看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回)議事録

1.日時

令和5年7月19日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省(東京都千代田区霞が関3-2-2) ※対面・WEB会議の併用

3.議題

  1. 設置趣旨等について
  2. 委員長の選任について
  3. 看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂の経緯及び検討体制と スケジュール案について
  4. 看護学教育における臨地実習に関するアンケート調査について
  5. 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に向けた調査研究について
  6. その他

4.出席者

委員

鎌倉委員長、秋山委員、阿真委員、叶谷委員、釜萢委員、臺委員、高田委員、田母神委員、馬場委員、堀内委員

文部科学省

俵医学教育課長、堀岡企画官、渡邉看護教育専門官、菊池課長補佐 他

オブザーバー

厚生労働省医政局 習田看護課長

5.議事録

【渡邉専門官】  ただいまから看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会を開催いたします。
 私は,後ほど委員長が選任されるまでの間,進行を務めさせていただきます医学教育課看護教育専門官の渡邉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお,本日の委員会は,冒頭より公開とさせていただきますことを御了承ください。なお,本日のカメラでの撮影につきましては,委員長の選任後の御挨拶までとさせていただきますので,御協力のほどよろしくお願いいたします。
 また,本日の委員会については,YouTubeにてライブ配信をしております。
 次に,配付資料の確認をさせていただきます。まず一番上にございますのは会議次第になります。その次に資料1,看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会の設置について,裏には委員の名簿がございます。次に資料2,看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会の公開について。資料3,看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂の経緯及び検討体制とスケジュール(案)について。資料4,看護学教育における臨地実習に関するアンケート調査。資料5,看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に向けた調査研究。
 そして,参考資料といたしまして8点ございますけれども,資料1,看護学教育モデル・コア・カリキュラム,平成29年度策定版でございます。参考資料2,看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標。参考資料3,医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)。参考資料4,歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)。資料5,薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)。資料6,こちらは印刷のものでございますが,American Association of colleges of Nursingの出しているTHE ESSENTIALS:CORE COMPETENCIES FOR PROFESSIONAL NURSING EDUCATION。資料7,平成15年看護基礎教育における技術教育の在り方に関する検討会報告書。最後の資料8,専門性の高い看護師の教育・資格についてでございます。資料は,お手元にそろってございますでしょうか。ありがとうございます。
 次に,看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会の設置趣旨説明及び委員の御紹介をさせていただきます。まず,資料1の1ページ目に沿って設置趣旨について説明させていただきます。目的でございますが,看護学教育モデル・コア・カリキュラム(以下「モデル・コア・カリキュラム」という。)この改訂に関する連絡調整委員会を設置する。2.役割でございますが,社会のニーズに対応したモデル・コア・カリキュラムの改訂,(2)その他モデル・コア・カリキュラムの改訂に必要な事項。
 3.の設置組織の構成等でございます。(1)連絡調整委員会の構成は別紙のとおりとする。(2)必要に応じ,調査研究等を分担させるために必要な組織を置くことができるものとする。(3)必要に応じ,関係者からの意見等を聞くことができるものとする。4.委員でございます。委員については,看護学教育のカリキュラム,看護師の国家試験等について優れた識見を有する者,その他関係者のうちから委嘱する。委員の任期は,委嘱した日から令和7年3月末までとする。必要に応じ,委員を追加することができる。委員は再任されることができるとなっております。その他,3の組織に関する庶務は,高等教育局医学教育課が処理するとなってございます。
 次に,裏の2ページ目を御覧ください。こちらの名簿の記載順で,本日,御出席いただいている方から御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず初めに秋山委員でございます。
【秋山委員】  秋山です。よろしくお願いします。
【渡邉専門官】  次に叶谷委員でございます。
【叶谷委員】  叶谷です。よろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  鎌倉委員でございます。
【鎌倉委員】  鎌倉でございます。よろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  釜萢委員でございます。
【釜萢委員】  釜萢でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【渡邉専門官】  臺委員でございます。
【臺委員】  臺でございます。よろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  高田委員でございます。
【高田委員】  高田です。よろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  田母神委員でございます。
【田母神委員】  田母神でございます。よろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  堀内委員でございます。
【堀内委員】  堀内です。よろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  そして,本日,オンラインで御参加いただいております阿真委員でございます。
【阿真委員】  阿真でございます。よろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  よろしくお願いいたします。
 馬場委員でございます。
【馬場委員】  熊本大学の馬場でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  よろしくお願いいたします。
 本日,御欠席の委員でございますが,諏訪委員,武村委員,錦織委員でございます。また,本日,オブザーバーの参加でございます厚生労働省医政局看護課長,習田課長でございます。
【習田オブザーバー】  習田でございます。よろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  よろしくお願いいたします。
 また,本日は看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に向けた調査研究の事業責任者である東邦大学,荒木教授にも御参加いただいております。
【荒木氏】  荒木です。よろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  よろしくお願いいたします。
 併せて,事務局の紹介をさせていただきます。
【俵課長】  医学教育課長の俵です。よろしくお願いします。
【堀岡企画官】  医学教育課の堀岡でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【菊池補佐】  医学教育課の菊池です。よろしくお願いします。
【渡邉専門官】  よろしくお願いいたします。
 続きまして,委員長の選任を審議させていただきたいと思います。委員長につきましては,事務局といたしましては,日本看護系大学協議会の代表理事であり,看護学モデル・コア・カリキュラムの改訂に関して主導的な役割をしていただく鎌倉委員に委員長となっていただいてはいかがかと考えておりますが,いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【渡邉専門官】  それでは,当委員会の委員長は鎌倉委員にお願いしたいと思います。委員長選任に先立ちまして,鎌倉委員長から一言御挨拶をいただきたいと思います。鎌倉委員長,よろしくお願いいたします。
【鎌倉委員長】  日本看護系大学協議会の代表理事を務めております日本赤十字豊田看護大学の学長の鎌倉と申します。私が選任された経緯としましては,JANPUが調査研究を担当するということになりました。その経緯としましては,コアカリ案を成果物とする調査研究の入札公募がございました。その入札公募に応募しまして,このたび落札という結果を得ました。JANPUがこの調査研究を担当する関係上,そことの連携を図りながら進めてまいりたいと思います。
 そして,教育を取り巻く状況というのは,随分変わってまいりました。といいますのも,皆様よく御存じの2018年に2040年に向けた高等教育のグランドデザインが出されました。国はこれに従ってどんどん動いていると実感しております。そこに示される人材像といいますのは,予測不可能な時代を生きる人,自ら考え,判断して,社会を変革する力というのが求められています。そして,大学に求められているものは,今まで何を教えるかというところから,学生が何を学んだかという,そこへの視点の変革が求められています。
 こういった背景の中で,その他,Society5.0の進展とか,そして少子高齢化で18歳人口の減少とか,いろいろな課題がある中で,やはり教育のカリキュラムをしっかりとコンピテンシーベースドにしていくという方向性であると思います。この時期にこの改革という,この調整会議が開かれたということですので,努力してまいりたいと思います。皆様,活発な御議論で御支援くださいますように,どうぞよろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  鎌倉委員長,ありがとうございます。
 報道機関によるカメラでの撮影は,ここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 ここからの進行は,鎌倉委員長にお願いしたいと思います。それでは,鎌倉委員長,よろしくお願いいたします。
【鎌倉委員長】  それでは,進めてまいりたいと思います。これより議事次第に沿って,3.看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂の経緯及び検討体制とスケジュール案について,そして,その次の資料4,看護学教育における臨地実習に関するアンケート調査について,資料5としまして看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に向けた調査研究について,その他を議題といたします。議題ごとに質疑応答を行った後,まとめて全体の質疑応答を行いたいと思います。
 まず,看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂の経緯及び検討体制とスケジュール案について,事務局から御説明をお願いいたします。資料3を御準備ください。
【渡邉専門官】  よろしくお願いいたします。資料3を御覧ください。まず,1ページ目でございます。こちらは医学,歯学,薬学,看護学のコアカリ策定・改訂の変遷でございます。御覧のとおり,看護学に関しましては,平成29年に策定されまして,今回が第1回目の改訂となります。
 2ページ目でございます。平成29年に策定されました看護学教育モデル・コア・カリキュラムの概要でございます。まず,策定の背景には,看護系大学の急増に伴い,大学における看護教育の教育水準の維持向上が課題となっていた背景がございましたし,また,地域包括ケアシステムの構築,多職種連携・チーム医療の推進,更なる医療安全の要請等,社会の変化に対応し,看護師として必要となる能力を備えた質の高い人材養成が必要,このような背景の中でモデル・コア・カリキュラムが策定されております。
 一番下のほうにございますとおり,平成29年に策定,公表され,その後,平成31年度の入学生からこのモデルコアカリを踏まえたカリキュラムが順次開始となっております。
 3ページ目を御覧ください。こちらは29年度モデルコアカリの概要でございます。まず一番上にございますように,生涯を通して看護系人材として求められる基本的な資質・能力を置いておりまして,下の青い枠内では,学士課程においてコアとなる看護実践能力の修得を目指した学修目標がこのような項目で記載されております。御参照ください。
 4ページ目に参ります。こちらが平成29年のモデルコアカリで示されている資質と能力,9項目でございます。
 5ページ目を御覧ください。このたびの看護学教育モデルコアカリ改訂の経緯でございます。まず,2040年を見据えた日本の看護学教育を取り巻く背景といたしまして,今後,高齢者人口の増加は落ち着きますが,生産年齢人口の減少は加速,そして総人口は減少傾向でございます。全世代への急性期から慢性期を含めた一体的な地域医療提供体制の構築が必要とされております。また,昨今の新型コロナウイルス感染症,それから,大規模な自然災害等の経験で救急医療や地域医療における医療機関の役割分担や連携が不十分である等の課題が浮き彫りとなってございます。また,在宅医療を支えるために平成27年に制度化されました特定行為研修の修了者が目標から見ますと十分に増えていないと考えられる状況がございます。
 また,令和3年には良質かつ適切な医療を効果的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律が成立し,令和6年度以降,医師に対して時間外労働の上限規制が適用されることとなっております。また,Society5.0社会における医療DXの推進,そして遠隔診療やロボット活用による医療など,そういった医療の質向上,効率化が図られているところでございます。一番下は,これは教育に関することでございますが,学習者本位の教育への転換,そして資質・能力ベースのカリキュラム改革,そしてDXのほうは,教育においてもDXの推進が進められてございます。
 6ページに参ります。また,看護系大学のカリキュラムの指針となるものには,今回,改訂の予定であるモデルコアカリ以外にも,日本看護系大学協議会(JANPU)の作成した「看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標」がございます。真ん中のグラフは,JANPUのほうでの調査の結果の一部でございますけれども,大学でそれぞれ非常に参考にしているという大学が,今,大体半分ほどの状況になっております。一番下でございますが,看護系大学にとってより分かりやすいカリキュラムの指針とするために,コアカリ,コンピテンシーを新しい1つのものにしてはどうかという提案でございます。
 7ページ目でございます。こちらに今回のコアカリ改訂に向けた基本方針の案をお示しいたしております。まず,1点目でございますが,2040年の社会を見据えた看護系人材として求められる資質・能力の改訂。また,地域医療構想が推進される中,多様な場面で専門性の高い看護実践ができる人材養成。今後さらに重要となる在宅医療や急性期医療を支え,多職種連携の中で看護の専門性を発揮するために,特定行為研修に定められているような高度な看護実践の基盤となる知識の獲得。
 そして,看護援助技術の確実な習得のための演習,そして実習の効果的な方法の提示。Society5.0社会における情報・科学技術を看護に活用する能力の獲得。そして,資質・能力をベースとした学修目標の再構成と学修方略・評価の明示。看護学教育におけるデジタルトランスフォーメーションの活用。最後に電子化等による教育者,そして学習者にとっての活用のしやすさの向上,こういったところを基本方針の案として挙げさせていただいております。
 次に8ページ目でございます。医学教育課のほうで現在モデルコアカリの活用状況についての調査を実施しております。調査方法等は,こちらを御参照ください。
 9ページでございますけれども,次回のコアカリ改訂の際に新たに追加したほうがよいと思う項目・内容について,回答数は147件ございました。大体の概要をこちらにおまとめしてありますが,情報・科学技術の活用に関すること,それから,災害や感染症看護,地域・在宅看護,こういった内容について、追加を希望されている意見がございました。
 また,次の10ページ目でございます。こちらは反対に次の改訂にて削除をしてもよいと思う項目についても御回答いただいており,回答のあった230校のうち,20校以上が削除してもよいと回答した項目は30項目ございました。全部で517項目でございます。詳細な項目については,こちらにはお示ししておりませんけれども,今後,コアカリ改訂案を形づくるときの資料として活用していただければと考えております。
 11ページでございます。こちらはJANPUの作成されているコアコンピテンシーの能力の一覧でございます。こちらも御参照いただければと思います。
 また,カリキュラムの指針となっているものの参考といたしまして,もう1点,American Association of colleges of Nursingの提唱している看護師に必要な資質・能力でございますけれども,国際的な指針としてこちらも参考で載せております。アメリカのほうでも資質・能力ベースの形でのカリキュラムが主流になっております。
 13ページを御覧ください。こちらは医学/歯学教育モデル・コア・カリキュラム,令和4年度に改訂されたものの概要となっておりますが,一番下には資質・能力が記載されてございます。こちらは医歯薬にほとんど共通化が図られた形の資質・能力になりますが,赤字の2項目が今回の改訂で新たに入った資質・能力でございます。
 次に14ページでございます。こちらは医学教育モデル・コア・カリキュラム改訂の基本方針でございます。御参照ください。
 次に15ページでございます。こちらは医学教育モデル・コア・カリキュラムの構成でございます。第1章には資質・能力,そして第2章の学修目標のところは,こちらは今回の改訂で資質・能力にひもづいた形での学修目標の記載というような形になっております。また,第3章は新しくできた章でございますが,学修方略・評価が記載されておりますことと,最後には診療参加型臨床実習実施ガイドラインが示されております。
 最後になります。16ページを御覧ください。こちらが今回のモデルコアカリ改訂に向けた検討体制とスケジュール(案)でございます。黄色の部分が連絡調整委員会でございます。本日,第1回の連絡調整委員会でございますけれども,内容といたしましては,関係調査の報告,この後,JANPUのほうの調査の報告等していただく予定でございます。そして,改訂方針の案について議論を行っていきたいという予定でございます。
 そして,本日の議論,方針案等を含めまして,下の濃い水色の矢印のところにございますように,看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に向けた調査研究のチームが立ち上がっておりますので,調査研究チームのほうでコアカリの原案を作成,提示していただきまして,令和6年5月頃に第2回の連絡調整委員会を開催いたします。
 そして,改訂原案の確認,そちらへの意見,そして,それを反映させた形で,その後,パブリックコメントを実施いたしまして,それを踏まえて令和6年12月に第3回の連絡調整委員会でコアカリ決定といったスケジュールを予定しております。そして,令和7年度には周知の期間をとりまして,令和8年度の入学生から新しいコアカリでの教育をスタート,このような計画でございます。
 私からの説明は以上でございます。
【鎌倉委員長】  事務局からの説明,ありがとうございます。
 では,ただいまの説明について御質問等お受けしたいと思います。いかがでしょうか。
【高田委員】  よろしいでしょうか。
【鎌倉委員長】  はい。どうぞ,高田委員,お願いいたします。
【高田委員】  ありがとうございます。すみません,細かい話になってしまうかもしれないですけれども,9ページに新たに追加したほうがよいと思う項目・内容という中に,例えば看護教育というのがあるのですけれども,括弧の内容と,それを表すタイトルが合わない。看護教育というのは,普通に考えると看護師になるための教育とか,看護職の育成とかというふうに,それを看護教育というふうに言うことが一般的かと思うんですね。でも,この括弧の中というのは,看護師の役割,機能という内容なので,あまりこういうまとめ方になってしまうと,ずれてしまうかなという気がして,これは本質的というよりも,こういうのを多分参考に,新カリの内容として参考にしていくときに少し注意が必要かと思ったので,意見というか質問というか,そういう理解でよろしいのかという確認をさせていただけたらと思いました。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 事務局,いかがでしょうか。
【渡邉専門官】  高田先生,御質問,ありがとうございます。こちらの表題と申しますか,この表現のところも洗練し切れていない部分もございまして,今後,改訂の案を形づくるときに実際の御意見の内容を踏まえまして改訂の参考にして検討してまいりたいと思いますので,表現に関しましては,そのような誤解があるかもしれないということで承知いたしました。御意見,ありがとうございます。
【鎌倉委員長】  高田委員,よろしいでしょうか。
【高田委員】  はい。ほかのところも全体,これで何か決まるということではありませんので,注意して見ていくということかと思いました。ありがとうございます。
【鎌倉委員長】  この部分は,もう既に行ったモデル・コア・カリキュラムの活用状況調査の結果ということになりますので,これを踏まえてこの次のコアカリ改正には活用するということになります。内容としては,看護教育の中身としては,看護の教育的役割と機能ということを理解したということでよろしいでしょうか。
【渡邉専門官】  はい。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 ほかの御質問,いかがでしょう。堀内委員,お願いいたします。
【堀内委員】  お願いいたします。ちょっとよく分からないので教えていただきたいのですけれども,資料の5ページの真ん中ほどに書かれております在宅医療を支えるために平成27年度に制度化された特定行為研修の修了者が十分に増えていない状況という御指摘がありました。この特定行為研修に関しましては,大学院でそれを併せてカリキュラムに入れて育てていらっしゃるところがあったり,あるいはそれ以外の病院等でこの特定行為研修を修めていただき,実施しているというような,いろいろ教育体制としては様々あるのではないかと思うのですけれども,文科省としてもこの特定行為研修の修了者というのは,いわゆる学士編入からアドバンスの高度な看護職の教育内容として,公式により進めていくという立場というふうな理解でよろしいのでしょうかというのを伺いたいと思っています。大学院教育は,特定行為というより,むしろ,これまでCNS等を推していらしたのかなと思っておりまして,しかし,昨今においては,もちろんCNS及びこの特定行為研修を終えた看護職,あるいは診療看護師等も含めてやはり育てていくという方針なのかどうか,お尋ねいたします。
【鎌倉委員長】  事務局,いかがでしょうか。
【田母神委員】  鎌倉先生,関連して。
【鎌倉委員長】  関連して,田母神委員,お願いいたします。
【田母神委員】  恐れ入ります。今,堀内委員から御発言があった特定行為研修についてでございますけれども,本会でも特定行為研修の推進ということでは幅広く取組を続けているところでございますし,それに資する指導者講習会であったり,指定研修機関としての活動等もしているところで,都道府県看護協会とも連携して取組を進めているところでございます。
 一方で,今回,御記載,お示しいただいているところなのですが,制度自体は厚生労働省で所管されているということで認識をしております。ですので,今回,課題として,論点をお示しいただいているのですが,本日,厚生労働省のほうでも,オブザーバーとして看護課長に参加いただいていると思います。文科省のお考えもあると思いますが,制度を所管している厚生労働省としてのお考えというところもお聞かせいただければと思っております。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。ただ,ここで書かれているのは2040年を見据えた日本の看護教育を取り巻く背景としてどうなのかということを書いていますので,背景としては,このような背景があるので,こういったことを念頭に置いて検討をしていく必要があるという,その背景の説明になりますから,多分,今,問われてもお答えがどうなのか。
【堀岡企画官】  よろしいでしょうか。企画官の堀岡からお答えさせていただきます。もちろん,CNSも非常に重要ですし,大学院で教育していただいている様々な,いろいろな学会の認定しているものも,文科省としては大学を所管する立場ですので,非常に重要だと思っておりますけれども,特定行為研修というものを政府でも研修制度ですけれども,やっているものですので,それも1つの重要なポイントでもありますので,鎌倉先生が言っていただいたとおり,背景の1つとして,書かせていただいているだけでございまして,文科省としては大学が教えていくもの,また,いろいろな学会が教えていくものもきちんと重要だと思っております。
【鎌倉委員長】  習田課長様にも御発言をということでしたが,いかがでしょうか。
【習田オブザーバー】  厚生労働省です。ただいま田母神委員から特定行為研修を大学で教えていくことについて,制度を所管する厚生労働省としてどう考えているのかというような御質問だったかと思いますが,それでよろしいでしょうか。
【田母神委員】  はい。そうでございます。
【鎌倉委員長】  お願いいたします。
【習田オブザーバー】  特定行為研修は,御存じのとおり,免許を取得して3年から5年たった人たちが受ける研修として構成されてきたという経緯がございますので,それを基礎教育の中でどのように教育していくのかという,その中身の問題や,あと,これは特定行為研修,指定研修機関で研修をしていただいていますので,その指定という質を担保する仕組みをどうしていくかという,そういった課題がいろいろあると思っております。そういった点については,今後,文科省とも連携をして検討していかなければならないかなとは考えているところです。
 以上です。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 これに関係した御発言がございましたら,お願いいたします。
【高田委員】  すみません,高田です。
【鎌倉委員長】  はい。
【高田委員】  このことについて特段どうこうということではないのですけれども,背景の1つとしてここに挙げているということでは理解いたしました。ただ,あくまでも看護教育,学士課程における看護教育のモデルコアカリの検討というのがこの会の趣旨といいますか,持たれているところなので,言うなれば卒後の一定の実践経験を有する方たちが研修を受けて更なるというところとの,どのようにリンクするのかということが,これだけだと私には若干説明不足というか,そこがやっぱり距離があるところかなと思うところがあります。
 さらに加えますと,先ほど堀内委員が言われた,ほかの,言うなれば高度実践を担う看護師の教育ですとかというところも当然あるわけですし,これ,大学院で担われているところも,ほかのというところでは,それこそCNS等のこともあるので,言及するのであればやっぱり併せて言及していただくほうが,バランスがよいのかなということは少し感じました。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 そうすると,高田委員の御発言としては,ここにもう少しCNSやNPも記載してほしいという,背景としてということでしょうか。
【高田委員】  そうですね。ここに言及するのであればということです。はい。
【鎌倉委員長】  いかがでしょうか,事務局。
【渡邉専門官】  ありがとうございます。いただいた御意見を参考にさせていただきまして,こちら含めて,いただいたところは考えてまいりたいと思います。
【鎌倉委員長】  ほかの御意見,いかがでしょうか。お願いいたします。
【臺委員】  臺でございます。資料を拝見しまして,前提の確認をさせていただきたいなと思います。学士課程の看護学教育といったところで,本日,私は保健師養成機関の代表としても参加しておりますので,この辺りの保健師,助産師といったところの資格の養成に関しては,ここに含まれないという理解でよろしいのかどうかというところを確認したく思います。お願いします。
【鎌倉委員長】  事務局,お願いしてよろしいでしょうか。
【渡邉専門官】  ありがとうございます。今回は策定された現行のモデル・コア・カリキュラムもそうなのですけれども,あくまでも看護学教育ということで,看護師養成に必要なカリキュラムを示したものでございます。
【臺委員】  ありがとうございます。とはいえ,やはり看護師教育が基盤となって保健師も助産師もそれぞれの専門性というところの教育が積み重なっていくものだと思っていますので,この資料を拝見していますと,時代の流れの中で非常に看護に求められるものが大きくなってきていますから,そこをしっかり教育して,さらに保健師,助産師といったときには,そういったところのコアカリといったところの策定といったことも文科省で視野に入れていただけるとありがたいなと感じながら拝見しておりました。ありがとうございます。
【渡邉専門官】  ありがとうございます。御意見,頂戴いたしました。
【鎌倉委員長】  御意見,ありがとうございました。
 本日は,この経緯及びスケジュール案と記してありますように,今日の調整会議では,この方向性でいいかどうかというところの御承認をいただきたいと思いますが,そのほかのところも一緒に併せて確認した上で最終御判断ということになるかと思いますので,まずは次に進ませていただきたいと思います。
 次に,看護学教育における臨地実習に関するアンケート調査について,調査を実施いたしました日本看護系大学協議会の看護学教育質向上委員会委員長の叶谷委員からお願いいたします。
【叶谷委員】  よろしくお願いいたします。叶谷から報告させていただきます。
 臨地実習に関するアンケートに関しては,2023年1月に行いましたので,その時点での会員大学であります295課程を対象に調査をしております。設問ですが,看護系大学生の卒業時到達度達成のための臨地参加型実習の必要性について,代表者様にお聞きしております。また,臨地参加型実習の実施状況,領域別臨地実習で経験している看護技術,全国共通のCBT・OSCEの必要性及び必要と思うものに関して,ここに掲げております調査期間で調査させていただきました。回答数ですが,214課程ですので,回収率が72.5%でした。
 次のところから結果になります。ダイジェスト版として主なところだけここには載せています。会員校の代表者様に尋ねたところ,看護系大学生の卒業時到達度達成のための臨地参加型実習が必要かという意見に関しては,全体として「必要だと思う」と回答された方が92.5%という結果でした。では,実際に領域別臨地実習において,参加型実習ができているかどうかということを代表者様に確認したところ,「全体的にできている」と回答した代表者様が全体で48.1%,また,「一部できている」と回答された方が42.1%でした。
 次のページですが,医療チームの一員として参加できているかという視点で領域別に聞いています。ここには成人看護学の結果が代表として掲載されておりますが,ほかにも全体で6領域別にお聞きしていますが,全体として同じ傾向でしたので,ここでは成人看護学だけ掲載させていただいております。回答肢を5つ設定し,実習場の全部署でできているというのが1番の回答で,数字が多くなるにしたがって,できていないという回答になり,5番が該当しないという,全部で5つの回答肢の設定で回答いただきました。
 「1.学生がカルテや看護記録の閲覧権限を有している。」「2.学生が測定したバイタルサインは正式な記録として採用されている。」に関しては,比較的1番,2番,つまり,「実習場の全部署でできている」,また,「全ての部署ではないが概ねできている」というような回答が多かったのですが,3,4,5の項目に関しては「全くできていない」ですとか,「半数以下の部署でできている」というように,実施率が低い回答でした。具体的には「3.学生が実施した看護を実際の看護記録に記載することが認められている。」「4.学生が立案した看護計画が実際の看護計画に採用されている。」「5.看護スタッフのカンファレンスで学生の意見を求められている。」というところは,比較的できていないという回答が1,2の項目に比べて多いという回答でした。
 次の結果ですが,今度は具体的な看護技術がどのぐらい実習場でできているのかということをお聞きしました。これも領域別に聞いており,成人看護学の結果だけ掲載させていただいております。比較的,領域の中では成人看護学ができていると回答した率が多かったので,それ以外の領域はもっと低い回答が多かったと御理解いただければよいと思います。
 この技術の設定ですが,厚生労働省によって令和元年に出されております看護基礎教育検討会報告書の中で示された看護師教育の技術項目と卒業時の到達度を参考にさせていただいています。この報告書では,演習と実習に分けて学生の到達レベルを示しており,実習として3段階に分けて到達レベルを提示しています。具体的には,ローマ数字1 が「単独で実施できる。」,ローマ数字2 が「指導の下で実施できる。」,ローマ数字3 が「実施が困難な場合は見学する。」というように3段階に分かれておりましたので,この中で示された技術のローマ数字1 の到達レベルを抜かしたローマ数字2 とローマ数字3 の到達レベルに設定された技術だけをここに載せてお聞きしたというような経緯がございます。
 5ページに示されているのは,先ほどの到達レベルで言いますと,ローマ数字2 の「指導の下で実施できる」と設定された技術になりまして,ざっと見ていただいて,オレンジ色の太いところがその回答が多いという解釈となります。これも数字が低いほうが学生が多く経験しているという回答なので,1番の回答が多いのが,「安全な療養環境の整備を指導の下で実施している」ですとか,「清拭を指導の下で実施している」,また,「安楽な体位の調整を指導の下で実施している」という項目であり,これらの項目が,比較的,学生が実習場で経験できている技術ということになります。
 次のページでは,先ほどの到達レベルで言いますと,ローマ数字3 に設定されている技術の内容になり,実施が困難な場合は見学するという設定なので,実施できているかということと見学しているかという,同じ技術でも2面で聞いてございます。そうすると,先ほどの到達レベルローマ数字2 で設定されたものに比べると,回答肢の4番,5番が全体に見て多く,やはりこの到達レベルローマ数字3 で設定された技術は,なかなか実習場でも経験できていないということが,これでお分かりになると思います。全体として成人看護学が一番できているという回答が多かったので,ほかも領域別に聞いておりますが,似たような傾向の結果だったということが分かりました。
 以上でございます。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 この調査そのものは,コロナの影響を受けるということがありましたので,コロナの前の状態でということで聞いておりますので,通常の実習の中でどうなのかという結果でございます。
 いかがでしょうか。御質問,御発言ございましたら,お願いいたします。
【田母神委員】  よろしいでしょうか。
【鎌倉委員長】  はい。田母神委員,お願いいたします。
【田母神委員】  ありがとうございます。質問ではなくて,資料3,4を通しての意見でございますが,よろしいでしょうか。
【鎌倉委員長】  はい。
【田母神委員】  日本看護協会の田母神でございます。資料3のコアカリキュラムの改訂の基本方針が7ページに示されておりまして,また,実習の状況などについてお示しいただいておりますので,それに関連して,特に……。
【鎌倉委員長】  資料3ですか。
【田母神委員】  はい。3,4。
【鎌倉委員長】  資料3は,後でもよろしいでしょうか。
【田母神委員】  そうですか。では,後にいたします。
【鎌倉委員長】  はい。まずは資料4についての御質問を受けて,資料5まで行って,その後また総合してという形にしたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 ほかは,いかがでしょうか。基本的には療養の世話に該当するようなケアに関しては,ある程度できているけれども,診療の補助に関連するようなものに関しては,ほとんどできていない。それがコロナになる前の,通常の実習のところでそうであったという,その傾向が明確になったという結果でございます。こちらについては,特に御質問がなければ,その次に進んでまいりますが,よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは,次に看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に向けた調査研究について事業運営責任者である荒木先生から御説明をお願いいたします。
【荒木氏】  よろしくお願いいたします。
【鎌倉委員長】  資料5になります。
【荒木氏】  資料5を御覧ください。看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に向けた調査研究について概要を御説明いたします。一般社団法人日本看護系大学協議会,以下「JANPU」といたします。JANPUは看護学高等教育機関の相互連携と協力によって看護学教育の充実,発展及び学術研究の水準の向上を図り,もって人々の健康と福祉へ貢献することを目的に現在299の会員校により活動を推進しております。JANPUでは,社会のニーズに合わせた看護学教育内容の充実に向けて,教育現場における課題等を的確に把握,整理し,多くの看護系教員,医療現場の看護師や高度実践看護を行うものを対象として,より多くの対象者から効率的にデータ収集できるChat型AIを活用した調査を行い,次世代を担う看護実践能力を明らかとし,次期看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂案を作成することを目的に本事業を提案いたします。
 このモデル・コア・カリキュラムの改訂に向けた調査研究の実施体制です。まず,こちらの連絡調整会議に代表らが参加し,議論内容や報告書を踏まえ,JANPU内の業務と連携を図ります。JANPUを組織母体として理事会の下,看護学教育質向上委員会及び臨時委員会として看護実践能力評価基準検討委員会を組織し,この2つの委員会が連携して事業を推進します。
 看護学教育質向上委員会は,後ほど事業について詳細を説明しますが,主に事業1を実施します。こちらでは関連法令,ガイドライン等を整理し,看護実践能力評価基準検討委員会が実施する調査結果から,教育現場の課題についての結果を受け,検討し,報告書を作成していきます。また,看護実践能力評価基準検討委員会は,主に事業2から4を実施します。この臨時委員会は,本事業に関連する看護実践能力評価のための評価項目を作成する班及びCBT実証事業班,CBT・OSCE班などで検討されます。また,必要時,他委員会と連携し,事業を実施していきます。作成物については,文科省の高等教育局医学教育課看護教育係と随時調整しながら作成してまいります。
 次のスライドをお願いします。各事業に従事する委員会委員の氏名,所属はスライドのとおりです。左側が看護学教育質向上委員会,右上が臨時委員会としての看護実践能力評価基準検討委員会,そして高等教育行政対策委員会などです。
 事業の説明に参ります。JANPUの組織を基盤に社会のニーズに合わせた看護学教育内容の充実に向けて教育現場の課題等の実態を的確に把握,整理し,次期看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂案の策定に資する調査研究をこちらの図に示した工程により実施いたします。
 次のスライドと合わせて御覧いただけますと幸いです。まず事業1では,看護教育現場の課題等を踏まえ,看護学教育の質保証や評価の仕組みの必要性を整理し,関連する法令・ガイドラインを一覧とし,医療現場の課題等を解決する方策を検討し,報告書としてまとめます。事業2では,データ収集にChat型AIを活用し調査を行い,次世代看護職の基本的な資質・能力(コンピテンシー),コンピテンシーに基づく教育内容,教育内容の範囲案(広さや深さ),これを提案します。事業1と事業2の成果は,12月末に報告書として文科省へ提出いたします。
 事業3では,事業2を基にコンピテンシー・領域それぞれのコンピテンシーの詳細(レイヤー),そして学修目標・学修方略・学修評価案を作成します。さらに,コンピテンシー基盤型教育としてモデル・コア・カリキュラムを提案すべく評価時期(マイルストーン),そして重みづけやナンバリング,これはコースの適切な番号付けになりますが,これと到達度を示し,これを看護学教育モデル・コア・カリキュラム骨子として提案します。事業4では,事業1で明らかとなった看護教育現場の課題等を踏まえて,事業2,3で明らかとなった次世代看護職の基本的な資質・能力,教育内容,学修方略・評価案を基に看護学実習の質保証や評価を可能とする設計図(ブループリント),これを作成し,また,ガイドラインも作成してまいります。
 この段階におきましても,2018年度に発出されましたJANPUの看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標をはじめとして,事業1で抽出された法令・ガイドラインとの整合性を確認し,事業3の看護学教育モデル・コア・カリキュラム骨子と併せて改訂素案として提出いたします。これらは3月末に文科省へ提出予定となっております。
 6枚目のスライドを御覧ください。ここでは事業2として多くの看護職の方々に御協力をいただくChat型AIを用いるインタビュー調査について説明を加えさせていただきたいと思います。調査デザインは,Chat型AIを用いた質的,技術的研究です。1回の大規模調査と3回法によるデルファイ調査を想定しております。目的は2040年以降の社会の想定した看護職,看護実践能力,教育内容を明らかとすることです。本調査では,対話型のChat型AI,つまり,ブラウザ上で質問に答えていくことにより,データ収集できる調査システムを構築していきます。
 このChat型AIにはあらかじめAIに看護に関する用語,それから,看護学教育に関するグローバルスタンダード,看護実践能力に関する論文等を読み込ませ,ディープラーニングさせます。その上で,調査対象者はブラウザ上で2040年以降の社会を想定した看護職,看護実践能力,教育内容に関する質問に回答を入力していただきます。これにより人手による半構造化面接より多くの対象者から広くデータを得ることが可能となります。また,質問に対する回答が得られない場合には,詳細な説明を補足し,質問し直したり,あるいは回答内容を受けてさらに深い質問に進むなど,より精度の高いデータが得られることを期待しています。
 Round0では,看護職1万人を対象に,その後,Round1から2では管理職や教員,CNS等の高度実践家などを対象に繰り返しインタビューを行います。Round3では有識者が推薦する実践・教育・法令,また,多職種連携や情報学等の専門家に対面インタビューを行います。また,ラウンドごとに提示される調査結果をJANPU,看護実践能力評価基準検討委員会及び質向上委員会が確認し,看護実践や看護学教育の状況等との乖離がないかを確認し,分析アルゴリズムを強化させ,次のラウンドへ進めてまいります。
 最後に調査研究でデータ収集に使用するChat型AIについて説明いたします。本調査で使用するChat型AIは,看護学という人を対象とした医療専門職として広範囲な能力に関わる現象を扱うため,教育学,言語処理(日本語や英語),大量の情報に対応できることが必要となります。また,事業2の調査で得られた資質・能力及び教育内容に関する結果から,事業3,コンピテンシー・コンピテンシー領域・レイヤー・学修目標・方略・評価,これらを策定できる分析アルゴリズムも必要となります。特に看護は能力像と学力論が近く,つまり,その看護実践を実践する能力と学力としての判断に必要な知識・技術がほぼ同様です。
 よって,能力目標を定める利点が大きく,実践能力の言語化,項目設定が教育上も大変重要となってきます。よって,これらを実現するためにChat型AI及び分析アルゴリズムを作成できる業者へ委託してまいります。この業者はスタートアップ企業であり,傑出した言語処理能力を有するGPT3.0,これを使用して,かつ自社で既に評価支援分析アルゴリズムを有し,コンピテンシーからの評価基準を,教育学を基盤として構築できるということから,この短期間の中で,これらの事業が遂行できると考えております。
 なお,今回の調査研究目的で使用されるChat型AIでは,データ収集のために入力された情報は2次利用も,生成系AIの学習にも利用せず,外部に情報漏洩しないようガイドライン等にのっとり,情報セキュリティ対策を徹底してまいります。総務省自治行政局デジタル基盤推進室のガイドラインや7月13日に文科省からも発出されております大学,高専における生成AIの教学面の取扱いガイドライン,これらにも準拠して扱っていきたいと思っております。
 以上です。ありがとうございます。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 ただいまの説明に対しまして御質問,いかがでしょうか。従来のコアカリですと,ワーキンググループを立ち上げて少人数のワーキングで作り上げていくという方法がとられておりました。今回は,その方法ではなくて,Chat型AIを駆使しながら,できる限り多くの人の意見を聴取して,それをカテゴリー化していくというような形で,ただし,全部AIに任せるのではなくて,デルファイ法として分析結果を専門家チームにもう一度確認をしていただいて,それをまたフィードバックしてということを繰り返していくという形になってまいります。新しい方法でのこの調査研究という形になります。その辺りも含めて,どうぞ,どんどん御質問いただければと思います。いかがでしょうか。
 秋山委員,お願いいたします。
【秋山委員】  秋山です。こういった調査のときに受け手の側の当事者である,つまり,看護学生がケアをする相手というか,患者,家族,それから,何を期待するかという市民,そういった観点からの情報収集と,それを参考にするというアイディアはないのでしょうか。
【鎌倉委員長】  荒木先生,いかがでしょうか,その辺りは。
【荒木氏】  ありがとうございます。大変貴重な御意見をいただいて,ありがとうございます。我々,この事業につきましては,文科省の入札のときに技術提案書ということで,その課題提示に対して調査設計をしていったわけなのですけれども,受け手である患者,家族からの意見聴取という点が我々も抜けていた点でしたので,ぜひその辺りもRound3等である程度能力の像が固まってきた段階で,ぜひ伺っていきたいなと今思いました。ありがとうございます。
【鎌倉委員長】  そういったときにどこにお願いするかというのが一番課題になるかと思いますが,秋山委員のほうで何か御協力いただけるとかということはございますでしょうか。
【秋山委員】  私が今,臨床に近い現場で相談支援を行っている方々に,例えばそういう入院したときに看護学生と接したときにどういうことを期待したかとか,どういうことがよかったかとか,どういうことは改善してほしいとか,そういう人がたくさんはいないですけれども,そういう形での協力と,あとは訪問看護も直接は出ていないのですけれども,その仲間たちがおりますので,実践の現場で学生がいたときの状態について直接の意見を何かの形で,フォームを何か作るなりしてお聞きすることはできるかなと思います。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。では,その辺りも設計のほうに入れていただくということでよろしいでしょうか。
【荒木氏】  はい。ありがとうございます。今,訪問看護のことも言っていただいたのですが,在宅看護の中で対象としてはもともと含めておりましたので,利用者さん,受け手の側の御意見というところが,今回,いただいた中では加えていかなければいけないところかなと思いました。ありがとうございます。
【鎌倉委員長】  ほかの御意見,御質問などいかがでしょう。高田委員,お願いいたします。
【高田委員】  今の患者,家族,市民をというのは,とても重要だと私も感じて聞かせていただきました。最近,かなり各大学で模擬患者さんとして市民の方の御協力をいただいている大学,結構,増えてきているかと思うので,そういう方々もこういう御意見をいただく方として有力かなと思いました。というのが1点。
 それからあと,質問なのですけれども,5ページのところの事業1,2,3という説明があるのですけれども,事業1のところで途中までは理解できるのですが,最後のほうに医療現場の課題等を解決する方策を検討しというのが,少し看護教育の質保証云々という文脈の中で,これが出てくるというのは,どういう位置づけになるのかが理解が難しかったので御説明をお願いしたいということと,それから,事業3のところに「領域」という言葉が出てくるのですが,これがどういうことを言い表そうとしているのかというところの補足をできれば御説明をお願いしたいと思います。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 それでは,1番目は模擬患者さんへの質問というのはどうなのかということと,2番目は事業1の医療現場の課題等を解決する方策を検討という,その意味は何を表しているのかということと,3番目に事業3の1行目の領域という言葉は,これは何を示すのかということの御質問で,順にお願いいたします。
【荒木氏】  ありがとうございます。2番目については,叶谷先生からも,もしかしたら,事業1に関連するので御回答をお願いできればと思いますが,まず,私から模擬患者さんについては,やはり教育に非常に近い,御理解いただけている方々なので,その視点も重要だなと今思いました。ありがとうございます。
 2番目の医療現場の課題というところでは,まず,JANPUで課題として持っていたのが,コロナ禍で実習ができなかった,実習場に出られなかったというところが一番大きな課題として,このいろいろな検討が始まったというところがありますので,想定しているのは,そういった状況の中でも実習ができる,医療専門職の一員として何らかの形で寄与できるというところは基本にあったのかなと考えています。それ以外でも,先ほど調査の結果の御報告でもあったように,実習に出てもなかなか技術が提供できないというようなところ,技術のみならずになると思いますが,そういったところが課題だというふうには考えております。もし補足がありましたら,お願いします。
【叶谷委員】  荒木委員がおっしゃったとおりだと思っております。先ほど報告させていただいた私からの調査で,参加型実習をできない理由もお聞きしていました。その結果,会員校の代表者様,教育現場の先生ではございますが,医療現場で安全性を理由にさせてもらえないところがあるということが,回答としては,一番多い結果でした。医療現場が求めていることは,本来だったら質の保証された学生を輩出することだと思いますが,医療現場にいろいろ求められていることが,逆に阻害要因になっているのではないかということも把握させていただきました。法律的に今までどんな歴史があったかということで,保助看法は皆様御存じのように基準などが明確に書かれていない特徴があり,解釈で今までどこまで看護師ができるのかですとか,学生ができるのかということを決めてきたところがあります。もしかしたら,いろいろな医療現場での課題が原因となって違法性の阻却などにも影響しているのかもしれないということもありまして,そこをひも解かなければ,歩み寄った質の高い実習,また,その質の高い学生の輩出ということができないのではないかということも,この課題の背景には含まれているのではないかと私なりに解釈しているところです。
【荒木氏】  ありがとうございます。
 3点目の領域というところですけれども,こちらは今のところ,ベースとなるのは,やはり指定規則であったり,あるいは国家試験の出題基準等の領域などを考えておりますが,当然,やはり今回のChat型AIの調査を通して,これらについて検討していくということになるかなと思っております。ベースとなるデータとしては,それらをAIに読み込ませているという状況になります。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 高田委員,よろしいでしょうか。
【高田委員】  はい。この領域に関しては,もうそろそろ考えを刷新してもいいのではないかという,このモデルコアカリを機にとまでは言いませんけれども,必ずしもそこにとらわれる必要は,あえてないかなという,特に実習に関してはかなり新しい考え方を持ち込んだほうが,今の様々な制約というところをどうクリアしていくかというときに,今の成人,母性,小児何たらという,あの領域にとらわれていたのでは,何か見えないという気がしたものですから,あえて質問させていただいた次第です。ありがとうございました。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。ただ,今の高田委員の御発言で,具体的にはどういうことをお考えなのかということが,もう少し詳しく御説明いただけると分かりやすいかと思うのですが,いかがでしょうか。
【高田委員】  例えば今回,資料として準備していただきましたACNの10のドメインなんていうのは,あれもドメインですので領域なんですよね。全く違う切り口で示されているので,かなり参考になるかなと。あの中にはかなり日本の従来の看護学基礎教育が弱いところというのも幾つかあるので,少し違う視点で見ていくというときにはすごく参考になるかなと思ったので,領域という考え方も,いわゆる指定規則の中で示されていることが全てというよりは,別の切り口で,あれらは要素として入れるとかという考え方もできるのかなと思ったので,その辺はこれからの検討に加えていただけたらと思いました。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 指定規則は今ありますので,その指定規則のいろいろな条件というのは,中に盛り込む必要があるけれども,この領域というのを新たな,例えば国際基準のような,アメリカのほうの基準のような10のドメインという形の領域という視点を取り込んでもいいのではないかというお話だったように思います。そこら辺りは柔軟にということで,よろしくお願いいたします。
【荒木氏】  ありがとうございます。
【鎌倉委員長】  ほかの御意見,いかがでしょうか。堀内委員,お願いいたします。
【堀内委員】  Chat型AIインタビューという新しい手法での調査ということで,どのようなものが最終的に出てくるのか,非常に意欲的だなと思ったのですけれども,具体的な最初のRound0のところで,この多くの看護師,教員,CNS等に1万人程度ですか,聞くところの具体的な,どのような最初のインタビューをなさるのかなというのを教えていただきたいと思っていたのと,先ほど最初に,冒頭に文科省が御説明になった資料3の調査の8,9,10で出ているように,新しく追加したほうがいいもの,あるいはもう削除したほうがいいものみたいな,この内容もここに含まれるのか,それ以外のものを新しくこの1万人から出そうということなのか,そこの関係を教えてください。
【荒木氏】  ありがとうございます。Chat型AIによるインタビューなのですけれども,我々が行う半構造化インタビューを想定していただくと一番近いのかなと思うのですが,例えばそれがChatbotとかで,いろいろな企業さんとかでQ&Aなどに対応しているように,ある程度質問が出てきたところにこちらが回答していって,それを読んでAIがまた質問していくというようなやりとりになります。対話型のチャットになります。
 我々が今考えていて,想定しているのが,どのような能力を,まあ,ケースベースで,こういうケースにどういうような能力が必要かというような聞き方をすると,看護師であると答えやすいのかなというふうに考えておりますので,今,質問項目をそのように作っているところです。これは業者のほうでChat型AIを作成する業者さんとの調整もあって,どうしたらよりいいデータが取れるかというところで,今まだ調整中ですので詳細は申し上げられないのですけれども,そのような形を考えているところです。
 2点目に関して,すみません,2点目が……。
【堀内委員】  そうすると,文科省の出された,既に調査された内容は,どっちかというと,もっと後ろのほうで合体する。
【荒木氏】  そうですね。まだ私たちもこちらの盛り込むべきというところは,恐らく文科省さんのほうでも入札をかける段階で,調査研究の公募のほうで入れ込んでいただいているのかなと思うのですけれども,削除項目等については,我々もまだ把握していないところですので,具体的に内容が出てきた段階で,その重要度みたいなことも考えながら削除を検討していきたいと考えております。
【堀内委員】  そうすると,Round3とか,もっと後ろでということですか。
【荒木氏】  そういうことになるかなとは思いますけれども。
【堀岡企画官】  私どもRound3でそういった調査結果や意見交換とかさせていただければいいのかなと勝手に思っておりました。すみません,違ったら,荒木先生。
【堀内委員】  それは何か,このところにはやっぱり,せっかくなさっている調査なので,どこでそれが,すり合わせがあるかというのを記載していただいたほうがいいかなと思います。
【荒木氏】  はい。ぜひ。
【堀内委員】  当然,叶谷先生のほうでなさっている,この実態ともどこかRound2か3かでまた合わせるということですよね。
【叶谷委員】  そうですね。できたものに関しては,私が担当している看護学教育質向上委員会と必ず意見交換をするということで,一緒に確認しようと思っております。
【堀内委員】  はい。分かりました。
【鎌倉委員長】  ほかの御質問,いかがでしょうか。そうしましたら,ここからは全体,今までの資料3も含めた形で,看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に当たって留意してほしいという事柄とか,個別なことも結構ですので,各委員から自由に御発言をいただければと思います。先ほど遅くに延ばしていただいた田母神委員からお願いいたします。
【田母神委員】  ありがとうございます。日本看護協会の田母神でございます。資料3にお示しいただいております7ページの基本方針(案),背景についてもお示ししていただいているところでございますけれども,特に重要であり,かつ強調いただきたい点としまして,先ほど御意見もあったのですが,もう少し記載を補足いただいたほうがより明確に分かりやすいのではないかという点がございますので、4点申し述べたいと思います。
 1点目は,2040年に向けた社会への対応ということで,1点目に記載いただいているところでございます。65歳以上人口が今後さらに300万人の増加ということで示されておりますけれども,特に今後,80歳以上人口でありますとか,85歳以上人口が増加をしていきます。そこに対する地域包括ケアということが叫ばれているわけなのですけれども,さらに高齢者のみならず,小児から全世代にわたる地域包括ケアシステムを構築する必要があるという点では,その全世代に対する看護職の地域包括ケアに資する役割というのがこれまで以上に求められるということは,しっかりと明記をいただきたいと思っております。
 2点目としまして,これは2つ目のポツにお示しいただいているところですが,新興感染症への対応というのは,この3年半以上続いているわけでありますが,医療機関,在宅ということで今お示しをいただいております。そのほかのところも記載の意味合いでもあるとは思いますが,今般,重度化のリスクの高い介護施設でありますとか事業所,そういったところでも看護師が非常に活躍をしたところでございまして,感染症下の看護,あるいは感染症予防対策の構築等に当たったということで,こうした新たな課題への対応でありますとか,自然災害ということもお示しをいただいているのですが,今回,制度改正で災害支援ナースというものも位置づけられたということがございます。そういった災害現場で心身両面の社会的な対応も含めた幅広く看護師の役割期待というところが国民の皆様からあるということも具体的にお示しいただく必要があるのではないかと思っております。
 3点目としまして,現在,就業場所は,看護師は医療機関が非常に多いということがございます。今後に向けては訪問看護,あるいは看多機ということも10年前に創設をされたわけでございますが,そこ以外にも介護保健施設などでも非常に医療ニーズの高い方がいらっしゃるということを受けまして,その看護師配置のニーズというのも高まりを見せております。一方で,医療機関で就業しておりましても,地域に向かって患者さん,利用者さんをどう支えるかというところも明確に打ち出す必要は,今後の社会を視野に非常に重要な課題かと思っております。
 4点目は,先ほど資料4でお示しいただきました臨地実習についてでございますが,本会の調査でも新卒の離職率がこの数年上昇しているということがございまして,要因は様々であると思いますので,コロナ禍の臨地実習だけにとどまらない理由があるとは思っておりますけれども,その臨地実習の制約というところも踏まえて,改めて臨地実習でしか経験できないことが多くあるということを踏まえて,臨床現場の皆様とも連携した取組を推進する必要があるということで,今のコアカリの中でも関係者の皆様へのメッセージがあるわけなのですが,そこも強化していくということとともに,臨地実習の充実に関しては,多様な臨地実習の施設,事業所の確保という意味では,教育現場の先生方の人数配置でありますとか,受け手側の指導者確保でありますとか,様々な体制が必要になります。そこに関しましては,特に文科省,厚労省での財政的な,そういった面での支援というのも非常に重要になってまいりますので,そこのところも併せてお願いしたいと思っております。
 そして,すみません,長くなりまして,あと2点なのですけれども,先ほども確認が既に臺先生からありましたけれども,参考資料1の現在のコアカリでは,2ページのところに看護系の全ての大学が学士課程における看護師養成のための教育ということで記載がございます。保健師,助産師教育に関しましては,別途教育内容が指定規則等でも示されているというようなことで,臺委員と同じ意見なのですけれども,そこのところ,文科省のほうに看護師養成に関する内容ということで,括弧書きで付されているのですけれども,保健師,助産師,看護師に共通して必要な基礎となる教育というのは,若干,これは誤解を生じるようなところもございますので,看護師養成のためのモデルコアカリというところは明示をいただきたい。そこのところのみで十分ではないかと考えておりますので,御検討をいただきたいと思いますし,確認をしたいと思います。
 併せて,保健師,助産師のコアカリキュラムについても,現在,全保協,全助協での御尽力によって策定されておりますけれども,令和2年度,指定規則改正が保健助産師についてもありまして,さらに教育内容が追加されているところでございますので,そこのところも文科省のほうでぜひ検討をいただきたいということ。そして,看護師のコアカリの,現在,医学,歯学と違って定期的な改訂の目安というのが示されていないように思いますので,そこのところも今回,明記をいただいてはどうかと思っております。
 資料3のほうで,最後に6ページのところで看護系大学にとって分かりやすいカリキュラムの指針とするための1つのものにすべきというところについては賛成でございます。コンピテンシーという形でJANPUのほうでお示しをいただいているところで,様々な形で御検討を賜りたいと思っております。先ほど鎌倉委員長からも御発言がありましたが,前提となる指定規則というのは,現行,そういった規定がございますので,ここも既に明記されているところですが,そこを基盤にお示しいただく形というのは,様々な形での御検討はあるものだと思いますので,そういったところも併せて御記載をいただければと思っております。
 以上でございます。
【鎌倉委員長】  余りにも多かったものですから,私,全部把握し切れていない部分があるのですが,お願いします。
【堀岡企画官】  1つずつ,7ページの,まず最初の2040年の社会の部分については,「2040年の社会を見据えた」の後に何か具体的な事例とか例を何か書いたほうがよろしいでしょうか。そういう御意見かなと思ったのですけれども,何かもし案があればいただければと思うのですけれども。
【田母神委員】  7ページのところが全体に非常に端的にお示しをいただいているところでありますか,やはり地域に向かった地域包括ケアシステムというのは,全世代に対して必要であるというようなことでありますとか,2点目で申しますと,新興感染症対応については……。
【鎌倉委員長】  一つひとつ進めていっていいでしょうか。2つになるとまた混乱してしまいますので,まず1番目の「2040年の社会を見据えた,看護系人材として求められる資質・能力の改訂」では不十分で,全世代を対象にした地域包括ケアという表現をなさいましたけれども,それをここのどこかに入れるということでしょうか。
【堀岡企画官】  はい。分かりました。多分,1つ目の中に入れさせていただくような形に考え……。
【鎌倉委員長】  キーワードとしては,「全世代に対する」ということと。
【堀岡企画官】  地域包括ケアの推進。
【鎌倉委員長】  「地域包括ケア」という言葉でいいでしょうか。
【堀岡企画官】  はい。分かりました。
【田母神委員】  はい。そうでございます。
【鎌倉委員長】  では,2番目に行きます。「新興感染症や」ということ,そこに加えるというお話でしたけれども,もう少し詳しくお話しいただけますでしょうか。
【田母神委員】  新興感染症対応について,ここでは医療機関,医療施設は在宅ということでお示しをいただいておりますが,看護職の活躍の場は非常に広がりを見せておりますので,例えば介護施設,事業所というようなところも非常に今人数が増えているところでありますので,そういった場の明記なども必要ではないかということでございます。
【鎌倉委員長】  そうしますと,「多様な場面(医療施設や在宅,」のところに「医療施設,在宅,介護施設,事業所等」というような形で入れればいいということでしょうか。
【田母神委員】  はい。
【堀岡企画官】  はい。分かりました。予防はどうしましょうかね。新興感染症等で結構,読んでいるつもりだったのですけれども。
【田母神委員】  ここ全体にどの程度お示しになるかというところかと思いますので,適宜反映いただければと思いますけれども,全てを反映というよりは,そういった意図が伝わるような補足であったり,文言の追加を少しいただいたほうが,より伝わるのかなという意味でございます。
【堀岡企画官】  分かりました。
【鎌倉委員長】  では,その次は,看護援助技術の確実な習得のための演習・実習の効果的な方法の提示,このところにもう少し具体的に加えるというお話だったように思いますが。
【田母神委員】  演習,特に臨地実習でありますけれども,そこのところで医療機関や現地との連携ということは,さらにその連携を深めていくための方略というのは,コアカリの中ではどの程度お示しになるのか勉強が不十分でありますけれども,さらに臨地実習での経験を深めていくためには,もちろん患者さん,利用者さんの理解も不可欠でありますけれども,臨床側と教育機関のさらなる連携の方略ということも必要なのではないかと思っております。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。つけ加えるとしたならば,臨床施設,臨地実習の施設との連携ということを入れるということでよかったでしょうか。
【田母神委員】  はい。そのような文言を追加いただければ大変ありがたいと思っております。
【鎌倉委員長】  はい。あと,教員配置だとか,先ほど御発言がありましたけれども,これはコアカリキュラム改訂の基本方針になるので。
【田母神委員】  これは文科省への要望ということで。
【鎌倉委員長】  要望でいいのでしょうか。
【田母神委員】  はい。申し訳ありません。
【鎌倉委員長】  じゃあ,それはここには反映しないと。
【田母神委員】  はい。
【鎌倉委員長】  はい。そうすると,あとは訪問看護,介護施設など地域の医療ニーズということをおっしゃっておられたと思うのですが,それは何番目になるでしょうか。
【田母神委員】  就業場所にかかわらず,やはり長期に療養する対象の方が非常に増えているという意味では,地域医療構想ということとは別に,やはり地域で求められる,それぞれの機関,事業所の役割というものがございますので,いずれにしても,地域での療養する患者さん,利用者さんに対する看護職の役割というのが重要になってくるという意味では,1点目で申し上げたところと重複するかもしれませんので,全世代にわたる地域包括ケアシステムの構築というところで読めるのかなと思っております。そのような文言を1点目に追加いただければよろしいのかなと思っております。
【鎌倉委員長】  はい。分かりました。それは1点目の「2040年の社会を見据えた」のところで全部読み込んでいくということで了解ということですね。
【田母神委員】  はい。
【鎌倉委員長】  よろしいでしょうか。事務局。
【堀岡企画官】  はい。
【俵課長】  あと,すみません,さっき検討の要請があったと思うのですけれども,多分,今のモデル・コア・カリキュラムの規定の中にあることだったかと思うのですけれども,そこに看護師の養成に関すること,さっき,臺先生からもあった同じ御意見だったかと思うのですけれども,それも今回のモデル・コア・カリキュラムの中にも,今回,看護師の養成に関するコアカリキュラムであるということを明記した上で,まず,これ,臺先生からもさっきありましたけれども,看護師の養成に関することは,保健師さんとか,あと助産師さんの基礎にもなるということで,これ,基礎にもなるという認識でコアカリキュラムが構成されていると思うのですけれども,そこは今のモデル・コア・カリキュラムの規定だと,それが誤解を招くような,そういう表現になっているという御意見だったかと思いますので,僕らの中でも,そのカリキュラムの規定ぶりについては改めて見直して考えてみたいと思います。
【鎌倉委員長】  御意見としては,今回の改訂は看護師教育の,看護学基礎教育のモデル・コア・カリキュラムに限定してほしいという御意見だったように思います。
【俵課長】  はい。それは御意見ですから,その形にさせていただきたい。
【鎌倉委員長】  はい。ありがとうございます。そうすると,先ほどの田母神委員から御指摘があった2ページのところは解決ということでよろしいでしょうか。
【田母神委員】  はい。ありがとうございます。
【鎌倉委員長】  あと,5ページのところは,これで了解ということでしたので,今の最初の行,「2040年の社会を見据えた」とその次の「地域医療構想が推進される中」と,それから,4つのポツの「看護援助技術の確実な習得のため」のところの臨地のところに少し加えるということの修正の御依頼ということで承りました。
 ほかの御意見,いかがでしょうか。お願いいたします。
【臺委員】  臺でございます。スケジュールについて確認したいなと思っています。資料3の16ページに示されました,この連絡調整委員会のスケジュールを拝見すると,次回が来年度ということになっていて,一方で,事業1から4に示された,先ほど資料5にお示しいただいた,荒木先生からも御説明いただいた様々な調査,この辺りがドンと来年度,成果物だけを見て判断していくというのがとても難しいのかな。こういった調査とか,様々なプロセスを途中どのように我々は把握していくのかなというような,もし御予定がありましたらば教えていただければと思います。
【鎌倉委員長】  一応の成果物としては,12月28日に1つ出て,その後は3月というような予定にはなっていますが,今の御意見ですと,12月28日の成果物,報告書が出る前の段階……。
【臺委員】  そうですね。細かなところまで求めると,それは難しさもあるとは思うのですけれども,この報告書をいただいたときに,例えば意見なりを反映することができるのかとか,その辺りの参画の仕方といったところをお示しいただけると心構えができるかなという趣旨の発言でございます。
【高田委員】  すみません,関連して私も意見,よろしいでしょうか。
【鎌倉委員長】  はい。関連しているのですね。
【高田委員】  このスケジュールに関して,最初,拝見したときに,余りにもこの連絡調整会議,まあ,会の名称はともかくとして,少な過ぎるという意見を持ちました。私,薬学のモデルコアカリの改訂のところに参加して,それの専門部会というところに参加させていただいているのですが,薬学は5回から6回,この改訂のためのあれを設けておられたと思います。最終のところで5回目とかというふうになっていた。
 この3回でというのは,実質のところ,この2回目のところで,もうほぼ案が固まり,それでパブコメで,もうすぐに決定というふうになるので,今の臺委員の意見と私は全く同じで,JANPUが進んでいくということ,その進め方そのものに対してどうこうということでは全くないのですけれども,それを伺って,そのプロセスで意見交換する機会というのが全くなくてよいのかというのは正直疑問としては思っております。できれば,もう1回ぐらい,もう1回とかという具体的なところはあれなのですけれども,もう少し意見交換する場というのを考えていただけないかということは思っておりました。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 お二人の委員の御意見としては,2回目の令和6年5月の第2回の連絡調整委員会の前に,もう一度会議を開いて,そこで例えば12月28日の報告書の提出の後のディスカッションだとか,ここの会で意見が出せないかという,そういう御意見かと思います。だから,3月だと,もう完了ということになりますので,その途中段階というと,1つの区切りとしては1月ぐらいになろうかと思いますけれども,事務局,いかがでしょうか。
【堀岡企画官】  そうですね。実は,率直に言うと,28日の報告書が,どれぐらいのボリュームの,どういう感じになるのかというのを荒木先生とか鎌倉先生とも意見交換して考えたいと思うのですけれども,インタビューの羅列のようになるのか,もう少しChatbotとかで詰まったものになるのかがイメージがわかなかったのであれなのですが,いずれにせよ,今,先生方から,高田先生と臺先生からいただいた御意見を踏まえて,どこか,3月にしたほうがいいのか,1月,12月28のほうがいいのかというのは,研究班とお話をした後に会議開催させていただくことにさせていただきます。よろしいでしょうか,委員長。
【鎌倉委員長】  はい。ありがとうございます。高田委員,臺委員,よろしいでしょうか。
【臺委員】  はい。
【高田委員】  ありがとうございます。
【鎌倉委員長】  この第2回の前にもう1回開催する。その時期に関しては,少し調整後ということになりますので,1月から4月までの間ぐらいになりそうだということになるかと思います。
【堀岡企画官】  そうですね。はい。
【臺委員】  時期はお任せで,やっぱりプロセスをきちんと把握しながら進めていければと思っておりますので,よろしくお願いいたします。
【堀岡企画官】  はい。分かりました。
【鎌倉委員長】  ほかの御意見,いかがでしょうか。
【釜萢委員】  釜萢です。私は,医学のほうのコアカリキュラムのことも踏まえて,今日の皆様の御意見を拝聴しておりました。全体のこの方向性や目指されるものについては,大変賛同するものでありまして,ぜひこの検討がうまく生きるといいと思うのです。具体的に今日の資料のどこをどういうふうにしてほしいということではないのですが,全体を踏まえての私の意見を申し述べますと,やはり看護の今回のコアカリキュラムの改訂で,新たに作成されるコアカリキュラムの内容,ボリュームがあまり増えてしまうと,これは今後,それを実際に運用する上では非常に困難を伴うのではないかなということが懸念されます。
 もともとコアカリキュラムというのは,申すまでもありませんが,大学で教育をする内容の全部をこれに盛り込むものではなくて,大学自身,独自に学生に教育する内容も当然,そのボリュームもあって,そこに加えてコアカリキュラムがどのくらいの役割を担うのかというのがもともとあるわけなので,コアカリキュラムの改訂に当たっては,これも盛り込みたい,これもあああってほしい,どうしても全体のボリュームが増えます。増える傾向があると思いますので,その辺りのボリュームがどうなのかということについては,ぜひそこも踏まえながら議論をしていく必要があるなということを感じて意見を申し述べました。
 それからもう1点は,やはり今後の看護職全体の養成の数というのを現状と同様に行っていくのは,人口減少,若年人口減少の中でも難しくなってくることは明らかであります。これは医療従事者全体にとって言えることで,各専門分野をどんどん人材を増やしていくというのは不可能な状況なので,その結果,やはり看護職の場合も,お1人の看護職がより幅広い能力に対応できるような方向性というのがぜひ求められるだろうと思います。これは医学のほうでも総合診療能力,あるいは全人的に患者さんをしっかり把握できる能力ということを盛んに今後目指すということが求められていますけれども,看護職の場合も,それぞれの専門性をさらに高めていくということは非常に大事でありますが,一方で,限られた人数で国民の求めに応じるということからすると,やはりかなりお1人の方が主にできる範囲を広げていくという視点が必要だろうなと思います。
 それからあと3点目,これで終わりですが,今日の資料にもありますように,看護師になる前の実習で実際に行える内容というのが,特に診療の補助の部分については非常に限定的であるという現実があります。これは様々な条件の中でやむを得ない部分はあるのですけれども,やはり今後の方向性として,実習において実施できる,あるいは習得できる機会をなるべく増やすという努力は,しっかり続けていかないといけないなと強く感じました。
 3点,全体的なことでありますが,意見を申し述べました。以上です。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。ボリュームを全体で調整するということと,それから,18歳人口の減少に対応する。そのためには対応能力を広げていくという,その視点。そして,実習での診療の補助を実際に実習できるような努力という重要な御指摘があったかと思います。ありがとうございます。
 ほかの,堀内委員,お願いいたします。
【堀内委員】  ただいまの釜萢委員の第3番目に御指摘になったところと関連していることです。今回のコアカリの改訂の経緯の中に文科省の7ページの資料にもありますように,看護援助技術の確実な習得のための演習・実習の効果的な方法の提示というのがあります。やはりこのことを今回のコアカリの改訂の中で示していくのは非常に重要かなと思っております。
 医学教育のコアカリの改訂版の中には,診療参加型臨床実習実施ガイドラインというのも併せて公表されているようですけれども,看護学の臨地実習においてもやはり,そのような,この実習は,例えば必ず臨地実習が必要なのか,あるいはこれはシミュレーションの演習でもいいとするのかというのは,そういう何か全体の大方針といいますか,臨地実習に関するものはどの辺までとか,あるいは領域別実習というのは,先ほど高田委員もおっしゃっていましたけれども,本当に難しくなってきているので,絶対,最小限,これは絶対,マストとして課されているものは何かというものもぜひコアカリのこの改訂のところに併せて,実習に関する何とかガイドラインみたいなものを出していただけるとありがたいと思います。
 多分,コアカリの中にそれを盛り込もうとすると,ちょっと違うのかなと思っていますので,それとは別立てでもいいので,やはり実習に関する指針のようなものをぜひ立てていただけるとありがたいと思います。私が今現状,学生の様子を見ていますと,学部生をやっていらっしゃる先生方,御存じかと思いますけれども,まず,年齢の7掛けぐらいでの成熟度だと思ってやりなさいというのを教員やいろいろな支援の場で伝えています。そのような,ある部分は非常に発達していますけれども,いわゆるZ世代と言われるような,情報に関しては,ある部分はすごく発達しているんですけれども,一方で対人関係等々では弱さも併せ持っているのが現状なんですね。
 あともう一つ,文科省は御存じかどうか分かりませんけれども,附属病院を持っている本学のようなところでさえも,あらゆるところに実習に出します。出すときには,その医療機関から請求される実習費が年々高騰しているんです。したがって,学生からいただいている実習費用でやってはいますけれども,前に比べて本当に実習場に支払う学校側の費用がどんどん上がっています。または現場でも忙しいから人をつけてくださいと必ず言われますから,そうすると人を雇用するというようなことが各大学の今の実情かなと思っています。
 この資料4を見ていますと,やはり領域別実習ができていない,一部しかできていないという,このデータを見ると,やっぱり私立大学は低いんだなというのを見ますと,なかなか様々な臨地実習をやっていくことの難しさが現代はあるのかなと思っておりますので,コアカリに併せてぜひ実習に関する指針なり,そのガイドラインなりを併せて作成していただけるとありがたいなと思っております。意見です。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 医学のほうは法律も改正されて,それで共用試験がしっかりとなされて,それが前提となってここの医学コアカリのほうには含まれているので,今,看護は,それを目指したいということで,本当に一歩踏み出したところという状況でございます.それはJANPUとしてもこのまま続けていって,何とか質の保証をして,もう少し臨地でできるようにという形で行いたいという方向性は持っております。ただ,今回,コアカリの中で指針となると,どこまで書けるかなというのがちょっと,今の段階では予測ができないところですので,そういう御意向があったということを踏まえさせていただきながら,実習のほうは検討させていただくということで進めさせていただきたいと思いますが,よろしいでしょうか。
【堀内委員】  はい。
【鎌倉委員長】  あともう一つの,臨地実習そのものも本当にマストで臨地に出なければいけないところはどこなのかという検討というのは,それも御意見を頂戴するということで,かなりできるのではないかなと。今回,意見を求めて,これはどうしても臨地に出なければいけない。だけど,これはシミュレーションでもいいんじゃないのという,そういったところの御判断については,専門家に意見を聴取して確定していくと,1つの結論を出すということはできそうな気がしますので,荒木先生,そこら辺はできそうですよね。
【荒木氏】  はい。そこのところは事業の3及び4のほうで,やはり可能な限り技術,あるいは,その評価方法も含めて御提示していきたいと考えています。臨床実習に出るに当たって,その学生に安心してやっていいよという技術の水準というのをある程度決めて,そこまではしっかりトレーニングをして確認して出すということがないと,やっぱりその上のいろいろな技術の学習というところにもなかなか行けないと思いますので,そういった医学教育で言えばEPAのようなものというところをしっかりと出していけると,より実習の内容が充実してくるのではないかなとは考えております。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 あともう1点については,実習費の問題の御指摘がありましたが,今回のコアカリではなかなかその対応は難しいので,情報共有ということと,それから,今,重要な御指摘としては,必ず教員が出向くことを求められてしまうので,そこのところの人件費とか,それから,研究者としての時間の不足とか,そういった課題も今生じてはいますので,そのことも情報共有としてさせていただくということでよろしいでしょうか。
【堀内委員】  はい。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 ほかの御意見,いかがでしょうか。オンラインでお願いいたします。阿真先生,お願いいたします。
【阿真委員】  こんにちは。よろしくお願いいたします。今お話を伺っていて,ワーキンググループなしで,先ほどほかの先生もおっしゃっていたのですけれども,そういったワーキンググループなしで親会というものが随分先になるというところに関しては,不安というか,情報の共有をどういうふうにされるのかなというところが私も気になるところです。
 特にChat型AIのところで,もう既に落札が済んでいて研究も,もう開発が既に進んでいるということなので,そこのところでもう少し今回の段階で,何かもう少し見える,私たちが目に見えるところで理解できるようなものがなかったのかなというのは少し思うところなのですけれども,もう既にすぐにきっと調査が進んでいくものだと思うので,それは感想というところでお伝えさせていただきます。
 そうしたときに,また次の,今現在の予定としては,来年の6月というふうになっていて,その前にもう1回,12月に御報告があって,その後,もう一度開催されるという可能性については先ほどお聞きしたとおりなのですけれども,そこまでの間で何か私たちがお話を,一読して検討会というような形でなくても,情報の進捗についてどのように知ることができるのか,その調査されているところについてどのようなものが動いているのかということを少し知ることができるといいかなと思っています。
 以上です。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 検討会の時期に関しては,もう結論が出ておりますので,その間の情報共有ができるかどうかということですけれども,1つには,こういったインタビューに御参加いただくというのが一番いいかなとは思っているところです。それが一番よく分かると思います。そして,その後のデータ分析のところで,専門家チームにまた話を聞くということになりますので,荒木先生,いかがでしょうか。ここら辺りの情報提供というのは,共有はできるかなとは思うのですが。
【荒木氏】  もちろん,こちらに御参加いただいている先生方は,それぞれの領域の御専門の先生でいらっしゃいますので,Round3での対面インタビューの辺りの対象として想定させていただいておりました。また,事業の3及び4にも関わってきますけれども,実際にできたコンピテンシーと学修目標・方略とか評価,あるいはコアカリキュラムの素案の辺りの現場へのはまりのよさであったりとか,そういったところについては対象として御意見をいただいていく予定でおりますので,ぜひその際にも併せて御意見をいただければと思っております。よろしくお願いします。
【阿真委員】  ありがとうございます。
【鎌倉委員長】  阿真委員,よろしいでしょうか。
【阿真委員】  はい。ありがとうございます。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 もうそろそろ時間が迫ってまいっていますが,オブザーバーで御参加いただいている習田課長さん,最後の辺りで何か御発言,いかがでしょうか。
【習田オブザーバー】  ありがとうございます。特段ございません。ありがとうございます。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 皆様,これを言い残したとか,もうこれだけは言っておきたいという御発言がございましたら,お願いいたします。
【高田委員】  よろしいでしょうか。
【鎌倉委員長】  はい。高田委員。
【高田委員】  すみません,何回も発言して。2点だけ。1点は,このカリキュラム改訂に向けた基本方針というのがやはり大変重要かと思うんですね。この中で2040年の社会というところをどういうふうに,その内容を考えるかというところがやっぱり,このカリキュラム改訂の大変重要なところになるのだと思うんです。それに際して,つい最近だと思うのですが,認知症基本法が成立して,その中でかなり共生社会,認知症の方に限らず,いろいろな障害をお持ちの方とか,あるいは私も含めた高齢者とか,一緒に社会をつくっていくという,そういうところで看護職が果たす役割というのはやはりとても重要になると思うんですね。これ,フィロソフィーということになると思うのですけれども,その辺り,もう少し強調していただけるとありがたいなということが1点。
 もう1点,すみません,先ほど,臨地実習のことがかなり話題になっていたと思うのですが,臨地実習のことを言うときに,やはり卒後の研修と言ったらいいか,そことの関連といいますか,つながりというか,そういう言及の仕方というのが重要になってくるかと思います。というのは,先ほど,出てきていた,やはり退職者が,1年もたないで退職する人が増えてきているとかいうようなことを考えると,臨地実習の在り方というのは,卒後との関連の中でどのぐらい実地に近いことをやるのかということも,とても重要になってくると思うので,そういうギャップを埋めるとか,実習の在り方そのものをかなり強調されてはいるのですけれども,何でしたっけ,参画型実習というか,それを本当に実質的に物にしていくというぐらいに持っていかないと,ここは変わらないと思うので,そこはもう少し力強くここに表現していただくと大変いいかなと思いました。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 最後の御意見として,この基本方針のところに共生社会というようなことを,2040年を見据えた社会の中で,共生社会ということも入れてほしいということと,それから,臨地実習に関しては,田母神委員からも出ていましたけれども,大学と,それから,病院との連携ということを強調してほしいということがありました.そういった意味でも卒後教育との連携というのが,今,御指摘がありまして,臨地実習前の共用試験のことなどももう少し力強くうたってほしいと言われて,力強いお言葉をいただきましたが,そのことも念頭に置いてやっていけるかと思います。
 そろそろ予定の時刻となりますので,これで意見交換を終えて会議を終わりたいと思います。調査研究チームにおかれましては,ただいまの御意見等を踏まえて調査研究を進めて,途中の報告も検討に入れて,コアカリ改訂原案をまとめていただき,その前に意見交換するということになりましたので,その段階の結論について意見交換をしていくということをしていきたいと思います。
 最後に,事務局から今後の予定について御説明をお願いいたします。
【渡邉専門官】  事務局でございます。ありがとうございます。スケジュール案につきまして,御意見いただきましたので,また調査研究のチームのほうとも調整いたしまして,どの時期に次の第2回と申しますか,今回,予定していた第2回の前に一度,そういった委員会を開催するといったところで検討してまいりたいと思いますし,それに関しましては,また追って時期等御連絡させていただきたいと考えております。
【鎌倉委員長】  ありがとうございます。
 それでは,本日の会議は,これにて終了となります。皆様,活発な御意見をありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

お問合せ先

高等教育局医学教育課

看護教育係・医療技術係
電話番号:03-5253-4111(内線2508)