学校法人会計基準の在り方に関する検討会(令和5年度)(第8回) 議事録

1.日時

令和5年11月30日(木曜日) 14時00分~16時30分

2.場所

中央合同庁舎7号館東館(文部科学省)15階 15F1会議室
※オンライン会議とハイブリッド形式

3.議題

  1. セグメント情報の検討まとめ・配分基準の検討スケジュールについて
  2. 注記事項について (子法人注記)
  3. 全体のまとめ
  4. 私学法監査の範囲について
  5. 助成法に基づく書類提出・監査の範囲について
  6. その他

4.出席者

委員

稲垣委員、内野委員、奥村委員、黒川委員、嵯峨委員、佐野委員、志賀委員、徳田委員、南部委員、前鼻委員、持丸委員

文部科学省

村上参事官、篠原私学経営支援企画室長、畑参事官補佐、今井専門職

オブザーバー

小林日本私立学校振興・共済事業団私学経営情報センター長、寺澤愛知県県民文化局県民生活部学事振興課私学振興室長補佐(代理出席)

5.議事録

【畑参事官補佐】  それでは,開会前ですが,配付資料の確認と議会運営上の留意点について御案内いたします。今回は,対面とオンラインのハイブリッド型で行います。
 本日の資料,参考資料,机上配付資料は,昨日送付させていただいております。資料送付が直前となり,大変申し訳申し訳なく存じます。対面で御出席の先生方には,印刷したものを机上にセットしております。議事次第に記載のとおり,資料1-1から4となっております。また,対面で御出席の先生方には,配付資料,参考資料を机上のiPadに格納しております。資料が足りないなど不備がございましたら,事務局にお伝えください。
 それから,会議運営の留意点ですが,本日は議事1を約30分,議事2を約30分,議事3を約50分,残りの議事4から6を合わせて5分程度というふうに予定しております。時間が限られておりますので,御発言は簡潔にいただくということで,円滑な進行に御協力をお願いいたします。
 対面で御出席されている方への会議運営上の留意点ですが,発言の際は挙手をお願いいたします。発言はオンライン参加されている方のために,中央にあるスピーカーで音声を拾っておりますので,ハウリング防止のため,iPadの音声についてはミュートは解除しないようお願いいたします。
 オンラインで出席されている方への留意点ですが,御発言の際は画面下にございます挙手ボタンを押してください。座長が指名しましたら,ミュートを解除して御発言ください。ハウリング防止のため,発言時以外は音声のミュートは解除しないようお願いします。
 なお,対面・オンラインにかかわらず,発言の際は,気持ちゆっくりめで発言をお願いいたします。
 本日は,奥村委員,西岡委員,オブザーバーの私学事業団・小林センター長がオンラインでの出席となります。また,藤井オブザーバーの代理として,寺澤愛知県県民文化局県民生活部学事振興課私学振興室長補佐が御参加です。事前のメールで案内しておりますが,退館の際は職員が2階まで誘導いたします。職員数の関係上,複数にまとめて御案内させていただきますので,よろしくお願いいたします。
 また,途中退席される方は,エントランスまで御案内しますので,事務局にお声がけください。
 最後に,本日の会議は非公開ですが,会議資料と議事録につきまして,委員の皆様に確認の上,後日,文部科学省のウェブサイトで公開する予定でございます。
 以上でございます。
【黒川座長】  畑さん,ありがとうございました。これより,令和5年度第8回学校法人会計基準の在り方に関する検討会を開催いたします。本日は,お忙しい中,本検討会に御出席いただき誠にありがとうございます。
 本日の議事は,先ほどの御説明も少しありましたけれども,審議事項として,「セグメント情報の検討のまとめ・配分基準の検討スケジュールについて」,それから2番目,「注記事項について」,3番目,「全体のまとめ」。また,報告事項として,「私学法監査の範囲について」,「助成法に基づく書類提出・監査の範囲について」,「その他」となっております。
 それでは,議事の1つ目,「セグメント情報の検討まとめ・配分基準の検討スケジュールについて」です。まず,事務局より御説明をお願いいたします。
【篠原私学経営支援企画室長】  事務局より説明いたします。資料は,1-1と1-2を使用いたします。2ページからです。資料1-1は,これまでの会議でセグメント情報に関して合意させていただいた事項を紙に整理し直したというものになります。セグメント情報に関しては,以下の区分・配分基準で開示を進めることで合意と書いてございますけれども,観点としては,区分と配分基準,2つがございました。
 区分に関しては, 4ページ目,例丸1 と,例丸2 というものがございます。上が「原則的な集約可能範囲」,例丸2 が「例外的な集約可能範囲」としておりますけれども,こちら,例丸1 の対応原則としていくんですけれども,例丸2 に関しては,当分の間,選択が可能というふうにさせていただいております。当分の間というのは,次の配分基準に関わる部分ですけれども,経済実態をより適切に表す配分基準が策定されるまでというふうになっております。
 配分基準に関しましては,原則としては経済実態をより適正に表す配分基準を作っていく必要があるだろうということになりました。ただ,こちらは新基準と書いてございますとおり,今はありません。これを検討するために一定の時間が必要で,こちらには1年程度というふうに見込んで書いております。そこを作っていくまでは,こちら,下に例外と書いてございます,現行の資金収支内訳表の配分基準,現行基準を使っていこうと,そのようにさせていただいたと思います。今後の対応関係,時間軸で整理をしますと,その下の図になります。当分の間,経済実態をより適切に表す配分基準が策定されるまでの間は,例丸1 の区分と配分基準は現行のもの,例丸2 に関しても選択可能というふうにさせていただくと。B,経済実態をより適切に表わす配分基準というのができましたら,こちらは,区分は例丸1 に寄せていきまして,配分基準は原則として新基準にしていただくと。ただ,大学の御判断で,現行基準で引き続きやるというところも残すという形に,させていただいています。
 こちら,新基準の検討について,どのくらいかかるか,約1年程度というふうな見込みを立ててございます。そちらの検討が仮に順調に進んだ場合というのは,施行に間に合えば,こちらのBからの対応ということもあり得ますので,こちらは注書きで書かせていただきました。ただ,検討に際しては,きちんと時間が必要なものをちゃんと見ていくという部分もございますので,こちらは時間期限ありきではないというところを申し添えさせていただきます。
 1ページ飛びまして,今後のスケジュールに関して御説明をさせていただきます。スケジュールに関しては,上の段が会計基準の今の検討会をしているというところです。こちらの検討会が終わった後は,省令の改正と,通知の発出,法人への周知というのを準備していくというのが,これまでのスケジュールでございます。
 こちら,ブルーの矢印を下っていただきまして,配分基準に関してのスケジュールを新たに重ねています。この配分基準は,検討会が終わった後,この経済実態に応じた配分基準を新しく検討していくための場を立ち上げて,検討をしていくということを予定しています。そこから,検討が終われば,通知の発出や法人への周知ということ,あとは準備期間を経て新配分基準によるセグメント情報の開示というような形で進めさせていただきたいと考えています。
 次,資料の1-2の説明に移らせていただきます。こちらは,セグメント情報の規定イメージになります。これは,第3回で1回お示しした資料に,議論の結果を踏まえて追記をしているという形になります。
 まず,学校法人会計基準,こちらの規定に関しては,計算書類の注記というカテゴリーを作って,計算書類には次に掲げる事項を注記しなければならないとしている中に,学校法人の部門別の情報という記載を入れる。学校法人会計基準の方はこのシンプルな形とし,その詳細を文科省通知でお示しするという形にさせていただきたいと思っています。
 当分の間と,新しい配分基準ができた後というところで取扱いが変わってまいりますので,まず,ここ(1)のところは,当分の間に関しての通知のイメージとして書いています。学校法人の部門別情報の注記の追加をしましょうというところです。「1.」に関しては,共通に表示すべきセグメント区分,丸1 ,丸2 ,丸3 は,私立大学と,丸2 が丸1 以外の私立学校,私立専修学校及び私立各種学校,丸3 が病院,丸4 にその他というところを追加しています。
 その後,その他の区分は,上記丸1 ,丸2 ,丸3 のいずれにも該当しない収支を計上することとか,その他,ただし書の部分などは,会議で御説明させていただいたとおり書き込んでございます。
 「5.」は,上記丸1 ,丸2 ,丸3 の表示すべきセグメントが,1つの法人に関しては,セグメント情報の表示を開示できるということであるとかの記載。「7.」は,配分基準について書いてある部分です。1行目の後半に,「原則として経済実態をより適切に表わす配分基準により配分する」とございます。ただし,例外として,昭和55年通知――こちらが現行の基準ということになりますけれども,そちらに記載の計上方法を採用することができるというところを明記してございます。
 その次に,ローマ数字のⅡとして,当分の間の取扱いを書かせていただいています。こちらも,「1.」の後ろ,「2.」ですけれども,経済実態をより適切に表わす配分基準が策定されるまでは,上記「Ⅰ.」,共通に表示すべきセグメント区分丸1 ,丸3 を集約可能とすることとございます。こちらは,先ほどポンチ絵でも見ていただきました,例丸2 の形の表で対応することができますよと,そのような書きぶりになっています。
 その次,8ページですけれども,こちらが注記事項の記載例として書いてございます。例丸1 と例丸2 ,それぞれ表として示させていただいているというところです。
 最後,9ページです。9ページは,(2)として,「B『経済実態をより適切に表す配分基準』策定後」の通知改正後イメージということで書かせていただいています。けれども,こちら,まだ何をどこまで書くかというのはあまり詰められていない,今後決まってくるという部分ですので,あくまでもイメージということで御覧いただければというふうに思います。
 その後ろ,10ページ以降は,第3回の資料,どのようなものをお示ししたかというところをつけさせていただいているのみですので,説明は省略させていただきます。説明は以上になります。
【黒川座長】  ありがとうございました。それでは,意見に入る前に,日本私立大学協会及び日本私立大学連盟から,セグメント情報の開示に関する意見をいただいておりますので,徳田委員,奥村委員から御説明をお願いします。まず,徳田委員,お願いいたします。
【徳田委員】  ありがとうございます。私から,前々回,御提示された内容について,当方から御提案申し上げましたけれども,結局採用にはならなかった部分がございます。改めて今回,日本私立大学協会として,開示のセグメント情報に関する意見ということで,書面を提出させていただきました。
 ということで,このA4,1枚ですので読ませていただきたいと思います。
 今般の私立学校法改正に伴い,「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」において,セグメント情報開示の方向性を定めるに当たり,私立大学の視点から再度意見を申し上げる。
 今回の検討会では,セグメント情報の区分方法について,拠点区分別(設置学校・附属機関別)を採用し,開示する方向で検討されているが,本協会では,セグメント情報は学校法人の経営管理の側面において重要な指標であるものの,改定することによって必ずや表面的な数値が先走りし,マスコミ等による風評被害(学生運動や廃止論)を誘発するなど,多くの弊害を生むことを懸念している。また,区分方法と併せて検討されている配分基準のいかんによっては,病院の有無など,学校法人の形態によって及ぼす影響(私立大学等経常費補助金の配分方法を含む)が異なってくるのではないかと憂慮している。
 以上のことから,本協会としては,セグメント情報の開示について反対の意向であることに変わりはないが,今後も開示を前提に検討するのであれば,本検討会の取りまとめにおいては,現在示されている「セグメント情報の開示イメージ(修正案)」の例丸3 を原則とすることで留め,それ以上の情報開示をするか否かについては,各学校法人に委ねることにするなどして,本検討会での取りまとめ以降,配分基準を含め引き続き十分かつ慎重な審議を重ねる必要があると考える。
 加速度的な少子化の進行等により,私立学校を取り巻く経営環境は一層厳しさを増す中において,一部の大学を除き,物価変動等を加味した学費値上げは困難であり,部門ごとの採算を取ることが厳しい状況下において,それぞれの学校法人は、法人全体を俯瞰し経営の健全化を図るべく,各法人の経営方針のもと,学校運営を行っていることにも十分配慮をされたい。
 ということで,今回,書面にて協会としての意見を提出させていただきました。以上でございます。
【黒川座長】  徳田委員,御説明ありがとうございました。続いて,奥村委員,お願いいたします。
【奥村委員】  注記事項,セグメント情報の注記の追加についてということで,私大連盟の名前で御意見を差し上げます。同じく,読み上げさせていただきます。
 日本私立大学連盟としては,既に第3回検討会への意見において申し上げているように,ガバナンスコードにおける透明性の観点から,何らかのセグメント情報の作成・公表を進めることが望ましいとしております。好ましからざる弊害を抑止し,ステークホルダーへの説明責任をよりよく果たすべく,適度で適切な制度設計を求めております。
 そもそも学校法人のセグメントは「事業拠点別の内訳区分」にすぎす,企業会計のような「独立採算単位(法的経済的実体)の区分」とは異なっており,これに対して業績評価(採算性)や,資源配分(事業の選択と集中)といった企業会計目線を招くことは,ステークホルダーを誤導しかねない。これを回避する説明を,区分方法とともに行っておくことが肝要である。
 これまでのセグメント情報の開示に関する議論では,セグメント情報の開示による「表面的な数値の先走り」「風評被害」等の弊害が指摘されてきた,その点が常に開示反対の主たる論拠であったことは,これまでの議論で明らかである。特にインターネットでの計算書類の公表を求められる大臣所轄学校法人においては,セグメント情報が「何人も」知るところになるので,伝わりようによってはステークホルダーの誤解や誤導を招くおそれがあることは事実である。
 また,入学政策上の必要から,あるいは認可において義務づけがなされている等の事情により,設置されている附属校・附置研究所・附属病院等については,法人・大学・学部等と一体不可分の拠点・組織として認識されている。それゆえ,それ自体としての収支均衡は問題とされず,より大きな単位組織の一環として管理・運営され,今後も維持されることが当然視されている場合が少なからずある。
 さらに今後,経営困難になった組織(法人や学校)を,別な学校法人がグループ内に吸収し,その維持・発展を図るという場合が想定される。この場合,教員組織整備やキャンパス整備等の先行投資により,吸収したセグメントの短期的な収支均衡が図れず,全体的・長期的な収支均衡を期して運営を続ける必要がある場合も少なからず生じるだろう。
 このような事態も想定し,不必要なガバナンス上の負担を生じさせないためには,次のような「断り」をセグメント情報の注記に加えてもよいことにしておくことが,セグメント情報開示の促進に資するのではないかと思われる。「仮に一部のセグメントが短期的に収支均衡を欠いていたとしても,当該セグメントは当学校法人の経営において不可分な一部を担っており,全体的,あるいは長期的な収支均衡を期して運営を継続するものである。なお,当法人の収支均衡は全体として健全な水準で維持されている。」
 このような「断り」を必要であれば,セグメント情報の注記の「1.」の後か,「2.」の後に付記しておけば,セグメント情報の開示による風評被害,あるいはガバナンス上の不必要な負担を軽減できるのではないかと考えられる。
 なお,上記の「付記」は,既に「第3回資料3」の「注記事項記載例」の「(注)1.」で言われている,「セグメント情報は拠点区分別(設置学校・附属施設別)の収支情報内訳を示すものであり,理事会が経営資源の配分の決定及び業績を評価すること等を目的とした財務情報ではない」という内容を,別な側面から言い換えたものである。ゆえに「屋上屋を架す」「重複である」とも考えられますが,「表面的な数値の先走り」「風評被害」等の弊害を抑止し,説明責任を果たす上での一助となり得る。
 学校法人の独自の建学理念に基づく経営意思決定をセグメント情報開示が妨げる働きをするとすれば,制度設計としては本末転倒である。情報開示によりステークホルダーとの対話が進み,創意あふれる事業展開が促進されるものとして充実が図られることが大切である。
 以上。
【黒川座長】  奥村委員,御説明ありがとうございました。それでは,ただいまの徳田委員,奥村委員からの御意見,事務局からの御説明に関して,御質問,意見がございましたら,お願いいたします。
 ちょっと座長から。ポンチ絵の例外的な集約可能範囲というのが,セグメント情報の開示イメージにありましたね。それのところで,確認ですけれども,本文の方は原則的な区分の大学,短期大学,高専,これを丸1 ,それから病院を丸3 と書いてあって,当面の間,丸1 ,丸3 が集約可能と。そうすると,それをポンチにすると,例丸2 のところの大学,短大,高専はこの一覧にあるんですけれども,文章では病院も一緒にしていいと書いてあったと思うんですけれども,病院がこっちにはない。それは何か意図がありましたか。
【篠原私学経営支援企画室長】  すみません,説明が足りていませんでした。申し訳ございません。ここは,病院が大学の中に溶け込んで,文字としても出てこないというような形になってございます。
【黒川座長】  その文章の方と,これが合っているということですかね。文章の方は,病院もちゃんとあったんだけれども,ここはないというのは,今の溶け込んでいるというのは。
【篠原私学経営支援企画室長】  大学の方に病院もまとめると,それは大学・病院ではなくて,大学という形でここに表記をされているので。
【黒川座長】  ああ,じゃあ,ここでは下の大学というのは,上の方の大学とは違う定義ということなんですね。
【篠原私学経営支援企画室長】  病院がある場合は,おっしゃるように病院も含んだ形でここに記載してもいいと。
【黒川座長】  病院がある場合はね。そうすると,短期大学と高等専門学校もある場合はということですよね。でも,こっちの方には,短期大学と高等専門学校がない場合でも,下の例外のところには,大学,短大,高専と書いてあるんですよね。ということがあったので,一応確認で,病院は,もちろん本文を読めば,こっちの方に一緒にするんだよというのは分かるんだけれども,まさか「その他」の方にはしないでしょうねという。「その他」の方にすることもあり得るんですか。でも,「その他」の方の定義は,本文だと,丸1 ,丸2 ,丸3 の病院まで以外のものを,たしか「その他」と書いてありましたね。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい,そうです。
【黒川座長】  だから,「その他」の方には入りづらいんですけれども,「その他」の方に入れてもいいというふうに,このポンチ絵だと病院が書いてないので,ちょっと確認です。
【篠原私学経営支援企画室長】  病院を「その他」に入れるということは想定してはおりませんでした。そこが分かりにくいということに関しては,説明と資料のつくり方が不十分だったということで,御理解いただければと思います。
【黒川座長】  それについては,病院を下の方の高専のところに「・」を入れるかどうか,ちょっと検討だけお願いするということでよろしいですか,事務局に。
【篠原私学経営支援企画室長】  見える形でということですね。
【黒川座長】  それが問題なければ,どうですかという。今日はまだ意見を言えばいいので,事務局の方で御検討だけお願いします。
【篠原私学経営支援企画室長】  分かりました。
【黒川座長】  どうぞ,内野委員。
【内野委員】  内野でございます,すみません。例丸2 の例外的な方では,全部学種が列記されていて,例丸1 の方は,学種と,その他以外に病院という新しいのが出てきているので,多分,今座長がおっしゃったのは,そこが。
 今までは,病院は学校種じゃないので,どこかに入るのが当たり前だという,私たちは認識でいたかと思うんですが,今回,病院は独立して,学校種じゃないところに,その他でもないところに,1つだけ病院というのができたので,それが分かるように記されているといいのかなという気もするんですが。
【篠原私学経営支援企画室長】  すみません,そこも過去の議論を飛ばして説明を差し上げてしまったので,申し訳ありませんでした。附属機関の中でも,病院に関しては,経営規模や診療報酬体系とかが特殊であるということから,セグメントとして立てるのが望ましいかろうというようなお話をしていただいたのを踏まえて,こちらを立てているという形になります。なので,こちらはこのままでよろしいかなと思うんですが,よろしいでしょうか。
【黒川座長】  ほかに意見,ございますか。佐野委員。
【佐野委員】  質問が1つと,意見1つ。
【黒川座長】  お願いします。
【佐野委員】  質問は9ページなんですが,資料1-2の9ページの(2)の最後の丸で,経済実態,配分基準の策定に伴って「当分の取扱い」は廃止,これは文書のとおりかと思います。そうしますと,配分基準,新基準ができた後も,例外的な配分基準,つまり現行の配分基準は廃止せずに残るという理解でよろしいですかというのがまず,質問です。よろしいですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  そこは,そのように想定をしています。
【佐野委員】  それから,意見ですけれども,今,やはり公表主体であるところの大学法人さんから,積極的な賛成意見が出ていないようにも思える。いわゆる出すことに意義はあるけれども,弊害もありますよということが書いてあるので,検討会のまとめには,やはりその思いを文字化して残していただければいいなというのが,私の意見です。以上です。
【黒川座長】  ありがとうございました。ほかに御意見ございますか。徳田委員。
【徳田委員】  中身について,文章については協会の意見は申し上げましたけれども。それに連動して,この4ページ目のところですけれども,学校法人の準備期間というのを,もう既にある程度,私の方からスケジュール的なものをお示しくださいということの御提案をさせていただいた中で,まだ新しい基準ができてない状況において,移行期間,準備期間というものをここで表示すると,それが確定みたいな話になると思います。
 ということで,新しいものができた段階で,どれくらいの移行期間が必要なのかどうかというのを,もう一度ここで議論するような形のコメントを残していただきたいなと思います。
【篠原私学経営支援企画室長】  ここに関しては,今どのくらいという,月単位なり,年単位というのはちょっとまだ分からないので,空白にしてございますけれども,どういった記述を入れるべきかというイメージがつかなかったのでお話いただけますか。
【徳田委員】  新しい配分基準というのができることによって,どの程度それぞれの学校法人,大学にとって負担があるのか,ソフトな開発とか,いろんな部分を含めて,どの程度の負担になるのかというのは全く見えない状況ですので,そういうものの基準ができた段階で,いま一度どれくらいの移行期間というものを設けるか,そこでもう一度,この確認といいますか,議論をするというふうなコメントをここで残していただきたいなと思うんですけれども。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい,そのような御意見があったということは議事録に明確に残させていただきます。
 今いただいたお話について,御相談なんですけれども,その基準を検討していく中で,実際,大学,現場でどのような事務負担が出てきて,どういうぐらいの準備期間が必要かというのを,基準の検討と同時並行で進めさせていただくというようなことは難しいでしょうか。そちらの方が,それなりの対話というか,必要なやり取りができて,お互い合理的かなとも思いますが、いかがでしょうか。
【徳田委員】  そうですね,個々の問題を詰めながら,それによって解決できるもの,そうでないもの,時間がかかるものを含めて,仮につくったとしても,それを各学校法人に導入していくというのは,最終的には新しい基準によるものか,資金収支内訳の基準によるのかという,基本的には2者選択の話になるわけです。ということは,2つ,助成法の観点からいうと現在の資金収支の部門別の配分基準はやらなきゃいけない話です。それで,もう一つは,新しい基準によるものでやる。これがある部分はどのようなものなのか。
 片一方は,必ずやらなきゃいけない配分と,そうでないもの,新しいものが両方できるかどうかという部分もございます。資金収支の配分は私学振興助成法に基づくもので行うと,正確なものに表わしてないという,学校法人としてはジレンマが出てきます。
 ということなると,新しいものについて,どの程度,移行期間というのか,それが必要なのかというのは,協会としては申し上げたように,学校会計基準ができてから五十数年たっている中での経営というのは,全体を見回しながら経営してきたという歴史的背景がございます。
 ということで,新しい基準の中で移行し公開するということに対して,やはりある程度の相当の移行期間というものを,中身によっては必要なんだろうと思います。ここの書面においては,そのような形での柔軟性を持った形にしていただけるといいかなと思っているんですけれども。
 ここでは,早く終われば7年の4月からしますと,このような話にもなっているわけですから。
【黒川座長】  4ページのこのスケジュール表を見ますと,7年4月に通知の発出法人への周知があって,あと学校法人の準備期間があるんですけれども。
【徳田委員】  1年までですよね。
【黒川座長】  いや,ここの表だけ見ると,1年とは何も書いてない。ただ,本文に,できれば令和8年4月というようなことは,ちらっとどこかに書いてありましたかね。
【篠原私学経営支援企画室長】  記載がありましたが,そこも修正もあるので,今日,この後,説明を差し上げるところでした。
【黒川座長】  修正もね。ですから,ここは,令和8年というのは修正するということですので,まず1つ,そこは,準備期間は1年とは限っていない。それから,今,篠原室長からの御提案があった,通知の発出の前に,配分基準を審議する段階で,各現場の御意見を伺うと。それに応じて,徳田委員のおっしゃっている御心配はありますけれども,どのぐらい,1年なのか,2年なのか,そういう意味で分かってくるかもしれない。
 今の段階だと,徳田委員のおっしゃっていることも,そうなるかどうかもまだ分からないわけですよね。だから,これ以上議論しても,それはしようがないので,ともかく,そこはもうそこまでにしておいて,篠原室長の御提案は建設的だと思うんですけれども,配分基準の検討段階で,それぞれの学校の方々の意見も踏まえつつ,準備期間及び配分基準の中身,これを同時並行で検討していくと。
 これは,普通,企業会計の方も,いつから発行するかということについては,やっぱり念頭に置きつつ,会計基準を決めるときに,各利害関係者からの意見を基にして,1年ぐらい置くのか,2年にするのかというのは決めることでもあるので,そういうことでいかがでしょうかね。そういう事務局の建設的な御意見を受けて。
【徳田委員】  そうしましたら,配分基準は,令和7年4月に間に合えばやりますよというのを無くしていただければありがたいです。
【篠原私学経営支援企画室長】  分かりました。ここ,「令和7/4」と書いてあるところは,××ぐらいにしておいて,いつか明示しないようにしておくということですね。
【黒川座長】  そこも。いいんですか,それで間に合いますか,私学法の方から。
【篠原私学経営支援企画室長】  令和7の4月から改正私学法は施行になります。会計基準に関しても,こちらは,新会計基準の施行というところは,全体としてはスタートいたします。ただ,配分基準に関してのみ,例外を設けて対応している間に,新しくしかるべきものを検討するという形になります。
【黒川座長】  なるほど,分かりました。というわけで,そうしたら,この令和7年4月というのも,ちょっと取っちゃって,××ぐらいで。それでよろしいですか,そういうことだと。
【徳田委員】  はい。
【黒川座長】  ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。
【内野委員】  度々すみません,幼稚園の内野でございます。会計基準のセグメント情報じゃないんですけれども,新会計基準のスケジュールである,これ第1回目のときにもちょっと申し上げたんですが,令和7年度の予算が新会計基準で行われると。これ,令和6年度中に旧基準の理事会,評議員会で作成することになるじゃないですか。令和6年度中に,この新会計基準を作るのに当たりまして,それはそれでいいと思うんですけれども,実際は7年度に使われるものなので,6年度中,まだ施行前ですけれども,これで出すよということであれば,そうなんでしょうけれども。
 何せ,幼稚園単立の学校法人さんのお願いしている公認会計士さん,あるいは会計事務所さんが,すべからく学校法人の会計に対して詳しいというわけでは,残念ながらなくて,例えばこれにキャッチアップできるかどうかというのが,多分都道府県さんも大変危惧していらっしゃるところだと思うんです。
 例えば,仮に6年度中に旧基準で出して――これ知事法人に関してですけれども,知事所轄法人で,各県ごとの裁量で出しておいて,後から訂正するとかということが可能なのかどうか。
【篠原私学経営支援企画室長】  そうですね,テクニカルには,会計書類に限らず,後で訂正するという道が全くないわけじゃないんですけれども,あらかじめそれを見込むというのを,こっちでオーケーというのはちょっと違う気がいたします。
【内野委員】  どうなんでしょうか。
【篠原私学経営支援企画室長】  あとは,ちょっと逆に質問なんですけれども,会計基準を作って,今恐らく通し番号5ページ(資料1-1・4ページ)の上のスケジュールで準備期間に間に合わないものというのは,実際にやっていただいた会計処理をどうアウトプットするのかという,使った後のお金の表へのはめ方の部分なんですよね。そこが分からないことで,予算を作ることにどのくらい影響するだろうか。
 事務局としては,そこまで影響はないんじゃないかと思っておりましたので。
【内野委員】  私どもも,大して影響ないと思う。学校法人会計に精通している会計事務所さんはたくさんあるので,そういうところを使っていらっしゃるところはいいんですが,ちょっとこの間も出ましたけれども,企業にぶら下がっている法人さんであったりとか,宗教法人立さんの法人さんであるとか,なかなか学校法人会計に精通していらっしゃらない先生方のところは,私,東京都なんですけれども,東京都が会計基準が変わるたびに,なかなか思うような,都が想定しているような書式になってくれなくて,その都度,訂正というのが出てきたりするんですけれども。
 今回,かなり大きいので,どういうふうな。
【黒川座長】  分かりました。稲垣先生,ちょっとこれは,会計プロフェッショナルの資質と,能力と,努力,こういう問題まで基準で決めるかどうかという。
【篠原私学経営支援企画室長】  基準では決めません。
【黒川座長】  あるいは,そういう問題も。基準で決めることはないかもしれないけれども,それを報告書にそういうことまで書けるかという。どうですか,稲垣先生,公認会計士協会に。
【稲垣委員】  今の経過措置の話は予算だけの話ですか。
【内野委員】  決算は多分1年間あるので,大丈夫だと思うんですね。
【稲垣委員】  1年間,準備期間を作るのだから,当然,その新年度は,新しい基準でやれるべきだし,決算を作成する責任は外部の会計士にあるのではなく,学校法人にあるのが筋ですから,そこは外部ができないから,できませんというのは実態的にはあるのかもしれませんけれども,このような場で議論する話ではないというふうに思います。
【内野委員】  分かりました。危惧をしているということと,このような場で話すことではないかもしれないですけれども,実態としてはそういうことを,各都道府県さんが直面するんだろうなと思うと,処理する方々の顔が浮かんでくるので,行政側の顔も浮かんでくるので,困っちゃうだろうなと思って言ったところでございます。
【黒川座長】  稲垣先生,ちょっと公認会計士協会として。
【稲垣委員】  今,都道府県の対応というのは,どういう。自治体の所管課が新しい会計基準をキャッチアップできるか。
【内野委員】  それは問題ない,それはもう既に始めて準備をしていますので,それは問題ないんですが,各法人から出てくる書類をチェックするときに,またこれかということがあるのかなと。
【篠原私学経営支援企画室長】  そこは,周知を,稲垣先生,JICPAであったり,都道府県であったりと協力しながら,しっかりさせていただきたいと。
【内野委員】  稲垣先生がおっしゃる,本来は学校法人がやるべきことだというのは重々存じ上げていて,ただし,多くの単立法人は,会計事務所に会計のことについてはお願いをし,監査は監査する公認会計士さんに、監査はいいんですけれども,会計事務所にお願いするということが多うございますので。
【黒川座長】  では,稲垣先生,よろしく研修会等,周知徹底していただきたいと思います。
【稲垣委員】  はい,会員向けの研修は徹底しますし,各地域の自治体,所管課にも,協会の地域会等を通じたコミュニケーションを図っていきたいというふうに思っております。
【黒川座長】  ほかに御意見ございますか。
 ありがとうございました。それでは,今いただいた幾つかの御意見を踏まえて,整理していただきたいと思います。事務局,畑さん,ちょっと整理していただけますか。
【畑参事官補佐】  まず,準備期間のところについては,通し番号の5ページの,ここの配分基準の下にあります矢印のところの,令和7年4月というところは,ここは××という形に変更して,ここはそういう形にするという話。
 それと,配分基準を作成するときに,準備期間と,その配分基準の中身を同時並行で決めていくということとするということ。
 佐野委員から,今日説明いただいた意見が両団体から出ているということについては,報告のまとめの方に何らか残すべきではないかという御意見がございました。それは,この後,また報告書案のところがございますので,そこで話をすることになるかと思いますが,そういう意見があったということです。病院のところも検討します。
 ほかの残りの部分については,原案どおり了承いただいたというふうに考えています。
【黒川座長】  以上,3点ないし4点を踏まえまして,そこの修正をしまして,あるいは検討いたしまして,御承認いただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
【黒川座長】  ありがとうございました。また,本文については,この後,検討していきますので,修正文,文言調整については,この後の検討を踏まえ,さらに座長に一任とすることにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 では,議事の2番目の注記事項についてです。事務局より御説明をお願いいたします。
【篠原私学経営支援企画室長】  通し番号12ページ,資料2-1,注記事項について説明させていただきます。こちら,前回の会議からちょっと「1.」の部分,分量が増えております。こちらは新しい提案が入っているわけじゃなくて,現行の説明をしっかり入れさせていただく方が議論がスムーズであろうという観点から,付け加えさせていただいたものになります。
 なので,1.現行の今の注記項目について説明をさせていただきます。1つ目の丸,現行の学校法人会計基準第7号様式において注記事項の1つとして,「その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項」を記載することとされています。こちらは,参考資料3の87ページ以降,こちら参考資料3として,今の貸借対照表をつけているんですけれども,88ページ,そこの箱の下に注記がございまして,そこの一番下に,「その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項」というのがあります。
 そこに対応する話ということを御認識いただければと思います。この「その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項」については,平成17年と平成25年に通知によって具体的な例示がされています。その例示されているものについては,参考資料の89ページ以降に,現行学校法人会計基準の注記例ということで掲載しておりますので,必要に応じて御覧いただければと思います。
 資料,戻りまして12ページです。「学校法人の出資による会社に係る事項」というのが,他法人との取引内容について,1つ出てまいります。ここの注記は「当学校法人の出資割合が総出資額の2分の1以上である会社」の状況を説明し,学校法人の財務状況を当該会社と関連づけて適切に把握できるような目的を持って置かれているということになります。なので,記載対象となる法人というのは,当然のことながら当該学校法人の出資割合が総出資額の2分の1以上である会社ということになります。
 点線で囲ってある四角が,「学校法人の出資による会社に係る事項」として記載をお願いしているものになります。
 他法人との取引内容等について記載するもの,2つ目というのが,「関連当事者との取引」になります。こちらは,関連当事者として,「ア,関係法人,イ,当該学校法人と同一の関係法人を持つ法人,ウ,当該学校法人の役員及びその近親者(配偶者または2親等以内の親族)またはこれらの者が支配している法人」とされています。
 こちらは,一定の条件を満たす例外を除いて注記してくださいというのが,現行の枠組みになっています。それは,透明性を高めていくというところが目的になります。
 下に四角で囲ってございますけれども,記載対象となる法人というのは,先ほど申し上げた,アが「関係法人」,イが「当該学校法人と同一の関係法人を持つ法人」で,ウは「当該学校法人の役員及びその近親者等が支配している法人」というような形になっています。
 その下に,関係法人とはというところで,もう一回,ア,イ,ウが出てきてややこしいんですけれども,関係法人に関して,以下のいずれかに該当する場合だよということで,3つございます。1つは,「一方の法人の役員,もしくは職員等が他方の法人の意思決定に関する機関の構成員の過半数を占めていること」。イは,「法人の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額の過半について融資を行っていること」。ウ,「法人の意思決定に関する重要な契約等が存在すること」。ただし,財務上,または事実上の関係から法人の意思決定に関し重要な影響を及ぼさないことが明らかな場合には,関係法人にならないという意味で,対象外という形になってございます。
 これに関しても,平成25年の通知で,関係当事者との取引についてはこのように書いてねという様式が定められています。それが点線の中の記載になります。
 最後,他法人との取引の関係で,現行制度で定めている注記がこちら,3つ目が,「学校法人間の財務取引」です。こちらは,学校法人の経営状況や財政状況について,より透明性を高める観点から注記をしてくださいということになっています。関連当事者の注記に該当しない場合についても,広く貸付金・債務保証等の学校法人間の取引について注記をするということになっています。
 こちらは,丸1 のところですけれども,学校法人間での貸付け,借入れ,寄附金(現物寄附を含む),人件費等の負担及び債務保証,その他これらに類する取引が当該年度中にあるか,または期末に残高がある場合は,以下の例を参考に注記するものとするとなっています。
 ここで「以下の例」なんですけれども,下の点線の四角です。こういう様式で入れてくださいという注記事項の記載例に,参考として注記をしていただくという形になっています。
 25年の通知でもう一つ示しているのは,学校法人間取引についての注記は,関連当事者との取引に該当する場合であっても注記すると。また,関連当事者との取引についての注記は,学校法人間取引にも該当する場合であっても注記するというようになっていて,両方該当する場合は両方に記載しましょうという形になっているというのが,現行になります。記載対象となる法人は,他の学校法人になりますので,ここは企業が含まれていないということになります。ここまでが,現行制度の説明になります。
 次が,基本的には前回と同じ話になるんですけれども,子法人の注記の要否ということになります。ここ,資料で要否と書いていますけれども,基本的には子法人についても注記をする前提で,前回も御議論いただいていますので,その前提で話を進めさせていただきたいと思います。
 (1)に関しては,前回の会議との説明が重複しますけれども,子法人について今般の改正私学法で定められましたと。具体的には,学校法人がその経営を支配している法人として,文部科学省令で定めるものとして規定をされています。私学法改正のポイントとしては,子法人の役職員の監事・評議員への就任制限とか,監事や会計監査人に子法人の業務等の調査権限を付与するなど,子法人に対するガバナンスも強化されているというところがございます。
 その下は,私学法と子法人の定義の省令案を書いてございます。私立学校法の方は,理事の資格及び構成という第31条の条文の中で,理事には次に掲げるものが含まれなければならないという規定で,第4項第2号ですけれども,その選任の際,現に当該学校法人の役員及び職員並びに子法人役員(学校法人がその経営を支配している法人として文部科学省令で定めるものをいう。以下同じ。)の以下,ちょっと省略しますけれども,ここの状況に出てきますということになります。
 子法人に関しては,前回こちらの1号と2号がございますというところで,説明をさせていただいています。先ほどお示しした法31条第4項第2号の文部科学省令で定める法人は,次に掲げるものとするということで,1号が学校法人、括弧して,法律では準学校法人も引用して書いてございます。その学校法人,またはその1,またはその2以上の子法人が意思決定機関における議決権の過半数を有する他の法人,2号が,意思決定機関の構成員の総数に対する,次に掲げる者の数の割合が100分の50を超える他の法人ということで,イ,ロ,ハ,ニ,4つございます。
 イは,学校法人の役員,評議員または職員,ロが,学校法人の1または2以上の子法人に係る子法人役員,または子法人に使用される者,ハが,学校法人またはその1,またはその2以上の子法人によって当該構成員に選任された者,ニが,当該構成員に就任した日,前5年以内に,イ,ロ,またはハに掲げる者であった者。こちらの子法人については,前回の会議で徳田委員から具体的にどういう者が当てはまるのかというような御質問をいただいておりましたので,こちらについては,私学行政課の片見補佐から,具体的な内容について説明をさせていただければと思います。
【片見課長補佐】  私学行政課の片見と申します。よろしくお願いいたします。端的に,1号,2号と2つありまして,1号の方は,いわゆる学校法人が直接議決権を持って,いわゆる持分権が想定されているような,基本的には株式会社というようなところを想定しております。
 2の方は,そうではなくて,その意思決定機関は構成員で構成されているという場合で,例えば社会福祉法人であったり,一般社団とか,財団とか,公益法人とか,そういうものについて想定しているというようなことでございます。
 以上でございます。
【篠原私学経営支援企画室長】  ありがとうございます。こちら,イメージを持っていただけましたか。
【徳田委員】  はい,明確になりました。
【篠原私学経営支援企画室長】  ありがとうございます。前回十分な説明ができず,申し訳ありませんでした。
【黒川座長】  今のところで,それは一番分かりやすいんだけれども,例えば1号の学校法人,議決権が40%ぐらいであったとしても,2号の方に相当する株式会社みたいなもので,議決権があるような組織,そうであったとしても該当する可能性はありますよね。だから,そういうことですよね。両方,2号の方であっても,株式会社は行くという,そういうことです。普通は1号の方でしょう。
【片見課長補佐】  あまり想定されないかなとは思うんですが,一応規定上はそれも。
【黒川座長】  そうですよね,はい,一応今確認です。
【徳田委員】  もう一回よろしいですか,40%でも,要するに取締役会の役員の構成が過半数を超えているならば,この議決権というのは,意思決定機関という定義になりますね。意思決定機関というのは,取締役会というのは,職務を遂行していくという話になりますね。
【片見課長補佐】  取締役会などの意思決定機関ではなく,この株式会社の場合は,株主総会の方になると。
【徳田委員】  株式ですね。
【片見課長補佐】  株主総会,一番上の意思決定機関がここに該当することになりますので。
【徳田委員】  そうすると,株式会社の場合に,2分の1,これはいいですけれども,今,御説明のとおり,1号には該当しない学校法人の取得株であっても,2号のところの意思決定機関ですか。
【片見課長補佐】  2号に該当するとすると,100人株主がいて,60人が学校法人の役員の場合など株主の過半数を占めている場合です。
【徳田委員】  株主ですね。
【片見課長補佐】  一人一人の持分は少ないので50%は行かないんですけれども,ただ,株主の人数を見てみた場合に,過半数を占めている場合は2号に該当することになると。
【徳田委員】  ちょっとまだイメージが分からないですけれども。
【稲垣委員】  会計士協会の稲垣ですけれども。1号の方は,これ持分権のある,だから株式会社のような,株式が持分を表していますから,株式の所有割合で判定しましょうというのが1号だと。2号の方は,そういう株式の持分権の割合だけではなくて,実質意思決定機関である役員の構成割合とか,そういうもので判断するので,例えば株式会社であっても,1で50行かないから該当しなくても,2で,例えば取締役の過半数を支配していたら,支配先に該当しますよという場合と,それから,株式会社じゃない,持分権のないような非営利団体,非営利法人であっても,意思決定,理事会の理事の過半を学校法人関係者が占めている場合は,これに該当しますよと。両方あり得る,ANDもあるし,ORもある。
【片見課長補佐】  株式会社の場合は,意思決定機関は株主総会になりますので,取締役会は関係ない。ただ,やはり社会福祉法人ですと,評議委員会が意思決定機関になり,それは持分権ではなくて,人で議決しますので,そこの過半数を占めていれば2の方に該当するという。
【徳田委員】  今の話は分かるんですけれども,上は株式会社で,下は社会福祉法人,この定義は分かります。けれども,今,上の方で,株式は40%あっても,学校法人の役員,教職員がその会社の役員をしているということで,これは2に該当しますねという話が出ているから,私の方が混乱しています。
【片見課長補佐】  株式会社は役員は関係ないので。
【稲垣委員】  そういう意味では,実質支配力基準は入らないという考え方ですか。
【片見課長補佐】  最高意思決定機関がどこかで決まります。
【稲垣委員】  だけで決まるのね。
【徳田委員】  今のところ,そこはしっかりと明確にしておいていただきたいなと思います。
【稲垣委員】  じゃあ,ORっていうことですよね。
【徳田委員】  いや,ORじゃない,1か,2か。
【稲垣委員】  だから,ANDじゃなくて,ORと。
【黒川座長】  それはORですね。でも,2の方に株式会社がないとは言えないということですよ,論理的には。しかも,上場会社じゃないような,株主が少ない非上場会社だってあるわけでしょう。
【徳田委員】  それは,学校法人がいろいろと設置している部分が,アウトソーシングでやっている部分がありますから,そこを明確にしておかないと混乱を起こしますというのが私の考え方です。
【黒川座長】  そうですね。
【徳田委員】  株式会社は明らかに株というもので,最終議決権というのは株主総会ということになるのが明確になっているのであれば,2は社会福祉法人というか,要するに株式は関係ない。
【黒川座長】  そうなんですけれども,私が言ったのは,今それが普通でしょうけれども,2の方で,株式会社であったとしても,該当する可能性はありますということを,私は確認したんです。該当するという。
【篠原私学経営支援企画室長】  この部分,別途,説明させていただく時間をとらせていただくという形でもよろしいですか。
【徳田委員】  そうですね。もう一つ,学校法人の注記のところで,関連法人という定義もしているんです。子会社というのと関連で。その辺との兼ね合いがどうなのかなと。今は関連法人として,注記している部分が,多分役員の構成の割合とか,この前の通達に基づくもので,13ページに基づいてやっているわけですから。その辺の子法人と関連法人との定義というのが,今の話をお聞きすると,関連法人が子会社に上がっていくという。
【畑参事官補佐】  一度,全部説明させていただいてよろしいですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  説明に戻らせていただきます。16ページから,こちらが論点1になります。注記すべき内容ということで,現行の「当学校法人の出資割合が総出資額の2分の1以上である会社の状況」の注記においては,出資割合に着目して,注記対象となる法人が定められていましたけれども,子法人という概念も出てきましたので,子法人についての注記に関して,その両者の取扱いをどうしましょうかと相談させていただいたのが,前回でした。
 前回は,対応案は案の1,こちらは両方記載が必要だよねという提案でした。こちら,案の1について,賛成,プラス,こうしてはどうかという御意見を佐野先生からいただいたというところで,ほかに特段御意見は出ていなかったので,こちら案1をベースに考えさせていただいております。
 ちなみに,案2というのは,子法人の注記はしない,現行の注記内容を記載するというもので,案3は,今の出資,2分の1以上である会社の状況というところの言葉を,子法人に置き換えて,記載をしようというようなものでございました。ここに関しては,案1という方向性で,こちらの提案を引き続きさせていただきたいと思います。
 ※印の部分ですけれども,案1においては,子法人の定義と,学校法人の出資による会社に係る事項の注記の対象となる出資会社の定義と,双方に該当するケースが想定されます。こちらに関しては,当該ケースにおいては,注記内容の重複を避けるため,当該法人に関する開示情報は子法人の注記に記載し,学校法人の出資による会社に係る事項の注記項目のうち,重複する内容については記載を省略するというような形でいかがかと思っています。
 また,子法人の注記及び学校法人の出資による会社に係る事項の注記のそれぞれにおいて,両方に該当するということが分かるような様式にさせていただきたいと思っています。
 加えて,この後の話につながるんですけれども,関連当事者との取引の注記,学校法人間の財務取引の注記に関しても,同時に記載対象に該当するケースが想定されますので,それぞれ,該当する,しないというのが分かるような様式にさせていただきたいというふうに思っています。
 そこが実際どんな形になるのかというところですけれども,資料の2-2,20ページになります。こちら,今画面でも映しておりますけれども,子法人の概要に書いた後,右側に欄が3つ,前回と比べて増えております。ここは,出資割合が総出資額の2分の1以上の法人に該当する場合,関連当事者に該当する場合,学校法人間の財務取引の相手方に該当する場合は,それぞれ丸を打っていただくというような形にして,お互い重複関係が分かるようにしてはどうかというふうに考えております。
 次の論点に関して,説明をさせていただきます。17ページ,論点丸2 です。こちらは,関係法人について関連当事者の取引との関連性の部分です。関連当事者との取引の注記の対象となる関係法人に関しては,以下のア,イ,ウの例が想定されています。
 こちらのうち,アに関してですけれども,意思決定に関する機関の構成員の総数に占める人数の割合について定めていますので,子法人と重複する場合にどのように注記をしましょうかということです。こちらに関しては,重複する部分については,記載を省略する学校法人の注記に他の注記事項と重複するということが分かるようにする方法も考えられます。
 ということで,対応案,こちらは関連当事者との取引の注記の対象となる関係法人と,子法人と共に該当する場合の記載方法は,先ほどお示ししたとおり,注記内容の重複を避けるため,当該法人に関する開示情報は,子法人の注記に記載して,関連当事者とも取引の注記事項のうち,子法人にもう書いてあるよというものに関しては,記載を省略するという形を提案させていただきます。
 また,子法人の中継及び関連当事者との取引注記のそれぞれにおいて,両方に該当する旨を示すという様式にしてはどうかと思います。
 これ,具体例は22ページの方です。こちら,関連当事者との取引,(8)となっている部分です。上の赤い関係法人2つを御覧いただければと思います。これらは,子法人の欄に丸がついているんですけれども,これが子法人と重複していますという印になります。子法人で書いてある情報に関しては,省略と書いてありますけれども,記載を省略することができるという形で対応してはいかがかというふうに思います。
 次の論点3を説明させていただきます。子法人の財務状況の記載についてですけれども,こちらは,前回,賛成と佐野先生から御意見があった部分でございます。こちらは,21ページを御覧いただいた方が早いので,そちらにて説明をさせていただきます。こちらは,子法人の財務状況,こちらに関しては記載をしなくていいのではないかという御意見を反映させていただいております。
 なので,こちらは,前回賛成の御意見をいただいておりますし,それ以上の議論にはなっていませんので,この形で進めさせていただければというふうに思っています。
 論点4の説明,18ページに移らせていただきます。役員の氏名及び兼職等の状況についてです。こちらは,氏名の公表というのは属人的な話になって差し支えがあるのではないか。あとは,兼任の範囲について,顧問とか元教授まで含めるかといったような御議論がございました。第7回では,人数だけ書いたらどうかという提案を差し上げたんですけれども,役員に関しては,兼任している人数だけではなくて,兼任している者の肩書まで書くのが適切ではないかというような御意見をいただきましたので,そちらを反映させた対応案となっております。役員の氏名は記載せず,意思決定機関の構成員のうち,私立学校法施行規則の2,イ,ロ,ハに該当する者の総数及び該当する者の肩書を記載すると,そのような様式にさせていただいています。
 次は20ページを御覧いただけますでしょうか。こちら,真ん中辺りに役員の兼任等という欄がございます。一番上の横列の株式会社○○というところですけれども,兼任○人という兼任している人数を書くとともに,その株式会社での役職と,括弧書きの部分が学校法人での役職ですので,そこの両方を記載するというような形でいかがかと思います。
 なので,これらについて,御議論いただければと思います。御議論いただく前に,ほかにもいただいていた御意見について説明をさせていただきたいものが幾つかございますので,(6)として記させていただきました。1つ目は,18ページの一番下です。別の公益法人を学校法人が支配しているということはあり得るのか,そのような表示で問題ないのかというのを,内閣府で確認してはいかがかという御提案をいただきました。
 右側が回答と確認結果ですけれども,まず私学法の規定上は,子法人の定義の法人の形態の縛りはないので,公益法人も子法人になることは想定されると。こちらは,前回の会議でも説明をさせていただいた部分です。
 その下が,内閣府に確認をさせていただいた内容になります。丸1 ,公益法人法制上,公益法人の社員総会や評議員会の過半数を特定の法人関係者で占めることを否定する規定はないと。したがって,改正私学法の子法人として,公益法人が今回の注記として記載されることについては問題ないということでした。
 ただし,その公益法人の運営実態として,特定の個人または団体に特別の利益を与えるということは禁止されていると。これは公益法人である以上,当然かなと思います。
 丸2 ,こちらは御参考情報です。公益法人会計基準でも,関連当事者との取引の注記において,その関連当事者の範囲に当該公益法人を支配する法人の記載が求められているというような形になりますので,私学法と同様の観点があるなということを,御参考にお伝えさせていただきます。
 19ページの四角2つ目,学校法人の経営を支配している他の法人に関する情報開示も必要ではないかと。これは,前回,親法人というような言葉も出ていた部分でございます。こちらの考え方に関してですけれども,まず,会社法では親会社の定義が規定されています。私学法の改正に当たっては,会社法ではなくて,一般社団・財団法人法や社会福祉法を参考にしているんですけれども,そこには親法人という定義はございません。
 私学法も,皆様御存じのとおり,現行法,改正法のいずれにおいても親法人という定義,概念は存在していないということになります。
 そこは,設立形態にも関わるんですけれども,2つ目のパラグラフ,学校法人の設立については,いずれも寄附で賄うこととされています。会社法における出資とか持分,権利とひもづいているんですけれども,そういう概念は存在しないので,設立に当たって拠出された私財というのは寄附として整理されます。例えば,宗教法人等が事実上の設立母体となるような場合であっても,会社における出資や持分というような考え方に沿って,親法人というような考え方をするということは,私学法の中ではそもそも観念することができませんということです。
 他方,私学法では子法人が定義されています。理論上は,ある学校法人,ここはA学校法人とさせていただきますけれども,A学校法人の役員,評議員または職員が,もう一つの学校法人――これB学校法人と書きましたけれども,そちらの意思決定機関,通常は理事会になります,その構成員の総数の100分の50を超える割合を占めるというようなことは想定されます。
 この場合,B学校法人はA学校法人の子法人に該当する。そして,このような場合であっても,私立学校法上は親法人の定義・規律はないので,A学校法人はB学校法人の親法人に該当するというようなことにはなりません。学校法人会計基準における今回みたいなケースの取扱いに関して言えば,A学校法人はB学校法人の関係法人として,B学校法人の計算書類における関連当事者との取引に注記をされるというような取扱いになります。
 最後,こちらは,前回,特に御意見がなかったので了承と理解をさせていただいていますけれども,子法人を全部書くのではなくて,重要な子法人というふうに絞ってはどうかという御提案に関してですけれども,その重要性の判断の基準というのは示すことが難しいので,全ての子法人についての記載ということで考えています。
 説明,長くなってすみません。以上です。
【黒川座長】  ありがとうございました。それでは,一応,16ページの論点1の対応案については,案1,案2,案3と書いてあるんですけれども,取りあえず案1を事務局は提案したということで,御意見を伺いたいと思います。いかがでございましょうか。それ以外のことも含めて,御意見がございましたら,お願いいたします。
 徳田委員。
【徳田委員】  私は,私学法の方式に基づいて子法人が定義されているので,それを準用するというのが一番分かりやすくていいだろうと思いますし,そのときの1,2についての解説といいますか,明確にしていただければいいのかなと思います。
【黒川座長】  ありがとうございます。ほかに御意見ございますでしょうか。
 それでは,今,徳田委員以外にウェブで参加されている委員の方で,何か御意見ございますか。
 奥村先生,どうぞ。
【奥村委員】  奥村ですが,大体結論的な整理のところには非常に納得しております。
【黒川座長】  ありがとうございます。ほかに,何か御意見ございますか。
 佐野先生,前回,御提案があったのを事務局は今日,こういう形で一応両方重複している場合も,名前だけは出すと。ただ,先に書いてある方を優先するということで,省略化ということだけれども,ちゃんと名前は載っていると,こういう取扱いを事務局の方は考えたんですけれども,佐野先生の前回の建設的な御意見,これでよろしいでしょうか。
【佐野委員】  この方法もあるし,別案としては,この表のほかに合計表のようなものを書く方法もあろうかなと。ただ,重複感があるとか,書く事項が多過ぎるなんていう意見も出るかもしれませんが,一覧性を設けるという意味からは,例えば2号,3号の基本金明細表で具体がたくさんある中で,一番上に2号基本金のまとめが書いてありますね。そういったまとめを作るというのも,これに加えてあるのかなという気はいたします。
 が,これはここでの議論というよりも,先々の会計基準の具体の作成のときにいろんな論点がまた出てくる可能性があるので,今のところ,この検討案でのこの事務局案に私は賛成です。
【黒川座長】  ありがとうございます。いかがでございましょうか。
 どうぞ,前鼻委員。
【前鼻委員】  細かく1点での確認なんですけれども,準学校法人であっても学校法人というふうに明記するということでいいんでしょうか。細かい話ですけれども,じゃあ,準学校法人というカテゴリーは何で必要なのかと,ちょっと思っていることがあって。
【黒川座長】  畑さん。
【畑参事官補佐】  今実際の学校法人○○という形で表記しているはずなので,先生の御懸念のような形ではないと思います。
【前鼻委員】  時々役所の文書で(準)と書いているときがあるものですから,それとは該当しない話というのでいいんですね。該当しないというか,そういうふうな列記はしないで,ここはあくまでも学校法人であるということですね。
【畑参事官補佐】  学校法人であれば,はい。
【前鼻委員】  それと,もう一点,すみません。これは,今の話じゃないのかもしれませんが,貸付金や債務保証に関して明記するということになっているんですけれども,いわゆる相手方とかの貸倒引当金,その辺のリスク管理という部分に関しての会議というのは,特段,今話をすることではないのかなとは思うんですが,その辺どうなんでしょうか,方向性としては。
【篠原私学経営支援企画室長】  それは,こちらの様式への記載よりさらに踏み込んでということになるでしょうか。こちらで,現時点ではそこまでは一般的なルールとすることは想定していませんでした。その必要性について強い御意見とか,方向性があればとは思うんですけれども,今回はそこまで踏み込まずともいいのかなという感覚もございます。
 この辺り,佐野先生とか,稲垣先生,お願いできますか。
【稲垣委員】  稲垣ですけれども,企業会計の世界でもそこまでの注記開示は求められていないという理解です。
【前鼻委員】  分かりました。
【篠原私学経営支援企画室長】  個々の法人で適切に管理をしていただく部分と。
【前鼻委員】  分かりました。
【篠原私学経営支援企画室長】  ありがとうございます。
【黒川座長】  佐野委員。
【佐野委員】  加えて言えば,現在の注記でも,学校の場合,今,徴収不能引当金という名前になっていますけれども,その設定の基準を記載する欄がありますので,個別方式なのか,経験率によるのかなどを書くことによって,もしその学校の子法人についてはこういう設定方式,それから,例えばですけれども,学生に対する徴収不能についてはこういう方式というのがあれば,注記をするという決まりになっているので,その事項が引き継がれていけば,今おっしゃったような懸念についても払拭できるのではないかと思います。
【稲垣委員】  すみません,ちょっと誤解をしていて,貸付けがあったり,保証している先の貸倒れ懸念みたいなことという意味でなんですけれども,少なくとも当学校法人の貸倒引当金の設定上は,今,佐野先生がおっしゃったような形で手当てされていれば,貸付先に対して個別にさらに追加した記載を求めるというようなことは,開示の慣行上はないというふうに理解しています。
【前鼻委員】  分かりました。
【篠原私学経営支援企画室長】  佐野先生,今御指摘いただいたことについて確認をさせていただきたいんですけれども,注記に記載されているというのは,今の議論の対象になっていた注記とは違う部分で……。
【佐野委員】  違う部分です。
【篠原私学経営支援企画室長】  例えば89ページの参考資料の注記例で言えば,重要な会計方針(1)引当金の計上基準とか,そういったところで出てくるということですね。
【佐野委員】  そうです。
【黒川座長】  そこで,多分,今の御意見は特定の法人に関する貸倒引当金みたいなことを想定されて御質問があったと思うんですけれども,これ,財務諸表の引当金に対する注記のところなんですけれども,そこでどこまで書いていますか。先ほど,佐野先生は,いろんな外形基準で引き当てる場合もあるけれども,個別に,これはもう完全に貸倒れ損,損が出るという可能性のあるような場合もございますよね。それで引き当てると,まだ損が確定してないけれども,かなりの可能性であると。
 そういう場合には,特定の法人に対する損失が見込まれるのって名前まで出しています。
【稲垣委員】  出さない。
【篠原私学経営支援企画室長】  ここは方針を書くところなので。
【黒川座長】  名前までは出していない。向こうの,さっきの質問は名前がというような話の中で,引当金はどうかということだったので,名前まではこちらでは出していない。それだけちょっと確認。
 佐野先生,どうですか。
【佐野委員】  出す必要性は規定していないんですが,債権によって,例えば学校ですから未収入金も対象になりますし,貸付金という種類が違いますよね。それぞれについて書くことはやっている学校もありますので。例えば子法人についてはこうだというふうに書いて,例えば個別引当てしていますと書けば,ああ,いろんな法人によって違うんだなというのが分かってくるんだと思うんです。
 書き方について,最低限,計上基準を書きなさいということを決められていますけれども,子法人ごとに書いちゃいけないとか,そういうことはないので,必要に応じて情報開示すればいいんだと思います。
【黒川座長】  なるほど,それは否定されてないということですよね。どうぞ,前鼻委員。
【前鼻委員】  開示する云々ではいいんですが,開示しない,いわゆる会計監査報告書の中において,それが出されてくるわけですよね。
【稲垣委員】  必要な引当てがとられていれば,特に監査報告書に何か出てくるということはないと思います。
【前鼻委員】  そうですね,でないときは,出てくるときはありますよね。
【稲垣委員】  それが明らかに不足しているという判断がつけば,その事実を取り上げて,監査意見に影響を及ぼすことは,概念上はあると思います。
【前鼻委員】  ありますよね。ただ,それは開示されないものですよね。
【稲垣委員】  はい。
【前鼻委員】  その確認でした。
【黒川座長】  今の開示されないというのは,どこ。監査報告書には書かれる。
【前鼻委員】  監査報告書には書かれますけれども,いわゆる,今公表しなさいと言っている範囲の中には。
【黒川座長】  ああ,ここの今のところには。ありがとうございました。
 では,畑補佐,ちょっとそろそろまとめていただけますか。
【佐野委員】  すみません,今の丸1 だけですよね,議論しているのは。
【黒川座長】  いえ,じゃあ,分かりました。丸1 は確認して,丸2 以降も全て含めて御意見と,私は言ったつもりだったんだけど。すみません,じゃあ,丸2 以降で,御意見がございましたら。
 佐野委員。
【佐野委員】  丸2 に関連してですけれども,17ページで,論点2があります。ここにも,過去の再掲として,17年のときの通知を引っ張ってきて,役員もしくは職員等というふうに記載がございます。これは,当時の説明では,記憶では,「等」で評議員も入ることがあるし,例えば職員ではない,顧問など。例えば学園主のように。同族制限があって役員にはなれないけれども,実力がある方というような方も入るから,等でぼやかしたっていいますか,していたと思うんです。
 これに対して,15ページの子法人の定義,ここでは,2号のイのところで,役員,評議員または職員となっていますが,この辺,等の解釈を変えることになってしまうのかなという気もするし,この施行規則の決め方と会計基準の決め方が異なってしまうと,実質的な実力者といいますか,役員でもない,職員としての雇用契約もしてないような方々がどう扱われるのか,この辺何か案があって,施行規則の方の「等」を取られているのか,会計基準の方が変わってくるのか,その辺ちょっと確認をさせていただきたい。
【黒川座長】  この子法人の案はどこが作っているの,篠原さんたちが作っているの。
【片見課長補佐】  施行規則,これはほかの法人法制とも平仄を合わせて,あとは職員,例えば「等」にして,ぼやかしてどこまで入るのかとか,やはり法令上の定義で曖昧なところはなるべく避けたいということで,やはり省令上は,ここは職員までというような整理にさせていただくというふうに思っております。
【佐野委員】  ということは入らないと。
【片見課長補佐】  入らないです。
【佐野委員】  顧問は入らない,職員の雇用契約をしている人は入らない,それから顧問契約をしている元理事長みたいな方も入らない?
【片見課長補佐】  顧問契約,委託契約は基本的には入りません。
【佐野委員】  そうすると,今度,会計基準の方のこちらで議論しているときは。
【篠原私学経営支援企画室長】  すみません,この「等」については,役員もしくは職員に入っていない評議員が「等」だなというぐらいの理解でおりました。申し訳ございません。顧問なども入るというのは,明文で残っているでしょうか。
【佐野委員】  ちょっと昔の話で。
【篠原私学経営支援企画室長】  そうですよね。すみません,こちらが伺うような話じゃないんですけれども。もし,そういったことであれば,私,今この場での提案としては,この省令にそろえての考え方にさせていただくのが,一貫性があってよろしいのではないかというふうに思ったんですけれども。
【佐野委員】  ということは,省令の1号は議決権が,この学校法人の出資を前提に考えていると思うんです。2号の方は,人的な人がどう関与しているかということですけれども,学校法人というのは往々にして同族制限の範囲から外れるように,この5年の枠を超えた元の方がやはり学校の意識を左右している場合もあろうかと思うんですが,その辺は,形式が見れないので,関与しないと割り切るということなんでしょうか。
【片見課長補佐】  省令上はそうなります。
【佐野委員】  省令上はというか,省令がそうだけれども,それは何か下のもので手当てするつもりなんですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  会計基準は省令に沿ってというイメージでおりました。一方で,今御教示いただいた方々,今私の説明だと「等」に入ってこない方々がもたらし得る,法人運営上のリスクみたいなものがどのくらい大きいのかというのを,十分分からず申し上げている部分がございますので,そこについて,どのくらい考慮すべき大きい部分かというところを,ちょっとお伺いしたいなと思うんですけれども。
【佐野委員】  学校によると思いますけれども,やっぱり同族制限があって,お子さんも多くて,同族になる方が多いので,引退されたけれども,後ろで頑張っていらっしゃるという方もいらっしゃると思うんです。企業の場合の実質的支配基準というのは,これ年数基準がありません,実質的に支配しているんだから。
 学校の場合は,非営利全般にそうですけれども,5年基準を設けたので,7年,8年たった方はここに入らなくなります。だけれども,実質的に力を持っているというのは,少なからず,その600もある大学法人の中で,何百ということはないかと思いますけれども,いろいろな調査で,文科省の調査委員をやっている中で,やはりバックにいるというのが見えるケースもあります。だから,なくはないと思います。
 ただ,この顧問というのを,当時の話ですけれども,きっちり定義できなかったのは,例えば法律顧問で弁護士さんと契約したものと,それから,職員ではない,学園主とか,学園長とか,そういう方々と同列になってしまう顧問は困るというようなことがあって,ぼかしたというようなことを,私の頭の隅っこの記憶なんですけれども,あるんです。
 だから,その辺のところを条文で書くというのは難しいというのは分かるんですが,実質的な取扱いが会計基準で具体になったときに迷わないように,今後整理をしていただきたいなと思います。
 以上です。
【黒川座長】  分かりました。非常に重要な実態と,それから以前の決め方のときの工夫について御教示いただいたわけですけれども,15ページの方は,一応子法人というものの定義であり,17ページの論点2については,関係法人という,こちらの方の話なので,これ,「等」を入れるかどうかということ,そろえなくてもいいような気もするんですよね。子法人は子法人でもあると,こちらでも定義していると。しかも,ある程度非常にすぱっと分けたと。
 しかし,この論点2の関係法人の方については,実態として,やはり佐野先生がおっしゃったような,そういうこともあり得るだろうと思うんですよ,やっぱり多様な学校法人を見れば。だから,ここは,このまま「等」というのは,こういうようなもの「等」と残した,こちらの方で行くというのはいかがですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  字面としては「等」を入れておくんですけれども,多分そこの解釈をどこまで広げるかというのが課題だと思っているので,そこの広がりをどう整理するかです。率直に申し上げると,明文でここからここまでというところが例示できないものというのは想定しない方がいいと思っているんです,行政上は。
 なので,顧問も入るかどうかとか,ちょっと当時の情報がどのくらいあるか分からないですけれども,そこは明確に終えなければ,省令と同じような想定でそろえるのがいいのかなとも思うんですけど。ここ,もし必要であれば,当時どういう話だったかというのを探すのと,運用をどうしているのかというのを確認させていただくのがいいかなと思うんですけれども。
 畑さんとか,今井さん,今ここに関して言えること,提案はありますか。
【畑参事官補佐】  当時,「等」というものをぼやかしたというふうに,佐野委員はおっしゃっていただいたんですけれども,多分今もそれが解消できるような状況なのかと言われると,そんな変わってないというのは,そう思うんですよね。それは,今私が言えることとしては,そういうふうには思います。
 ただ,それを,ここはどうするのかというのは,委員の御発言だと,今後の検討課題としてと。
【佐野委員】  ここの今の数分で結論が出る問題とは思いませんので,この会計基準の方は実務ですから,実務の中で迷いが出ないような何か手当てをしていただければ。
 法律的な手当ては存じませんけれども,法律でそういうふうにきちっと職員で止まっているけれども,運用上,こういうものが入るんだよ,類するのが入るんだよと手当てをなさるのかどうか,それは行政の問題なので分かりませんから,その辺,十分検討していただきたいなと思います。
【篠原私学経営支援企画室長】  今は学校法人の方で,この「等」の範囲について判断して,注記されているということになりますよね。
【佐野委員】  もしあれば,そうなると思います。今のこの「等」が入る,入らないで,これは論点の4になると思うんですけれども,役員,兼任の肩書の問題のところにも影響してくるかと思うんです。ちょっと御検討いただければと思います。
【黒川座長】  ありがとうございました。
 稲垣先生,よく独法にしても,何にしても,Q&Aみたいなものを作ると思うんですけれども,Q&Aみたいなものが,この辺について何かあるんですか。実務の人たちが,佐野先生が言うように悩むときには,大体Q&Aでガイドラインがあるみたいな。
【稲垣委員】  一応,会計基準に関しては,今回,会計基準をつくられますけれども,会議基準そのものには書き込めないような適用指針だったり,実務指針的なものは,体系的につくられた方がいいというふうに思っています。
【黒川座長】  なるほど。
【佐野委員】  協会が作るんではなくて。
【稲垣委員】  協会が作るんじゃなくて。
【黒川座長】  どこが作るの。
【稲垣委員】  設定主体,会計に関するものは。
【黒川座長】  ああ,そう,ガイドライン。
【篠原私学経営支援企画室長】  行政が出せるQ&Aの範囲をもうちょっと適切に広げてはどうかというような部分と,あとは,プロフェッショナルの仕事をしていただくために必要な部分は,やはり……。
【稲垣委員】  なので,一応,監査を実行するために係る実務指針は会計士協会の方でつくります。
【黒川座長】  そうですか。
【志賀委員】  すみません,よろしいですか。予定が40分オーバーしていますので,定義できないのであれば,法令に合わせる方を提案します。今の表記だと,評議員がこの職員等に入るのか,役員等に入るのかも明確でないので,法令に全て合わせて,あくまで本会計検討会は,注記するかどうかの話ですので,むしろ今言ったような実態が問題化されるのは行政だと思いますので,もし行政で,例えばダミー会社の社長をやっている元理事長とかが何らかのことをやっているとか,そういうふうなことがいろいろ出てくるようであれば,多分行政が先に定義すべきであって,我々は注記している表記というものを検討するんであれば,誤解のない表現で,こちらの省令に合わせて記載するという方向でいかがでしょうか。
 つまり,これまで顧問とかもあって「等」を入れていたけれども,そんなのは気にせず,そういう場合は該当しないとして注記しなくていいとすると。
【黒川座長】  今,こちらの15ページの方を持ってくるとすると,どういうふうに持ってくればいいですか。
【志賀委員】  この言葉のまま。
【黒川座長】  この言葉,イ,ロ,ハ,ニを持ってくるんですか,それともイのところだけ。
【志賀委員】  イのところの役員,評議員または職員というのを,アのところの一方の法人の役員,評議員または職員がというふうに変えるだけじゃ駄目なんですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  そういうやり方は,おっしゃるとおりあると思います。考え方は今までの通知を前提に持ってきているんですけれども,そこも含めて明確に整理をし直すという御提案で。
【黒川座長】  分かりました。それでは,ここまでで検討するということにいたしましょう。もうちょっとだけ,あと3週間ぐらいございますので,事務局として今のところを検討していただくことにいたしましょう。
 それでは,それ以外にございますか,御意見は,論点4まで含めて。なければ,御意見,ありがとうございました。御教示いただきました。
 では,整理をしていただこうとは思うんですが,畑補佐,できますか。
【畑参事官補佐】  論点の1,それから,2を飛んで3,4。まず1は了承いただいたと思っています。それから,2については,このアの役員もしくは職員等というところについて,子法人の定義と合わせた方がいいのではないかという意見がございましたので,これについては検討するということです。論点3,これは既に了承されていると考えています。それから,論点4のところは,論点2が少し影響するかと思いますので,その検討状況に応じて,これもちょっと検討するという形には残るかと思っていますが,いかがでしょうか。
【黒川座長】  ありがとうございました。ただいまの一部,条件がついておりますけれども,その条件をつけた上で御承認いただくということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。では,取りあえず修正部分について,事務局の方で調整をすると,私も一応確認をいたします。ありがとうございました。
 では,次に議事の3,「全体の取りまとめ」についてでございます。事務局より御説明をお願いいたします。
【篠原私学経営支援企画室長】  資料3について,説明をさせていただきます。私の説明が長くて,残り時間が少なくなっておりますので,全体をなぞる説明ではなくて,特に御覧いただきたい部分について絞って説明をさせていただきたいと思います。
 こちらは,前回の会議の積み残しになりますので,基本的な内容は前回と同じというふうに御理解ください。黄色マーカー部分というのは,50ページの子法人の部分ですけれども,こちらは本日の議論結果を反映する予定の箇所になります。青色マーカー部分,こちらは41ページに出てまいりますけれども,私学事業団とまだ調整中の部分がございます。私学助成に関してちょっと触れて,書ける部分は書いておこうと思っている部分になります。あと赤,あるいは緑,青で見え消ししている部分が,前回からの変更箇所ということになります。
 内容的に大きな変更はないのと,あと色には特に意味はございません。ワードの仕様上,違う色で出てしまっているというだけなので,そのまま御覧いただければと思います。
 まず,目次のところ,こちらの構成は31ページです。こちら,全体の構成を説明させていただきます。「はじめに」の部分は,今回,会計基準を検討することになりましたということと,「2.」では,こちら,ステークホルダーに対して情報を開示していくという目的のために,会計基準を検討するために検討会を立ち上げて,検討してまいりましたということが書いてございますので,ここは本日,説明は割愛いたします。
 第2,学校法人の財務報告に関する基本的な考え方,こちらに関しては,これまで御議論いただいたものをそのままはめている部分になります。なので,こちらも本日の説明は割愛させていただこうと思っております。
 第3,新学校法人会計基準の内容等というところですけれども,こちらは,これまでの議論をまとめた部分になります。なので,こちらの中のうち,「3.」,注記事項の充実についてという部分は,本日の議論がまだ終わっていないので,入っていないというような状況にございます。ここに関しては,ちょっと御覧いただきたい部分があるので,かいつまんで説明いたします。
 第4,今後の進め方に関しても,ちょっと御説明差し上げたい部分がございます。
 第5,「終わりに」というのは,本当に締めの言葉になりますので,本日,説明は割愛をいたします。
 第3は,通し番号でいくと39ページから始まります。こちらは,まず計算書類・附属明細書の体系についてというのが「1.」です。こちらは,59ページにポンチ絵がございます。こちらは,参考資料のカテゴリーにあるんですけれども,今回,計算書類の体系として,現行から新会計基準にどう位置づけるかというようなところを整理して,書いてございます部分です。これまでの議論を前提に書いておりますので,特段の事実誤認等があれば,御指摘をいただきたいと思っております。
 それで,この会計書類に関しては(1)で資金収支計算書,事業活動収支計算書,貸借対照表について書いている。次,(2)内訳表についてという部分です。こちらは40ページから始まります。こちらは,一部修正が不十分だった部分がございますので,この後,修正を反映させていただきたいと思っている部分がございます。
 そちらが41ページの方です。今,画面上では見え消しの形で示させていただいています。内訳表に関してですけれども,必ずしも部門別の教育研究コストの実態を表わすものとはなっていないことから,開示対象とする書類としては適当とはいえず,私立学校法に基づく計算書類からは除いて,部門別の情報として,後述するセグメント情報を表示するものとするというふうに書いてございます。
 こちらは,「開示対象とする書類としては適当とは言えず」という部分を削除させていただきたいというふうに考えております。理由としては,既にもうここの内訳表を公表している学校法人,20%ぐらいあるんですけれども,そこで既にやっていただいている取組は,今後も尊重していく必要があるねというような御議論もしていただいております。
 あとは,今日のセグメントの議論にも通じるんですけれども,新基準を基本とするものの,複数書類を作成する手間などを考えると,法人運営上の判断として,現行の計算ルールに基づく処理というところも残しておこうという形にしている部分を考えると,「適当とは言えない」という記述は矛盾してしまいますので,こちらを削除させていただきたいというものになります。
 41ページのその下,附属明細表に関する記載でございます。こちらは,文章の主語が抜けていましたので,附属明細書に関しての記述だということが分かるように,主語を追加しているというものになります。
 次が42ページ,こちらは附属明細書の内容についてまとめているくだりになります。こちらは,事実誤認がそのまま残ってしまっていたので,ここの固定資産明細書の様式については,明記,現行のままとするというところを削除させていただこうと思っています。ここは,固定資産明細書,借入金明細書,基本金明細書に関して,様式の修正などの御議論を踏まえて,それぞれの明細書について細かい基準を書かせていただいているくだりになります。
 その後,44ページには,(3)として基本金明細書のくだりがございます。こちらに関しては,作文の中でさらなる明快性を確保しつつというところ,ちょっと消し忘れていたので,消させていただいていますけれども,そのほかに関しては,これまでの御議論を踏まえて記載をさせていただいております。
 3,注記事項の充実についてというところですけれども,注記事項,まだ議論がまとまってない部分もございますけれども,(1)に関しては記載,入っております。今,貸借対照表のところに注記が入っているんですけれども,そうではなくて,独立した節を設けて,計算書類の末尾に記載しましょうということ。その内容は,黒ポツ3つですけれども,重要な偶発債務と関連当事者との取引の内容に関する事項と重要な後発事象というのを書いていくといいだろうというようなことを,決めさせていただいているもので,書いています。
 その次が,(2)として,セグメント情報の在り方について。こちらは,本日,説明をさせていただいた資料を前提に書かせていただいております。ただ,ここに関しては,本日,佐野先生からも御意見をいただきましたけれども,奥村先生と徳田先生の御説明を踏まえて,反映すべきところがあれば,修正していくというようなところがございますので,ここは別途,御相談等をさせていただければと思っております。
 ここには,セグメント区分の考え方と具体の内容というのが47ページにございます。その後,測定方法,配分基準というところで置かせていただいております。
 49ページですけれども,こちらも先ほどの削除と同様の部分が削除できていなかったので,消させていただきたいと思っているのが,ここです。ステークホルダーに対して開示する情報として不適当であるためということです。ここは,不適当と書くと,例外として認めているという実際の対応と矛盾してしまうので,削除させていただきたいと思っています。
 あと,49ページの下に下っていただきまして,下から4つ目の丸,「そこで」と始まる部分です。ここは,原則的な配分基準と,あと学校法人の判断で例外的な配分基準として,現行の資金収支内訳表の配分基準を採用することができるというふうになっています。例外的な配分基準を学校の判断で取る場合というのは,どういう理由で対応するのか,それをとるのかというところも説明を入れていただく必要があろうと思っておりますので,ここに関しては,その注記をちゃんと入れてねというような部分を追記させていただきたいというふうに思っております。
 50ページは,子法人の注記に関して,固まっていないというものが残っております。「4.」は,財産目録に関する記載です。こちらは,ポイントとしては,今までは会計基準の範疇にはなかったんですけれども,検討の結果,その作成基準も今回の会計基準の中に盛り込んで一体的に整備をしていくというようなことにさせていただいたということです。
 その後ろは,御議論いただいた収益事業の取扱いなど,ちょっと細かい話が続いております。
 「5.」は,会計基準の特例についてということで,3つございます。特例としては,1つ目,ここは大規模知事所轄学校法人等と書くべきところ,変換ミスで大臣所轄学校法人等となっていたので,(1)の部分は事務的に修正をさせていただければというふうに思っています。
 2つ目の特例は,会計監査人を任意設置する知事所轄学校法人については,特例の適用対象としないというふうな結論ですので,そちらを盛り込んでおります。
 3つ目は,準学校法人の特例です。こちらは特例ありということを書かせていただいています。
 最後,55ページ,施行時期に関してですけれども,こちらは,会計基準の改正を行った後,令和7年4月から施行すると。ただし,セグメントの原則的な配分基準として定める部分に関しては,検討を速やかに行い,必要な改正を行うとともに,学校法人の準備期間を置くとさせていただいています。
 ここは,少なくとも令和8年4月から施行というようなことも事務局案では書いてあったんですけれども,先ほどの説明でも申し上げましたとおり,期限ありきではないというところを考慮しまして,こちら,落としているというような状況になります。
 今後の進め方,56ページです。こちらは,会計基準を改正したら,通知を発出したり,研修会等で周知を行いますということを書いてございます。ここ,すみません,日本公認会計士協会による実務指針の作成というふうに,ちょっと筆が滑っているんですけれども,これに関しては,こちらが書くという内容ではないので削除させていただいております。今後も連携しながら,実務に関しては考えていきたいと思っております。
 その他の論点のところ,1か所,修正しているところは,委員の御指摘を踏まえて修正をさせていただいております。
 駆け足になって申し訳ありません。説明は以上です。
【黒川座長】  ありがとうございました。口頭で,さらに修正しているところが結構あったと思うんですけれども,これについては正確に書き取れなかったかもしれませんので,バージョン2になるんですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  2になります。
【黒川座長】  バージョン2を速やかに先生方にメール等,配付して,御確認をいただくという,そういうことを前提に,今の口頭での修正事項があったと仮定して,御意見いただければと思います。
 徳田委員。
【徳田委員】  2点ほど。47ページの概要と視点というところですけれども,上段に大学設置・学校法人審議会で,学校法人の制度改革ので,セグメント情報を検討すべきであるという一文が入っています。ここの中に,なぜセグメント情報が必要なのかどうかというくだりというものがないです。
 我々が協会の加盟校に対して説明するため,なぜセグメント情報が必要なのかということについて,付け加えていただければなと思います。
【篠原私学経営支援企画室長】  そこは,イメージとしては,多様なステークホルダーに届ける情報の1つの種類として必要性があるとか,そういう。
【徳田委員】  加盟校がそれで納得するかどうか,文章的に。
【篠原私学経営支援企画室長】  具体的に,こういう感じとかあれば,また別途お話しさせていただけるとありがたいんですけれども,いかがでしょうか。
【徳田委員】  今はちょっと思い浮かびませんが。
【篠原私学経営支援企画室長】  分かりました。じゃあ,検討いたします。
【徳田委員】  ただ,そういうものがないということで。
【篠原私学経営支援企画室長】  ありがとうございます。
【徳田委員】  これが第1点です。それから,その前のページなんですけれども,セグメント情報の在り方ということで,後ろにも同じような重複文章があるんですけれども,私はどうしてもセグメントについてこだわりというか,協会としてこだわっておりますので,その配分基準のところで,現行の資金収支内訳表の配分基準も2つあるのですけれども,この3つ目の丸のところ,限定的な取扱いというのは,何となく引っかかります。
【黒川座長】  ここは変なんですよ,僕もちょっと思った。ここ,配分基準の中に,区分の方が,区分の1と3を集約可能という文章になっている。
【篠原私学経営支援企画室長】  じゃあ,ここに区分として。
【黒川座長】  だから,配分基準の方……。これは,本文の方も見ていて気がついたんですけれども,配分基準の題名の中に区分のも当面の話というのは出てくる,2か所ぐらい。多分それだと思うんですよね。セグメント区分の1,3を集約可能とするという文章だから。
【徳田委員】  当分の間の扱いという,7ページのところでは,経済実態をより表わしたものの配分基準を策定するまでは,1,3を集約可能とする。この集約可能というのは,私の,丸2 のことなのかなというということを意味するので,もう少しここではそういうような形の文章にしていただければなと思います。限定的なという言葉がちょっと抵抗があります。
【黒川座長】  限定的な取扱いというのもそうですけれども,分かりました。場所もちょっと変なんですよ。だから,ちょっと検討していただくと。
【篠原私学経営支援企画室長】  承知しました。
【黒川座長】  志賀委員。
【志賀委員】  志賀でございます。まず,これの進め方なんですけれども,今の話ですと,今日の議論を踏まえて,修正部分も多々あるんですが,今日で決めるということは不可能であるということ,そして,もう時間も本来の時間からオーバーしているということも含めまして,どうしてもここで言いたい部分について,意見を集約した上で,時間を区切っていただきたい。
 あとは,ほかはメールでここをこう修正してくださいというふうなのを送るような形に進めていただきたいと思うんですけれども,まず,そこはいかがでしょうか,座長。
【篠原私学経営支援企画室長】  進め方は,はい。
【志賀委員】  こういう議論をしていくと,多分1時間,2時間あっても足りないと思いますので。
 私は,最低限,1点だけ。実は一番最後のページ,通し番号56ページのその他の論点の開示の在り方と,わざわざ書いていただいたのは,事前にメールで連絡したんですが,要は開示と断定せずに,開示の在り方,つまり制度の在り方も含めて検討してほしいということを,せめて「在り方」ぐらいで入れてくださいと言ったら,本当に「在り方」しか入れてないんですが。
 私,第1回のときから,そもそもこの会計基準は,開示する内容と,策定する内容というのは一緒で,つくったら開示しなきゃいけないとなっているものだから,いろいろな細かいことまで話をしなきゃいけないということを言っていました。
 それと,もう一つは,学校法人は,ほかの非営利法人と比べても,非常に多様な会計処理が存在しまして,ここにある収益事業、子会社とか,あるいは,私も過去に言っていた,教育付随事業だって,立派にその収支を開示しなきゃいけない事項じゃないかとか,あとは,ここでは議論しないでしょうけれども,いわゆる簿外会計,同窓会,PTA,後援会等が一番不正の温床になっているんじゃないかとか。
 そこら辺も含めて,本来は私立学校法改正も含めて検討しなきゃいけないんですけれども,そんなのはここでは荷が重いから,書けないんだったら,書けなくていいですと言ったら,本当に書いていないんですけれども。先ほど,徳田先生,佐野先生からの御意見もありましたとおり,セグメント情報については非常にいろいろな意見があったと。ですから,今後,改めて私立学校法の開示の在り方とかも含めて,何か考えなきゃいけないんじゃないのというようなことを,最後の今後の論点みたいなところに書いてほしいなと思いますが,具体的にどう書けというのは,ここでは大変なので,またメールで送りますので,それも含めて,可能であれば修正していただきたいと思います。
 多分,言っても大変だと思うので,後で書いてメールで送りますので,よろしくお願いします。
 以上です。
【黒川座長】  ありがとうございます。ほかに御意見。佐野先生。
【佐野委員】  延長があるというふうに伺っているので,覚悟の上で発言したいんですが,よろしいですか。対面でやっていますから,メールもいいかと思うんですけれども。
【黒川座長】  どうぞ。
【佐野委員】  よろしいですか,3点ほど。まず,39ページのところで,計算書類の体系,これは体系としては従前のものを引き継ぐというので,これは賛成しておりますが,初めの頃の会議で,事業活動収支計算書については,予算決算差異ではなくて,経年比較の形にできないかという意見を申し上げました。これについて,当時,議論をしたわけではないけれども,反対はなかったと思っております。
 今回,ここで資料の63ページに,この検討会の案として出ちゃっていますので,これ,予算決算対比のまま。もし,このまま出すのであれば,前年比較の表を提案する意見もあったということを,どこかに証跡を残していただきたい。つまり,ここで予算決算差異がこの検討会の結論となりますと,もう検討の余地なく,このまま進んじゃうと思います。その予算決算差異のまま行くことの弊害は,前の委員会でも申し上げたとおりなので,ちょっと重複するので避けます。
 それから,2番目,2つ目の件です。これは,49ページ,今,室長から御説明があった中でちょっと確認をしたいと思います。49ページの下から4つ目の丸で,学校法人の判断で例外的な配分基準を採用した場合,なぜ配分基準を例外のものをとったかの説明を注記追記するというふうに御説明があったかと思うんですが,なぜ例外をとったかということを書かせることになると,多分大変だからとか,いろいろな実務上の問題出てきちゃうと思うんですが。
 そこまでを注記しなさいという前提で御説明していただいたんでしょうか。
【篠原私学経営支援企画室長】  どういう考え方で,その配分基準をとっているかというところを説明をしていただく必要があるだろうというふうな認識で,させていただきました。
【佐野委員】  分かりました。それは多分,今後のまた会計基準の具体の書き方のところで,個別の検討を加えるべき事項かとは思いますが,今の文章のままだったら,誤解は生じないと思うんですが,なぜ例外基準を採用したかということを書かせるというのは,非常にシビアな問題が出てくるのかなと。
 どっちの基準を採用したかということは必要だと思いますけれども,ちょっとその辺,今後の。
【黒川座長】  いや,そこは黒川の意見なんです,ここは追加するように。
【佐野委員】  ええ,検討していただければ。
【黒川座長】  でも,一応ここは座長の,最近であれば,原則と例外というんです。代替的な案として,どちらでもいいよというわけじゃなくて,原則はこっちです,でも,例外として認めますということであれば,やっぱり例外をとったということについてExplainする,それは必要だろうと。そのぐらいは,今は必要だろうと思うんですよね。
 ですから,あえて。ただ,こちらの方の案をとりましただけでは済まない,例外,それだと代替的なものですから。ということで,一言,何か理由をExplainすると,例外をとるんであれば。そのくらいは,やはりシビアだとおっしゃいますけれども,やっぱりシビアなんですよ。
【佐野委員】  そうなると,なぜ例外を認めるかですね,この委員会がね。
【黒川座長】  そうです。それは,やっぱり作成者側が,そのぐらいまではやはりしていただかないと,例外をとるということについて,何でもかんでも例外ということになるのはいけないというふうに,黒川は思っています。
【佐野委員】  時間的な問題もあると思うんですけれども。
【黒川座長】  これは,私があえて入れていただいたということです。
【佐野委員】  その前提としては,先ほど来,いろんな文章から適当でないというのを削除しています。これと関連する問題だと思うんです。私も,書くべきではないということではなくて,説明とこの文章の整合をちょっと確認したいので。今後,また具体に書く文章でどう反映されているかで考えたいと思います。
 それから,最後,3番目ですが,財産目録で71ページの様式。この71ページは,様式で,収益事業用財産のほかに,収益事業用負債を加えたというのが,従前と違う様式例だというふうに理解しております。ここで言っている収益事業用財産と負債というのは,収益事業会計で表示されている資産と負債という意味なんでしょうか。
 といいますのは,従前,収益事業用財産としかなかったのは,そこに全部,学校の固定資産,いわゆる基本金から外した資産が入るということで,財産という言葉が入ったという認識なんです。つまり,収益事業会計の中の,例えば売掛金であるとか,外部に対する未払いとかは入ってこないだろうというつもりだったんですが,今回,資産,負債を全部挙げるという前提であれば,上の方は収益事業用資産になるんだろうと思っているんです。
 内部取引,いわゆる学校法人会計の本会計の方との取引については,ここに入れるのか,入れないのかもちょっと明示して,説明を加えていただきたいと思います。そもそもが,収益事業会計部分の資産,負債を入れるということであれば,もちろん元入金も外れてしまうわけですから,その辺のところ,書きぶりをちょっと説明しないと,誤解を招くのかなと思います。
【篠原私学経営支援企画室長】  ありがとうございます。この点,今井さん,今,何かコメントありますか。なければ,こちらで検討という形がいいかと思うんですけれども。
【今井専門職】  1点,確認,よろしいでしょうか。確認させていただきたいんですけれども,まず想定としては,収益事業会計の貸借対照表に載っている資産を収益事業用財産,その収益事業の貸借対照表に載せている負債を収益事業用負債というところに書くということを想定しております。また,元入金については,収益事業の純資産と相殺したとみなして,そこは記載を省略するといったところは検討会の中でしていただいて,報告書の方には,通し番号でいうと52ページのところでまとめているところです。
 先ほど佐野委員から御指摘いただいた,基本金から外した資産を収益事業用財産の方に書くというようなことというのは,この資料を整理していた中では,私は確認できませんでした。今までの経緯では,そのように実務ではされているということでしょうか。運用財産ではなく,収益事業財産の中に入れられていたということでしょうか。
【佐野委員】  単純に,学校法人名義である固定資産が,収益事業と本会計と分かれてしまうので,載せるという意味。そして,資産,負債というのは相殺されて,元入金の例えば収益事業収入とかで入ってきちゃいますよね,学校法人の方に。だから,資産,負債の売掛金だとか,例えば買掛金とか,未払金というのは,ここには出てこないという前提で物事を考えていました。
 だけれども,事務局から御説明があったように,収益事業の貸借対照表の資産,負債を持ってくるんだよということであれば,収益事業用財産ではなくて,収益事業資産であるとか,収益事業用負債ではなくて,収益事業会計負債とか明示した方がいいと思うんですが,そういう財産目録を予定していたのかなというのが,ちょっとよく見えなかったので,確認をしていただきたいと思います。それとともに,自分でももうちょっと勉強してきますから。
【篠原私学経営支援企画室長】  ありがとうございます。
【黒川座長】  ありがとうございます。ほかに御意見,ございますか。稲垣委員。
【稲垣委員】  簡潔に3点だけ御意見したいと思います。通し番号の34ページのところに,欄外の下のところで事業報告書という説明書が出てきます。事業報告書は開示書類ではありますけれども,計算書類ではないので,今回の検討会では全く触れられなかったものですけれども,開示の中身に関しては,計算書類で開示するのではなくて,事業報告書の方で開示するというような選択肢や考え方もあります。
 ですので,今回,事業報告書に関してこういうものを記載しなさいというものが,改正を踏まえてどこまで出てくるのかということもありますけれども,そのすみ分けについても,将来的な検討においては,1つ課題になるのかなということで,意見として申しさせていただきます。
 それから,2点目は,通し番号の53ページで,基準の特例について検討していただいたわけですけれども,現行の会計基準の特例は,会計基準の本文の中に規定されている特例,それから別表の脚注で指定されている特例,それから,個別の通知等で指定されている特例と,様々な特例があるので,今回の基準の見直しを機に,特例の取扱いは会計基準ではなく,会計基準の適用指針というような形で,会計基準の外側にまとめて規定されるのが,非常に利用者にとっても分かりやすいのではないかということと,会計基準自体が非常にピュアになるので,その方が在り方としては非常によろしいのではないかということで,これは意見として申し述べさせていただきます。
 それから,3点目が,通し番号56ページの今後の進め方のところです。実際,セグメント情報の基準等の検討が残っていますから,引き続き,協会としては全面的に協力をさせていただきますけれども,先ほども少しお話が出たように,会計士協会の名前で会計基準に関わる実務指針や何かは,現状の慣行上できないということですので,あくまでも私どもは,いろいろな形で,素案の提供であるとか,考え方の提供は積極的にさせていただきますけれども,公表主体にはなり得ないということを,改めてこの場で確認をしておきたいと思います。
 監査に関する実務指針はまさに会員を拘束するものですから,会計士協会で必要な手当てはこれから行わせていただく予定にしております。
 私からは以上です。
【黒川座長】  ありがとうございました。そのほかにございますか。それでは,ありがとうございました。
 じゃあ,今後の進め方について事務局からお願いします。
【畑参事官補佐】  御意見いろいろありがとうございました。本日いただいた御意見と,今日,子法人に関する記載,これについて,この報告書に記載を反映させまして,12月上旬に委員へ報告書のバージョン2という形で送付することを,今考えておりました。ただ,本日の会議でちょっと時間が足りませんでしたので,意見があるという方は,メールのべた打ちで結構ですので,様式は問いませんので,御意見をいただければ,それをバージョン2に反映したいと思います。
 ただ,時間が限られておりますので,あした金曜日ですけれども,週を挟んで月曜日ぐらいまでに頂けると大変助かるということで,御協力をお願いしたいというのが1点でございます。
 その後ですけれども,そのバージョン2を送付いたしますので,それをまず御確認いただきたいと思います。そのバージョン2の内容を見ていただきまして,さらに御意見があるということであれば,これもメールで御連絡をお願いしたいというような,そういう段取りを考えております。
 最終的に,そのいただいた御意見を報告書に反映しまして,報告書のバージョン3というものを作成しまして,これを次回9回目で,委員の方々に,その9回までに委員の皆さんに送付いたしますので,これを御確認いただきまして,次回の検討会というのは,12月20日を今,予定しておりますけれども,その会では,そのバージョン3の最終確認の場にしたいというふうに考えております。
 9回の後,所定の手続を経て,文科省のホームページに公表したいというふうに考えております。
 以上でございます。
【黒川座長】  ありがとうございました。確認ですけれども,意見を反映してということなんですけれども,必ずしも先生方からいただいた意見を全て反映するかどうかというのは,実を言うと,本当は議論しなくちゃいけないんですよね。だから,どういうふうに意見を反映するという言葉が,フリーパスで反映されるかどうかというのは。
【畑参事官補佐】  これはそうだなという意見はあると思います。ただ,対比するような意見が当然出てくる可能性もありますし,その辺りは事務局の方で調整をして,この案でどうだろうというところを,その案として記載したものを送りますので,それを御確認いただきたいという趣旨でございます。
【黒川座長】  分かりました。取りあえず,それがバージョン2ですね。
【畑参事官補佐】  バージョン2です。バージョン3も同じような形になるかと思います。
【黒川座長】  分かりました。最終的には,20日の日に議論をすることはできるんですね。
【畑参事官補佐】  はい。
【篠原私学経営支援企画室長】  ここでは,結論まで出す議論をさせていただいて……。
【黒川座長】  もうこれ以上はないと,20日。奥村先生,どうぞ。
【奥村委員】  すみません,ちょっと確認を忘れたんですけれども,今,在り方の文章の10ページ目のところに,今朝いただいた資料では,青のマーカーでしてある文言があるんですけれども,全体通しで41ページのところです。私学助成との関係について調整の上,記載予定と書いてございますが,これも提示していただくときに記載をしていただけるんですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい,こちらについては,バージョン2はちょっと間に合わないので,バージョン3のときに,ここを調整した結果を記載の上,送らせていただくことになろうかと思います。もし間に合えば,バージョン2で入れたいと思っていますが。
【奥村委員】  じゃあ,今回のサイクルではちょっと間に合わないということですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい,申し訳ございません。
【奥村委員】  非常にこの件は影響が大きいポイントになるかと思いますので,よろしく。
【黒川座長】  畑さん。
【畑参事官補佐】  これ,簡素に書いているんですけれども,何の話をしているかというと,振興助成法で作成していた内訳表,これについてどうするかということを記載するコーナーになります。ですので,私学助成との関係というのだと,助成の話が書かれるのかというイメージになるかもしれませんが,現行の計算書類の内訳表,3つございますけれども,今回,会計基準を私学法に規定するというところで,そこは計算書類から外れているというところがありますので,それについての考え方も整理してここに載せるべきではないかというところで,青くマークして,ちょっと保留させていただいているということでございます。
【黒川座長】  表みたいなものは提示されている。その文章化ということですか。
【畑参事官補佐】  そこ,どういう整理にするか,まだ。
【黒川座長】  そうですか,分かりました。そういうことでございます。よろしいでしょうか。
【奥村委員】  はい,分かりました。計算書類外というふうになっていましたけれども,そういうことが整理されるということですね。
【畑参事官補佐】  関連する事項としてですね。
【奥村委員】  分かりました。
【黒川座長】  ほかに,何かスケジュールとの関係で御要望ございますか。志賀委員。
【志賀委員】  こういうのはある程度明確にしておいた方がいいと思いますので,今度,12月4日までが今回の会議を受けての意見の集約であれば,バージョン2の配信は,できますれば12月7日か8日にはしていただきたいと思います。そうしたら,それに対する意見の集約が12月の11日か12日になるかと思います。
 私,何度かメールのやり取りをさせていただいたので,結構その流れは分かるんですけれども,最後の方は直前にしか資料が来ないので,結局この場で意見を言わざるを得ず,時間がかかってしまったんじゃないかと思いますので,バージョン3は,最終的には,できれば12月15日とかに配信していただけると,多分みんないろんな意見とかを,20日にはきちんとまとめて手短に終われるんじゃないかなという気がいたします。
 ですので,最終的には,例えばバージョン3,つまり最終の会議の資料が19日に配信されるとか,そんなことがないように,事務局の方も,大変恐れ入りますが,それぐらいをめどにスケジューリングをお願いできればと思います。
 以上です。
【黒川座長】  ありがとうございました。御意見,ほかにございますか。
 それでは,ないようですので,議事4は報告事項ですね。これが最後でしょうか,議事4と5ですか。どうぞ。もう延びていますけれども,ここ,報告事項ですね。
【篠原私学経営支援企画室長】  資料4,報告,2点ございます。こちらは,前回の議論を踏まえて,修正をいたしました。通しの77ページです。こちらは「及び」という文言が入っていますけれども,これは「OR」で書いていたのが,「OR」じゃなくて「AND」だという御指摘をいただいて,修正したものになります。
 1枚飛んで,通し番号79ページ,こちらの対応の整理表に関しては,まずタイトルと中身が食い違っていますねという,ごもっともな御指摘をいただきました。なので,こちらは監査の対象書類を整理している表という形で,タイトルを替えさせていただいております。
 また,助成法監査に関しては,少額の場合は監査はなくてもいいよというような対応がされています。こちらに関しては,※2,※3の注記で追加をしております。※2と※3の違いは,その根拠を法律に置くか,省令で今後制定予定かということになります。※2の部分が今後,省令で制定予定という部分で,※3が法律で既に決められている部分というところになります。
 こちらの資料4に関しては,このような報告内容になります。前回,もっと分かりやすい1枚を作れないかというような御指摘もいただいておりましたけれども,それは,今後の説明の場などを想定して,必要であれば検討していくということにさせていただきたいと思います。
 以上です。
【黒川座長】  ありがとうございました。それから,その他,ございますか。
【篠原私学経営支援企画室長】  畑さん,事務連絡をお願いします。
【畑参事官補佐】  それでは,次回についてですが,12月20日,水曜日,14時からを予定しております。日程調整,大変ありがとうございました。
 それから,本日の会議の議事録につきましては,また確認のためにメールをお送りすることになります。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【黒川座長】  それでは,今日も30分オーバーしてしまいましたけれども,第8回の学校法人会計基準の在り方に関する検討会は,これで終了いたします。
 各委員におかれましては,御多忙中にかかわらず,また長い議論に今日も参加していただきまして,ありがとうございました。御協力に心より感謝申し上げます。
 今日はこれにて解散でございます。お疲れさまでした。ありがとうございました。
 

―― 了 ――

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