大学入学者選抜における総合的な英語力評価を推進するためのワーキンググループ(第1回)議事録

1.日時

令和3年12月7日(火曜日)10時~12時

2.議題

  1. 大学入学者選抜協議会大学入学者選抜における総合的な英語力評価を推進するためのワーキンググループの運営について
  2. 英語資格・検定試験団体からの発表について
  3. その他

3.議事録

【前田大学入試室長】  皆様、おはようございます。文部科学省大学入試室長の前田でございます。朝早くからお集まりいただき、ありがとうございます。  所定の時刻になりましたので、ただいまより「大学入学者選抜における総合的な英語力評価を推進するためのワーキンググループ」第1回を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては、御多用の中お集まりいただき、誠にありがとうございます。  本日はウェブ会議形式での開催となっております。御発言の際には、「挙手」ボタンを押していただき、指名された後に御発言をお願いいたします。また、ハウリング等を避けるため、発言後のミュート戻しなど御協力をいただければと思います。  それでは、まず初めに本日の資料について確認させていただきます。お手元の議事次第でございますけれども、配付資料といたしまして資料の1から4でございます。資料1-1が、このワーキンググループの設置紙でございます。それから資料1-2が委員名簿、資料2がワーキンググループの運営要領案、資料3-1としまして、本ワーキンググループに関連する部分のあり方検討会議提言の抜粋でございます。それから資料3-2といたしまして、検討会の提言を踏まえた対応状況について、資料4-1から資料4-7、これは各試験実施団体様から御提出いただいている資料となっております。  また、参考資料は1から5までございまして、1-1としてあり方会議提言の概要、1-2が提言本体、それから参考資料2が令和4年度の選抜実施要項、参考資料3が令和7年度の選抜実施要項の見直しに係る予告の通知、それから参考資料4として総合的な英語力の育成評価に関する基礎資料でございます。それから参考資料5が英語4技能評価の実態調査の結果、これもあり方検討会議で既にお示ししている資料の関連部分の抜粋でございます。  それでは続きまして、本日は初回のワーキンググループとなりますので、増子高等教育長から一言、委員の皆様に御挨拶を申し上げたいと思います。 【増子高等教育局長】  皆さん、おはようございます。ただいま御紹介いただきました、高等教育局長をしております増子でございます。よろしくお願いします。また、本日は大変お忙しい中、本ワーキンググループに御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  さて、今後ますますグローバル化が急速に進展する中、英語によるコミュニケーション能力の向上を図るためには、英語4技能を総合的に育成することが重要でございます。大学入学者選抜においては、こうした学習の成果を適切に評価することが重要でございます。大学入学者選抜における総合的な英語力の評価の推進につきましては、文部科学大臣の下に設置されました「大学入試のあり方に関する検討会議」において議論を重ねまして、今年の7月に提言が取りまとめられたところでございます。  この提言では、大学入学共通テストの枠組みではなく、各大学の個別試験における取組を推進するという考え方の下、バランスよく総合的な英語力を評価するためには、多くの大学にとっては資格検定試験の活用が現実的な選択肢であるとされたところでございます。それと同時に、資格検定試験を活用する場合には、受検機会における実質的公平性を最大限確保できるよう、国のイニシアチブによりまして関係者から成る恒常的な協議体を設置し、低所得層の検定料減免とか高校会場の設定の推進、さらには合理的配慮の推進等について協議していくことが提言されたところでございます。  これを踏まえまして、このたびこのワーキンググループを設置いたしまして、第1回の会議をこのたび開催させていただく運びとなったところでございます。委員の皆様方においては大変お忙しいと存じますが、このワーキンググループへの御協力をぜひともお願い申し上げまして、簡単ではございますが、私の挨拶とさせていただきます。本日は何とぞよろしくお願いいたします。 【前田大学入試室長】  ありがとうございました。それでは議事に入る前に、まず、事務局から、本ワーキンググループの設置紙、それから今日は初回でございますので、委員の皆様を御紹介させていただければと思います。  まず、資料1-1を御覧いただければと思います。設置の趣旨でございますけれども、大学入学者選抜協議会、親会議でございますけれども、10月の12日から15日に書面審議を行いまして、本ワーキンググループの設置について10月25日付で設置がされているものでございます。設置の趣旨といたしまして、総合的な英語力の評価を推進していくため、ワーキンググループを設置し、英語資格・検定試験の活用に当たって必要な事項等について協議を行うとしております。  2ポツの協議事項でございますけれども、英語資格・検定試験における地理的・経済的事情等への配慮、志願者の利便性の向上その他総合的な英語力の評価の推進に関して必要な事項としております。これは固まりで分類しておりますけれども、資料3で後ほど詳細については御説明させていただければと思います。  それから3ポツ、実施方法でございますけれども、ワーキンググループの主査は、協議会構成員の中から協議会座長が指名するということで、選抜協議会の協議会座長が大阪大学の川嶋座長になっておりまして、川嶋座長から協議会座長代理である沖座長代理に、主査ということで指名がされております。  それから(2)としまして、構成員は、(1)のほか、次に掲げる者とするとしまして、協議会座長が指定した団体から推薦された者、それから(ロ)といたしまして、英語資格・検定試験実施団体の代表者として推薦された者、これに加えまして、必要に応じ、このメンバー以外の方で協力を求める、意見を聞くという場合には、そういったことも関係者の意見等を聞くことができるものとするという規定でございます。  それから4ポツの設置期間でございますけれども、ワーキンググループは、協議事項に関する協議が終了したときに廃止するということでございますので、協議の期限は特に設けていないということでございます。  それから5のその他でございますが、(1)としまして、ワーキンググループにおいて協議結果を取りまとめたときは、協議会に報告する。それから、協議会から求めがあったときは、協議の経過について協議会に報告する。また、必要に応じてワーキンググループから、協議の経過を協議会に報告することができるというもの。それから最後に、会議の運営に必要な事項については、ワーキングで諮って定めるということでございますので、後ほど資料2として運営案についてお示ししたいと思っております。  続きまして、資料の1-2でございます。委員の皆様方を御紹介させていただければと思います。本日、埼玉県教育委員会教育長の髙田委員が御欠席、その他皆様御出席ということでございます。  まず、本ワーキンググループの主査であり、大学入学者選抜協議会座長代理の沖清豪委員でございます。 【沖主査】  沖でございます。よろしくお願いいたします。 【前田大学入試室長】  それから、続きまして大学団体でございますけれども、日本私立大学連盟から圓月勝博委員でございます。 【圓月委員】  圓月です。よろしくお願いします。 【前田大学入試室長】  続きまして、国立大学協会から兒玉浩明委員でございます。 【兒玉委員】  兒玉です。よろしくお願いします。 【前田大学入試室長】  公立大学協会から小林良江委員でございます。 【小林委員】  小林でございます。よろしくお願いいたします。 【前田大学入試室長】  日本私立大学協会から安井利一委員でございます。 【安井委員】  安井でございます。よろしくお願いします。 【前田大学入試室長】  全国高等学校長協会から石崎規生委員でございます。 【石崎委員】  石崎でございます。よろしくお願いいたします。 【前田大学入試室長】  髙田委員、御欠席でございますので、全国高等学校PTA連合会から中川徹委員でございます。 【中川委員】  中川でございます。よろしくお願いいたします。 【前田大学入試室長】  日本私立中学高等学校連合会から平方委員、今、まだ入られておりませんので、御紹介だけさせていただきます。  それから、臨時協力者、これは英語資格・検定試験実施団体様でございますけれども、Cambridge Assessment English(ケンブリッジ大学英語検定機構)から青山智恵委員でございます。 【青山委員】  青山でございます。よろしくお願いいたします。 【前田大学入試室長】  IDP:IELTS Australiaから市川智子委員でございます。 【市川委員】  市川です。どうぞよろしくお願いいたします。 【前田大学入試室長】  ベネッセコーポレーションから込山智之委員でございます。 【込山委員】  込山でございます。よろしくお願いします。 【前田大学入試室長】  日本英語検定協会から塩崎修健委員でございます。 【塩崎委員】  塩崎でございます。よろしくお願いいたします。 【前田大学入試室長】  ETS Japanから根本斉委員でございます。 【根本委員】  根本でございます。よろしくお願いいたします。 【前田大学入試室長】  国際ビジネスコミュニケーション協会から三橋峰夫委員でございます。 【三橋委員】  三橋です。よろしくお願いします。 【前田大学入試室長】  ブリティッシュ・カウンシルから安田智恵委員でございます。 【安田委員】  安田でございます。よろしくお願いします。 【前田大学入試室長】  以上が、このワーキンググループの委員の皆様方ということでございます。  それでは、議題に入りますので、ここから進行は沖主査にお願いしたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。 【沖主査】  改めまして、沖でございます。ここからは私のほうで議事を進行してまいります。よろしくお願いいたします。  それでは早速ですが、議題1、本ワーキンググループの運営についてです。まずは事務局から資料2について説明をお願いいたします。 【前田大学入試室長】  それでは、資料2を御覧いただければと思います。  運営要領としまして、1ポツ目でございます。ワーキンググループは、英語資格・検定試験の活用に当たって必要な事項等を協議するものであり、非公開の情報を基に協議を行う必要がございますので、非公開で行うことを基本とするという案でございます。ただし、非公開の情報を基に協議を行わない場合その他協議に支障を生じることがないと主査が認める場合には、公開で行うことができるものとするということでございます。  2ポツでございますけれども、主査は、専ら特定の団体間で協議を行うことが適当であると認める事項があるときは、あらかじめ協議内容を示した上で、該当する団体のみの出席によりワーキンググループを開催することができるとしております。これは、例えば民間試験団体様の御参加をいただいておりますけれども、受検者は大学受験者だけではもちろんございませんので、入試の選抜方法について、高校・大学団体で協議を行うほうが適切だという場合ももしかしたらあるかもしれませんので、こういった規定を置かせていただいております。  3ポツといたしまして、資料についての取扱いでございますが、配付した資料は公開でございます。ただし、非公開の情報が含まれると認めるときその他正当な理由があるとき、会議資料の全部または一部を非公開とすることができるといたしております。  4ポツで、これも会議の公開に関することでございますけれども、会議は非公開でございますが、議事録については作成し、公開するということでございます。ただし、非公開の情報が含まれると認めるときは、議事録の全部または一部を非公開とすることができるといたしております。  最後に5ポツとしまして、この運営要領に定めるもののほか、ワーキンググループの運営に関して必要な事項については、ワーキンググループでその都度決定するという案でございます。  資料2については以上でございます。 【沖主査】  御説明ありがとうございました。それでは、本運営要領について、何か御意見あるいは御質問等ございますか。  石崎先生、お願いします。 【石崎委員】  1番のところで、大学入学者選抜における英語資格・検定試験の活用に当たって必要な事項ということが書かれているんですけれども、この大学入学者選抜というのは、令和7年度のことなのか、それとも、もう今年は間に合わないでしょうから、令和5年度とかそういうことでしょうか。その辺り、確認させていただければと思います。 【沖主査】  いかがでしょうか。 【前田大学入試室長】  前田でございます。令和7年ということを何か想定しているわけではなくて、まさにそれは決まれば決まったものから、特に年度はここからとかではなくて、それは合意できたものから順次という、そういうイメージでおります。 【沖主査】  石崎委員、よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。  今、御説明ありましたけれども、相当このワーキングはいろいろな議論をする必要がある可能性がございます。幾つもの課題を課されているように思いますので、早く決まるものについては、できるだけ早くいろいろな形で実現できればと思いますし、もう少し本腰を入れてきちっと議論する必要があるものについては、少しお時間をいただいて、中期的な課題として考えたいと現時点では思っているところです。  ほかにいかがでしょうか。よろしければ、挙手のサインをお願いいたします。特段ございませんでしょうか。  では、もしよろしければ、この案で決定としたいと思いますが、よろしいでしょうか。 (「異議なし」の声あり) 【沖主査】  ありがとうございます。では、この案で決定としたいと思います。  では次に、議題2、英語資格・検定試験団体からの発表についてですが、その前に、本ワーキンググループにおいて議論すべき論点をあらかじめ明確にするための資料を作成しておりますので、まずは事務局から説明をお願いいたします。 【前田大学入試室長】  資料3-1と3-2について御説明したいと思います。  まずは資料3-1でございますけれども、あり方検討会議の提言での関連部分の抜粋の資料でございます。まず、ここで、どういうことが提言されたかについて整理をさせていただければと思います。  御覧いただきますと、まず一つ目の黒丸でございますけれども、各大学の個別試験における取組を推進することが重要であるが、同一日に一斉に実施される個別学力検査において、バランスよく総合的な英語力を評価することには実施上の課題が大きく、多くの大学にとっては資格・検定試験の活用が現実的な選択肢となる。その際には、対象とする試験の種類やスコアの有効期間の取扱い、複数試験を対象とする場合の比較方法などについては、対象試験を国が決める、高校3年時の2回に限るというような一律の方法によるのではなく、各大学がそれぞれの入学者受入れ方針(アドミッション・ポリシー)に基づいて適切に判断し、分かりやすい形で受験者に示すことが適当とされております。  それから二つ目の黒丸でございますけれども、その具体的な活用としまして、丸1、共通テストまたは個別試験で「英語」の出題を継続しつつ、資格・検定試験スコアの代替等を認める選抜区分を設定する方法、丸2として、資格・検定試験スコアを必須とする選抜区分を設定する方法などが考えられるが、地理的・経済的事情への配慮の観点から、2行ほど下がりまして、スコアを利用しない選抜区分を設ける、当該大学の定める利用方法において資格・検定試験と個別学力検査のいずれか有利となる方法を選択的に使えるようにする等の措置の設定が望まれるとされております。また、感染症の拡大、自然災害等の影響により、資格・検定試験の実施が困難となるような事態を想定し、やむを得ない理由によりスコアの提出が困難な場合の代替措置等についてもあらかじめ検討しておくことが望まれるとされております。  三つ目の丸でございますけれども、実施体制が整う一部の大学、受験者数が少ない選抜区分においては、独自に総合的な英語力を測る試験を実施することが考えられる。既に海外の試験実施団体と試験を共同開発し、問題作成を大学が行い採点を委託するなどして一般選抜において「話す」ことの評価を実施している例も出てきており、複数の大学で連携・協力したり、CBTを活用したりする例もあるとされており、こうした取組の普及を図ることも有益とされております。  それから(4)としまして、総合型選抜・学校推薦型選抜がございますけれども、総合型選抜・学校推薦型選抜は、これらの選抜区分において、資格・検定試験のスコアが既に設置主体を問わず広く活用されており、一層推進することが適当とされております。  それから、次の5ポツでございますけれども、(2)の地理的・経済的事情への配慮、5ページ目でございますが、最初の丸でございます。個別試験における資格・検定試験の活用については、例えば検定料の減免やアクセスしやすい会場の設定等を含め、文部科学省には、関係機関・団体と連携・協力し、必要な措置を講じることが求められるとされております。  また、二つ目の黒丸、英語資格・検定試験を活用する場合には、受験機会における実質的公平性(原則丸2 受験機会・選抜方法における公平性・公正性の確保)を最大限確保できるよう、文部科学省、大学、高等学校、資格・検定試験実施団体をはじめ関係者が連携・協力し、地理的・経済的な事情への配慮措置を可能な限り講じることが必要とされております。例えばとしては、先ほど御紹介したものでございますけれども、地理的・経済的事情から当該試験を受検することの負担が大きい志願者等のため、資格・検定試験を利用しない選抜区分を設ける、あるいは当該大学の定める利用方法において資格・検定試験と個別学力検査のいずれか有利となるほうを選択的に使えるようにするという措置を講じることが望まれるとされております。  次に、受験料の減免でございますけれども、受験料については、国においては現在、住民税非課税世帯を対象に、高等教育の修学支援制度として給付型奨学金がございますが、その中に受験料を計上しております。また、高校生の奨学給付金におきましても、授業料以外の教育費負担を軽減するため、自治体が行う事業に対して、国がその経費の補助、3分の1でございますけれども、補助するという制度がございます。  ここで書いておりますのは、低所得者層への受験料の減免といたしまして、一つが低廉な受験料の設定など、各大学の取組を促進する方策を検討する。それから、資格・検定試験実施団体に対し、低所得者層への検定料の減免、オンライン試験の導入の検討の要請、それから高等学校、教育委員会等に対し、高校会場の拡充への協力ということが書かれております。  それから最後、(3)として総括的に書いておりますけれども、恒常的な協議体の設置として、こういった配慮を充実させるため、文部科学省のイニシアチブにより、資格・検定試験実施団体と高大関係者等による恒常的な協議体を設け、例えば低所得者層への検定料の減免、オンライン受検システムの整備や高校会場の拡充、障害のある受検者への合理的配慮の推進、成績提供の利便性の向上、問題集の出版などを含む試験実施団体内部での利益相反等に関する問題への対応の在り方、各試験の質や水準等に関する第三者評価の在り方や調査研究の実施といったテーマについて議論することが有益とされております。  こうした提言を踏まえまして、資料3-2でございますけれども、まず、対応済みと書いているものでございます。これは高校・大学団体関係者の協議で決められたものでございます。  それから2枚目は、これからこのワーキンググループで御審議いただきたい事項でございますけれども、まず対応済みを御覧いただきますと、今申し上げました提言内容、左側でございますけれども、資格・検定試験スコアでの代替を認める選抜区分の設定、それから資格・検定試験スコアを必須とする選抜区分の設定、スコアを利用しない選抜区分、それから選択的に使えるようにする、それから感染拡大・自然災害の影響でやむを得ない理由によりスコアの提出が困難な場合の代替措置。それから、下に参りまして、これも同じでございますけれども、利用しない選抜区分でございますとか選択的利用のことが書かれています。  こういった提言、この部分につきましては、右の対応状況でございますけれども、選抜協議会におきまして、7月15、26日で令和7年度の予告として教育委員会・大学に既に通知をさせていただいております。  実際の実施要項のイメージでございますけれども、資格・検定試験の成績の活用として、丸1、実用英語検定(英検)やTOEFL等、「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を測ることのできる資格・検定試験等の結果を活用するということで、TOEFLにつきましては平成13年からこの規定でございます。それから英検につきましては平成15年から名称が入っております。  アンダーラインが今回変更した部分でございまして、その際、家庭環境や居住地域により資格・検定試験等を受検することの負担が大きい入学志願者の受験機会の公平性・公正性の確保に当たっては、学部等同一の募集単位において、資格・検定試験等の結果を利用しない募集区分の設定や、個別学力検査の成績と資格・検定試験等の結果のいずれか有利となるほうを選択的に利用することなどの措置を講じることが望ましい。  それから(2)でございますけれども、ただ、その活用に際しては、各大学のアドミッション・ポリシーに基づき、具体的な活用方法、これを適切に判断し、分かりやすい形で入学志願者に明らかにする。それから最後に、大規模な災害の発生等により資格・検定試験が実施されない場合の代替措置についても検討しておくことが望ましいとしております。これが高校・大学団体関係者の協議で決めたもので、対応済みというものでございます。  次が、本ワーキンググループにおいて求められる検討事項としまして、高校・大学団体関係者だけではなく、資格・検定試験実施団体の協力の下、協議が必要なものでございます。  一番上の枠でございますけれども、個別試験における資格・検定試験の活用について、文部科学省には、関係機関・団体と連携・協力し、必要な措置を講じることが求められる。  それから真ん中でございますけれども、低所得者層への受験料の減免、資格・検定試験を活用する選抜区分における低廉な受験料の設定などの各大学の取組を促進する方策を検討。資格・検定試験実施団体に対し、低所得者層への検定料の減免、オンライン試験の導入の検討の要請。それから、高等学校、教育委員会等に対しての高校会場の拡充への協力を求めたりすべきであるとされております。  最後に、先ほど申し上げました、この検討会、まさに協議事項でございますけれども、低所得者層への検定料の減免、オンライン受検システムの整備、高校会場の拡充、障害のある受検者への合理的配慮の推進、成績提供の利便性の向上、それから試験実施団体内部での利益相反等に関する問題への対応の在り方。この利益相反に関しましては、あり方検討会議では、例えば試験団体がその試験の対策講座を行うことで、高校生の間で地理的・経済的な格差が生じる懸念があるということで、ルールの整備などが必要ではないかという意見もいただいております。また、第三者評価の在り方、調査研究等につきましては、これは運営や質、それから公平性の観点で、信頼性を担保するに当たって、例えばイギリスのOfqualのような資格試験の監査機関の取組が参考になるんじゃないかという御意見もいただいております。  最後の今申し上げたところでございますけれども、低所得者層への検定料の減免から成績提供の利便性の向上、ここまでが実務的な運営上の課題でございます。後半二つにつきましては、利益相反と、それから第三者評価、これは制度的な課題でございますので、これからのこのワーキンググループの議論次第でございますけれども、まずはこの実務的な運営上の課題から進めていくのが一番いいのだろうと考えております。  事務局としては以上でございます。 【沖主査】  御説明ありがとうございました。  それでは、この内容を踏まえまして、各英語資格・検定試験団体におかれては、資料を御準備いただきましたので、委員名簿の順に御発表いただきたいと思います。  なお、一つの団体当たり10分程度でお願いできればと思っております。  また、7団体全て意見発表が終わった後に、委員の皆様から御意見、御質問等お受けできればと思います。  それではまず、Cambridge Assessment Englishおよび一般財団法人日本ケンブリッジ英語検定機構の青山委員からお願いいたします。 【青山委員】  おはようございます。ケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge Assessment English)の青山でございます。当ワーキンググループにおいて、必要な事項に関する私どもの取組等々について、まずお話しさせていただく機会をいただきましたことに感謝申し上げます。  本題に入る前に、私どもの機関の説明を簡単にさせていただきたいと思います。今年8月に、姉妹機関のCambridge University Pressと私どもの親機関でありますCambridge Assessmentが統合しまして、Cambridge University Press & Assessmentという機関が誕生いたしました。ケンブリッジ大学内での統合ということもありまして、新組織として実質的に活動が始まりますのは2022年7月、夏以降になる予定ということもあり、本日の発表は今までと変わらないロゴ・名称で行わせていただいておりますことをあらかじめ御了承ください。  事務局より大きく2点についてお話をするようにということでした。まず、私どもの試験概要についてお話しいたします。現在、日本で展開しておりますケンブリッジの試験は、左から、ケンブリッジ英語検定、黄色で示されたテストのリンガスキル、そしてIELTS、この3種類になっております。IELTSに関しては、IDP:IELTS Australia、ブリティッシュ・カウンシル、そして私ども、3者が共同保有するプロダクトですが、作問は私どもケンブリッジが担当しております。  私どもが作問する英語の試験は、Cambridge Englishスケールという、下は80から上は230の1点刻みの共通の尺度で互いに関連づけることができます。今見ていただいておりますように、スコアが160だった場合は、リンガスキルですとこのレベル、IELTSに換算しますと大体5.5寄りの5.0、そしてケンブリッジ英語検定のB1 Preliminary(プレリミナリー)ですとグレードA、B2 First(ファースト)ですとグレードC、このように横串にきれいに刺して比較検討できるといったところが利点の一つとなっております。  まず、ケンブリッジ英語検定に関してですが、時間の関係もありますので詳しくは申し上げませんけれども、左側に見えておりますように、ケンブリッジ英語検定は、コミュニケーションに重きを置いた試験ということ、スピーキングテストは、コミュニケーション(やり取り)に根差しているので、ペア型面接を用いております。従いまして、暗記力による話す力ではなく、相手が発した発言に対してどのように返すのか、そのような即興性を測定するテストとなっております。また、歴史上CEFRとともに開発され、CEFRにマッピングされていると主張できる唯一の英語4技能試験であり、それが一つの特徴と言えます。学習指導要領との親和性も高く、資格は生涯有効です。もちろん海外でも通用する試験ですし、国内で、11月現在ですけれども、国公立14、私立133、計147の高等教育機関の入試要件の一部として活用されています。  こちらが私どもの一番新しい試験でして、ケンブリッジ英語検定と同じアイテムバンクを用いていることから、ケンブリッジ英語検定4技能CBTと紹介しておりますリンガスキルです。4技能一括でもモジュール別でも受検ができる試験で、開発はケンブリッジ大学本体、コンピューターラボ、工学部、ケンブリッジ大学理論応用言語学部、そして私どもが、AIエンジンの開発に当たっています。  リンガスキルに関しては、早く結果が出るといったところが最大の特長の一つでして、遠隔試験監督システムを導入すれば、日本のどこにいてもグローバルな基準の試験を受検できるという利点がございます。  現在取り組んでいることですけれども、オンライン受検システムの整備は、まさに先ほど申し上げましたリンガスキルが、例えば日本のどこに住んでいても公平な受検機会を担保できるため、僻地・離島の受検者の問題ですとか、そういった懸念の解決につながると考えております。  高校会場の拡充ですが、こちらは主にケンブリッジ英語検定ですけれども、従来は世界共通の試験日という設定がありましたが、先月11月から、グローバルでも受検者の多いA2 Key for SchoolsとB1 Preliminary for Schoolsに関しては、フレックス試験日が導入されました。つまり学校側が希望する試験日に実施できるということで利便性が向上しております。そして原則的に、先生方に試験監督をお願いする、そういうシステムではないので、現在、教員の方に負担をかけない試験運営といったところが評価されていまして、自校開催は増加傾向にございます。  その他、障害のある受検者への合理的配慮、こちらも積極的に行っており、内容についてはウェブサイトで開示させていただいておりますし、成績提供の利便性の向上に関しては、特にケンブリッジ英語検定の成績について、大学側が受検者の成績をケンブリッジのデータベースから直接入手できるオンライン成績確認サービス、こちらを無料で提供中です。残念ながら、現在入試活用中の日本の大学のうち15%程度の登録率ですので、もっと増やしたいと考えております。  先ほど事務局からも言及がございましたけれども、私どもの機関は、資格試験監査機関Ofqualによる規制を受けておりまして、試験対策教材、対策講座等が受検者にとって不公平な優位性を生じないよう、我々がそれを回避するための手続を有しているかどうか、常にこちらの機関にチェックされています。冒頭申し上げたように、出版とアセスメントが一つの組織として統合されて以降もそれは変わらず、粛々と違反のないよう、Ofqualの規制を完全に遵守している状況です。右側にあります第三者評価による評価結果の概要ですが、このように、現在、主なところでは3種の第三者評価を受けております。  こちらは、調査研究の実施に関して御報告をと思いまして作成したスライドです。国内ですけれども、先ほど離島や僻地に関してお話しいたしました。2018年から、離島の県立高校の環境でリンガスキルを実施できるか、実施した場合の受検者のフィードバックなど、英語4技能試験のオンラインテストが与えるポジティブな影響を調査しております。これは、そういった地域にお住まいの受検者が、世界レベルの試験を移動にお金も時間もかけずに受検できるよう、また、進学したい大学がその試験結果を認めやすいよう、両者をサポートするエビデンスを収集することで、入試活用に繋げるお手伝いができたら、と。それが地理的事情への配慮につながると考え、こういった調査を行っております。コロナが落ち着きましたら、また別の県の離島でこういった調査をしたいと考えております。  これが最後のスライドですけれども、今度はグローバルな国際調査といったところでの御紹介です。既に御存知の方もいらっしゃると思うんですが、OECDのPISA外国語調査が2025年に初めて実施されます。そのパートナーとして選ばれたのが私どもでして、リーディング、リスニング、そしてスピーキングの3技能を測るテストとなっておりまして、作問・採点にはケンブリッジのテクノロジー、これはまさにリンガスキルで活用中のテクノロジーが採用されております。  私どものこちらの国際調査での役目としては、外国語評価フレームワークに関するアドバイス、英語テストの開発(コンピューター版・オンライン版)、採点ガイドの作成、そしてスピーキングの自動採点エンジンのトレーニングとなっております。このように国内外の調査研究に弊機関は携わっておりまして、今後とも利用者の視点に立った迅速で正確なオンラインテストの開発・充実に一層貢献したいと考えております。  私からの発表は、以上でございます。どうも御清聴ありがとうございました。 【沖主査】  青山委員、どうもありがとうございました。  それでは、続きまして、IDP:IELTSオーストラリアの市川委員より御報告いただきたいと思います。お願いいたします。 【市川委員】  改めまして、IDP:IELTSオーストラリアの市川でございます。本日はこのような機会を設けていただき、ありがとうございます。引き続きIDPといたしましては、日本において国際的に活躍できる人材育成や総合的英語力評価推進の実現のためにIELTSとして貢献できることを大変うれしく思っております。これからもどうぞよろしくお願いいたします。  それでは、まず初めに、弊社、IDP:IELTSオーストラリアについて簡単に御紹介させていただきます。IDPは、1969年にオーストラリア政府によって設立されて以来、50年以上にわたり世界30か国以上で英語圏への留学支援を行っている、オーストラリア・メルボルンに本社を置く民間企業です。また、留学支援と併せて、IELTSの共同オーナーとして、世界56か国で1,500以上のテスト会場を運営しています。日本では、2016年に公式テストセンターを開設して以来、全国でIELTSの試験提供をするとともに、IELTSの受検者を応援すべく、試験対策に関する情報提供を行っております。  では、ここからIELTSの試験概要についてお話をさせていただきます。先ほど青山委員のお話にもありましたが、IELTSは3団体によって共同開発・共同所有されている試験です。弊社以外のオーナーは、青山委員の御所属のケンブリッジ・アセスメント・イングリッシュ、後半発表される安田委員の御所属のブリティッシュ・カウンシル、そして弊社の3団体になります。  この3団体が連携して現在のIELTSが誕生したのが1989年であり、現在では、英国、米国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどの英語圏を含む世界様々な国々の留学や就労または移住を希望される人々の英語力を測定する試験として、世界1万1,000以上の機関によって認定されている、グローバルに非常に通用性の高い英語の試験です。受検者数では年間350万人以上が受検しており、世界で最も受検生の多い英語4技能試験と言われております。また、日本の大学入試でもIELTSを活用する大学は年々増えており、今年の2月に発表された旺文社教育情報センター様の調査では、実に8割の大学がIELTSを一般入試で採用されているという報告がされていました。  続いて、IELTSの受検方式について御案内いたします。IELTSは現在、二つの受検方式を設けています。従来より実施している紙と鉛筆で受検するIELTSペーパー版と、2019年より導入されたIELTSコンピューター版です。受検生は、自分に合った方式を選んで受検が可能です。いずれの方式でも試験内容・評価基準・難易度は同じであり、大学は両方式の結果を同等に受理しています。  ここから、弊社IDP:IELTSオーストラリアの日本での試験実施状況についてお話ししてまいります。現在、東京・大阪・福岡・札幌の4か所に公式テストセンターを構え、全国で試験実施を行っています。2021年12月現在、定期的に試験を開催しているエリアは、資料にあるとおり、約13都市に及びます。弊社としては、引き続き実施都市を増やしていく努力を続けてまいります。  続きまして、試験頻度につきましては、IELTSペーパー版は、土曜日を中心に月3回程度、年36回前後開催しています。IELTSコンピューター版は、東京に2会場と大阪に2会場、IELTS専用の会場を設けており、土日・祝日及び平日も複数回、試験を行っております。試験日程・会場は試験日の約3か月前に確定し、最新情報は随時ホームページで更新しております。  続きまして、本ワーキンググループの協議事項に関連して、IDPのIELTS試験実施における現在の取組についてお話しします。まず、地理的・経済的な事情への配慮の対策としては、IELTSの受検機会が今までなかった、または非常に少ないところに在住されている受検者の負担を少しでも軽減することを目的として、試験会場の拡充に努めてまいりました。具体的には、2020年から札幌市にテストセンターを開設し、道内で毎月試験を現在は実施しているほか、今年は11月より沖縄県那覇市にも試験会場を設置いたしまして、ちょうど11月から開始しているんですが、年に三、四回の定期的な試験実施を開催していく予定でございます。  続きまして、オンライン受検のシステム整備につきましては、IELTSを共同運営する3団体が、現在、自宅等で受検可能なIELTSオンラインを開発しており、全世界での運用を目指しており、日本での実施は2022年中を予定しています。また詳しいことが決まり次第、随時発表していきたいと思っております。  続きまして、高校での会場拡充につきましては、今までも御説明させていただいておりますように、IELTSとしては試験会場の仕様に非常に厳しい基準を設けており、こちらの基準を満たす高校が現時点で少ないことや、仮に基準を満たした場合でも、早朝、朝7時から終日複数の教室を利用したり、校内での人の流れを制限したり、学校側にも非常に大きな負担が強いられることを考慮いたしまして、IDPとしては現時点では積極的に高校会場の拡充には取り組んでおらず、引き続き大学や専門学校、また一般の貸し会議室を中心に、試験会場の拡充を行っていきたいと思っております。ただし、高校側よりIELTSの会場になることに御関心をお持ちいただき、弊社の基準を満たす場合であれば、もちろん会場として採用させていただくことはあるかと思います。  続いて、障害のある受検生への合理的配慮の推進につきましては、IELTSは原則として全ての障害者への配慮を行っています。受検上の配慮を御希望の方は、事前の申請が必要となります。ホームページに公開されている「配慮する事項」は、代表的な事項を例として掲載しておりますが、記載がない障害に関しましては、受検生が御申請いただけましたら、本部と確認をし、個別で対応させていただいております。  続きまして、成績提供の利便性の向上につきましては、IELTSは従来より、結果が出る早さであったり、成績提供の利便性においては、受検生及びスコアを認める教育機関から大変定評があります。ペーパー版を受検した場合は試験日より13日後、コンピューター版の場合は3から5営業日後に試験結果が開示され、開示後数日以内に国内のテストセンターから受検生に結果が郵送されますので、お手元に試験結果が届くのは2週間以内と考えていただけるぐらい、早く試験が手元に届くような制度を整えております。もちろん、希望する大学への直送も手配できます。併せて、大学がIELTSの認定機関の登録を行えば、成績証明書をオンラインで受領し閲覧することも可能です。  続きまして、問題集の出版などを含む試験実施団体内部での利益相反等に関する問題への対応につきましては、2021年12月現在、弊社IDPとしては特にIELTSの問題集の出版を行っておりませんので、ここの発表については特にありません。  最後に、各試験の質や水準等に関する第三者評価の在り方や調査研究に関しましては、こちらもケンブリッジさん同様、先ほど青山委員からもありました、IELTSは、英国政府の資格試験監査機関であるOfqualにより第三者評価を常に受けている試験でございます。また、IELTSに関する調査研究は30年以上にわたって行われており、IELTSの公式サイトにおいて様々な研究結果や論文を開示しております。詳しくはホームページから御確認いただければと思います。  以上をもちまして、IDP:IELTSオーストラリアの発表とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 【沖主査】  市川委員、ありがとうございました。  では、続きまして、株式会社ベネッセコーポレーションの込山委員、よろしくお願いいたします。 【込山委員】  皆様、よろしくお願いいたします。本日はこのような形でお話をさせていただく機会をくださいまして、誠にありがとうございます。私からは、今、GTECの責任者をしております関係で、弊社のGTECについて、試験の概要と、あと取組について、今、着手しているもの等について御説明できればと思っております。  まず、このたび、概要としまして、少しGTECの成り立ちについて触れさせていただければと思っております。ここにありますのは、弊社が英語アセスメント検定を着想した97年から数えて20年たった節目にホームページに掲載させていただいた内容になります。当時、そのときの学習指導要領において、生きる力を育むという考え方が注目されたときになりまして、それまでも長きにわたって学校教育に携わらせていただいている中で、今ももちろんそうですけれども、グローバル化が進んでいく時代にあっても世界でやり取りをできるような人たちを増やしたいと。これからの高校生・中学生には本当に使える英語力を身につけてほしいという思いで、GTECの前身のテスト開発に着手したという流れになりました。  先生にとっての指導と評価、生徒にとっての学習と評価は、常に原則一体のものとなると思っていますので、英語力の評価だけではなくて、GTECとしましては、次の指導、また学習につなげるための評価、それができるテストとして、アメリカのテスト会社と共同で英語検定を開発して、99年にリリースしたという形になっております。後ほども詳しく説明させていただきますけれども、センター試験にリスニングが導入された2006年、それよりも前に、「読む」だけではなくて「書く・話す」まで測定し、国内で我々としてリリースさせていただいたテストということになります。  基本的なGTECのテスト設計について、お伝えできればと思っております。最終的には我々、IRTで算出をした絶対評価型のスコアで英語力をお返しする形になりますけれども、左上、まずは高校生そして中学生に合ったリアルな英語使用場面を想定したタスクベースの出題、これは学習指導要領との関連性というところを強く意識しているものになります。  右上、次は4技能別ということで、基本技能をそれぞれ技能別に、スコアそしてCEFRバンドで表示することができるテストになります。  右下になります、冒頭申し上げましたとおり、絶対評価型ですので、できることや伸びを、スコアの伸びで各技能そして4技能トータルで明らかにすることができる絶対評価型のテストになっております。  そして左下、どれぐらい英語力が使えるか分かる、このスコア自体には特段意味はありませんので、Can-DoですとかCEFRのバンド等をひもづけることによって英語力を保証する形になりますので、CEFR並びに国内で研究されているそれを細分化したCEFR-Jで結果成績をお返ししているという形になります。  先ほど学習指導要領の関連という形でお伝えしましたけれども、今回、高校と大学での適切な接続という形からしますと、高等学校で高校生たちが学んできた内容について、大学で各アドミッション・ポリシーに沿いながら評価をしていくという形が接続になるかと思いますので、そこについて少し補足をさせていただきます。  まず、この右側を御覧ください。「タスクベース」と書かせていただいております。前のページでも少し触れさせていただきましたけれども、学習指導要領で掲げる資質・能力の3要素、知識と技能、ここで言う技能というのは4技能という意味ではなく、基礎的な文法・語彙の力という意味ですけれども、この知識と技能をベースとしながら、初めて見るような、初めて遭遇し得るような状況で、自分で考えて判断して、また、発信技能であれば、こういう表現していくということが求められています。  次に、左手の丸を御覧ください。その知識と技能の上に乗る形で、思考・判断・表現を実社会の文脈でどう使っていくかということが重要になってきます。特に英語は実技になりますので、先ほどの文法・語彙というような基盤を上にコミュニケーションができるかという形になりますので、GTECの問題、今日は詳細に触れられませんけれども、後ろのページに実際の問題をつけておりますので、また適宜御覧いただければと思います。訪日した留学生の教室のやり取りですとか、実際の高校生が本当に英語に遭遇し得るような、リアルなオーセンティックな場面を想定して問題を作っております。  そして、下になります。前のページでもありましたけれども、Can-Doを意識して何ができるようになるのかということを先生または生徒にしっかり理解していただきながら、次の指導と学習につなげていただくために、CEFR並びにCEFR-JでのCan-Doのディスクリプターとともに、スコアと併せて返却をしているという形になります。  こちらが今のGTECのタイプ別の概要になっております。一番難易度の下のコアからベーシック、アドバンスト、そしてCBTタイプということで、今、GTECは4タイプで御提供させていただいております。そして測定方法については、このアドバンストからコアについては、3技能はペーパーベース、そしてスピーキングはタブレット端末を使って実施をしているという形になります。ライティングは記述式になっております。  なお、このタブレットに関しましては、今は弊社で保有しているタブレットを会場に送って受検をしていただくという形でありますけれども、BYODといった、それぞれが保有する端末の中でスピーキングテストを受けていただけるような開発を進めて、次年度からリリースをする予定にしております。  そしてCBTタイプにつきましては、これは全て4技能をオールインワン、パソコンでの実施になりますので、ライティングもタイピングという形になります。  回答時間をそれぞれ書いてありますけれども、スコア自体の尺度は全て一貫しておりまして、それぞれのタイプで測れる上限のスコアが変わっているという形になります。例えばアドバンストタイプでありますと、1280点、B2レベルまで測定ができる、CBTであればC1レベル測定ができるという形で見ていただければと思います。  次のページも詳細は割愛いたしますけれども、各技能、今は、5領域となっておりますが、それぞれの問題の中での構成、それぞれの問題数になっております。来年度から施行されます新課程、新しい学習指導要領の中での項目との合致について、その一覧について書かせていただいております。網羅的に全ての技能、全ての測る問題において、学習指導要領と合致しているという形で見ていただければと思います。  先ほどお伝えしましたとおり、もちろんスコアを使って大学に進学していく、その用途もある一方でもう一つは、高等学校の学習の中で、英語力をしっかり育成していく、自分で学んでいくというところがものすごく大事になってくる観点になります。そういった形での学校における目標・指導・評価・検証のサイクルをしっかり回していただくためのツールとして、GTECを活用していただいております。  まず、目標としましては、先ほど申し上げたCan-Do形式、今、各学校様でも、新課程の観点別評価も含めて学習到達目標の策定をされている学校様が多いと思いますけれども、その中で、それを設定した上で御指導があり、定性的な評価としましては、ペーパーテストですとか日々の先生方の御指導・評価があると思います。それを定点的に年に1回または年に2回という形で、客観的な指標を用いて、その指導の効果であったり生徒たちの学習の伸びというところをしっかり見ていただく、それを検証して、次の目標設定・指導にサイクルを回していただく用途として活用いただいております。  これはその一例です。先ほど申し上げましたとおり、各技能、スコアごとに出てまいりますので、二つのグラフを描かせていただいておりますけれども、指導改善をする前の学年の高1から高2までの伸び、一方で指導改善をした学年の高1から高2までの伸びを過年度で比較をしていきますと、このような形で視覚的にどれぐらいその指導効果があったのかということを各技能の中で見ていただくことができるのが、GTECの特徴となっております。  さらに踏み込んで、フィードバックとしまして、スコアだけではなく、各技能の中の細かいパート、スコアがどれだけ良くなったかという形だけでは、なかなか指導改善・学習改善にはつながりませんので、生徒が次の学習に踏み出すために、どの部分ができて、できなかったのかということを、サブスキルという観点でより細分化して結果をお返ししている形になります。  大学に活用していただいているときに、利便性という形でテーマがあったと思います。それに関してになりますが、ここは今、左側にオフィシャルスコアレポートのイメージをつけておりますけれども、その結果を、紙だけのやり取りではなく、我々の検定を入試に活用している大学様で、登録している大学様に向けては、生徒さんが個別に自分自身をウェブ上で操作を簡便にスコア提出ができるというシステムを、既に御用意して提供を進めております。  最後、障がいのある方への配慮ということで、ここに概要として書かせていただいております。視覚・聴覚・吃音・発話、そして上肢または発達障がいに関する、大きく五つのカテゴリーに分けさせていただいておりますけれども、それぞれ各技能、障がいの状況によりまして、必要に応じて事前に少しコミュニケーションをさせていただきながら、適切なテスト次第、テストのやり方ということを御提供して、多くの方々に受けていただけるような体制を整えているという状況になります。  一旦、私からの報告は以上になります。ありがとうございます。 【沖主査】  込山委員、どうもありがとうございました。  それでは、続きまして、公益財団法人日本英語検定協会の塩崎委員から御報告いただきます。お願いいたします。 【塩崎委員】  ありがとうございます。英検の塩崎でございます。本日はこのような機会をいただきまして、ありがとうございます。私から御説明をさせていただきたいと思います。本日、まず最初にこの4点を御説明させていただいた後、在り方会議の提言への対応状況というところを口頭で御説明させていただきたいと思っております。  英検につきましては、先生方、ある程度よく知られている試験ということもありますので、大学入試用成績提供システム以降のアップデート等を中心にお伝えさせていただきつつ、コロナウイルス対応についても触れさせていただくという形で進めさせていただければと思っております。  まず、当協会についてでございますが、1964年の東京五輪が我々の団体の創設の礎というところで、この前年の1963年に、1級・2級・3級という三つのグレードからスタートしておりまして、その当時から47都市で実施をしているといったところでございます。  当協会の理念でございますが、日常の社会生活に必要な実用英語の習得及び普及向上に資するため、英語の能力を判定し、また様々な機会を通じてその能力を養成することにより、生涯学習の振興に寄与することを目的するというところでございまして、こちら、下の表で見ていただけますとおり、子供からシニアに至るまで、いろいろなシーンにおいて英語学習をアセスメントという形でサポートさせていただくということでございまして、様々なブランドのテストのお取扱いをしているところでございます。  その中から、実用英語技能検定の各種方式というところで御説明をさせていただきたいと思います。大学入試英語成績提供システムに参加をさせていただいたときは、このような形で、一番左のメインの検定でございます従来型と呼ばれる英検を軸に、右の3種類、それ以降、運営をしているというところでございます。どれも問題内容やスコアの有効性は同じ英検ということでございますが、一番左の従来型と呼ばれる英検でございます、こちら、紙と鉛筆で一次試験、リーディング、リスニング、ライティングをやっていただいて、合格された方のみ、別日の対面式の面接試験でスピーキングをやるという試験になります。  その隣のSインタビューというのは、従来型と全く同じことをするわけですが、特別に受検上の配慮を必要とされる方に御用意したものということでございまして、こちらについては、一次試験の合否いかんに関わらず、全員二次試験に進んでいただくという形になります。  そして右側二つがCBTを活用した方式になりまして、S-CBTというのが、紙と鉛筆で一次試験を受けて、CBTというのはパソコンベースでリーディング、リスニング、ライティングを受けて、この両方の試験とも、吹き込み型という形でスピーキングを行うという形になります。  この赤い部分で囲った部分が、大学英語成績提供システムに要件を満たしたというところでの囲みということになっているかと思いますが、残念ながら、一番左の従来型は、それに含まれていませんでしたということがあります。  これを今年度より少しモデルチェンジをしております。どこがというところでございますが、右側の二つのCBT形式の試験、こちらを一つのS-CBTと統合しております。リスニングとリーディングは、この両形式ともパソコンベースで解いていただいて、ライティングに来たところで、紙かタイピングか、そのどちらかを選べるといったような方式になっております。  新型コロナウイルスの対応というところでございまして、こちら、我々がメインで運営している英検の従来型のテスト日程です。年間3回ほど開示があるんですが、とにかく日程をたくさん御用意させていただきまして、受けていただける環境を整えるというところで、特に一次試験、A日程からG日程まで日程を御用意して、好きなところから選んでいただけるという形で対応をさせていただいているところでございます。  それから、こちら、厚生労働省の指針などを参考にしながら、試験に来ていただく前の受検者の皆様それぞれにヘルスチェックを行っていただいて、一つでも該当する場合は試験を御遠慮いただくという仕組みでございまして、こちらを徹底しながら、英検の全方式、TEAP、TEAP-CBT、IELTSなど弊会が運営している試験は全て、こういった項目でしっかりと試験の運営の対応をしているといったところでございます。  そして、もう一つのTEAPという試験になりますが、こちらはTest of English for Academic Purposesの頭文字を取ってTEAPという名前の試験になりまして、上智大学と共同で5年の歳月をかけて、2014年度からリリースをしている試験でございます。現在、270の大学が入試において採用していただいているというところになります。  大学教育で遭遇する語彙・場面・分野を想定した設定の内容になっておりまして、受検対象は高校1年生以上ということにさせていただきつつ、難易度の目安は、英検で言うと準2級から準1級というところで構成されております。  ライティングとスピーキングについては、英国の研究機関CRELLAの監修の下、開発をさせていただきまして、2016年からTEAPのCBT版というものをリリースしているところでございます。  詳しいTEAPの問題内容につきましては、資料でこの後提示をしておりますが、一旦ここまでTEAPは、内容はそれを参照にしていただきつつ、次は、在り方会議提言の部分では、対応状況につきましてコメントさせていただきつつ、大学入試用成績提供システムで得た知見等も踏まえて、所感とともに御説明させていただきたいと思います。  まず一つ目が、低所得者層への検定料の減免というところでございます。弊会の検定料は、公益財団法人として収支相償という考えの下、かかる費用に対する検定料を設定しているというところが、まず一つ、前提としてございます。  こちらの低所得者層への検定料の減免を行う場合に、二つポイントがあるかなと思いまして、一つ目は運営上の方法、この方たちをどう特定していくかという非常に難しい問題が成績提供システムのときにもあったかと思いますが、こちらについてもぜひ国で、そのやり方を考え検討していただけると大変ありがたいですというのが1点ございます。  続いて、幾ら減免にするかという観点に関しましても、幾ら減免されるかというのが検定間を比較するようなサービス競争みたいになってしまって本末転倒かなとも思っておりますので、ここは国で主導して、一律幾らみたいな形を検討していただけるとありがたいかと考えております。  続いて、オンライン受検システムの整備や高校会場の拡充というところでございますが、弊会の場合、オンライン受検というか、テストセンター型でのCBT試験は英検S-CBTという形で全国広く網羅しつつ、実施回数も非常に多く、毎週何回も実施しているという状況ではございます。今後、オンライン試験については、こういったワーキンググループで議論していただけると非常にありがたいなと感じているところでございます。  GIGAスクール構想で、端末は既に学校様に行き渡っていると思うんですが、CBTでそれをやろうとすると、機種やネットワーク環境により、なかなか実施の状況というものが変わっていくと思いますので、こういった場で議論をしていただけると非常にありがたいなと思います。  それから、こういった端末でオンライン版での試験ができるようになる環境が整うと、自宅や学校で受ける際に、セキュリティーの面、入試に使われるということであればセキュリティーは非常に大事かと思って、そこがどこまで許されるのだろうかという懸念がございますので、そこも何かしらの基準というものが国やこういった会議でできると大変ありがたいなと思っております。  続いて、障害のある受検者への合理的配慮の推進というところでございますが、こちらは弊会が実用英語技能検定をスタートしたときから幅広くさせていただいておりまして、現在もそれがずっと続いておりますので、ここについては対応済みと考えております。  続いて、成績提供の利便性向上というところでございますが、こちら、弊会でも、大学様に直接、成績データをダウンロードしていただくような仕組みを持っております。こちらも各団体さんいろいろなものがあるかと思うんですけれども、これも、どこが使いやすい、どこが使いにくいとかというような、入試ですので、そういった競争ではなく、国でしっかりとした仕組みをつくっていただけると大変ありがたいと思っております。  続いて、問題集の出版などを含む試験実施団体内部での利益相反に関する問題への対応の在り方というところでございまして、弊会は問題集は出版をしておりません。本来、試験実施というのは、非常に事業としては、こういった現在の新型コロナウイルスに代表されるようなパンデミックのような状態に非常に弱い事業だなというのを改めて考えさせられたところでございます。試験直前で学校でクラスターが発生して会場を使用できませんとか、でも試験を受けていただきたいので、高額になるホテルや貸し会議室を急遽借りることといったものも繰り返し行ってまいりました。中止して再試しますというのも結構頻繁にあるようなことで、感染拡大防止をいろいろなコストをかけてやりながらも、試験が飛んでしまうということが結構ありますので、その中でどう最善を尽くしていくかというところで、非常にそういった意味でパンデミックに対して事業としては苦しいなというのが、今回のことで感じたことでございます。  弊会の場合、収支相償というのもありますので、試験事業がこういったコロナに対して事業収支構造上から非常に厳しいというのは皆さん御理解いただいているところかと思いますが、そんな中で問題集を出版して利益を上げるというのは、通常、そんなに変な考えではなく、普通の考えなのかなというのが感じたところでございます。  次、各試験の質や水準などに関する第三者評価の在り方や調査研究の実施というところでございます。弊会の試験、問題作成あるいは実施運営上、いろいろな委員会を通して最終的な形に仕上げて、運営をしっかりとやっているというところでございます。ほかの試験団体の皆様も、それぞれすばらしい仕組みを持って、そういったものをやっていますので、実際は大学様入試については個別で判断を推進というところでございますけれども、そういったものも含めて、英語の民間試験を採用していただいているところなのかと思っているところでございます。  以上となります。 【沖主査】  塩崎様、どうもありがとうございました。  引き続きまして、ETS Japanの根本委員、どうぞよろしくお願いいたします。 【根本委員】  おはようございます。ETS Japanの根本と申します。本日は貴重なお時間いただきまして、ありがとうございます。私どもETS Japanですけれども、最初に少し、私どもの団体のことについて御説明をいたします。  TOEFLテストについては、日本では1981年以来、会社としては、CIEE、国際教育交換協議会がTOEFL事務局として活動をしてまいりました。本年6月15日をもちまして、CIEEからETS JapanにTOEFL事業については引継ぎがされております。以降、TOEFLについての様々な、あるいはTOEFLに附帯する事業・業務についてはETS Japanで行っていくということで、ETS Japan、ETS、アメリカのEducational Testing Serviceで直営の事務所ということで設立をいたしまして、活動を行うとなりました。  テストの概要その他について入る前に、一つ、これは考え方ということで、今回書かせていただきました。これまで共通テストの議論も含めて、今回の検討会議の議題の中でも、同じようなことといいますか、これまで議論されたことが挙げられているかと思います。例えば日程の問題、公平さの問題、高校さんとの連携、あるいはIDの負担、一番大きいものの一つとしては、コスト、試験の費用というもの、あるいは地域格差の問題ということで挙げられています。  これまでTOEFLについては、4技能のコンピューターベースのテストであるTOEFL iBTテストが、現在の公式テストになるんですけれども、併せて、公式テストのスコアではないのですが、団体向けのテストとしてTOEFL ITPテストを日本で長く運用しております。様々な大学様で御利用いただいているんですけれども、そういったものを大学様との連携によって設定することによって、例えば日程の問題であるとか、あるいは形式、地域の問題に柔軟に対応できると思います。TOEFL ITPについては、後ほど御説明いたしますが、紙版のテストと、それからコンピューター版のテスト、同じテストフォームを両方のプラットフォームで運用しております。2020年からコンピューター版も様々な大学様で利用されています。そういったことを利用していただくことで、大規模実施では例えば紙のテストを行う、地域が離れたところでは自宅受検、リモートでの受検を行うということは考えられるのかなということがあります。それと、テストの費用については、TOEFL ITPテストについては、現行のiBTのテストよりも安価なものということで運用が可能となります。  ただ、4技能ということではないんですけれども、今年度から、ITPテストは、これまで2技能、リーディング・リスニング・文法の3セクションで2技能だったんですけれども、スピーキングについても導入されるということで、一つ、こういったことの考えということで、提示を書かせていただきました。  TOEFLテストの概要については、この後も資料をつけておりますので、お時間あるときに御覧いただければと思います。現在、公式テストはiBTテストということで、コンピューターで実施をしています。テストセンター受検と自宅受検版というのがありまして、Home Edition、自宅受検版については後ほど少し御説明をさせていただきます。団体向けテストのTOEFL ITPについても、紙版もしくはコンピューターのテストということで運用しております。どちらもアカデミックテストということで運用してきております。  スピーキング、ライティングのところについては、これはTOEFL iBTがスタートした2005年から現在まで人とAIの自動採点を使いながらということで利用しておりますけれども、採点がそのような形で公平にできるというところで行っています。スコアよる評価となっておりまして、iBTは点が0から120点、各技能がそれぞれ同じ比率となっておりますので、30点×4セクションということです。ITPテストについては、現在、3セクションはそれぞれの総点になりまして、おなじみの点数になりますが、TOEFLの500点という点数は、こちらから導き出される形になっています。どちらのテストもCEFRとの相関をマッピングしております。  日本での利用状況ですけれども、TOEFL iBTテストについては、公式テストとして開始されたのが2006年以降になります。それ以来、日本全体で100万人以上の方に受検いただいております。大学としては、337大学で入試にスコアを活用していただいていること、それから232の大学で、iBTのスコアは単位の認定にも使っていただいております。各都道府県の教員の採用試験、人事院等でも活用いただいているということです。2022年のテスト実施日については最近リリースをいたしましたけれども、来年については51日、テストセンターについては78か所を予定しております。  ITPテストについては、こちらも長い歴史を持っておりまして、1987年から400万人以上の方に受検をしていただいております。公式テストのスコアではないんですが、一部大学の入試、あるいは大学院入試、留学者の選抜、系列大学への進学等の指標で使っていただいております。  検討会の中で出たお話になりますけれども、地理的な配慮、経済的な配慮、障害のある方への配慮ということで、まず、地理的な配慮については、昨年来ですけれども、TOEFL iBTについては、自宅受検版とテストセンターでの受検ということで対応が可能になっております。TOEFL ITPテストでもコンピューター版を導入いたしましたので、自宅受検が可能になっているということ。それから、こちらについては実施の設定が簡易なこともありますので、高校さん等に会場提供を依頼することも可能かと思っております。  経済的配慮についてですけれども、これも共通テストのときにお示しをさせていただきましたけれども、一定の減額は可能かと思いますが、もともとの金額が割と高額なテストですので、大幅な減額については難しいところがあるのではないかなと思っております。ITPテストについては、iBTテストと比較しましてかなり低廉な受検料で行なえますので、こちらのテストを使っていただくというのは考え方の一つとしてあるかもしれません。  障害のある方への受検の配慮ということですけれども、ETSのミッションの一つであります公平な評価ということで、これは申込みの時点で規定に沿った形でいろいろお申出をいただく必要があるんですけれども、そういったものに応じて個別のテストの手配ということを行っていくという形になります。ITPテストについては、団体様等の実施になりますので、大学様はじめとして、実施をされる実施主体と連携して対応しているというのが現状であります。  問題集の出版ですけれども、こちらについては、TOEFL iBT、ITPともに過去問題を使用しておりまして、過去に使った問題を使うということで、出版しているという現状がございます。  オンラインの受検システム、申込み等についても挙げられておりますけれども、TOEFL iBT、ITPともに、オンラインでの申込み、それからスコアの配信ということを行っております。  教育機関との連携についても進めている部分がありまして、今後の大学間の教育連携、もしくは高大接続に関しても、研究の場を設けるということで予定をしております。  一番最後の項目になりますけれども、こちらも簡単に御説明させていただきますが、新しいテストとして、TOEFL Essentialsというテストが開発されております。こちらは、TOEFL iBTに比較して短い時間でできる、費用の負担も少し下がっているというテストで、ニーズの多様化ということに対応して開設されたものということで、今年から運用が始まっております。  TOEFLのHome Editionのページがございます。こちらになります。TOEFLのiBTテスト、Home Editionということで、自宅受検版が昨年から運営されています。コロナ下においてはテストセンターにいらしていただけないということで、自宅で受検をするということで設定をしております。  同じ点と異なる点がありまして、まず、自宅受検ということになりますので、実際にはテスト会場で行っていただく設定もしくは行われる設定というのを、一部、受検者の方が御自宅でしていただく必要があるところがあります。テスト内容、採点方法、スコアレポートその他は同様に従来型のテストセンターで受検いただくことと同じです。異なる点としましては、御自身で幾つかエクストラの機材を用意していただく必要があります。例えばパソコン、マイクスピーカー、カメラ等、そういったものを準備していただくことと、ソフトウエアをダウンロードしてシステムをチェックしていただく必要があるという形になります。  受検においての留意点としましては、受検ですので、まず、一人きりの当然静かな部屋で受検をいただくということ、それから、座る環境ですとか、あるいはノートテイキングのものについても、それぞれの規定がございます。  事前の準備と併せまして、当日の準備というのもあります。テストセンターにおいてはテストセンターの監督官が行うことになりますけれども、こちらの場合は御自身で、例えば部屋の状況を見せるとか、髪に隠れている耳の中、そういった不正がないように、ちゃんといろいろなところを確認して見せて、不正が行われないような形で開始できるような状態というのをオンラインの監督官が確認された上で、テストを開始するという形になります。  Essentialsについての御説明を簡単にさせていただきます。TOEFL Essentialsのテストの構成がこちらになります。4技能プラス、採点はされないんですけれども、自己アピールのビデオというのを5分、提示をすることができます。これは海外の大学に出願する際に、自分をよく知ってもらう機会ということで、採点の対象ではないんですけれども、出された題について話していただくということになります。それ以外のセクションは、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングとなりまして、リスニング、リーディング、それからライティングのところはAdaptive方式を採用しておりますので、できる場合とできない場合、できる場合にはより難しい問題になっていき、途中で間違えたということになると短くなっていく。そのような形で、時間と、それから問題の難易度が変更になります。スコアのレベルは1から12ということで、各セクションが1から12で、全体も1から12で表示をされるという形になり、こちらもCEFRと併せたマッピングがされているという形になります。  内容ですけれども、TOEFL iBTテストがほぼアカデミックテストという形になるのに比較して、こちらは一般英語も半分入っているという形になります。それと、採点、それから内容については、Essentialsがアダプティブの方式を採用して、短い内容、あるいは内容が途中で変更されるということ。iBTについては、長めの問題のセットがそのまま出るという形になります。短い答えというのは、比較的Essentialsには多く含まれています。時間も、これまでのiBTが3時間かかったのに比較して、90分程度。それから費用についても、TOEFL iBTテストが245ドルに対して、110と半分以下という形になることと、それと受検者のレベルとしては、A1からC2までということで、より下のレベルの方の受検者から対応可能になっているというのが、今回のEssentialsの特徴ということになります。  以上が、私どもETS Japanからの御説明とさせていただきます。ありがとうございました。 【沖主査】  根本委員、ありがとうございました。  では、引き続きまして、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の三橋委員、お願いいたします。 【三橋委員】  国際ビジネスコミュニケーション協会、三橋でございます。よろしくお願いいたします。  私どもは、TOEICプログラムを日本において実施しております。TOEICのリスニング&リーディング及びスピーキング&ライティングテスト、それに加えまして、TOEIC Bridgeのリスニング&リーディングとスピーキング&ライティングという試験を実施しております。  TOEICは皆さん御存じかと思いますけれども、TOEIC BridgeはTOEICよりも少し易しくしたといいますか、初級・中級者レベルを対象にしてつくられたもので、内容、試験形式等は、ほぼTOEICと同一でございます。レベルでいきますと、TOEICがCEFRに換算しますとA1からC1レベルまでを網羅しているのに対しまして、TOEIC BridgeはA1からB1レベルを対象としております。  テストは先ほどのTOEFLと同様に、アメリカのETSというところが作っておりまして、私どもが日本における実施運営をしております。  先ほど御紹介したTOEIC Bridgeに関しましては、従来はリスニング&リーディングのみだったんですけれども、2019年に改定が行われまして、スピーキング&ライティングが加わり、現在はTOEIC Bridgeも4技能化されているという状況になります。  試験の実施方法ですが、リスニング&リーディングはマークシート方式のペーパーベースで実施されております。一方、スピーキング&ライティングはコンピューターを使った形式になっておりますので、同じTOEICあるいはTOEIC Bridgeであっても、リスニング&リーディングとスピーキング&ライティングは別立てで実施されているというのが特徴になるかと思います。  この後、TOEICとBridge、中身についていろいろ説明がしてあるんですが、時間の関係もございますので、本日はこの件は割愛させていただきますので、後ほどお時間があるときに御覧いただければと思います。  すみませんが、スライド大分飛んでいただいて、文科省様でおつけいただいたページでいきますと、100ページまで飛んでいただけますでしょうか。リスニング&リーディングにつきましては、開発者であるETSでスコアの比較調査を行っております。TOEICはLRが990点満点でございますけれども、Bridgeは大体TOEICに換算しますと600点レベルぐらいまでは測定できるとなっておりますので、この辺は御参考いただけるかと思います。  ここまで御説明いたしましたのは、TOEICプログラムの公開テストに関するものでして、TOEICプログラムの公開テストは、私どもが会場を用意し、私どもが認定したオフィシャルな試験官によって試験の実施・運営が行われますので、その結果に対しましては認定証という形で結果が出てまいります。  ただ、認定証を出すとなりますと、どうしても特にセキュリティーの部分で、ETSの厳格なルールに従った試験の実施・運営が求められますので、例えば大学入試に使うからということで、大学入試に合わせた形の実施・運営方法を採用するということもなかなか難しい状況がございます。  先ほどTOEFLでITPの御説明がございましたけれども、TOEICにもこういった、IP、団体特別受検制度という試験制度がございます。こちらは、実施いただく団体が随時日時や場所を決めていただいて実施できる試験ということになっております。スコアの持つ意味は公開テストと全く一緒でございます。ただし、基本的に各実施団体に管理あるいは会場の設営等をお願いすることもございまして、ETSからは、この結果に対する認定証は特にお出ししないということになっております。しかし、スコアの持つ意味が一緒ということで、限られた例ではございますけれども、一部の入試等で、このIPのテストの結果を使っていただけている例もございます。  例えば、ある大学様が、その附属高校からの内部進学であるとか、それから大学から大学院へ進学する際に、その大学内で責任を持って実施する。そういった形の場合、その団体のみでの活用となりますけれども、そういった形でも、スコアの持つ意味が一緒ということで、使われている実例がございます。  あと、こちらのIP試験では、リスニング、リーディング、TOEICもBridgeもそうですけれども、これらも、オンライン、CBTでも受検できるという形がとられております。どうしても、片方はペーパーベース、片方はCBTですと、4技能いっぺんに実施しようとすると結構大変になりますが、IPであれば、4技能全てCBT、オンラインで実施できるということがございますので、今後こういったことも御検討いただければと思っております。  あと今回、私どもが大学入試に向けたいろいろな取組具合ということになるんですが、まず、私どもがホームページ等で全て公開してある情報としましては、こちら、障害のある方への対応方法になります。障害といいましても、いろいろ、同じ症状であっても、受検者ごとにどういった対応をしてほしいかという要望が異なりますので、私どもで一律に対応することは難しく、まず、受検者の方に、試験より少し早めに御連絡いただきまして、どういった受検体制、どういった環境を受検者の方は御希望されているのか、それに対して私どもがどこまで対応できるのか、その辺は相談しながら、なるべく受検者の要望に沿った環境を用意できるように努力はしております。ただ、どうしても試験の性質上、そういった対応はどうしてもできないということで、申し訳ないですけれどもお断りしている、そういった事例もございます。現状、障害のある方への対応のみが、私どもが今現在行っている対応ということになります。  それ以外ですと、成績提供の利便性の向上に関連しまして、一部の大学様から実際に具体的なリクエストがございましたので、受検者の手を経ずに直接オンラインで各大学に対して結果を送付する、そういったシステムを今現在構築中でございます。来年度からはこれが本格的に稼働できるような予定で、今、開発を進めているという段階になっております。  それ以外の事案につきましては、現状、対応といいますか、取組ができていないという状況が正直なところでございます。特にこの一、二年はコロナへの対応もございましたので、大学の入学共通テストの枠組みで外部試験を使うということが、一旦話が終了したということもございますので、現状は対応できてないというのが現実でございます。  ただ、幾つか問題点としましては、先ほど英検の塩崎さんもおっしゃっておりましたように、低所得層への受検料の減免ということになりますと、そもそも低所得層の方というのはどういう方を指すのか、そういった方をどうやって特定するのかということが、私ども試験団体が独自にそういったことを判定することが難しいというのがございますので、そういったことはぜひどこか第三者の方が、この方はそういう対象者だ、だからこの人に対しては減免をしてほしいといったような情報を私どもが入手できる、そういったシステムがないと、なかなか対応は難しいのかなと考えております。  あとは地方会場への拡充となりますと、これもなかなか、今現在、コロナの影響もありまして、従来あった試験会場を維持するだけでも結構大変な状況でございますので、なかなか地方会場までには手が回っていないという状況がございますけれども、今後、またコロナの状況が改善しましたら、そういったことにも取り組んでいきたいなとは思っております。  ただ、特に公開テストのリスニング&リーディングにおきましては、今のところ、こちらをCBT化する予定はございませんので、CBT化ということはなかなか難しいかなとは考えております。特に新規の試験会場で行う場合、会場の設営であるとか、あるいは試験官の手配であるとか、当日のいろいろなことを考えた場合、CBTで実施するよりは紙で実施したほうが実際手間暇もかかりませんし、むしろ費用的にも安く抑えることができるという事実もございますので、CBT化をすることによっていろいろな受検者の利便性が上がるとは、私どもは必ずしも考えていない部分がございます。  ただ、4技能を一遍に受検しようということを考えますと、スピーキング&ライティングはCBTで実施しておりますので、そういった面では当然今後は考えていかなければいけないのかなとは考えております。  その他問題集関連ですが、こちらにつきましては、私どもは諸般の事情で、過去問であっても、実際に使われた問題を公開することが今のところできない状況にございます。ですので、TOEICで出題される本当の問題はこういう問題ですよということを知っていただくという、そういった意味合いで公式問題集というものは出してはおりますけれども、これが利益相反につながるかどうかということにつきましては、またこちらの会議等で御検討いただいた上で、どういった対応が望まれるのか、そういったことをいろいろと私どもに御教示いただければと考えております。  駆け足でございましたが、私からは以上とさせていただきます。 【沖主査】  三橋委員、ありがとうございました。  では最後に、ブリティッシュ・カウンシルの安田委員、よろしくお願いいたします。 【安田委員】  よろしくお願いいたします。ブリティッシュ・カウンシルの安田と申します。本日はお時間をいただきまして、ありがとうございます。最後になりますので、なるべく情報が繰り返しにならないように、手短に進めていきたいと思います。  まず、私どもからは、IELTSの説明、概要と、それから取組と、ブリティッシュ・カウンシルとして、日本の英語教育改革、また大学入試に対して貢献できる点、今、取り組んでいる点というところを御説明したいと思います。  IDPの市川様から大体こういった点に関しては御説明いただきましたので、繰り返しにはならないようにしたいと思うんですけれども、弊機関としましては、1997年から日本でのIELTSを開始して、2010年に日本英語検定協会さんと共同で運営するようになり、地理的にも機会的にも多く、試験の機会と会場が日本で提供できるようになったという背景がございます。  現在、IELTSのレコグナイズド・オーガニゼーションという形で公式にスコアを受け取れるという登録をされている大学が60以上あるんですけれども、そのほかに、先ほど市川さんもおっしゃっていたとおり、IELTSを認知して何かしらで利用している大学というのは80%にのぼるというデータが出ています。  入試に対してのIELTSということですけれども、高等学校の新しい指導要領に関しても、目標とされている英語力を十分測定できるようなテストのつくりになっていて、この試験が入試のために得点を取るためだけの試験ではなく、この試験の経験をすることによって、また生涯にわたって使える英語力の習得ができるという点、それから、高校の新しい指導要領で言語活動とかを活発にしてくださった、生徒さんたちにとってすごく実力が発揮しやすいテストと言えるかなと思っています。  大学入試の成績提供システムでIELTSを登録させていただいた後に、試験の形式が多様化しておりますので、この点について少しお話をしたいと思います。ペーパーベースのテストは現在、約15の都市で定期的に行っています。基本的に土曜日に実施をしていて、スピーキングも対面式の一対一で、実際の試験監督がインタビューするという形をやっております。2019年よりコンピューター版のIELTSが導入されておりまして、現在主に3都市で、常設の会場で試験をやっています。これは、在り方会議などでも出ていた、受検の機会をいかに増やすかというところに対応するのにもすごく有効だということで、導入した背景がございます。基本的には毎日試験日の設定が可能な試験でございます。  2022年に、市川さんからも御説明したとおり、オンライン版のIELTS、これは一定の条件を満たした環境であれば自宅でも受けられるというような試験を計画しております。日本での導入時期はまだ決まっていないんですけれども、こちらの導入により、例えば地理的な配慮が必要な学生にとっては受けやすくなるかなと考えております。  全ての試験、これプラス、英検さんと今やっている英国ビザ申請用のIELTS、全ての試験が、採点基準、作問の基準、全て同じでございますので、正式なIELTSのスコアとして活用していただけるというラインナップになっています。  先ほど、IELTSのスコアは9段階のバンドスコアという形で表示されるんですけれども、CEFRのB1以上がこのような形で成績表に印字されます。このCEFRのマッピングは、先ほどから何回も出ているOfqualで検証されていて、研究発表もされているというところの認定されたスコアでございます。  現在の取組ですけれども、在り方会議で以前発表した情報を、今、上書きして御説明したいと思います。繰り返しになるんですけれども、IELTSの作問であるとか、それから問題集の作成に関してですとか、全て公平性とセキュリティーに関する規定に関しましては、Ofqual、英国の政府がやっている監査機関ですけれども、こちらの枠組みに沿って全て運営され、監査され、認定されているので、既に日本の入試に導入していただいても問題ない状況で管理されているとお考えいただければと思います。  安全なテスト運営に関してですけれども、塩崎様もおっしゃってくださっていたとおり、感染対策も含めて、IELTS自体のセキュリティーが、Ofqualの決めたセキュリティーよりもう一つ、ビザ申請などにも使われるので、より厳しい規定が導入されているという背景がございますので、感染対策、それから問題の漏洩であるとか、それからカンニングの問題などにも対応するような、安全な試験運営をやっています。  受検上の合理的配慮ですけれども、こちらの試験、Ofqualの規定に沿っていますし、私どもの団体が英国の団体ということもありまして、英国の障害者保護法に基づいて、全ての受検者を個別に対応することが法律で決められておりますので、基本的にお断りすることなく個別にお話を聞いて、受検をしていただくようにしています。  また、障害者だけではなくて、宗教的背景であるとかジェンダーの配慮が必要な受検にも対応しています。  また、弊機関の職員は、全てチャイルドプロテクション、英検の職員の皆さんも、IELTS担当の方もそうですけれども、18歳以下の子供たちが受検する場合に、いろいろなリスクがあるので、そういったものをちゃんと考えましょうというトレーニングも受けて、試験を実施しています。  現在取り組んでいる点ですけれども、高校会場の拡充については、実際皆さんおっしゃっているとおり、コロナのこともあり、また、いろいろな学校の行事のスケジュールなどがあって難しい点があるので、進んでいないというところが正直なところでございます。ただ、ぜひやってくださいと、自校の生徒のために試験をやりたいという御要望がありましたら、お話を聞いて、やっていく方向で積極的に考えていきたいと考えています。  試験料金の件で、経済的困窮者への配慮ですけれども、こちらは可能ですが、塩崎様、また三橋様がおっしゃっていたとおり、効果としては限定的になる可能性があるというところがあります。これは実務というよりも政策に関わるんだと思うんですけれども、どうやって試験団体が受検者を判定するのかという基準がないというところもありますし、そのようなセンシティブな個人的な情報に対して私たちがアクセスしていいのかという問題もありますので、この辺に関してはワーキンググループを通じて御検討いただければなと考えています。  対応が難しい点としては、世界的に通用しているテストなので、身分証明書の規定が大変厳しくて、実際にパスポートが必要ということになりますので、高校生の受検段階で、パスポートを必ず持っている必要があるというところがございます。  先ほど御説明いただきました資料3-1で少し触れていただきましたとおり、日本の大学が外部試験団体と共同で試験を作っているという例ですけれども、弊機関で東京外国語大学とともに、大学の入試用のスピーキングのテストを行っております。2019年に導入されて、毎年行っていて、昨年から東京女子大様も御利用いただいているんですけれども、既にもう3技能を自学でやっていらっしゃる大学にとっては、一斉の機会にスピーキングだけができるという考え方のほうが公平性もあり、入試のときには導入しやすいという大学がありますので、そういった大学にいろいろ導入をいただけるように御説明をしているところでございます。こちらのテストはタブレットで現在実施しております。  私からは以上です。ありがとうございました。 【沖主査】  安田委員、どうもありがとうございました。  以上で7団体からの御発表をいただいたところです。もう既に幾つかの団体からいろいろな御提言などもいただいており、今後のこの会議の中でいろいろと検討する必要があるなというものが幾つかあったように思います。  本日、もう時間が相当差し迫っていることもありますので、それぞれ詳しく検討することはできませんけれども、最低限、各団体の委員の皆様に対して御質問あるいは御意見などございましたら、いただければと思います。挙手をいただければと思います。  ではまず、石崎委員、お願いいたします。 【石崎委員】  御説明ありがとうございました。それぞれの団体で取組が進んでいるという状況はうかがえたんですけれども、1か月ちょっと前に、実は私どもで、各47都道府県のそれぞれの校長会の代表が集まる会議があったんですけれども、そこで地方の校長先生方からは、当時の4技能が中止になったときと比べて、地域格差だとか経済格差だとかというものに対する対応は全く変わってないよねという意見が多数出ておりました。だから、それぞれの取組は進んでいるんだろうけれども、高校の認識は何も変わってないという状況があるばかりか、むしろ共通テストの枠組みのときには高3で2回という制限もあったのに、受検回数も制限もないし、値上がりも当時と比べるとしているのもあるし、事態が悪化しているという話がありました。  そもそも地理的・経済的事情へ配慮しなきゃいけない理由はいろいろあるとは思うんですけれども、一番シンプルに考えると、1回しか受けられない子と失敗したら何回も受けられる子がいるというのは入試としてどうなんだろうという、極めてシンプルな問題だと思うんですよ。だからここで考えなきゃいけないのは、誰でも同じ回数受けられるようにする、そのために地理的な事情とか経済的な事情の配慮を考えていかなきゃいけないということじゃないのかなと受け止めています。  長くなって申し訳ないんですけれども、御説明の中で、自宅受検について、CBTオンライン受検で可能になるんじゃないかというようなお取組を進めていただいている部分の御説明があったんですけれども、それについても、オンラインで受けられたとしても、環境がなくて受けられないという場合も多数あるんですね。去年、コロナの関係で、大学入試でいろいろな面接だとかオンライン入試とかがありましたけれども、同じ問題が発生していました。  それから、高校会場についても幾つか御説明があったんですけれども、団体受検なのか、単に会場を貸してほしいのかということも、団体によって見解が分かれているようですから、そういうあたりも整理が必要なのかなというのも思いつつ、繰り返しになるんですけれども、とにかく1回しか受けられない子と10回受けられる子がいるのはおかしいなというシンプルな問題をまず解決できるように、議論を進めていただければと思います。  以上です。 【沖主査】  石崎委員、ありがとうございます。御提言として承り、また必要に応じて議論していきたいと思います。  ほかに御意見というか、まず御質問を先にいただけると、せっかくの機会ですのでいいかなと思いますが、いかがでしょうか。  圓月委員、お願いいたします。 【圓月委員】  圓月です。行き届いた御報告、ありがとうございました。まず、最初にお話しいただいたケンブリッジ検定の市川様に、遠隔試験監督システムについて御質問したいと思います。  今、石崎委員から非常に厳しい御意見もありましたけれども、地域格差による公平性を向上させるためには、CBTの普及と自宅受検というものを考えていかないといけないと思うんです。ただし自宅受検の場合には、ほとんどの団体の方も言及なさっていましたけれども、本人確認の問題、あるいは不正行為の防止などがどのような形でできるのか、すなわち、公平性を向上させると公正性が損なわれる可能性が出てくるんじゃないかという心配があります。これが大学では一番不安なところだと思います。  そういう意味で言ったら、この遠隔試験の監督をシステムとして積極的に言及しておられましたのは、ケンブリッジ検定試験の市川様かと思いますので、もう少し補足説明をいただき、もしほかの団体からも御意見があれば、補足していただければと思います。  以上です。 【沖主査】  ありがとうございます。  まず、市川委員から、もしお話しできる範囲で、ぜひお願いできればと思いますが、いかがでしょう。 【市川委員】  市川ですけれども、弊社は、まだオンラインの試験の実施に実装を行っていなくて、ケンブリッジの青山様の御発言に関連してかと思うんですが。 【圓月委員】  そうですね。青山さんですね。ごめんなさい。 【沖主査】  青山さん、お願いします。 【青山委員】  ご質問いただき有難うございます。私どもも、大学様に安心して、「このリモート・プロクタリング、遠隔試験監督システムであれば、不正が起こりにくい、あるいは不正はない」、そういった形で安心して使っていただけるよう、そういう状況を今、探っております。  たまたまですけれども、使っております遠隔試験監督システムの種類がTOEFL iBT様と一緒でして、こちらのワーキンググループで、例えばですけれども、遠隔試験監督システムに関して、日本の大学が求める要件、最低基準、そういったものをお話合いいただいて、それに対してこちらもエビデンスを示していくというのができれば、非常に実践的な用意というか、意義あるワーキンググループになるのかなと思っております。  ケンブリッジ大学英語検定機構のグローバルな最低必要条件、これを満たさなければ遠隔試験監督システムとして認めないというのがありまして、ただ、それは本当に最低基準というところですので、それが必ずしも日本の多くの大学様が認めるところと合致するかといったところは、正直、今後もっと情報を出しながら、確認が必要かと。私どもだけではなく、恐らく現在、今日の発表を聞いていますと、ほとんどの試験団体様がリモート・プロクタリングを活用中あるいは活用予定ということかと思います。これは本当にうまくいけば、地域格差が一気に是正できる、そういうゲームチェンジャーだと思っておりますので、有難い御指摘だと思います。有難うございました。 【沖主査】  ありがとうございます。青山委員、市川委員、私のほうで間違えました。失礼いたしました。  簡潔にということでお願いしたいですが、団体の委員の皆様の中で、本件についてもし追加すべきことがありましたら伺いますが、よろしいでしょうか。  では、後ほどまた改めてということで、安井委員から先に手を挙げていただいたようですので、安井委員、お願いいたします。 【安井委員】  ありがとうございます。一つ、ケンブリッジの青山様にお聞きしたいんですけれども、この点数は先ほど生涯有効と御説明なされたと思うんですけれども、有効期間ということに関してはケンブリッジさんではどのように考えておられるのかを、少し御説明いただければと思います。 【青山委員】  文化的な枠組みが違うのかもしれませんけれども、グローバル、特にケンブリッジがもともと考えておりますのが、英語というのは生涯教育であると。ですので、もちろん言語には、“language attrition”、つまり勉強していないとどんどん退化していくという側面がございます。従いまして、最低基準として、何らかの形で英語に関して研鑽を積んでいく、そういう学習者であることが根底にありますので、そういうことであれば、一旦このレベルに対して努力をし、そして達成された、それに対しての認定証ですので、それは生涯有効ですと申し上げております。  ですが、勉強することをやめられたということに対しては、私どもの前提がそうなので、異なっていると。ケンブリッジの認定証(certificate)は生涯有効ですけれども、私が知る限り、大学様の運用上、大体、2年間有効と設定されている場合が多いようですが、一部の大学様は、そういったケンブリッジの特徴をよく御存知なので、生涯有効の設定のまま受け入れておられる大学様も、日本の大学でもたしか、数は限られておりましたけれども、あったことは覚えております。  以上でございます。 【安井委員】  大学入試に検定をどう使うかという考え方は、それぞれの大学で決めればいいということだと思うんですけれども、その文化的な背景というのも考えて、こういった検定をどう利用するかということも、大学側としては考えていかなければいけないなと思ったところです。ありがとうございました。 【青山委員】  ありがとうございます。 【沖主査】  安井委員、青山委員、ありがとうございました。  圓月委員は手が挙がっていますけれども、追加の質問ございますでしょうか。 【圓月委員】  すみません、下げるのを忘れていました。失礼いたしました。 【沖主査】  また、途中で市川委員と込山委員から挙手があったように見えたんですが、先ほどの説明の中で、もう御対応ということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。ほかは特に問題ないでしょうか。  本当はもう少しじっくりといろいろとお尋ねしたいこともありましたが、相当いろいろな立場や考えといったものが紹介されましたので、今後、非常にいろいろな論点を整理して、お互いにというか、参加している関係者がみんな、100点とは言わないまでも、それなりにきちっと意味のある一定の成果が出るような方向で議論ができればと、私としては考えているところであります。  ということで、今までの議論の内容につきまして、事務局の皆様には、次回ワーキンググループに向けて、質問、意見なども踏まえて整理をしていただくようにお願いいたします。  ということで、もうほとんど時間がぎりぎりということになっておりますので、もし問題ないようでしたら、本日のワーキンググループのあたりで閉じたいと思いますが、よろしいでしょうか。  では最後に、事務局から今後の日程等について説明をお願いいたします。 【前田大学入試室長】  ありがとうございました。次回につきましては、改めて事務局から日程照会をさせていただきます。  また、本委員会でございますけれども、審査は非公開でございますので、本日の情報につきましては委員の皆様限りでお願いしたいと思います。万が一プレス等からのお問合せがあった場合には、文科省の事務局に聞いてくださいというお答えをお願いできればと思います。  また、本日、時間の関係で、御意見できなかったという先生がいらっしゃれば、大学入試室まで御連絡いただければと思います。日程の照会をさせていただくためにメールアドレスを送らせていただいておりますので、御意見等いただければ、次回の会議にも、そういった御意見も整理した上で、またお示ししたいと思っております。  事務局からは以上でございます。 【沖主査】  ありがとうございました。  長い時間になりましたが、これで本日の委員会を終了いたします。本日は御出席いただき、誠にありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。 ―― 了 ――