大学入学者選抜における総合的な英語力評価を推進するためのワーキンググループ(第5回)議事録

1.日時

令和7年11月12日(水曜日)10時~12時

2.議題

  1. 参画団体の追加について
  2. 各試験団体における不正対策の状況について 1 TOEICにおける事案と再発防止策について 2 各試験団体における取組状況について【非公開】
  3. その他

3.議事録

【高久大学入試室長補佐】  皆様、おはようございます。予定の時刻になりましたので、ただいまより大学入学者選抜における総合的な英語力評価を推進するためのワーキンググループ第5回を開催いたします。委員の皆様におかれましては、御多用の中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
 本日はWeb会議方式での開催となっております。御発言の際は「挙手」ボタンを押していただき、指名された後に御発言ください。また、ハウリングを避けるため、発言後のミュート戻しなど御協力いただければと思います。
 それではまず初めに、本日の資料について確認いたします。委員の皆様にはメールでお送りしておりますけれども、資料のセットのファイルと参考資料のセットのファイル、2つのファイルをお送りしてございます。
 まず資料のほうは、資料1としまして、新規参画団体提出資料。資料2が、通しページの56ページから始まります、各試験団体における不正対策の状況についての資料となっております。
 それから参考資料につきましては、参考1-1が本WGの設置について、1-2が本委員会の名簿、1-3が運営要領。
 参考資料の2は、令和6年5月に大学教育・入試課、現在は大学振興課と名前を変えておりますが、こちらで取りまとめました、入学後の総合的な英語力の育成・評価に関する好事例についてということで取りまとめて公表しておる資料を御参考としてつけております。
 それから参考資料の3が、通しページの31ページからの資料になりますが、令和6年度大学入学者選抜の実態調査の結果の中から、英語の資格・検定試験の活用の実態の状況を抜粋したものでございます。こちらも文科省ホームページで紹介しておるものの抜粋でございますので、後ほど御覧になっていただければと思います。
 なお、主査と御相談の結果、参考資料の1-3の運営要領の3及び4に基づき、本日の議事の2点目、各試験団体における不正対策の状況につきましては、議事録、資料、共に非公開とする予定でございます。
 また、本日は、大学入試センターの職員が傍聴しておりますので、御承知おきください。
 続きまして、第4回の開催時から委員の交代がありましたので、御紹介をさせていただきます。参考資料の1-2を御覧ください。時間が限られておりますので、名簿のみの御紹介とさせていただきますが、新しく就任していただいた委員を御紹介いたします。
 国立大学協会の梅原委員、日本私立大学連盟の川上委員、全国高等学校長協会の渡邊委員、ETS Japan塩崎委員、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の高津委員、株式会社ベネッセコーポレーション吉松委員、Duolingo水谷委員、それから、公益財団法人日本英語検定協会の小手川委員でございます。
 それでは、議題に入ります。ここからの進行は、沖主査にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【沖主査】  沖でございます。ここからは私のほうで議事を進行してまいります。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは早速ですが、議題(1)、「参画団体の追加」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【高久大学入試室長補佐】  それでは、資料は、資料1になります。
 今回、本ワーキングへの参画団体として、Duolingo様を御紹介させていただきたいと思います。
 本ワーキングは、大学入試の在り方に関する検討会議の提言を受けて、大学入学者選抜における総合的な英語力の評価を推進していくために、大学入学者選抜協議会の下に、英語資格・検定試験実施団体、高等学校及び大学関係者等の皆様に御参画いただきまして、英語資格・検定試験の活用に当たって協議を行っていただくために設置されたものでございます。
 かつて検討されておりました「大学入試英語成績提供システム」の導入は見送ったわけでございますが、ワーキングの設置趣旨に鑑みまして、試験団体の皆様につきましては、このシステムに参加を予定されていた団体にこのワーキングに参画をいただいている状況でございます。
 今回、新たにDuolingo様から本ワーキングへの御参画のお申出をいただきまして、事務局において、「大学入試英語成績提供システム」の参加要件としておりました、学習指導要領との整合性や大学入学者選抜における活用実績等を確認いたしました。その上で、沖主査に御了承いただいた上、今回より御参画いただくことといたしました。
 なお、本ワーキングへの参画をすることで、試験団体の皆様に関しての制度的な位置づけが変わるとか、国の入試制度の何らかの変更を生じるとか、そういったものが生じるものではございませんので、申し添えます。
 今後ですけれども、ほかの試験団体の方からも同様のワーキングの御参画の申出があった際には、同様に対応したいと考えております。
 事務局からの説明は以上です。
【沖主査】  ありがとうございました。
 それでは早速、Duolingoの水谷様より、団体の概要につきまして、10分程度で御説明をいただければと思います。お願いいたします。
【水谷委員】  改めまして、Duolingoの水谷と申します。本日はよろしくお願いします。
 本日御紹介する項目です。時間が限られていますので、Duolingo社の概要と日本におけるDuolingo、を足早に。DET、Duolingo English Testの概要をしっかり御説明させていただきます。
 まず、Duolingo社自体ですけれども、Duolingo、誰もが利用できる世界最高の教育を開発することをミッションに持つ教育企業です。語学だけではなく、数学、音楽、チェスが学べるアプリを提供しています。
 DET、Duolingo English Test、通称DETです。Duolingoから派生した英語試験でして、英語学習者が世界中どこにいても公平で、正確、かつ安全に英語能力を評価できるようにし、学習や機会の障壁を下げ、より多くの人々にチャンスを広げることをミッションとしています。
 Duolingoのアプリは、ダウンロード数及び収益ランキングで、世界でトップとなっています。これは日本も同様です。アプリ自体、多くのユーザーさんを抱えておりまして、どのぐらいかと言うと、世界のインターネット人口の5人に1人がDuolingoを使ったことがあるというぐらいの規模になります。アプリの中身、こういった見た目でして、楽しく学べます。
 日本におけるDuolingoとしましても、アプリとしましても、DETにしましても、日本はとても重要なマーケットでして、既に多くの方々に学んでいただいております。日本に関しても登録者ベースで1,000万人を超えております。
 日本ではこれまで積極的に投資や拡大をしてきました。文科省との学校教員を対象とした英語資格・検定試験の特別受験制度にも参画させていただいております。ちなみに余談ですが、通常70ドルのテストを14ドルと、世界で最も大きなディスカウントをこちらのプログラムに提供させていただいております。
 ここから、テストの仕組みをもう少し詳しく御紹介いたします。
 Duolingo English Testは、受験者の体験を第一に考えて設計されたテストです。従来の英語テストでは、受験のために何か月も前から予約をしなければならないこともありました。さらに、国や地域によっては受験料が数百ドルに上るなど、非常に高額な場合もありました。多くの受験者、試験会場まで移動して、二、三時間かけて受験し、その後、結果が出るまで数週間待たなければならない。これが、これまでの一般的な英語試験の現実だったかと思います。
 DETは、デジタルファーストで設計された試験です。その結果、これまでにない、アクセスしやすく、公平でインクルーシブな受験体験を実現しています。
 まず第1に、アクセス性です。DETは、いつでもどこからでも受験が可能です。必要なのは、個室とパソコン、インターネット環境、ウェブカメラ、そして、マイクだけです。試験会場に行く必要も、移動の負担もありません。これは地理的な制約がある学生にとって大きなメリットとなっております。
 次に、スピードです。DETはGMATと同様、コンピューター適応型、つまり、アダプティブ型のテストを採用しています。つまり、受験者1人1人のスキルレベルに合わせて、出題内容が調整され、約1時間で試験が完了されるように設計されています。さらに、48時間以内に公式のスコアが返却されます。
 最後に、手頃さです。受験料は僅か70ドル。従来型の高等試験に比べて非常に手頃な価格です。また、世界中の教育機関へ無制限、かつ、無料でスコアを送信できますので、追加手数料であったり、いわゆる隠れたコストなどといったものは一切なく、大学側にとっても受入れは完全無料です。
 DETは生まれながらにデジタルを前提として設計された英語試験です。従来のテストが紙の試験をデジタル化した、いわゆるデジタル補助型、デジタルアシストであるのに対して、DETはAIと計算モデルを基盤に構築されたボーンデジタルなテストです。DET、過去の試験データに依存せず、各設問の特性そのものから受験者の言語能力を予測するモデルに基づいて開発されました。実際の受験データを通じてモデルの精度を継続的に高めておりまして、この開発アプローチ自体が、従来の試験開発とは根本的に異なる革新的な設計手法となっております。
 DET、英語能力評価における新たな国際基準を打ち立てております。このテスト、先ほど申し上げたとおり、アダプティブ型採用しておりまして、各設問が受験者の能力に応じてリアルタイムに変化します。その結果、重要な判断や合否判定において非常に高い精度を実現しております。
 こちらのコンピューター適応型試験について、受験中、出題というのはリアルタイムに行われて、受験者1人1人に合わせて個別化されたテストが生成されます。この仕組みについては、次のスライドでもう少し詳しく御紹介はします。ただ、このアルゴリズムに基づく出題方式によって、同じ問題が繰り返し出題されることを最小限に抑えて、試験問題の漏えいであったり、不正行為というのを防止し、公平で信頼性の高い評価を実現しています。また、このアプローチによって、DET、4万5,000問以上の大規模な問題のバンクと言いますか、プールといったものを維持しておりますので、そういったものを解析したり予測したりする、いわゆるアイテムバンクマイニングというのは、実質的に不可能となっております。
 これが試験の構造でして4つのステージがあるんですけども、少し時間も限られているので割愛しますが、受験者の能力によって難易度の推移というのがどう変わるかというのを表しております。高得点者、スコア160前後の方々については、常に高難易度帯にとどまります。中間層、スコア80前後は、高い、低い問題が混在して、難易度が上下するといったイメージです。低得点者、スコア15前後は、一貫して低難易度帯にとどまるといった形での適応型になっております。
 評価についてです。DET、数年にわたる研究開発と一部大学との限定的なデータ運用を経て、2016年、正式に公開されました。我々の大きな特徴の1つは、固定された試験ではないという点です。私たちは常に試験の改善とアップデートを行っております。これらの改善というのは、大学などの教育機関、言語評価の研究コミュニティー、アドバイザリーボード、そして受験者からのフィードバックに基づいて実施されているので、常にアップデートされているといったテストとなっております。
 AI、しばしば両立が難しいとされる、スケール、拡張性と、公平性、エクイティー、これを同時に実現する力を持っています。
 まず、スケールについてですけれども、AIによって問題作成と採点が自動化されました。これによって、24時間365日、世界中どこでもテストを実施することができます。さらに、運用コストを大幅に削減して、安価で安定的なテストを提供させる基盤となっております。
 次に公平性、エクイティーですけれども、AIの導入によって、受験料、低価格に抑えることができましたので、経済的な理由で受験を諦める必要がなくなりました。また、地理的、言語的な障壁を取り除いて、遠隔地であったり、英語圏以外の地域でも受験が可能です。さらにアクセシビリティー機能や適応型テストによって、どのような環境、背景の受験者でも、公平な体験を得られるように設計されています。
 これは、スケールと公平性、この2つの理念、特徴こそが、我々のテストの根幹を支えるアプローチとなっております。
 AI、技能評価の在り方、そういうものが大きく変化していると思うんですけども、ただ、採点はAIが自動で実施はするんですけども、正確性を保つために、人間が最終的な確認を行うとなっております。
 テストの構成要素と問題形式です。DETでは、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング、4つの主要スキルを評価しています。これらは実践的で統合的なタスクを通じて測定されます。重視しているのは、文法や語彙の暗記ではなく、実際のコミュニケーション能力です。例えば、4技能を総合的に評価し、実際の英語使用に即した信頼性の高いテストとして設計されています。スピーキングも実際に画面に向かって、受験者さんにお話しいただくというような構成となっております。
 こちらがCEFRの対応表です。DETはCEFRと整合しています。こちらの表というのは、Duolingoのスコア、10から160が、CEFRのA1からC2までの各レベルにどのように対応しているかというのを表しております。
 DETのスコアを、TOEFL iBT及びIELTSのスコアと比較した最新のスコア対応表がこちらになります。
 これらの対応表やその根拠となる研究の詳細情報、文書などは、全て公式ウェブサイト上で公開しておりますので、ぜひ御覧ください。
 こちらは主要な英語試験との高い相関関係があることを確認しているというグラフですけども、時間の都合で少し割愛をさせていただきます。
 ここでは、DETのスコア信頼性について御説明いたします。ここで言う信頼性とは、同じ受験者が複数回受験した際に、結果がどれだけ一貫しているかというのを意味しております。この信頼性を測定するために、Test-retest reliabilityという、再試験信頼性という手法を用いているのですが、同じ人が24時間以内に2回受験して、そのスコア間の相関というのを確認します。値はもちろん1.0に近いほど結果が安定しているということですけども、全体の信頼性としては、0.96と非常に高いです。つまり、DETのスコアというのは、受験者の実際の英語力を安定的に反映していて、教育機関や制作担当者の皆様にも、小さなスコア差を、偶然ではなく、実力差として安心して判断いただける信頼性を備えております。
 研究結果もあるんですけれども、時間の都合で割愛させていただきます。ぜひ、お時間がありましたら。
 こちらは、ハワイ大学マノア校で実施された調査結果となります。この研究では、入学時に提出した英語能力試験、DET、IELTS、TOEFLのいずれかを使用したかによって、その後の学生の成績、GPAに差が生じるかどうかというのを検証したものですが、結論、どの試験を提出して入学した学生でも、GPAに大きな差は見られませんでした。つまり、DETのスコアで入学した学生というのは、IELTSやTOEFLで入学した学生と同程度の成績を残しているということになります。
 これはミズーリ大学で実施された調査結果です。先ほどと同じような調査結果なので割愛はしますが、強調しておきたいのは、DETの採用というのが受験機会の拡大につながるということです。例えば、ガーナからの出願者数は151%増加しております。ナイジェリアからは135%増加となっております。これは、DETが優秀な学生を正確に見極める試験であるだけではなく、世界中の才能ある学習者に、より広いチャンスを提供しているということを示しております。
 こういった研究結果というのは全てオンラインで公開しておりますので、御興味がありましたら、ぜひ御覧ください。
 少し時間が差し迫っているんですが、どのように採用されているかだけ、御紹介させていただきたいと思います。
 DET、世界で6,000を超える教育機関に採用されております。その内訳、アメリカで3,600以上。次がスライドのとおりとなっております。
 アメリカにおいてはもうほぼ普遍的に受け入れられておりまして、上位100大学のうち99校で採用されております。アメリカで恒久的に受け入れている大学の一部、一例ですが示したものであったりとか、カナダであったりとか、イギリス、オーストラリアの事例となっております。
 学生による利用も急拡大しておりますし、こういったデータというのも存在しております。
 日本におけるDET受験における、DET受験者の分布となります。どこからでも受けられるので、御覧のとおり、地理的な制約を受けることなく、既に1,000を超える市区町村で利用されているといったところです。
 このような形で、テストのスコアというのがレポートとして配布されます。こういった形で、スコアレポートとなっております。
 こちらが動画・ライティングの結果のサンプル。大きな特徴というのは、実際に受験者さんがスピーキングしている動画というのを大学側で見ることができます。実際に話している姿なので、本来の英語力を、これ以上ない解像度で見ることができまして、これはとても好評をいただいております。
 カスタマーサポートの体制です。eメールの対応はもちろん、ライブチャットでの対応も行っております。
 日本でのDETの採用というのは拡大しております。既に一部の大学の学部では、大学入試にも使われておりますし、それ以外の多様なプログラムにも利用されております。
 これは冒頭に御紹介した特別受験制度への参加。積極的に投資していきますので、ウェビナーの開催というのも予定しておりますし、先日発表させていただいた、テスト10万件を無償で配布するパイロットプログラムも行っております。御興味のある方は、ぜひお問合せください。
 少し時間が過ぎてしまいましたが、以上となります。ありがとうございました。
【沖主査】  水谷様、どうもありがとうございました。
 今、御説明いただきました資料、その他、御説明に関連して、御質問がある方、委員の方はいらっしゃいますでしょうか。何かありましたら、ぜひ挙手などで合図を出してください。いかがでしょう。よろしいでしょうか。
 それでは、Duolingoの水谷委員に、今回からこのワーキングに御参画いただくということにしたいと思います。皆様、よろしくお願いいたします。
 では、引き続きまして、議題(2)各試験団体における不正防止対策の状況についてに移ります。

議題(2)各試験団体における不正対策の状況について
各委員から資料2に基づき説明があり質疑応答がなされた。

【沖主査】  最後に、事務局から何かありますか。
【高久大学入試室長補佐】  
 皆様、本日は活発な御議論いただきまして、ありがとうございます。また、試験団体の皆様におかれましては、貴重な御知見を共有いただきまして、ありがとうございました。
 先ほど主査からも御説明ございましたけれども、この後、親委員会であります、大学入学者選抜協議会におきまして、概略を御報告させていただきます。資料につきましては、抽象度を高め、団体名が特定されない形で取りまとめたいと思っております。試験団体の皆様にもメールで御確認をいただきたいと思いますので、その際、お手数ですが、御協力をお願いいたします。
 次回の開催につきましては、協議すべき事項がある場合に、事務局より改めて御連絡をいたします。
 なお、本委員会の過程、議事は非公開となっておりますので、審議において知り得た情報はほかに漏らさないよう御留意いただければということと、議題(1)の資料につきましては、文科省ホームページに掲載されるまでは委員限りとしていただくようお願いいたします。
 また、委員の皆様におかれましても、このワーキング終了後にお気づきの点や追加の御意見等ございましたら、大学入試室まで御連絡いただければと思います。
 以上でございます。
【沖主査】  ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、本日のワーキンググループを終了いたします。
 皆様、御出席いただきまして、ありがとうございました。また、引き続き、よろしくお願いいたします。


 ―― 了 ――