですから,そこのところ,やらせていただくということでよろしくお願いしたいと思います。
ほかにないようでしたら,今後のスケジュールについて事務局からお願いできますか。
【佐藤課長補佐】 次回検討会第4回につきましては,8月17日月曜日の午後2時からの開催予定となってございます。御出席のほどよろしくお願いいたします。
また,本日の議事録につきましては作成次第,委員の皆様に御確認をいただき,その後,文部科学省ホームページで掲載させていただきたいと思ってございます。
また,最後1点ですけれども,前回第2回の議論の中で公立高専の所管についてお尋ねがございました。その際,実際に知事部局において取り扱っているような形でお答え申し上げていたところですけれども,正確に申し上げますと既存の今,公立高専3校ございますけれども,いずれも公立大学法人立ということではあるんですけれども,実態としましては申し上げたとおり,知事部局での業務として扱われているところですけれども,正確に申し上げますと,地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づきますと教育委員会が所管している形になりますので,そこだけ1点,今回,補足させていただきます。
以上でございます。
【谷口座長】 公立も私立もいろんな高専ができて,みんなで隊を組んで,いい方向に持っていくことが重要です。最終的に本当にいい人材を育成しないと話にならないんだから,そういう方向でやっていければと思います。
ほかに何か御意見ありますか。なければ,今日は長い時間ありがとうございました。今日はこれだけにさせていただきます。ありがとうございました。
―― 了 ――
高等教育局専門教育課