令和7年12月15日(月曜日)10時00分~12時00分
ハイブリッド(対面・Web)開催 ※傍聴はWebのみ
(座長)小路明善座長
(座長代理)平子裕志座長代理
(委員)阿部守一、石川正俊、伊藤公平、大森昭生、尾花正啓、角田雄彦、田村秀、中村和彦、福原紀彦、村瀬幸雄、両角亜希子の各委員
先﨑大臣官房審議官、小林私学部長、安井高等教育企画課長、石橋大学振興課長、三木私学行政課長、田畑私学助成課長、柿澤参事官(学校法人担当)、菅谷私学行政課課長補佐
浅井公立大学協会会長
村田国立大学協会常務理事・事務局長
今里経済産業省産業人材課長
【小路座長】 それでは,定刻となりましたので,ただいまより第7回目の「2040年を見据えて社会とともに歩む私立大学の在り方検討会議」を開催させていただきます。
本日の検討会議も対面,オンラインの併用によりまして,公開で開催をさせていただきますので,御了承いただきますようにお願いいたします。
それでは,本日の議事等について,事務局より説明をお願いいたします。
【菅谷私学行政課課長補佐】 本日の議事及び配付資料は,次第のとおりとなっております。過不足等あれば,事務局までお申しつけください。
なお,本日はオブザーバーとして,オンラインから村田善則国立大学協会事務局長,浅井清文公立大学協会会長,名古屋市立大学学長にも御参加いただいております。
【小路座長】 ありがとうございます。
それでは,早速,議事に入りたいと思います。本日は検討会議の最終回となりますので,審議のまとめとについて集中的に議論をさせていただきたいと思います。これまで地方大学や教育研究を担う大学への重点支援,また,規模の適正化に向けた私立大学の経営改革強化,そして教育研究の質の向上や,産業構造や地域社会へのニーズに対応する私立大学への支援,こういったことについて集中的に議論をさせていただきました。今回で本検討会議は最終回となりますため,これまでの議論をまとめさせていただきたいと思います。
先ほど事務局から説明があったとおり,本日は国立大学と公立大学の立場から議論に参加いただくため,国立大学協会と公立大学協会にもオブザーバーとして参加をいただいております。本検討会議での検討は私立大学を中心にしつつも,国公立全体に関わる大きなテーマということでもあるために,議論を国公立大学にも共有をさせていただくとともに,コメントをいただきたいと考えております。
それでは,事務局より審議のまとめ(案)について作成していただいておりますので,説明をお願いいたします。
【三木私学行政課長】 それでは,事務局から御説明申し上げます。中間まとめをおまとめいただきまして,その後の議論を踏まえた審議のまとめ(案)を作っております。そういう意味では,審議の中間まとめを踏まえて,この審議のまとめ(案)を作ってございますので,中間まとめからの変更点を見ていただくほうが分かりやすいかなと思いますので,説明は資料の2という審議のまとめ(案)の,いわゆるこの見え消し版を御覧いただければと思っております。ですので,変更点を中心に御説明をいたしますけれども,審議のまとめの全体構造にも触れながら御説明をさせていただきます。
めくっていただきまして「はじめに」のところ,2ページでございます。本会議の議論の経緯や経過,審議のまとめの全体を通した考え方,理念を「はじめに」でざっくりと記載をしてございます。すなわち,3ページ目を御覧いただきたいのですが,中ほどでありますけれども,大学の機能,役割のみに着目するのではなく,接続する初等中等教育や産業界等との間で一貫した理念と相互理解のもと,最適なシステムとして機能するよう施策が設計されることが必要であるといったような考え方を「はじめに」で書いてございます。
4ページ目,I私立大学を取り巻く現状と役割の変遷でございます。社会の変化や直面する課題でございます。これは中間まとめまでで随分御議論をいただきましたけれども,地方における私立大学の果たす役割でありますとか,研究面での果たす役割について本会議におきまして私立大学の歴史も振り返りながら,データも見ていただきながら,現状を御議論いただき,私学の果たす大きな役割,現行の高等教育における私立大学の果たす大きな役割について記載をしているところが,このIの1.の辺りでございます。
8ページまで飛んでいただきますけれども,今後の私立大学の振興の基本的考え方,これは中間まとめの記載とほぼ同じでございますけれども,私学助成につきまして8ページ,従来の一律に近い配分方法から,以下のような観点に応じたメリハリ・重点化への転換を図ることとするということで,8ページ(1)から(2)(3)(4)(5)と書いてございます。
9ページのIII,私立大学振興のための4つの施策の方向性の転換ということで,(1)は地域から必要とされる人材を担う地方大学の重点支援への転換のことを記載してございます。
10ページでは,途中の会議で御議論がありましたように,海外の事例,米国のイリノイ州の事例を記載してございます。その上で11ページから12ページにかけてでございますけれども,11ページ,一番下,大学入学者数の急減に伴って大学が撤退すること等となった結果,特定の地域から大学や地域に必須のサービスを担う人材を育成する学部がなくなり,アクセスや人材輩出に課題が生じることは避ける必要があり,そのための方策を講ずる必要があるということで,12ページですけれども,地域構想プラットフォームにつきまして書いてございます。地域の実情に応じた取組が進められることが重要であるけれども,2040年に向けて地域の人材育成が持続可能なものとなるか主体的に議論を行い,構築される地域の高等教育像,すなわち,地域に必要な人材の内容やボリュームとそれに対応するための他の大学との適切な連携・役割分担等による地域の大学全体で形成する高等教育の姿を共有し,地域の高等教育資源の効率的・効果的な活用のための重複感の解消や地域の高等教育機関の機能を最大化していくことが必要であるといったこと。
そして,その次の丸ですけれども,地方では,このような改革を行う大学こそが社会とともに歩む私立大学と考えられるというふうにまとめております。このように地域の私立大学がステークホルダーとの協働による変革を通じて,2040年以降も地域の人材育成に重要な役割を果たしていく姿をこのように記載しておりまして,いわば統廃合ありきの姿を示しているものではないということを明確にしているというところでございます。
その上で13ページ,(2)の具体的施策,プラットフォーム関係では,2つ目の丸でコーディネーターの配置の促進でありますとか,文部科学省による適切な助言等を行う体制の構築でありますとか,高等学校との連続性や産業界や地方公共団体との連携に対しての国の支援の充実でありますとか,私学助成につきましては,地方の中小規模大学の私学助成のメリハリ・重点化を図るとともに,さらにプラットフォーム等における議論を踏まえた構造転換の改革を行いながら,地域人材を育成していく大学を重点的に支援をしていくというようなことを書いてございます。
15ページからは,2.日本の競争力を高める教育研究を行う大学の重点支援への転換ということで,国際競争力の向上に向けた私立大学の研究力強化であります。この辺り中間まとめからは,それほど変わってございませんので,15ページ,16ページ,17,18と,それから,19ページの(2)日本の産業を支える理工農系人材の育成,これは後ほど出てまいります教育の質の向上と重なる部分もありますので,少し説明は割愛をさせていただきます。
24ページ,3.再編・統合等による規模の適正化に向けた私立大学への経営改革強化への転換,こちらの部分は基本的には変わってございません。25ページに大学の経営力の重要性について言及をしているところでございます。
その上で30ページからは,中間まとめ以降,御議論をいただきました教育研究の質の向上に向けた重点支援への転換ということで新たに大きくつけ加えているところでございます。(1)が産業構造の変化に対応する理系転換,文理横断・文理融合教育の推進等ということで,冒頭には入試の課題や,30ページ,一番下のほうですけれども,ダブルメジャー等の取組も有効であるといったこと,31ページはリ・スキリングの推進がまだ道半ばであるといったことが書いてあります。
その上で32ページ,具体的な施策でございますけれども,成長分野への大学等の学部再編等のための基金により,地方大学を中心に全国的には理工系分野の入学定員の増が図られてきたけれども,定員のボリュームゾーンである大都市圏の大規模大学における理系転換等が一層求められる状況にあるため,成長分野転換基金を大都市圏の大規模大学の理系転換に際しての課題にも対応した仕組みとするなど,同基金を抜本的に充実することでありますとか,文系大学も含めた各学部の教育カリキュラムに数理・データサイエンス・AI教育のプログラムを位置づけるなどの教育改革を行う大学に対する支援でありますとか,3つ目の丸ですけれども,入学者選抜において理数科目を必須とする改革を進める大学を支援するでありますとか,4つ目でありますが,文系・理系の隔てなく幅広く学習するダブルメジャー等の取組を導入するための教育改革を行う大学を支援するでありますとか,その下2つ,放送大学との連携でありますとか,一番下ですけれども,大学の理系への構造転換とともに,高校生が理系分野を選択しやすくなるよう,初等中等教育段階と高等教育段階を一体的に設計し,一貫した改革を推進するといったようなことを記載してございます。
そして33ページでありますが,今後の検討課題としまして,入学者選抜における文理横断からの脱却に向け,各大学の入学者選抜で理系科目等の導入が進むよう,また,高等学校段階の一定の基礎学力の定着把握の観点も踏まえ,大学入試共通テスト等の実施時期や内容,方法等について関係者の意見を踏まえ検討していくことが必要であるといった今後の検討課題も記載してございます。
34ページ,(2)プロジェクト型学習の推進でありますけれども,企業側からのニーズとか,大学における成果等を現状として記載した上で,具体的な施策としてPBLの推進や少人数指導の充実に向けた手厚い教育指導体制の構築として,ST比の改善を含む教員配置の充実を評価し,国が支援をするといったことでありますとか,実務家教員について,教員資格審査の改善をはじめとした配置の促進を行うといったようなことが書いてございます。
35ページ,今後の社会で活躍する力を身につけるための大学院教育の充実でございます。現状と課題では,大学院終了をスタンダードにしていくといった発想の転換が必要でありますとか,諸外国に比して日本の大学修士課程の進学率がまだ低くとどまっているといった現状を書いた上で,目指すべき姿として大学院の拡充に当たっての産業界のニーズも踏まえた高度人材の育成を進めるべきであることや,一方で,産業界においても責任ある評価とフィードバックを行うとともに,人材を適切に採用,処遇に反映させていくといったようなことでありますとか,大学と産業界との検討の場の構築も求められるといったようなことを書いた上で,具体的施策といたしまして,国は学部定員を減らし,大学院シフトを進める大学を重点的に支援をするでありますとか,学士課程から博士課程までの縦の連続性を向上するための制度上の措置を講ずるといったようなことを書いてございます。
37ページから38ページは,私立大学の附属病院の支援の在り方でありますとか,別途中教審のほうで議論されております新たな教育の質の評価につきましても書いております。
それから,39ページ,40ページは,「知の総和」の向上と高等教育の全体最適に向けた私立大学の在り方としまして,全体を取りまとめた俯瞰的なことを書いてございますけれども,この改革について大きな時間軸を共有した上で,実情も踏まえながら取組を修正していくという時間軸を持った改革の必要性でありますとか,大学と高等学校や大学と企業,私立大学と国公立大学,各機関間の一貫した理念と相互理解の下で最適なシステムとして機能するよう施策を設計することが肝要であるといったようなことも書いてございます。
41ページ,42ページは「おわりに」でございます。最後のまとめの言葉を書いてございますが,国の大学の改革への支援のために,真ん中,3段落目でございますけれども,文部科学省は私学助成において,大学の取組や成果に応じた支援の充実に努めるとともに,各大学が私学助成の配分額の見通しを立てやすくなるよう,より明快な配分の仕組みの構築に向けて検討を進めることが必要であるといったようなことでありますとか,私立大学の授業料のことについても,その後,なお書きで書いてあるようなところでございます。審議のまとめ全体を通じてでございますけれども,この審議のまとめ(案)は,検討会議の議論中から取り組んでいることから,今後,時間が一定かかっても取り組むべきこと,目指すべきことまで有識者の提言案としてまとめていただくような形で審議のまとめ(案)というものを今御用意してございますので,御議論をいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【小路座長】 三木課長,ありがとうございました。
今お聞きいただきましたように,これまでの皆様の御発言の,いわゆる趣旨を踏まえて事務局で一部修正がありますけれども,ほとんど加筆ということでさせていただきました。今御説明のあったことを含めて,まとめ案ですので,それ以外の全体についても皆さんから御意見をいただければと思います。もし質問がありましたら,この時間でお願いできればと思います。座長として勝手ながら,今日,先ほど申し上げたように最終回となりますので,できますれば,このまとめ案については委員の皆様全員に何らかの御発言をいただければありがたいなと思いますのでお願いいたします。人数の関係上,大体1人5分程度ということで御発言をお願いできればと思います。
まず,阿部委員,時間の都合で最初にということで,阿部委員より御発言がございますので,お願いいたします。阿部委員,どうぞ。
【阿部委員】 いつもオンラインで時間的な制約の中で,順番も配慮いただきまして,ありがとうございます。私からこの取りまとめについて修文を何点かしていただきたいということで,強くお願いを申し上げたいと思います。この間,私から何度も申し上げてきたのは,高等教育機関が偏在しているのではないかという話,それから,国がしっかり責任を持って私学支援を行うべきだといったような趣旨でお話をさせてきていただいております。そうした中で,今回の取りまとめ(案)を見ると,何点か強く申し上げなければいけない点があると思っています。
まず,4ページ,5ページの辺りですけれども,取り巻く環境,人口減少のこと等が書いてありますが,こちらの概要のほうを見ても,大学,高等教育機関自体がそもそも現時点でも偏在しているというような趣旨があまり明確になっていない。何度も分散化ということを求めてきたわけでありますけれども,確かに大学の自治がありますので,国が強制的に何かするということは難しい部分があるとは思いますが,これ,国家政策,国土政策全体の観点で,今のままで本当に教育の公正さが保たれているのかという危機感を私は持っています。地方の子供たちは,どうしても地元に高等教育機関が少ないので,大都市に出掛けていって高い下宿代,生活費を払いながら頑張っているという状況があります。
この人口減少社会の中で,もとより後段に出てくるように,私学の在り方,統合等も含めて考えていくべきだということは,私も重要だと思いますが,しかしながら,単に成り行き任せで大学の数が減るということでは,ますます地域としては困る。子供たちにとってマイナスだと思いますので,その点はぜひ問題意識と方向感を明確に記載してもらいたいと思っています。
それから,11ページ辺りですか,地方大学の重点支援のところで,目指すべき姿,いきなり目指すべき姿が例えばの例から入っているというのが,書きぶりとしては変ではないかと思いますが,それはともかく11ページの丸の一番上のところに知事と学長が人材需要を共有し,地域企業の支援や大都市大学との連携などにより地域に不可欠な医療や福祉分野等の人材を育成する方策を協議・実行していくべきと。我々も地方の教育については主に関心を持っていますし,必要な取組は行うということは全くやぶさかではありませんが,しかしながら,これ,知事と学長が主語になっているというのは,極めて違和感を持っています。
私も,例えばアメリカのミネソタ州の例等を持ち出していろいろお話ししましたが,国がどういうビジョンを示すのか,そのビジョンをどうやって実行するのかという基本的なところは,国が責任を持たなければ,これ,全部地方丸投げということで,とても問題が解決するとは全く私は思いません。私も高等教育,重要だと思って,県内のいろいろな大学の学長たちとも話し合いをさせていただいていますが,どうしても,これは文科省の皆さんに申し上げますけれども,大学の皆さんは地方公共団体ではなくて,文科省の顔を見ています。私学助成も文科省からもらっています。許認可権も文科省があります。文科省が前面に立たずして,こうした改革を地方に丸投げするというのは,これは何というか,実行を放棄するに等しいのではないか。あえて厳しく申し上げれば,言わざるを得ないと思っています。
この点の書き方,あるいは書き方だけではなくて,発想の基本的なところから,ぜひ改めていただく必要があるのではないかと思います。仮にそういう方向性が本当に望ましいというふうに考えるのであれば,財源と権限,もっと地方公共団体,都道府県に委ねていただかなければ,こうした今の危機的な状況の中での改革を実行していくということは,ほぼ不可能だということは,ここで断言させていただきますので,そうした観点でしっかりと考え方を改めて,記述の内容についても改めていただきたいと思っています。
それから,14ページのところの大学間の連携推進も同じであります。これもやはり支援というふうにしか書いていないのですが,私は国家公務員もやっていましたけれども,国がやることは支援だけではないだろうと思っています。支援だけやるのであれば,AIに合理的な補助金を作ってもらえばできてしまいます。どういうビジョンを作るのか,そして規制とか誘導,様々な政策を総動員してどうやって望ましい姿に持っていくのかということが国の役割でありますので,そういう意味では,この14ページの部分についても,これは国の役割と責任をもっと明確にするべきだと思っています。
それとの関連で最後の40ページの2のところも,さらっと首長や学長らというふうに出ていますが,お配りいただいている概要ペーパーを見ると,この地方大学の重点支援のところのプラットフォームのところは,極めて主語が曖昧になっています。私は県職員には,いつも主体的に行動しろと言っていますし,誰が主語なのかを明確にしていない文章ほど悪い文章はないと思っていますので,やはりこれは主語は国であるべきだと思っていますので,ぜひその点,御検討いただきたいと思います。
それから,少し長くなって簡潔にいたしますけれども,あと理工学部,理系学部の設置,あるいは転換という部分については,既存の私大の皆さんに対しては,先ほど申し上げた文脈で,地方への立地もぜひ具体的に検討するよう求めていただきたいと思います。義務化はできませんけれども,検討してもらいたいということは強く求めてもらいたいと思いますし,また,高等教育の在り方を考える上では,例えば県でも農業大学校とか林業大学校は持っています。それから,工科団体もあります。職業能力開発施設を他省庁が所管している高等教育機関的な存在もぜひ視野に入れて,文科省には,そうしたところを横に置いて関係ないということではなくて,ぜひトータルで考えてもらいたいと思います。
あと2点だけです。もう一つ,24ページから経営改革強化の転換が書いていますが,具体的な政策の中で経営指導の強化,あるいは合併,撤退,こうしたことを支援することが必要だと思いますが,ぜひこの私大を評価する際に,あるいは私大に対する支援を考える際に,立地条件,あるいは地域において果たしている役割,こうしたものをしっかり考慮してもらいたいと思っています。何が公正かということは,いろいろな議論があると思いますけれども,少し話がずれるかもしれませんが,例えば公共交通,我々,一生懸命考えている中で,JR,大都市は黒字です。地方路線は赤字です。これはJRの経営が悪いのかということではなくて,そもそも立地特性に応じてそうした収支が分かれているという状況もありますので,ぜひこの大学を評価する際にも,その立地,あるいは地域における貢献度,こうしたものもしっかり評価時に加えていただかないと,公正な評価,公正な対策にはならないと思います。社会的共通資本だという観点,高等教育機関は重要な社会的共通資本だという観点をしっかり持って取り組んでいただきたいと思います。
最後,高等教育就学支援制度については,大学生へのペナルティーと大学へのペナルティーを分けてもらいたい。大学へのペナルティーの道ずれに学生がなるようなことがないようにということを何度も申し上げてきておりますので,ぜひそうした点もこの文脈の中にはしっかりと入れていただきたいと思います。
私からは以上です。多少厳しい言い方ではありますが,これは地域としては非常に切実な問題でありますので,曖昧なまま進めていただくのは極めて困ると思っておりますので,ぜひよろしくお願いいたします。以上です。
【小路座長】 ありがとうございました。
8点ほど御指摘いただきまして,趣旨は十分理解させていただきましたので,一通り皆さんから御意見をいただいて,最後に何かあれば皆さんから御意見を再度いただくということにさせていただきたいと思います。
それでは,次の方,いかがでしょうか。では,対面の方から。私と平岡さんは最後に意見を述べさせていただきます。では,石川委員から。
【石川委員】 そうですか,あいうえお順で。詳細まできちんと精査したわけではないんですけれども,全体として気になるところを幾つか御指摘させていただこうと思います。
最初は3ページ辺りにあるのですが,最適なシステムとして機能するということは,総論としては非常に正しいことなのですが,私,専門がシステム情報学なので,これ,総論はいいのですけれども,各論が全然ないと動かないということがありまして,この各論に対して,もう少し突っ込んだ議論を,中長期的な話になるかもしれないですが,やらないといけないかなと思っています。特に初等中等教育と高等教育,それから,民間企業との間のギャップが激しいということは,私も指摘させていただきましたが,このギャップを埋めるような最適化のプロセスというのは,当然,具体的な施策として入れていかなければいけないと思っておりますので,それをこの報告書の中に入れるか,施策として実現するかは別として,ぜひともやっていただきたいと思っています。それがないと,ここで書いたことが絵に描いた餅になってしまうのではないかと思っています。
それから,文理融合という話は,私は別なところで,文理融合ではなくて理文融合が正しいのだという話をさせていただいております。今,民間企業の動きを見ても,文科系のロジックを理系の人間にやりなさいといったようなやり方では,もう日本は世界の先頭に立てない。理系が新しいことをいろいろと開発した中で,文系の仕組みを変えていくのだということを文理融合という言葉だとちょっと誤解を招くので,私としては理文融合を推進したいと思っております。この報告書に書く必要は,どうか分かりませんけれども,私としては,理文融合という単語をはやらせたいと思っておりまして,理系の人材である必要はないのですが,理系のロジックをまず先に新しい世界像を作った上で,それに社会,あるいは文科,社会科学,人文科学をどう乗せていくかというプロセスでないと,日本は世界の先頭に立てないということを強く申し上げておきたいと思っています。
それから,どこに書いてあるか分からなくなってしまったのですけれども,企業からのフィードバックをきちんと,責任あるフィードバックを持ってくださいというのは,これは割と重要だと思っています。企業からのフィードバックが,こういう人材が欲しい,こういう人材が今社会で求められているということをきちんと大学へフィードバックしていただきたい。そのフィードバックが,「責任ある」という言葉が非常に重くて,責任あるフィードバックをしていく。何を言っているかというと,例えば企業の役員の方がこういう人材が欲しいと言っても,企業の人事部はそれと全く違う人材を採るんですね。それではシステム全体としての最適化にならないし,学生としてかわいそうなことになる。だから,企業としてこういう人材が欲しいといったことを的確に表現していただき,それが大学に責任あるものとして,つまり,そういう人材であれば必ず採っていただきたい。
こういう人材が欲しいと言ったら必ず採っていただく。今,実はそうなっていなくて,こういう人材が欲しいと役員の方が言っても,人事部は全然違うやり方で採っていますので,そこをきちんとした形に直してほしいなと思っております。これ,先ほどの大学と企業とのギャップの問題でもありまして,この中で単語として使われているのが,共同教育という単語が使われているんですが,産業界と大学が共同してどういった人材,あるいはどういった接続をすべきかというのを真剣に考える時期ではないかと思っています。大学での教育とオン・ザ・ジョブ・トレーニングがダブっている。あるいはオン・ザ・ジョブ・トレーニングが大学で全然違う分野で,もう1回やり直すというようなことは,日本全体としてロスを生んでいるのではないかなと思っておりますので,ぜひとも産業界から責任あるフィードバックを受けて,大学はそれに対して確固たる努力をするという体制を整えるのが全体最適に近道ではないかと思っています。
それと,最後になりますが,41ページにありまして,ちょうど真ん中辺に明快な配分の仕組みの構築に向けてということがありまして,予算配分,いろいろな配分額を例えば私立大学の理系を強化しますということを聞いて,理系の配分額が上がるかと思うと,これ,企業の方,御存じか,圧縮率というのがありまして,圧縮率が高くなりますと,理系強化といっても大学に来る金額が下がる。ここ,非常に不明快な形になる。一瞬,喜ぶわけですよ。理系強化,あるいはこういう分野を強化しますといっても,全体の総和の圧縮率がかかるので,強化と言っているのに減額されるという妙な世界になって,こういったことが明快な予算配分であるとは,とても思えない。ここを直していただきたい。
この根本の原因は,圧縮率という問題であって,これは文科省か財務省か分かりませんけれども,悪しき習慣であると思っておりますので,圧縮率というような論理を持たずに明快な予算配分をしていただきたい。そうでないと大学として,どういった改善計画,あるいは教育計画を立てていいかが,文科省からここを強化しますというだけではやれないんです。強化しますといっても,総額の予算が減る場合もあるので,そうすると,我々,強化しますといっても予算が減るのでは強化できないということになりますので,そこ,明快なロジックを作って,少なくともこういった形で強化しますと言われたらば,その関係の予算は増えるというロジックでない限り,大学としては動きづらいということがありますので,この明快な配分に関しては,きちんとした実行計画とか,実施をしていただきたいと強く思います。
以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございました。4点ほどいただきまして,これまた検討させていただきたいと思います。
では,伊藤委員,よろしいでしょうか。
【伊藤委員】 ありがとうございました。今回の議論を通して私がまず思ったことは,地域から必要とされる,要は3つの柱でずっと議論してきたところで,最後に教育研究の質の向上に向けた重点支援というのが後半で出てきたというのが私の印象,私の感想であります。理系が足りないということで,理系転換というのが後半で強力に出てきたのが今回の1年間の議論でした。
その1年間の議論に関して,理系転換または文理融合という,様々,その言葉に対しても意見はありますけれども,これは後押しするといったときに,この資料3の概要版で,例えば1,各大学において,つまり,それぞれの大学において,我々が全ての大学にそれを言うことになるのかどうかというのがこの概要版の1に来ていることが,まず,私,違和感があって,これって最後から出てきたことなので,4番目に出てくるべきことなのかなと思っているんですけれども,概要版で1番に来ている。しかも,それ,各大学において,つまり,私立大学それぞれいろいろな考え方,建学の精神を持って行っているときに,ここで各大学においてというのは,ちょっと違和感があるというのは,ちょっとというか,相当な違和感があるということなので,この順番を考えていただいたほうがいいのではないかなという,特にこの概要版に関してであります。
実際のページのほうを見ると,そこまで「各大学において」という言葉はないんですね。あと,推進するとか,そういったような理系転換をしたいところでもデータサイエンス等,頑張るとか,そういうことを推進すると書いてあるものなので,この概要版の書き方というのが,多分,ページとの対応がちょっと違うのではないか。この例えば2のところも,先ほど阿部知事からの指摘がありましたけれども,首長と学長が経済界を巻き込みながら実行し,国は改革を強力に後押しをするという,この「強力に後押しする」というのはとてもいいことなのですけれども,これって,要は現場でも頑張る人がいなければいけないので,その主語を誰にするのか。そして,国はそれをとにかく強力に後押しをするということを宣言する。そこら辺の整理がやはり必要なのかなというのは,先ほど阿部委員の話も聞きながら思ったところであります。
ですから,この概要版を最終的には見る人が多いので,この概要版と,それから,この中身の審議のまとめの整合性をもう少し丁寧に取ったほうがいいのかなというのが,今の私の印象です。それがまず1つ。あと,この1年間も,このことを議論してきて特に思ったことは,理系に転換するためには,高校や中学校や小学校で,もうその準備がなされていなければいけない。そもそもこのAIの時代に我々教育界が何を一番生徒,そして学生たちに植えつけるべきかというと,もうこれ,好奇心しかないと私は思っているんですね。つまり,AIに対しても好奇心があれば非常によい質問をどんどんして学んでいけるんだけれども,AIをただのショートカットとして使い始めた瞬間に能力が落ちていくというところがあるので,どうやって好奇心を強めていくか。
そして,幾ら理系が必要だというふうに国が言ったとしても,国が必要だから,みんな理系に転換してくださいというのは,生徒たちに響かないと思うんですよね。だって,好きだからやるべきであって,ここで国が国立がそれほど転換できないんだから,もっと私立,転換しろと言って,じゃあ,それはやりますといったときに,そこに実際に生徒たちが行くかどうかといったら,好きじゃなければ行けなくて,文理融合するのがいいかというテクニカルな話ばかりが多いんですけれども,すごくやはり難しかったのは,初等中等教育と,それから,大学の議論が完全に線が引かれているので,こちらとしてもサジェスチョンはできるだけなんだけれども,根本的なことがなかなかできない。
例えばなぜ高大一貫校というのはないのだろうか。高大一貫校ができたら,高校で文系も理系も関係なく,昔の高等専門学校というとエリート意識に戻るのかと言われるので,よく怒られるので,私は高大専門一貫校という言葉を使っているんですけれども,まず,高校で,ある意味,大学の教養的なことを一生懸命やって,その中から,ああ,自分は物理が好きだとか,自分は数学が好きだとか,この数学と経済をやったら楽しいなとか思うようなことができていけば,好奇心が喚起されて,その中で,ああ,工学に進むの,いいよなという人が増えていくというのが,ある意味理想だと思うんですね。理系コースと文系コースよりもテクニカルに分かれるのが早過ぎるというのがまず問題であって,なぜこれほど日本は,例えば15歳のPISAの学力試験を見たってレベルが高いんだから,じゃあ,何でもっと早く広い意味での教養が高校からできないのだろうか。
もともとリベラルアーツというのは,そういうふうにいろいろなことをやった上で自分が好きなものをだんだんと集約していく,教養課程だったはずなのに,今,逆に理工学部に入ったけれども,リベラルアーツが大切だから総合教育科目を取りなさいという順番になっていて,それって理工系の学生たちから見たら余計なものに思っている人が結構いる。本来は,そっちを先にやって,その中から好きなものを,好きなものがたくさんある中で,どれにしようかと迷うぐらいの好奇心を作っていくのが本来の教育であるので,この辺のところのシステムをどうやって国立,公立,私立,都心,地方,高校,全てがやはりまとめて議論していくのかというのが大事なのかなと思ったので,ここで今回提案されている非常に重要なことが,例えば私が関係している質保証,評価のところにも関係してくるんですが,これは一体,ここの提案がどうやってそこに入ってくるんだろうかとか,ここでの提案がどうやってほかに波及効果があるかということが,すごく今後の課題なのかなと思っているんですけれども,その前にやはり大きなことを考えていかなければいけないのかな,2040年に向けてはと思っている次第でございます。全体としては,この整合性をとってくださいというのが,私の意見です。
【小路座長】 ありがとうございました。
いろいろ詳細,御指摘いただきまして,大きく2つ御意見をいただいたかなと思います。また検討を加えさせていただきたいと思います。
それでは,大森さん,まだ来たばっかりなので,少したってから御発言ということで。
【大森委員】 大変申し訳ありません。
【小路座長】 では,角田さん,お願いします。
【角田委員】 私からは4つの施策の方向性転換のうちの1と3の佳境に当たるような点のお話をさせていただければと思います。私自身がエッセンシャルワーカーを育てております地方の私立大学の学部,外部役員をしておりまして,経営改善に努めているところもございまして,その観点も含めてでございますが,まさに地域連携の中で地域のニーズに沿うような形での教学も改革し,経営も改革していくという中で,自治体からの様々なニーズも受けながらということで進んでいくというのが1の流れでありまして,ただ,やはり最終的にはかなり強い形での組織改革なども,3のような形で求められていくというところがございます。
1つ,この地域と連携していく中では,公立化,公立大学に変わっていくということもあるわけですが,地域によりましては,公立化という方式はとらずに,あくまでも学校法人としては存続し,そこに財政的支援をして協力していくということがあるわけですが,ただ,その財政的支援をするに当たっては,経営の合理化などが果たされない限り,行政の責任としてそういうことができない。また,そうしなければ地域にニーズを還元できないのだという意思決定がある場合もあるわけでございます。そういう場合にあっても,もちろん地域連携プラットフォームなどを通じて,その地域における議論の中で地域も説得活動を学校法人に続けていくなどして経営改善がなされていくことが望ましいところではありますが,なかなか地方の小規模大学におきましては,創業家の影響などがまだ残存していて,自律的な経営改善というのが,障害があるところも多いように聞いております。
そういった中にあっても,自治体の働きかけ等によって改善がなされるということは望ましいわけですが,しかし,そこにも一定の限界があるので,そういった点においては国の関与ということが重要になってくると思われます。つまり,本来は学校法人自体が経営指導を文科省に求めていくべきというところではありますが,タオルを入れてあげるといいますか,自治体などからも,こういう相談を受けたほうがいいのではないかということを積極的に進めていくことが必要であります。そうしますと,文科省の受入れ側としても,自治体からのそういった地元に存在する地方大学についての経営相談,経営指導に関する窓口といいますか,そういった形で受け入れていくということも,複数の窓口を持ってしていくということが重要になるかと思います。
本来,自律性を持ってというところではあるのですが,もはやもう待ったなしの状況であり,これはその学校が存続しないということは,学校の1つの問題でなく,地域自体の若者の人口がどんどん流出していくという問題,また,地域の先ほど来,議論がありましたエッセンシャルワーカーが,その地元で育てられないという問題が出てくることから,学校経営をどうするかということは,もはや地域自体の問題という側面があるということは否めないと思います。ですので,本来,自律的なところを基調としつつも,最終的に課題等を自治体が感じる場合においては,自治体のほうが,その学校の経営に関する相談というものを文科省に持ち込み,文科省もそれを対応できるような仕組みづくりというものが考えられるというところがあるのではないかと考えました。
以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございました。大きく1点,御指摘をいただきました。
それでは,田村委員,お願いいたします。
【田村委員】 ありがとうございます。私から大きく4点,4側面からなのですが,まず最初,阿部知事の発言に関連してなのですが,何かこの審議会と全く同じ議論が,私が入っている国土交通省の地方鉄道の在り方,上下分離なのか,廃線にするのか,三セクにするのか,そこでも実は国,ちゃんと考えてよ,示してよと,やっぱりそういう声が出ています。高等教育等,私なりに見ると,地方鉄道というのは自治体にとって苦手分野です。というのは,自分たちが直接関わっている事業があれば別ですけれども,そうでなければ,どちらかというと国に任せられていた部分が多々ある。そういう中で,ただ,そうは言っていられないので,今,地方もいろいろ考えなければいけないわけですが,そのプラットフォームであれ,何であれ,やはり文科省としてこうだということは一定程度示されるべきだと思いますし,そういうのがなければ,例えばですけれども,自治体が予算をつけるって,議会を通さなければいけないわけですよ。議会の議論で,そこでまず,国が何もしないので,自治体でやれって言うんですかという感じで反対になる可能性もありますし,やはりそこはもう少し何らか,国が踏み込んでいただきたい。
分権は大事ですけれども,やはり文科省として高等教育,特に地域においてどういうのが必要なのかとか,あるいはそこは支援といっても,もちろん今更,文科省が地方支分部局を作れとまではなかなかあれですけれども,例えばこの関係で九州担当の職員を置くとか,四国担当職員を置くとか,ある程度責任ある体制というのも,要はアドバイスをする上で,それは別にOBの方でも構いませんけれども,そういうところがないとなかなか地方のほうも,ノウハウもないですし,なかなか議論を,じゃあ,知事と国立大等の学長で一緒になってやってねではなかなか,事務局,お手上げの状態になる。もちろん積極的にやる県もあるでしょうけれども,消極的に財政が厳しいからといって,消極的になるところも何となく,幾つかの県,浮かんでしまうぐらいあるわけですから,ただ,それではやはり地方の教育が,高等教育が本当にこれから10年,20年どうなっていくのかと大変心配なところでもありますので,ぜひそこのところは文部科学省としての主体的な関与ということを少し考えていただきたいのかなと思っています。
2つ目は,これも別に特に,文章を直していただきたいということは特にないのですが,そもそもこのタイトルは審議のまとめって,何か報告書って名前かと思ったら,そこも「おや」と思ったんですけれども,改めてこの会議のまとめの位置づけと,今後どのように進めていくのかってロードマップ,こういう部分を,今すぐは示すことは難しいのかもしれませんが,この審議会の議論を踏まえて,もちろん文科省さんには様々な審議形態があって,それが同時並行で進んでいるというのは分かります。そういうものとどういう関連づけられて,どういうふうに進むのか。特に地方の側にいると,プラットフォームとか,そういうところの辺りを今後どういうふうに進めていくのか。そういうところをもう少し,しかるべきタイミングで示していただきたいなと。何かそれがないと議論はしたけれども,じゃあ,これ,議論して終わりですか,それが今後どうなるかというのが見えないので,そこのところをぜひ見える化していただきたいなというのが2つ目であります。
3つ目は,先ほど来,文理,理文という話がありましたし,私もそういう方向で特に小学校,中学校,やっぱりそっちのところをしっかりやらなければ,もちろん高校も大事ですけれども,結果的にそういう人材が増えないだろうし,また,そういう目指すべき人材も育たない。そこは先ほど伊藤塾長もおっしゃられましたけれども,好きとか,楽しいと思わないと,学校の先生に楽しさを奪われてしまうということは,小学校とかあるわけですよ。本当に月の満ち欠けで,何でこんなこと,うちの息子,言われるのだというのは,この間,ちょっと言いかけたんですけれども,本当に誰に聞いても何でそんなことを言うんだろうねと。やっぱり個別の話はいろいろありますけれども,楽しいとか,そういう例えば生き物とか,星だとか,実験とか楽しいというふうにもっと思わせるような教育を早い段階からやっていかないと,好奇心ってなかなか生まれないのだろうなと思いますので,要は18歳ではちょっと手遅れの部分がないわけではないということをぜひ考えていただきたいと思います。
最後に,これは全く私立大学の話ではないわけですが,今回,公大協さんも来られていますけれども,私,今,いろいろなところで私立大学の関係者といろいろ審議会とか意見交換することがあるのですが,その際,私立大学は,それなりに改革を,この会議も含めてやろうとしている。国立大学は国立大学でやれている。どうも公立大学が一番遅れているなと。そういう指摘をいろいろなところで聞きます。やはり公立大学としても本当にこの大学,必要なのか。じゃあ,どういうふうに地域のために役立っているのか,そういうことを考えていかなければ,国立,私立の改革に完全に取り残されてしまう。そういうところが結構あるのではないか,そういうふうに思っております。
以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございました。大きく3点,御指摘をいただきました。
それでは,福原委員,お願いいたします。
【福原委員】 ありがとうございます。4点,手短に申し上げたいと思います。まず第1点は,本審議まとめが果たす役割や,これの活用方法についてということで,先ほども御指摘がございましたけれども,それに関連して言います。今,学生,学校生徒の150周年を機に全国にある学校法人や私立大学の伝統校が100周年ですとか150周年の節目を迎え,その記念行事も頻繁に行われているところであり,私もまた文部科学省の各幹部の方々も御出席をされて,その地方のいろいろな方々と意見交換される機会が設けられていることは結構なことかと思います。これを契機にやはり各学校法人や地方の大学では,中長期的な展望に基づいて,中長期の計画が具体化されようとしておりますので,ぜひこの時期に当検討会議の審議まとめが大きな役割を果たしてくれることを期待したいなと思っております。
それから,伝統校とまでは言えないまでも,人口激増期に創設されたり,設置された学校法人,大学にとりましては,その設置の時代背景とは全く異なった新たな状況の下で今後どうしていくかという第二の建学の精神というか,パーパスといったようなものが模索されるわけでありますので,これをぜひ確立していただく際にも活用されればいいのかなとも思ったところであります。
それから,新たな時代に今後またその学校法人や大学が誕生していくことを決して妨げてはいけないと思います。現在存在する学校法人や大学を念頭に置いて審議がされてきたように思いますけれども,ややもすると未来の大学というものが,やはり日本の社会においても形成されていかなければならないものでありますから,これは私も関わります設置審や学校法人分科会において,設置認可申請において常に問題になるところでありますけれども,こういったところで大学というものをもっと活用していこうとして,いろいろなリソースが社会から集まってきて,作っていこうという機運が妨げられないように,そういう意味では,この審議のまとめにつきましては,必ずしも明らかではありませんけれども,未来の大学,こういったものに対する期待というものが込められていると私は理解したいと思います。
第2が地域との連携については,大変詳細に書き込まれておりました。今日,冒頭の知事の御意見にもありましたけれども,これは大学,大臣管轄と知事管轄とで教育の様々な営みについて,行政や予算,この立て方が違ってきた,違っていたと。ここにこの壁とか溝を取り除くのだというのが,恐らくこの審議まとめだと思います。これは地域の特性を反映して,そして自治体にこそ,大学を活用してほしいということでありますので,私はこの点,各知事が所在する学長を集められて,どうすべきかというような,そういう会を設けられるということは大変歓迎すべきことであろうかと思いますし,各地域に存在する大学も,今度は地域に目を向けるということが必要ではないかと思います。その中でやはり先ほどから問題になった小,中,高という教育関係については,これは知事の下でやっている,あるいは市町村長の下でやっているものですから,これと大臣管轄の大学というものと連携させるという意味では,この知事さんにそういう期待を込めているということが理解できるということで,阿部知事に反論して申し訳ありませんでしたけれども,両方やはりきちっとニーズを踏まえることが必要かと思います。
次に,第3として,今回充実されました教育の質の向上,これは大変重要なことで,今こそ,これまで何度も叫ばれていたけれども,実施に適した時期を迎えているので,これをぜひ実現するように考えていきたいときに,マスプロ教育に頼らないでも私立大学の運営の財政が整う構造を確立しないと,この私立大学においては,生徒,学生の学納金に頼ることが多いので,そういたしますと,この教育の質の向上,プロジェクト学習だとか,ゼミ中心だとかといっても限度が出てきてしまいます。そういったところでは,今こそ,各種の資産運用とか,基金の形成といったようなものが可能になってきたわけですから,既にスタートしております国立も含めた卓越大学とか,J-PEAKSといったようなところにだけ,そういった基金の活用というものを行うのではなくして,むしろ,この私学の振興のための基金の形成というのを今こそ働きかけて,このリソースが,各私学に持っていくような,そういうことで質の向上が果たされるのではないかと思います。
最後に,今回,触れられました大学や学校法人の経営人材の育成についてであります。知の総和答申におきましては,当然のように,もう必ずしも明確にされなかったのは,これまでの答申では必ず入っていたんですね。この経営の大学や高等教育を実施する人たちの研修が必要だというようなことが示されていた。今回,特に示されなかったのは,これは当然のようになっていたので,これを今回の訂正というか,補充でしていただいたことは大変心強かったと思います。そこでやはり官,産,学,金とか言われていますけれども,こういったようなものがこの大学経営人材を豊富にすることかと思いますので,今までの一部の方だけ,その大学や学校法人の設立の関係者,そして大学人だけではなくて,そこの経営に携われる方の多様性,それから,高度化というものをぜひこの審議のまとめから読み取りたいと思います。
そのためにはやはり研修の重要性のほかに,経営の相談,各地域の大学に必ずしもそういった人材がそろっているとは言い切れませんので,そこが抱えている課題等を今の文科省のスタッフ,大変な御苦労をされて相談に応じておられるのですけれども,そういった各種相談機能をもっと拡大,充実して地域プラットフォームなどを活用して,そういった課題,悩みに対応するということも大事かと思います。
以上4点,総論的でしたけれども,私からの意見として申し述べました。ありがとうございました。
【小路座長】 4点,いただきました。ありがとうございました。
それでは,村瀬委員,お願いします。
【村瀬委員】 ありがとうございます。私は主に2つを簡単に申し上げたいと思いますが,大変この会議,勉強になりましたが,今回,取りまとめということで少し感じましたのは,当初,この2040年に向けての私立大学の在り方ということで,大変な危機感を持って文科省の方が臨んでおられるということで,やはり700ある大学の経営というのは,これから大変厳しくなるということでしたので,そのことをしっかりとバラ色の答申ではなく,少し健全な危機感での具体策は,しっかりバックには持っていてほしいなと思っております。
これは私の業界というのは,金融機関なのですが,地方の金融機関というのはやっぱり,これから地銀,信用金庫,金融庁はこれから当然,それだけの数がなかなか成り立っていかないということで,いわゆる公的資金を入れながら,健全性というよりは地域金融を守っていくということは,決して経営者を守ったり,金融機関を守るのではなく,その地域の経済と預金者を守っていくというのが大前提ですので,この教育界もやはり地方の大学で学ぶ学生や教育を維持していくということであれば,公的資金というのか,補助金というのか分かりませんが,それをしっかり作っていくということは大事なことだと思いますので,それについてはぜひお願いしたい。それについては国民の皆さんは,多分,反対はされないのではないかなとは思っております。
その中で1つあるのは,地方の私立大学の皆さんが,今,私たちのこの岐阜や愛知県,非常に皆さん健全に経営しておられるのですが,独自性とか,県,あるいはオーナーシップ制というものは少し,それをあまり尊重するということはできないかもしれないなと私自身思っております。それよりもやっぱり学生とか教育のほうが優先するのではないかなと思っております。ぜひそういったバックアップをお願いしたいなと思っております。
あと,地域を今回,施策の中で大変前面に出していただいているのですが,地方は私立も国立も公立も同じベクトルのところである課題が多いところがありますので,それは私学に限らず,連携していただいてもいいのではないかなと。ただ,それぞれやはり人材育成とか,違うところもありますので,同じベクトルのところと違う分野というのは,独自性も大切にしつつ,連携をもう少し,文科省の皆さんがリーダーシップをとってやっていただいてもいいのではないか。これは私学だけではなく,国立,公立も含めてなのですが,何回かのときに,ある先生がおっしゃったのは,連携プラットフォームは大変たくさんあるのですが,なかなか実態がないというようなことをおっしゃっていらっしゃいましたので,その辺りせっかく連携プラットフォームがあるのであれば,それをうまく使っていただいてもいいのではないかなと思っております。
いずれにしましても,大変これから厳しい時代になってくると思いますので,ぜひともしっかり文科省の皆さんのほうでリーダーシップとあれを持ってやっていただければありがたいなと思っております。以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございました。2点,御意見を頂戴しました。
それでは,あと対面では両角さんは。
【菅谷私学行政課課長補佐】 今日,御欠席です。
【小路座長】 欠席ですね。そうしたらば,対面の方は,大森さん,どうぞ。
【大森委員】 すみません,今日,遅刻してしまいまして大変申し訳ありませんでした。地方からって,こういうことが起こるというふうに。遅参しましたので,もう既に出されている御意見とかぶったりということがあるかもしれません。お許しいただければと思います。
私,地域大学振興に関しての有識者会議のほうの座長をさせていただいています。その観点から,今回,このまとめ,本当によくまとめていただいていると感じておりますけれども,そっちの議論,つまり,地域における議論とこの私学の会の議論が非常にオーバーラップしているというか,協調し合ったものになっていると理解をしていまして,これも本当に部署間でいろいろすり合わせをしていただきながらやっているのかなということで,その意味では大変僣越ながら評価をしているところでございます。
今,村瀬委員からもお話があって,私もずっと冒頭からこの会議で言っているんですけれども,地域はやっぱり設置者別で分断されないということなんですね。これは特に地域の子供たちにとって,国立大学なのか,私立大学なのかというのは,そもそもよく分かっていないし,それはどうでもいいことで,そこで学べるかということが非常に重要になってくるという意味で,全く同じ意見なんですけれども,プラットフォームを作っていくときに,そこの国公私の連携ということなので,私学の施策というふうになって,その施策自体が地域を分断するということのないような取組ということが非常に重要になってくると思っているところです。
その意味においても,これも大学分科会含め,いろいろなところで議論されていますけれども,今度,自治体や産業界もというときに,それは文科省の話でしょうとならないためにも,やっぱり省庁間の連携ということも,例えば総務省であるとか,例えば経産,厚労であるとかともタイアップをしながら,これは地域課題なんですよということを政府を挙げて訴えていっていただけるということが重要かなと思っています。その上で,この後,多分,各地に,私も結構,地方の大学の,今までは単体の大学さんに呼ばれることが多かったんですけれども,大学の集まりに呼ばれるようにだんだんなってきました。
これはそれだけ知の総和答申のインパクトが大きかったということだと思うんですけれども,みんなでという機運がいよいよ高まってきている中で,それでもプラットフォームが立ち上がっていく地域と,それから,まだですよとか,立ち上がっていない地域というのが,一,二年すると見えてくるんだと思うんですね。そのときにアフターフォローというか,立ち上がっているところを支援するのは当然なのですけれども,立ち上がっていないところがなぜ立ち上がりづらいのかというか,そのことはぜひ忘れずに追いかけていただけるとありがたいと思っています。
全く違う文脈ではありますけれども,今,自治体間格差みたいなことが議論になっていますけれども,学びの自治体間格差が起こってはいけないわけです。そういう意味でも,できていないところは何でなのかというのを調べて,そこにどういう支援が次,必要なのかということも継続して続けていただければなと思っているところです。
それから,私学としてというところで言うと,地域や,それから,理系の部分に私学の助成を少し厚くしていきましょうということで,支援をいただけるって,とてもありがたい。地方の大学としてはありがたいと思っているのですが,これは,ここで言ってもという部分はあるんですけれども,プラスにしていただいても,結局,圧縮率でマイナスになっていくみたいなことがあるので,これは総量が増えないことには,せっかく小さなうちみたいなところが理系転換しましょうといって頑張って理系転換して,ちょっとプラス,もらえるのかなと思ったら少なくなるみたいなことになると,小さいところは目も当てられないみたいな話になりますので,そこはみんなで頑張っていきましょうということでございます。
あと2つ,簡単にですけれども,今回,グッと充実して加えていただいたのが,伊藤先生,座長で議論いただいている質の部分だと思いますけれども,これはここに書いてあることが云々ということではないのですが,私学の皆さんといろいろお話をしていると,やっぱり私学って成り立ちからずっと引き継がれてきた皆さんからすると,何か一律のとか,統一のとか,そういう表現にすごくアレルギーがあるというか,そうだからこそ,今まで残ってきたという,そうじゃない独自性を持っているから残ってきたというところがあると思います。また,そういう矜持もある。決して質を高めたくないと言っているわけでもないし,評価が不要と言っているわけではないのですけれども,そういう観点がある。
なので,今議論されていることは少し報道も含めて,ちょっと間違った捉え,何か全部同じ指標で測られるのではないかみたいに受け取られたりしていることもお話をしていると感じて,いや,そんなことないんですよという話をしているんですけれども,よりそこを意識した制度の発表というか,そういう私学に向けては,より丁寧にしていただく必要が,じゃないとみんなが協力しづらくなるというところがあると思いますので,それはお願いできればと思います。
最後に,福原先生がおっしゃったんですけれども,これから設置の在り方みたいなこともいろいろ議論されていく中で,プラットフォームで地域のニーズということをしっかりと捉えながら,将来に向かって転換をしていこう。ただ,この地域のニーズというのは,人材需要も非常にミニマムですので,それがコロコロ変わっていく可能性があります。10年後は分からないというか,見据えていてもそうじゃなくなる。そういったときに大学のほうも柔軟にそれに対応できるような在り方というのは,新しい大学像として検討をする価値はあるのではないかと思っています。
もちろん,地域アクセス特例のように非常に柔軟な対応ができる特例も生まれてきますけれども,あれはあれとして非常に私はいろいろなところであれを使う大学が出てくると思っていますけれども,そもそもの構造を変えていくところまでは,あれは行かないものなので,そういったことも研究を始めていいのではないか。その新しい形の,もう少し柔軟な大学の設置,学部の転換みたいなこと,特に5割から7割に上がっていくというときに,スクラップ・アンド・ビルドをしていかなきゃいけないというときのことも考えると,地方において,より社会のニーズに備えて大学が,多分,今まで大学にされてきた批判って,遅いというのが相当に社会からの批判はあったと思うのですけれども,そのスピードについていけるような体制で,かつ質をちゃんと担保できるという,そこが難しいところ,トレードオフなんですけれども,研究を始めるときではないかと思っています。ということで,ありがとうございました。
【小路座長】 ありがとうございました。大きく3点,御意見をいただきました。
それでは,対面の方,終わりましたので,オンライン,2名ですかね。では,尾花さん,それから,中村さんの順番で御発言いただければと思いますけれども,まず,尾花さん,いかがでしょうか。
【尾花委員】 まず,冒頭,阿部委員の意見なんですけれども,そのとおりだと思います。その上で,私からは感謝申し上げたいなと思っています。今回の最終取りまとめにおいて,今後の私立大学振興の基本的な考え方として,私学助成の拡充が不可欠であるということに加えて,従来の一律に近い配分方法から地域経済の担い手となる人材や教師,保育士,看護師などのエッセンシャルワーカーを養成しているケースなどにメリハリ,重点化を図っていると明記いただいたことは,まさに地方の生活基盤と活力の維持に不可欠であり,必要とされる人材を養成していただいている大学にとってもありがたいものだと歓迎いたします。
また,日本の産業を支える理工農系人材の育成という施策の方向性の中で,地方における理工系人材の育成に向けて,理工系の授業の開設,受講がしやすくなるよう放送大学との連携をはじめ,オンラインの活用を推進するという施策として反映いただきました。本市においても今後放送大学やサテライトキャンパスなどの活用により,地方における理系人材の育成確保に向け,積極的に大学誘致していければと考えております。
また,今回の会議での議論を踏まえ,今後も地方の私立大学が継続的に成長していくとともに,地域で必要とされるエッセンシャルワーカーや高い技術力を有する理系人材の確保に向け,具体的,実質的な施策の推進をぜひお願いできればと思います。国,大学,産業界,地方公共団体が共通の将来像を持って協働することで,2040年以降も持続可能で成長し続ける社会が実現することを強く期待しまして,委員としてのコメントといたします。ありがとうございました。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは,中村委員,お願いいたします。
【中村委員】 中村でございます。これまでの皆さんの御発言と似ているところもいっぱいあるんですけれども,私,地域,あるいは地方大学についてお話をしたいと思います。まず,大学というところが私立も国立も公立も含めて,地域のニーズに応えるという意識をもっと強く持たなければいけないなと思っています。つまり,地域の経済とか,地域の社会の担い手だというふうなところ,それを目指して人材輩出をしていくということが基盤にならなきゃいけないなと思いました。多分,この後出てくる2040年に向けての都道府県別の産業動態,それが出てくるとはっきりすると思うんですけれども,多分,今の都道府県の中でかなり厳しい状況が出てくると思っています。そこはエッセンシャルワーカーだけではなくて,それぞれの大学が持っている持ち味というか,それぞれの大学の特徴がありますので,そういったところも生かしながら,しっかりエッセンシャルワーカーを確保するような大学連携,または産学官金の連携が必要かなと思います。
先ほどから村瀬委員とか,大森委員がおっしゃっているように,地域の場合は私立,国立,公立という,そういった設置者別の考え方,もう早くなくして,みんなでもって,みんな大学,高等教育機関全体で地域を考えていくということをかなりスピーディーに,そういう危機感を持ってやらなきゃいけないなと思っています。先ほど大森先生がお話しした,知の総和答申が出てから,かなり変わってきていますけれども,まだ危機感が足りない部分もあるなと思います。ここに至っては,大学だけではなくて,自治体とか,あるいは企業とか,あるいは金融機関も今回のこの答申,あるいは中教審の答申,そういったものもしっかり理解していただく,そういったスキームを作っていただかないと,なかなか浸透しないと思っています。ですから,できるだけ大学に向けて発信するようなことも,ぜひおっしゃっていただきながら,ぜひ自治体とか企業とかいうところに向けての,この答申の発信をお願いしたいなと思っています。
以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございました。
一通り御出席の委員の方の御発言は終了させていただきましたので,欠席の委員の方から書面で意見が。
【菅谷私学行政課課長補佐】 特に今回は。
【小路座長】 特にないですか。
【菅谷私学行政課課長補佐】 はい。今回はございません。
【小路座長】 はい。分かりました。それでは,これまでの皆さんの御発言,議論というか,御発言を踏まえて,今日お越しいただいている村田国立大学協会事務局長,それから,浅井清文国立大学協会会長からコメントをいただければと思います。
では,まず村田国立大学協会事務局長,お願いいたします。
【村田常務理事・事務局長】 国立大学協会の常務理事・事務局長の村田でございます。御発言の機会をいただきまして,ありがとうございます。国大協としては,先ほど中村学長が言われたお話に尽きると思うのですけれども,私立大学のこの取りまとめに示された危機感,危機意識,ある意味では,これは大学を取り巻く危機でございますので,そういうものは国立大学としても共有して意識を持ちながら,2040年に向けて改革を進めるということでございます。
知の総和答申と同じ時期でございますけれども,今年の3月に国大協としても2040年を見据えた国立大学の将来像の提言を取りまとめております。また,つい先だって文部科学省のほうでは国立大学改革の基本方針が示されております。そうしたものを踏まえながら,それぞれの国立大学,改革をどう推進していくかということを今スピード感を持って取り組んでいただいているということでございます。その中で将来像,先ほどの将来像の中でもキーワードとしてお話がございました地方創生,あるいは地域への貢献という要素,それからもう一つは大学間の連携ということも,この将来像の中では大切な要素として御議論いただいてございます。
いずれも,そういう意味では,この会議で御検討いただいた私立大学のありようということと密接に連携をするものでございます。お話の中でも国公私立の壁を超えてという話がございましたけれども,国立大学協会でも国立大学の連携ということはもちろんでございますけれども,それは決して閉じたものではなく,公私立との連携も含めて,いかに地域,あるいは特定の分野に貢献できるかということを大切にしながら改革を進めてまいりたいと考えております。その意味で今回,こうした審議をおまとめいただいたということは非常に大切なことと思いますので,私どももこのおまとめをしっかり踏まえながら検討を進めて,改革を進めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
【小路座長】 よろしいですか。それでは,浅井会長からコメント,お願いいたします。
【浅井会長】 公大協の浅井でございます。本日は,このような会でオブザーバーとして参加させていただく機会をいただきまして,誠にありがとうございます。公立大学,多くの大学がやはり地方にあって,それも中小ということで,かなり今回議論していただいている私立大学の課題と非常に共通する課題を各公立大学,抱えていると思います。そういう意味で,今回,まとめていただいたこの提言というか,内容というのは,これから公立大学のほうでも共有しながら,各大学の改革につなげていただくような方向性をしっかり持っていきたいと思っています。
実は公立大学協会は,どうしても公立大学って設置団体がそれぞればらばらということもありまして,なかなか将来像とかをまとめる,特に文部科学省さんが中心になってまとめるというような形には今進んでいませんので,公立大学協会が主体となって,今,そういう将来像というのを文章としてまとめる作業をさせていただいています。そういう中で,しっかり今回の内容なども参考にさせていただきながら,公立大学の将来像というのを共通認識を持って進めたいと思っています。
そういう中で,やはり地域において県などの設置団体には,高等教育の専門の,なかなか部署というのがなくて,そういう中で地域連携プラットフォームとか作っていくというのは,かなりまだまだそういうリソースが足りないなというのを感じていますので,今日,文科省が主導でという話もありましたけれども,それぞれ地域の課題というのを解決していくためには,県レベルとか,そういうレベルでもしっかりした高等教育をしっかり考えていただくような部署がもう少ししっかりしていただいて,ちゃんと体制を整えていただいて,その地域で国公私が一緒になって地域の課題を解決していくような体制を作っていただけるとありがたいなと思っています。
私からは以上となります。ありがとうございます。
【小路座長】 浅井会長,ありがとうございました。
多少時間がありますので,今日はオブザーバーで経産省の今里課長がお越しになって,突然振ってすみません。経産省の方から聞いて,御意見,御発言,感想でも。
【今里経済産業省産業人材課長】 ありがとうございます。この検討会には最初から参加をさせていただきまして,誠にありがとうございます。大事な会議に経済産業省の人間がオブザーバーとして来るということ自身も割と多分珍しいと思いますが,今日,委員の皆様から御議論があったように,多分,これからこの課題を取り組むに当たっては,大学側と産業界で一緒になってやっていくということが必要だということでお声がけをいただいたのだと思っております。
その意味で,今日の議論に関連しまして,私からも少し情報提供という形で最後発言をさせていただければと思うのですけれども,先ほど石川先生の御発言の中で,きちっと責任を産業界が果たすべきだという御発言がありました。これについては,まさにそのとおりだと今我々経済産業省としても思っておりまして,その責任の果たし方として,まず1つは今後の2040年に向けて産業構造の姿というものを,6月に全体の姿を示させていただいておりますが,間もなく,恐らく年内から年明けぐらいにかけて,各都道府県ごとの姿というものを今整理をさせていただいている途中でございます。こういったものもそれぞれ地域でお示しをさせていただく中で,まさにこの議論の1つのベースになってくると思います。
それと同時に,今まさに高市政権ができ上がって,これから産業17分野を示して,これからこの重点分野で頑張っていくのだということで,各地域でそれぞれ地域ごとの産業の今後の姿,特にどの分野を重点的にやっていくのか。そのときに,その分野でどういうふうに人材育成をしていくのかという議論も同時に進めておりまして,こちらも年度内にはまとまってくるということだと思います。したがいまして,こういったものもきちっとお示しをするということが1つ大事な形かなと思っております。
あともう1点は,これは示して終わりではなくて,この示した上で,まさに人材育成に産業界も一緒にコミットをしていくということが非常に重要だと思っております。ややもすると,少し言葉尻ではありますけれども,作ってください,取りますという,こういう関係ではなくて,むしろ,きちっと教育に人やお金も出しながら,一緒に連携をさせていただくということが大事だと思っております。今,文部科学省さんと一緒に協力させていただいておりますこのいろいろな改革の予算,こういった予算については,我々のほうでも産業界のほうにもきちっと説明をさせていただいて,ぜひこれからは一緒に人材育成をしましょうと。文部科学省さんのほうで,こういう予算もありますので,こういう検討会において大学側も非常に前向きに検討していただいているということを我々のほうからもきちっと産業界に伝えて,一緒に人材育成をしていく。こういう形で責任を果たさせていただくということが非常に重要かなと思っております。
我々のほうも今日の議論を踏まえて,できることをやらせていただければと思っております。本日は,どうもありがとうございました。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは,皆さんから出た御意見の取扱い等については,後ほど少し申し上げたいと思いますので,その前に平子座長代理と私から一言,感想を含めてお話をさせていただければと思います。
平子さん,お願いいたします。
【平子座長代理】 皆さん,御発言,どうもありがとうございました。そして,今回,このように取りまとめていただきました文科省の方々にも厚く御礼を申し上げたいと思います。皆さんおっしゃったとおりのことをなぞる形にはなりますが,あえて私は産業界に身を置く者として少し発言をさせていただきたいと思うのですが,今,今里さんがおっしゃったように,産業界の決意といいますか,コミットが本当にこれから大事になってくると思うんですね。先ほど知事と学長なのか,国なのかという話があったのですけれども,実は本当は,そこに1つ欠けているものがあって,それはやっぱり産業界のコミットメントだと思うんですね。それは中央であっても地方であっても同じなんですね。地方の産業界が,その地域をどうやって成長させていくのかということがないと,イリノイ州の例も前回紹介させていただきましたが,その地域の住民のためのウェルビーイングにはつながっていかないのだと,こういうことだと思いますので,そのピースは欠かさないようにしていきたいなと思ったところです。
今回,やはり地域の人材育成というところを最初に持ってきていただいているというのは非常にいいことだと思いながら,この取りまとめを見ていたんですけれども,これから先,この今回の取りまとめを見た各大学が,本当に自分の意思で大学を変えていくと思うようになるのだろうかというふうにちょっと考えたんですね。企業経営をやった立場として,よく我々,これまでやってきましたのが,これ,ある意味ではビジョンとかミッションに相当するものだと思うんですね。ビジョン,ミッションはでき上がった。さあやれと言ったところで社員が動くかといったら,そう簡単には動いてくれないというのが,実は企業の経営の論理なんです。
どうやって自分事として落とし込むのかということが非常に大事で,それはとりもなおさず,ボリュームゾーンであります各地方の個々の大学は,これを見て,これを読んで,本当に自分事として考えてくれるのだろうかというところが一番大事だと思うんですね。そのためにやっぱり国からの命令ではなくて,自分たちの使命として動くような,こういう構造転換が必要だと思うんですね。ですから,もちろん今回,具体策の中に,先ほどいろいろな委員の指摘もあるのですが,主語は誰なのだという言葉が出てきました。これは,主語は明確にしたほうがいいと思います。英語というのは必ず主語が出てきますので,この文章を英語にしたときに何が主語になるんだろうということを意識しながら日本語を作っていったほうがいいのかなと思うのですけれども,それは置いておいて,国がやるべきことに対して,じゃあ,各大学がそれに呼応して自分の使命として動けるかという,その環境づくりだと思うんですね。それができないとなかなか大学は動いていかない。最後は,やはり他人の責任,他責にしてしまうということがありがちなので,そうならないような仕組みというのが絶対大事だということですね。
ですから,何回も出てきますが,地域構想推進プラットフォームという言葉が出てきます。決して今うまくいっているということにはなっていないというのは,まさにそういったことなのではないか。誰が主体者なのかというところに対して具体的なものがない。恐らく産業界が絡むとしたら,コーディネーターの存在というのは非常に大きいわけですね。コーディネーターをどうやって育成していくのかといったときに,これも実は産業界の出番がきっとあるのだと思っていて,そういった具体事例みたいなものを出していくと,少し実感がわくのかなと思っていて,そういったところもぜひ経産省の方々からも御支援いただきたいなと改めて思った次第です。
最終的には,この取りまとめの取扱いになってくると思うのですが,先ほど少し企業経営の続きで申し上げますと,ビジョン,ミッションができ上がった後には,実はタスクというのができます。タスクというのは,実は実行計画なんですね。これに実はKPIというのをつけます。KPIの進捗状況を見て,この施策がうまくいっているかどうかということをずっとモニタリングしていくという,こういったのが一般的ではありまして,これがいいかどうかというのは,皆さんの中でも議論していただければいいと思うのですが,そういった,先ほどタイムラインの話もありましたので,いつまでに何をどこまでやるのかということからすると,残された時間ってあまりないと思っていますので,ですから,そういったタイムラインを意識しながら,KPIをちゃんと設定していくというところまで各大学に持っていけるような,ここまでが多分,スタートラインだと思っていますので,それまでにいろいろな膨大な作業といいますか,業務があるとは思うのですが,これをやってこそ,この今回の取りまとめが生かされるのかなと思いましたので,今後,まずはこれが1つのスタートラインに立ったという意識の下に,国公私,やはり国公私の中で一番のボリュームゾーンって私学なので,私学が動くということが大学が変わるということになるのだと思いますので,ぜひとも今後これからも一緒になって頑張っていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは,私のほうから少し感想を含めて申し上げたいと思いますけれども,まず,本日を含めまして,7回にわたりまして2040年を見据えた私立大学がどうあるべきかについて,地域人材の育成,また,国際競争力の強化ということに向けた役割,また,教育研究を担う大学自体の質の向上,また,規模の適正化に向けた大学経営改革ということについて,非常に多角的,また,俯瞰的な視点で皆さんから大変熱いお話をいただいたかなと思いまして,対面,それから,オンラインで御参加をいただいた方たちに改めて御礼を申し上げたいと思います。
今日は一定のまとめというものを提示させていただきましたけれども,様々な予想を超える御指摘,御意見をいただきました。私も伺っていて,非常に重要かつ大事な点を御指摘いただいたのかなと思います。特にやっぱり地方,文科省,どちらを主語にするかということも大事なのですけれども,やっぱり俯瞰的に見て文科省,国,政府,それと地域の役割と責任を明確にしていくということがより重要ではないのかなということを改めて強く感じた次第です。
また,少し話が変わりますけれども,知の総和の向上ということが昨今叫ばれてきておりますけれども,ある雑誌によりますと,教育機関の数×質が知の総和につながっていく,このような報道を見たことがあります。個人的には,そんな単純な計算式で知の総和を向上させるということはできないと思っております。社会の変化や直面する課題に対応していくためには,個々の大学,あるいは研究機関が担う教育研究はどうあるべきなのかということを深く考えていかなければいけないし,教育価値とか,教育の質をどう向上させるのか。また,向上をさせるためには,経済,社会,価値観,生活の変化に対応した部分をどう取り込んでいくかというようなことが非常に重要ではないかなと感じております。
また,今日たくさん出ました私学助成の配分の在り方というのも,これからは非常に重要になってくると思います。これから大学自身の改革に加えて,地域に開かれた知の拠点として地域構想推進,例えばプラットフォームのような産学官の連携というか,融合と個人的には言っていますけれども,こういった推進体制をどう構築していくのか。多岐にわたる改革が掛け合わさって,いわゆる知の総和の向上が実現できるのではないのかなということを7回の議論を通じて私自身は強く感じたところでございます。審議のまとめの初めに記載がありますが,やはり肝要なのは2040年の社会の姿を産学官が共有をしまして,共通の高等教育の将来像をどう持つのか,それぞれの役割を踏まえて取り組むということが非常に重要ではないかなと思います。
付言しますけれども,御参考までに経済界としては2040年のあるべき姿ということは,1つは日本の資源のない国としては,最先端,科学技術立国,これは1つ,日本のあるべき姿ではないのかなと。それから,2つ目は投資,貿易立国,特に国内外を含めた投資ですね。それから,3点目は無形資産運用立国,これは高市総理もおっしゃっていますけれども,4点目が人財,財産の「財」なんですけれども,人財育成運用立国。この4点が日本のあるべき姿ではないのかなと思います。こういった日本の将来像の実現に向けて,羅針盤のような存在に本まとめがなるようにしていかなければいけないのではないのかなと。
最後に,私はこの改革の実践,実現に向けて教育研究の主役である学生本位,こういった視点が大変これから重要だと思います。主役はやっぱり学生であるということ。この学生本位という視点が必ずベースになければいけないのではないかなと。2040年の社会経済を牽引するのは,今の学生の皆さんであると思っています。多様な分野で不可欠な人材の輩出を担い,社会とともに歩む私立大学だからこそ,未来の社会で活躍する学生の視点を第一に施策の推進に取り組んでいく,また,ベースに取り組んでいくということが非常に大事だと感じております。雑駁ですけれども,私からは以上でございます。
それでは,今の平子さんの御発言も含めまして,様々な御意見,御指摘をいただきましたので,この審議のまとめにつきましては,本日の議論を踏まえまして事務局にて加筆修正をさせていただきたいと思います。この加筆修正,趣旨を踏まえて御指摘の表現そのものを使うかどうかというのは,すみません,平子座長代理と私に御一任いただければと思います。
それで,事前にそれがまとまりましたらば,全委員の方に一度事前に送付をさせていただきます。よろしいですよね。送付をさせていただきまして,そこでまた何かありましたら,御意見を頂戴できればと思います。その辺は御意見が少なくなるように努力はしていくつもりでございますので,最終は事務局なり平子さんなり私のほうで確定については,お任せをいただければと思いますけれども,そんな形で進めさせていただきたいと思いますけれども,よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【小路座長】 ありがとうございました。では,そのように進めさせていただきたいと思います。
それでは,今日の議題はこの1点だけでございまして,終了させていただきたいと思いますけれども,最後に小林私学部長から一言お話をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【小林私学部長】 3月からこの会議に本当にお忙しい中,御出席賜りましてありがとうございます。最後たくさん御意見,本当に貴重な御意見をいただきまして,ありがとうございます。各委員に送付させていただきまして修正ということで,今,座長の御指示がございましたけれども,3点,特に1点目はプラットフォームに関しまして,表現がやはり,知事の御指摘はもっともでございますし,今の制度を考えれば,当然,知事にそういった権限,地方にそういった権限や予算がないという御指摘もございまして,国のほうから丸投げするというようなことはもちろん考えておりませんが,その点も含めまして伊藤塾長からも御指摘いただきましたが,その表現が十分にこなれていないところがございましたので,そういったことを修正してまいりたいと思います。
それから,2つ目に,今日は今里課長からも御報告いただきましたけれども,そういったことを含めたマクロでの国のほうからの,例えば今の産業構造を踏まえた様々な人材養成への要請といったような,そういった社会からの要請に応えていく,国としてまさにビジョンとしてそういったものに応えていく必要があるというような政策ニーズと,また,一方で,先ほど福原理事長からも御指摘があったような,私学としての自立的な,あるいは自主的な,そういった取組を,改革を,どういう内容にしろ,そういった改革をしやすくしていくような環境づくり,その辺りの視点というのが十分に全体を通して読み取れるかどうかというところも再確認したいと思っております。
また,最後に予算の御指摘,石川学長からもいただきまして,圧縮率等,非常にテクニカルな様々な問題がございますので,これは最後の「おわりに」のところにも,いわば宿題としていただいておりますので,より明快な私学助成になっていくように私どもも今後事務的にこの御提言をいただいた後も見直していきたいと思っております。また,よく大学の数が減るので,私学助成そのものがそれほど必要なくなっていくのではないかというお声もいただくのですけれども,そのことに関しましても,今回,特に4点目の教育の質の転換,質の向上について御提言いただいておりますけれども,そういったことを検討していけば当然,私学助成全体のボリュームもまだまだ必要であるというようなことを考えておりますので,しっかりとこのいただいた提言を取りまとめて対応させていただきたいと思っております。本当にありがとうございました。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは,あと10分ありますけれども,今日出された御意見に対して特に双方,何か御意見があれば,賛否,多少あろうかと思いますけれども,なかなかこの場でそれを表明するのは難しいと思いますので,その辺は私ども事務局と平子さんに任せていただければと思います。
それでは,本日の会議をもちまして,本検討会議,有識者会議,閉会とさせていただきます。委員の皆様には7回にわたりまして,大変熱く,また,真剣に御発言,御論議をいただきまして,改めて座長として感謝を申し上げたいと思います。先ほど申し上げましたように,今回の審議のまとめというのが,ある意味では一里塚でありまして,常に加筆修正を加えていく必要があるのではないかなと感じておりまして,その折にはまた個別に皆さんに御相談申し上げて御意見を伺うというような取扱いを進めさせていただきたいと思っております。
それでは,以上をもちまして,7回目の最終の会議を終了いたします。長時間,ありがとうございました。
―― 了 ――
高等教育局私学部私学行政課