令和6年8月8日(木曜日) 11時00分~13時00分
中央合同庁舎7号館東館(文部科学省)14階 高等教育局会議室
稲垣委員、内野委員、奥村委員、黒川委員、佐野委員、志賀委員、徳田委員、南部委員、前鼻委員、持丸委員
浅野私学部長、錦参事官、篠原私学経営支援企画室長、畑参事官補佐
小林日本私立学校振興・共済事業団私学経営情報センター長、藤井愛知県県民文化局県民生活部学事振興課私学振興室長
学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ主査 須賀委員
【畑参事官補佐】 参事官付補佐の畑です。事務局に異動がございましたので,御紹介いたします。7月11日付で寺門成真私学部長が異動となり,後任に浅野敦行が着任しております。浅野私学部長より御挨拶申し上げます。
【浅野部長】 黒川先生をはじめ,会計基準の在り方に関する検討会の皆様方には,お忙しいところ,お集まりいただいてありがとうございます。私,7月11日付で私学部長に着任いたしました浅野と申します。本日,須賀先生をはじめとしたワーキンググループの先生方のおかげで精力的にまとめていただいて,セグメント情報の配分基準のたたき台を御提示いただいております。
私どもやはり少子化が進む中で,経営的に非常に難しい形での私学も増えてきております。そういう中で,私学助成の手続に必要な情報だけではなくて,きちっと社会に対するアカウンタビリティ,ステークホルダーに対するアカウンタビリティとしてのセグメント情報というのは非常に重要かと私どもも思っております。ぜひよいものを最終的にまとめていただくようお願い申し上げて,私の御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
【畑参事官補佐】 ありがとうございます。
お願いいたします。
【黒川主査】 それでは,私学部長,ありがとうございました。
これより令和6年度第1回学校法人会計基準の在り方に関する検討会を開催いたします。本日は,お忙しい中,また,猛暑の中,本検討会に御出席いただき,また,ウェブで参加していただき,誠にありがとうございます。本日の議事は,審議事項として「セグメント情報における配分基準」となっております。今回,報告事項はありません。
まず,審議事項の「セグメント情報における配分基準」についてです。今回は,積み残しているセグメント情報における配分基準について,学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループにおいて審議いただいておりますが,今般,配分基準のたたき台がまとまったということで,ワーキンググループから須賀主査に御報告をいただきます。須賀先生,よろしくお願いいたします。
【須賀主査】 それでは,須賀より御報告申し上げます。本検討会の下に設けられました学校法人会計基準の諸課題に関するワーキンググループにおきまして,令和6年3月よりセグメントの配分基準について検討を進めてまいりました。このたび配分基準のたたき台を作成いたしましたので御報告させていただきます。
まず,セグメント情報につきましては,現行の学校法人会計基準に関連する数値でありますところの「資金収支内訳表等の部門別計上及び配分について」を参考としており,これまでの区分の妥当性は変わらないと考えております。その上で複数のセグメントで共通の収入項目や経費項目が生ずる場合について,整理を行っております。さらに,人件費につきましても,発令と勤務実態が一致している場合は現行のいわゆる発令基準に基づいて処理する一方で,複数のセグメントの業務を担当する教職員人件費について整理を行ってまいりました。
以上のような整理を行ったということで,私の説明とさせていただきますが,詳しい内容につきましては,事務局より御説明申し上げますので,よろしくお願いいたします。
【黒川主査】 須賀先生,ありがとうございました。
それでは,事務局より詳細な説明をお願いいたします。畑補佐,よろしくお願いします。
【畑参事官補佐】 それでは,資料1と2を使って御説明させていただきます。まず,このたたき台を基に9月2日に各私学団体の皆様方にヒアリングを行いたいと考えております。本日いただいた意見と9月2日のヒアリング,それから,意見をいただいたものについて,それを基に引き続きワーキンググループで審議を進めたいと,そういう立てつけでおります。
では,資料を御説明させていただきます。資料1ですが,これまでワーキンググループで審議してきた経過と,その今後のスケジュールについて説明させていただきます。
この令和6年の3月に第1回を行いまして,この間,7月までに第4回まで開催しております。セグメント情報に関する議論をしておりますが,第2回においては人件費と共通経費についてピックアップして議論し,第3回につきましては,今回のセグメント情報の配分基準に関する論点,大きなものになっております病院と医学部,歯学部についての点について整理をし,議論をしていただいております。第4回につきまして,たたき台を作成し,そのほか導入に向けての準備期間の整理ですとか,先ほど申し上げたヒアリングの実施の検討ということを審議していただいております。本日,8月8日の後,第5回にそのヒアリングを行いまして,第6回,第7回と検討を進めて,第8回,早ければ12月にまとめ案の作成をできるように,今,進めているところでございます。
スケジュールについては,以上でございます。次にたたき台のほうですけれども,資料2の1ページを御覧いただきたいと思います。「はじめに」というところで,この資料の前提について取りまとめております。1つ目,この報告の対象はセグメント情報における配分基準に限定しておりますという整理をしております。2つ目ですが,会計基準に関する通知,実務指針,Q&Aに盛り込むべき事項を抽出し,整理したものでございます。3.ですが,「セグメント情報における配分基準は,「経済の実態をより適切に表す」べきものであり,一律に定めるものではなく,各学校法人の実態,実情に応じ,それぞれ適切な「配分基準」を定めてセグメント情報を作成し,説明責任を果たすというアプローチを採用すべきである」ということで,たたき台は以下の構成ということで整理しております。ローマ数字1.が総論,ローマ数字2.が各論,ローマ数字3.が配分基準例,ローマ数字4.がその他という形にしております。
それから,四角囲いで引用,通知など,あと作っていただきました報告書,そういったものの引用については四角囲いで引用しているということです。
次のページを御覧ください。「ローマ数字1.総論」,「「セグメント情報」とは」ということで,これは報告書,この検討会の報告書でうたわれている内容をピックアップしておりますが,四角囲いのアンダーラインのところですが,資金収支内訳表の部門別の計上方法については,文科省の通知で定められているが,詳細なルールは定められておりません。いずれの書類でも必ずしも部門別の教育研究コストの実態を表すものとはなっていないと考えられるという整理をしております。内訳表について教育研究コストの実態を表すものとなっていないということから,新たにセグメント情報を表示するものとするという整理をしております。
欄外の下のところ,通知等で周知する事項として(1),「セグメント情報の意義」ということで,この「セグメント情報は開示を前提とした計算書類の注記として開示目的の財務報告の一部をなすものである。」「資金収支内訳表の考え方とは異なる新たな考え方によるセグメント配分基準が求められる」という整理をしております。さらにということで,「学校法人経営者にとっても,経営管理の目的としても有用性のあるものとなることが期待されている」という整理をしております。中段には参考で,資金収支内訳表とセグメント情報の整理をしております。それぞれの根拠法や目的によって異なるということを整理しております。
(2),「セグメント区分の目的」ということで,この報告書では,「「社会状況の変化により,高等教育機関を中心に大学をはじめとする学校種別の状況に対する社会的関心は高まっているということを踏まえると,学校法人全体の経営状況に加えて,各学校の個別の部門に関する情報開示の必要性も考慮する必要がある」ということから,セグメント別の情報開示をする」という目的を整理しております。
(3),「配分基準の検討の方向性」ということで,「資金収支内訳表について」という昭和47年の通知,それから,「資金収支内訳表等の部門別計上及び配分について」という昭和55年の通知に基づいて,現在の内訳表は作成されている。そのことを踏まえると,これらの内訳表はおおむね各部門の経済の実態を表していると考えられる。したがいまして,これらの配分基準を基に,より経済の実態を適切に表す配分基準を策定し,セグメント情報を作成する。
なお,本務の人件費については,現在は,いわゆる発令基準により特定の部門に計上することとされており,必ずしも経済の実態を表しているとは言えないケースもあるということで,勤務実態の捕捉などの方法により配分基準を策定するという整理をしております。
2.ですが,「セグメントの区分けと開示項目」ということで,報告書のそれぞれのセグメントのピックアップしたものを掲載しておりますが,その下の欄外のところですが,【通知等で周知する事項】ということで,まず「(1)「病院」の定義」というところで,病院は今,セグメント情報として出すというふうに報告書になっておりますが,このセグメント,病院セグメントには,「医学部,歯学部の附属病院のほか,それ以外の病院と診療所も含む」という形に整理しております。設置基準で設置が義務づけられている医学部,歯学部の附属病院以外にも,病院を持っている法人というのはございまして,あと診療所も持っているところもあるということで,それについてはこの病院の中に含めるという整理をしております。
一方,診療所の後に(P),ペンディングしているのは,診療所の中でも学生や教(職)員に対する福利厚生のための診療所というものも実はあるという法人がありますので,それについてこの病院の中に含めるのかどうかということは,今,ワーキンググループの中で議題となりまして検討しているところでございますので,(P),ペンディングとさせていただいております。
次の5ページですが,「(2)「学校法人部門」の定義」についてです。学校法人部門については,「その他」に区分されるものとなっておりまして,昭和55年の通知によって以下のとおりアからケの形で整理されております。今般の改正によってもこの区分の妥当性は変わらないということで,学校法人部門の対象範囲は引き続きアからケというふうにしてはどうかという形になっております。
これは次の「(3)「学校法人共通」の定義」というところと関連しまして,ペンディングとなっております。その学校法人共通の定義というところ,法人の運営実態に基づいて「特定のセグメントに帰属させることが困難な特殊なケースがあり,学校法人の判断により必要とされる場合,この学校法人共通の区分というものを設けて,法人事務局における収支のほか,学校等の各セグメントに配分しなかった収支を計上することができる」という整理をしておりますが,これは(2)の法人部門とその整理をつけないといけないということで,ワーキンググループで今後も検討するということで,ペンディングとさせていただいております。これは現時点の案ということで御確認いただければと思います。
「(4)積極的なセグメント情報の開示」ということで,これは法人によって,さらに創意工夫によってセグメント情報を積極的に開示するということも可能だということを念のために言っているものです。
「(5)セグメント情報の合計欄」というところですが,これは先ほどの4ページを見ていただきますと,表の形でセグメント情報,載っておりますが,実はその他の右側に合計欄が設けられていないということで,合計欄を設ける必要があるということを整理しております。
次の6ページ,3.で「「経済実態をより適切に表す配分基準」の施行時期と例外的な配分基準の取扱い」というところです。枠囲いのところは,報告書の中から抜粋したもので,施行時期についてアンダーラインのところですが,「学校法人の準備期間を置いて文部科学省より通知を発出する」ということになっております。それから,注記事項の充実というところで,測定方法というところなのですけれども,アンダーラインで「原則的な配分基準として「経済実態をより適切に表す配分基準」を採用することとしつつ,事務負担への配慮から,学校法人等の判断で例外的な配分基準として現行の「資金収支内訳表の配分基準」を採用することができることとした」。
その下のオのところ,アンダーラインで,「一定期間を限るべきではないかと意見があった」のですけれども,これを踏まえて「例外的な配分基準として,現行の「資金収支内訳表の配分基準」を用いる期間については,今後検討する」という形に報告書のほうではなっております。
それを受けまして,まず(1)準備期間のところなのですけれども,経済実態をより適切に表す配分基準による会計処理の開始の日については,全学校法人が一斉に対応を開始するという案になっております。開始日までの間,一定の準備期間を設ける形に整理しております。ただ,その期間内であっても,新しい配分基準による会計処理について,早期に実施する法人があれば,その早期実施を認めるという形に整理しております。この具体的な準備期間については,9月に行いますヒアリングで意見が出れば,そのものについて改めて検討するという形にしております。
なお書きのところですが,例外的な配分基準として現行の資金収支内訳表の配分基準を,経済実態をより適切に表す配分基準の策定後も採用することができるということにつきましては,これは報告書の中でも今後検討とされていることから,ワーキンググループとして一定の期間に限るべき,これについてはワーキンググループの中で一定の期間に限るべきという意見で一致しております。期間の取扱いについては,これもヒアリングを踏まえて必要に応じて検討したいと考えております。
「4.セグメント情報の作成」というところで,「(1)配分基準の設定について」というところで,「捕捉可能な合理的な基準を各学校法人が判断し,選択する」という整理をしております。例のところですけれども,人件費としては,例えば従事時間,あるいは従事日数等,これについてそれぞれの実績値を使うなどということです。共通経費につきましては,キャンパス別・施設別等の面積比を使うというような例を挙げております。
「(2)配分計算の単位」についてですが,これは画一的に定められるものではなく,合理的な範囲で学校法人が選択するということで,人件費の例としては,個人別,あるいは部署別,役職別などのグルーピングを行う。共通経費につきましては,施設別,あるいは費目別,グルーピング別という例を挙げております。
(3),昭和55年の通知からの承継というところで,以下の丸1,丸2は承継をするという形にしておりますが,丸1は配分基準の選択に当たって,いたずらに計算が複雑とならないよう留意することも必要であるというのが1点目です。丸2つ目が,特別な理由がない限り,毎年度継続して同一方法により行うものという,これは通知の中に決まっております。これを引き続き使っていくということでございます。
次の8ページ,こちらは資金収支内訳表の昭和55年の通知を抜粋しておりますが,Aの1.のところですが,「各部門への計上及び配分」ということで,「(3)1の(2)により計上した共通の欄の金額は,次の方法により関係部門,学部・学科等へ各科目ごとに配分する。その配分は,当分の間,原則として当該関係部門,学部・学科等における在籍者数,教(職)員数,使用時間数,使用面積等,妥当と考えられるものの比率による」としております。
なおということで,「この場合配分基準の選択に当たっては,いたずらに計算が複雑とならないよう留意することも必要である」となっております。
それから,(5)のところにありますが,これも「配分の方法は,特段の理由がない限り,毎年度同一の方法により行うもの」としているということです。
(4)の欄外のところで,「配分基準の選択等に関する脚注」ということで,どのような配分方法を選択したかについては,セグメント情報に脚注するということで,これはページが少し飛びますけれども,13ページから,配分方法の脚注例というところで,14ページのところですが,例1)というところで,「収入または支出の各セグメントの計上方法は,「経済実態をより適切に表す配分基準」として本学が適用する基準を検討準備中であるため,「資金収支内訳表等の部門別計上及び配分について」(昭和55年11月4日文部省管理局長通知)に記載の計上方法を採用している」ということを脚注で書いているということです。これは例外のほうを書いておりますけれども,現行の基準を採用した場合の記入例になっておりまして,新配分基準を採用した場合も同様にその旨を記入するという形を考えております。
ページ戻りまして8ページの(5)「セグメント情報の作成方法について」というところですが,「セグメント情報の注記データの作成は,事務負担の軽減の観点から,既存の内訳表のデータに必要な修正データを捕捉集計し,これを組替表上で作成するということも考えられる。」とあり,「また」ということで,「より厳密に帳簿データから作成するべく,会計システム上に必要な区分などを設定して作成する方法も当然考えられる。それぞれの学校法人の会計システムや部門設定に応じて,効率的な作成方法を選択する」ということになりますけれども,いずれにしても,検証可能性を確保した方法を法人が選択する必要があるという整理をしております。また,運用の進捗などに応じて,より適切に,より適した作成方法に変更するということも考えられるというふうに整理しております。
9ページから各論に入りまして,まず1.ですが,「収入項目及び共通経費」ということで,現行の配分基準では,部門別計上についてこの四角囲いの中で整理しているものとしております。昭和55年の通知ですけれども,Aの資金収支内訳表,1.ということで,「各部門への計上及び配分」ということで,まず(1),「特定の部門のものとして把握できる収入額,支出額については,当該部門へ直接計上する。」(2),「2以上の部門に共通する各学部間等に共通する収支については,「部門共通」の欄を設け,各科目ごとにその金額を計上する」。その計上した共通の欄の金額は,各科目ごとに配分する。その配分は「在学者数,教(職)員数,使用時間や面積,妥当と考えられるものの比率による」というふうに現行はなっています。
この扱いについては,今般の改正によっても妥当性は変わらないと考えられるため,これを踏まえて学校法人で判断するということですが,一方で,複数のセグメントで共通の収入項目や支出項目が生じ得る場合がございますので,その場合については以下の点の注意が必要だということで,「(1)収入項目」ですが,寄附金,経常費補助金,付随事業収入などについては,収入の受け取り理由,その使途等を勘案して配分する必要がある。
それから,「(2)共通経費」で,特定のセグメントに帰属させるべきケース,これについては各法人の運営実態に基づいてそれぞれの学校法人が合理的な配分基準を設定し,配分するという形になっておりますが,これも少しページが飛びますが,12ページを御覧いただきますと,こちらに「ローマ数字3.セグメント配分基準例」ということで,収入と支出で少し整理をしたものですが,それぞれの科目に応じて,右側のほうで,共通収支の配分基準例という形で整理しております。
一番上のところ,例えば寄附金のところで,これは備考欄にありますように教育費として充当を寄附者から指定されている場合と,研究費ですと指定されている場合と指定がない場合で,例として,教育の場合は,これは学生の在籍者数,あるいは部門の数という形で整理してはどうか。研究費の場合は,大学等の教員の数,あるいは高等機関部門数という形で,部門や教員数で整理してはどうか。指定がない場合は,例えば部門数で整理してはどうかという例を挙げております。こういった形で整理をしたものを参考に法人のほうで考えて整理いただくということにしております。
次の10ページですが,ここからは人件費の話になります。枠囲いのところで,こちらも55年の通知では,Aの1.のところで,特定の部門のものとして把握できる収支については,当該部門等に直接計上する。2.のところで,「(1)教(職)員人件費の支出」については,こちらについては,いずれの教(職)員として発令されているかにより計上する。発令基準が規定されております。その発令の内容により,いずれの部門の教(職)員か明らかでない場合は,主たる勤務が,いずれかによって計上してくださいとなっています。
「(2)「学校法人」部門の職員人件費支出」については,これは(1)の取扱いにかかわらず,学校法人部門の職員として発令されているもののうち,主として学校法人部門の業務に従事する職員についてのみ学校法人部門に計上するというふうに整理されております。
「(3),医・歯学部及び附属病院の教員人件費支出のうち臨床系教員の人件費支出」についての整理をしておりまして,こちらについては(1)の取扱いにかかわらず,授業科目を担当する教員に係る人件費支出を学部計上し,その他の教員の人件費支出を附属病院に計上するというふうに整理されております。
欄外のところに入りますけれども,発令と勤務の実態が一致している場合は,現行の発令基準に基づいて発令されているセグメントに計上する。一方で,学校法人部門や複数セグメントを担う教職員の人件費については,以下のような注意が必要であるということで,「(1)基本的な考え方」として,教職員の業務従事の実態に応じて配分する。発令の内容が勤務実態に即している場合は,内訳表と同じ配分基準という形です。例として,従事時間,割合,担当講義数というものがあるだろうということで例を挙げております。
「(2)「学校法人」部門の業務を担当する教職員の人件費の扱い」ですけれども学校法人部門の業務の定義,勤務実態・内容に応じて判断する。勤務実態の把握方法は,法人が自ら決定し,当該方法により把握したデータを使って按分比を設定するという形にしております。
「(3)複数セグメントの業務を兼務する教職員の人件費の扱い」ですが,具体例としては,例えば大学と短大とその附属学校に勤務する形の場合です。それから,医学部,歯学部と附属病院の業務を兼務する,双方の業務に従事する場合というのを挙げておりますが,複数セグメントの業務を兼務する教員の人件費が,現行のいわゆる「発令基準」で対応した場合,現在の経済の実態を必ずしも表しているとは言えないケースもあるということから,その場合は発令基準に比して「経済実態をより適切に表す」と合理的に説明できる配分基準とする必要がある。具体的にはセグメントごとの業務の範囲を定義した上で,例えば業務に従事する時間や兼務割合などを基にした勤務実態を反映した基準で配分することが適当である。
過年度あるいは一定期間の実績値を採用するかなど,勤務実態の把握方法は学校法人が説明可能な方法によって自らの責任で決定し,当該方法により把握したデータを使って按分比を設定する。より精緻な勤務実態の捕捉方法を採用したいという場合は,国立大学を参考に,例えばタイムレコード,タイムレポート,タイムスタディを提示し,例えばビーコンを利用するなどの把握方法を選択し,より把握した,当該方法により把握したデータを使って按分比を設定することも考えられるというふうに整理しております。
次の12ページですが,これは先ほど申し上げた表の一番下の(注)というところで,小科目については,適当な科目を追加し,細分化することができるということで,一般的な費目例を前提に配分基準例を参考に示したものがこの表だということです。小科目に追加する科目は,形態別分類による科目でなければならないのですけれども,形態分類によることが困難で,かつ金額が僅少の場合については,この限りではなく,機能別の分類の場合もある。また,特定の取引をどのように処理するかについては,各学校法人で様々であるということです。
例えばということで,「募集要項」を作成する場合,印刷製本費で処理する場合もあれば,広報に使ったということで,広報費で処理する場合もあるということで,配分基準の選択は当該会計事象の実態に応じて,より適切な配分基準を選択することが有用と考えられる。従来から内訳表作成目的で分類設定されている場合は,学部単位で部門設定されていると考えられます。そのため,その場合,それぞれの学部への配分に収容定員ですとか,在学者数といった配分基準を利用するということは合理的であるのですけれども,大学別や学校別といったセグメント情報は,そのような配分基準が必ずしも合理的でない場合が想定されるということで,その場合はセグメント情報として適切な配分基準を用いることが望ましいというふうに整理しております。
「2.人件費にかかる配分」ということで,医学部・病院の例を出しておりますが,表の中身は変わらないのですけれども,ア,イ,ウということで,当年度従事時間による配分,前年度従事時間による配分基準,サンプル期間の従事時間による配分という形で整理できるのではないかということで例を挙げております。
「3.配分方法の脚注例」ですが,先ほど説明しましたが,次の14ページの例2)のところですが,こちらも脚注するということで,「その他」の部分,ここの区分には何が含まれているかということを書くということで,例えば○○部門,△△研究所,学校法人部門を含んでいるという形で記入をいただければと考えております。
15ページ「ローマ数字4.その他」,ここについては,記載内容について要整理ということで,ペンディングとさせていただいておりますが,これまではセグメント配分基準の話に近いものなのですけれども,ここで書かれているものは,どちらかというと,簿記に近い話になっておりまして,もう少し検討が必要というふうにしております。
「会計処理方法の参考例」ということで,丸1,「前提となる会計処理方法」ということで,各法人において小科目や会計単位の設定は,任意で設定できます。その設定を前提に会計処理が行われております。特定の科目について,特定の部門に限定されるものは,当該部門の会計単位に計上されます。複数の部門の会計単位に共通するものの会計処理については,次の4つの方法があるということで,1つ目ですが,それぞれの部門が負担すべき額を設定し,それぞれの部門の会計単位に配分するという方法です。それから,合理的な比率で按分する場合は,当該比率で按分計算された額をそれぞれの会計単位に配分するという方法です。3つ目ですが,特定の会計単位に一旦全額を計上し,その部門の会計単位が負担すべき額を一括して振替処理するという方法です。4つ目ですが,会計単位に学校法人共通を設定した上で計上し,負担すべき部門の会計単位に振替処理するという方法です。
丸2,この丸1の会計処理を前提に,セグメント情報を作成するために必要な金額を抽出することになります。複数の会計単位を合算することで,セグメントになる場合は合算のみの作業になります。一方,特定の会計単位が複数のセグメントに関連しており,共通する科目を分割する必要がある場合は,追加的な作業が必要となります。そのために会計単位の設定をセグメント情報に整合するよう変更する必要もあります。あるいは会計単位の設定を変更せず,追加の組替表を作成してセグメント情報を作成する方法もあるという整理をしておりますが,これは今後もっと整理をしていくところでございます。
資料2は以上でございます。
続いて参考資料1です。これはワーキンググループで使った資料で,大学と病院・診療所の整理をしたものでございます。病院と診療所につきましては,どう違うかというところで,病院は20人以上の患者を入院させるための施設を有するもので,診療所は入院させるための施設を有しないものか,19人以下の患者を入院させるための施設を有するものという形で,表として整理したのは,あと医師数も少し違うということで整理しております。
その表の米印のところで,施術所というところがございまして,これは,あん摩マッサージ指圧師,それから,はり師,きゆう師,柔道整復師が背術を行うという施設もございまして,鍼灸師養成などを行っているような法人については,こういった施術所も設けているというところもあるということです。学校と医療施設というところなのですけれども,大学については,医歯学部を置く大学は附属病院を設置基準上,設置しております。医歯学部を置かない大学においても,病院や診療所を持つケースがございまして,これは文科省として網羅的に把握していないのですけれども,そういったケースもあるということです。それから,短期大学については,附属病院の設置はございません。ただ,歯科技工士や歯科衛生士を養成するために診療所を持っているというケースはございます。これも網羅的ではありませんが,把握はしております。
それから,次のページですが,専修学校についてですけれども,専修学校法人が専修学校で,あん摩マッサージ指圧師の養成,はり師,きゆう師,柔道整復師の養成を行う場合,臨床実習を行うのに適当な施術所として,その実習施設として利用することが求められているということです。これは文部省と厚生省の連名の規則が,こういったものがあるということです。
会計処理としましては,施術所に関わる経費,収入があれば,付随事業に計上する。教員が教育と施術所とで兼務している場合,教員として,これを発令し,計算書類についても教員人件費に計上する。この施術所での施術は,基本的に患者への医療提供ではなく,教育の一環のためということで教員人件費に計上するということです。仮に施術を行った場合,主たる業務として教員として計上するかについて,勤務実態を把握し,按分し計上するということです。
あとは,それぞれの病院,診療所,施術所について,法令による設置が義務づけられているケースとそうでないケースを表で整理しております。
次の参考資料2,これもワーキンググループで配付した資料ですが,その私立学校関係団体のヒアリングについて,こういった形で行うということで,9月2日に第5回のワーキンググループを使って,このたたき台に対する意見をいただくという形になっております。対象としているのは,この9団体になっております。所要時間のところですが,20分ぐらいを目安にしておりますが,私立医科大学協会と私立歯科大学協会については,このセグメント情報の論点の大きなところが病院と医学部,歯学部というところでございまして,この点について十分な時間を確保してヒアリングを行ってほしいということもございましたので,十分な時間を確保して行いたいと考えております。ということで,ヒアリングを行いたいということです。
参考資料3については,今,各団体にこのヒアリングに向けてたたき台に対する意見をいただくということで,このような様式を送付させていただきまして,意見をいただいているところでございます。
資料の説明は以上でございます。
【黒川主査】 ありがとうございました。
本日,嵯峨委員が欠席されておりますが,事前に嵯峨委員より何か質問,御意見があるということなので,事務局より代読していただきます。では,お願いいたします。
【畑参事官補佐】 嵯峨委員から意見をいただいております。メモをいただいておりますので,そのまま読み上げさせていただきます。
このたたき台資料については,今後の検討を経て通知等に文書化されることを想定しているとのことですので,日本私立中学校,高等学校連合会を代表して何点か質問と要望を申し上げます。
まず,内訳表の作成について1つ目の質問です。2ページでは,現行の内訳表について,改正私学法に基づく計算書類から除かれるとありますが,引き続き私立学校振興助成法の観点から作成する必要があるか教えてください。
また,多くの私立中高では,会計ソフト等を導入して,各学校では,これは中学の費用,これは高校の費用というようにそれぞれの考え方に基づき,日々の会計処理をしています。例えば現行の資金収支内訳表では,中学校,高校,法人本部,合計というように区分して作成している学校もあると聞いています。
そこで2つ目の質問です。改正私立学校法施行後も私立学校振興助成法の観点から,内訳表を作成する場合,先ほど申し上げたそれぞれの学校における費用計上の考え方や作成方法を変更する必要があるか教えてください。あるいはこれまでどおり,各学校がそれぞれの考え方に基づいて作成してよいか教えてください。
次に,セグメント情報の作成についての質問です。改正私立学校法施行後の私立中高におけるセグメント情報の作成については,「学校法人会計基準の在り方に関する検討会報告書」の21ページにおいて,私立中高(区分2)と学校法人部門(4)という2つのセグメントのみの学校法人である場合には,セグメント情報の開示を省略できる旨が記載されています。この開示を省略できるというのは,そもそも作成する必要はないと考えてよいか教えてください。
最後に要望です。4ページから5ページの通知で周知する事項には,セグメント情報を作成しなくてよい場合が記載されていないので,私立中高が混乱しないよう丁寧に記載していただくようお願いします。
というものをいただいております。こちら,今,読み上げましたが,質問となっておりますので,その質問にまず回答させていただければと思います。
1つ目の質問ですが,2ページで,現行の内訳表について改正私学法に基づく計算書類から除かれるとありますが,引き続き振興助成法の観点から作成する必要があるのか教えてくださいということなのですが,私学助成を申請する場合,現行の内訳表について引き続き私立学校振興助成法の観点から作成する必要がありますということです。
それから,2つ目の質問のところですが,改正私学法施行後も振興助成法の観点から内訳表を作成する場合,それぞれの学校における費用計上の考え方や作成方法を変更する必要があるか教えてください。あるいはこれまでどおり,学校法人がそれぞれの考え方に基づいて作成してよいかということで,内訳表の作成に関しては変更ありませんので,これまでどおりの作成で問題ないと考えております。
次の3つ目,改正私学法施行後の中高におけるセグメント情報の作成については,在り方検討会の報告書の中では,私立中高と学校法人部門という2つの場合は,セグメント情報の開示を省略できるということで,これはそもそも作成する必要はないのですかということなのですが,この開示を省略できるというのは,書類として作成する必要はないというふうに考えていただいて結構だと考えております。
最後の要望のところですけれども,中高が混乱しないように丁寧に記載してくださいということですので,これについては中学校,高校の関係者が混乱しないように丁寧に記載するように配慮したいと考えております。
私からは以上でございます。
【黒川主査】 代読,ありがとうございます。
それでは,学校法人会計基準のセグメント情報における配分基準のたたき台について,御質問,御意見があればお願いいたします。
奥村委員。
【奥村委員】 では,大筋のところで2点。1点は,このたたき台の文章の書きぶりというか,位置づけの問題です。3ページのところにございますが,セグメント情報の意義について,「学校法人経営者にとっても,経営判断や資源配分を行うに際し,有益な情報であり」というふうに,書かれています。ここの部分は,ないほうがいいと。
というのは,マネジメントアプローチは,一応,今般の議論では排除して採らないということなので,企業会計とは違うという位置づけで話を進めてまいりました。ということで,どちらかというと比較可能性を考慮して,より透明性に力点を置いて,説明責任を果たすものとしてセグメントを作るという位置づけだったので,ここの部分でこう言われると,説明に困るわけです。現実に管理会計情報として,ガバナンスとの関連で,別途,区分表というか,内訳表というか,そういうものを作成し,学費とか,あるいは賃金交渉とか,いろいろそういうことに対処しており,それぞれのところのガバナンスに即した管理会計情報を作っているはずです。
そういう意味で,かつての内訳表も学校法人がその諸活動に関わる予算の編成管理のための予算,部門計算と異なるものであると。この新しい基準の内訳表どおり,これを直接に経営管理に使うという法人もあるだろうと思いますけれども,必ずしもそうではないところは,これが唯一絶対の管理会計情報だと言われるような読み取られ方をされるとちょっと具合が悪いということです。だから,そこを外して,「セグメント情報は経営管理目的としても有用性のあるものとなることが期待される」ぐらいの控えめな表現にとどめていただきたい。
<参考>の国立大学法人会計基準では,「財務諸表の利用者に有用な情報提供すること」を目的としています。今回の議論の立てつけが情報提供会計を新たに導入するということだったとすれば,そういう書きっぷりでもいいのではないかということです。このたたき台文章の中でこれが大きく見えたので,特に「経営判断や資源配分」というものを,今般のセグメント情報でやる,やらなければならないというふうな取られ方をするような叙述は,明らかに言い過ぎではないかということです。これは位置づけの確認なのですけれども。同じく,下の<参考>の表にある「資金収支内訳表」のところにも,「経営戦略や資源配分に有用」と書かれていますが,本当にそうだったでしょうか。これはやはり補助金の公正な配分という目的が,専らであったのではないでしょうか。経営管理との関連で,ここまで言っていた覚えはないということです。
その位置づけとの関連で,そこは書きぶりを調整していただけたらいいのではないかということが1つです。
もう1点,10ページの人件費,非常に重要なところでもあるのですけれども,そこの(2)です。学校法人部門が何かというような,一方で,そういう議論はあるんですけれども,学校法人部門の業務を担当する教員,職員の人件費の扱いというところについては,これは外したほうがいいのではないかという意見です。
ワーキンググループで御尽力いただいた結果,病院と大学のところの区分をつけるときに,1人の人件費,1人の働きに相当なレベルで兼務状況があって,その勤務時間等々で区切って配分しないと実態が正確に表せないという点に切り込んでいただいて,そういう形でセグメントを分けるという議論をしていただいた。これは一歩進んだ方向だとは思うのですが,先ほどの(2)のところになりますと,職員の場合は,ほぼほぼ発令基準で,各法人部門の担当する人たちは100%その仕事をしているという形で張りつけられておりますし,教員が兼務しているような場合も,人件費も役員手当と教職員給与をそれぞれごとに計上しています。ここで言う「勤務実態に即して」というのは,恐らく勤務時間なのかなと考えられます。 それらの測定を現在時点ではやっていないので,まず実務負担の観点からは,それをやる技術的手段を持ち得ていないので困ったことになる。他方,病院などでは昨今,時間管理というか,勤怠管理みたいなのをされている。そういう前提条件が既にあるのと条件が違いますよねということです。役員として学校法人部門を担当して役職手当を受けており,教職員として大学部門を担当し教職員給与を受けている。,このように兼任関係にある教職員は,それぞれの人件費が払われております。
その合計人件費を勤務実態に合わせて測定し直して配分し直すというのは,ある種の経済実態の追求ではありますが,しかし,人件費自体も勤務時間に合わせて支払われているわけではありませんし,教職員の給与には独自の給与体系があります。この「人件費総額」掛ける「勤務時間」というような計算をしたときに,果たして勤務実態を表す人件費配分につながるかどうか。実態を反映しないちょっとずれた計算結果と,言われかねません。それを測定コストをかけてまで計算をすることのデメリットが言われ,労多くして,それだけ功があるのですかみたいな議論が出ておりまして,慎重な御検討をいただきたい。
ざっくり言えば,(2)のところは,なくてもいいのではないでしょうか。(3)のところも,大学,短大,その他附属校の兼務の問題も,似たようなものがあります。これも結構,発令の段階でそれぞれ主たる所属先はどちらで,従たる担当先では手当が別途つくというような形で,発令段階で既に整理されている場合が少なくありません。
持ちコマ数をどうかとか,そういう教育負担のことだけで単純に割り切れるのかなとか,という疑問が出ています。もう一度討論していただきたいという点でございます。
以上です。
【黒川主査】 奥村委員,ありがとうございました。
ほかに。徳田委員。
【徳田委員】
これを拝見させていただいて,まず配分基準が2つあるということ,これに対して事務的な処理,事務への負担が明らかに増えます。これについて危惧しているというのが1つございます。
それから,大前提であるセグメント情報も経済的なという部分のセグメントを目指しているということで,ここにも書いてありますが,本当にこれでセグメント情報が経済的なものとして表示されるのかというのが疑問である。学校法人部門というものをそのまま継続するということが,果たしてそれがセグメント情報として,もともと学校法人部門というのは,収入のないのが大半です。基本的には。そういうものが,そのまま各部門に配付されずに法人として計上される。これは補助金の関係から出てきている部分がありますので,この辺のところが果たしてセグメント情報が経済的な部分としての表示に十分応えられるようなものになるのかどうかというのが疑問です。
それから,我々,実務を担当するというふうになれば,まず第一には,やはり経常補助金の配布基準というものをメインに業務をやっていくことになると思います。人件費は発令基準であり,内訳表は既にパブリックコメントで,私学振興助成法における計算書類が出ておりますけれども,それはもう議論の中で内訳表は作らなきゃいけない。それは人件費は発令基準があり,経費もそれの按分比率でもって今までも継続的にやっている。そのほかにセグメント情報としてやらなきゃいけない。例えばそれの中でいろいろな人件費の問題が出てくる。そうすると,今までは発令基準であったものが,このそうではない従事基準で配分すると,そこに関わるような経費も何らかの形で配布し直さなければいけないという問題が出てきます。
これは二重手間になる。我々が実務でやっているということであれば,やはりもう少し簡便的な方法ということで,現在ある私学振興助成法における配分基準,部門別における経費についてはセグメント情報とある程度フィックスするような配分基準というものを目指してもらいたいなと思います。私学振興助成法による配分基準とセグメント情報における配分基準もまた2つあるということについては,事務的に大変です。それは少し考慮してもらいたい。何かそういう通知の中で,そういうものをできるような形にしていただきたいなとは思います。
我々,第一義的に,先ほど申し上げましたように,補助金業務,内訳表を作るということに神経を注いでおります。やはりどうしても現状の補助金の計算体系というのは,そのようになっていますので,財務関係ですとC配点です。教育研究経費には,管理経費を除きながら配分をやって,それでこの傾斜配分になっています。そこについて非常に神経を使ってやっています。できるだけセグメント情報との連動ができるような経費について,その辺のところがフィックスするような形でお願いできれば。
ここは明確になっていますので,その辺の理想を追いかけるのは結構ですけれども,それによって人も増え,それは学校法人の責任でしょうと言われても,今は恐らく,それだけの人材をそこに割けるかどうかというのはあります。そういうことも含めて,もう少し簡便的な方法も考えていただきたいなと思っています。セグメント情報も学校法人の自らの責任という非常に重い言葉です。これは当然,公認会計士の監査の段階,監査人の監査に入るわけです。その辺のところの説明と補助金と2つあるということで,やはり少し考えてもらいたいなと思います。
【黒川主査】 ありがとうございました。
ほかには,いかがでしょうか。前鼻委員。
【前鼻委員】 確認なんですが,準学校法人等の専門学校は,これまで本部という概念はない中でやっていましたので,今回,この学校法人部門の定義が提示されたということにおいて,この業務分に関しては,その他のところで,この業務分に関してのものを改めてセグメントのほうに記載をしなさいというような意味合いになるのか。それとも従前どおり本部がないというような概念の中において,ここには該当しませんというふうな形になっていくものなのか,この辺ちょっとはっきりしたいのですが。
【黒川主査】 答えられますか。それとも,要するに本部勘定が必要かどうか,これまでどおり要らないのか,あるいは作らなくちゃいけないのか。
【前鼻委員】 多分,幼稚園も本部会計がないところがありますね。
【黒川主査】 これは今日,答えられなければ,質問して,ワーキンググループで。
【前鼻委員】 分かりました。
【黒川主査】 そのほうがいいですね。時間の関係で。
【前鼻委員】 はい。
【黒川主査】 じゃあ,今のは,質問が出たと。
【篠原室長】 はい。
【黒川主査】 ほかにはございますか。
【前鼻委員】 今,先ほど徳田先生がおっしゃったように,今まで税理士,公認会計士等を入れていない法人が多い中で専門学校をやってきていますので,これからそういう監査人とのすり合わせという,意見の調整というのは非常に重要になってくると思いますので,この辺のところ,もう少し時間を,猶予があって,ヨーイドンで一斉にスタートできるようにしていただきたいという要望です。
【黒川主査】 ありがとうございます。
徳田委員,どうぞ。
【徳田委員】 最後,言い忘れたけれども,どうしてもセグメント情報と私学振興助成法における配分ということで,どうしても学校法人部門を今後どうすることについて,今後の検討課題として,これは補助金行政になるのですけれども,この定義等含めてスムーズに移行できるような形で,学校法人部門の定義を改正するような方向を検討してもらいたいと。
【篠原室長】 今,アからケまであるものを変えたほうがいいということでしょうか。
【徳田委員】 そうだよね。結局,セグメント情報にその部分の経費がオンされないんです。本当にそのセグメント情報が,それぞれのセグメントで正しく,例えば来年,学科をつくりますといった場合に,現在は学科に係る例えば入学試験にかかる費用というのは全部法人本部なんです。
大学のためにやっているのだけれども,法人本部ということで,セグメント情報はそこへ入ります。正しく各部門への計上が,それで正しくされているのかどうかというのが疑問になります。私学振興助成法における部門の定義というのとセグメント情報の間には乖離があるねということで,その辺のところが問題として,私どもは認識している。将来的にこれについてもセグメントとリンクできるような方法を考えていただければなという提案でございます。要望ですね。
【篠原室長】 ありがとうございます。ここでは,繰り返しで恐縮ですけれども,私学法に基づいて情報開示をしていくための中身をどうしようかということを議論させていただいている場になりますので,今,徳田先生がおっしゃった私学助成の算定における学校法人本部の取扱いに関しては,ここで結論を出すことはできないと考えています。なので,担当部署のほうに共有させていただくという形でよろしいでしょうか。
【徳田委員】 はい。それは十分承知しています。我々,セグメント情報を作らなければいけないというところの矛盾があるということで,せっかくセグメント情報を開示していくことにおける問題点としてあるということを,我々実務をやっている人間として思っているということで,将来的にそれを含めて何かの機会があれば,そういう議論もしてほしいなということです。
【篠原室長】 ありがとうございます。学校法人として補助金に関係する実務が最優先なのだというような御意見も,御意見としては受け止めさせていただきます。さはさりながら,やはり情報を外に見せていく,アカウンタビリティを果たすという観点からの取組についての比重も上げていっていただきたいというところは重ねて申し上げさせていただきたいと思います。
【徳田委員】 その重要性というのは分かっております。できるだけ負担にならないような方法ができればいいなとは思っている。
【篠原室長】 はい。
【黒川主査】 それでは,志賀先生から手が挙がっていますので,志賀先生,お願いします。
【志賀委員】 ありがとうございます。私からは,以前の委員会では立場上いろいろ厳しいことを申し上げましたが,今回からは会計基準の具体的な方策ということで,この後,ヒアリングをされるということで,日本私立短期大学協会でも財務委員会のほうで検討中でございます。ですので,私のほうからは,今の時点で挙がっている御意見につきまして少し述べさせていただきます。
先程来,御意見のありました,まず,やはり配分基準についてですけれど,特に人件費については,やはりこの勤務時間等の算定は非常に困難であり,国公立がやっているからといって私学ができるわけではないということであったり,教員については,裁量労働制を導入しているところもあり,このような配分は困難であるから改めていただきたい。また,授業時間につきましても,こんな分け方をされても定員割れしていようが,定員を充足していようが授業数は変わらないので,これだと実態を表すと言いながら,定員割れしているところの配分がより顕著に表れて,非常にさらに追い打ちをかけるような実態になるのではないかという意見もありました。
併せて管理経費のほうですか,そちらのほうも職員数で割るというのも違和感があるという意見など,多くはやはりこの配分についてというところで,実務担当の先生方から御意見がありました。ただ,私,理事長という立場で言わせていただきますと,そういうのをそもそもないように計上するようにするような学校が出てくるだろうというところもありますので,経営実態と言いますけれども,本当に学校法人の運営は多様でありますので,それら全てに合うのは非常に困難かと思いますが,そういった様々な規模,様々な設置学校があるということを踏まえたような議論をワーキンググループでもいま少ししっかりしていただきたいと思います。
それから,2点目,多く出てきた意見としてはやっぱり,タイムスケジュールです。アンケートでも,どれだけ猶予を設けるべきかということでありましたが,私個人は死ぬ気で頑張れば猶予期間を設けず,来年度から始めていいのではないかと思っていたのですが,やはり現場の実務というか, 2,3年程度は置いて猶予をいただきたいという御意見が,多分,ヒアリングでもあるかと思いますので,そこを御承知おきください。
ただ,私,先ほど事業団の話もあり,補助金の話もありますけれども,その猶予の期間,どっちでもいいとすると,私,認証評価の期間の委員長もしているものですから,じゃあ,その期間の認証評価のときに会計情報をどのように分析すればいいかというのは,非常に困るわけです。ですから,やるのなら,「いっせーの」で全部やる。それまでは,これまでのを使うぐらいにしていただかないと,いろいろなもので困難が生じるかと思います。
そして,最後になりますけれども,先程来お話のあります補助金との関係であります。篠原さんの立場では,それとこれとは別ということを言わざるを得ないかと思いますが,ということは,今後,私学助成を申し込む際には,二重にこのような会計を作らなければいけない。それが永遠に続くのかと思うと非常に,私はてっきり,今回,新会計基準が私立学校法でできたから,それに合わせて私学関係,私立関係助成法も改正する予定があるのかと思っていたのですが,そうではないことが今分かって非常にびっくりしています。ですから,この件に関しては,特に現場の担当である委員の方々,今度,ヒアリングであると思いますが,そのことは関係ないと言い張っても絶対その意見が出てくると思います。もしよろしければ,事業団の方も陪席していただいているんだから,今後,これらについてはどのようにする予定であるか,関係助成法のほうの改正等の方向性はあるのか,それだけでも聞かせていただきたいのですが,いかがでしょうか。最後は質問です。
【黒川主査】 ありがとうございました。
答えられるものがありましたか。
【畑参事官補佐】 事業団の方が入っていますので。
【黒川主査】 はい。じゃあ,今,答えられますか。
【小林オブザーバー】 私学事業団の小林でございます。
【黒川主査】 はい。では,意見だけ。
【小林オブザーバー】 私どもとして,今お答えできることはございませんので,大変申し訳ないのですが,ということでございます。
【志賀委員】 ずっと陪席されていたんですから,こうなることは分かっているはずなのに何もしていないというのは,私学関係団体,いろいろなところから突っ込みがある。じゃあ,これからもずっと2種類の会計の内訳表を作って,事業団にはこっちを出して,情報公開はこっちをやるということになるんですか。それをみんな気にしていると思いますよ,私大協の皆さんも。
【小林オブザーバー】 今,私ども,そこを……。
【志賀委員】 これは課題として,本来は去年の段階で申し送りしたほうがよかったと思うんですけれども,私は当然そうなると思っていろいろな意見を言ったし,多分,リンクするんだろうなと思って,それはワーキンググループでも,そういう話は,それはそれ,これはこれで何も議論しなかったわけですかね。我々は2種類の内訳表を作って,その2種類を監査,受けなきゃいけないということ,今後もずっと。
【小林オブザーバー】 今,それを私がお答えする立場にないというのが。
【志賀委員】 だから,これはこちらとしても関係ないじゃなくて,何らかの申し送りをしていないといけないですよ,篠原さん。
【小林オブザーバー】 いや,先生のおっしゃる気持ちは分かりますけれども,先生のおっしゃる気持ちは分かりますが,ただ,私が今お答えする,お答えは控えさせていただきたいと思います。
【小林オブザーバー】 御理解ください。すみません。
【志賀委員】 そこだけは,ここはちゃんと趣旨が違うとか,法令が違うとかではなくて,そんな二度手間をする負担というものも考慮していただかないと,何かこれまでの議論が全部引っくり返っちゃうかもしれない。ぜひ横のつながりできちんと,文科省のほうでも私学助成課のほうにもお答えして,今後どうあるべきかということを御検討いただきたいと思います。そこはよろしくお願いします。
すみません,私からは以上です。もっと詳細につきましては,またヒアリングで本協会の方からも御意見があると思いますので,どうぞ今言ったことなどは,同じようなことを言われると思いますが,どうぞよろしくお願いします。以上です。
【黒川主査】 志賀先生,ありがとうございました。
何か御意見ございますか。ほかに。稲垣委員。
【稲垣委員】 よろしいですか。
【黒川主査】 はい。どうぞ。
【稲垣委員】 ワーキンググループのメンバーでもあり,この学校法人会計基準の在り方に関する検討会のメンバーでもある立場として,1点目が,セグメント情報の是非はもう議論済みで,あくまでもワーキンググループでの結論は配分基準をどうするかということに限定しているのだということは,今日の資料2の冒頭のところに記させていただきましたので,ダブルスタンダードをどう考えるかとか,そういうようなことは既に議論済みだと認識しています。ただ,結論から申し上げると,これはそれぞれの学校法人の運営実態に応じて判断してください,結果としては,内訳表と同じ結果になることも十分考えられるというふうになっておりますので,必ずしももう一度二重の計算を走らせなければならないというものではない。
それからもう一つ,幾つかのところで出てきましたけれども,従事時間というのは,あくまでも例であって,従事時間によらなければならないというふうにはどこにも書いていないつもりでありますので,そこはミスリードのないように御理解をいただきたいということで,ちょっと乱暴な言い方をすれば,うちのやり方はこれこれだから合理的なのだというふうに説明できれば,かなり広いレンジの中で事務がしていただける内容になっていると理解しております。若干補足説明ですけれども,また必要な部分はワーキンググループで検討しますが,その辺は御理解をいただきたいなと思いました。
【黒川主査】 ありがとうございます。
ほかに何か。佐野先生。
【佐野委員】 私も須賀主査の下でワーキンググループに参加している者です。この資料2につきまして,ページを追いながら補足的な御説明をさせていただきたいと思っております。まず,3ページのところで,冒頭,奥村委員から,この経営判断,資源配分を行うに際して有用で,管理目的ということ,これには違和感があるという御指摘がございました。これはワーキンググループでも同じ意見があって,とりあえず期待感ということで残しておこうという結論になったということで,必ずしも全員一致のワーキンググループの結論ではなく,とりあえずということで残ったというふうに理解しております。
それから,5ページです。学校法人部門の定義,これと学校法人共通の定義,これについてペンディングということで(P)がついております。これは実務的に学校法人共通は,学校法人の中の部門共通ということですけれども,ここにありますようにセグメントに帰属させることが困難な特殊なケースとございます。もともと今現在の内訳表,これ,割り切りをして部門に割り振っています。
したがって,法人本部というところのこのアからケについて,55年通知から何年もたって,こういう事象があるんだから,これは法人業務である,これは法人から外すべきであるという議論はあったにしても,各部門に割り振ることができないということはなくて,割り切りをして,現在よりもより経済的実態を表す配分基準にしようというだけですので,この辺,整理をすれば,アからケで収まるのではないか,またプラスアルファがあるのかどうかを整理すれば,法人共通,部門共通など,どこにも属さないものをその他に入れようという考えはなくなるのではないかという意見もワーキンググループでございました。一方,さりながら,やっぱり何か残しておこうという意見もあったということでございました。
それから,8ページです。これ,配分基準に関して,先ほど事務局から14ページで注記の話が出たと思います。先ほど7ページでも御説明がありましたけれども,ワーキンググループのほうでは,もうこの一定期間というのは延々ととか,バラバラではなくて特定の期間を決めたらば,例えばですけれども,令和9年4月1日開始事業年度からは,この新しいセグメント情報用の基準によるとなったらば,そこからは一斉適用して,その前の,いわゆるここで言っている準備期間というのは学校の準備期間だと思うのですが,会計的には早期適用を認めるということで,例えば令和9年4月1日以降事業年度からとなれば,もうそこからは,その方法しかないんだから,注記という問題は出てこないだろうという意見もあったということを御理解いただきたいと思います。
それから,10ページです。学校法人部門の担当云々というのがございまして,特に従事時間で割れないじゃないかと。これは先ほど稲垣委員からも御説明があったように,1つの例で従事時間というのを出しておりますが,例えば学校によっては,職員さんが通常の学校部門の業務を行いながら,評議員を兼務していたり,理事を兼務している場合に職務手当として手当がついている場合があると思います。こういったものは,じゃあ,本部につけようという手もあると思うんですね。これは各法人それぞれの実態に応じてやればいいことであって,必ずしも時間を測定しましょうということをワーキンググループとして結論づけたわけではなくて,いろいろな学校の実態に合わせてこの12ページにあるような配分基準の例を見ながら,見つけていこうということなんですね。
ですから,現在の配分,助成法に基づく内訳の配分基準と二重基準になるという前提の下での御説明をしていただかないほうがよろしいのかなと思っています。現在使っていらっしゃる配分基準,内訳表の配分基準が果たしてこの文科省の通知の昭和47年もしくは,55年通知に沿っているかどうかを検証し直してみたら,これは経済実態にそこそこ合っているじゃないかというのがほとんどではないかと思っているんですね。むしろ,これ,全然違うものが出てきたら,そこは見直しをして,配分基準の一本化につなげていくという方法をワーキンググループのほうでは考えながら,少なくとも経費についてダブルスタンダードなんてあり得ませんねという方向で議論していたということを御理解いただきたい。
ただ,人件費については,部門張りつけ方式というのは補助金の要請上,どこかの部門に張りつけているということで,配分,先ほど申し上げたように評議員との兼務職員に職務手当が出ているとか,それから,採用は大学のこれこれだけれども,今年度は役員付で何かするとか,いろいろな形態があると思うので,それは各法人の実態に合わせればいいじゃないかということで,人件費については,張りつけという発令基準によることは,経済実態に近づけるためには無理があるだろうということで議論が進んでいたということも御理解いただきたいと思います。
それから,補助金のお話も出ているようですけれども,ワーキンググループのほうでは,その別基準をダブルスタンダードで作るという前提で議論が進んでいないということをこちらの学校法人会計基準の在り方に関する検討会でも御理解をいただきたいんですね。ただ,例えば学校法人部門の取扱いがこれでいいのかとか,そもそも論として私学で教育研究経費と管理経費の2つ分けなきゃいけないのかとか,そういったところまで議論が進むのであれば,これはこの会議を離れた場でやっていただく問題になろうかと思いますので,今は47年,55年通知に基づく配分基準を是とした上で,また,法人本部の業務の整理については,多少の手直しを加えるにしても,法人本部という独立した部門を設けるべきだと。教育研究の部門ではなく,まさに経営主体ですから,そこ,分けるべきだというのをスタートラインにして進めていたという,ワーキンググループでもその前提で配分基準を考えていた。
あくまでも現在の基準を否定した上で,これをまとめたのではなくて,なるべくその実務に負担がかからないようにしながら,経済的な実態と言うと,これは言葉がすごく精密に聞こえてしまうのですけれども,経費は皆さん,どの私学さんも実態におおむね合っているんじゃないかと思うんですが,ただ,例えば大学,短大で同じ校舎を使っている。これ,どうしようとか,そういった場合に余りにも合理的な説明にならない配分基準を使っていたら,これはそもそも論として55年通知に反しているのではないかというような反省の下に会計士なり,現場の経理で御相談いただいて見直しをしながら,今後決まるであろう,いわゆる準備期間の中で見直しをしながら一本化していくということは十分可能だということを御理解の上で,ダブルスタンダードは嫌だということだけを強調なさらないほうが,話が進みやすいのかなという気がいたしております。ワーキンググループのほうでは,須賀主査の下,その前提で進んでいるというふうなことでございます。補足で失礼いたしました。
【黒川主査】 佐野委員,ありがとうございました。状況がよく分かりました。
ほかにワーキンググループの方々,あるいは主査の先生,いらっしゃいますので,どうでしょうか,意見ございますでしょうか。
私から1つだけ,法人本部の問題があったと思うのですけれども,この大本になっている会計基準の検討というものは,ガバナンスとの関連性が一緒に連動でありましたよね。特に法人本部というところがガバナンスの機関ということなので,ここ,非常にセグメント会計のところで,この法人本部にどのぐらい資源が投入され,それから,意思決定との関連性がどうなのか。ガバナンスはどうであるのかという,そういうような視点もあったのかなと,この法人本部勘定は意義があるのではないか,そのように私は理解していたのですけれども,間違っているのか,どうでしたかね。大本の今回のガバナンス改革との連動性,稲垣委員,あったと思うのですけれども,どうですか,会計上。
【稲垣委員】 稲垣です。従前の学校法人会計基準の在り方に関する検討会の議論の中で,ガバナンス改革のいろいろな制度改革と軌を一にして,財務報告を開示するということが,ある意味,ガバナンスと並行して行われるべきものだということで,今回,まさに開示目的の財務報告にかじを切ったというのは,そこは前提だったと思いますので,そういう前提で,じゃあ,計算書類はどうあるべきだ,注記はどうあるべきだという中でセグメント情報の話も出てきているという理解です。
特に法人本部の扱いについては,ワーキンググループ等では細かな議論はしませんで,むしろ,従前のものがあるならば,それをまた一から議論し直すと非常に大変なので,これこれを前提に必要なところは補正をすると。先ほど佐野委員からあったように,その後の状況でいろいろな変化が,各学校法人においてもあるでしょうから,そこは柔軟に御判断いただければというスタンスで議論させていただきました。
【黒川主査】 なるほど。分かりました。ありがとうございました。
現在ですと,資金運用,それで少しでも,国立だけではなくて,私学のほうもファンドみたいなもので少しでも稼ぐということが世間では期待されているようですけれども,こういうような収入,資金の運用収益,それから,調達コスト,これらについてやっぱり法人本部に行くのでしょうか。ちょっとよく分からない。ワーキンググループのほうでは,私としては,法人本部の業務の一環だろうと思うのですけれども,私はワーキンググループに入っていないので,その辺も議論が進んでいるのであれば,これは私の意見としておいていただきたい,そのように思います。
ほかに何かございますか。なければ,本日はこのぐらいにいたしまして,本日,各委員からいただいた御意見については,9月2日に実施予定の関係団体からのヒアリングでいただく御意見とともに,引き続きワーキンググループにおいて検討してくださることをお願いいたします。
最後に事務局より事務連絡をお願いいたします。
【畑参事官補佐】 今回の検討会の議事録につきましては,公開を予定しております。後日,議事録案を作成し,送付いたしますので,御確認のほどよろしくお願いします。
また,第2回につきましては,このワーキンググループにおいて最終報告案を取りまとめた上で,今年度の後半に開催をできればと考えております。その場合,具体的な日時につきましては,後日,調整させていただければと考えております。
以上でございます。
【黒川主査】 それでは,令和6年度第1回学校法人会計基準の在り方に関する検討会は,これで終了いたします。各委員におかれましては,御多忙中,それから,初めにも言いました,猛暑のさなか,御出席あるいはウェブで参加していただきまして,御協力いただきまして,ありがとうございました。終わりでございます。ありがとうございました。
高等教育局私学部参事官付