大学入学者選抜における総合的な英語力評価を推進するためのワーキンググループ(第2回)議事録

1.日時

令和4年9月2日(金曜日)14時~16時

2.議題

  1. 第1回大学入学者選抜協議会大学入学者選抜における総合的な英語力評価を推進するためのワーキンググループの議事録について
  2. 英語教育に関する文部科学省の取組状況について ①令和3年度英語教育実施状況調査の概要について、②英語教育・日本人の対外発信力の改善に向けて(アクションプラン)について、③社会で求められる総合的な英語能力に関する調査結果について
  3. 英語資格・検定試験を高校生が利用しやすくするための課題解決状況について(特に高校会場の拡充や検定料減免、オンライン受検における不正行為防止対策)
  4. その他

3.議事録

【村本大学入試室長補佐】 
 所定の時刻になりましたので、ただいまより「大学入学者選抜における総合的な英語力評価を推進するためのワーキンググループ」第2回を開催します。委員の皆様におかれましては、御多用の中お集まりいただき、誠にありがとうございます。私、文部科学省の高等教育局大学振興課大学入試室の室長補佐をしております村本と申します。
 本日はウェブ会議での開催となっております。御発言の際には、「挙手」ボタンを押していただき、指名された後に御発言ください。また、ハウリング等を避けるため、発言後のミュート戻しなど御協力いただければと思います。
 それでは、まず初めに本日の資料について確認させていただきます。お手元、議事次第がございます。議事次第の下半分に配付資料を記載しております。資料が1から5-7、参考資料1-1から3までございます。もし不足等あれば、お申しつけいただければと思います。
 続いて、第1回の開催時から事務局の体制に変更がありましたので、簡単に紹介させていただきます。4月1日付で大学振興課長、古田に交代しております。
【古田大学振興課長】 
 古田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【村本大学入試室長補佐】 
 同じく大学入試室長、平野に交代しております。
【平野大学入試室長】 
 平野でございます。よろしくお願いいたします。
【村本大学入試室長補佐】 
 それでは、議題に入りますのに、ここから進行は沖主査にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【沖主査】 
 ただいま御紹介いただきました沖でございます。ここからは私のほうで議事を進行してまいります。よろしくお願いいたします。
 それでは、議題(1)第1回ワーキンググループの議事録についてです。まずは事務局から資料1について説明をお願いします。
【村本大学入試室長補佐】 
 資料1でございます。こちらは昨年12月から1月にかけまして、当ワーキングの運営要領に基づきまして弊省ホームページにて公開することを前提に、公にすることが望ましくないと思われる議事録の箇所や会議資料につきまして、メールにて各委員に確認いただいた内容を反映したものでございます。既に一度御確認いただいていますが、万が一追加の修正箇所がありましたら、後日御連絡いただければと思います。特段の御連絡がない場合は、準備が出来次第、第1回のワーキングの資料、議事録を、ともに弊省ホームページに掲載いたします。
【沖主査】 
 御説明ありがとうございました。それでは、議題1について、何か御意見、御質問などございますか。説明のとおりということで、念のために御確認いただくということになるかと思います。

(発言者なし)

【沖主査】 
 特に御異議などございませんでしたら、事務局においては、第1回ワーキンググループの議事録について、資料とともに掲載の手続を進めてください。お願いします。
 では次に、議題(2)英語教育に関する文部科学省の取組状況について、事務局から説明をお願いします。
【岡田外国語教育推進室長補佐】 
 文部科学省初等中等教育局教育課程課外国語教育推進室の室長補佐をしております岡田と申します。本日はよろしくお願いいたします。時間が大変限られておりますので、非常に駆け足で恐縮ですけれども、2点御説明申し上げます。
 1点目が、今年5月に公表いたしました令和3年度英語教育実施状況調査についてでございます。こちらは昨年度コロナの影響で実施できなかったので、2年ぶりということになりますけれども、5月に公表いたしました。
 特に高校・大学に関係するところを中心にと思いますけれども、3ページを御覧いただければと存じます。こちらは中学生・高校生の英語力ということで、着実に上昇をしております。残念ながら第3教育振興基本計画に設定する目標にはあと一歩というところでありますけれども、今年度が最終年度です。御覧いただくと分かるように、このグラフ、実際に外部検定試験でスコア・級を取得した方と、先生方が御覧になってそれと同等と思われるという方、合わせての数字になっておりますが、斜線ではない青塗りの部分、つまり実際に検定でスコア・級を取った生徒さんの割合がどんどん上昇しておりまして、中学校・高校ともに外部検定試験の活用が進んでいることが分かるかと思います。
 続きまして、5ページを御覧いただければと存じます。こちらは都道府県・指定都市別になっておりまして、特に中学校については自治体間のばらつきが非常に出ておりますので、これは我々として対応すべき課題だと認識してございます。高等学校については、公立だけという制約はありますけれども、中学校に比べると自治体間のばらつきは少なくなってまいりますが、それでもなおまだ改善の余地はあるかと思っておりまして、我々としてもしっかりとサポートしていきたいと思っております。
 続いて、6ページを御覧いただければと思います。こちら、言語活動の状況、つまり、言語を使って自分の意見・考えを伝える、相手が何を言おうとしているかを考える、言葉を使って意見や考えのやり取りをする、といった活動でございますけれども、小・中・高と進むにつれて実施している割合が下がっていくという傾向が出ております。もちろん言語活動とは何かという定義を十分にお示しできていなかったかもしれない、という調査の取り方の問題もあろうかと思いますので、そこは反省をしなければならないと思っておりますけれども、ただ、高等学校でがくんと数字が下がることについては、報道からも関心を持って聞かれておりまして、入試の影響もあるのではないかというお尋ねが、大臣の記者会見でもございました。
 そこから少し飛びまして、8ページでございます。これはパフォーマンステストの実施状況を小・中・高と取ったものでありまして、小学校は初めて聞いたので比較はありませんけれども、中学校・高校は前回の調査と比較しての数字も出ております。どうしても高等学校になりますと、話すこと・書くこと両方について、英語を使って何ができるか、を測るパフォーマンステストをやっている割合が非常に低くなってくると。他方で、観点別評価も導入されたところでもありますし、4技能をバランスよく伸ばしていくという意味においては、話すこと・書くことについてもきちんと評価をして、それを指導に生かしていただくことが必要ではないかと。ここは改善に向けて取り組むべきところかと思っております。
 そして、11ページを御覧いただければと思います。こちらは英語の先生方の授業における英語の使用状況を聞いたものでありまして、どんどん中学校においても積極的に使っていただいていると。また高等学校においてはどうしても下がるということで、もちろん扱う材料も高度になってくるので、説明あるいは生徒の理解も難しいことはあろうかとは思いますが、ここも改善に向けて動いていく必要があるところだと認識してございます。
 そして、13ページに飛びまして、こちらは英語の先生方の英語力を聞いたものです。着実に上昇しておりまして、本当に現場の先生方の御努力が表れているところかなと思っております。特に高校においては、CEFR B2、英検で言うと準1級程度を取得している方が75%にほぼ達しているということで、先生方、英語力に自信を持っていただければと思っているところです。
 本当に駆け足で恐縮ですが、英語教育実施状況調査について、特に高等学校あるいは大学との関係でポイントとなるところを御説明申し上げました。
 もう1件、資料2-2として御紹介したいのが、高等学校におけるパフォーマンステストの参考資料です。こちら、大学入試のあり方に関する検討会議の提言でも、「学校単位でのパフォーマンステストについては質や実施回数にばらつきが指摘されている」として、文科省が効果的な方策を講じる必要があると言われたところでありますけれども、豊富にテスト事例、あるいはその後の指導事例も盛り込んだ資料を公表しております。各高等学校においてはこちらをぜひ御活用いただくとともに、各大学においても、高等学校においてこのように話すこと・書くことも含めた指導が強化されていることをぜひ御認識いただき、また、入試のあり方の検討にも生かしていただければと思っております。
 すいません、少し時間を超過いたしました。失礼いたしました。
【平野大学入試室長】 
 続きまして、英語教育・日本人の対外発信力の改善に向けたアクションプランについて簡単に説明をさせていただきます。このプランについては、8月8日、大臣のほうから発表したものでございます。小・中・高・大、学校段階を問わずに、英語教育というもの、また日本人の対外発信力の改善に向けて何を取り組むかということを、省全体でまとめたものでございます。私は本来、全体について説明をする立場ではないんですが、今日はこういう会議でありますので、便宜上私のほうから概要について説明をさせていただきます。
 一番最初のほう、1枚目からしばらくはデータが載ってございます。なかなか日本人の英語力が厳しいといった話とか、また日本人留学生の数、こういったものについてもコロナの影響も含めて激減している、こういったことが載ってございます。
 4ページについては、これまでの政策文書等における英語教育の改善の内容でございます。これは先生方、よく皆さん御存じだと思いますので、省略をさせていただきます。
 続きまして、5ページでございます。次期教育振興基本計画の議論が始まっている中で、英語力や対外発信力の改善について考えていく必要があるのではないかということで、様々な観点から検討が必要であるということが書かれてございます。
 続きまして、時間が限られておりますので、具体的な中身に入ってまいります。このプラン、大きく5個の柱でできてございます。6ページ目が1ポツで、学校英語教育の底上げでございます。先ほど説明のあった初等中等教育局の関係のものが多いわけでございますけれども、英語力に関する新たな目標を設定するとともに、自治体の取組状況の可視化、デジタル教科書やパフォーマンステストなどのツールの活用を促すことに加えて、教育課程外の学習活動の充実に資する活動も講じるということでございます。  マル1が英語教育の改善に向けた可視化・好事例でございます。マル2がデジタル教科書・教材における学びのDXを進めていくという内容でございます。マル3、パフォーマンステストの実施促進でございます。ここら辺は重複する部分がありますので、先に進ませていただきます。
 マル4、学校外における自主的・自発的な学習意欲の向上ということで、ALTや英語が堪能な地域人材の発生を促進するとか、各種団体の実施するディベート、スピーチコンテスト等の積極的な支援、1人1台端末を活用した海外との交流促進、このようなことが盛り込まれてございます。マル5は中高生の英語力に関する新たな目標値の設定ということで、次期計画における目標の目安が掲げられているところでございます。
 続きまして、2ポツでございます。教員採用・研修の改善でございます。英語教育のレベルアップにおいては、教師の方が力を発揮していただくことが不可欠でございます。
 マル1でございます。教員採用段階での取組の可視化ということで、英語教師の採用選考に当たって、特別免許状の活用状況、また英語力の資格・検定・スコア保持者に対する加点措置などの特別措置、このようなものについて調査を行い、取組状況を分かりやすく公表するとともに、特別免許状については授与基準がいまだ策定されてない都道府県等がございます。授与基準の策定や公表の有無、また手続の内容、申請時期等とありますけれども、これは年に1回しか受け付けていない都道府県さんから年数回以上受け付けているところまで、かなり差がある状況でございます。このような状況を自治体ごとに分かりやすく公表して、採用段階の取組を可視化してまいります。
 マル2が英語の授業のレベルアップでございます。英語の指導方法について知識・技能を身につけられるような学習プログラムを国が開発し、つくばにございます教職員支援機構において提供する、このような内容を盛り込んでおります。
 マル3は先ほど申し上げた特別免許状の拡充でございます。ALT経験者や民間英会話教室経験者の登用の促進から、その活用状況、また、中長期的には人材バンクも構築いたしまして、先ほど申し上げたような学習プログラムを修了した者を登録して、各都道府県をまたいでこのような人材のプールの構築を進めていきたいというものでございます。
 3ポツが大学入試・社会との接続の関係でございます。マル1が4技能の総合的な英語力評価も含めた入試の好事例の公表でございます。これについては先日文部科学省のほうにおいて公表させていただいたところでございますけれども、在り方検討会議の報告を踏まえまして、入試の好事例、この中には英語も含まれているわけでございます。こういうことを公表することによって各大学の取組を後押ししていくものでございます。
 マル2は、私学助成・国立大学法人運営費交付金におけるインセンティブの付与でございます。私立大学改革総合支援事業の調査項目という中で点数を積み上げていく仕組みになっているわけでございますけれども、4技能の総合的な英語力を評価した入試を行っている大学については加点の項目の1項目とする。このような扱いをしてございます。国立大学運営費交付金については仕組みが違うわけでございますけれども、英語力の育成・評価といったものも含め意欲的な取組を行う組織整備に対して支援を行っていく。このようなことについては、既に概算要求に係る事務連絡上で明確化しているところでございます。
 マル3でございます。これについては、4技能別の出題状況や英語資格試験導入状況の実態調査可視化ということでございます。大学がどれぐらいこのようなことに取り組んでいるかということについては、在り方検討会議の過程でもかなりのデータを調べたわけでございますけれども、令和2年度入試について調べたものでございました。令和4年度入試についても選抜区分ごとの実態調査を行って、全体としての傾向をしっかり把握してまいりたいと思っております。また、これまで好事例という形では取り上げていたんですが、そのような取組を行っている大学などについては、英語力を高めたいと努力している受験生の情報として一つ大事な情報かと思っておりますので、このようなものについては積極的に受験生が見ていただけるような形を考えていきたいと思っております。
 10ページでございます。アドミッション・ポリシー見直しの促進。これは入試という文脈でございますので、アドミッション・ポリシーが全面に出ておりますけれども、教学マネジメントの在り方について見直していくということでございます。英語力の育成の観点からしますと、大学さんのほうはディプロマ・ポリシーを掲げているわけでございまして、これにしっかり対応した形でアドミッション・ポリシーを定めていくことが必要でございます。そのようなディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーが一体となった見直しを促進するため、教学マネジメントの在り方について、今後中教審等において検討していくこととしてございます。
 マル5については、大学教育においても英語力を高めていくための英語教育の充実が必要でございます。このようなものについては、各大学の取組について、自主的に努められているところでございますけれども、優れた事例については好事例として周知を図っていくと、このようなことを考えてございます。
 マル6は、後ほどお話があると思いますけれども、大学生に期待する英語力に対する調査の結果を発表するなど、企業が大学生に期待する英語力等について積極的に情報発信することを要請するものでございます。
 4ポツでございます。国際交流体験活動・文化活動発信の推進でございます。マル1が留学生との国際交流キャンプの実施、マル2が国立青少年施設における国際交流事業の実施でございます。高校生をはじめとした国際交流活動・文化発信を推進いたしまして、教育課程外においてもこのような英語に触れる機会の充実を図っていくことを考えているものでございます。具体的には、国際交流体験の活動を進めることとともに、イングリッシュキャンプなどの取組を進めていきたいということでございます。
 12ページでございます。海外留学の促進でございます。新型コロナウイルス感染症の拡大によって深刻な影響が生じている分野でございます。日本人学生・生徒が海外に飛び出して、得難い様々な経験を積むことが重要でございます。そのような観点から、今激減しているところを再度引き上げていくことが必要でございまして、日本人学生の海外留学支援制度を強化していくとか、また、高校生への留学支援を強化する、このようなことが盛り込まれているところでございます。また、トビタテ留学JAPANの発展的推進についても盛り上げいく必要があるということで、これを発展させた事業を推進していくことが盛り込まれております。
 内容は以上でございます。
【久保学務係長】 
 失礼いたします。文部科学省大学振興課学務係長の久保と申します。それでは、社会で求められる総合的な英語能力に関する調査結果について御説明をさせていただきます。資料4を御覧ください。
 1ポツ、背景・趣旨について、本調査は、「大学入試の在り方に関する検討会議 提言」において、卒業生の受皿である社会が必要とする英語力の水準が、必ずしも十分に可視化されていないことや、学部卒業時に必要な英語力を明示すべきという御指摘がありましたことを踏まえ、民間企業における就職時の英語力の基準の実態や、交換留学等で大学において求められる英語力の水準等について、総合的な調査を実施したものでございます。
 2ポツ、調査内容についてですが、本調査においては大きく二つ、企業向けの調査と大学向けの調査を実施しております。これらの内容としては、2ポツの概要に記載の項目について主に調査を行っております。
 次に、具体的な調査対象ですが、3ポツに記載のとおり、企業調査については、国内の全上場企業3,856社、また地域未来牽引企業約5,000社、また大学につきましては、短期大学・大学院大学を除く国公私立大学全大学に対して調査を実施しております。回答率を御覧いただくと、企業調査につきましては7.2%と低くなっております。こちらについて、企業向け調査については、経団連が会員企業に対して実施する調査においても約2割程度が平均的な回答率だということでしたので、おおむね妥当なものかと考えてございます。大学につきましては9割以上の大学から回答をいただきました。
 主な調査結果について、駆け足になってしまいますけれども、4ポツを御覧ください。まず、企業向けの調査についてでございます。こちら、大きく5項目に分けて調査を実施いたしました。まず一つ目、(1)英語力を持つ人材の重要性でございます。ページの一番下のほう、職員の英語によるコミュニケーション能力の強化について、企業価値を増大させる上で望ましいかとの設問については、約8割の企業からそのように感じているとお答えをいただいております。次に、英語能力を有する人材の不足が成長課題であると回答した企業は、45.6%、約半数となってございます。具体的な課題といたしましては、例えば海外企業との取引や、海外支店・現地法人等で活躍する人材の不足が主に挙げられているところです。また、課題ではないと答えた企業におきましては、そもそも市場が国内市場をベースとしているためといった回答もございました。また、英語能力を持つ人材の重要性が10年後に高まっているかどうかという設問については、こちらも約8割の企業が10年後も重要性が高いと答えていただいております。これらの回答につきましては、今後の市場拡大方針について海外市場を中心とすると答えた企業において、国内中心または未定と回答した企業と比較して英語能力を有する人材をより重要と考えている傾向が示されているところです。
 続きまして、(2)英語基準及び将来的な期待値でございますけれども、こちらは各企業に対して、学部・大学院卒業時の採用活動において英語力の提示を求めているかどうかといったことについて回答を求めました。英語力の提示を求めていると回答した企業は3割程度となってございまして、実際に企業においては、英語能力を有する人材を重要とは考えているものの、採用活動時に明示的には求めていない状況が明らかとなりました。また、こうした英語能力の提示を求めている企業において、その基準のスコアといたしましては、TOEICで700点以上、また英検では2級以上といった回答が最多となっております。採用時以外ですと、昇格や異動、海外赴任の際に英語力を設定している企業は約1割ちょっとという状況でございました。
 一方で、(3)ですけれども、企業における外国語使用の状況といたしましては、英語を公用語としている企業は5%程度とかなり少なくなってございます。それに対しまして、現状、海外取引先等との間で英語を用いたウェブ会議が増える、また参加人数も増えていると回答した企業は半数程度となってございまして、また今後も社内での英語使用割合が増えると回答した企業も56.8%と、半数よりも多い企業でそのような状況を認識しているということでございました。
 (4)グローバル採用等の導入状況ですけれども、グローバルなビジネス展開の強化のため、新卒・中途問わず積極的な人材育成をしていると回答した企業は48.4%と、約半数の企業でございました。具体的な取組といたしましては、日本本社での国籍を問わない採用や、日本人と外国籍の職員を同一基準での選抜といったことが挙げられました。
 次のページでございます。こちらは各企業に対して大学や大学生への期待について回答を求めたところでございます。学生の出身大学に期待する英語力の水準ですけれども、これは採用時とおおむね同様の傾向が見られ、TOEICでは700点以上、英検では2級以上が最も多い回答でございました。また、こちらについても、マーケット拡大方針を海外市場中心と答えた企業において、TOEIC700点以上と答えた企業の割合が多いといった現状になってございます。また、具体的に学生に伸ばしてほしい資質・能力等については、例えば表の1番目・2番目にある異文化コミュニケーションへの積極性、また言語や文化のダイバーシティへの寛容さ、そして表中の下から2番目にあるグローバルに物事を考える視野の広さといった能力を身につけてほしいという回答が多くございました。大学に対して期待する取組としては、具体的には、英語力に関する一定の到達水準を明示することや、専門分野と英語教育を融和させた教育といった回答が聞かれました。
 大学調査につきまして、大学に対して派遣先国の公用語を英語とする留学プログラムについて回答を求めるとともに、そのうち一定の英語力を求める留学プログラムについても調査をいたしました。調査の結果、359校、1,825プログラムにおいて、英語能力を求めるプログラムを実施してございます。具体的には、英語能力の基準として、TOFEL iBT100点以上といったところが最多となってございました。こうしたプログラムの特徴については、資料中真ん中にございますけれども、例えば自大学での単位認定を行うことや、派遣先大学との学費を相互不徴収にしていることなどの特徴がみられたところです。また、留学プログラムを推進する上での語学力に関する課題につきましては、表中の下から2番目ですけれども、留学に必要な英語資格を伸長することに特化した教育プログラムを自大学では提供できていない、または少ないといった回答が最も多くなっています。
 最後に、3番目でございますけれども、3つのポリシーにおいて、少なくとも大学の一つ以上の学部または学科の3つのポリシーで、英語能力の評価に関する記載をしているかどうかについて調査をしてございます。調査結果については①、②、③のとおりでございますけれども、アドミッション・ポリシーやカリキュラム・ポリシーにおいては約半数の大学において記載があったところでございますが、ディプロマ・ポリシーに関しては比較的低い水準にとどまっているところです。
 調査結果については以上でございます。
【沖主査】 
 3名の方々に、いろいろな現在の文部科学省の状況について御説明いただきました。ありがとうございました。
 では、今の報告を踏まえまして、議題(2)について何か御意見、御質問等ございますか。挙手で合図を出してください。お願いします。
(発言者なし)
【沖主査】 
 特にございませんか。今回は現在の状況の報告ということで、到達点と現状と、そして今後の課題が少し読み取れるものとなっているかと思います。一方で、特に最後の社会で求められる総合的な英語能力というのが、どうも小・中・高・大で今求められていることと必ずしもうまくつながっていないと。この出口のところを少し視野に入れた議論をここでやるということではないですけれども、どこかで必ずやらないといけないかなと主査としては感じたところです。
 では、もし何かありましたら、また別に事務局などに御連絡いただければということで、議題(2)はここで終わりということにいたします。改めて、御説明ありがとうございました。
 では続きまして、議題(3)英語資格検定試験を高校生が利用しやすくするための課題解決状況についてです。高校会場の拡充や検定料減免、オンライン受験における不正行為防止対策についてなどを中心として、第1回ワーキンググループ以降の進捗状況や好事例の共有に関しまして、委員名簿の順番に、1団体当たり最大10分で御説明いただければと思います。全ての発表が終わった後に、御意見、御質問などを受けたいと思います。
 それでは、まず最初に、一般社団法人日本ケンブリッジ英語検定機構の青山委員から御説明お願いします。
【青山委員】 
 御紹介をいただきありがとうございます。ケンブリッジの青山でございます。本日は第2回高校生が利用しやすくするための課題解決状況について、事前に文科省の御担当者様のほうからいただいていたトピックに沿う形でスライドを御用意させていただきました。
 大学入試で活用いただいておりますケンブリッジの試験には、皆さん御存知のように、IELTS、ケンブリッジ英語検定、そして最近ではリンガスキル、この3種類がございます。私のほうからは、まず、ケンブリッジ英語検定とリンガスキルについて、高校生にとって受験しやすい環境をどんな形で整備させていただいているかについて御報告をさせていただきます。
 まず、ケンブリッジ英語検定ですが、全世界的に、中高生を対象にしたA2 Key for Schools、そしてB1 Preliminary for Schoolsの校内実施の需要が高いです。学校側が受験日を設定できる、試験日オンデマンド化と言ったらいいでしょうか、団体様が希望する日を任意に選ぶことができるシステムが、2021年11月15日開始分よりグローバルに導入が進んでおります。これまで世界統一試験日から各試験センターが選んで、そこから学校様に選んでいただいておりましたので、多忙な日本でスケジュールがなかなか合わず導入が見送られてきたケースもありましたが、これにより解消され、学校様からも好評を得ております。そして、受験者数は、この二つの試験種については前年比130%、117%増と、人数の上でも、その効果が表れているように見受けられる点を御紹介させていただきました。
 また、ケンブリッジ英語検定は校内実施の場合、100%紙版(Paper-Based、PB版)で実施されています。コンピューターベース、CBTもあるのですが、コンピューター室を使って一度に大人数で実施することはできないため、ケンブリッジ英語検定の場合、校内実施は紙版の試験実施となっております。ただし現在、コロナ禍やウクライナ事情により試験問題や解答用紙の輸送に多くの時間を要しております。その状況を勘案し、試験資材の輸送が不要なCB版について、グローバル統一試験日を追加する策を本部は講じています。
 CB版もPB版も、ケンブリッジ英語検定の場合、スピーキングテストに関しては対面式で、受験者2名、試験官(SE:Speaking Examiners)2名で行われます。スピーキングテストのSE2名のうち、(会話に参加しない)SE1名についてはビデオリンクを介して遠隔でリアルタイム採点できるよう変更しました。ソーシャルディスタンスに配慮した結果、この特別措置は始まりましたが、これにより、県を越えて手配される場合のコロナ禍におけるSEの手配のハードルが緩和され、関係者にとって歓迎される変更となりました。この変更は受験者の方の健康上のセキュリティを担保しつつ、ペア型面接の質も確保できる方法ということで、現在も全世界で引き続き活用されています。
 次にリンガスキルですけれども、オンラインテストで、インターネットさえつながっていればどこでも受けられるテストです。それで、少しずつではありますが、大学入試、一般入試で使っていただいている大学様が増えております。Cambridge Englishスケールという1刻みの共通の尺度で成績が示されるので、ケンブリッジ英語検定を既に入試でお使いの大学様にアプローチしたところ、「ケンブリッジ英語検定(リンガスキルを含む)」という形で認めていただく大学様が増えて参りました。リンガスキルが地理的不利益を被っている人たちにとっても一つのソリューションになり得ることも、コロナ禍でも安心して受験をプランできるといったところで評価していただいたものと推察します。つまり、この試験、地理的不平等・不公平性の緩和・解消に資する試験としての可能性が十分にあると。そして、急な出願でも、公開試験の場合、三日前まで、自宅受験でも六日前まで入金が認められれば受け付けるという非常に柔軟な試験ですので、受験生の方にとっては応援してくれる試験の一つになっているように思います。そして、受験生割引、大学入試利用予定者限定ということで、2割引きで御奉仕もさせていただいております。
 次のスライドをご覧ください。私どもは、公立高校の設備の中で、このリンガスキルというオンラインテストが十分実施できるかどうか、これを2018年から実証検証、パートナーの河合塾さんの御協力を得て行っております。2018年、鹿児島県の離島で始まり、昨年12月25日と27日、長崎県の離島の公立高校で高校1年生全員に4技能の試験を実施いたしました。いろいろあるアンケートの中から、こちらは抜粋ですけれども、「リンガスキルを受けてどう思われましたか」、「(リンガスキルについて)率直なところを三つのキーワードでお示しください」と聞きましたら、「早い」、「便利」、「興味深い」、いろいろ考えなくてパッと答えられるので「リラックスできる試験でした」など、そのようなフィードバックをいただきました。右側(の質問)が一番私どもにとっては重要ですけれども、「遠隔試験監視システム等を入れて活用して、離島でも受けられる、そういう環境をどう思われますか」と聞いたところ、8割が、「必要だと思う」、「絶対必要だと思う」という回答でした。
 全体のアンケートとともに個別インタビューもいたしまして、「ボキャブラリーが足りないと思いました」、「もっともっと勉強しなくては」、そして「質問さえも英語だった」など、受験後の感想として本当に率直な意見をいただきました。実際に「(日々、パフォーマンス(発信力)に重点を置いた授業をされているので、そうした)スキルを測ってくれるテストだなと実感した。」最後に、これは切実だなと思うのですが、悪天候ですぐに交通手段が欠航してしまう環境の中、確実に試験を受けに行くには、本土に前日でも駄目だそうで、二日前に渡って、それで受ける必要がある。従って、「遠隔試験監督システム等のテクノロジーを活用したテストがあれば非常にありがたいです」というフィードバックをいただきました。実際、この試験当日、船が止まりまして、空路も天候調査になるなど、不安な状況に自分が身を置くという経験をしました。確かにこういうのがあると(悪天候のことを考えず)落ち着いて試験が受けられることは離島やへき地の受験生への貴重なサポートになるという点を実感した次第です。  最後に、今申し上げました遠隔試験監督システムですけれども、現在、このような形でAI監視を用いており、後ほど試験センターが目視で不正がないかを確認しております。今後、ライブ監視、そしてその二つを組み合わせたハイブリッド監視もグローバルに展開予定ですので、日本の教育現場、大学入試で活用していただける可能性が広がっていくと思います。究極的には、例えば大学様がある日にちを指定されて、それで私どもがライブ監視をするとか、そういったことも可能になると思います。価格的にも、2年前は9,700円かかっていたものが、現在は、4技能をこの価格(8,200円)で自宅受験できます。以上、この変わる世の中に対して、受験生の方が少しでも受験しやすい環境をつくるべく私どもも努めております、という御報告でございました。
 以上でございます。御清聴ありがとうございました。
【沖主査】 
 ありがとうございました。では続きまして、IDP:IELTS Australiaの市川委員、よろしくお願いいたします。
【市川委員】 
 それでは続きまして、IDP:IELTS Australiaから、私、市川が御報告させていただきます。よろしくお願いいたします。昨年末第1回のワーキンググループに引き続き、改めましてこのような場で弊社のIELTSに関する取組について皆様に情報提供、アップデートさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。時間の兼ね合いもありますので、前回のワーキンググループで既に御紹介させていただいております弊社の概要であったりIELTSの概要については本日は割愛させていただき、早速ですが、弊社IDP:IELTS Australiaの日本での試験実施の最新状況や新たな取組について、そちらを中心にお話をさせていただきます。
 弊社といたしましては、引き続き全国の高校生のIELTS受験の利便性を高めるため、試験会場の増設と試験回数を増やすことに注力しております。試験実施体制といたしましては、引き続き札幌、東京、大阪、福岡の4か所に弊社の公式テストセンターを構えまして、2022年9月現在、全国13都市で定期的に試験を開催しております。開催場所は資料にあるとおりです。また、弊社ではIELTSコンピューター版の試験会場を東京に1会場、先月増やしました。したがって、現在、東京に計3会場、大阪に2会場、そして京都に1会場、コンピューター版の試験会場を運営しております。会場の拡大はもちろんですが、特に受験生が多い、特にそして高校生の受験生が多い8月、9月は、会場によっては週五日から七日間、ほぼフル回転で試験を実施する状況もこちらのほうで対応しておりまして、より多くの受験生が御自身に合った日程でコンピューター版の試験が受けられるような体制を築いております。そして、前回のワーキンググループで予告しておりました、自宅で受験が可能なIELTSオンライン版も、今年の7月より日本での実施を開始しました。そちらにつきましては後ほども少し詳しくお話しさせていただきます。
 本ワーキンググループの焦点であります高校生の受験状況について、弊社IDP:IELTSの受験生データからアップデートできることといたしましては、2年前に比較しますと、高校生の受験生が約3倍に増えております。その多くの方が、海外留学ではなく、日本国内の大学進学の活用のためにIELTSを受験していると回答されておりまして、高校生を対象とした弊社独自のアンケートでは、IELTSを他の試験がある中であえて選んでくださった理由として挙げられる点としては、まずは試験の実施回数が多い点、そしてペーパー版とコンピューター版、そのどちらかを御自身に合わせて選べる点、そしてスピーキングが対面形式である点が挙げられていました。また、高校生でコンピューター版の受験形式を選択される方が年々増えておりまして、コンピューター版、そしてペーパー版の受験が高校生においても今、ほぼ半々になってきております。これはひとえに、高校でITを活用している中、コンピューターでの受験に抵抗のない高校生が増えているということかと思います。
 続いて、本日の議題であります高校生が利用しやすくする課題解決というところで、地理的・経済的事情への配慮に関しましては、先ほどもお伝えしたように、弊社としてはIELTSの受験機会がまだまだ少ない、もしくは全くない地方の受験生の移動の負担を軽減すべく、地方都市での試験会場の拡大に努めるとともに、オンラインでの受験の整備に注力しております。試験会場の拡大につきましては、昨年末までIELTSの定期試験の開催が全くなかった沖縄県那覇市において、今年2022年は4回の試験日を設定しました。残念ながら、今週末5回目で予定していた試験に関しましては台風で中止になってしまったんですけれども、11月、12月と試験日をまた設けておりますので、しっかりと沖縄も、そういう台風の影響もある中で、なるべく試験機会を増やしていくことを試みております。そして2022年は、新たに岡山市、そして浜松市でも、コロナ禍でいろいろ制約もある中で会場を設置しました。
 そして、この地理的な不平等性、先ほどの青山さんのお話にもありましたが、これを全面的に解決してくれることを期待されるオンラインの受験に関しましては、先ほど申し上げたとおり、IELTSを共同運営する弊社IDPとブリティッシュ・カウンシル、そしてCambridge University Press & Assessmentさんの3団体により、今年からIELTSオンライン版、IELTS Onlineという名称でサービスの提供を開始しております。弊社IDPのほうは、7月より日本を含め世界30か国でIELTS Onlineのサービス提供を開始しております。
 ただし、まだサービス開始して2か月という初期の段階でありますので、まだまだ幾つか制限がございます。その制限の中、こちらに幾つか書かせていただいておりますが、残念ながら今現在は、高校生、18歳未満の受験は認められていません。こちらの年齢制限は、今後、受験のキャパシティーを増やしていく中で撤廃される予定ですので、高校生の受験が認められ次第、ぜひこちらのワーキンググループではアップデートさせていただきたいと思います。また、試験の開催頻度も、今のところ週1回平日のみということで限られておりますが、こちらも今後、開催頻度を高めていく計画です。
 そして、既存のコンピューター版とペーパー版の試験と異なる点としては、ペーパーレス化が試験の業界でも進んでおりますので、書面での成績証明書の発行が、こちらのIELTS Onlineに関してはされません。受験生は結果をPDFでダウンロードする、またはオンラインで閲覧する。大学様におかれましては、IELTSに登録していれば、IELTSの成績認証システムで成績の閲覧が可能となります。オンライン版、つまり自宅受験ということで、不正防止、先ほどのケンブリッジさんの発表でもありましたように、同様のシステムを導入しておりまして、試験前、試験中、そして試験後、人間及びAIを駆使した厳重なセキュリティー基準に沿って、しっかりと不正防止対策を講じております。こちらに関しましては、ユーチューブの動画で非常に分かりやすく御説明させていただいておりますので、御興味のある方は、ぜひそちらを御覧ください。
 3枚目、お願いいたします。高校会場の拡充につきましては、前回も同じようなお話をさせていただきましたが、IELTSの試験会場はセキュリティーの面でも非常に厳しい基準を設けておりまして、高校を試験会場として利用する場合には様々な利用条件があり、こちらは会場校となる高校さんにもある程度の負担を強いてしまうことがありますので、そういった観点から、そして高校の会場というのは、その学校に通っている生徒さんにとっては非常に利便性が高いと思うんですが、様々な高校から受験生が集まることを考えますと、特定の高校ではなく、その地域のターミナル駅になるべく会場を増やしたい、どの学校の高校生も来やすい会場を確保したいということで、弊社ではそういった利便性の高い駅に近い貸し会議室やホテルの会場を主に活用して、試験実施の拡充に努めております。
 ということで、積極的に高校にこちらからアプローチして会場になってくださいということは今のところ行っていないんですが、IELTSの受験機会が全くない地域であったり、非常にグローバル化に熱心でIELTSの受験の関心が高い高校さんから御要望をお受けすることもありまして、そういった高校さんに関しましては、基準を満たすことが判断された場合は、高校会場として設定することもあります。今年の先月から試験実施を行っております浜松会場に関しては、このような私立の高校さんが会場に実際なっております。  それ以外の、障害のある受験生への合理的配慮や、成績提供の利便性の向上、そして試験の質・水準の管理等に関しましては、前回発表させていただいたとおりで、特にアップデート、変更はございませんので、こちらの資料にあるリンクなどを御参照いただければと思います。
 私からの発表は以上となります。御清聴ありがとうございました。
【沖主査】 
 市川委員、ありがとうございました。続きまして、株式会社ベネッセコーポレーション、込山委員に御発表いただきます。お願いいたします。
【込山委員】 
 皆様方、こんにちは。ベネッセコーポレーションのGTECを担当しております込山と申します。これから御説明をさせていただこうと思います。
 もともと弊社GTECの場合には、学校を中心に御受験をいただいているという前提がございますので、それを踏まえまして、大きく二つお話をさせていただこうと思っております。1点目としましては、新課程が今進んでいる中で、例えば弊社の例を用いまして、どのような形で高校3年間の中で外部検定試験を活用いただけているのか、外部検定試験を用いて英語教育について資する形でのサポートをどのような形でできるのかという点と、あとは学校の中でも、今のデジタル環境を踏まえた中で、受験いただきやすい環境をどう整えているのかという2点について、お話をさせていただきます。
 こちらは前回も少し触れさせていただきましたけれども、昨年度は中学校、そして今年度は高等学校の学習指導要領が新しくなりまして、その中で、どのような学校の指導の中で外部検定試験を活用していくのかという観点について触れさせていただいています。
 大きく三つの丸を書かせていただいていますけれども、一つは、学習指導要領の中にうたわれている知識・技能、そして思考・判断・表現、そして主体的に学ぶ態度といったところの、特に前者二つに関しましては、課題をいかに解決するかというスタンスでのテストであったり、そのテストの内容自体が、リアルな英語の使用場面を使うと言った、いかにオーセンティックな場面として、あたかも英語を本当に使っているかのような状態の中で測定をしていく。そして一番下の部分が、今、各学校において、各学年とか、また各生徒さんが目標設定を定めて、それに向かって学習または指導をされている中で、何をすることができるようになるのかというCAN-DOをCEFRとひもづける形でしっかり指導にお役立ていただけるという役割があるのではないかと思っております。  次のページをお願いいたします。その中でも、学習のPDCAと言われて久しいですけれども、英語の教科の中でも、学校の中では目標を定めて、それに基づいて指導がなされ、そして評価、そしてその評価・指導がどうだったのかを外部検定試験を用いて検証していくという流れで活用いただいているケースが多いかと思います。特に左下の部分、新課程においては発信技能において学校内での評価がより行われるようになると聞いております。実際に学校の先生方からのお声、または自治体の教育委員会様からも、そのような現状をお聞かせいただいていく中で、特に発信技能についての指導、そして評価という点が活性化するために、外部検定試験としてどのように貢献できるのかということを考えていく必要があると思っております。
 次のページです。ここはまた詳細については御覧いただければと思いますけれども、学校の先生からもお声を頂戴しまして、校内におけるパフォーマンステストでの位置づけ、出題内容、またはその評価の特徴、評価基準、また生徒にとっての価値、先生にとっての価値という切り口で整理させていただいております。外部評価と校内評価というところは、このような対比する形で、それぞれ役割が違うこともありますので、主に校内評価というところが日々の学校の先生方の御指導の中でなされていくところに対して、それを補足するもの、補完するものとしての外部検定試験が活用される流れが考えられます。高校または中学における英語教育がより良い形で活性化するというところにも、我々としては力が発揮できるところではないかと思っております。
 全ての高校1年生から高校3年生まで、当然絶対評価であれば、学力はこのスコアで上がっていく形になりますので、この伸長は高校1年生の段階での入学時の英語の学力がA1であろうとA2であろうと、しっかり指導が為されていきますので、英語力が着実に伸びているのかどうか、昨年よりも今年の生徒さんたちのほうがより伸びたのかどうかといったところで、指導がより4技能を総合的に育む良いものになっているかどうかということを、テストの結果を通じて先生方にも見ていただくといったところも重要な要素かなと思っております。
 私からの前半の話は以上になりまして、後半の部分が、より学校において受験をしていただきやすい環境をどう整えるかということで、当社GTECの事例についてお伝えできればと思います。
 今、GIGAスクール構想の中で、特に先行で小学校・中学校、そして高等学校でも、自治体等によってまだ差はあるように把握はしておりますけれども、かなり多くの自治体の学校の中で、一人1台の端末が配備されてきております。その流れに合わせまして、弊社ではアセスメント版と言われる形式のものは、従来であればスピーキングテストを受ける際に、当社が保有しているタブレットを学校にお送りして受けていただく流れでご提供してきたわけですけれども、今年度から学校の端末を利用してスピーキングテストを利用いただけるという形態で提供を始めております。学校においては、BYODまたはBYAD、CYODという形で、生徒さん一人一人が持つタブレットの形は様々な状態があると思いますけれども、学校にネットワーク環境が整ってさえすれば、自席でしっかりテストを受けられるようなテストとなっております。
 上段と下段で、現行方式と新しい学校端末を用いての学校でのフローについて、簡単に流れを書かせていただいておりますけれども、現行方式の場合は、お申込みをいただいた後に資材をお届けしてテストを実施していただく、従来通りの想像しやすい形式かと思いますが、下段の新実施方式については、まず一番肝心なのが事前の準備になります。この形式で申込みされたいという学校様においては、事前に学校で実際に生徒さんがお持ちの端末で、学校でのネットワークの環境で確実に実施できるのか、この場所だったら受けられるのかどうかという環境チェックが重要になります。その点を重要視して我々としてテストを提供しております。
 次、お願いいたします。新実施方式の場合には、今申し上げましたとおり、受験環境チェックはアプリケーションで我々のほうで定めておりますので、操作は簡便で、ボタンを押して、その環境が整っているのかどうかというのをチェックしていくものになります。実際やろうと思ったときにできなかったというトラブルを回避するために、この事前環境チェックでオーケーが出た場合に、この形式で御受験いただくという流れで進めております。
 次、お願いいたします。2枚ほどですけれども、具体的な環境チェックのアプリの画面を出させていただいております。これは実際に生徒さんがそれぞれお持ちの端末に映る画面と見ていただければと思います。大きくステップが1から4までありますが、チェックを開始すれば自動で進んでいくところがメインになっています。最終的には、右下にありますとおり、幾つかの観点で実施ができるかどうかという基準を設けておりますので、ネット回線の太さであったり、各端末の中のデータの空き容量、音声再生ができるかどうかという観点などで、これらが全てがマルがついた場合にはご受験がしっかりできるものになります。そこで安定的に実施できる環境を担保した上で受験に臨んでいただくという流れで進めております。
 今後はデジタル環境の進化の中で、安定したテストの実現が外部検定試験には大事になります。今、学校に端末という形での新しいデジタル環境が整いつつある中で、そこに順応していくこともテスト団体として必要になってくるかなと思いますので、まず弊社の事例としてお伝えさせていただきました。
 私からの報告は以上になります。ありがとうございました。
【沖主査】 
 込山委員、ありがとうございました。では続きまして、公益財団法人日本英語検定協会、塩崎委員から御報告いただきます。
【塩崎委員】 
 ありがとうございます。それでは、私のほうから、実用英語技能検定(英検)、それからTEAPについて簡単に御説明をさせていただければと思います。
 次のページ、お願いいたします。弊会では、協会理念、「日常の社会生活に必要な実用英語の習得・普及向上に資するため、英語の能力を判定し、また様々な機会を通じてその能力を養成することにより、生涯学習の振興に寄与することを目的とする」という形で、小学生の段階から社会人・シニアに至るまで、あらゆるラインナップの英語力アセスメント、ものによってはもともと弊社の自社開発していないものも含めましてやっております。こういったところで、大学入試をはじめ、全セクターにわたってアセスメントを提供し、その成長を支えることを理念としているところでございます。
 英検について御説明させていただきたいと思います。次のページをお願いいたします。まず、英検については現在三つの方式がございまして、ちょうど大学入試英語成績提供システムのときに始めたものもあります。そのアップデートも含めてさせていただければと思っております。左側が英検従来型と呼ばれるもので、もう五十数年間運営している、1次試験が紙と鉛筆、リスニングはCD、合格した方が対面式のスピーキングに進むという、よく御存知の英検かと思いますが、その隣がS-CBTというところになりまして、問題内容等、全く同じものに、それからスコア・級の合否判定、そういったものも全く同じになりますが、こちらはテストセンターに行っていただいて、まずスピーキングを吹込みで受けていただき、その後、PC上でのリスニングをやっていただいた後に、最後、リーディングとライティングをやっていただきます。リーディングにつきましてはマウス操作でPC画面操作になりますが、ライティングに関しましては、例えば高校生以下の受験生ですと、あるいは大人でもそうですが、手書きがいい方、タイピングがいい方、分かれますので、どちらか選んでいただいて受けていただきますというところでございます。
 次のページ、お願いいたします。左側の英検従来型は全く同じですが、右側のS-Interview、こちらは配慮が必要な障害のある受験者を対象にしているところで、左側の従来型と全く同じものでございますが、全員が2次試験、スピーキングテストに進んでいただくというところで、入試に対応する状況でどんなものかというところに関しまして、こういった受験への配慮も非常に我々は大きなポイントかと思いまして、発足の当初から幅広くやっていて、検定によってはなかなか実現が難しいといったところもあるかと思うんですが、英検に関しては幅広く対応する方向でずっとやってきています。
 次のページ、お願いいたします。こちらは次の2022年第2回検定の実施日程を例に取らせていただいているんですが、従来型の英検は年3回やっております。ただ、忙しい高校現場あるいは高校生のために、なるべくたくさん検定試験の会場を選べるようにしたほうが、より利便性が高まるでしょうというところで、1次試験のほうは現在6日程、御用意をさせていただいているところでございます。
 次のページ、お願いいたします。S-CBTのほうは、原則毎週土日に実施をさせていただいております。従来型の紙と鉛筆のものも会場の中にたくさんの日程を選んでいただくことができる、そしてCBTのほうは毎週のように実施をしているというところで、利便性を高めることで入試活用に使っていただきやすくなるというところで進めているところでございます。このほかに、今年度、検定料の値下げも行わせていただきました。また、高校会場の活用という意味では、弊会はスタートから高校を会場として利用させていただいているところでございますので、引き続き御要望に応じて厳正に運営しながら進めていきたいなと思っております。
 次のページ、お願いいたします。TEAPにつきまして簡単に御説明をさせていただきたいと思います。最近、よく大学様や高校様からいただく声として、TEAPは問題の内容が大学入学後も生きる英語力を身につけていけるようなものになっていることを御説明させていただいております。TEAPの知名度も上がってきてはいるんですが、なかなか内容までよく御案内が行き届いていないところもございますので、どんな内容のテストかというところ、そして、このテストが普及されると、大学入試、先ほど大学に入ってからの英語力も大切という話もございましたので、そういったものを育んでいけるかというところについて御説明をさせていただきたいと思います。
 次のページ、お願いいたします。こちらは特に日本の大学での語彙・場面・分野を想定した問題でございますので、ここまでの学びをベースに大学での学習や研究で遭遇する語彙・場面・分野を想定したコンテンツで問題を作成しておりまして、ポイントとなるところが、こちら、図表を含んだ英文の理解とか、講義で紹介される参考図書・論文の理解、長文の内容に沿った図表を理解する問題であったり、あるいは、右に飛んでいただいて、大学で学習・研究する専攻に近いトピックであれば、図表を見ながらマーケットのトレンドを読み取り、答えるような問題が出題されているところでございます。
 次、お願いいたします。こちらはライティングの問題になりますが、図表・文書を複数読み込んでいただいて、これをしっかりとまとめてレポートを書くというようなものです。
 次のページ、お願いいたします。こちらはスピーキングテストでございますが、大学で学習・研究を行う際に、英語で講義を受ける、読み解く、そういったものも問題内容に含めているんですが、実際に自分で面接官に問いかけていくというスピーキングテストのタスクもございまして、ゼミや研究発表で質疑応答したり交渉したりする練習になるようなタスクを用意しております。
 次のページ、お願いいたします。TEAPはこのように100%アカデミックな内容で構成されておりますので、大学に入ってから必要な英語力、学ぶために必要な英語力、こちらを育成するテストとして展開しております。
 次のページ、お願いいたします。年3回、26都道府県で実施をさせていただいているところでございまして、なるべく受験者がいる地域ではしっかりとTEAPの実施会場をやっていきたいなと考えております。
 最後のスライドをお願いいたします。こちらは弊会のデータではないんですが、他社さんが調べていただいてものにはなりますが、実際に大学入試でどの検定が提出されているのかという調査におきまして、弊会の英検とTEAP含めて非常に多くの方が利用していただいていることが分かりました。引き続きしっかりと厳正に実施をさせていただきながら、いろいろ出ている課題に取り組んで、より利便性の高いものとして継続していきたいなと思っております。
 以上でございます。
【沖主査】 
 塩崎委員、ありがとうございました。では次は、ETS Japanの根本委員、御報告をお願いいたします。
【根本委員代理(立山様)】 
 皆様、こんにちは。ETS Japanの立山でございます。本日はワーキンググループの委員である弊社カントリーマネジャー根本の代理として、私、立山から御説明させていただきます。
 昨年12月に根本からも御説明いたしましたが、ETS Japanについて簡単に御紹介させていただきます。日本では1981年以降、CIEE国際教育交換協議会がTOEFL事務局として活動してまいりました。昨年6月にアメリカのETS本社の直営の事務所としてETS Japan合同会社が設立されまして、TOEFLテスト事業についてはCIEEから引き継がれて、それ以降、TOEFLテスト、またそれに附帯する事業・業務を行っております。
 TOEFLテストの概要について、こういったことは昨年御説明させていただいておりますので、変更点を中心に御説明させていただきます。TOEFLテストについては1964年に開始されておりまして、公式テストとしてはTOEFL iBTテスト、団体向けテストとしてはITPテストが日本で行われております。いずれもアカデミックなテストコンテンツですが、ITPテストに関しては本年よりスピーキングセクションが導入されましたので、今まで2技能3セクションという形でしたけれども、3技能を測ることができるようになっております。スピーキング・ライティングの採点については、iBTテストは人による採点とAIを併用、ITPテストのスピーキングはAIを使用して、正確な採点を行っております。
 次のスライドをお願いいたします。利用状況についてですけれども、iBTテストは2006年開始以降100万人以上が受験ということで、非常に幅広い活用をいただいております。入試、それから大学での単位認定、各都道府県の英語教員採用、人事院、省庁の留学、また企業の英語力要件などでも使用していただいております。こうした利用実態調査は数年に1度行っておりますけれども、今年、まさに今、調査をさせていただいているところでして、今年中には公開できるものということで準備を行っております。
 一方、ITPテストは、1987年の開始以来、既に400万人以上が受験していただいていまして、こちらも非常に幅広い活用をいただいております。高校・大学などでの英語力の測定、一部の大学・院入試、留学者選抜、そういったことで活用をしていただいております。
 次のスライドをお願いいたします。では、ここから、現在から将来に向けた取組について幾つか御紹介させていただきます。まず、いろいろな配慮に関してのスライドがこちらになりますけれども、地理的な配慮に対して、こちらは、iBTテストについては、自宅受験版が2020年4月より日本で行われておりますので、いろいろな地方にお住まいの方、テストセンターが近くにない方でも御自宅で受けていただけるという対応が取られております。そして、ITPテストについても、コンピューター版が導入されておりますので、こちらも、例えば通っている高校様、大学様などがご希望であれば、御自宅で受けていただくことも可能です。
 そして、経済的配慮につきましては、iBTテストはもともと高額な受験料になっておりましたけれども、一定額の減額は可能と、共通テストのときから発表させていただいておりますが、大幅な減額についてはなかなか困難なところはございます。一方、ITPテストは比較的安価な受験費用で提供が可能になっております。
 続いて、障害のある受験者への合理的配慮としましては、iBTテストは、個々の状況を考慮した上で、いろいろな規定がございますので、それに沿った形でお申込みをいただいて、沿った形で受けていただけるよう、いろいろな調整を行っております。一方、ITPテストは、主催団体様がいらっしゃいますので、連携をした上で対応をしております。
 次のスライドをお願いいたします。では、取組二つ目としまして、高校生がTOEFL iBTテスト、TOEFLテストを利用しやすくするための課題解決の例として行政機関との連携事例を御紹介させていただきます。こちらは今年度行われました福岡県「Stanford e-Fukuoka」での取組となっております。スタンフォード大学が日本の高校生向けに開発した異文化理解教育プログラム、「Stanford e-Japan」という名前でいろいろな自治体様などで行われていますので、御存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、今年度は福岡県が要望されてカスタマイズしたプログラムで御提供されております。団体としては、県教育庁、そして在福岡米国領事館、そしてそこにETS JapanとETS公認トレーナーが関係させていただきまして実施を行っております。
 ETS Japanの関わりとしましては、このプログラムの受講に当たって必要な英語力を育成するため、TOEFLテストと練習問題を使用した特別講座を設定いたしまして、受講する高校生の方々に受講していただきました。そして、スタンフォードのプログラムの中で、ディスカッションや議論を行って発信することが当然求められました。全て英語で行われておりましたので、そうしたアカデミックな視点で英語での4技能の向上は不可欠ということもありました。同時に、iBTテストを準備することなく受験することは、高校生にとって一般的にはハードルが高いということになりましたので、まずは団体向けITPテストを御自宅で受験していただきまして、このスタンフォードのプログラムの参加に必要なレベルや御自分の英語力の差を把握して、私どもの講座の受講によってその差を埋めて、プログラムをとても有意義なレベルで実施していただくことができたと考えております。
 次のスライドをお願いいたします。また、オンラインでの受験者サポートの充実に、現在努めているところでございます。私ども、「My TOEFL iBT Story」というコーナーをつくっておりまして、受験体験者の生の声や生の映像を含めた動画を寄稿していただきまして、私どもが運用している「TOEFL Webマガジン」に掲載する予定になっております。高校生に対して、その方々と同年代の身近な存在となる経験者の声を集めてそれを発信することで、学習法などについて語ってもらうことで、受験に対するハードルを下げる効果を期待しております。
 そうした体験者の声、幾つかもう集まっておりますけれども、傾向としまして幾つか見えてきたことがこちらに書かれております。英語学校などに通うよりも、自力で勉強する生徒さんが今のところ多い印象があることとか、高校で習った内容や高校の先生をうまく活用している、また、スピーキングは、今、スマホは皆さんお持ちですので、時間を区切ってスマホなどで録音して、御自分の回答の部分を聞いてみると。最初はすごく、ああ、こんなにできないんだなと思うこともあるかもしれませんが、勉強法として取り入れている方は多いようです。また、一人での勉強はモチベーション維持が非常に大切になりますので、友人の励ましなどが有意義に働くことも見えてまいりました。
 次のスライドをお願いいたします。あとは資料になりますので、前回からの変更点とか重要ポイントだけ押さえていきたいと思います。
 次のスライドをお願いいたします。TOEFLテストは、皆様御存知かと思いますが、8歳以上のTOEFL Primary、11歳以上のJuniorについては公文教育研究会様が運用されていらっしゃいます。そして、TOEFL ITP、Essentials、iBTといったものは、私どもETS Japanが情報提供などを行っております。
 次のスライドをお願いいたします。iBTテストの構成については、お時間あるときに、また後ほど御覧いただければと思います。
 それでは、次、2枚めくっていただきまして、ホームエディションですね。こちらは自宅受験版ということで、もう2年以上実施されておりますけれども、会場受験と同じ点としましては、テスト内容、採点方式、スコアレポート、受験料、そういったものになりますが、異なる点としましては、御自宅で受けていただけるということで、受けていただける日時の設定がかなりフレキシブルになっております。ただ、自宅受験ですので、御自分自身のパソコン、マイク、スピーカー、カメラなどを準備したり、テストブラウザーのダウンロードやシステムチェックなど、事前の準備は必要になります。また、試験会場と違って、オンラインで試験監督がスクリーン上で常にモニタリングをしている状況で受けていただく点が、大きく異なる点かと思います。
 次のスライドをお願いいたします。ですので、受験当日の準備としましては、チェックイン時に試験監督者とのいろいろなやり取りで行われますけれども、カメラを使って、御自分の部屋にほかの第三者が入っていないかとか、または外部とのコミュニケーションが取れる状況にないかとか、不正が行われる環境にないかということをしっかりと確認した上で試験を開始することになります。万一、不正行為の対象などになりますと、最終的にスコアが発行されない可能性もありますので、事前の情報収集、それから事前の準備、特に気をつけていただくように私どもとしては発信しております。
 では次、2枚めくっていただきまして、ITPテストについては、こちらも後ほどお時間あるときに御覧いただければと思います。
 次のスライドをお願いいたします。ITPテストについてもデジタル版を行っておりますので、先ほど申し上げたとおり、御自宅で受験していただくことも可能になっております。
 次のスライドで、スピーキングオプションについても御説明しております。問題構成計4問で、簡易な統合技能型の問題が組まれております。20分ぐらいで終わるということで、iBTテストでも採用されている自動採点システム「SpeechRater」による採点が行われております。
 では続きまして、TOEFL Essentialsテスト、こちらはちょうど1年ほど前に運用開始された自宅受験型のテストになります。
 次のスライドをお願いいたします。こちらはiBTテストと同様に公式テストという形で御提供しておりますが、試験問題、設問数が短いために時間数も短いということで、トータル約90分で受験できるテストになっております。
 次のスライドにiBTテストとの比較も記載しておりますので、こちらも御覧いただければと思います。iBTとほかに違うところとしましては、アカデミックな英語力だけではなくて、一般的な英語力なども含まれているということで、若年層の方にも受けやすいということが言えるかなと思います。受験費用も110ドルと、iBTと比べると半額以下ということになります。
 次のスライドをお願いいたします。Essentialsテストは公式テストということもありまして、いろいろな大学などで採用されております。今のところ、アメリカ中心になります。全世界で現在444校、うちアメリカが315校ですけれども、採用しているアメリカの大学の例としましては、皆様方も大体御存知の著名な大学、もしくは非常に人気がある大学、そういったところも採用されている実績がございます。
 そこから先はEssentialsのサンプル問題になりますので、こちらも最後までお時間あるときに御覧いただければと思います。
 ちょっと駆け足になりましたけれども、私の説明は以上になります。御清聴ありがとうございました。
【沖主査】 
 立山様、ありがとうございました。では続きまして、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会、三橋委員に御報告をお願いいたします。
【三橋委員】 
 それでは、私、三橋のほうから御紹介させていただきます。
 次のページ、お願いいたします。私どもはTOEICプログラムということで、TOEICのリスニング&リーディング、スピーキング&ライティング、そしてTOEIC Bridgeというテストのスピーキング&ライティング、そしてリスニング&リーディング、4技能をそれぞれ扱っております。
 次のページ、お願いいたします。テストは先ほどのTOEFLと同じように、アメリカのETSというところで開発・製作されておりまして、私どもが日本における実施運営に当たっていることになります。
 次のページ、お願いいたします。TOEICのほうは、まずリスニング&リーディングはペーパーベースのマークシート方式、そしてスピーキング&ライティングはコンピューターを使った実施ということになっております。測定できる能力範囲としましては、CEFR基準でA1からC1となっております。
 次のページ、お願いします。CEFR基準とTOEICスコアの関連につきましては、こちらの表のように、ETSのほうで検証した結果が公表されております。
 次、お願いします。こちらが受験料、それから実施されている時期・月、それから地域になります。TOEICのL&Rに関しましては、日本全国の都道府県で既に会場が設置されております。実施時期につきましては、毎月最低1回は実施していることになります。
 次、お願いいたします。続きまして、TOEIC Bridgeですが、こちらはTOEICよりもより簡単といいますか、初級・中級者向けに開発された試験でございます。測定レンジでいきますと、CEFR基準でA1からB1までになっております。こちらもTOEICと同様に、L&Rはペーパーベース、そしてスピーキング&ライティングはコンピューターベースとなっております。
 次、お願いいたします。Bridgeにつきましても、このようにETSのほうで検証した結果として、CEFR基準と各4技能スコアの関連性が公表されております。
 次、お願いいたします。TOEICとBridgeのスコア比較ということで、こちらはL&Rだけですけれども、TOEICのL&Rが10点から990点のレンジで測定されていることは、ある程度皆さん御存知かと思いますが、それに当てはめますと、TOEIC BridgeのほうはTOEICスコアで大体600点ぐらいのレベルまでが測れる設計になっております。
 次、お願いいたします。こちらがBridgeの受験料、それから開催都市・時期になりますが、受験料はTOEICよりは少しお安く設定されております。ただ、実施時期が今のところ年4回となっておりまして、試験会場、こちらのほうも、TOEICに比べますと、まだまだ全国とまでは言えない状況にございます。
 次、お願いいたします。今まで申し上げたのは、TOEICの公開テスト、つまり私どもが試験日あるいは試験会場等を設定いたしまして、当日の実施運営も行うといったものでございますが、それとは別に、こちら、団体特別受験制度、IPというものも御用意してございます。こちらは先ほどのTOEFLにおけるITPと同じようなものでして、各団体・学校単位で受験者を募っていただいて、会場あるいは日時等を設定していただいて実施していただく形のものになります。これでやりますと、日本全国どこの学校でも好きなときに実施できるメリットがございます。そしてもう1点、公開テストと違うところは、リスニング&リーディングが、TOEICあるいはBridge、両方ですけれども、どちらもコンピューターといいますか、オンラインで受験することができる、これがIPの特徴になっております。
 次、お願いします。通常、大学入試といいますと、どうしても公開テストのほうの活用がメインになるかと思いますけれども、一部では団体特別受験制度を入試に活用されているといった事例もございます。どうしても他団体の団体特別受験制度のスコアを別の団体が使うのはなかなか難しい面がございますが、同じ団体内で活用が完結するようなケース、ここに例を挙げましたけれども、附属あるいは系列といった高校から内部進学という形で大学に進学される、そういった使い方の場合には、このIP制度なんかも使われている事例がございます。
 次、お願いします。これは私どもの内部調査の結果ですけれども、TOEICプログラムを活用いただいている学校数は332校ございました。そのうちTOEIC Bridgeは、約1年前、昨年8月から10月の間で調査した結果でいきますと、18校の活用が確認されましたけれども、その後、増加していることが私どもの調査で判明しております。既に30校以上でTOEIC Bridgeが大学入試において活用されている事例が出ております。
 次、お願いいたします。ここからが、高校生の皆様が受験しやすいために、どういったことを私どもはやっているかということの説明になります。まず、試験会場の拡充ですけれども、TOEICのほうはほぼ日本全国に試験会場がございますし、また実施回数も毎月最低1回はやっているということで、よろしいかと思いますけれども、ただ、年12回あるいは13回、毎回開催しているのはどうしても首都圏とか大都市圏になりますので、地方会場のほうは、まだまだ少ないところですと年3回とか4回しか実施していないところもございます。ですので、そういったところで試験を開催する回数を増やすといったことを、今、検討しております。あと、TOEIC Bridgeにつきましては、今のところ年4回の実施ですが、大学入試という目的で使いやすいように実施時期を見直す必要があるのではないかということで、そういったことの検討もしております。
 ただ一方で、TOEIC、それからBridge、両方ですけれども、そういった、今、紙ベースで実施している試験をCBT化あるいはオンライン化ということにつきましては、いろいろと課題が多いものですから、まだそこまでの検討には至っていない状況にございます。この辺につきましては、随時アップデートがありましたら、ホームページ等で皆様にはお伝えしていきたいと思っております。
 次、お願いいたします。こちらは前回の会議の際に少し御説明しておきましたけれども、受験されたスコアを大学の入試の御担当者がオンライン上で確認できるシステムを、今年の6月からスタートしております。これによって、かなり大学の入試担当者の方の御負担が減るといったお声を聞いております。
 次、お願いいたします。障害のある方への対応。これは前回御説明したとおりでございまして、障害のある方は、人それぞれいろいろな状況、同じような状況であっても、やってもらいたい対応方法が異なりますので、一人一人から事前に連絡をいただいた上で、私どもとしてできる対応をやっているということになります。
 次、お願いいたします。第三者による評価といったことも一つ課題になったかと思いますが、試験の中身に関する評価、これはETSのほうが内部でいろいろ常に監査している形を取っております。一方で新たな試みといたしまして、試験の実施運営に関する部分、こちらについて先日、全国検定振興機構による評価を行っていただきました。こちらの評価につきましては今後も継続して受けていくことを予定しております。
 次、お願いいたします。オンライン受験における不正行為防止になりますが、オンラインで受験できるのは団体特別受験だけですので、公開テストには当てはまらないんですけれども、このようなZoomを用いた試験官、人の目による監視、それからAIを活用した監視、こういったことを通じて、オンラインの受験であっても不正防止といったことには努めております。
 次、お願いいたします。これまで申し上げたことは、全てこちら、TOEICのプログラムに関するウェブサイトに載っておりますけれども、今回触れなかった部分といたしましては受験料の減免があるかと思います。受験料の減免につきましては、大学入試を目的に受験される高校生全員を対象にするのはなかなか厳しいものがございますので、どの方に対して減免をすればいいのかといったことが、まず最初の課題としてございます。この問題が解決されないと、誰に対して幾ら減免しようかということはなかなか検討できない状況にございますので、この点につきましては今後皆様と一緒に考えていければと考えております。
 この後のページにつきましては、私どものテストの中身がずっと出ておりますので、この辺につきましてはお時間のあるときに御覧いただければと思います。
 私どもからの発表はここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
【沖主査】 
 三橋委員、御報告ありがとうございました。では、ブリティッシュ・カウンシル、安田委員から御報告をいただきたいと思います。お願いいたします。
【安田委員】 
 よろしくお願いします。ブリティッシュ・カウンシルの安田と申します。これから、ブリティッシュ・カウンシルとして大学入学者選抜で総合的な英語力を評価するためにどういったことがお手伝いできるかという取組について、お話をしていきたいと思います。
 次、よろしくお願いします。IELTSですけれども、市川委員のほうから細かい御説明をいただきましたので、IELTSという試験に関してはほぼほぼ全て御説明いただいているので、私のほうからは重なっている情報はお話ししないようにしたいと思います。日本の大学入試での利用が大変広がっていまして、既に私たちのシステムを使ってくださっている、オンラインでの成績確認システムを使っている団体は118あるんですけれども、それ以外にも、日本で外部試験を活用している424大学のうち82%が一般入試でIELTSのスコアを受け入れている、総合・推薦型では69%の大学がIELTSのスコアを使ってくださっているというデータが旺文社様からの調査で分かっております。なので、敷居の高い試験と言われているんですけれども、情報をたくさん出すことや、説明会などを繰り返すことによって、将来につながる英語力を得るための試験として、入試でもIELTSを使ってくださっている高校生が多くなってきているところが実情でございます。
 次、お願いします。IELTSの実施形態ですけれども、今、3パターンあります。これは市川様のほうからお話をいただいたとおりですけれども、オンラインのところにちょっと追加でご説明をいたします。全てこの3形式の実施では、出題の形式、それから採点基準、出題傾向、全て同じですけれども、成績表にオンラインで受けましたという表示をされるのがオンライン版です。これはどういった背景からかというと、国によって、日本国外ですけれども、例えばオランダの大学とかだと、オンラインの成績は受け付けないよという大学が多いこともあるので、成績表にどの形式で受けたかということに関して、オンライン版だけ表示する形になっています。
 次、お願いします。新指導要領が導入されましたが、これは以前からずっと重ねてお伝えしている点ですが、IELTSの試験形式が、この指導要領との親和性がすごく高く、特に対面でのスピーキングテストは英語の5領域を測定する、プレゼンテーションと会話を測定するということもあるので、高校で学び、言語活動で培ってきた力をより発揮しやすい試験というところで、活用が広がっていければいいなと考えています。
 次、お願いします。本ワーキンググループの協議事項で挙げられている点について、お話ししたいと思います。ほとんどこのポイントに関しても、市川様のほうでもカバーしてくださっておりますが、2点ほどお伝えしたいと思います。
 安全なテスト運営ですけれども、今年度、共通テストなどでデバイスを使ったカンニングなどが行われましたが、IELTSは以前より電子機器の持ち込みを厳しく管理していて、基本的には試験会場に持って入れないようになっているんですね。昨今、通信機付きの眼鏡とか上着とか靴とかいうのが世界で発売されているという情報もIELTSの試験センターで共有していて、そういったところでも不正を防ぐような対策を必ずしています。
 合理的配慮ですけれども、日本英語検定協会の塩崎さまもおっしゃってくださっていたとおり、配慮が必要な受験者の皆さんに対して丁寧に対応しています。個々に診断書などを頂いて、受験者の力が出しやすい環境での受験をお手伝いしておりまして、英検さんでは専門窓口を設けて、ほかのIELTSのセンターで対応できなかった受験者なども受け入れています。そのほか宗教やジェンダーで配慮が必要な方にも対応しています。
 次、お願いします。高校会場の拡充ですけれども、残念ながら、たくさんお声をかけていただいていた、実際に英検さんのほうでやっていた高校会場があったんですけれども、コロナ感染が広がったことによって一旦中止しているところがあるんですけれども、こういったところもまた復活させていければなと考えています。私どもの組織としましては、18歳以下の子供たちの安全をすごく重視しているので、安全で、よく慣れている場所で試験が受けられるほうがいいのだろうなということも分かっていますので、そういったところで高校会場の拡充は進めていきたいと思っています。
 オンラインの受験ですけれども、全世界的にIELTSとしてこちらのシステムは開始されているんですけれども、ブリティッシュ・カウンシルの日本としましては、受付業務を日本では行っていないんですね。一番の理由としましては、プラットフォームが海外にあり、問合せ先が海外になってしまうというところもあるので、今のところ受験者受付数が少ないこともありますので、後々の登録受付という形になってくるかと思います。
 試験料金ですけれども、先ほど三橋さまがおっしゃってくださったのと私どもも同じような考え方をしておりまして、大学受験に使う方全員に対して受験料の減免というのは実際的に難しいと思うんですね。IELTSの試験料金は12年値上げをしてこなくて、世界的にもポンド建てに換算すると一番安い形になっているので、これ以上は大変難しいかなと思っているんですが、ただ、経済困窮者に対しては対応が可能かなと考えているので、対象者の認定をどうやっていくかというところが今後の課題になるので、その辺の議論と、それからアドバイスなどをこのワーキンググループでお示しいただけると、とてもありがたいかなと思っています。
 次、お願いします。IELTS以外の取組ですけれども、私どもと東京外国語大学でつくりましたスピーキングテスト、BCT-Sですけれども、先日文部科学省から発表されました大学入学選抜における好事例にも選んでいただいた試験ですが、2022年2月25日の前期試験で全学導入を東京外大のほうでやりまして、約1,500人、一斉悉皆でスピーキングテストを行い、四日後に結果が出せたところがありまして、私たちもこの実施の成功をもって、できれば広く、もう一つの選択肢として大学入試にお役立てるような試験を提供できればなと考えているところでございます。
 以上です。ありがとうございました。
【沖主査】 
 安田委員、御報告ありがとうございました。七つの団体の報告を受けました。それでは、残りの時間、意見交換を進めたいと思います。どなたからでも結構ですので、各英語資格検定団体の委員の皆様への御意見、御質問などございましたら、御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
 では、圓月委員、お願いいたします。
【圓月委員】 
 圓月です。どうも充実した、いろいろ御説明いただいて、ありがとうございました。ケンブリッジの青山さんに、受験生応援価格についてもう少しお伺いしたいと思います。と申しますのは、大学なんかによりましても受験料は経済的な負担も大きいので、それをまた高校生の方なんかにできるかどうか。そしてまた、TOEICの三橋委員、IELTSの安田委員のほうからも、対象者を認定する基準が難しいというお言葉があったので、ケンブリッジさんのほうではもう実現なさっていると理解しましたので、どのような基準で認定なさっているか、差し障りのない範囲で補足説明いただけたらうれしく思います。以上です。
【沖主査】 
 お願いします。
【青山委員】 
 リンガスキルというオンラインテストに限ってということになります。ケンブリッジ英語検定のほうは、先ほど安田様のほうからもありましたように、今、非常に円安になっていまして、据え置きでやること自体がもう相当な割引に当たるような、そんな状況になっています。その中でも、オンラインテスト、こちらに関しては、例えば試験資材等の輸送料の懸念がないので9,000円で一般の方に御奉仕をしていますが、大学入試利用予定の方に限り7,200円でご提供中です。これは団体割引と同水準の割引額(2割引き)です。自宅受験の個人で受験される場合にも、現在、大学入試利用に限ってということでご提供しています。お答えになっていますか。
【圓月委員】 
 分かりました。まだ対象者が少ないので弾力的にやっておられると理解してよろしいでしょうか。
【青山委員】 
 現時点では制限は設けず、対応させていただいております。
【圓月委員】 
 分かりました。ありがとうございました。
【沖主査】 
 ありがとうございます。非常に重要な指摘が含まれているかと思います。ほかに別の意見などありましたら、お願いいたします。
 石崎委員、お願いいたします。
【石崎委員】 
 石崎でございます。よろしくお願いいたします。いろいろ新しい情報をいただきまして、ありがとうございました。大変勉強になりました。
 地域格差・経済格差が一つの高校生の受験に対する課題として挙げられている中で、地域格差の解決という視点については、今の御説明の中で、かなりオンラインの受験、自宅受験という御説明が出てきまして、それも解決に向けた一つの方向性なのかなとは受け止めました。
 ただ一方で、御説明の中で、どなたにということではないんですけれども、オンライン版がそれぞれいろいろ設定されてきた中で、本体の試験とはちょっと異なるものだという御説明がそれぞれあったように受け止めております。そういう意味では、試験の種類はかなり増えてきてしまってといいますか、これだけいっぱい出てくると、高校生もどれを受けたらいいのか分からないというか、受け止めようによっては、ちょっと例えが悪いかもしれないんですけれども、携帯電話でキャリアとMVNOがいっぱいあるみたいな、そんな状況になったようにも感じまして、前回の一旦見送りになったときの課題として、異なる試験間の比較が一つ課題としてあったと思うんですね。そういう意味では、こういっぱい種類が増えてしまって、これらがきちんと比較できるのか、世界では認められないものもあるとかという御説明もありましたけれども、その辺の比較についてどのように考えていったらいいのかなというのが一つの疑問でございます。
 それからもう一つ、経済格差についても課題があったかと思うんですけれども、今、御説明の中で、1回当たりの受験料を下げてくださっているのは、様々な工夫をしていただいているところは非常にありがたいなと思ったんですけれども、根本的なところを振り返ると、成績提供システムのときには、そのために高3で2回受験したものしか大学入試には使えないという仕切りがあったわけですけれども、現状ではそれが無くなってしまったので、1回当たりの受験料というよりは、何回も受けられる人とあまり受けられない人という、そういう格差が今度生じている問題もあると思うので、これはどなたがお答えできるものでもないんですけれども、そういうことも考えていかなきゃいけないんじゃないかなと受け止めました。
 長くなりましたけれども、以上でございます。
【沖主査】 
 今の二つの御意見は、今すぐというよりは、あるいはこのワーキングで何か答えを出すというよりは、もう少し大きい問題として中期的に考える形でフィードバックをしていく必要があるかなと思う御意見かと主査として承りました。非常に重要な御指摘ではあります。ただ、ここで答えが出るわけではないことも含めて、ほかのいろいろな調査もいろいろ調べていきながら、あるいは共有していきながら、検討といいますか、考えていく課題として御指摘いただいたと承りました。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 連続してでも結構ですし、あるいは別の観点でもいいですので、御質問、御意見ございましたら、お願いいたします。
 どうぞ。
【小林委員】 
 群馬県立女子大学の小林と申します。皆さんから様々な対応を伺いました。今まで問題点に対して、皆さん真摯に取り組んでいらっしゃる様子が分かりました。ありがとうございます。大学として多様な試験形態をいかに公正・公平な受験に取り入れるかということが、いつも念頭にあります。そういう意味では、試験の質の担保、レベルの担保というものが、各試験機関さんはきちっとなさっていらっしゃるんですが、横のつながりみたいなものというんですか、第三者評価組織みたいなものでも何でも構わないんですが、何かそういうものは、第三者が質の担保をきちんと見てくださるような形があると、また少し大学としても取り入れやすいのではないかと思いました。
 また同じようなことで、地域格差を考えると、オンラインの受験がこれからますます増えるのではないかとは思うんですが、そのときの不正行為の防止対策が、各試験機関さんによって様々お聞きいたしましたが、何かそこの辺りも、ある意味、統一する必要はないんですが、これは安全であるという担保みたいなものがあると大学としてはありがたいなと、お話を聞きながら思いました。
 今の私の意見も今すぐ解決することではないんですが、その方向にも向かっていただけるとありがたいかなと思いつつ、聞かせていただきました。ありがとうございます。
【沖主査】 
 小林委員、御発言ありがとうございます。私もその点を触れようかと思っていた論点でした。(音声途絶)。すみません、こちらの会場で今、トラブルが起こっておりまして、少し改めて私のほうから。今、大きく2点で、公平・公正に関するチェックとしての第三者評価のようなものと、それと連動しているのが、特にオンラインのものについての不正行為への対応という点の御指摘は、それぞれの機関で既に対応されていて、その報告もあったわけですが、とりわけ今の報告の中でも、海外に試験母体があるETSなどですと、ETSが非常に強くいろいろコントロールをしている。場合によってはアメリカの中で第三者評価などを受けている可能性もありますので、この後少し、何か私の説明に追加をしていただければとは思います。
 また、IELTSあるいはケンブリッジの場合ですと、イギリス国内で認証評価を受けているはずなので、要するに海外の試験団体が母体になっている場合に、海外の準行政機関の認証評価でよいかどうかといったところまで細かく見ていく必要がある課題になって、一方で日本国内でも、御報告の中にあった全国検定振興機構という、国内でも第三者評価の仕組みは取り組まれていますが、それがまだ部分的な状況にあると私としては理解しています。英語の試験だけではなくて、いろいろな資格試験の認証評価あるいは第三者評価といったものは、ここのワーキングだけではなくて、もう少し大きな議論として検討していただきたいというのを私も前からお願いはしているわけで、もう少しそれを入試との絡みで積極的に進めていければと思います。ありがとうございました。  青山委員、市川委員、あるいは安田委員、場合によっては立山様から、もし何かございましたら追加での御説明をいただければと思いますが、ありますか。よろしいでしょうか。
【青山委員】 
 横串に刺せるかどうかといったところに関してはすぐにお答えできますので、三つの試験、IELTS、ケンブリッジ英語検定、リンガスキルに関しては、ケンブリッジがすべて作問しておりますので、Cambridge English スケールという1刻みの共通のスケール(尺度)でお示しできます。従いまして、この三つに関してはレベルが対比できます。そして、そのほかの試験との関連性に関しては様々な研究論文が出ておりまして、それに言及させていただきますと、それぞれ測っているスキル・能力が異なるので、という帰結のものもありますし、私も全て読んでいるわけではないのですが、その辺りに関しては、すみません、不勉強のため私の知見が及ばず、即答はできませんけれど、ただ、その三つの試験に関しては、数字で明確にレベル感についてお示しすることができております。以上です。
【沖主査】 
 御説明ありがとうございました。今、御説明いただいた点も含めて、ここで全ての結論を出すのは相当困難だということで、少し議事録などには残しながら、場合によっては親委員会、あるいはもう少し広い場所で検討していただくことでアピールしていければと思います。ありがとうございました。ほかにもし何か追加で御質問、御意見ありましたらお願いいたします。いただけますか。
 お願いいたします。
【中川委員】 
 全国高等学校PTA連合会局長、中川です。皆様からの報告をいただきまして、地域間格差がなくなるところについては非常にありがたい話ではあると。ただ、保護者の立場からすると、それだけいろいろな試験があるということは、それだけいろいろな意味で負荷がかかってくることも想定されるのかなということで、先ほど塩崎先生からもお話がありましたが、どれを受ければいいんだろうと。どれを受けたらいいかなという、そういう迷いというものがかなり出てきてしまうのではないかなと、感想ですけれども感じました。以上です。
【沖主査】 
 中川委員、ありがとうございました。率直なところ、おっしゃることは非常によく分かるかなと思います。ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 本日のそれぞれの団体の御報告は非常に情報が多かったと思いますし、改善が進んでいる部分と今後の課題になりそうなことが、いろいろな報告の中で伺えたかなと思います。今の御報告あるいは御質問、御意見をまとめていただいて、事務局の方にお願いですけれども、次回ワーキンググループに向けて意見集約、整理といったことを進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 では、時間がもう残り少ないということになりましたので、本日のワーキンググループはこの辺りで閉めさせていただければと思います。
 最後に事務局から今後の日程などについて御説明ください。お願いします。
【村本大学入試室長補佐】 
 次回につきましては、改めて事務局より日程照会させていただきます。
 なお、本委員会の審査の過程は非公開となっておりまして、審議において知り得た情報をほかに漏らしてはいけないとなっております。本日の議事の内容や資料につきましては委員限りとしていただくようお願い申し上げます。
 また、議事・資料につきまして、万が一委員の皆様へ外部から問合せがあった場合、文科省の事務局に直接お聞きいただくよう御対応いただければ幸いでございます。
 委員の皆様におかれましては、お気づきの点や追加の御意見等がございましたら、大学入試室まで御連絡ください。
【沖主査】 
 ありがとうございます。
 それでは、本日の委員会を終了いたします。本日は御出席いただき、誠にありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

 ―― 了 ――

(高等教育局大学教育・入試課)