第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会(第1回)議事録

1.日時

令和8年2月24日(火曜日)15時00分~17時00分

2.場所

ハイブリッド(対面・Web)開催 ※傍聴はWebのみ

3.議題

  1. 本検討会の運営について
  2. 国立大学法人運営費交付金の現状について
  3. 自由討議
  4. その他

4.議事録

第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会(第1回)

令和8年2月24日

 
  
【橋本(雅)座長】  それでは、配信作業が整いましたので、次に、議題(2)の国立大学法人運営費交付金の現状についてに移りたいと思います。
 資料の3から6につきまして、事務局より御説明いただきます。
【村尾国立大学法人支援課長】  国立大学法人支援課長の村尾でございます。まず、資料3で、今後のスケジュールについてです。本日、第1回開催でございますけれども、第2回は来月の中下旬で調整をしております。そして、令和9年度の概算要求の前に、8月中に中間とりまとめ、また、令和8年度中に審議の最終的なとりまとめをお願いしたいというふうに考えておるところでございます。
 次に、資料4についてでございます。おめくりいただきまして、1ページでございますけれども、今回の検討のスケジュール、ほかの全体の構成と併せて御覧いただければというふうに考えております。国立大学法人等の機能強化に向けた検討会がございまして、この中の委員にも何人かお入りいただいておりましたけれども、そこでまとめました「改革の方針」に基づいて、11月に「国立大学法人等改革基本方針」というものが策定されております。これに基づきまして、今回、運営費交付金の在り方の検討会を設定したわけですけれども、令和10年度からの第5期中期目標期間に向けて、最終的には令和9年度の予算編成過程において決まっていくということでございますので、それまでの間に枠組みを固めたいというふうに考えております。また、併せまして、国立大学の中期目標・中期計画期間に向けて、現在、それぞれの大学の組織業務見直しの視点での検討は、別途、国立大学法人評価委員会の下にワーキンググループを設定しまして、検討を開始しているところでございます。それぞれの国立大学の学長、理事長、あるいは機構長から、ヒアリング、意見交換をするということで、現在、調整をしているところでございます。
 次に、2ページですけれども、先ほど申し上げました、文部科学省として定めました「国立大学法人等改革基本方針」につきまして、上のほうに書いておりますように、文部科学省において有識者に検討いただいた「改革の方針」に基づいて、第5期中期目標期間に向けた組織業務や運営費交付金の見直しの具体化、こういったことをしっかり進めていくというものになっておりまして、1ポツの機能強化の方向性の明確化にありますように、全体としては三つのミッションをここでは定めております。世界最高水準の研究の展開とイノベーションの牽引、高度専門人材の育成、地域社会を先導する人材の育成と地域産業の振興、この三つを全体として果たしていくということで、それぞれの大学で検討いただくこととしては、経営戦略・マネジメント体制の抜本的強化、組織の見直し、教育の質の向上、研究力の強化、こういったことを含めて、今、御検討をいただいているということでございます。6ポツにありますように、文部科学省においては、(1)にありますように、組織業務見直しについては、別途のワーキンググループを立ち上げて、そちらで検討をしていくということですし、(2)にありますように、これは昨年11月の段階で策定をしているものですけれども、直近の対応としては、近年の物価・人件費の上昇も踏まえた運営費交付金等の確保、あるいは附属病院への緊急的な支援、そういったことを基本方針としては打ち出しておりまして、それに基づいて、補正予算、あるいは令和8年度の当初予算について、必要な財源を確保したということでございます。そして、赤枠で右のほうに書いておりますが、第5期中期目標期間に向けた運営費交付金、これから御検討いただく視点ですけれども、中期目標期間中の見通しを立てやすい明確な配分ルール、指標等を基に何らかのインセンティブを持たせる仕組み、大きな改革を進める観点と、シンプルな評価の仕組みとする観点を持つといったようなこと。そして、教育研究をベースとした経費については、物価変動等に対応をさせるような観点も踏まえて検討する。そういったことが定められているところでございます。
 運営費交付金を取り巻く現状については、資料5以降で北野企画官から御説明を申し上げます。
【北野国立大学法人支援課企画官】  それでは、私のほうから、資料5、資料6につきまして、説明をさせていただければと思います。申し遅れましたが、国立大学法人支援課企画官の北野でございます。
 まず、資料5、1ページめくっていただきまして、運営費交付金を含めまして、国立大学の経常収益・費用やその内訳の変化、全体の傾向について、御説明をさせていただきます。
 法人化以降、冒頭にございますとおり、全体として経常収益・費用は約1.5倍に増加をしているところでございます。経常収益、下の真ん中のグラフでございますけれども、最も大きな増加要因は附属病院収益でございまして、こちらが2.2倍に増加をしております。外部資金につきましても約4.3倍と、増加をしておりまして、特に寄附金につきましては、受入件数は約2倍、受入額は約1.8倍に増加をしているところでございます。
 経常費用でございますが、こちらは収益増に比例いたしまして診療経費が約2.1倍に増加をしているという状況になっておりまして、附属病院収益と診療経費、同じように伸びているという状況になっております。一方、一般管理経費は微減となっておりますので、こちらは各国立大学法人の努力によって一般管理費は微減となっている状況が見てとれます。
 経常収益のグラフ、緑の部分が運営費交付金収益の割合でございますけれども、平成16年度は47%でありましたものが、令和6年度については29%という形になっておりますので、運営費交付金への依存度というものは低下をしてきているという状況になっております。
 1ページめくっていただきまして、2ページは国立大学法人運営費交付金の基本的な考え方でございます。こちらは、「基本的な考え方」というタイトルの下にございますとおり、中期目標・中期計画に沿って各法人が着実に教育研究を展開し得るよう、基盤的経費として措置をしているものになっております。運営費交付金算定ルール、これから御議論いただくものでございますけれども、こちらは中期計画に記載する6年間の予算の大枠を算定するためのものでございまして、これによって毎年度の予算額は自動的に決まるというものでは当然ございません。毎年度の予算につきましては、概算要求を通じて決定していく仕組みになっております。
 第4期の運営費交付金のポイントでございますけれども、まず、一つ目、渡し切りの運営費交付金として措置をしている。物件費・人件費を含めまして渡し切りで措置をされておりまして、その使用につきましては各法人が自らの経営で判断をいただく形になります。
 二つ目は、外部資金等の増減は交付金算定に反映させないとなっております。こちらは後ほどグラフで説明をさせていただきますけれども、交付金の算定に当たりましては、必要額に対して授業料等の自己収入を引いた額を運営費交付金として措置をさせていただいておりますが、いわゆる外部資金、民間企業との共同研究でございますとか、受託研究のような金額が増えても、これは運営費交付金の算定には反映されないという形になっております。
 三つ目は、各大学のミッションの実現・加速化を支援する経費として、ミッション実現加速化経費というものを設けております。こちらは、その下のIVのミッション実現加速化係数の設定と連動してまいりますけれども、ミッション実現加速化係数というものを各大学に課した上で、一定の財源を確保してIIIのミッション実現加速化経費に充てるという仕組みを第4期は取っていたところでございます。一方で、赤字で書いておりますとおり、このミッション実現加速化係数は令和8年度予算案において廃止をされたところでございます。
 最後は、V.マネジメント改革の推進という形で、第3期に引き続き、学長裁量経費という枠を設けているところでございます。
 1ページめくっていただきまして、3ページでございます。国立大学法人運営費交付金、令和8年度予算案として1兆971億ございますけれども、大きく三つに分けることができるかと思っております。
 一つ目は、基幹運営費交付金、9,048億円でございます。これは、平成16年まで国立大学法人は国立大学でございましたので、それぞれの人員とか組織に応じて計算をして積み上げで算定していたものでございますけれども、法人化以降、前年度の算定をベースに設定をしてきた金額になっておりまして、こちらは9,048億になっております。
 その下の基幹運営費交付金(ミッション実現加速化経費)、先ほど説明させていただいたものでございますが、こちらは1,157億円ございまして、各大学、各法人のミッションを踏まえた組織改革や設備整備、共同利用・共同研究等を支援する経費として設けております。
 一番下、特殊要因運営費交付金、766億円でございますけれども、こちらは退職手当等の義務的経費になっておりまして、この三つに大きく分ける形に整理できるかと思っております。
 1ページめくっていただきまして、4ページでございます。こちらは第4期の国立大学法人運営費交付金の計算の仕組みでございますけれども、一番上に、基幹経費、ミッション実現加速化経費、特殊要因経費とございますが、先ほど説明させていただいた形になっております。
 一方で、基幹経費の中に青地に白抜きで「成果を中心とする実績状況に基づく配分」というのがございますけれども、ここにつきましては、基幹経費の中から、設置基準教員給与費相当額、これは大体5,000億弱ぐらいになってまいりますが、何かと申しますと、大学設置基準上、例えば、文学部で1学科、収容定員320から600人であると、基幹教員は10人必要という、これは自動的に出てくる数字でございますけれども、こういう設置基準教員給与費相当額、また、先ほど申し上げた学長裁量経費、これについては基幹経費から抜いた上で、抜いた残りの額について先ほど申し上げましたミッション実現加速化係数を掛けて、毎年、その額をミッション実現加速化経費に持っていくというような仕組みを第4期はつくっていたところでございます。
 一方で、成果を中心とする実績状況に基づく配分につきましても、同じようにこの基幹経費の中で一定額を大学間で競っていただいて、配分のし直しをするという仕組みを設けていたところでございます。
 このような形で運営費交付金対象事業費全体を計算した上で、その下に自己収入(授業料収入等)とございますけれども、この授業料収入は学生数に基づいて自動的に決まってくる金額になりますが、これを差し引いたものを運営費交付金として各大学に配分をしているという仕組みになっております。
 1ページめくっていただきまして、5ページは、先ほど申し上げました成果指標でございますとか、ミッション実現加速化経費のときに各グループ間で競っていただく形にしておりまして、グループ1とグループ2は主に地域の関係、グループ3は主として専門分野の特性を有する大学、グループ4とグループ5は卓越した成果を創出している大学で、グループ4は指定国立大学、グループ5はそれ以外の大学、グループ6は大学共同利用機関法人というグループ分けにして、この中で競っていただくという仕組みをつくっていたところでございます。
 6ページでございますけれども、こちらは先ほどの青地の白抜きのところの成果指標に基づく配分の仕組みでございますが、右にございますような配分指標、教育、研究、経営という形で指標を設けておりまして、それぞれの金額に応じて、先ほど見ていただいたグループ間の中で、この状況に応じて一定額を配分し直すという仕組みを設けてきたところでございます。
 7ページでございますけれども、こちらは二つの成果指標に基づく配分とミッション実現加速化経費に関する再配分を図示したものでございますが、成果を中心とする実績状況に基づく配分につきましては、基幹経費のうち、ミッション実現加速化係数対象外経費、これは先ほど申し上げました設置基準教員等経費、こういったものを除いた額に対して、グループ1からグループ6、それぞれのシェア率によりまして各法人の評価対象経費を算定して、グループの中で競っていただいて差をつけるという仕組みを設けております。
 ミッション実現加速化経費の分につきましては、基幹経費のほうから再配分財源として毎年度100億程度、各法人から拠出するという形になっております。ですので、第4期1年目から時間がたつにつれて基幹経費の総額が減っていって、ミッション実現加速化経費の額が増えていくというような仕組みになってございます。こちらはグループごとに係数拠出率を変えておりまして、先ほどの地域の関係でいけば、1.2%、0.8%で、専門的な分野の大学については1%、大規模な大学については1.6%、大学共同利用機関法人については1%という形で、これを毎年拠出していただいてミッション実現加速化経費のほうに持っていくという仕組みがあったところでございますが、こちらは、先ほど申し上げましたように、令和8年度予算案において廃止を予定しているところでございます。
 8ページは、具体的にどのように計算をしていくかというところを、A大学における運営費交付金の流れとさせていただいておりますけれども、まず、再配分前というところを見ていただければと思いますが、基幹経費が435億円あるという形になっております。このうち、ミッション実現加速化係数対象外経費155億と書いておりますが、こちらは設置基準教員給与費相当額と学長裁量経費でございまして、これを除いた額、280億がミッション実現加速化係数対象経費として、これに先ほど申し上げましたグループごとのパーセンテージ、この大学の場合は1.6%を置いておりますけれども、1.6%がミッション実現加速化経費用のほうに捻出されるという形になっております。この捻出されたミッション実現加速化経費分については、各大学の組織改革でございますとか、設備整備、こちらは別途、各大学から概算要求をしていただきまして、取れた場合であれば、この拠出額の4.5億以上がつく場合もありますし、取れなかった場合はつかないこともあるというような仕組みになっております。この事例の場合は、4.5億を拠出して6.6億取っているという形になっておりますので、係数と比較して2.1億円プラスになっているという形になっております。
 一方で、成果を中心とする実績状況に基づく配分、こちらのミッション実現加速化係数対象経費につきまして、真ん中の上のところに青枠で囲っておりますけれども、拠出額は40億という形になってまいりますが、これをグループ5の中で再配分をして、再配分結果、この場合は37.7億になっておりますので、ほかの大学と比較して指標がよくなかったということになると思いますけれども、マイナス2.2億を再配分するという形になっておりまして、この結果、令和6年再配分後に基幹経費は429億ということで、約6億弱が減少。ミッション実現加速化経費については、6億増という形になっている。こういう形で毎年の額を出してきたところでございます。こちらは第4期の仕組みでございます。
 9ページは、今までの国立大学法人運営費交付金予算額の推移でございます。先ほど局長の挨拶にもございますとおり、第2次安倍内閣以降、下げ止まっていたという状況でございますけれども、令和8年度予算案につきましては、実質的に過去最高の当初予算で188億増、令和7年度補正予算におきましても運交金421億がついたという形になっております。実質的に過去最高の増と申し上げておりますのは、平成26年のところで東日本大震災による国家公務員給与減額支給措置の終了に伴う増額が331億増という形になっておりますが、これは、東日本大震災の影響を受けまして、国家公務員と同様に人件費の削減を行い、それが元に戻ったという増額になっておりますので、我々として、今回の令和8年度予算案は実質的に過去最大の増という形で言わせていただいております。
 10ページでございますが、こちらは第1期からの運営費交付金の予算額の推移でございます。御覧いただきますと分かりますとおり、第1期、平成16年度運営費交付金につきましても、大きく分けまして、先ほど申し上げたような、青地の部分がいわゆる基幹経費の部分、黄色のところがミッション実現加速化経費、16年当時は特別教育研究経費と呼んでおりまいたけれども、そのようなものと、ピンクのところが特殊要因経費、これは退職金の形でございますので、この形は平成16年から変わっていなかったところでございます。
 一方で、平成16年を御覧いただきますと、オレンジ色のところでございますが、附属病院診療相当分として584億円ついているところでございます。附属病院への支援につきましては、法人化当初は、附属病院の経費については附属病院の診療費を充てるということで、経営改善係数という形で、毎年2%、附属病院の収入が上がるという前提で計算をさせていただいた結果、最終的に平成24年で附属病院運営費交付金というのはなくなる形になっているところでございます。
 現在も同じように附属病院運営費交付金という仕組みはありまして、皆様、御承知のとおり、附属病院、最近は赤字が出ているところでございますが、11ページをめくっていただきまして、現状、附属病院運営費交付金は出ていないという形になっておりますが、これは、現在の附属病院運営費交付金の算定ルール上、収入と支出がとんとんになるという形で計算をさせていただいているため、現在、附属病院運営費交付金というのは実質的にゼロという形になっているところでございます。
 12ページでございます。こちらは、令和8年度予算の要求に際しまして、我々、運営費交付金の減少による影響を調べさせていただいたものでございます。まず、真ん中のところに書かせていただいておりますとおり、消費者物価指数が近年上がる中で、交付金の予算額はこれまで横ばいでございましたので、実質的に目減りをしてきているのではないかというふうに、我々は考えております。その上の人件費増加による財務逼迫の状況を見ていただきましても、平成16年のときには交付金予算額の75%相当が人件費の決算額に使われておりましたが、令和6年では交付金予算額の91%相当が人件費決算額に使われているという形になっております。この影響といたしまして、左に行きますけれども、人材への影響として、海外大学と比して教員の給与水準が低いという状況も見てとれますし、若手教員の減少、特に40歳未満任期なしのところがへこんできている状況が見てとれるところでございます。また、右に行きまして、設備への影響も、設備投資に十分な予算が割けないというところで、耐用年数を超えるような設備が大幅に出てきているという状況が見てとれます。その結果、真ん中の一番下に書かせていただいているところでございますけれども、教員1人当たり研究費、各本部から教員に配られる研究費が大きく減ってきているという現状が見てとれるところでございます。
 この点、13ページを御覧いただきますと、我々のほうで各大学にヒアリングした状況が見てとれます。両大学とも、光熱水費でございますとか、義務的経費の額が増える中で、やはり教員1人当たり研究経費が下がってきているという状況が見てとれるところでございます。1点、注意をしていただきたいのは、この教員1人当たり研究経費の配分額の配分の在り方につきましては、各大学で大きく違うところもございます。まず、学部で共通経費を取って、残りの分を各研究室に配分しているところもございますし、共通経費を取らないところもございますので、単純にE大学のほうが1人当たり研究経費が多いわけではないというところに御留意いただければと思います。
 14ページでございますけれども、こちらは令和8年度の運営費交付金の予算の状況でございます。先ほど申し上げましたとおり、安定的・継続的な教育研究活動の支援の二つ目に書かせていただいておりますが、ミッション実現加速化係数の仕組みを令和8年度予算では廃止をする予定となっております。ミッション実現に向けた改革等の推進の下にございますけれども、基礎研究の充実などの国立大学の機能強化、基礎研究の充実でございますとか、文理融合、自己収入確保策の強化等の機能強化に向けた取組を支援するために、188億円の増額がついているという状況になっております。
 15ページでございますけれども、こちらは令和7年度補正予算の状況でございます。こちらも、初めて運営費交付金として421億円が措置をされるとともに、設備整備費補助金66億という形で予算の措置をさせていただいたところでございます。
 以上、資料5の説明でございますけれども、資料6といたしまして、本日以降、この第5期の中期目標期間における運営費交付金の検討に向けて御議論いただきたい主な論点等を、簡単でございますけれども、整理をさせていただいております。
 まず、前提のところでございますけれども、二つ目の丸にございますとおり、「国立大学法人等改革基本方針」、こちらは先ほど課長からも説明をさせていただきましたが、国大法人全体としてのミッションとして、マル1、不確実な社会を切り開く世界最高水準の研究の展開とイノベーションの牽引、マル2、変化する社会ニーズに応じた高度専門人材の育成、マル3、地域社会を先導する人材の育成と地域産業の振興ということをミッションとして整理をさせていただいております。
 その上で、第5期の運営費交付金の在り方につきましては、同じく「改革の方針」において以下の三つが基本的な視点として例示をされているところでございます。マル1、基盤的経費の配分額について中期目標期間中の見通しを立てやすい明快な配分ルールとすること。マル2、指標等を基に何らかのインセンティブを持たせる仕組みとするとともに、その成果を測るに当たっては、大きな改革を進める観点と、シンプルな評価の仕組みとする観点を持つこと。マル3、最低限必要と考えられる教育研究をベースとした経費については、社会経済状況の変化に左右されず活動できるよう、物価等の変動に対応させる観点も含め、安定性をより向上させた仕組みとすること。この三つが例示として挙げられているところでございます。
 これを踏まえまして、我々として、主な論点を四つ書かせていただいております。まず、1つ目でございますけれども、上記のミッションや基本的な視点を踏まえて、第5期中期目標期間における国大法人等の財政基盤を支える運営費交付金の枠組み、構造をどのような形とすべきか。二つ目、これまでの物価・人件費が上がらないことを前提とした経済構造がインフレ基調となったことを踏まえ、どのような仕組みによる支援が考えられるか。三つ目、各法人のミッションを踏まえた機能強化への支援の在り方、めり張りづけの考え方、インセンティブ付与や評価の仕組みをどのように考えるか。四つ目といたしまして、附属施設、特に、附置研究所、附属病院、附属学校等への支援の在り方をどのように考えるか。このようなところを論点として挙げさせていただいているところでございます。
 委員の皆様方におかれましては、この論点に限らず、様々な観点から御意見をいただければと思っております。
 私の説明は、以上でございます。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。
 今の御説明につきまして、特段の御質問あれば、お願いいたします。
 どうぞ。
【平子委員】  ミッション実現加速化係数を廃止したという説明がありましたが、これはどういう理由からなんでしょうか。
【北野国立大学法人支援課企画官】  先ほど申し上げましたとおり、ミッション実現加速化経費の財源につきましては、基幹経費のほうから削って持っていくという仕組みになっていたところでございます。この状況が続いていきますと基幹経費のほうがどんどん減っていくという状況になってまいりますが、昨今の物価上昇等の影響も踏まえて基幹経費の削減を少しでも止めるべきではないかということで、今回、ミッション実現加速化係数が廃止をされたところでございます。
【平子委員】  それは令和9年度も同じということでよろしいですか。
【北野国立大学法人支援課企画官】  おっしゃるとおりでございます。第4期は、この仕組み自体は取らないという形になっております。
【平子委員】  分かりました。ありがとうございます。
【橋本(雅)座長】  ほかに御質問等ございますか。
 どうぞ。
【土居委員】  今の質問に関連する質問なんですけれども、そうしますと、めり張りづけというのを令和8年度からはどのようにしていくということなんでしょうか。私も資料はいろいろ拝見させてはいただいているんですが、まだ全体像が見えてこないというか、それは私の不勉強で申し訳ないんですけれども、お聞かせいただければと。
【北野国立大学法人支援課企画官】  ありがとうございます。ミッション実現加速化係数によって基幹経費からミッション実現加速化経費を持っていくという仕組みは令和8年度からなくなる予定でございますけれども、ミッション実現加速化経費の部分にはそれなりの金額の固まりはあるところでございます。また、今回新たに措置する予定でございます188億につきましても、各大学の取組状況に応じて配分をしていくという形で考えておりますので、その点のめり張りづけは残る形になりますし、また、成果を中心とする実績状況に基づく配分、これは基幹経費の中に設けられている1,000億の予算でございますけれども、こちらは引き続き残る形になりますので、そのような形でのめり張りづけは引き続き行われるという形になってまいります。
【土居委員】  分かりました。ありがとうございます。
【合田高等教育局長】  座長、すみません。
【橋本(雅)座長】  どうぞ。
【合田高等教育局長】  今の御質問でございますが、こういうふうに御理解いただければいいと思います。基幹経費の中で、毎年、これぐらいの規模のお金をミッション実現加速化経費に持っていくには、インフレの度合いが高いものですから、それはもう回らないというのが率直なところでございます。予算編成過程におきまして、財務省と御相談の上、これについては一遍やめよういうことになったという経緯がございます。今、北野からも申し上げたように、例えば、一橋大学のソーシャル・データサイエンス学部なんかはこの枠組みを使ってつくったものですから、引き続き、こういう構造というのは必要だと思っておりますが、冒頭、村尾からも御説明したように、2028年度からどういう構想で行っていくのかという、これからの議論というのはまさに大学との関係で始まってまいりますので、2027年度、来年度については既存のミッション実現加速化経費の枠組みの中で何とか措置できると思いますけれども、ここでぜひ御議論いただきたいのは、来期の2028年以降、インフレに対する対応というのはしながらも、なおかつ大学のインセンティブが働くような仕掛けというのをどう考えていくのかみたいなことも、ぜひ御議論賜ればというふうに思っております。
【橋本(雅)座長】  まだ御質問はあるかと思うんですけども、途中退席の委員の方がいらっしゃいますので、恐れ入りますが、一度、議題(3)に移らせていただきまして、もし御質問がありましたら、その後でお受けしたいと思います。
 それでは、議題(3)の自由討議のほうに移らせていただきます。本日は初回でございますので各委員から順次御発言をいただきたく思いますが、時間の関係もございますので、1人5分以内をめどにお願いしたいと思います。
 なお、西尾委員と宮下委員が15時50分退出でございますので、まずは西尾委員、次に宮下委員から、先に御意見のほうをお願いしたいと思います。
 それでは、西尾委員、よろしくお願いします。
【西尾座長代理】  どうもありがとうございます。西尾でございます。先ほど座長代理という大役を仰せつかりましたが、何卒、よろしくお願いいたします。
 まず、来年度の運営費交付金が増額の方向に転じていることに、高等教育局並びに関係者各位に多大なる御尽力を賜りましたことを心より感謝申し上げます。
 最初に意見を述べさせていただく者として、ただいまの御説明を踏まえ、運営費交付金につきまして、いま一度、我が国の学術研究の根幹に関わる問題であることを申し上げます。まず、第一に、最も本質的な問題は、国立大学法人制度の根幹理念であるデュアルサポート、すなわち基盤的経費と競争的資金の両輪によって学術研究を支えるという原則が、現実には大きく損なわれていることです。私が、約10年前、2015年から2020年頃にかけて研究費部会の部会長を務めておりました際に、各大学における基盤的経費の実態を調査いたしました。その結果、教授層に対する1人当たりの研究費の年間配分額が10万円以下という例が想定以上に多く、中には5万円以下という、研究基盤経費とは到底言えない水準にまで低下している事例も確認されました。このことは、先ほどの資料5の13ページにも示されているとおりです。この水準では、特に実験系の研究者にとって、自らの研究を主体的に展開することは不可能です。そこで競争的資金に依存せざるを得ない状況に置かれますが、その採択率は必ずしも高くなく、採択に至っても期限を付された資金であり、研究の継続性は極めて不安定なものとなっております。その結果、研究者は、本来取り組むべき独創的・長期的な研究ではなく、次の資金を獲得するための研究に追われる状況に陥っております。これは、研究者個人の問題ではなく、我が国の学術研究基盤そのものの弱体化を意味するものであり、将来にわたる科学技術創造力の低下に直結する極めて深刻な問題であると、認識しております。本来、運営費交付金は、研究者の自由な発想に基づく、いわゆるキュリオシティ・ドリブンの基礎研究を支える、必要不可欠なものです。この基盤なくして、真に独創的な研究が生まれるとは期待できません。他方で、競争的資金だけでは学術研究は成り立ちません。したがいまして、運営費交付金につきましては、単なる財政支出としてではなく、我が国の知の基盤に対する戦略投資として位置づけ、デュアルアルサポートの原則を実質的に回復する観点からも、その充実とともに、中長期に安定的に支援されることが不可欠であると、強く考えます。
 第二に、物価と人件費の変動への対応について、申し上げます。運営費交付金の算定においては、第1期中期目標期間から、教育研究政策係数(β)が算定ルール上設けられており、物価動向や社会経済情勢を踏まえて必要に応じて調整する仕組みとなっております。しかしながら、法人化以降、例えば、消費税率が5%から8%、さらには10%へと引き上げられた際にも、この係数はこれまで実質的に発動されていません。また、人事院勧告への対応は、法人化以降は各大学の大学経営上の判断に委ねられているところではありますが、優秀な人材の流出を避けるためにも、各大学において、人事制度改革などを行いながら、昨今の人件費の上昇にもできる限り対応する努力をしているところです。今後は、教育研究の質を維持・向上させる観点からも、この係数を適切に活用するか、それに代わる仕組みを設けることで、物価連動や人件費の上昇といった社会経済情勢を反映した運営費交付金の確保が必要であると考えます。同時に、その係数の水準をどのような客観的根拠に基づいて設定していくのかについて、今後、十分な検討が必要であると考えております。
 時間の都合上、ここまでで止めます。どうもありがとうございました。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして、宮下委員、お願いします。
【宮下委員】  青森県知事の宮下です。(音声途絶)知事として参加させていただいておりますので、地方から見た国立大学への期待と運営費交付金の在り方について、今日の説明も踏まえて、少しお話をさせていただきます。
 青森県は、国立大学1校、公立が2校、私立が13校あります。人口は114万人、18歳人口は1万人となっております。民間のリサーチ会社の調査によると、2035年には大学も全入時代ということになっていて、青森県でも恐らくそういう状況にあります。私は、人口減少という社会なので、社会的に減らさなきゃいけないものというのは多分いっぱいあると。減らさざるを得ないとか、あるいは自動的に減っていくものも多くあると思います。一方で、国立大学の役割を地方から見て考えるときに、これを人口減と同様の文脈で簡単に減らすということにはならないというのが国立だというふうに私は思っていて、まして私立に気を使って定員を減らす必要は全くないというふうに思っています。
 大学の難易度が二極化するに当たって、今日御紹介いただいた全体のミッションというのがあるというふうに伺っていますが、これを維持するためには、大学自体が常に質の変容を図っていく必要があるというふうに思います。そのためには、運営費交付金の総額の確保、少なくとも物価に連動して増額する必要はあると、私は思っています。今日御説明いただいた資料を見て私は衝撃を受けたんですが、資料5の9ページで、2004年から見て、2026年は少し増えたということはありますが、この10年間、ほとんど増えていないという状況は、人しか資源のない日本においては、本当に恥ずかしいというか、国の恥ではないかと思います。これは別に文科省に文句を言っているわけではなくて、こういう研究開発そのもの、大学の運営そのものに目を向けてこなかった政府というのは一体何なんだろうなというふうに、私は言わざるを得ない。今回増額したということは、高市政権はこの分野に力を入れてくれるんだという意思表示だと思うので、これを機に、少なくともこの交付金全体は上昇基調に乗せていく必要があるんだろうなというふうに思いました。
 それから、さらに衝撃を受けたのは13ページでありまして、大学によるという話はもちろんあるにしても、例えば、教員1人当たりの研究経費が6万というのは、今、6万というのは親戚が多い子のお年玉と同じぐらいですよ。大学の先生だって、科学をやっている先生たちは実験費にもならないでしょうし、文系だとしても、本は高いので、二、三冊買ったら終わりだというレベルで、ちょっとあり得ないなあというふうに、私なんかは素人ながらに思いました。
 総論の話というか、総額の話はそこまでで、各論の話なんですが、これから政府が中長期的な成長のビジョンを示そうという方向に来ています。そうした中で、人材育成の中核となるのは国立大学でありますから、大学ごとにどれだけ成長戦略に協力するかということは一つの変数になり得ると思いますし、また、地域人材の育成という意味では、地域の定着率だとか、国家の戦略に地方がどのような形で貢献し協力しているのか、そこに対する定着率等は一つの指標になるのかなあというふうに思っています。また、これから恐らく、地方の私立大学の再編とかリニューアルというのが進んでくると思います。そういった中での受皿になるようなことすら、国立大学には考えていただきたい。私は、成長の源泉は人であり、我が国における人づくりの基礎となっているのは国立大学だというふうに、心から思っています。地方から見ても、そういうふうなことが言えると思います。
 結論を最後に申し上げますが、人口減によって、大学そのものが減るとか、あるいは学部を減らすとかっていうことがないように、むしろ、運営費交付金そのものは、総額が維持され、あるいは物価連動する以上に増えていく必要があるというふうに思いますし、また、国の成長や地方の産業育成への貢献というものが一つの指標になるんじゃないかということを、もう少し資料を読みながら勉強させていただきますが、1回目の意見とさせていただきたいと思います。
 私からは、以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。
 時間の関係でお二人に先に御意見いただきましたけども、元に戻りまして、資料につきましての御質問等はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、議題(3)の自由討議のほうに移りたいと思います。どなたでも結構ですので、御意見のある方は、挙手または挙手ボタンを押して、お知らせいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 では、橋本委員、お願いします。
【橋本(和)委員】  橋本です。まず最初に、令和7年度の補正予算と令和8年度の当初予算案において、人件費、交付金の増額を政府として認めていただいたわけですけども、高等局の局長をはじめとして、皆さんの御努力に深く感謝申し上げる次第です。その上で、私から、この主な論点の四つのうち、上の三つについて、ちょっと述べさせていただきます。
 まず、最初の論点ですけども、先ほども議論になりましたが、ミッション実現加速化係数を今回やめたというのは、私の理解は、多分、ミッション加速化係数というのは、いわゆるサムゼロの中でお金をつくり出して、それを配るという思想にあったということだと思います。私も、ずっと大学におり、あるいは、今、国研におりますし、また、ファンディングエージェンシーにおりまして、世界中の大学の経営者等々と意見交換する場面が非常に多いんですけども、いろんな国の方と話して、大学改革等を成功するポイントは、サムゼロも必要なんだけど、サムゼロだけでは駄目だと。必ずサムゼロの外にお金をつくって、そこで競わせないとうまくいかない。これは経験値だということを強く言う人が多いです。極めて多いです。そういう意味において、今回、サムゼロではないところに予算を持ってこれたというのは、先ほどのお話であった当初予算の中で増額を得たということで、そういうことができるということになったんだと思います。そのことを正面からきちっと議論する必要があるんじゃないかなと思います。
 というのは、私、今は部外者として大学を見ていますと、部外者ではないかもしれないけど、各大学、とても頑張っているところが多いです。不十分なところもありますけれども、多くの大学は本当に頑張っています。学長さんが中心になって頑張っているところはあるんですけど、頑張っている学長さんが実は学内で評判が悪いというケースがとても多いんですね。それはなぜかというと、頑張れば頑張るほど厳しいことを学内で言うから学内ポピュリズムが出て、それで学長さんの再選ができないというケース、あるいは再選時にすごく評判が悪くなってしまうというケースが実際に起きているわけです。これはとても心配なことですので、頑張っている学長さんを応援するためには、サムゼロではないお金の下でしっかりと応援するということをやるべきだと思います。そういうことを明確に、今度の第5期の中期計画では表すべきだ。ただ、それだけでは駄目で、学長さんなり何なりを監視するシステム、これは多分、選考委員会がその役割を持たなければいけないんだと思いますけども、それを明確にする必要があるんだと思います。それを併せながら、頑張っている大学、特にしっかりとやっているリーダーに対して自由度のある予算をサムゼロではないところから渡すことで引っ張っていくということをやるべきだろうというふうに思っております。
 二つ目の「物価・人件費が上がらないことを前提とした」というところですけども、政府が2%の物価上昇を目指した運営をしているわけですから、物価連動した予算にするというのは、政府の方向性からしたら当然なんだと思うんですね。当然、それを正面からしっかりと政府に対して要求すべきだと思います。もちろんそれだけでは財務当局は納得しないでしょうから、大学の具体的な努力というのも併せて言わなければいけませんけども、それは正面からでも言うべきだと思っています。少なくとも人件費の増加の連動に関しては、国家公務員の場合は、人件費が上がった場合には連動で予算が増えているわけですね。国立大学にそれが至らなかったのは、制度的な欠陥だと思っています。多分、国立大学を法人化するときに、その制度的な欠陥が入ったまま、されたことだと思います。これは明らかにおかしな話なので、今回のことが一つの事例だと思いますけども、ぜひ、それは正面から主張していただくべきだと思っております。
 最後の「各法人のミッションを踏まえた機能強化の支援の在り方」関しては、いろいろありますけども、特に最近になって非常に大きく変わっている点を2点だけ、指標として明確に位置づけていただきたいなと思っています。1点目は海外人材です。今、世間の状況は、海外人材に対して間違った議論がなされていると思います。優秀な海外人材を呼び込むことは我が国の成長にとって必須にもかかわらず、誤解を持った議論がたくさんされております。特に、インドとか、ASEANとか、こういうところの優秀人材を引き込むことは、今、アメリカの状況を見たときに、我が国に非常にチャンスがあるところでありますし、我が国の成長のために必須のことです。私がおりますJSTもそのための努力をいろいろしているんですけども、そういうのも参考にしていただき、あるいは連携しながら、大学の一つの方向性として、それを明確に出すべきだと思っています。
 2点目は、私は今、最先端の人たちと、AIのことについて、ほぼ毎日のように議論しておりますが、本当に1週間単位で変わっているんですね。皆さんが気づいている以上に、今、猛烈な変化をしています。これは、大規模言語モデルの話じゃなくて、サイエンスの世界で大きな変化を起きております。今、教育の世界もものすごい勢いで変わっていくところです。ですので、次の第5期の中にこれをしっかりと位置づけるということは、必須だと思います。これをどのような形で入れるのかというのは、最先端の方と議論をしながらやっていかないと、どんどんムービングターゲットで変わっていますので、それを位置づけるということが必要だと思っています。
 言いたいことはたくさんあるんですけど、これでもたくさん言ってしまったみたいで、時間を使ってしまったみたいで、すみません。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。
 ほかに御意見いかがでしょうか。
 それでは、林委員、どうぞ。
【林委員】  林でございます。4点、申し上げたいと思います。
 まず、デュアルサポートシステムの話です。今回、資料5の1ページで、運営費交付金とそれ以外、特に外部資金とのバランスというのが経常収益のところで出ているわけですが、平成16年は運営費交付金に対して外部資金はせいぜい14~15%ぐらいだったと思いますけれども、令和6年になると、運営費交付金に対して外部資金は、外部資金は青いいところですが、大体70%ぐらいで、かなり割合が変わっていると。恐らく、これまでの発想は、運営費交付金、ブロックグラントを減らして外部資金でやったほうが競争的であるし、あるいは様々な政策ニーズを踏まえた活動ができるという発想で展開してきたと思うんですが、さすがにここまでバランスが崩れてしまうと、外部資金では支払えない基盤的な人件費だったり、事務部門のコストであったり、そういうものが払えなくなってくる。どんどん外部資金を取れば取るほど大学の首が締まるという状況が、極めて厳しい状況まで来てしまったというのが現状だと思っています。基本的に、海外を見ても、ブロックグラントと外部資金の割合をちゃんとウオッチして、行き過ぎていないかどうかということを確認するということをしている国もありますので、日本もやはり、基盤的資金、運営費交付金を増やすという形でデュアルサポートシステムをもう一度バランスを取り直すということは重要なことだと思っております。
 その上で2点目なんですが、配分構成ですけれども、資料の中でも安定的とか予見可能性のような話がありましたが、私、第4期の運営費交付金の会議も出ていて、そのときも海外の状況を調べたんですね。ヨーロッパのそういう集まりのレポートで何を言っていたかというと、運営費交付金のような配分方式は、シンプルで、透明で、安定的で、かつ大学の多様性を許容する、それが理念だということを言っていました。現時点においても、そういうことだと思っています。大学が安定して経営ができる。そして、誰が見ても、こういう計算でこういう金額になってるんだなというのが分かる。そういうものを目指していくというのは、まず一つであると思います。プラスして、ヨーロッパの議論でそのとき言われていたのは、運営費交付金は三つの要素で考えるのがよいだろうと。基盤的な部分と、パフォーマンスによって影響される部分と、政策を踏まえて大学と政府が契約をするような部分であると。実際に今、それに近い状態になっていると思っているんですね。基盤的なところと、成果を中心とする実績状況に基づく配分というのと、ミッション実現化と、ざっと見るとこの三つの構成というのは実は日本も取っていて、そういう意味では、海外も似たような議論をしているのと照らせば、妥当な方向は取ってきたんだと思うんですけれども、ただ、難しいのは、日本は基盤部分に関して前年度の配分額をベースにしながらやってきた。ヨーロッパの議論では、前年度額をベースにするというのは極めて古い物の考え方であって、基盤部分もアウトカム指標等を踏まえてちゃんと算定をして配分する。もちろん、配分した後、どう使うかは大学の自由なんだけれども、しっかりとアウトカム指標に基づいて配分をするということが必要だと。ここを日本はしっかりとやっていく必要があると思いますし、やってこなかったので、基幹経費の部分がほかのところに持っていけるようなバッファーの部分かのように扱われてきてどんどん減ってきたと思いますので、ここをしっかりと考えていくということは必要だと思っています。
 それから、3点目なんですけれども、配分の理念というか、考え方なんですが、私も、4期、あるいは、国大協とか、いろんなところの会議に出ていても、なかなか難しいと思っているのは、過度に競争を誘引するような配り方をしています。成果を中心とする実績状況に基づく配分って共通指標なんですけれども、指標に基づいて配分しているというよりは、指標によって大学をランキングして、上位何校に対しては何%増すという形にするみたいな、そういう配分の仕方をしています。普通に考えれば、指標に基づいて、指標に比例して配分すればいいところを、過度にランキングという方法によって競争をあおる。大学にとっては、どこまで努力すればランキングのどこに入るのかというのが非常に不明瞭なまま、競争させられているという状態になっていると思います。そうではなくて、海外とかの状況を見ると、先ほどデュアルサポートの話がありましたけど、外部資金を取ってくるんだけど、どうしても外部資金では十分に賄えない部分、通常、それは間接経費で賄われるんですが、それでも足りない部分を運営費交付金で措置するために外部資金と連動するような計算をするとか、あるいは、博士学生の支援が必要だというんだったら、博士学生の修了数に合わせて必要な資金を計算して配分するというような発想を取っています。日本はどちらかというと、外部資金ランキングをして、上位になっていると100何%とか、そういう発想をしてしまうので、その辺りはもう少しちゃんと、先ほどの基盤のところの指標を踏まえつつ、計算方法を考えることが必要だというふうに思っています。
 そして、最後は評価との関係でして、私は今、認証評価に代わるというか、新しい評価の話の委員会も出ていまして、今日、文科省の中にも御担当の方々が皆さんいらっしゃいますが、そこの議論とここの関係は一体どうなるんだと。評価と言ったときに、要するに、定量じゃなくて、ちゃんと質的なところまで見て判断をしたという結果が出てくる可能性があるところで、それをいかにうまく使っていくのかと。それも、単に競争をあおるのではなくて、例えば教育の質が高いところは学生定員数を増やすことが可能になって、それで運営費交付金の金額も増えてくるとか、そういうような発想で教育研究の成果が出ているところに配分できるような仕組みというのを考えていくべきではないかというふうに思っております。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 土居委員、お願いします。
【土居委員】  御説明、どうもありがとうございました。第5期によりよい形で運営費交付金が使われるように、私としても貢献できればと思っております。私も第4期の運営費交付金の在り方について検討させていただく際に委員をさせていただいて、この第4期を拝見させていただいていて、めり張りづけについては着々と進めておられるという印象を持ってはいるんですけれども、インフレによって少し情勢が変わっているということもありますので、第4期の進捗というものを確認しながら第5期の在り方を考えるということが必要なのではないかなというふうに思います。
 先ほど来、言及がありますけども、資料5の9ページですが、国立大学法人が設立された際の経緯というのが、やむを得ない、こういう状況を生み出したと言うべきなのではないかと思うんです。つまり、局長とかもおっしゃられましたが、行政改革を進めていくということの流れの中で、国立大学も特別会計ではなくて独法化しようと、そういう議論の流れがあって、当然、財政健全化のためには国の予算をそんなにたくさん増やすわけにはいかないというような制約があったから、2000年代は減額されていた。当時はそれが国民から支持を受けていたということが背景にあるので、この国は研究で飯を食っていくのに予算を削ってけしからんとか、それは後づけ的には言えるんだと思うんですけれども、その当時はその当時の御判断があったと言うべきだと思います。ただ、冒頭、局長からのお話にもありましたように、局面は変わった。デフレが終わりつつあってインフレになってきているということですから、インフレ時代にはインフレ時代の予算づけというものがあって、行政改革についても、公務員人件費を減らせと言う政党はなくなっているに等しい状況なわけですから、それはそれなりの国民の要望に応えられるように予算をつけていくという段階に入ったんだというふうに、私は見ております。そういう意味では、もともと一般論として、予算編成はインフレのときのほうがやりやすいと。つまり、増額する大きさを大きくするか小さくするかということで、減額されることはないということになると、去年より減額されなかったからよしとしようといって矛を収めてくれる方がおられる反面、めり張りづけでうんと増やすという方に頑張ってと応援するということがしやすくなるという意味では、確かに、デフレのときに比べると、予算づけもうんとやりやすくなるだろう。せっかくそういう背景があるので、第5期の運営費交付金の在り方も、そういう背景を踏まえたものにするということが求められるのではないかなというふうに思います。
 そういう意味では、インフレと連動する形で運営費交付金を配分していくことを基本とするということは、私としても必要だと思います。ただ、国民からもしっかり理解を得られる、納税者からもしっかり理解を得られるということであるならば、授業料収入も総額として物価連動にするということもしていくべきではないかと思います。もちろん、低所得の方で授業料が物価連動で上がっていくことには耐えられないという方がおられるならば、給付型奨学金があるわけなので、そういう形でしっかりサポートをしつつ、総額としては授業料収入も物価連動で上げていただかないと、国からもらう予算は物価連動だけど授業料は据置きということでは説明がうまくつかないのではないかと思います。基本は運営費交付金も物価連動にするということでいいと思いますけれども、授業料収入も総額としては物価連動にするということも併せてしていただかなければいけない。これは国立大学それぞれにしていただかなければならないということなんだろうというふうに思います。
 それから、令和8年度からミッション実現加速化経費という形のゼロサムの配り方はやめるということではあって、そうであるならば、資料5の6ページと7ページにありますけども、配分指標でどういうふうに配分して、その結果、どういう展開になっているかというところの進捗をぜひ文部科学省として評価をしていただきたい。この国立大学法人はやってみてうまくいったとか、この国立大学法人は必ずしも期待どおりについてきてくれていないというようなことだとか、第4期の中間段階の評価というのをしていただきたい。それは何のためかというと、第5期にどういうめり張りづけをすると効果的なのかということを議論する際に役に立つのではないかというふうに思っていて、先ほど林委員がおっしゃったようなヨーロッパ諸国の例もありますので、そういうめり張りづけにどういうふうに役立てていけるかというところを議論する際に、ぜひそこはお願いをしたいというふうに思います。
 安定的な資金を明快な算定方法に基づいて配分するという方向性は、私もそのとおりだと思っています。ただ、私も一大学人として自分で自分につばをするようなところはあるんですが、安定的に営むと大学人は安定にあぐらをかきたがるというところがあるので、そこは、法人としては安定的な資金を確保するけれども、内部の教員に対する姿勢としては、きちんと内部的に教員の働きぶりに対する評価というものをしていただきながら、内部的にも資金の配分のめり張りづけをしていただくということで、安定的に確保しつつも、しっかりとパフォーマンスを上げていただくというめり張りづけになるのかなというふうに思います。確かに安定的な資金が確保できないと法人として予見できなくなるという面はあるので、その部分の安定性というのは必要ではあると思うんですけれども、それが大学教員全体の悪い意味での安定性につながらないように、そこはしっかりとマネジメントガバナンスについての議論をする必要があるのかなというふうに思います。
 私からは、以上です。
【橋本(雅)座長】  それでは、ほかに御意見ありましたら。
 では、藤井委員、お願いします。
【藤井委員】  どうも。いろんな議論を聞かせていただいて、皆さんのおっしゃることはそのとおりだなという気がいたしました。指定国立とか、いろんな動きがある中で、地方大学も含めた全国の大学に、明るいメッセージというか、エンカレッジできるような、そういう政策が打てると非常にいいんじゃないかなと。ただでさえ困っていることが多いと思うので、相対的に言うと、そういうエンカレッジできる方向性が重要かなと思いました。
 ほかの委員もおっしゃいましたけども、研究費が10万とか5万とかっていうのは、学会に1回行ったらおしまいということですので、あまりにも少な過ぎるので、運営費交付金の確保が非常に重要かと思いました。その中で、競争的ではありますけれども、基盤的な科研費も非常に大きな額があるわけでして、ただ、期間が3年・5年とかで短いという欠陥はありますが、ボトムアップの非常にしっかりとした評価で選択されるわけですので、それと比較的親和性があるということもありますから、できるところは一体化してやると。困ったときのセーフガードとして、間接経費等を使って大学の安定的運営、雇用とか、それにも使えるような道が開けたらいいんじゃないかなという気がいたします。
 その上でなんですけれども、先ほどの例で言いますと、5万とか6万というのがどういう意味かということなんですが、これはその先生の雇用費の1%ぐらいかと思います。なので、大学の中での優先順位の問題もあるんじゃないか。何に先に使って残りを出すのかということなんだと思うんですけれども、これが2倍3倍にできないということは決してないんだと思うんですが、いろんなものを引いていくとこうなっちゃったんだということかと思いますので、大学の中でいかに研究教育が重要かということをもう少し自律的に進められるような形でエンカレッジできるといいかなというふうに思いました。ちょっとアブストタクトですけれども。
 あと、先ほど高等教育の物価上昇率を決められるとおっしゃったと思うんですけども、それは非常に重要で、それを根拠を持って出して、今後、それをちゃんとインプリメントできていけば、今の問題はかなりの部分は助かるんじゃないかなというふうに思いました。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  平子委員、お願いします。
【平子委員】  ありがとうございます。
 幾つか質問があるのですが、先ほど林先生がおっしゃったように、これまで、グルーピングをして、その中で競争をあおってきたという指摘は、例えば、「知の総和」の答申の中で、今後、大学間の競争というよりは、むしろ協調、あるいは共創をやっていくべきだという方向性を打ち出しているわけで、その意味からすると、グループの中での競争というのは、これから先は決して望ましい方向ではないのかなと、思いました。
 その中で、研究費の話がたくさん出ているわけですけれども、1人当たりの研究費もさることながら、実は個人格差というのが非常に大きいという話を聞きました。多分、文科省で2023年度にアンケート調査を行っていると思うんですが、上位10%の教員に研究費の総額の62%が集中しているというデータがあるそうで、研究費をもらってない人がかなりの比率でいるということなんですね。普通に考えると、恐らく若い研究者ほど、もらってないんじゃないかなと思うわけですが、若手の育成、能力を伸ばすという観点からすると、もう少し個人格差を緩和するような方策も必要なのではないかと感じましたので、ぜひ基盤経費の中にそういった要素も盛り込んでいただけたらと思います。
 それから、めり張りのつけ方とか、インセンティブの与え方なんですけれども、質の高い教育研究を行っている大学法人に対して重点配分をすべきではないかなと、改めて私も思います。非常に素人考えなのですが、例えば、ST比を指標の一つに入れることによって、絶対値でもいいですし、あるいは、もともと人文社会科学系はST比が高いので、その改善率みたいなものを指標に加えたらいいのかなと。これはあくまでも質というところを切り出して言っているわけなので、ST比が本当にふさわしいかどうかは専門家の方々の御意見を尊重したいと思います。それから、AIが進展してきていますので、地域別とか、あるいは文理別で、労働需給ギャップが生じてきます。構造に不足する人材の育成に貢献する大学に対するプライオリティー付け、あるいはセーフティーネットという言い方すると少し語弊がある表現かもしれませんが、そういった形の運営費交付金の使い方もあるのではないかと感じました。
 最後は、物価、人件費に対する考え方なのですが、皆さんが述べられたように物価連動であるべきで、先ほど高等局長が述べられたような、高等教育の物価指数のようなものは大賛成です。必ずしも人事院勧告や企業のベースアップに倣う必要はなく、新しい考え方を入れてもいいのかなと思います。反面、そうすると人件費がものすごく上がりますので、考えておかねばならないことは、AIの活用によって大学の効率化をどこまで進められるのかということです。つまり、1人当たりの報酬、賃金は上がっていくのですが、トータルの数の問題は、AIの活用によって、効率化の努力をしているところに対する評価を入れてもいいのではないかと思います。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。
 では、永井委員、お願いします。
【永井委員】  私は、検討課題の4番目の論点、附属施設への支援をどうするかという点について、特に大学病院のことをお話ししたいと思います。
 大学病院は赤字というのは御存じと思いますが、20年前の約2倍、30年前の3倍の規模になっています。令和6年の国立大学病院の経常収益は1兆6,000億ですから、運営費交付金の1.6倍あるわけです。これが大きくなって赤字になるということは、大学法人全体の経営・運営を非常に不安定化します。ここをしっかりコントロールしないといけないということです。ただ、病院を含む臨床医学、医学系の論文数というのは、日本、あるいは世界でも一番大きい。全論文のなかのシェアが圧倒的に大きく、圧倒的に伸びています。世界は日本よりももっと伸びていますけども、日本も相当伸びています。そういう意味で、附属施設としての病院運営や経営をどうするかということは非常に重要です。
 経営がなぜ赤字になるかというと、一言で言うと不採算医療が非常に多いからです。きちんと技術料が診療報酬で手当てされていないということ。薬価、高価薬についても、最近は差益が0.02%ということもたくさんあります。そういうことに従事していれば当然赤字になっていくわけで、そういう意味で、しっかりと不採算医療を支援するように病院を支援する運営費交付金が必要と思います。ただ、やみくもに支援するのではなくて、病院の運営、特に財務状況の透明化、あるいは、運営の公平性・公正性、そういうところをしっかりと公開して、チェックを受けた上で運営費交付金を支援するのが筋と考えています。
 それから、もう一つ、大学というのは教育研究のためと言いますが、大学病院は、それに加えて、参考資料2の32ページにありますが、診療プラス地域貢献など、人を地域に出すというところまで、ミッションに入ってきています。人を送り出すためには、まず大学病院の魅力で集める。そのうえで人を送り出すわけですから、魅力を高めるための資金が必要です。また人を出した後、それを補填するための資金が必要にりますそういう点からも、大学病院の運営の在り方、これを全て文科省が担うのか。場合によっては、自治体を含めた支援体制をしっかりつくる必要があります。そういう大学病院の在り方をもう1回見直す時期に来ていると思います。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  オンラインで御参加の貞広委員から手が挙がっていますので、貞広委員、お願いします。
【貞広委員】  ありがとうございます。千葉大学の貞広と申します。本日、オンラインで大変失礼いたします。
 まず、令和7年度補正と当初予算で運営費交付金を上げていただいたこと、本当にこれでほっと一息に近いぐらいになったことを心よりお礼を申し上げます。どうもありがとうございます。
 私、実は高等教育は素人でございまして、初等中等教育の研究者であります。若葉マークで勉強をしながら、こちらに参加させていただいています。一方で、私も国立大学法人に身を置いておりますので、本日、資料5の9ページ以降は、自分は自己投影して、そうなんだよ、こういう状況なんだよねと思いながら話を聞いておりましたので、以下、私が申し上げるものは、陳情的に聞こえなきゃいいなと思います。陳情という意味ではなくて、こういう方向性になってほしいなということで、お話をさせていただきます。少し前置きが長くて、申し訳ありません。
 今日、資料6で今回検討する点というものが挙げられています。また、冒頭、合田局長から、今後優先的に考えていかなければいけない事項について、四つほどお話をいただいたかと思います。これは解くのがとても難しい連立方程式で、小さいパイでは決して解けないと思われます。パイが少し大きくなれば、もしかしたら解ける余地はあるかもしれないけれども、現行ではこの方程式は解けないというふうに思います。ということで、こちらで検討を進めていく、または私どもが意見を言うに当たって、とりわけ、規模の今後のトレンドというものと、検討の状況、私たちが言える意見というのが連動しているので、全体のパイが広がっていくのかどうかというトレンドを押さえた上で議論をさせていただきたいなと思います。高等教育に特化した物価スライドは当然のこととして、全体の規模や内訳を変化させられるのかということが大前提になると思います。私は、全体の規模が縮小し切っていて、もう大学運営がままならない状態になっていると思っていますし、かなり競争的パフォーマンスベースの資金に強く依存し過ぎているのではないかと思います。言うまでもなく、基盤的資金の十分性があってこそ、パフォーマンス部分が適切に機能するのだと思います。独創的な研究や長期的な研究というのは試行錯誤や周りの許容があってこそですので、基盤的資金の十分性というものは譲れない部分だと思います。第4期の反省を含めて、規模と内訳を変えていくということをしっかりと検討していきたいと思います。
 それと、もう一つ申し上げたいのは、先ほど永井委員が附属病院のことを言及されましたけれども、私からは同様に、附属学校のことについて、お話をさせていただきたいと思います。附属学校は公立の学校ではございませんので、各法人が各法人の経営方針にのっとって予算を配分したりしていますので、各法人によってありようはもろもろ違いますけれども、各法人によっても違いますが、法人附属の学校によっては、地域の公立学校のクオリティーを下回るような教育活動しかできない予算しか確保できていないところがあります。子供たちは選んでその学校に来てくれているわけですけれども、初等中等教育というのは、子供たちが持っている基本的人権の一つです。公平・公正に保障されるということが重要ですので、附属学校への予算を安定的に拡張的に確保していくという観点も重要かと思います。
 どう見ても陳情のような意見に聞こえてしまったら、申し訳ありません。以上でございます。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。
 服部委員、お願いします。
【服部委員】  大学改革支援・学位授与機構の服部です。私、前職は地方大学の学長をしていましたので、双方の異なった観点から意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、地方大学の学長としての一つの思いですけれども、合田局長からミッション実現加速化係数の廃止についての御説明がありましたときに、それでも継続性は大切だという事例として、一橋大学のソーシャル・データサイエンス学部の話をされました。多くの国立大学が同じように、ミッション実現加速係数の経費等を使いながら大学改革を進めてきました。ここで支援が終わってしまったら改革を進められなくなります。せっかく大学の改革の芽が出始めたところで枯れてしまうことになりかねませんので、先ほどの話にもありましたように、プラスのところ、ぜひ、良い取組については継続的な支援ができる仕組みを作って頂きたいと思うのが一つです。今年度からミッション実現加速化係数による削減が廃止されたということは賛成です。国立大学の改革を推進するためにこの仕組みは当初は必要だったのかもしれませんが、ある程度進むと効果が薄れてくることもあり得ますし、見直しをするいい時期なのかな、役割を十分果たして次の展開に進む段階かなと思って、伺っていました。その上で、ぜひ、良い改革を進めてきている取組に対する継続的支援をよろしくお願いいたします。
 次に、大学改革支援・学位授与機構の立場からですが、当機構では御存じのように大学の評価を行っています。一つは認証評価、もう一つは国立大学法人等の中目・中計における教育研究に関する評価です。来年度、第4期中期目標期間の4年目終了時評価を行います。その観点から言いますと、資料4の、2ページの「国立大学法人等改革基本方針」の一番下の「第5期中期目標期間に向けて運営費交付金の在り方について」の中の真ん中のポツで、「指標等を基に何らかのインセンティブを持たせる仕組みとするとともに、その成果を測るに当たっては、大きな改革を進める観点と、シンプルな評価の仕組みとする」は重要と感じています。今、来年度実施の4年目終了時評価について準備を進めていますが、評価方法があまりシンプルではない。評価方法や自己評価報告書の記載方法について何回か大学側に説明してきましたが、理解していただくのになかなか大変な印象を持っています。あまり詳細な評価を行っても、評価を受ける大学側と評価する側双方にとってその労力に見合ったメリットがないような感じもしていまして、シンプルな評価の仕組みを構築することは重要と思っています。
 さらに、認証評価の話をさせていただくと、さっき林委員から発言がありましたように、その制度の見直しの議論が進められています。その中で、良い評価結果を得た時にどのようにインセンティブを付与するか、もう一つの論点かと思って議論を注目しています。可能性として、運営費交付金への反映があり得るのか、検討できませんでしょうか。ただし、新しい評価制度では教育を中心に評価する方向で議論が進められており、教育における成果が出てくるには長い時間かかります。大学に入って、学部を出るのに4年、修士を出るのに6年、博士まで出たら順当にいって9年かかるわけですね。教育改革を行うには10年単位を覚悟しなければいけない。そうすると、中期目標期間は6年間ですので、大学が教育改革をして成果を出すまでには一つの中期目標期間で終わらない可能性があります。各期の評価については、複数の期にわたる取組及び成果を見なければいけないことになります。新しい評価のインセンティブの運営費交付金への反映について検討いただけるのであれば、中長期的な観点での評価が教育については必要だということにも留意する必要があります。
 私からは、以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。
 では、両角委員、お願いします。
【両角委員】  ありがとうございます。
 私も、先ほど出ていました資料4の2ページの下に書いてある基本的な視点という、この方向性が今すごく必要だというふうに考えて、この議論に参加しております。基盤的な経費と競争的な経費といったところで言いますと、基盤的な経費が予見性なく、また、先ほどの説明の中でも、ミッション実現加速化係数の廃止というのはすごくいいことだと思うんですけれど、それ以外の基盤的経費が設置基準教員給与費相当額等と学長裁量経費だけではないと思います。年によって変動してはいけないいわゆる基盤的な経費はこれだけではないのでで、何が本当に基盤的支援として必要で、国として支援するところなのかというような考え方が不明確であると思います。おそらくこれまでは、そういう議論を意図的に避けてきた面があったと思います。法人化前は明確に積算根拠というのがあったのですけれど、積算根拠が見えなくなってきたことで、何に使って、どこまで必要なのかというような基準がないがゆえに、大ざっぱにといいますか、そのうちの何%を再配分してというような議論になっていったという面もあるかなというふうに考えています。つまり、何が基盤で、どこまで必要なのかというようなところの、国がどこまでそれを担保すべきなのかというような議論は必要なのではないかなというふうに思っております。その上で、基盤的なものと、パフォーマンスによって左右される部分と、政府との契約部分という、その三つのところのバランスをどう考えていくのかということを議論するのが必要なのかなと思いますし、ここにも書かれていて、先ほどから何回もご意見として出ていますが、シンプルで安定的で透明なルールの重要性ということは、言うまでもないのですけれど、現実はその反対で、どんどん複雑になってきていたように思います。成果を中心とする実績状況に基づく配分でも、実績ベースのものがあったり、伸び率のものがあったり、自分のところに幾ら入ってくるのかよく分からなくて、それだけやって混ぜ繰り返した結果、再配分の金額が2億ぐらいですというのは、かなりの手間をかけて、算定額の根拠もよく分からない上に、その結果として得られるものがあまりに少ないという、この仕組みを変えていくような、いい議論の場になればなあと思っております。
 ミッションの実現というか、自分たちがミッションを生かしてやっていくというところをどこまで政策的にこういう議論をリードしていくのがいいんだろうかといったところは、少し考えるところがあります。というのは、それぞれの大学が自分の掲げたミッションとか自分の戦略に向けた特色を強化していくということは当たり前の話のような気もしていまして、それは、基盤的なものがある程度安定的な見通しがあった上に、という条件付き付きですが、外部資金など自分たちで努力できるところからも資金を取ってきて強化していくような面もあり、一律に何かミッションを実現化するというところのめり張りを運営費交付金のところだけのルールでしなくてもいいのではないかなというようなことも、考えています。むしろ、私がいろんな研究をしていて感じているのは、運営費交付金などをめぐり、様々なルールかがあまりに細かくなっていったことで、大学は、自分たちのやりたいこと、実現したいこととか、ビジョンを描く能力が落ちてきているのではんないかというようなことをすごく感じています。例えば、ミッション実現加速化もそうですし、概算要求とか、自分たちは新たにこういうことをしたいということをボトムアップで構想しても、ほとんど当たらない。そうするうちに次第に諦めて、ボトムから出さずに、トップだけで構想を考えていくようになり、やがて限界が来て、同じようなものをまねするみたいなお話もさきほど出ていました。組織として構想をたてていく能力というのは、やらなければ落ちると思うですけれど、何年もそれをやらなくなってきたんじゃないかというような印象を受けていまして、むしろ、そういう力を伸ばしていくような形にしていくことがが必要ではないかなと思っています。
 あと、先ほど平子委員がおっしゃったことは、私も言いたいなと思っていたことと同じでして、グループ内での競争というよりも、人口減社会の中で国立大学がインフラ的な役割を果たしていくのであれば、基盤とした部分で協力するとか、そういったところに対するファンディングのインセンティブという発想がないと今後は厳しいのではないかと考えております。
 私からは、以上です。
【橋本(雅)座長】  それでは、杉村委員、お願いします。
【杉村委員】  上智大学の杉村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。大変大事な会議に参加させていただけることを大変光栄に思います。
 私からは、少し違った視点ですが、専門とする比較教育学、国際教育学との関連で何点か申し上げたいと思います。
 第一に総花的な発言ではございますが、日本の高等教育が世界の中でおかれている位置づけとその特徴を生かし、日本の大学が力をはっきりする方向性を探るということです。今日の御議論にもあったとおり、国立大学は財政・運営といろんな課題に直面していますが、一方で、他国の大学を見ると、今日、高等教育全体は地政学的な影響を強く受けるようになっており、そのような中で、日本のだからこそできる、特徴ある高等教育や研究を、各大学の先生が頑張っておられる部分もあるかと思います。本日も研究の話が多く出ていますが、研究のセキュリティーやインテグリティーの観点が国際共同研究でも課題になっています。いずれも大変複雑な課題ではありますが、日本の大学の特徴を生かし、研究の場として日本の大学が力を発揮していくということは非常に重要ではないかと考えます。
第二に、他の関係会議体で議論されている日本の高等教育改革の動きとの関わりを考慮するということです。現在、中教審の大学分科会および大学院部会に参加させていただいていますが、「知の総和」答申であるとか、2040年のグランドデザインでうたわれていることをふまえ、例えば成果指標に基づいた予算配分といったときに、大学院部会などで議論されている教育や研究の可視化といった指標を、こちらの配分のほうにどのように組み込んでいくのかということを考えてはどうかと思います。今日の資料5のほうには成果指標の配分の図が出ていますけれども、単に、若手研究者の比率だとか、運営費交付金等コスト当たりのTOP10%論文数だとか、博士号授与の状況といったことだけではなくて、他の政策との連動性が見えると、大学側から見ると政策の動きと一貫したものとしてとらえることができるのではないかと考えます。
 第三に、既存の施策との継続性の問題です。さきほど、ミッション実現加速化部分の係数は、物価連動のこともあり、今後、組み替えていくというお話がありましたが、既にそれに向かって施策をたてている大学の側からすると、既存の計画を継続させていく大きな枠組みといったものが見えてこないと混乱するのではないかと考えます。
 最後に第四として、これも、本日、既に出ている観点ではありますが、「知の総和」答申などで重視されている大学間の連携をどのように考慮するかという点です。例えば、施設設備についても、国公立大学が、それぞれの大学が個別によくしていきたいところもある一方で、施設設備等を共用したり、あるいは連携できるところをうまく活用していく、そのような予算や仕組みづくりができるとよいのではないかと考えます。ただ、正直申し上げますと、大学にいる立場としては、近くの大学と何かを一緒にやりましょうといっても、大学ごとにカラーが違ったり、大学のそれぞれの方針やマネジメントの違いがありますので、実際には連携するといってもなかなか簡単ではないと思います。しかしながら、すでに始まっている地域機構のように、うまく利用できる部分を少しずつ工夫できればと思います。例えば図書館などでは、今日、電子ジャーナルの購入が大変高額になっており、各大学とも大変苦慮していますが、共同利用をうまく図ることができればと考えます。そういう意味では、私立大学もまた国立大学とは大きく体制等で違いがありますが、最近では、国立と私立が連携する事例もあるかと思います。日本全体で高等教育の進展を図る意味でも、連携・協働というのを仕組みづくりの中でうまく出せるとよいのではないかと考えました。
 以上、今日の議論を伺っていての所見でございます。ありがとうございました。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございます。
 一通り皆さんから御意見いただきましたが、私からも一言だけ申し上げたいと思います。
 今回、運営費交付金の枠組みを考えるということでございますけれども、感じておりますのは、基盤的機能の維持ということと改革推進をどう両立するかということです。国立大学法人につきましては、短期的な成果を求める組織ではなく、教育研究という基本的な営みを担う公共機関としての性格を持つ以上、教育研究を進めるために安定的な基盤は不可欠だと考えています。
 一方で、社会からの期待に応えるためには、各国立大学法人のミッションに応じた機能強化を促すといった仕組みも必要かと思われます。この観点から、交付金の構造は、第一に教育研究の継続を担保する基盤的経費、第二に各大学のミッションに沿った取組を支援する配分、第三に成果や改革努力を反映するインセンティブ配分といった、三重の構造が望ましいのではないかと思います。基盤部分は、これまでの議論にもありましたように、過去20年の経過を経て、現状は必要な各費目の積み上げという形ではなかなか説明できないものになっておりますが、人件費や光熱費など、直近の実際の支出額を積み上げて、本当に必要なのはどれぐらいなのかという視点も大事かなと思います。そして、最低限必要な額については、自己収入の増減、ミッションの成果の配分とは別に、確実に保障するようにしていくことが、政策的に必要ではないかと思います。基盤部分の予見可能性を高めることで、大学にとって、長期的な人材確保、あるいは設備投資が可能になり、これが基本となってその上にミッション別の配分を行って機能分化を促進することで、さらなる改革への動機づけになるのではないかと思われます。
 また、これは多くの委員もおっしゃっていましたけども、現行制度の評価や再配分の仕組みが極めて複雑になっていて、大学側の予見可能性を低下させているという指摘がございました。我々民間企業においても、制度が複雑になればなるほど、その制度が本来目指した趣旨というか、意図が達成されないということが往々にしてございます。そういう意味でも制度はシンプルなものにすることが望ましいと思います。
 また、評価のための事務負担が増加していくと、評価疲れを招き、百害あって一利なしだと思います。基盤的経費を安定的に確保して、政策的目標に応じた重点支援を別途行うという役割分担を明確にしていくことで、広く社会へ説明していく際も説得的になると思います。大学の自律性と責任を両立させるという観点からも、安定した基盤の上に改革を積み上げるという制度設計を目指していくことが大事だと思っています。
 以上でございます。
 それでは、皆様、大変ありがとうございました。まだまだ御意見をいただきたいところでございますけども、時間の関係もございますので、本日はここで閉会とさせていきたいと思います。
 なお、本日いただいた御意見につきましては、事務局に整理をしていただきまして、次回の議論をさらに深めていきたいと考えております。
 局長、どうぞ。
【合田高等教育局長】  一言、お礼を申し上げます。初回、大変貴重な御意見をいただきましたことに、心からお礼を申し上げたいと存じております。大変難しい制度設計だと思いますけれども、今日いただいた御意見を踏まえて、我々も知恵を絞りたいというふうに思っております。
 私、個人的に感じましたのは、恐らく、レイヤーとしては、私ども政府というレイヤー、それから、大学、あるいは大学執行部と言ってかもしれませんけど、そのレイヤーと、個々の研究者というレイヤーがあるのかなあというふうに思います。橋本和仁先生から、よい仕事をする学長は不人気になるという、大変生々しいお話がございましたけれども、それは私も実感いたしております。私が冒頭に申し上げたことで言えば、研究者というのはアカデミアの学問的独立性や自由の担い手だと思いますが、他方で、大学、あるいは大学のアドミストレーティブな機能というのは、大学を新しい状況に創造的に対応できる効率性や戦略性の担い手だというふうに思っております。これって恐らく、土居先生もおっしゃっておられたように、どちらかのロジックではなくて、それが両立するような構造にしていく必要があるというふうに思っておりまして、その点は極めて重要だと思いますし、土居先生がおっしゃったように、それでこそ有権者あるいは納税者の御理解を得ながら国立大学をしっかり支えていくという合意形成が社会でできていくのかなというふうに思います。
 最後に、グループ分けの件でございますけれども、私ども、グループ分けで競争させるという状況になっているという御指摘についてはしっかり受け止めたいと思っておりますが、我々、このグループ分けの議論というのは、大学によって役割が相当違うと。例えば、グループ分けの中の一つの要素に、先ほど永井先生からもお話がありましたけれども、附属病院があるかないかで大学の機能や構造は全く変わってきますので、その辺のグループ分けをした上で、先ほど申し上げたように、それが大学レベルの競争だけではなくて、共創をどういうふうに誘引していくのかというようなものも、しっかり取り組ませていただきたいというふうに思っております。
 非常に難しい制度設計になろうかと思いますが、先生方の知恵をいただきながら、しっかり取り組ませていただきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 失礼いたしました。
【橋本(雅)座長】  それでは、事務局から、今後の会議予定をお願いしたいと思います。
【成澤国立大学法人支援課長補佐】  今後の検討会の開催につきましてですが、第2回の会議は3月中下旬を予定しております。日時が確定次第、事務局より御連絡させていただきたいと思います。また、第3回以降の日程につきましては、追って御連絡をさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは、以上です。
【橋本(雅)座長】  それでは、本日の会議はこれで終了といたします。本日は、皆様、大変御多忙のところを御出席いただきまして、ありがとうございました。

  

―― 了 ――

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