令和6年7月17日(水曜日) 15時00分~18時00分
中央合同庁舎7号館東館(文部科学省)14階 高等教育局会議室
飯田委員、稲垣委員、佐野委員、須賀委員、菅原委員、南委員、村松委員
錦参事官、篠原私学経営支援企画室長、畑参事官補佐、今井専門職
【須賀主査】 それでは,これより第4回学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループを開催いたします。
本日はお忙しい中,本ワーキンググループに御出席いただきまして,誠にありがとうございます。
本日の議事は,審議事項として4点ございます。「1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理」,「2.セグメント情報における配分基準」,「3.「経済実態をより適切に表す配分基準」の導入に向けた準備期間」,「4.各私立学校関係団体へのヒアリング」となっております。
今回,報告事項はありません。
まず,審議事項の「1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理」についてです。
事務局より資料の説明をお願いいたします。
【篠原室長】 資料1-1,説明させていただきます。これ,おなじみの資料になりつつありますけれども,いただきました御意見を今回も追記をさせていただいています。
資料1-1の,右下の大きいページで言えば3ページ目,こちらは総論についていただきました意見を4点追記しています。
赤①,実務の負担を考えると,現行の配分基準ではなくて,新しいセグメント情報の考え方を導入したセグメント情報の配分基準に一本化して,内訳表を作成できないか。
②,学校法人が選択できるような幅を持った基準を導入するとよいのではないか。
③,共通経費について,私立学校振興助成法により提出が求められる書類としての内訳表と,私立学校法により作成が求められる計算書類におけるセグメント情報が,大きく異なることはない。そのため,内訳表を作成すれば自動的にセグメント情報となる。ただし,病院の人件費は別である。
④,学校法人の事務が現実的に対応できるような内容にすべきと,そういった御意見を総論に関してはいただいています。
次ですが,共通経費についていただきました御意見で追記をしている部分,こちらはページが飛びまして5ページです。こちらは2点書いてございます。
①,共通経費について,私立学校法と私立学校振興助成法の目的と理念が異なっているとしても,同じ結果に集約できる配分基準である。これは結果的に同じになるよねというような御意見でございました。
②,こちらは,実は総論に前回載っていたものをこちらに引っ越しておりますので,赤字で書いてございます。内容は変わらずで,共通経費について,現行の配分基準がかなりの部分そのまま使えるのではないかという御意見になります。
最後は,人件費に関していただいた御意見で追記させていただいているものを紹介させていただきます。右下のページ番号8ですけれども,⑧から赤字がございます。
人件費内訳表について,私学助成の配分状況を正確に確認するために利用される点に留意する必要がある。
⑨,人件費内訳表をある程度修正すればセグメント情報になるというのが,現場的な許容の範囲だろうと。
⑩,人件費について,現行の配分基準がかなりの部分そのまま使える。ただし,現行の発令に応じて計上するという現行の方法を少し変更しただけで経済的実態が把握できるかどうかというところは,検討しなければいけない。こういったような御意見をいただいております。
関連して,もう一つ資料を用意させていただいています。資料1-2で10ページの部分です。前回,セグメント情報と,補助金の関係で提出する事業活動収支内訳表について,ダブルスタンダードではないかといったような御意見もいただいています。この辺りについて共通認識を持たせていただくと今後議論しやすいかなと思いまして,事務局で用意をさせていただきました資料になります。
順に説明いたします。
最初の〇,事業活動収支内訳表を含む3点の内訳表は,これまで私立学校振興助成法及び学校法人会計基準に基づき作成される書類であった。今般の私学法改正に伴い,学校法人会計基準は私立学校法に基づく基準となり,事業活動収支内訳表は計算書類には含まれないものと整理された一方,注記事項としてセグメント情報の記載が求められることとなった。以上は事実の説明になります。
2つ目の〇,事業活動収支内訳表を含む3点の内訳表は,私学助成を受ける法人が今後も作成・提出を求められる書類として,改正後の私立学校振興助成法第14条第4項を受け,新たに制定する予定の私立学校振興助成法施行規則に位置づける予定となっております。
3つ目の〇,私学助成法に基づくセグメント情報と,私学振興助成法に基づく事業活動収支内訳表は,その法的根拠や作成される目的は異なるものであるが,事業活動収支計算書のより詳細な内容を示す資料であるという点で類似する。そのため,「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」においては,私学助成を受ける学校法人において類似の資料を2種類作成する重複感,事務の負担増について懸念が指摘されました。
下の2つが今回の整理の〇になりますけれども,下から2つ目,「この点」で始まる〇です。本ワーキンググループにおいても,事業活動収支内訳表についても,セグメント情報の配分基準となる「経済実態をより適切に表す配分基準」を用いることができないかという御意見がございました。しかし,事業活動収支内訳表において用いられる配分基準は,私学助成の制度の趣旨や運用を踏まえて判断されるべきもので,本ワーキンググループにおいて結論を出せるものではございません。このため,いただいた御意見は私学助成担当部署に共有することとして,本ワーキンググループでの検討は行わないとさせていただきたいと考えております。
最後の〇ですけれども,本ワーキンググループにおいては,類似の資料を2種類作成するような重複感,事務の負担感をできるだけ生じさせることのないような配分基準となるよう留意して検討を進めるとともに,書類の作成方法についても,効率的と考えられる方法があれば併せて提案をしていく,という形で整理をさせていただいてはどうかと思っております。
説明は以上になります。
【須賀主査】 御説明ありがとうございました。
それでは,今御説明いただいた事項を踏まえて御審議いただければと思います。
質問や御意見がございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
佐野委員。
【佐野委員】 確認したいと思うんですが,3ページの赤字は,委員の皆さんからの意見ということでメモしていただいているので,多分そうだったと思うんですが,この1番目の「現行の配分基準ではなくて,セグメントの配分基準に一本化し」という意味は,これと,さきほど御説明あった5ページの,「共通経費について,現行の配分基準がかなりの部分そのまま使えるのではないか」というのは,ちょっと矛盾したような意見でしたが,これは両論あったという現実をお書きいただいているんでしょうかというのが1点。
それともう1点は,10ページの最後の〇ですけれども,「類似の資料を2種類」という意味は,「類似」というのは,資金収支と事業活動収支のほうではなくて,事業活動収支内訳表とセグメントをイメージしているとすれば,類似ではないと思うのですが,ちょっとこの辺り,「類似の資料」という書きぶりは,もしかして理解が共有できてないと困るので,ちょっとそこを説明いただければと。この2点,お願いいたします。
【篠原室長】 1つ目の御質問に関しては,それぞれの御意見が出ていたので両論書いているということになります。
10ページ目に関して,御指摘いただきました,類似の資料ではないということに関しては,すみません,言葉の選び方が不適切だったかもしれません。とにかくその2つ,今まで用意していた補助金用の資料とセグメント情報の資料,2つを用意しなければいけないというところに関しての負担感というのがポイントだったので,「類似の資料」という書き方が不適切ということで御指摘いただきましたので,文言のほうは,例えばここを削除して,「資料を2種類作成する重複感」みたいな形で修正をと今思いましたけれども,そこはいかがでしょうか。
【佐野委員】 了解いたしました。
【篠原室長】 ありがとうございます。
【須賀主査】 それではここ,「類似の」を削除するということで。
【畑参事官補佐】 はい。
【須賀主査】 そのほか,ございませんか。
【稲垣委員】 稲垣です。通し番号10ページの〇の3番目のところですけれども,「事業活動収支計算書のより詳細な内容を示す資料」ということで,事業活動収支計算書よりセグメント情報のほうがより細かいというふうに読まれると思うんですが,細かい部分もあるけど,逆に,くくられる部分もあるのかなということで,この辺はそれを反映したような書き方にしたほうが,一律に細かくなってしまうんだと誤解されないような対応が必要かなと思いましたが,いかがでしょうか。
【篠原室長】 ありがとうございます。「事業活動収支計算書の内容を違う観点で示す資料」とか,そういう感じ……。
【稲垣委員】 そうですね。
【佐野委員】 読み方はちょっと私,違ったのかもしれないですけれども,セグメント情報と事業活動収支内訳表は……。
【稲垣委員】 そうか,事業活動収支計算書です,多分。内訳表……。
【佐野委員】 決算書よりも内訳表が詳しいというのは。
【篠原室長】 文章としては,「セグメント情報と内訳表は」ですね。
【佐野委員】 それで,セグメント情報は確かに区分収支を示すという意味では,荒っぽいですけれども,実態を表すという意味の詳細感があったので,読点の打ち方がちょっと,1行目の読点の点がなければ読みやすかったかもしれないなと思います。
【篠原室長】 それであれば,この1行目の読点を取って,表現はそのままでという形で,稲垣先生,いかがでしょう。
【稲垣委員】 そうですね。そうするとそういうふうに読めます。1行目の読点ですよね,2行目の読点じゃなくて。
【篠原室長】 はい,1行目の,「と」の後ろにある読点を取ると,セグメント情報アンド事業活動収支内訳表が,事業活動収支計算書のより詳細な内容を示す。
【稲垣委員】 より詳細なという意味では共通で。はい,分かります。
【村松委員】 1つよろしいですかね。今の論点なんですが,恐らく公認会計士の先生方から見れば,決して類似してないということもあるかもしれませんが,現場から見ると,何となく類似しているように感じてしまう部分もあるんです。ですから,類似しているかどうかというのはやや価値観の問題なので置いておいて,事業活動収支計算書をより詳細に表す資料というのを,2種類作ることの重複感というところにスポットを当てるという,そういう考え方でよろしいですか。
【佐野委員】 そうです。最後の〇のところで「類似の」を抜いたのは,その意味かなと思ったんですが。あったほうがいいということじゃないんですよね。最後の〇のところで,「類似の資料を2種類」というのを,単に「本ワーキングにおいては,資料を2種類作成する重複感」と室長から変えてはどうかという御提案があったので,そう変われば,今の委員の御質問のところは,実務家として重複感が残るというのが残るんじゃないかなと。
【村松委員】 そうですね。なので,一番下の5つ目の〇の「類似の資料」の「類似」と,それから3つ目の〇の,「詳細な内容を示す資料であるという点で類似する」と,この2つの「類似」を取るということでよろしいんでしょうか。上の「類似」はいいんですか。
【稲垣委員】 上の「類似」は説明なので。
【村松委員】 あ,そうなんですね。
【篠原室長】 そうですね,上の3つ目の〇は,3行目に出てくる「類似する」というところは残したままで考えておりました。「そのため」で続く下から2行目は,「類似の資料」というふうにまた出てくるので,ここは「類似の」を取って,「資料を2種類」というふうに,一番下の丸と揃える形でどうかなと思っておりました。
実は,検討会の報告書では,「似たような書類を2つ作る重複感が生じる課題がある」というような書き方はさせていただいておりました。「似たような」というのは何かちょっと言葉として軟らかかったので,「類似」と私が書き換えたんですけれども。
【佐野委員】 検討会のときはまだ注記事項にするというのが出てこないで,どこまで小科目を設定するのかというのがセグメントの中で決まってなかったので,多分,すごく重複感があったんだろうなと思いますけどね。
【篠原室長】 「類似」というのを取ったとしても,現場としての,似たようなものを作るという感覚としてはしっかりあるぞというところを,今,改めて確認いただいたのかなと。
【村松委員】 分かりました。ありがとうございます。
【須賀主査】 先ほど稲垣委員が話をされたときに,3つ目の〇の3行目の「類似」のところを,「共通」するとおっしゃったんですが,私にはそういうふうなイメージのほうが近いのかなと思ったんです。要するに,言葉の使い方の問題ですけれども,下の「類似」があったのでそういうふうな誤解が生じていて,それで,「共通」のとするのは,なるほど分かりやすいと思ったのです。しかし,下の「類似」をもう削ったから,上は「類似」でも構わないと思ったのですが,最初にお話を伺ったときに,なるほどと思ったので,これは「共通する」でも同じような意味合いですよね。
【篠原室長】 そうですね,同じような意味合いですが,今の皆さんの語感を踏まえると,「共通」と書き改めてもいいかなと思いましたが,いかがですか。意味としては共通というか,というニュアンスなので,ここを「共通」に置き換えることに関して,事務局としては全く問題ないです。
【佐野委員】 ちょっとここにこだわりますけれども,今のところはそれでいいと思うんですが,3行目の「詳細な内容」という言葉が,内訳表においては小科目までまさに詳細に,現行の会計基準上の部門別に詳細に出てきますけれども,セグメントのほうの詳細という意味は,小科目がなくて,大区分だけなので,その意味では詳細感はないんですよね。それから,横のほうは,共通費の配分については細かくやってくれていますねという詳細感があるのでいいんですけれども,この「詳細」という言葉が,もしかしてセグメント情報にはそぐわないので,ちょっと違和感があるのかなという気がいたします。
【稲垣委員】 確かに科目は括られますからね。
【佐野委員】 いずれのセグメント情報についても,内訳表についても,もしその両方を一緒の共通的な資料と表現するのであれば,いずれも事業活動収支計算書をもとに作られる資料だということだと思うんですね。もとにと言うのかな。「もと」と言うと,時系列の「もと」になっちゃうといけないんですけれども。
【篠原室長】 「基本」の「基」のほうですか。
【佐野委員】 どっちがもとかな。我々実務家のほうから見ると,詳細版の内訳表ができてそれを合算したのが計算書類なので,計算書類から遡って内訳表を作るというイメージではないんですね。「もとに」というのは不似合いだなと思いつつ,多分,似たようなものがあるよねというのを何か表現できればいいのかなと。
【飯田委員】 今佐野委員がおっしゃられた,基点になるという意味で,「事業活動収支計算書を」みたいな形の説明のほうがいいのかもしれません。これ,最初から,2つがあって事業活動収支計算書の内訳を示していますとなっているんですけれども,事業活動収支の,内訳を示すという言葉を使っていいのかあれですけど,内訳を示すという点でセグメント情報と事業活動収支内訳表は共通するみたいな,何かそういうイメージじゃないかと思いました。
【佐野委員】 そうですね。
【須賀主査】 何か,いい表現が……。
【篠原室長】 それでは,今すぐうまい文案を作るのはちょっと難しいので,検討の上,主査に相談差し上げてという形で,一任いただいてよろしいでしょうか。
【須賀主査】 そのほか,ありますでしょうか。よろしいですか。
【菅原委員】 菅原でございます。このたび資料を拝見しましたところ,ワーキンググループが始まる際には,内訳表とセグメント情報が1つになっていき,できれば事務負担のない形でやっていけないかというお話合いもあったかと思うんですけれども,この今の考え方の整理を読みますと,今まで作っていた計算書類はそのまま作り,新たにセグメント情報を作るということの考え方で,もう進めるということでよろしいんでしょうか。整理するということで。
【篠原室長】 そうさせていただきたいという提案になります。御意見はここで,まだあれば出していただければと思うんですけれども,やはり,私学法に基づく会計基準に基づくセグメント情報の在り方というのをここで議論すると整理をさせていただいている中で,私学助成の制度に関わる部分の議論というのは,縦割りというわけではないんですけれども,別のしかるべきところで考えていただくという必要がありますので,そこの議論をこちらで混ぜてやるということは避けさせていただきたいというのが,事務局からの提案になります。
ただ,そうは言いながらも,今の内訳表とセグメント情報が併存することを考えたときに,現場がやりやすくなるというところを踏まえて,できるだけ効率的な,分かりやすいやり方というのをここで知恵を出していくということで,お願いできないだろうかと思っています。
【菅原委員】 だとしますと,やはり重複感というのは否めないかなと思っていまして,私,今,決算書,計算書類を作っている担当者なんですけれども,今日,人事の人件費の配分をつくる担当者とも話したんですが,やはり2つを作るイメージはどうしても拭えないなと思っておりまして,そこを何とか効率よくやっていける方法を探りながら,あと御意見をいただきながらやっていくしかないのかなと私としては気持ちの整理をつけながら,今日,ワーキンググループに参加した次第です。
本当に,4月,5月で計算書類を作り上げて,ようやくそこで一段落と思っていたところに,さらにもう1つのセグメント情報になると,計算書類の提出が3か月延びたとはいえ,時間はなかなか難しい,ないなというか,初年度はかなりの負担にはなるかなと思っていまして,そういったことも踏まえながら,皆様に負担感がないような形で,本当に,いいものができ上がればなと思っております。
今日,ちょっと自分の計算書類を見て,セグメント情報に落とし込んでみたんですね,簡単に。そうすると,やはりいろいろ,配分基準で進められるところもありながら,この辺りはどうしていったらいいんだろうというのを一つ一つやはりクリアしていかないと,なかなか進められないなというところもあったりして,本当にその辺りも,実際の,私が自分で作る立場を皆様とちょっと共有させていただければなと思って,今日は参加しているところでございます。
【篠原室長】 ありがとうございます。今,作業されていた中でうーんと思ったのは,人件費だけでなくて共通経費の部分でもという感じですか。
【菅原委員】 そうですね,細かく見ていくとやはり一つ一つ見ていかなきゃいけないなというのはありまして,一回決まってしまえば,そのまま次が進められるのかなと思うんですけれども,決めるまでの間,自分たちだけでは決められません,会計監査人も見,それを上役のほうへ承認をしていただくとか,そういう形も取らなきゃいけないので,やはり時間はかかるなというイメージはあります。
【篠原室長】 分かりました。ありがとうございます。
【須賀主査】 そのほか,ございますか。どうぞ。
【佐野委員】 逆に言うと,じゃ,今やっているその配分は,補助金のために,ここの部門にかかる費用をこっちにしなさいということはないわけですから,今やっていらっしゃる教管区分を含めた経費の部分というのは,実態を表してないというふうなことはないんじゃないかと思うんですけれども。
【菅原委員】 そうですね。
【佐野委員】 そこは,各学校で,任意性を持たせたうえで共通ルールをつくっておけば,経費については重複感はないような枠を作ろうというのがこのワーキングでしているんじゃないかと思うんですね。で,人件費はやっぱり,部門貼付けというのが,これは従前も現在も監査対象にもなっていますし,補助金配賦の主たる部分がありますので,これは問題だよねというそこの重複感はやっぱり,あるので,そこを何とかシンプルにと考えるのがよくて,経費について,今までが実態を表すものとかけ離れている補助金行政だという印象をつけてしまうのは,あまり好ましくないのかなという気もしますけど。
あれ,資金収支ですよね,元々の配分が,補助金。
【南委員】 元々はそうですね。
【佐野委員】 事業活動収支計算書が配分のベースになるわけであって,事業活動収支計算書は元々が,消費収支計算書から区分計算を,区分利益を出す,収支を出すという意味での割り振りをしただけで,私学助成は元々資金収支計算書の詳細版の内訳部門から作られるので,あまりそこは気にならないというかな。ちょっと書きぶりが,事業活動収支計算書は私学助成云々と連動しちゃっているから,ちょっとその辺は疑問もあるんだけれども,そもそもが,事業活動収支内訳表と資金収支内訳表は数字的には変わらないはずなので,問題ないだろうと,問題視しないでいいんだろうと思っているんです。
経費についてもし配分を変えなくちゃと思っていらっしゃるなら,現在の助成法の作成基準における配分基準を見直しておいたほうがいいかもしれないですね。
【菅原委員】 そうですね,その辺りは。普段の業務の見直しも必要なのかなと思います。ありがとうございました。
【須賀主査】 それでは,各委員からいただきました御意見につきましては,事務局で整理をさせていただいて,次回以降に引き続き検討させていただきます。
続いて,審議事項の「2.セグメント情報における配分基準」について,審議いただきたいと思います。
事務局より資料の説明をお願いいたします。
【畑参事官補佐】 それでは,資料2-1をまず御覧ください。
こちらは,学校法人会計基準のセグメント情報における配分基準についてのたたき台でございます。ワーキンググループの名義で作成しております。こちらにつきましては,日本公認会計士協会の御協力をいただきまして作成をしております。
本日の審議の後,いただいた意見を反映させた上で,8月8日に開催を予定しております「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」に中間的に報告しようと考えております。その後,今回の議題4にありますとおり,各私学団体へのヒアリングで,このたたき台に対する意見を聴取したいと考えております。
では,資料に移ります。
11ページですけれども,たたき台の冒頭の部分は,「はじめに」ということで,本資料の前提を書いております。例えば1番は,報告の対象はセグメント情報における配分基準に限定しているというような,このたたき台をつくる前提について記載しております。
次のページですけれども,12ページ,総論というところですが,まず,セグメント情報とはということで,検討会報告書の抜粋がついておりますが,アンダーラインのところですけれども,「資金収支内訳表の部門別計上方法については,文科省通知で定められているが,詳細なルールは定められておらず」ということで,いずれの書類も必ずしも部門別の教育研究コストの実態を表すものとはなっていない。ということで,「このため,内訳表については,必ずしも教育コストの実態を表すものとなっていないことから,計算書類から外して,部門別の情報としてセグメント情報を表示する」というような整理をしております。
その下ですが,(1)のところですけれども,セグメント情報の意義ということで,今般の私学法改正に伴って部門別情報としてのセグメント情報は,開示を前提とした財務諸表の注記として開示目的の財務報告の一部をなすものであるということで,振興助成法による資金収支内訳表の考え方とは異なる新たな考え方による配分基準が求められると整理をしております。
次の13ページですけれども,参考として,資金収支内訳表とセグメント情報の整理ということで,それぞれの作成の根拠法,主な目的,教育研究コストの実態との整合,経営管理との関連ということを整理させていただいております。
(2)ですけれども,目的ということで,報告書では,「社会状況の変化により,高等教育機関を中心に,大学をはじめとする学校種別の状況に対する社会的関心も高まっていることを踏まえると,学校法人全体の経営に加えて,各学校の個別の部門に関する情報開示の必要性も考慮する必要がある」ことから,セグメント別の情報を開示することとしました。高等教育機関については学校別を原則,附属病院は財務規模が大きいということで,病院として単独のセグメントとしたというところを説明しております。
次の14ページですが,セグメントの区分けと開示項目について,こちらも検討会報告書を抜粋しておりますが,(1)病院の定義ということで,これは,前回御審議いただいた,病院の定義をこちらに書いております。医歯学部附属病院以外に,それ以外の病院と診療所も含むという形になっております。
それから,(2)学校法人部門の定義に関連し,「その他」に区分される学校法人部門の業務については,昭和55年の文部省通知に示されているとおり,今般の改正によってもこの区分の妥当性は変わらないということで,その対象範囲は引き続き以下とするという形にしております。
このたたき台のところで,幾つか黄色くマークさせていただいているところは,今回のこのワーキングで御審議いただきたい部分としてマークさせていただいております。この部分については,対象範囲は引き続き使うのかどうかというところを御検討いただければと思います。
次の15ページですけれども,(3)学校法人共通の定義ということで,こちらにつきましては,学校法人の運営実態に基づいて,特定のセグメントに帰属させることが困難な特殊なケースがあり,学校法人の判断により必要とされる場合,「共通」の区分を設け,法人事務局における収支のほか,学校等の各セグメントに配分しなかった収支を計上することができるという整理をさせていただいております。
(4)ですが,積極的なセグメント情報の開示ということで,各学校法人がそれぞれ創意工夫によりセグメント情報を追加開示することも認められるということを書いております。
一番下,(5)ですけれども,セグメント情報の合計欄というところですが,前のページに表がありますが,合計欄がございませんので,合計欄を設けて,事業活動収支計算書との関連を明確にするということを書いております。
次の16ページですけれども,配分基準の総論というところで,その下の(1)ですが,報告書の中では,「当分の間」というのが……。「当分の間」というのは,「原則的な配分基準として『経済実態をより適切に表す配分基準』を採用することとしつつ,事務負担への配慮から,学校法人等の判断で例外的な配分基準として,現行の基準を採用することができることとした。また,採用した配分基準については注記に記載する」と。
丸の2つ目ですけれども,「配分基準について,原則的な配分基準である『より適切に表す配分基準』の策定は技術的に困難があり,その困難を解消するための検討が別途必要だ」ということで,「検討には1年程度を要すると見込まれることから,原則的な配分基準である『より適切に表す配分基準』が策定されるまでの当分の間は,現行の『資金収支内訳表の配分基準』を採用する」という形の,そこの「当分の間」というのが,「経済実態をより適切に表す配分基準」が策定されるまでの間とされているということで,ここのところで,「準備期間については,P」とあるのは,この後の資料3のほうに整理した内容になっておりますが,そこで説明させていただければと思います。
それから(2)ですけれども,配分基準設定の精度についてですが,捕捉可能で合理的な基準を各学校法人が判断し選択するということで,人件費と共通経費の例を書いております。
それから(3)ですけれども,配分基準の単位について,配分計算単位は画一的に定められるものではなくて,合理的な範囲で各学校法人が選択するということで,人件費と共通経費の,こちらも例を示しております。
それから,(4)セグメント情報の作成方法についてということで,セグメント情報の注記データの作成は,事務負担軽減の観点から,既存の内訳表のデータに必要な修正データを補足集計し,これを組替表上で作成することも考えられるとしています。また,より厳密に帳簿データから生成すべく,会計システム上に必要な区分等を設定して作成することも考えられると。それぞれの学校法人の会計システムや部門設定に応じて,効率的な作成方法を選択することになるが,いずれの場合も検証可能性を確保した範囲で法人が選択する必要があると整理しております。
それから(5)ですけれども,配分基準の選択等に関する脚注について,どのような配分基準を選択したかについてはセグメント情報に脚注するということで,これは後ろのほうの3(3)で例示しております。これは,16ページの四角囲みの中の1つ目の〇の最後ですが,「また,採用した配分基準については注記に記載する」ということがございますので,その点を書いております。
18ページですけれども,各論に入りまして,収入,共通経費と人件費に関する配分基準ということで,現行の「資金収支内訳表の配分基準」ではなく,部門別計上について,収支項目は以下のとおり計上することになっているということで,昭和55年の通知が抜粋されております。
これらの取扱いについては,今回の改正によってもこの区分の妥当性は変わらないことから,これを踏まえて学校法人で判断するとしています。一方で,複数のセグメントで共通の収入項目や経費項目が生じ得る場合は,以下の注意点が必要だということで,(1)収入項目として,寄附金,経常費補助金,付随事業収入,その他については,収入の受取理由,その使途を勘案して配分と。
それから(2)共通経費について,特定のセグメントに帰属させるべきケースとして,各学校法人の運営実態に基づき,それぞれの学校法人が合理的な配分基準を設定して配分するということで,光熱水費と減価償却額と保険料について例示をしています。
19ページの「2.人件費」ですけれども,現行の「資金収支内訳表の配分基準」では,部門計上について,人件費は以下のとおりということで,これも55年の通知を抜粋しておりまして,その下ですけれども,発令と勤務の実態が一致している場合は,現行の基準に基づき,発令されているセグメントに計上する。一方で,学校法人部門や複数のセグメントを担う教職員の人件費については,以下の注意点が必要ということで,その下ですけれども,基本的な考え方として,教職員の業務従事の実態に応じて配分すると。括弧書きで,発令内容が勤務実態に即している場合は内訳表と同じ配分基準となると,例が記載されております。
20ページですが,(1)学校法人部門の業務を担当する教職員の人件費の扱いについて,学校法人部門の業務の定義,勤務実態・内容に応じて判断する。勤務実態の把握方法は法人が自ら決定し,当該方法によって把握したデータを使って按分比を設定する。
(2)複数セグメントの業務を兼務する教員の人件費の扱いということで,具体例は,大学・短大とその他附属学校を兼務する場合,それから医学部・歯学部と附属病院の業務を兼務する場合を想定しております。
セグメントごとの業務の範囲を定義した上で,業務従事の実態を反映した基準で配分する。勤務実態の把握方法は法人が自ら決定し,把握したデータを使って合理的な基準を設定すると。
過年度あるいは一定期間の実績値を採用するかなどの勤務実態の把握方法は,学校法人が説明可能な方法を自らの責任で決定し,当該方法により把握したデータを使って按分比を設定する。法人内で所定の承認手続を経て,経済の実態をより適切に表すと合理的に説明できる場合は,目標値を採用する方法も考えられる。
より精緻な勤務実態の捕捉方法を採用したい学校法人においては,国立大学を参考に,タイムレコード等を提示すると記載させていただいております。
こちらは,勤務実態の把握方法,それから,勤務実態の把握方法として認めることができないもの,目標値を採用する際の留意点について,御議論いただければと思います。
その下,3ポツ,具体的留意点というところですけれども,各学校法人においてその科目(小科目)や会計単位の設定は任意に設定できる。その設定を前提に会計処理が行われている。
特定の科目について,特定の部門に限定されるものは当該会計単位に計上される。
複数の会計単位に共通するものはそれぞれの会計単位が負担すべき額を算定し,それぞれの会計単位に配分される。あるいは,合理的な比率で按分する場合は,当該比率で按分計算された額をそれぞれの会計単位に配分される。
また,特定の会計単位に一旦全額を計上し,他の会計単位が負担すべき額を一括して振替処理するような方法,会計単位に学校法人共通を設定した上で計上し,負担すべき会計単位に振替処理するような方法もありますと。
次ページですが,これらの通常の会計処理を前提に,セグメント情報を作成するために必要な金額を抽出することになるけれども,複数の会計単位を合算することでセグメントになる場合については,作業が容易であるが,特定の会計単位が複数のセグメントに関連しており,共通する科目を分割する必要がある場合は追加的な作業が必要であるということを説明させていただいております。
次の22ページですけれども,3の各論ということで,これは第2回のときに佐野委員からお示しいただいた,共通収支の配分基準の例として頂いたものを採用して書かせていただいております。
一番下の注のところですけれども,小科目については,適当な科目を追加し,または細分することができることから,一般的な費目例を前提に配分基準例を参考に示したものである。小科目に追加する科目は,形態別分類による科目でなければならないけれども,形態分類によることが困難で,金額が僅少なものについては,この限りではなく機能別分類の場合もあり,特定の取引(会計事象)をどのように処理するかも各学校法人で様々であると記載しています。
黄色くマークしたところですけれども,従来からの内訳表を作成する目的で部門設定されている場合は,学部単位で部門設定されていると考えられるので,その場合,それぞれの学部への配分に収容定員数や在籍者数といった配分基準を利用することが合理的であるけれども,大学別や学校別といったセグメント情報の場合は,そのような配分基準が必ずしも合理的でないことも想定されるということで,その場合は,セグメント情報として適切な配分基準を用いることが望ましいと整理させていただいております。
ここの部分についても御議論いただければと思います。従来からシステム上に会計単位を設定されている場合の配分基準についてです。
それから,次ページに移りまして,前のページから続いておりますが,これは配分方法の脚注例というところで,先ほど説明いたしましたが,どういった配分基準を採用したかということについて欄外に注書きをしていただくということで,その例として,収入または支出の各セグメントへの計上方法は,「経済実態をより適切に表す配分基準」として本学で適用する基準を検討準備中であるため,昭和55年の通知の記載の計上方法を採用しているという,例外を使った場合の例として書いております。
それから,例2のところですけれども,これは,「その他」の区分に何が含まれているかということを注記するということで,例として書いております。
資料2-1の説明は以上です。
続いて,25ページの資料2-2を説明させていただきます。
これは,医歯学部と病院のセグメントの配分基準について,前回了承された内容をまず整理をして,今回整理いただきたい点を書いたものです。
まず,前回のワーキングで了承された内容ですけれども,全体として,セグメント情報の病院の定義についてですが,「病院(医歯学部附属病院以外の病院を含む)」及び「診療所」を対象として設定するというふうに了承されております。「施術所」は病院に含まないという整理をされております。
それから②ですけれども,セグメント情報の病院について,本院と医歯学部の按分比と,分院と医歯学部の按分比,この取扱いが異なっている場合がありますので,これはどうしますかということで,これも了承いただきましたが,原則は,本院と分院の違いを踏まえてそれぞれの按分比を設定しますと。例外的に,共通の按分比にすることができるという整理を了承いただいております。
共通経費ですが,③のところですけれども,医歯学部とセグメント情報の「病院」双方に関連する共通経費については,面積比等を使って按分比を設定すると。
④ですが,共通の人件費についてですけれども,医歯学部とセグメント情報の「病院」の人件費の配分方法は,教職員の勤務実態を基に設定する。教職員の勤務実態を一定程度反映するための勤務実態の把握方法については,学校法人が合理的に説明できるのであれば当該法人の裁量に委ね,当該方法により把握したデータを用いて按分比を設定するという了承をいただいております。
次ですけれども,今回整理いただきたいのは,先ほども説明しておりますが,㋐ですけれども,勤務実態の把握方法の例として,タイムレコード,タイムレポート,タイムスタディがあるけれども,それ以外にどのようなものがあるかということと,勤務実態の把握方法として認めることが適当でないものというのはどういったものかということを,御議論いただければと思います。
私からの説明は以上でございます。
【須賀主査】 御説明ありがとうございました。
それでは,資料2-1につきましては,公認会計士協会の御協力によって作成されたということでございますので,稲垣委員から補足説明をしていただければと思います。よろしくお願いします。
【稲垣委員】 ありがとうございます。資料2-1ですけれども,ポイントを絞って,12ページ,13ページのところで,セグメント情報の意義であるとか,セグメント区分がこういうふうに決まった,病院を分けるというようなことに関しては,学校法人側の理解がまだ追いついてない部分もあるから,そこはきちっと説明をしたほうがいいだろうということで,改めてこういう定義を入れさせていただきました。
それから,何か所か,国立大学法人会計基準ではどうなっているかというのを参考として書かせていただきました。先行している制度で,国立大学と私立大学との違いはあるものの,かなりの部分が共通する部分もあるので,先行する制度がどうなっているかということを認識してもらうことも意義があるだろうということで,最終的にどう落とすかはこれからですけれども,参考情報として記載をさせていただきました。
それから,結論とすると,基本的な考え方を示して,あとは各学校の法人の判断でちゃんと説明できればその方法でいいよという枠組みで取りまとめた上,具体的な配分基準としてどういうものがというのを,何も書かないのはイメージも湧かないでしょうから,あくまでも参考例として面積比とかいうものを記載するというアプローチを取らせていただきました。
それから,通し番号の20ページの黄色いところの上のところなんですけれども,合理的な基準ということで「(制度,単位,按分比)」となっているんですけれども,ここの「制度」というのは,この「制度」がいいのか,メッシュという意味で,どこかで使わせていただいたんですけれども,通し番号の16ページのところで,配分基準を設定するときの細かさというんですかね,それも各学校の裁量でできるという意味でこの制度を使わせていただいたので,この「精度」のほうが当てはまるのか,そういうものも含めて学内の「制度」として考えるのであれば,仕組みとしての「制度」もあるので,ちょっとそのような点。
それから,配分計算の単位についても,これも同様で,例えば人件費だったら,本当に一人一人に細かくする方法から,何らかの形でグルーピングをして一括で配分するという,それも各学校の方法に応じて,合理的と思われる範囲で選べるという形での例示をさせていただきました。
それから,今さら感はあるんですけれども,16ページの(4)のところは,実際のつくり方についても参考までにちょっと記述を入れさせていただきました。
あと,最後,通しの24ページの脚注例なんですけれども,そもそも,配分基準を,うちはこれに関してはこういう基準,これに関してはこういう基準ということまで本当に書かせるのかというのは,あまり現実的じゃないだろうということで,書きたい場合は書くのは構わないけれども,書かなきゃいけないとなると非常に負担感が重くなりますので,例としては,そういうことも検討した結果,経過措置を適用している場合はそうだということはやっぱり絶対書く必要があるということと,それから,「その他」に何が入っているか分からないので,「その他」に何が入っているか,これはやっぱり絶対書いていただいたほうがいいだろうということで,脚注例は,今のところ最低限必要なのはこんなところなのかなということで,今後の議論の参考にしていただければということで取りまとめさせていただきました。
私からの補足は以上でございます。
【須賀主査】 どうもありがとうございました。
それでは,稲垣委員と事務局から御説明いただいた内容を踏まえて審議に入れればと思います。
特に,各論の共通経費と人件費,収入に関する配分基準という部分について,御意見いただければと思っております。
1つずつ順番に。
【畑参事官補佐】 そうですね,先ほどの黄色い部分を,では一つ一つ。14ページの下の部分から。
【稲垣委員】 じゃ,よろしいでしょうか。学校法人部門は「その他」に入るということなので,じゃ,学校法人部門というのは何かというのはやっぱり定義が必要だろうということで,新たにセグメントのためだけに定義をするのは非常に,それこそ二重になるので,現行にある定義を基本的に使うのでいいだろうと考えましたが,中をよくよく見ていくと,ひょっとしたら学校法人さんによっては,ここは学校法人部門なのかな,いや,うちはちょっと変えたいというようなところも出てくる。
例えば,キのところの,学校の新設は多分,法人部門だと思うんですけれども,学部とか学科の新設というのは,ひょっとしたら大学の中で負担をして,法人部門ではなく大学が負担するというような考え方もあり得るんじゃないかというような,細かく見ていくとそういうような部分もあるかもしれないけれども,基本的にはこれを基準にするということでいかがでしょうかという提案です。
【須賀主査】 何か御意見はございますでしょうか。
確かに,今おっしゃったキのところなんかは,まさに,我々だと多分学部の中でやっているなという感じがいたしましたので,法人部門には入らないだろうという感じで,学校によって違いがありますね,確かに。
どうぞ。
【篠原室長】 ありがとうございます。もし,稲垣委員からの御提案のとおりさせていただくとすると,この黄色いマーカーの部分,「引き続き以下とする」を「引き続き以下を原則とする」といった形で修正をさせていただけるかなと。
【須賀主査】 そうですね。
佐野委員,どうぞ。
【佐野委員】 私は,現行の「引き続き以下とする」というのを維持してはどうかなという意見です。といいますのは,確かに,大学の中でも,学部をつくったり,学部の中の学科の問題はありますけれども,これは学校法人の経営施策の中でできているはずであって,それを既存の学部もしくは大学の収支の中に含めるのはいかがなものかなと思っているんですね。
それはやはり,学校として,設置認可が下りるかどうか分からないけれどもとにかくやりますよということを表現するのは,学校法人の経営の施策の一環で,そこがもしかしたら,それはこの学部の問題だよ,この学部の問題だよとなるかもしれないけれども,その学部の,まだ補助金もつかない学部の中でやる問題ではないんだろうと思うんですね。
したがって,私は,今のままでいいんじゃないかなという意見です。併せて,(3)の「学校法人共通」の定義というのがありますけれども,今申し上げたような視点からいうと,困難な特殊なケースというのは,確かに困難性はあるんですけれども,学校法人が経営する学校部門に分けられないものをこういうふうにしましょうと一律的に定義したのに反してしまうので,法人共通という概念はやめたほうがいいのかなと思います。これについては,設置認可の問題にも影響してくると思うので,これは私は現行を残して,困難なケースもあろうかと思うけれども何とか分けるという。
分けるというか,学部等の新設はやっぱり,例えば特に学部等の新設で関係するのは,検定料なんかはやっぱりまだ,4月から始まるのに前にやるとか,教職員の採用を行うというのはありますけれども,それは現存の学部の収入から管理上やったとしても,説明するのに支出に当てはめるのはいかがなものかなと思うので,やはり,法人のままでいけそうな気がするんですね。
ですから,例えばオについても,土地の取得・処分などは,「他の部門の所掌に属するものを除く」とわざわざあるように,大学の何学部が外にグラウンドを設けるからというときは当然その学部に入るわけですから,そういうものは整理できるので,私は,現行の学校法人部門の定義は温存といいますかそのままで,むしろ法人共通という概念は残さないほうが,実務が混乱しないのではないかなという気がいたします。意見です。
【須賀主査】 いかがでしょうか。
【稲垣委員】 実は,これをつくる過程で,どこにも配分できないから共通だと,そういうものはあり得るのかという疑問は生じたんですね。なので,いたずらに配分が面倒くさいから共通にぶっ込んじゃえみたいな運用になってしまったら,趣旨もそがれてしまうので。ただ,検討会の報告書で,セグメントの「その他」の括弧書きの最後に,学校法人共通という区分があるので,ここに入っているのを生かすのであれば,何がこの共通として残るんだという定義をやっぱり残さなきゃいけないのかなということで,困難な特殊なケースということで一応ここに定義をしたということです。
【村松委員】 ちょっと意見を言ってよろしいですか。私は佐野委員の意見にちょっと反対なんですね。今回これを拝見した中で,まさに学校法人共通というところの概念を入れていただいたことを,最もよかったと思っておりました。
やはり,前回のワーキンググループでも申しましたように,学校法人全体での様々な施策というのがすごく重要になっていますので,セグメントを超えたプロジェクトとか試みとか,前回,例えば高大連携とか,あるいは一貫教育とか,そういったことをちょっと例に挙げましたけれども,それだけでなくて,病院を絡ませるものとか,例えば病院などを含めた社会貢献の試みを法人全体で行うとか,そういったことがすごく増えていますので,そういった意味では,それを無理やり各セグメントに切り分けるというのは,ちょっと難しいのかなと思っております。
ですので,今回,学校法人部門をどうするかという議論もまた別途あると思うんですけれども,学校法人部門を一応「その他」セグメントに入れて,その学校法人部門の学校法人共通という考え方を導入していただいて,セグメントの切り分けができないものはそこに,バスケットクローズのような項目として入れることができるということについては,学校法人の現場実務としては非常にやりやすくなるというか,助かるところなのかなと。
しかも,やはりこれからの学校法人のガバナンス全体をいろいろと改革していかなくてはいけないという中で,要するにセグメント,高等教育のガバナンス,小中学校のガバナンス,病院のガバナンスと分けることができないんですよね,そもそも。ですから,学校法人全体のガバナンスを強化するとなると,その共通経費,学校法人共通の考え方というのは,どうしても必要になってくるんじゃないのかなと思いますので,ここは,できれば残していただきたいなと思っております。
ただ,まさに,この上のイからケの細かい部分で,いや,これは法人じゃないんじゃないかとか,部門に分けるべきと,そこの議論はあってもしかるべきなのかなと思っておりました,例えば先ほどの例でいきますと,キです。ですので,私はそこについても,篠原室長のおっしゃられた,「これを原則とする」みたいな言い方が非常にしっくりくると思います。ちょっと佐野委員の意見と違ってしまうかもしれないんですけれども。
【佐野委員】 いいんです。意見交換ですから。
【村松委員】 そういうふうに考えておりますので,意見として申し上げたいと思います。
【須賀主査】 そのほか,御意見いかがでしょうか。
【飯田委員】 私ちょっと,今のお話を聞いていて思ったのが,むしろ,どこにも配分したくない経費というふうに聞こえたんです。要は,セグメント横断の経費とか,そういうものを学校法人共通に入れたいというようなお話のように。もしそうだとするなら,そもそも配分しなくていいんだよみたいな感じの話になるのかなと思いまして。だから,そういうものは経営施策として,その場合,学校法人共通という名称がいいのかどうか分からないんですけれども,セグメント共通みたいなもので,しかもそれは配分しなくていいよという話なのかなと思いました。配分が本当はできるんだけれども,何か経営判断上そのほうがいいからそこに入れるみたいな。
【佐野委員】 補足すると,ケが,「他の部門の業務に属さない事項の処理」というのは,これは大きな枠だと思っているんですね。まさに,先ほどガバナンスの問題,あったと思います,これ経営の問題かと思いますけれども,そういったものはこのケに集約されていて,これをさらに個別に出す必要というのは,かえって実務を縛ってしまうんじゃないかなという気がするんですね。
ですから,ちょっと言葉尻になると,学校法人共通というと,何か,いろんな法人共通みたいに聞こえてしまって,多分ここで言っているのは部門共通という意味だと思いますが、。そういうことからすると,じゃ,ケは何なのという話になってしまうので,その辺,必要があれば,現在の通知の法人業務のところをもう少し書き加える,補足するということは有意義かと思いますけれども,あくまでも法人共通という,部門共通といいますか,配分しないものを1つ,セグメントの中に残すというのは,セグメントの趣旨にも合ってこないような気がするので,反論はいろいろあると思いますが,個人的にはやはりこのままでいいんじゃないかという気がいたします。
もし,「学校法人共通」というようなものをどうしても残すという方向にこの会議が動くのであれば,もしかして,法人共通というよりも部門共通が現実的な名前で,では,セグメントとどう違うのという話になって,またごちゃごちゃするのかなという気もしつつ,ちょっと書きぶりを変えたほうがいいかなという気もします。個人的には,法人共通は残さないほうがいいというのが意見です。
【村松委員】 ケの「他の部門の業務に属さない事項」というのは,逆に,どういう意味なんでしょうか。他の部門と言っているのは,ここで学校法人部門というのを一応定義していて,学校法人部門以外の,部門に属さない事項の経理に関する,そういうことなんですかね。
【佐野委員】 そうだと思っています。
【村松委員】 それとこの(3)はまた全然違うのかなと思っていまして,学校法人部門以外に属さないものは学校法人部門に計上しましょうというのは,このケなのかもしれませんけれども,やはり,学校法人部門に様々な,要するに部門というかセグメントを横断的にカバーするようなもので,ただ,どこかのセグメントに入れたりですとか,無理に切り分けてすることができないような,そういうものが学校法人共通なのかなと思っているんですが,そうではないんですかね。
【佐野委員】 そうすると,その場合,現在そういうものが発生したときはどこに入れていらっしゃるんですか。どの部門に入れていらっしゃるのかしら。
【村松委員】 現状ですね。現状は,こういう考え方はないんですよね,この(3)のような考え方は。
【佐野委員】 だから学校法人に入れていらっしゃるんですよね。
【村松委員】 すみません,具体的にしっかり実務をやっている者ではないので,今それはどういうふうに切り分けられているか,ここで申し上げることはできないんですけれども,やはり学校法人部門に計上したほうが合理的な経費というのがあるんじゃないのかなという考え方なんですけれども,この(3)の意義というのは,そういうことではないんですか。学校法人共通の定義というのはそういうものだと,そこから私は受け取ったんですけれども。
【稲垣委員】 よろしいですか。この(3)の学校法人共通というのは,配分,配付もなじまないような,合理的な基準を見いだせないようなものがもしもあるならという意味です。例えば,現在ないかもしれないけれども,今後,学校法人が様々なアクティビティーをしていく中で,無理に配分させちゃうのかなということもあるとしたら,極めてレアなケースだけど,残す。ただし,残すとしたら,こういうものが共通としてありますというようなことをさっきの最後の脚注に書かせるとか,そんなようなことで,現状である場合以外にも,今はなかなか想像しにくいけれども,今後そういうものが出てくればという余地も多少あるのかなというんで,確かにケに入れるのか(3)に入れるのかというのは,似ているような気もしますし,似て非なるようなものというか,本来は学校部門が複数のセグメントが共通に関わっているんだけど,中身からすると何か配分基準を見いだし難いというようなものもひょっとしたらあるのかなと。
【須賀主査】 いや,お話を伺っていて……。
【畑参事官補佐】 すみません,検討会の報告書には,「学校法人共通の区分を設け,法人事務局における収支のほか,学校等の各セグメントに配分しなかった収支を計上することができる」と,そういうふうに書かれています。それ1行なんですけど。
【佐野委員】 検討会にいた者として,私,これ,検討会のときも反対意見を出していると思うんですね。ここ,十分審議されているかというと,疑問だし,もしそうだとしても,そうだとしてもというのは,検討会が書いたからといって,このワーキングの中で,現場に近い我々のメンバーの中で,いや,それはおかしいねという結論になれば,それはそれで変更といいますか,更新できると思うので,それはあまりこだわらないで,今日のこの会議で,いらっしゃる方が,いや,やっぱり設けたほうがいいんだ,将来のリスク管理の体制みたいなことがあれば残るだろうけれども。
ということで,ただ,まだここは意見交換の場ですので,一応申し上げているということで,反対しているだけですから。
【須賀主査】 それで,よく分からなくて聞いている者として,具体的に何が出るか分からないけれども残しておくという,将来のことを考えればそういう考え方もあると思いますが,もう少し議論を進めようとすると,具体的にこんなことが考えられていて,それを,今我々がやろうとしている基準にはどこにも入れられないのでここに入れなければならないという,そういう何か例がどうしても欲しいですよね。
こういうケースがあるのでわざわざつくったとか,あるいは,それを意識してこの文章になったとか,先ほどの検討会のところですが,それがないと,何となくぼやっとしています。村松委員がおっしゃっているように,何となくこうやって1つ固まりとしてあったほうが都合がいいなというのはよく分かるのですが,ただ,それが本当に一体,何が具体的な例としてあるのかなと思うと,全然分からなくなりまして。どなたか,何かこういう例を考えていただくと,これがまさに学校法人共通にふさわしいという例が,何かないですかね。そうすると……。
【村松委員】 いいですか。
【須賀主査】 お願いします。
【村松委員】 まさに私,学校法人に属している人間なんですね。各大学とか学校には属してないんです。私のところで何をやっているかというと,例えば,先ほどもちょっと申しましたが,学校法人のガバナンスの強化というのをやっています。ガバナンス強化といったときに,もちろん大学のガバナンス,高校のガバナンス,小学校のガバナンス,幼稚園のガバナンスとあって,その強化もするんですけれども,結局,学校法人全体としてどうやってガバナンスを強化するんですかという議論になるので,例えば,ガバナンスあるいは内部統制とかを強化するための方針を立てるとした場合に,要するに全体の方針を立てて,各学校にそれを落としていって,各学校で決めていくというようなことになってきます。そういったような学校法人全体のことを,もしそれに経費をかけてやったとした場合,人件費もかかります。そのときの経費を各学校ベースあるいはそのセグメントに切り分ける意味というのはあるのだろうかというと,合理的じゃないと思うんですね。
あと,例えば,学校法人全体の付加価値向上をしていきましょうというようなことを今やっております。そのときに,例えば,学校法人全体としてスポーツというものを使って学校法人の価値を上げていきましょうといったときに,大学のスポーツもあれば,高校のスポーツもあれば,例えば幼稚園でスポーツイベントみたいのを地域の人とやったりとか,いろんなことが出てくるんですが,そこについて推し進めていく,経営としてやっていく場合に,それをセグメントに分けるというのはなかなか難しいんじゃないのかなと思います。
【佐野委員】 すみません,いいですか。
【村松委員】 どうぞ。
【佐野委員】 今おっしゃったのは,前段はまさに役員が行う業務ですから,この法人業務の中のアに属するわけですね。アというのは,学校法人が全体のガバナンスを見るというのは役員の職務でもありますし,学校法人が学校を経営しているわけですから,配分できないんじゃなくて,配分しちゃまずいと思うんですね,そういったものは。学校法人に計上すべき経費じゃないかと思います。
後段のほうのお話も,まさにこれは学校法人の将来計画の中で,じゃ,大学はどうしようとか,高校はどうしようとか,そういう施策を立てていくので,将来計画の一環と考えることもできるので,これはまさにカの法人運営の基本方針に該当すると思うので,これをむしろ逆に,今回のは,大学の高大連携を審議したから大学の経費にしようとかするのではなくて,法人の将来計画もしくは基本計画策定の一環として法人に計上していくのが適切ではないかなという気がして,それをむしろ,そういったものが法人共通になりますよという例示にしてしまうのは,ちょっと違うかなという気もするんですけど。
【村松委員】 ただ,その試みに関わる経費ですよね。例えば人件費も,1つの学校法人の方針に基づいて各セグメントで経費がかかってくるわけですね。その経費を学校法人の共通という形で上げるというのが……。
【佐野委員】 そこで,具体のものを法人の基本設計なりで決めた後,では,これは大学にやらせようと決まって大学がその施策を実行する段になれば,それは配分ではなくて大学の経費になるかなと思うんですよ。
【村松委員】 逆に,委員の,学校法人共通を設けると混乱するというのは,どういうふうに混乱するということになるんですか。
【佐野委員】 こういった職務については学校法人部門にしますよと割り切りをしたことが,崩れてしまうということが1つ。それから,学校法人共通に入れるものの全国の学校法人間での共通性を持たせる定義をつくるのが,難しいのではないかということ。それから,セグメントを立てる本来的な趣旨というのは,私はあまりセグメントにこだわらないけれども,高等教育機関とそれ以外,それと病院がありますが,それと,それらに属さない法人業務。法人業務というのは,学校を経営している法人業務を指しますが,それに分けることに意味があるんですよという前提で考えると,法人の部門共通ということで一くくりのセグメントを作るのは混乱するかなと思うので,そういったことを理由に反対しています。
【村松委員】 分かりました。取りあえず意見なので,意見の違いということで整理していただければなと思います。
【須賀主査】 分かりました。違いが分かりましたが,どっちが正しいのかというのは難しいですね。
【篠原室長】 よろしいですか。今佐野委員の御意見を伺っていて思ったのは,55年通知で書いてある言葉遣いですね。例えば,アで,理事会・評議員会等の庶務に関することと書いてあって,庶務という言葉のイメージが,会議設定のロジみたいな言葉にもし映っちゃうんだとすると,法人としてトップダウンでやるような取組が読みにくいとか,そういうことはあるかもしれないなと思ったんですね。
【佐野委員】 これは,全体を読むと,どんな職員が法人業務を行っているとして法人に貼り付けるかというときに,では,法人業務というのはこういうものですよという例示というかな,限定的なのかな,これは,出したものなので,ここには,だから,役員報酬は本部だとは書いてないですね。これ,人件費のほうに入っていますからね。だから……。
【畑参事官補佐】 これは,学校法人の業務の範囲は次に掲げる業務とするというので,アからケまで列挙されているというものです。
【篠原室長】 なので,その言葉遣いを見直すことで,村松委員がおっしゃりたい部分というのを,学校法人共通というよりは学校法人部門に寄せる余地があるのかなと思ったところです。例えば,ケの,他の部門の業務に属さない事項,ここに例えば,さっきおっしゃっていた共通みたいなニュアンスを加える余地があるのかないのか,もしあるんだったら,そういう持っていき方もあるのかなと。結局これ,限定列挙と言いつつ,ケで何でも拾えるようになっている構造にも見えるので,そこを使うというのは一つあるのかもしれないなと思います。
【村松委員】 ただ,アからケを読みますと,室長がおっしゃられたように,要するに庶務に関することとか事務に関することとか,比較的本当に学校法人の例えば理事会運営であるとか,理事会あるいは役員に関する会議のイメージが秘書室的な役割であったりとか,あるいは総務の役割であったりとか,何かそういうことをイメージします。その中でケだけ,やたら何でもかんでもそこに入れてというのは,ちょっと何かイメージが違うのかなと。やはり学校法人全体を挙げて行う様々な取組とかを拾っていくとなると,やはりこの(3)みたいな項目のほうがむしろ適切じゃないかなという意見をちょっと持っているんです。そこはもう多分,公認会計士の先生方と,現場でプロジェクトを担う者と,そこはもしかすると受け取り方が違うかもしれない。本当に,イメージ的にはそのように感じております。
【須賀主査】 すみません,司会として少しまとめをさせていただきたい。今のお話でいきますと,ここで書かれている言葉の定義,アからケまでの事項が,現実に我々が念頭に置いているものと意味しているものとの間に差があるのではないかと。もしそうであれば,学校法人共通というのは上に全部入るのかもしれない。もし入らないんだったら独立させないとまずいというのが,村松委員のおっしゃっていることと整理できるのかなという気がいたしました。
ということでまず,ここでのとりわけ「庶務」という言葉で,では,私自身がやっている仕事は一体どういうふうになるのかと考えたときに,庶務の仕事をしているかと考えたときに,多分違うような気がしてしまうわけですね。でも,先ほどの佐野委員の御説明からすると,会計上はそこに全部入っているはずですということなので,それはやっぱり言葉の使い方の問題になるかもしれません。そうすると,室長がおっしゃったように,ここの言葉を少しきちんと整理し直していただければ,全部ここの55年の通知ベースでいくのかもしれないですね。
そうでない,なおかつそのような部分が出てくるのであれば,先ほど村松委員に説明いただいた部分というのは,直感的に私も学校法人共通に入るような気がしたんですが,いやそうじゃなくて,学校の中で行われているものは全部ここの中に基本的には入るようになっているんですというふうに佐野委員の御説明をお伺いすると,どうも言葉尻で我々引っかかっていたような気がしてならないんですね。そこを少し一度整理していただくと,本当に要るのか要らないのかということが分かるんじゃないか。そうすると,ここの問題はもう少し整理しやすいかなと思いました。
ということで,まだ4ページの1つ目しか終わってないですが。大変ですね。
【篠原室長】 そうすると,この学校法人部門の定義の部分に関しては,村松委員が念頭に置いてあったものが現在どういう処理されているのかというのをちょっと教えていただきつつ,それをこの55年通知の文言を見直すことによってフィットさせるのか,それとも別途立てる必要があるのかというところを,ちょっと考えさせていただきたいと思います。
55年通知を,正直,このまま行かなきゃいけないという約束事があるわけではないので,これを今回,学校法人全体の話を包含するのにいい形に直すというチャンスかなとも思いますので,何か今の私のイメージだと,そこを変えていくという方向の持っていき方が一つあるのかなと思っております。もちろん,別途立てたほうがいいポイントがあれば,両方あった場合のメリ・デメみたいなのをちょっと整理するのかなと思います。そのようなイメージで進めさせていただきます。
【須賀主査】 少し整理して。
どうしましょうかね。この後,黄色い部分を一つ一つ見ていったほうがよろしい?
【畑参事官補佐】 そうですね。
【須賀主査】 時間が……。
【篠原室長】 特に優先度を上げてやらせていただきたい部分に関して申し上げると,20ページになります。ここで「目標値」という言葉が出てまいります。黄色の上から3行目ですね。「経済の実態をより適切に表すと合理的に説明できる場合は目標値を採用する方法も考えられる」ということで,どういう目標値なら使っていいのかというところがもう少しコンセンサスを得たほうがいい部分ではないかと,事務局としては思っております。なので,ここに関して意見交換いただければありがたいなということですね。
その下の,タイムレコード,タイムレポート,タイムスタディに関しては,これ以外もあれば拾いたいなと思っているんですけれども,それは例示として書いておけば,膨らますのはヒアリングの後とかでもできるかなと思っています。
なので,優先してお願いしたいのは,この目標値の部分をまずお願いできればと思います。
【須賀主査】 何か御意見ございますでしょうか。
【佐野委員】 では短く。私は,目標値を採用するというこの考え方は,ちょっとはみ出したものかなと思うんですね。というのは,経済の実態をより適切に表すと合理的に説明できれば,目標値というのを改めて言わなくてもそれは経済的実態を表す配分基準の中に含まれるので,あえて挙げる必要はない。また,その言葉が23ページに,人件費に係る配分のところに出てくるんですけれども,じゃ,目標値と書いてしまったら経済的実態を表すものじゃないんですかという反論につながりかねない。
ここでは,セグメントをつくるのは,経済的実態を表す基準を幅広に捉えて合理的な説明ができれば学校の裁量に任せますよと言っているんですから,目標値もその中に入るんであれば,わざわざここで取り上げて1表を作ったり説明することによる混乱のほうが多いと思うので,ここは要らないといいますか,文章としては書かないほうがいいのかなと。もちろん,研修などで,それが合理的で経済的実態を表すんだったらいいんですよと言うことはいいと思うんですけれども,まさにそれが今回セグメント情報を出すに当たって経済的実態を表す配分基準の1つなんだと説明すれば済むので。
ちょっと私は,逆に,ここがあったがゆえに混乱をしてしまって,何を言いたいのかよく分からなかったので,もちろん意見です。
【稲垣委員】 では,いいですか。
【須賀主査】 どうぞ。
【稲垣委員】 前回のときにエフォートという言葉が出てきたかと思うんですけれども,私の理解では,エフォートというのはある意味,目標値の1つなのかなと思ったので,あなたはこういうふうにやりなさいと言われていれば,おおむねそれに近似した働き方をするのであれば,それも1つとして入ってくるのかなということで,こういう形で入れました。
実際,読めば目標値も含まれるんだという考え方もありますけれども,中には,ちゃんと明示的に書いてあげたほうが,ちゃんと説明責任を果たせればそれでもいいんだというほうが,ひょっとしたら理解されやすいんじゃないかなということで,原案では残っていると理解しています。
【篠原室長】 これ,受け手の学校法人の目線から見たときに,書いてあったほうが動きやすいとか,いや,ないほうがスムーズみたいなのがもしあれば,参考にお伺いできればと思うんですけど。
【飯田委員】 エフォートは入っていたほうがいいんだと思うんですけれども,ここの書き方が,最初にもう勤務実態ありきみたいな感じで,最後にそれが出てくるので,ちょっと違和感がありまして,最初に,経済実態をより適切に表すと合理的に説明できる方法ということであって,その中に,主には勤務実態ないしはエフォート率なども使っていいよみたいなほうが,自然に受け入れられるかなという。これだとちょっと,勤務実態ありきなのかなという感じで,あと,後ろのところの25ページでも,勤務実態の把握方法のところがやっぱり強く,整理の部分としてきていたので。
【篠原室長】 確かに。分かりました。
【佐野委員】 すみません,作成側の意見ももちろんあると思うんですけれども,見る側,社会的に見る側の立場から申し上げると,目標値でいいんですよと言うんだったら,目標に近づいているのか近づいてないか分からない。経済的実態を表すという中に1つの基準としてあるんだったら分かるんですけれども,目標値でいいよ,目標に近づいているか外なのか分からないという中で目標値を使っていいというのは,ちょっと違うのかな,もっと説明が必要。経済的実態を表す中に目標値基準があり,目標が実態に近いのであれば,それがまさに実態基準なんだと思うんですね。
目標という言葉だけを日本語的に捉えて社会が読んでしまうと,発令基準というのはもともと,あなたは大学の教授なんですよ,あなたは高校の教員なんですよというふうに,予定してその部門の発令が出ているのに,場合によっては短大のほうにも行ったりということをする,そういうことがあるんだから,では,発令基準だって生きてくるじゃないかという議論に曲がりかねないので,やっぱり,もしエフォートという言葉をお使いになるんであれば,説明をきちんとした上で,新配分基準,経済的実態を表す配分基準の1つの例という形で捉えられるような説明がないと,ちょっとこれは,経済的実態を表さないでも目標値でいいんだと読みかねないので,工夫が必要かなと思います。
【篠原室長】 だから,書くべきラインとしては,経済実態を表すと合理的に説明できる方法を取るべきだと。その例示としては,勤務実態の把握の方法もあるでしょう,エフォートというものを用いることもあるでしょうみたいな書き方になると。
【佐野委員】 目標というのは,あくまでも目標なんですね。その言葉にちょっと私は引っ張られてしまったので,やっぱり違和感はありますが,現場の意見は何か……。
【飯田委員】 佐野委員の言いたいことは何となく分かります。あなたは経済学部で5時間働きなさい,残りは商学部で働きなさいと言われたときに,それはエフォートなのか指示なのか,何か従事基準なのかみたいな,そこの部分をもうちょっと整理しなさいということをおっしゃられたいのかなとちょっと感じましたが。
【稲垣委員】 ちょっと本筋から離れるんですけれども,この黄色の上の2行のところに,勤務実態(兼務割合等)と入っているんですけれども,場合によったら,兼務発令じゃないけど,あなたはこっち何割,こっち2割働きなさいというような,例えば発令の仕方とか兼務の仕方というのもあって,それは見ようによれば目標かもしれないし。なので……。
【佐野委員】 目標はやっぱり,例えば富士山の頂上まで行きましょうが目標で,八合目で折り返してくるのが実態だと思うんですが。だから違うと思いますよ。
【飯田委員】 なかなか難しい。
【篠原室長】 目標という言葉の語感がよろしくないということですね。
【佐野委員】 そうそう,目標値ですね。
【篠原室長】 であれば,目標という言葉ではないけれども,あらかじめ想定されている兼務割合であるとか。
【佐野委員】 それが勤務実態なんじゃないんですか。
【篠原室長】 どうなんですかね。実態と言ったとき,アフターな……。
【佐野委員】 発令基準じゃまずいから実態基準にしましょう。で,その実態は,個人別につかんだりするのは大変だから,もうちょっと大きな枠の中で合理的に説明できるようにしましょう。その中に,もしかしたら,3対5で授業をやってくださいというのがあるかもしれない。という考えなんじゃないんでしょうかね。
【篠原室長】 そこの組立てというか包含関係は大分理解できました。
【須賀主査】 何か,目標値という言葉の使い方でちょっと引っかかっていたような感じがいたしますけれども,皆様捉え方は共通しているようですので,少し表現を改めていただくということで,誤解がないような形のほうがいいかなと思いました。
そのほか,いかがでしょうか。
【佐野委員】 今以外のところでもよろしいでしょうか。
【須賀主査】 今以外のところで,黄色いところで何か特に……。
【稲垣委員】 16ページの。
【佐野委員】 準備期間。
【須賀主査】 準備期間については,この後,説明が。
【佐野委員】 ほかのところでもいいんですか。
【篠原室長】 あと,すみません,1つだけ。右下の数字の24ページのところですけれども,ここの注記の例1のところです。ここは,例外で対応しているときの配分基準を書いています。原則でこれをしているとき,検討会の報告書に素直になれば,うちは経済実態をより適切に表す配分基準を使っていますとかを書くということになるんですけれども,そこまで書かせるかどうかというところについてはちょっと御意見があるのかなと思いましたので,そこの確認だけさせていただければと思います。
【須賀主査】 どうぞ。
【稲垣委員】 ここを注の例として入れた前提として,注書きをするというのは,選択肢がある場合どっちを採用しているか,あるいは,よく分からない場合に注書きをするという考え方なので,従前,検討会で検討していたのは,ここまでの期間は経過措置,ここからはもう経過措置は一切なくて原則しかないというんであれば,もう一律ですから,こういう脚注は不要になるのかもしれない。ただ,後でお話しされるという準備期間,当分の間をどう考えるのかというところで,基準自体はできました,だけど,その基準を使って本学が実際にやろうとしたときに,いや,翌年からできる学校もあれば,やっぱり準備期間に例えば2年要しますという学校があったときに,ひょっとしたらそこに学校法人によって差が出てくるんであればということを想定して,この注書きを一応用意したという前提です。
【篠原室長】 ありがとうございます。だから,準備期間中には表現する必要があるけれども,そこが過ぎた後は要らないんじゃないかと,そういう理解ですね。
【須賀主査】 そういう理解でよろしいですか。
【佐野委員】 ほかの箇所でもよろしいですか。
【須賀主査】 はい,どうぞ。
【佐野委員】 すみません,細かいことですけれども,資料2-1の1ページで11ページです。各論のところで,人件費と共通経費に関する配分基準になっているんですけれども,収入も入っているので,収入が欠落しているように思うので,修正をお願いしたいと思います。
それから,12ページの(1)のセグメント情報の意義のところの1行目なんですが,「今般の私学法改正に伴う監査において求められる部門別,いわゆるセグメント情報」とありますけれども,別に監査が求めているんじゃない。ここは,「監査において求められる」は削除されてはいかがかなと思いました。
それから,13ページの表の中の「教育研究コストの実態との整合」という,「コスト」という言葉なんですが,国大基準などの行政コストという概念と似たように取られてしまうような気がするんですね。ここでコストという言葉を改めて使うのかどうかというのは,ちょっと私学の方の反応も伺いながら,「教育研究の実態との整合」でも十分ではないかなという気がして,コストという言葉に引っかかりがありました。
それから,19ページの,通知等で周知する事項ですけれども,「教職員の業務従事の実態において配分する。(発令が実態と合っている場合は内訳表と同じ配分基準でも可)」ではなくて,同じ配分基準に当然になるので,「でも可」は3文字要らないような気がします。
それから,20ページの,目標値のところはさっきのお話のとおりで,その下の黄色いマークの下,「学校法人によって管理会計目的で学内ルールによる部門別計算を行っているケースがあれば」という,それを活用する方法もあるという,管理会計で使っているものというのを持ち込んでいいのかどうか。管理会計で使っているのと実態会計のとは違うという前提で今まで議論してきたわけですから,これも,何か意図があれば御説明を伺ったほうがいいのかなと思いました。
それから,その下の3番の具体的留意点なんですが,あまり深読みしないで申し訳ないんですけれども,会計単位という言葉が部門と何か競合するような書きぶりになっていたり,いわゆる1つの部門の中で窓口ごとに会計を分けている会計とも読めたりして,ちょっと分かりにくいなと思ったんですね。
さらに言えば,配分基準の具体的留意点という項目で書かれていますけれども,これはむしろ,配分基準の留意点というよりも,その配分基準を作業として行う現場での留意事項のような気がして,方法論に近いものだと思うので,かえって3番そのものはなくてもいいというか,ないほうが各学校の裁量に任せられる部分もあるし,今さらながらこの55年通知を上書きするような,かつ分かりにくい書きぶりっぽく見えてしまうので,要らないかなという気がしました。
特にその辺り,気になったのは,会計単位とか,特定の部門に限定されるのは当該会計単位に計上すべきというような形になっていること。
それから,21ページの最後のほうで,「会計単位の設定をセグメント情報に整合するように変更する方法もある」。1つの方法論かもしれないけれども,それが留意事項かというと,配分基準の留意事項ではないだろうという気がしました。
それから,次の22ページの,この第2回の表をそのままをお使いいただいているようなんですが,あのときはたしか例示として出させていただいたんですが,もしこれを1つの報告の中に挙げるのであれば,大科目の欄の,例えば「その他」で収益事業とかを挙げている「その他」というのは大科目にないので,教育研究活動外の何々とか,大科目と言うのにふさわしい名称で見直していただければと思いました。
それから,23ページのところですけれども,黄色い線で書かれているのは,これは今,議論にならなかったけれども,説明として載せるということなのかなと思ったんですが,内訳表作成目的でシステム上の会計単位の設定が部門設定という意味で書かれている場合,これは学部単位で云々と書かれているので,先ほど申し上げた会計単位と部門というのが,先ほどの文章と整合してないような気がして,もう一度,中身を整合するように見ていただきたいなという気がいたしました。
また,黄色い線の上のところは,会計基準の中で形態別分類だよということをずっと今までうたってきているわけですよね。この配分基準の例の中の説明として必要なのかなという気がちょっとして,それは会計基準にどう書かれるかを見ないといけないと思うんですけれども,ちょっと冗長かなという気がしました。あっていけないというものではないんですけれども,そういう気がしました。
以上です。
【須賀主査】 どうもありがとうございます。
そのほか,御意見等ございますか。
【南委員】 細かな点は後でお伝えしたいと思うんですが,大きいところで1つだけなんですけれども,今の55年の通知の中で,配分基準のところで,例えば,「いたずらに計算が複雑とならないよう留意することも必要」という文言があったりですとか,あとは,「配分の方法は,特別な理由がない限り,毎年度継続して同一方法により行うものとする」というようなことが書かれておるんですけれども,ここら辺というのは今回の総論のところとかで踏襲されるような話なのか,それとも,実態を表すために複雑になるところもやむなしというようなお話なのか。ちょっとそこら辺,もし踏襲されるということであれば,こちらの総論のところにちょっと触れておいていただいたほうがよろしいかなと思ったところであります。
【篠原室長】 いたずらに複雑にならないようにとかは,踏襲していいんじゃないかと思いまして。
【須賀主査】 そのほかございませんか。
【佐野委員】 今のに関連して,内訳の55年通知は残るんですか。
【篠原室長】 これは,内訳表の55年通知としては残ると思います。
【佐野委員】 残るんですね。助成法側ですけれども,残るんですね。
【篠原室長】 はい。
【佐野委員】 分かりました。
【村松委員】 ちょっといいですか。全然違うところでも大丈夫ですか。12ページ,13ページのところで,例えば12ページの一番下に,「セグメント情報は」ということで,「学校法人経営者にとっても,経営判断や資源配分を行うに際し有益な情報であり,経営管理の目的としても有用性のあるものとなる」ということがあったりとか,その下のボックスがあって,経営管理との関連で,右下のボックスなんですけれども,「経営判断に有用」となっているんですけれども,これはここに入れる必要はあるんでしょうか。
学校法人は学校法人で,各学校法人で経営をしていて,経営に必要な情報を経営として取っていますけれども,このセグメント情報ができたからといってそれが経営にプラスになるとか有用になるということは,あり得るかもしれませんけど,必ずしもあるとは限らないので。ですから,学校法人ごとのことなので,そこについては,これをやることが経営のプラスになるんですよねとここに入れることは,あまり何かしっくりこない感じがするんですけれども,いかがでしょうか。
【畑参事官補佐】 そうしますと,12ページの一番下の「さらに」からの1文は全部取ったほうがいいという。
【飯田委員】 そこは,「期待されている」だから,いいんじゃないかと。実は,私も村松委員と同じで,ここを何か無理やりつけた感があるなというのがちょっとあって,なくてもいいのかなと思っていました。
【畑参事官補佐】 では,取るほうに。
【稲垣委員】 これが残ったのは,セグメントにもメリットが,経営者にとってもメリットがあるんだというようなことをやっぱり理解してもらうためには,そういうようなことを書き加えたほうがいいんじゃないかなというところがあります。確かに,管理会計目的できちっとやられている学校法人さん,みんながそうならいいですけれども,そうじゃないとしたならば,こういうセグメントというものの導入を契機にそういう観点も期待されていると。副次的な効果として。という意味合いで一応入れた経緯があります。
【佐野委員】 何か,事業活動収支計算書がかわいそうですね。もともと経営目的に資するようにということで消費収支計算書の様式から変えてきたわけですよね。だから……。
【稲垣委員】 ただ,部門経営はないですよね。
【佐野委員】 部門ごとですよ。
【篠原室長】 内訳表はそうだと思います。
【佐野委員】 それにも増してセグメントのほうが有用だよと聞こえてしまうと,ちょっと,えっと思っちゃうかな。
【村松委員】 今回やはり,主な目的はステークホルダーへの情報開示であって,これを経営の重要な指標として使うというところまで入れると,少し欲張りな感じがしてしまうというか。学校法人側としてはこれに対してそういう意味を見いだしていないというふうになってしまうんじゃないかなというところは,あるのかなと。すみません。
【畑参事官補佐】 学校法人の方々の受け取り方がちょっとやっぱりというところがあるという。
【村松委員】 そうですね。稲垣委員がおっしゃられたように,法人によっては,確かにこれをやると経営に資するねと思われる学校法人もあるでしょうし,いやいや,もう我々十分やっているので,何もこれが経営に資すると言われる必要は全くないよねというような学校法人もあると思うので,様々だと思いますので,ワーキンググループの例えば結論としてここに入れるとすると,ちょっと抵抗があるかなと思います。
【稲垣委員】 あとは,積極的に追加的なセグメント情報を開示するというのもセグメント情報の中にあるわけですから,そこは,外部に対するアピール手法としてはあり得るのかなという意味合いも一応含まれていると。
【佐野委員】 私は取るほうに賛成しちゃう。すみません。
【須賀主査】 どうしましょうかね。「経営管理との関連」と書かれた表の最後のところが,ちょっと書き過ぎという感じだということですよね。そのページの一番上のところは,「期待されている」程度だから,それを必要としているところ,そういう学校法人もあるかもしれないという程度で読めるので,上の文章は残したままで全然問題ないと思うんですが,下の箱の中で,目立つところにそれを書かれちゃうと,こんなこと合意したんですかと言われるとちょっと困りますねと,そういう感じでしょうかね。
それであれば……。
【篠原室長】 その箱の中,セグメント情報の一番下のところですけれども,「収支状況が把握できる」という形で終わると……。
【須賀主査】 そうですね,そこまで。ただ,経営管理との関連って書かれているので,それがどういうふうに読めるかというところですけど。使おうと思えば使えるということですかね。
【佐野委員】 2ページの下からの文章は残した上でという意味ですか。
【須賀主査】 はい。
【佐野委員】 この文章のほうがきつくありませんか。「セグメント情報は経営者にとっても,経営判断,資源配分を行うに際しての有用な情報で,経営管理の目的としても有用性のあるものとなること」が,ここは期待されるからいいだろうということで終わったんですか。
【須賀主査】 はい,先ほどは。そんな期待する必要もないところもたくさんあるんだけれども,中には期待する学校法人もあるかもしれないという程度の話です。
【飯田委員】 検討会の報告書に,こんな感じの文章は入っていませんでしたっけ。
【篠原室長】 セグメント情報でというよりは,その前の……。
【飯田委員】 前の総論のところですね。
【篠原室長】 総論のところに,はい,たしかあります。「学校法人会計基準に基づく計算書類は運営者の経営判断に資するものとすることが望まれる」といったようなことは書いてあります。
【佐野委員】 枠の中を残すんであれば,やっぱり,「把握できる」で止めたほうがいいかなと。
【須賀主査】 そうですね。それはそうですね。
【菅原委員】 そうですね,私もそのほうがよろしいかと思います。分かりやすくしていただきたいので。枠の中は必ず,自分たちもしっかり読んで理解していくようになっていきますので,ここは,「できる」で切っていただいたほうがよろしいかと思います。
あと,先ほど佐野委員からおっしゃっていただいた,教育研究コスト。この言葉はやはりちょっとなじまないと。私,学校の会計,経理をやっているものとしては,コストという言葉はちょっとなじまないので,ここは会社的なというか,そういう判断がされたのかなと,稲垣委員のほうに申し上げて。
【稲垣委員】 そういうのが学校経営に求められているんだと。
【菅原委員】 求められているということ……。
【稲垣委員】 求められるべきだろうと。
【菅原委員】 求められるべき。
【佐野委員】 今見ていてちょっと気になったんですが,2ページのこれ,私学法改正は財務諸表と言っていましたっけ。計算書類……。
【篠原室長】 計算書類。
【佐野委員】 財務諸表と書いてあったのがちょっと気になったんです。
【畑参事官補佐】 2行目です。
【篠原室長】 すみません,ここは計算書類といたします。
今菅原さんがおっしゃってくださった教育研究コストのところは,先ほど佐野先生が「教育研究の実態との整合」でいいんじゃないかとおっしゃってくださっていて,差し支えなければそのように修正をさせていただこうと思っています。稲垣先生が込めてくださった思いというのはありつつも,理解しつつもというところで。
【須賀主査】 話をすると最も反発されるところですね。
【篠原室長】 そもそも学校法人の特殊性というのがあるという中でのコスト感覚というお話だとは思うんですけれども。
【須賀主査】 はい,もちろん。言葉の響きだけです。
【菅原委員】 12ページの,四角の中の上から3つ目の丸,「必ずしも部門別の教育研究コスト」,これもコストという言葉があるんですけれども,ここも。
【篠原室長】 これ,実は,すみません,このときには議論が尽くされてなかったんですけれども,検討会で書いて,決まっている報告書なので。
【畑参事官補佐】 報告書の中にもう既にある。
【菅原委員】 ここに入っているということなんですね。ああ。とすると,ここに,箱の中に入ってきたというところになるわけですね。
【篠原室長】 そうですね。
【畑参事官補佐】 すみません,私からよろしいでしょうか。
【須賀主査】 どうぞ。
【畑参事官補佐】 先ほど佐野委員からいただいた意見の中で,19ページの下から2行目,「同じ配分基準でも可」というのは,これは当然に配分基準になるんだから「でも可」というのは要らないという御意見をいただきましたが,これは削除するということでよろしいでしょうか。
【須賀主査】 はい。
【畑参事官補佐】 もう1つ,次のページの20ページの3ポツのところです。具体的留意点がずっとございますが,「会計単位」の話がちょっとよく分からないという話もあったんですけれども,ここは全体としてもちろんなくしてもよいというか,なくしたほうがいいとおっしゃっていたのですが,ここは全部削除するということでよろしいですか。
【須賀主査】 管理会計ですね。
【稲垣委員】 よろしいですか。通し番号の11ページのところの前提として,一番最初のところですけれども,材料を提供したのであって,基準にどこまで書くのか,数値でどこまで書くのか,さらには,もうちょっと解説文書みたいな,Q&Aみたいなものはどれだけ書くのかというのは,これから峻別をするけれども,利用者が,学校法人の方が見て,比較的理解しやすいようなものはなるべく多く材料を提供しようということで,このような解説も。よくよく分かっている人は,そんなこと言われなくても分かっていると思うかもしれませんけれども,初めてセグメント情報をつくる人が比較的,ああ,そういうことかというんであれば,解説文みたいなものも材料としてはあったほうがいいのかなという感じで考えています。
ちょっとこれをどう料理していくかのプロセスの中で御検討いただけるのであれば,材料を提供したということでございます。
【佐野委員】 これ,細かく言うと,現実と違うことが盛り込まれている気がしています。説明が長くなるので言わなかったんですけれども,やっぱりちょっと誤解を招くのではないかと思うので説明します。解説的にお書きになるということを残すのであれば,各学校がやっている55年通知でいう部門共通を設けてそれを分けましょうみたいなことは,きちんと読み取れるようにしないと,この「会計単位」という言葉が,いつの間にか,通常の会計処理を前提にというくだりの中では,「会計単位」がイコール部門のようにもなってしまっていたりして,ちょっと読みにくかったので。
私はこの部分は,検討会に対する答申の中では要らないと思うんですが,記載を残すのであればもうちょっと分かりやすくしていただきたいなという気がします。あくまでもこれは,配分基準に関する留意点よりも,配分基準を各学校が適用するに当たっての作業上の留意点であり,方法論かなと思ったので,置く場が違うかなという気がいたしました。
【篠原室長】 稲垣委員,これは,ここの中には載せず,今後,大学に情報発信するときの,Q&Aなのか,もうちょっと違う形もあるかもしれないですけれども,そういうところに載せるという持って行き方もあるかなと思ったり。
【稲垣委員】 はい。
【須賀主査】 必要になりそうな材料を全部提供していただくということで先ほど稲垣先生がおっしゃっていたので,それは,一番説明しやすいところがいいんだろうと。混乱するところはなるべく避けたほうがいいかなと思っています。
そのほか,いかがでしょうか。よろしいですか。
【飯田委員】 これ,最後に言おうと思っていたんですけれども,14ページの,通知等で周知する事項の,病院の定義のところなんですけれども,「診療所を含む」というところで,私,ちょっと今日,はっと思ったんですが,学内向けに,教職員とか学生向けに,いわゆる保健管理センターとか保健室みたいな機能を提供していると思うんですけれども,そこが診療所扱いになっている学校が結構多いと思うんです。うちもそういうところがあるんですけど。なので,どういうふうに表現すれば一番いいのか分からないんですが,主に学内者を対象とした診療所を取っているところは除くよというようなことを,ちょっと書いておいたほうがいいのかなというのは思いました。
【畑参事官補佐】 福利厚生施設としての医療センターみたいなものを設けている法人ですね。
【飯田委員】 大体,保健室機能みたいなものを持っていると思うんですね。いわゆる小中学校だと本当に保健室だと思うんですけれども,そうではなくて……。
【畑参事官補佐】 学生がけがをしたとか。
【飯田委員】 学生健保で負担できるというのでなくて,いわゆる保健診療が適用されるような形で診療所になっちゃっているところが。
【畑参事官補佐】 それは,外部の,我々のように,全然法人とは関係ない人が行って受診することができるんですか。
【飯田委員】 多分,させてくれとて言われたら,拒否はできないはずです。だけれども,主に学内の多分学生さんとか向けなんですよね,機能は。そういう診療所は除くよというのは一応,もしかしたら書いておいたほうがいいのかなということをちょっと思ったので。
【畑参事官補佐】 私も,どこの法人とは言いませんが,こういうふうに行っているところがありまして,確かに,外向けにもいつからいつまで診療時間ですということを言っているものがありました。私,さっき質問しましたが,恐らく行けば受診できるんでしょうけれども,実際,私が風邪を引いてそこを受診するかというと,そうではないと思うので,財政規模からするとそこまで見せる必要はないものかと思います。
【飯田委員】 そうですね。だから,それは多分,大学のほうにセグメントとしては入るんだろうなとちょっと思いまして。
【畑参事官補佐】 それは,今後の話として,どう定義づけるかというのはあると思いますので,もう少し実態を把握して進めたいと思います。
【篠原室長】 第3回ワーキングのときは,診療所は病床数が19以下という法令で切れるところで設定したんです。
【畑参事官補佐】 そうしました。
【飯田委員】 そうですね。多分,ここで言う診療所は,本当に外向けに患者さんが来てということを想定しているんだと思うんですけれども,そうでない学内向けのもので診療所になっているものがあるので,それは除くということにしたほうが混乱がないかなと。
【須賀主査】 そのほか,よろしいでしょうか。
【須賀主査】 今いただいた御意見ですけれども,8月8日の「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」に中間報告をするということが予定されております。今日いただいた意見で完全に合意を見ているわけではないのですが,取りあえずの形で,今日議論していただいたところを踏まえて御報告をさせていただきたいと思います。その報告に関して,必要な部分については私のほうに一任していただいて報告をさせていただくということで,議論はまだ終息を見ておりませんけれども,取りあえずのところでそのようなまとめをさせていただくということで御一任いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
【畑参事官補佐】 ちょっと時間が超過しておりますが,今日,ちょっと時間をいただいてそのまま進めたいと思うんですが,少し休憩の時間を挟んで,この後30分ぐらいかと思いますけれども,進めさせていただいてもいいでしょうか。
【須賀主査】 よろしいですか。
(「はい」の声あり)
【須賀主査】 では,5分休憩と。
( 休憩 )
【須賀主査】 それでは,続いて審議事項の3,「経済実態をより適切に表す配分基準」の導入に向けた準備期間について,審議をいただきたいと思います。
では,事務局より資料の説明をお願いいたします。
【畑参事官補佐】 資料3を御覧ください。26ページです。
「経済実態をより適切に表す配分基準」の導入に向けた準備期間ということで,まず,検討会報告書を抜粋しておりますが,学校法人の準備期間を置き,文科省より通知を発出することになっておりますが,これは,セグメントの原則的な配分基準を定める「経済実態をより適切に表す配分基準」の検討を速やかに行って,必要な対応を行った上で準備期間を置くとなっております。
準備期間を設ける必要性として3つ書いております。1つ目が,現行の配分基準の考え方は,そのまま「経済実態をより適切に表す配分基準」として採用できる点が多くあり,その移行はスムーズに進むことが想定されるということで,収入項目や共通経費,兼務教職員の人件費等はそうだろうと。
②として,「経済実態をより適切に表す配分基準」を導入するに当たっては,例えば医学部と附属病院など,複数セグメントに従事する教職員の人件費については,勤務実態を反映した配分基準を策定するため,勤務実態の把握方法の検討やデータの収集等に準備期間が必要と考えられると。
そのため,「経済の実態をより適切に表す配分基準」の導入に向けて,一定の準備期間を考慮する必要があるということで,その期間の設け方について案の1と案の2を示しておりますが,次のページに案の1と2を図示したものもございまして,次のページを見ていただきますと青い図を上のほうに作っています。
案の1というのは,新配分基準による会計処理の開始までの間に一定の準備期間を設けて,全学校法人が一斉に新配分基準による会計処理を実施するという案でございます。案の2のほうは,新配分基準による会計処理の開始までの間だけでなく,開始以降も一定期間の準備期間を設けるということで,新配分基準による会計処理の実施日は学校法人によって異なるという例でございます。
案の1のほうは,例としては,令和8年度から一斉に実施し,準備期間は令和7年度中というような例が考えられると。案の2のほうは,令和8年度から実施しますが,その実施に間に合わない学校法人は令和9年度中まで準備期間とすることができるという案です。準備期間が終了する令和9年度には全ての学校法人が実施するということで,矢印で示しているこの間でも対応できる学校法人は対応可能とするという,そういうイメージ図になっています。
その下の補足のところですけれども,例外的な配分基準として,現行の「資金収支内訳表の配分基準」を用いる期間については,報告書で今後検討とされていますが,この点については,この後説明しますヒアリングでの意見を踏まえて改めてワーキングで検討したいと考えております。
説明は以上でございます。
【須賀主査】 どうもありがとうございました。
何か御質問,御意見等ございましたら,お願いいたします。
【村松委員】 ちょっと1つ,よろしいですか。私の理解が正しいかどうか分からないんですが,在り方検討会の報告で16ページの上に四角で囲んでいただいたのがこの中身だと思うんですけれども,ここには2つ〇があって,1つは,まず事務負荷への配慮から,「資金内訳表の配分基準」を採用することができることにしたと。一方で,「経済実態をより適切に表す配分基準」が策定されるまでの準備期間というのを設けることにするということで,これですと,セグメントによる新しい配分基準を事務負荷によりやはり導入できないという場合は,ある意味パーマネントに資金収支内訳表を使っていいと読めてしまうんですけれども,そうではないんですか。
【畑参事官補佐】 これはちょっと複雑に説明してしまっているんですけれども,今お話ししたものは,今,ワーキンググループを開催して,検討会で了承された新しい配分基準をいつから施行するかという話でして,その間は学校法人の準備期間になるでしょうから,その期間を準備期間と言っています。
この案の2つというのは,一斉に廃止するのか,準備できたところがやるのかという,そういうイメージになっていますけれども,その話と,もう1つあるのは,新しい配分基準ができた後,原則は新しい配分基準で,かつセグメントは大学と短大と高専と中高から幼稚園,専門学校を含めた1つのセグメントと,病院と,その他という,その書き方にした上で注記してくださいというものと,例外として,現行の配分基準を,セグメントの分け方は今説明したとおりの分け方で分ける方法を例外的に認めるという,そういう話があるんです。その話については,27ページの補足のところで説明していますが,今申し上げた期間というのは,今後ヒアリングで,どれぐらい必要なのかというようなことも団体にお聞きして,ヒアリングの意見を聴取した上で改めてワーキングで検討したいという,そういう立てつけです。
ですので,パーマネントにという話では今の話は全然なくて,今お話ししたのは,ワーキングでお話を聞いた上でという話のときに,パーマネントにしてくれという意見が出るかもしれませんけれども,それをどうするのかというのを今後ワーキングで検討することになるということです。
【村松委員】 すみません。さっきの資料2-1なんですけれども、16ページの上のこの〇2つの理解としては,下の〇の準備期間について今議論しているのかと思ったんですけれども。要するに,この上の〇の,「事務負担への配慮から,学校法人等の判断で例外的な配分基準として,現行の『資金収支内訳表の配分基準』を採用することができることとした」となっているんですが,これを読むと,事務負荷を理由に資金収支内訳を使うことができると。一方で,新しい基準が入るので,それに応じて,新しい基準ができる人たちは新しい基準を採用しなきゃならないんだけれども,そのときの猶予期間ということで案1,案2があるという,そういう理解に聞こえてしまったんですけれども,そうではないと。
すみません,ちょっとよく理解できてなくて。
【佐野委員】 よろしいですか。
【須賀主査】 どうぞ。
【佐野委員】 おっしゃることの疑問はそのとおりだと思うんですが,2つ今事務局から説明あったように,1つは,新配分基準が決まった後もパーマネント的に,例外として現行基準を使えるんじゃないかというこの1つの案がありました。それからもう1つ,今ここで準備期間と言っている,我々は早期適用というイメージで聞いているんですが,いついつから全面適用しますよ。例えば,会計基準は7年4月だけど,これは絶対無理だねと。じゃ,9年4月から一斉適用します。その前に前倒しで早期適用することは可能です。これが多分,今おっしゃっている準備期間のことだと思うんですが,その話が2つ,ちょっとごっちゃになっているんだと思うんですね。
私の理解では,新基準が決まったら,そこで例えば令和9年4月1日から一斉適用しましょう,その前の早期適用は可能ですよ,でもその間の期間の2年間の間に当該学校で新しい基準を適用することを決めましょうね,9年4月1日から全員一緒ですよということを前提に考えるのか,ずっと使っていいのかというところ。これについては意見が分かれたということで,うまく書いてくださってないんだと思うんですね。
【村松委員】 あ,そういうことなんですね。
【佐野委員】 ただ,私の理解では,検討会の中でも,新基準ができてそれでも例外を使うのはおかしいんじゃないのという意見が大勢を占めていたと思っていますので,その案はないんだろうなと思いつつも,事務局サイドとしては,そういう意見もあったということで,準備期間という言葉とその例外適用というのを2つおっしゃっているんじゃないかなと思いました。
【篠原室長】 おっしゃるとおりで,ここでまず整理をしたかったのは,新しい基準ができたときにその基準でいきますよという開始時期をいつにするか,その前の準備期間を案1と案2で幅を持たせるのかというようなところを,ちょっと御意見を伺いたいなと思っていました。
新しい配分基準ができたけれども例外として現行基準も使えるという形が,この開始日というところからスタートするんですけれども,では,この開始日からスタートしたときの例外の現行基準というのはいつまでやるのかというのは,この後また別途議論して決めるべき話という形で,2段階で整理をさせていただいたんですね。
なぜかというと,現行基準をなくしていいかどうかというのは,恐らくは,配分基準がちゃんと見えてきてからでないと結論出せないと思っていましたので,それは別途,このたたき台も含めて,関係する団体の方も見た上で,意見聴取して,ワーキングでまた整理と考えていました。
【村松委員】 なるほど。よく理解できました。ですから,例えば新配分基準の開始日を令和8年度からとした場合に,案1ですと,8年度から全法人やってくださいということで,案2ですと,8年度からやる法人があってもいいですが,9年度から実施するということもあり得ますという,この2案があるんですけれども,そこで全法人実施と書いてあるんですが,もう1つ別の議論として,全法人実施するのが原則だけれども,その段階でもやはり事務負荷等を勘案して例外を設けるかどうかというのは別途議論されると,こういう理解。
【篠原室長】 例外は設けるんです。設けるというところまでは決まっているかなと思っていまして,ただ,この例外というのをずっと使い続けるべきではないという御意見もある中で,その取扱いをどうするかというところの結論を,もう1つの論点として出させていただきたい。
【村松委員】 なるほど。分かりました。
【稲垣委員】 検討会のときも意見は述べさせていただいたんですけれども,例外が永久的に認められるということはすべきではないと。事務負担を考慮しても。だとしたら,最悪の場合,全部みんな例外を適用したら,何のためのセグメント情報だという話になって,こんな議論をする必要がさらさらなくなっちゃうので,そういう意味では,やっぱりセグメント情報はどこかでもう必ず一律,強制適用。ただ,それをどこに設定するかは,まだ基準も見えないし,そういうのが見えた中で議論しましょうということが,一応我々の理解でもあり,主張でもあります。
【村松委員】
なるほど。このワーキンググループでも時々この話が出て,そういうことだったんですけれども,永遠に例外というのはちょっと,理屈から言えばおかしい,まさに稲垣委員がおっしゃったとおりなんですけれども,とはいっても,検討会のほうで,一応,「例外を採用することができることとした」となっているので,そういうことであれば,いつまでも例外が認められるということ、ただ,その例外を使う理由みたいな,合理性みたいなものは証明しなきゃならないのかもしれませんけれども……。
【佐野委員】 「できることとしたした」と書かれていたとしても,それに反論が多くて結論が出なかったんだと思うんです。
【村松委員】 なるほど。
【佐野委員】 ここは,もしこの会議で,それはおかしい……。私の記憶では,検討会でも,例外を認めるべきというのがそんなにあったとは思ってないんですね。だから,ここで改めて,この日から全法人適用,早期適用はこうするということを答申すれば,それは検討会のほうでも,現場の近い我々のワーキングの意見を尊重していただけるんだと思っています。
【村松委員】 ですから,そこは,今おっしゃったようなことで,8月8日の検討会のほうに,一応そこでの議論になり,場合によっては9月2日のいろんな団体のヒアリングをした上で,そこのところの議論をまたワーキンググループでも別途しましょうと,そういう理解でいいんでしょうかね。
【篠原室長】 そうですね。
【稲垣委員】 このヒアリングの中には,永久の例外適用も含めてヒアリングするのか,いやもう強制適用を1年後にするのか,2年後にするのか,5年後にするのか,最低このぐらいの準備期間はくださいということを聞くのか,永久を求めるんですかということを聞くのかによって,大分意味合いが変わってくるかなと。
【篠原室長】 おっしゃるとおりです。次の議題にも関わる話ですけれども,今考えているヒアリングの内容は2つございます。新しい基準をやるとしたときの準備期間はどのぐらい必要ですかという話。もう1つは,新しいセグメントができた後,例外として現行の配分基準を使えるんだけれども,期限を設けるべきという意見もあるから,それについての賛否と,期限を設けるとしたときにどのぐらいが妥当かという,そういう御意見を聞こうと事務方としては考えていました。うまく伝わっていますか。
【飯田委員】 私がこれをちょっと最初に拝見させていただいたときには,準備期間という概念を使う必要があるのかなというのはすごく思いまして。なので,2つの,旧の基準と新の基準があって,早期適用を認めるのであれば,そこからある意味並行して使えるんだと思うんですけれども,並行して使えるのをいつからやめますかという話だけでいいのかなと思っていたんですが,理解が結構難しいなと思って。
【篠原室長】 そうですね。
【佐野委員】 おっしゃるとおりだと思います。
【篠原室長】 そこは,すみません,現場にとって準備期間をしっかり設ける必要があるから,しっかり話を吸い上げてくれというようなところは,検討会の場というよりは,私学団体とのコミュニケーションの中でリクエストを受けている部分もございます。早期適用していって並行で走っていたときに,それをいつやめるんだという話に関しては,やめる前提の話でまとまっていれば,いつやめるんだという話ができると思うんですけれども,それに関しては,少なくとも検討会のときには,いつやめるかというような話は今後の検討になっていて。
【飯田委員】 だから,それ,すごく難しいですね,概念として。何か概念として成立しておりますけれども,実務としては,何となく。
【佐野委員】 多分,検討会でそういうことはなくて,団体さんとのお話の中でそういうことがあったというのが残っていらっしゃるのかなという気がするんですが,あの会議での意見,いわゆる有識者として企業から来ていらっしゃる方もいたと思うんですけれども,新配分基準が決まったら……。
【篠原室長】 基準は1つが望ましい。
【佐野委員】 1つだよねという意見で終わったような気がするんですね。ただ,団体とお話しされた中で,いやずっとというお話があったとすれば,それはそれでここで改めて検討するんでしょうけれども,俎上に上がったとしても結論はあまり変わらないのかなという気がしているんですが,一応そういう要望があれば,また議論すればいいと思いますね。
今見ているこの資料3の27ページなんですけれども,私,概念的には1も2も同じようなことだなと思っていまして。これ,考え方によって,適用時期が決まっていて,その前の早期適用を可能にするか不可にするかだけの話だと思うので,この全法人実施開始が,例えばそのヒアリングの中で,今,寄附行為も変えなきゃいけない,新会計基準になじまなきゃいけない,私学法対応もしなきゃいけない,8年4月は無理だよと,予算の問題もあるし,9年にしてくれとなったらば,9年4月1日開始事業年度からが一斉適用。で,基準ができて我々がこの部会から出して,それを学校が取り入れて,見直しをして,もうできますよというところは,早期適用可能ですよというのが,多分ここで書いてある準備期間だと思うんですけれども,それを決めればいいと。
それで,場合によって,私は,高等教育機関だけのところとそれ以外のところで分けるのもあるのかなと思ったんですが,大学法人等だけですよね,セグメントに影響するのは。だからやっぱり一斉適用をきちんと決めて,その早期適用期間を2年にするのか1年にするのかを,ヒアリングを含めながら議論すればいいのかなと。
そうすると,この案1,案2というのは同じことになってしまうというのかな,一緒かなと。いつ開始するかだけの話かなという気がするんですが。
【篠原室長】 分かりました。多分,そうすると案1なんでしょうね,考え方の基本としては。
【佐野委員】 そうですね。
【篠原室長】 準備期間というか早期適応可能期間をつくるのはあると思うんですけれども,そこを設けた上で新しい基準が用意ドンするというようなイメージ。
【佐野委員】 イメージは,おっしゃるとおりだと思います。そのために,実務上の負担が過剰にならないように,このワーキンググループの中で,よりシンプルでありながら,より経済的実態を表せるような基準をつくりましょうよと,提案しましょうということになっているわけですから,ここでワーキンググループでできる答申案は,非常に実務の負担の軽く,より有効なものを提案できるという前提でやるので,それができない大学法人があるかということはあまり想定しなくてもいいのかなという。そうならないようにこのワーキングでいい案をつくれればという思いなんですけど。
【須賀主査】 では,今まとめていただいたような形で,あとは,先ほど言った例外ですけれども,例外を認めるというのはなしに。ずっとですね。期限関係なしに続けるというと,この検討ワーキンググループを作っていること自体の意味がなくなってしまいますので,それは,いくらヒアリングで要望として出てきたとしても,基本的にはあり得ないことだという感じになるんですよね,我々これをやっている以上はということで。
【佐野委員】 セグメント要らない。内訳表でどうぞとなってしまう。
【篠原室長】 ありがとうございます。そこは,ワーキンググループでの提案としてきちんとまとめさせていただいて,進めたいと思います。
【須賀主査】 それでは,次の,審議事項の4番目,各私立学校関係団体へのヒアリングについて,説明をお願いします。
【畑参事官補佐】 それでは,28ページの資料4-1をまず御覧ください。ワーキンググループのスケジュール,少し変更がございますのでお伝えします。
本日は第4回,7月17日ですけれども,その下に,8月8日,検討会に報告ということで,今日御議論いただいたたたき台を中間報告いたします。
その後,9月2日に各私学団体へのヒアリングを行うということで,これは第5回のワーキンググループを時間として当てはめております。もともと2時間で16時からだったんですけれども,先生方に御了承いただきましたが,15時からの開始にさせていただいております。長時間になりますが,よろしくお願いいたします。
次の29ページですけれども,そのヒアリングの内容ということで資料4-2でございますが,概要としては,第5回のワーキングにおいてヒアリングを行いまして,セグメント情報の配分基準のたたき台について御意見を聴取すると。
対象となる団体は以下の9団体を考えております,読み上げませんけれども。開催日時は9月2日でございます。会場はこちら,14階のここの局会議室になります。団体の希望によりましては,対面とオンラインのハイブリッドによるということも考えられますが,対面を予定しております。
所要時間ですけれども,1団体20分を目安としておりますが,今回は医学部あるいは歯学部と病院との人件費の配分が重要な論点となっておりますので,医学部・歯学部の団体となっております日本私立医科大学協会と日本私立歯科大学協会については,十分な時間を確保しましてヒアリングを行いたいと考えております。
それから,実施方法ですけれども,各団体からたたき台に対する意見を事前に書面で提出いただきまして,先生方にはそれらをあらかじめお読みいただきましてヒアリングを行います。
団体のプレゼンテーションは行わずに,事前に提出された意見に対する質疑応答を中心に行いたいと考えております。
ヒアリングの出席者,団体側ですけれども,責任を持って質疑できる方であれば,団体の長でなくても構いませんということで,最大4名としております。
それから,学校法人から提出された意見につきましては公表しまして,当日のヒアリングの概要については非公表とさせていただきたいと思いますが,このワーキングの運営要領によりますと,運営要領の3のところで,会議において配付された資料は原則として公開すると。4のところで,検討ワーキングの議事録は公開するけれども,主査が議事録に個別の学校法人に係る非公開の情報が含まれると認めるとき,その他正当な理由があると認めるときは,議事録の全部または一部を非公開とすることができるというふうな規定になっておりますので,今回はヒアリングの概要については非公表にさせていただいて,忌憚ない意見を質疑応答させていただければということで,そうさせていただければと思っております。
私からは以上でございます。
【須賀主査】 それでは,今の点につきまして何か御質問等ございましたら,お願いします。
【稲垣委員】 よろしいですか。
【須賀主査】 どうぞ。
【稲垣委員】 限られた時間で,そもそもこのヒアリングの目的をどこに置くのかですけれども,セグメント情報があまり実務的な影響がない中高以下は,特段ヒアリングは必要なのかなというところは検討いただきたい。
【畑参事官補佐】 それは,各団体には,希望に応じてということで,特段,我々としては不要というようなところについては,ヒアリングはマストにしておりませんので,それはお伝えするようにします。
【稲垣委員】 あと,8月8日に検討会に中間報告しますよね。検討会には,一応ほぼ各団体の代表の方が参加されているわけですから,そこで中間報告の説明もし,検討資料は各団体に事前に見てもらった上で,何か意見があったり聞きたいことがあればこの機会を設けますと,そういう趣旨でよろしいですか。それとも,こういうことについてはどうお考えですかということを,質問を投げかける感じなんでしょうか。
【篠原室長】 当日のヒアリングのために意見をいただこうと思っているものは,すみません,今日お配りすればよかったんですけれども,全部で5点ございます。
1点目は,たたき台について追加すべき観点とか,現場で対応する際の留意点とか,その他必要な事項について御意見を御記入くださいということで,これはある意味オーソドックスな問いになります。
2点目は,先ほどの準備期間に関しての質問になりますけれども,新たなセグメント情報の配分を導入するに当たり,どの程度の準備期間が必要,あるいは,いつからの実施が望ましいとお考えでしょうか,具体的に教えてくださいという質問です。
3点目は,先ほどの,例外としての現行の配分基準の期限を設けることについてです。ここは,設けることについての賛成・反対いずれのお考えかということと,賛成の場合はどの程度の期間があればいいかということ,反対の場合はなぜ反対かというところを,併せて御教示くださいという形で尋ねようと思っています。
4点目は,新たなセグメントの配分基準の導入により学校法人で対応に困難が生じる場合に,その具体的な内容とか解決策を教えてくださいという。
最後は,その他御意見,御質問があれば御記入くださいという,そういう形でお尋ねしようと思っています。
それをあらかじめ意見として出していただいたものを,先生方皆さんに目を通していただいた上で,ヒアリングでは,この意見をこうやって書いてあるけどどうなのとか,これはこういうふうにすればできますよねみたいな話とか,そのいただいた意見を基にした質疑応答をしていただきたいと思っています。
稲垣委員の御質問の回答になっていますか。大丈夫ですか。
【稲垣委員】 はい,分かりました。
【佐野委員】 8日との関連はどうなっていますか。
【稲垣委員】 8月8日の検討会との関係というんですかね。
【篠原室長】 検討会のほうは,あくまでも,これまでの御知見を生かして委員として参画をしていただいています。なので,その団体を背負っていただいてはいるんですけれども,ヒアリングのときは,たとえ同じ方が出てきたとしても,あくまでも団体の意見として出していくという,そういう形で,検討会とヒアリングというものの性質は分けたいなと思っているところです。多分,検討会だけで団体の意見を全部言い切れない部分もあると思っていますし。
【須賀主査】 そのほか,よろしいでしょうか。
【稲垣委員】 今お伺いした中で,3番目の,期限の賛否を問うということは,団体として反対だという意見は聞くということですよね,一応。採用するかどうかはともかく。
【篠原室長】 採用するかどうかはともかく……。
【稲垣委員】 僕は,それは必要なのかなと思うんですけど。
【畑参事官補佐】 それはやっぱり,意見としてお伺いするということにはなると思います。ただ,それをもってどう判断するかというのはまた別の,ワーキンググループの判断になるかと思います。
【稲垣委員】 あと,あくまでも団体としてのヒアリングですよね。この資料の一番下に,学校法人から提出された意見というのは……。
【畑参事官補佐】 すみません,これ,団体です。間違えています。
【篠原室長】 あ,団体ですね。すみません,そこは間違えて。
【稲垣委員】 だから,団体として総意を持ってヒアリングに臨んでくださいと,そういうことですよね。
【畑参事官補佐】 そうです。
【稲垣委員】 団体の中でも意見がたくさんあってということになっちゃうと……。
【篠原室長】 そうですね,仮に,こういう意見もあった,こういう意見もあったみたいなのがずらっと書いてあったら,じゃ,団体としてはどうですかというところはちょっとお尋ねいただいて。
【佐野委員】 そうすると,各団体の代表が今まで検討会のほうにいらっしゃると思っていたんですが,あの方々は団体の代表ではないんですか。
【篠原室長】「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」の委員のうち、各私学団体から推薦された委員は、各私学団体の形です。
【佐野委員】 そうですか。分かりました。そうすると,もし,9月のヒアリングにおいて各団体の責任ある方々のお答えとして,期限を設けないでくれというのが声となって来た場合に,それを覆すということはできるような仕組みが残るんですか。
【篠原室長】 どういうことですか。
【佐野委員】 先ほどの言葉で言うと,パーマネントにいろいろ使えるようにしてくださいと各団体から要望がありました,これは各団体の意見ですということで出てきたときに,いや,そんなことできませんよというような会議体としての結論を出せる機会ができるんでしょうかという意味です。
【篠原室長】 そこは,いろんな意見があったけれどもこうするというのを決めていくプロセスが,ワーキンググループと検討会なんじゃないかと思っております。
【佐野委員】 そうすると,聞く意味がどう。
【須賀主査】 反対というのは,聞かないということですよね。
【稲垣委員】 聞かないほうが無難,無難じゃないですけど……。
【佐野委員】 聞く意味がよく分からない。
その他の欄のところで,例外適用をずっと認めてとか書いてくるところがあったとしてもいいけれども,こちらから提案して,例外適用をどう思いますかと聞くこと自体が,意味があるのかというか適用できるんだろうか,だったら簡単なほうに行こうよという方向に流れないとも限らなくて,何か,どの辺りに質問を設定する意味があるのかなというのがちょっと気になる。
【篠原室長】 そこは,検討会の報告書に沿って考えればということ,報告書に書いてあることにのっとって考えればということなんですけれども,報告書の文章としては,例外的な配分基準を使うことができるという形になっていて,今後の検討課題のところに,その配分基準の取扱いについて今後の検討とすると書いてありますので,その取扱いとして期限を設けるのか設けないのか,設けるとすればいつまでかというところは,今後の検討課題になっています。
今,このワーキンググループの中で先生方に議論いただいている総意としては,それは配分基準はちゃんと最終的には統一すべきだよねというようなことは,このワーキンググループの方向性としては出ていますけれども,検討会の今後検討と言っている部分に立って書いて,今のヒアリングのイメージとしては持っていました。
例えば,ここのワーキンググループの結論として配分基準はもう一定期間にすべきというところまで含めて,たたき台の提案のほうにもう盛り込んでヒアリングをするという持っていき方もあるとは思うんですけれども,その辺りについては,委員の皆様の同意をいただいた上で文章化して出すというところかなと思っているところです。
【稲垣委員】 先ほどまでの議論だと,期限はやはり設けるというのがこのワーキンググループの総意だと理解をしましたので,それを8月8日の中間報告で在り方検に上げて,在り方検がそれに同意をすれば,その前提でヒアリングを実施するので構わないかなと思います。
【篠原室長】 そうですね。それでできると思います。なので,皆さんよろしいのであれば,どこにどうやって入れようかなというのはあるんですが,ちょっと柱立てがぶつ切りにはなりますけれども,今後の検討課題としていた部分に関しては,一定期間で終えるべきというふうな方向性を入れて,そういうふうな方向性が出ているということに関して意見を聞くという形があり得ると思います。
ただ,私が思うのは,その場合であっても,反対と言いたい人がいれば,そこはこちらで止める話ではないんじゃないだろうかとは思っているんですけれども。
【須賀主査】 それが,その他のところで書いてもらう分には構いませんということで,我々からあえてそれを聞く必要はないでしょう。
【佐野委員】 8日の様子を見てということですね。8日の「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」の反応を見て……。
【須賀主査】 それはそうですけど。
【佐野委員】 工夫してくださるということですね。
【畑参事官補佐】 8日の議論を見て,何を聞くかを決めるという。
【佐野委員】 このワーキンググループとしては今,総意として,適用期限を決めて早期適用あるよというふうにしましょうねと,そのいつからはまだ考えていませんけどというのを検討会に出して,検討会が,もっともだねと,一斉適用で例外適用をそこで切りましょうと,それにみんなが賛成すれば,もうその3番目の質問事項はなくてよろしいんじゃないですかという意味です。でも,検討会のほうで,そうはいっても例外適用を認めるべきというのはあってしかるべきだという意見がどなたから出たら,それは今室長がおっしゃった3番目の質問事項として残すことに意味がありますよねと聞こえたんですけど。
【畑参事官補佐】 ちょっとスケジュールの話をさせていただきますと,9月2日に設定させていただいたということがあるんですが,各団体には,今日この了承いただければ,質問事項をお見せしていませんでしたけれども,さっき申し上げたような質問事項を早い段階でお送りしようと思っていました。というのは,8月8日を待っていると,お盆休みを挟んで団体にいろんなコンセンサスとか意思決定していただかないといけないというところがありまして,そうするといろいろ時間も取れないというところで,できるだけ早く質問事項自体はお送りしたいなと思っていたところなんです。
8月8日を待っていると,9日ですぐお盆休みに入ってしまうので,その間は,どういった質問が来ているかを見ることができないというところがあるので,ちょっと今,どうしようかなと思ってお話を聞いていたんですけれども。
【稲垣委員】 その質問事項という,ヒアリング事項を投げるときには,一応まとめられた現行の配分基準の考え方も当然アタッチして流すんですよね。
【畑参事官補佐】 そうです。今日のものを,8日の検討会は経ていませんけれども,それを出すつもりだったんです。
【佐野委員】 一緒に出すんですか。
【畑参事官補佐】 はい。
【佐野委員】 そしたら,今日の報告のまとめの中で,例外適用についての,言葉はさておいても,一斉適用が〇年4月より,その前の早期適用期間を設けるということで結論づけましたとしてしまえばいいわけですよね。3番目にさっきおっしゃった,例外基準の永久適用をどう思いますかというのはやめて,その他の中の例として,例えば,検討会にあった,一斉適用と言いながらも例外を認めるべきだと思いますかみたいなことを,例として,「など,その他の意見があったらお書きください」ぐらいじゃ駄目ですかね。
【篠原室長】 それはできます。
【畑参事官補佐】 その他の部分に書かせるということですね。
【佐野委員】 何か,こういうような,「など」と,書かないというわけには多分いかないんだろうと思うんですね,検討会のこの間の答申を無視したことになっちゃうから。だけど,書くとしても,大項目として独立させないでもいいのかなという気がしたんですが,これは個人的意見です。
【篠原室長】 皆さん御同意であれば,質問の構成を変えまして,あくまでもたたき台についての意見を伺うと。準備期間,早期適用期間をどのぐらいにして,いつから一斉適用が望ましいかというのをお聞きして,あとは,新しい配分基準をやるときに困るとしたらどんな話というのを聞くと。その他,御意見,御質問があれば御記入くださいという,最後のところの例示として,例えばこういう,例外としての現行の配分基準の取扱いに期限を設けることに関する御意見みたいなところを,引っかけられるように置いておくと。そういうイメージと理解しましたけれども。
【村松委員】 でも,あまり変わらないんじゃないですか。
【菅原委員】 変わらないと思うんですけどね。
【村松委員】 検討会の報告書を読んで,私学関係者は,まさにその例外規定があるのかどうかと物すごく注目して見ているわけですよね。だから,今回アンケートを出すにしても,その他の中に例示として入れても,1項目として設けても,いずれにしてもそこに対する意見というのが避けて通れないんだと思うんですね。なので,それこそ私学法の決定のときも,私学団体等の意見というのはもうあれこれ,いろいろやっぱり出てくるというところはもう分かり切ったことなので,そこをあえて何かオブラートに包むようなことはあまり得策ではないような気が私はするんですけどね。
【菅原委員】 ではないと私も思います。やはり,聞くべきところは聞き,意見を聞くというのが必要なのかなと思っています。検討会の報告を見ても,例外を書いてある以上は,やはりそこは聞かないといけないのかなと思っております。
【村松委員】 なので,そのやり方は,先生おっしゃるようにその他の中に例示として入れるんであれば,それはそれでいいのかもしれないですけれども,そう書くんだったら,正々堂々としたほうがいいような気がいたします。
【佐野委員】 どうしても,アンケートを答える側じゃないほうから見ると,そこにあるとそちらに誘導する意向が働いていると思っちゃうんですね。「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」に参加している身からすると,そういうふうに読めてしまう懸念があったので,というのでちょっと格下げした。でも,本当は聞かなくてもいいことなのにと思いつつも,やっぱり,さきの検討会のほうでそういう1つの文章になっているのを私学の皆さんが読んでいらっしゃるので,そこは無視して通れないな,このワーキングの中間報告としてはそんなことはできないという結論で出していただくにしても,聞かざるを得ないならしようがないなという思いはあります。もうそれは皆さんの関心が高ければ,いいと思うんです。ただ,何かちょっと,答えがみんな,あったらいいな,わーっと来ちゃったらどうしようとか思ったんです。
【村松委員】 だから,重要なのは恐らく,そういう例外を設けてほしいという意見を押し潰すのではなくて,まさに佐野先生おっしゃったように,例外規定,例外期間を十分設けますというような説明をしたり,あるいは,先ほどお話しあったように,いや,困らないようなルールをつくっていくんですという説明をしたり,そういうことでしっかりと対応したほうが,いや,これもう,ちょっと,何か黒塗りで隠しておきましょうという形にするのは,やり方としてあまりよくないのかなと思います。
【佐野委員】 今おっしゃったように,簡単な,なるべくシンプルで使いやすいものを提案して,だから大丈夫ですよという方向に持っていくのがいいですよね。
【稲垣委員】 こんなシンプルで簡単もの,ないと思います。これができないと言うんだったら,もう協会としては協力できない。
【篠原室長】 当時は,どういう基準が出てくるのかというのが分からない中での議論だったということもございます。なので,たたき台で,中身と,あと,ワーキングとしてはやっぱり期限を設けるべきというようなスタンスを明示した上で,改めて御意見を伺うと。そのような形でヒアリングに向けて準備をさせていただければと思います。
【須賀主査】 どうもありがとうございました。
それでは,あとは,最後に,事務局より連絡事項があります。
【稲垣委員】 連絡事項の前に,そうすると,次回のこのワーキングはまさにこのヒアリングの場となるということですよね。だから,何か,議論をするというよりはもう,次はヒアリングに移るというんで,ちょっと時間を見たんですけれども,2点だけちょっと意見ということでお願いなんですが,1点目は,結構,多分,学校側から,あるいは監査をしている会計士の側から,今回のセグメント情報で補助金の配分に影響が出るんじゃないかとか,そういうことを学校側さんが非常に懸念されている声が上がってきて,理念的には別物なんだから,セグメント情報ができたからといってそこに影響は及ばないんだというようなことを,何かどこかで発信してあげると,非常に安心感が高まるのかなということで,あえて質問をして,それに対する対応をぜひ御検討いただきたいというのが1点です。
それからもう1つは,セグメント情報の検討に何でこんなに時間かかるのとか,時間がかかるとなるとよっぽど何か難しいものが出てくるんじゃないかとか,よっぽど論点が多いんじゃないかというような,どうも懸念が勝手に現場で渦巻いているようで,決してそんなことはないんだとは言いながらも,そういう不安と懸念が学校法人さん側にも,それから監査する協会の私どもの会員の会計士側にもそういう声があるんだということを,ちょっとお伝えして,なるべく早くセグメントは,十分慎重な検討をするけど早く見通しを立てて。実は幾つか残されている課題があるので,この期間中に結論は出ないまでも,そういうことを検討する時間をぜひつくっていただくことをお願いしたいなということで,その2点をちょっと付け加えさせていただきます。
【篠原室長】 ありがとうございます。1点目,2点目に関しては,手を打っていくようにしたいと思います。特に2点目は,早めに議事録と資料を出していくということかなと。
【稲垣委員】 我々も材料を出すのが遅れてしまったので,それが全体にずれ込んでしまったのは我々の反省点でもあるんですけれども,そういう声が非常に多いものですから。
【篠原室長】 残りの論点に関しては,今,整理をしつつ相談しつつというところをやっていますので,そこをやってから,先に検討会への御相談かなとは思っています。
【畑参事官補佐】 それでは,今回のワーキングの議事録は公開しますので,後日,議事録の確認依頼を送付しますので,よろしくお願いいたします。
第5回,ヒアリングですけれども,9月2日月曜日15時からを予定しております。正式な開催案内は後日送付いたします。
以上でございます。
【須賀主査】 どうもありがとうございました。
それでは,第4回学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ,これで終了させていただきます。委員の皆様には御多忙中に御参加いただきまして,どうもありがとうございました。
高等教育局私学部参事官付