令和7年10月22日(水曜日)10時00分~12時15分
ハイブリッド(対面・Web)開催 ※傍聴はWebのみ
(座長)大森昭生座長
(委員)縣修、田中マキ子、中村和彦、廣瀬克哉、藤岡健、山内清行 各委員
(特別委員)小林浩、髙市邦仁、小原成朗、長谷川知子、松村暢彦 各特別委員
山田尚地域連携コーディネータ、岸本鉄也福井県総務部副部長、木部哲行大分県総務部学事・私学振興課長、廣瀬祐宏大分大学理事(社会連携・コンプライアンス担当)
石橋大学振興課長、石川地域大学振興室長、安井高等教育企画課長、村尾国立大学法人支援課長
林経済産業省経済産業政策局産業人材課課長補佐
【大森座長】 皆様、おはようございます。お集まりいただきましてありがとうございます。定刻となりましたので、第4回の地域大学振興に関する有識者会議を開催したいと思います。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
今日の会議ですけれども、議題1の特別委員との意見交換、及び議題2の地域構想推進プラットフォームの構築について、それぞれ1時間程度ずつ御議論をいただければと思っております。また、残りの時間、議題3の地域大学振興に関する今後の取組等についてということで、事務局からほかの会議の議論も紹介していただきたいと思っております。
半端ですが、12時15分ぐらいまでお時間をいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それではまず事務局から、委員の出席状況と配付資料について確認をお願いいたします。
【石川地域大学振興室長】 本日は7名全員の委員に御参加いただく予定でございます。また、特別委員から、小林委員、髙市委員、小原委員、長谷川委員、松村委員に御出席いただいております。ありがとうございます。
また、議題2で、地域構想推進プラットフォームの構築に関しまして、福井県の皆様、また大分大学、大分県の皆様、そして山梨大学から御参加いただいているところでございます。こちらも大変ありがとうございます。
配付資料は、次第のとおりでございます。また、第3回の会議録につきましても、運営要領に基づきまして、文部科学省のホームページに公開しております。
以上でございます。
【大森座長】 ありがとうございます。
それでは早速、本日の議事に入りたいと思います。本日はまず初めに事務局から議論の整理や概算要求等について概略を説明いただいた後に、特別委員の小林委員、髙市委員、小原委員、長谷川委員、それから松村委員に、地域大学振興に関する取組や御提案等について5分程度ずつ御発表いただいて、その後、全体で25分程度意見交換ができればと思っております。
それでは事務局から、石橋課長、御説明をお願いいたします。
【石橋大学振興課長】 ありがとうございます。資料1に基づいて、ごく簡単に御説明させていただきます。
めくっていただきまして、1ページ目、2ページ目は、既に委員の先生方から御覧いただいた、これまでの議論の整理というところになります。2ページ目の緑の部分を具体化していったというのが今回の概算要求の内容になりまして、その御説明を3ページからさせていただきたいと思います。
今回、大きな予算要求としては2つ考えておりまして、分かりやすいのは4ページ目になるかと思います。まず1つ目が、まさに地域構想推進プラットフォーム構築等推進事業ということで、15億円(新規)で要求をさせていただきました。3年間の10件、1.5億円程度ということで考えておりまして、もちろんこれは概算要求したということなので、これから実際の予算折衝に入っていくわけでございますけれども、地域構想推進プラットフォームの中で、特にコーディネーターとなる方々をしっかりとそこで定着していただけるように、まずはそのスタートとなるような予算を準備させていただいたというところでございます。
具体的な取組は、この会議の中でもいろいろと御指摘いただいたようなところで、人材需要などをきちんと見ながら、高校などとも連携をして、しっかりと大学がカリキュラムの変革などをしていくようなものであったりとか、また、エッセンシャルワーカーが不足してくるというような御議論もございますので、このようなところをどうしていくのか、また、地元の企業や金融機関の方々と新産業の創出など、こういうこともあるかなと思っておりまして、これまでの大学間のみの連携というよりは、もっと広い形で、特にその地域のこれからというものを描いていただきながら具体の取組に入っていっていただくような取組を応援したいなと思っているところでございます。
次のページは、地域構想推進プラットフォームのイメージですので、飛ばしていただきまして、6ページ目になりますけれども、もう一つは、都市と地方の連携を通じた国内留学等の促進ということで、会議の中でも複数の大学から具体例をお示しいただきましたけれども、その中で特に、政権は変わりましたが、関係人口・交流人口ということが重要じゃないかということがキーワード化されてきておりましたので、学生のうちからこういう形で都市部の大学から地方部に行くことで、学生ももちろん成長していただきますけれども、地方においてもそういう若い方々との交流の中で新たな発展を見つけていただければということで、これも10億円ということになりますが、3年間の10件、1億円程度ということで考えたいなと思っております。
7ページ、8ページ目は、我々がこれを普及展開していくなり実証研究をしていくなりということで考えておりますので、小規模ですが予算要求をしているという御紹介でございます。
それから9ページ目が、アクセス特例ということで、これもプランの整理の中でお出しくださいました大学設置基準の規定の見直し、アクセスを確保しなければいけないというような大学・短大などがほかの大学と連携しやすくするような特例も設けさせていただくということで、調整を進めているというところでございます。
ごく簡単でございますが、私からの説明は以上でございます。
本日議論いただきたい論点は、13ページを御覧いただければと思います。今日まさにこの後、特別委員の先生方から御発言をいただいていくところでございますが、やはり地域構想推進プラットフォームの構築というところで考えますと、その取組の具体的な内容とか、コーディネーターの属性・役割、支援策など、こういうところについてぜひアドバイスをいただけますと、この後、実際の事業の具体化において非常にありがたいかなと思っております。
また、大学間連携による地域アクセス確保の取組への支援ということでございますけども、特例の活用、先ほど簡単に御説明いたしましたが、その観点においても、どういうふうな連携が必要かということについても御議論いただければと思います。
また、都市部大学と地方大学の連携促進と、あと自治体との連携促進ということでも、具体的な学内の体制であったり、特に都市部の大学がどう地方に送り出していけるかというところで、何かこういう観点が大事かということがありましたら、またアドバイスをいただければと思っております。
あと、大学等連携推進法人制度についても、これまでの単位互換等々を超えて、さらに事務の共同なり産学連携なりを進めていければと思っておりますので、この4点に関して、具体的なアドバイスを今日いただければありがたいと思っております。
御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【大森座長】 ありがとうございます。
それでは続きまして、早速ですけれども、特別委員の皆様からの御意見を頂戴したいと思います。お一人、5分という限られた時間ですけれども、よろしくお願いいたします。
では初めに、小林特別委員からお願いできますでしょうか。よろしくお願いします。
【小林特別委員】 御説明ありがとうございました。
まず、ここまでまとめていただきまして、ありがとうございました。
簡単に意見をまとめさせていただきましたので、共有させていただきます。
まず、ここについては言うまでもないんですが、人口減少は、未来を予測するのが難しい中で、ピーター・ドラッカーの言う「既に起こった未来」ということで18年先まで分かっているものなので、そこからバックキャストで思考して、従来とは異なる非連続的な改革を進めていくという観点で、非常に重要なポイントだと思っています。特に大学の空白地帯を生じさせないように、地域の知の拠点としてどのように大学を活用していくかという視点が重要になってくると思っております。
地域構想推進プラットフォームについては、4点ほど記させていただきました。御説明の中にあったこともあるのですが、改めてポイントを整理しております。
1つ目が、役割についてですが、大きく2つの役割を期待したいと思っております。先ほど御紹介にもありましたが、地域社会に必要不可欠と言われるエッセンシャルワーカーの人材需要を、人口動態とかを見ながらシミュレーションしていくことが重要になってきます。もう一つは、エッセンシャルワーカーが地域に不可欠な必要人材であるとすれば、地域の発展を支えていくような基幹産業というのが、私は全国を回っているのですが、なかなか明確になっていない地域もあって、そういったところの基幹産業をどのように想定して必要な人材を育成するかを考える役割、この2点を期待したいと思っております。
次に、概算要求の中を見たときに、高大連携とか接続の話はあるんですが、社会人の話があまりなかったんですね。どんどん時代が変わっていく中で、社会に出てから学び直す、学び重ねていくということが非常に重要になってきています。
産業構造が大きく変化する中で、地域の企業と自治体等と連携しながら、そこで働く方々に対しての再教育、特にリスキリングですね、企業等が中心となって派遣して、大学等で高度な知識を身につけて、さらに違う高度な部署で働くというような形のことがこのプラットフォームを活用してできるといいかなと思いました。
3つ目として、これは高大連携・接続のところになるんですが、今、国は、文理融合とか理系人材をどんどん増やそうということで、理系の学部をどんどんつくっていますが、実は高校がそれについていけていないということです。全体の3分の2の高校、6割以上の高校が受験対策として文理選択を行っていて、これが高校1年生のときに文系か理系かを選択するということになっています。母集団がいないなかで、せっかく理系の学部をつくっても全然集まらないというような大学が増えています。
ですので、地域の中でどのような人材が必要なのか、そのためにはどのようなことを学んできてほしいのかということをプラットフォームできちんと決めながら、高大連携・接続を進める中で、きちんとメッセージを出していっていただけるといいかなと思っております。
そして、先ほども話題になりましたコーディネーターの役割ですが、前回私も参加したときに、コーディネーターという言葉はあるものの、なかなか定義がまだ明確ではないということがあったように思います。
今、コーディネーターの役割がすごく重要だと思いますので、経済産業省とかでも地域連携コーディネーター等を育成しているというのがありますので、省庁の壁を越えて、先行事例を生かすような取組をしていただきたいと思っております。
あと、地域連携プラットフォーム、なかなか機能していないところが多いというのは、そこを担う人材不足というところと、金の切れ目が縁の切れ目になっている部分もあって、なかなか運営面のファンディングというところで御苦労されているところもあると思います。
そうしたプラットフォームにお金がつくような形を整備して、あるいは企業版ふるさと納税みたいな形の、新たな形式みたいなものをうまくつくっていきながら、継続的にこの活動が動くような仕組みづくりを期待したいと思っております。以上が地域構想推進プラットフォームについてです。
次が国内留学ですが、今私は北海道に来ているんですが、国内留学の話をすると、皆さんすごく興味を持っていただいております。高校では今、非常に盛んになっていまして、必ずしも首都圏にいるから皆さんハッピーということではないという学生や生徒もたくさんいらっしゃいますので、これはすごく期待されています。
その中で、幾つか意見をいただいていますので、2つほど御紹介したいと思います。
1つは、今、スキームでは、都市と地方という2拠点間での交流を想定しているようですが、3拠点での交流はできないかという御質問をいただきました。例えば東京と北海道と九州とか、そういった3拠点で連携を結んで行き来できるような仕組みができないかと。こういったこともいただいております。
もう一つが、住居費の負担です。特に東京と地方でこういった国内留学をするときに、地方に行くときは住居費を割と賄えるんですが、東京に来たときに、家賃が高過ぎて、なかなかこれがうまくいかない、希望者が出ないというようなことがあるそうです。ですので、家賃補助や、現在あるいろいろな寮などを活用できるような仕組みができるといいかなと考えております。
あとは、やはり地域の大学振興は非常に重要だと思います。2000年代の頭ぐらいには、アメリカの州立大学は地域社会のつながりの中で発展するEngaged Universityという提言を出しています。緩やかな大学の機能分化というところもあると思いますので、そういった形で、地域の中核となる大学は、ぜひ地域を支える大学としてのミッション・ビジョンを明確にして、地域社会に向けた情報発信をより強化していただきたいと考えております。
簡単ですが、以上になります。
【大森座長】 ありがとうございます。
続きまして、髙市特別委員、お願いいたします。
【髙市特別委員】 おはようございます。三井住友フィナンシャルグループの髙市でございます。
本日は、これまでの議論とかぶる部分もあろうかと思いますけれども、大学との間に限らず、日頃、地域や地方に向き合う、あるいは産学連携で大学とお付き合いする時に、どういう場合に案件が具体的に進んでいるのかということと、コーディネーターの議論も念頭に置きながら、こういう人材の配置や活躍があれば形になっていくんじゃないかと。そういう前提となるような施策、案件の事例についてお示しをしていきたいと思います。
まず、1ページです。先ほど小林特別委員からもありましたが、コーディネーターについて、これは第2回の時にも申し上げましたが、地域あるいは大学、産業、あらゆるステークホルダーが互いの言語を理解するという、これが一つの大きな前提になると思います。コーディネーターが、先ほどもありましたけれども、コーディネートするのみなのか、主導して議論、結論まで導出する人なのか、そういう定義づけが必要という議論、そのとおりだと思っておりますけれども、少なくとも言語の理解というのは前提になると思います。
また、2点目ですが、その人に推進力、要すれば能力のある人じゃないといけませんし、リレーションをつくって、同じ思いの人々を探して、集めて、意見を調整して、最後、思いを持ってやり抜いてもらわないといけないということだと思います。
ただ、そういう人はそうそう全国にいらっしゃるわけではないと思いますので、何か特定の分野・領域に秀でた人がそれをお互いに補う人を連れてきて頑張るのか、あるいは、進めていくために十分な体制・枠組みを敷いて連携していくという、実務上の工夫というものが少なくとも必要になってくると思います。
言わば、後者はコーディネーター集団とも言えるような、補完でき合うような体制、そういったものが必要だと思いますし、その中では、自治体、地域のシンクタンクといったところと既存の団体との連携、そういったことも良いかと考えているところです。
一方、右側ですが、各地域での良い取組や、そこでたまってきている知見・ノウハウの地域横断的かつ大学横断的な共有と連携がされることがマストだと理解しています。
これも第2回のときに、どの地域も事情がまちまちで、なかなか一括りにするのは難しいという意見を申し上げたので、一見それと矛盾するかのように聞こえるかもしれませんが、こうしたプラットフォームの全国版といいますか、事例・ノウハウを一般化したり標準化したり、あるいは共有するための場所づくりのようなものも必要ではないかと捉えているところです。
2ページは前回の資料なので飛ばさせていただきまして、3ページから、今日お持ちしたのは、大学との連携に限った話ではないですが、冒頭申し上げました通り、幾つかの具体化された、弊社で進めております地域、地方の案件の概要とポイントを申し上げていきたいと思います。必ずしも大学が登場しない事例もありますので、そこは御容赦いただければと思います。
まず、3ページですが、兵庫県神戸市の事例です。中身は御覧いただければと思いますが、経緯としては、銀行の或るOBの方から銀行の担当者が紹介を受けて、何とかしてほしいと。それが発端です。担当者自身は何も知らないところから、足で稼いでいろいろな人と交流して、神戸市の皆様ともリレーションをつくって、特にその担当者、自分自身が定例会議を主宰するようなところまでやって、1つの実証プロジェクトを実現に導いた事例になります。
要すれば、きっかけはその人自身ではなかったのですが、熱量と配慮の肌理細かさを持った人間が、逆に遠慮なくずけずけと現場に入り込んでいって、何かやれるかもという雰囲気を醸成するということで、導入に導いた事例です。
次のページをお願いします。この事例に大学は出てこないのですが、熊本県の事例です。これは、弊行の富裕層のお客様を相手にしておりますプライベートバンカーである担当者が、ある企業オーナーのお客様から、地元である産山村を何とかしてほしい、サポートしてほしいということで、その思いを御紹介・御相談いただいて案件化した事例です。
ポイントは、お客様の思い、要は地元に対する思いを何とか形にしたいと、銀行員が社内外のステークホルダーと掛け合いながら、重要な案件を1人で形にまで持っていったと。これはどちらかというと推進力の賜物という事例になります。
今、3ページ・4ページで御紹介した2つは、推進者本人の発意ではなかったということです。むしろほかの人からお願いされたということですが、それを1人の担当者がハブになって、推進力を伴って、最後、プレスリリースまで持っていった事例になります。
こういうことができる人はそうそういないということで、次の5ページになります。これは第2回のときにも御紹介申し上げた、弊行で取組んでおりますSMBCと京都大学との「SMBC京大スタジオ」の事例になります。これは必ずしもそこでやっている研究テーマが地域とか地方に限定されている訳ではないのですが、あくまで御参考です。
ここでやっていることは一つの方法かなと思っていまして、つまり、SMBCグループのスタッフが京都大学に常駐し、そこで京大の先生方と議論し合いながら、即ち、大学の外の人間が大学の中に入っていって一緒に議論することで、大学がハブではあるけれども、大学の中に入っていった他の人間が共同研究・共同発信のアイデアを形にするということができています。
その銀行等からの出向者が、今度は銀行、さらに外にいらっしゃる企業、お客様と直接つながって、研究や社会実装まで結びつけていくような、リレーションというところで我々が貢献しているということです。
もちろん資金面で、研究資金の貢献は弊社で別途させていただいていますが、それよりも、民間企業の専従者が、場所を変えて、大学の研究者と目線を合わせながら取り組んでいるという点が、これからの地域共創にも必ず生きてくる観点ではないかと考えて、一例として御紹介申し上げました。
私からは以上になります。
【大森座長】 ありがとうございます。
続きまして、小原委員、お願いいたします。
【小原特別委員】 ただいま御紹介いただきました連合の小原です。発言の機会をいただきましてありがとうございます。
連合は、労働組合のナショナルセンターであり、「働くことを軸とする安心社会」を目指して政策制度要求をしています。本日も働く者、生活者の立場から意見を申し上げます。
資料の2ページを御覧ください。連合は、「働くこと」に最も重要な価値を置き、社会的・経済的に自立することを軸に、互いに認め合う「働くことを軸とする安心社会」の実現を目指しています。
その実現に向けて、5つの「安心の橋」の整備を中心とした政策パッケージを策定しており、橋の1つが、赤囲みをしてございますけれども、「学ぶことと働くことをつなぐ橋」です。本日はこの中から、「すべての子どもたちに学ぶ機会の保障」、「学ぶ場から働く場への円滑な移行のための環境の整備」を中心にお話をいたします。
3ページを御覧ください。連合が求める「リカレント教育・人材育成」の全体像です。学びたいときに学べる環境や技術革新を見据えた人材育成を目指し、企業にはプログラム作成・実施への協力、大学には社会人や企業などのニーズの反映、教育プログラムの充実・つながりを求めてございます。
4ページを御覧ください。経済産業省の資料から抜粋させていただいております。地域大学振興プランが射程とする2040年には、労働需要と労働供給に、職種間・学歴間によってミスマッチが発生するリスクがあることから、戦略的な人材育成が必要と指摘してございます。特に、先ほどもありましたけれども、技術系や理系の不足が指摘されていると理解してございます。
5ページを御覧ください。こちらも経済産業省の資料から抜粋させていただいております。現在、全国各地域で、技術革新や成長が見込まれる分野への投資が行われております。企業や大学などがこうした動きを捉えながら、地域と産業の特性を踏まえて将来を見据え、人材育成に取り組むことによって、産業の活性化、雇用の創出、地域創生にもつながると考えます。
同時に、教育にアクセスする上での壁を解消することも不可欠です。
6ページを御覧ください。社会人の学びについてです。文部科学省の調査によりますと、費用と時間の問題という壁があることが分かります。壁の解消には、例えば人材開発支援助成金の拡充・活用、働きながら学べるようなカリキュラムの編成やオンライン講座の充実などが求められます。
7ページを御覧ください。子どもの学びについてです。日本の高等教育の財政支援は、OECD平均を下回り、G7で最下位。一方で、国立大学の授業料は、データ入手可能なOECD諸国の中ではアメリカに次いで高額ということです。
8ページ左のグラフを御覧ください。こちら、もう御覧になっている資料かと思いますけれども、子どもが育った世帯の違いに着目して大学進学率を比較すると、ひとり親家庭、生活保護世帯、児童養護施設の子どもの進学率は、全国平均よりも30ポイント以上低くなっています。この格差の背景には経済面の課題があることが推察され、経済的な環境に関わらず、全ての子どもが学びたいことを学べるようにする必要があると思います。
最後に9ページで、令和8年度地域大学振興プランへの期待をまとめてございます。全体的・基本的な考え方として、連合が目指す「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けた、「学ぶことと働くことをつなぐ」施策・プランにしていただきたいと思ってございます。
具体的には、先ほどもありましたけれども、地域の産業・企業実態を熟知した労使の地域構想推進プラットフォームへの参画により、社会人・企業のニーズや技術革新を見据えた人材育成などについて検討・推進をいただきたいと思います。
併せて、子どもたちが働くイメージを持ち、必要となる知識やスキルなどを考慮して進路を検討できるように、高校などとの連携をしていただければと思います。そうすることによって、このような学びをしたのではミスマッチですというふうに就職する際に言われることを防ぐこともできますし、入学する際のミスマッチも防ぐことができると思います。話は少し飛躍するかもしれませんけれども、理工学部に入学する女性の増加も期待できるのではないかと考えてございます。
また、プラットフォームでは、社会人の学び直しや人材育成に向けた費用と時間の壁解消、これは企業にも大学にも御協力をお願いしたいと思います。
全ての子どもが学びたいことを学べるような費用面での支援充実などについても検討・推進をいただければと思います。
御説明は以上です。ありがとうございました。
【大森座長】 ありがとうございます。
続きまして、長谷川委員、お願いいたします。
【長谷川特別委員】 ありがとうございます。経団連の長谷川です。口頭で御説明させていただきます。
昨年度公表された文部科学省のアンケート調査を見ますと、全国で様々なテーマで273もの地域連携プラットフォームがすでに形成されているということであり、そこには、複数の大学、地方公共団体、企業などが参加しており、関係者の連携・構築づくりは着実に進んできていると存じます。
一方で、広域的な視点での連携が今後の課題と考えております。前回もご説明しましたが、経団連では昨年末に「FUTURE DESIGN 2040」を発表しました。また、都道府県の壁を越えた広域的な圏域、私たちはこれを「道州圏域」と呼んでいますが、こうした広域圏における連携の強化が重要だと考えています。
今後構築される地域構想推進プラットフォームにおいては、第一に、広域的な戦略を描くこと。それから第二といたしまして、そういう広域的な構想推進プラットフォームにおいて、誰が権限を持ってプラットフォームを推進し、また、ほかのプラットフォームとの調整を行うのかといった、リーダーシップの担い手の明確化。それから第三に、コーディネーターの役割の明確化が実効性の鍵になると考えております。
このコーディネーターの役割の明確化につきましては、先ほど小林委員からも御発言ございましたが、経済産業省の地域連携コーディネーターもございますし、文部科学省でも教育連携コーディネーターといった制度を以前にもやっていらっしゃったかと思いますので、過去のケースも参考にしながら、現在の政府の補助金による助成期間が終わった後も、コーディネーターが自立・自走できるようにすることで、コーディネーターが一つのキャリアとして確立し、定着するようにすることが重要と考えております。
この3点が、地域構想推進プラットフォームが今後実効的に機能するための鍵になると考えますので、検討をお願いしたいと思います。それによりまして、地域の高等教育へのアクセス確保と人材育成の在り方を踏まえた取組ができるようになると考えます。
また、当該プラットフォームの当事者が広域的な戦略を描くためには、まず第一に、参加している自治体において、各地域の強みと、成長産業を踏まえ、地域の成長を支える人材像を検討されることが重要ですけれども、それに加えまして、国も、地域ごとの人材需要の数字を提供しながら支援していくことも必要であるかと存じます。
先ほども御紹介ございましたが、経済産業省のほうで2040年の産業構造の地域別データをはじめ、国が地域ごとの人材需要に対して何をどのように提供するのかということについて、その体制についても検討していただきたいと考えております。
それからさらに、広域的な戦略を策定したプラットフォームを対象に、具体的なプロジェクトごとに国が交付金などで後押しすることで取組が一層広がっていくのではないかと考えます。
この関連では、現在、広域リージョン連携の支援制度が提案されておりまして、この制度によりますと、支援対象は、都道府県などの自治体と、経済団体等による官民連携型の構成体を想定されており、「広域リージョン連携宣言」を行った構成体に対して、具体的な事業ごとに政府が交付金や補助金、規制緩和等で支援をするとされており、こういった取組が一層広がっていくことを期待しております。
経団連では、地域産業と社会基盤を支えるために必要な人材育成に向けて、産業政策と教育政策を連動させた広域的な戦略の下で、いわゆる全国一律型の取組ではなくて、各地域の創意工夫や広域地域のプラットフォーム間の競争、それから切磋琢磨によって、よりイノベーティブな取組が進むことを期待しております。
以上です。
【大森座長】 ありがとうございます。
それでは、松村委員、お願いいたします。
【松村特別委員】 それでは、愛媛大学社会共創学部の松村から、これまでのコーディネーターの実践の経験についてお話をできればと思っております。
まず1ページ目ですけれども、それぞれの人材育成像というのを考えたときに、4分類できるだろうと。今回についてはこれを地続きで考えなければいけないのではないかというようなことです。一見、絞ると効率性が上がるような感じはしますけれども、そうではなくて、むしろ効率性を下げたり創造性を下げたりするようなことになりかねないんじゃないかなということです。
社会共創学部においても、第3象限の地域定着人材というところを主に考えながら人材育成を行ってきたわけです。2ページを御覧いただきますと、これは愛媛県内の就職率の推移を表しております。社会共創学部が青で、その他の学部が黒です。これに着目すると、大卒の求人倍率の影響を受けるんですけれども、それ以上に、コロナの流行1年目のところが極端に下がっています。つまり、彼らは4年間ほとんど地域に出ることなく卒業したような学生ですので、そういうことを考えると、1年生・2年生の頃から地域に入って実践教育プログラムを経験することが地域定着につながるというような、実証といいましょうか、図らずもこういうふうなことになっているということです。
続いて、次のページに移っていただきますと、我々の学部は、地域・ステークホルダーと連携したような教育プロジェクトを、70団体以上と協働しながら、年に50以上生み出しております。例えば左の写真のように、高校と連携しながら、探究の時間でルールづくりを考えたりとか、こういうふうなことをしているわけですけれども、今年、10周年記念事業をしたんですが、360名の地域のステークホルダーの方や、それから高校生を招いて、「えひめのみらい」を考えるワークショップをしました。こういった取組ができたというのも、これまでの10年間の蓄積なのかなと思っております。
続いてのページですが、こちらは、どのようにコーディネートをやっているのかというところです。プロジェクトのテーマで、地域と人を、ステークホルダーですね、コーディネートするような役割を、大学の地域協働センター南予のそういうような機能を使っております。こちらのセンター長は私が兼務しているんですけども、こういうことを行うことによって、若い教員も地域とつながることができるような機能を持っています。
そうした結果、次のページに行きますと、新たな社会サービスを創出するという人材も生まれつつあって、学生や大学主体でこのような活動組織を創出して、地域に継続的に働きかけるというようなことが起こっております。
続いてのページですが、こちらは高度専門人材に着目したところです。紙産業イノベーションセンターというのが社会共創学部の関連するようなところがありまして、四国中央市というのは紙産業の基幹産業の地になっています。こちらのように、県の技術センターと協力しながら人材育成を行っているということと同時に、次のページに行っていただきますと、地域産業のニーズを捉えるということで、愛媛大学のほうでは地域産業特化型研究センターというくくりを設けておりますけれども、その中の一つの紙産業イノベーションセンターが、教育のニーズを捉えながらでも、右下にありますように、イノベーションの技術を権利化していくというような研究面でも、新しい人材育成に貢献している例になります。
続きまして、次のページです。同様に、愛媛県は水産大国でもあります。漁獲高の販売高になりますと、北海道に次ぐ第2位というような場所になるんですけれども、南予水産研究センターというところでは、レジデント型の教育・研究プログラムを、実績を積み重ねながら行ってきております。高校生の実習の受入れであったりとか、地域と連携したような教育活動といったことを現地で行っております。
次のページに行っていただきますと、このような形で、南水研で、地域のステークホルダーの信頼を形成しながら、地域のニーズを捉えて実践しています。こういったことをやることによって、この場所は愛媛県の最南端のまちですけれども、これまで約20名が就職しているというような結果になっています。
次のページ、こちらはスマの完全養殖の技術開発を地域と連携しながらやっていくと。こういったことに学生のプロジェクトなんかも関係してきているということになります。
そして次のページが、我々が考えますのは、プラットフォームというのは会議体ではなくて実践協働体であるというふうに強く思っております。レベル0、-1というのは論外だと思いますけれども、各主体が協働して活動しようと思うと、確かにコーディネーターというのは必要になってくると思います。ただ、我々の経験からいうと、単なるコーディネーターではなくて、場所ですね、レジデント型ということによって、圧倒的な人材の知識量であったりとか、それから信頼を形成しないと、協働したプロジェクトというのは生まれないし、多目的な活動というのも生まれないと思っております。
今後さらにということを考えていくと、コーディネーターという方に任せるのではなくて、個人個人がコーディネートしていくような形で、自己組織化を目指すべきなのではないかと思っておりまして、そうなると、さらなる多様性ということが期待されます。
次のページに行きますと、現在、松山市のコアのところでは、NTTであったり、愛媛県庁であったり、松山市、それから伊予銀行のほうで、庁舎の改編というので、協働空間をそれぞれつくられるというので、現在調整をしております。こういったところで、大学だけではなくて、県、市、それから産業界で様々なプロジェクトを立ち上げられていますので、こういったところに学生なんかが入りながら一緒に活動していくようなこと、さらには、その活動のプロセスそのものを公開していくようなことも必要なのではないかということを現在考えているところです。
最後、まとめということで、今日お話ししたようなことを頭書きにしております。
以上になります。
【大森座長】 ありがとうございます。
それぞれの委員の皆さんから大変有意義な御発表をいただいたところです。
ここから、25分ぐらい時間をとりまして、皆さんと意見交換をしていきたいと思います。今の御発表に対する御質問とかでも結構ですし、特別委員同士でのディスカッションも当然あっていいと思いますしということで、御質問や御意見をいただければと思います。どなたからでも結構です。どなたかが口火を切っていただけるとありがたいなと思いますが、いかがでしょうか。
じゃあ、ちょっと皆さんお考えいただいている間に私のほうから、小林委員と長谷川委員と、産業界の視点からも御意見をいただいたかなと思っていて、プラットフォームとか、広域なのか狭域なのかというのはもちろんこれから議論しなきゃいけないし、その両方なのかもしれないんですけれども、そのベースとして、小林委員からもあったように、基幹産業をその地域でちゃんと見定めながら、今後の学びの在り方を議論すべきじゃないかということで、長谷川委員からも2040年の広域的な圏域における連携の強化が発表されているのでというお話がありました。
これはまさにそうだなと思いつつ、大学の立場とすると、ちょっとびびるところがあるというか、これからこっちで行くんだよねという確認で、それに合わせて学部や学科をつくったら、そう行かなかったみたいな。既存の基幹産業が明確になっている地域であれば、それを強化するという意味では、まさにさっきの愛媛の紙産業のところもそうだと思うんですけれども、それはすごくあれなんですが、これからうちの県はとかこの域はこっちだよねということでそこに加わっていく、あるいはその産業がこの目まぐるしい時代の中で変わっていくということもあったときに、多分大学のいろいろな学部学科の改編みたいなスピードって、そのスピードにはちょっと合わないプロセスが求められていると思うんですね。
それから、専門家を集めちゃって違う学部をつくっても、じゃあそっちにその人たちをシフトしましょうってできないのが大学なので、専門家集団なのでというところもあって、その辺り、何かアイデアというか、いやいや、そういうことじゃなくてこうなんだみたいなヒントがもしあったらいかがでしょうかということですが、小林委員、いかがですか。
【小林特別委員】 ありがとうございます。その御懸念はもっともだと思います。大学からすると、企業の朝令暮改みたいな形はなかなかついていけないよという御意見があるのも理解していますが、私はメガトレンドと言っているんですけど、大きなトレンドみたいなものはあると思っていまして、そこに対して地域でどこに注力していくのかというのは、ある程度、地域の資源。リソースとともに考えていく必要があるのではないかなと思います。
ただ、今、大森先生がおっしゃったように、1つに絞るのではなくて、ある程度こういった領域を複数持っていくというようなことが考えられるのではないかと思います。紙というふうに愛媛みたいに決めるだけじゃなくて、紙と漁業と何かとか、3つぐらい重点ポイントを決めて、ある程度そこを推進していくという決め方があるのかなと。
多分専門家を集めるというのも、各大学では難しいと思いますので、こういうときほどこの地域構想推進プラットフォームの中にそういった研究所みたいなものをつくって、そこに先生方にいらしていただいて、そこに基幹教員みたいな形で、クロスアポイントみたいな形で先生方を入れていくような、既存の大学の仕組みではなくて、地域でそういった産業を育てていくための教育の仕組みというのも、研究とともにやっていくというのがあり得るんじゃないかと思います。
【大森座長】 なるほど、ありがとうございます。それはちょっと考えていなかったけれども、なるほどです。ありがとうございます。
【小林特別委員】 教教分離のような考え方ですよね。なので、先生方はそういうところに研究所を置きながら、大学のほうでいうのは、あり得るやり方なのではないかと考えております。
【大森座長】 なるほど。ありがとうございます。
長谷川委員、いかがですか。
【長谷川特別委員】 そうですね、大森先生のおっしゃることはごもっともだと思うのですが、例えば、東北地域や北陸地域では、地域の大学と北陸経済団体連合会、東北経済団体連合会といった地域経済団体とが一緒になって、まさに地域の成長産業は何かを検討されています。
それはどちらかいうと広域リージョンの話ですけれども、各地域で、商工会議所なり、大学、あとアカデミアの方々が集まって、地域の今後の成長産業は何か、何にしたいかという自分たちの意思もあると思うので、何にしたい、うちの地域は何で成長したいのかということを考えられるというのも一つアイデアじゃないかと思います。また、先ほど私が述べたように、もちろんそこに国が支援するというのもあって、国の研究所なり、経済産業省なりですね、今後の地域別の人材需要とか、日本経済全体として、それぞれの地域が何を成長産業や基幹産業としていくのかについて、国がビジョンを示すというのももちろんあると思いますので、国の支援も必要だとは思っています。
それとはまた別に、さきほど文理融合等のお話もありましたが、地域と関係なく、生成AIですとかDXのリテラシーは、今後、どの地域にいようと必要となる能力ですので、そういったものについては大学等でも、きちんと身につくようなカリキュラムを組んでいくということも重要であると思います。
【大森座長】 ありがとうございます。まさにどの地域にあっても絶対必要だよねというところが、その地域に例えば学べる機関がないみたいなことになればすごく分かりやすくて、あるいは、どこか一つの大学ではそれが学べるんだけど、ほかでは学べないとか、高校で学べていないとか、じゃあその大学の学べる領域がまさに連携してという、それは本当にそのとおりだなと思います。ありがとうございます。
さて、ほかにいかがでしょうか。
田中先生、お願いします。
【田中委員】 髙市委員に聞きたいと思うんですけれども、コーディネーターで、今、私どももいろいろ考えているんですが、例えば大学と大学のコーディネーターなら、A大学からB大学からコーディネーターが出てくるとか、あと、それを地域とか自治体とかに広げていこうと思うと、地域のことが分かるコーディネーター、自治体のことが分かるコーディネーターとなると、コーディネーターが多数出てくるんですね。それは無駄だから、もっと効率的に、1人のコーディネーターがぐるぐる回ったらいいじゃないかと考えていたんですけど、それは無理だと。経験値も違うし、多様性が高いので、1人のコーディネーターに任せるのは無理であるし、仮に任せられたとしても、成果としてはどこまで見込めるのかという話になります。そうすると、多くのコーディネーターが必要になってくるわけですね。
そうすると、力のある方とそうでない方とか、あるいはいろいろな経験があるなしで、求める成果が異なることになります。そうした中に、今ここで兵庫の例や熊本の例があるんですが、そこには銀行員の方の熱意とか思いがあって成功した、でも、その思い・熱意が可視化され、普遍化され、共通的な要素として抽出できて、それを体制とか仕組みとして構築していかなければ、なかなか全国を展開したときに成功に導けないと思うんですけども、そういう熱意とか思いとかやり方を可視化するとか共通的に出せるところまで、今、行っているんでしょうか。それとも、そういう取組をされているんでしょうか。
【髙市特別委員】 ありがとうございます。基本的には、先ほどの神戸や熊本の事例は、属人的な域を出ていないと思っています。ただし、あるとすれば、特に神戸の事例では、地元の企業様、あるいは神戸できちんと事業をされていらっしゃる全国規模の企業様と連携しながら、そこに神戸市さんが主体的に入っておられて、意見を出し合いながら、最大公約数、つまり、これは大事だねという共通項だけはぶらさずに、何を出せるのかということをそれぞれの立場で出し合いながら、アイデアをぶつけ合って一つの形にしていくという取組をしています。
そこにきちんと大学に最初から入っていただくと。大学を拠点とする必要性は必ずしもないとは思いますが、必ず大学のどなたか入っていただいて、きちんとその議論の中に入っていただいて、大学としての寄与をしていただくことが必要だと思っています。できるだけその共通項となり得るような、それをコーディネーターと呼ぶかどうかは別ですがある程度関心の高い人がそこにまず入っておくと。その中で、議論していく過程で濃淡、関与度合い、主体性、そういったものはおのずと出てくると思いますので、そこからは、その濃淡の濃の人たちが主体となって、自治体、大学と協議しながらつくっていくということで、まずはある程度の母集団、即ち、そういった人たちの集まりをつくっていくというのは必要なんじゃないかなと思っているところです。
【田中委員】 それでは、メンバーのセレクションと意思決定プロセス、プロセスの行程を可視化できるというか、フォーメーションできると。
【髙市特別委員】 おっしゃるとおりですね。
【田中委員】 安定的な地域コーディネートができる可能性はあるということですね。
【髙市特別委員】 あると思います。神戸の事例でも、恐らく属人的に、この企業さんが入っていただけるといいかなというレベル感でお呼び、お誘いし、一緒にやろうということであると思っておりまして、まだそういう域を出ていないと思いますので、そこを標準化したり一般化するようなことができると、もしかしたら参考になるかもしれないとは思います。
【田中委員】 ありがとうございます。
【大森座長】 一方で、地域づくりはなかなか標準化して横展開するもんじゃないという専門家の意見もありますけれどもね。
【髙市特別委員】 そうですね。可能性はあるとは思います。
【大森座長】 ありがとうございます。
どうぞ。
【山内委員】 日本商工会議所の山内でございます。
今、さまざまな地域を訪問しておりまして、北陸に先々週訪問いたしました。福井、富山、石川では、非常にうまく連携して取り組んでいると感じており、実際に個別の大学に行き、コーディネーターが非常に重要だと改めて思いました。ぜひ小林様をはじめ、専門の方に教えていただきたいのですが、産業界に強く、ビジネスに近いようなコーディネーターがいる大学と、学校側のことに詳しくて、学校側からこういうことができますよと企業に訪問していくようなスタンスをとっている大学。行政と組んで、行政はこういうことをしたいですと課題を解決したい大学など様々あると思いますが、訪問してみますと、やはりそれぞれに若干欠けている視点があると思いました。それぞれ強み・弱みがあるかと思いますが、コーディネーターの方々がプラットフォームに入り、地域の商工会議所や経済界の人たちが入り、さまざまな話をする中で収れんされ、地域としてこういう人材が必要ですよねとか、こういうスキルが必要ですよねというのが出てくると思います。コーディネーターを見ていますと、産業界に寄っている人、学校側に寄っている人、そして行政に寄っている人の3種類ぐらいいると考えており、それらをどういう形で考えていったらいいのかをアドバイスをいただきたいです。また、ここは必要だというところの基準ができてきたら、そういったものに対しての研修機会や、場づくりは国がうまく支援していただきたいと思っています。コーディネーターが今回鍵という議論になっているので、私もコーディネーターの人の声を聞いているところですが、なかなかに姿が見えてこないので、どういう方向性にしていけばいいのかを御助言いただければありがたいと思います。
【大森座長】 どなたか、いかがでしょうか。
【中村委員】 中村です。やはりコーディネーターというのは、地方創生とか地域の活性力を高めるためには、ほぼほぼその地域にいるような、自治体と企業と金融関係と大学を、ある程度知らないといけないと思います。それ故に、それを知っている方が最初はなるかもしれないけど、コーディネーターも育成していくのです。ここが大事だと思います。
だから、こういう人がなるべきだというよりも、そこで一番大事なのは、僕は熱意だと思うんですよね。本当にその地域を元気にしていきたいとか、本当にその地域を守っていきたいとかというところを考えると、今はなくても、徐々にそういう環境になって、やはりそれは常設というか、いつもそのことに専念できる人じゃないと駄目だと思いますね。
本学も今考えているんですけども、地域連携プラットフォームもいいんですが、さらに機構のようなものをつくって常設にします。そこには、コーディネーターが常駐します。コーディネーターは、いろいろな経験を持つ方もいいのですが、やはり一番大事なのは、本当に熱意を持ってほかの分野、例えば大学にしても自治体に、学びに行くというところから、だんだん育っていくと思います。
【大森座長】 私もそれに近いのかなと思っているのと、文部科学省から概算の御説明もいただいたんですけど、プラットフォームの事業の中で採択されたチームがあったとして、使途としてはコーディネーターの人件費みたいなことが想定されると思うんですが、これは何となく大学にコーディネーターがいてという、今までの研究推進のコーディネーターとか、いろいろなコーディネーターじゃなくて、このプラットフォームとして、あるいは機構としてというイメージでいいんですかね。
【石橋大学振興課長】 お答えさせていただきます。まさにそうでございまして、今まではやはり大学向けに我々予算をつくってまいりましたので、コーディネーターの配置場所が基本的には大学だったと。今回は完全にこのプラットフォーム、一般社団化していただいたプラットフォームに、基本的にお金をお渡しする形で、プラットフォームのコーディネーターなり活動費を応援できるようにしたいなと思っておりますので、文部科学省もそこはひとつ、マインドチェンジしたというところではございます。
【大森座長】 ありがとうございます。そうすると、やっぱり複数のコーディネーターやチームがいて、もちろん産業とか研究でつないでいく人もいれば、学生の教育活動につないでいく、あるいはリカレントをプログラムする人がいたり、それからこの間も議論になった、大学間の連携ということもつないでいく。
だから、複数の人がいて、さらにコーディネーターをつなぐコーディネーターみたいな人がいてというので、プラットフォームの事務局も担いながら、というイメージができれば、もしかするといいのかもしれないなと。
【中村委員】 常に話し合うという。常にお互いに情報を出し合うというところで。
【大森座長】 どこかそれぞれの、別々の県にいて、大学にいて、銀行にいてとかといって、1か月とか年に何回か集まりましょうじゃなくて、毎日同じオフィスにいてみたいなイメージですよね。
【中村委員】 そうですね。それが一番理想だと思います。
【長谷川特別委員】 1つ御質問ですけれども、コーディネーター関係の予算では、外注することもあり得るんでしょうか。
というのは、私は地方創生SDGs関係の内閣府の研究会の委員も務めており、そこでも、産学官金が一緒になって、地方創生につながる、地域活性化のプロジェクトをどうやって創生するか、その成功事例の要因は何かみたいなことで、全国各地のいろいろな取組を分析されているんですけど、そこで私が面白いと思ったのは、成功事例を調べていくと、地域のことをよく知っている人は実は地域の人じゃないという、要は、コンサル会社なんですけど、東京の大手コンサル会社の人のほうが、その地域の課題を特定して、持っている資源、大学、それから企業の産業などを分析して、こういうプロジェクトでこういうことをやると、外部から資金もつくよとか、政府の補助金をもらえるよとか、いろいろなアドバイスをして成功しているという事例が結構あるので、そういう意味でいうと、このコーディネート予算と言われているものに何か外注することもできるといいのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。
【石橋大学振興課長】 ありがとうございます。予算も、コーディネーターの人件費だけではなくて、例えば委託して、いろいろなデータを取ってきてもらって、アドバイスをもらえるようなものとかもあり得ると思っておりますので、そういうものも経費の中に入れていきたいなと思っております。
一方で、コーディネーターそのもの、そういう方々が地域に育っていってほしいなという思いも我々としてはありますので、できればそこに常にいらっしゃるような方々を、もちろん最初はなかなか見つからないのかもしれませんけれども、さっき、まさに中村委員がおっしゃった、育てるということも含めてやっていっていただけるような後押しができたらなと思っているところでございます。
【大森座長】 ありがとうございます。必ずしも東京の大手コンサルさんが腰かけでとも限らなくて、地域づくりの例なんかを見ていると、本当に社員さんがそこに住み込んで、一緒にまちの人を巻き込んでやっているいい例もたくさんあるかなと思います。
山内さん、すみません、さっき何か言いかけたところがあるかと。
【山内委員】 今おっしゃったように、地域のプラットフォームの中で、外の力も借りながら育てていくという観点は、個々の大学でも、喜ばれると思っております。地域でニーズを集めて、こんなことできませんかと大学に言いに行ったら、そんなニーズを持ってこられても、必ずしもうちの大学に合うかどうか分からないと言われてしまうという声も聞いています。どういう形でお互いが近づいていけばいいのかという方向性を示すなど、外の方の力を借りながらも、地域で考える場をしっかりこのプラットフォームでつくっていくといいなと思います。
あと、高校とか専門高校に対する期待が各商工会議所は強いので、そことうまく連結して、大学との接続についても、ぜひこのプラットフォームの中で、初等・中等・高等教育と全体がつながった形で議論できればいいと思っております。地元から、外に出ていってしまうのは止められないと思いますが、少しでも地元に戻ってきてもらえるよう企業も協力していけるようにしていければいいと思います。
【中村委員】 おっしゃるとおりで、大学に持っていって、できません?って言っちゃ駄目なんですよ。これは今までの大学で大森先生とか松村先生とかがやっているのは、地域の課題をできるだけ正確に知って、その課題に基づいて大学の質を変えていくという、これがこれからの大学だと思うんですね。
本当に今おっしゃったことは、今の時点ではそうかもしれないけど、大学自身がそれを淘汰して変えていかなきゃいけないなと。我々の責任だと思います。
【廣瀬委員】 関連で一点コメントさせてください。大学との連携を期待してどこそこの部署に話を持ちかけたのに、反応が悪いという声をいただくことがあります。学内の視点からみるとその部署だと、その課題についての学内の適任者の存在をつかめる場所ではないのでそういう反応しかできないだろうなぁ、と思う一方で、別のこの部署だったらこんな風に話が展開した可能性があるなと感じる場合があるのです。そうならないように、とにかく地域からの連携のお話を受ける窓口を、課題の中身によらずとにかく一本化して、その窓口の部署は自分たちが対応するのではなくて、どの部署につなげば良いかを判断してつなぐ役目に徹するというふうにしたところ、ようやく少し機能するようになりました。
どういうニーズですかということを聞き取った上で、それならばこの研究室が適任ですといってつなぐことができる人を、大学は学内に持たなければならないと思っていまして、これが大学にいることが求められるコーディネーターだと思っています。
他方で、大学でそういうコーディネーターを育成していくときに、この人間がいろいろなところで、地域でのいろいろな連携のプロジェクトであるとか、新しい施策づくりの場であるとか、そういうところに出入りしていると、そのうちにできてくるのは、地元経済界の人だったり、あるいは自治体の人であったり、さまざまな場面でよく顔を合わせる人というのが浮かび上がってきます。三、四年たつと、まったく別な領域の話だったのにやっぱり出てきているのは同じ人だったみたいなことはよくあるわけです。
ここで会っている人たちが、それぞれの立場のコーディネーター、適任者で、どういうポストにいるかというのは様々だと思いますけれども、そういうネットワークが地域の中で、つまり顔がつながっているネットワークとしてできてきたときに、何かプロジェクトを起こそうと思ったとき、それならここの部分は誰それさんに頼むのがいいねという、マッチングと、適切な人への振り分けができる機能をそのネットワークが発揮できると物事が順調に動き出す。
今日の事例の中では、たとえば愛媛大学さんのように、それぞれの地域で、ここの地域の課題の重要な部分について、そこに大学の研究機関があって、常にそこには学生や先生方がいて、地域の関連する方々と一緒に何かやっていくというレベルまで上がっていくと、現実のものとして根づくのだろうと思います。しかし、恐らく人文社会系などではそこまではなかなか展開していなくて、まずはそれぞれの先生の研究テーマと近い課題が発生してきたときに、そこにその研究室の学生たちも含めて大学とつないでいって、何年間かそれで動かしていくと、そこから就職をする人も出たりとか、あるいは逆に、市役所の人が社会人大学院に来て、その領域を学んで、事業化をするために活動されたりとか、そういうような展開になるのかなというふうに期待をしています。
【大森座長】 ありがとうございます。
議論は尽きないところなんですけど……。
【小林特別委員】 申し訳ございません、一瞬だけよろしいですか、大森先生。
【大森座長】 一瞬だけ。はい。
【小林特別委員】 これ、非常に重要で、全国に行くと、私、今日の資料の「最後に」というところに書いたのですが、大学のどこに話を持っていっていいか分からない、窓口さえ分からないというお話を伺います。先生個人の熱量のある人がやっているんですが、その人が外れちゃうともう分からないというところをよく聞きます。このプラットフォームだけじゃなくて、そこに加わる大学、やっぱり敷居が高いという話を聞くんですよね。こんな話、大学に持っていっていいんだろうか、すぐ断られちゃうんじゃないかと。そうするともう気持ちが萎えちゃって話が進まないということを本当に全国でよくお聞きしますので、今、廣瀬委員がおっしゃったように、やっぱり窓口を大学側も明確化するというところをきちんと明示していただきたいなと思います。
【大森座長】 ありがとうございます。この後の議論も実はプラットフォームのことで、今ほとんどプラットフォームとコーディネーターの議論に集約されてきていますので、その事例等もお聞きして、さらに議論を深めていきたいと思います。このテーマ、そのまま続いていきますので、また後ほど御意見いただいて。特別委員の皆さんもいいですか、最後まで会議に御一緒いただいてありがとうございます。
そうしましたら、次に、地域構想推進プラットフォームの構築についてということで、福井県と大分県、大分大学、それから山梨大学の取組を例に挙げて、さらに議論を深掘りしていきたいと思います。それぞれ御発表いただいて、それを基にまた議論していければと思います。
では初めに、お待たせしました、福井県さんから御発表いただければと思います。よろしくお願いします。
【岸本副部長】 福井県総務部大学私学課の岸本です。よろしくお願いいたします。私からは、本県で行っております「未来協働プラットフォームふくい」など、大学の連携の取組につきまして御紹介をさせていただきます。
まず、福井県内の大学の状況ですが、福井県内には6大学・1短期大学、1高等専門学校の8つの高等教育機関があります。直近では学部の新設や再編なども進んできておりまして、本年度からは福井県立大学に恐竜学部が新設されましたし、また、右の備考欄にありますけども、来年度には地域政策学部も新設される予定です。また同じく来年度から、仁愛大学も現在の2学部から3学部に改組される予定です。
次に、県内大学のキャンパス分布図になりますが、御覧のとおり、県内全域にキャンパスが設置されている状況です。
それでは、未来協働プラットフォームふくいの概要につきまして御説明をさせていただきます。
令和元年度に高等教育機関のみの連合体、ふくいアカデミックアライアンス、通称FAAを設立しましたが、その後、産業界・大学の双方からつながりを求める声もあったことから、大学、産業界、そして自治体等が連携しまして、地域の発展に貢献するための新体制として、令和3年11月に未来協働プラットフォームふくいを福井県主導で構築いたしました。
その組織体制につきましては、階層別に3つの会議を設置しまして、まずは知事を会長としました全体会議におきまして、理念や大きな方向性の共有を行っております。その次に、大学の副学長や産業界などの各団体の代表者で構成します調整会議がありまして、目標の具体的な検討、また、実行部門会議の進捗管理などを毎年度行っております。そしてその下に6つの実行部門会議がございまして、部門ごとに責任大学の副学長をトップとしまして、実際にはこちらで各部門の事業の内容を検討し実施いたしております。各部門には1名ずつコーディネーターを配置しておりまして、責任大学、県と連携しながら、このコーディネーターが中心となって事業を進めております。
また、地元の新聞社などにも参画をいただいております。
なお、全体の事務局につきましては、県の大学私学課が担っております。
次のページに、当時の設立趣意書などを参考までに載せております。
次に、6つの実行部門会議の具体的な取組内容につきまして御紹介をさせていただきます。
まず、実行部門会議1は、福井大学が責任大学となりまして、学生教育、社会人教育をテーマに実施しております。コーディネーターとしては、元福井大学の職員の方に就いていただいております。
この部門では、福井についての知識を身につけ、地域に貢献できる人材である「ふくい地域創生士」の育成を行っておりまして、徐々にその認知度も上がってきているところでございます。また、社会人向けのリスキリングも行っておりまして、今年度からは企業や自治体に合わせたオーダーメイドのリスキリングにも取り組んでおります。
その下、実行部門会議2につきましても、福井大学が責任大学となりまして、試験研究、調査研究をテーマに実施しておりまして、コーディネーターとしてはコンサルタントの方に就いていただいております。令和5年度・6年度はカーボンニュートラルについて研究を行いまして、今年度からは女性活躍をテーマに実施いたしております。
続きまして、実行部門会議3では、仁愛大学、仁愛女子短期大学が責任大学となりまして、企業や地域の課題解決をテーマに実施しておりまして、こちらのコーディネーターにはまちづくり関係者の方に就いていただいております。企業や地域の課題を様々なアプローチからマッチングして、解決につなげている状況です。
その下の実行部門会議4につきましては、福井県立大学が責任大学となりまして、県内企業などへの就職をテーマに実施しておりまして、コーディネーターには地元の中小企業診断士の方に就いていただいております。県内には中小企業が多いために、ここでは主に中小企業を対象に、採用力向上セミナーでありますとか、大学キャリアセンターとの意見交換を実施いたしております。
続きまして、実行部門会議5ですけれども、こちらは福井工業大学が責任大学となりまして、県内大学への進学をテーマに実施いたしておりまして、コーディネーターには受験関係の総合広告会社の方に就いていただいております。県内高校生を対象に、進路選択に関する調査を実施したり、傾向の把握、そして対策にもつなげております。また、県内大学の学びと、それを生かして県内のどんな企業で働くことができるか、また、どんなキャリアを積むことができるかを体験するための進路探究ワークショップを昨年度から実施しておりまして、参加者からは、県内大学や企業への関心が高まったという声なども聞いているところでございます。
続きまして、実行部門会議6ですけれども、こちらは福井医療大学が責任大学となりまして、地域医療における課題解決をテーマに実施いたしておりまして、コーディネーターにはコンサルタントの方に就いていただいております。1日看護大学生体験でありますとか、あと卒業生に県内医療機関の求人情報を届けるなど、Uターンを促す事業なども行っております。1日看護大学生体験では、大学の雰囲気が分かり、看護への興味が高まったという声なども聞かれております。
次に、プラットフォームの今後の取組、将来に向けまして現在検討を開始したところでございますけども、今後も引き続き県が主体となって、今、県が担っている事務局の組織を今後さらに強化していけないかと検討を始めたところでございます。
また、先ほど御説明させていただいたとおり、実行部門会議、6部門ありますけれども、今後は、例えば県内定着とか課題解決など重要な分野を中心に、再編なども考えていけたらと考えております。
また、これらを進める上で、県内マスコミなどとの連携を強化したり、また、名称、ロゴなども検討して、これから発信も強化していければと考えております。
また、大学連携の取組によりまして、大学間同士で共通でできるところがないか、いろいろな面の業務負担やコスト面などの軽減が図れないかなども、今後、こういった組織の中で検討していけたらと思っております。大学側の意見も聞きながら検討してまいりたいと考えてございます。
未来協働プラットフォームふくいの説明は以上でありますけれども、続きまして、本県が大学と連携している事業を御紹介させていただきます。
まず、県内全大学のサテライトキャンパスとしまして、福井駅東口の複合ビルにFスクエアという大学連携センターを設置いたしております。ここでは県内大学生に関する事業を幅広く行っておりまして、教養科目の共同開講でありますとか、併設している県内就職を支援するキャリア・ナビセンターでの就職活動のアドバイス、また、セミナーを行っているところでございます。また、高校生の自習にも開放しておりまして、県内大学を紹介する場や、県内出身の大学生で構成するFスクサークルの活動拠点にもなっているところでございます。
そのほか大学と連携して実施している事業につきまして簡単に御紹介をさせていただきます。1つ目ですけども、各大学の魅力、特色を高める取組、また、PBL・共同研究に対して県として支援をさせていただいておりますし、また、その下、今年度から、工学部に対する県内就職増につなげる支援を進めているところでございます。
また、県内進学を促進する事業も行っておりまして、例えば6つ目にありますとおり、今年度から、県内高校から県内大学に進学した方に対し、一人暮らしに係る家賃支援なども行っているところであります。
その下、また、県内で保育士を養成できる大学の進学者確保の取組への支援にも力を入れているところでございます。
最後になりますけれども、今後ますます少子化が進展しますので、本県の人材確保の面におきましても、県内全てのどの高等教育機関も県にとりまして非常に貴重な存在であり、重要な役割を担っていただいているところであります。また、本県の様々な政策にもいろいろ御理解をいただいておりまして、御協力もいただいているところです。県としましては、引き続き各高等教育機関とコンタクトをとりながら、しっかりと声を聞きながら進めるように心がけていきたいと考えております。今後とも十分に連携しながら、地域への優秀な人材の輩出、また、地域の課題解決などにも取り組んでいきたいと考えております。
【大森座長】 ありがとうございます。大変すばらしい活動と御発表内容と、また、前半で議論していたことの一つのモデルケースみたいな形で、コーディネーターも複数置かれて、大変参考になりました。ありがとうございます。
では続きまして、大分大学、それから大分県からお話をお聞きしたいと思います。廣瀬先生、よろしくお願いします。
【廣瀬理事】 大分大学で社会連携担当理事、それから、おおいた地域連携プラットフォームの事業推進本部長をしております廣瀬です。どうぞよろしくお願いいたします。
資料、次のページをお願いいたします。おおいた地域連携プラットフォームですけども、事業推進本部の下に、3つの部会で取組を行っております。
資料の3ページをお願いします。おおいた地域連携プラットフォーム、大分県内の高等教育機関の12機関全てが参加しておりまして、さらに、地方公共団体、県、全ての市町村、それから県内の経済団体、企業、個別企業ということで、オール大分県の産学官が構成機関となっているプラットフォームになっております。
もう一度1ページに戻っていただきまして、事業推進本部の下に3つの部会、左のほうから、まず、地域交流・課題検討部会であります。こちらは大分県が部会長になっていただいています。主に県や市町村の地域課題の解決を、大学のシーズを使って行うという活動になります。
それから真ん中が、教育プログラム開発部会であります。県内の私立大学に部会長をお願いしております。主に高等教育機関間の単位互換でありますとか教育プログラムの開発というところで、ここは高等教育機関間の連携の取組ということになります。
それから一番右、3つ目の地域人材創出部会であります。金融機関の方に部会長になっていただいています。ここでは地元への進学率の向上、それから就職率の向上に取り組んでいまして、主に企業向けの産学官の取組ということになります。
続きまして、2ページのところ、左から3つの部会のイメージの取組です。具体的な取組につきましては、4ページになります。ちょっと細かいですけども、3つの部会ごとの今年度の取組事業一覧であります。
まず一番上の地域交流・課題検討部会ですけども、これは県や市町村の地域課題を大学のシーズとマッチングして課題解決に取り組む、あるいは、大学の学生が地域に入り込んで行うフィールドワークの支援をマッチングして、地域とそれから大学をマッチングして行う。それから、そこに、地域課題に企業が絡んで、企業が一緒になっての取組をマッチングして行うという活動を行っております。
それから2つ目が、教育プログラム開発部会であります。連番の8番にありますとおり、先ほど言いましたように、単位互換の取組。
それから9番目にある、これは大分県域のいろいろな知識を県民の方に学んでもらうという、豊の国学リレー講座を高等教育機関が連携して取り組んでおります。
それからさらに、文部科学省から採択を受けましたリカレント教育の取組をこの部会中心となって、11番、行っています。
それから、12番のところにあります「おおいた共創士」の認証制度です。これは、地域課題を解決できて地域に役に立つ人材を育成するということで、認証する制度ということになります。
それからさらに、高等教育機関間で合同FD・SDの取組を行っています。
それから、3つ目の地域人材創出部会であります。こちらにつきましては、県内12の高等教育機関につきまして、オープンキャンパスガイドを共通して作成する、あるいは各高等教育機関の特色であるとか、そういったところをまとめた県内進学ガイドを共通して作成して、さらにウェブサイトで情報提供するといった取組を行っています。
それから、19番にシゴト発見フェスタというところがあります。これは県内の地元企業と高等教育機関、学生のマッチングの場ということで、年1回、こうした地元企業を知っていただいて就職につなげるという活動を行っているところであります。
次のページをお願いします。先ほど言いました「おおいた共創士」の認証制度でありますけれども、企業や自治体と協働して、地域で活躍できる人材を育成するという取組であります。
その次のページをお願いします。特にここで大学の地域課題解決、それから地域に関心を持ってもらうための講義、フィールドワーク、そこに企業さんが絡んで、学生を評価していただくという、そういった特徴ある認証制度に取り組んでいるところであります。そして学生に地元の企業を、あるいは地元の課題を知ってもらうという取組であります。
それから、次のページをお願いします。これも先ほど言いましたオープンキャンパスガイド、それから進学ガイドを共通してつくっているということであります。
それから最後のページが、これまでの成果ということになります。地域課題の解決の件数、おおいた共創士の件数、それから人材の定着のところという数字を上げております。
ここで3つの部会に各コーディネーターがそれぞれ配置しております。まず、先ほどの地域課題解決のところについては、県や市町村の地域課題と大学をマッチングするコーディネーターが1名。これは県職員のOBの方にコーディネーターになっていただいています。
それから教育プログラム部会では、人材会社OBの方にコーディネーターになっていただいて、高等教育機関間のコーディネート等を行っております。
それから3つ目の部会の県内定着率のところにつきましては、金融機関のOBの方にコーディネーターになっていただいて、企業と高等教育機関間のコーディネートを図っていただいています。
そういう取組を行っていまして、部会で役割分担をすることで、部会長もそれぞれの分野から出るということで、唯一の国立大学、大分大学が中心となって事務局を回している、運営しているんですが、行政の大分県あるいは私立大学との連携を図るような取組を行っているところであります。
今後の課題は、やはり運営する際に当然必要になる人件費を中心とした予算の確保、自走するための、そこのところがなかなか厳しいので、いかに確保するかということと、あと、産業界の認識がなかなかうまく進んでいなくて、やっぱり産業界、企業がどういうふうにこのプラットフォームに参画していくのかというところですね、そういう積極的な参加のところも課題だと考えております。それから、地元定着については、産業界のニーズ等々については、大分県、行政が一番その情報を持っていますので、この取組に当たっては、やっぱり行政、特に情報を持っている県との連携というのが一番重要になると感じております。
私からは以上であります。ありがとうございました。
【大森座長】 ありがとうございました。
では続きまして、大分県から木部課長、よろしくお願いします。
【木部課長】 大分県総務部学事・私学振興課長の木部と申します。よろしくお願いします。
それでは、私から説明をさせていただきます。今、事業推進本部長から説明がありましたので、地域連携プラットフォームについては割愛させていただきますけども、大分県は、左下の囲みにありますとおり、地域交流・課題検討部会を担っておりまして、私が部会長をしております。部会長の立場で説明をさせていただきます。
次の2ページですけども、地域交流・課題検討部会は、県内における人的資産を有効活用し、地域の課題解決の検討と実施を行うという部会でございます。この部会の予算は、記載はありませんけども、1、700万円程度となっております。うち、市町村が250万円程度を負担しております。残りの1、500万円程度につきましては、県が事業費として負担しているというものでございます。
それから、主な活動内容を細分化すると3つあります。
まず一つは、地域課題のところの、県課題の解決を図るため、県の事業課と大学が連携する事業。これの事業費が600万円程度。
2番目に、地域課題を企業が発案して大学と連携する事業。大学と企業が連携するきっかけづくりになる事業ですけども、これが400万円程度。
次に、フィールドワークですが、学生が地域に入り込んで各地で行うフィールドワーク支援事業。これが400万円程度となっております。
事業効果につきましては、1の丸2のところ、真ん中の右に記載がありますが、企業連携創出支援事業につきましては、8件の採択枠に対して20件の応募があるという状況でございます。企業と大学が連携するきっかけづくりになっていると認識しております。
下の2のフィールドワーク支援事業につきましては、令和6年度は21件を採択しております。この21グループが地域に入り込んで活動を行いますので、マスコミからよく取り上げられると。課題解決に直接つながっていくというよりも、短期的には地域の活性化に間違いなく貢献しているかなと考えています。下の写真ですけども、左は水産事業者との連携ですが、企業7社と連携したもので、右のバーチャル体験プロジェクトですけども、これは観光につきまして地元の高校生と大分大学が連携したものでございます。
次のページをお開きください。地域課題解決に係るコーディネーターの役割は、まず1番目に、地方公共団体や企業提案の課題を取りまとめて、その課題と参加大学をマッチングさせて、事業進捗管理を行いながら成果報告を取りまとめるというものでございます。そういう役割を担っております。
我々地方公共団体の職員が2~3年というスパンで異動するということを前提として考えますと、コーディネーターの強みって何かと考えますと、地方公共団体の抱える課題とか、地域企業のシーズ・強みとか大学の強みなど、そういう取組を継続的に蓄積していけるというものかなと思います。加えて、いろいろな機関と横断的に接触いたしますので、コーディネーターをかけ橋として人的ネットワークが構築されていく、蓄積されていくというものかなと思います。
次のページをお開きください。ここからは県の立場としての説明をさせていただきます。
このペーパーにつきましては、昨年9月に策定した長期計画の安心・元気・未来創造ビジョン2024でございます。右下に目標数値が赤枠でありますけども、入学定員の充足率と県内大学等卒業者の県内就職率を掲げているところが珍しいとよく言われます。
この考え方としまして、まず、新たな未来、ビジョンを策定するに当たっては、左上の10年後の目指す姿、ありたい姿から入っております。外部の有識者と8回にわたり議論をしてつくったものでございます。その目指す姿というのは、大学が多くの進学者から選ばれると。それから、学生が、地域に入って学びを深め、地域に活力を与え、地域課題解決にも貢献するというものでございます。県としては、プラットフォームを通じて学生が地域で活動することを支援していきたいと。これが、大学が選ばれる、魅力の向上につながるのではないかなと考えております。
その次のページは飛ばしまして、6ページ、まとめでございますけども、まず、高等教育機関で学ぶ若者の存在というのは非常に大きいと。大学教授の頭脳ももちろんでございますけども、学生の役割、存在というのは非常に大きいかなと考えています。
そこで、各機関の役割と強みを考えて、より積極的に関与する仕組みが必要かと思います。ここで特に必要と思うのは企業の参画でして、企業のニーズというのは、卒業生が自社に就職してほしいとか、学生に対して説明する機会が欲しいとか、あと大学と共同研究したいと。そういうものかなと思っています。これらを捉えまして、主体的に積極参加する取組を検討していく必要があるかなと思います。
大分県が恵まれているのは、全ての高等教育機関がプラットフォームに組織されているということでございます。このメリットというのは、県から見ると、公平性に問題がないということになるので、非常に助かっているという状況です。引き続き県内高等教育機関が連携した、前向きな取組を県としては支援していきたいと考えております。
以上でございます。
【大森座長】 ありがとうございます。
それでは続きまして、山梨大学からお話をお聞きしたいと思います。山田地域連携コーディネータから御発言いただければと思います。よろしくお願いします。
【山田地域連携コーディネータ】 今御紹介いただきました、山梨中央銀行地方創生推進部から山梨大学に派遣されています山田と申します。今日はよろしくお願いいたします。
2ページ目に行っていただきまして、まずその前に、当行の概略を簡単に説明させていただきます。地方銀行で、山梨県の甲府に本店を置いていまして、規模としては中堅どころの地方銀行になっております。山梨県内唯一の地方銀行でして、山梨大学や山梨県へ行員を派遣するなど、県や大学との連携関係を非常に構築している銀行となっております。
次の3ページに行きます。自己紹介をさせていただきます。先ほどあったように、私は今、地方創生推進部というところから山梨大学に地域連携コーディネーターとして派遣されております。主な任務というか、大学の研究シーズと取引先企業のニーズをマッチングさせることで、地域経済の活性化と大学の発展に寄与することを目的としてコーディネーター活動を行っています。
なお、これまでの私どものコーディネーター、私で3代目なんですが、今までは役職定年を迎えた者が2名ほど担当していたんですが、昨年の8月からコーディネーター活動の活性化をより強化するために、現役である私が派遣されているというふうになっております。
次のページに行きます。4ページ目です。主なコーディネーター活動とその詳細について説明させていただきます。
まず1つ目として、地域事業者との連携、これがまさに地域連携コーディネーターの一番の柱になるんですが、具体的な活動例としましては、営業店ですね、銀行の各支店の担当者からの問合せ、マッチング依頼への対応、それと、大学の魅力と存在感の身近さを発信しています。それから、大学のほうでイベントを開催しているんですが、個別技術相談会といった、大学の技術シーズを一般の方々に提供する、そういったもののマッチングのイベントの企画ですね。そのほか、研究シーズの発表企画等への参画。これはJSTさんがやっているものとか大学見本市とか、そういったものに参画させていただくときに一緒にやらせてもらっています。
2つ目は、研究コンソーシアムへの参画ということで、こちらは大学の研究シーズの社会実装への助言と支援をやらせてもらっています。主なものとしましては、今取りかかっているのが、シャインマスカットの栽培支援ロボットの開発において、金融機関の立場から助言等させていただいております。
3つ目の大学発スタートアップの起業支援ということで、こちらは、IJIEという大学のプラットフォームがあると思うんですけど、そちらへの申請を大学の先生たちがするときに、申請の支援をさせていただいたりとか、そのほか各種助成金等の申請の支援のアドバイス等をさせていただいています。
4つ目としまして、大学と当行の関係強化というのがあります。この強化としましては、まず取引先と学生さんをつなぐことや、それから当行と大学そのものの取引拡大を図るということを行っております。
次のページに行きまして、5ページです。私どもで考えているコーディネーターの活動と意義になります。若年人口の減少に伴う競争激化により、大学においては、地方創生への貢献や大学のシーズを地域社会に広く還元することで特色を出す動きが見られています。こうした動きに対して、我々地方銀行が積極的に取り組むことによって、当行・大学・地域の事業者「三方よし」を実現すことができると考えております。
当行には今100名を超えるコーディネーターがおり、多くは営業店に配置されまして、大学の研究シーズと取引先のニーズをマッチングさせ、取引先の事業発展につなげる活動をしております。
我々地方銀行は、取引先とは融資や預金といった銀行業務をベースにした強い信頼関係を構築しております。ですので、その中でさらに踏み込んだ取引の課題解決の一つとして、このようなコーディネーター活動による伴走支援を行っております。
今後の課題としましては、コーディネーターのさらなる質の向上に取り組んでいくことがあると認識しております。
次、6ページ目に行きます。コーディネーター活動の変化としまして、この図の上半分がこれまでのコーディネーター活動だったんですが、従来のコーディネーター活動は、大学の研究シーズの紹介と、紹介された研究ニーズに関心を持つ地域事業者をマッチングさせることが中心でした。言わば、大学のほうで研究シーズを出して、それに興味のある方、地域の事業者が手を挙げていただくというような感じだったんですけど、今やっていることとしまして、コーディネーター活動として、地域事業者のニーズを聞き取り、大学の研究シーズとマッチングさせることが今後さらに中心になっていくと考えております。このため、コーディネーターの活動の質がさらに必要になってくるかと。そこに私ども地域連携コーディネーターが入って、企業と大学をつなぐというふうになっています。
そして、7ページ目になります。こちらは地方銀行と大学の連携ということで、この図、私どもは2025年4月、この春にやまなし地域デザイン株式会社という、当行の関連会社で、新事業を行う地域商社を立ち上げまして、山梨大学が今後展開していく地域創生の取組において、山梨中央銀行とやまなし地域デザインが連携して対応していくというふうになっております。
このやまなし地域デザインという会社は、ここにありますように、観光価値創造、それから脱炭素関連、広告宣伝・マーケティング事業となっております。この中で特に観光価値と広告宣伝に関しては、今後山梨大学が新たにつくっていく学科に非常に貢献できると考えております。
ちょっと飛びます。9ページ、最後に実例としまして4つほど挙げさせていただきました。これが先ほどちょっと申し上げた、大学の活動をより身近に感じてもらうために行員に対して発信しているものですが、最初の一つ、左上が、山梨大学個別技術相談会を開催したという内容になっているんですけど、こちらの概略を行員に分かりやすく説明するということで、大学により親近感を持っていただくと。
右のほうは、工学部の先生の研究内容をコーディネーターに説明することによって、大学の研究内容をイメージしやすくして、取引先への案内を提案しやすい土壌の醸成に努めています。ここにはQRコードもつけてあって、これはサクランボの自動選果機ですけど、この研究を動画で見られるようにして、なるべくイメージしやすいようにしています。
最後のページになります。こちらは、実際のマッチング現場の状況を行員に伝えることで、研究者と取引先のマッチングがどのように行われているか、イメージできるようにしています。左側の事例は、山梨大学とゲームアプリの開発をする企業さんを結びつけた事例になっています。ゲームアプリと大学というのはあまりぱっとすぐに結びつかないと思うんですけど、実際にこういったニーズがあるということで、なるべく僕ら文系人間にも分かりやすく大学の魅力を伝えられればと思っています。
それから最後に、これは山梨大学と高校生による観光の価値創造の取組を挙げさせいただきました。山梨大学というと理系とか工学部系のイメージが強いんですけど、実は観光の研究をしている先生もいらっしゃって、地元の高校生と連携してこういった取組をやっていますというのも紹介して、なるべく大学の、親しみやすく、敷居を下げるという活動をやっております。
私のほうは以上となります。
【大森座長】 ありがとうございました。
それでは、今いろいろお話をお伺いして、それぞれの地域で非常に特色ある取組をされているし、先進的なということだし、今我々が議論していることの形を既に動かしていただいているようなこともあったかなと思います。
御発表に対する御質問でも、また、意見交換でも全然構いませんので、お願いできればと思います。
縣委員からも資料を御用意いただいていています。
【縣委員】 議論の参考にもしていただければと思いますので、今日資料を用意しております。資料3-4を御覧いただきたいと思います。直近の取組として御紹介をしつつ、少し質問もさせていただければと思います。
この会議のときにもお話をしましたけども、昨年度行った大学サミットでまとめた共同宣言を具現化するために、ふじのくに地域・大学コンソーシアムに産学官連携推進会議を置きました。この取組自体は、コンソーシアム主体で進めることが重要であると我々考えておりますので、県の補助事業として行っております。
今月10日に第1回目の会議を開催しまして、石川室長にもオンラインで御出席いただきまして、誠にありがとうございました。メンバーは、資料に記載のとおりですけども、話題となっているコーディネーター、非常に重要ですが、コーディネーターについては、元牧之原市長で総務省の地域力創造アドバイザーですとか静岡大学の地域連携アドバイザーも務めている西原さんという方にお願いいたしました。産業界からは、大学であるとか地域との連携事業の展開が期待される若手経営者の方々に入っていただきました。当日は活発な意見交換が行われたのではないかなと思います。
次のページ、主な意見ですけども、産業界からは、やはり課題解決の基盤づくりが必要とか、実装につなげることが必要なので双方向のインターンシップですとかリカレント教育が求められるといったような意見がありました。
大学等からは、この場でもあまり話題に出ないんですけど、専門学校との接続や単位互換あるいはリスキリングなどの高等教育の柔軟化ですとか、学びの多様化が必要であるといった意見、それから、実践教育などを通じて教育成果を地域社会に還元していくべきといったような意見がございました。
あと、自治体は、大学が撤退してしまった自治体に参加いただきまして、やはり地域への影響が非常に大きいということで、フィールドワークの受入れですとか企業連携の支援の拡大に取り組んでいくということでしたけれども、コア拠点ですとか情報ハブ機能の整備が重要というような御指摘がありました。
県教育委員会にも出席をいただいておりまして、教員ですとか地域人材のコーディネート機能を高める仕組みを検討していく必要があるといったような意見がありました。
次のページをお願いします。具体的な提案としては、教育・人材育成ですとか、産学官連携の充実、話題になっているコーディネーターの配置、そういったような御意見もございました。あと、若者に届く言葉での情報発信が必要ではないかといったような御意見もありました。
今後のスケジュールですけども、これから少しニーズ調査なども行いながら、来年の2月頃に第2回目の会議をやりたいなと思っています。来年度以降、この場の有識者会議の議論も踏まえて、静岡県版の地域構想推進プラットフォームにつなげていければなと考えております。
御質問ですけども、我々、県の立場で地域構想推進プラットフォームをこれからどうしていくかというのを考えなければいけないんですが、先ほど福井県と大分県の具体例について御紹介がありましたけども、実際にこのプラットフォームを進めていく上で、どこが主導すべきなのかというところは非常に悩ましいところがありまして、福井県の場合は、県が主導して事務局も担って、かなり熱心に取り組んでおられ、大分県は部会長という立場での関わりということでした。我々としては大学なり産業界が主導していくべきだという考えを持っておりますけれども、福井県は強力に県が主導しているというところのお考えですとか、大分県の関わりについて、同じ県の立場で参考になればと思いますので、御意見をいただければと思います。
【大森座長】 ありがとうございます。
福井県、岸本副部長、いかがでしょうか。
【岸本副部長】 福井県は規模も小さく、県内の大学も少ないため、県としてもしっかり大学と連携して、いろいろな政策を進めていきたいという考えもありましたので、こちらから大学のほうにいろいろお声がけさせていただいた。また産業界からも大学とつながりを求める声もありましたので、県が間に入って、大学と産業界と県という形で進め、今の状態が続いています。これからも県としてしっかり進めていきたいなと思っております。
【大森座長】 ありがとうございます。
大分県、木部課長、いかがですか。
【木部課長】 大分県です。ちょうど静岡県の指摘って、ちょうど微妙な話かなと思うんですけど、県としてはやはり大学等に担ってほしいというのがあります。ただ、扱う議題の内容が、要は産業人材とか、広範にわたるので、それはまだスタンスとしてはっきり決めておりません。今後の検討かなと考えております。
【大森座長】 ありがとうございます。
【縣委員】 ありがとうございます。非常に難しい問題だと思って、我々もいつも悩んでいるところですけども、本県の場合、ふじのくに地域・大学コンソーシアムという組織を持っておりまして、どちらかというと県主導で進めてきた部分もございます。そういう中でなかなかうまく機能していないという課題もありますので、次のステップとして地域構想推進プラットフォームにつなげていくときに、やはり地域大学振興という観点からいけば、大学が自分たちの課題として捉えてやっていってもらいたいというのが正直な気持ちではあります。
ただ、県が間に入ってやってくれというような御意見もありますので、そこはこれからいろいろ議論しながら、他の事例も参考にしながら、どういうふうにつくっていくべきかというのを、この連携推進会議の中でも議論しながら検討していきたいなと思っています。
【大森座長】 ありがとうございます。これはなかなかやっぱり難しくって、地域大学振興でもありながら地域振興でもあって、だから、多分大学の立場、これは地域の課題を大学がやるものだから、それはやっぱり行政がメインだよねと思っている大学さんも多分たくさんあって、でも実際は、その半分ぐらいは地域の大学の生き残りみたいな問題。でも、なぜ生き残らないといけないかというと、それは地域の子供たちのためだよねという、そういう話。
うまい具合にお互いが自分事化して一緒に立ち上がるって、多分県が主導して立ち上げていくと、大学は、県がやっていることだからお付き合いはするよというようなことになったり、大学が立ち上げると、県は、大学さんがやっていることでしょ、名前は載っけるよみたいな話になるという、そこを両方が同じ温度でいくためには、それこそ省庁も加えて、文部科学省と総務省みたいなのがお互いにというようなことが必要になるのかなと思ったりしますけど、中村先生、どうですか。答えづらいかもしれないけれども。
【中村委員】 やっぱり地域によって熱量が違いますよね。それぞれの立場のですね。だから、どこがイニシアチブをとるというより、みんながそういう気持ちになっていくというところが一番大事だと思います。
多分イニシアチブをとらなきゃいけないんですけども、じゃあ、とらないからついていくだけという気持ちが一番怖いと思っています。
僕は愛媛大学の松村先生のところがそこをすごくうまくやっているなと思っているんですけど、もう長くやられているので、大学と自治体と、さっき出てきた金融関係と企業ですね、そことの関係性みたいなものはどんなふうに構築して、これからもしていくんですけど。
【松村特別委員】 これまでの経験を考えると、基本的には協働プロジェクトであったり協働研究を立ち上げるというのは、インフォーマルなコミュニケーションなんですね。フォーマルのコミュニケーションを幾らやっても何も生まれない、単なる時間の無駄というところが多いです。そういうインフォーマルなコミュニケーションをいかに起こすのかというと、それは大学の立場からいうと、大学の覚悟だと思うんですね。それが、愛媛大学の先人の先生方が、それぞれの地場産業のあるところ、南予、中予、東予のところでそれぞれのセンターを置き、そこにいろいろなことがあったら相談に来るというシステムを作ってきました。
南予水産研究センターですと普通の漁師さんが相談に来られたりとか、紙産業でも同じようなことが起こっていますし、南予のセンターなんかでも、地元の方々が「ここの歴史についてちょっと教えてほしいねんけど」みたいな、そういう非常に敷居が低い形で地域のニーズを捉えられるようになっているというところは、それは本当にインフォーマルなコミュニケーションの中で生まれてきたというようなところだと思うんですね。
正直申し上げて、それが研究成果につながるかという観点でいったときに、大学の教員というのはすぐそういう目で見がちになります。「研究にはならなかったらやりません」というようなことではなくて、こういった地域の課題に答えていくのが特に地方大学についての役割だというようなことを示すために、恐らく社会共創学部という学部ができて、それを研究成果にもするぞというような姿勢をこれから我々は見せていかないといけないと思います。旧七帝の大学のような世界トップクラスの研究だけが研究だというふうに言われてしまうと、我々地方大学の教員というのは本当に打つ手がなくなっちゃうということを思うので、個人的には、地方の大学のこれからの生き残りというのは、地域活性化の実践をやりながら、学生と一緒に地域を盛り上げていきながら、そしてそれが研究成果にもつながるというところを得意にしていかないと、恐らく差別化というのはできないだろうなと。そういうことじゃないと、高校生からも、それから中学生からも小学生からも選ばれないだろうなというようなことを思っています。
お答えになりましたか。
【中村委員】 覚悟が要る。
【大森座長】 覚悟。ありがとうございます。いや、私もいろいろなところで話すときに、地域は会議室で動いていないんだと。現場で動いているんだと。文部科学省はすぐ協定を結んでいますかとか調査してくるけど、そういう話じゃないんだということをあちこちで言っていますが、それは最終的には結べばいいと思うんですけど、まさにそうだなと。
そういう覚悟を持った……、多分コーディネーターも、やっぱりそういう覚悟を持った人がいてくれるといいなということなのかなと思ったりしますけれども、そろそろ時間なんですが……。
【田中委員】 ちょっと一言いいですか。現役の山田さんにお聞きしたいんですけども、どうしても地方だと人材がいないのでコーディネーターが重要なんですが、銀行をリタイアされた方とか、県のそういう政策関係に関与されたリタイアの方にお願いせざるを得ない実情があるんですね。
でも、今、現役で役職を得ていらっしゃるんですけども、現役の方がこういうコーディネーター機能を担うことができる等、メリットと課題、それは何でしょうか。
【山田地域連携コーディネータ】 まず、メリットから言うと、やはり行員に対する発信力というんですか、は圧倒的に変わるというのがあって、やっぱり現役を退いちゃうと、一応行員とつながりはあるんですけど、そうは言っても、ちょっと間が入ったりとかなっちゃうんですが、今、私だったら、電話をかけて、「すぐおまえ、あそこ動け」とかできるんですね。それから「今、これ、すぐ送るから」ってぱっと社内LANでできるので、そういった意味で、機動性とか、あと情報を密にできるとか、やっぱり現役のほうが行員に知っている者が、同じ世代の者もいますし、私ですとちょうど支店長クラスの人間なんかにも時々電話一本で「これやって」とかというのもできるし、「情報、頂戴」っていうのもできるから、そこは大きな違いだなと思います。
デメリットとすると、今のところ私は現役でのデメリットはあまり感じていないというのが正直なところで、私が今やっている仕事は、前まで2人いたOBがやっているのと同じこと、プラス、さらにいろいろやらせてもらっているという感じなので、むしろその辺のデメリットはあまり感じていないというのが正直なところです。
【田中委員】 ありがとうございます。
【縣委員】 すみません、1つだけ。先ほど説明した産学官連携推進会議の中で出た意見でもあるんですけれども、プラットフォームの具体的な取組として、大学でどういう教育研究をやっているかよく分からないという産業界からの意見もありますし、産業界の具体的なニーズがよく分からないという大学側からの意見もあるんですけども、やはり大学の教育内容ですとか研究成果を一元的に集約するということと、地域課題だとか企業のニーズを継続的に集めるということが双方の迅速なマッチングにつながるのではないかなと思っているんですが、そのときにコーディネーターの人脈だとか知見が非常に重要だというのは、これは当然のことなんですけども、それだけではなくて、昨今のデジタル技術も活用して、データベースなんかを構築して、そこに情報を集めて大学側・産業界側双方が容易に検索できるようなものをつくれば、より迅速なマッチング、アクセスが可能になるなと考えておりますので、そういったこともプラットフォームの具体的な取組として、コーディネーターの配置とともに、非常に重要になるんじゃないかなと考えております。
以上です。
【大森座長】 ありがとうございます。
今日、藤岡さん、まだ御発言がない。
【藤岡委員】 ありがとうございます。今日は皆さんのお話をしっかり聞こうと思いました。
人口減少が進む神戸市では、多様化する地域課題を解決するため、大学や企業との連携を強化する必要があり、行政が一定程度主導する形で産官学連携の枠組みづくりに向けた議論を開始しました。一方で、大学側にも人口減少社会への対応や地域社会と向き合う必要性に対する問題意識があり、こうした両者の考えを踏まえ、2年前にプラットフォーム組織を立ち上げ、現在、多様なプロジェクトを展開しています。
地域課題の解決を含む地域貢献活動は範囲が広く、明確に定義することは難しいですが、重要なのは、個々の取り組みを通じて具体的な成果やパフォーマンスを着実に蓄積していくことだと考えています。私たちのプラットフォームでも、プロジェクトの実践を重ねる中で、大学が市や企業等と連携し、組織として地域貢献に向き合う意識を高め、その取り組みをさらに深化させていくことを模索しています。
この会議に参加させていただき、産官学連携を通じた大学の地域貢献に関する多様な取り組みについてもお話を伺い、また自らの活動も振り返る中で、地域連携プラットフォームとして取り組むべき方向性が、私見ではありますが、大きく三つ見えてきました。
一つ目は、大学の持つシーズと地域社会や企業が抱えるニーズを効果的につなぐ仕組みづくりです。プラットフォームには企業側から大学との連携に関する具体的な相談が寄せられますが、最適なマッチングを行うためには、各大学のシーズや強みと企業ニーズを正確に把握することが不可欠です。そのため、シーズとニーズを体系的に整理した「マップ」のようなデータベースを構築し、プラットフォームがコーディネーターとして機能していく仕組みが必要だと感じています。
二つ目は、地域社会をフィールドとするPBLやキャリア教育の取り組みです。これらは地域への人材定着だけでなく、地域創生を担う人材育成にも非常に効果的であると考えています。こうした取り組みをプラットフォームとして吸い上げ、共通の枠組みで評価・認定することで、教育効果や成果を比較可能な形で地域社会に可視化し、より質の高い学びの提供につなげる仕組みが必要だと感じています。また、この点に関連し、域内の高校、大学、さらに地域の企業をつなぐキャリアパスの構築、例えば、域内の中高校生が、地域の大学の学部学科でのPBL型教育も含め、どのような学びを深めれば、大学卒業後にどのような企業に就職、キャリア形成につながるのか、その具体的な道筋をイメージできる仕組みも必要だと感じました。
三つ目は、大学教員の方々の教育研究リソースを地域企業とどのように結びつけていくかという点です。例えば、大学教員による社会人向けリカレント・リスキリング教育を契機として、企業との共同研究など協働の取り組みに発展するケースも見られますが、その前提として、山田様の先程の御指摘のとおり、まずはそれぞれの大学教員がどのような教育研究に取り組んでいるのかを地域の企業に知ってもらうことが不可欠です。私たちのプラットフォームでも、参画大学の若手教員の皆さんに、取り組んでおられる教育研究内容を、地域企業等にプレゼンいただく発表会などを定期的に実施していますが、地道な取り組みを継続することが必要だと感じております。
さらに、このような産官学連携の取り組みを実際に動かしていくためには、コーディネーターの役割が極めて重要です。ただ、全ての取り組みを一人の人材が担うことは現実的ではないので、分野ごとに適切な人材配置が必要だと思います。また、大学現場の教職員の方々の理解がないと、実際の取り組みは進まないので、大学現場と円滑にコミュニケーションが取れるスキルを備え、大学との信頼関係を丁寧に築いていくことがコーディネーターに求められる役割だと感じています。
他方で、私たちのプラットフォームでも試行錯誤しているのは、活動のパフォーマンスをどのように評価するかという点です。適切な評価の仕組みが無ければ、取り組み自体は意義があっても、漫然と継続し、改善や高度化につながりにくくなってしまいます。どのような評価指標を設定するかはもちろんのこと、誰が評価するのか、どの期間で測定するのかといった仕組みづくりが不可欠で、私たちのプラットフォームでも外部の方々のヒアリングの実施や、3年から5年といった中長期での評価軸なども検討しているところです。
いずれにしましても、産官学のプラットフォームで取り組むべき内容は地域特性によっても大きく異なってくると思います。神戸市は大阪に隣接する大都市圏に位置する一方で、過疎的な地域も抱えるため、多様な課題に対応した取り組みが必要ですが、他地域では状況はまったく異なります。プラットフォームのあり方も、大学が中心となる場合もあれば、行政が主導する場合など、その形は地域によってさまざまですが、重要な点は、確かな成果、パフォーマンスを着実に発揮していくための連携体制を構築できるかどうかだと考えています。国の支援についても、各地域の多様性を踏まえた柔軟な制度設計をお願いできればと思います。
【大森座長】 ありがとうございます。いろいろな課題も出てきたところですけれども、この議論、時間も来ましたので、一旦ここまでとさせていただきまして、次の議題に入ってまいりたいと思います。
議題3として、まず国立大学法人支援課から改革の方針について御説明をいただいて、その後、時間があれば、これ言いたかったんだけどということがあれば、いただければと思います。
それでは、村尾課長、どうぞよろしくお願いいたします。
【村尾国立大学法人支援課長】 国立大学法人支援課長の村尾です。よろしくお願いいたします。
「国立大学法人等の機能強化に向けた検討会」というのを昨年設置して、国立大学が法人化して今20年経っていまして、有識者の方々に今後の機能強化の在り方について議論をいただきました。元東京工業大学学長の相澤先生に座長をお務めいただいて、「改革の方針」を今般取りまとめたところでございます。
次のページに移りますけれども、その概要について簡単に御報告を申し上げますと、先ほど申し上げましたように、20年経って、様々今後の機能強化の方向性を検討して、特に国においては、国立大学法人は6年ごとに中期目標期間がありまして、それに基づいて各国立大学法人が計画を立てて業務を進めていくという仕組みになっております。第5期の中期目標期間が令和10年度からということになっておりますけれども、組織業務、運営費交付金等の見直しをこれから具体化していくという時期に今ございますので、今回、検討会でまとめた「改革の方針」に従って進めていくということが提言として要請されているところです。
(2)の改革の方向性というところですけれども、デジタル社会の到来ということもありますし、特に少子高齢化が急速に進展しているということはこれまでも何度も御指摘があるところですけれども、そういったことを踏まえて、今回、まず国立大学法人等の全体としてのミッションを3つに整理しております。世界最高水準の研究の展開とイノベーションの牽引、そして高度専門人材の育成。この会議との関係で言えば、ここが一番関係の深いところかと思いますけれども、地域社会を先導する人材の育成と地域産業の振興。これらのうちのどこに重点を置いて、もちろんどれか1個を選ぶとかそういうことでもないわけですけれども、それぞれの大学でどこに重点を置いていくかということを考えていただく必要があると。それに合わせてKPIも設定し、また、そこでの役割・ミッションを再編統合、連携とか、少子高齢化ということもございますけれども、そういった視点も含めて考えていただくことが重要ということが提言されているところです。
これに基づいて、その手段として、経営戦略、そしてそれを下支えするマネジメント体制の構築、そして右の機能強化の方向性に沿った組織の見直しというところでは、日本人学部学生の規模の縮小は不可避ですので、学部から大学院にシフトしていくと。そういったことも提言されております。
ただし、1つ目のポツにありますように、立地地域の状況に留意しつつということですので、これはそれぞれ地域において、そこの国立大学が果たしている役割、人材養成に果たしている役割、そういったものがございますので、それを踏まえてどういった見直しをしていくかということを考えていく必要があるということでございます。
下のポツにもありますように、方法論としては、連携・統合といったこと、あるいは一部の機能を連携・統合するというようなことも検討が必要と提言されているところです。
次のページですけれども、そのほか教育の質の向上に向けた取組という中では、3つ目のポツにありますように、先ほど申し上げた2つ目のポツで、学部から大学院へのシフトということが全体としてはありますけれども、地域の公私立大学と連携した教育プログラムの提供ですとか、あと研究のところでは、若手研究者の育成・確保といったことが書かれております。
それから、それを踏まえて、国立大学法人等への支援の考え方ということですけれども、今の中期目標期間、令和9年度までということになっておりますが、物価・人件費が今すごく上がっておりますけれども、そこへの対応。それから附属病院についても、今、赤字といったようなこともかなり多く取り上げられておりますので、緊急的に支援の検討が必要ということで、これらについては来年度の概算要求でも盛り込まれているところです。
今後の中期目標に向けては、システムとして、物価変動に対応したような形、今はそういう仕組みになっていないわけですけれども、教育研究をベースとした経費については、物価変動にも対応するような観点を入れるとか、あるいは明快な配分ルールを構築するといったようなことが基本的な視点として提示されております。
左の下の(2)ですけれども、ここで、地域社会を先導する人材の育成、そして地域産業の振興を行う国立大学への支援ということで、学部学生定員については、教育の質を持続的に確保しつつ、都市から地方へと人の流れを変えていくと。そういった視点を持つことが重要ということですとか、地方の国立大学においては、先ほど来お話がございますような、地域構想推進プラットフォームにおける中心的な役割ですとか、地域における新しい産業を育成していく核としての役割も期待されていると。そして、附属病院については、地域医療提供体制における役割、こういったものも考慮する必要があるといったことが指摘されております。
このほか、大学の機能強化を促進するための施策ですとか、政府を挙げた国立大学への支援策といったことも指摘されているところです。
この提言も踏まえまして、今後、文部科学省において、これらを少し整理して、改革基本方針を近いうちに策定しまして、それを踏まえて、令和10年度からの第5期中期目標期間に向けて、運営費交付金の算定ルールですとか、あるいは組織・業務の見直しといったようなものについての具体化を進めていくということにしているところでございます。
以上でございます。
【大森座長】 御説明ありがとうございます。
それでは、今の御説明への御質問ももちろんですけれども、そのほかと思ったんですが、あと3分ぐらいなんですよ。今の御説明に何か御質問あったりしますか。
【藤岡委員】 今の説明に関してですが、私の誤解があったらあれなんですが、いわゆる大学院ですよね、大学院は、地方の国立大学に大学院があって、私立大学にも、学部で何とか大学院を維持しているところがあるんですけど、例えば地方の国立大学が、域内の私立の大学院というのはちょっとなかなかしんどいところもあるので、それを集約するというとあれなんですが、ある意味、地域の中の共通大学院みたいになっていくということも念頭に置かれているという感じなんですかね。
要は、国立大学が地域の大学にどう貢献するかという過程の中で、大学院って非常に大きいと私は思うので、そこをどうお考えになっているのかというのを聞きたいんですけども。
【村尾国立大学法人支援課長】 これは学部もそうですし、大学院もそうですけれども、これからそれぞれの地域における産業構造とか、あるいはそこの地域でどういう人材が必要とか、そういったことを、国公私立大学もそうですし、それから自治体もそうですし、産業界もそうですし、そういった方々でまず議論していただく必要があると思っています。そこの中で、どういう役割分担をしていくかということは当然あると思います。
それと、これはまた多分地域によって状況が違うと思いますけれども、全体として見れば、2040年に向けてというようなことも言っていますが、人口が全国規模でいえば大きく減っていくというのは、2035年頃からだと思っています。国立大学のことについて言えば、第5期の中期目標期間は2028年度から2033年度で、その次の第6期が2034年度からということになっていますので、そうすると、地域の状況などを踏まえて、国立大学が私立大学などと役割分担をしていくということになるとすると、2034年度からやるにしても、そこの前にはかなりちゃんと準備をしないといけないということがあると思います。そういうことも踏まえて、次の第5期中期目標期間では、国立大学も先ほどの地域構想推進プラットフォームといったような仕組みを活用しながら、よく議論をしていただく必要があるかなと思っているところです。
【大森座長】 ありがとうございます。
議論は尽きないところでありますけれども、予定の時間が参りました。今日はかなり、コーディネーターとはということの議論が進んだかなと思っています。どうやら1人では難しいんじゃないかということも共通の認識として出てきて、どういった素養を持った人とか、どういうつながりをつくれる人、それはそれぞれのプラットフォームによっても変わってくると思いますけれども、何かコーディネーター集団みたいな人が常に議論をしながら引っ張ってくれるというようなイメージもあるかなと思いました。
あと後半のほうでは、誰が引っ張ってこれを立ち上げるか問題というのはあって、みんなが同じ熱量でということは非常に重要ですけれども、それはどうしていったらいいのかという課題も残ってきたところかなと思っていますが、また引き続き御議論をいただいていきたいと思いますし、また予算がどうなるかということも含めて、今後引き続きということでお願いできればと思います。本日はありがとうございました。
次回以降の日程等について、事務局から説明をお願いいたします。
【石川地域大学振興室長】 本日も大変ありがとうございました。
次回は令和8年1月30日ということで予定しております。委員、特別委員の皆様、また、本日ヒアリングに参加いただいた皆様におかれましては、御発言できなかった内容等ございましたら、事務局宛てにお寄せいただければと思います。
以上です。
【大森座長】 ありがとうございます。
今日は本当にたくさんの御発表を、特別委員の皆さん、それから事例を報告いただいた皆さん、本当にありがとうございました。議論が深まったなと思っております。
それではこれで本日の会議を終了としたいと思います。ありがとうございました。
―― 了 ――
高等教育局大学振興課地域大学振興室