新型コロナウイルスに対応した大学入試ワーキンググループ(第1回)議事録

1.日時

令和3年12月24日(金曜日)13時~14時

2.議題

  1. (1)濃厚接触者の大学入試における取扱について
  2. (2)感染症ガイドライン全般について

3.議事録

【前田大学入試室長】
 所定の時刻になりましたので,ただいまより大学入学選抜協議会新型コロナウイルス感染症に対応した大学入試ワーキンググループを開催させていただければと思います。先生方におかれましては,急な呼びかけにも関わらず,御参集いただきましてありがとうございます。
 本日,ウェブ会議でございますので,御発言の際には,挙手ボタンを押していただきまして,指名された後に御発言をお願いいたします。また,ハウリング等を避けるため,発言後のミュート戻しなどに御協力いただければと思います。
 それでは早速ではございますけど,まず初めに,本日の資料について確認させていただければと思います。
 配付資料として,資料1から資料2,3と4種類ございます。それから,参考資料といたしまして1から5がございます。
 議事に入る前に,まず事務局から,本ワーキンググループについて,改めて御説明させていただければと思います。資料1を御覧いただければと思います。
 昨年もこのワーキンググループを設置しておりましたけれども,本年も5月26日の大学入学選抜協議会の決定を受けまして,このワーキングが設置されております。
 設置の目的でございますけれども,こちらにございますように,今後の感染状況の変化等に備え,協議会の下に,新型コロナウイルスに対応した専門的な調査審議を行うためのワーキンググループを設置するとしてございます。
 実施方法を御覧いただきますと,ワーキンググループの主査及び構成員は,協議会構成員の中から協議会座長が指名するものとするということで,協議会座長は大阪大学の川嶋先生でございまして,今回,協議会構成員である柴田先生を本ワーキングの主査としたいということでございましたので,柴田先生にワーキンググループの主査をお願いできればと思います。
 また,今日お集まりの先生方の名簿でございますけれども,2ページ目でございます。通し番号2ページで申し上げますと,御覧のとおりでございます。時間の都合上,御紹介は省かせていただければと思いますけれども,臨時協力者として3名の専門家の先生方に御参加いただいております。今日は鈴木先生が御都合によって御出席がかなわなかったんですけれども,柳元先生,和田先生に御参加いただいております。また,残りの先生方については,全て御出席いただいております。
 では早速,今日は議題が2つございまして,1つが濃厚接触者の大学入試における取扱いについて,それから,感染症ガイドライン全般についてでございますけれども,ここからの進行は柴田主査にお願いしたいと思います。それでは,柴田主査,よろしくお願いいたします
【柴田主査】
 柴田でございます。皆さん,御多用のところ,お集まりいただきまして,ありがとうございました。私のほうで議事を進行してまいります。よろしくお願いいたします。
 では,まず議題(1)濃厚接触者の大学入試における取扱いについてでございます。
 御承知のように,今,オミクロン株が,水際でとどまっていたところ,市中にも出てきているようでございますけれども,このオミクロン株への対応として,事務局で見直しの御準備をいただいております。まず,資料2について御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【前田大学入試室長】
 それでは,資料の2-1を御覧いただければと思います。通し番号3ページ目でございますけれども,まず議題の一つとして,濃厚接触者の大学入試における取扱いの見直しについて(案)でございます。
 まず,現在の濃厚接触者の大学入試における取扱いでございますけれども,下の四角囲みの中にございますように,4つの要件がございます。これは昨年10月15日に,政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会においてお諮りして決定した内容でございまして,この4要件を満たしている場合には受験を認めることになっております。共通テストについては,この4要件を満たせば受験を認めるということでございますけれども,各大学の個別入試については,今現在,各大学に必要に応じて御判断いただきたいという整理をしておるところでございます。
 これを踏まえまして,岸田総理の御発言ということで,令和3年12月21日でございますけれども,全ての国内感染者について,オミクロン株の検査を行うことで,早期探知を徹底。また,オミクロン株の濃厚接触者に対しては,自宅待機要請ではなく,14日間の宿泊施設での待機を要請という御発言がございました。
 これを受けまして,厚生労働省で一昨日,これは自治体の衛生主管部局が出しておる事務連絡でございますけれども,オミクロン株について,全ての国内感染者の検体,ゲノム解析を実施する。また,オミクロン株への感染が確定した患者の濃厚接触者については,感染拡大防止の観点から,当面,宿泊療養施設への入所を求めるということが示されております。
 こういった状況の変化がございましたので,事務局で御用意したのが見直しの案ということで,今まで要件が4つございましたけれども,黒太字で「オミクロン株以外の患者の濃厚接触者であること」を,受験を認める要件として1つ付け加えております。
 この趣旨でございますけれども,「なお」以下を御覧いただきますと,受験を認めない者については,オミクロン株の患者の濃厚接触者がまず一つでございます。これは宿泊療養施設への入所が求められますので,療養終了までの間は施設から外出できないということでございますから,受験のための外出もおのずと不可になるということで,オミクロン株の患者の濃厚接触者については受験が認められない。
 もう一つが,オミクロン株以外の患者の濃厚接触者であるかどうか分からない状態,試験日までに判明しない方も理論上あり得るかと思っておりまして,厚生労働省に確認しましたところ,自治体の状況,検体の状況にもよりますけれども,コロナ陽性判定からオミクロン株と判定されるまでに,3日から7日程度を要するということでございます。したがいまして,仮に濃厚接触者で受験に来たということで,受験が終わった後にオミクロン株の患者の濃厚接触者であることが判明するケースも想定されるわけでございまして,その方が仮に陽性だという場合も考えられますが,その場合,ほかの受験生,あと,試験監督者の方が罹患し,感染が拡大する可能性もあり得るということでございます。あらかじめ,リスクは軽減させる必要があると考えておりまして,したがいまして,オミクロン株以外の患者の濃厚接触者であるかどうかが試験までに判明しない受験生についても,この要件の受験を認めるというところには入れないという整理でございます。
 もう一つ厚生労働省に確認いたしましたのは,オミクロン株以外の患者の濃厚接触者につきましては,基本的には口頭でございますけれども,保健所からゲノム解析の結果が知らされるということでございますので,それが知らされてから受験ができるということでございます。
 それから,この事務局の案に沿って,仮にこのガイドラインを改定した場合,資料2-2でございますが,通し番号の10ページ目を御覧いただければと思います。
 丸4の無症状の濃厚接触者への対応ということで,先ほど申し上げました1から4の4つの要件がございますが,ローマ数字2として,赤字でございますけれども,オミクロン株への感染が確定した患者の濃厚接触者ではないということが受験の要件でございます。
 それから,これまでPCR検査の結果についても,結果が判明するまでは受験不可でございましたので,ローマ数字1と新しいローマ数字2を両方合わせまして,この結果が判明するまでは受験不可とし,その者については追試験等を受験させることとしております。
 また,新しいローマ数字3でございますけれども,保健所において濃厚接触者であることやPCR等の検査の結果が陰性であることに加えまして,オミクロン株への感染が確定した患者の濃厚接触者ではないことを入れております。これはいずれも文書等で証明する義務はないため,入学志願者から無症状濃厚接触者であることの申告をあらかじめ受け,要件を満たすことを確認した上で受験を認めることと修正しております。
 以上が資料2-1と資料2-2で,本日,事務局の案として御用意させていただいたものでございます。
 事務局からは以上でございます。
【柴田主査】
 ありがとうございました。
 続きまして,これに伴いまして,大学入学共通テストの感染症対策に関する取扱いも変更する必要があるということで,大学入試センターの山本理事長から資料の御提出がありますので,併せて御説明いただければと思います。山本委員,よろしくお願いいたします。
【山本委員】
 大学入試センターの山本です。
 今,柴田先生から御説明がありましたように,先ほど入試室長から説明がありました取扱いの変更に関する件です。大学入学共通テストまで3週間あまりという状況になってまいりました。直前でございますので,できるだけ早く受験生にこのことを知らせないといけないということで,先ほど御説明がありましたガイドライン等の取扱いが今日ここで承認されましたら,大学入試センターからできるだけ早く,今日中にと思っておりますけれども,資料3,15ページに書いてありますように,この見直しを踏まえた通知をしようと思っております。「次のように見直し,HPを通じて速やかに周知をする」というこの中の文言につきましては,今日ここで認めていただくとかいうことではありませんが,現在,我々のところで,こう考えているということでございます。若干の文言の修正があるかもしれませんが,いずれにしましても,とにかく速やかに受験生に知らせることにしたいと考えております。ホームページだけではなくて,各都道府県教委,知事部局,大学といったところに,別途,文書でもお知らせするということで,現在,考えているところでございます。
 以上です。
【柴田主査】
 ありがとうございました。ただいま事務局から説明のあった内容について,御意見,御質問等ありましたら,どなたからでも結構ですので御発言いただきたいと思いますし,本日,特に臨時協力者である感染症御専門の柳元先生,和田先生からも,補足,御助言,ぜひお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 石崎先生,手が挙がっているようですので御発言をお願いいたします。
【石崎委員】
 はい,お願いします。石崎でございます。
 最初に質問させていただきたいんですけれども,オミクロン株の濃厚接触者というのは,必ず全部,宿泊療養施設へ入所するんでしょうか。言葉をどう選んでいいのか分からないけど,必ず拘束されるのかみたいな,そういうことなんですけれども,そこを一つ教えてください。
 それからもう一つ,資料2-2で先ほど御説明があった一番最後のオミクロン株以外だけれども,オミクロン株かどうか分かっていない人の濃厚接触者も受験できないということなんですけれども,この濃厚接触者というのは,こちらというか,どうやって拘束するんでしょうかという,その2点を教えていただけますでしょうか。
【前田大学入試室長】
 1つ目の入所しないといけないのかということでございますけれども,これは入所の要請ということでございますので,基本的には入所を要請されたら入るんだろうという認識でございます。もし,感染症対策の専門家の先生方からお話があればお願いしたいと思いますけれども,基本的には,施設に入所して,外出制限を図る。今,自宅待機よりも格段高い次元での自粛要請ということだと思います。
 それから,どうやって濃厚接触者と分かるかということでございますけれども,濃厚接触者の名前は保健所から特定,今でもそうですけれども,そういった特定がされて,そこでしばらく,ゲノム解析が必要でございます。3日から7日程度,自治体にもよりますけれども,そう聞いておりますので,その後にオミクロン株の患者の濃厚接触者であれば入所要請が来ます。逆に言いますと,オミクロン株の患者の濃厚接触者でないという通知も基本的には行われるというのが厚生労働省からの回答でございましたので,本人に知らされるものだと理解しております。
 以上でございます。
【柴田主査】
 和田先生,挙手がついております。御発言をお願いしたいと思います。
【和田委員】
 和田でございます。
 では,先に幾つかお話をさせていただきます。先ほど御質問のありました濃厚接触者全員が施設に入っているかという問合せについては,自治体によるという感じで,神奈川県などは自己,自宅待機というのを,今のところ,海外からの方が多いので,自宅でやったりしております。これをやろうとすると相当にキャパシティーを取られてしまいますので,どうするかというのは,ちょっと見えてこないところがあります。ですので,それが一応,お答えになります。
 ちょっと,そもそもの話をさせていただきたいのが,1月15,16だと思いますけれども,市中感染みたいなものは,今後ほかのところでも出てくるんだろうと思います。なので,事務局ともお話ししましたけど,昨年も同様でしたが,そういうことが見つかったとしても,この試験というのは非常に大事な,人生を決めるところでもあるので,しかも,別に声を出したりするわけではないのでリスクは低いし,都道府県越えもないので,やはり社会には,これはやらしてほしいという話はきちんと言ってもらうことだろうと思います。その前に成人式とかいろいろあるのがなかなかあれなんですけど,そういうメッセージはどこか年内中に,ぜひ発信をしていただいたほうが私はいいと思っております。
 今日の見直し案のところでのお話で,先ほど,オミクロン株かどうかのゲノムの結果がどう来るかということについては,確かに来ることにはなっているんですが,実際には,私も千葉県の病院等々とやり取りがありますけれども,意外に結果がなくて困っているというのが現実として起きております。ですので,オミクロン株以外の濃厚接触者かどうかというのを本人がどう,要は本人だったらもちろん来られないわけですけど,例えば同居のお母さんとかお父さんがそうなった場合とか,あとは,今ちょっと幅広に取っているので,高校の中でとか塾の中でといった場合に,今,飛行機の乗員全部を濃厚接触者にしておりますので,ちょっと難しいなと思っております。結果が分かるまで3日から7日ぐらいかかるところがあります。ですので,すみません,僕がもうちょっと前に事務局と話をしてもよかったのかもしれませんけど,「オミクロン株以外の」と書くと,多分,現場の先生方は困るといいますか,結果がないとか,結果を見てもよく分からないとなるようなところを現場でどう落としていくのかというのが課題かなと思っております。
 従来は,このあれを見ると,濃厚接触者でも,症状がなければ特別に入試をさせるという対応だったと思います。これ,かなり特例に近い対応で,政治的に御判断されたものだと思います。何人か,それで受験をされたとも聞いております。オミクロンに関しては,やっぱり今こういった,また,さらに政治家らの大きな方針が,これが1月15日までにどう変わってくるかが,正直,我々も分かりません。普通に考えると,もうもたないので,いや,勘弁してくれという話になると思うんですけど,そのときに,直前とかに変わってくる中で,この見直しをどうするかというところがまた出てくるかもしれないので,そういったことが変わったとしても読み取れるような表現にしないといけないなと思いつつ,今は文案がつくれていないところで,また,後でチャットにでも入れたいと思っております。
 もう終わりますけれども,あと2つだけ,確認といいますか,多分,現場で困るだろうなと思うのは,家族が調子が悪い場合,だけど診断されていない場合,その方々をどうするのか,受験生をどうするのか。
 あと,3番目としては,ワクチン接種については一応問わないというのは,多分,去年はなかったので,今年初めて来ると思いますが,ワクチン接種をしていても,していなくても,こういった判断には条件とはしないというのは,どこかで確認してもよかったのかなと思います。
 文案はまた考えて,チャットに送りたいと思います。一旦,これで失礼いたします。
【柴田主査】
 ありがとうございました。
 和田先生,私からの質問ですが,資料2-1の3ページ,厚生労働省事務連絡に,オミクロン株のスクリーニングについて,2行目にL452のロイシンがアルギニンに変わった変異株とPCRは,これは全員にやるわけですね。これでデルタ株かどうかというのが分かる。これがプラスだったらデルタ株になるんですが,その場合には,そこで一応,デルタ株の濃厚接触者として取り扱うという流れになるんでしょうか。
【和田委員】
 そうですね,全部ができているかが,多分,自治体によっても様々だと思います。少ないところは,多分できていると思います。例えば,今,千葉県で圏域のところでやり取りしている中では,まず,陽性か陰性か分かって,陽性で入れる。その上で,L452Rが陽性であれば間違いなくデルタで,マイナスだったらシークエンスをかけるという形でやっているんですけど,その結果を保健所から本人に伝えて,本人からさらに家族に伝えなければ,家族に何らか伝えなければいけないんですけど,そこの紙とかが出るかというと,ちょっと難しい。例えば,私の子供が受験生で,私が感染していて,その通知が来たとして,私は入院している中で,その紙をスマホで撮って送って,お父さんはこういう人なんだけどみたいな,結構,個人情報とかも入って,まあ,それはしようがないのかもしれません。ちょっと,その辺のオペレーションも含めて具体的に落とし込まないと,多分,現場で先生方は本当に困るなと思っています。すみません,一旦戻します。
【柴田主査】
 どうもありがとうございます。今岡先生,手が挙がっておりますが,お願いいたします。
【今岡委員】
 国大協から出席しています今岡です。
 資料の通し10ページで,先ほど,無症状の濃厚接触者ということで,今回,オミクロン株がポイントになっていますが,実はこれ,裏を返すと,同じページの丸3で発熱・咳等症状のある受験生への対応ということで,ここの文言は一切変わっていないですが,大本からすると,自ら手を挙げて追試験にしたいという学生は,まず,通常,診断書を出してねと。ところが,診断書が,周りが非常に忙しかったり,先ほどのお話もあって,いろいろなものが手に入らないときがありますけれども,こういう状況ですから状況に応じて対応しましょうということなので,一番分かりやすい例で言うと,濃厚接触者の元の患者さんがオミクロンでしたよという通知が保健所から来ていれば,それ一発で,むしろ受けられないので,オーケーですよというようなことが含意されていて,多分,「無症状の濃厚接触者の対応」がオミクロン株に注目しているということは,この丸3の「発熱・咳等の症状のある受験生への対応」も少し拡大解釈的な,追試験の許可というニュアンスで受け止めていますが,そういう考え方でよろしいでしょうかね。
【柴田主査】
 ありがとうございました。事務局,いかがでしょうか。
【前田大学入試室長】
 今,今岡先生がお話しした丸3の発熱・咳等の症状を理由に,もし,医療の状況が逼迫していれば,例えば,受験生本人からの自署などをファクスあるいはメールとかで,それなども診断書の代わりにいいですよという趣旨でございます。オミクロン株の濃厚接触者ということが分かっていれば,さらにその要件を満たせば,受けさせるかどうかというのは各大学の判断になろうかと思います。いろいろな要素が入っているんですけど,まず,陽性者は駄目ですので,追試験に回ってもらう。無症状濃厚接触者を受けさせるかどうかというのは大学の判断の中で,要件として,今回,オミクロンというのが入っていて,診断書で,あなたはオミクロンの濃厚接触者ですよということが来ていれば,今の事務局案だと受けられないということですね。ですから,それは追試に回っていただくということだろうと思います。
【柴田主査】
 ありがとうございました。それでは,圓月先生,手が挙がっているようです。お願いいたします。
【圓月委員】
 細かい文言のことですけれども,通しページの4ページ,資料2-1の一番最初のところ,「オミクロン株以外の患者の濃厚接触者あること」,肯定文で書いてあります。上のところで「無症状濃厚接触者のうち」というのがあるので,こういう書き方になるのかも分かりませんけれども,むしろ,下にあるように,「オミクロン株の濃厚接触者でないこと」としたほうが,文章として後のところとも整合性が高いのではないかなと思いました。
 以上です。
【柴田主査】
 ありがとうございました。ほかに。石崎先生,お願いいたします
【石崎委員】
 すみません,お願いします。先ほどの質問で,結局,オミクロン株の濃厚接触者であっても受験できてしまう人もいるかもしれないし,ゲノム解析の結果が出ていなくても受験できてしまう人がいるということだと理解したんですけれども,結局,オミクロン株の濃厚接触者とか,まだ分かっていない人とかを力ずくで受験させないということはできそうもないわけですよね。
 去年は,濃厚接触者の人も別室で受験できますよ,それで,もし発症しても別の受験機会がありますよということで,できるだけ申し出て,本番,まず1回目受けないでくださいねみたいなことでやっていたと思うんですけれども,今年,ただ受験できないですよというだけでは,黙って受けてしまう人が続出するのではないかなと心配するんですけれども,そこの考え方というのはどうなんでしょうか。受験できてしまうんだったら,例えば先ほど家族の話もありましたけど,家族がちょっと熱が出ても,子供が受験するから,取りあえず試験までは病院に行くのはやめようとかと考える親も当然いると思うんですよね。だから,感染者というか,濃厚接触者も含めて,潜ってしまうだけにならないかなというのがちょっと心配なんですけど。
【柴田主査】
 石崎先生,ありがとうございました。これ,一般論としても非常に難しい問題だと思うんですが,どなたか,いい知恵というか,御発言ございませんでしょうか。柳元先生,お手を挙げられたと思います。お願いいたします。
【柳元委員】
 東京大学の柳元です。
 今御指摘のありました件と,あと,このガイドラインとの関係では,確かに試験会場側で確認するすべは実質上ないわけですので,御指摘のようなことは起こり得るのかなとは思いますが,オミクロン株に関しては,少なくとも多くの自治体がいろいろ施設での濃厚接触者の待機を要請するという中で,その状態だけれども,ガイドラインがこのままだと,受験できるのではないかという部分は少なくとも整理されるのかなと,昨日,この案を拝見したときには理解していました。ただ,潜ってしまうというのは,これはおっしゃるとおりでどうしようもないことで,昨年分を議論したときには,感染力やそれまでに分かっていた状況からは,結局,症状がないということであれば,それを大っぴらによしとしたわけではないにしても,試験会場の中であれば,爆発的に感染が広まる可能性は引き続き低いということも,自己申告だけで許容するというところだったと思います。オミクロン株に関しては,まだ分からないことが多過ぎるのと,1か月後どうなっているかというところもありますので難しいかなと思いますが,ガイドラインとの兼ね合いで,濃厚接触者,特にオミクロンはというのが入ることに意味があるかなと思った次第です。
 以上です。
【柴田主査】
 どうもありがとうございました。では,和田先生,御発言等,チャットが入っているみたいなので説明いただければと思います。
【和田委員】
 はい,ありがとうございます。別のときにちょっと議論にもなったんですけど,今ちょうど小学生の方が何人か出ているように,今後,特に高校生の受験生,あの年代とかでもワクチンを打てない人も多いので,十分にあり得るとは思っています。それこそ今,濃厚接触者で一番念頭にあるのは同居の家族,お父さん,お母さんがというところは,何となく,家族,本人も結構納得感が得られやすいと思うんですが,塾だとか,それこそ,お正月でみんなで集まって勉強するとか,そういった場面も結構あると思いますし,そういったところの感染対策って,今,あんまりされていないようにも思いますので,実はそういったところでの感染によって,予期せず濃厚接触者にされてしまう,特に地方であれば,本当にまだ初期の段階なので,例えば,高校名も地元で分かってしまうみたいなことが十分にあり得るという状況です。なので,大臣等,皆様が近く会見で話されると思うんですけど,先ほどお話があったように,潜らないようにといいますか,あくまでこれは社会において必須の入試というものであって,しかし,温かい配慮の下で追試験が行われている。なので,仮にそういうことがあったとしても受験ができるんだという全体の下で,今回ここを変えましたという話になるんだろうと思いました。
 その中で,オミクロンの書き方ですよね。オミクロン株以外の患者の濃厚接触者云々は認めるとやると,やっぱり,なかなか難しいかなと思って,今,私の対案をチャットに入れたんですけど,保健所にオミクロン株の濃厚接触者と言われた方は,総理のこういった発言の流れからすると,多分,今の段階では不可とするんだと思います。もちろん,これが1月10日ぐらいまでに大きく方針が変われば,載せていくのかはあれですけど,だけど,この総理の話の中で,ここだけ緩めるというのは,前は政治的にされたんでしょうけど,そこは本当に政治判断的なところになると思います。ですから,ここから出すのであれば,一旦,オミクロン株で保健所が濃厚接触者とした方は不可とする。だから,これは検査しようが,しまいが不可であると。
 一方で,オミクロン株かどうか,まだ分かっていないんだけどということであれば,昨年同様に,PCR検査の結果が陰性であることというのが通し番号の10ページのところに書いてありますので,そこで陰性であれば,別にしゃべるところではないので,受験をさせるというのが現場としてもやりやすいのではないかなと思っています。
 最後に,さっき申し上げた家族がその症状があって,でも受診をしていないというくくりのところってどこに載っているかというのは,事務局に今の状況を確認したいと思いました。
 以上です。
【柴田主査】
 ありがとうございました。最後の和田先生のお尋ねについて,事務局,御説明いただけますでしょうか。
【前田大学入試室長】
 家族が具合悪い場合どうするかということは書いていないんですけれども,受験生への要請というのがございまして,このガイドラインで申し上げますと13ページ目ですけれども,この中に試験当日における対応,13ページとか14ページのところですけれども,発熱とか咳とか症状があって,何かしら調子が悪い,家族からうつったかどうかは書いていませんけれども,基本的に受験生に対してのメッセージとしては,体調が悪いということであれば,各大学において,追試験,振替受験等を用意しているので,そちらに回ってください。そのときには,検温で37.5度ある者については,受験を取りやめて,追試験等の受験を検討してほしい,そういう整理をしております。ですので,家族が感染している場合はどうかというところまでは書いておりませんで,あくまで本人が当日どうかという視点で,このガイドラインは整理をしているところでございます。
【和田委員】
 分かりました,ありがとうございました。
【柴田主査】
 では,沖先生,お手が挙がっていたようですので,御発言をお願いいたします。
【沖委員】
 沖でございます。よろしくお願いいたします。
 今,和田先生のお話で,ある程度解決する可能性はあるかなと思ったんですが,通し番号4ページの見直し案ということで説明がある中で,確認になりますけれども,オミクロン株の濃厚接触の場合に無理というのは当然ということになりますが,その次のパターンで,受験日までに判明していないという状態で本試験が,特に共通テストをイメージしていただくと,その際に,まず,受けられない。数日たったら,オミクロン株の濃厚接触者であった。とすると,そこから14日間ですか,隔離されてしまうので,実は追試験は受けられないのではないかなと思うんですが。ですから,これ,本当に厳格にやり始めると,一般の大学でも2週間以内に何か対応を考えている場合には事実上無理だという話ですので,もちろん,これはもうどうしようもないと覚悟を決めて周知するのか,何らかの違う方法を考えるのかということを,この2点目については考えてもいいかなと思いました。私の誤解であれば幸いなんですけれども,一応,確認ということでお尋ねします。
【柴田主査】
 ありがとうございます。柳元先生,今,手が挙がりましたが,これに関連したお話でしょうか。
【柳元委員】
 はい。
【柴田主査】
 お願いいたします。
【柳元委員】
 沖先生のお話,聞き違えていたら申し訳ないんですけれども,濃厚接触者と分かったところから14日間が待機なので,10日目にオミクロンと分かっても,あと4日で待機は終わるかなと思いますので,その点に関しての追試が駄目ではないかということはないのかなと思いましたので,そこだけ確認申し上げます。
【沖委員】
 ありがとうございました。私の誤解で幸いでした
【柴田主査】
 ありがとうございました。
 では石崎先生,手が挙がっているようでございますが。
【石崎委員】
 私も同じことを伺いたかったんですけれども,共通テストの場合,2週間で間に合うのかということが聞きたかったんですけど,間に合うということはここで確認させていただいたということで結構です。
 繰り返しになるんですけれども,やっぱり,潜ってしまうのをどうやって止めるのかというのは最大の課題で,さっき,私の説明がちょっと足りなかったのかもしれないんですけど,家族だったら,具合が悪くても,自分が患者になったら子供が濃厚接触者になってしまうから,多分,病院に行かないだろうと,そういうことを言っているので,だから,どんどんどんどん潜ってしまうのではないかという心配をしているということです。
【柴田主査】
 ありがとうございます。
 これは先生,受験に限ったことではなくて,いろいろな場面で起こり得る話になりつつありますので。
【前田大学入試室長】
 すみません,ちょっとよろしいですかね,事務局でございます。今,石﨑先生がおっしゃったことなんですけれども,オミクロンであるかどうかに関わらず,今のガイドラインのつくり,去年もそうですけれども,無症状濃厚接触者の申告というのは本人しかできないです。ですから,大学がいちいち保健所に問い合わせて,この子どうですかなんて聞けませんし,保健所も業務がたくさんありますから,ですから,結果的に本人からの申告によるという前提に立っているわけですね。そして,その上で,さらに無症状濃厚接触者は,4要件を満たして,別室で受験ということでございます。その際に,このガイドラインは,もしそういった方がいたとしても,感染防止のために十分対策を講じるという観点でつくっておりますから,潜るというのは,それはあると思います。それはもちろん,今の仕組みだとそういうことはあると思いますので,今回,オミクロンと関わらず,それはある。しかし,あるということを前提でこのガイドラインというのはできている,そういうのが私どもの認識です。
【石崎委員】
 去年との違いは,去年は濃厚接触者になっても受験できたから,家族は安心して,自分が感染者になっても,子供は濃厚接触でも受験できるから病院に行ったんですよ。だけど,今年は,自分が感染者だったら,子供が濃厚接触者になっちゃうので,受けられなくなるから行かないのではないかという,去年との違いは濃厚接触者が受けられるか受けられないかなんですよ。
【前田大学入試室長】
 ですので,オミクロン株以外の濃厚接触だったら受けられるという案ですね。
【石崎委員】
 だから,オミクロン株だったらの話なんですけど。
【柴田主査】
 それでは長塚先生,お手が挙がっているようですが。
【長塚委員】
 そのことなんです。私も通し番号10ページでしょうかね,丸4の無症状の濃厚接触者への対応のところ,そこにアスタリスクで,本ガイドラインにおける濃厚接触者とは,保健所より濃厚接触者に該当すると伝えられた者をいうということの定義はそのままなんですけれども,今回のオミクロンの対応を見ていますと,1人オミクロンとなると,同じ飛行機にいた者全員を2週間待機とか,保健所が丸ごとと判断するのではないかなと。昨年の場合ですと,1メートル以内で1時間程度話した者が特定されるということだったんですが,どうもオミクロンの様子がまだはっきりしないということで,保健所がどう特定するのか。丸ごと特定するのではないかと,今,世間的にはそう受け止めているのではないかな。私もそう思っていたんですが,そうすると,例えば1月当初,生徒が集まってきて,そしてそこに1人オミクロンの感染者がいたら,丸ごと2週間待機のようなことになりはしないか,保健所はこれをどう扱うんだろうかということが,ちょっと見えないというか,心配なんですが,厚生労働省では,この辺はどうやろうとしているのか,現時点で分かりますでしょうか。
【柴田主査】
 和田先生,挙手いただいていますが。
【和田委員】
 その関連で和田から,長塚先生のお話ですが,おっしゃるとおりで,去年とまた状況が違うんですよね。それで,今やろうとしているのは,自治体にもよりますけど,結構,幅広に検査やろうぜという形に,予算とかもついてきて,やろうとしています。ですから,例えば,今も大阪の小学校で出ていますけど,初期ということもあって,全部休校にして,学校の先生だからというところもあるんですけど,止めて,全員検査とやっているんですよね。検査をしたから濃厚接触者だというわけではなくて,濃厚接触者以外も幅広に検査を受けています。なので,いや,実は高校で起きたんだけど,私,検査されたんですけど,保健所に聞いてもよく分からないんですみたいな人は,多分,確かに出ると思うんですよね。これまでも,ピークのときとかになると,濃厚接触者って,大体,自治体によって,きちんと紙を1人ずつ,あなたは濃厚接触者で,何条に基づいてとかとやっているところもあれば,ちょっとはしょっているところも確かにあったり,あとは郵送で,後で送るみたいなところもありまして,自治体の状況によって,かなり異なってくると思います。ただ,やっぱりそれはバリエーションがあってもしようがないので,最終的には保健所に濃厚接触者と言われているのかどうなのかということと,その際にやった,昨年と同じように検査でマイナスであるということ,そして症状がないことで,別室でしゃべらずやるというので,公共交通を使わないということであればできないわけでは,そういう運用になるだろうなと思っております。

【柴田主査】
 ありがとうございました。いろいろな御意見等もありがとうございます。基本的なところでは,今回,この時点でオミクロン株に対応したガイドラインは追加すべきであるということについては御異論がないようでございますので,本日いただきましたいろいろな修正すべき御意見等をこちらでいただきまして,その取扱い,それから,御意見を踏まえた濃厚接触者における受験上の現時点においての最善の対応について,私,それから感染症の先生方と御相談して,事務局,それから,座長に御一任いただきたいと思いますが,いかがでございましょうか。
 どうもありがとうございました。それでは,事務局におかれましては,濃厚接触者の取扱いについてのガイドラインの内容を反映いたしまして,その結果を本日中に各大学や高等学校に周知するよう努めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは,本日の議題2に移ります。感染症ガイドラインや様々な対策等,盛り込まれているところですが,本日議論になっております濃厚接触者の取扱い以外の点についても,この機会に感染症専門医の先生方等々から,大学入試を実施する上でのオミクロン株特有の対応も含めまして,必要になる点,気になる点等ございましたら,御知見を賜りたいと思っております。
 柳元先生,和田先生,いかがでございましょうか。
 和田先生,お願いいたします。

【和田委員】
 細かいところはまた見てですけれども,実は,今後,ちょっとどうなるか分からないという中で,事務局にも確認なんですけど,先ほど申し上げたように,学校全体に検査をするみたいな感じになってくると,これから冬休みに入るわけですが,浪人生の方は塾なんでしょうけど,高校生の方というのは,1月7日から14日の間というのは,結構,学校に行かないといけない。要は,出席とかあれで,ちょっと時代が違うので,私だったらサボってしまうかもしれなかったですけど,どうなっているんですかね。その辺り,もし,そういう配慮をするではないんですけど,3年生に関しては,そういうことって,別に何か言わなくてもいいというか,ちょっとそれは悩ましいなと思っておりますので,もし何かコメントがあれば,お聞きできればと思いました。
【柴田主査】
 石﨑先生,何か御説明いただけませんでしょうか。
【石崎委員】
 共通テスト前の3年生の登校ということですよね。3学期は登校しなくてもいいよと言っている学校もないわけではないとは思いますけれども,一応,公立の学校は基本的には授業日にはなっています。
【柴田主査】
 私立の長塚先生,いかがですか。
【長塚委員】
 私立は,3学期,来ない子が多いというか,全部ではありませんが,始業式の後は補習体制で,必要な生徒が来る。全員が出席というわけではないという学校が結構多いと思います。
【柴田主査】
 どうもありがとうございます。和田先生。
【和田委員】
 ありがとうございました。そういうことだとすると,今日,会見か何かされる際に,感染対策は高校においても一段高めてほしい,一緒に勉強したりとかというところにおいても,感染対策はしっかりして,いわゆる濃厚接触者になるような環境を高校の中でつくらないように取り組んでほしい,塾も含めてというのは,どなたかに言っていただけるといいなと思いました。
 以上です。
【柴田主査】
 どうもありがとうございました。柳元先生,この機会に何か御教示,はい,お願いいたします。
【柳元委員】
 ガイドライン全般に関して言いますと,オミクロン株が出現はしてきていますが,現時点でウイルスの種類が変わったわけではなくて,感染様式,感染経路に関しても大きく変化が起こったとは考えられていないと思いますので,ガイドラインの骨格はそのままでいいのだろうと思っています。ただ,報道,情報などからは,感染力が従来の株よりもかなり高くなっているということで,その高くなる理由はいろいろ議論されていますが,結果的に,従来,主眼にしていた飛沫感染対策,接触感染対策中心で足りるのかどうかというのが,今後どうなるかは意識しておきたいとは思っています。
 ただ,この段階でガイドラインでどうこうというのは難しかろうというのと,あと,このタイミングで1月,2月を迎えるので非常に難しいかなと思うんですけど,ガイドラインとしては,現状で十分なものなのかなとは考えています。
 以上です。
【柴田主査】
 ありがとうございました。
 試験場の準備状況等々,昨年に準じてやれば,やるしかないと,そういう具合に理解したんですけれども,そういう理解でございましょうか。はい,ありがとうございます。
 今岡先生,手が挙がっていますが,発言をお願いいたします。
【今岡委員】
 ガイドラインは,オミクロン株に対してアラームを鳴らしていくということですので,こういう形で結構だと思います。ただ,ちょっと心配なことが幾つかあって,こうやりますと,追試験というのが,幸いオミクロンがそんなに活発化しなければ大丈夫ですけど,爆発的に感染者が増えた場合,やっぱり,最悪のケースを想定しておいたほうがいいのではないかということで少し発言させてください。
 いわゆる大学入試センターでの共通テストですけれども,ここも各ところで,追試験会場のキャパシティーというのをもう一度チェックされたほうがいいのかなと。最悪の場合,それを超えたときにどうするのかというのは,プランだけでもお願いしたいなと思います。超えた場合に入れないとなってしまうと大変だなと。
 それから,個別試験に関しては,私たちは受験生に不利益を与えては駄目だということは十分認識していますけれども,感染が爆発的な場合に,いわゆる例外的な場合というのを私たち自身がある程度覚悟をして何をするかということ,これは自戒を込めてですけど。
 それから,文部科学省ですけれども,追試験で決まればいいんですが,先ほどもちょっとお話がありましたが,追試験ですらうまく受けられなくて,新型コロナの影響で大学受験がうまくいかなかったというのを救う手だてというのが,爆発的な感染が起こったときには必要なのではないかなという気はしています。あまり恐れていてもよくはないかもしれませんが,最悪を避けるためには,その3つのところは重要かなという,再度言いますと,共通テストのところ,それから個別試験のところ,それから,それでも漏れた場合についてということで,ちょっと発言しました。
 以上です。
【柴田主査】
 和田先生,今お手が挙がりましたが,これに関連した御説明をいただけますでしょうか。
【和田委員】
 今のお話をお聞きしていて思ったのは,爆発的な増加は,今の状況から,特にお正月は感染の状況が見えづらいということもありますので,恐らく1月5日とか6日とか,あの辺でまた急激に,昨年もそうですけど,受診して,わっと増えてくるのだろうと思いますが,当然,そこで急に東京1万人とか,多分,そこまではならないだろうなと思います。まず,やはり経験するのは,各自治体でぽつぽつ出始めて,どうするんだといったところのことだろうと思います。都市は大分慣れているんですけど,全国でやるので,地方都市ほど,非常にわさわさするところがあるのだろうと思いますので,むしろ1月15,16日を考えた場合には,幾つかのクラスターが出ているところでというところがあろうと思います。その中で,子供たちの受験は,もちろん追試験もあるわけですけど,どちらかというと,文部科学省といいますか,皆さんで考えたほうがいいかなと思うのは,試験監督をする大学教員の確保のほうが,そこの大学で出ましたとかとなると,では,そこに行っていいのかみたいな,逆に受験生などから,そういう問合せはあると思います。大学も,私,大学教員ですが,医学系とかは,結構,1月,始まってすぐ実習とかがあるのであれですけど,文科系とかは結構お休みといったらあれですけど,多いやに聞きますが,やっぱり,大学教員の確保といったところのBCPは,ちょっと考えておかないといけないのではないかなと思いました。
 以上です。
【柴田主査】
 ありがとうございました。大変貴重なお話です。山本理事長,共通テストの追試の対応について,何か御説明いただけませんでしょうか。
【山本委員】
 非常に多くの人数が追試に回ったときに大丈夫かという今岡先生の御質問ですよね。これは昨年もそうでしたが,追試会場を全都道府県に最低でも1か所ずつ置くということで,それはお願いしてございます。ですから,去年は700人ほどが当日の体調不良も含めてコロナ関係で追試に回ったんですが,全都道府県に会場を設けましたが,1人,2人という県もあったぐらいの数でしたから,相当の数が追試に回ったとしても,この収容については問題ないのではないかとは考えております。ただ,大学には,相当な数になった場合にも監督者の確保等についてはよろしくということは,言ってますので大丈夫なのではないかなとは,今のところ考えております。ただこの先の状況が分かりませんから,とんでもない話になるということですと,それはその時にまた考えないとしようがないですねというような感じで申し訳ないわけですけれども,今のところ,十分いけると思います。
【柴田主査】
 ありがとうございました。石崎先生,お手が挙がっております。
【石崎委員】
 1つ質問なんですけれども,試験が終わった後,その会場に,例えば次の日になって熱が出て,感染者だったことが分かった場合というのは,どういう対応になるんでしたっけ? 一緒の会場にいた人は濃厚接触者になってしまうのか,オミクロン株でも濃厚接触者にはならないのか,その辺り,分かっていたら教えていただきたいんですけど。
【柴田主査】
 どなたか。私も会場を扱っておりますが,共通テストではないんですが,一般入試では地元の所轄保健所の指導に従うというのを旨にしておりますが,それでお答えになるんでしょうか。和田先生,お願いいたします。
【和田委員】
 すみません,この後,重ね業務があるので最後ですけど,それは,マスクもきちんとして,試験でということを保健所に伝えるんだと思いますが,多分,翌日,休まれたとしても,また,さらに検査をして,受診をして云々というまでには数日空くわけですね。そこで分かって,試験を受けていたということで振り返ってみたときには,試験でマスクをして,黙食を徹底しておいていただければ,基本的にはならないと思うんですけどね。最後は保健所の判断ですが,多分,その頃には,そこをやっているほど手がないので,むしろ違うところのほうが大変なので,大きなあれにはならないと思いますが,でも,文部科学省としては,そういうのが把握できるような窓口はきちんとつくって,多分,昨年もつくっておられたように思います。
 以上です。
【柴田主査】
 和田先生,14時までということで,ありがとうございます。圓月先生,お手が挙がっておりますが
【圓月委員】
 短く発言します。ガイドラインの変更は必要ないと思うんですけれども,この会議として,やはり,昨年より大きく変わった点は,ワクチン接種の問題があると思うんですね。ですから,ワクチン接種に関しては,一応,意見はあったけれども,今回,特にこのガイドラインの中には書かなかったと確認したことは言っておかれたほうがいいのではないかなと思っています。
 以上です。
【柴田主査】
 ありがとうございます。この件につきまして,室長,何か御発言ございませんでしょうか。
【前田大学入試室長】
 今,圓月先生がおっしゃっていたワクチンのところは13ページですかね,ガイドラインの通し番号でいうと13ページに,受験できない者の中に,コロナワクチンの接種というのは,これは受験要件にしないということを入れております。これが前回との違いで,今年度,新たに入れているところでございます。
 それから,共通テストの追試験のところ,先ほど理事長からお話がありましたとおり,47都道府県,東京は2会場でございますので48試験場ありまして,それぞれ,もしそれがオーバーするというようなことだと,10万人とか,それぐらいの世界だろうと思いますので,50万人受けて10万人ぐらいが追試験に回るというようなときだと,それは社会的に大きな状況になっておりますので,入試がどうなのかという根本論のところになろうかと思いますけれども,入試センターでは,追試験についての試験会場は全国に置くということを御発表いただいております。
 それから,このワーキングで,今,和田先生と柳元先生からいろいろ御意見,御助言いただきましたので,今日,無症状濃厚接種者の取扱いについて,ちょっと相談をさせていただければと思います。
 以上でございます
【柴田主査】
 ありがとうございます。安井先生,手が挙がっております。発言をお願いいたします。
【安井委員】
 すみません,端的に。
 今のガイドラインの話なんですけれども,監督の立場に立ちますと,オミクロン株というのは非常に感染性が強いという情報を,監督,教員はみんな持っているわけです。今までの状況よりも感染が強いという中で,例えば距離が1メートルだとか,マスクをしているだけでいいのか,手袋,フェースガードは要らないのか,そういう質問が必ず出てきそうな感じがしますので,そこの根本的なところだけは,一応ガイドラインのところで押さえていただければと思いますので,感染が強い強いと言われながら,防護のところは一緒なのかということの疑義があまり出ないようにお願いできればと思います。
 以上です。
【柴田主査】
 ありがとうございました。ほかに何かございませんでしょうか。
 山本理事長,お願いいたします。
【山本委員】
 内容のことではないんですが,冒頭,少し説明しましたように,今日中にでもセンターから,ホームページ,それから各都道府県等に通知をしますというお話をいたしましたが,今日は大変重要な話も出てまいりました。先ほど前田室長から,この後,感染症の専門家の先生方とも話をしながら,ちょっと整理し直してみるということがございましたので,最終的なガイドラインを柴田座長も含めて整理されて,文部科学省から発表があれば,それを受けて直ちにやりたいと思います。恐らく,今日中に出していただけるんだろうと思いますけれども,文部科学省からの発表を受けた後,できるだけ速やかにセンターからも共通テストのガイドライン――ガイドラインというか,受験上の注意等々については通知するということにさせてください。ひょっとして今日中にできなかったらいけませんので,できるだけ速やかに変更させていただきます。
 以上です
【柴田主査】
 ありがとうございました。できるだけ早くということで努力していきたいと思っております。
 ほかに御発言がございませんようでしたら,本日予定した時間になりました。貴重な御意見等々,多々いただきました。検討すべき意見については,対応について,また検討して進めていきたいと思いますが,参考になるような意見,事務局でもまとめていただければと思っております。
 ひょっとしたら事態の推移によって,またお集まりいただく必要があるのかもしれませんけれども,一応,本日のワーキンググループは,この辺りで閉じさせていただきたいと思います。
 最後に事務局から,今後の日程等について御説明をお願いいたします。
【前田大学入試室長】
 ありがとうございました。また御審議いただくことがございましたら,速やかに事務局から日程照会をさせていただきますけれども,今回,ガイドラインを改定するところについては,通知をいたすということでございますので,それは公表されるということでございますが,それまでの間は,審議において仕入れた情報をほかに回してはならないというのがこのワーキンググループの運営上のルールになっておりますので,もし,先生方にプレス等から問合せあった場合には,文部科学省に聞いてほしいという御対応をお願いできればと思います。
 以上でございます。
【柴田主査】
 長時間にわたりまして御熱心に御討議いただきまして,ありがとうございました。
 以上をもちまして,本日のワーキングの会議を閉じさせていただきます。本日は御多用のところ御出席いただきまして,大変ありがとうございました。


―― 了 ――