デジタル人材育成推進協議会(第5回)議事録

1.日時

令和8年3月3日(火曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

オンライン

3.議題

  1. デジタル人材育成に関する政策動向について
  2. デジタル人材育成の取組及び必要性について
  3. その他

4.議事録

【星専門教育課企画官】  それでは,定刻となりましたので,ただいまより第5回デジタル人材育成推進協議会を開催いたします。委員の皆様におかれましては,御多忙の中,御出席いただき,誠にありがとうございます。
 本日進行を務めさせていただきます文部科学省高等教育局専門教育課の星と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 初めに,このたび委員の交代がございましたので,お知らせいたします。委員名簿は参考資料1のとおりですが,新たに一般社団法人国立大学協会副会長の梅原委員,公益社団法人経済同友会企業のDX推進委員会副委員長の大野委員に御就任いただいておりますので,一言御挨拶をお願いしたく思いますが,梅原委員は業務の都合上,16時頃から御出席の予定と伺っております。大変恐縮ですが,大野委員からまず御挨拶を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。

【大野委員】  初めまして,大野でございます。よろしくお願いいたします。経済同友会では,企業のDX推進委員会の副委員長として,それから,本業としてはインテルの日本代表を1年半ほど務めております。このたびは同じく企業DXの委員長であって,インテルでは私の前任者であった鈴木さんに代わって,こちらの協議会に参加することになりました。
 企業DX推進委員会では,度々AIや,サイバーセキュリティ人材の協議,それから,提言を行っておりまして,また,インテルではSTEAM事業をこれまで複数の自治体と推進してきたということもありますし,私個人の話で申し上げれば,たまたま今日なのですけれども,大学受験中の息子と少し年の離れた娘もいますので,1人の親としても非常にこの教育,人材育成には関心がございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【星専門教育課企画官】  大野委員,ありがとうございました。
 続いて,出席者についてですが,本日は大村委員の代理として愛知県労働局就業推進官,澤田様に,平井委員の代理として電子情報技術産業協会業務執行理事,執行様に,文部科学省高等教育局長,合田の代理といたしまして審議官,松浦が出席しております。
 なお,執行様には業務の都合上,議題1が終わりましたら,退席されると伺っております。また,先ほど申し上げましたとおり,梅原委員は業務の都合上で16時頃から途中出席されると伺っております。
 そして,本日は滋賀大学の笛田データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター副センター長,日本データマネジメント・コンソーシアム事務局長の大西様に御出席いただき,取組事例の御紹介をいただく予定です。
 それでは,早速,議事に入らせていただきます。議題1,デジタル人材育成に関する政策動向についてです。文部科学省,経済産業省から説明後,意見交換とさせていただきます。なお,文部科学省からは資料1,2に基づき,高等教育関係,初等中等教育関係の順に説明があります。
 それでは,まず文部科学省から説明をさせていただきます。

【松本専門教育課長】  文部科学省高等教育局で専門教育課長をしております松本と申します。私からデジタル人材育成を取り巻く高等教育政策の諸動向についてということで,今の政策の前提になっているところを簡単に御説明させていただきます。
 まず,資料1の1ページ目を御覧ください。昨年の2月なのですけれども,中教審のほうで,我々,知の総和答申と呼んでおります答申が出ました。その中では,今後の子供の数が減っていくということも踏まえて,知の総和を向上することが必須だと。知の総和というのは数と能力の掛け算であるということで,その中で特に質の向上と規模の適正化とアクセスの確保を図っていかなければいけないというところが方針として打ち出されております。この中で,子供の数が減るということに関しては,2040年の見通しとして,46万人という現状からすると3割ほど減るという厳しい現状認識を示したところです。
 2ページ目を御覧ください。子供の数が減っていく中ではあるのですけれども,本日の議題でありますデジタル人材の育成のところにも関係するお話として,我が国のこの大学教育における理系学部定員の少なさ,ジェンダーギャップというところが大きな課題としてあろうかと考えております。資料のほうは御覧いただければと思うのですけれども,我が国,OECD,PISAという国際的な学力,リテラシーを測定する試験においては,科学的リテラシー,数学的リテラシーといったところ,非常に上位のカテゴリーに入る子供の数が多いという傾向がございます。ただ,それに比して高校で理系に進学する割合,さらに,その中に女子の割合ということになりますと非常に割合が小さくなっておりまして,学士,修士と進んでいくにつれて,その割合がさらに小さくなっていく。特に女子にその傾向がございます。
 それから,今日,経済産業省のほうからも御出席がありますけれども,経済産業省のほうで先日示された2040年の就業構造推計というところを見ましても,将来的に理系の人材が不足して,いわゆる一般的な事務職というところは今後余剰が発生するというところ,学歴別に見ても,大卒の文系は余るけれども,理系は非常に足りなくなるといったところが将来の見通しとして示されております。
 次のページをお願いします。これを受けて将来的にこの理工系の数を維持して,46万人に対応していこうということになりますと,必然的にこの人社系の数というのを絞り込んでいくというシナリオを立てざるを得ないということで,それをお示ししたのがこの文理分断の改善イメージという左側の図でございます。全体,こういう構造にならざるを得ないのですけれども,現状の我が国の大学の構造がどのようになっているかというところが右側の資料でございまして,46万人まで減少すると推計をしたときに,一番このパイが大きいパイを持っているのは,明治の頃から,1959年までに設立された第1世代大学といった大学,こういった大学が実は都市部の大型の私立学校が中心になるのですけれども,こういった大学の学部の構成というのが,まさに文系が非常に重たくなっている,大きくなっているという状況がございます。
 それで,第2世代,第3世代,第4世代と,その下に行くにつれて,新しい大学になるにつれて理系の割合が高く,また,女子の割合も高いという構造がございますが,なかなか子供の数が今後減っていくという状況を踏まえますと,この大学の経営的に厳しくなっていく,新しい大学のほうから厳しくなっていくのではないかというところが見込まれておりまして,そうすると,その文系が中心というところの構造がさらに傾向として強くなりかねないというところに危機感を持っているという状況です。
 4ページ目,お願いいたします。ここはあまり触れませんけれども,地域別で見ても余剰が発生するといったようなところ,文系の余剰,事務系の余剰が発生して,理系の専門職が足りなくなるといったところが示されているというところです。
 5ページ目をお願いいたします。こういったところを踏まえますと,やはりこの高校,大学を通じての構造転換というのが私どもとして必要だろうと考えておりまして,まず1つは,これからまた,私の後に初等中等教育関係の御説明もいたしますが,徹底した高校の教育改革というものが必要だろうということで,昨年の補正予算で3,000億ほどの基金を造成していただきました。
 それから,大学教育の構造改革については,先ほど申し述べましたとおり,大都市の私立大学の理工のデジタル分野の重視,人文・社会科学系学部の入学定員のダウンサイジングによる学生,教員数の比率の改善といったところ,それから,理数分野の併修,文系においても理数分野を併修していくといった教育の質の向上が必要であろうというところ,それから,特に地方部においては,どういった高等教育の機能を残すのかというところに関してシビアな議論が必要になってまいりますので,そういったこの地域の高等教育のアクセスの確保方策,地域単位で議論をして協議・実行していくというところが必要かと考えております。
 また,幾つかの地域で,動きが具体になっておりますけれども,公立の高専の設置の促進といったところにも取り組んでいきたいと考えておりまして,令和4年に造成,3,000億円ほどの基金を造成していただいた成長分野転換基金というものがございますけれども,この200億円,昨年の補正予算で増額をして積み増しをしていただいて,既存分と合わせて,今約1,000億円ほどでこの支援2の取組のほうを推進したいと考えているところでございます。
 それで,6ページ目でございますけれども,これまでこの成長分野転換基金のほうで261件の取組を採択いたしまして,地方大学を中心に全国的なこの理工系分野の定員の増加というところに寄与してまいりました。今後は大都市圏の都市部への取組を進めていきたいというところでございます。大規模な理系転換の強力な後押し,それから,理数的素養を身につける教育の質的転換の推進といったところを進めていきたいと考えております。
 7ページ,8ページ,9ページといったところは,具体的に取組として進めていこうとしているところですので,議論の際にお目通しをいただければと考えております。
 最後,10ページでございますけれども,今後のこのデジタル人材育成を推進していく上での課題でございますけれども,大学生の半分が人文・社会科学系である現状を踏まえると,理系転換のみならず,人文・社会科学系をはじめとした理工・デジタル分野以外の学生も含めて理数的素養を身につける教育をどのように浸透させていくかというところが大きなところかと考えておりまして,その観点としてこの人文・社会科学系の分野も含めた様々な分野に応用基礎レベル相当の数理・データサイエンス・AI教育を拡大していくことが重要ではないかというところ,それから,この高大接続を通した教育のアップデートの必要性,その上で産業界との連携というところもますます不可欠になっていくのではないかと考えているところです。今後の,また本日の議論の情報提供になれば幸いです。ありがとうございました。

【橋田初等中等教育局参事官】  続きまして,高校担当参事官の橋田でございます。資料2を御覧ください。この1ページ目を御覧ください。この高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)につきましては,大臣の下でのタスクフォースでの関係団体ヒアリング,また,人材育成分科会等での議論を踏まえまして,去る2月13日に策定,公表したところでございます。1ポツ,このグランドデザインの背景・必要性にございますように,このAIの実装などデジタル技術の目まぐるしい発展が見られる中,この2040年にはさらに少子高齢化,生産年齢人口の減少などが一層深刻化するいう状況がございます。そうした中,労働力需給ギャップが発生する中,事務職の余剰,AI・ロボットを活用する関係,また,理系人材が不足していくという状況が推計されているというところでございます。
 こうした中,生徒が多様な個性,ニーズ,興味・関心に応じた学びを生かした自己実現を支え,生徒の可能性を広げ,能力を伸ばしていくこと,さらに家庭の経済状況に左右されることなく希望する大学への進学,就職をし,個人の幸福,我が国の経済・社会の基盤を強いものにしていくというところがこの背景でございます。この右側にございますように,こうした社会変化に対応する高校教育を教育委員会のみならず首長,産業界,大学を含めて関係者一丸となって実現していこう,その共通理解となるビジョンとして,このグランドデザインを策定したというところでございます。
 2ポツの高校改革の方向性,3つの視点がございます。この視点1,AIに代替されない能力や個性の伸長ということで,リアルとデジタルのよさを組合せつつ,「好き」を育み,「得意」を伸ばす機会を確保していくこと。また,スクール・ポリシーを踏まえた教育活動の改善,公表,高校教育と一貫した大学教育改革も進めていくというところでございます。真ん中の視点2,我が国や地域の経済・社会の発展を進める人材育成でございますけれども,探究・文理横断・実践的な学び,STEAM教育,さらに理数の素養と文系的素養,両方重要であるということ。AIを使いこなす力,そういったものを育成していくというところでございます。その中での学科構成の見直し,専門高校の機能強化でございます。
 右側が一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会・アクセスの確保ということで,全国どこに行っても多様で質の高い学びを保障していこうということで,地理的アクセスの確保,都道府県の実情に応じた学校配置・規模の適正化,遠隔授業等の推進。その他,通信制高校の教育の質の確保等にも努めていくということでございます。こうした3つの視点を重視しながら,さらなる高校改革を進め,N-E.X.T.ハイスクール構想を実現するということで高校,大学・大学院に至るまでの一貫した改革を推進していくというふうにしております。
 2ページを御覧ください。こちら,国のグランドデザインを踏まえまして,今後,都道府県のほうで実行計画を策定いただきまして,さらに安定財源を確保した上で交付金等の新たな財政支援の仕組みを構築することにしております。この米印にございますように,こうした交付金の構築に先立ちまして,高校教育改革のための基金を都道府県に造成し,パイロットケースとしての先導的な学びの在り方を構築する高校,これを創設することにしております。詳細は後ほど説明させていただきます。
 また,この中では新しい学校のイメージや取組例ということで,専門高校の機能強化・高度化によるアドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成,普通科改革を通じた高校の特色化・魅力化による文理の双方の素養を有する人材の育成,地理的アクセス・多様な学びの確保に係る内容を盛り込んでいるというところでございます。こうした取組の一環として,グローバル人材育成支援,さらに地域と連携・協働した学力向上,学習支援にも取り組むことにしております。さらに下のほうでは,この2040年までに達成,目指す目標についても,それぞれお示ししているというところでございます。
 続いて3ページ目を御覧ください。こちらのほう,今回,令和7年度補正予算で約3,000億円の基金を確保したというところでございます。こちらのほうにございますように,3つの類型に応じた改革を先導する拠点のパイロットケース,これを創出し,取組・成果を域内の高校に普及していくというものでございます。
 続いて4ページ目でございますけれども,こちらのほうは,この地域との連携による学力向上・学習支援のための取組ということで,学習内容の高度化,自主学習の支援,探究活動の深化による多様な進路に向けた支援,こういったものも推進していこうというところでございます。
 資料の5ページを御覧ください。こちらのほうは都道府県における推進体制の構築で,冒頭でも少し申し上げましたけれども,教育委員会のみならず,首長,産業界,大学,地域という中で,例えば地域構想推進プラットフォームとの連携もぜひ取り組んでいただきたいというところでございます。
 資料の6ページを御覧ください。こちらのほうはDXハイスクールでございます。令和5年度補正から取り組んできていたところでございますけれども,既存の1,200校分に加えまして,今回,新規校分としても100校分,予算を確保したというところでございます。ICTを活用した探究・文理横断,実践的な学びを強化する高校に対して環境整備の経費を支援するものでございますので,こうした取組も推進していきたいと考えております。
 最後,7ページを御覧ください。こちらのほうは高校教育改革等推進事業債ということで,総務省のほうの地方債事業でございますけれども,今後,都道府県の実行計画に基づき実施する地方単独事業,専門高校の機能強化・高度化,普通科改革,地理的アクセス・多様な学びの確保に関わるような施設整備,これの取組を推進するために地方債の充当率90%,交付税措置率50%ということで,総務省のほうでもこうした支援策を用意しているというところでございます。こうした中でトータルにデジタル人材育成を含め,高校改革の取組を進めていきたいと思っております。
 私からは以上でございます。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございました。
 続きまして,経済産業省より資料3について御説明をお願いいたします。

【迫田情報技術利用促進課デジタル人材政策室長】  経済産業省でデジタル人材政策室長を拝命しております迫田と申します。本日は,よろしくお願いいたします。
 では,資料に基づいて説明をさせていただきます。1ページ,まずこちらの資料は,日本成長戦略会議,高市総理の下で開催されている成長戦略会議の中のデジタル・サイバーセキュリティワーキングという,17の重要分野のうちの1つとして挙げられているものの会議の資料になっております。デジタル人材の置かれている状況ということで,まずは全体的なことをお話しさせていただければと思います。
 今,経済産業省でかなり力を入れておりますけれども,計算基盤や半導体基盤のところをしっかりと高度化していくということ。そういうことができてくると,クラウドのところでデータを動かす空間のスペースが生まれてくるということだと思っております。さらに,その上のデータ基盤,まさにクラウドの中をデータが動いていくというのがありまして,そのデータを活用してAIがモデル開発であったり,AIがサービスを創出する。これをもって産業のDXや公共・準公共分野のDXというのが進んでいくと思っております。
 これを支えるのがまさにデジタル人材ということで,こういった一連のプロセスの中にもたくさん人材ニーズというのがあるということだと思っていますし,右側にサイバーセキュリティというのも書いておりますけれども,こちらもかなり人材という要素もあるという中で,こういったことが1つの全体像と思っております。
 2ページですけれども,本日は,この中のデータ基盤のところについて御紹介をさせていただければと思っております。今,至るところでAIという言葉を聞きますけれども,どうやってAIの価値を最大化するかというところの議論が多くなってきていると思っております。データをただ置いておくというよりは,データの意味や関係性は整理された状態にしておくことによって,AIがより力を発揮すると思っておりまして,データの意味や関係性を整理するということの重要性がすごく高まっていると思っております。
 4ページ,AI-Readyと言っているところを少し御紹介させていただきますと,特に製造業の工場をイメージしていただけると,たくさんのデータがあるのではないかということが想像できるかと思うのですけれども,その企業内に散らばっているデータを探索して,集めて,抽出等を行う中で,データの管理,活用を推進するという意味でのデータマネジメント,データを活用していくということの重要性が非常に高まっております。
 これをAIが理解しやすい高品質のデータとするためのデータの意味や関連づけをするという対応がすごく重要になってきていると言えると思います。AIが理解できるデータに変換していくことが,いわゆる分かりやすい構造,適切なサイズ,意味付け,高い質と書いておりますけれども,データがしっかりしていないと,せっかくAIが使ってもということがありますので,こういったところをしっかりやっていくというスキルの必要性がすごく高まっているという状況だと思っています。
 5ページですけれども,まさにこういうAI-Readyのためにデータをしっかりマネジメントすることによって,AIの精度が大幅に改善されるといったことが幾つかの研究でも今出てきている状況にあります。
 こういった状況を踏まえまして,6ページになりますけれども,経済産業省では,デジタルスキル標準という,デジタルスキルスタンダードというものを3年前,令和4年の12月に作り,毎年見直しをしているところでして,今年も年度末頃に見直しをしようと思っております。DXリテラシー標準と,DX推進スキル標準とで,ロールを決めながらスキルに分解するという作業をしております。
 7ページですけれども,まさに今のAI-Ready化を推進するためのデータマネジメントをできる人材の重要性が増しているという中で,今までは5つの類型だったのですけれども,データマネジメントを独立して新設をしようという検討を進めているところになります。
 8ページですけれども,我々経済産業省で国家試験の情報処理技術者試験をやっておりまして,国内最大級の国家試験と思っておりますけれども,この中でもデータマネジメントの試験を今新設をしようということで準備を進めておりまして,再来年度になりますけれども,試験開始を目指しているということになります。
 9ページに行っていただいて,データマネジメント試験というものを新設しようということで考えていまして,これはエンジニアリングのすごく専門的な内容というよりは,ビジネスということに近いと思っていまして,すごくエンジニアの人がやるということではなくて,組織の中であれば誰でも1つの知識としてデータマネジメントの重要性を理解していただくという形の試験ということで,今考えているところになります。このような形でこのAI時代に向けて少し新しいところ,こういうデータマネジメントが重要ということで,今色々な計画を考えているということになります。
 10ページに行っていただきまして,データマネジメントとは異なるのですけれども,今,我々のほうでデジタル人材スキルプラットフォームというものをIPAと一緒に構築をし始めております。これは個人一人ひとりに情報を紐付けていこうということでございまして,先ほどの試験の合格情報,研修の受講履歴など,色々なものを紐付けることによってスキルを見える化していくということを考えておりまして,今開発中で来年度中にサービスを始めようということで準備を進めているところになります。
 14ページ,人材育成ということで言いますと,先ほどのデータマネジメントといった新しい類型も大事ということもあるのですけれども,もう一つ重要だと思っていますのが,実践的学びと書かせていただきましたけれども,勉強しても実地体験みたいなものがないとなかなかスキルとして育っていかないということがあると思っておりまして,今経済産業省の事業として「マナビDXクエスト」という事業名でやっておりますけれども,地域企業とも連動しながら,チームで企業にお邪魔して,一緒に課題解決するということを,ハブ団体に全国入っていただきながらやっています。高専にもご参画いただきながら今進めているところになります。
 15ページですけれども,こちらは,そういった関係者に東京に集まっていただきまして,先日ミーティングのようなこともさせていただいたのですけれども,勉強に加えてこういった現場に行くという中で,チームワークやコミュニケーション能力を含めてすごく学びになったという方々が集まられていて,このプログラム後にもそういったネットワークを生かして,そのまま起業してずっと色々な企業をサポートされている方とかそういう方も出てきているという状況になります。
 16ページ以降に幾つか事例も入れておりますので,もしお時間があったらお読みいただければと思います。24ページは,人材の中でもトップIT人材と言っておりますけれども,未踏事業というものを経済産業省として25年間やってきておりまして,今2,000人以上が卒業されており,このうち約500人が起業されておりまして, IT系の起業家ではかなりこのプログラムの卒業の方も多いというような状況になっております。資料右側AKATSUKIプロジェクトと書いておりますけれども,この未踏事業は東京に寄っているということもありまして,これを今地方にでもということで,地域版の未踏事業というものを始めているところでございます。
 27ページ,大学や高専の先生に入っていただきながら,トップのプロジェクトマネージャーと呼ばれる方々に若い人材をメンター的に伴走しサポートしながら進めるというプログラムも今全国で行っているという状況になります。
 経済産業省の施策の御紹介は以上となります。ありがとうございました。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございました。
 それでは,意見交換に入ります。15分ほど時間をお取りしておりますので,御発言がある方は,冒頭申し上げましたようにZoomの挙手機能でお知らせいただければと存じます。
 それでは,まず,執行委員,そして,その後,田中委員でお願いできればと思います。

【平井委員代理(執行)】  ありがとうございます。JEITA,執行です。まず,デジタル人材育成,それから,各方に向けました政府の施策に感謝を申し上げます。私どもJEITA,電子情報技術産業協会でも人材育成における産学連携に積極的に取り組んでいるところでございます。特に半導体分野では,大学,高専への出前授業を2025年度には高専,大学で70校余り実施をしております。また,半導体カリキュラムの作成,それから,地域のコンソーシアムにも参画して人材育成に取り組んでいるところです。また,併せて当協会で主催をしております展示会,CEATEC2025では,半導体産業人生ゲームを展開いたしまして,半導体産業で働く魅力などを発信しているところです。
 加えまして,当協会における人材育成の根本的な課題として,そもそも理系,特に電子工学を専攻する女性人材が非常に少ないという現状を受けまして,昨年10月,女性活躍に向けたアクションプランを作成いたしました。また,女性に限らず,男女を問わず理系人材を増やす取組といたしまして,初等教育分野でのプログラミングツールを使った出前授業ですとか,物づくり教室などを展開しておりまして,鋭意取り組んでいるところです。ただ,企業サイドも非常に努力はしておりますが,なかなか限界もありまして,こういった初等中等教育を含めた政府の取組というのは,本当に不可欠だと考えております。
 それから,今後,AIの活用,社会実装が進む中,先ほど御説明もありましたが,広く社会で必要とされるデータマネジメント人材の育成,これは非常に重要だと思っておりまして,幅広い産学連携の取組の促進に向けまして,私ども産業界としても協力してまいりたいと思っております。
 以上でございます。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございます。
 それでは,続きまして,田中委員,お願いいたします。

【田中委員】  ありがとうございます。本日は,文部科学省,また,経済産業省の皆様,デジタル人材の推進についてかなり具体的なプランを御提示いただきまして,誠にありがとうございます。大変に賛同するものですけれども,特に資料1,文部科学省のほうから御説明いただいた資料について,少しコメントさせていただきたいと思います。
 資料1のスライド5なのですけれども,2の大学教育の構造改革というところでございます。文部科学省の資料1です。その中で,2.の大学教育の構造改革の(i)で,大都市の私立大学の理工農・デジタル分野の重視ということです。今回,かなり具体的に御提言いただいて非常に心強いと思ったことは,人文・社会科学の入学定員のダウンサイジングで,ST比を上げることを推奨され,理数分野の併修ということをおっしゃっています。実は早稲田大学は,これと同じ考えをかなり前から持っていまして,やり始めてきました。
 もう少し後のところでも関連するお話ししますけれども,まずこの点から申し上げます。早稲田は,国際卓越研究大学に再度挑戦して認定されませんでしたが,高く評価していただいた部分がございました。実は,社会科学系の学部の4つに関して,ダウンサイジングを今提案しています。約240名の文系,特に社会科学系で,政経と商学部と社会科学部,それから,教育学部の一部ですけれども,学部の入学定員を240名減らして,その人数を理工系の修士課程に増やすということを考えています。少子化がどんどん進んでいくことも御指摘いただいているとおりでございますので,理工の入学の学部入学定員を増やすことはあまり意味がない。子供の数はどんどん減るわけですから。ただ,大学院をもっと増やさないと科学技術立国としてはまずいということで,理工系の修士の院生を増やすということを考えています。
 今,早稲田の場合,理工の学部生の75%が修士に進んでいますけれども,これを95%ぐらいまでに引き上げる必要があろうと思っております。ここのところで申し上げておきたいのは,AIデジタル人材ですとか,AIを使う,DXを使うということに関して,理数系が必要だと考えている方々が多いのですね。メディアでも,そういうふうに捉えている方が多いのですが,実際には日本の社会で事務系の社員として活躍している人で,やはりデジタル系が弱い方が多いわけですよね。ですから,経済学ですとか政治学,社会学,心理学などでデジタル化をもっと強くしておくことが必要で,企業に行って国際的な交渉などするときにエビデンスベースの議論ができるようになるべきです。日本は過去,戦後80年の間に,エビデンスを示す分野の文系の教育が弱かったと思うのですね。これをもっとデジタル化に進めて教育していかないと,国際的な競争力で,ビジネス交渉で負けてしまうだろうと思っています。
 そのことが大事で,併修というのは,まさにおっしゃるとおりだと思っています。もう一つ申し上げたいのは,同じスライドの10ページ,同じ資料1.の10ページ目です。大学生の半分が人文・社会系である現状を踏まえって,これは非常に現実的におっしゃっていて,理系転換のみならず,文系,社会科学系をはじめとした理工・デジタル分野以外の学生も含めて理数的素養を身につける教育をどのように浸透させていくかですが,そのどのようにという方法論について事例を申し上げます。早稲田大学では,2009年から数学のシラバス,アルファ,ベータ,ガンマという3種類のレベルを提供してきました。それらを理工系以外の学部生を対象に,どの学部の学生にも履修できるようにいたしました。
 さらに,「統計学入門」を2011年から始めていましたが, 2019年には,「統計学入門」を改組して「データ科学入門」に変えました。「データ科学」はAIを用いてビッグデータの解析をする「入門」と「中級」と「上級」まで教えるようにいたしましたところ,2019年の履修者は5,000~6,000名ですけれども,それまで統計学入門の履修者は全学で5,000名弱でした。が年々増加し,2021年に1万1,000名を超えて,2024年度,昨年度の終わりまでに延べ人数ですが,1万8,700名以上の学生が履修していました。このように,「データ科学」の学びが全学に広がったということであります,早稲田の場合,8,900名が1学年の学部の定員ですが,理工系の1,600名の学生は「データ科学」を学ぶ必要がありませんので,母集団,7,300名が1学年と考えると,1万8,700名が延べで履修しているという状況は,あと二,三年後に早稲田では全ての学部で,文学部でも,スポーツ科学部でも,教育学部でも,どこの学部でもAIを用いたビッグデータの解析の入門から上級までを学べるということになると思います。
 こういうことが恐らく必要になっていると思っていまして,データサイエンス学部を作っても,そこの履修者って1学年600名ぐらいなのですね。それではやはり勝負にならないので,1万というような数の学生がちゃんとデータ科学を学べるようにすることが日本の大学で必要だと思っています。これをやるためには,もちろん高校の時代から数学を諦めないで大学に進んでいただく必要があるわけです。早稲田ではもちろん,大学に入ってから数学を教えるようにしていますから,高校時代に数学を十分に履修できていない学生の面倒を見ています。しかし,今後のことを考えるとやはり大学共通テストの考え方を変えていただく必要があると思っています。あれは選抜するための試験ではなくて,基礎学力を確認するための試験にするべきだと思うのですね。
 私立大学というのは,理数系が少ないのですが,実際に,理工系の学部や学生数・教員数は3割ぐらいで,7割ぐらいが人文・社会系です。しかし,日本の理工系の人材の6割は私立大学で学んでいます。というのは,日本の大学の8割が私立大学で,日本の学生の8割が私立大学で学んでいますから,全体でみれば,理工系の学生の7割は私立大学で学んでいるわけです。理工系も増やす必要はありますが,やはり人文・社会系をもっと強くしないといけない。そのためには,大学入学共通テストで,この大学のこの学部であれば,この点以上を取っていれば,あとの選抜は違う方法で行い,その学部への適性を判断するというような,クリエーティビティがあるとか,論理性が高いとか,色彩感覚が鋭いとか何かほかの学生とは違う点,その優れたところをみて判断して,学生をとるような形にしていかないといけません。答えのある問題をいち早く解ける学生が優秀だと我々が思っていると,今の偏差値に偏った教育から抜けられないと思うんですね。
 ですから,大学入学共通テストでは,合格させるかどうかではなくて,これだけの学力があれば,どの授業にもついてこれるということを確認するための試験にすべきだと思っております。この点は文科省様もよくお考えだと思うのですが,おっしゃっていることは非常に良くわかりますし,我々と全く意見一致しています。その辺りの点では心強いのですが,そこを実施できるような環境を整えていただきたいと思っております。これからは,日本では理系だけがデジタル化やAIができるのではなくて,文系もできるような教育を進めていかないと国際的な勝負はできないだろうと思っている次第です。
 以上でございます。

【星専門教育課企画官】  田中委員,ありがとうございました。
 それでは,続いて関委員,平松委員,そして大野委員,その順番で御発言をお願いいたします。

【関委員】  ありがとうございます。文科省,経産省の方,御説明,ありがとうございました。いろいろ取り組んでおられるということで理解をいたしました。その上で追加的にコメントをさせていただきたいのですが,デジタル人材育成という視点では,非常に幅広い視点でいろいろな施策を組み合わせて考えていく必要があると思っています。その意味では,大学,高校などの教育課程についてだけでなくて,企業でも人材育成強化を積極的に図るようなインセンティブづけが必要であると思っており,例えばAI関連などの税制で,企業の投資を促進するといったこともぜひ今後検討いただければと思っています。
 また,日本の人材育成には,海外からの優秀な人材の呼び込みどのようにしていくべきかについても併せて考えるべきではないかと思います。海外からの人材と日本の人材を組み合わせて,相乗効果を高めていくという視点があってもいいのではと考えています。
 もう1点,これは以前にも申し上げたかと思うのですけれども,東京23区内の大学のみに対しての定員増の規制について,やはり撤廃すべきだと思っています。アカデミックの領域でも国際競争が非常に激しくなっていると思います。大学も,諸外国の大学等々との競争にさらされているという状況だと思いますので,大学の国際競争力や,我が国の産業競争力,科学技術力を衰退させる要因になりかねない東京23区内の大学に対しての規制は見直しをしていただきたいと思います。高度デジタル人材については,特例的な措置が設けられているのは承知していますが,非常に制約が強くなっておりますので,今の状況では不十分であると思っております。ぜひ見直していただきたいと思います。
 以上でございます。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございます。
 それでは,続きまして平松委員,お願いいたします。

【平松委員】  経団連の平松でございます。富士通で人事を担当しております。まず,デジタルスキル標準につきまして,3年前に公表された後、経団連でも会員企業向けにIPAの方にお越しいただいて説明会を開催するなど,その浸透・定着に向けた取組を行ってまいりました。この1年ほど,人事もしくは人材育成の関係者と,中堅企業も含めていろいろと情報交換をする中で,デジタルスキル標準が, X人材育成やDXの実践において,かなり定着してきていることを実感しております。
 今日ご説明がありましたデジタル人材スキルプラットフォームには大変期待しております。個人のスキル情報を蓄積,可視化する基盤として,国がバックアップする形で構築されれば,スキルの共通言語化が全国規模でさらに進むのではないかと考えております。それによって,デジタル人材と企業間のマッチングが進む,もしくは人材の流動が高まることも期待できます。こうした動きが進みますと,客観的なスキルの可視化が可能になり、企業における評価や処遇への反映もしやすくなると考えております。また、自身のスキルの現在地や成長過程が可視化されることで、学びの動機づけにもつながるというプラスのスパイラルを回していく上でも,先ほどご説明のあったデジタル人材スキルプラットフォームを拡大・定着させていくことに大きな期待を寄せているところでございます。
 それから,学生,特に文系の学生が,数理・データサイエンス・AIといった理数系の要素を学ぶにあたっては,一律に座学でインプットするのではなく,やはり実践的な学びが必要だと思います。その上では,ハイレベルでは,まずはキャリア教育において,自分がどういうキャリアを描いていくのか,その中でどういうスキルが役に立つのかを考える教育を進めることが重要です。今,企業の現場ではAIやデジタルの活用は,全社員にとって日常的なものとなっておりますので,実践的な教育の機会を通じて,AIやデジタルスキルを活用しながら,課題解決や生産性向上に取り組むプロセスを、実感・体感できるような機会や情報を提供していくことについて,企業側としても貢献していきたいと思いますので,ぜひ産学での連携をより一層進めていきたいと考えております。
 以上です。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございます。
 それでは,時間の都合もございますので,この後の大野委員,そして大橋委員のところで一旦,意見交換を締めさせていただいて,この後の事例発表の後にもまた意見交換の時間を設けさせていただいておりますので,追加のコメントがある場合には,そちらのほうでまた御発言いただければと思いますので,それでは,大野委員,お願いいたします。

【大野委員】  まずは,文部科学省,それから,経済産業省からのご説明について,ありがとうございます。今回御説明いただいた政策の中でも,例えば文系学部の理数,サイエンス系分野への転換を行っていくというのは,私も過去に横浜国立大学関係者からも同様なお話を伺っておりますけれども,また,先ほど早稲田の田中委員がおっしゃっていたとおりだと思うのですが,このAIやデジタルがほぼ全ての分野,あるいは業界に関連してくることを考えると,まさに実施すべき政策だと,そういうふうに思いました。また,経済産業省,迫田さんから情報処理技術者試験の見直しも行っていくというお話がありましたけれども,これも非常に重要なポイントになるのかなと思っています。
 一方で,その人材育成というものを考えていく上で大事なのは,環境です。こちらは日本政府のいろいろな政策のおかげで整備が大分進んできたのかなと思っております。では,次に何が大事かというと,デジタルやAIを教えてくださる講師をどのように確保していくのか,あるいはそれを教えるための教材をどうやって作っていくのかだと思います。1つ私からお話し申し上げたいのは,デジタル,特にAI業界に身を置くものとして,今の市場環境というのは非常に変化が激しい。例えばアメリカに関して申し上げれば,最近,若手AIエンジニアが職を失っているであるとか,AIを学んできた優秀な学生も就職難に陥っている。こんな現象が表れているわけですね。
 なぜかというと,もう皆さん御存じかもしれないですけれども,彼らの仕事はAIに奪われてしまっているからだと。ニーズというのが,むしろ経験豊富な熟練エンジニアに集まっている。こういう話なのですね。まさか日本では,そういう状況はまだ来ないと思っておりますけれども,一言でAIと申し上げても,このエージェント型であったりとか,フィジカルAIといったものに進化している中で,当然,データ利活用という点では,共通基盤になり得ると思っているのですけれども,それぞれのアプリケーションに対してどれぐらい柔軟性を持たせれるるか,また,どうやって対応していくかという点について,例えば試験の内容であったり,あるいは専門家,教材の在り方も一定のものにとどまることもなく,常にアップデートしていく必要があるという点を私のほうから申し上げたいと思っております。ありがとうございます。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございます。
 それでは,この場面,最後で大橋委員から御発言いただきたいと存じます。

【大橋委員】  都立大学の大橋です。理数的な素養を身につける必要があるというのは,大学の文系の学部でも問題になっています。特に経済経営学部では,やはり数学はどうしても必要だということで,そういう方向性は合意するのですが,一方で,入学試験に数学を入れたらどうかという議論も大分前から出たり消えたりしています。早稲田大学は大胆に実行されてすごいなと思うのですが,入試の科目を単純に増やすとなると,受験生が逃げるのではないかという心配があります。たとえば全国でそろって,理数系の教育が必要だから,入試科目に入れていくという検討もありえますが,入試というのは大きなメッセージであり,そこでも単独の大学でというのはなかなか難しいので,全体的な方向性として数学を入試も含めて入れていくという検討が進むといいと思っています。それが1つ。
 もう一つは,新学部をうちでも考えていて,特に英語で教育することから,かなり留学生も入るのですが,一方で,半分以上は日本人の学生で,英語で卒業できるまでの教育をして,国際舞台で活躍できる人を育てたいということが目標です。先ほど高校教育改革について資料2でお話があって,例えば2ページ目のスライドの下のほうに留学支援を含むグローバル人材育成支援という取り組みが出てきます。日本の高校教育でも英語に耐えるような,高校で留学するようなグローバル人材を育てていくということが進むと,うちの新学部でもこうした日本人と留学生が一緒になって英語で授業を受けながら,大学の国際化が進むだろうと期待しているので,ぜひ進めていただけるとよいと思っています。
 以上です。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございます。
 様々な観点から多くの御意見をいただきまして,ありがとうございました。それでは,時間の都合もございますので,次の議事に移らせていただきたいと存じます。続きまして,議事の2,デジタル人材育成の取組及び必要性についてでございます。滋賀大学,国立高等専門学校機構,日本データマネジメント・コンソーシアム,情報処理推進機構の順で御説明をいただくとともに,一通り御説明をいただいた後にまとめて御質問及び全体を通した自由討議の時間とさせていただければと思います。
 それでは,まず初めに滋賀大学,笛田様より資料4について御説明をお願いいたします。

【滋賀大学(笛田)】  滋賀大学の笛田です。よろしくお願いいたします。
 まず,次のページ,表紙の次のページをお願いいたします。滋賀大学で企業及び自治体の方に向けた社会人向けの人材育成としましては,この左上に挙げております3つを主に据えております。1つは大学院に対して社会人派遣という形で院生を受け入れる。2つ目は,企業様のほうからニーズを伺って,どういうものが必要なのかということを伺って,その一つ一つの依頼先の企業に応じた人材育成プログラムを編成するという,そして3つは,いわゆるマス向けです。企業さんのほうから具体的なリクエストを受けるのではなく,滋賀大学のほうから一般公開向けという形で教材を作る。この3つを柱に据えておりまして,今日は特にこの真ん中,2番目,色をつけております企業向けのカスタマイズされた人材育成についてお話しさせていただきます。
 このカスタマイズ,一つ一つの依頼に応じて滋賀大学のほうで考えているわけですけれども,これも最初に始めたものがトヨタグループ向けのデータサイエンス実践道場,このほかにもこのトヨタグループの中の日野自動車様に向けたもの,東海旅客鉄道様向け,同じく鉄道会社ですけれども,阪神電気鉄道様向け,あとは,最後の医薬品に関しましては,特定の製薬会社ではなく,いわゆる製薬業界で共通して必要となりますデータサイエンス素養を教育するプログラムという形で構成しました。この右側のほうに移りまして,その中でも一番大きいのはトヨタグループ向けのデータサイエンス実践道場というものです。メーカーさんは割とこの道場という表現がお好きなようで,ほかの会社さんからも道場という言葉がよく出てきますけれども,道場ですので,まず教える側としまして,師範という,いわゆる一番教える者です。こちらのほうは初年度,滋賀大学の教員のみで構成しておりました。最後の拡大のところで,またこの初年度以外の話はさせていただきます。
 滋賀大学の教員のほうで,もちろんデータサイエンスについてはよく分かるわけですけれども,データを生かしていこうとしますと,そのドメイン知識の方が必要になります。特にドメインでも現場はどのような課題解決を必要としているのかでありますとか,データに関しても,理想的にはこのようなデータが取れればいいわけですけれども,現実問題,なかなか取りたいようなデータが取れないということはよくありますので,そのようなデータは取れないのだけれども,こっちのデータだったら割と取りやすいです。そのデータ,そのような取りやすいデータを代わりに使った場合がどうなりますか,そういうところの話をするためには,どうしても大学教員だけでは教え切れない部分がありますので,企業様のほうからも師範代というのを2名出していただく。
 そして,一番大事なのは,この育成される側,育成される側は道場ですので入門生というふうに呼んでおりますけれども,1つの班に対して四,五名という複数の方に同時に教育プログラムを行います。その四,五名,それぞれの方は,まず事前に,いわゆる座学で基礎的なところは勉強していただくわけですけれども,当然,基礎的なところを学んだだけですぐ実践に移せるわけではないという意味で,このデータサイエンス実践道場はありまして,まず基礎的な座学は済ませた後で,実際,その方々というのは企業の現場で働いていらっしゃる方ですので,現場で,その方が持っている課題というのを持参して道場に参加していただく。
 その持参した課題に対して,では,その課題というのは,データを用いるとどのように解決できるのかということを師範,師範代のほうから説明していくということ,そういう構成で行っています。初年度は,先ほど述べましたように滋賀大学教員のみが師範を務めたわけですけれども,2年目,3年目になりますと,前年度に入門生だった人,その人が修了後に,例えばですけれども,翌年は師範代,さらに翌年は師範を担当する,そういう形でやはり滋賀大の教員って数が限られておりますし,一方,トヨタグループは非常に大きい企業様ですので,そういう形で,単にデータサイエンスを扱える人材を増やすだけではなく,データサイエンスについて指導できる人材というものも増やしていくという形で,このトヨタグループ向けのデータサイエンス実践道場のほうは拡大してまいりました。
 方法ですけれども,毎月の指導会で指導するという形にしています。今年度から形を変えまして,これまで1年間,毎月1回だったものを半年間,毎月2回という形で密度を上げました。これは人事異動など幾つかの要因はありますけれども,基本的に約10回くらい教える。定期的に教えるという点では変わっておりません。最後に最終発表会ということを行います。そして,先ほど入門生は数名と言いましたけれども,これは単に自分の課題の解決方法を,指導を受けるというだけですと,結局,その入門生が得た経験というのは,1つの課題だけになるわけです。これは例えば5名で教えまして,自分以外の4名がどのような課題を持っていて,それに対して師範がどのような指導をしているのかということを一緒に悩み,考えていくことによって,この1年間のプログラムを受ける中で,自分で解決した課題が1つと,ほかの入門生がどのように解決していたのか。これを例えば4つ,5名ですと4つ見ることができますので,5課題分の経験を積んで修了するという形になります。
 このページ,最後のところで,規模の拡大ですけれども,最初は何せ滋賀大学の教員,当時,滋賀大学の教員も少なかったですので,4班×数名という形だったわけですが,今年度は25班というところまで大きくなってまいりました。また,参加企業のほうも,初年度が,いわゆるトヨタグループと言われる十数社でしたが,何せトヨタさんですので,サプライチェーン,非常に強大です。だんだんに参加企業のほうも増やしてまいりましたし,教えるほうの大学も初年度は滋賀大学のみでしたけれども,昨年度からは一橋大学,東北大学,大阪大学の方にも師範を担当していただくという形で,規模のほうも拡大しております。どんどんこのように師範も増やしていますので,だんだん大学師範のウエートというのは少なくなってくるわけで,割合としては少なくなってくるわけですけれども,この参加企業を増やすことによって規模のほうがどんどん拡大しているという状態です。
 では,次のページ,お願いします。先ほどのページで挙げましたように,3本柱,あと2つありまして,1つは大学院に対して社会人を派遣していただくというもの,これはいわゆる国内留学という形でありまして,大学院の中に普通に滋賀大学を卒業した学生,他大学を卒業した学生と一緒に社会人の方も入学していただくという形で講義をしています。ただ,社会人の方,特にお仕事から離れることはできないという方ですと,大学院修士課程とはいえ,2年間専念することができなかったりすることがありますので,長期履修生徒として最初から4年計画で,3年,4年計画で履修していただくということも選択可能にしております。
 本学の大学院で社会人の方を受入れること,多数受け入れることを前提に構成したユニークな試みとしましては,この博士前期課程の講義,普通の大学及び大学院ですと,月曜日の1限目は,例えば教師あり学習,月曜日の2限目は教師なし学習のように曜日,時間でこの講義と決まっているわけですが,それですと受けない講義の1時間だけ,90分空いてしまうということになり,社会人の方にとっては,それはもちろん勉強時間としてもいいわけですけれども,やはり職場的には,この人はこの時間,何もやっていないというふうに映ってしまうということもありますので,この大学院前期課程の講義は,1つの週に1つの講義を集中的に行う。4月の第1週は教師あり学習,実は例として4月の第2週は教師なし学習とか,そういう形の集中講義にしておりまして,自分が選択していない講義の週は,もちろんそれまでの講義の予習,復習に使っていただいてもいいわけですけれども,仕事のほうに戻るということも可能です。特に3年,4年で長期履修なさる方ですと,1か月に2週だけ講義を受講する。その他の講義は翌年度に受講するということも可能にしています。
 この講義,ゼミともにオンライン受講可能としています。ちょうどこの我々の大学院が発足して2年目,講義は一通り受けて修士論文のゼミが中心となるというところで,コロナ禍になりましてオンラインが増えてまいりましたので,講義,ゼミともオンライン受講可ということにしています。ですので,極端に言いますと,滋賀大学ではあるわけですが,東京の職場のところにお住まいのままで全ての講義をオンラインで受講するということも形式的には可能にしております。実際,そういう学生さんも少しはいますけれども,やはり登校して横のつながりということも重要ですので,オンラインの受講も可能とはしておりますけれども,どちらかというと登校のほうを推奨するとしています。入学状況,この左下の表にまとめておりますように,この括弧内で社会人です。定員のほうはどんどん増やしておりますけれども,やはり企業様にとって授業料は何せ国立大学の授業料ですから安いわけですけれども,何百万円も人件費をかけている人材が1年間なり2年間なり,大学院に行って企業に貢献できないというところがなかなかネックになるということで,入学者のほうが大体20名前後で,前後しています。
 このページの最後,3本柱の3つ目です。オンライン教材の提供としましては,一応,大学ですので,最初から企業向けというよりは,教材のタイトルとしては「大学生のためのデータサイエンス」というタイトルにしていますが,もちろん企業の方も受講していただいて構いませんという形式にしており,これは今までに4つ作っています。一般論と,第2弾は,いわゆる理系の方向けに機械学習編,第3弾は特に文系に限った話ではないわけですけれども,データサイエンスの細かい理論ではなく,どのように問題を解決していくのかということ。第4弾はデータ研磨。実際の現場で得られるデータは,いわゆる大学の教科書に載っていますようなきれいなデータではなく,欠損はあるわ,ノイズは載っているわ,外れ値はあるわということでかなり実際にやるまでにデータ研磨が必要になりますので,そこについては重点的に教育するというプログラムにしました。このほか,DX人材のためのPythonを用いた予測分析のようなハンズオン教育プログラムも作っております。
 次のページをお願いします。時間もここまでかなり長く使いましたので,このほか滋賀大学ではどういうことをやっているのかということを軽くお話しさせていただきますと,1つは,滋賀大学数理・データサイエンス,滋賀大学がそのコンソーシアムのほうにも入っておりますので,全学教育にも展開しております。データサイエンス学部がデータサイエンスを中心に教えるということは当然なわけですけれども,滋賀大学,ユニバーシティとしては学部が少ないほうで,そのほかに教育学部と経済学部という形になっておりまして,それぞれの学生さんのデータサイエンスの講義を履修できる。特に基礎科目に関しましては,全学部合計3,200名に対して必修化ということを行っています。というのが,まずほかの2学部に対する学部教育です。
 次のスライドをお願いします。次のスライドは,今度は経済学部及び大学院の経済学研究科のほうの話ですけれども,この大学院経済学研究科のほうではMBANと呼んでおります。Master of Business Analyticsということで,経営分析学専攻というものを昨年度設立しまして,この経営判断に直結するようなという形で,いわゆるデータサイエンスの専門家ではなく,経営に関する専門家に関してデータサイエンスを活用していただくというプログラムにしておりまして,昨年度から始めまして今年度末に第1期生が修了予定。これは形式的に予定であり,もう既に発表などがありまして修了は確定しております。
 次のページ,最後をお願いします。最後は,今度は教育学部,教職大学院に関するデータサイエンス人材育成プログラムのほうで,教育現場でも特に教育効果の評価などという形で,データ活用というのは非常に必要とされておりますので,この教育学部の大学院に対してもこのようなプログラムを構成しておりまして,この教職大学院の副指導教員として私をはじめ,この大学院データサイエンス研究科の教員が担当しております。こちらのほうも本年度に第1期生を輩出予定です。
 滋賀大学からは以上となります。ありがとうございました。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございました。
 続きまして,国立高等専門学校機構,谷口委員より資料5について御説明をお願いいたします。

【谷口委員】  ありがとうございます。高専の全体を取りまとめております高専機構の理事長の谷口でございます。よろしくお願いいたします。
 簡単にお話しさせていただきたいと思います。国立の高等専門学校は,北海道から沖縄までほぼ日本全国にある。最近は公立,県立でありますとか,市立とか,あるいは私立の高専も若干あるということもあって,いざとなったら,国,公,私立の高専はみんな一緒にやろうという,そんな感じでやらせていただいています。高専の基本的な教育のプログラム,最初のページを出してください。モデルコアカリキュラムといって毎年改訂していくのですけれども,5年に1回は比較的全体を見直してというのをやっています。毎年改訂していきながら,そのとき,そのときに必要な教育,人材をちゃんとに社会の要請に間に合わせて育てられるようにということで,中身を全面的に改訂するわけではないですけれども,基本的なものをカリキュラムの中に組み込んでいます。
 最近ではMCCやモデルコアカリキュラムといっていたものを,それのプラスといって,このデータサイエンスでありますとか,半導体でありますとか,そういう内容をちゃんと織り込んだようなカリキュラムになっています。どの学校も,少なくとも国立は51校,キャンパスは55あるのですけれども,その全ての学校で数理・データサイエンス・AI教育プログラムの認定制度に対応させて,これは文科省の認定制度がありますけれども,そのリテラシーレベル,いわゆるリテラシーでセキュリティーはどうやって保証するのかという内容の最低限のものは全ての学校で,もう何年も前からやらせていただいています。
 少しレベルを上げた,少しというか,かなりレベルが上がりますけれども,応用基礎のレベルというのも大体9割ぐらいの学校でやっています。必ずしも全ての学校に情報学科というのがあるわけではないですけれども,日本中,高専は1つの,いわば横につながった組織となっていますから,必要な教科書であるとか,あるいは先生であるとか,そういうものはお互いに横の連携をとってちゃんとやりましょうということができていますので,ほぼちゃんと全ての学校で,いわゆる情報リテラシー,情報教育,そういうものがリテラシーレベルから専門レベルに至るまで,きちんとできていると思っていただければいいかなと思います。
 高専というのは,もともと社会とのつながりを大事にしているということがありますし,中学校を卒業して入ってきてくれる学生さんは,いわゆる理工系の勉強が比較的好きな学生さんで,女性も結構,そういう人がいますので,女性は4人に1人,25%からもうすぐ30%になると思いますけれども,その子たちも含めて社会に貢献したいという意識のもとで,社会との連携をするというようなことを日頃からやっているものですから,このモデルコアカリキュラムがありながら,それにとどまらずさらにインターンシップに行くとか,あるいは外から先生が来てくれるとか,そういうことを常々やりながら,学んでくれています。社会との連携の中で,社会が今何を求めているか,そういうことを十分理解しながら,そのためには何を勉強しなければならないのかというような内容をカリキュラムの中に組み込んで,さらには,それは工学的な基礎だよねという理解のもと,あらゆる学科の学生さんたちが全て学んでいるということだと思います。
 さらに,最近はDX関連のいろいろな教育研究プログラムが国のプログラムとしてできましたから,それにも手をあげて半分ぐらいの学校は,採択いただいています。そこではかなりレベルの高いところまで,大学のレベル,あるいはそれ以上に当たるようなところをちゃんと勉強しているということがあります。では,先生は,どう手配するのという話になりますけれども,幸いにも日本のプログラミング,いわゆるソフトウエア関係の,DXに関係ある会社の6割から7割は高専の出身者が社長さんをしてくれていますから,この種の企業やソフトウエア協会とも連携が進んでいまして,いろいろな企業さんと日頃のお付き合いもありますので連携をさせていただいて,現場の最先端の話をちゃんと聞かせていただけるような形で,いろいろな助けを出していただいています。
 今日参加されているいろいろな団体さんにも,日頃からお世話になって,いろいろな支援をいただきながら,しっかりとした教育をやらせていただいているということを御理解いただければと思います。学生さんの中には,もう自分でアントレプレナーじゃないけれども,起業する学生さんもいます。最近では,1年で,全国で,学生さんは1学年1万人,トータルで5万数千人の学生さんがいますけれども,大体10社から20社ぐらいは,このデータサイエンス関係のところで,あるいはDX関係のところで,起業しています。学生でありながら,もう会社を創るとかという,そういうこともかなり学生さんがやっているということも御理解ください。
 一方では,高専の学生さんが小学校とか中学校に教えに行って,このプログラムは,こうやったらこんなゲームができて面白いよねという,そこから始まりますけれども,そんなこともきちんとやらせていただいています。そういうのに興味のある小学校や中学校の子どもさんは,割と高専のほうに集まってくれているというようなことがあって,大変ありがたいなとも思っています。先生にちょっとは外国からの先生を入れるとかを考えると,お金がかかって無理だねという話になってしまったりしますけれども,高専の場合には卒業生がその関係のところにいっぱいいてくれますので,いろいろな企業と連携することによって,比較的容易に先生も確保できています。企業の最先端で活躍している人たちは授業の全てを持つというわけではなく,15回の中の1回,2回,そういう分担だけで,来ていただくだけでも高専の学生さんのモチベーションがガーンと上がりますし,幸いなことに関連したいろいろなコンテストがあります。
 コンテストなどでは,このAIとか,DX関連の考え方を使ったものが数多く出てきますので女子学生も,また,1年生からでも結構,情報関連の取り組みに興味を持ってしっかりとやってくれる子がいて,かなり面白い取組が自分が好きだからやっているという,そんな感じでやってくれているものがあります。学生さんが小学校に教えに行ったら,小学校3年生の子でもプログラミングのすごい子が時々いて,びっくりするような,そんな話まであるということで,ここに一応,書いていますけれども,いろいろな分野で必要な項目を上げながら,きちんとそれを科目に落とし込みながら,授業の内容に落とし込みながら,効果を挙げている現状があります。このデータを十分うまく使って,それを応用しながら社会に役立つようなスキルをちゃんと身につけるという教育をやらせていただいているよということだけ御理解いただければと思います。
 次のページ,これで終わりですけれども,このように社会との連携,ずっとやっていますから,半導体のときもいろいろな企業の方に来ていただいて,2か月で半導体のプログラムを始めましたけれども,高専の場合には企業を含めてさまざまな機関などと連携するということと,スピード感を持って,世の中に要求されるものが取り込んでいくということがある種できますので,半導体と同じようにこのDXに関しても,いろいろな御支援を得ながら,企業の方々とも連携をしながら,社会で本当に即戦力というか,いろいろとお役に立てるような,しかも,面白いことを考えてくれるような学生さんが幸いなことに育っていますということを御理解いただければと思います。高専の教育はほかの教育と違いますから,基礎のところは学問としてもしっかりもちろんやりますけれども,いろいろな応用面というか,社会実装ということをかなり意識しながら学生さんは取り組んでくれているということを御理解いただければと思いますので,これからも皆さんと協力しながらやらせていただいて,本当に社会のお役に立つような人材を育成したいと考えています。僕は,学生さんには,人材なんてもう書かんでいい,あんたたちは宝なんだから,財産の「財」の字を書いて,材料の「材」なんてやめなさいと言っています。学生さんは,社会のお役に立つということに対して自分の気持ちをグーっと入れながらやってくれているというのが高専の教育になっているかなと思いますので,これからもぜひ皆さんの御協力を得ながら,本当に役に立つというか,頑張ってくれるような人材を育てていきたい,そういうことをやらせていただいていますということを御理解いただければと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございました。
 続きまして,日本データマネジメント・コンソーシアム事務局長,大西様より資料6について御説明をお願いいたします。

【日本データマネジメント・コンソーシアム(大西)】  日本データマネジメント・コンソーシアムの事務局長を務めておりまして,本業はNTTデータバリュー・エンジニアという会社で社長をやっております大西と申します。本日は産業界からの期待,あるいはこの団体での取組といったことをAI Readyデータと世の中では言われますけれども,こういったものを整備していくために必要な人材とは何なのかといったところをかいつまんでお話しさせていただければと思います。よろしくお願いします。
 2ページに行っていただいて,こちらのアジェンダでお話しさせていただきますということで,まず初めに簡単に御紹介をさせていただければと思います。私自身,NTTデータ通信株式会社というシステムを創る会社に1994年に入社したのですけれども,システム開発ではなく,ビジネスユーザーとして調達に関わる仕事にアサインされまして,その中でシステムを作るわけではなく,システムを作ってもらって使う側,ビジネスユーザーとして,社会人としての営みを始めまして,その際に、幾らいいシステムを幾らお金をかけて作っても,ユーザーがその中に入れるデータをしっかりマネジメントしていかないと活用できないといったことを自ら体感いたしまして,データを活用していくためには,やはり活用対象となるデータの制度とか鮮度ですとか,あるいは整合性といったところが重要であるということを自ら痛感いたしまして,データマネジメント事業というのを1997年から社内ベンチャー制度というのを利用して立ち上げまして今日に至っておりますということで,様々な業種母体のデータマネジメントに伴走してきているというところと,政府の様々な委員等も務めさせていただいているのですが,この2024年からは,経産省,IPAの,先ほど迫田室長から御紹介もありましたような,データマネジメント人材育成に係るタスクフォースの主査も務めさせていただいております。
 5ページお願いします。そうした中,日本データマネジメント・コンソーシアム,こちらも約15年前に立ち上げた団体でございますけれども,日本の経営者の多くがシステムを入れる,ITを入れるとデータが活用できるというふうに思い込みがちなのですけれども,ITを入れることもとても重要なのですが,その中に入っているデータ,これをいかに品質高く維持するのか,また,それを活用していくためにどういうルールを作って,安心・安全に使うためのルールを作って,またそれをどう教育してといったような,ITを入れるだけでなく,データマネジメントの取組をしていかないと,結果的に日本の国際競争力を落としているのではないかという問題意識から,当初は数十社というところから始めたのですけれども,今やトヨタ自動車さんや三菱UFJ銀行さんや主要な日本の企業に参加いただいているような団体に成長してきております。
 7ページお願いします。それでは,今どういう課題があるのかといったところです。日本ではデータサイエンス人材が活用できていないという点,せっかく国や大学がデータサイエンティスト人材を日本企業に輩出できるようになって,高度分析人材が企業に就職していくわけなのですけれども,一方で,約8割がデータの前処理が必要になる,そもそもどこにどんなデータがあるかとか,そういったところで分析をする前の工程が異常に長い。つまり,企業の中のデータが活用Readyの状態になっていないといったことがもう一般的でございまして,この8割のデータ整備のお仕事,ここをプロフェッショナリティを持ってデータを整備していく人材,こういったところを確立していくことによりまして,データサイエンティストは,本来の分析業務に集中特化することができるし,この8割,一番地味でコツコツした領域ですけれども,これをいかにプロフェッショナリティを持ってやっていくことができるのかといったところを取り組んでいく必要があるのではないかといった問題意識です。
 8ページお願いします。それを裏付けるように,これは右の図表にありますように,アメリカもデータ活用に関するビジネス成果を体感しているというのが,アメリカは57%に対して,日本は17%しかない。日本の控えめなお国柄もあるとは思うのですけれども,データ活用できているかというと,自信を持って「うん」と言えない経営者が多くいるといったところは,実体験のところ,合っているところではないかと思います。これは先ほどのデータサイエンティストが活用できていないというところと相似形でございまして,IBDの日本のデータ活用の国際競争力がアジア諸国と比べても最下位になっているといったような現実も考えますと,活用Readyなデータの整備をやっていくような整備士を増やしていくことが,こういった海外から劣後してしまっているビジネス成果を日本にもたらすことになるのではないかということで,そういった団体の活動なども行っているところでございます。
 では,なぜこうなってしまっているのかというのが9ページ以降に,少しだけかいつまんで書いてありますけれども,様々なITの進化とともに,データが無秩序に拡散,大量化することや,もともと紙の処理を電子にするということでITが導入されていきましたので,やはり部門ごとにデータのサイロ化・部分最適化というのが進行していて,情報システム部門はシステムの血管の部分はしっかり見ているのですけれども,その血管の中の血液が健康な状態になっているのかというところに関しては,全社横断的にしっかり見ていくといったところがなかったというふうなところがありまして,社内のあちこちに似て非なるデータが散在しているとか,そもそも精度や鮮度が悪いですとか,整合性が取れていないといったような課題に,大小を問わず多くの日本企業が直面しているといったところ。一番下に書かせていただいておりますように,各業務の部門の中では回っている。ただ,活用しようとすると,あるいはAIがこれを識別しようとすると,大変大きな問題になってくるというConflict Data,この矛盾したデータというのが今企業に立ちふさがってきているというところです。
 10ページお願いします。例えば法人,会社名にNTTデータ,豊洲太郎様とか,お名前まで入ってしまっている場合や,住所のところにAさん担当とか,間違ってはないのですけれども,Aさんのメモが残っているだけなんですけれども,これをAさんがいなくなるとどこの住所かというのは識別できないような状態になってしまいますし,企業の中のデータは,業務的にはこれで回っているのですけれども,ただ,活用しようとすると,非常にこのコンフリクトした状態になってしまっているデータがあるのが現実でして,それを分かりやすく模式化したものが11ページでありまして,データを入れる側に関しては,お客さんからの注文を早く処理したいし,必須項目だけ入れればとりあえず困らないし,それを二重,三重にチェックするという機構もないといったことでデータが入っていきますと,資料右の真ん中にある顧客IDも,同じ会社なのだけれども別のコードが払い出されてしまい,これもよくあるのが,産業分類がその他とかに分類されることが異常に多くて,その他が8割とかなっていますと,分析が有効にできないといったような状況になっておりまして,データを生み出す側とデータを使いたい側は,ある意味相反するニーズを持ってしまっているというところがありまして,根絶が難しいところではあるのですけれども,この正確性や一貫性を欠くデータからは,やはり正しい答えを導き出せない。活用Readyの状態のデータというのを多くの日本企業が,業務は回っているのだけれども,それが活用や分析に適しているのかといったところでは,そこに大きなギャップがあるといったことが言えると思います。
 12ページ,お願いします。下のところに注目していただきます。例えばよくあるのが,項目説明という欄に日付1,日付2という物理名称があります。ただ,説明書き,何も書いてありませんということがよくあります。これは人間でも,AIでも,どの日付で集計すれば月次が正しく取れるのかという情報がここに入っていないと, AIであっても人間であっても,これが一体どの日付で集計すればいいのかというのが分からないですし,これもよくあるのが右の表にありますように,1は優良顧客,2は一般顧客とあるのですけれども,この定義外でも,3とか,5とか,9とか,定義されていない値が,業務の知恵でどうしても業務的に必要であるとすると,そういうのを新設してしまって,その記録がされていないということが多くの企業で起こっておりまして,ただ,このデータをAIに与えますと,しれっと加えて出すか,もしくは全く無視して出すか。このデータの構造ですとか中身が分かっている人だったら,これAIの答えが何かおかしいねと言えるんですけれども,中身が分かっていなくてAIの答えを無防備に信じてしまうと,非常に怖いミスリードを起こすようなことになるというところで,間違いなくAIが正しく読むためには,正しいコンテキスト,こういったメタデータといったような情報が必要になるのですけれども,やはりこのAI Readyになっているかというと,多くの日本企業がそれを整備できている状態ではないといったのが現実だと認識をしています。
 13ページ,お願いします。そうした企業の実態に照らしまして,資料真ん中のところを読ませていただきますけれども,業務システムは生成されるデータは業務用にはできているのですけれども,必ずしも分析や活用に適していない。つまり,矛盾した,Conflict Dataのままでは活用ができませんので,これを人間でも,AIでも活用できる経営資源としてデータやそのコンテキスト情報を整備していく必要がありまして,下の図のところにありますように,ドメイン知識を持つ,実際にデータの意思決定に使っていくビジネスユーザーと,高度な技術あるいは分析手法を持つデータサイエンティストや基盤エンジニア,ITパートナーというような企業のデータを共通言語として,これを橋渡しして,ビジネスユーザーのデータ活用を支援していく,こういったデータマネジメント人材というところが重要になってくる,求められてくるというところでございまして,この辺のところをまずビジネスサイドの方でも,基本的な常識として,AIに間違ったデータを食べさせたら間違った答えが出てきますよとか,そういった本当にプリミティブなデータのリテラシーというところをこのデータマネジメント試験の中にしっかりと入れまして,基礎的なこれからのデジタル人材のイロハのイということで学習していっていただければと思っているところでございまして,このデータのまず実態を把握するところ,その価値を高めていくこと,これによりましてビジネス側でのデータ活用の牽引,活性化,定着化,こういったことをできるコンピテンシースキルを持ったようなプロフェッショナル人材,これらを日本企業でより認知をさせていって育ていく必要があると考えております。
 15ページお願いします。最後に人材育成に関する取組ということで,産業界からの期待というところも併せて述べさせていただきます。日本データマネジメント・コンソーシアムでやっている活動の一部を御紹介させていただきますが,3月に行われるのですけれども,1,000人ぐらい集めて年に1回カンファレンスを開いておりまして,その中でデータマネジメント人材活躍への道ということで,経済産業省,IPAさんのほうにも入っていただいて,日本の現場で実際にデータマネジメント人材を育成しようというふうにもがき戦っている現場のリーダーたちとパネルディスカッションを行うことで普及啓発活動を行ってまいりましたりですとか,16ページはアドホックな取組にはなるのですけれども,データサイエンスは学んでいるのだけれども,企業の実態のデータを学生さんは触ったことがないですといったところが多くありまして,こういったデータマネジメントというところに関しても,これは先生から御要請があってというところで有志を集めてやったところなのですけれども,集中的に 1日,2日で,大学さんからの要請を受けて,研究会の有志がこういった出張講座のような形で学生さんに対して実施しており,ちなみに先ほど滋賀大学の笛田先生からありましたデータ研磨というところは,実は弊社の有識者が講座の作成にも携わらせていただいておりまして,こういった貢献活動というところも日本データマネジメント・コンソーシアムとしては行っております。
 17ページお願いします。リアルなデータを触ったことがない,企業の中でもツールは扱っているのだけれどもそのデータを扱ったことがないという会員が結構多くて,リアルに近いデータをセキュアな分析環境の中に持ち込ませていただいて,協賛いただいた企業の幹部の方に,こんな活用ができるのではないですかというのを提案するような,そういうコンテストをやりました。これはかなり盛り上がりまして,結構大変なので実施したのは2019年とちょっと昔の話なのですけれども,こんな使い方をするんだというのが自社では気づかなかったといった幹部の方々からのお褒めのコメントをいただいた。日本データマネジメント・コンソーシアムとしてもこういった普及啓発活動を引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 18ページ,お願いします。皆さんへの期待というところで,まず1点目といたしましては,データマネジメント試験の新設される,また,DSSの中にデータマネジメント人材が入ってくるというところは,国家試験の整備というのが社会的認知向上の確立に向けて非常に重要なところであるということで,もともとから提言をさせていただいておりまして,非常にいい機会だと思いますので,人材育成に資する政策を各省庁で連携,横断的に力強く実施して,今まさに文科省さん,経産省さん,まさにこういう形で実施しているというのも1つだと思いますし,全体でこれらを推進していくといったところを期待しているところでございます。
最後に19ページ,お願いします。そういったところをやっていく上でも,民間企業と同様に行政職員さんにとっても,このAI Readyデータの整備ですとか,業務へのAIの設計活用,それによる生産性の圧倒的な改善といったことが不可欠になってくると思いますので,ぜひ経済産業省,文部科学省の職員の方々にもこれを学んで,学ぶだけではなくてそれを業務に生かしていただきたいと思っていまして,ぜひ幹部の皆様に,職員さんに対する受験の推奨ですとか,それによって合格者を徹底的に増やしまして,それを他の省庁や自治体が,うちもやりたいね,やらなきゃねと思っていただけるようになるには,成功例を作って,それを横展するのがやっぱり一番成功に近い形でございますので,例えば講義をするだけでなく,その合格者の方をアンバサダーに任命するとか,あるいは勉強会,コミュニティ,サロンみたいなものを用意して,その仲間を増やしていくようなところ,それをさらに活用事例発表会ですとか,それをその幹部の皆様が表彰してあげることなど,こういった形で有機的に活躍する人材を増やしていくことによりまして,それが民間側もしかりですけれども,それをフロントランナーになるような形で,ぜひ行政機関の皆様も取組をしていっていただけると,よりほかの団体等でも取りたい,取らなきゃいけないというふうに認知が広がると思いますので,そういったところをぜひお取組いただけたらうれしいなと思いまして,産業界の期待ということでまとめさせていただきました。
 発表を終わらせていただきます。御清聴,ありがとうございました。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございました。
 それでは,最後に情報処理推進機構,齊藤委員より資料7について御説明をお願いいたします。

【齊藤委員】  IPA理事長の齊藤です。今日はIPAで進めてきたデジタル人材育成事業に関して,現状とこれからについて説明します。
 2ページをお願します。今日は,ここに書いてある内容ですが,主に試験,データマネジメント人材,デジタルスキル標準の活用,こういったところ,経済産業省の迫田さんからも紹介がありましたけれども,その話と,また,スキル情報のプラットフォームを今構築しているところ,先ほど経団連の平松さんからも期待されているとありましたけれども,こういう4点について紹介していきます。
 3ページお願いします。最初にIPAのデジタル人材育成事業の中で,デジタルスキルの可視化,これは特に標準化ですけれども,それと学習コンテンツの提供,これは育成の観点,それと国際試験,これは評価の観点の3分野を企業,社会人のリカレント教育とか,リスキリングといったものも含めて,時代に合わせたアップデート,アジャイル的な育成をしていくような形で,これまでやってきているということを少し示しています。
 4ページお願いします。これは情報処理技術者試験の内容ですが,試験全体像の話が右の表の中にありますけれども,左の内容と右のほうに応募者数がありますけれども,今現在,約74万人が応募する国内最大の国家試験になっています。特に一番上にありますけれども,社会人,学生が求めるITの基礎知識を網羅するITパスポート試験の人気というのは高まっている状況にあります。
 5ページお願いします。これはITパスポート試験が初めて受験者数30万人を突破したという中で,その内容を示しています。非IT企業の伸びが著しいという状況にありまして,これは先ほどありました人文系の業務の多い企業でも,やっぱりDX,デジタル化という波が押し寄せてきていて,現場での実装が進んでいく,進めようとしているという,その状況を表していると思います。それと,業界別では金融関係が特に多いのですが,製造業とか建設業,電気・ガス業界も伸びてきています。また,これからデジタル社会,AI化というのが伴って,ますます多様な業界でDXの需要が高まっていると思っていますけれども,そういったところが今年度以降もどんどん反映していくのではないかと期待しています。
 6ページお願いします。これは大学文系,高校,普通科というところで, ITパスポート試験が伸びているというところを示しています。これは高校で情報Iが必修となったことを反映していると理解していまして,これから最近の調査で全国の240校が入試優遇とか,単位認定で試験を活用しているという状況にある中で,学校での情報教育というのを支える役割を果たしているのではないかと捉えています。こうしたところをさらに拡大していくということを皆さんとやっていきたいので,ぜひ御支援をよろしくいただきたいと思います。
 7ページお願いします。これは今後のデジタル社会の貢献を目指して1つ受験機会拡大のために学校会場での集団受験を始めたという例でございます。金沢工業大学でITパスポートの受験促進のための,いわゆる大学をITパスポートのCBT試験会場として整備中だということと,大学の学生のほかに一般受験者も受け入れるという形で進めています。こういった形で,ファーストユーザー,金沢工大ですけれども,そこの中でやっぱりまずは139名の応募者があった話があるのと,もう一つ,これをベースにして今後,試験区分を拡大する予定と伺っている話を聞いています。今後,集団受験というのを拡大,提供していくつもりでございますので,ぜひほかの大学での活用も行っていただきたくお願いします。
 8ページお願いします。こちらは自治体との連携の中で,情報,教育熱の高い岡山県から声がかかって,DXハイスクールとなった岡山県立林野高等学校と連携を開始した話でございます。ここはいろいろな意味で,全国の高校でも情報教育を進めている中で,特に自治体の課題としては,地方の組織におけるデジタル人材の不足というのが挙げられていました。こうした中で,次世代を担う情報人材が地域社会で活躍して,経済発展等につながることを期待しながら,それを目的にしながら協定を締結したという話でございます。こういったところを全国のいろいろな自治体にも広めながら,高校との連携なども含めていければと思います。
 具体的な話が次に出ますので,9ページお願いします。IPAが実施した具体的な内容というのは,ITパスポートの講座にIPAから講師を紹介しながら実施したという話と,もう一つは,ITリテラシー出前授業というのをIPAの人間が講師となって行ったという話でございます。こういったところにやはり次世代を担う人材,情報人材の輩出を行っていこうと,そしてまた,ITの授業を通じて地域の発展に貢献していこうということで,今後とも広めたいと思いますので,こういう機会を与えていただけることを今後とも期待しています。
 10ページお願いします。これは2027年度より試験改革を順次実施して,現在,将来ニーズに対応していこうとする情報処理技術者試験の変革の話です。今現在,生成AIの急速な発展,また,AI利活用の拡大を踏まえて,必要とされるスキルというのもアップデートしていく必要があります。こういったところに併せて人気のITパスポート試験もAI時代に対応したアップデートというのを行ってまいりたいということで考えています。2027年度には新しいITパスポート試験を実施予定でございますので,ぜひ皆さんのPRをお願いします。
 11ページお願いします。これは先ほど話がありましたデータマネジメントの話です。この人材育成については,経産省の迫田さんからもありましたし,また,いろいろな意味でJDMCの大西さんの協力,社としての協力を得ながら進めてきている話でございます。具体的にはデータマネジメント人材の育成に至る背景とか,タスクフォースでの議論を踏まえて,データマネジメントの人材育成に関わる方向性を含めて定めてきたという中で,新たにこのデータマネジメントの分野を設けて新試験を創設するということに至りました。さらに,学習教材も提供しながら,企業のAI-Readyを側面から支援していきたいと考えています。AIの時代というのは,皆さんのお話にございますように,データが鍵でございます。企業の中でデータ活用ができていない状態ということは,AI利活用の消費になっていますので,こうしたところに焦点を当てて,IPAも貢献していきたいと捉えています。
 12ページお願いします。これは高専,谷口委員からちょっと紹介がありましたけれども,国立高専との連携の話が記載してあります。前回も紹介した話でございますが,基本的にはモデルコアカリキュラムというのは,高専の教育の質を担保する優れた取組だと我々も考えています。高専機構とIPAが協力しながら,モデルコアカリキュラムとDX人材のスキルを定義したデジタルスキル標準の整合性というのが,先ほど紹介がありましたように確保できたというふうに考えています。これによって高専のデジタル教育がより社会で活躍できるような実践的な人材育成になることを期待しています。これは公としての教育と社会人教育の連携のよい事例なので,こうした,いわゆる高専,高校,大学との連携というのをさらに拡大して,ある意味ではアップデートした教育を受けられるようなことを皆さんと一緒にやっていきたいなと捉えています。
 13ページお願いします。最後になりますけれども,今,先ほど期待されているという話がありましたデジタル人材育成プラットフォームの話でございます。今後のデジタル人材育成の展望については,進化の急激なAI駆動社会においては,必要とされるスキルというのは刻々と変化していくと考えています。その時代,その時代に合わせて必要なスキルを身につける時代になっていく。いわゆるアップデートという話がありましたけれども,アジャイルに人材を育てていくような,アップデートしながら人材を育てていくような,そんな時代に入っていくと思います。そのためにIPAでは生涯を通じて自分のスキルや学習履歴を蓄積しながら,必要なときに可視化して活用できる。また,スキル情報基盤というのをそろえて,それを参照,トラストの世界をキープしながら参照できるような,そんな基盤を作っていきたいと考えています。
 試験とか講習など様々なスキル習得の媒体というのが,このプラットフォームで連携することになって,学生も社会人もデジタルスキルというのを身につける全ての人に,このスキルプラットフォームを活用していただけるようになれば,先ほど申し上げたアジャイル的な人材開発,アップデートしていくような人材開発ができるのではないかというふうに我々は想定しています。IPAは,このプラットフォームをデジタル人材育成の国家基盤として運営していきたいと考えています。皆さんと一緒に,また,多くのステークホルダーとともに,国民のスキル向上を支えていきたいと思いますので,ぜひ皆様の御支援と御協力をよろしくお願いします。
 以上です。どうもありがとうございました。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございました。
 皆様,お取組の御紹介,大変ありがとうございました。詳しい内容で非常に多岐に富んだ内容になっていたかと存じます。それでは,これまでの説明や前半の議論も踏まえまして,御質問や全体を通しての御発言があれば挙手をお願いしたいと思いますが,会議の終了時間が近づいてきておりますので,これから短い時間ではございますが,少し,16時55分ぐらいまでの間で自由討議ができればと思っております。もし差し支えなければ,途中から御出席をいただきました梅原委員,何かコメント等ございましたら,突然振ってしまって恐縮ですが,お願いできればと存じます。

【梅原委員】  大変恐縮でございまして,何をコメントしていいかよく分かりませんが,国立大学でもデジタル人材,注力はしているのですけれども,なかなか高専さんのように全国にわたってシステムとして動かせないというところもございますし,やっぱり多様性が余りにもあるので,どういうふうにその多様性を生かしたデジタル人材を育成していくのかなというところで,幾つか事例があったところは大変参考になりましたということです。前半,全然聞いていないので,これ以上コメントできないのですけれども,多様な国立大学における多様なデジタル人材をどのように育成していくかということは,国立大学協会としても議論したいなと思いました。
 以上でございます。

【星専門教育課企画官】  突然振ってしまって申し訳ございません。ありがとうございます。
 そのほかに何か御発言ございますでしょうか。もしよろしければ,本日御発言のない橋本委員,それから,大村委員の代理として御出席いただいております澤田様,何か御発言ございますでしょうか。
 では,橋本委員,お願いいたします。

【橋本委員】  いろいろ御説明,ありがとうございます。私,日本商工会議所代表ということで参加をさせていただいておりますけれども,商工会議所のほとんどの加盟企業が中小企業となりまして,日本の99.7%は中小企業で構成されています。従業員ベースでも70%の従業員,社員さんの方が中小企業にお勤めということで,今までずっと御説明いただいておりますけれども,我々中小企業にとってはビッグデータを扱うということがあまりなくて,やっぱりデータ量が少ない。このDXを導入するかどうかという微妙なラインの企業が多くて,DX導入にはやはり費用もかかりますので,非常に悩ましい中小企業の経営者さん,たくさんおられると思います。
 あと,大学卒業される方,ほとんどが大手企業にお勤めされる,入社される方が多くて,地方の中小企業で言うとやはり高校卒業して就職という方が結構,実情としては多いのかなという思いもありまして,今回,令和7年度でネクストハイスクール構想でしたか,約3,000億円の基金創設ということで,エキスパートの育成というよりは,そういった高校生のリテラシーの向上を我々中小企業としては求めたいかなという思いもございますので,今回新たなこの基金の創設に関しては非常に期待をしているところです。特に意見ということで,よろしくお願いします。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございました。
 そのほか,御発言おありになる方いらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。

【谷口委員】  谷口ですけれども,ちょっとだけいいですか。

【星専門教育課企画官】  はい。お願いいたします。

【谷口委員】  簡単に。いろいろな資格の試験みたいなのを設定されて,あれ,大変いいことだと思います。大学とかだったら,それを取ったら単位としてあげるとか,そういうこともやっているかと思いますけれども,高専の場合に1つ,企業の名前は言いませんけれども,ある企業の方がそういう認定するような資格の何かお作りになって,それを合格したら奨学金を出すよといったら,ウワーッとみんな受けに行ったというのがちょっとあるものだから,IPAさんとか一緒にやらせていただいていますけれども,そういう何かうまく学生さんが乗っていきやすいようにというようなことをやりながら,資格の試験というのは非常に役に立つのではないかなと思います。上手にうまく取り組んでいただいたら,一遍に受験生が増えるのではないかなと思いますので,余分なことですけれども,一言だけ言わせていただきました。ありがとうございます。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございました。
 それでは,会議終了の時間も近づいてまいりましたので,最後に本日の協議会の総括といたしまして,経済産業省,野原局長,文部科学省,松浦審議官からそれぞれ一言お願いしたいと存じます。
 それでは,野原局長,お願いいたします。

【野原商務情報政策局長】  経済産業省の野原でございます。本日は文部科学省の御説明,それから,早稲田大学,滋賀大学,国立高専機構, IPAなどからAI時代に必要となる人材育成について直近のお取組の御紹介がありました。また,委員の皆様方から,さらなる政策の追加に向けて活発な御意見,御指摘,問題提起もいただきました。関係者の皆様の御尽力に深く感謝申し上げます。
 AI時代に必要となる人材の育成が非常に重要になっている局面でございます。経済産業省では,今日の説明でもございましたけれども,デジタルスキル標準におけるデータマネジメント領域の拡充や,国家試験である情報処理技術者試験にデータマネジメント試験の創設をするなど,これは2027年度のスタートを目指して準備を進めてまいります。こうした取組と併せて,データの取扱いに関する人材育成につきまして,文部科学省の数理・データサイエンス・AI教育プログラムでの取扱いなど,文部科学省,大学の皆様と連携させていただき,共に検討させていただければありがたいと思います。
 国立高専機構,谷口理事長にはずっと半導体をはじめ大変お世話になっておりますけれども,この分野でも引き続きお力を貸していただけるものと期待しております。

【谷口委員】  こちらこそ,ありがとうございます。

【野原商務情報政策局長】  よろしくお願いします。JEITAをはじめとする産業界の皆様には,教育現場の実課題に通じておられる実務家教員の積極的な派遣をぜひ進めていただけますと幸いでございます。IPA齊藤理事長から御紹介がありましたけれども,データマネジメント教材の作成につきましては,今年度の情報処理促進法の改正によりまして,IPAの業務に人材育成が位置づけられたことを受けて取り組んでいただいているものでもございます。IPAのお取組に感謝を申し上げます。こうした教材は,大学,企業で活用いただくことで,デジタル人材育成の一層の促進を期待しているところでございます。
 日本データマネジメント・コンソーシアム大西理事から,AI-Readyのデータにする上でどういう課題があるのかという非常に分かりやすい実務的な御説明がありました。ありがとうございます。日本データマネジメント・コンソーシアムをはじめとした産業界の皆様に教材作成等において御協力をお願い申し上げたいと思いますし,大学の皆様には積極的に御活用いただきますようお願い申し上げます。IPAから御紹介がありましたけれども,個人のデジタルスキル情報の蓄積,可視化を通じまして,デジタル技術についての継続的な学びを実現するとともに,スキル情報を広く労働市場で活用するための仕組みとして,デジタル人材のスキルプラットフォームの構築を進めているところでございまして,令和8年度中の利用開始予定となってございます。
 ぜひ産業界におきましても,こうしたプラットフォームを活用いただきまして,スキルベースの人材育成に積極的に取り組んでいただくことをお願いいたします。AI時代の人材育成を通じて,日本の競争力強化に向けまして,引き続き皆様と連携し,議論し,共に進んでまいりたいと考えております。本日は,ありがとうございました。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございました。
 続きまして,松浦審議官,お願いいたします。

【松浦大臣官房審議官】  本日は皆様,御多忙中にもかかわらず,本協議会に御参加いただき,大変ありがとうございます。様々な意見が出ましたけれども,文科省としては成長分野への転換基金や数理・データサイエンス・AIの認定制度,そして高校の改革の基金,こういったところを通じながら,例えば理系に進む女子が少ないというところの底上げ,あるいは人文・社会も含めて,あるいは高校段階も含めて裾野を広げるところをしっかりやっていきたい。
 あと,この非常に進化の激しいAIの分野でありますから,作って終わりというわけではなく,教える人材も,教える内容も,そして学ぶ側も常にアップデートしていかないといけない。そこで,当然,大学とか高校,教育分野だけではなくて,企業の中で実践をしながら,英語教育と同じで使わないとなかなか使えないということだと思いますので,そういった観点もしっかり踏まえながら取り組んでいく必要があるのかなと,今日の議論を総括すると,そういったことを強く感じた次第ですので,文部科学省といたしましても,経済産業省や関係省庁,そして企業,そして自治体を含めて,様々な関係機関と協力をしながら,このデジタル人材の育成に尽力してまいりたいと思いますので,今後とも皆様の御協力をお願いいたします。

【星専門教育課企画官】  ありがとうございました。
 それでは,以上をもちまして第5回デジタル人材育成推進協議会を終了といたします。本日は御出席いただきまして,誠にありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

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