モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会(第2回)議事録

1.日時

令和3年10月21日(木曜日)14時00分~16時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. モデル・コア・カリキュラムキャッチフレーズ(案)について
  2. モデル・コア・カリキュラム改訂に向けた基本方針(案)について
  3. 医師/歯科医師として求められる基本的な資質・能力(案)について
  4. その他

4.出席者

委員

出席者:伊藤委員、江藤委員、小川委員、北川委員、北村委員、栗原委員、齊藤委員、嶋田委員、永井座長、奈良委員、羽鳥委員、福井委員、前田委員、俣木委員、三浦委員、南委員、柳川委員

5.議事要旨

【小松﨑課長補佐】 皆様、お集まりいただきありがとうございます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。音声等は大丈夫でしょうか。何かあれば事務局までお電話いただければすぐに対応いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、永井先生、よろしくお願いいたします。
【永井座長】 それでは、定刻になりましたので、ただいまからモデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会第2回を開催いたします。
本日の有識者会議は、傍聴者にYouTubeにてライブ配信をしております。
まずは、事務局から本日の出席状況と配付資料の確認をお願いいたします。
【小松﨑課長補佐】 本日の出席状況ですが、門田委員、山口委員から欠席の御連絡を受けており、委員17名の御出席となっております。また、オブザーバーとして、6年制薬学教育制度調査検討委員会から座長である井上先生、厚生労働省医政局医事課より山本課長、歯科保健課より小椋課長の代理で髙田補佐と奥田補佐に御出席いただいております。また、説明者として医学調査研究チームの座長である小西先生、また歯学の河野先生、また随行者としてそれぞれ錦織先生、田口先生に御出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、配付資料の確認ですけれども、事前に事務局から送らせていただいておりますメインの資料が4種類、資料1から資料2-1、2-2、3、参考資料として6種類ございます。何かお手元に欠けているものがありましたら、チャットか何か、メールとかでも構いませんけれども、事務局まで御連絡いただければと思います。なお、資料につきましては、文部科学省のホームページでも追って公表する予定になっております。
本日の議題ですけれども、議事次第を画面表示させていただきますが、モデル・コア・カリキュラムキャッチフレーズ(案)についてが1点目、2点目としてモデル・コア・カリキュラム改訂に向けた基本方針(案)について、3点目として医師、歯科医師として求められる基本的な資質・能力(案)について、4点目、その他となっております。
以上です。
【永井座長】 ありがとうございます。
それではまず、議題1、モデル・コア・カリキュラムキャッチフレーズ(案)について、事務局から説明をお願いいたします。
【島田企画官】 はい。事務局の島田でございます。資料1を御覧ください。
前回、平成28年度に医学と歯学のモデル・コア・カリキュラムを改訂した際には、改訂の目指すべき方向性を示すためにキャッチフレーズを作成いただきました。前回のキャッチフレーズはこの資料1の3枚目にございます。
今回も、前回の改訂時に倣いまして、キャッチフレーズを作成してはどうかということでお諮りいたします。これが、前回のキャッチフレーズでございます。「多様なニーズに対応できる医師の養成」、また「多様なニーズに対応できる歯科医師の養成」でございました。
1枚目をお願いいたします。特に今回は、医学と歯学に薬学のコア・カリキュラムも加えまして、初めての3領域同時改訂でございます。ですから、医・歯・薬共通の改訂キャッチフレーズ(案)を作成いたしております。太字の部分でございますが、「未来の社会や地域を見据え、多様な場や人をつなぎ活躍できる医療人の養成」でございます。
少し長いですけれども、この「未来の社会や地域を見据え」につきましては、参考資料2を御覧いただければと思います。参考資料2は、モデル・コア・カリキュラムを活用して医学部・歯学部で養成される学生とその具体的な年限の関係をお示ししております。
1年間の周知期間を経て令和6年度1年生から順次学年進行に従って適用という御説明を前回の連絡調整委員会でもさせていただきました。改訂版モデル・コア・カリキュラムを活用して現場で教育をされるというところは、一番下の薄オレンジ色で示している矢印の期間でございますけれども、約3年後から13年後までの期間、教育現場で活用されることが想定されております。こういった教育現場で活用された後、この方々が卒業されて、医療現場や歯科医療現場で一人前となっていくのは臨床研修や専門研修などを経た15年後、20年後といったところまでが、このモデル・コア・カリキュラムが影響するところといたしております。
また、その頃の人口構造の変化につきまして、2枚目以降の資料でお示ししております。このグラフは、青色が14歳以下人口、薄オレンジがいわゆる生産年齢人口である15歳から64歳、黄色が65歳以上で高齢者となってございます。
この高齢者の増加について、この間2020年頃まで、団塊の世代の方々が高齢者となったことも影響し急増いたしておりました。また、2040年頃には団塊ジュニアの方々も高齢者になりますので、それ以降はこの高齢者数の伸びは鈍化して2040年頃がピークとなります。ただし、日本全体における高齢化率は2040年以降も増加していくことが予想されているところでございます。下には、字が小さいですが、高齢化率を黄色の四角囲みでお示ししております。2050年頃には37.7%ということで、平均して3人に1人以上は高齢者で何らかの疾病を抱えている可能性も高くなりますので、そういったことを前提とした教育を行う必要があるだろうということでございます。
加えまして、緑の折れ線は、黄色の高齢者人口を薄オレンジ色の15歳から64歳の生産年齢人口で割った生産年齢人口1人当たりの高齢者割合ですが、御覧いただきますと、2050年頃には2010年の2倍くらいになることから、生産年齢人口の負担は増えるということでございます。
次の資料は、国土交通省が作成した資料を引用しておりますが、人口の変化を1キロメッシュベースで分析したものでございます。2050年には、全国の居住地域の約半数で人口が半減するということでございまして、人口が増加することが予想されている地域は日本地図の中の赤い地域で全体の約3%ですが、こういった部分に限られるということで、国土の中で多くの地域で人口減少となります。
というわけで、ここからは変化の時代であることをお示ししておりますが、こういった人口構造の変化以外にも、資料1に戻っていただき、新たな感染症危機ですとか、またAIなどの新規技術の医療現場への台頭も進んでおりますので、これらの変化に柔軟に対応できる医療人の養成が必要であろうということでございます。
キャッチフレーズですけれども、そういった意味が「未来の社会や地域を見据え」というところに含まれておりますことと、また「多様な場や人をつなぎ」といいますのは、診療科や職種といった立場、または病院や地域といった場所も越えて連携して活躍できる人材を養成したいという趣旨でございます。
細字の部分につきましては、モデル・コア・カリキュラムに、このキャッチフレーズの説明書として記載することをイメージした説明文でございます。これは、医学、歯学、薬学それぞれの背景事情に応じた記載とすることを想定いたしております。
なお、薬学のコア・カリキュラムにつきましては、別途会議が設置されておりますので、そちらで別途議論をする予定となっております。
キャッチフレーズ(案)についての御説明は以上でございます。
【永井座長】 はい、ありがとうございます。
大変分かりやすい図でお示しいただけたと思いますが、いかがでしょうか。御発言のある方は、手を挙げるボタン、あるいは直接御発言ください。
【福井委員】 よろしいでしょうか、福井です。
【永井座長】 はい、どうぞ。
【福井委員】 十数年後まで今回のモデル・コア・カリキュラムを使うとすると、言葉のことで、申し訳ないですけれども、これは未来なのか近未来なのか。未来というと、もっと先のようなイメージを持つような気もしましたので、発言させていただきました。
以上です。
【永井座長】 いかがでしょうか。今から起こり始めている近未来、未来通じての社会構造の変化を十分に踏まえてということと思うのですが、事務局いかがでしょうか。
【島田企画官】 はい、ありがとうございます。2040年や2050年頃を未来というか近未来というかというところ、一般概念に照らして、現場の先生方にとって分かりやすいキャッチフレーズになるのがよろしいかと思っております。
【永井座長】 よろしいでしょうか。
私も事務局と議論いたしました。当面、学生が一人前になる教育を目指さないといけないのですけれども、今の学生たちが一人前になる2040年頃には、社会情勢とくに人口構成が大きく変わっていて、地域のあり方やそこで働く医師の役割も多分相当変わっていると思います。そのことを見据えて一人一人が研鑽しないといけないのではないかということで、この人口の問題を今日紹介していただきました。
いかがでしょうか。ほかにどなたか、御発言、御意見ございませんでしょうか。
【柳川委員】 よろしいでしょうか。柳川です。
【永井座長】 はい、どうぞ。お願いします。
【柳川委員】 前回の平成28年のキャッチフレーズの中にも「多様なニーズに対応できる」というものがございまして、今回はさらに「多様な場や人をつなぎ」ということで、これは、ニーズが多様化しているだけではなくて、いろいろな医療や介護に関わる多職種の中でゲートキーパー的な役割を期待されています。その素地を医学教育、歯学教育で行うということなので、大変いい内容だと思います。
ただ、説明の文章も文字数が大分増えているのと同じように、多様なニーズに応えられるということは、さらに教育内容の充実が必要であると考えますので、これまで議論されている、いわゆる総量のスリム化にはつながらないのではないかという印象を受けました。
以上でございます。
【永井座長】 ありがとうございます。南委員、手が挙がっていますが。
【南委員】 読売新聞の南です。
このキャッチフレーズの文章自体は非常によく練られていて、よくできていると思うのですが、もともと、この医学モデル・コア・カリキュラムなるものをどこに向けて発信するのかということを確認しておきたいと思います。今現在医療の世界にいる人なのか、それともこれから医学を学ぼうと思う人なのか、あるいは社会全般なのか、医学・歯学・薬学などの教育関係者の方に広く見てもらいたいのか。この文章は全体的をすごく総花的に捉えて書かれたもののように見えるんですけれども、社会全体に向けて書いたものという理解なのかどうかという点を伺います。
あと、キャッチフレーズというのであれば……、ですが前回のキャッチフレーズを踏襲しているとは思うのですけれども、かなり長いので、キャッチフレーズというよりは、しっかり読んでいただきたいイメージだと思います。丁寧な内容議論なのですから、キャッチフレーズは、医学モデル・コア・カリキュラムとは何なのかを、もう少し端的に言う努力も必要かという気はいたします。
以上です。
【永井座長】 ありがとうございます。北村委員、どうぞ。
【北村委員】 「多様な場や人をつなぎ活躍できる」というところは、前回のものを引き継いで大変いいと思うのですが、今、海外も見ていると、医療人そのもののダイバーシティが言われています。我が国では、自治医大や地域枠など多少ダイバーシティを確保するような取組がありますけれども、入学試験でいえば偏差値偏重の割とモノトーナスな人ばかりが医師になっているという批判もあります。もし可能ならば、多様な医療人を養成するというような、医療人のほうにもダイバーシティを求めるような言葉が入ったらよろしいかと思います。
以上です。
【永井座長】 はい、ありがとうございます。事務局、ここまでのところで何か御意見ございますでしょうか。
【島田企画官】 はい、御意見ありがとうございます。
まず、柳川委員のスリム化は難しくなるのではないかという御指摘は、大変ごもっともかと思います。今後、調査研究チームでもスリム化のための作業を進めていきたいと思っておりますけれども、具体的なスリム化に向けた御助言など、この連絡調整委員会からも御提案いただけると大変ありがたいと思っております。
また、南委員からの、このモデル・コア・カリキュラムは誰に向けたものであるかという御指摘でございますが、一義的にはこのモデル・コア・カリキュラムを参考にして、それぞれ医学部・歯学部の先生方がカリキュラムをつくられると思っております。
ただ、例えば、薬学やほかの学部の先生方も御覧になりますし、私ども行政もどういったことを医学部・歯学部・薬学部の学生たちが学んでいるのかを拝見いたしますし、また学生もどういったことがコアとして社会的もしくは医学・歯学一般に教育されることが求められているのかと確認することもあると思います。そういったように多くの人が参照しながら使う資料であると理解しているところでございます。
最後に、北村委員からの、多様な医療人の養成という意味合いを含められないかという御指摘ですが、これもまた御議論いただければと思いますけれども、今回、医学と歯学と6年制の薬学のモデル・コア・カリキュラムとキャッチフレーズを共通化したいというものでございます。薬学には6年制と4年制とがございますので、多様な医療人というと薬学のほうでは少し……、4年制との役割分担といいますか、すみ分けといいますか、そういったところの整合性がなかなか難しいというお話も伺っているところではございます。
ただ、これは、医学と歯学のモデル・コア・カリキュラムのキャッチフレーズに関する御議論の場ですので、どういったことが適正か、改めて御確認いただければと思っております。
【永井座長】 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
はい、齊藤委員、どうぞ。
【齊藤委員】 ありがとうございます。このキャッチフレーズを見たときに、製品というとちょっと語弊があるかもしれませんが、出来上がった医療人を示している文章のような気がします。今回の法改正も、医学教育のシームレス化といいますか、どんどん発展していけるような制度にしようという要素があるように私は感じています。その根幹をなすコア・カリキュラムですので、ぜひ、どこかに発展するような文言があるとさらにいいのではないかと思いました。
【永井座長】 ありがとうございます。いかがでしょうか、事務局。囲みの中に何かそういう一言を加えておくということでしょうか。
【島田企画官】 キャッチフレーズの太字の中に入れ込むか、もしくは説明文の中にそういった趣旨を記載するか、いずれかかと思います。太字の中に入れると、さらに長くなることも懸念されますので、御議論いただければと思います。
【永井座長】 いかがでしょうか。はい、どうぞ、福井委員。
【福井委員】 福井です。「未来の」というところに、変化するというか、変遷し続けるというか、何か変化という意味の言葉を置くのも一つの方法かと思いました。
以上です。
【永井座長】 ありがとうございます。いかがでしょうか、よろしいでしょうか。
(「なし」の声あり)
【永井座長】 取りあえず基本的にはこの枠組みで、少し文言等また御意見をお寄せいただくということで、キャッチフレーズについては座長預かりにさせていただけますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【永井座長】 ありがとうございます。追加の御意見等おありの方は、来週頭くらいまでに事務局に御連絡いただきたいと思います。それでは、そのように進めさせていただきます。
では、議題の2に参ります。モデル・コア・カリキュラム改訂に向けた基本方針(案)について、医学教育と歯学教育の各チームからそれぞれ御説明をいただきたいと思います。質疑応答は両チームの説明が終わった後に行うことといたします。
まず、医学教育について、調査研究チーム座長の小西先生、お願いいたします。
【小西調査研究チーム座長】 医学の調査研究チームの小西靖彦でございます。令和4年度コアカリ改訂に向けた基本方針の案について、簡潔に述べさせていただきます。
方針の案として、ここに挙げました7点を考えました。このうち7の歯学・薬学との一部共通化については、先ほど医学教育課から御説明がありましたので、本日は、次のページ以降のスライドで1から6について御説明いたしたいと思います。
一つ目の方針として、20年後以降の社会も想定した資質・能力の改訂を上げました。この次の議題で触れられる資質・能力の改訂として、まず「総合的に患者・生活者をみる姿勢」と「情報・科学技術を活かす能力」の2案を追加したものでございます。
人口構造の変化や多併存疾患などについては、先ほど医学教育課からの説明があったとおりでございますが、医療を取り巻く社会情勢は大きく変化することが想定されています。専門分化する医学の中で、患者の心理及び社会文化的背景や家族・地域社会との関係性を踏まえることのできる能力が重要であると考えました。
一方で、情報・科学技術の進歩は20年先を予測することすら困難です。想定外の発展をし続ける情報社会である点を理解し、人口知能AIなどを含めた科学技術を適正に活用して医療・医学研究を行っていく能力は、その背後にある倫理性を含めて重要であると考えます。
二番目に、平成28年度の改訂で導入の端緒をつけていただいたアウトカム基盤型教育について、今回の改訂でさらに展開・充実を図りたいと考えております。
後ほど御説明する10の資質・能力に学修目標をひもづけてまいります。従来Aとされていた資質・能力の部分は独立した章とし、それぞれの資質・能力に対する到達目標、いわゆるIntended Outcomeを記載するイメージでございます。1例ですが、例えば2年次や臨床実習前もしくは臨床実習後などで到達目標としての評価を行うのか、こういうところを今検討しております。資質・能力のうちの知識の部分、例えば専門知識に基づいた問題解決能力という名前にしておりますが、この資質のパートは、従来のBからFの大部分が移行すると予想されます。この際、学修目標の抽象度――従来のような大項目、中項目、小項目の構造のことですが、これは保持して、CBTとの関係性を原則踏襲したいと考えております。臨床実習は、旧ガイドラインでも多くが記載されていました。これらを方略と評価の章の中で発展させたいと思います。
以上を踏まえて、資質・能力、目標、方略、評価の構成にしたいと考えているところでございます。
なお、方略と評価の部分においては、推奨と例示を中心として網羅的あるいは詳細な記載をすることは考えておりません。方略と評価は各大学の自主性をやはり尊重すべきところがあるかと思います。例えば、資質・能力の方略例として、基礎系実習の方略などのグッドプラクティス例示なども想定しているところでございます。
三つ目として、本年5月の医師法等改正を含む制度との整合も重要な点だと思います。
医学生の医業については、今後厚生労働省で協議が行われると聞いておりますので、ここと整合を取りたいと思います。臨床実習と卒後研修のシームレス化として、実習と研修を一体的に記載し、実習前、実習後、研修後をマイルストーン的な表現にすることを考えています。この点については、厚生労働省及び卒後研修に関する組織と十分相談しながら進めたいと思います。
四番目の学修者評価においては、コアカリの学修目標、国家試験の出題基準、共用試験の学評などの動きを受けて、記載してまいりたいと思います。さらに国際標準、具体的にはJACMEの領域2と3となると思いますが、こことの齟齬がないことは重要です。様々な医学教育の部門との整合を重視して、これまでも、またこれからも対応を続けてまいりたいと思います。
コアカリのスリム化は古くからの課題ではあります。医学の進歩によって足すものが間違いなく増えていく中で、何を減らすかについてチームで考えていきたいと思います。
五番目です。コアカリは臨床医育成の分脈が強いとも言われますが、基礎系のみならず、臨床や社会医学系の研究者の育成をも視野に入れて、リサーチマインドを持った医学生・医師を育成し、多彩なキャリアパスを考慮に入れたコアカリにしたいと考えております。
六番目、最後に、私たちがともすればなりがちな意見に基づいたコアカリ改訂だけではなく、医学教育にあるベストエビデンスと教学データに基づいた科学的なアプローチから考えてまいります。海外の状況をただまねるのではなく、海外の状況を参照して我が国らしいコアカリとしたいと考えているところです。この点で、今年度で調査をいたしました海外のコアカリ等の研究について、参考資料におつけいたしました。
次のページをお願いいたします。ご審議いただきたいことも少しまとめてみました。
1番の資質・能力の改訂については、次の議題となりますので、ここでは省きます。
2の学修目標を資質・能力にひもづけて記載する構造へと変更することについて、今述べましたように、資質・能力を独立した章とし、学修目標・到達目標とひもづけたいと考えております。繰り返しますが、学修目標の抽象度は平成28年度版を踏襲することを考えているところです。
3番、コアカリに方略と評価を含める場合、どのような構造や範囲が望ましいかについてご審議いただければと思います。調査研究チームとしては、独立した章立てを想定しております。方略、評価の章では、網羅的な記述ではなく推奨と例示の形態を考えているところでございます。
4番、臨床研修との一貫性について、実習と研修の到達度をマイルストーン的に記載することについては、厚生労働省臨床研修班と十分に対話を続けたいと思います。この点もご議論いただければと思います。
5番目、コアカリの評価では、国家試験・共用試験の動きを受けて整合を取りたいと考えております。
最後に6番目、スリム化の方策と電子化についてでございます。コアカリのスリム化は誰もが総論で賛成をしていただけるのですが、加えるばかりで、同時に減らす項目を話してくれる人は実はほとんどおられません。ぜひ、具体的な意見があればよろしくお願いいたします。また、紙媒体の重要性はデジタル時代の書籍の重要性と同様でございます。一方で、先ほども出てまいりましたように、コアカリの読み手という面から、例えば大学のプログラム責任者や学生自身などが見て役に立つようなものをつくり、この点で電子化による利便性も方向として考えたいと思っております。
最後に、研究者育成の視点をコアカリにおいて充実させる方策について、ご意見をいただければ幸いです。
ここまでが私からのお伝えでございます。永井先生、どうもありがとうございました。
【永井座長】 はい、ありがとうございました。続きまして、歯学教育について、調査研究チーム座長の河野先生から御説明をお願いいたします。
【河野調査研究チーム座長】 それでは、調査研究チームで検討いたしました改訂に向けての基本方針(案)について御説明いたします。医学の小西先生と重複するところもございますが、そこの部分は簡単に御説明をしたいと思います。
基本方針(案)として、スライドに示す5項目を考えております。一つは「基本的な資質・能力」の実質化、超高齢社会を踏まえ修得すべき基本的事項の再整理、方略・評価の方法、医学教育課から御説明がございました一部共通化、あとは総量の適正化の検証、この5点を考えております。
まず、「基本的な資質・能力」の実質化についてです。
平成28年度版コアカリからアウトカム基盤型カリキュラムへ移行し、歯科医師に求められる資質と能力が示されています。今回は到達目標として、卒業時点で歯学部を卒業するとこのようなことができると具体的な内容を示したいと考えています。
右上の吹き出しにイメージを示しました。これは、生涯にわたって学ぶ姿勢についての例です。まず資質・能力の説明文、その後に卒業までに獲得する個別の行動目標を示してはどうかと考えております。これについては後ほど御議論いただければと思います。
2番目としまして、ニーズを反映した学修目標の強化です。昨年度のアンケートで多くの回答者から御指摘いただきましたスライドに示す内容について、強化する方向でコアカリの改訂を考えています。診断能力や臨床推論などは学部教育での到達レベルを検討して、学修目標だけではなく学修方略の例示を示すなどで対応できないかと考えております。
次に、診療参加型臨床実習の充実による資質・能力の向上についてです。これについては5項目を考えています。
まず、臨床実習開始前と卒業時に身につけておく能力の到達レベルの明示を考えております。このスライドにはそのイメージを示しました。ここで示している資質・能力は次の議題の内容となっておりますので、御了承ください。コアカリで示された資質・能力は生涯にわたり研さんしていくものと理解しており、臨床実習開始前、卒業時点での到達すべきレベルを示してはどうかと考えています。例えば5、小西先生も問題解決能力のところをお話ししましたけれども、5の専門知識に基づいた問題解決能力としますと、臨床実習前には全ての学修目標の内容が説明できる、卒業時には学んだ知識の臨床現場での応用方法を知っているなど、到達レベルと文言はこれからの検討になりますが、このように示せば教育現場では教育がしやすくなるのではないかと考えました。また、臨床実習が連続的にもつながると考えております。この点についても、後で御議論いただければと思います。
そして、2ポツ目ですが、平成28年の改訂版コアカリでは、F領域はシミュレーション実習、G領域では臨床実習を大項目として学修目標が示されています。シミュレーション実習、学修目標は学修方略の方法の一つと位置づけて、この二つの大項目を統合して発展的に学修目標を見直したいと考えています。
次いで、3ポツ目ですが、学生の歯科医業の法的位置づけに向けて、現在の臨床実習が変わることが想定されています。そこで、参加型臨床実習の実質化が進むように、学修目標の臨床実習の内容と分類、学生がどういう診療内容をするかというところを見直していきたいと考えています。
また、現在のA領域の資質・能力とF領域、G領域との整合性が十分取れていないように思いますので、その点もきちんと整合性を確保する予定でございます。
5ポツ目ですが、現在ある参加型臨床実習を実施するためのガイドライン(案)は、実際はあまりに今活用されていないようですので、活用されるように改訂をしたいと考えています。幾つかの大学にインタビューを行い、検討を進めているところです。
次の次のスライドですが、超高齢社会を迎え、その対応の強化が必要と考えます。
摂食嚥下障害――オーラルフレイル、口腔機能維持、口腔衛生管理の学修目標の見直しや追加、それから急性期から慢性期へのシームレスな口腔機能管理、口腔衛生管理などの制度的な面を含めた学修目標を取り入れていきたいと考えています。患者への対応、患者への心理的ケアに関しましては、全ての患者さんに共通したものでございますが、ここにも特出しする方向で学修目標を加えたいと考えています。さらに多職種連携の基本となる医学的知識は、前回医学教育チームからの御助言をいただきながら決定したそうですので、今回も御助言がいただけるなら、その御助言を基に歯科医師に求められる医学的知識の再整理を行っていく予定です。
三つ目ですが、先ほど医学の小西先生からもお話がありましたが、学修方略と学修評価の追加です。
歯学のほうは、態度、技能を中心に、推奨とグッドプラクティスの例示を示したいと思います。29歯科大学、歯学部の教育環境は異なりますけれども、少し工夫すれば実施できるものを示すことにより、多くの大学で推奨される学修方法や適切な評価が取り組みやすくなるものと考えます。
①は、学修の統合に関しまして、前回のこの連絡調整委員会でも多くの御意見をいただきました。歯学教育のコアカリでは、学修の統合が図れるような学修目標がありませんでしたので、垂直的・水平的統合が必要な学修目標として、中項目に、まだ仮ですけれども、「症状からのアプローチ」、「臨床推論」などを追加したいと考えています。吹き出しにそのイメージを示しました。中項目の症状からのアプローチです。これは、主な病状の症状の原因、分類、診断と治療の概要を各分野統合して学ぶことによって、診療の基本を理解することを目標にしたものです。
また、平成28年度改訂版コアカリで追加された地域包括ケアシステムの学修ですが、知識レベルの学修は十分に行われているものの、実際の現場での教育はなかなか進まないのが現状です。今回の臨床研修の改訂では、在宅・訪問歯科診療が強化されています。そこで、学部教育でも、その研修につながるようなグッドプラクティス――よい例示ですが、これを示すことができればと考えています。
4番目は、先ほど医学教育課から説明がありましたように、今回もコアカリの一部共有化を図りたいと考えています。
コアカリの構造ですけれども、先ほど小西先生からもお話がございましたように、4章立てにすることを考えております。第1章として資質・能力、第2章を学修目標、第3章を学修方略、ここに診療参加型臨床実習のガイドラインを含んではどうか。また、第4章に学修評価で4章立てにしてはどうかと考えています。
ただし、学修方略、学修評価に関しましては、網羅的に記載するのではなく、態度・技能領域を中心に掲載したいと考えています。その点も後で御議論いただければと思います。
最後に、総量の適正性です。
コアカリはカリキュラム全体の60%の時間数として、学修目標を厳選します。情報社会に対応した情報リテラシー教育、また最新度のデジタルデンティストリーのような新しい技術も、削るところは削って追加する予定でおります。
平成28年度改訂では、スリム化を行うために小項目の統合と抽象化が行われましたが、今回は、総量の適正化を考えながら、その抽象度の調整と評価すべき項目について、学修目標にどのように反映させるかを検討いたします。
今回御議論いただきたい項目ですが、まず、資質・能力、学修目標をコアカリの中でどのように位置づけるかについて。それについては、卒業時点での到達目標を明示することについて、九つの能力の臨床実習前、卒業時の到達レベルを明示することについてを御議論いただければと思います。
次いで、2番目のコアカリの学修方略と学修評価を含めることについて、含める場合はどのような構造や範囲が望ましいか、また、F領域、G領域、シミュレーション実習や臨床実習の大項目の取扱いについても御意見をいただきたいと思います。
3番目は、先ほど言いましたように、4章立てにすることについてです。
また、2番目としましては、今回アンケートから抽出されました学修目標の強化すべき事項について、超高齢化社会に向けた対応、感染対策、情報リテラシーについての御意見をいただければと思います。
よろしくお願いいたします。以上です。
【永井座長】 はい、ありがとうございました。
これから質問をお受けいたしますが、本日欠席の山口委員から、事前に御意見をいただいております。事務局から紹介をお願いいたします。
【小松﨑課長補佐】 それでは、山口委員からの御意見を紹介させていただきます。
医科と歯科それぞれあります。まず、医学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に向けた基本方針について。
20年後の社会を想定した資質・能力を視野に入れて改訂するとなると、考え得る幅広い分野が想定されることになると思います。その一方で、コアカリのスリム化を図るとなると、どの部分をコアカリから外していくのか、非常に難しい判断になるのではないかと思っております。特に医学に関係する様々な分野の方にとっては、それぞれの専門分野こそが重要だと考えて診療、研究、教育に従事されていると思うだけに、コアカリから省く対象になることの了解を得るのは至難の業と考えます。それだけに20年後の社会をどのように想定するのか、まずはそこを明確にすることが肝要かと思いました。
続きまして、歯学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に向けた基本方針(案)についての御意見です。
資料2-2の4ページにある超高齢社会を踏まえ習得すべき基本的事項の再整理にある、超高齢社会への対応の項目は、これからの社会を考える上で歯科領域にも欠かせない内容と考えます。しかし、これまでの歯学教育においては、さほど重点を置いて教育してこなかった分野ではないかと思います。歯科治療は、処置中心の急性期治療から慢性期治療へと変遷を遂げている中で、この項目についてはしっかりとコアカリに組み込んでいく必要があると思います。
以上です。
【永井座長】 はい、ありがとうございます。
それでは、御質問をいただきたいと思いますが、先ほど説明にありました医師・歯科医師として求められる基本的な資質・能力については、次の議題で質疑いただければと思います。いかがでしょうか。
【小川委員】 よろしいでしょうか。
【永井座長】 どうぞ。
【小川委員】 私立医科大学協会の小川でございます。
皆さんまとめていただいたこの研究チームの内容につきましては、非常によくまとまっていてよろしいかと思いますけれども、ちょっと視点を変えて総論的なことを御質問します。
幾ら、専門教育を充実して有能な技能や知識を持った医師を養成したとしても、患者や家族の痛みを感じられないようなお医者さんには診てもらいたくないと思います。そういう意味では、人間教育というところが抜けているのではないかと思っております。
全国80大学の学則――通則とも言いますけれども、その第1条を見てみますと、例えば国立大学では、学術の理論及び応用を享受・研究し、その深奥を究め、または高度の専門性が認められる職業を担うため、深い学識と卓越した能力を培い文化の発展に寄与することを目的とする。」とされており、国立大学の通則・学則は、ほとんどこの文言でつくられています。ここでは、一切人間教育に触れられていないわけでございます。一方、私立医科大学29校の学則を見ますと、開学の理念から人間教育のことをほとんどの大学でうたっております。
そういう意味では、先ほどのキャッチフレーズの中頃に、「医療者として根幹となる資質・能力を醸成し」という言葉がございます。それから、基本方針の中にも、3ページでしょうか、資質・能力の改訂のところに、「総合的に患者・生活者をみる姿勢」と載っておりまして、これをもう少し膨らませていただけないかと思っているところでございます。
例えば、先ほども申し上げましたように、私立大学では、開学の理念を学則の第1条にうたって、ほとんどの大学で人間教育について文章化されているわけであります。国立大学の中で唯一学則が少し違っているのが東京医科歯科大学でございまして、東京医科歯科大学の学則第1条には、「本学は医学及び歯学の理論並びに応用を享受・研究し、併せて人格の陶冶をなすものである」と。この「人格の陶冶をなすもの」というような言葉は、ほかの国立大学にはほとんど出てまいりません。私大では、ほとんどの大学で学則の第1条にそのような文言が使われておりまして、御紹介をいたしますと、「人格の陶冶」、「幅広く深い教養」、「豊かな人間性の涵養」、「人道に根差した」、あるいは「教養の高い人材育成」、それから「高い倫理性」、「道徳的能力の涵養」、「崇高な人類愛」、「健全な良識」、「まことの人間の育成」と、人間教育のことを必ず学則の第1条に入れているわけであります。
そういう意味では、前回の28年改訂のモデル・コア・カリキュラムの中にも、各論としてのこういうことを勉強しなさいということはあるわけですが、基本的に患者の痛みを理解できない、あるいは患者家族の痛みを理解できない医者を幾らつくり出しても、医者としては未熟でございますから、ぜひモデル・コア・カリキュラムの中に、このような人間教育、そして人格の陶冶等々の具体性を持った内容を盛り込んでいただければありがたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【永井座長】 ありがとうございます。今の点、小西先生、河野先生、いかがでしょうか。
【小西調査研究チーム座長】 よろしいでしょうか。
【永井座長】 はい、どうぞ。
【小西調査研究チーム座長】 まず、医科のほうからお話しさせてください。
小川先生のおっしゃることは本当にもっともだと思います。よくまとまっているという御指摘をどうもありがとうございました。
小川先生のお言葉の中で、有能な、でも患者の痛みは分からないと出てまいりましたが、まさにそこでございまして、私どもとしては、痛みの分からない者は有能とは呼ばないという立場でコアカリをつくっております。能力とは知識だけではもちろんございません、技術だけではございませんというところを含めて、この後にまた議論される10の資質・能力、その最も上のところにプロフェッショナリズムを置いているのは、まさにそのところでございます。
今その説明の文章もつくっているところでございますが、ここに私どもが記載しようと思っているのは、まだ案の段階ではありますが、「人の命に深く関わり、健康を守るという医師の職責を十分に自覚し、多様性と人間性を尊重して利他的な態度で診療に当たりながら、医師としての道を究める」というようなことを申し上げようと思っております。
また、長くなって失礼ではございますが、資質・能力のほかにコミュニケーションや社会における医療などなどが入っておりますのは、アウトカム基盤型にする一番の大きい理由がそこでございますので、今の小川先生の意見を受けて、ますますそこを深めて書いてまいりたいと思います。
なお、ここはコアカリでございますので、学則についてはJACMEが恐らく個別の大学を審査されると思います。ここについては、コメントを差し控えさせていただきます。
ありがとうございました。
【永井座長】 河野先生、お願いします。
【河野調査研究チーム座長】 歯学の河野です。いろいろ御意見ありがとうございます。
小西先生と同じ考え方でございます。今回、資質・能力のところを1章立てにして、その資質・能力をメインにコアカリの学修の目標に置いた意味は、人間性教育を十分にしようという意味合いを込めてでの対応だと考えていただいたほうがいいと思います。
それから、先ほど歯学では到達目標を決めましょうということをお話ししましたけれども、その到達目標の中に、先ほど小川先生の言われた人間性や患者の痛みが分かるというような文言をぜひ入れたいと考えております。
以上です。
【永井座長】 ありがとうございます。羽鳥先生、手が挙がっておりますが。羽鳥委員。
【羽鳥委員】 小川先生がおっしゃったことはまさにそのとおりですけれども、例えば、僕は今専門で総合診療の院長をやっているのですが、総合診療を目指してくださる先生が、9,500人の専攻医の中でたった200人しかいません。これは、一つには、大学の中で総合診療を講座として持ってくださらないところがまだあるということもあるかと思います。この基本方針の中にこのようにうたわれている以上、ぜひ総合診療のことについても御配慮いただきたいとも思います。
もう一つ、CBT・OSCEがCATOの方で始まって、数年後にはこれが実施されてStudent Doctorが制度として出来てきますがも、そうすると、少なくとも学部4年の修了時には今ここで述べられたようなコアカリの内容を理解していなければいけない。そういう意味では、相当スリム化とは逆の方向のことが要求されるんだろうなと思いますので、総量の抑制はどのようにするのか、きちんと目標を立てていかなければ難しいのだろうと思います。
そしてさらに、小川先生も述べられた、いわゆる医療の倫理ですね。倫理の面を学ぶ場は、かつては教養課程があって2年間じっくり、それこそ人格の陶冶が行われたと思うのですが、今は入ると同時に解剖などが始まってしまうわけですから、倫理を学ぶ場が1年とは言わずに5年、6年でもいいので、医療の倫理を勉強する場をつくってほしいと思います。それをぜひ堂々とうたってほしいと思っています。IPSやDesigner Babyなど遺伝子をいじれる時代になってきましたら、そういう医療倫理を理解できる医師になってほしいとも思います。今もなお、破廉恥罪あるいは酔っ払い運転で捕まるような医師もいますので、倫理の問題は常に学ぶ場が必要です。
もう一つ、IoT、AIのことですが、これは、本当に世界に追いつき追い越していかねばならないところですので、そういう意味では、この辺のことをぜひ入れていってほしいと思います。そして、いわゆる統計学的な考え方、疫学的な考え方、これらをきちんと研究して、自分たちのやっている診療そのものがEBMにつながるように、情報リテラシーの考え方はとても大事だと思いますので、ぜひ御検討ください。
以上です。
【永井座長】 ありがとうございました。小西先生、手を挙げられましたか。
【小西調査研究チーム座長】 お答えいたしましょうか、それとも御質問をしましょうか。
【永井座長】 どうぞ。
【小西調査研究チーム座長】 羽鳥先生、どうもありがとうございました。
今、4点あったかと思いますが、専門医の中で総合診療の話が出てまいったと思います。多くの大学には総合診療科がございますが、ないところもございますということは各大学にあろうかと思います。ただ、どういう状況であろうと、6年間を経て卒業させる学生や卒業生に総合診療的あるいは総合的な診療能力を身につけることは当然でございますので、それぞれ方略のところを含めて、どの診療科がどのようなことをしなければならないのか、それは専門だけではなくて、専門も教える必要があると思いますが、ベースのところをどう教えるかということは、方略にやはり書くべきところと思います。御意見、大変ありがとうございました。少し考えてまいります。
2番目のStudent Doctorでますます膨れていくとスリム化をどうするのかということに関しては、先ほどの山口委員の御質問とも重なりますので、少しまとめてと言うと失礼ですが、合わせてお答えすることになろうかと思います。この世の中ですので、増えていくものはありましても、減らすものは難しいということがございます。私どもが今つくっておりますチームでは、スリム化パトロールチームなるものを作ることを考えておりますが、何を削ってというところはなかなか難しいところでございます。
二つの考え方がありまして、あまり細かくまで書かない、少し抽象化するという書き方も一つのスリム化のテクニックではございます。ただ、そうしますと、CATOとのいろいろな、CBT等の出題基準あたりで引っかかるところもありますし、このあたりは考えながら進んでいかなければいけません。海外でも、ここまで細かく書いているところは少なく、シンガポールなどはどうもあるようですが、あまり多くはないと聞いております。
これが1点目のやり方ですが、ただ、中には、やはり専門医レベルの非常にまれな疾患があるわけです。こういうものについて、学生レベルではここまででいいのではないかという考えはあってしかるべきかと思っております。別に専門医が悪いという言い方ではございませんが、専門の人たちはどうしても新しいものを入れていく流れになりますので、6年生でどこまでが必要かということは考えていくべきで、今回これには少し力を注ぎたいと考えております。
それから、3番目は倫理ということが出てまいりました。また、4番目には科学技術の問題が出てまいりました。倫理あるいはそれを学ぶことに関しては、現在のコアカリにも書いてはあります。書いてはありますというか、実は結構しっかり書いてあるのです。ただ、それがどの大学でどのくらい行われているかということについての検証、あるいは教養教育が少なくなってまいりましたが、羽鳥先生御指摘のように5・6年でどうするのかということに関しては、考えていくべきところがあると私も思います。ここについては、やはり方略のところを含めて展開が必要と考えています。
科学技術、情報に関しては、先ほど申しました6番目のコンピテンス、資質・能力というところで、発展し続ける情報社会を理解して人工知能を含めた高度科学技術を活用しながら、医療・医学研究を再展開するということで今考えております。統計や疫学については、今かなりのことがコアカリに書かれておりますが、これから起こることに関してはそれぞれに対応していくことになります。どういうものが来ても、例えば去年のコロナもございますが、いろいろなものが来ても対応できるようにということは、なかなか難しいのですが基本に入れているところでございます。
羽鳥先生の御意見ありがとうございます。ぜひ、そういうことを考えてつくってまいりたいと思います。ありがとうございました。
【羽鳥委員】 ありがとうございました。
【永井座長】 北村委員、どうぞ。
【北村委員】 今のディスカッション全部、スリム化、あるいは今から起こることに関係することです。学修方略を述べるとのことですが、その中に、ぜひぜひアクティブ・ラーニングを明記してください。
私は、前回のコアカリを作成した経緯で大きな反省点を持っています。症候学のところで、発熱を起こす疾患はこうこうこういうものがあるというようなことまで書き込んでしまったんですね。それで学修がどうなったかというと、発熱を起こす疾患はこれだということをみんな覚えている、医学の学修とは覚えることだと誤解されるくらい、皆さん覚えたわけです。
それくらい影響力があるのはいいことなのですが、今回は、ぜひ自ら学ぶことを。具体的には、PBLやTBL、それから反転学習などがあります。そして、評価も、何を知っているかではなくて、どのように学んだか、あるいはワークプレスで評価するなりして、その思考、頭を使っているかどうかを評価してほしいと。そのようにすればカリキュラムをスリムにすることも可能ですし、最後におっしゃった今後起こってくる未知のイベントにも対応できる人ができるはずです。文科省も得意だと思うので、考える力あるいは生きる力といわれるようなアクティブ・ラーニングをしっかりと明記し、それを評価していただきたいと思います。
以上です。
【永井座長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
【柳川委員】 柳川です。よろしいでしょうか。
【永井座長】 はい、どうぞ。
【柳川委員】 ありがとうございます。先ほどキャッチフレーズのところで、多様なニーズ、多様な場や人をつなぎ活躍できるというと教育内容はかなりまた深まると思うので、スリム化は難しいのではないでしょうかと申し上げましたけれども、言いっ放しではいけないので、少し意見を述べさせていただきます。
特に歯学教育の今の御説明の6ページに、方略と評価の追加のところで、②として、地域包括ケアシステムの充実のため云々とあって訪問診療などの記載があります。ニーズが多様化して、歯科医療の受療が困難な方、歯科医療機関にアクセスができない、あるいはアクセスできても治療自体が難しい方が増えますので、そこへの対策は当然必要だと思います。特に地域包括ケアシステムの中でしっかりと稼働できる歯科医師の養成は重要なのですが、学部教育では、とにかく基本的な部分を抑えておくことだと思います。結局、卒後の教育や研修が非常にまた重要になってくると思いますので、文部科学省と厚生労働省がしっかりと連携して、卒後教育、生涯教育、臨床研修はもちろんですけれども、そういったところを一貫した優れた医師・歯科医師の養成という視点を持って計画を立てていくことが学部教育のスリム化につながるのではないかと考えました。
以上です。
【永井座長】 ありがとうございます。前田委員、どうぞ。
【前田委員】 新潟大学の前田でございます。
歯科のことでお聞きしたいんですけれども、3ページのスライドで、F領域とG領域を方略と捉えてF・G領域の発展的解消と書いてありますが、医科と歯科の教育の一番大きな違いは、学士課程での技能教育度合いだと思います。ここを方略と捉えるとなると、7ページの下のほうの図では、第3章のところに学修方略は入ってくるかと思うのですが、ここではグッドプラクティスの記載例となっています。歯科の一番大事な技能教育のところを、コアカリではどのような改訂としてお考えになっているのか読み取れなかったのですが、そこについて伺います。
【永井座長】 河野座長、どうでしょうか。
【河野調査研究チーム座長】 前田先生、ありがとうございます。現在のところ、FとG領域にある診察技能を一つ、診察技能という大項目にして、FとGに書かれているところをまとめていきたいと。それと、方略のところにシミュレーション実習、臨床実習を入れて、その臨床実習ではこれらの到達目標を学修するためにいわゆる臨床実習をするのだということ、それと、推奨またはグッドプラクティスの例をその第3章のところに書きたいと考えております。ですから、臨床実習を軽視するわけではなくて、むしろ今あるものが方略だという位置づけで、臨床実習でどういう目標に到達できるのか。例えば第1章の資質・能力のところも記載をしながら、発展させていきたいと考えております。
以上です。
【前田委員】 Fのシミュレーション実習は先回の改訂の時までのコアカリにはなかったんですね。前回のときに、いわゆる座学だけではなくて臨床実習に上がる前にということを入れたと思うんですけれども、そこら辺の区別をきちっとしておかなければ、現場で混乱すると思っています。
もう1点よろしいでしょうか。
【永井座長】 はい。
【前田委員】 コアカリと国家試験の出題基準の関係を見ると、旧B領域といわゆる衛生・社会歯科学系の量的ギャップが非常に大きいです。国家試験のほうは非常に多くて、コアカリでは非常に少ないと。ここを充実化させていくと、また逆に総量のスリム化ができないことになりますけれども、ここについて何かお考えはございますか。
【河野調査研究チーム座長】 ありがとうございます。よくよくBとCを見ますと、表記されている抽象度が大分違います。ですから、できるだけその抽象度をそろえてスリム化ができる方向で示していきたいと考えています。先生のおっしゃるように、国試とコアカリの分量的な問題はあると思いますし、B領域のほうが非常に多くなっておりますので、その部分は減らすというか、スリム化する方向で議論をしていただいているところです。
以上です。
【永井座長】 よろしいでしょうか。福井委員、どうぞ。
【福井委員】 また議論を元に戻して申し訳ないんですけれども、最初に、今回審議してほしいという項目につきましては、全体的には私は異存ございません。
ただ、一番大きな問題が小川先生のおっしゃったところです。私自身、卒後研修の目標をつくるに当たり、利他的な態度や人間性の尊重などを含むプロフェッショナリズムを最前面に持ってきました。先ほどのキャッチフレーズもそうですけれども、プロフェッショナリズム的な、人間性または利他的といった言葉が入った、重みのある医師をつくるというようなキャッチフレーズがどこかにあってもいいのではないかと思います。確かに、時代の最先端を行くような部分ではないかもしれませんが、臨床医としてのコアになるところが入るといいと思っています。
以上です。
【永井座長】 小西座長、いかがでしょうか。河野座長もお願いします。
【小西調査研究チーム座長】 小西でございます。福井先生、ご指摘大変ありがとうございました。この件についても少しお話を私どもしたところでございますが、福井先生に全く賛成でございます。先ほどの小川先生のおっしゃったこともそのとおりです。やはり人間性あるいは利他性などを含むものが欠けていて医師とはとても言えないというところには、大賛成であります。
あと、どう書くかというところで、今回、九つから十にいたしましたが、十並べたいわゆる資質・能力というものにプロフェッショナリズムを入れるかというところも出てまいるかと。例えば、前文のところにもっと大きく、あるいはキャッチフレーズでもいいのですが、書き込む。資質・能力を要素主義的に取るかどうかというところもあるかとは思います。その要素主義的にいくと、倫理的な態度のような言葉がこの1番のところにはふさわしくて、プロフェッショナリズムはもっと上の概念だという言い方が、私としても成り立つことはよく理解しております。
ここについては、他領域との話合いの中で、冒頭のプロフェッショナリズムという名前がここに置かれているのですが、私どももよく考えて、あるいはどこの部分にこの表現をもっと入れていくか。先ほどの繰り返しになりますが、人間性あるいは利他的な、あるいは社会の一部である医師というようなところを出すように、少し考えたいと思います。
御指摘ありがとうございました。それとともに、ここは、ぜひ卒後のところともまた相談をさせていただきたいと思います。恐らく思うところは違ってないと思いますので、表現の仕方についてよく考えてまいりたいと思います。
【永井座長】 柳川先生、いかがでしょうか。
河野先生、お願いします。
【河野調査研究チーム座長】 河野です。おっしゃるとおりでございますし、今現在、医科と歯科と薬学の3領域でこの資質・能力のところを話しております。その話合いの中で、先ほど御指摘いただいた点をどのところに入れていくかということは検討していきたいと思います。御指摘ありがとうございました。
以上です。
【永井座長】 江藤委員、どうぞ。
【江藤委員】 今までの御意見とは違う角度ですが、医学のほうの基本方針の6番「根拠に基づいたコアカリ内容」という中で、海外の状況を参照していることとなっておりまして、参考資料の3に、海外プロジェクトチームによる報告がされております。短期間の間に大変よく調査をされていると思うのですが、ここから先、少し唐突な意見かもしれませんけれども、日本の医療の世界水準ですね。古いところではWHOの調査で世界1位でございます。それから、2010年のニューズウィークでもやはり1位です。その日本の医療を支えているのが日本の医学教育でございます。
なぜこんなことを申し上げるかといいますと、令和2年度に、医療先進国と比較した日本の医療の強みを明らかにする調査をやっております。これは、経産省の補助事業でMedical Excellence Japanが取りまとめたもので、日本の医療機器・医薬品を海外展開する場合に、日本の医療の強みを再認識する必要があると。そういったことからやった事業でございます。調査の内容の評価委員は、例えば、国立国際医療研究センターの國土理事長、日本病院会の相澤会長、日本医師会の今村副会長、慶應の北川病院長、東大の瀬戸病院長、PMDAの藤原理事長、日本医学会の門田会長、国立大学病院長会議の山本修一会長、それから厚労省からは迫井審議官で内閣府官房からはモリタ次長が出ていらっしゃいます。
こういったことで、日本の医療の強みがあるのであれば、改めて日本の医学教育の強みを調査・検証してはいかがかと。というのも、日本に向かってくる医学部・歯学部の留学生が漸減しております。そういったことも含めまして、もう一度この調査をして、日本の医学教育のよさを再認識する作業が今からの改善・改革につなげていくことには重要ではないかと思われます。ぜひ御検討いただきたいと思っております。
以上でございます。
【永井座長】 ありがとうございます。
時間が迫ってきましたので、この件はここまでとしたいと思います。追加で御意見おありの方は事務局に御連絡いただければと思います。
各調査研究チームにおかれましては、ただいまいただいた御意見を踏まえて調査研究を進め、コアカリ素案をまとめていただき、次回の本委員会で議論をしたいと思います。ありがとうございます。
続きまして、議題3に参ります。医師、歯科医師として求められる基本的な資質・能力(案)について、事務局から説明をお願いいたします。
【島田企画官】 はい、事務局から御説明いたします。資料3でございます。
この医師、歯科医師として求められる基本的な資質・能力(案)につきましては、医学教育のチームが中心となって、歯学・薬学チームも一緒に資質・能力を共通して作成することができるかということで検討いただいてきておりますが、領域をまたぐ内容となってございますので、事務局から御説明させていただきます。
資質・能力の変更案についてのポイントは、三つございます。
赤四角囲みの部分が次期モデル・コア・カリキュラムでの資質・能力(案)ですが、薄黄緑色になっているところは前文に記載したいという御提案でございます。医療・歯科医療の質と安全の管理とプロフェッショナリズムにつきまして、資質・能力の前文に格上げして記載させていただきたいということでございます。
まず、医療の質と安全の管理につきましては、個々の資質・能力、コンピテンシー、アウトカムよりも上位に置かれるべき概念ということ、またプロフェッショナリズムにつきましては、先ほど来、小川委員、羽鳥委員、福井委員からもその重要性について御指摘があったところですが、卒後の医師・歯科医師臨床研修の到達目標のところが、右から二つ目のカラムに書いておりますが、社会的使命や公衆衛生への寄与、利他的な態度、人間性の尊重、自らを高める姿勢といったものを広義に捉えると、資質・能力の上位に置かれるべき概念との考えから、前文にも記載するという案となってございます。
次に、赤字の部分でございます。先ほど医学教育調査研究チームの小西先生からも前の議題で御説明があったとおりですが、「総合的に患者・生活者をみる姿勢」と「情報・科学技術を活かす能力」、この二つの資質・能力の追加という案でございます。
まず、「総合的に患者・生活者をみる姿勢」ですが、さきのキャッチフレーズ等で御説明いたしましたとおり、今後多疾患併存などが今よりもさらに当たり前となることに加えまして、小川委員からも御指摘いただきました人間教育ですが、準備教育、教養教育は、前回改訂時からモデル・コア・カリキュラムの外ということで外れておりますけれども、医学もしくは歯学の専門教育の中でも患者の心理や社会・文化的背景などとの関係性も踏まえて、また疾患のない生活者も含めて見ることができるようにという趣旨で、資質・能力に追加してはどうかということでございます。
6ポツの「情報・科学技術を活かす能力」につきましても、先ほど小西先生から御説明のあったとおりですが、20年後以降も見据えた際に必要ではないかということで、AIなどの発展に伴い、将来の医療の形も大きく変化することが予想されますので、倫理観も含めてそういった能力が求められるという考えでございます。
なお、一つ上の5ポツに、「専門知識に基づいた問題解決能力」とございまして、そちらと一部概念的に重なる部分があるという考え方もありますけれども、今回は、こういった変化の時代ですので、特出しする形で資質・能力に追加したいという案でございます。
最後のポイントとしましては、青字部分ですが、一番左側に書いておりますのが現行の医学・歯学のモデル・コア・カリキュラムの資質・能力でございますが、異なるレベルの概念が併記されたり、もしくは資質・能力の言葉になっていなかったりという問題を解決するための修正案となってございます。
繰り返しますと、右から二つ目は医師・歯科医師の卒後の臨床研修の到達目標を記載しておりまして、こちらは、基本的価値観と資質・能力と両方書いていますが、資質・能力につきましては、1ポツの「プロフェッショナリズム」以外は医学も歯学も一言一句同じもので作成されているところでございます。これにつきましては、卒後臨床研修の到達目標なども今後しかるべき時期に改訂されますけれども、先ほど参考資料2で御説明しましたとおり、このコア・カリキュラムで教育された医学部生・歯学部生が卒後研修に入っていくのは約10年後以降であることから、厚生労働省と文部科学省で制度改正の時期を仮にそろえても適用学年がずれるという事態はどうしても生じてしまうのですが、その時々で整合性を取りながら、シームレスな卒前・卒後教育を進めていくことは非常に重要であると考えておりますので、このように参考として右側に掲載させていただいております。
それから、一番右側には、現行の薬学のコア・カリキュラムの資質・能力を掲載しております。繰り返しになりますが、薬学につきましては、別途会議が設置されておりますのでそこで議論される予定でございますけれども、こちらも、医・歯・薬教育の整合性を図る観点で、そういったことは非常に重要であるという考えから、参考に掲載させていただいております。
以上、当方から御説明させていただきましたけれども、主に御検討いただいた医学教育調査研究チームの小西先生と歯学教育調査研究チームの河野先生からも、それぞれの御立場より補足の御説明をいただければと思っております。
【永井座長】 はい、ありがとうございます。それでは、小西先生、追加がありましたらお願いします。
【小西調査研究チーム座長】 ここは手短にいたします。
上から順番に参りますと、前文に、大きな目的となる医療・歯科医療の質と安全の管理、それから1番のところと両方にプロフェッショナリズムが出ておりますのは、先ほど福井先生とお話ししたところでございます。非常に大きなプロフェッショナリズムとしては、それぞれの資質・能力より上にあるという意味合いがあります。
この辺りの文言の調整については少し考えるべきところがありまして、私どもは、最初少し狭義の医療専門職としての倫理的態度を1番のところに書こうとしておりました。この辺り、ほかの領域からも、ようやくプロフェッショナリズムという言葉が根づきつつあるのだから、ぜひここにというお話があったのも事実でございます。こういうところで、今1番にプロフェッショナリズムという名前を置きました。
2番は、先ほど御説明したとおりです。
3番も同じでございますが、この中にサブ項目として、教育の力というようなものも書いていこうと考えております。
4番の「科学的探究」も、ほぼ変わりはございません。「探究心」だったのですが、この考え方自身が、Competence-based Medical Educationということで、卒業時だけではなく、それから臨床研修が終わった後、あるいはその先を考えていることからして、「科学的探究」という言葉にいたしました。
5番については、もともと知識と問題対応能力という少しレベルの違う言葉が書いてありましたので、知識の中で早期解釈、問題解決の最も深いものにやはり合わせたいということで、こういう表現になりました。
6番はそのままでございます。
7番も、診療技術と患者ケアとなっておりました。例えばアメリカのACGMEのコンピテンスでもPatient Careとなっていたりするので、この辺り、ある意味、アメリカより私たちのほうがちゃんと書いていることになるかとは思います。これも、資質・能力の言葉にしたいということから「患者ケアのための診療技能」といたしました。
8番の「コミュニケーション能力」に変わりはありません。
9番の「多職種連携能力」も大きく変わりはありませんが、以前は、チーム医療としておりました。この辺はどうしようかと部内でもいろいろな議論がございましたが、チーム医療という言葉は昔から使われているイメージがややあること、それから最近は患者を含む、インタープロフェッショナルよりもトランスプロフェッショナルの考え方が強く出てまいりましたが、そうすると多職種という言い方でいいかというところも検討いたしました。いろいろ調べていただいたのですが、最近では患者とは病を得た職種だという考え方もあることを聞きまして、「多職種連携能力」という言葉にいたしました。
10番の「社会における医療の役割の理解」に関しては、先ほども少し触れましたが、社会における医療という言葉が大切で、医療はやはり社会の中で関係性を持って存在するものであることを明示したいと。
このようなことから、この10のコンピテンス、資質・能力といたしました。
すみません、そう言いながら少し長くなりました。失礼しました。
【永井座長】 はい、ありがとうございます。河野先生お願いします。
【河野調査研究チーム座長】 ありがとうございます。
小西先生が全部しゃべってくれたので、しゃべるところがなくなってしまいましたけれども、プロフェッショナリズムに関しましては、やっと歯学教育の中でも根づいてきたところですので、この文言は残してほしいと調整・お願いをしたところでございます。先ほども言いましたように、医学チームが中心になって考えたものを歯学チームと薬学チームで検討しまして、こういう文言になっております。
前文にある「医療の質と安全管理」に関しましては、医学のほうは前文での記載になっていますが、歯科のほうでは学修目標の中にもこの文言を入れて徹底をしたいと考えております。
以上です。
【永井座長】 はい、ありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明に御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
【福井委員】 福井ですがよろしいでしょうか。
【永井座長】 はい、どうぞ。
【福井委員】 最初に、プロフェッショナリズムと医療の質と安全の管理をもし前文に持ってきたとすると、先ほどの話の資質・能力と学修目標をひもづけるというところからは外れるということで、医療の質と安全の管理とプロフェッショナリズムについては学修目標をつくらないことになり、それはまずいんじゃないかと思います。これが、まず1点です。
それから、私自身も卒後の目標をつくっておいて何ですが、8番目の「コミュニケーション能力」と「多職種連携能力」は、ミクロレベルのコミュニケーションの話とマクロレベルのコミュニケーションの話をしていることから、コミュニケーション能力でまとめてもいいのではないかと私はずっと思っています。
以上です。
【永井座長】 小西先生、どうぞ。
【小西調査研究チーム座長】 1問1答にしないほうがいいのかもしれませんが、ここは、ぜひお答えをさせてください。
ここは、資質・能力として、学生あるいは卒業生がこういうものができるというものに、言葉を1から10までそろえたいということでいたしました。ただ、その後ろで、河野先生の言葉にもありましたが、医療安全をもうやらなくていいなどとは全く考えておらず、1番のプロフェッショナリズムは残っていますけれども、医療の質と安全は間違いなく書き込んでまいります。このすぐ下のところに書き込んでいくことになると私は考えております。
それから、もう一つのコミュニケーションと多職種連携能力について、プロセスの話はあまりしてはいけないのかもしれませんが、実は、私は一旦一つにいたしました。海外の例を見ましても、例えば、韓国はCommunication and Collaborationと二つのものを一つのものとして書いておりますし、一つにしてはどうかというところもありました。この辺りは、3領域の話合いの中で、いや、やはり多職種連携能力は大事で、ここに一つを立てておくことはメッセージ的な意味も含めてあるのではないかとの御指摘を受けて、私は「はい」ということで、すみません、プロセスをあまり語ってはいけないのかもしれませんが、あえて二つに立てたところがございました。ここは、御報告でございます。
【永井座長】 ありがとうございます。北村委員、どうぞ。
【北村委員】 内容に関してはまた別として、お願いがあります。これができる過程において、今回も厚生労働省と研修の到達目標のすり合わせをやっていただけるとのことですが、小西先生も御存じのように、アメリカの6コンピテンシーは専門医も全く同じものを使っています。この「総合的に患者・生活者をみる」という部分は特に専門医に大事だと思います。内科の専門医であろうが外科の専門医であろうが皮膚科の専門医であろうが、すばらしい言葉ですので、専門医機構、あるいは実際は各学会なのですが、学会に働きかけて、この資質・能力を決めてしまう前から専門医教育と共通化していただけるとすばらしいものができると思います。
以上です。
【永井座長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。奈良委員、どうぞ。
【奈良委員】 奈良でございます。とてもよくまとまっていると思うのですが、7番目にある「患者ケアのための診療技能」という新しい青字になりました。恐らく、患者ケアとは「病気を診るより病人を見る」という精神に則っていると思いますが、「患者ケア」という言葉はむしろ看護学や介護のほうで先行して使われてきています。医学あるいは歯学のモデル・コア・カリキュラムにおいて「患者ケア」という用語を使うに当たり、看護学や介護の領域で間違えられる懸念があります。その点はいかがでしょうか。
【永井座長】 いかがでしょうか、小西先生。
【小西調査研究チーム座長】 1問1答にするのがいいか、むしろいろいろな御意見を伺いたいところですが、例えば、アメリカがいいという分脈ではございませんが、アメリカのACGMEでもPatient Careとなっておりまして、これで、前回、診療機能と患者ケアとなっていたところを、患者ケアとはやはり行為であって、学生あるいは卒業生のできることという形の書換えをいたしました。
でも、奈良先生からの御意見は、この「患者ケアのための」という限定的な形容詞をつける診療技能とは何なのだろうかという本質を恐らくつかれているところで、そこは、私も「んっ」と少し考えるところがございます。ここでおおよそを決めていただき、少し修正をすることをお許しいただければ、ありがたいと思います。患者ケアとは、先ほども言いましたPatient Careということで、広い意味では医師の言葉として私はいいのではないかと思うところもありますが、やはりイメージもありますので、少し考慮をいたします。ありがとうございます。
【永井座長】 小川委員、どうぞ。
【小川委員】 ありがとうございます。私の認識がそもそも正しいかどうか御教示いただきたいのですが、コア・カリキュラムの位置づけについては、冒頭で南委員から御指摘、御意見がございましたけれども、私自身は、教育をする大学側が教育の指針としてコアカリを使うという認識でございます。それから、学生の立場からすると、学生がどこまで学修すればいいのか、例えばCBT、OSCEに合格できるのかという視点で使われるのだと思います。そういう認識でよろしいのかどうかということと、その他総花的にいろいろな視点を入れますと様々な意味で混乱をするのではないかと。ですから、コアカリの意味といいますか、位置づけを整理していただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【永井座長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
【島田企画官】 少し改めて御説明してよろしいでしょうか。事務局でございます。
【永井座長】 はい、お願いします。
【島田企画官】 改めまして御案内させていただきますと、医学教育モデル・コア・カリキュラムについては医学生の学修時間数の3分の2程度、歯学教育モデル・コア・カリキュラムについては6割程度を目安として、このモデル・コア・カリキュラムを参考資料とし各大学において教育をしていただくということが、一義的なものであると理解しております。こういったことの確認でよろしかったでしょうか。
【永井座長】 よろしいでしょうか。
【小川委員】 了解いたしました。ということは、やはり大学――教育する側としてここは外してもらっては困るということと、学生としてはここを最低限押さえておかなければならないものと理解してよろしいわけですね。
【永井座長】 小西座長、お願いします。
【小西調査研究チーム座長】 恐れ入ります。今の文部科学省医学教育課からの御説明のとおりだと思います。まずは、大学としての指針という小川先生のおっしゃった意味合いと、学生がそれを見て、特に学修意欲をも含めモチベーションが出るようになっていることの二つがあると思います。私からは3点目として、この文書が世に出る以上、社会がこれを見ていること、これは小川先生も御指摘になりましたが、そういうところがあろうかと思います。
その上で、すみません、先ほどの先生のお話を何度も出して申し訳ないのですが、やはり、患者の痛みを感じられるという大事なところを含めるために……、これまでのコアカリは、私は批判するのではありませんが、どうしても知識の部分を中心に書いてあったところがあると思います。その意味で、こういう幾つかのアウトカムを上げまして、じゃあこういう教育はちゃんとできているのかということを問うようなものにする必要はあるかと思います。ここが、私どもはこう書きまして、先ほど奈良先生がおいでになりましたが、JACMEもその点について認証しているという構造になるかと考えております。
【永井座長】 よろしいでしょうか。
【小川委員】 分かりました。ありがとうございます。
【永井座長】 福井委員、どうぞ。
【福井委員】 すみません、こだわるわけではないのですが、お話を伺ってもう一つ分からなかったものですから。医療の質と安全の管理、それからプロフェッショナリズムが前文に行ったときも、学修目標とひもづけると小西先生はおっしゃったのでしたか。
【小西調査研究チーム座長】 それぞれ、前文のところにひもづけるかどうか、そこまであまり細かく……、細かくはないのですが、そこまでまだこちらで作業ができていないのですが、プロフェッショナリズムがもう一つありますけれども、ここのところとのひもづけはできますし、医療の質と安全の管理は、例えば先ほど福井先生がお示しになりましたコミュニケーションあるいは多職種連携能力というところで、大変大きな、ノンバーバルなコミュニケーションを含めて大事なこととなってまいります。こういうところに、医療の安全のためのというようなものがたくさん入ってくると。ほかの部分にも入ってくると考えておりますし、医療の安全のためには、結局コミュニケーションも取れなければ、知識もなければ当然できない。また、技能も確実になければ、医療の安全は当然ながら図れない、あるいは社会的なことを考えてもということになりますので、個々の、例えば1番、何番、何番というところのひもづけということになりますが、ただ、今、福井先生の御意見を受け、医療の安全というところがどのようにつながっているのかということは示すことを考えております。
【永井座長】 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。御意見ございませんでしょうか。北川委員、どうぞ。
【北川委員】 はい、ありがとうございます。小西先生がさっきおっしゃった、研究医育成の視点を少し強化するところが非常に重要だということに賛成いたします。
また、この資質・能力でも、科学的探究というところが少し上位に上がってきて、そこは非常にいいところですけれども、具体的にどのようなことを目標にすればいいのかはなかなか難しくて、あまり各論的なことを意味がないですし、できましたら、未来の医療の発展に向けて、基礎医学、社会医学、臨床医学的な研究がどういう重要性を持っているのか、あるいはどういう意義を持っているのかということを、学生個人個人に考えさせるような項目があってもいいのではないかと思いますので、ぜひ考案ください。
【永井座長】 ありがとうございます。ほかに御発言の方いらっしゃいませんでしょうか。南委員、どうぞ。
【南委員】 すみません。今ちょうど私も申し上げようと思っていた意見を北川先生に言っていただきましたので、重ねて申し上げるのですが、一つは、医学の中にも基礎と臨床と社会医学とに、今は分けられていますけれども、いずれ劣らず非常に重要であるわけです。ですが、主にコアカリでは、新しい分野の臨床の部分が学ぶべきこととしてどんどん多くなって膨らんでいく傾向が否めません。医学を学ぶ段階で、医学の中には基礎領域や社会医学の領域があることをきちんと認識してもらうことは、非常に大切であると思います。基礎医学の重視は、日本の医学教育のいい部分でもあったと思いますし、ぜひ、何らかの形で入れていただけるといいと思います。
それから、もう一つは先ほど小川先生も言われましたけれども、コアカリについては、確かに先ほどの事務局の御説明は、そのとおりなのですが、小西先生も言われたように、最後に社会がどのように見るかということは欠くべからざる視点です。つまり、社会の要請を受けて、この医学のコアカリを策定するという、双方向の関係だと思います。社会の要請で、医師、歯科医師、薬剤師、医療人に対しては、倫理の認識や人間性などのいろいろなものが求められている。それらは生涯にわたるものですが、いかに学部教育や卒後教育の中で包含してやっていくかということが問われます。コアカリの位置づけを考えれば、最低限、大学教育に担っていただきたいことを共有する、ということだと思います。
以上です。
【永井座長】 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。
【福井委員】 福井ですが、よろしいでしょうか。すみません。
【永井座長】 はい、どうぞ。
【福井委員】 「総合的に患者・生活者をみる姿勢」とは、どちらかというと、様々な病気を持っている人という視点で、生物としての1人の人間を見ることプラス社会的な要因、社会の中でまさに生活者であることの様々な要因を考えて、トータルとして臨床判断することも、この「総合的に患者・生活者をみる姿勢」というところに入っているのでしょうか。4行、5行の説明文を読むと、あくまでも生物学的・医科学的な問題についての全体像としか読めなかったものですから。ぜひ、1個体の人が社会の中でいろいろな要因の影響を受けていて、それらをも臨床判断上考慮しなくてはならないことも分かるようにしたほうがいいと思った次第です。
以上です。
【永井座長】 小西座長。
【小西調査研究チーム座長】 クイックで答えます。最初これは「患者」とだけになっていたところが、やはり未病も含めて今大事なところではないかという指摘を受けて、どの言葉にしようかとしたときに、私どもも、「生活者」という言葉の中に心理的あるいは社会的な背景も含めたつもりではございました。ただ、もう少し文章のところにということについては、了解いたしました。「患者の心理及び社会的文化背景や家族・地域社会との関係性を踏まえ」という表現をしておりますが、福井先生の御指摘を受けて、もう少しこの辺の表現については練ってまいります。ありがとうございます。
【永井座長】 北村委員、どうぞ。
【北村委員】 この「生活者」という言葉について、小西先生、あるいは厚生労働省の方にお聞きしたいのですが、私の記憶ですと、労災病院は勤労者を診て、国立病院は生活者を診るという議論が昔ありました。生活者の定義について、未病の人も入れて生活者、健康人も入れたものを生活者というのか、勤労者との対比で地域に住む人を生活者というのか、そういう定義が厚生労働省にもしございましたら教えてください。
【永井座長】 厚労省の方、今の点いかがでしょうか。
【厚生労働省】 厚生労働省でございます。その辺りの定義を分かる者が今おりませんので、まずは確認させていただければと思います。申し訳ございません。
【永井座長】 小西先生、何か御意見ありますか。
【小西調査研究チーム座長】 いえ、私もその定義のところまでは……。北村先生の意見を受けて勉強してまいります。すみません、失礼しました。
【永井座長】 そのほかよろしいでしょうか。
【島田企画官】 すみません、文部科学省でございます。
【永井座長】 はい、どうぞ。
【島田企画官】 北村委員御指摘の生活者について、勤労者との対比での生活者という意味合いでは関係者の中では話し合われておりません。また、生活者といいますと、今グーグルで検索したところ、一般的に、多様な価値観を持って多様な生活行動をする者として社会学・経済学などの分野で使用されているとのことでございますので、繰り返しますけれども、そういった勤労者との対比で使う生活者という意味合いによってこちらで使っているわけではございません。
【永井座長】 よろしいでしょうか。大体時間になってきたのですが、あえてここで何か御質問の方いらっしゃいますか。奈良委員、どうぞ。
【奈良委員】 奈良でございます。度々小西先生からJACMEのことをお話しいただきましたので、JACMEとの関連で若干補足させていただきます。JACMEが用いているのは国際基準でカリキュラムではございませんが、ただ、医学部の教育で盛り組むべき内容が網羅されています。現在提示されている基本的な資質・能力は国際基準から見てもほとんどカバーされています。ただし、あえてコメントさせていただくならば、10番に「社会」と書かれています。これは地域社会あるいは日本全体の社会を意味すると思いますが、国際基準だと国際的な貢献という概念も含まれていますので社会を広く網羅する意味した感じで、国際的な健康あるいは医療に貢献できるようこともなということも盛り込んでいただければと思います。よろしくお願いします。
【永井座長】 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
【栗原委員】 栗原ですけれども。
【永井座長】 はい、どうぞ。
【栗原委員】 先ほどから出ている倫理観は、全部のところで根底に流れているものだと思います。やはりそれは人間に対する愛情で、そういうものが感じられるような書き方というか、どの項目についても人間愛が基本にあることが分かるように、どこかでそういうものを示していただくと。
それから、倫理教育なども臨床の現場で、On the Job Trainingではないけれども、指導者が本当はそこで学生に気づかせることが必要だと思います。そういうチャンスを与えることが私は大事だと思います。
それから、もう一つ、研究ですけれども、何のために研究するのかというところ、それはやはり人の幸福のためであると。それが根底にあることと、基礎、臨床、社会という分け方は結構ですが、これからの研究は境界がなくなってくると思うので、その辺のことも。これは、便宜的に分けているだけなので、そこには医学の根底、そこには医があるだけだという考え方もまだありますから、それも含めて研究のところも書いていただけるとより分かりやすくなるのではないかと思います。
以上です。
【永井座長】 ありがとうございます。大変重要な御指摘だと思います。よろしいでしょうか。まだ御意見おありかと思いますが。
(「なし」の声あり)
【永井座長】 それでは、この次期モデル・コア・カリキュラムの医師、歯科医師に求められる資質・能力については、本日の御意見を踏まえて、よろしければ座長扱いとさせていただきたいと思います。ぜひ、追加の御意見等は来週の頭までにお寄せいただければと思います。そういう取扱いでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【永井座長】 はい、ありがとうございます。
本日は、以上大体意見交換を終えましたので、これまでとしたいと思います。
事務局、何か連絡事項等ございますでしょうか。
【小松﨑課長補佐】 ありがとうございます。それでは、次の日程についても事務局を通じて御案内させていただきます。おおむね来年の春頃を予定していますが、改めて御案内さしあげますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【永井座長】 はい、ありがとうございます。
それでは、本日の会議はこれで終了いたします。長時間ありがとうございました。

―― 了 ――

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