第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会(第3回)議事録

1.日時

令和8年7月10日(金曜日)14時00分~16時00分

2.場所

ハイブリッド(対面・Web)開催 ※傍聴はWebのみ

3.議題

  1. 第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する中間まとめ(素案)について
  2. その他

4.議事録

第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会(第3回)

令和8年7月10日

 
 
【中島国立大学法人支援課課長補佐】  それでは,定刻となりましたので,会議を開始いたします。
 橋本座長,進行のほうよろしくお願いいたします。
【橋本(雅)座長】  それでは,ただいまより,第3回第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会を開催いたします。
 本日は,御多忙の中,御参集いただきまして,誠にありがとうございます。
 まずは,本日の議事等につきまして,事務局からお願いいたします。
【中島国立大学法人支援課課長補佐】  事務局でございます。本日の議事及び配付資料につきましては,議事次第のとおりでございます。資料等に過不足等ございましたら,事務局のほうまでお申しつけいただきますようお願いいたします。
【橋本(雅)座長】  それでは,議事に入ります。まず,議事1,第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する中間まとめ(素案)につきまして,事務局より御説明をお願いいたします。
【北野国立大学法人支援課企画官】  私,国立大学法人支援課企画官の北野でございます。私のほうから資料1-1,1-2に基づきまして御説明をさせていただきます。
 資料1-1を御覧いただければと思います。「第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する中間まとめ(素案)」とさせていただいているものでございます。本素案につきましては,これまで2回の本検討会における議論,また,林先生に主査を務めていただきましたワーキンググループでの意見を踏まえまして,素案としてまとめさせていただいたものでございます。大きく3章立てになっております。「はじめに」と2のところで運営費交付金の算定の在り方,3のところで第4期の中期目標期間における運営費交付金の在り方について言及をさせていただいております。
 まず,1ページ,「はじめに」のところでございます。まず,冒頭でございますが,運営費交付金の役割は,我が国の知の基盤を支える根幹となる仕組みであるということを最初の丸のところで記載させていただいております。
 続いての丸のところでございます。この運営費交付金につきまして,近年の物価上昇や人件費の増加等により,教育研究活動に必要な基盤的経費の実質的な価値が低下している状況にあること,また,施設設備等につきましても老朽化が著しく,安全・安心な教育研究環境の維持が困難になっていることなどへの対応が喫緊の課題であるということに触れさせていただいております。
 また,3つ目の丸でございます。これまで大学への支援といたしましては,デュアルサポートを基本といたしまして進めてきたところでございますけれども,基盤的経費,運営費交付金の削減等によりこのデュアルサポートシステムに機能不全が生じているということに言及をした上で,競争的資金によっては運営費交付金の削減に対応はできないということを後半に書いた上で,国立大学法人の第5期中期目標期間に向けて運営費交付金の確保が必要であるということに言及をしております。
 このページの最後の丸でございます。運営費交付金に関しましては,令和8年3月に閣議決定されました第7期科学技術・イノベーション基本計画におきましても,国立大学法人運営費交付金について大幅な拡充を図るということが言及されたことに加えまして,また,同時に,教育研究をベースとした経費について物価等の変動に対応させる観点も含め,安定性をより向上させた仕組みとするなど運交金の在り方を見直すとされたという背景事情を記述させていただいております。
 2ページに行っていただきまして,一番上の丸でございます。文部科学省におきましても,令和7年8月に「国立大学法人等の機能強化に向けた検討会」において取りまとめられた改革の方針,また,それを踏まえました令和7年11月の国立大学法人等改革基本方針におきましても,運営費交付金を含めた基盤的な在り方についての検討を進めることとされたこと,なお,この基本方針におきましては,各法人のミッションや機能強化の方向性に沿った活動を安定的に支援しつつ,その成果に応じたインセンティブを付与する仕組みとすること,また,物価変動等も踏まえた安定性の高い制度とすることなどが基本的な視点として示されたということを記させていただいております。
 その次の丸は本検討会における議論の状況でございますので,議論回数は今のところ,「○回にわたり議論」という形にさせていただいております。
 その下の丸でございますけれども,この素案の位置づけでございます。第5期中期目標期間における運営費交付金の算定ルールの基本的な考え方及び主な論点を中間的に取りまとめたものとさせていただいているところでございます。
 その下の丸でございます。第5期中期目標期間に向けましては,この運営費交付金の在り方と同時に,組織及び業務全般の見直しにつきましては,国立大学法人評価委員会の下にワーキンググループを設置しておりますが,本検討会における運営費交付金の在り方の検討は,国立大学法人評価委員会のワーキンググループにおける規模の議論が適切に設定されることを前提として行ったものであるということを言及させていただいております。
 続きまして3ページからが,ローマ数字2の第5期中期目標期間における運営費交付金の算定ルールの考え方でございます。まず,1.基本的な考え方の最初の丸でございます。現状の運営費交付金につきまして,各法人の教育研究等の基盤的な活動に対して,その活動規模に応じた必要な資金がどの程度確保されているのかが分かりにくく,また,各法人及び国双方にとって仕組みの理解が容易ではないほか,配分結果の予見可能性も十分に確保されているとは言い難い状況にあるという,現状の課題を指摘させていただいております。
 その次の丸でございます。今後とも安定的な基盤の確保とともに,各法人の戦略的な取組や成果を評価し,その結果を資源配分に反映させることも重要であり,安定的な確保とこのような役割の両立を図ることが求められるというところに言及をしております。
 3つ目の丸でございます。これは大学側でございますが,大学におきましても,自らが有する経営資源の棚卸を行った上で,どのように機能強化の方向性に沿って経営資源を活用していくか,また,どのような経営資源を充実させていくかといった経営戦略を構築し,自らがリスクをとって経営判断をしていくということが求められるということを言及しております。
 4つ目でございます。このような方向性が体現されるよう,第5期の運営費交付金の算定ルールにつきましては,丸1といたしまして,教育研究の基盤を支える枠組み,こちらを第1層,丸2といたしまして,各法人の戦略的な取組を推進する枠組み,こちらを第2層として,2つに大きく大別することが考えられるということを言及させていただいております。
 その下の丸でございます。このうち第1層,教育研究の基盤を支える枠組みにつきましては,物価変動に連動することとし,安定性,継続性及び予見可能性を重視すること,また,第2層の各法人の戦略的な取組を推進する枠組みにつきましては,中期目標・中期計画の達成に向けた各法人の戦略的な取組を促すインセンティブとして機能することが期待されることに言及しております。
 続いて,2ポツ,教育研究の基盤を支える枠組み(第1層)の算定の考え方でございます。次のページに行っていただきまして,4ページでございます。冒頭の部分でございますけれども,第1層は,安定的な支援を行うという観点から,各法人の規模をベースとして,それぞれに支援単価を設定して計算した上で,物価や人件費の変動係数を乗じるといった方法が考えられるとしております。
 具体的には,その下の丸でございますが,必要教員数に人件費単価,また,それに人件費変動率を掛けて求めるとともに,必要職員数に人件費単価,人件費変動率を乗じた上で,退職手当相当額に人件費変動率を掛けたものを人件費相当額として算出する。続きまして,物件費相当額につきましては,必要教員数に研究費単価,補正係数,物価変動率を乗じる。丸5でございますけれども,学生数,教育費単価,補正係数,物価変動率で学生経費を算出する。丸6は,面積掛ける単価,補正係数,物価変動率で施設維持に必要な経費を算出するということが考えられるのではないかという形にしております。
 この後,(1)人件費相当額のところでございますが,これ以降はそれぞれの定義をどのように設定するかというところで論点を示させていただいております。
 まず,必要教職員数の設定についてでございます。ここは例えばとさせていただいておりますが,法人化時に国から承継した教職員に対するポスト数を参照して検討することも考えられるとした上で,一方で法人化以降の各国大法人等の組織見直しによる教職員数の増減などがございますので,こういったものとか,各法人のこれまでの教育研究等の活動実績や組織運営上の実態も踏まえつつ,今後詳細な検討が求められるとしております。
 続きまして,その次の丸,人件費単価でございます。人件費単価につきましては,例えば各法人の平均給与額を基に算定するといったことも考えられますけれども,こちら,平均給与額につきましては,各法人の裁量で定めているものになってまいりますので,法人間で不公平な算定となる懸念がございます。ですので,例えばとしておりますが,第4期中期目標期間におきましても,専任教員の給与費相当額を別途算定するという形で計算をしておりますので,このような方法を参考として算定することが考えられることに言及しております。
 最後の丸,退職手当相当額についてでございます。こちらも現状,退職手当必要額を個別に算定しているところでございますけれども,法人化以降の支給実績の平均単価を活用することなどによりまして,第5期中期目標期間中は固定額を配分するということが考えられるのではないかとしております。
 このような形にすることによりまして,例えば年俸制の活用を含む人事給与システム改革とか,新たなテニュアポストの創出,若手教員ポストの確保,専門人材の確保に取り組むことを各大学においては検討すべきではないかとしております。
 5ページでございます。最初の丸でございますけれども,人件費変動率につきましては,人事院勧告を参考にすることが考えられるとしております。
 続きまして,(2)物件費相当額でございます。こちら,研究費の設定が最初の丸でございます。こちらにつきましても,例えば,人文・社会科学,自然科学といった分野等により単価や補正係数を設定し,調整を行う枠組みの検討が必要であるとしております。
 その次の学生数でございます。学生数の設定に当たりましては,各法人の学生定員,これを上限としつつ,一方で定員が未充足となっている学部・研究科につきましては減額調整を行うことが考えられるとしております。
 その次の丸,教育費の設定でございます。こちらも研究費と同様に,分野の状況等を踏まえまして,単価や補正係数の設定を検討する必要があることに言及した上で,また,教育につきましては,例えば学部と大学院を区別して,大学院への支援を充実させた単価や補正係数を検討することも重要な観点であるということを記載しております。
 その次の丸,施設維持管理に必要となる経費でございます。第6次の国立大学法人等施設整備5か年計画に示された保有面積の総量最適化等の観点を踏まえて,こちらも今後さらなる検討が必要であるということに言及をしております。
 その次は,物価変動率でございます。こちらはこの検討会の中でも御指摘がございましたとおり,一般的な物価指数では十分に把握しにくい大学特有のコスト上昇が生じているということも見られますので,適切に反映する指標の在り方について大学関係者の協力を得つつ今後検討することが考えられるというふうにしているところでございます。
 また,最後の丸で,この検討会でも御指摘のございました,地域における国立大学の役割を踏まえた単価や補正係数の設定についても今後さらなる検討が必要であるというところに言及をしております。
 続きまして,6ページでございます。(3)その他とさせていただいております。今まで退職手当等が大部分となっておりました特殊要因経費につきまして,こちらについては,国が責任を持って措置すべき義務的な経費を支援する枠組みとして整理をするということとさせていただいております。
 その次の丸,これは大学に向けてのメッセージに近いものになってまいります。ここでの算定につきましては,あくまで積算上の考え方にすぎず,各法人内の教員及び職員等の人数や,教員に配分する基礎研究費等を縛るものではないことに留意する必要があるということに触れております。また,先ほど申し上げました研究費や教育費の単価につきましては,これは実態と著しく乖離しないように,例えば中期目標期間の切替えに合わせて定期的な見直しを図ることも検討すべきであることに触れております。
 また,その次の丸でございます。こちらは,新たな算定方式にしたときに,第4期中期目標期間における基幹経費分の運営費交付金配分額と大きく乖離する可能性もございますので,その場合には,教育研究活動等の継続性の観点に配慮しつつ,激変を緩和するための対応が必要と考えられるとしております。
 また,その下でございます。各法人の大学運営の効率化の努力を反映させる仕組み,また,運営費交付金の物価・人件費の変動の適切な範囲の検討と併せた授業料など学生納付金の在り方についても検討が必要であるとさせていただいております。
 続きまして,3ポツ,各法人の戦略的な取組を推進する枠組み(第2層)の算定の考え方でございます。第2層につきましては,自らの大学がどのような役割を果たすのかを適切に判断して,リーダーシップを持って教育研究組織の見直しやプロジェクトの推進を行っていく必要がございますが,こういった取組を支援していくべきであるということを最初の丸に書かせていただいております。
 第2層の大きな方向性として,まず,丸1,自らのミッションに即して行う戦略的な対応,また,学長のリーダーシップによる取組の推進,これらの活動実績による成果の発現を,一連の流れとして一体的に捉えて支援を行うものとしておりまして,中期目標・中期計画の達成に向けた戦略的な取組を促すインセンティブとして機能する枠組みとすることが重要であると言及させていただいております。
 6ページ最後の丸でございます。そのような観点から,政策実現・機能強化の取組,また,学長裁量経費,7ページに行っていただきまして,成果・実績に基づく配分,この3つの要素に整理をした上で制度設計を行うことが適当とさせていただいております。
 その下の丸でございます。このような支援を行うに当たりまして,大学ごとの規模や機能,地域的役割等の違いを踏まえた評価の在り方も重要になってくるということに言及をしております。
 まず,3つの要素の最初の点,(1)政策実現・機能強化の取組の関係でございます。2つ目の丸のところになってまいりますけれども,第1層による基盤的経費による支援だけではなくて,新たな機能の創出,体制整備に必要な追加的財源を確保することが不可欠であるということを触れさせていただいております。
 その下の丸でございます。こういった政策的取組に対し,一定期間にわたり継続的に支援する仕組みを構築する必要があること,また,中長期的な視点に立って進捗を評価しつつ支援を行う枠組みとすることが求められるとしております。
 そのような観点から,次の丸でございます。第5期中期目標期間を通じて,法人としてのミッションを達成するために必要となる新たな機能の創出や体制整備を行うプロジェクトへの支援を行うことが考えられるのではないかとさせていただいております。
 この際には,次の丸でございますが,指標(KPI)の設定を行うことが必要でございますけれども,指標につきましては,各法人の第5期中期目標・中期計画における指標と密接に関連させるということが考えられるというふうにしております。
 また,その次の丸でございます。この第2層で支援をしたプロジェクト,組織整備等につきまして,また,他の補助事業も考えられると思いますけれども,教育研究組織の改編等を実施する取組のうち,特に優れた実績を上げ,法人内で恒常的に取組を継続する必要があるものにつきましては,第1層,恐らく必要教員数等になると思いますけれども,そういったところに組み入れていくということも考えられるのではないかという形にしております。
 その次は学長裁量経費でございます。8ページに行っていただければと思います。学長裁量経費,8ページの最初の丸のところでございます。配分の考え方でございますが,従来,学長裁量経費は,各法人の規模に応じた配分を行っているところでございますが,この従来の規模に応じた配分に加え,学長の改革構想や取組を反映する仕組みとすることが重要であるとした上で,上乗せ措置によるめり張りづけを通じて,学長の戦略的判断に基づく柔軟かつ重点的な資源配分を可能とする方策について検討が必要であるとしているところでございます。
 続きまして,(3)成果・実績に基づく配分でございます。この2つ下の丸のところにございますが,現在の評価配分につきましては,共通指標に基づく相対評価が中心となっておりますけれども,評価指標につきまして,シンプルで分かりやすく,政策目的との関係を明確化した上で,法人自らの行動変容につながる指標体系とし,その数及び内容の整理・重点化を図ることが必要であることに言及しております。
 その下でございます。単にアウトプットの量だけではなくて,多面的な評価の在り方を検討することが求められるとしております。
 また,その下の丸でございますが,現在の第4期中期目標期間の評価におきましては,共通指標による大学の実績値に基づいて順位付けを行いまして,その差で配分額に差をつけておりますが,かなりグループ間,例えば第1グループと第2グループになったことによって大きな差が生じております。そういったものではなくて実績値を用いて,その差を直接的に配分に反映させるなどの配分方法の検討が必要ではないかとしております。
 続きまして,9ページに行っていただければと思います。9ページの最初の行,国大法人評価に代表される既存の評価制度との関連性,また,評価内容の重複性などを検証の上,より効率的・効果的な評価方法を検討すべきであることに言及をしております。
 その次の丸につきましては,これは各法人に対するメッセージにもなってまいります。各法人における経営改善や戦略策定に資するよう,評価結果を明らかにすることにより,活動の可視化を図ることが求められるということにしております。
 その下でございます。現在の中期目標・中期計画の達成状況の評価による配分と,このような成果指標による配分につきましては,一体的に取扱いを検討することが考えられることに言及しております。
 続きまして,4ポツ,附属施設の算定の考え方でございます。まず最初,(1)附属病院の関係でございます。最初の丸のところは,附属病院の現状について触れさせていただいております。
 その次の丸でございます。附属病院につきましては,国公私立共通となる大学附属病院に対する支援の枠組みと,国立大学附属病院特有の課題に対する支援の明確化などの観点から,今後詳細を検討する必要があるとさせていただいております。
 また,その下の丸でございます。附属病院における教員につきまして,大学設置基準において附属病院に相当数の基幹教員の配置が求められておりますけれども,その具体的な人数が明確ではないということもございますので,必要な基幹教員数の検討を進めた上で,第1層,教育研究の基盤を支える枠組みにおける必要教員数として追加支援を行うということも考えられるのではないかというふうにしております。
 (2)は附属学校でございます。附属学校の最初,9ページの下でございますけれども,実験校としての役割が期待されること,一方で,運営費の制約や施設の老朽化により困難が生じていることを10ページの頭の部分に言及させていただいております。特に10ページの頭でございますが,現在,地域の公立学校と比較しても教育環境が劣るという状況も見られているところでございます。
 その下の丸でございます。当然ながら附属学校は何のために存在するかということの役割に立ち返った上で,必要な見直しを実行することが必要とさせていただいております。
 こうした状況を踏まえた上で,附属学校の人件費変動率の設定におきましては,教職調整額の増額分相当も考慮することが考えられるのではないかということに言及させていただいております。
 また,その下の丸でございます。教育費の単価や補正係数の算定に当たりましては,スクールカウンセラー等の専門家や教員業務支援員等の支援スタッフの配置に係るコストにつきましても反映することが考えられるのではないかとしております。
 その下でございます。現在,次期学習指導要領の改訂に向けた議論が行われているところでございますが,附属学校につきましては,次期学習指導要領の確実な実装に向けたモデルとなることが考えられるとした上で,例えば,通常の教育課程における調整授業時数制度の積極的活用を含めた先導的モデルの開発,特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する特別の教育課程の編成をはじめとする多様な児童生徒の包摂に向けた指導モデルの開発,公立学校の実態を踏まえた,在籍者の多様性を確保するため,入学者選抜の実施等が想定されまして,こういった取組に挑戦する附属学校に対する支援の在り方についても検討する必要性について言及しております。
 (3)附置研究所及び研究施設でございます。その2つ下の丸のところでございます。附置研究施設につきまして,既存の附置研究所等の新陳代謝や再編など研究力の強化に向けて必要な見直しを図る仕組みを導入し,機能させることが求められるというところに言及した上で,11ページでございます。
 11ページの最初の丸でございますが,この附置研につきまして,第1層の部分の算定をする際に,物件費相当額の単価や補正係数の設定に当たって,各研究分野の特性を考慮することが考えられる。また,その対象となる施設についても検討が必要であるということに触れております。
 また,その下の丸,附置研のうち,共同利用・共同研究拠点に認定されている機関につきましては,こういった活動に関する経費を安定的に支援する仕組みについて,検討の必要性を言及しております。
 その下の丸,共同利用・共同研究拠点に対する支援の整理でございます。国立大学法人制度の枠内に閉じた財政措置にとどまらず,他制度との連携を含めた総合的な支援の在り方についての検討の必要性に言及しております。
 その次,5ポツ,大学共同利用機関法人の関係でございます。先ほどの附置研究所と同じように,まず,大学共同利用機関法人の役割に触れた上で,2つ目の丸でございますが,原則として,算定の考え方につきましては国大法人と同様にすることが適当という形にしております。
 一方で,その下の丸でございます。必要な光熱水費,共同利用に係る経費の算定に当たっては,特別に配慮した仕組みを検討することが必要であることに触れております。
 また,その下の丸でございます。大学共同利用機関法人における国際協力による分担金等について,現在運交金により支援をしているところでございますけれども,今後も同様の国際協力を進める上で国としての支援が必要であるということに言及させていただいております。
 12ページの最初の丸でございます。大学共同利用機関につきまして,共同利用・共同研究拠点を含めた我が国の学術研究拠点形成の在り方について,別途,科学技術・学術審議会におきまして実施される外部検証等を通じて,文科省において引き続き検討を深めることが求められるというふうにしております。
 6ポツ,その他でございます。運営費交付金の算定のルールを以上申し上げたところでワーキングで議論をいただいたところでございますが,この制度への理解と信頼をしっかりと確保することが求められるということを最初に記載しております。
 その下の丸でございます。大学におきましても,予算管理に加えまして,例えば教育研究,社会貢献等の具体的な活動単位として,コスト情報を管理するといった手法を用いることで,各大学の活動を分析・可視化して,その成果や便益をしっかりと学内外に対して情報発信をしていくということが求められるということに言及しております。
 最後,3ポツ,ローマ数字3の第4期の考え方でございます。第4期中期目標期間中の運営費交付金の確実な確保についてでございます。
 最初の丸でございます。以上,先ほどまで申し上げた内容は,第5期中期目標期間に向けた算定の考え方でございますが,足元の第4期中期目標期間,令和9年度になってまいりますけれども,現状におきましても,教育研究活動に必要な基盤的経費の実質的な価値が低下している状況にあること,また,設備の老朽化,これはもう冒頭申し上げたとおりでございますので,これらへの対応が喫緊の課題であるとしております。
 冒頭にも第7期科学技術・イノベーション基本計画に触れさせていただきましたが,この中でも,国立大学法人運営費交付金の大幅拡充という話に触れているところでございます。13ページにわたってのところでございますけれども,第4期におきましてもしっかりと確保をしていくことが,大幅な拡充に努めていくことが必要であるということに言及をしております。
 少し長くなりましたけれども,私のほうからの説明は以上でございます。
 なお,資料の1-2につきましては,今申し上げさせていただいた内容の概要として作成しておりますので,適宜御参照いただければと思います。
 以上でございます。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。続きまして,運営費交付金の算定に関するワーキンググループ主査の林委員から,ワーキングの議論につきまして,説明をお願いいたします。
【林委員】  林でございます。私のほうからは,ワーキングでどういう議論をしていたか,そして残された課題は何であると考えているかについて,御説明したいと思います。資料はございませんので,口頭でコメントいたします。少し長くなりますが,5点コメントいたします。
 まず最初ですが,我々ワーキングにおける議論の方向性というところです。1ページの「はじめに」にも既に書かれているとおりですが,今回の議論の出発点は,運営費交付金の必要性を具体的なレベルで示そうということにありました。委員の皆様御承知のように,法人化以降,運営費交付金は,積算ではなく,前年度額を基に一括して配分するという形をとってきたので,逆にそれゆえに必要性の根拠が不明瞭になっていて,削減されやすい状況にあったというふうに考えています。また,まさに書かれているように,近年,物価高とか人件費の増がありますので,特に近年実質的な値というのが非常に低下している状態にあると認識しています。
 デュアルサポートの話も1ページ目に書いてありますが,やはり競争的資金は,拡大してきましたが,若手研究者の安定雇用だったり,施設設備の維持更新であったりというものを支える財源にはなりませんので,やはり教育研究に必要な経費を今回しっかりと積算で示すことで物件費・人件費の変動に対応できる方式に転換すべきであるというふうにワーキングではまず考えて議論を進めてきたところです。
 2点目です。全体構成について,3ページで2層という形で書かれています。基盤を支える部分と,それから競争的あるいは戦略的な部分という形の2層になっています。実はこの基盤,そして競争的・戦略的な部分というのは,今の交付金配分の構成と大きな変更がないようにも見えるものになっています。こういう2層という形で複合的な構造になっているわけですが,これ自体は国際的にほかの国の状況を見ても,やはりこういうものが現時点で妥当な構造ではないかというふうにワーキングでは考えています。
 しかし,これまで基幹部分のところを削ることによってもう一つの競争的な部分,戦略的な部分を創出して再配分する方式をとっていましたので,今回構造は同じなんですが,第1層で基盤経費をしっかりと安定的・予見可能な形で措置して,それから第2層は別に,戦略的な取組と成果を支援する形へ転換するということを提案しているところでございます。
 それから,3点目,第1層の考え方についてです。4ページ目で様々な積算があります。その中で,特に教員数を使う形になっているんですが,そこをどう考えるかということについてはワーキングでもいろいろ議論をしました。法人化以降,実際の教員数が減少しているわけですので,どのように必要教員数を考えるかということを議論してきました。法人化時点の承継ポストを一つの参照にするという考え方が一つありながら,他方で,この20年間,各大学は機能拡張という形で様々な外部資金を取って努力もされてきていますので,その2つをうまく反映させなければいけないというふうに考えています。それが4ページ目に表れているところですが,これをいかに調整して行うかというのは今後の検討課題であるというふうに考えています。
 また,物件費のところもまだ,分野別とか,あるいは学部と大学院別の教育研究コストをどう考えるかとか,あるいはまさに書かれているような大学特有の物価上昇をどう把握するかというところは,今後大学の中でコスト把握の取組を進めることが必要になりますので,それをどういうふうに行っていくのかというのも今後の課題というふうにワーキングとしては考えています。
 それから4つ目で,第2層についてです。7ページで政策実現・機能強化の取組というのがあります。これは国の政策あるいは社会からの要請を踏まえて,大学が戦略性を持った取組を行うことを支援するというものですので,今回も交付金の配分の構造の中で非常に重要なものとして位置づけています。今後の課題としては,ここにも書かれていますが,中期目標・中期計画あるいは法人評価のプロセスといかに連動させて評価等の負担を減らしていくか,あるいはまた,優れた取組をいかに第1層のほうに組み入れていくかということを検討するというのが今後の課題だというふうに考えています。
 それから(2)の学長裁量経費です。実はこれはワーキングの中でも,学長裁量経費がまだ必要であるのか,それとももうさすがにそろそろ役割は終わって必要ないのではないかという,そういう議論が両方ありました。今回の提案は,学長の戦略的判断によって学内資源配分を支える枠組みという形で残す形で位置づけていますが,もし委員の先生方から御意見があればいただきたいと思っています。
 それから,3つ目の成果・実績に基づく配分についても,指標の検討自体,今後の課題として残っているわけですが,ただ,問題意識としては,ここにも書かれていますが,これまで指標である種大学をランキングして,一定の順位以上であれば配分額が多くなるというようなそういう方式をとっていたんですが,それはやはり問題があるというふうにワーキングとしては認識していて,例えば指標の値に応じた比例配分とか,もう少し自主的に連動する形での配分を検討する必要があるというふうに考えているところです。
 最後,附属施設等に関してです。様々な種類の附属施設がありますが,それぞれ固有の政策課題,それから固有のコスト構造がありますので,それらを踏まえた提案をさせていただいています。共通しているところは,個別大学の判断だけに委ねるのではなくて,国全体としてどういう機能が必要であるかということ,そしてそれをどう支えるのかという,そういう観点も考えるべきだと思います。そうすると,運営費交付金の算定だけではなくて,ガバナンスをどうするかということも含めて,今後さらに検討を深める必要があるのではないかというふうにワーキングでは考えているところです。
 ワーキングのほうからは以上になります。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。それでは,議論に先立ちまして,本日御欠席の委員からコメントをいただいておりますので,御紹介したいと思います。事務局のほうでよろしくお願いします。
【北野国立大学法人支援課企画官】  机上資料で,西尾座長代理と貞広委員からの意見を事前にいただいておりますので,私のほうから御紹介をさせていただければと思います。
 まず,西尾座長代理からの意見でございます。読み上げさせていただきます。
 中間まとめ(素案)につきまして,2つの意見を述べさせていただきます。
 1つ目の意見は,5ページ,6ページについてです。国立大学法人化以降の研究活動において,我が国の研究力低下の主要因の一つとして繰り返し指摘されてきたことが,運営費交付金の減額により,研究者の自由な発想に基づくいわゆるcuriosity-drivenな基礎研究を支える基盤が脆弱化したことです。私が2015年から2020年頃まで科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会長を務めていた際,各大学の基盤的経費の実態を調査したところ,教授一人当たりの年間研究費配分額が10万円以下という例が想定以上に多く,中には5万円以下というもはや研究基盤経費とは到底言えない水準にまで低下している事例も確認されました。この水準では,特に実験系研究者が主体的に研究を展開することは事実上不可能です。
 このことに関連し,本中間まとめ(素案)でも,1ページ3つ目の丸において,基盤的経費の削減等により,本来,車の両輪であるべき基盤的経費と競争的資金によるデュアルサポートシステムが機能不全に陥っていることが指摘されています。
 一方,本中間まとめ(素案)では,この課題に直接関わる5ページ2つ目の丸,(2)物件費相当額の最初の項目において研究費単価の設定に触れられていますが,現状の記述では問題の本質を捉え切れておらず,抜本的な改善につながるとは考え難いものです。
 6ページ2つ目の丸においても,積算上の単価について,実態と著しく乖離しない配慮がなされる記載がありますが,各大学の研究費配分単価の水準は前術で述べたとおりであり,研究費単価の積算に当たっては,単なる財政支出ではなく,我が国の知の基盤を支える戦略的投資として位置づけるべきと考えます。デュアルサポートの原則を実質的に回復するためにも,実態をベースに捉えるのでは足らず,その水準の必要十分な充実に加え,中長期にわたり安定的に支援される算定・配分の仕組みの構築が不可欠です。
 2つ目の意見としては,12ページのローマ数字3において,第4期中期目標期間中の運営費交付金の確実な確保について記載されている3つの丸の記述の文脈に沿って,その後に4つ目,5つ目の丸として,本検討会からの文部科学省へのエールを含め,以下の2つの丸の記述を追加すると効果があると考えます。
 追加の1つ目の丸。なお,第4期中期目標期間の最終年度に当たる令和9年度当初予算については,第5期中期目標期間に向けてのいわゆる発射台として,第5期開始年度である令和10年度予算の基準額となり得るため,令和9年度予算編成は極めて重要な意味合いを含んでいるとも考えられる。
 追加の2つ目の丸。令和9年度予算編成に当たっては,近年の劇的な物価高騰や人件費の増加等の社会情勢を踏まえると,令和8年度概算要求時の人件費,物価上昇対応620億円相当の対前年度増にとどまらず,国立大学法人法等関係6法成立時に衆参両院が附帯決議に沿って予算編成された法人化移行時の予算額(約1兆2,000億円)をベースとする大幅拡充を大いに期待する。
 以上,西尾座長代理からの御意見でございます。
 続きまして,貞広委員からの御意見でございます。こちらも読み上げさせていただきます。
 重要な会議に欠席となり,おわび申し上げます。今回,中間まとめ(素案)について,おまとめいただき,御提案いただきましたこと,感謝申し上げます。
 まずは素案全体についての意見として,丸1,教育研究の基盤を支える枠組み(第1層)及び丸2,各法人の戦略的な取組を推進する枠組み(第2層)の2つに大別した上で,第1層は物価・人件費の変動に連動することとし,特に安定性,継続性及び予見可能性を重視して充実させる方向性について,強く賛同いたします。また,複数制度の混在による複雑性を整理する方向性にも賛同いたします。
 その上で,資料1-1,9ページから10ページに記載されています附属学校の記述に関わり,修正というよりも意見を述べさせていただきます。
 こちらにも示されているとおり,目下,附属学校園の財政状況は大変厳しく,国立大学法人にとっては一種コストセンター化しており,もろもろの支援を欠いた状況が続いております。具体的には,施設の老朽化はもとより,地域の公立学校と比較しても教育環境が著しく劣る状況下で,日々の教育活動にも苦慮しており,その結果,人的・物的余裕が確保できないことを背景に,本来の機能である研究についても,リソースを十分に割けない実態が見られます。
 目下,中央教育審議会では,次期学習指導要領の改訂に向けた検討が行われておりますが,附属学校園には,まさに素案にあるような調整授業時数制度の積極的活用や,特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程の編成・実施といった,検討の哲学を反映した先導的かつ先駆的取組が行われることが期待されます。その期待に十分に応えてもらい,研究活動の充実によってレゾンデートルを示してもらうためには,教育のみならず研究活動を支える具体的仕掛け,とりわけ教育・研究環境を十分に支える条件整備や財政支援が必須です。附属学校園には,力のある,進取の気質あふれる先生方がいらっしゃいます。これらの先生方の学びたい・研究したい気持ちに応え,優れた研究成果発信を支援する方向性をぜひ強く進めていただければ幸いです。
 以上でございます。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。それでは,ただいまの説明を踏まえまして,中間まとめ(素案)につきまして,御意見,御質問があればお願いいたします。
【藤井委員】  藤井でございます。本素案ですけれども,今の文科省の御説明と林委員のワーキンググループの御説明で非常によく理解できました。全体の枠組み,施策に賛同したいと思います。一部の大学共同利用機関法人の研究所や附置研究所,そして共同利用・共同研究拠点,共共拠点の重要性と支援強化の必要性を明確に述べていただきまして,それを高く評価したいと思います。その上で,実効性をさらに高めるための補足意見を2つ述べさせていただきたいと思います。
 第1に,日本独自の共同利用・共同研究システムの優位性についてでございます。大学共同利用機関法人と各大学の共同利用・共同研究拠点,共共拠点は,設置の形態や対象とする広範さ,規模等は異なるんですけれども,国内外の研究者に広く開かれた存在であるという大きな共通点を持っているということでございます。4つの法人の17の研究所,そして全国104の共共拠点から成る重層的なラインナップは,理工学,生命・医学,環境,情報,人文・社会,さらには芸術に至るまでほぼ全ての学術分野を網羅する,まさに世界に誇るシステムであるというふうに考えます。
 しかし,その中でも研究者の需要や研究活動を十分に支援できていないというふうに指摘されていますように,現実には運営予算の制約によって外部からの共同利用者の受入れ,それからその人たちの共同研究への十分な支援が困難な状況にあるというのも事実だと思います。大学共同利用機関の研究所へは層2による支援の強化と,共共拠点に対しては共同利用・共同研究システム形成事業による補助の拡大と,できればより長期の安定した支援の両面から強化を行うべきであるとというふうに考えます。それによって,研究費不足などに直面している全国の研究者のより積極的な参画が可能になりますので,大学研究者のポテンシャルを最大限に引き出して,我が国の学術水準を効率的かつ確実に向上させる施策になるというふうに考えます。
 第2に,大学院博士課程学生への支援拡大と,それを通じた人材循環の活性化についてコメントしたいと思います。ドイツのマックス・プランク研究所などの事例を見ましても,若手研究者や大学院生を国際的なレベルで育成していくためには,大学共同利用機関法人の研究所や共共拠点が持つ卓越した研究環境を活用することは極めて重要だと思います。現状の連携大学院制度の利活用を大幅に活用し,デュアルディグリー,ダブルディグリー制度の促進や,教員のクロスアポイントメント制度の普及とも連動させた,積極的な参画を促す制度的枠組みの整備を期待したいと思います。これによって限られた人的資源のシェアや効率的な活用等,活発な人材循環を生み出すことができるのではないかというふうに思います。
 以上の点は,素案の具体の検討のときにぜひ参考にしていただければと思います。
 以上でございます。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。ほかに御意見ございますでしょうか。
 では,永井委員,お願いします。
【永井委員】  私はいつも病院のことを発言させていただいています。9ページに附属施設,附属病院の項がございます。附属病院は,非常に大きな学術的ポテンシャルがある一方で,大きなリスクにもなります。この(1)の3つ目の丸に,相当数の人員配置が求められているものの,その具体的な人数が明確でないという問題を指摘していただいています。これはまさに大学病院のミッションや在り方の見直しの問題と表裏一体です。
 前も御発言いたしましたが,大学設置基準では,附属病院は教育と研究のために設置するとありますが,現実には,教育・研究だけではなくて,まず足元の臨床をしっかり行わないといけませんし,それから地域医療への貢献を求められています。さらに,最近は経営基盤の確保ということも言われています。ただ,大学病院が経営のために存在するかと言われると,これもちょっと違和感があります。私は,大学病院の非常に大きな使命というのは,いわゆる医の倫理,これはヒポクラテス以来,カントの人間中心的な考え方を,蘭学者,明治以降の先人が引き継いで,社会的な倫理に加えて医の倫理というものを教えてきました。ですから,医の倫理を基盤として,もちろんしっかり経営もするし,地域医療への貢献も,教育・研究も,診療もしっかり行う。そういうことを考えて,この必要数を算定する必要があるということ,これをぜひお考えいただきたいと思います。
 先日の東大の事件でも,結局,倫理がないと,教育・研究を謳っても,砂上の楼閣です。ですから,大学病院の使命というものをしっかり見直す,大学病院の在り方も見直す必要があることをお伝えしたいと思います。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございます。御意見,御質問ございましたら,お願いします。
 では,平子委員,お願いします。
【平子委員】  ありがとうございます。今回の中間まとめは,非常に分かりやすくまとめられていると感じています。かつ,2層構造であるということで,1層と2層の違いを,先ほどの林委員のワーキンググループでの議論も踏まえますとかなり具体的で解像度が上がってきたと思います。第1層は,これで進めていけばいいと思うのですが,第2層についてどう考えていくのかは,議論があるところだと思います。
 先ほどの説明の中での,政策実現とか機能強化の取組は各国立大学がまさにこれから第5期の中目・中計に向けて,自分の大学のユニークさをどうやって出していくのかということで今一生懸命書いていると承知しています。そのためにワーキンググループによるヒアリングも先般行われたところだと認識しています。
 各大学の中で非常に意欲的な大学とそこまでない大学との彼我の差があると感じています。そこはしっかり評価していかなければならないのですが,一方で計画の実現可能性をどこまで見るかということ。いかに高い目標を掲げても,実現できることが重要なわけで,確度を高めて実現を目指すということは,まさに学長・総長の裁量にも関わってきますし,その下に続く成果・実績の測定に関係すると思いますので,この3つは恐らく三位一体であろうと私は考えています。
 次期の中目・中計で各大学がどのミッションを優先するのか各大学で検討いただいておりますので,
 それに向けてこれからアクションプランを立てていくわけですが,そのアクションプランがミッションとリンクしたタスクになっていなければならないと思います。タスクがKPIという形で測定可能なものでなければならないところに難しさがあります。すなわち各大学が設定するKPIは大学ごとに異なりますので,KPIの評価の公正性をどう担保するかという観点での仕組みを入れていくのかということだと思います。
 ですから,先ほど林委員がおっしゃっていたように,学長の裁量についてどう考えるのか意見が割れたとおっしゃっていましたけれども,学長の裁量はやはり成果を出すためのものだと思っています。第2層のところについてはまだまだ議論があると思いますが,3つが三位一体となった上で,具体的なものが出てくることを望みます。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございます。オンライン御参加の杉村委員から手が挙がっています。杉村委員,よろしくお願いします。
【杉村委員】  ありがとうございます。杉村でございます。本日はオンラインでの参加をお認めいただき,恐れ入ります。私からも,今の第2層のところで一つ意見を述べさせていただきます。
 今,平子委員から御指摘がありましたが,質問は第2層のところにあるミッション実現をどのように評価していくのかという点についてです。先ほども御説明いただきました資料1-2の2層の部分の3つ目に,成果・実績に基づく配分というところがございます。今日,大学の質保証・質向上に関する新たな質保証枠組みが別途,中央教育審議会等でも議論されており,大学としては今後新たに,これは国立大学だけではなく、公立・私立大学も含めてですけども,どのような評価基準が今後定まっていくかということに皆さん関心を寄せておられるところかと思います。
 そうなりましたときに,平子委員の御指摘にもありましたけれども,ミッションを立てる部分だけではなくて,実際どのように実現して,それがどう評価されていくかといった点も大変大事になってくるかと思います。先ほどもご説明がありましたが,8ページに出てくる成果・実績に基づく配分というところについて,どのように評価の枠組みをつくっていくことになりますでしょうか。
 特に質保証・質向上について,今後,従来の機関別評価から,学部別に実際に行った教育研究活動を対象に評価することが中央教育審議会で議論されています。そうした質保証・質向上の評価と,中長期にわたる運営費交付金の課題をどのように反映させ連動させていくのかどうか,もしワーキングのほうで成果・実績に基づく配分,特に評価の在り方を検討するといった点に関連して何か御議論がありましたらお伺いしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございます。
【橋本(雅)座長】  どうしましょう。先にお答えしますか。
 先生,いいですか。
【林委員】  はい。ありがとうございます。今の話でございます。新たな評価のことも言及いただきました。まず,結論としては,ワーキンググループではそこまでの議論まで行っていません。今の運営費交付金でも共通指標という形で指標は立てて配分をしているわけですが,今後どういうことをそこで考えるべきかということはまだ残された課題となっています。
 ワーキンググループでの議論を超えて私個人の意見となるかとは思いますが,やはり例えば法人評価もあり,共通指標もあり,法人評価の中には,大学単位のものもあれば,現況分析もあり,さらに新たな評価もありと,あまりにも評価が多過ぎるというのは大学のほうも強く感じて苦労しているところだと思います。今回のこの交付金の議論は,そういう複雑になってしまっている評価をやはり少しシンプル化して,使えるものはしっかりと使うというか,複数の評価・指標をつくるのではなくて,しっかりと厳選された評価を活用していくということを考えるべきだと思っています。
 特に,たしかこの会の前回のときに国大協さんからお話があって,コメントいただいたのも,共通指標の中で教育のところがあまりよく指標が出来ていないんじゃないかというお話があって,そういう意味では,まさに今,杉村委員が言われたように,例えば新たな評価などを活用すれば,ちゃんと教育の質まで見た結果を活用できるという可能性はあります。そこまでワーキングではまだ議論はしていませんが,そういうところはまだ今後の論点として残っているところかと思います。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございます。
【北野国立大学法人支援課企画官】  1点だけ補足させていただいてよろしいですか。
【橋本(雅)座長】  お願いします。
【北野国立大学法人支援課企画官】  今画面にも表示をさせていただいていると思いますが,8ページから9ページ,特に9ページのところに書かせていただいているように,今,林先生からも御説明いただきましたけれども,9ページのところが,まさにここに,国大法人評価に代表される既存の評価制度との関連性や評価内容の重複性などを検証の上,より効率的・効果的な評価方法を検討すべきであるとさせていただいております。まさに今,林先生から御指摘いただいたような,国立大学法人評価の中で見ていくのか,それとの関係性をどうしていくのかというところは,ここで論点として挙げさせていただいているところでございます。
 また,先ほど説明が少し足りなかったかもしれませんが,その2つ下の丸のところで,なお,中目・中計の評価との連動を検討する際と書いておりますが,これは現状の中期目標・中期計画の評価結果につきましては,国立大学法人運営費交付金におきましても,法人活性化支援分として支援をしている枠組みがございます。評価結果に基づきまして運営費交付金の額が変わってくるという仕組みがございますが,この仕組みとも連動するという形で,様々ある評価と配分の仕組みをここで連携をさせていくべきではないかということを言及させていただいているところでございます。
 以上でございます。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございます。それでは,ほかに御意見,御質問。では,お願いします。
【服部委員】  しっかりまとめていただきまして,ありがとうございます。特に運営費交付金の構成を2層にして,第2層については政策実現・機能強化の取組,学長裁量経費,それから成果・実績に基づく配分の3つの観点からの配分となっていることは良い仕組みと思います。
 特に,政策実現・機能強化の取組に対して運営費交付金から何らかの経費をつけるという発想は今までなかったと思います。そうすることによって,7ページの真ん中辺りに書いてありますけれども,中目・中計において意欲ある計画を,国立大学が自ら積極的に取り組みたいと思ったときに,それを運営費交付金から支援できる枠組みが出来たということは,たいへん良いことだと思います。この枠組みをしっかり活用して,各国立大学自らが定めたミッションを達成する道のりをしっかり考えていただきたいと思います。
 そこに学長裁量経費もあります。学長のリーダーシップと運営費交付金からの支援によって,国立大学がそれぞれのミッションを達成し,それを基に国民に対して説明責任を果たすことができるようになれば良いのかなと思っています。
 別件です。今説明を伺っていて気が付いたのですが,2ページの下から2番目の丸の「なお,各国立大学法人等の規模や組織の在り方については・・・」という段落についてです。すなわち,この中間まとめは各国立大学法人の規模等が適切に設定されることを前提としてまとめられるものであるということです。従って,各法人が将来を見据えて適正な規模を真剣に考えることが必須ということをしっかり発信する必要があると思います。
 もう一つ気になるのは,第一層の支援では学生数や教員数の積算で配分することとなっていますので,2040年を見据えて学生定員を減らし,教員数等も減らしたら,配分される運営費交付金が減額されるというような短絡的な話になってもいけないと思います。これらを両立できる配分方法については,さらなる検討が必要だと思います。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。
 先生,どうですか。林先生,御意見ありますか,追加で。
【林委員】  平子委員に特に御指摘いただいた政策実現のところに関しては,我々のワーキンググループでは,そもそもそこまで踏み込む立場でもなかったので入っていませんが,ただ,まさにおっしゃるとおりで,これまでも機能強化という形でやってきているところですので,そこの評価の仕組みをどうしていくか,具体の評価の方法,それから法人評価とどう関係を考えていくのかという,そういうところは今後の課題だと思います。そこは非常に重要な点だと思いますので,この場なのか,あるいは平子委員がお入りになっている別の場なのか分かりませんけれども,しっかりと議論していく必要があると思っております。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  それでは,私のほうからも一言申し上げたいと思います。まず,この素案を取りまとめいただきまして,林先生,ワーキングの皆様にもお礼を申し上げたいと思います。
 今日メインとして出された素案の中での1層と2層の二重構造につきまして,これは私も賛成ですし,ほとんどの委員の皆様からも御支持をいただいたのかなと思っています。これまでの評価とその辺の仕組みがちょっと複雑になっていて,大学のほうから見ると配分の予見可能性が立たないということがあったと思いますが,これが今回シンプルに整理されて,いわゆる教育研究活動の基盤を支える部分と戦略的な改革や挑戦を促す部分との役割を明確にしたということは,これは確かに大きな前進ではないかなと考えています。
 1層における物価や人件費の変動を適切に反映させるべく,高等教育や研究活動固有の物価変動指標の導入を検討するという,これはなかなか難しいかなと思いますけれども,形としては確かに理想的な形だと思いますし,また,学生の数や教職員の数の規模に応じたシンプルな算定ということに転換することについても,研究基盤の弱体化を食い止めるという意味で大きな前進かなと思いますし,重要な一歩であると思います。
 今後,中間まとめの具体化というのはこれから大きな課題としてあるわけですけども,せっかくですから経済界の視点も含めてちょっと申し上げたいなと思います。
 まず一つは,大学における自律的な経営戦略の確立ということについてです。今後は第1層において教育研究の基盤をしっかりと支えていくという大前提の中で,各大学には自らの経営資源の棚卸をして,限られた経営資源をどこに集中させるかというリスクを取った経営判断がさらに求められることになると思います。もちろん大学として固有のいろんな役割・課題がありますので,民間企業と同じようなわけにいきませんけれども,一定のリスクを取った経営判断がこれからは必要になってくると思っています。
 そういう意味で,第2層の評価の在り方というのは大変重要かなと思います。具体的にどんな指標で評価していくかということについては,様々な意見もありますし,非常に難解な方程式を解くような困難さが伴うとは思いますけれども,大事なことはアウトプットの量だけを見て判断するのではなくて,やはりクオリティーとか,あるいはもうちょっと進んで,中長期的な社会に対するインパクトなども捉えられるような指標を整理していくということができればなと思います。
 また,並行して,今ちょっと話がございましたけども,国立大学法人の組織や業務の見直しや,中教審での認証評価の在り方の見直しなどが今進んでいますので,そういったものとの整合性を確保するということも大事かなと思います。こうした見直しの中で重複する部分なども出てくると思いますので,それらは極力避けながら,大学側の事務負担の軽減と実効性の向上を両立させるといった制度設計にできればなと思います。
 2つ目は,今,経済界のほうでは,博士人材の育成ということについて非常に興味を持っています。AIの飛躍的発展は,これからの大学教育や研究の在り方そのものに根本的な変革を迫るものではないかと思います。あわせて,これは最近よく言われることなんですけども,自ら問いを立てる力とか,未知の課題を発見する力がこれまで以上に求められております。経済界としても,大学・大学院においてこうした能力をもつ高度人材・博士人材の育成を一層強化していただきたいと考えています。そのためにも,適切な研究指導体制をしっかりと担保できるように,積算単価における大学院への重点配分や補正係数の在り方等についても,今後必要な調査や検討が進められていくことを期待しています。
 それから3つ目は,人材の流動化という観点ですが,これからはやはり産学の間での人材流動性というものをさらに活性化させていかないと,なかなか立ち行かないのではないかなと思っています。日本においては,まだ産学において十分に人材の流動化が行われているとは言い難い状況ですが,逆に言えば,その余地もいっぱいあるなと思います。大学側としては経済界並みの水準の処遇を用意して優秀な経営人材や研究者を呼び込むということはなかなか難しいのかもしれませんが,運営費交付金制度の改革を通じて,そうした取組をできる限り後押ししていくことも重要です。同時に,企業側も大学の人材の価値を正しく評価して受け入れていく必要があります。この産学融合による活発な人材・知識の循環については,今後の運営費交付金制度を設計していく中で一つのエレメントになるんじゃないかなと考えております。私のほうから以上でございます。
 ほかに御意見,御質問ございますでしょうか,皆さんのほうから。よろしいでしょうか。
 平子さん,どうぞ。
【平子委員】  今日の新聞に学生の納付金,授業料の件も出ていましたが,大学全体の収入という観点からすると,各大学が外国人留学生を増やす計画であることに鑑みて,外国人留学生の授業料あるいは社会人学生の授業料については自由度があるのではないかと,思いますので,学部というよりは大学院の授業料の在り方はどこかで議論しておいたほうがいいのではないかというのが1点です。
 それから,国大協の中で議論している国立大学システムは,早ければ2030年ぐらいには一部稼働することになっていると聞きました。今後,各国立大学法人にとっては影響が大きいと思うので,国立大学システムとの連動性をどう図っていくのかというのは,今日の本題から外れるかもしれませんが,おそらく文科省に調整していただかなければならない問題だと思っています。運営費交付金も,国大システムを前提とするのかしないのかによって影響してくると思いますので,そこも併せて調整をお願いしたいと思います。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございます。
 どうぞ。
【村尾国立大学法人支援課長】  御指摘ありがとうございます。今,平子委員からお話しいただいたもののうち,授業料については,御指摘のとおり,運営費交付金そのものではないのですが,結局,運営費交付金というのは,標準授業料と運営費交付金がある意味セットになって,こちらの図の左のほうにもございます,資料1-2の左のほうにもございますように,セットになっているものであるということとの関係で,関連して議論をしていくことも必要と考えております。
 他方で,今回は令和10年度以降のシステムを今議論しておりますので,令和9年度の話ではなくて少し先の話だということもございますので,これは今の授業料の話だけではなくて,先ほど評価の話もいろいろな御指摘がございました。これも評価の仕組みがまだ検討の途上であったり,あるいは国立大学法人の規模の話,こちらも中期目標・中期計画の在り方は今同時並行で検討しております。この運営費交付金の検討会も今回,今,中間まとめの素案を御議論いただいておりますけれども,最終的には,令和10年度に向けて,令和9年度予算編成がどうなるかということ,それから中期目標・中期計画に向けた取組の進捗がどうなるかということ,それはその中にはその規模の話も入っておりますけれども,その辺りを含めて総合的に,最終的にはまた再度議論をしていくことが必要なのかなというふうに思っております。
 したがって,中間まとめを一旦まとめたとしても,その上で,今御指摘いただいたような論点と,ほかの中期目標・中期計画の動き,あるいは令和9年度予算の状況そういったものを踏まえて,また再度御議論をいただいて詳細を深めていきたいというふうに考えております。
 その中で,国立大学システムのお話もございました。これも,中間まとめを国立大学協会として今まとめたというところで,今の時点で具体的にどこをどのようにしていくというところまで固まっていないので,その進捗も踏まえて,私どもも国立大学協会と連携しながら,どういった部分について活用できるのかということを調整させていただきたいと思っております。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございます。ほかに御意見,御質問ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは,ちょっと時間的にはまだありますけれども,特に御意見ございませんので,本日はここで閉会とさせていただきたいと思います。今日は御意見をたくさんいただきましたので,また,事務局のほうで整理をしていただいて,次回の議論をさらに深めていきたいと考えております。
 それでは,事務局から今後の会議予定をよろしくお願いします。
【中島国立大学法人支援課課長補佐】  事務局でございます。資料2を御覧いただければと思います。
 本日も御議論いただきまして,誠にありがとうございます。今回いただいた意見を踏まえまして,次回は7月27日に第4回検討会を予定しておりまして,ここで中間まとめの取りまとめとさせていただきたいと予定しております。
 また,本日御議論いただきましたけれども,中間まとめにつきましてまた委員の皆様方から追加の御意見等がございましたら,来週の7月14日火曜日までに事務局のほうまでメール等で御連絡いただけましたら,幸いでございます。
 事務局からは以上でございます。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございます。
 それでは,第3回の検討会はこれで終了いたします。皆様,本日は御多忙のところ御参加どうもありがとうございました。
 

―― 了 ――

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