学校法人ガバナンス改革会議(第1回) 議事要旨

1.日時

令和3年7月19日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 会議の運営について
  2. 学校法人のガバナンスに関する意見交換
  3. その他

4.出席者

委員

増田座長,安西委員,石井委員,岡田委員,久保利委員,酒井委員,戸張委員,西村委員,野村委員,八田委員,松本委員

文部科学省

藤原事務次官,森高等教育局私学部長,小谷高等教育局私学部私学行政課長,相原高等教育局私学部私学行政課課長補佐

5.議事要旨

<冒頭>
・事務次官より開会に当たり,以下の発言があった。
【藤原次官】 
 このたびは学校法人ガバナンス改革会議の委員をお引き受けいただきまして誠にありがとうございます。
 いわゆる骨太方針2021に基づき,公益法人としての学校法人制度について社会福祉法人や公益法人と同等のガバナンス機能を発揮するためのガバナンス改革を抜本的に推進する改革案を検討していただくために,この会議を設けた次第でございます。
 骨太の方針にも触れられていますが,一度設立された学校法人は手厚い税制優遇を受けておりますが,これはいわゆる隠れた補助金と呼ばれることもございます。学校法人のガバナンスを検討するに当たりましては,公益法人として数々の優遇を受けるにふさわしい透明性や説明責任が果たされるように,社会からの厳しい目があることを改めて認識することが重要でございます。
 その一方で,学校法人には様々な特性がありますし,また,一口に学校法人といっても国所管の法人から都道府県所管の法人もありまして,特に都道府県の実務の在り方についての配慮といったことも重要でございます。したがいまして,今後,関係団体からのヒアリングなども行いながら,この抜本改革案の検討を進めていきたいと思っております。
 委員の先生方におかれましては,学校法人の現状,社会的な要請,ほかの法人制度など,様々なことを御参考にしていただきながら,大所高所からの御議論をいただきまして,公益法人としての学校法人にふさわしい学校法人制度とその運用を御提示いただくことを強く期待しております。

・事務局(相原私学行政課課長補佐)より配布資料の確認,出席委員の紹介が行われた。

【増田座長】
 おはようございます。ただいま座長を仰せつかりました増田宏一でございます。よろしくお願いします。
 今,次官からお話がございましたけれども,本会議の設置の趣旨については,本日,お手元にお配りした資料に基づいて説明があると思いますけれども,令和3年6月18日に閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針2021,いわゆる骨太の方針2021に基づいて設置されることとなった会議であります。
 令和3年3月19日に学校法人のガバナンスに関する有識者会議の答申,学校法人のガバナンスの発揮に向けた今後の取組の基本的な方向性について等を踏まえまして,今後検討すべきとされた事項などにつきましても,スピード感を持って審議し,報告することが求められているところであります。
 審議に当たりまして,委員各位におかれましては,釈迦に説法とは思いますが,公益のため,社会のため,中立の立場から御発言いただきたくお願いする次第であります。また,十分な審議を効率的に行うため,委員各位の御尽力と御協力を切に願うものであります。

<議題1 会議の運営について>
(非公開)
・資料2の運営規則について,原案のとおり決定した。

<議題2 学校法人のガバナンスに関する意見交換>
・事務局(相原私学行政課課長補佐)より資料1に基づき会議の趣旨等について説明。

【増田座長】
 ただいま事務局から御説明ございましたけれども,骨太の方針2021に基づきまして,社会福祉法人や公益法人と同等のガバナンス機能を発揮するための学校法人制度の抜本改革案を検討すること,2番目としましては,その際には学校法人が手厚い税制優遇を受けることに鑑み,それにふさわしい透明性や説明責任を果たす制度や運用を示すこと,それが年内のミッションだと理解しております。
 学校法人に対する税制優遇や公費支援を踏まえ,私物化や利益相反が生じないようにするとともに,教育研究を行う特性にも目配りをし,私立学校が更に新たな価値を生み出していけるよう,攻めと守りのガバナンスの両面から,学校法人にふさわしい仕組みの具体的な設計や運用の在り方を議論し,取りまとめてまいりたいと考えております。
【久保利委員】
 日程の件ですけれども,いろいろな審議会がありますが,ヒアリングをこれほど回数やらなければいけないのかどうか。しかも骨太の2021年で基本方針が示されており,やるべきことはもう決まっているわけでありますから,そうすると,むしろヒアリングではなくてもペーパーでこの骨太の方針に賛成なのか反対なのか結論をはっきりして,反対なら反対で,反対の理由は何かというペーパーを頂けば足りるのではないのかと私は思っておりまして,それを貴重な日程の中で,むしろ委員同士の議論こそ大事だと思うのですけれども,ヒアリングにそれほどの時間を使うというのは,ペーパーで代替できないのでしょうか。どうしてもペーパーでは代替できないので,説明を5分いただきたいというのでしたら,それは聞いてもいいと思いますけれども,少なくともこの方針に賛成でない人の意見を幾ら聞いてみても,この会議のミッションとの関係で意味がないのではないでしょうか。我々,このミッションを実施するかしないかという権限があるわけではなくて,実施する,実行するためのいい意見を求められていると思うので,何となくヒアリングを重視し過ぎという気がしたのですが,日程の関係についてはどうでしょうか。
【相原私学行政課課長補佐】
 まず,事務局の原案の考え方でございますけれども,先ほど委員の構成につきまして御説明いたしましたが,前回の会議と,新たにお願いしております会議とで一つ違う部分は,学校法人の現役の経営者をこの会議体のメンバーシップに入れておるか,あるいは入れていないかという点で申しますと,正に久保利委員の厳しい御指摘をいただいたような部分の観点から,むしろメンバーシップからは,現役の関係者を除いて,しっかりと委員の議論を進める。座長からも御指示が先ほどございましたけれども,委員の先生方には,正に中立の観点で御意見を頂くという御趣旨でございました。
 そのようなことから,委員の先生方の会議の審議をしっかりと確保することを前提に我々も努めてまいりたいと思いますが,他方で,現場の御意見をどこで聴取するのか,あるいは踏まえるのかという部分で,現場を全く無視した形でこの会議をまとめましたということではなかなか難しい面もございますので,その点はヒアリングという形でお願いできればと考えております。
【久保利委員】
 私が申し上げたかったのは,ヒアリングを一切するなということではなくて,この審議会における限られた日程の中で,このウェイトは何なのですかということです。猛反対の方もいらっしゃるでしょうし,賛成の方もいらっしゃるので,そもそもこの種の会議に利害関係人がメンバーでいることのほうがおかしいので,言わば第三者委員会のようなものだから,ここに当事者が入ってくること自体は全くあれだけど,しかし,ヒアリングというのは必要に応じてやることは大事だと思います。それはどうぞ書面で頂ければ,この委員会の間に幾らでも,相当間隔が空いていますから,やれるのではないのかと思っていまして,その意見を聞かないと言っているわけではない。どうしてもと言ったら,さっき5分と言いましたけれども,5分が10分になるかもしれませんが,そのお話は承ると。
 ただ,僕の経験からすると,僕は女子中,女子高,男子中,男子高,それから大学,学校法人,そしてロースクールと,全部それなりに役職をやってきましたけれども,現場の人の意見を聞かないと分からないというほどの話ではなくて,それぞれの利害関係の人が,自分の利益を考えたら,そういうことを言うのはもっともだよねとは思うものの,でも,この改革はそういう改革ではなくて,根本的に骨太の方針に基づいてやるという以上は,事務局にもこの辺りの時間配分というのを御検討いただければと思います。
【酒井委員】
 私も委員の間でディスカッションを一番重視しようという久保利委員の御発案には賛成でございます。ただ,私は前回の有識者会議に出席しておりまして,前回もいろいろヒアリングもやったわけですけれども,やはり学校というのは企業とも違い,また財団法人,一般社団法人とも違っている面が,やはり伝統的な問題などが違うので,久保利委員のように学校にお詳しい方もおられれば,私のように余り学校の組織について詳しくない先生方も今回の委員でおられるので,やはり予定どおり,ヒアリングというのはコンパクトな形でも結構ですが,やっていただけたほうが,結構私は前回の有識者会議でも,ああそうなのだ,大分違うのだなというところも理解できたので,久保利委員がおっしゃるように,ペーパーベースで済む分はペーパー,それから,ライブでインタラクティブなやり取りがあったほうがいい場面はインタラクティブなやり取りという形で,ヒアリングは是非実施をしていただきたいと思っています。
 特に今回の委員の中で,それほど学校に詳しくない方もおられるかもしれませんので,よろしくお願いいたします。
【八田委員】
 酒井委員と同じように,私も前回の有識者会議に参加させていただきました。その折にも複数回のヒアリング,そして,そのときに配付されている関連団体からの意見や資料が全部出来上がっているのです。それと,今回改めて委員を拝命しましたので,前回の11回分の議論をもう一回頭の中で整理しようと思ったところ,今回もそうですけども,議事要旨が非常によくつくられていて,公開されています。これを全部読むと,もうほとんど意見は出尽くしているのです。
 今回,立ち上がってくるこの改革会議は,それをもう少し具体的に一歩進めるという話で,久保利委員がおっしゃったように,あらかじめ文書化の作業を行っていき,そこに欠落している部分,あるいはどうしても受け入れない部分がもしあるならば,それをヒアリングという形で聞いていくというのが良いと思います。前回よりも非常に日程がタイトになっているということ。したがって,ヒアリングは最後のほうに入れるということで,順序の問題もあると思っています。
 したがって,基本的には,別にヒアリングを否定するわけではないですけれども,順番を変えていただいて,十分に議論をすることで,先に文章化していくという作業を進めたほうが効率的に進むのではないかと思います。前回の委員の立場として発言させていただきました。
【増田座長】
 それでは,今の各委員のお話もございましたし,先回の有識者会議の委員の方の発言もございましたので,やはり審議の時間を考えまして,できるだけ関係団体とのヒアリング,意見交換につきましては圧縮し,効率的にと思いますけれども,いかがでしょうか。
 スケジュール表を見ますと全体で9回になっていまして,ヒアリングがそのうち3回入っています。日本私立大学連盟,日本私立大学協会,日本私立短期大学協会の3者は前回も聞いていますし,また,委員で関係者の方もおられたようなので,その辺のところを加味しまして,もう少し関係団体とのヒアリング,意見交換についてもう少し減らす方法を考えてまいりたいと思うのですが,いかがでしょうか。やはり委員の議論する時間を増やさないとまとまらないと思うのです。
 12人の委員のうち4人の先生方は前回から引き続きですが,あと8人の先生方は,学校法人制度について理解しながら議論に関わっていかなければいけないので,事務方のほうとやり取りして,私もこれについて一応いいのではないかということで,2回目からもうヒアリングという話があったのですけれども,3回目からということにしてもらったところです。やはり皆さんの意見もそうなので,3回目ぐらいまでは少なくとも委員だけで議論するようにしたいと思います。
 それで,ここで提案なのですけども,この際,次回で構わないのですが,私,座長の案として,たたき台を提案したいと思います。それをたたいていただいて議論をするということにして,なるだけ委員会としての意見をまとめていきたいと思います。いかがでしょうか。
 その際に,前回の有識者会議から委員になられている八田委員と,本委員会から新しく委員になられた松本委員に座長補佐といいますか,たたき台をつくるのをお手伝いいただくということにしたいと思いますが,いかがでしょうか。そういうたたき台があれば議論が非常に進みやすいと思うのですが,いかがでしょうか。皆さんの意見を頂くためにも,たたき台があれば議論が進みやすいと思うので,いかがでしょうか。
【八田委員】
 座長がお考えになっているたたき台というのはどの程度のものをお考えなのでしょうか。先ほどから申し上げているように,3月に出た前回の有識者会議の報告書は大変うまくまとまっているし,後半のところに課題も示されています。今回も,先ほど御説明いただいた1枚目のところに,この新制度の改革案云々とあります。これ,結構細かいのがいっぱいあるのです。ただ,私は前回のときも申し上げたように,この会議でどうしても外せないといいますか,ここだけは,やはり一歩,二歩,進めなければいけないと,そういう強い改革意識を持っているので,そういうことも踏まえて作成するということでよろしいでしょうか。
【増田座長】
 今の八田委員の提案でいかがでしょうか。私としてはできるだけ議論は促進したいという意味で申し上げたので,そうしないと,なかなか初めての方も意見に加わりづらいと思うのです。公益法人並だと言われても,どの程度だと,どういうことなのだと,公益法人制度というのはそれほど詳しいわけではないと思うので,私をはじめとして,皆さん,それほど詳しいわけではないと思いますので,やはりここはたたき台があれば公益法人制度についても,社会福祉法人,公益財団法人,社団法人についての仕組みだとかガバナンスの状況は今どうなっているのか。それについての理解をしていかなければいけないので,たたき台がないと,こういう案があって,それについてはどう思うかと。学校法人についてこういうのをつくっていったらどうかという案があれば,それについても御意見が頂けると思うのです。いかがでしょうか。そういう意味で申し上げたのです。
【戸張委員】
 たたき台の案は結構だと思うのですけれども,それが最終結論的なものというような扱いがされるのはやはり困りますので,ある程度,たたき台だという前提でという形で出していただければと思います。
【岡田委員】
 私も前回の有識者会議に参加しヒアリングを経験した者として申し上げますと,ヒアリングというタイトルですと,意見の言いっ放しで終わらないか懸念があります。ここはたたき台や最終結論ではないとしても,方向性を示した上で,これは致命的だとか,学校法人としてはこれはどうしても困るという意見を聞いて,どう対処するかというような議論をしないと,学校法人のガバナンス・コードはここまで出来ていますというプレゼンで終わってしまいます。ここは是非事務局の方にも,その辺をお願いしたいと思います。
【松本委員】
 ガバナンス改革が重要というのは,皆さんの共通認識としてよく分かります。ただ長年,新聞記者として学校法人,学校の教育現場を取材してきた経験の中から,ガバナンスがなぜ必要なのか,ガバナンスの改革をすると何がどうよくなるのかというメッセージを出さない限り,おそらく学校は動かないのではないでしょうか。特に,今回の附帯決議の中にあるような理事長の解職に関する規定の追加,やはり日本にはオーナー系の学校法人がたくさんあって,その解職まで踏み込むとなると強烈なガバナンスが必要で,理解していただくための理論構築が必要です。それがなぜ必要なのかということは,学校は誰のものなのかというところにまで踏み込まなくてはいけないので,そういったメッセージ性もある,ガバナンスの必要性を,この会議で皆さんと話し合っていければいいなと考えております。
【増田座長】
 今の松本委員の話,非常に大事なところだと思いますので,そういう点も含めて,是非座長案としてたたき台をつくっていただいて,これは別に,戸張委員が仰ったように,最終結論ではなくて,岡田委員が仰ったように,やはり議論するために,ヒアリングするためにもどこが一番問題なのか,課題があるのかということを議論するためにもそのような案が必要だと思うのです。今日お話が出たような問題もあるでしょうし,状況についての説明も聞かなければいけないし,そのために,やはり案がなければ,こういうふうにいきますよというのがなければ議論にならないと思うのです,意見交換もできないので。いろいろなことがあると思いますが,そういったことを含めてたたき台をつくっていただいて,その中で議論していくというのが私の提案で是非お願いしたいと思います。
【酒井委員】
 増田座長の御提案でやっていただくというのは本当に大変な御努力だと思うのですが,私の感じでは,次回は8月6日だと思いますが,今回は新制度設計ということで,評議員会のかなり細かい点まで,あるいは理事の在り方まで相当細かい点の制度設計をやらなければいけないので,正直言って8月6日までに増田座長がこれをまとめるのは無理だと思います。
 それから,もう一つは,一つ座長案を最初に出してしまって,その座長案を中心に右だ左だという議論は,恐らくこういった第三者委員会の最初の立ち上がりとしてはあまりよくないと思います。やるのであれば,最初にみんなで議論をして,その議論の中で,やはり課題が浮かび上がってくるので,その課題を座長が取りまとめていただいて,それを基にこれから議論をしていくというようなやり方のほうが,いきなりぽんと座長案が出てしまうと,どうしてもその周辺における議論,これはこれでいいのだと,理事の数はこのくらいがいいのだとかいうと,議論自体が矮小化してしまう可能性があるので,先ほども松本委員の仰られたことも,正に僕はそのとおりだと思って,やはりこのガバナンス改革が魅力あるものであるためには,財政諮問会議が目指しているのは,手厚い税制優遇を受ける公益法人云々ということで,守りのガバナンスなのですけれども,私は有識者会議のときから言っているのですが,やはり産学協同も含めた攻めのガバナンスというのも追求していく必要があるのだろうと思うのです。
 だから,そういうことも踏まえて議論をした上で座長案を出していただいたほうが,私としては大きな議論ができるような気がします。
【久保利委員】
 いずれもごもっともな御意見だと私は思います。どうも誤解を招いているのが,座長の案のたたき台みたいな話になっているので異論が出てくるのだと思いますが,要するにポイントは論点整理なのです。こういう論点について各委員のお話を聞きたい,意見を言ってくれと。それ,論点がこういうことなのだと。この論点については甲案もあるし乙案もあるだろう,丙案もあるかもしれないけどという,論点についての整理をしていただく。それは座長としてこれからこういう論点を進めていきたいのでそれを出してくれと言うのだったら,もう少し誤解なしに話ができるかなと思います。
 基本的には,全く酒井委員がおっしゃるとおりで,魅力的な学校法人になってもらいたい。だけど公共財ですから,国民にとって魅力的なのであって,理事長や偉い人にとって魅力的かどうかは分からない,それを我々は議論しましょうと。それでは,どういうふうにやると魅力的になるのか,どの論点を変えたらガバナンスがしっかりして,かつ変なガバナンスに行かないで済むのかと,こういう論点を八田委員と松本委員に出していただくというのは賛成ですし,僕も僕なりに考えて,もちろん8月6日に全部ができることはないかもしれませんけれども,それは,やはり急速に目標の日程を言って追い込んでいくというのが増田委員の方針だろうと思いますから,そういうことで,このような論点をこのようにやったらどうだという御意見を皆さんから出していただいて,別にお二人が責任を持ってやるというのではなくて,たたき台でもないという論点整理のアイデアというのは,これをやったらどうでしょうか。
【増田座長】
 今,久保利委員からお話のあったとおりで,たたき台というのは,別に最終案をつくるということでは全くなくて,議論するための題材が必要だろうと私は思っていて,実際は有識者会議で相当まとめていただいているわけです。ヒアリングも含めて何回もやられているわけですから。それを踏まえた上で議論を進めたいと私は思っておりまして,そういう意味では論点整理でも別に構わないのです。だから,前回の議論の中で,課題として浮かび上がったものについてどう考えるかとか,今まで整理されたものが何かと,そういったものを整理して皆さんの議論に資するということでやっていきたいと思っています。
【安西委員】
 今お聞きしていて,私も,昔,現役時代にちょうど私学法で,理事会のほうが評議員会の上にくるというのでしょうか,そういうことになった時期に大学におりましたものですから,いろいろな経緯は思い出すところがあるのですけれども,私立学校の特徴というのは,やはり多様性,それから一方でローヤリティー,そういうことが重なった,歴史的にも極めて複雑な構造を持った組織体だと思っておりますが,公益法人と同じようにするのだと,それはもちろん基本的には結構なことなのですけれども,今,先生方がおっしゃっていたように,論点整理と言われれば分かるのですが,たたき台と言われてしまうと,初めて参加して,2度目にたたき台が出てくるというと,なかなかついていけないと思いますので,論点整理という形でやっていただければ大変すっきりいくのではないかと思います。
【増田座長】
 今まで議論をいただきましたので,たたき台というのは引っ込めまして,それでは論点整理ということで両委員に一緒にまとめていただくということにしたいと思います。私もそういうつもりで言ったのですけれども,言葉が足りなかったようで申し訳ありませんでした。そういうことで進めますので,よろしくお願いします。
 この件についてはいかがでしょうか。ほかに意見はございませんでしょうか。たたき台でも何でもいいのですけれども,具体的な議論を是非進める上で参考になるものを出していかなければいけないと思ったものですから,たたき台をご提案申し上げた次第です。それでは,是非両委員にお願いしたいと思います。
 次に,本日の学校法人のガバナンスについての討議に入りますが,最初に,学校法人と他の公益法人等とを比べて,具体的な異同の状況について事務局から説明をお願いしたいと思います。

・事務局(相原私学行政課課長補佐)より資料1,3,4に基づき説明。

【増田座長】
 本日は初回の会議となります。委員の皆様はそれぞれ様々なバックグラウンドをお持ちです。国公私立を通じた大学のガバナンス改革,公益法人,医療法人,社会福祉法人等の改革,会社法の改正やコーポレートガバナンス改革に関する知見,会社の取締役・監査役,学校の理事・監事,会計監査人などを務めておられる御経験から,学校法人のガバナンス改革に関連してお考えになっていることを幅広く,自由に御発言いただければと思っております。
【戸張委員】
 日頃,公認会計士の監査人として学校法人の監査をしている立場から言わせていただきますと,監事さんが,やはりほとんど学校法人の方,非常勤の方が多くて,私立学校法上,やるべきことは決まっているんですけれども,それが現状であってもきちんとできていないというような認識がありますので,そこのところは,器はつくってもうまくいかないというところがあります。
 国立大学法人の一部改正を見ますと,監事のうち,少なくとも1人は常勤とするということが出ていまして,これは非常にすばらしいことだと個人的には思いまして,規模的な問題もあるとは思いますけれども,是非常勤の監事さんを大学等で設置していただければ,私たち内部統制を前提とした監査を行う公認会計士も,非常に連携してうまくいけるのではないかと思っておりますので,そこのところで,現状の私立学校法でもきちっとそのとおりやっていれば,ある程度のことはできているのではないかという認識を,日頃,学校の監査をしている立場からは思っておりますので,そこのところも御考慮いただければと思います。
【八田委員】
 先ほども申し上げましたように,今,資料3を使って大変詳細に前回の有識者会議の議論のまとめをしていただいて,私は関わっていましたのでもう一回確認することでよく分かりました。ただ,おそらく,今日初めて見る方は,これ全体について,すぐには分からないと思うのです。したがって,私が言うのもなんですけども,一応,3月19日の報告書,これを本当は配付していただいたほうがよかったと思うのですが,ダウンロードできますから,是非これは,一読か二読か三読か分かりませんが,お読みいただいて,そして,最後のところに事務局としても,あるいはこの会議としても,ペンディングの状態のものもありますので,これを踏まえて今回の改革会議はどこを具体的に法制化のほうに持っていくのかということでの共通理解をしておくことが必要だと思います。おそらく,増田座長は,座長提案のような形で,両論併記や三論併記ではなくて,一つの方向性を示されたかったのかなと私は伺ったのですけれども,時期尚早だということですので,後半で御議論いただきます。
 再三申し上げますが,先の報告書は,とてもいいことが書いてありますし,ほとんど論点といいますか,問題点は摘出されていると思っています。これがどうして進められないのか,あるいは進むときにどういう弊害ないしは困難が伴うのか,その点についてはおそらくヒアリングのところで確認することができますので,それは後半ですればいいだろうということだと理解しています。先ほど私も突然御指名を受けて,何か論点整理の一翼を担えと言われましたけれども,ある意味で,これはもうできているわけです。ただ,文章形式といいますか,考え方として,これをデフォルメするといいますか,強調する形でまとめると,そういう方向がいいのかなという気がするので,新しい委員の方々は,是非これと関係する資料,先ほど申し上げましたように議事概要も全部出ていますし,非常に事務局が詳細におまとめになっていて,誰の発言ということではないですけれども,こういう議論がなされたということが,詳細が分かりますので,是非それをお願いしたいと思います。
【増田座長】
 本当にそのとおりで,これは一種の論点整理になっているわけで,どこを問題点として,課題として検討するかということがはっきりしていますので,やはり相当詰めてあります。前回の有識者会議は非常によくやっておられるということはよく分かります。それを踏まえた上で,やはりこの会議を進めたいと思いますので,よろしくお願いします。
【岡田委員】
 今,八田委員がおっしゃったとおり,前回の会議に私も参加していたのですけれども,皆さんの御努力で大変すばらしいものになっていると思います。これを読み返してみると,今後,やはり問題は理事会や評議員会,監事など,その法人の機関をどう見直していくかが大変重要だと思います。特に選任,人材確保が大変重要だと思います。
 何でも構わないということなので言わせていただくと,例えば理事会です。理事会は理事の執行を監督する。理事は理事で執行していく。そういう意味では,理事会というのは会社で言うと取締役会なのだろうなという気がしておりますが,今まで学校法人の場合は,教学というのに非常に重点が置かれてきたせいかと思うのですけれども,組織の経営や運営をできる人材がいるのか疑問です。理事の選任は寄附行為に定めるとあります。これだけしかないというのは問題で,理事が経営をしていくに当たってどんな人を必要としているかということを,寄附行為に書くまではなくても,今後議論していってはいかがかと思います。
 やはり教学だけではないと申しましたのは,会社の場合と同様リスクマネジメント,コンプライアンス,さらに最近の話題で言えばESGに通じ,意識していること人材が必要です。特にESGは企業だけではなく,学校法人にとっても非常に重要な課題だと思います。環境だけではなくて,地域社会との共生,あるいはダイバーシティーを含む人権意識など,こういうものを含めた知見ある人材を,完璧な人は最初からいないと思うのですが,そういう人を意識して選んでいくことは大事だと思います。
 それから評議員会も,執行,即ち理事会を牽制していく立場だと思いますけれども,人の選び方も大事だと思います。例えば今の評議員というのは,校長,あるいは25歳以上の方など,この程度しか書かれていないので,評議員が本当に理事会を牽制していけるかという意識の問題もあると思います。
 例えば,私立学校法では,評議員会は理事長が招集するとなっていますけれども,常識的に何かおかしい。そこもおそらく変わると思いますが,根本から変えていかなければならないところもたくさんあると思います。
 最後に,私は監査役を経験しているので,監事については先の有識者会議では随分踏み込んだ中身になっています。この方向でいいと思いますが,例えば理事長が監事を選任するのはおかしいなど,そういうこともきちっとするべきと思います。
 監事というのは,できれば経営や執行をストップするぐらいの覚悟を持ってやるというところは,企業の監査役でもまだ足りないところはあるのですが,学校法人の監事にもそういう意識を持った人が必要だと思います。
【松本委員】
 一つ確認です。資料1の9ページにあります「学校法人のガバナンスの発揮に向けた今後の取組の基本的な方向性について」の概要です。この一番上の枠の中に,本まとめは大学を設置する法人の基本的な方向性を提示とあります。
 学校法人の所轄庁は,私立学校法の4条で文科大臣と,都道府県知事と2つあります。本改革会議は,都道府県知事にかかるものも考えていくということでよろしいでしょうか。
【相原私学行政課課長補佐】
 学校法人の制度の見直しが必要な事項に関しては,この会議体でお願いするということでありますが,骨太の方針に基づく検討について,大学あるいは文部科学省の所轄に限定するということではございません。むしろ税制優遇を受けている学校法人制度という書かれ方をされております。これはすべからく,一度設立された学校法人については,今は等しく所轄に関わらず,あるいは各種学校,専門学校のみを設置されるような準学校法人と言われるような部分も含めて,同じ仕組みになっております。
 ただ,紹介しましたように,情報公開といった部分で,一部ずれはございますが,基本的には現在の仕組みは共通のものとしてつくられてきております。
 今回の議論は,そのような小規模の法人,都道府県の所轄の法人というのも射程には入れていただく必要はあると思いますが,そこの方向性というような部分でとどまるのか,あるいは,このような法人もこのようにやっていただくという具体まで決め切るのかというのは議論の状況にもよるとは思います。他方で,もう一つ御留意いただきたいのは,当然,所轄庁という部分では,都道府県が実際に認可の運用や命令の運用等も,これまでやってきておる世界がございますので,そこは全国知事会などの実際の所轄庁側の考え方というのも,一度どこかでヒアリングを頂くことも必要かなと考えております。
【松本委員】
 今の質問は,国立大学法人と文科省との関係を念頭に伺いました。国立大学法人というのはもともと国の出先機関でした。その国の出先機関が,2004年の法人法で,独立しなさい,自立しなさいと言われて国立大学法人ができました。もともと国の一部、出先機関だったところを独立させて,さあ自立しなさい,学長は経営者になりなさいと国が法律を変えて叱咤激励してもうまくいかないわけです。
 つまり,学校法人のように,もともと国とは全く違うところで発達してきた法人に,さあ国の言うことを聞きなさいというのは相当至難の業だということを,共通の理解をさせていただきたいと考えております。
 併せて先ほども申し上げましたように,学校法人は個人の資産ではなくて,やはり公共性,みんなの宝物なんだということを社会全体で共有できる機会にしたいと願っております。原点に返って,だからこそガバナンスなのだということを繰り返し繰り返し伝えるような,メッセージを伝えるような場にしたいと考えた次第です。
【増田座長】
 本当にそのとおりです。一般の企業でも,今,会社は公共財と言われているわけですから,学校法人についてはより一層公益性が高いわけですから,当然そういうことが求められると思いますので,松本委員の話は非常によく分かりました。それ自体はよく理解してもらうようにしなければいけないと思います。
【西村委員】
 学校法人と,それから公益法人,社会福祉法人,共通したような組織の内容もあり,ガバナンスを同等にするということは非常に重要だと思います。
 学校法人は教学と経営の2つの側面がありますので,その他の法人とは違いもあると思います。その違いのところも考慮して,ガバナンスをどうするかということを考えていく必要があると思っております。
 今,国立大学法人の改正内容を御説明いただき,学長選考会議や,教学のほうは教育研究評議会というように,教育に関わる教職員等による仕組みがガバナンスの中で位置付けられていると思います。学校法人においては,公益法人,社会福祉法人と,そのような教学という側面のガバナンスに違いがあるのではないかと思いますので,その点を考慮しながら, そのような学校法人の違いという点についても論点整理の中に入れていただけたらと思っております。
【久保利委員】
 今の御発言とも関連するのですけれども,一体,医療法人は医療の質とか医療の中身ということと経営問題は截然と分かれてまるで別の話かと。そんなことはないと。実は私も今から10年前にこういう本を書きました。「日本改造計画」といって,ガバナンスの視点から日本を見るとどうかと。その中で大学のことも取り上げました。その問題意識は,この平成の間に,日本の大学の位置付けといいますか,レベルといいますか,世界的評価が猛烈に落ちていっていると。そういう中で,例えば,ついこの間,東芝の事件の中で,ハーバード大学のファンドが非常に重要な役割を果たしていたと。考えてみると,ハーバード大学の教育が問題だという人は誰もいないのです。しかし,ハーバード大学は寄附金も集めるし,猛烈に得たお金を運用します。これ,完全に経営的側面におけるガバナンスの問題と。
 結局のところは,私,何で日本がこれほど日本の大学も含めてダウンしてきたのかというと,やはりガバナンスが効いていないからだと思っていました。この本の中でも,10年前に言ったのですが,誰が大学の主権者なのかよく分からないからではないか。ガバナンスというのは,主権者がマネジメントをやっている人に対してコントロールを加えることだと。そうすると,ようやく最近分かってきたのは,補助金や,隠れた補助金など,そういうことも含めて,実は国民こそが大学の主権者なのではないかと。医療法人も,社福もそうです,みんな国民の保険料など,そういうものを中心にしてやっている以上は,やはり主権者は国民だと,こういうことになってきた。
 そういう点で,私は,実は学校法人が,医療法人,あるいは公益法人の違いよりは,みんな同じように国民のために,しっかりいい国にするためにやっているのだという点で,私は西村委員の御意見と少し違いますが,違いよりは,むしろ同一性の部分をしっかり見たほうがいいのではないか。そうすると,ガバナンスがきいていないということで,医療法人がやり玉に上がり,社福がやり玉に上がり,公益財団法人も問題だということになって,相撲協会までが厳しい規制の下で,国民のための相撲協会というようになってくる。学校法人も,その中の道を一番遅れて走っているのではないかという気がいたします。
 そうだとすると,やはりスピードを持ってやらなければいけない。そういうガバナンスを効かせるためにどうしたらいいかということになって,正に2021の骨太の方針もできたと思いますし,3月19日にできた有識者会議の報告書,私もホームページからアクセスして取りましたけれども,本当によくできています。たった20ページ程度のものですけれども,非常に,これが論点整理だと言われればそのとおりかもしれません。
 ただし,これは結局のところは,基本的な方向性を出してはいただいたけれども,これをどういうふうに具体的に料理をしていくのかという話になってくると,まだまだ先はあるのだろうと思います。
 そういう点で,この会議は,そういう意味では,この方向性についてという有識者会議の議論を踏まえた上で,その先へ行くということが大事であって,何か後戻りをしている余裕はないのではないか。そういう意味で,むしろ医療法人であるとか,あるいは社会福祉法人であるとか,そういうものと同じ方向へ,ただしここだけは違うのだというのがあれば,それは十分考慮しなければいけませんけれども,基本的にはガバナンス,国民のための魅力的な大学をつくる。
 東京大学でさえも,世界中のランキングで言うと30位や40位など,こういう話になって,僕も昔の記憶だとベストテンには入っていたという気がするのですけれども,そのようになってしまったのは,僕は大学の学校法人がしっかりしないからだと。そうだとすると,もちろん地域で,都道府県がやっている中小規模のものもあるように思いますけれども,やはりお手本というのを大学のガバナンスでお示ししないと,どこをまねしていいか分からないと。ただし,まねできないところもある,あるいは規模が小さいからそこまではいかないと。これはもちろん十分考慮していいと思いますが,ただ,お手本はこうであるという改革をやってくださいというふうに言われているのが,この会議のミッションかと思いますので,前へ前へ行くように座長にも進めていただければ,事務局にもその応援をしていただければと思います。
【増田座長】
 全くそのとおりで,そのように進めたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
【酒井委員】
 私からは,これからのこの会議での議論について,2つほどお願いがありまして,一つは,できるだけ今回は,もう法改正につながるものですから,具体的かつ現実的なものをまとめていく方向でということを少し考えるのかなと思いまして,それは有識者会議でも,例えば評議員会の強化を打ち出しましたが,実際に,岡田委員も言われたように評議員もどのように確保するのですかということや,あるいは理事会を強化しましょうと,外部理事を入れましょうといったときに,その外部理事をどのように選ぶのでしょうかと。そうすると,理事候補の選考委員会が必要ではないですかということや,あるいは,無報酬で理事になれるのでしょうかという,どのようにこれだけの理事を確保するのでしょうかなど,こういう問題に必ずぶち当たるので,理念はすごく大事で,やはり理念はとにかく大事ですが,それをフィージブルなものにするためにどのように法律に落とし込むかというところまで議論をしていただく必要が一つあるのかなというのが第1点です。
 第2点は,資料1で検討事項というのがありまして,まず,我々,検討事項を先にやって,検討事項の結論を得た後にガバナンス・コードの抜本改革に移ろうという手順になっていますが,手順的にはそれでいいのですけど,議論の中では,ソフトロー,ハードロー,おそらく検討事項はハードローで,ガバナンス・コードはソフトローということなのでしょうけれども,恐らく議論は一緒にやっていって,その議論の中で,これはハード,これはソフトに落としていこうと,こういう議論をしていかないと,後からガバナンスをやりましょうというわけにはいかなくて,実際に会社法でも,もともとのコーポレートガバナンス・コードであった社外役員が,今度,会社法改正でハードローになっているわけで,そういったソフトとハードは一緒に議論しながら,こっちはソフトに落とし込もうというような議論が必要かなと思いました。
【安西委員】
 私からは,第1点は,昔のことになりますが,私立学校の最高議決機関を理事会にしたことがあって,法律改正されたと思いますけれども,それは恐らく,やはりガバナンスをしっかりしたいという,そういう理念があったからだと考えられます。そのときに親族の問題等々も議論されたと思いますけれども,でも,むしろ評議員会を諮問機関にしてしまったわけですね。その経験を踏まえていただくことが必要だというふうに思います。
 第2点は,現場,学校法人についても本当にいろいろ議論されたと思いますけども,いろいろな種類がありまして,どういうところが,これからの時代に合っていなくて,そこを法律的なことで,いろいろなことが既に議論されているのは分かりましたけれども,その上で,そういう法律改正をすれば,本当にきちっとガバナンスを保って,しかも私立学校が伸びる方向に行くのかということのシミュレーションをしっかりやってもらいたいのです。それでないと,教育関係の問題というのは,国立大学法人もそうですけれども,必ず穴があって,うまくいかないことが非常に多いです。そういう意味で,幾ら法律を,みんなで,いろいろ,これとこれでやればうまくいくのではないかというようにやっても,なかなかその穴をくぐっているというとあれですけれども,そういうことが多々ありますので,一方で私立学校はいい面もあるわけで,そのいい面を伸ばしながらきちっと穴を塞いでいく,その法律改正のシミュレーションをきちっとやっていただかないと,これもやる,これもやると言われても,なかなか現場はついていけないのではないかと思われます。
【石井委員】
 学校法人の監事をやらせていただいていまして,監事機能の強化など,そのタイミングで監事としていろいろ業務を増やしていったところですけれども,やはり実感として,内部監査室との連携というので物すごく助けられている部分があって,そういう意味では,今,うちの法人については,ある程度とは思っているのですけれども,ただ,やはりガバナンスというのは,こういった属人的なものや組織的なものではなくて,体制全体をどう整えていくかというところが大変重要だと思っていて,そういう意味では,今回,論点表に整理していただきましたけれども,久保利委員がおっしゃっているとおり,学校法人のガバナンスというのが他法人に比べると見劣りしているかなというように感じるところではあって,この論点はたくさん整理されているところでありますけれども,きちんとした形のガバナンスを整えていくということを優先にして,学校法人の特殊性というのはもちろん加味しなければならない部分もありますけれども,余りそこに過度にとらわれると,本論とは離れてしまうのかと感じているところであります。
 また,論点がかなりたくさんあるところもあるので,ただ,その論点の中には重いものと,あとは一つ大きい部分が決まれば付随的に決まっていくものとあるのかなと思っているので,これは増田委員にお願い申し上げるのがあれですけれども,論点整理に当たっては,軽重等も加味して,より根本的なところに充実した議論ができるような形で御整理いただけるとありがたいかなと感じております。

<議題3 その他>
・事務局(相原私学行政課課長補佐)より,次回は8月6日(金)10時~12時に開催するとの案内があった。

―― 了 ――

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