第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会(第2回)議事録

1.日時

令和8年3月24日(火曜日)15時00分~17時00分

2.場所

ハイブリッド(対面・Web)開催 ※傍聴はWebのみ

3.議題

  1. 第1回会議の議論を踏まえた論点整理
  2. 有識者からのヒアリング(林委員)
  3. 国立大学協会からのヒアリング
  4. その他

4.議事録

第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会(第2回)

令和8年3月24日

 

【成澤国立大学法人支援課課長補佐】  それでは、定刻となりましたので、会議を開催いたします。橋本座長、よろしくお願いいたします。
【橋本(雅)座長】  ただいまより第2回の第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会を開催いたします。
 本日は御多忙の中御参集いただきまして、ありがとうございます。
 まず、本日の議事等につきまして、事務局のほうからよろしくお願いします。
【成澤国立大学法人支援課課長補佐】  本日の議事及び会議資料につきましては、次第にございますとおりとなっておりますけれども、過不足等ございましたら事務局までお申しつけいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【橋本(雅)座長】  それでは、議事に入りたいと思います。
 まず、議事の1でございますが、第1回会議の議論を踏まえた論点整理につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【北野国立大学法人支援課企画官】  国立大学法人支援課企画官の北野でございます。
 私のほうから、資料1-1と1-2につきまして、御説明をさせていただきます。
 まず、資料1-1でございますけれども、前回の検討会における主な意見をそれぞれの項目ごとに整理をさせていただいております。
 まず、1ポツ目運営費交付金の在り方と安定的な支援についてでございますけれども、基盤的経費と競争的資金の両輪によって学術研究を支えるという原則が大きく損なわれているのではないかという御意見。知の基盤に対する戦略投資としての位置づけ、中長期的な安定支援が運営交付金では不可欠じゃないかという御意見。運営費交付金の総額の確保、少なくとも物価連動者増額が必要ではないかという御意見。また、外部資金を獲得すればするほど大学の首が締まる極めて厳しい状況であり、運交金を増やしてデュアルサポートシステムのバランスを取り直すことが重要ではないかという御意見がございました。
 2ポツ目にございますが、制度設計の方向性でございまして、海外の事例を挙げていただきまして、シンプル・透明・安定的・多様性の許容が理念となっており、基盤的な部分、政策を踏まえて大学と政府が契約するような部分、パフォーマンスによって影響される部分としている例が見られるという御意見。また、教育研究の成果が出ているところに配分できるような仕組みを考えるべきという御意見。評価については、シンプルな仕組みとするべきという御意見。基盤的機能の維持と改革精神をどう両立するかが重要であるという御意見をいただいたところでございます。
 2ページでございますけれども、3ポツ目、物価・人件費上昇への対応ということで、物価・人件費上昇といった社会経済情勢を反映した運営費交付金の確保が必要であるという御意見。人件費の増加との連動ができていないのは問題であるとの御意見。低所得者への給付型奨学金を前提としつつ、授業料収入も総額として物価連動することも併せて検討が必要ではないかという御意見。高等教育固有の物価上昇率を検討することが重要ではないかという御意見。また、大学運営の効率化の努力も評価する必要があるのではないかという御意見があったところでございます。
 4ポツ目、めり張りづけ・評価の仕組み・インセンティブの在り方でございますけれども、ゼロサムの外にお金をつくって、そこで競わせるべきであると。ゼロサムではない自由度のあるお金で頑張る学長をしっかり応援すべきであるという御意見。現在のように過度なランキングによりグループ内競争をあおる配分方式となってしまっているという御意見。また、学内による内部的な教員評価と資金配分のめり張りづけを行い、パフォーマンスを上げてもらうことが必要であるという御意見。
 3ページに行っていただきまして、現在の係数による再配分の仕組みで進めてきた大学改革の芽を枯らさないためにも、よい取組に対する継続的支援は引き続き必要であるという御意見。また、現在の仕組みについて複雑化している。再配分の額は幾らと提示されてもよく分からない上に、その評価から得られるものも少ないため見直しが必要であるといった御意見があったところでございます。
 また、5ポツ目でございますけれども、社会の変化に対応した新たな評価指標ということで、評価指標として、例えば地域人材の定着率、優秀な海外人材(インド、ASEAN等)の引き込み、不足する人材の育成に対応した重点的な配分、また、教育成果の評価については、中期目標期間を超えた中長期的な視点が必要であるという御意見。また、高等教育政策の改革の動きと連動した仕様の検討が必要ではないかという御意見がございました。
 また、最後6ポツ目でございますけれども、附属施設への支援の在り方といたしまして、まず、附属病院でございますが、不採算医療に対し、財務状況の透明化等のチェックを前提として、運営費交付金による支援をしてはどうかという御意見。また、附属学校について、附属学校への安定的かつ拡張的に予算確保していく観点が重要ではないかという御意見があったところでございます。
 これを踏まえまして、資料1-2でございますけれども、第1回の議論を踏まえた運営費交付金算定方法の検討に当たっての論点案としてまとめさせていただいております。
 まず、1ポツ目、制度設計の方向性でございますけれども、第5期中期目標期間における運営費交付金の構造につきましては、増額を図ることを前提とした上で、安定的な基盤が不可欠、また、改革を推進するための上乗せによるめり張りある支援が必要。また、先ほどの海外の事例も踏まえまして、第1層として、教育研究の基盤を支える枠組み、第2層として、国の政策や各大学のミッションに沿った支援、パフォーマンスや成果を反映する心を上乗せすることで改革を推進する枠組みに区分する構造に整理してはどうかとさせていただいております。
 その上で、2ポツ目は、教育研究の基盤を支える枠組みでございますけれども、この部分につきましては、国として支援する部分の特定、安定性・継続性と見通しの立ちやすさ、物価・人件費の変動への適切な反映といった観点から、教員や学生の数、施設面積などの規模をベースとして、それぞれに支援単価を設定して計算した上で、物価や人件費の変動係数を乗じるとということが考えられるのではないかとさせていただいております。また、この際、物価動向の反映には、先ほどの前回の御意見にもございましたが、高等教育固有の物価指数の検討が必要ではないか。また、地域性や学問分野、学位課程等を考慮した支援単価の設定が必要ではないかとさせていただいております。また、先ほどの第1回の御意見でもございましたとおり、物価人件費の変動の反映と併せて、学生納付金の在り方についての検討が必要ではないかということ。大学運営の効率化の努力についてどう評価するかということも論点として挙げさせていただいております。
 その下、3ポツ目、改革を推進する枠組み、2層の考え方でございますけれども、これまで行ってきたような教育研究組織の改編などの優れた取組に対する継続的な支援について、どのような方策が考えられるか。また、成果指標のところにつきましては、指標、評価、グループ別支援の在り方についてどのような仕組みが考えられるか。また、学長裁量経費につきましては、現行では大学の規模に応じて配分されていますけれども、その枠組みの検討が必要ではないかという論点を加えさせていただいております。
 2ページでございますが、その他の論点といたしまして、1つ目が附属病院でございますけれども、附属病院の支援の検討に当たりまして、附属病院が教育、研究、診療機能、地域の医療機関への医師の輩出・交流を担う中で、どの部分に対して支援すべきなのか、また、その際、国公私のバランスを含め検討が必要ではないかという論点を挙げさせていただいております。2つ目、附属学校でございますけれども、国立附属学校と公立学校との比較分析・実態把握を行った上での検討が必要ではないかとさせていただいております。最後、旧・附置研究所や大学共同利用機関法人に対する支援策、これについてもどのように考えるかという論点を加えさせていただいたところでございます。
 私からの説明、以上でございます。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等ございましたらお願いいたします。平子委員、お願いします。
【平子委員】  1つだけ、言葉の定義を教えてほしいのですが、この1ページ目の資料1-2の大項目3番の2つ目の丸ですが、指標、評価、グループ別の支援の在り方についてという中の「グループ別」というのはどういう意味で使っていらっしゃるのでしょうか。
【北野国立大学法人支援課企画官】  ありがとうございます。前回の第1回でも御意見があったかと思っておりますけれども、国立大学全体で見るということよりも、やはりそれぞれの機能でございますとか、規模でございますとか、立地性でありますとか、様々ございますので、そういったことに配慮すべきではないかといった御意見がございましたので、現在であれば、例えば規模でありますとか、そういったことに鑑みて、グループを分けて評価をさせていただいているところでございますので、引き続きこのようなグループに分けた評価を行ったほうがいいのか、もしくはそのグループをどう組むのかというところも含めて、グループ別支援という形で書かせていただいております。
【平子委員】  ということは、これまでも何らかのグループがつくられていたわけですけど、これから考えるグループというのは、これまでとは違うグループでもいいのかどうか、この辺も議論の対象になるということでよろしいでしょうか。
【北野国立大学法人支援課企画官】  おっしゃるとおりでございます。
【橋本(雅)座長】  ほかに質問等ございませんか。よろしいでしょうか。
 それでは、一旦ここで議論をまとめたいと思います。
 資料1及び資料1-2について、御意見と御修正等ございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、特段の御意見がないということでございますので、事務局案でおおむね了承とさせていただきたいと思います。
 続きまして、議事2に移ります。有識者からのヒアリングにつきまして、林委員よりよろしくお願いいたします。
【林委員】  林でございます。
 資料2に基づきまして、私のほうから、運営費交付金、基盤的資金と書いていますが、海外において交付金がどのような状態になっているかを御説明させていただいて議論していただければと思っております。
 今回、我々第5期中期目標期間に向けて議論しているわけですが、実は第4期、6年前ですが、そこでも運営費交付金の在り方の検討委員会がありまして、私、そこでもほぼ同じ報告をしております。そのときの資料から持ってきているのがこのページですが、どういう議論をしていたかというと、少し小さくなってしまっていますが、上の図を見ていただきますと、これは、ヨーロッパにおいて、交付金の配分の仕方がどういう傾向があるかということを示している図です。文字が小さくて申し訳ないですが、右のほうに、歴史的な配分であるとか交渉というボックスがついています。ヨーロッパの大学、いろんな国がありますが、ヨーロッパの大学も、過去は、歴史的配分というのは、要は前年度額を維持しながらそこに増減して配っていくという、そういう形での配分の仕方が中心だったと。近年は、それがなくなるわけではないのですが、それに加えてというか、それの部分的なところはもう少しインプット指標によって配っていくと。歴史的の配分の左側に四角がありますが、インプット指標によるもの。それから、もう左側にアウトプット指標というものがあります。要するに、インプット指標は学生数というようなものになりますが、アウトプット指標になると、卒業者数とか学位授与数という形になりますが、こういう指標に基づく算定式による配分、算定による透明な配分の仕方に変わりつつあると。さらに、その横に実績契約と書いてありますけれども、これが政府と大学が、大学のミッションに基づきながら、かつ、国の高等教育政策、研究政策に基づきながら契約をするという形になります。こういうのも増えてきていると。
 日本の場合はどうだったかというと、当時、6年前に議論したときは、今もですが、歴史的な配分、つまり、前年度額をベースにするところが非常に大きくて、ただ、6年前も共通指標のようなものであるとか、あるいは契約のようなものも入ってきているという状態ではありました。その下に、そのときにまとめたものがありますが、そういう意味では、日本も指標だとか契約は入れてきていますが、ただ、大きなところは前年度額などに基づく歴史的な配分が中心であると。そのため、結局そこを削減してもよいのではないかというふうに見えるので、算定根拠がないため削減対象になりやすいという状況にあると。
 さらに、前年度額に基づく歴史的な配分のところを圧縮することで、先ほど出てきたようなアウトプット指標による配分であるとか、契約による配分というものをひねり出すという、そういうことをしているので、そうすると、基盤の部分がどんどん圧縮されていってしまって非常に苦しい状態になっているというのが、6年前議論したときも、そういう状態でございました。
 6年間で海外はどういうふうにアップデートしているかというところですが、まず、国際的に見て、運営費交付金の配分の仕方自体は、基本的な構成要素は同じだと理解しています。つまり、先ほど見たように、古い歴史的配分、前年度額に基づく配分から、次第にインプット指標による基盤部分、そしてアウトプット指標による実績配分、パフォーマンスベストファンディングですね、それと国と大学の契約に基づく実績配分と、この3つの要素を中心とした配分に移りつつあるということが、前回と同じ傾向だと思っています。
 さらに、最近の状況認識と下に書いてありますが、さらにもっと最近の変化を見てみると、幾つかの特徴があります。まず、一番上に欧州大学協会は、こういう契約や目標設定というのが増えてきているという認識は、先ほど述べたように同じように思っています。そして、EUの説明が下に書いてありますが、黒字の太字のところだけ見ますが、全ミッションにおいて多様な目標を達成できるよう資金配分の最適化が求められると。つまり、大学に求められる機能、ミッションが非常に拡大していますので、それに合うよう認識配分をしっかりとすべきであるという、そういう議論です。
 それから、もう一つ黒字になっているところは、パフォーマンスベストファンディングの影響と成功要因についての評価が必要であると。いろんな国がパフォーマンスベストファンディングを入れてきたけど、本当にうまくいっているのかどうかについてそろそろ評価しないといけませんよねというのが、この間、議論されているところになっています。
 それから、その下にまた欧州大学協会のレポートがありますが、複数の国で公的資金が削減されて、特にそれから世界的な政治情勢も不安定になっていると。こういう財政環境自体がもうVUCAの時代になってきているので、そういう不安定なものが新たな常態となっている可能性があるんだと。今後10年間、パフォーマンスや競争に重点を置いたモデルから、大学の戦略的な視点であるとか協働へシフトすることが求められるというような議論をしています。
 そして、OECDの昨年のレポートですが、財政的持続可能性に関する主な主題は、以下のようなところだと、こういうのが、課題点だと。1つ目が、公的補助金の実質価値の低下。要するに、インフレで、配分しているものが減少しています。それから、国内の入学者数の減少、そしてそれに伴う資金の減少、それから留学生数の変動・減少。そして、研究資金が研究の総経済コストを十分にカバーしていない。研究プロジェクトで実際にかかっているコストをちゃんと競争的資金が配分していないため、足りない分を実質的に運営費交付金が補填しているという、そういう状態がほかの国でも見られています。それから、収入減少に対応して高等教育の活動や組織を再構築することの本質的な困難さ、交付金が減少してもなかなか大学の組織をがらがらと変えるということは難しいので、そこの困難さがあるということです。そして、OECDのほうでは、活動基準原価計算、要はコストをしっかりと分析して、それに基づいて配分をしていくということを考えるべきだということを議論しています。これらが、最近の大きな議論の方向性ということになっています。
 その後、ざっと配分の仕方について見ていきますが、まず、欧州における傾向、これは欧州における調査ですが、2024年8月時点で、そこの時点から過去5年間で大学の収入がどう変化しているかということについて、これは34か国168の大学のアンケート回答ですが、最も増加したというふうな回答が多かったものが基盤的資金であると。日本でいえば運営費交付金に相当するものです。競争的資金であったり、学生の授業料等と比べても、ほかのヨーロッパの国々では、基盤的資金を増やす傾向があるということがここから分かります。
 それから次のページですが、配分の方法につきましては、先ほど申し上げましたように、算定式、インプット指標、そしてアウトプット指標、そして契約、そして古いタイプの歴史的な配分と、これらが各国1つの方法ではなくて、これらをミックスして各国では配分をしている状態になっています。それぞれのミックスの仕方は、国によって違うという傾向があります。
 ただ、次のページでございますが、アウトプット指標による実績配分と実績契約によって配っている交付金の割合が横軸になっていて、プロットが国になっていますが、大体モデレートと書いてある15から59%、要は運営費交付金のうちの50%前後というところは実績配分や実績契約によって配っていて、インプット指標や、あるいは歴史的配分のところも、まだちゃんと残っていると。あまりにも極端に実績配分に移行しているという状態ではないというのが各国の状況になっています。
 指標で見るといったときに一体何を見ているかですが、そんなに我々が想定していないものはなく、1つ目に書いてありますが、在籍学生数、やはり学生数だと。ただ、学生定員ではなくて実際にいる学生数がコストの近似として、どこの国でも活用されています。それから、ここで博士課程の学生数というものの重要性が指標の中で上昇しています。それから、学生の学位取得数、単位取得数のようなアウトプット指標の増加。そして、留学生数であるとか、あるいは国が行っている研究評価制度、そういうものが指標として重要視されている状況にございます。
 そして、次のページでございますが、先ほど実績使用や実績契約について、そろそろ評価が必要な時期に来ているという認識があるというふうに御説明しましたが、これも各国でいろいろワークショップをしたりしてヨーロッパのほうでは議論されているそうで、一番下の想定する課題のところだけ見ますが、やはり指標や契約だと不利な影響が生じる大学があるとか、大学のミッション、使命と指標が適合しないであるとか、自立性との衝突であるとか、あるいは論文数のような指標を使うと、研究者の研究活動、出版活動に影響が及ぼしてしまうであるとか、あるいは最後、管理負担、そういうものが生じているという状態になっています。
 そして次のページでございますが、望ましい配分方式の考え方というものです。
 ヨーロッパのほうでは、こういう交付金をどういうふうに配分したらいいかという哲学というか理念をずっと議論しています。前に出ていた理念とそんなに変わっていないのですが、こういうものが出ています。恐らく我々もこれを参照できると思っているのですが、2つ目が理解しやすく透明な仕組みにすべきであると。それから黒字にしていませんが、4ポツ目のところで、財政的持続可能性を支えるために、十分な資源を配分し、コストや需要の変化に対応すべきであると。そして5ポツ目で、複数の資金配分手段をバランスよく組み合わせると。それから7ポツ目で、硬直的なコスト構造を踏まえて、固定費を適切にカバーします。そして8ポツ目ですが、歴史的な配分への過度な依存は避けると。歴史的な配分、つまり、前年度ベースで配分しているとインフレのようなコスト上昇であったり学生数が拡大したり、あるいは大学の機能、ミッションが追加、拡大していくという、そういうものに対して対応できないというのが8ポツ目で言っていることです。それから9ポツ目で、データをちゃんと持っていることで大学自身が資金配分の影響を見積もることができるであるとか、11ポツ目でポジティブなインセンティブによって成果を評価・報奨します。12ポツ目、大学の戦略的特色化を可能にします。13ポつ目で政策誘導と大学の自律性拡大を両立させると、こういうことが指摘されています。恐らく多くのところは、先ほど御説明いただいた資料の1-2の考え方と整合しているような状態になっているのではないかなと思っております。
 ここまでが、全体的な動向を御説明いたしました。この後、各国の状況をさっと見ていきたいと思います。それぞれの国で配分の仕組みや考え方は違いますが、どういう考え方で配分をしているかというところをざっと御確認いただければと思います。
 次のページが、まず、英国も4つの国で構成されていますので、イングランドでは、左に、日本でいうと運営費交付金の総額の推移が棒グラフでありまして、交付金は上昇しています。ただ、大学全体の収入の中では交付金相当のものの割合は下がっているという状態になっています。右側が大学の収入全体の中での交付金の部分を示していますが、抜き出している9.6%というところが、大学収入の中での交付金の部分で、そこがイギリスは教育向けと研究向けと明確に分かれている状態になっています。
 次のページでございますが、教育向けの交付金です。特にイギリスの場合は特殊でして、2012年までは大学に機関補助というか機関向けの運営費交付金を配っていましたが、それを取りやめて、授業料を3倍にして、その代わり公的な学生ローンを拡大するというふうに切替えを行いました。なので、残っている教育向けの交付金は、大学院であるとかコストが高い医学分野であるとか、そういうところの支援をするというところだけが残っている形になっています。なので、丸1のところで高コスト分野への配分と書いてあります。ここですが、基本的に算定式で配分している形で透明性を持っています。学生数掛ける補正係数の対象学生をしっかりと、フルタイムであったり、通っている学生に限定するというところです。それから、分野別単価を掛けます。分野別単価が下にある単価グループという形に分かれていて、表に単価2025年と、それから過去の2017年のものがありますが、やはり単価はこういう形で上昇しているというのが、イギリスの教育費の配分になっています。それ以外にも、学生のアクセス数拡大等、特別な配分があります。これが教育向け交付金です。
 そして、次のページは研究向け交付金です。
 研究向け交付金の細かい説明の前に、イギリスは2017年の高等教育研究法という法律が成立しまして、そこで、運営費交付金と競争的資金のバランスをしっかりと確保するということが法律でしっかりと記載されています。バランスの取れたファンディング原則というものですが、競争的研究費と運営費交付金の間で、資金配分において合理的なバランスが達成されるようにする必要があると法律で書いてあります。実際に予算書には毎年、下に書いてありますが、運営費交付金対競争的資金を0.64対1に維持するという形のことが書いてあります。なかなか予算書を見てもどこまでを計算に入れて、この0.64対1が実際に計算されているのかよく分からないところあるのですが、ただ、毎年毎年これは維持するということが予算書にも書かれています。
 こういう形で交付金は維持していますが、次のページをお願いいたします。
 交付金の構成ですが、少し細かい話に入りますが、大きなところは、この一番上に質を考慮した研究資金(QR)というのがありますが、そこが基本的に大きな運営費交付金になっていて、その下が、大学の改革プロジェクトみたいな、そういうものに配分するお金になっています。この質を考慮した研究資金(QR)ですが、5つの部分があります。1つ目、主たるQR研究資金、これが一番大きなところですが、これもやはり非常に透明性が高くて教員数掛けるコスト指数掛けるREFと呼ばれる大学の研究評価の結果に基づく係数が掛けられます。これによって配分がされています。それに加えて、その下に、研究学位課程指導資金とありますが、要するに、博士課程学生の指導のために必要な資金というのが項目として立てられていて、それも非常にクリアに大学院生数掛ける分野別コストと、それから先ほどのあったREFの評価結果に基づく掛け算で配分されます。さらにその下に、QR慈善団体からの研究資金支援とありますが、イギリスはチャリティ、慈善団体から研究費が来ることが多いのですが、間接経費が慈善団体からほとんど来ません。そうすると、結局持ち出し部分が多くなります。例えばスペースチャージとか光熱費とか、運営費交付金からの持ち出しが多くなるので、間接経費の部分を補填するためにここをつくっています。同じように、下に企業連携研究、企業との産学連携についても、やはりそういうものを補填する形になっています。そして、最後、図書館向け資金という形です。このように、何に使うお金であってどうやって算定するかという、非常にクリアにつくられている形になっています。
 次のページです。
 大学評価の結果をどう使っているかですが、細かいので詳細には申し上げませんが、右の下に評価結果のウエートがあり、大学の研究評価を行って4段階判定をしますが、それによって4から0までの係数が掛けられて配分がなされているという状態になっています。
 今申し上げたような算定で配分するのですが、そうすると、そこで使われているデータであったり評価結果は全て公表されていますので、私が日本にいても、どこの大学がどういう理由でこういうふうに交付金の配分がなされているかというのは把握することができるようになっています。これがイギリスの状況になっています。
 その後ですが、次のオーストラリアもざっと見ます。
 オーストラリアも教育向け、研究向けと分かれています。教育向けに関しては、学生数と分野ごとの単価に応じた配分ということで、国が支援をする学生数というのは各大学で決まっています。それ以上学生を取ることはできますが、それは大学の自分のお金でやってくださいということなので、国が決めている学生数と分野ごと単価で教育費は配分するという形です。研究向けのところは、丸1、丸2ありますが、丸1が、競争的資金に比例して配分しますので、これは先ほどと同じで、間接経費に相当するものとして配っています。そして2つ目のところは、博士学生の訓練のための資金という形で、ここもどういうものに使うかということをちゃんと考えた上で算定はされているという形になっています。
 それから3つ目で、国と大学の契約という形で、大学と国がコンパクトと呼ばれるような契約をしていて、それ自体は資金配分には直結はしませんが、資金配分をするための要件という形になっております。
 それから、ちょっと急ぎですが、次のページ、ドイツでございます。
 ドイツは各州が大学への資金を出しているわけですが、最近、連邦からも、2015年の基本法とありますが、研究に関しては連邦からいわゆるエクセレンスストラテジーという大きなファンディングがあって、そういうので大学のほうにお金出るようになっていたのですが、その下に2021年の学習と教育の強化のための未来契約という形で、連邦から教育のための資金も出るようになってきています。教育の質向上だったり、学生受入れ能力の維持であったり、学習に従事する常勤のスタッフ、教員の恒常的・無期雇用の拡充という、こういうもののために連邦からもお金が出るようになっているというのが現在の状況となっています。
 その下のポツですが、州から大学への配分は州によって配分方式が異なりますが、基本的には算定方式、契約、そして歴史的な配分の組合せで行われているとともに、その下の黒字ですが、複数年の目標・業績協定というのを結んで対話型の資金配分の仕組みが取られています。
 次のページ、ドイツのある州、ニーダーザクセン州ですが、10%の部分は実績指標で配分しています。残りは、恐らく歴史的な配分、つまり、前年度に基づくものだと思いますが、詳細な説明はレポートになかったので、恐らくということです。10%のところは学生数であるとか卒業生数、留学生数であるとか。研究のところは外部資金であるとか博士号授与数とか、そういうものになっています。それに加えて、別途というとこで下に書いてありますが、戦略的目標協定というのを結んでいて、教育や研究、国際化、そういうものについて、大学と政府が協定を結ぶという形です。
 次のページが、フランスですが、非常に分かりにくいところがありまして、簡単にですが、2009年からSYMPAと呼ばれる配分のモデルを使っていたのですが、2010年代半ばに歴史的な配分へ回帰するという形になっています。下のほうの3つ目、4つ目の青字で、対象機関の運営費交付金の0.8%を目安とする追加的な資金を教育研究や研究・イノベーション、環境転換、学生の成功などのような、そういう契約に基づいて配分をするという形のものが、最近入ってきたという状態になっています。
 それから、次のページがフィンランドになります。何故フィンランドか。フィンランド、資金配分の議論をするときに注目される国ですが、交付金を基本的に指標で配っていまして、フィンランドの考え方は、国の全大学に配分する資金のうち、例えば教育の1番目が新規入学学生ですが、例えば国の交付金のうちの3%分を新規入学生の予算とすると、ある大学が国の入学学生のうちの15%部分を担っているんだったら、その部分の予算の15%はその大学に行くという、そういう非常にシンプルな考え方をしています。教育、そして研究、それから戦略、契約に基づくところは下ですけれども、そういうものに基づいて国の様々な指標に対する貢献のようなもので配分しているという形になっています。
 次がアメリカでございます。
 今までヨーロッパ中心に見ていましたが、アメリカですが、まず、アメリカで交付金の状態ですが、アメリカの州が州立大学にお金を出すわけですが、まず、運営費交付金に相当する一般運営費は2014年から2024年に名目で61.0%増と書いてあります。表の上のほうの赤字のところが、2014年からの変化率というところで赤文字になっているところが61.0%なので、10年間で61%増加していると。ただ、先ほどからありましたインフレ等の係数ですが、高等教育コスト調整指数、HECAと呼ばれるもので、私も初めて勉強したところですが、これを使っていて、このインフレで調整すると、22.5%の増加に下がります。ただ、そうはいっても増加しているという状態です。一方で、学生からの授業料は、このインフレを踏まえるとマイナス9.1%ということで、実質授業料は減っているという、そういう状態がアメリカの全州の合計の状態になっております。
 その次のページが、各州でどういうふうに配っているかの図表ですが、一番上のところに、州によって多様な配分方式の組合せと書いていますが、やはり州によって全然配分の仕方は違いまして、パフォーマンスベースドファンディングで配っているところもあれば、歴史的な配分、ベースプラス方式というのが前年度準拠ですが、そういうところもあります。右の下の図に、成果連動型配分の割合で州を並べたものがありますが、右のほうの五、六州はかなり多くの割合を指標で配っていますが、左のほうに行くとほとんどの州はあまりそういうパフォーマンスベースドファンディングでは配っていないと、そういう状態になっております。
 次のページが、アメリカのテネシー州、これが指標で配っている典型的な州ですが、基盤的な助成金の80%を、下に書いてあるような学生数であるとか学位授与数であるとか、研究費の獲得額であるとか、そういうものに基づいて配っています。
 それに加えて、その下に5.45%追加分として、質保証配分として配っているということで、教育の評価、テストの成績であるとか、主要分野の評価と書いていますが、資格試験の状況であるとか、あるいは教育プログラムの評価をどれだけ受信しているであるとか、学生満足度であるとか、そういうものによって追加分を配っているという、こういう状態がアメリカのテネシー州の状況になっています。
 最後のページでございます。
 ざっと見てきましたが、論点としては、前年度ベースの歴史的な配分というものは、やはりインフレあるいは地政学的な不安定な時代において実質的に目減りして、さらに削減対象とされますので、そういうものをいかに根拠を持って説明できるかです。
 そして、それから2つ目、大学が機能拡張していく中で、配分の必要性をできるだけより明確化できるかです。イギリスで見たように、間接経費が不足しているから配るとか、博士学生が重要になってきているから、その指導費を配るのであるとか、そういう発想を入れられるかと。
 それから3つ目、業績指標・評価の構造のシンプル化ということで、前回も議論しましたが、日本では、指標によって大学をランキングして、ランキング上位のところには配るみたいな、そういう発想をしているのですが、あまりランキングで配っている国というのは見たことがないので、もう少ししっかりとシンプル化して配るほうがいいのではないかということ。
 そして4つ目、やはりパフォーマンスベストファンディングの影響を評価しなければいけないという議論をヨーロッパもしていましたが、配分方式の影響をモニタリングする仕組みというのも検討することが必要ではないかということが考えられます。
 長くなりましたが、以上になります。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等あればお願いいたします。なお、16時から、議事3、国立大学協会からのヒアリングを予定してございますので、もし長引いた場合には、一旦16時で御質問等を打ち切らせていただきまして、恐縮ですが、その後、国立大学のヒアリングの後、林先生の資料も含めて質疑を行いたいと思います。
 それでは、御質問のある方、よろしくお願いいたします。
【藤井委員】  どうもありがとうございました。非常によく分かりました。
 いろんな国で運交費と競争的経費というのを分けているのですが、この競争的経費というものの種類というか意味ですが、日本の競争的経費と比較的似たものなのでしょうか。それとも、例えば科研費に似たたようなものとか、アメリカのNSFのものとか、その辺のところは。
【林委員】  ありがとうございます。私の資料の中で、競争的資金あるいはイギリスで交付金と競争的資金のバランスと言うときは、科研費のような研究プロジェクト資金を想定している議論が多いです。基本的にはそういうことだと思います。
 非常に難しいのは、例えば日本でも、交付金の中で競争させている部分があって、それをどう考えるかですが、各国を見てきて、アウトプット指標などで実質的には競争しているといえば競争しているわけですが、そこは競争的資金じゃなくて交付金としては捉えている形になっています。本当は、各国で、いわゆる基盤的資金、運営費交付金が幾らなのかという推移を見ようと思ったのですが、何を基盤と考えるかがだいぶ異なり、なかなかデータも取れなかったということもありまして、国によって少し定義の仕方というのは違うというところがあるかと。
【藤井委員】  分かりました。
【橋本(雅)座長】  御質問等、いかがでしょうか。
【杉村委員】  よろしいでしょうか。
【橋本(雅)座長】  どうぞ。
【杉村委員】  林先生、大変分かりやすく、また、すばらしい御発表をありがとうございました。
 スライドの13ページにありますイギリスの研究向け交付金について1点質問させていただきたいと思います。
 バランスの取れたファンディング原則を法的に規定して、実際のバランスの維持を運営費交付金と競争的資金を0.64対1にしているとあります。実際の資金の供与の仕方としては、運営費交付金を決めるときと競争的資金を決めるときと、どういうタイミングでこのバランスを取るように運営していらっしゃるのでしょうか。
【林委員】  そこをトレースしようと思うとなかなか実は難しいところもあり、というのは、特にこれは研究向けの交付金なので、先ほどのように大学評価の結果が影響して決まります。大学の研究評価は六、七年に1回しますので、そういう意味で、六、七年の間、実は配られるお金は固定になっています、実際。そうすると、外部資金、競争的資金が増えると割合下がってしまうことになってしまいます。先ほどの御質問にありましたように、運営費交付金だけれども、例えば研究環境をよくするための資金を運営費交付金の中で提案を受け付けて配るとか、そういうパーツがあって、その辺が増えている形になり、それで0.64対1という形が恐らく維持されているのだと思います。毎年の予算書はそう書いてありますが、ただ、どれとどれとどれを計算したから0.64なっているのかと、そこまで書いていないので、なかなかトレースできないのですが、ただ、基本的にはそういう形になっています。
 イギリスの場合は、研究向けの交付金を配っている組織と科研費のようなものを配っている組織が同じ組織の下にぶら下がっている形になっているので、その組織の中の予算配分としてこういうふうに成立できているという形になっています。
【杉村委員】  ありがとうございました。
【橋本(雅)座長】  どうぞ。
【西尾座長代理】  林先生、貴重な情報提供ありがとうございました。
 今のご説明で少し分からない点があるのですが、運営費交付金といったときに、大学においては、教員のこと、事務職員のことをはじめ、構成員の人件費をきっちりサポートしていく基盤的な経費として配分されているのですけれども、今のお話しですと、それらの経費を全体的に学生数で近似的に算出していくという見方をすればよろしいのでしょうか。
【林委員】  恐らく、要するに人件費を積算しているのかどうか。人件費を積算しているのか、あるいは学生数がこうだからお金を出すので、その中で教職員を雇用するのは大学が勝手にやってくださいという話になっているのかということですが、基本的には後者が多いです。
【西尾座長代理】  学生数がベースなのですね。
【林委員】  指標に基づくとです。歴史的配分、つまり前年度ベースで配分している分は、大体人の数は変わらないので、そういうのは基本的には人件費が想定されていると思うのですが、そうではなくて指標に基づいているところは、どの州を見ても教員数という指標はやはり出てこなくて。なので、基本的には学生数がこれだけいるから、お金を配るので、教職員を自分たちで雇用してください。教授を雇用しょうが、助教を雇用しようが、大学の判断ですという形になっています。
 基本的にはそういうことなのですが、ただ、国によって大分違うのは、イギリスとかは、アメリカもそうですけど、競争的研究費の中に教員の人件費の数か月分が入っていたりもしますので、どこまでを交付金で見るのか、もっと外部資金とかも、あるいは間接経費も使って複数のものを組み合わせて、それを大学の中では見ている形を取るのかという、それは国によって違いますので、そこの辺りは日本とはまた状況が違うということかなと思います。
【西尾座長代理】  もう一つは19ページですけれども、10%実績指標で配分と書いてあります。これは、例えば日本の場合だと、運営費交付金の総額の内、共通指標による実績評価によって減り張りをつけて配分している部分が約10%ということで、現行の制度とある程度類似点があります。このページで教育に関して示されている指標が真に教育の質を問うものだとしたら、適切な指標なのかが分かりかねます。
【林委員】  まず、10%同じというのは全くそのとおりですが、ただ、日本の場合は、先生御承知のように、交付金を10%削って、それを指標で再配分するという形なので。ドイツの場合は、元からそういう配分方式として、この90%分は歴史的な配分で配って、10%分を競争的に配りますよと。もともとがあるものを10%削減して、それを再配分するという形ではないというのが、まず1つです。その上で、教育の指標、これが本当に教育の指標なのかと言われると、教育の質は全く見ていないものになりますので、本当に学生数と卒業生数とか、その程度を見ているものになります。下のほうに書いてある戦略的目標協定みたいなコントラクト、そこはもうちょっと教育の質みたいなものが入っているのですが、ただ、これによって直接資金が配分されるというよりは、これは州と大学が教育の改善をしていきましょうということを共に合意した上で、その合意の上で交付金をそもそも配っているという形になりますので、そこは算定に反映されるという形ではないと。
【西尾座長代理】  先ほど北野企画官から御説明がありましたように、運営費交付金について教育研究基盤を支える枠組みと、そこにさらに上乗せすることで改革を推進する枠組みという2層に分けて考えるときに、今日御説明いただいたところのどの国の制度を参考にしていくべきか、ということは鋭意考えていかなければならないと思いました。特に教育に関しては、どのような指標が適切に教育の質を評価するものなのかということを、これを機会に考えることが重要であると思いました。
 以上です。
【林委員】  少し付け加えますが、まず、先ほどの10%を削って再配分するのと、元から90%が交付金で10%が競争的資金だというのは、実質同じにも見えるんですが、ただ……。
【西尾座長代理】  私もそこは全く異なることだと思います。
【林委員】  結局、算定根拠も何もなければ10%削ったって構わないというように見えてしまうので、もし算定根拠があるれば、そこを10%削るというのは非常に問題があるという議論になり得るのですが、それがないので、日本は削って再配分すればいいという形になってしまっているということだと思います。
 それから、教育指標のところは先生がおっしゃるとおりで、例えばアメリカの先ほどの指標、テネシー州の指標とか、あるいはほかの国のコンパクト、契約になっているところを見ても、教育の質はそもそも計りにくいのですが、それでもテストであるとか、学生のアンケート調査、全国学生調査みたいなものであるとか、あるいは認証評価みたいなものをどれだけしっかり受けているかであるとか、幾つか典型的なものがありますので、その辺は、日本でどう考えていくかというところがあります。
【橋本(雅)座長】  オンラインで御参加の両角委員、手が挙がっていますので、よろしくお願いします。
【両角委員】  ありがとうございます。林先生、大変明快な御説明ありがとうございました。
 私は4ページ目のところで質問したいと思いました。欧州の過去5年間の収入の変化の傾向で、基盤的な資金が増えている大学が多いという点です。私は、いつも、例えばタイムスハイエデュケーションとかユニバーシティーワールドニュースなどの、海外の新聞を見ていて、むしろ基盤的資金が減ったところばかりが取り上げられているので、増えたところが多いというのがちょっと意外でした。
 基盤的経費が増えたということに関して、どういう名目というか、どういうふうに増えたのだろうかといったことが知りたいです。研究力強化なのか、人材がこういう分野で必要だから、あるいはインフレ対応なのか、どういう理由で増えているのかということが知りたいです。もう1点は、私の印象だと、コストのほうも増えているので、これだけ収入が増えているように見えますが、それ以上にコストが増えて厳しくなっているのではないかという気がしています。今日は、収入の話が中心であまりコストの話はしていないと思うのですけれど、増えたコストを全然カバーできていないというのは現在の日本の状況から見て、欧州も同じようなものだと理解していいのかという、その2点について教えてください。
【林委員】  ありがとうございます。私も基盤的資金が最も増えているというのが意外な結果ではあったのですが、ただ、欧州大学協会の調査ではこうなっています。名目まではサーベイ調査だったので、そこまでは聞いていなかったのではないかと思いますので、分かりません。個別の国の事情を見て、先ほどのイギリスみたいに単価が拡大しているところもあれば、ドイツのように学生数を増やすという形で契約を結んでお金が増えているところもありますし、研究活動の拡大みたいな形で増えているところもありますので、ケース・バイ・ケースな気もいたしますが、なかなか全体的な状況というのはここでは分からないという形になっています。
 それから、コストも全くそのとおりでございまして、コストについてもアンケート調査はしていたかもしれませんが、ただ、明確にどれほどコストが拡大しているかの数字みたいなところまでは、欧州の調査からは出ていませんでした。ただ、先ほどOECDのところでも、インフレがあってコストの把握をしなければいけないというのが大きな主要論点として、3ページの下ののOECDの項目に上がっていました。そこで参照されていたのは、両角先生御承知のフルエコノミックコスティングというものでございまして、先ほどイギリスが教育単価を上げているという、表の上では学生数掛ける教育単価のところの単価が上がっているというのがあったのですが、どうして上げているかというと、しっかりとイギリスの中では、コストのアクティビティーベースドコスティングを各大学からちゃんとデータを取って集計する仕組みを持っていて、それで実際にコストが上がっているということが見えてきています。機械的に上げているわけではないのですが、そういうものが見えるので単価も上げているという状況になっていますので、日本でもインフレの時代において、どれだけ交付金増加させるのかということを議論しようと思うと、やはりコストを今まで以上にしっかりと見ていく仕組みをつくったほうがいいのかもしれないというのが、各国、海外の状況から見えるところです。
 すみません、両角先生の質問から少しずれてしまったところもありますが、そういうことになっています。
【両角委員】  ありがとうございます。
【橋本(雅)座長】  ほかに御質問ございますでしょうか。
【服部委員】  よろしいですか。
【橋本(雅)座長】  どうぞ。
【服部委員】  ドイツ、18ページ、19ページですが18ページには、黒ポツの2番目のところに、州から大学への配分方式は州によって異なるが、算定方式、契約、歴史的配分の組み合わせだと書いてあります。そして例として19ページには、交付金の10%のみが実績指標で配分、ここは多分算定方式だと思いますが、残りの90%というのは、どのような配分になっているのでしょうか。歴史的配分ということでよろしいのでしょうか。
【林委員】  このニーダーザクセン州に関しては、私が資料を見る限り、明確な形には書いていないのですが、恐らく歴史的配分、つまり前年度ベースで配分していると思います。ほかの州を見ると、50%ぐらいこういう指標で配っているところもありますので、州によってやはり違うというところもありますし、あと、先ほど出てきた契約、国と大学が契約をするというところも、資金配分に反映させる州もあれば、契約だけしておいて算定には使わないという州もありますので、そこら辺も、ドイツの中も州によって異なるというところであるようです。
【橋本(雅)座長】  まだ御質問等あるかもしれませんが、議事3のほうの準備が整いましたので、一旦ここで、こちらのほうの議事には打ち切りたいと思います。もしございましたら、また、議事3のヒアリングの質疑の中で追加で御質問いただければと思います。
 それでは、国立大学協会様の御説明はよろしいでしょうか。お願いします。
【藤井会長】  よろしくお願いいたします。それでは、始めさせていただきます。
 まずは、今日、このような形で私どもの発表をさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。それから、検討会の皆様には、第5期に向けての検討に御尽力をいただきまして、ありがとうございます。
 もう一つ言いますと、実を言えば、7年度の補正予算、そして8年度の予算も、これは文部科学省の皆様の御尽力にもよって、補正予算と当初予算、増額あるいは補正予算もしっかりつけていただいたということで、これは昨今のいわゆる人件費あるいは物価の上昇、そういったものへの対応もそうですけれども、国立大学としては非常に期待も大きいというふうに受け止めておりまして、それにお応えすべく、国立大学全体としてもしっかり改革を進めていこうということで、今様々な取組を進めているところでございます。
 本日は、この2つの点について主にお話をさせていただきます。
 まず、国立大学の基本的な役割でありますけれども、この右下の図にもありますように、全ての都道府県に、そして非常に多様な種類の大学が配置されているというのが大きな特徴であります。世界最高水準の研究教育、そして重要な学問分野の継承・発展、それから知の循環と社会への還流、ひいては人材の育成、まさに高等教育の機会均等を確保し、未来をつくっていく人材を育成すると、これはまさに国の根幹に関わる役割を担っています。さらに言えば、先ほど申しましたように、それぞれの地方創生の中核としての役割も非常に重要なものがございます。
 国立大学協会は、昨年3月になりますが、2040年の社会に向けた将来像、新たな将来像というのを発表いたしました。国立大学全体を国立大学システムと認識し、自らが社会変革に関わることへの覚悟と戦略を持って、イノベーティブな日本を実現していく、日本社会を実現していく、そういった決意を示したものでございます。
 このページにお示ししておりますように、この将来像を実現するためのワーキンググループを設置し、それからテーマごとに具体的な議論を行っています。人材育成、これは主に博士レベルの人材の育成をさらに拡大していきます。それから教育連携、これも国立大学全体としての、例えば教育コンテンツの共有化であるとか、マイクロクレデンシャルをはじめとする新しいシステムを導入していくという議論をしております。そして、先ほど申しました地方創生です。地域における人材育成、そして地域の産業界との連携といったことを通じて地域の振興に資する国立大学の姿、これをシステムとしても実現していこうと、そういうことになります。
 今年6月をめどに中間まとめを行って、来年度末には最終まとめということで、これは第5期の国立大学の取組にも生かしていくということになろうかと思います。
 さらに、国立大学協会は、特別会員として大学共同利用機関法人も入っておりまして、この共同利用機関法人、そして研究開発法人などとの連携も強化して、全国的な人材育成と研究ネットワーク、その形成を図っていこうということを考えております。こうした国立大学がシステムとして全国で連携をしていく。この取組を加速させるためにも、予算的な後押しが必要不可欠でございます。
 この後、少しイグザンプルをお示ししますが、例えば、国立大学システムの具現化に向けた連携ということで、少しずつ各大学でも取組が始まっております。代表的なものとしては、国立9大学理学部による広域連携でありますとか、東海・信州・国立大学等連携プラットフォーム、そして四国地域大学ネットワーク機構といったものをここに挙げさせていただいております。
 個別の大学では、これは例えば熊本大学の半導体でありますとか、滋賀大学のデータサイエンス、そして愛媛大学ではこの地域密着型センターというのを設置して、地域の産業の活性化と人材育成、これに意欲的に取り組んでおります。
 この国立大学改革全体のスケジュールですが、この一番下のところに、少し画面が切れているかもしれませんが、将来像の実現に向けた検討というところでございまして、これをできるものから順次、実施に移っていくということで、順次取り組んでまいりたいというふうに考えておりますが、政府の方針も見ながら、この改革全体としては第5期に備えて、私ども進めてまいりたいというふうに考えております。
 第5期中期目標期間に向けた運営費交付金について、少しお話しさせていただきます。
 まず、この一番上の枠囲いですが、昨年発表された基本方針であります。この中では、ここにあります世界最高水準の研究の展開とイノベーションの牽引、それから高度専門人材の育成、そして地域社会を先導する人材の育成と地域産業の振興と、この3つが示されております。国立大学がやはりこうしたミッションをしっかりと実現して、先ほど申しましたイノベーティブな日本社会、これを実現していく上では、これも従前から要望しているところですが、基礎研究、そして人材育成のまさに基盤である国立大学法人等運営費交付金、これが十分に確保されることが不可欠でございます。
 加えまして、近年、実を言いますと、施設の老朽化が相当進んできておりますので、施設整備費が十分に確保されること。そして下の段に競争的資金というところがありますが、例えば科研費等を含めた競争的資金が十分に確保されることが重要です。特に、運営費交付金と競争的資金のバランスについてですけれども、実を言いますと、運営費交付金がしっかりと確保されていない中で競争的資金を受け入れていってしまうと、競争的資金は使途が非常に限定されますし、年限も決まっております。そういった外部資金だけが増えていくと、ある意味リソースの持ち出しがむしろ増えていってしまうというようなことも生じますので、これは競争的資金に偏り過ぎないベストミックスのデュアルサポートを考えていただく必要があろうかと思います。
 ここからは、国立大学協会内で議論した具体的な論点につきまして、寶金副会長から御説明を申し上げたいと思います。
【寶金副会長】  ありがとうございます。副会長というよりも、国大協の中でワーキンググループができています。これは各大学の理事や財務担当の部長からの意見も聞きながら、多様な、大規模大学だけではなくて、教育大学や単科大学、地域の大学も入りまして、十数名で議論してきました。そのおまとめを御披露したいと思います。
 まず、3点申し上げたいと思います。これがまず1点目でありまして、まず、基本的な視点が書いてございますけども、基盤的経費は、申し上げたいことは、この中期目標期間の間は見通しを立てやすいように明快な配分ルールにしていただきたいと。中ほどにロジックモデルが書いてございますけども、これは今までの大学の状況、国立大学法人の状況を単純化したものですけども、元をたどりますと、一番左に書いてあるように、運営費交付金が目減りしたということで、研究力の低下、若手研究者の減少ということが起こって、研究力、教育力が低下したということが中段に書いてあります。
 そして結局、まず、1番目の要望としては、ここに書いてございますように、申し上げますけども、まず1つ目は、運営費交付金の充実と予見性、そして安定性を確保してほしいと。国立大学法人の資産は何よりも人材でありますので、中長期的な、少なくとも6年間安定した財務戦略を立てなければ優秀な人材を確保することは難しい。
 2番目でございます。これは、明快な配分ルールの構築をお願いしたいです。学長になって私も5年半たちますけども、私ぐらいのキャリアだと、さすがに現行のルールというのはよく理解しているわけですけども、大学の構成員、それも主たる構成員自身がやはり複雑で見通しが立てにくくて分かりづらいということがあります。これはしっかり勉強したら分かることではあるのですが、やはり予見性がないと思い切った改革をやりづらいということがありましたので、明快な配分ルールにしてほしいということであります。なお、ルールの構築に当たりましては、予見性と安定性を阻害するような途中での配分ルールの変更というのを避けていただきたいというふうに思ってございます。
 2番目の視点でございます。これは、先ほど途中で参加していましたけども、いわゆる改革に対するインセンティブをどうつけるかという、その仕組みに対する私どもの要望でございます。
 一番上に書いてございますのは、国立大学としては、現在の成果を中心とする実績状況に、いわゆる客観共通指標に基づく配分に関しては非常に問題があると考えております。最大の課題は、先ほども御議論ございましたように、そもそもいわゆる生活の基盤になっている人件費とか光熱費に充てられるべき基盤的経費から財源を拠出して、それが評価によって毎年配分額が変わるということが、大変経営の安定性を阻害しているというふうに考えています。そして、何よりも目標が短期化してしまって、目の前の指標の改善ということに追われてしまっているというのは事実だと思います。
 そこで、一番下に4つ要望を書いてありますけど、これがインセンティブに関する我々の要望でございます。1点は、第5期のインセンティブ評価の仕組みにおいては、これが一番言いたいところですけども、大学同士でパイの奪い合いをするというか、チキンレースをやめていただいて、全体の運営費をしっかり確保した上で、パイの上にアドオンする形のインセンティブ経費にしていただきたいと思います。
 要望の2、3は、やはり今のやり方だと、せっかく頑張って前年度よりもいいインデックスを上げても、競争させられてしまうので、結局は減額になってしまうという点で、予見性とか安定性の仕組みがないということであります。
 それからもう一つの要望は、様々な御意見あると思いますが、今は御存じのように教育、研究、そして経営という3つのカテゴリーで客観共通指標が形成されていますが、正直言いまして、教育に関してはもう相当サチュレーションしているというふうに思いますので、やはり毎年度の評価を行うのであれば、経営改革とか研究にかかるものに限定して、教育に関しては、そもそも法人評価をされていますので、期ごとの法人評価で十分ではないかというふうに考えてございます。
 いずれにしても、評価を受ける我々側とお話の場を今回のように設けていただくことは、大変我々としてはありがたいことですので、今後も、そういった仕組みを考えていただければというふうに思っております。
 今3点申し上げたうちの3番目でございます。これも議論になっておりました。ポイントは、物価、人件費に連動してほしいということでございます。これは、真ん中の中段に書いてあるグラフのように、正直言って、ここ数年間は、特に人事院勧告も物価も、比較的変動しないできたわけですけど、ここ数年間、急速な変化、上昇機運、これは職員にとっても教員にとってもいいことではあるのですが、大変財務的にはダメージになっているということであります。
 これに対して、特にインフレ基調にありますので、一番右に書いてあるのは、物価も上がる、人件費も上がるのはどこの社会も同じだろうということですけども、研究消耗品、ここは例えばヘリウムのことが書いてありますけども、特にこの今のイラン情勢とかで、オイルの関係で、ヘリウムなんかもそういうところで出てきますので、研究にかかる費用というのは物価の上昇よりも甚だしく高いものがあると思います。あと、円安の影響が大きくて、海外から購入している様々な物品とか出張、留学の費用といったものが増えていると。これは物価上昇とか賃金上昇をはるかに上回っているものだと思いますので、要望としては、ここに書いてございますように、物価や人事院勧告の動向を反映させる仕組みの構築を求めていきたいというふうに思います。
 ここからは、今の3点に加えまして、運営費交付金と少しずれますけども、国立大学の経営にとって大変重要な施設設備と附属病院の2点について言及させていただきたいと思います。
 これは、施設整備の考え方でございます。とにかく老朽化が激しい。今、藤井会長からお話ありましたように、大変老朽化が激しくて、これが経営を圧迫する大きな要因になっていることは事実であります。真ん中のカラーの絵は、築25年以上で老朽化しているものが非常に増えてきているということを表しています。そこで、ここ意見・要望を書いてございますけれども、国立大学施設整備5か年計画に基づきまして、運営費交付金だけでなく施設整備費に関しても支援を拡充していただきたいということです。そして、最近どこでもそうですが、2番目に書いてあるように、物価・建築費が高騰して積算単価の見直しも必要だということ。それから3番目に書いてあるように、今の施設整備のやり方というのは、当然あるプロジェクトに対して当たるわけですけど、ある程度、営繕も含めて柔軟な支援というものを考えていただきたい。4番目は、いわゆる解体費用です。解体費用というのは、法人化のルールのときに、法人化の時点においてもう既に解体が決まっていたものに対しては、国がこれを措置するということですけど、そういうものは、もう20年たった今では既に解体されてないので、今私の大学でも幾つか壊して建て直したいと思っているのですが、解体費も高騰しておりまして、ちょっとしたものはもう数億円を超えるという状況でございますので、解体さえ済めば、ある程度アセットを活用して、様々に大学がアセットを活用した資金繰りもできるわけですけども、最初のきっかけになる解体費を何とかしてほしいということでございます。最後に書いてございますように、減価償却資産は積み重ねているのですが、実際の更新だけじゃなくてリペアというか、リノベーションとか修繕にも使えるような制度設計を考えていただきたいと思います。
 最後に、病院の件でございます。これは、私が言うまでもなく、今年度補正予算を大変つけていただきましたこと、あるいは厚生労働省の所掌ではございますけども、今般の診療報酬の改定により大変大きな支援をいただいたということに関して、まず、本当にお礼を申し上げたいと思います。しかし、中段に書いてございますように、一番厳しいのは病院の再開発にかかっている大学だと思います。これはある大学病院の償還の、多分、1つのバーが5億円だと思うので、ピークになる時期は恐らく20から30億円の毎年返済をしなきゃいけないということで、これがフラットになっていないということ。これも結構大変な課題で、病院にとっては大変大きな負担になっているということでございます。
 下に要望を書いてございます。これが最後の要望でございますが、附属病院に対しても恒常的な支援の拡大をお願いしたいと。それから2番目として、上に書いてあるように、返済のピークになる時期をフラットにできるような、これは財投の仕組みをある程度考え直していただくことで可能なんじゃないかと思いますけども、それを考えてほしいということ。そして、3番目に書いてございますように、附属病院は各県に、場合によっては1つしかない都道府県もございますので、高度先進医療を行う人材の育成ということで、やはり今までは9対1です、病院を建て直した場合。例えば本学であれば、今建て直しの案がありますけども、700億円ぐらいかかるわけですけども、9対1で9割が自己財源で返済する。30年ぐらいかかり、10%は国の負担ですけども、これは相当大きな負担なので、この見直しということも今回考えていただきたいということでございます。
 私からは以上でございます。
 17ページ以降は、藤井会長から改めて説明がございます。
【藤井会長】  それでは、次お願いします。私からまとめを述べさせていただきます。
 まず、ここまでありましたように、国立大学がミッション実現、そして機能強化に向けて積極的に活動していくためには、安定性と予見可能性を持った運営費交付金が措置されるということが極めて重要でございます。それは、不安定な財源によって前に進みにくかった2040年を見据えた改革、これを後押しすることにもなり、自らそれぞれが改革を進める上での将来への先行投資として活用するということにもつながってまいります。
 併せて、大学が自らの意思を持って改革を進めるという上では、この基盤となる部分が十分に確保された上で、教育研究の機能強化の取組を支援するといった経費のような、これは8年度の政府予算案でも措置されましたけれども、各大学が裁量を発揮できる経費、これを措置する仕組みというのも極めて重要でございます。事項指定で今現在配られているものというのが多いわけで、予算要求を伴うものですが、これが各大学で、ある意味裁量でそれらがしっかりと実現できるような経費をぜひ措置していただきたいというふうに考えております。
 そして、国立大学システム総体として、これも先ほどありましたが、競争するのではなくて共創、共に創るほうの共創によって我が国の未来をつくっていくと、そういうことを進めていこうとする中では、国立大学間の連携であるとか協働、これを促すような予算的な後押しも、これは大きな力になるだろうというふうに考えております。
 最後、次、お願いします。
 国立大学の存在意義というのは、まさに社会の発展と国民の幸福でありまして、ですので、国立大学の活動の受益者は国と国民全体であるということを踏まえると、この高等教育機関への財政支出というのは、まさに我が国社会の高度化につながる未来への投資であろうというふうに言えると思います。そして、我が国の発展を支える知の拠点として、国立大学がこのシステムとしてより強固なものとなっていく。そのためには、それぞれの大学がそれぞれに自律性を発揮して、特色を発揮する特色ある展開を目指すということが重要になっていきます。それを行っていくことによって、システムとして、イノベーティブな日本の社会の創造に資するように、そのような不断の改革を続けてまいりたいというふうに考えております。
 以上で、国立大学協会からの発表をおしまいにしたいと思います。どうも御清聴ありがとうございました。
【橋本(雅)座長】  大変ありがとうございました。ただいまの御説明、それと先ほどの林委員の説明につきまして、御質問等あればお願いいたします。オンラインで宮下委員の手が挙がっていますので、よろしくお願いします。
【宮下委員】  ありがとうございます。大変勉強になりまして、今のお話に付け加えてというか、意見という形になりますが、私、知事の立場として、国立大学の地域貢献、それから地方創生あるいは人材育成の観点から少しお話をさせていただきたいと思います。
 まず、国立大学の中でも、やはり地方国立大学というのに少し焦点を当てて考えますと、これは地方における知識、知と人材の集積拠点としての役割が圧倒的にあると、存在感、物すごくあると思っています。全国的な大学改革といいますか、今回の課題が、物価・人件費上昇への対応や、あるいは基盤的経費の安定確保や、成果連動型評価や、規模見直しになっている中でも、あるいはそういう中でも地方の視点というのをしっかりと皆さんに認識していただきたいなということがあります。青森県と唯一の国立大学である弘前大学との関係を申し上げますと、非常に地域に貢献していただいています。例えば包括連携協定では、県、各自治体合わせて47件結んでいますし、その内容も農林水産業から医療まで多岐に渡ります。定量的な地域貢献指標としては、連携調査の研究実績が30件近くあります。ニンニクのDNA分析や、あるいは文化財のデータベース化など、本当に様々なことを今取り組んでいただいています。そのことを前提に、弘前大学とも少し意見交換をさせていただいた結果として、私たちの考えについて申し上げたいと思います。
 少し前提長くなりましたが、4点ありまして、1つは、先ほど御説明にありました、私もアドオンで競争環境を作っていくということはそのとおりだと思うと。それを前提に4点あって、1つ目は、地域貢献や、地方創生の強化に地方国立大学がどのように貢献していくのかということも大事な観点だろうと思っています。全国の研究機関ということだけではなくて、地域課題の解決の知の拠点であるということも地方国立大学には言えます。地方の産業振興、先ほど申し上げたように、一次産業や、観光、製造業のデジタル化、地域医療、福祉の人材育成など、ありとあらゆることを今弘前大学と一緒にやらせていただいています。特に医療は、唯一の医育機関、ドクターを育成するセンターとして機能していただいていて、あるいは唯一の国立大学附属病院、そして3つしかないですが、数少ない三次医療機関として機能していただいています。こうした地域貢献度は、確実に地方国立大学の役割としてあると。これをどのように評価するのかが、まず大事だろうと。
 2つ目は、もう論点が出尽くしたような気もしますが、やはり運営基盤の安定確保ということがまず大事で、そのために基盤的経費の安定が私も不可欠だと思っています。今日論点に出ていましたが、物価については積算単価をしっかり見直しているかどうか、あるいは人件費については、人事院勧告というものをどれぐらい加味したものになっているのかということをしっかりと考えていかなきゃいけないと思いますし、特に地方に所在する国立大学は、競争的資金の確保というのはおそらく都市部より難しいのではないかと思いますので、こういった基盤的経費についてはしっかりと見ていくと、物価上昇や人件費の増ということについて見ていくということは大事だろうと思っています。
 それから3点目として、地方公共団体との連携、ちょっと似たような論点にはなりますが、地方創生以外でも様々なことをやっていただいています。概ね地方創生のような気もしますが、ベンチャーの地域定着の支援なども1つ大きな指標になるだろうと。
 4つ目が、少子化や地方衰退と言ってしまっていいのかどうか分かりませんが、人口減少への対応ということで、全国的な学部とか学科の再編議論の中で、私は地方大学というのはそう簡単に縮小すべきではないと思っていて、単なる数合わせの削減というのは、結局国家、あるいは地方の知的人材集積の縮小均衡になってしまうと。ですから、一律の規模縮小ではなくて地域ニーズに合った機能強化ということについて、アドバンストエッセンシャルワーカーや、あるいは地方のリーダーの育成について再編できるように、こうした交付金等で後押しする内容に、基礎を支えていく内容にしていくべきではないかと考えています。
 以上ですが、今日の一連の議論を聞いていてもすごく思いますが、少し哲学的な話になるかもしれませんが、大学の学問的独立性と自由という話が、まず、おそらく一番大事だと。もう一つ大事なことが、既得権のようなものが本当にないかどうか。あるいは、大学の先生方には恐縮ですけど、創造性を発揮できる大学になっていくかどうかということが、その2つのせめぎ合いの中に今この議論があるというふうに思っていて、私はどちらかというと、2つ目の創造性をしっかりと発揮して、競争環境の中でいい人材をつくる大学が伸びていくという、そういう環境をつくるべきだと思っているし、それが地方にそういう存在があってくれることが、私たちにとって非常に重要なことだということについては、今日の議論に付言する形で意見とさせていただきたいと思います。私の立場ではいろんなことがありますが、知事会でも、こうした議論についてはしっかり紹介したいと思いますし、結論については、知事会としても後押しできるようにしていきたいと考えています。
 私からは以上です。ありがとうございました。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。西尾座長代理。
【西尾座長代理】  どうもありがとうございます。藤井先生、寶金先生からの説明を伺いまして、私のほうからも少し補足的に申し上げたいと思います。
 まず、共通指標に基づいた実績評価によって運営費交付金に減り張りをつけるという現況については、寶金先生おっしゃいましたように様々な問題があります。やはり、教育研究の基盤を支える枠組みをきっちりと整えた上で、アドオンで、実績評価等による配分するということにすると、国立大学にとってインセンティブの持ち方が大きく変わりますし、様々な観点で非常に大きく改善していくと思います。教育に関して短期的な評価をした結果によって毎年の運営費交付金に減り張りをつけていくというのは望ましいことではなく、そのような仕組みを導入するとしても、良い評価を得た大学にはある種の規制緩和等を許すというような方法で行っていくべきと思っています。教育に関する評価による傾斜配分については、現在でも、6年間の中期目標期間を通じた教育活動等の評価がなされ、法人運営活性化支援分に反映されていますので、そのような枠組みに集約していくということでよいのではないかと考えています。
 もう一方は、施設整備のことを相当強くおっしゃっていただきました。私は、第6次の5か年計画の策定に向けた有識者会議で座長を務めていたのですが、やはり老朽化施設の増大、物価・建設費の高騰の中で、施設整備が非常に深刻な状態になっております。現在の建設コストが従来と比べて1.5倍から2倍となっています。このような状況でも、ここ数年間は、当初予算で300億円余り、それに補正予算で600億円余りを積んで約1,000億という予算で文教施設関係の予算が賄われてきました。この状況では、建設費が1.5倍になればどれほどの予算が実質的に減じているかというのはよく分かると思います。ただし、今年度の補正予算および来年度の当初予算に関しては、文教施設企画・防災部に尽力いただき、増額を実現していただいたことを感謝いたしております。以上のことからも、運営費交付金の見直しと併せて、施設整備費についても、建設費の高騰等に対応した何らかの仕組みが必要だと思っております。それと、先ほどお話ししましたような当初予算の不足を補正予算で大幅に補うという枠組を解消していかないと、国の施策としては問題があるのではないかと思っております。要は、教育研究のソフトの部分とハード、つまり施設整備の部分を一体的に整備していくことが、国の高等教育を守っていくものと考えています。
 さらに、法人化以降、運営費交付金には教育等施設基盤経費が含まれており、建物の修繕とか保守点検に有用できる経費でしたが、この経費すらも2019年、令和元年度予算より運営費交付金の中に入れ込まれてしまい、実質上は廃止されている状況になってしまっております。こういうことも、大学等において施設の修繕等が先送りされている状況が多々発生する要因となっており、経営的な面でも大変ダメージを受けている実情です。このような状況も、文教施設整備費に関しても、何らかの対策を講じていく必要があることの証左となると考えます。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。ほかに御意見、御質問いかがでしょうか。林先生、どうぞ。
【林委員】  ありがとうございます。少し御質問する前に、先ほどの資料1-2で文科省さんのほうから論点を挙げていただいていて、1-2についての質問というところではコメントはしなかったのですが、ここにないなと思っているのが、運営費交付金の話はありますが、中期目標計画の策定であるとか、その評価と運営費交付金算定の関係をどう考えるのかという、その論点がないなと思っています。そこは後ほど御質問させていただきたいと思っています。
 それともう一つ、1-2のところで、大学共同利用機関の話が書いてあって、ここも先ほど国大協のほうからも、協働であるとか連携ということの重要性をおっしゃっていましたけども、こういう国の研究システムに資するようなものについて、1つの、ある特定の大学の中だけの経営判断によって財源の配分が決まるというのは、もしかしたらよくない場合もあるかもしれないので、こういう共同利用のようなものについて、全体でどう考えるのかというのはあるのではないかなと思っています。それが、1-2についてのポイントです。
 その上で御質問申し上げたいのは、まず1点目は、今申し上げた中期目標計画や評価との関係について、大学のほうではどのようにお考えになっているのかということです。正直、交付金配分は、中期目標計画の評価がよければ、30億円が30大学でしたか、そういう仕組みはありますが、資金的には非常に小さなものになっていて、その一方で、先ほどから議論あるような共通指標であるとか、あるいは3期のときから3類型が始まってああいう形でのKPIをつくってという、そういう話があります。そういうのがあると、もう中期目標計画やその評価というのが、一体何のためにやっているのだろうかという状況にもなってしまっていて、もしシンプルな仕組みを考えるのであれば、もう少しそこを、コストが、負担があまりかからない形にも中期目標計画も組み替えて連動させてやったほうがいいという考え方もあるのではないかと思いますけども。今日、運営費交付金に焦点を当てた御発表でしたが、ちょっと広げたときに、中期目標計画や評価ということについて、大学はどういうふうにお考えになっているのかというのが1点目の御質問です。
 それから、2点目、少し細かい話ですが、共通指標について、教育はやめて経営改革や研究に焦点を置いたほうが、限定したほうがいいのではないかという話が御提案としてありました。なかなか他の国においても、経営改革の指標でお金を配るというのは、ないわけではないですけども、珍しいなと思っていて、人事給与マネジメント改革が進んでいるからお金を出すというのは、まさに改革促進のインセンティブにはなりますけども、それをお金を配るための指標として使ってよいものかどうかというのは、ちょっと疑問もあるところです。
 その一方で、教育に関しては、他の国を見ても、例えば博士人材が必要ならば博士教育を拡充するために、例えば博士人材の指標であるとか、あるいはSTEM分野の人材育成の指標であるとか、そういうのを使っていたりもします。この辺り、経営改革を指標として入れて、教育は、もちろん教育の質までは見られませんが、教育の指標は入れないほうがいいというのは、その辺りは、今コメント申し上げたことに関してはどのようにお考えになられますでしょうか。この2点をぜひ御質問したく思っております。
【橋本(雅)座長】  国立大学協会ですよね。
【林委員】  はい、国立大学協会さん。
【橋本(雅)座長】  国立大学協会、よろしいですか。いかがですか。
【藤井会長】  まず、寶金副会長から。
【寶金副会長】  藤井会長にフォローしてもらいます。
 私のほうから、まず、御質問は的確な質問だと思います。先ほどの西尾先生からもお話があったように、中計、中目、いわゆる6年間の評価をしっかり法人評価されているわけじゃないですか。それをしっかり活用して減り張りをつけてくれという点で、御案内のように、今30億円ですよね。正直言ってあまり大きな額じゃないです。これが配分されている。これは6年間の中期期間中、その評価において配分されているわけです。私は、これを額も含めて、こういう評価の仕方というのは、少なくとも短期的な評価じゃないので、中期計画、中期目標と我々が出したものをしっかり評価されて、それに対する減り張りとしてつくのは、アドオンの形でされるのであれば、額の件も含めて、私は西尾先生と同じで、今の林先生の意見も多分そういうことを言いたくておっしゃっているのだと思うので、これは運営費交付金の委員会で議論していないですので、代表して言える意見ではないですけども、私はそのやり方はとても望ましいと思っています。
 2点目の、私からお答えするとすれば、経営が入って教育を除く、経営と研究だけはいいけども、教育は除いてほしいというのは、現状の客観共通指標のリストに出ている経営、研究、教育を考えたら、教育は、何度も申し上げたように、短期的であり過ぎます。本来長期的であるべき教育の評価が非常に短期的にされているので、ほとんどサチュレーションしてしまって、林委員が御指摘のような長期的な大学院生の増加とか、あるいは留学生の増加というものを長期的に測定してくれるのであれば、教育的な指標を入れることに対して、私は個人的には反対しません。経営に関しては、ある種の効果はあったと思います。例えばダイバーシティーがよくなったとかですね。あるいは人給マネジメントシステムにおいてグッドプラクティスを見習うということが起こったので、今後、第5期においても使ってもいいと思うのですが、これに関しても、しいて言えば、本来の気持ちはそもそも客観共通指標による評価みたいなものはできるだけ小さくしてほしいというのは根っこにあるわけでありまして、教育を除いて、ほかの指標でどんどんやってくれという意味ではないということも御理解いただきたいと思います。
 藤井先生にバトンタッチしたいと思います。
【藤井会長】  ありがとうございます。私は中期目標、中期計画については、そういう意味でこれを簡素化するということがいいかどうかというのは、実はある意味のアカウンタビリティー、国立大学としてのそれぞれのアカウンタビリティーとしては、これは中期目標、中期計画にしっかりのっとって活動をしていたということをきちっと評価していただくというのは、1つの、これは現況分析を通じて、教育研究についてもしていただいていますので、これはこれで非常に重要なことかなとは思っておりますが、この評価を何らかの形で交付金に反映させることがあるとすれば、これは先ほどの議論に戻りますけども、やはりアウトカムベ-スドファンディングで、いわゆるアドオンの形で減り張りをつけていただくというのが適当なのではないかなというふうに思います。
 それから、今の経営改革の点ですが、教育は、まずもって、そういう意味で短期間で成果が出ていい、悪いということができないので、ほとんど、ある意味形骸化しているというとちょっと語弊がありますが、評価がそもそも難しいということです。これを指標、これではないところで見るというのはよくよく理解できますけれども、ただ、今の出ましたD&Iとか人事給与マネジメントとか、そういういわゆる効率化、オペレーションの効率化という意味でグッドプラクティスをシェアするという意味では、一定の意味はあるかもしれませんけども、ただ、経営改革そのものも、国立大学の場合は、つまり利益を上げるためにやっているわけではないわけでありまして、これも究極的には教育と研究、あるいは社会貢献というところにアウトカムとしては出ていくべきものではないかなというふうに思いますので、その中でしっかりとした、今申したアウトカムのところを見ていただくというのが重要ではないかというふうに考えます。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。他に御意見、御質問、はい、どうぞ。
【橋本(和)委員】  質問じゃなくて全体通してのコメントというか意見ですが、よろしいでしょうか。
 今の国立大学協会からの運営費交付金の在り方に関する視点を伺っても、それから、西尾委員もこの前までそちらにいた方ですから、そちらの方のような気がして聞いていますけども、当事者の言っておられることは全くそのとおりだと思っていまして、今回の国大協にまとめていただいたこの視点の、特に2に書いているようなアドオンのインセンティブとか、それからシンプルな仕組みとか、これは全くそのとおりだと思います。私は本当にこれはそのとおりだと思います。
 それから、ここでの議論も、基本的には大学の応援団の方ばかりが集まっていますので、そのとおり、そういう方向の議論であるし、真っ当だと思います。物価上昇とか賃金上昇の中で、そこに対して運営費交付金を充てるというシステムができていなかったので、それを認める方向にしようということも、そういうのをきちっと織り込んだ形にしようというのも真っ当な要求であると思いますし、そういうことが私の今感じているのでは、かなりそうだなというふうに、政府のほうも、それから政治のほうも認識してくれているような、認識し始めているような、そういう感じがしております。
 ですから、しっかりこういう委員会で、それをまとめて上げていくことはとても重要だと思いますが、それを前提の下で、しかしというふうに申し上げたいのですが、私もそうですけども、研究関係の組織を持っていて、それでそれを得るために毎年いろいろ交渉したり、あるいは、私、今、国全体の科学技術研究費に関わる仕事もしておりますので、そういうものに対して議論をする中において、やはり財務当局をしっかりと説得しなければいけないということがあって、これは今のような内輪の議論では通じないんです、残念ながら。
 なので、そういう観点で何をどうやって財務当局に対して訴えれば効くかということを考えると、林先生がまとめてくれた最後のページに書いていますけど、特に2点目の、この大学が機能拡張する中で、新たなミッションを得ているので、そこに対しては新たなものとして積み上げていくんだということを強調していくというのが、とてもこれは財務当局としては拒否できないといいますか、強い姿勢になるんじゃないかなというふうに思います。
 その観点で見ると、今、文科省が経産省さんと一緒に議論している国の戦略17分野に対して強化していくための大学に対する支援のシステムというのを考えておられると理解します。それは国立大学の中で指定していくということだと思いますし、それから、先ほど宮下委員がおっしゃっておられましたけど、もう一つ、とても大きいのが地方大学の役割だと思うんです。あまりそこの部分、先ほど宮下委員がしっかりとおっしゃってくれたので、そのとおりで、私、それほど付け加えることありませんけども、地方において、国立大学の存在というのはとても大きなファンクションを持っていて、かつ、今、国全体の大学の再編成をする中において、地方の国立大学の役割というのがとても重要になっていて、これからミッションの再定義みたいなことをするというふうに理解しております。
 そういうのと併せて、この大学の役割、機能をしっかりと位置づけて、それが我が国の政策全体の中においての必要な経費という形で、やはり正面から攻めていく。それが国民からも、それから政治の世界からも受け入れられやすい、そういうロジックかなと思っています。これが1点目です。
 2点目は、それに関連して、大学に対しては実はいろんなお金が今入っていて、卓越研究大学が1つの非常に大きなものですが、これが何校と私が言ってしまうと少し問題になるのですけども、何校か決まるわけです。それともう一つ、先ほど述べました国の重要戦略分野、17分野の大学群というのが多分これから決まっていくと思います。それと、既に始まっているJ-PEAKSが、J-PEAKSが二十数大学ですか、あって、国立大学全体85の大学を、今の3つの群があって、それでそれ以外のというのがあってという中で、文科省さんの中では、ある程度それの役割というか、敷居がある程度できているのかも分かりませんけども、まだきちっと議論できていないですよね。これは早めにやる必要があるんじゃないかなというふうに思っています。
 大学の現場では、どこの部分に自分たちは位置づけ、狙いを定めてしっかり強化していくのか、それから予算を取っていくのかということは、経営戦略そのものになってきますし、次の中長期計画では、これはもう待ったなしのところだと思いますので、早く文部科学省としては、この国全体の中における今の3つの大きな枠組みとそれ以外という役割を示す必要があるんじゃないかなというふうに思っています。これは、今回のこの運営費交付金の議論の中でも、この中でやるかどうかは別として、この中でやることではないと思いますけども、それと並行して、文科省さんとしてしっかりと大学に示していく必要があるんじゃないかなと思います。
 3番目、最後ですけども、これは前回申し上げたことで今回の紙にも書かれていますけども、やはり学長さんの意識と、それから行動力がとても重要だと思います。私もいろんな学長さんとお付き合いして、とっても頑張っておられる方たちがたくさんいらっしゃるわけですが、頑張って改革すればするほど学内での人気がなくなるというか、反対者が増えていくという構造がかなりあります。これは、ある意味で当然です。ゼロサムでやっているから、何か新しいことをやろうと思うと、どこかから取ってどこかにつけるというようなことをやるので、そうすると、取られるところは文句を言う。ついたところあまりありがたいと言いませんので、大学の人は、取られるところだけ文句を言うと、そういう構造になっていてと思います。
 ですので、これはやはり国として改革をしっかりやっていく、そういう学長さんを応援するシステムというのは必須だと思います。具体的には、学長裁量経費をしっかりとつけるということだと思います。それは規模とかそういうことで決めるのではなくて、ビジョンと、それから実績に基づいてしっかり配分するということだと思います。何に使うかは学長さんに完全に任せて、でも、ビジョンと実績は示してもらうということで、ある程度まとまった金額を渡すということは重要じゃないかなと思います。実際、そういうようなファンドが今年度まで文科省にあって、私、それの配分に関わっておりましたけども、それはとても評判がよくて、かつ有効に使われてきたというふうに私は理解しております。ぜひ、今後の運営費交付金において、そういう自由度のあるお金を、ある程度まとまったお金を学長さんに渡してしっかりと応援するというような形をつくっていただきたいなというふうに思います。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございました。まだもう少し時間がございますけども、御意見、御質問ありましたら。貞広委員、お願いします。
【貞広委員】  藤井先生が手を挙げていらっしゃるので、コメントであれば先生のほう……。
【藤井会長】  後でも結構です。
【橋本(雅)座長】  すみません、藤井先生、先にお願いします。
【藤井会長】  私は後でも構いません。
【橋本(雅)座長】  そうですか。貞広委員、お願いします。
【貞広委員】  すみません、藤井先生の前に発言をさせていただいて恐縮です。
 千葉大学の貞広と申します。私も国立大学の応援団の1人ですので、国大協の御報告は一々肯首して聞いていたところでございます。
 御質問というよりも、林委員の御発表も含めての意見とお願いということでお話をさせていただきたいと思います。
 前回の議論もそうですし、今回の議論も、改革の大方針の議論と実際の制度のつくり込みの議論が若干混在しているような感じがしています。あくまでも、まずは意見の1つは、この大方針の議論についてですけれども、細かい点もろもろ御指摘もいただいていますけれども、林委員が御報告されたスライドの9枚目でしょうか。欧州大学協会2022の考え方、これは実際にどういうふうに改革をしていくかという方針で、非常に有効な参照枠になり、国大協のお考えにもかなり重なる部分があると思います。これが1つ意見です。
 もう一つは、本当に前回と同じで、同じような意見を言って恐縮ですけれども、国大協のほうの御報告で、16枚目に国立大学の附属病院の支援についてお話がありました。とりわけ、下のところに意見・要望というのがありまして、教育研究を支える基盤に対する恒常的な支援の拡大の必要性や、とりわけ老朽化した設備に対する国の支援などの言及があります。これは、附属施設という点で言いますと、附属病院のみならず、とりわけ教員養成系の単科大学も含めた附属学校についても全く同じ課題を抱えているところでございますので、ぜひその点についても引き続き目配りをいただきたいというのが、意見でございます。
 以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございます。それでは、藤井先生、お願いします。
【藤井会長】  ここまでいろいろお話を伺った中で少しコメントですけども、1つは、先ほど宮下知事もおっしゃり、それから橋本先生もおっしゃっていたと思うのですが、地方創生の件についてです。やはりこれから地域における国立大学の役割というのは非常に重要になっていくということで、特に高度なエッセンシャルワーカーというか、医師もそうですし教員もそうだと思いますが、そういった地域に必要な高度人材をしっかりと育てていくという意味でも非常に重要になってまいります。
 それと同時に、その中で、地域における産業界との連携であるとか、そしてスタートアップを含めた地域のイノベーションという観点でも、国立大学が担う役割は非常に大きいのですが、これを私たちの議論では、個々の大学で、地方によってそれぞれ国立大学の規模感もありますし、それぞれの種類もあるわけで、それぞれの大学で、それぞれ個々に考えてくださいといっても、なかなかそういったものに踏み出していけないというような事情もございますので、私どもは今、地方創生の観点でタスクフォースで議論していますのは、国立大学がシステム全体として見たときには、いわゆる拠点の大型の大学が持っている、そうした例えば産業界と連携していくためのノウハウであるとか仕組みといったようなものをしっかり共有化して、地域の大学に同じようなやり方をしっかりと共有してもらい、そこで実際に役立ててもらうといったような連携の在り方というのがあるんだろうというふうに考えておりまして、これはそういう意味で、地域地域、そして、それぞれの実情に合わせながら、とはいっても、共通化できるような、共有化できるようなノウハウであるとか仕組み部分というものについては、国立大学全体で共有を行い、そこでよりそういった活動が効率的に展開できるようにしていこうと考えているところでありますので、こういった、先ほどの大学共同利用機関法人などの研究の場というのも含めて、これはまた、今度は今の産業界やイノベーションととまた別かもしれませんが、今度は研究の場としていろいろな全国にある研究の場をどのようにネットワークしていって、日本がここまで培ってきた1つのエコシステムですので、これをどうやって活用していくかと、この議論をしっかりと国立大学全体としてもしていくべきだろうということでありまして、そういった連携に資するような活動というんですか、仕組みというのを後押しするような予算措置のようなことも、ぜひ可能であれば御検討いただきたいというのが1点ございます。
 私からは以上です。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございます。寶金先生も手を挙げていらっしゃいますので、よろしくお願いします。
【寶金副会長】  まず、貞広先生の御意見ありがとうございます。病院のことに付言して、委員会の中でも、もちろん附属小学校、附属教員の件も出ました。施設の老朽化の件もありましたので、ちょっと発表が、時間が限定されていたので申し上げなかったことをお詫びしたいと思います。
 あと、橋本委員の意見には全くそのとおりで、なかなか書き切れなかったのですが、今のような、全くそのとおりになってしまう、ゼロサムゲームをやらされていると、多分改革をしようという学長は、今85の国立大学法人がありますので、多分6年が任期だと考えると、1年に10名以上は交代するんですけども、そこで今の学長選挙の仕組みだと、かなり厳しいことをするべきなので、改革に踏み出そうという学長が選ばれない。あるいは任期があるから次の学長が選ばれるんでしょうが、改革よりは少しバックステップするような方が選ばれることはよく起こり得ると思います。つまり、大学が本当に変わろうというエネルギーをむしろそいでしまうということが起こるので、それはさすがに、この運営費交付金の委員会で文言にして上げるのは少し踏み込み過ぎなので言っていませんが、それを橋本委員からおっしゃっていただいたので、それは学長として全く同じ気持ちを持っているということだけはお伝えしなきゃいけないかなと思います。
 以上です。ありがとうございます。
【橋本(雅)座長】  ありがとうございます。まだ御意見あるかもしれませんが、時間の関係で、この辺りで打ち切らせていただきたいと思います。
 最後に、議事4につきまして、事務局から御説明お願いします。
【成澤国立大学法人支援課課長補佐】  事務局でございます。
 資料につきまして、資料4を御覧いただければと思います。
 今回、第1回、第2回という形で御意見をいただきまして、4月から5月にかけて議論、ワーキンググループにおいて議論をさらに深めていきたいというふうに考えているところでございますけれども、そのワーキンググループにつきまして、運営方針というか、運営につきましてお諮りをさせていただければと思っております。
 大きな点といたしましては、こちらの資料4の2ところにございますけれども、ワーキンググループにつきましては、御審議いただく際、各大学の個別のデータ等も使用して御審議いただくことになると。細かなデータなども使用しながらの御審議いただくというような形になるかと考えておりまして、ワーキンググループにつきましては、原則として非公開というような形で実施をさせていただければというふうに考えてございます。
 事務局のほうからは以上でございます。
【橋本(雅)座長】  ただいまの御説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、資料4につきまして、御意見、修正等はございますでしょうか。特段の御意見もないということでございますので、事務局案でおおむね了承とさせていただきたいと思います。皆様、ありがとうございました。
 本日はここで閉会とさせていただきたいと思います。
 最後に、事務局から今後の会議予定をお願いいたします。
【成澤国立大学法人支援課課長補佐】  今後の予定でございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、第1回、第2回の御意見を踏まえまして、4月から5月にかけまして、ワーキンググループにて議論をさらに深めていただければというふうに考えております。
 本検討会につきましては、ワーキンググループの議論を踏まえまして、5月以降の開催を予定しております。
 事務局からは以上でございます。
【橋本(雅)座長】  それでは、これをもちまして第2回会議を終了したいと思います。本日は、御多忙のところ御出席いただきまして、どうもありがとうございました。

  ―― 了 ――

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