学校法人会計基準の在り方に関する検討会(令和5年度)(第9回) 議事録

1.日時

令和5年12月20日(水曜日) 14時00分~15時30分

2.場所

中央合同庁舎7号館東館(文部科学省)16階 16F2会議室
※オンライン会議とハイブリッド形式

3.議題

  1. 全体のまとめ
  2. 学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループについて
  3. その他

4.出席者

委員

稲垣委員、内野委員、黒川委員、嵯峨委員、佐野委員、志賀委員、徳田委員、南部委員、前鼻委員、持丸委員

文部科学省

寺門私学部長、村上参事官、篠原私学経営支援企画室長、畑参事官補佐、今井専門職

オブザーバー

小林日本私立学校振興・共済事業団私学経営情報センター長、寺澤愛知県県民文化局県民生活部学事振興課私学振興室長補佐(代理出席)

5.議事録

【畑参事官補佐】  それでは,お時間前ですけれども,開会の前に私から配付資料の確認と本日の出欠状況について少し御説明させていただきます。
 今回は,対面とオンラインのハイブリッド型で会議を行います。
 本日の配付資料ですが,事前に送付しております。対面で御出席の先生方には印刷したものを机上にセットしております。議事次第に記載のとおり,資料は1と2,机上配布資料となっております。また,対面で御出席の先生方には,配付資料,参考資料を机上のiPadに格納しております。資料が足りないなど不備がございましたら,事務局にお伝えください。
 本日は,嵯峨委員,志賀委員,南部委員,オブザーバーの私学事業団の小林センター長がオンラインでの出席となります。また,藤井オブザーバーの代理として,愛知県県民文化局県民生活部学事振興課私学振興室の寺澤室長補佐が御参加となっております。それから,奥村委員,西岡委員につきましては,本日は御欠席となっております。
 最後に,本日の会議は非公開ですが,会議資料と議事録につきまして,委員の皆様に確認の上,後日,文部科学省のウェブサイトで公開する予定でございます。
 以上でございます。
【黒川座長】  これより,令和5年度第9回学校法人会計基準の在り方に関する検討会を開催いたします。
 本日は,お忙しい中,また急遽開催することになった本検討会に御出席いただき,誠にありがとうございます。
 それでは,本日の議事内容でございますけれども,まず,審議事項として(1)番,「全体のまとめ」,それから,報告事項として(2)と(3),まず2番目が「学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループについて」,「その他」についてはまた適宜ということでございます。
 それでは,議事の1つ目,全体のまとめでございます。
 まず,事務局より説明をお願いいたします。篠原さん,お願いします。
【篠原私学経営支援企画室長】  まとめについて説明をさせていただきます。
 先生方のお手元には,机上配布ということで,3.1バージョンと書いたものがございます。これは何かと申しますと,先生方にバージョン3をお送りした後,御意見いただくなどして調整を加えさせていただいたものが反映されております。緑の網かけになっている部分ですけれども,バージョン3からの変更点も加えたものになっておりまして,こちらを反映させつつバージョン4を作っていきたいと思っております。なので,今,画面投影させていただいている資料も机上配布のもの(3.1バージョン)になりますけれども,こちらを中心に説明をさせていただこうと思います。
 こちら,机上配布ですけれども,めくっていただいて1ページ目,こちらは委員からの御指摘で表現を改めているものになります。「長期的視点からも継続的な運営を可能にすることを前提とした収支の均衡が図られているかどうかを把握することが求められる」と。ここは,短期と長期と両方の視点があるでしょうということが分かりやすくなるように書かせていただいています。
 あと,1ページでは,その下の部分です。御確認をいただきたいのが,緑かかっていないんですけれども,赤字の部分です。文言として,「学校法人」と「準学校法人」,法的には区別されている概念ですけれども,この会計基準の検討会で便宜上,「学校法人」という表現の中に含めて書かせていただいている部分がございますので,そこを明確に書かせていただいているというところになります。
 表記の揺れであるとか,趣旨を変えない文言の追加などの説明に関しては割愛をさせていただきますけれども,9ページ目のところになります。こちらは,「新学校法人会計基準の内容等」というところで,計算書類と附属明細書の体系について書かせていただいているものになります。こちらは現行の会計基準だと「計算書類」という言葉のみですけれども,改正私学法では「計算書類」と「附属明細書」というのは別の言葉として書かれています。さらに,その計算書類と附属明細書というもの,2つ合わせての呼び名というのは「計算関係書類」という法令上の用語になります。そこが「計算書類」という言葉で、附属明細書も埋もれる形で書いていましたので,ここは今回の改正私学法に合わせて「計算書類」と「附属明細書」という形で体系を書かせていただいているという変更になります。
 そこの部分を文言で追記させていただいたのが,こちら9ページ目の下の「なお,」以降の部分です。ここは現行の会計基準で学校法人が作成しなければならない計算書類の種類と,改正私学法でどういう書類が定められているかというところも含めて説明を加えているという補足的な修正になります。
 また,17ページ、「注記事項の充実について」の部分です。こちらも緑はかかってないですが,四角の中ですね。「子法人」と「セグメント」というところは,実際,会計基準に書く順番なども意識して順番を変えています。
 続いての18ページ,セグメント情報の在り方についてです。こちらは緑がちょっと多いんですけれども,ここは大事な部分などでいろいろ書き方をより明快に,分かりやすくなるように御意見いただいて,直しを入れているという形になります。
 まず,「セグメント情報の在り方について」というタイトルの横です。関係する参考資料を明記しましたということ,これは56ページ以降にございますので,適宜御参照ください。
 四角の中ですけれども,(配分基準)のところです。こちら,「原則的な配分基準」と「例外的な配分基準」を当然のように言葉として使っていたんですけれども,原則的な配分基準が何かというところを文言として補足をしています。また,原則と例外の区別が前の書き方だとちょっと分かりづらいということで,「ただし,」と,あと例外的な運用を認める理由ですね,「事務負担への配慮から,」というところを明確に書き込みしています。
 最後,「また,採用した配分基準を注記する」という部分も,ポイントとして明記したということになります。採用した配分基準を注記するということ自体は,もともと本文には入っていたものをポイントでも明確に書いているという取扱いです。
 (当分の間の取扱い)の部分も緑の部分がございます。ここは,「「経済の実態をより適切に表す配分基準」が策定できた段階で,上記(セグメント区分)と(配分基準)記載の取扱いとする」ということを明記してあります。これはポンチ絵には出ていたのですが,その趣旨というのがこのポイントの記載では分からないというところが,ちょっとこちらの準備が不十分だったので,書かせていただいています。
 次は22ページのところです。こちらも文言を足してはっきりさせているという観点からになります。
 まず,エの測定方法です。2つ目の丸のところですけれども,現行の配分基準について,「セグメントごとの経済の実態を必ずしも表しているとは言えない」と。「従って,学校法人のセグメントごとの経済の実態を反映するための」基準として,現行の基準とは別に新しい基準が必要であるという形で,補足的に言葉を足しています。
 その次の丸のところは,その上から4つ目に書いてある部分を引っ越してまとめているということです。
 その下は,言葉を補足的に達して内容の明瞭化を図っているというような修正になります。
 あと御覧いただきたい部分ですけれども,24ページです。こちらはバージョン3で既にお伝えさせていただいている部分ですけれども,括弧書きの中です。子法人の定義を省令で規定予定なんですけれども,それらが現行の注記対象である学校法人の出資による会社や関係法人とは異なる定義だということですね。会議でも御説明させていただいて,公益法人とか会社がどうなるのかといったような説明も重ねさせていただいた部分ですけれども,そこに関して分かりやすいように文言を追加しています。
 次は,準学校法人の特例の部分です。31ページに飛んでいただけますでしょうか。31ページは会計基準の特例のコーナーですけれども,まず,(1)のところは,大規模知事所轄学校法人に関する特例の説明についてもうちょっと正確に書かせていただいているという修正で,バージョン3のときからお見せしています。
 32ページの表は,会議の資料でもお示ししたものを追加しているというところ。
 33ページ,こちらに緑がかかっている部分がございます。こちらは,もともとは準学校法人については,「知事所轄学校法人に該当するため」と書いてあったんですけれども,「知事所轄の学校法人」という言葉と法令的には一致しないので,「準学校法人については,知事所轄学校法人と同様に都道府県知事を所轄庁とするため」ということで,現行の制度と矛盾がないように文言を改めています。
 それと,35ページです。ここでお伝えさせていただきたいのは,バージョン3のときに既に先生方にはお示ししていますが,2.のその他の論点のところです。
 上から2つ目に,「セグメント情報における例外的な配分基準の取扱い」というところを明記させていただいています。こちらは,セグメント情報における配分基準の検討を今後していくという話と併せて,セグメント情報における例外的な配分基準を今後もずっと継続するのか,一定の期限を設けるのかといったところも検討する必要があるんじゃないかという御意見を今般いただいていることを踏まえて,追記をさせていただいています。
 セグメント情報における配分基準に関しては,この35ページのその他の論点,白丸一番下でも「速やかに検討を開始することが適当」と書いておりまして,その体制についても,この後,報告事項で説明をさせていただこうと思っておりますけれども,そちらでも検討していくということで考えています。
 ここまでは本文に関しての修正箇所の説明でした。
 あと,この後ろには,「第6 参考資料」として,ポンチ絵であるとか計算書類の様式が続くわけですけれども,追記をした部分で御確認をいただきたい箇所は2点ございます。
 1点目は,47ページです。これは何かというと子法人の注記に関する部分です。学校法人○○というのを,子法人との取引の状況として追加で掲載しています。これは何かと申しますと,丸1 ,子法人の概要というのが2つ飛んで上に表があるんですけれども,そこに出ている子法人の上から2つ目ですね,学校法人○○というところが,ここは「出資割合が総出資額の2分の1以上」という右から3つ目には当てはまらないものの,「関連当事者」と「学校法人間の財務取引」という欄は丸がついて,関係性としては学校法人間の財務取引に当てはまるという法人なんですけれども,それが丸3 に出てくるべきなのに出てきていなかったというところで,追記をさせていただいているという状況になります。
 もう1点,御確認いただきたい部分が48ページです。ここは「学校法人間の財務取引」というのを追加で書いてあります。これは全く新しいものがここに入っているというわけではなくて,別の場所にあったものを,ここに入れ込んだ方が全体として形がいいだろうというところで引っ越しています。もともとどこにあったかというと,50ページの消えている部分ですね。「(6)学校法人間の財務取引」という箇所があるんですけれども,それを今般,こちらに引っ越しをさせていただく形で注記事項としてまとめさせていただきたいというような案になります。
 今回,変更点を中心に説明をさせていただきましたけれども,御不明な箇所とか説明が足りていない部分があったら御指摘いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【黒川座長】  篠原室長,御説明ありがとうございました。
 それでは,事務局からの御説明に関して,御質問,御意見があればお願いいたします。どうぞ。
【稲垣委員】  よろしいですか。
【黒川座長】  はい,稲垣委員。
【稲垣委員】  会計士協会の稲垣です。
 最初に2点ほど単純な確認というか,修正のお願いなんですけれども,机上配布の資料でいうと7ページです。ここで欄外に参考としてモデル会計のことを記載していただいているんですが,付番のちっちゃい8がついているんですが,この8が本文の中に記載がないので,該当するところに8を入れていただきたいというのが,これ,単純な修正だと思いますので。
【今井専門職】  ちっちゃいんですけど,通し番号11ページ最後の行、「資源提供者」のところに入っています。
【稲垣委員】  あ,ここに入っているんですね。分かりました。であればオーケーです。
【黒川座長】  ここで大丈夫ですか。ちょっと確認してください。
【稲垣委員】  そうですね,引用いただいたのはどちらかというとそこの箇所だと思いますので,それが入っていればそれで。
【黒川座長】  じゃあ,確認していただいたということで安心しました。
【稲垣委員】  ありがとうございます。
 あともう1点は,机上配布でいう,セグメント情報が出てくるのかな。17のところですけど,言葉の使い方なんですが,「セグメントの情報」というタイトルよりも,通常は「セグメント情報」というのが一つの会計上の言葉の使い方かなと思いますので,「の」は入れない方が自然かなと思いました。ほかにも同じような記載のところが,ちょっと何ページだったか,あったかと思いますので,一応「セグメントの情報」ではなくて「セグメント情報」ということで統一された方がよろしいんじゃないかということです。
 単純な修正は以上です。
 それから,あと追加で2点ほどなんですが,机上配布の35ページのその他の論点のところですが,先ほど室長の御説明もありましたが,「セグメント情報における例外的な配分基準の取扱い」ということで,例外的な基準をずっと認めるのかということに関しては,本来は経過措置として認めるのであるから,一定の期限を設けるべきだというのは,従前から私たちも申し上げていたんですが,その点はその他の論点ということで,あるべき基準ができつつある中でその取扱いをどうするかということは,再度,議論をしていただければというふうに,これはお願いと確認です。
 それからもう1点,このその他の論点の一番下のところで,コメントとして「収益事業に関する開示と監査の取扱い」というのを今回の改正の機会にもう少しはっきりさせた方がいいのではないかということで,これは検討会の場で今まで議論しておりませんでしたので,ここで結論を出すとかそういうことではないですけれども,この先のセグメントの在り方の検討と併せて,そのようなこともぜひ検討に加えていただければなと考えております。
 一応,私からは一旦そこまでとさせていただきます。
【黒川座長】  ありがとうございました。ほかに。では,まず,徳田委員。
【徳田委員】  要望ですけども,子法人について3つあるのですが,これはどういう位置づけだということをQ&Aみたいな形で別に何かお示しいただくことによって,この3つの区分、これだけではなかなか理解できにくいなと私は思っているのです。専門家の皆さんは大体分かっているということですけど,よく話を聞くと,例えば11については,その2分の1は出資しているけども,議決権のない出資等も中には含まれる。たまに私なんか新聞を見ていると,出資はしているけども,議決権がないみたいなことが会社ではあるということです。我々私学関係からいくと,そういうケースというのがどれくらいあるのかなというのはちょっと分かりませんけども,この定義というのを別の形で解説としていただけると,幼稚園法人から大学法人までありますから,その辺の専門的な区分している定義といいますか,解説をお願いしたいなというふうに,1点お願いでございます。そこだけです。
 もう一つは,稲垣委員が最後の方で,その他の論点ということで,会計士協会は会計士協会の立場もございますけども,私は協会としての立場とすれば,配分基準が2つ出てくるという中で,どれくらい私学には負担になるのかということも十分議論をしていただきたいなと思っています。昨今の私学を取り巻く情勢というのは,もちろん少子化の流れがあってそういうこともありますし,それから,国の就学支援金という制度,非常にありがたい制度ですけども,事務的なものも増えてきている。本来投入すべき人材への投入をそこへ回さなきゃいけないということを含めて,議論していただくとありがたいなと思っています。
 以上,私からは2点でございます。
【黒川座長】  ありがとうございました。
【篠原私学経営支援企画室長】  いいですか。
【黒川座長】  はい,どうぞ,室長。
【篠原私学経営支援企画室長】  今の1つ目のリクエストに関しては,事務方で対応させていただきたいと思います。子法人というのが省令上どういう定義かとか,あとは,今回,注記で書く事項について,こういう場合はどうなのかというようなところの事例をきめ細やかに示すというリクエストだと思いますので,そこは御相談させていただきながら,また足りない部分があれば教えていただきながらということで。
【黒川座長】  今のそれはバージョン4ですか。それとも,それ以外のということですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  この報告書の外の話です。
【黒川座長】  外の話ですね。それでよろしいですか,徳田委員。
【徳田委員】  そうです,はい。
【黒川座長】  はい,分かりました。では,佐野委員。
【佐野委員】  すみません,重複したところはさておいて,もっと細かいことで恐縮ですが,11ページの上から2つ目の丸は,これはなお書きで事業収支の件が書いてあるわけですけれども,「整理された」という文末になっていますが,この整理は当検討会でしたので,「整理した」という形に能動的に書いていただければいいのかなと思いました。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい。
【佐野委員】  それから,やはりセグメントのところで,お二人の委員から御意見あったんですが,ごもっともだと思うんですが,1つは前提としての話です。この書き方がスタンスとして,新配分基準が決まるまでは,当然のことながら現配分基準でやるんだから,高等教育機関については個別に出さなくてもまとめていいよというスタンスになっています。新配分基準が決まれば,新しい配分をするんだから,高等教育機関についてもちゃんと分離して経済的実態を表しましょうというスタンスになっている。だけれども,実務上,それはちょっと負担が大きいから,実態を表さないまでもいいですよというような書きぶりになっているんですね。果たしてそれでこの検討会のスタンスとしていいのかと。これは書きぶりとして,検討会では,新配分基準が決まっても現行を使っていいんだというスタンスで,今後ちゃんと検討しますよという書きぶりになっていますが、私が思いますのは,逆に,この検討会,つまり情報公開を前提としていろいろ議論している中では,ポイントにはちゃんと新配分基準が決まったら,それにちゃんとみんな統一して経済的実態を表しましょうというスタンスで書いた上で,実務上の負担が大きいという意見もあるので,今後これについては検討したいという,そのスタンスの違いをはっきりここで皆さんの合意を得た上で書いていただきたいと。この検討会として両方認めるスタンスでスタートするのか,それとも,やっぱりあるべき論として経済的実態を表すためにセグメントをつくるんだから,セグメント情報としてちゃんとやりましょう,とはいいながらも,実務上大変ね,だから検討します,そういうスタンスにするのか,その辺は皆さんの合意を得た上で,この書きぶりについてできれば再確認をしていただきたい。この検討会の結論としての確認をしていただきたいと思います。
 あとは,それと関係するのかもしれないんですけど,34ページの施行時期についても,「改正私学法の施行日と整合させるため,7年4月から施行することとすべきである」という「べき論」を書いていますので,セグメントについても,先般,委員の意見で7年4月というのを××年としたわけですけれども,できればその辺のところは整合を取ってはいかがかなと思いました。
 以上です。
【黒川座長】  ありがとうございました。では,××から,何か事務局で御意見ございますか。整合取って××というのについて,これは各委員の意見が収れんしていないこと等もあるので,事務局としては,今日……はい,稲垣委員。
【稲垣委員】  よろしいですか。稲垣ですけども,今の御意見にちょっと関連してなんですが,私は,基本的には,あるべき基準が出来上がったらその一本に収れんすべきだという考え方です。とはいいながら,実務的・事務的なことを考えたときに,あるべき基準が例えば1年以内にできました,だからこれでやりましょうと言って,すぐやりなさいと言われても,やっぱり大学の受入れの問題とか対応の問題があるので,できたからその次の日からやりましょうというところは,今後の議論の中で出来上がったものを見た上で,どのぐらい準備に時間がかかるんだということを考えた上で,その××を検討してもいいのかなというのが1点です。
 それからもう1点,徳田委員からお話がありました2つの基準が存在する,それは実務的には非常に困難なところなんですが,私は開示の基準は開示の基準で,やっぱり補助金,助成目的の内訳表というのは別の目的ですから,なので,むしろそっちの基準自体を見直す余地があるのであれば,補助金行政の効率化であるとか簡素化の中で検討の余地があるんだったら,そちらでも御検討いただき,それは多分すぐできる話じゃないと思いますから,じゃあ,そういうことができるのか,できないのかというようなことも一つ準備期間には,例えばそれをやるのに3年間かかりますよというようなことであれば,じゃあ3年間はどちらでもいいよというのも一つの選択肢として今後の検討課題でぜひ検討いただければということで,ちょっと付け加えさせていただきました。
【黒川座長】  なるほど,分かりました。
【佐野委員】  今のにちょっと。順繰りですみません。
【黒川座長】  佐野委員,どうぞ。
【佐野委員】  ××の話なんですけど,今,委員がおっしゃったとおりで,決まりました,施行はこの検討会としては7年4月を目指すんだから,そこからやりましょうと。ただ,移行期間としてその準備期間が必要。その部分については,適用するまで例えば1年でも2年でもいいけれども,猶予を設けるというのは,いろんな会計基準の中でもやっていますから,そういう形でやるべきで,先ほど私が申し上げた7年4月というのと整合してほしいというのは,50何ページかの××に書いたところは7年の4月にした上で,その具体の基準、新配分基準をつくった後ですね,いつから全員一斉に始めるのか。もちろん前倒し適用もできると思いますけども,そういう検討は次のあるべき会計基準の詳細の検討のところでやればいいのであって,この検討会は何を目的につくった検討会かということを考えれば,私は全く稲垣委員と同じで,スタンスとしてこの検討会では書きぶりを逆転させてほしいというのがあります。
【篠原私学経営支援企画室長】  すみません,逆転のところをもう少し詳しくお願いします。
【黒川座長】  1つ目の大きな論点の話ですよね。
【佐野委員】  そうです,そうです。ポイントの方です。
【黒川座長】  そこはこれから議論しましょう。大丈夫,大丈夫。
 58ページの××なんですけど,これ,事務的なこともあると思うので,これについて事務局は,今,整合というのは,佐野委員は,令和7年4月というふうに明記というのを整合させるという意味でしょうか。
【佐野委員】  そうです,希望として。
【黒川座長】  希望としてね。それに対して違う意見があったんですけど,事務的なことでもあるので,通知の発出・法人への周知ということなので,これは,事務局としてそういうことを明記した方がいいのかどうなのかということですよね。これはワーキングの検討会次第のこともあるんですけれども。
【佐野委員】  これ,検討スケジュールですから,希望的に書けばいいわけですね。こうしてほしいということで書けばよろしいのかなと思っているんです。
【黒川座長】  そこで事務局の意見を,そういう対応が可能なのか,そこをまず決めましょう。
【徳田委員】  よろしいですか。
【黒川座長】  徳田委員。
【徳田委員】  この××というのは,我々協会からお願いした部分ですので,最初は令和7年4月1日という話でしたけども,まだ新しいものが決まっていないのにエンドを決めてスタートするというのはいかがなものかというのは,我々協会でのスタンスでございます。
【黒川座長】  そこで,今の徳田委員のことはもう何度もお聞きして,それが反映したんだけれども,佐野委員から今,それはちょっと希望を書けないのかということだったんですが,これ,何度も言いますけど,事務的なこともありますので,書けるのかどうなのかということですよね。決定的じゃないんだけれども,取りあえず目標を書けるかということなんですが,事務局としてはどうですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  佐野先生がおっしゃるように,令和7年4月にちゃんと対応がそろうところを目指すべきというところは,御意見としてはおっしゃるとおりだなと思います。一方で,これは我々のワーキンググループの回しをどのくらい手際よくできるかという,こちら側のキャパシティーとの問題にもなってまいりますけれども,その検討の場を立ち上げて検討していく,その検討に関しての意思決定がどのくらいスムーズになるのかというところ,読めない部分が実はございます。なので,事務方としては,令和7年4月って書いたのがずれ込む可能性がある時点で,そこを努力目標として書いてずれましたというよりは,こちらのままでやらせていただいてもいいのかなというふうには思っておりますが,いかがでしょうか。
【黒川座長】  稲垣委員。
【稲垣委員】  58ページのAのところは,要は,セグメンテーションはアかイかあるけど,配分基準は現行基準でいいと言っているわけですから,セグメント情報はここから始まるよというふうに解すると,ここが××だと,セグメント情報の開示がそもそも改正のスタートから開始しない可能性を残すというふうに誤解されないでしょうか。
【篠原私学経営支援企画室長】  ああ,そこはすみません,そうですね。この資料が配分基準の検討のスケジュールに重きを置いていて,セグメントの開始時期という感じでは,そういう頭がなかったので。確かにセグメント情報の開示というのは令和7年4月に始まる。そこは確実です。それは当分の間になるのか,新基準が間に合ってそちらからいけるのかというところは……。
【稲垣委員】  現行基準でも,より細かい学校別に出す大学は出してもいいよということでセグメント情報は間違いなくスタートする。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい。
【黒川座長】  そうですよね。そこで上の方,これ,黒く網かけがあるところが,会計基準は令和7年4月から新会計基準施行と明記されていて,下の方は配分基準についてという表題になっているので,先生の御心配は分かるんですけど,こちらは配分基準だけ。
【稲垣委員】  ここは配分基準なんだと読めば。
【黒川座長】  読めばですね。セグメントはちゃんとやるんだと,そういうふうに僕は読んだんです。
【稲垣委員】  という解釈でいいですよねという。
【黒川座長】  私はそう読む。ここは上の方が大事で,配分は緩んだというか,御意見があったのでという。どういたしましょうか。事務局としてはちょっと読めないのでということだったんですけど,佐野委員はいかがですか。やっぱり書いた方がいいかな。
【佐野委員】  いやいや,そこまで……。
【稲垣委員】  配分基準自体は,ひょっとしたら7年4月よりもっと早いかもしれない。
【佐野委員】  それもあるけども,ここの××の上の四角下で右に矢印が出ていて,右は新基準ができたらこうしましょうって言っているわけですね。これがいつになるかは×でもいいんですよ。だけど,このスタートの××のところは,7年4月から新会計基準を適用すべきであるという施行規則をつくっておく,検討会結論にしておきながら,××が入るのはやっぱり整合しないと思うんですね。
【黒川座長】  なるほど。徳田委員はどうですか。今の佐野委員の御意見について納得できますか。
【徳田委員】  この話は,7年の4月1日からは要するにセグメント情報というのはスタートします。これは分かります。それは私も理解して,佐野委員がおっしゃったように,新会計基準の新たなセグメントの配分基準,これをどうするかという話の選択はまだ先ですということの表示ならば,まだ理解はできます。いずれにしても会計基準は令和7年度の4月1日で,セグメント情報もどうしますかということがスタートになりますから,合算してもよろしいですという,ア,イがありますけども,アでいくのか,イでいくのかというところは,少なくとも配分基準がまだ決まっていない。また,その先になるかどうかもまだ分からないということであれば,いずれにしても,アなのか,イなのか,それとも現行の収支計算書の配分基準になるのか。要は,いずれにしても,令和7年度4月1日からスタートするということであれば,そういう解釈であれば,私もそれは理解できます。
【佐野委員】  令和7年度からやるんですよね。セグメント情報の欄を作り,そして区分は原則が詳細版,だけど,配分基準が決まっていなかったらば合計版でもいいよ,これは7年4月から開始するんですよね。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい。
【佐野委員】  ですから,そうすると××じゃない。
【徳田委員】  そういう意味では、そうです。
【黒川座長】  この「通知の発出・法人への周知」って,ここが大事で……畑さん。
【畑参事官補佐】  今の議論を集約すると,この58ページのポンチ絵ですが,その下の配分基準のところ,×××となっているのは,Aの当分の間に三角の黒い矢印があって,その下に××/××となっているのは,これは令和7年の4月から始まるんだから,ここは××ではなくて,その右側に×××を移して,Bの下に,原則・例外で,区分ア,アとあって,新基準なのか現行基準なのかという新基準策定後が来ていないとおかしいんじゃないかというのが,佐野先生の意見ということですか。
【佐野委員】  ××を右に移してわざわざ書く必要はないと思うんですけどね。おっしゃるとおり,今の××は7年4月で,考え方として右に矢印が当然出ていますから,見えない××は多分そっちに移るんだと思うけど,書く必要はあるかどうか。
【畑参事官補佐】  書く必要はともかく,その××というのは,残すんだったらそちらに移るんでしょうと,そういうことでよろしいですか。
【佐野委員】  そうそう,そのとおりです。結構です。
【黒川座長】  「通知の発出・法人への周知」というのが,これ,くっついているんですよね。それはくっついてないんですか,ここの××のところの意味として。何が行われるかという。「通知の発出・法人への周知」というのが。この内容は何を予定しているんですか。「通知の発出・法人への周知」は令和7年4月に何かしなくちゃいけないんでしょう,事務局は。これ,書いてあるんだから。だから,それは何をするんですかね,事務局は。
【篠原私学経営支援企画室長】  これは,新しい配分基準が決まった後,その配分基準について,こういうふうに決まったので,いついつからやっていきましょうというようなことを通知で発出する予定で書きました。
【黒川座長】  ああ,そういう意味ですか。そうすると,配分基準の中身なんですね。そうすると,配分基準は令和7年4月とはまだ決まっていない可能性があるということですね。まだワーキング次第。それから,この後,報告事項でありますけれども,当検討会にはそれが適宜上がってくる予定ですが。
【佐野委員】  区分とかの通知はこれ以上前に出すんですよね,7年4月より前に。アが原則で,イがありますよということは,7年4月の施行前に出して周知させているわけですよね。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい。それは,ここの黄色の世界でやらせていただきます。
【佐野委員】  何か案って分けていることに議論が出てしまうような気もしますね,上下で。
【黒川座長】  ちょっと議論がいつもより盛り上がっていますので,この後,大きな議論をしなくちゃいけないんですけども,これはまたいつものように平行線なんですが,すみません,今日は決めたい。今日はもう決めないとまずいので,事務局としては,ここは……畑さん,何か。
【畑参事官補佐】  いや,その資料の見え方がちょっとおかしいという……。
【佐野委員】  もし下の矢印というか,ポンチ絵の一等下の行を生かすんだったら,はっきり「配分基準に関する通知」とか書いてしまえば問題ないんじゃないですか。誤解は生まれないと思います。
 配分基準に関する「通知の発出・法人への周知」というのを,この後,もしくは,今,稲垣委員がおっしゃっていたけど,もっと早くできるかもしれないとおっしゃっているわけだから,その辺が分かるように,何の通知かというのを……。
【黒川座長】  じゃあ,ここは,××の代わりに文章はどうですか。「配分基準が決定したら」とか「決定したとき」というふうに書くことはできますか,ここは。××というのは前になるかもしれないとおっしゃっているわけだから。稲垣委員はそうおっしゃいましたよね。
【稲垣委員】  はい。配分基準はこういうものでつくりました,で,ここで議論いただいてコンセンサスが得られたという意味。
【黒川座長】  得られたときというのでね。
【稲垣委員】  それは7年4月より早くなる可能性もある。
【黒川座長】  だから,××って,そこまでは令和6年とか書いてあったけど,そこはそういうことが起こったときと。「決定したとき」あるいは「コンセンサスが得られたとき」という書き方はできますか。そうしたら,徳田委員も佐野委員もみんな納得できる。そういう書き方ってできますか,事務局として。
【畑参事官補佐】  それはできますが,1つだけ,当分の間の時期が書き込まれていないので,このAの当分の間の横に「令和7年4月から」とか,そういう説明が必要かと思います。これはもともと令和7年4月というところで統一されていたので今のこの形で残っているんですけども,×××になったので,当分の間が×××みたいに読めているんですが,それは違うので,当分の間は令和7年4月からというところが明示されるようにしたいと思います。それが1つと,そこを入れておけば,取りあえずその××のところを文章として,「配分基準を決定したとき」のような形にして見せると。それから,「通知の発出」のところは「配分基準の通知の発出」という形にして整理をしたいと思いますけど,それでよろしいでしょうか。
【黒川座長】  それでいかがですか。
【稲垣委員】  はい。
【黒川座長】  では,今のでいきましょう。畑さん,もう一回確認を。
【畑参事官補佐】  では,手直しし,画面共有しますのでしばらくお待ちください。
【黒川座長】  では,その間に,セグメントに関する当検討会のスタンスについてちょっと議論をいたしましょう。
 佐野委員,どうぞ。
【佐野委員】  すみません,そのスタンスの前に1つ,そのスタンスに関わることで確認をしたい。例外とおっしゃっている部分と選択適用できるア,イと,例外と,これ,どういう気持ちで言葉を分けていらっしゃるのか。その後の実務でどう影響するのか,ちょっと考え方を教えていただきたい。それによってやっぱりスタンスというのもきちんと書きやすくなるんじゃないかと。
【篠原私学経営支援企画室長】  ありがとうございます。57ページのポンチ絵のとおり,まず,区分のアというのが目指すべき方向としてあって,原則的な集約可能範囲としています。区分イというのは,「例外的な」と書いているのは,新しい配分基準ができるまでの間の例外的な集約可能範囲として提案をさせていただいたものです。この例外的な集約可能範囲というのは,こちらに書いてございますとおり,当分の間,区分アの対応が困難な場合のみ選択可能というふうに考えております。その選択可能という言葉をこちらのポンチ絵の56ページでは使わせていただいているというところになります。なので,意味するところは,基本,区分のアなんだけど,新しい配分基準ができるまでの間,区分アによれない場合というのは区分のイを選択していただけると,そういう意味で書いています。
【佐野委員】  配分基準の方は,例外として現行基準を認めるというような書きぶりになっていたと思うんですが,選択できるではなくて,例外として……。
【篠原私学経営支援企画室長】  18ページの四角の中の(配分基準)の上から3つ目のところをおっしゃっていますか。
【佐野委員】  「例外的に」というのは削除になったんですか。
【黒川座長】  18ページだと削除になっていますね。
【佐野委員】  削除になっていますね。ということは,例外的に採用するというのは全部なくなっていますか。
【篠原私学経営支援企画室長】  この当分の間は,新しい配分基準がないので,現行の資金収支内訳表の配分基準しかないんですね。なので,当分の間はこの現行を採用するという形になっています。
【黒川座長】  その上のところの(配分基準),本体の方は,「例外的な配分基準として,現行の「資金収支内訳表の配分基準」を採用する」となっています。
【佐野委員】  なっていますね。だから,例外的に配分金については採用できる基準があるよと。アとイについては選択適用でしたっけ。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい。セグメント区分のところは,今,ポイントとして書かせていただいているのはアのパターンを書いていて,本文のところでセグメント区分に関して,当分の間の取扱いとして「集約可能とする」という形で書かせていただいています。23ページのオの当分の間の取扱いの上から2つ目です。
【佐野委員】  意味,同じなんですかという確認。わざわざ用語を使い分けて,選択可能というのは,合意された基準の中でどれを採用してもいいですよ,適正ですよという中で選択できるという意味でよく使っているんですが,ふだん。
【篠原私学経営支援企画室長】  会計の基準の世界では,会計の実務の世界ではということ……。
【佐野委員】  そうですね。同じ意味と思ってよろしいんですか。これ,今のポンチ絵の方でもそうですけれども,配分基準が決まっても,新基準が決まっても,現行基準を使えるということですよね。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい。
【佐野委員】  これは選択適用じゃなくて例外適用という形なんですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  選択適用と例外適用の明確な差異を,今,受け止めかねているので,かみ合った議論になっていないかもしれないですね。
【黒川座長】  それは前も私からも,原則と例外というところ,順序関係があるんだ,階層が。選択適用と言ってしまったら,両方どっちでもいいという,それの上下関係というか,優劣というのはない。だから,そこは違う。
【篠原私学経営支援企画室長】  そういう意味では,原則と例外という関係になりますね。で,原則でよれない場合は例外を選ぶことができるという形で考えています。
【黒川座長】  それは動かないんですよね。座長としては,否定されましたけれども,それならば,例外の場合には例外を選んだ理由を書いてくださいというふうに,私,言ったんだけど,それは無理だろうということですね。そこまではいかなかったわけですけれども,一応,原則と例外という順序関係というんでしょうかね,優劣は残っているという理解でいいですか。まず,そこを確認しましょう。残っているんだと。
【稲垣委員】  それは配分基準の話ですね。
【黒川座長】  配分基準。
【稲垣委員】  セグメント区分の話じゃなくて配分基準。
【黒川座長】  配分ですよ,配分,配分。
【佐野委員】  で,この前,前の前ぐらいに座長がおっしゃったように,例外だったらば理由を書きましょうということで,私,反対して,例外としても,それを基準設定主体が使っていいんだよと認めた以上は,それを採用している理由を作成者側に求めるのは難しいんじゃないですかって申し上げたわけですね。そこで選択適用ということで会計の中で同じに解釈していいのであれば,理由を書く必要はないと思うんですよ。選択適用のものと同じ扱いであれば。ですから,文科省さんとして,優劣は分かりましたけれども,違いを求めてわざわざ用語を使い分けたのかどうかを確認したかったんです。一定期間までに限って例外的に認めますよという話だと思ってずっと聞いていたら,そうではなくて延長を認めちゃっているわけですから。
【篠原私学経営支援企画室長】  配分基準に関しては,御指摘をいただいた後,書きぶりを変えています。つまり,例外的な場合についてはどういう場合かというと,事務負担を考慮しという形で限定して書くという形に改めていますので,そこは,補助金と運用の資料と合わせて2種類作るのが事務負担上厳しいというところに関しては,例外的に現行の配分基準を使うというようなところを認めるという形にして今書いています。そこに矛盾があるという御指摘であれば,もう一度教えていただきたいなと思うんですけれども,そこはそれでよろしいでしょうか。
【佐野委員】  どちらも選択できるということであれば,会計上の取扱いとして同一に扱ってよさそうですよね。どうですか。
【黒川座長】  稲垣委員,それでよろしいんですか。私は,座長の立場はいつも言うように中立的じゃなくちゃいけないのかもしれないけれども,会計学者として,今までの流れからするとやっぱり優劣があったんだろうと。しかもそれを目指していたんだろうと思うんですよね。要するに,経済的実態を反映するような配分基準を,しかもこれからワーキングを設けるんですからね。それだったらそれを設ける意味も弱くなるかもしれないので,やはり今の段階では,ともかく応援する意味もあって,優劣関係はあると。で,頑張ってこれからワーキングで,大変だと思うんですよ,私。言葉で言うのは簡単だけど,本当に具体的なものをつくるというのは大変だと思います。あるいは基準案として示すのは。だけど,ともかく何かきちんとしたものをいろんなことをやっていきましょうということであれば,やはりそこには,目指すという目的とかインセンティブもありますので,優劣はあると私としては理解したい。
 で,今,篠原さんがおっしゃったように,しかし,事務負担があるので,それから徳田委員がずっとおっしゃっていた,いろんな方がおっしゃいましたけど,学校側にはそんなに資源がないところも多いと。そういうようなこともあるので,現行のものを認めましょうと。だから,明示されているかどうかはともかくとして,我々の検討会としては必ず,例外的なものを認めたという理由はちゃんとここには明示されていますから,事務負担ということで。これは会計学上の論理ではなくて事務負担ということなので,それも論理かもしれませんけれども,いずれにせよ,会計基準の我々会計人が考える経済的実態を反映したものではない,基準自体の優劣ではない理由で認めましょうということになっていますから,ここはやっぱり原則と例外はあると,そのように読みたいと思います。
 その上で,それはここで確認したいと思うんですよ。それ,さっき佐野先生がおっしゃった。
【佐野委員】  おっしゃるとおりです。
【黒川座長】  それでよろしいですよね,皆さん。原則と例外はあると。
【稲垣委員】  はい。
【黒川座長】  じゃ,確認いたしました。その上で,佐野先生,確認されたので,この書きぶりについては,何か……。
【佐野委員】  書きぶりというよりも,これが,注記の書き方であるとか,我々が監査人として見たときの監査上の判断に影響するような意味で文科省さんが使っているかどうかを確認したかったんです。どちらも,選択可能という言葉はじゃあやめましょう。例外的に使えるというのは,当初は,私は,未来永劫ではなくて新基準が決まるまでの例外ですよということで使っていたので納得していたんですが,これが新配分基準が決まってもずっと使っていいんですよ,例外がずっと続くんですよとなると,これは例外ではなくなっちゃうのかなと。優劣はあるというのはよく分かりますけれども。
【黒川座長】  佐野先生,さっき篠原さんが事務局として,今後の検討課題ですか,ここに何か……。
【佐野委員】  あ,入れてくださったんですね。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい,入れています。
【黒川座長】  ですから,例外的に,この現行のものも併せてワーキングで検討しましょうと。
【佐野委員】  おっしゃるとおりなので,最初の議論に戻るんですが,スタンスをどちらに置いて検討会が成文化するかというのを,その辺,どちらにスタンスを置いて書くかというのを合意していただきたいと。
【黒川座長】  そうですね,そういうことと。今,どうでしょうか。そういうことで,事務局としても,バージョン3.1ですか,今日の説明のところで急遽それも含めて検討しましょうということで,当初からの我々会計人としてのずっと考えていたものは維持されていると。そういうことで,皆さん,よろしいですか,各位。で,佐野委員が何を確認したいか,もう一回言っていただけますか。確認しますから。
【佐野委員】  ポイントのところの書き方が,まず18ページで,考え方のスタート,結論的に一緒になっちゃうんですよ,今後検討しましょうというところは。ただ,この検討会のスタンスとして,新配分基準が決まった後も現行基準を例外として認めますよ,ずっと認めますよというポイントの書き方になっているんですね。だけど,そうはいっても,反対意見もあるから検討しましょうという今後の課題になっています。そうではなくて,検討会としては,財務情報の公開,経済実態を正確に表すものとしてセグメント情報をつくるんだから,この検討会としては,あるべきとして,新基準が決まったら全員一斉に新基準,もちろん移行期間は設けるにしても新基準にしましょうというのがポイントになる。ただし,実務上の配慮を考えて,今後,現行基準を長く使えるかどうか,それについては検討しますよという立場。そういうふうに変えたらいかがかというのは2番目の考えなんです。その辺のところの議論がたしか煮詰まっていなかったと思うんですね。
【篠原私学経営支援企画室長】  おっしゃるとおり,今の論点に関しては検討会で十分な議論ができていませんでした。そこは佐野先生が,私たちはこう考えていたとおっしゃった部分ですね。新しい配分基準ができたら今までの配分基準というのはなくなってしかるべきというところを明示的な考え方として議論の俎上にのせることができなかったからになります。そこはこちらで御意向を酌みかねていた部分があって申し訳ないですけれども,なので,そこの方向性というのはどちらというところがまだ議論できていないと思うんですよね。
【佐野委員】  おっしゃるとおりです。
【篠原私学経営支援企画室長】  なので,その事務負担への配慮というのを優先するのか,あるべき基準との関係を考えたら当然シュリンクしていくべきだという方向性を取るのかということ自体の議論をワーキンググループでやらせていただく必要があろうかと考えまして,今後の検討のところに書かせていただいているというスタンスになります。
【黒川座長】  そうすると,今の篠原さんの説明によれば,この後,ワーキングでどういう提案がなされるかについては,この後,報告がありますけど,この検討会はもうちょっと続くことになりますので,そういうことになるんです,後で報告事項で。そこに適宜中間報告も求めるようになりますので,そういうことが出てきたら,もう一回,今,佐野先生がおっしゃった2番目のことがもう俎上にのる,そういう理解でいきませんか。しかし,これは徳田委員とかほかの学校法人の関係者の方々から,ともかく,どういうような配分基準になるか分からない段階で強いことは言ってほしくないというような,僕はそういうふうに受け取っていたので,ですから,徳田委員,そういうことをおっしゃっていたと思うんですよ。
【徳田委員】  そうです。
【黒川座長】  ですから,そういうのが具体的に出てきた段階で,もう一回,検討会で,それならばそれにのろうかという意見が出てくるかもしれない。あるべきものにしましょうかと。だからそこで,それまでは当分の間じゃないけども,今日のところはそういうふうに読むと。議事録にちゃんと載りますから,今言ったようなことで。それでいかがでしょうか。佐野委員,いかがでしょうか。
【佐野委員】  皆さんが合意すれば,それは私は……。
【黒川座長】  よろしいですか。
【佐野委員】  意見ですけども,何度も申し上げますが,この検討会が何で設置されて,私学法の改正,私学法に基づいて財務情報の公開を旗印にして,最初は,私学にとってセグメント情報,国大のような詳細情報はいかがなものかという議論もあったぐらいのところに,だんだん落ち着いてきて,少なくとも高等教育機関についてはセグメントを出しましょうよ,経済的実態を表しましょうよって言っているから,そういうのをポイントにした方がいいというのが私の意見です。もちろん検討はして,それがひっくり返ることもあるというのは十分承知の上です。それを,いや,このままでいきましょうというのが大方の意見であれば,もちろん結構ですけれども,まだ議論の途中にあるので,言いたいことを言わせていただいているということです。
【黒川座長】  徳田委員,どうぞ。
【徳田委員】  このセグメント情報というのは,私の団体と短大団体と,それから連盟さんしかないです,セグメント情報の話って。結局,私一人で,今日,奥村委員も欠席の中で,私は私学の代弁をしているという話ですので,今,座長が言われたように,そういう形でまとめてここで結論ありきというのは,どうしても乗れないです。実務的に我々は,現行の経常費補助金の配分では,ここで全神経を使って配分をやっているのです。前も言いましたけれども,人件費支出,教育研究経費支出,管理経費支出,施設関係支出,この間には絶対越えられない壁があるのです。1円たりとも。そういう中で我々は実務をやっているのです。それを無視して経済的なという御意見があるという中で,どうなのか分からないということで,結論ありきで,まだ決まっていないのに,やらなきゃいけない。そう考えると,やはり配分基準というのをどういう形でするのかというのをしっかりと議論して,私学の皆さんが分かったよということになるようなものになればいいかなと私は思っています。
【黒川座長】  分かりました。徳田先生の今の御意見はすごく分かっていて,途中では,それだったらば,決まるまでこの検討会も延ばしたらいいんじゃないかというようなこともおっしゃったようにも思うんですけれども,しかし,この検討会としてはともかくもう1か月延ばしているんですから,もうここである程度何とかしないと,次のステップに,具体的な経済的実態をより反映するであろう配分基準の検討に行かないので,ここはどうでしょうか,佐野先生もちょっとのんでいただいて,私が先ほど言ったように,何とか納得していただいて,本日はこのバージョン3.1に今修正したところで……。
【佐野委員】  ぜひ私学以外の方のお話も聞いてみたいですね。
【黒川座長】  そうですよね。それは分かります。持丸委員,第三者じゃないけれども,何か御意見ございますか。
【持丸委員】  私,学校法人の方が長いので,多分,実務の大変さというのはよく分からないんですけど,ルール的には,決まったものが2つ例外で走っていくというよりかは,やっぱり一本に最終的には行くべきなんだろうなというふうには思います。
【佐野委員】  それと,私,伺いたいのは,私学以外の方の,要するに社会の目として,この検討会がどちらにスタンスを置いて書く方がいいのかということ,その辺はいかが……私が聞いていいんですか,座長。
【黒川座長】  いいです。どうぞ,どうぞ。いやいやいや,僕もちょっとお聞きしようと思っていたんですよね,第三者の意見を。だから,どうぞ。
【持丸委員】  やっぱり第三者で見て分かりやすいというのは,一本化にするべき……。
【黒川座長】  もっと強く一本化ということですよね。
【持丸委員】  ええ。
【黒川座長】  今ずっとお聞きになっている一本化,この9回まで来てもなかなかできなかったので,取りあえず原則と例外という優劣はあって,この後どうするかと。検討の余地があると。
【持丸委員】  あんまり原則,例外っていろいろあると,逆に分かりにくくなっちゃうんじゃないかなと。
【黒川座長】  そうすると,一本化ということは,現行のものと,今ここの段階で言うとすると現行のものもあるわけですよ。これから経済的実態を反映したものを検討しましょうと言っているんですけれども,この検討会としては一本にすべきということですか。
【持丸委員】  いやいや,新しく基準が決まった場合に一本化するということです。
【黒川座長】  そのときには例外はもう認めない。現行のものは認めないと。
【持丸委員】  認めない,まあそうですね。
【黒川座長】  そうですね,分かりました。だけど,それについては,この検討会ではそこまではもう……。
【持丸委員】  現状はこれでいいと。この後,それも含めての話です。
【黒川座長】  この検討会は続きますので,そのときまた言ってください,一本化の方がいいとか。佐野先生,そういうことだそうですけども,よろしいでしょうか。
【佐野委員】  同じ考えですよ。ただ,すみません,私、言葉が下手なんですけど,ポイントに書くときに,この検討会であたかも将来にわたって使えることを前提とした書きぶりになっているのはいかがなものかということです。
【黒川座長】  どこがそういうふうに読めますかね。どこですか。どこを直せばそう読めなくなるんですかね。私は,さっきから言っている理解でいかがかと言っているんですけれども。
【佐野委員】  この見えづらい緑のところですかね。
(当分の間の取扱い)の3番目の丸で,新配分基準が策定できた段階で,上の(セグメント区分),(配分基準)の記載の取扱いとするということは,新基準ができた段階で原則と例外があって,例外を採用することができ,注記すればいいという書きぶりになっています。ここのところは,もしスタンスを逆転するのであれば,なくなって,新配分基準が決まったらば,この例外はもう適用できませんという書きぶりになると思うんですね。ただし,結論じゃなくて,その具体的な移行期間がどれぐらいあるのかとか,それから,現行基準を認めるのか,実務上のことを考えて使うようになるのか,ならないのか,それは今後の結論に持ち越すと。それはもう皆さんと同じ考えなんです。
【篠原私学経営支援企画室長】  今後に持ち越すというところは認識違いがないと思っています。その前段階ですね,配分基準について,例外として現行を使えるよというところにリミットを置くのかどうか。
【佐野委員】  そうです,そうです。
【篠原私学経営支援企画室長】  私は,そこについては会議で検討していないので,そこに何らかの方向性を持って書くことができないんじゃないかと申し上げています。リミットを置くという方向で軸足を置いて書くというところが難しいんじゃなかろうかと。
【佐野委員】  でも,方向性を決めていないとおっしゃりながら,ずっと使えると書いているわけでしょう。
【篠原私学経営支援企画室長】  ああ,そうですね。そこは……。
【黒川座長】  だから,先ほども言ったように,ここにはこれを書かざるを得ないと思います。なぜかというと,今までの議論で,徳田委員が今日はいらっしゃるので徳田委員と言いますけれども,やはり学校の方々からすれば,先ほどから何度も言っているように繰り返しになりますけれども,佐野先生の言っていることは分かるんですよ,大学人,会計人ですから,私としては。しかし,そうではないという意見があったので,今,佐野先生がおっしゃったようなことにはなっていなかったんですよね,この検討会は。今この9回目でまとめようという段階になったときに,その提案をされて,じゃあまた議論しましょうということは,やっぱりこの会はまだ続かなくちゃならないだろうと思います。
【佐野委員】  すみません,なっていなかったんじゃなくて,議論してないんですよ。
【篠原私学経営支援企画室長】  議論していなくて,合意しているのは,事務負担も考えて例外的な配分基準を使うというところ。
【佐野委員】  それは認めましたよね,みんなでね。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい。で,そこにリミットを置くかどうかというところが,これからの議論としてやらせていただきたいということになります。
【黒川座長】  ここをどういうふうに変えればもう少しニュアンスが弱まりますかね。でも,ここの文章を,リミットがないか,リミットがあるのかも,ここでは今の段階で報告書を出すとするとこのぐらいだと思うんですよ。私,いろんな企業会計の経験からすると,会計基準というのは,1回決まったならば未来永劫同じものになるのではなくて,佐野先生も御存じのようにしばしば改定される。それから,ASBJもこうだって,改定,改定って書いてありますよね。ですから,取りあえず本日の検討会としてはここまでを決めたと。しかし,その後,未来永劫これがずっといくんだとは……。
【佐野委員】  おっしゃるとおりです。
【黒川座長】  そういうことでいかがですか。これは今,議事録に載りますから,誰もがそういう理解だと。
【佐野委員】  いや,皆さんが,多数の方がそうだとおっしゃることであればもちろん構わないんですが,最後に言わせていただくと,決まっていないのにもかかわらず未来永劫認めるような書きぶりのポイント,ポイントというのはこのセクションのまとめですから,そういう書きぶりになっているのがいかがかなと。まだ決まっていないなら,このことについては今後の課題とするということで,新基準が決まった後も例外が適用できるのか,適用できないのか,これについてはまだ検討課題となっているということをうたうべきだと思うんです。
【黒川座長】  それは,先ほどの追加が入ったということで事務局は考えているということですよね。
【佐野委員】  考えていらっしゃると思います。私も同じ考えです。
【黒川座長】  それでよろしいんじゃないかと思うんですよ。というのは,例えばプーリング会計のときも,これは大きな会計で,企業会計の話でしたけれども,プーリング会計を日本の場合は認めたんですが,しかし,その後でやめました,国際会計基準と合わせるというために。それ,御存じだと思うんです。あれは大きかったんですけれども,そういうわけで,その後の検討でまた会計基準というものは変わる。
【佐野委員】  おっしゃるとおりです。
【黒川座長】  ですから,そのときにプーリング会計を決めておきながら,これはまだこの後変わるとか,変わる可能性があるとか,あるいは限定的に認めるみたいなことは普通書きますかね。稲垣委員,何か決めたときに,会計基準を決めるときに……。
【佐野委員】  今,基準決めているわけじゃないですよね。
【黒川座長】  いや,決めてなくても,この後,そこにそれを受けていくわけでしょう。
【佐野委員】  それに向かっていくときの道しるべで。
【黒川座長】  そう,道しるべのときであったとしても,書けますかね,先生のおっしゃるように。要するに,そうなったら,今またもう一回検討するということになったら,皆さん,団体に持ち寄って――全くニュアンスは変わる,スタンスは変わるわけですから,これは今ここでは決められませんよね。そういうふうに変えてくれという動議。そうしたら,この検討会はもう少し延ばしましょう,そうなると思います。
【佐野委員】  方向性が決まっていない2つの方向性があって,それをこのポイントのところでは1つの方向性を明記していらっしゃいます。
【篠原私学経営支援企画室長】  佐野先生の御意向としては,このポイントのところにも,例外的な配分基準の取扱いについては今後検討ということを明記する必要があると,そういう御指摘でいらっしゃいますか。
【佐野委員】  当初の指摘は反対にしてほしいと。つまり,この検討会は目的があってつくったものなんだから,経済的実態を表す基準ができたらば,そこに統合しないと,高等教育機関について大学,短大等に分ける意味がなくなるので,そういう書きぶりというか,スタートにしてほしいと思いました。しかし,それはまだ議論が煮詰まっていないということであれば,一方のスタンスをここでポイントとして書くのではなくて,中立的に書いていただきたいと。
【篠原私学経営支援企画室長】  中立的に書くとなると,このポイントのところはどんなイメージでいらっしゃいましたか。
【佐野委員】  さっき室長がおっしゃったように,今後の検討だということをここに書いてもいいと思います。新配分基準が決まった後の現行基準の取扱いについては今後の検討課題とするといったような書きぶりでもよろしいかと思うんですが。
【黒川座長】  それでは,ここに括弧書きか何かで「検討課題にする」,この追加で。そこ,後ろに検討課題だと書いてあるわけですけども。ここについて,ポイントというのは決めたことなんですけど,その理由みたいなところに書くか,あるいはポイントに書くかですけども,佐野先生の御意向を強く意識すればポイントに書いちゃうということですね。
【佐野委員】  個人的にはそうですけど,総意で決まることだから。
【黒川座長】  ともかく,後ろにあるということを,議事録を読むだけじゃなくて……。
【佐野委員】  後ろにあるのは,今後検討するというのは……。
【黒川座長】  だから,検討課題にのせたということですよね。それをこちらから引用する,それを示すという文章をどこかに入れればよろしいですか。今日の話でワーキングでの検討課題にのったでしょう。
【佐野委員】  「例外的な配分基準の取扱い」という言葉ですね。
【黒川座長】  そうです。
【佐野委員】  ええ,後ろの方に載せていただきました。
【黒川座長】  載りましたので,そこで,私,さっきから言っているように,これは検討課題になったんだと。それを,佐野先生のお話をこの枠組み,ポイントというところに書くか。書いた方が明示されると思うので,それはどちらかなんですけど,ここにともかく検討課題になると。なりますと。なっていますとか,何かそういう文章を入れればよろしいですか。徳田委員,それでもよろしいですか。検討課題になっているという事実ですから。
【徳田委員】  事実ですから,はい。
【黒川座長】  じゃあ,ここに追加すればよろしいですか。事務局,畑さん,何か理由を書けますか,ここに。枠組みのポイントに書くか。
【篠原私学経営支援企画室長】  本文には書いてあるので,多分,佐野先生の御意向はポイントに書くということと理解しています。
【黒川座長】  ポイントにね。じゃあ,ポイントに書くということでどうでしょうか。ポイントに「検討課題である」と。徳田委員。
【徳田委員】  セグメント情報は,前の原文でも1年を要するという書きぶりになっているから,それを受けてここに,今,座長が言われたような文言を入れても別に整合性が取れないというわけではないと思います。
【黒川座長】  私学の立場からすると,そういうことで納得できると。
 では,いかがでございましょうか。皆さん,いつも言いますが,私,タイムキーパーの役割で,もう毎回延びているんですけれども,今の一文をこの辺に入れるということで皆さんいかがですか。御了解いただけますか。畑さん。
【畑参事官補佐】  意見が出そろったということだとすると,この報告書案の修正,軽微なものも含めてここをちょっと修正するというので,まず,11ページのところで,これ,佐野委員からですが,2つ目の丸のところですね,「整理された」とあるのは「整理した」と変えるというところと,その次が,ちょっと飛びまして,変更のところですね。17ページ,これは稲垣委員からですが,「セグメントの情報」はちょっとおかしいので,「セグメント情報」にする。ほかの部分にもあれば,それも直すというところと,その次の18ページのポイントのところに,佐野委員から御指摘のありました,新配分基準策定後の例外的な取扱いについて認めるのかというのは検討が必要だという趣旨の文章を入れるという,これはちょっと練りたいと思います。
【黒川座長】  では,それについては座長に,もう今日の段階なので申し訳ないですけれども,任せていただいて,それについては,皆さんにもう一回,時間的余裕があれば,これでいかがかと。それで何か応答して,そういうことでよろしいでしょうか。
【畑参事官補佐】  そうですね,はい。
【黒川座長】  もう検討会開かないで決めるということでよろしいですか。
【畑参事官補佐】  もう1点ですが,ポンチ絵を修正しているので,それを画面でお出しします。
 画面の下ですが,××となったのはちょっとずれていますが,そのところにあったのを「新配分基準を決定したとき」という形にして,その下の青い矢印ですね,単純に「通知の発出」とあったのを「配分基準の通知の発出」という形に変えました。
【黒川座長】  Aの当分の間のところに入ったのね。
【畑参事官補佐】  そうですね,そこですね。そこに日付を入れております。
【黒川座長】  なるほど。
 よろしいですか,これで。より明確になりましたね,これで。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい,ありがとうございます。
【黒川座長】  では,以上の修正と,少し事務局側で練るということも含めて決定したいと思います。皆さん,よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 では,議事の2つ目,これは報告事項になります。篠原さん,お願いします。
【篠原私学経営支援企画室長】  報告事項をさせていただきます。資料の2を御覧いただけますでしょうか。
 こちらは「学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループについて」ということで,先ほど座長からも御紹介いただきましたけれども,今後,検討が必要な事項において,ワーキンググループを設けて,そちらで検討していくという形を取らせていただきたいと考えています。
 1.目的は,ざっくり申し上げて,今申し上げたことを書いてございます。
 2.検討事項に関してですけれども,(ア)と(イ)を分けています。
 (ア)は,セグメント情報における配分基準ですね。こちらに関して,人件費の配分基準,共通経費,「学校法人」部門の配分基準,こういった細かいところを実務的に詰めていく必要があると思っています。
 これと併せて,(イ)のところですけれども,その他検討が必要な事項として書かせていただいています1つ目です。セグメント情報における例外的な配分基準の取扱い,こちらも経済実態を適切に表す配分基準が見えてくると,より具体の検討,御判断をしていただけると思いますので,こちら,取扱い,リミットを設けるのかどうかといったようなところを併せてやらせていただきたいと思います。それらが一段落してからになりますけれども,その下に書いてございますセグメント情報における貸借対照表項目や収益事業の在り方,事業活動収支計算書の様式,子法人・出資による会社情報の開示の在り方,計算書類の簡素化といったもの,先ほどの報告書の後ろにも載せていたものについて,順番も含め,優先度高いものから検討していきたいと考えています。
 こちらは,有識者の先生方にワーキングの委員になっていただいて検討を行いたいと思っています。必要に応じ,有識者,ワーキングの委員以外の方にも協力を求めるということで,具体的には附属病院の関係の方からのヒアリングなどが必要ではなかろうかと考えています。
 こちらに関しては,机上配布資料の後ろに2枚ついているかと思うんですけれども,検討会の局長決定というペーパーがございまして,机上配布の68ページです。今般,委員の先生方に参加いただいている検討会の局長決定を一部変えるという形でつくらせていただこうというふうに考えています。先ほど座長からも,この検討会,まだ続きますからというお話がございましたけれども,今,画面で映っている4.ですね,検討会は,当初の予定だと11月で終わって6年の3月までとしているんですけれども,必要に応じて実施期間を延長するという形でやらせていただきたいと思います。
 今後の進め方ですけれども,資料2に戻っていただきまして,4.のスケジュール(案)のところです。令和6年1月のところですけれども,ワーキンググループのメンバーの人選と立ち上げというのはこちらで準備をさせていただきます。局長決定の下,ワーキンググループを立ち上げて,検討会の先生方に御報告をさせていただきたいと思います。その後ですけれども,できれば2月以降,ワーキンググループを開催して,論点整理と個別の論点,ヒアリングなどを進めていくということです。検討会,こちらにも中間報告を入れて,足りていない部分とか追加の論点とかがあればそこで追加をしていただいて,その後,新基準案をまとめて,改めて検討会で御覧いただいて決定をするというふうに進めさせていただきたいと思います。期限ありきではないというような御指摘もいただいていますけれども,十分な審議あるいは関係の皆様とのコミュニケーションというのを取っていきたいと考えています。その新基準に関係する検討が終わった後,その他の検討課題について順次進めていくというような形でやらせていただきたいと考えています。
 以上,報告事項の説明です。
【黒川座長】  ありがとうございました。
 1点確認なんですけれども,これ,検討課題,幾つもありましたよね。配分基準だけじゃなくて。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい。
【黒川座長】  それも併せてここで議論するんでしょうか。それとも,今おっしゃっていた,それはまた別のということですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  まず,両方やることを想定しています。
【黒川座長】  みんなやるということですね,そこの検討を。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい。ただ,(ア)と,(イ)の最初の「・セグメント情報における例外的な配分基準の取扱い」というのを速やかに一番優先度を高くしてやらせていただきたいと。
【黒川座長】  この経済的実態のものと併せてね。
【篠原私学経営支援企画室長】  そうです。
【黒川座長】  そうすると,そこでお願いは,中間報告に,やっぱりこの場に持ってきていただいて,強くここの問題は今日も議論になっていましたから,早め早めに報告をしていただきたいというのが1点と,それから,私自身は,経済的実態を反映するというのは,とても美しいし,何かできそうな感じもするんですけれども,なかなかやっぱり難しいと思います。これは事務局にもお話ししたんですが,私の経験からすると,郵政公社の会計基準のときに,私,そのとき座長じゃありませんでした,若かったので。まだまだでしたけども,あれもちょっと大変だったんです。ウォールを立てる3つの区分を,あのとき郵政省だったわけですから,郵便のところと,それから簡保と,それから銀行ですね,郵貯,ここを完全セグメントを作れと。しかも損益計算書と貸借対照表も作れと。そうなったときに,2万か所ぐらいかな,郵便局ってあるんですけれども,今だったら分かれていますが,それまで一体となってやっていたわけですから,そこをどうやって,フロア別に分けるのかとか,同じところで特定郵便局と両方やっていますから人をどうするんだと。それから,ちょっと事務局にもお話ししたんですけども,年末と普通のときだと違うでしょうと。業務の内容も違うでしょうとかね。すごく大変なんですよ。だから,恐らくそんなにきれいに決まるということもないし,しかも経済的実態を反映ということを言っているわけですから,実態をよく見なくちゃいけないとなると,やっぱり学校とか病院にヒアリングをよくしていただいて,それから委員の方々の人選も,やっぱりそこに詳しい,実務に実際にどういうふうに経済的実態が反映するという思いであれば,こういうような配分基準だったら,私の学校はそこのセグメントに投入されている物的・人的あるいは知的な資源というものが反映するような,それを財務的に測定するというのに合っているということをやっぱり確証できる人,そういう人に委員になっていただきたいし,またヒアリングしていただきたい,そういうふうに思います。それから,1か所だけじゃなくて,さっきも言ったように何か所かに聞いていただきたいと思うんですね,ヒアリングも。だから,やっぱりここは頑張って出張費とかちょっと予算も取っていただいて,1か所だけの意見では駄目です,これは。やっぱり状況がいろいろありますから,その中で判断していただきたいというのがお願いですね。
 以上です,座長としては。よろしくお願いいたします。
 では,これは報告事項なので終わり。
【佐野委員】  ちょっと軽い質問でいいですか。すみません。今まで個別の例えば減損どうするのとか,引当金どうするのなんていうのがありましたけど,それはこのワーキングでは対象にしないということでしょうか。
【篠原私学経営支援企画室長】  そうですね。今回の私学法改正の対応で拾い切れなかった論点を中心にやらせていただこうと思っていて,佐野先生がおっしゃっていただいた過去の論点というのを忘れているわけではないんですけれども,今回のワーキングでは,まずそちらを優先してやらせていただきたいと。
【佐野委員】  先送りということですね。
【篠原私学経営支援企画室長】  順番をつけてというふうに考えております。
【黒川座長】  はい,稲垣委員。
【稲垣委員】  そこに関してなんですけど,私,割かし最初の頃の回に,やっぱり会計基準はそのときそのときに応じて必要な改正を行っていくべきだから,私学法改正があったから改正するということではなく,ある程度継続的に課題を見つけて,継続的に検討を続け,必要なタイミングで改正を図っていくというような在り方検討会の在り方自体も,この延長の中でぜひ議論させていただければなと思っております。
【黒川座長】  なるほど,そのとおりですね。全くそのとおりだと思います。もう企業会計とかいっぱい変わっていますからね。公益法人も変わっているし,それから独法も変わっているし,国立も変わっているわけだから,やっぱり早急に検討した方がいい。
【稲垣委員】  長期スパンで検討すべきことと,中期スパン,短期スパン,あると思います。
【黒川座長】  そうですけど,でも,ともかく一つ一つ潰していった方がいいです。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい。
【黒川座長】  それから,今日は私学部長もいらしているので,その先にはやっぱり事業報告書と一体となって,財務的なものだけではなくて,むしろ非財務的な説明みたいなものがより学校法人には求められるし,その情報を我々利害関係者は見たいだろうと思いますので,必ずその先があると。事業報告書をどういうふうに書くのかということについても,やっぱりその先,一緒でもいいんですけども,それ,大事だと思っております。
 佐野委員。
【佐野委員】  今の事業報告書は7年4月開始までに一定の何か通知が出るというお話があったと思うんですが,そういう方向性はいかがなんでしょうか。現行の前のときの改正の通知があるじゃないですか,参考例というの。
【篠原私学経営支援企画室長】  先生,すみません,そこ,ちょっと縦割りで恐縮なんですけれども,状況を確認して,また別途お伝えさせていただいてもいいですか。
【佐野委員】  あ,課が違うんですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい,すみません。ちょっと把握できていないので。
【黒川座長】  それは私も聞いていなかったんですけれども。
【佐野委員】  7年から開始する……。
【黒川座長】  いや,独法の会計基準に僕は関係していたので,事業報告書ね。統合報告をすごく意識したんですよ。だから,あれ,いいなと僕は思っている。今,企業会計もきちんとしているところは統合報告書を結構出しているし,それから,学校も大きなところは統合報告書を出していますよね。あれなんかすごく参考になるので,もし事業報告書の何か通知みたいなものが出るのであれば少し確認していただいて,独立行政法人ですよね,あれはとてもよくできています。統合報告書を意識して作りましたから。だから,ああいうものであれば私のさっきの発言は取り下げて,あ,それはいいなと思っております。
【佐野委員】  よろしいですか。
【黒川座長】  はい,どうぞ。
【佐野委員】  ちなみに,会計士協会では前の改正のときに,事業報告書のパターンを大規模法人用,小規模法人用を作って近況報告を出しているんですね。文科省の通知は参考例として3つの項目しか載せていないで,あとは「・・・」になっている。私学法の改正のガバナンス会議のあれは,オフのときだったかもしれませんが,7年の施行に間に合うように事業報告書についても何らかの形で出しますというお話を聞いていたので,縦割りということもあるかもしれないんですが,ただ,やっぱり計算書類の方で書かないものを事業報告書で書くべきだというようなこともお互いに連携取らないと,縦割りでやっていて,あっちが書くだろうということで終わっちゃうといけないので,うまく連携していただきたいなと。
【黒川座長】  佐野委員のおっしゃったのは全く誠で,誠にそうだと思うんです。それで,ここでも少し事務局でも議論していたんですけれども,徳田委員がおっしゃって,協会でしたか,どこでしたか,このセグメントはこれで判断してもらっては困るというような案も出ていますよね。
【佐野委員】  ああ,連盟ですね。
【黒川座長】  あれを注記のところで書くというのはちょっと違和感がありますよ。むしろ一番初めの,理事長なり我が法人は,このセグメントは,収支は赤だけども,それだけ資源を投入しているんだというような説明は,むしろ一番トップのところに書くような内容だったかもしれない。そういうふうに僕も感じている。事務局もそう思って,たしかここでもちょっと載っているかもしれない。
【篠原私学経営支援企画室長】  報告書には載っています。
【黒川座長】  だから,そこはちょっと書いてあるのね,ここは注記ではなくてという。そうすると,事業報告書みたいな非財務のところのトップですよね。我が法人はここに資源を投入しているんだと。そういうようなものを事業報告書で言ってくれれば,やっぱりセット。だから,佐野委員がおっしゃったのは誠にそのとおりだと同感します。
 では,よろしいですね。
 では,最後にその他のところなんですけど,今日は私学部長がいらしていますので,私学部長から最後に御挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【寺門私学部長】  私学部長,寺門でございます。
 改めまして,今日初めて検討会議に出させてきましたけども,予定の8回を超えて9回にわたって大変熱心な御議論が,その一端を今日体験させていただきましたが,貴重な御意見賜りましたことを厚く御礼申し上げたいと思います。
 先ほど来のお話にございますとおり,ガバナンスの伴う私学法改正に伴って会計基準が法定の位置づけが大きく異なるという大きな変革の中での,今回,統一的な会計基準をつくるということで,私学行政,皆様方の御尽力をいただきながら充実してきていますが,大変大きな画期的な時期を迎えているんだということを,改めて今日,先生方のお話を承りまして感じました。
 御案内のとおり,現在,盛山大臣になられてから,中教審に対して,人口急減の時代における高等教育の在り方について議論が始まっております。また,昨今,様々な学校法人をめぐる問題もありまして,ますます学校法人が主体性を持って実効性のあるガバナンス改革を推進して透明性を保っていく,それを通じて,学校法人が本来持っている公教育の担い手,研究,また地域社会等への貢献等の役割を果たしていくということが大いに期待されると思います。こういった中で,各先生方には,もちろんそれぞれのお立場もありますけれども,その原点に思いをいたしていただきまして,様々な立場から貴重な御意見を熱心に交わしいただきまして,今日,一任ということでおまとめいただいたと思ってございます。
 今後は,所要の手続を我々も進めますけれども,さらに今回,ワーキンググループをつくっていただいてまた議論を継続しいただきますので,引き続き御協力を賜れればと思ってございます。
 改めまして,皆様方に対して御礼申し上げますとともに,引き続き御助言をお願い申し上げまして,粗辞ではございますけども,御礼といたします。本当にありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
【黒川座長】  丁重な御挨拶をいただきまして恐縮でございます。
 それでは,事務局より事務連絡がございますか。では,お願いします。
【畑参事官補佐】  冒頭でも申し上げましたけれども,本日の会議につきましては議事録を作成いたしますので,後日,確認のメールをお送りしますので,御確認いただきたいと思います。
 以上でございます。
【黒川座長】  はい,分かりました。
 それでは,学校法人会計基準の在り方に関する検討会はひとまず今回のまとめをもちまして終了といたしますが,先ほど事務局から御説明ありましたように,来年の3月では終わりませんので,引き続き,皆様お元気で,また活発な議論を皆様方とさせていただきたいなと思っております。
 それでは,各委員におかれましては,御多忙中にかかわらず,今まで,しかも本日も年末のこのときに御協力いただきまして,誠にありがとうございました。お疲れさまでございました。ありがとうございました。
 

―― 了 ――

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高等教育局私学部参事官付