令和8年8月5日(水曜日)10時00分~12時00分(令和8年度第2回)
ハイブリッド(対面・Web)開催 ※傍聴はWebのみ
(座長)大森昭生座長
(委員)吉良光陽、田中マキ子、辻英之、中村和彦、廣瀬克哉、山内清行 各委員
(特別委員)小林浩、小原成朗、長谷川知子、松永圭司、松村暢彦 各特別委員
石橋大学振興課長、鞠子地域大学振興室長
【大森座長】 それでは皆様、おはようございます。ただいまより、令和8年度第2回の地域大学振興に関する有識者会議を開催したいと思います。お忙しいところ、また暑いところといっても、今日は幾分過ごしやすいということでございますけれども、御出席いただきましてありがとうございます。
本日の会議は、議題(1)の特別委員の皆さんからの御意見を伺うこと、そして御発表いただいた後に、その内容について質疑応答等を行いたいと思います。
続いて議題(2)、今後の地域大学振興の取組等についてということで、事務局から説明をしていただいて、その後、会全体を通して御議論いただければというふうに思っております。
それでは、まず事務局から、委員の出席状況と配布資料について確認と説明をお願いいたします。
【鞠子地域大学振興室長】 私、7月31日付で地域大学振興室長を拝命いたしました鞠子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
先生方の御知見を伺いながら、しっかりと前任の石川に続きまして取組を進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日でございますけれども、大森座長、吉良委員、田中委員、辻委員、中村委員、廣瀬委員、山内委員と、7名全ての委員に御出席いただいてございます。吉良委員におかれましては、オンラインで御参加いただいてございます。
また、本日は特別委員として、小林委員、小原委員、長谷川委員、松永委員、松村委員に御出席いただいてございます。
配付資料は次第に記載のとおり事前にメールでお送りするとともに、文部科学省のホームページにも掲載をしてございます。よろしくお願いいたします。
【大森座長】 ありがとうございます。
それでは、早速本日の議事に入りたいと思います。
議題1では、各特別委員より、いつも本当に短くて申し訳ないんですけど、お一人5分程度で御発表いただいて、全ての御発表をいただいた後に質疑応答等をしてまいりたいと思います。
それでは早速ですけれども、小林特別委員からよろしくお願いいたします。
【小林特別委員】 おはようございます。今日はよろしくお願いいたします。
1枚、資料1-1を用意してきましたので、これに基づいてお話をさせていただきます。「課題認識」と「今後に向けて」というふうに2つに分けてまとめております。
課題認識においては、もう釈迦に説法ではありますが、これからは社会の中核を担う働き手である生産年齢人口(15歳から65歳)が不足する、労働者が供給されなくなる「労働供給制約社会」というのが到来すると言われています。
そのため、地方大学の問題は、もはや大学だけの問題ではなく、地域社会・経済・生活全般に関わる問題として認識すべきではないかと考えています。
一方、従来、大学における地域社会や企業とのつながりは割と教員の先生個々人がつながっていて、大学組織全体として地域社会の将来ビジョンや目標の共有、コミットメントというところを一緒にできていたかというと、ちょっと弱かったのではないかと思います。地方自治体に大学を所管する部署はないために、地方大学であっても、どちらかというと中央を見るというような認識があったのではなかったのかと思います。
その結果、地域社会や地元企業と大学のコミュニケーションや連携は、外から見るとあまりうまくいっていなかったのではないかと思います。
今後、地域社会の在り方を考える上で、知の拠点である大学と地域の連携は必須であり、まさに地域における「知の総和」を向上させていく必要があると考えています。
今後に向けては、昨年出された「知の総和答申」で提言された地域構想推進プラットフォームが産官学金、金融機関も含めて、連携の下、動き出しました。まさに、地域における基幹産業の構築と人材育成、地域に不可欠なエッセンシャルワーカー、あるいはより高度化したアドバンスト・エッセンシャルワーカーという人材、それから、産業構造の変化に対応した社会人のリスキリング、学び直し、学び重ねというところの活性化が期待されると思います。
この事業ですが、予算7億円、採択予定10件に対して37件の応募があり、かなり地域からの関心の高さというのは感じられたと思います。
その結果、今年度は予定の倍である20件が採択されて、より幅広い地域において新たなプラットフォームが始動し、グッドプラクティスというものの創出が期待されるというふうに思います。
一方で、予定の2倍採択されたことから、1件当たりの予算は当初の半額となってしまって、各プラットフォームの小粒化、形骸化というのも懸念されます。当初の申請はたしか15億円だったと思います。申請から半額になって、さらに1件当たりは半額になるということで、以前の総和答申のときに検討をされたときに出てきた資料では、当時の地域連携プラットフォームは全国で273あって、かなりばらつきがある、機能していないところも多いということが報告されました。その轍を踏まないようにしなければならない、より実質化していく必要があるというふうに思います。
冒頭に申し上げたとおり、もはや大学の問題は大学だけの問題ではないと認識しています。日本の地域社会や産業構造をどうしていくのか、人材供給不足と高度化にどのように対応していくのかといった、日本全体の問題にほかならないと思います。そのためには、「文部科学省が」とか、「大学が」という主語じゃなくて、省庁横断で、もうちょっと投資をしていく、あるいはしっかりと機能していくような支援をしていくことが重要ではないかと考えます。せっかく始まった事業なので、これがシュリンクしていかないように、より自主的に動ければいいかなと思っております。
以上でございます。
【大森座長】 ありがとうございます。
続きまして、小原特別委員、お願いいたします。
【小原特別委員】 御紹介いただきました連合の小原です。
今、小林委員から御発言があった内容と若干かぶるところが多うございますけれども、本日は、働く者の立場から、今後の地域大学振興の取組に向けて、資料1-2に、これから御議論いただく、本日議論予定の主な論点に沿って3点、意見を申し述べます。
資料の1ページ目を御覧ください。1つ目は、各採択事業実施にあたっての期待でございます。新規事業のうち、今のお話もありましたけれども、特に地域構想推進プラットフォーム構築等推進事業に関しては、プラットフォームにおいてカリキュラム改革などについて議論する際に社会人の学び直しも考慮し、誰もが生涯を通じて学び続けられる環境を整えていただくことに期待してございます。産業構造の変化に対応し新たな挑戦をするために自らを磨く学びは、社会に出る前だけでなく職業人生全体で必要だと考えています。
また、人材供給の変化や職種のミスマッチに対し、社会人のリスキリングやリカレント教育も含め、働く者全体で対応していくことが、人生100年時代を生きる労働者にとっても、人材不足に苦しむ地域や産業にとっても重要だと考えます。
誰もが活躍し働き続けられる社会を実現するためには、高等教育のカリキュラムや制度を働く場と学ぶ場を行き来できるものにする必要がありますし、働く場からのアクセス向上や費用負担の軽減も求められると考えています。
2ページ目を御覧ください。取組の充実に向けた国の支援についてです。
プラットフォームが関連する施策や協議体と十分連携できるように、文部科学省が主体となり、関係省庁や都道府県などと協力し、情報提供などの支援を行っていただきたいと思います。人口減少や都市部への流出によって地方の産業を担う人材が不足するという課題は社会全体でもう既に共有されており、関係省庁などは既に各分野の人材確保・育成に取り組んでいるというふうに承知してございます。
例えば厚生労働省は、医療・介護の人材確保に、国土交通省は、産官学連携インフラ推進事業のプラットフォーム人材育成で取り組んでいると承知してございます。
プラットフォームの採択方針では、地域ニーズを共有するために、適切な組織連携体制の整備が見込まれることを条件としておりますけれども、プラットフォームが連携すべき相手や、やるべき情報はもう既に膨大で多岐にわたると考えてございます。
文部科学省さんが主体となりまして、関係省庁、都道府県などの施策や各プラットフォームの議論の状況を把握し、情報提供や助言、適宜実施するなど、きめ細やかな支援をお願いしたいと思います。
最後に3ページを御覧ください。人材育成についてです。事務局から示された論点には、政府の各戦略を踏まえたイノベーション創出のための人材育成の在り方とあります。若干揚げ足取りで申し訳ないんですけども、イノベーション創出のための人材や成長分野の人材だけでなく、社会や地域を支える人材の育成についても十分な議論と取組を行っていただきたいと思います。政府が成長戦略を立案し、成長分野や最先端分野のイノベーション人材を育てることが重要だと考えます。しかし、改めて申し上げるまでもなく私たちの社会や地域は、政府の各戦略には取り上げられない様々な分野で働く多くの労働者、多くの人たちが支えています。地域大学振興の重要な使命は、そうしたかけがえのない地域人材を育てることにあると思いますので、ぜひ十分な議論と取組をお願いします。
なお、例えば医療・介護分野では、人材確保・育成のための枠組みをつくっても、処遇が低劣で人が集まらないという指摘もございます。
プラットフォームにおきましては、賃金・労働条件についても議論が必要だと思いますので、労働組合が議論に加わることの重要性も強調しておきたいと思います。
御清聴ありがとうございました。
【大森座長】 ありがとうございます。
続きまして、長谷川特別委員、お願いいたします。
【長谷川特別委員】 経団連の長谷川です。本日、特に資料は用意してございませんので、文部科学省の資料に関して、コメントをさせていただくという形で対応させていただければと思います。
資料の2ページにございますとおり、「地域構想推進プラットフォーム」構築等推進事業の今回の採択20件を見ますと、基本的には、県単位で、知事と地域の国立大学、そして産業界等が連携するという枠組みになっているかと思います。
他方、前回の私のプレゼンでも御説明させていただきましたが、経団連では、今後注力して取り組む柱として、地域経済社会の活性化を掲げて、地域が目指すべき姿として、人口減少下においても、多極分散型で自律的かつ持続的に発展する地域ということを整理しています。現行の地方自治体の垣根を越えた、より広い圏域において地域資源を最大限活用することを念頭に、広域連携の推進手段として、新たな道州圏域構想を提唱しています。これにつきましては、先週、経団連の会長・副会長など幹部が集まって議論をする経団連夏季フォーラムを軽井沢で開催したのですが、その分科会の一つの大きなテーマがこれで、非常に熱い議論が交わされました。
そうした中、政府も先月、成長戦略の中で地域未来戦略を閣議決定されました。国土形成計画の下で広域地方計画を策定して、都道府県を越える圏域で産業クラスターの戦略的な形成、いわゆる戦略産業クラスターの形成、そして、それに伴うインフラ整備、魅力ある地域資源を生かした地場産業の成長などを目指していると理解しております。
今後は、人口減少下で持続可能な地域経済社会を実現すべく、戦略産業クラスターの形成による地域エコシステムの形成を目指していく。
その中では、必要な関連産業の育成や研究開発への投資、そしてクラスター形成に必要な産業人材の育成が非常に重要になると思っております。あわせまして、国としては、産業政策と整合する形での国土計画、インフラ整備、それからいわゆるスマートシティや、スマートシティ化するためのデジタル・DX基盤の整備、そして都市機能を集約するコンパクトシティの形成などに取り組んでいくということで、こうしたことに関する議論を深めていくことが重要だと思っております。
そういうことを考えますと、既に地域においても、地域の経済団体、例えば北陸経済連合会や九州経済連合会、東北経済連合会などでは、都道府県の枠組みを超えた圏域での将来ビジョンを策定されています。ですので、来年度、この地域構想推進プラットフォームにおいても、こうした広域連携ビジョンに基づく枠組みも、ぜひ採択して支援の対象としていただければと考えております。
また、小林様の御指摘とも関係しますが、確かに今回の件数と予算を見ると、少し薄まってしまったかなという印象は持っております。特に、経済界と地方自治体の協議の推進や、地域の人材需要と産業界のニーズを踏まえたマッチングを連携して進めていく上では、高校教育と大学教育の接続なども含め、コーディネーター人材の役割が非常に重要になると思います。今後、ぜひコーディネーター人材の育成を目指して、その役割や処遇などについて議論を含めて、できれば政府にも御支援いただければと思います。
以上です。
【大森座長】 ありがとうございます。
それでは、松永特別委員、お願いいたします。
【松永特別委員】 三井住友フィナンシャルグループ社会的価値創造推進部長の松永と申します。私のほうからは、資料に沿いまして、金融機関から見た地域大学振興ということで説明させていただきます。こちらは広く地域振興や、地域社会とか地域経済の活性化に向けて、やはり人材の育成というところが大きいところではございますので、そういった観点から幅広に、今の三井住友フィナンシャルグループの取組をお話しさせていただければと思います。
まず、1ページ目を御覧ください。金融機関は、資金調達とか、資金運用、あるいは金融経済教育の提供などが今までの役割のところでございましたが、我々金融機関も役割というのは大きく変えていかなければいけないと考えております。
特に大学との関係ということで考えますと、大学が、まさに地域構想推進プラットフォームでうたわれているような、地域経済をどういうふうに大きくしていくのかという変革を一緒に伴走していく中で、金融機関の持っているネットワーク、下の図にありますけれども、企業ですとか、地域社会のいろいろなステークホルダーを紐づけていくような役割を担うですとか、あとは、学生や研究者を支援していく動きもやっていかなければいけないと思っており、我々自身が変革しようとしているところもございまして、今の文部科学省の動きとも連携していければなと考えております。
2ページ目、今回、地域大学ということで、いきなり東京大学の話からするのはあれなんですけれども、こちらは東京大学との連携協定から始まり、森林のグリーントランスフォーメーションを研究テーマにして、研究の社会実装を金融機関としてリードしていく動きをしています。
その中で、北海道大学とか、秋田県立大学と具体の研究テーマを定めながら、事業会社、例えばゼネコンも巻き込みながら動かしておりまして、こういった形で地域大学ごとの連携を進めて社会実装を促していく動き方をしています。
3ページ目は、京都大学との連携だすが、実験的な取組として進めています。研究シーズから社会課題起点のテーマをソーシングして、グループのシンクタンクである日本総合研究所が並走しながら、初期段階から社会実装や事業化を見据えたような動きを伴走していく動きをしております。テクノロジー分野だけではなくて、人文、社会とか教育関係も取り組み始めておりまして、今、3年目を迎える中で、事業化に向けたパートナー企業のアライン等も、少しずつ進んでおりまして、これをほかの大学にもどう広げていくのかを考えております。
4ページは筑波大学ですが、これは大学の変革のお手伝いということで、例えば財政基盤の強化ですとか、共同研究・事業化の加速、人材育成、スポーツ活性化、インクルーシブ教育のようなところで、単にファイナンスだけではなくて、我々がハンズオンで一緒に進めていくような動きを進めておりまして、これも、大学と金融機関の連携の新しい在り方というのを模索しているところでございます。
続きまして5ページ目は、大学横断的で少し変わった取組ですが、人材育成の取組です。大学スポーツの応援プログラムということで、簡単に言うと部活にお金をつけるという動きですが、やスポーツをしっかりやってく、一方で学業もしっかり両立していく、かつ、スポーツは、チームをつくって、目標に向けてどうゴールを達成していくのかということで、挑戦する人材を育成していくという面では非常に効果があると考えており、こういった取組をしております。今、45団体に資金づけしながら、いい動きとしては、採択された異なる種目同士の部活がお互い連携を取り始めていて、例えば新しい動きを地域にしていきましょうとか、学生の自主的な新しい動きが生まれ始めていることも面白い動きと考えております。
続きまして6ページ目は、研究者の支援プログラムです。これは国としての研究の競争力の強化とか、社会課題解決の加速を目指しということで、研究者に資金提供しながら、加えて金融機関ならではの、非金融の支援、いわゆる事業化支援ですとか、あるいは企業のマッチングも並走しており、個々の研究者から応募を受け付けて、支援するという動きをしております。
7ページ目は、大学から一つ下がりまして高専生の共創プログラムでございまして、グループ会社であるSMBC日興証券が運営し、全国の高専生が連携チームをつくって、大企業が実際の課題を挙げて、それに対して解決策を考えていくプログラムでございます。今まで、SMBCグループだけではなくて、例えばキヤノン、ANAとか、イオン等が参画しており、企業の課題を挙げて、高専生のチームが解決策を考えてきました。これは2021年からもう7回目を迎えますが、非常に好評をいただいており、継続をしています。
8ページ目は、補足ですが、一気に小学校まで下がりますが、地域社会の活性化ということで、子供の放課後の居場所づくりというのを、我々が直接施設を運営しながらやっております。これで、金融ではないのですが、地域の中で、小学生や中学生も含めて、放課後の時間の使い方で、体験格差というのが地域社会の中でも大きく問題になっている中で、我々としても社会貢献的な位置づけで取り組んでいるところでございます。
様々お話しさせていただきましたけれども、冒頭に申し上げたとおり地域大学振興、あるいは地域大学を核とした企業とか自治体が、その地域の社会とか経済を活性化していく面で、連携できるところは様々にあると思っておりますので、うまく連携しながら活動を大きくしていければと考えております。
私からは以上でございます。
【大森座長】 ありがとうございます。
それでは、松村特別委員、お願いいたします。
【松村特別委員】 それでは、資料1-4に基づきまして説明させていただきたいと思います。
まずは、「社会を変える2つの回路」ということなんですけれども、通常、少数によるイノベーションということで、教育分野でいうと、これまで我々の大学で行ってきたようなレジデント型の教育プログラムであったり、それから、去年もたくさんの学生が生き生きとした話をしてくれましたが、ああいった教育プロジェクト等々、非常に突出したような事例が出てきたというのが現状だと思います。それを今回の地域構想推進プラットフォーム地ということで、いかに横に広げていくのかというところが求められているということかと思います。
ただ、この2つ、異なる論理性で働いているというのが2ページ目です。先ほどの少数によるイノベーションのところですけれども、こちらは創造性を発揮するものですが、基本的にはムリとか、ムダとか、ムラから生まれてくるものです。我々教員でも、先ほどの教育プログラムに圧倒的な時間をかけているんですね、教育に対して。学部長をしておりますけれども、私の時間の半分ぐらいはまだまだ教育をやっていますので、そういったことを大学の教員に強いるということは、かなりの負担になります。それが、論文の本数を教員評価に重視する現状を考えていくと、大学の評価、教員の評価そのものも変えていかないと、ここの創造性というのはなかなか難しいだろうと思います。
今回のプラットフォームというのは、逆にこの効率性を高めていくというところの事業かと思いますので、それで3枚目のところの効率性の高いプラットフォームを目指していこうということになります。つまり、計画づくりから実践・試みの蓄積へというふうに書いてあるように、計画づくりのプラットフォームなんて何の意味もないと思っています。計画をアウトプットにするのではなくて、いかに実践を広げていくのかというところをもっと強調していかないと、このプラットフォームの成功は難しいんじゃないかなと思っています。そのためには、多くの学生の参画が必要だということで、単に国立大学だけではなくて、私立大学、それから専門学校、高専等と連携していくことが必要ですし、特に、地域産業に近いところに大学拠点を持ってくるというぐらいの大学の覚悟は必要だと思っています。そうじゃないと地域の産業は分からないというのが、これまでの我々の経験です。
それとコーディネーターですけれども、基本的には僕は産業別に配置するべきだと思っています。PBLについてはこれでとか、インターンシップはここのコーディネーターとかというようなことは、パーソナルネットワークがせっかくできたものを解体する話になりますので、そうじゃなくて、個人的には、コーディネーターは産業別に設けるべきでしょうし、それからフラットな運用が、実際必要になってくるというふうに思っております。
大学を変えていこうとしたときに、上から下まで行くというのは、もう何年単位じゃなくて何十年単位の話になりますので、なかなか個人的には難しいかなと思いますので、基本的にはフラットな運用が今回のプラットフォームのポイントかなと思っています。
その次が、コーディネーターの役割と育成というところですけれども、なぜコーディネーターが不可欠かということは、孤立、断絶、散在するような実践ばかりですので、いかにこれをコーディネートしていくのかが極めて重要だということです。しかも、そのコーディネートの数についても、5人とかというような話じゃなくて、その5人が10プロジェクトをコーディネートしたとしても、そこに5人ずつ学生がついても、たかだか50なんですよ。そうではなくて、もう何百、何千、何万というような学生たちが対応していかないといけないというふうに考えていったときに、コーディネーターの数を5人とかという感じではなくて、何十、何百というコーディネーターをいかに育成していくのかというのが僕は今後の非常に重要なポイントなんじゃないかなと。そこにお金をかけていくというようなことが大切だろうと思っております。
次のページに3つの役割と書いてありますけれども、単に産業出身だというだけではコーディネートターとしては全く役に立たないというところです。そうではなくて翻訳者として、異なる実践であったり、その橋渡しができたりとか、場が設計できたりとか、あとはいろいろな実践なんかを語れるような、物語の語り手としての能力というのが圧倒的に重要だというふうに思っております。
さらに、もう一枚めくっていただくと、このコーディネーターをどう育成していくのかというのは、これは非常にチャレンジです。我々も、もう10年以上、こういったコーディネーターと称していろいろな形でやっていますけれども、いかに育成していくのかというのは非常に難しいと思っています。こういった熟達コーディネーターの実践知を形式知化して、カリキュラム化していくというのが今回の我々のプラットフォームの一番大きな目標のところです。それをするためには、実践の中でやはり育成していく必要がありますし、それから越境学習のように境界を越えていくような経験をいかにつくっていくのかというのがポイントかなというふうに思っています。
最後、地方での人材育成の課題という形でまとめさせていただいております。一つは、データの分散ですね。いろいろなデータが散在化しています。しかも教育では、非常に不思議なんですけども、EBPMがほとんど機能していないということです。私、土木計画が専門ですが、EBPMということでいろいろな予測が要請されるんですが、ちょっと間違えるとめちゃくちゃ文句言われます。しかし教育に関しては、何となく、今こういう社会だからこうやろうというだけで、EBPMが機能していないというのは、やはり僕は問題なんじゃないかなと。説明をきちんとやっていくというのは、データも使いながらやっていく必要があるんじゃないかなということです。
それと地方においては、全ての産業分野で人材が不足しているというのが現状です。つまり、文系から理系人材に転用すれば、それで県内の人材のアンバランスがバランス化されるかというと、全くそんなことはないというのが現実です。
なので、この首都圏の文系のところを理系にというのはよく分かりますが、そうではないような地方独特の問題があるんだということと、それと最後に、地域サービスを担う人材の不足というところです。産業人材だけではなくて、産業の根っこにある地域の人材そのものが今どんどん不足しているというところです。それで様々な地域のサービスが今どんどん細っているんです。そこを何とか、そこに書いてある地域創生のリカレント教育プログラムというので、今、我々も実施実践しておりますけれども、自治体職員、地域おこし協力隊等々のいろいろな人材をいかに育成していくのか。地域の人材を育成しないと次の産業人材も生まれないので、そういう意味では、そういったところも大きな問題じゃないかなというふうに考えているところです。
以上です。
【大森座長】 ありがとうございます。特別委員の皆さん、御準備もいただきまして、本当にありがとうございます。
それでは、今いただきました5人の皆さんの御発表に対して、質疑応答ということで、御質問等ありましたらお願いしたいと思います。特別委員同士でも、御質問していただいて全然構わないと思います。よろしくお願いします。どなたかいかがでしょうか。
お願いします。
【中村委員】 ありがとうございました。勉強になりました。
まず小林委員、まさにそのとおりだと思います。その中に書かれているような、今回のプラットフォームもそうですけども、いかにグッドプラクティスをみんなで共有するかということが大事だと思っております。全部が全部、同じ方向へ進むのではなくて、今、お話を聞いているようにいろいろなやり方があると思うんですけども、それを出し合う場が必要なのかなと考えております。多分それは、そういったプラットフォームは、似たようなところが集まって独自にシンポジウムを開いたり、あるいは見学に行ったり、そういう関わりを深めて、それぞれの地域、それぞれの大学がやっているものを、より共有化するというか、いいところを拾うということがすごく大事なのかなと思っています。
もう一つが、一番最後に書かれたことなんですけども、私も、多分もう連携ではないと思うんです。融合だと思っています。企業とか、自治体とか、あるいはメディアとかで持っている今までの経験値を出し合って、地域全体をどうしていくのかということを考えていく時代に来ていると。連携だと、月に1回集まって何かやってもあんまり意味がないと私は思っていまして、やはり常設でいくのが一番大事だと考えています。それをやったときにどういうふうな結論というか結果が出てくるかということをしっかり検証していく必要があると思っています。
それから小原委員に、まさしく私も同感で、今、山梨では、産学官金言、そこにぜひ労も入ってもらってと思っています。産学官金言の連携は大体できていまして、労働組合の方々の考え方をこれから大事にすべきであり、同じように一緒になって議論してもらい、ぜひ、こういった地域のためにやっていただければありがたいなと思っています。
あと、松村先生が、すでに先駆的な事例をいっぱい持たれていて、すばらしいので、幾つか質問したいんですけれども、愛媛大学では学部というか、もともと学科でやられている、実際に幾つかの拠点がありますよね。これはどうやって決めたというか、どういうふうに浮き出てきたのかというのを知りたいのが、まず第一です。お願いします。
【松村特別委員】 それは僕が決めたというよりか、歴代の先輩方が決められたところはあるんですが、当然のことながら、地元の地域の産業側からの声が上がらないと、そこにはニーズも何もないと思いますので、そことの日頃からコミュニケーションがありながら、四国中央に紙産業とか、今回でも、今治に造船をということになりますので、常日頃から、地元の産業とのコミュニケーションの回路を持っているというのは、僕は大学にとって非常に重要なんじゃないかなと思います。
【中村委員】 愛媛大学もそうですけど、高知大学もかなりそういった拠点でやっていますよね、産業で。
【松村特別委員】 はい。
【中村委員】 次に、コーディネーターの育成とか、コーディネーターの役割のところですけども、先ほどおっしゃったようにコーディネーターを養成していくプログラム、実践の中で育成していく、熟達者の調査によるコーディネーター、この辺、今、考えられていることがあったら教えていただければありがたいと思います。
【松村特別委員】 社会共創学部の教員を含めて、本当に地元の方々、産業界も含めて日頃から非常に密なコミュニケーションを取られているんです。そこの何十年というような蓄積が何となくあって、それが若手の教員に見よう見まねで伝わってというところが感じられます。そこを何とか形式知化したプログラムができないかと。当然、前と同じレベルにはならないかもしれませんが、レベルが下がったとしても、まずはそこの底上げをするとともに、プログラムをすることによって、数を増やしていくことができればと思います。数を増やしていけば、レベル的には不十分かもしれませんが、いろいろなプロジェクトがぶら下がっていったときに、そこの恩恵を被るのが、一番重要な学生であったりとか、高校生であったりとかというところにいかにリーチしていくのかというのを考えていくと、まずはコーディネーターを増やしていくことが重要だと思います。
それは、僕は大学だけではなくて、産業側であったりとか、地域側であったりとか、そういうような方々にぜひお手伝いをいただかないと、先ほど申し上げたみたいに大学の教員にコーディネーターを全部任せるというのは、我々はもう無理なので、だとしたときに、そこの恩恵を被るであろう、産業であったりとか、地域の方々に、コーディネーター役を担ってもらうという。それは、「我が社」というようなイメージじゃなくて、我が産業であったりとか、我が地域であったりとか、そういった観点で、公共的な観点で人材をコーディネートしていく、いろいろなプロジェクトをコーディネートしていく人をいかに育てていくのかというところが、僕は今回のプラットフォームの試金石になるんじゃないかなと思います。そうじゃないと、今までどおりといったら怒られるかもしれませんけども、何となくきれいな計画ができましたというだけで終わる。年に何回か集まって、みんなでよかったねというので話し合って終わるということを何回繰り返しても社会は変わらないということを我々は学んできたと思うんです。だとすれば、これだけ実践が積み重なってきたときに、いかに広げていくのかということは、もう次のフェーズに入っていて、そこは先ほど申し上げたみたいに論理が変わっているというところなので、そこに我々のマインドも変えていかなきゃいけないんじゃないかなと思っています。
【中村委員】 例えば産業界からそういうコーディネーターをやりたいという方が出てきたときには、当然、自治体のこととか、大学のこととか、メディアのこととか、それをどう思うかといったこともだんだん分かっていくような人をつくり上げる、どこでもいいからということですね。
【松村特別委員】 そうですね。
【中村委員】 一つ例なんですけど、山梨県内に県内の金融機関は5つしかないんです。その5つが連携を組んでいまして、簡単に言うとそこの支店長代理、各支店のナンバーツーの方々が社会連携コーディネーターという制度をつくったんです。実際に300人ぐらいいるにもかかわらず、その方々に対する研修プログラムはなくて、ただ、何か見つけ、その中に大学でできるようなことがあったら知らせるという段階なんです。
また、その方々が、大学の、どういう研究をやっているか中身が全部分かっているわけではないし、もう一つ、一番感じたところは、やる気がある人とやる気がない人がいるんですよね。
やる気のない方に無理やりやらせるのではなくて、やる気のある方に取り組んで欲しいと思っています。そういった方々から拾っていくという手もあると思っています。結構、金融関係の各支店の方は、地域の課題とか、企業の課題とか、実際の課題を知っているので、そういうやり方も一つあるのかなと思って聞いていました。
【松村特別委員】 教育産業は、やはり労働集約型産業ですので、人がとにかく要るんです。だとしたときに、今おっしゃっていただいたような金融の支店長とか、そういうようなところも有力な一つの形かなと思います。そこは本当に、地域地域によって随分形は違うんだろうなと思います。
【中村委員】 ありがとうございました。
【大森座長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
【田中委員】 小原委員と松村委員にお願いしたいんですけれども、小原委員がおっしゃったことはごもっともだなと思いながら聞いておりました。
最初のところのリスキリング、リカレントとかというところなんですけれども、企業さんで、経済的なところで支援するのが大変だという課題は置いておいて、そこをクリアしたとして、例えばある人が大学院で学んだと。資格も取って、御本人もやる気になって戻った。でも、その成果をうまく処遇とか、あるいは職位とか、給与体系とかに反映できずに、結局その人が出ていってしまう、「あの人は行った人だよね」だけで終わってしまうという現状もあるかと思うんです。
そうしたときに、雇用者側のほうの動きとして、そういったところを生かす仕組みのような議論はあるのか、ないのかというのを教えていただきたいというのが小原委員への質問です。松村委員への質問は、スライドの3ページにあったかと思うんですが、効率性の高いプラットフォームを目指すというときに一番下の「フラットな運用」というところが、ちょっとイメージがつかなくて、どういうことをイメージされているのか教えていただけないかなと。直接つなげるということはあったとしても、それを安定的に、あるいは大学等々で運用するときには、カリキュラムとして運用したり、単位認定ということになると、つながったはいいが、その後の活動とか評価とかということにおいては、ただ単に現場と学生がつながればいいという話ではない気がして。その辺のイメージが少しつかなかったので教えていただきたいという2点でございます。
【大森座長】 では、小原委員。
【小原特別委員】 1点目は全くそのとおりでして、我々もリスキリングもしくはリカレント教育って、自分たちが会社に貢献できるスキルや何かを身につけてきた場合には、ちゃんと処遇してほしいというのは申し上げているところでして、それは全部できているかどうかというのは分かりませんけれども、そういう取組はもうずっと前からやらせていただいているということです。
もう一つ言えば、逆説的に言えば、こういうスキルを伸ばしてほしいと会社が方向性を示していただくことで、そこを身につけて処遇していただく、こう循環させることが大事なんじゃないかなと思っています。全然関係ないスキルを身につけて、一方的に評価しろというのはなかなか難しいので、その辺も会社には言っているところではあります。
【田中委員】 分かりました。
【大森座長】 地方の企業さんが大学に行って学び直しというのが、大学って何か理屈だけやっているところみたいに思い込んでいて、行っても無駄だろうみたいに思っているという節はないですかね。今の大学はかなり実践的な学びをやっている、気概はあるんですけれども。
【小原特別委員】 ちょっとごめんなさい、そこまでの感覚は私には分かりませんけれども、世の中が大きく変わるときに大学も変わろうとして変わっていて、そこで企業だけがもし置いていかれているとすれば、大学に学ばせていただく必要があると思いますし、それを感じて企業も変わっていかなければいけないし、それを含めて労働者も変わるべきだというふうに思っています。
【大森座長】 ありがとうございます。松村先生、いかがでしょうか。
【松村特別委員】 フラットな運用、説明不足ですみませんでした。
イメージとしては、今、福井のコンソーシアムがされている、ホームページ上でいろいろなプロジェクトを募集している、ああいうようなイメージを持っています。そのときに何を募集するのかといったときに、PBLとPBIと思っていまして、PBLのほうは大学が主体になって、それは正課の事業であったり、準正課でもいいと思うんですけども、単位を持っているようなもので、パートナーとなるような企業さんであったりとか、地元のいろいろな組織を募集します、一緒にやりましょうというやつです。
それともう一つ、PBI(Project Based Internship)というのをイメージしていまして、今、インターンシップ、学生がやるようなワンデー、ツーデーというのは本当に無駄なんで、ああいうようなものではないようなものです。私が携わっているやつで言うと、NEXCO西日本の副社長が僕の大学の同期なので、サービスエリアの活性化を一緒にしませんかという話になって、じゃあ、やろうぜという話になって、それをやっていると毎年、NEXCO西日本に就職しているんです。今年、NEXCO西日本でいうと、国立大学で愛媛大学が一番多かったらしいです。
そういうようなことを考えていったら、今度は企業が主体になってプロジェクトベースドのインターンシップをしませんかというので、学生たちがそれに応募すると。それを、ホームページ上で全部完結させてしまうことはできないかなというふうなことを思っていまして、それはもう、学部とか学科も、それから大学も超えて、そこに参画しているような学生たち、それから、将来は高校生も入ってくるかもしれませんが、やりたいと思ったらそこに直接参加できる。やる気のある人間たちがそこで参画できるというものができないかなと。そうじゃないと、社会共創学部に入らないとこのプロジェクトはできませんというのではないようなものをしたい。
そうすると、社会共創学部が相対的に下がりそうな気もするんですけど、それはちょっと置いておいて、そういう機会を愛媛県内で共通でつくっていくというのが、僕が持っているイメージです。
これができるかどうかというのは分からないですが、そこはチャレンジする意味があるのではないかと。そうじゃないと、委員、よく御存じのようにいろいろな壁があるので、そこの壁を実践のベースで全部越えられないかなという、そんなイメージです。
【田中委員】 PBLとかPBIに関するマッチングシステムみたいな、そこにいろいろな手続とかがなくて、ちょっとフリーな場というと変なんですけれども、手挙げした人に、学生さんがとか、企業さんが・・みたいなイメージということですね。
【松村特別委員】 はい。個人情報だとか、いろいろな問題はあろうかと思いますけど、そこはどうやって超えるかというのを、事務局であったり、それから行政さんであったりとか、そういうところで議論しているような段階です。
【田中委員】 すごくチャレンジングですが、うまくいくと面白そうですね。
【松村特別委員】 そうですね。
【大森座長】 プラットフォームでその場を提供していったら、それにチャレンジした学生の、そのこと自体の単位認定を各大学がすればいいだけですよね。
【松村特別委員】 そうですね。なので、それが我々の大学、準正課科目というのを持っていまして、それは教員が一応責任は持つけれども単位にならないという。やる気のある学生は来い、自分を伸ばしたいという人間は来いというのをやっていまして、僕はそういうような枠組みで来てもいいんじゃないかなと思います。それを単位認定という話になると、また大学にこうなって、ちょっと面倒くさいなというのがあって。
【大森座長】 うちなら、すぐ単位にしますけど。
【松村特別委員】 そういう非常に良心的な学長がいらっしゃるようなところであるならば話は早いんでしょうけど、これはなかなか、学部で誰が認定するんだとか、どういう基準で認定するんだとか、いろいろ言われるのは間違いないので、そこを潰していく時間が非常にもったいないという。それやったら、やりたいという学生を伸ばすのが、僕はそうするべきだと思うので、そこをいかにつなげていってあげるのかというのをいち早くやっていくことが大切なんじゃないかなと思っています。
【大森座長】 ありがとうございます。長谷川委員、お願いします。
【長谷川特別委員】 皆さんのそれぞれのプレゼンは大変面白かったです。私も松村先生に御質問したいのですが、コーディネーターの役割が、今回のプレゼンでかなり具体的にイメージできたと思うのですが、他方で、よく産学連携コーディネーターを、これからもっと産学連携を推進していく上では、全国的に増やさなければならないという指摘もあります。産学連携コーディネーター育成のための特別な大学のカリキュラムを組んで、それを資格にしようとされている大学の御説明も何回か受けたことがあるのですが、その際、結構コーディネーターをやりたがっている企業の方は実はいらっしゃるのですが、なかなか、そういう特別カリキュラムを受けて資格を取っても、実際には活躍する場がないというか、あまり大学への就職、大学でのポジションが得られない。だから続かないという悩み事を聞いています。このコーディネーターというものを、ある意味の職業として皆が目指せるようにするには何が必要とお考えでしょうか。
【松村特別委員】 僕、この教育の意味でのコーディネーターは、職業は無理だと思います。そうではなくて、それぞれの職場職場において、こういったコーディネートをできるような職能を持つ、そういった方々をいかに増やしていくのかと。
それを一つの組織にしてしまうと、誰がお金を出すんだとか、そういう話になってくると、何か超面倒くさいことになりそうな気がして、それよりかはむしろ、こういうような分野を超えたり、業種を超えたり、いろいろなそういうようなことを超えることの楽しさをいかに広げていくのかというのは、僕は、まずはここの教育から始めていくことによって、今、議論されているような研究であったりとか、そういうところにつながるんじゃないかなと思います。
研究の場合は知識集約型なので、いかに知識を集めるのかというところがポイントだと思います。教育の労働集約型のやつと知識集約型のやつと、資本集約型だと、とにかくお金をつければ、ガッと広がると思います。しかし教育のような労働集約型は僕はいかに数を広げていくのかというところの戦略でいったほうが、次の産業の発展につながっていくんじゃないかなと思います。
僕はそこまで見えていませんけども、まずはここから始めたらというようなイメージを持っています。
【大森座長】 長谷川委員がおっしゃったのは、産学連携の研究コーディネーター的な。
【長谷川特別委員】 それは、URAなど、既に確立されているので良いのですが、おっしゃったような教育レベルでつなげる人はどうかということなんです。今おっしゃったことだと、キャリアとしては無理だから、地銀の担当者とか、その地域で工場を操業しているメーカーの人事担当者とか、そういう方々が仕事の一環としてやったほうが良いという御意見だったと思います。ただ、それだと皆さん本業をお持ちの中では、なかなか続かないという別の課題もあると思います。URAまでいかなくても、コーディネート機能という仕事に関心を持つ若い方も結構いるので、何かそういう職業や資格として確立する可能性はないのかなと思いました。
【大森座長】 大学の中に、まだ未知の職業なんですよね、職種というか。研究のつながりというのは各大学で今までやってきたけど、教育で地域とつながっていこうというのがやっと出てきていて、今回、例えばプラットフォームもそうですけど、SPARCなんかで先行されている大学さんなんかは、最初、URAと言っていたんだけど、開けてみたらこれは教育コーディネーターだよねという人を採用していたりというのも出てきていて、多分、大学の中でこういう人といったときに、この人は教授なのか、それとも事務局なのみたいなのもあったりして。だから、そこはもうちょっとかかるかもしれないけど、そういうものの必要性がやっと認識され始めたという段階かもしれないですけど。
うちの大学なんかだと、グローカルオフィスというその部署をつくって、委託型ではやっているんですけど、地域とか海外とつなぐ人たちがそこで専門で働いています。そういう枠組みが各大学の中ででき始めないと。
【廣瀬委員】 そういう人たちの横のつながりみたいな動きというのは出てきていたりするのでしょうか。自主研究グループみたいな形で、同じ県内というかもうちょっと広くてもいいんだけれども、月に1回ぐらい勉強会をやってみたり、年に1回ぐらい全国で集まって大会をやってみようとか、ファシリテーターの人たちはそういう形で、今、全国組織の日本ファシリテーション協会というのがかなり安定して立ち上がっていて、そこの中には“スターファシリテーター”と呼ばれるような人たちが何人かいる。逆に言うと、独立した職業として成り立つのはそういう少数の人にまだとどまっているという状況があって、こういうネットワークの中にいて、一定の力量がある人が、それで職業として成り立つというところまで発展していくことがこれからの課題として意識されているようです。
ここで言っている、地域と、教育と、産業を結びつけるようなコーディネーションも、そういう展開が要るんじゃないかと思います。そういうことの後押しをするような支援というのは、活動費とか、そういう支援は有効なんじゃないかという感じはします。
【松永特別委員】 先ほど中村委員におっしゃっていただいたとおり、銀行でもそうなんです。部長代理、支店長代理が、産学連携、企業と企業とのマッチングとか、研究者と企業をマッチングはやっていますけれども、なかなかその研究の領域までちゃんと理解して動けるかというとそうでもないですし、おっしゃっていただいたように、マッチングしたあとは続かず終わっていくというケースが多くあります。
まさにおっしゃっていただいたとおり熱量の違いがかなりあります。何か知らないけど、お客さんがすごく喜んでくれるからいろいろやりますというのは、実際には難しいと思うんですよ。例えば特定の研究者と、企業がいて、ニーズがあって紐づけるというのは、そんな単純ではないですし、さらに、もっとその地域全体を見て、どこから変えていったらとか、どの人がアクションを起こしてくれたらいいのか、そこまで考えようとする金融機関の人間は多くはありません。やはり日々の本業がある中で片手間になりがちです。でも、やっている人は確実にいます。
では、どういう人がやっているかというと、私の主観も入りますが、結構組織の中で変わった人が多いです。自分の部署を超えて隣の部署に聞きに行くだとか、隣の金融機関に話を聞きに行くだとか、全然自分も担当していないお客さんのところに聞きに行くとか、地域の商工会に行くとか、物好きの人たちはモチベーションがあるんですよね。何か面白そうだとか、つながることが楽しいだとか、そういったところがあるので、廣瀬委員におっしゃっていただいたとおり、ちょっとそういう後押しをしてあげる仕組みがあると良いのではと思います。
そういった人たちは多分給料で動いているんじゃないんですよね。地域が盛り上がって、みんなが楽しくなってくると何か面白いじゃないというのがあったりもするので、そういう感情を後押し、支えてあげるような枠組みをつくっていくと、動き方も変わってくると思っています。産学官とか、産学連携というのを、フォーカスをどこにするのかというのがばらばらなので、取っつきにくいところもあるんですけども、そういうエモーショナルのところがあるのと、先ほど松村先生におっしゃっていただきましたプロジェクトを個別でつくり、それに対して関心がある人や、そこのテーマだったら動きたいぞと思う学生、社会人が集まっていくような動きをつくるだとか、いろいろ工夫していくといいのではと思います。
【中村委員】 地銀だと、結構、地方創生のセクションがあるんですよね。
【松永特別委員】 ありますね。
【中村委員】 山梨大学は、今、3名出向されています。それは、今みたいなこういったプラットフォームとか、地域連携機構みたいなことをやりたいという人たちです。だから、今おっしゃったようにいろいろな可能性があると思うんですよ、コーディネーターって。例えば大学でいうと、教員よりも職員のほうがよっぽど分かっている、いろいろなことを知っている。松永さんのおっしゃるとおり、学生でやってみたいという人もいる。だから、これはあまり限定しないで、やってみたいと思う人を集めて、その人たちができるだけ活発に活動できるようなことを後押しする。そして、そのための資金も必要です。これから先はそういう話になってくるんじゃないですかね。
【大森座長】 ありがとうございます。多分、今、議題(2)の内容に大分入り込んでいる感じもあるので、課長を待ってと思っていたので、全然間に合ったのであれですけど。
でも、今日の御発表の中身と多分オーバーラップします。私もまだお聞きしたいこともあるんですけど、一旦、(2)に行って、これからのということで課長から御説明をいただいた後に、12時まで時間がありますので、今までの御発表と、それから事務局からの説明を併せてディスカッションできればと思います。
ということで、前半でこの予算事業の話も出て、薄くなっているんじゃないかみたいな議論もありました。
ということで、まず、事務局から今後の地域大学振興の取組等について、採択結果も含めて、本日、議論いただきたい論点について説明をいただきたいと思います。それでは、よろしくお願いします。
【石橋大学振興課長】 ありがとうございます。大学振興課長の石橋です。今日もどうぞよろしくお願いいたします。
資料2を御覧いただければと思います。少し先生方の御議論をインタラクトする形で大変申し訳ありません。もう既に大分いろいろと御指摘をいただいているなと思っておりましたので、私の説明も踏まえて、また御議論いただければありがたいと思っております。
2ページ目のところで、まず、プラットフォーム事業の採択でございます。小林委員から既に厳しい御指摘いただいておりますが、数か金額かで我々も悩みに悩みました。ただ、37件という大きな数の御応募をいただけたことは大変ありがたく思っておりますし、それだけ、このプラットフォームに対して、地域の中で、やはりやっていかなきゃ駄目だよねというお考えを、これはどなたかお一人ではなくて、都道府県の自治体、そして学長先生、産業界、そしてそこにはもちろんマスコミ、金融機関、そして労働者の方々と、皆様がそういう思いを持ってくださっているという証左ではあったのかなというふうに思っておりまして、事務局として大変ありがたく思っているところでございます。
ということで数を優先させていただいたこの20件が、こちらに出ておるものになります。おっしゃったとおり金額が下がっておりますので、これをどうリカバリーするかというのが私の次の仕事かなというふうに思っているところでございます。
御覧いただきますと、地図の中で、やはりちょっとこう西側に多めかなというのが一つ出てきておりますし、その地域の中で多くのところがお取りになったような地域もございます。これを、この後どう進めていくかというのが、今日ぜひ御意見を賜りたいなと思っておりまして、3ページ目に具体的な取組を少し御紹介させていただいております。
最近よく言われます、例えば青森は今後の人口減が非常につらくなってくるところでございますけども、当然、産業というところでスマートフード、エネルギー・フュージョンというようなものであったり、課題となる医療・福祉分野をどうするかということについては、県知事をはじめ自治体、そして高等教育機関が一緒になって御議論を始めてくださっておりますし、さっき福井の例も出ましたが、福井も非常に大きな取組をこうやって進めていただいておりまして、特に理系比率の高い学部定員構成を生かすというようなところもやっていただいておりますし、やはり保護者と進路形成は重要だというようなことも言っていただいているところでございます。
また、愛媛もここに上がっておりますし、このような形でかなりよい評価を捉えているところも含めて、今回ここで御紹介させていただいたところでございます。
次のページが、この審査、選定委員会における主な意見ということで、御参画いただいた先生方もいらっしゃいますけれども、やはり当事者の積極的な、さっきから出ておりますパッションも含めて、積極的な参画が必要になるであろうということと、あとは、やはり地域関係者に投資したいというのが今回結構キーワードとして出ておりまして、投資したいと思わせられるかというところについては、まだ一歩というような御発言、御意見もあったというふうに聞いておりますので、この課題や取組に対しては適切なKPI、何をやっていくのかということの見える化というのは大事になってくるのかなと。
それから、これは先ほども委員の先生方からたくさん御意見いただいております。やはりグッドプラクティスの普及・展開というのが、実は文部科学省のほうで予算を取っておりますので、今日、それをどのようにしていったらいいのかということも、ぜひ御意見をいただければと思っております。
私のイメージは、まず一堂に会していただくということはやっていいのかなと思っております。20件の皆様ですね。そこで、特にコーディネーターに関してどういうことをやろうとしておられるのか、また、当然、今の採択されたプラットフォームはこれまでの経験値もお持ちですので、そういうことを御紹介していただくような場、それからさっき廣瀬委員におっしゃっていただいた全国的なネットワークにどうつなげていくかというときの、ネットワーキングの種みたいなものがまければいいのかなと思っておりますが、ぜひここは今日御意見を賜れればありがたいなと思っております。
少し資料を飛ばしまして、7ページ目を御覧いただければと思います。プラットフォームともう一つ、この「都市と地方の連携を通じた国内留学等の促進」事業でございまして、これも6件、実は御応募いただいた中、5件を採択するということにさせていただきました。これも小さく生まれておりますけれども、やはりこれだけやろうと思ってくださっている国私でございますけども、様々なタイプが出てきましたので、この形をぜひ、さらに御支援を続けていきたいなというふうに思っているところでございます。
いろいろなところに行くというようなパターンである千葉大モデルと、立教大学の場合は、大学が一つ決められてやっていくというようなこともされておられまして、これもいろいろな事例が出てきているかと思います。
めくっていただいて8ページ目が、選定委員会の御意見でございますけれども、やはり事前・活動中・事後の指導・教職員の関わりの充実が非常に重要であるということ。
それからまたKPIの話ですね。
当然、補助期間がいつか終わるということが、こういう予算の悩ましいところでございますけども、どういう形で安定的な財源確保をしていくのかというところについても、御意見をいただいたというところでございます。
今後の取組を10ページ以降でちょっと御説明して、今日御意見をいただきたいのは11ページにさせていただいております。
最初の1つ目が、先ほど申し上げました、今年度の普及・展開事業をどういうふうにしていくのかというところについて、ぜひ御意見をいただきたいということと、予算額もさることながら、来年度以降どういうことが必要かというところでございまして、プラットフォームに関しましては、恐らく長谷川委員からお話があったかと思いますけども、広域をどう捉えていくのかというのも、また一つのポイントになるかと思いますし、あとテーマ的に、地域を越えてやっていくようなものも出てくる可能性はあるのかなと思っておりますので、我々としては、件数・予算の拡充は必要ということで整理していきたいなというふうに思っているところでございます。
あと丸3は少し大きな話になりますけれども、今回、日本成長戦略、地域未来戦略、参考資料につけさせていただいておりますが、参考資料の骨太のところ、14ページ以降が骨太の方針であったり、18ページを御覧いただきますと日本成長戦略のところでございまして、こういうところに書かせていただいているところでございますけども、特に19ページの真ん中の下のほう、丸3の講ずるべき施策パッケージの段落としては、「また、地域の産学官金の関係者が連携して取り組む」等々で書かせていただいている部分もございますし、少しめくっていただきまして、地域未来戦略は24ページからになりますけれども、24ページの中には、当然、地域の産業ニーズを踏まえたというところ、それから、その次のページのところにも関連することを書かせていただいているところでございますので、こういうものも踏まえながら、特に支援という目線、それから政策という目線で、我々に対してぜひ御要望をいただければ大変ありがたいなと思っているところでございます。
駆け足でございますが、説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【大森座長】 ありがとうございます。それでは、今の課長からの説明も踏まえて、先ほどの御発表も踏まえて、総合的に議論を展開していきたいと思います。御質問でも結構です。それから、先ほどの特別委員への御質問でももちろん結構です。御質問、御意見をいただければ。
山内委員、お願いします。
【山内委員】 日本成長戦略会議と地域未来戦略については、私も会議に参加させていただいておりまして、先ほど石橋課長からもありましたように、人への投資をどう増やすかというところが鍵になっています。今回のこのプラットフォーム20件については、小林委員からもありましたように予算的な課題はありますが、20件申請があったということで、地域は人手不足ですので、人材を確保し、育成し、定着させていくという観点から非常に関心があります。
先ほど特別委員の皆様からも、今後、効率的にプラットフォームを運用していくというお話がありました。松村先生がおっしゃったように、既に各地に実践の蓄積はかなりあります。一方で、中村先生がおっしゃるように連携から融合へということについて、何をしてよいのか分からない、今までとどこを変えればよいのか分からないという声も何件か入ってきています。実際に参画する際に、大事になるのは、この丸1のところなのでしょうか。経営会議、あるいは円卓会議のような形で、情報を集め、共同研究等について企業をはじめ様々なところに働きかける際、まずここに聞けば分かるという機能がプラットフォームとして出来上がることが重要だと思います。コーディネートしたいという案件があった場合に、どう進めるかを話し合う、単なる連携の場ではなく、経営会議のように、どうしていくのかをきちんと話し合う場をどうつくるかが問題になります。
今日、特によかったのは、教育を起点に施策を進めていくというよりも、産業がもともとあり、例えば熊本ではTSMCの半導体など、産業の構想があって、そこから教育の場が牽引され、どういう教育をしていくのかというところが鍵になってくるという点です。この産学官金、さらに言も加えた経営会議が、どのような形で機能していけばよいのかというところは、これからの鍵になります。既に取り組まれている方がいらっしゃれば、その辺りのテクニカルなところも教えていただきたいと思います。
また、3年間ということで、松村先生にもお聞きしたいのですが、いきなり進めていくのも大変だと思いますので、どのような形で進めていくのがよいのか、少し頭の整理をしていく必要もあるのだろうと思います。
さらに、財務省などからも、現場職が非常に不足するという資料が出ています。アドバンスト・エッセンシャルサービス、あるいはアドバンスト・エッセンシャルワーカーを育てていきましょうという話がありますが、各地でも、エッセンシャルサービスについては何となく現場職のイメージが湧く一方で、「アドバンスト」が付くと、それが何なのか分かりにくいという声があります。それを学んだからといって、きちんと職につながらなければなりません。
したがって、現場職としてエッセンシャルサービスを担う能力を持って社会に出て、さらに学校に戻ってマネジメントを学ぶ、あるいは起業する、また理系人材の育成につなげていくといった受渡しがうまく機能し、現場職がさらに発展性のある形で動けるようにならないと、なかなかその人材は増えてこないと思います。この辺りについても、ぜひ小林委員からいろいろアドバイスをいただきたいと思います。
そういった点を全て考えられるプラットフォームとして、しっかり動きが出るようなものにしていくことが大事だと思います。この辺りは、各地からアドバイスを求められることもありますので、既に進んでいるところもあるとおもいますし、ぜひ、アドバイスいただければありがたいなと思います。
【大森座長】 ありがとうございます。松村先生の声が出ていたので、まず最初に。その3年間という中で、既に実績がある上の3年なので、あとはもう形になっただけだよねという感覚なのか。
【松村特別委員】 全く違いますね。今、お話ししている中で、物ごとがすごく進んでいますみたいな話をしましたけど、そんなことは多分ないと思います。
この会議がすごく有益だったのは、学生たちが特別委員で来て、それで話したので、恐らく委員の方々、それから省庁の方々も、これは効果があると認識されたと思います。やはり我々は教育者なので、学生の教育効果が上がらないと駄目なんですよね。産業人材のために頑張りますみたいなのは、少なくとも僕はできないんです。そうじゃなくて、目の前の学生が成長していく姿を見て、それでやってみようというところが根っこにあるので、そういう場を見せていただいたというのは、今回の有識者会議のメリットだと思います。これを何とかプラットフォームでやりたいので、1年目に我々が、社会共創学部であったり、あとは地域拠点型のセンターのああいうような活動が、まずは1年目で、こんなに学生たち、それから地域の方々が生き生きとやっていますよということを見せながら、2年目に関しては、今、我々が声をかけているような割と距離感が近いところですね。正統的周辺参加でよく言われるのは、コア層のところをちゃんと口説いて、ちょっと増えましたという。そして周辺層のところは3年目で、僕らもインターンシップ、今まで大手のほうに任せていたけども、そうじゃなくてうちらの新入社員と一緒に学生が議論することで、ウィン・ウィンの関係があるんじゃないかみたいなものが広がっていくと、その次の外部層にも広がっていくんじゃないかなと思います。
まずは、1年目で今やっていること、2年目でその周辺層、そして3年目でというような戦略ができないかなと思っていまして、そのために、やはりコーディネーターをいかに増やしていくのかということが、その3年後に効いてくるなと思うので、この3年間で何とかコーディネーターを増やすような手だてを。増やすといっても、5人、10人とかじゃなくて、何十倍という形で増やしていくような手だてをつくっておかないと、もう次の展開はないなと思うので、そういう意味では、先ほどから申し上げているような、次年度はぜひ、コーディネーター育成のためのそこの支援がやはり僕は必須だなと。それをいろいろなところで共有するという、独り占めしないような形で、いろいろな意味で共有していくようなものが出来上がると、僕は、このプラットフォームというのはすごく成長する可能性があるんじゃないかなというようには思っています。
【大森座長】 ありがとうございます。私も今、これまでSPARCで中村先生のところが幹事校でやっていただいていて、大学同士の全国大会をやったりとかしていてあれだけど、そのサブプログラム的でもいいんだけど、コーディネーターミーティングみたいなのが本当はあると、うちではこんなことをやっているけどみたいなのだけでも全然変わってくるし、ちょっと電話できる関係になっているとかというのもすごく大事なので、それは、プラットフォームの代表が集まってという全国大会もあってもいいけれども、分科会の一つとしては、コーディネーターミーティングがあっていいなという感じは私もしています。
アドバンスト・エッセンシャルワーカーについては、小林さんか、長谷川さんに聞くのがいいのか。
【小林特別委員】 アドバンスト・エッセンシャルワーカーという言葉が独り歩きしていて、大学というよりは専門学校が、今、エッセンシャルワーカーの、どうやって高度化していくかみたいなところを割と検討されていて、そこをヒアリングして、整理をしているところです。
そうしたときに、この今の地域の基幹産業を育成するとか、あるいはエッセンシャルワーカー、その上のアドバンスト・エッセンシャルワーカー、さっき言っていたリスキリングみたいなところを考えたときに、本当に大学だけでいいのかなという気はしています。専門学校が都道府県認可で、ここのフィールドに入ってこないのは分かるのですが、地域人材といったときに、さっきも出ていました専門学校も、これから単位制になりますし、職業実践専門課程といったような、文部科学省が認定したコースを持っているところもあります。そうしたところを中心に、例えば保育士ですとか、看護師とか、そういうところで、地域で所得とか待遇というものも見直していかないと、民間企業がどんどん上がっていく中で見劣りしてしまう部分もありますので、地域戦略の中で考えていくというのもあるのかなと思います。その中にアドバンスト・エッセンシャルワーカーがあったときに、それは大学でやるべきことなのか、専門学校なのかみたいなところも区分けができて、高専なのかというところも区分けができていくのかなと思います。
もう一点、コーディネーターが、予算が縮小して、コーディネーターって大丈夫なのかなと私も思ったところで、やはりサステーナブルではないような気がしています。個人の情熱ですとか手弁当に期待するというのは、システムとしてちょっと不十分かなと思っています。
以前は、私たち、就職もお手伝いしているので、キャリアアドバイザーみたいなところも、みんな個人の、企業の人事担当者がやっていたりとか、大学の就職課がやっていたりしたのですが、今、資格ができてきていて、それを認定すると社会に認知される、当事者のモチベーションが上がるとか、名刺に書けるというところがありますので、さっきおっしゃっていたような講座みたいなものをつくって後押しをしていくと。それが市民権を得られるような後押しをしていくというのは、ありなんじゃないかなというふうに思いました。
【大森座長】 ありがとうございます。
【田中委員】 アドバンスト・エッセンシャルワーカーの件ですけれども、確かに「アドバンス」とついたところで「どうなんだ」というのがあるかもしれませんが、3K、5Kと言われる現場労働の立場からすると、アドバンスト・エッセンシャルワーカーの「アドバンス」というのは、夢であり、光であり、希望なんですよ。そこで、処遇が変わる、何年後にはどう変わるよということが今言われているわけで、それがあるがゆえに、辞めないでみんな、そういう職種に就こうとか、そういう道で自分の人生も開けるんだよというのがあるので、アドバンスト・エッセンシャルワーカーということが世に出たところから、そこを実質化していかないといけないと思います。
なので、そういう今の階層的なところもそうですけども、社会としても、だってそういう職種がいなくなったら社会生活がおぼつかないわけじゃないですか。全部機械化もできないし、外国人労働者にお願いするわけにもいかないので、これを実質化させるために動いていかないといけないと思うのです。今は、なんちゃってというか、何だろうねとなっているとしても、それを時間をかけてしっかりしたものにすることが、生活を支える、社会を支えるために必要だと思うので、実質化させていただきたいし、させていきたいなというふうに思うところがあります。
あと、地域構想推進プラットフォームのところは、全県を挙げてというか、首長さんが「一生懸命やっていかないといけないね」と言って、そこに関わったところは採択されているのかなと思います。
そうすると、地域構想で確かに、単一地域から同じような課題を持っているところと連携するとか、融合するとかというのはありますけども、まず、当座の地域の中で何ができるのか、どうしたらいいのかというのがあって、やっと隣の県とか、あそこと組めるという構想ができる。こういったところで、大学の教育もそうです。組んでいけるとか、いけないとかということがあるときに、当座、その地域あるいは手を挙げたところが運営できる、あるいは、この申請に描いたところが、到達できる資金的なもの、あるいはコーディネーターにかけていかないといけない申請もあったかもしれません。
なので、その申請の中身をもう一回吟味して、ここでどうやっていかないといけないのかというのを、結果は結果として、もう20採択されたので、みんなで頑張っていきましょうということなんですが、各採択されたところが、この金額で、あるいは2年、3年後にどういう成果が出せるのかというところで、もう一回フィードバックをかけて、具体的なやり取りというんですかね、それをしていかないと、ただ刃こぼれを起こしていく。お金がないからできないから、この程度でやっていきましょうというのでは、せっかく動き出した国の事業であるし、全県でそういう意識が高まったところがトーンダウンすると思うんですよね。なので、そこをトーンダウンさせないように、何か1年でも、この予算でも結果が出せるように指導していかないといけないし、持っていかないといけない。そこに何をしたらいいのかというのを考えていかないといけないと思います。
【大森座長】 ありがとうございます。
【辻委員】
神戸市の産官学プラットフォームの立ち上げに関わった立場と、有識者会議委員としての立場の双方から申し上げますと、先ほど小林委員からも話があったんですけれども、コーディネーター配置やモデル事業を含む提案を行いましたが、やはり予算に一定のボリュームがないと、再構築するに当たって、かなり全体的には見直しをかけていく必要があると思っています。何を重点化していくかというのは、やはりその地域によって変わってくると思いますので、そこはしっかり議論、相談が必要だと思います。
プラットフォームは、神戸市において2023年に立ち上げ、現在約120団体に参画いただいています。
最初、人口減少による入学者・卒業者・地元定着者の減少に対してかなり危機感を持っている大学と行政で、企業も募って、三者でやっていこうと、神戸市は23大学1高専がありますが、 現在は12大学1高専に参画いただいています。ただ、立ち上げには至ったものの、準備から社団法人化までには約2年を要しました。
ここは小林さんなり長谷川さんにお聞きしたいんですけども、一番苦労したのが、企業と大学では期待する成果や意思決定のプロセスに違いがあり、その認識の共有に時間を要したということです。コーディネーターの話は、もちろん私は大事だと思っていまして、組織間の違いがある中で、そもそも大学は企業や自治体とは意思決定の仕組みや組織文化が異なりますので、そうした組織間の認識のずれをどのように埋めていくか、どう翻訳していくかというコーディネーターの役割が必要だと実感しています。実際に、この産官学プラットフォームの設置を神戸で進めていったときに、実は理事長は経済界から来てもらいました。そこで経済界からの参入が増えてきたというのがあって、最終的にこういうプラットフォームをつくっていくときには、行政と大学というのもありますけども、やはり経済界から見たメリットをどう汲み取っていくかということはもちろん必要ですけれども、最終的には、企業側にとっての参画意義や期待される効果をいかに示せるかに大きく左右されると考えています。
だからコーディネーターというのも、恐らく、企業の組織も分かる、大学の中も分かる、行政の意思決定もある程度分かるということでいくと、企業・大学・行政のそれぞれの事情を理解している人材がコーディネーターとして適しているのではないかと思うんですけども、その辺り、企業側から見てこういったプラットフォームに参画するに当たって、産官学共創の理念と、実際の企業体としての企業活動の部分との差というのはどういうところにありますでしょうか。
長谷川さん、松永さんにもお聞きしたいんですけど、そのような認識の違いについて、企業側からはどのようにお考えでしょうか。
【大森座長】 地域の企業がプラットフォームに参画するモチベーションみたいなものですね。
【辻委員】 そうです。多分それがKPIにつながっていくと思うんです。恐らくKPIみたいなものを統一的に設けようとしても、このプラットフォームを立ち上げたときもそうだったんですけれども、見ている方向がそれぞれ違うので、それをどういうふうに統一的にやっていこうかということについても大分苦労しました。その辺り、企業側から見てこのプラットフォームをどう活用していける、どう参画していけるかというところも含めて、コーディネーターをどういうところから、どういうところにコーディネーターというのがいらっしゃるかという部分も含めて、ちょっとお聞きできたらと思います。
【小林特別委員】 最初に私から。私も2年間、経済同友会に出向していたことがあって、いろいろな企業の社長さんとかとお話をして思ったのは、産業界という「界」はないんですよね。なので、重厚長大なプロダクトライフサイクルが長い産業と私たちみたいなすごいスピードで変わっていくIT系、ベンチャー系の企業は全然違います。そうしたときに「産業界と」という形から入ってくるような形になってしまうとちょっと難しいだろうなと思います。
では、企業は何を期待しているかというと、大学には研究と人材育成ですね。その人材育成というのが、大学と社会とのコミュニケーションがないために、自分が学んできたときのイメージで大学を見てしまっているというのがあると思います。いまだに大学自体が座学中心で、まだフィールドワークとかをあまりやっていないとか、学ぶのに時間がかかるというイメージがありますので、企業のスピード感と大学の人材育成のスピード感が合わないような思いがあるんだと思います。
一方で企業のほうは、さっきリスキリングの話がありましたけど、もともと高度成長期を支えてきたのが、終身雇用、年功序列、企業内労働組合といった3種の神器で、人材流動性がない内部労働市場の中で企業内特殊労働者をつくってきたために、あまり学ばなくても、社内政治に勝っていけば偉くなれたわけです。
でも、今のマーケットは変わっていまして、外部労働市場がメインになってきて、逆に若者のほうが、転職していくために成長しなきゃとか、技術を身につけなきゃ、スキルを新しくしなきゃという思いがあるので、「企業と」というのはありますが、企業のほうも、今、新卒で大卒の採用計画を達成できたのは4割しかないという現状があります。人が採れない、現在の従業員がオールドファッション化してしまうとなると、もうちょっと、リスキリングみたいなところを、大学の院卒とか、4年間でとかじゃなくて、10時間でとか、20時間でとマイクロクレデンシャル化して、このスキルを大学で学んできて生かせるみたいになってくるとよいのではないかと思います。それを企業のほうは、もう少し地域で人材育成をするために、スキルを認定する資格制度じゃないですけど、こういった地域で通用するようなものをつくって、それをマイクロクレデンシャル化してデジタルバッジを出してスキルを可視化するようになってくると、うちも参画しなきゃ人材が充実できないという形になってくるんじゃないかなという気はします。
今の一番の問題はスピード感とコミュニケーション不足だと思います。
【大森座長】 長谷川委員、いかがでしょうか。
【長谷川特別委員】 私も地域の産官学金の連携のためのプロジェクトの審査に関わったりもしていますが、小林さんがおっしゃったように「産業界」という一つの統一したものはないので、各地域の産業界のニーズということになると思います。
さらに言えば、中核となっている地域の大学とが地域の人材ニーズを踏まえて育成しようとしている人材に、ニーズを感じる企業と感じない企業、これは業種によって違うということもあるので、そういう育成しようとしている人材、この地域はこの産業でいくということに一応合意が取れた人材に対して、関心を持つ企業を呼んでくるのが第一だと思います。
要するに、神戸の全ての企業が関心を持つということでもないでしょうし、その中で育成しようとしている人材に関心を持つ企業を集めるということ。また、もう一つは企業の中の仕組みでいえば、どうしても担当者レベルだとなかなか話を通せないので、ある程度、上の経営陣、幹部の方にそういう人材ニーズについて理解してもらって協力を求めることが重要だということ、もしくは地域の商工会議所とうまく話がつけば、個別の企業を1社ずつあたるのではなく、商工会議所と連携するというやり方も有効だと思います。
【山内委員】 経済界については、教えていただきましたように、昨年度から寄附講座など、個々の企業が関心を持って大学と組むという動きは結構あります。また、先ほど田中委員からもお話がありましたが、アドバンスト・エッセンシャルワーカーはとても大事だと思っており、地域や企業にそういう人材を残したいという思いがあります。建設業など、業界単位で組んで、ではどうしていこうかという話も少しずつ出てきています。地場産業など、もともと産業があって、そこから大学にアプローチしていくという動きもありますので、そうした期待はありますし、今回のプラットフォームには非常に関心があると思います。
ただ、地域の大半は非製造業である一方、どうしても製造業からの相談が多くなります。そのため、非製造業の方々がどういうノウハウを持つ人材を求めているのかが、まだ十分に見えていないところがあります。先ほど松村委員からもお話がありましたように、サービス業の高専が欲しいといった様々な要望が各地から寄せられています。地域や企業に人に残ってもらいたいという思いは、今まで以上に強くなっていますので、今回のプラットフォームに、そうした思いを持つ企業体が参加してくれば、その中の人たちがコーディネーターとして参画してくる可能性もあると思います。この辺りは、掘り起こしていくとよいのではないかという気がします。
【大森座長】 ありがとうございます。
【小原特別委員】 よろしいですか、エンゲージメントというお話があったので。我々、エンゲージメントは割と縄張だったり、ちょっとオールドメディアかもしれませんけれども、賃金や労働条件を改善していくというのは、単に生活のためだけではなくて、やはり企業に貢献したい、愛社精神というエンゲージメントという観点もあると思います。
なので、今回の地域の振興の中で言えば、企業に属していますけれども、この地域に貢献したい、この地域に貢献することによって我が企業がよくなるという、そのバランスはそれぞれ、6対4だったり7対3だったり、あっても構わないと思うんですけども、地域をよくしていきたいんだ、それは、前々回の学生さんのプレゼンでもすごく感じた、学生さんやOBの方も、地域やこの学校が好きだから、この取組をやっているというふうに聞こえたので、そういう人たちを、松村先生がおっしゃったように、いっぱい、100%地域に貢献したいじゃなくて、地域に貢献することによって企業に還元させたい人でもいいので、それをたくさんつくっていくということが大事なような気がしていて、そのためにいろいろな、ちょっとだけ経済的な後押しをするとか、そういうことがあるという整理をされたほうがいいのかなと思いましたので、発言させていただきました。
【大森座長】 ありがとうございます。基本的に、小林委員が最初に言った、大学の課題は地域課題だということの認識を、大学側も相当に地域と共有しなきゃいけなくて、まだまだ大学の生き残りのためのプラットフォームじゃないかと。
【辻委員】 そういうふうに企業側から見られている。
【大森座長】 ええ。何でそれを手伝わなきゃないんだと。違うんですよ、この地域の子供たちのためだし、ひいては将来のこの地域の人材育成だし、これ、大学がなくなったら地域は死にますよということの共有があって、初めてモチベーションが出てくるのかなとも思っていて、そこの物語の語り口が、まさにコーディネーターの役割なのかもしれないですね。
私も松永委員にお聞きしたかったのは、さっきすばらしい事例をいただいていて、昨日たまたまSMBCの北関東の次長が来て、その前の日には部長と経済同友会で一緒になったんですけれども、投資といったときに、このプラットフォーム、投資の仕方はお金を出すわけじゃなくて、人を出したり、時間を出したり、いろいろな投資があると思うんですけど、基本的に明確なリターンがないじゃないですか。こういうところに、金融機関はじめ企業さんがそういう括弧つきの投資をするメリットみたいなのって、何でやってくれるんですかと。
それから、今日の事例はすばらしい大学さんなんだけど、地方のこういう小さい大学とかともこういう大きな銀行さんがやったりするのかとか。
【松永特別委員】 まず1点目については、先ほど辻委員からもおっしゃっていただいた、人を出すきっかけとしては、やはり何らか目的やリターンは明確にします。神戸市に出向させていただいていますけども、例えば決済取引があるとか、そういう直截的なところも含めてですし、それに付随して、神戸市などの地域をどうしていくのか、行政の知識を身につけることを目的にやっています。
先ほど来、出ていますように、産業界全体の意見を全部集約できるかというと、必ずしもそうではなく、金融機関として、あらゆるセクターにネットワークがあり、これを活用するというのが一つありますが、企業と大学と行政の、それぞれネットワークを持っていて、つなげるというスーパーマンはあまりいないと思います。企業サイドは分かるものの、行政とか大学をつなぐコーディネーターとしてのサポートをどれだけちゃんとフォローできるかというところが結構大事かなと思います。
その上で、お金を出すにしろ、人を出すに当たっても、明確な目的やリターンは一定整理しないといけない中で地域活性化とか、地方創生というとやや漠然となりがちです。地域構想推進プラットフォームの議論のときにもあったんですけども、各都道府県が産学官金連携して、エッセンシャルワーカーも含めていろいろやっていきますという総花的だと説明しづらいです。例えばの話ですけど、この地域が宇宙産業でエッジを立てます。そのために大学も総出でそういうのをやりますなのか、例えばこの地域は恐竜、あるいは歴史とか、そういったところでやりますとか、特定の研究の領域でエッジを立てますとか、都道府県の中の人材を育成するだけじゃなくて、他県からも呼び寄せて、グローバルでも知名度のある研究分野を打ち立てていきますということがあったりすると、その分野に私たちも人やお金を出して、その産業に貢献するような動きができるんじゃないかとかと思っています。エッジが立っていると、動きやすいところはあります。
人の出向についても、若地域活性化の中で、特に何の領域で地域のためになり、翻って中長期的に見れば、金融機関としても金融としてもビジネスを描けるというものが必要なのかなと思います。
【辻委員】 一点、そのときに、「つなぐ」という言葉はすごく大きなキーワードだと思うんですけれども、その粒度の差はあるにしても、例えば地域経済の地元での就業者数がこれだけいる、大学の卒業生はこれだけいると。人口減少の時間軸の中で、この地元の就業者数を維持していくには、こういう状態になっているよねと。15年後、10年後にこうなりますと。これをデータ、EBPMで示した上で危機感を共有しましょうと。企業のほうも積極的に参加してくださいという、そういうモチベーションの中では、今みたいな話は積極的な参加を望めるという感じですか。
【松永特別委員】 その絵だと思います。人口減少は、ほとんどの都道府県で進みますので、それを食い止めますでは不十分だと思っていて、他県からでも企業を連れてきて、それにひもづいて働く人を呼び寄せる、それが学生なのか、あるいは既に働いている人なのか、そこまで計画を立てて、それでもうまくいかないケースがあるから、その場合の計画もあって初めて現実的な動きにつなげていけると思います。
【辻委員】 ちゃんとデータで示すということですね。
【松永特別委員】 データは一定程度欲しいですね。
【辻委員】 絶対要りますよね。
【松永特別委員】 あとは目標というか、ビジョンというか。
今回のプラットフォームでも、何とか会合を年に何回やりますとか、月次で実施するとか、アウトプット的なものはあるんですけれども、それで地域経済がどうなるか、例えば高校から大学の進学率が、県内でとどまるとして、それがどういうふうに県全体の経済効果につながりますかというところは、若干これは鉛筆の部分もあると思うんですけども、それでもそういったものを描く動きをしていかないと、なかなか説明しづらいかなというのはあります。
【大森座長】 一方で、地域の中でこの取組のメリットを一番享受できるのは、私は経済界なんじゃないかとも思っているんですよ。行政は行政としてやっているわけだし、大学は学生を育てたいしというところで、結局その子たちが地域に定着をして、アドバンスかどうかも含め、別にエッセンシャルワーカーに限らなくていいんだけれどもとなったときに、消費者になったり、働き手になったりというものの、人材を必要としているのは、実は大学や行政じゃなくて経済界なんです。
そういう俯瞰した、うちの会社に勤めないかもしれないけど、将来の地域人材だよねというのは、かなり漠としているという感じもないですか。
【松永特別委員】 それはあり得ると思いますし、今日お話しさせていただいたのも、まさにそういう精神でやっています。企業としての立場は最終的には考えますが、それだけではなく、日本経済だとか、地域経済を発展させなければいけないから、金融機関として金融を超えてもっとできることがあるだろうということで取り組んでいますので、おっしゃるような説明の仕方は十分あると思います。
【大森座長】 なるほど。ありがとうございます。ちょっと自信をもちました。
どうぞ、中村委員。
【中村委員】
その地域で持っている産業とか、あるいは特殊な研究とかというのは、そこに投資していくということもあると思います。一方で、今、50社ぐらい私は県内の企業を訪問させていただいています。高校も含め、高校は30ぐらいですかね。
少子化問題は、少子化になってくると、企業としては人材が少なくなってくるという課題があるんですけども、まだ漠然とされているようななか皆さんの顔色が変わるのは、エッセンシャルワーカーがなくなると困りますよね、と話した時です。企業とか経済の前に、例えば保育士さんとか、幼稚園教諭とか、教師、医師とかというところが、そこの話をすると結構みんな顔色が変わる。そのためには、何か地域、みんなで貢献をしようと。
先ほどおっしゃったように、商工会議所とか、経済団体、経営者協会とか、あるいは同友会とか、ニュービジネスもそうですけど、その代表の方にも話し、企業のトップの方々にそのことを分かってもらうと、いわゆる産業も一方で大事なんだけど、そこを培うためのベースとなるような人材がいなくなってしまうんだというところの危機感を持ってもらうのはすごく大事だなと思っています。そこは、これから説明していかなければならないところだと思っています。
【大森座長】 本当にその地域の中で子供を産み育てられなくなる。年を取れなくなるという問題が、私、今、文部科学省から派遣されるみたいな感じで、厚生労働省のほうの地域における医療従事者の育成の会議に出ているんですけど、さっき小林委員がおっしゃったように、専門学校も非常に大きなプレーヤーなんです。だから、そこが地域だったらつながれるはずなんですよね。なので、私も自分の地域でほかの専門学校さんとか、ほかの大学さんのことをしゃべっているんです。もしものことがあったら大変なことになりますよねみたいなことはあって、だからみんなで支えないとですよねと言っているんですけれども。ありがとうございます。
ほかに。はい。
【松村特別委員】 辻委員にお伺いしたいんですけども、社団法人化しないとなかなかサステーナブルじゃないなと思ってはいます。通常の場合、社団法人となると、会費を何ぼという話になりますけれども、お恥ずかしい話、会費を取るのであればプラットフォームに参加しませんというようなところが多数あるんです。
【辻委員】 そこが一番苦労します。
【松村特別委員】 そこの乗り越え方として、先ほどから御議論いただいているように企業さんのところに、うちに対して、うちの産業界に対してメリットがあるというようなことを示していければ、会費で、今現在取られているのか、それとも、そこはもう会費は広く薄くしておいて、何か特別な事業か何かで集めていったりとか、もしくは寄附金みたいな感じで、うちはすごいメリットを感じているから何百万みたいな感じの、いろいろな形があると思いますが、今はどういう形でやっていますか。
【辻委員】 一般的な会員については10万円いただいています。
それ以外に、まさに先生がおっしゃったみたいに、会費を一定取られると入るのが難しい。例えば中小企業にとって10万円というお金はすごく大きいと。それは立ち上げたときに大分言われまして、そのために賛助会員というのを設けて、これは会費を取っていません。その賛助会員として活動に参加してもらう中で、この活動に参加していただく場合には、会員になってもらう必要があるみたいなところで理解いただいて、徐々に一般会員にステップアップしていただくようなイメージで今はおります。
例えば先ほどのインターンシップであったり、いろいろな事業をやっていく中で、これも参加したいということになれば、一般会員の会費をお願いしますみたいな形になっています。
約120の会員のうち、正会員は半数程度ですが、会費を負担いただいている企業への配慮も必要ですし、自走していくためには事務局経費なども必要ですので、社団法人としての持続的な運営という部分では根幹的には重要になってくると思います。
【松村特別委員】 ありがとうございました。
【大森座長】 結構地元の企業、うちもそうですけど、小さいところにとっては、ここだけじゃないんですよね。うちも、経済同友会、商工会議所、前橋経営者同友会、中小企業家同友会、全部会費を払っているじゃないですか。まちづくり何とか委員会、それからイベントごとの賛助費用。その会費だけで3桁はとっくに行っているので、その中でさらにもう一つといったときに、10万って安いじゃんと思うけど、その10万が何個もあるんですよね。
【辻委員】 企業からすれば、当初は、「大学関係者のための取組ではないか」という受け止めもあり、企業にとっての意義を丁寧に共有していく必要がありました。
【小林特別委員】 ふるさと納税ってあるじゃないですか。あれは、例えば神山まるごと高専というのは、企業版ふるさと納税でかなり賄っているという話もお伺いしたのですけど、そういった地域を支える、幅広く薄くみんなで支援するような、産業界、1社にばーんとかじゃなくてという仕組みって考えられるものなんでしょうか。
【辻委員】 今、実際に神戸市のほうでも、大学応援税制というのがありまして、企業版ふるさと納税で寄附したものを一定大学のほうに流すメニューの中に、そのプラットフォームを入れています。ただ、正直申し上げて、なかなかそこまで集まっていないというのが実情です。PR不足というのももちろんあるんですけど。
そういう意味では、先ほど廣瀬委員からもお話があったように、いろいろな横のつながりみたいなもの、こういうケーススタディーみたいな、情報交換みたいなものをもっとしていかないと、全国的な展開や発展につながりにくいのではないかと思います。多分いろいろな事例があると思いますので。
【小林特別委員】 ありがとうございます。
【大森座長】 ほかに。あと4分ぐらい。
【廣瀬委員】 今回、審査委員会のほうに関わらせていただきまして、応募書類を全部拝見したわけですけども、結果的には、基本県単位で、また、県庁などのコミットメントも明確にあるようなところを中心に採択されたかなと受け止めています。ただ、採択されていないもののなかにも注目しておくべき取り組みはあると、改めて認識しました。たとえば今回のプラットフォームの趣旨とは少し違うという評価ではあったんだけれども、専門性が明確な、そして地域の中で社会的役割を担う人たちを育成しているような大学さんと、地元の市役所などが一体になって、そのエリアの、まさにエッセンシャルワーカーや将来のアドバンスト・エッセンシャルワーカーを連携して育成するんだということに特化したような連携の仕組みで応募されたところがありました。そういう、小さい大学や一つの一般市でも意義があるような形の連携というのはあり得るなと思いました。また県単位でも実態にそぐわない場合もあると感じた例もありました。地域の特性による宿命のようなところもあって名前を挙げるのがふさわしいか少し躊躇もありますが、例えば岐阜県で、東濃地域在住の人が岐阜県の県庁所在地とか、その周辺の大学へ通うよりは、もともと生活圏としても名古屋圏であって名古屋方面に進学することが自然であったり、自宅から通学できていたりする。飛騨地区であれば場合によって富山のほうが近い。そういう地域性を前提としたときに単独の県単位の連携には自ずと限界がある。たとえば、中部圏全体というような広い枠組みがないと、長谷川委員が先ほどおっしゃったように、県というエリアを越えたつながりだけど、一定の地域性、地域のまとまりがあるというところで、戦略的に連携を取れるような仕組みがある程度ないといけないんだろうなと。
学生たちも、県は越えるけれども、多くは広域の中で進学先を選んでいたり、もっと遠距離だけれども日本海沿いに一定の親(ちか)しさを感じる領域で動く傾向があるとか、人の動きに反映されているさまざまな「地域性」の特性がある。次のステップとしては、そんな広域の地域特性を踏まえた上で、県域を越えた連携を有効に機能させるための仕掛けというのが要るんだろうなと思います。とはいえまず今回は、いわば第一段階として、全県一丸となってというところをまず20採択させていただきました。そのなかで、いま申し上げたような課題も見えてきたなと思っています。
【大森座長】 ありがとうございます。私のところにも、他県でも、実は文化圏、経済圏は一緒だよねという他県の大学さんは一緒にできないかというような話とかも来たんだけど、知事って誰を立てるのみたいな話になるとなかなか難しいと。だから、今回はしようがないと。
そういった連携をしたときに、今度は2040年のその地域の人材需要を、カウンターパートは誰と話し合っていったらいいのかというのも、正直まだ見えない。大学同士が連携するのは幾らでもできるんだけれども、どっちの経済同友会とやればいいんでしょうみたいな話がまだあるというところがあって。だから、制度設計をするのはすごく難しいと思うんですけど、そういう場合にはこうみたいな、何かソリューションが見えるといいなというのは実感としても感じています。
ありがとうございました。この会議のいいなと思うのは、事務局対委員じゃなくて、委員同士ですごくいいディスカッションができて、また本当に知見もお互いに出し合っていただいてというところができるというのは、本当にすてきなメンバーに集まっていただいているなと思います。
これからプラットフォームがいよいよ動き出すということで、よくウオッチもしていかなきゃいけないし、来年度に向けてしっかりと、これを拡充する、それからまだ採択されていない県がありますので、そこにもしっかりと目配りをしていく。
そういう意味では、課長にも頑張っていただいて、予算をさらにということを、それが結果としては結論みたいなところがありますけど、今日は、例えばコーディネーターのネットワークの必要性であるとか、育成の必要性とか、あとは企業さんが参画していただくためのインセンティブみたいな議論とか、すごく有意義な議論ができたと思っております。
特別委員の皆さんには、御準備をいただきまして、御発表いただいて、本当にありがとうございました。
議論はここまでというふうにさせていただきたいと思います。
では次回以降の日程等について、事務局から説明をお願いいたします。
【鞠子地域大学振興室長】 本日は活発な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。
委員の皆様、特別委員の皆様におかれましては、本日、時間の都合上御発言できなかった事項等ございましたら、事務局まで御連絡いただければと思います。
次回、第3回会議は秋頃の開催を予定してございますけれども、決まり次第、御連絡させていただきます。
事務局からは以上でございます。
【大森座長】 ありがとうございます。それでは、本日の議事はこれで終了といたします。皆様、本当にありがとうございました。
―― 了 ――
高等教育局大学振興課地域大学振興室