学校法人ガバナンス改革会議(第7回) 議事要旨

1.日時

令和3年10月15日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 学校法人に対する指導等について
  2. 学校法人のガバナンスについて
  3. その他

4.出席者

委員

増田座長,安西委員,石井委員,岡田委員,久保利委員,酒井委員,戸張委員,西村委員,野村委員,八田委員,松本委員,本山委員

文部科学省

森高等教育局私学部長,滝波高等教育局私学部私学行政課長,相原高等教育局私学部私学行政課課長補佐,山本高等教育局私学部参事官付学校法人調査官

5.議事要旨

<議題1 学校法人に対する指導等について>
・事務局から配布資料について説明。

【相原補佐】
 本日,議事1,学校法人に対する指導等につきましては,情報公開法第5条の不開示事由に該当する情報が含まれる可能性がございます。例えば,つまびらかにすることで,法人の権利,競争上の地位その他正当な利害を,利益を害するもの,公にしない条件で任意に提供され,通例も公にされないもの,監査・検査等に係る行政事務に関し事実把握を困難にするおそれがあるものなどが当たります。
 後ほど御説明いたしますが,私学行政におきまして,行政処分に至るケースというのは少なく,多くは任意の行政指導によって改善が図られておりまして,最終的に命令等の行政処分に至った事案や裁判で確定判決が出された事案を除きましては,基本的に個別の指導の経過,内容の詳細を広く一般にお示しするというのは難しいという部分も事情がございます。
このため,議事1は,基本的に公開により行う前提で進行しつつ,情報公開法の不開示事由に該当するような内容がありました場合には,会議の動画を公開するに当たりまして,運営規則第2条ただし書に基づいて,座長と御相談の上,該当部分を削除して公開動画には含めない形でホームページに掲載するという取扱いとさせていただければと考えておる次第でございます。
【増田座長】
 ただいま,今御説明のあったところを踏まえまして,まず,会議進行としては,いつものように自由濶達に議論をしてまいりたいと思います。その上で,情報公開法に基づき公開することが適当でない内容が含まれた場合には,事務局と相談し,その部分を公開動画に含めないよう処理する取扱いをしたいと思っております。
 それでは,議題(1)に入ります。学校法人の管理運営の不適切な事案が発生した際の学校法人に対する指導の仕組みや実例等について,文部科学省から説明をお願いします。また,資料2として,両座長補佐よりヒアリング事項を参考にお示ししていますので,それについても併せて回答をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【山本調査官】
 本日はまず制度面についてちょっとお話をさせていただき,その後,主な事例の紹介,最後に八田委員,松本委員からの御質問について御報告をさせていただければと思っております。
 それでは,まず,資料1の2ページ目を御覧ください。こちら,学校法人に対する主な指導についてということで,①管理運営状況の確認ということで調査を行っているところでございます。
 具体的には,学校法人運営調査委員制度というのがございまして,学校法人の健全な経営の確保に資することを目的として,不祥事を未然に防ぐ観点から,学校法人の経営に関し広い識見を有する委員による学校法人運営調査を実施しているところでございます。
 毎年度,文部科学省所管学校法人の一定数を調査しまして,必要な指導・助言を実施し,また改善状況を確認しているというところでございます。
 委員構成につきましては,私学の理事,理事長,学長,また弁護士,公認会計士,民間の経験者ということでマスコミ関係者などに御協力いただいているところでございます。
 調査内容としましては,管理運営面,また,財務面,教学面等に関する実態について,書面審査,また実地調査,最近であればリモートによるヒアリングを実施しているところでございます。
 大体5月から11月ぐらいにかけまして,1法人,委員2名プラス事務官で調査を行っているというところでございます。
 3ページ目を御覧ください。こちらが近年の学校法人運営調査における主な指摘事項ということで,左側に管理運営組織ということで,監事についてとか,役員報酬,それから規程等,また,右側には財務とか教学と。このような形で指導・助言をし,その後フォローアップを行っているというところでございます。
 続きまして,4ページ目でございます。実際,問題事案の報告とか発生が出たらどうなるのかというところでございますが,まず1つは,行政指導で行っているところでございます。こちらにつきましては,役員等の不正行為等を発見した者からの投書や陳情による告発,また,監事からの報告が文科省に寄せられたり,また,マスコミによる報道等によって問題事案を文科省としても把握するというところでございます。
 問題事案の事実関係を確認するために,まずは告発者からのヒアリングとか,提出資料につきまして精査した上で,文部科学省として調査が必要と思われる事案については,学校法人に対してまずは任意の調査・報告を求め,これに基づき必要な措置,指導,または自主的な改善が行われるというところでございます。
 調査方法としましては,学校法人に対するヒアリングと,また,学校法人自らが問題事案について調査,文科省へ報告,必要によっては監事による調査とか第三者委員会の設置というようなことでございます。
 先ほどもちょっと相原補佐のほうからありましたが,大体任意の調査で問題が解決していくというところでございます。その中で,指導内容としては,行政指導による通知文書の発出とか,特に管理運営不適正な学校法人については,私立大学等経常費補助金の不交付・減額措置を実施しているというところでございます。
 5ページ目でございます。一応私立学校法による是正措置等ということで,学校法人が法令の規定等に違反し,またはその運営が著しく適正を欠くと認められるときは,必要な措置を命ずることができるとなっております。
 想定される措置命令の例ということで2つ挙げていますが,例えば学校の運営に必要な資産が不足して教育活動への支障が生じているとか,また,理事会において必要な意思決定ができず,教育活動に支障とか,学校法人の財産に重大な損害が生じているとか,そのような形で措置命令を出すケースを考えられるということでございます。
 実際すぐに措置命令を出すかというと,そういう流れではなくて,下のほうにちょっと流れを書かせていただきましたが,まずは行政指導,任意による報告,または実地調査を行います。その上で,措置命令の対象となり得るような事態に陥った場合とか,また任意の報告の求めや調査に十分に対応されない場合については,私学法第63条の報告,また立入検査を行ってございます。その上で,違反の停止,運営の改善,その他必要な措置を,措置命令として私学法第60条第1項で行ってございます。
 さらに措置命令に従わないときについては,役員の解任を勧告するということができるということでございます。
 また,役員の解任勧告もなかなかうまくいかずに法令に違反した状態が続いた場合につきましては,私学法第62条の解散命令というようなところの措置が取られるということでございます。
 実際解散命令につきましては,これまで,過去,4法人ほどに解散命令を出しております。いずれも私学法25条における必要な資産を有していないことが主な理由となっております,最終的には。
 役員の解任勧告につきましては,これまで事案としてはございません。
 また,措置命令につきましても,ここにつきましても実施がないというような状況でございます。
 続きまして,6ページ目でございます。これ,監事による文科省への報告ということで,私学法第37条第3項第5号で規定されているものでございますが,監事が,監査の結果,学校法人の業務もしくは財産または理事の業務執行に関して不正行為または法令に違反する重大な事実を発見したときにつきましては,文科省に報告する,または理事会及び評議員会に報告することができるとなっておるところでございます。
 これまで文科省として把握しているものとしては,3法人の監事より報告がされているというような状況でございます。
 また,参考でございますが,監事に対する研修会ということで,文部科学省では新任の監事または全監事に対して,それぞれ各年1回ずつ監事向けの研修を行っているところでございます。その中で,職務の重要性とか,専門性の向上について講演をさせていただいているというような次第でございます。
 続きまして,学校法人に対する事例ということで,具体的な法人さんの問題,それに対する文科省の指導について御報告をさせていただければと思います。
 8ページ目になります。こちら事例1ということで,学校法人,すいません,こちら,A大学とさせていただければと思います。まず,学校法人の概要については,イメージとして,東京都とか,また設置学校とか,その辺り,イメージを持っていただくということで一応記載をさせていただきました。
 実際の概要でございますが,事案の概要でございますが,まず1つ目でございます。同大学運動部選手による悪質な反則行為ということでございます。同大運動部の定期戦において,本法人の常務理事等要職を兼務していた同部監督が,同大学選手に悪質な反則行為をするよう指示し,その指示に従って選手のプレーにより相手選手にけがを負わせたというものでございます。
 9ページ目でございます。この問題に対して,こちらの法人につきましては,社会問題化した後も,全学的に対応すべき問題として,広報対応を含む迅速かつ適切な対応をする必要があったにもかかわらず,理事長及び学長が事態を適切に収束させて役割を果たすことができなかったというところでございます。
 文部科学省としましては,学校法人に対して指導等を行い,その中で弁護士から成る第三者委員会を学校法人が設置し,事実関係の把握及び原因の究明等を調査したということでございます。
 最終報告が提出され,理事長及び学長による謝罪と再発防止に取り組む旨を同大学のホームページに掲載したということでございます。
 また,第三者委員会で指摘された事項を踏まえまして,抜本的な,これはアメフト部のチーム改革であったり,組織改革,また危機管理体制の整備等を実施するというところでございます。また,当該監督及びコーチの懲戒解雇,役員報酬の自主返納というようなところを実施したと。また,隠蔽工作を行った理事については辞任というところでございますが,その後理事に復帰しているというような状況でございます。
 10ページ目でございます。学校法人B大学というところでございます。事案の概要でございますが,理事会内の対立による理事長及び学長の不在・混乱というところでございます。
 理事長及び学長の任期満了に伴う選任について,本来,前任者の任期満了日に合わせて後任者を選任して円滑に交代させるべきところを,理事会内の対立により長期間後任の理事長,学長が選任できず,それぞれ代行が就任して職務を実施していたというケースでございます。
 こちらにつきましては,11ページ目でございますが,同法人の臨時理事会において,一部の理事から理事代行,理事長代行の解職及び別な理事の理事長代行の緊急動議が提案され,新たに選任された理事長代行が職務を行っていたわけでございますが,手続上の瑕疵とか,理事の善管注意義務など,法令の違反があるということで,監事から私学法第37条の報告が文科省へ提出されたというようなケースでございます。
 文科省としましては,その報告を受けまして,学校法人に通知文書を発し,第三者委員会による調査,また今後の対応について報告するよう求めたというようなことでございます。
 文部科学省の指導を踏まえまして,法人は弁護士から成る外部有識者委員会を設置し,後任を含む今後の対応について調査・検討を行ったということでございます。
 最終的には,外部有識者委員会の提言に基づきまして,理事長及び学長を選任し,また,2年以内に新たな選挙制度の下で新しい理事長・学長を選任することを決定しまして,その後新たな選挙制度の下,理事長・学長を選任して,今は適切に運営されているということでございます。
 学校法人C大学でございます。こちら,事案の概要としましては,理事長の給与等の不適切な支出ということで,創業家である理事長の給与・賞与等について,手当の例外的支給とか,また決定プロセスが不明確な支出が理事長やまたその親族に行われていたということでございます。
 13ページ目でございます。こちらの文部科学省に対して,そういう私的流用がされているというようなことで内部通報が寄せられたというところでございます。
 こちらにつきましては,文部科学省として,こちらも第三者の協力を得て,事実関係及び原因の究明を調査するよう求めたところでございます。
 こちらも,学校法人として第三者委員会を設置して,事実関係や責任の所在について調査し,その結果,理事長等による不適切な支出が認定されまして,理事長の解任,また常務理事の辞任・退職とか,また,ほかの理事の辞任ということで,創業家の学校法人経営からの離脱等を決定したという事例でございます。
 続きまして,事例4ということで,学校法人D大学でございます。こちら,事案の概要としましては,理事長による高校用地売却代金の横領ということで,高校の土地を取得を希望していた,望んでいた不動産会社の社長の協力の下,学校経営に参加して経営権を把握した理事長が,不動産業社長から私的借入金を返済するために,高校の土地を不動産会社に売却して,その一部を横領していたという話でございます。
 理事長が学校法人経費を私的に流用しているということで,内部通報が文科省にあったことから,文科省としては,こちらも第三者委員会を設置して調査するよう指導したということでございます。
 また,上記に加えて,行政上の指導通知を学校法人に何度か発し,理事会及び監事の対応状況や学校法人の対応方針について報告を求めたということでございます。
 その後,元理事長が逮捕されたということもあり,また,経営体制をめぐる混乱が続いていたということもありまして,私立学校法の第63条の第1項に基づく報告を命じたということでございます。
 命じて後に,理事の1人が地裁に対してほかの理事の職務停止及び理事長代行の選任を申し立て,また,その後,地裁のほうでその辺りが選任されたということでございます。
 16ページ目にございますが,その後,理事長代行の下,民事再生手続が取られまして,管財人の下,法人が再建計画を立てて進んでいるというようなところでございます。
 実際今は高校については,ほかの学校法人へ設置者変更,また大学については,そのまま法人は維持するんですが,他の支援者が支援するということで進んでいる状況でございます。
 最後,事例5でございますが,学校法人堀越学園ということで,こちらについては文部科学省のホームページでも公表されているので,法人名については出させていただいております。
 事案の概要としましては,様々な問題の発生による学校法人の解散というようなことで,大学の開設以来,定員未充足などにより法人の経営が悪化すると。また,過去の財務書類とか,また大学の設置認可時の書類に虚偽報告とか不備記載があったと。さらに経営悪化に伴う賃金の未払いなど,様々な問題がとにかく発生したということでございます。
 18ページ目でございますが,文部科学省としては,行政指導上の通知文書を発しまして指導等を重ねましたが,状況がなかなか改善が見られないというようなところでございました。
 また,文部科学省の指導に対して,外部から資金援助を得て再建するとか,また,そういう資金計画についてちゃんと提出するとかいうお話があったんですけど,結局そういう具体的な提案がされずに,また理事会としてのチェック機能も有効に働かないと。さらに理事会内の対立が続くというようなことで意思決定すら困難な状況に陥ったということでございます。
 このため,必要な財産を保有していないなど,私立学校法の違反が解消される見込みがないということで,私立学校法第62条の解散を命じたということでございます。
 19ページ目でございますが,こちら,過去10年間で学校法人の管理運営不適正を理由に私立大学等経常費補助金が不交付・減額となった法人でございます。過去,平成23年から令和1年まで,各法人につきまして,それぞれ削減状況を示した資料でございます。
 一通り,説明のほうは以上でございます。
 また,ガバナンス改革のもう一つの八田委員,松本委員からの資料につきましても,引き続き御説明をさせていただければと思います。
 すみません。資料の2でございます。文部科学省に対するヒアリング用の参考資料ということで,1ページ目は委員の方が作られた資料ということでございますが,2ページ目に具体的な質問が上がっていますので,それについても併せて御説明をさせていただければと思っております。
 それでは,2,文部科学省に対して希望するヒアリングの内容ということで,(1)10年程度の間で文部科学省が把握している大学における不祥事でございます。
 こちら先ほど19ページ,資料1の19ページに過去10年間の学校法人さんが管理運営不適正で私大経常費が不交付・減額となった法人を一覧として挙げさせていただいていますが,それらについて改めてもう少し詳しく説明をさせていただければと思います。
【相原補佐】
 続きまして,質問の2の事項でございます。
 創立者一族が理事長を務めている大学数ということですが,こちらにつきましては,創業・創立者,あるいはその定義というのはまた難しい部分がありますほか,それ以外にも寄附者というのもいたりする。ただ,それを把握するというのはそもそも仕組みにはなっていないことと,寄附行為上は設立時は役員というのも寄附行為に定めることにはなっておりますが,創立者というのは特定できる仕組みでも必ずしもございません。この辺りは,そこの仕組み,定義との関係上,法的に把握するというのは非常に難しい部分はあろうかと思います。
 なお,そういった部分について,ほかの法人の制度において,例えば会社法では事業報告書の事項として,役員の重要事項の情報公開というのは事業報告書の記載事項になっておったり,あるいは証券取引上のほうのコーポレートガバナンスに関する報告書というところでは,顧問とか,もっと代表取締役といった方の関与の実態なんかも情報公開の対象となっておりまして,そのような開示の在り方の1つとして検討事項ではあり得るのかなと思います。
【山本調査官】
 続きまして,質問3でございます。これまでの文科省の対応状況について確認ということで,①私学法第60条第9項に基づく役員への解任勧告事案はゼロということで,こちら,今までゼロ,実数においてもゼロでございます。こちら26年ということもあり,実際制度が措置されたのがですね,そういう意味では,まだそういう年数もないということと,設置命令に従わないときに解任勧告を発することになりますので,通常の場合そこまでいかずに学校法人自ら何らかの対応をしているというようなのが現状かと思います。
 また,監事の報告につきましても,こちら,文科省としてハケるものについては,3法人の監事,3件,3法人の監事からの報告を受けているところでございます。
【相原補佐】
 続きまして,4と5についてまとめて御説明をさせていただきます。寄附行為の認可というのが仕組みとして私立学校法上あるけれども,ガバナンス体制が機能していないことについての責任,あるいは,監督できていないことが理事長の暴走を容認する結果となっているのではないかという部分になります。
 先ほど山本調査官からも御説明いたしましたが,私立学校法の現行法の対応といたしましては,基本的にガバナンスの部分について,寄附行為による自治が広範に委ねられているという仕組みを前提として,行政の監督というのは事後的に出てくる。その前にはまずは緩やかな行政指導から始まって,命令まで段階的に監督を上げていくということで,自立的な改善を促すという前提に立っておりまして,その点,寄附行為の認可というものの考え方は私立学校法31条のところに,寄附行為の認可に関しては学校の資産が25条の資産要件に該当しているか,寄附行為が法令の規範,規定に反しないかを審査して認可するという仕組みとなっておりまして,後半の法令の部分というのがガバナンス事項,該当し得る部分でありますが,その部分,実際には学校の自主性が尊重されている仕組みでありますので,この認可制度そのものは,重点は,前者の資産要件を満たすかどうかというのがメインの認可の審査事項となっております。
 実際には,教育研究で設置される学校,学部,学科,大学院など,あるいは付随事業としての保育所,収益事業,こういった部分に関しまして,十分に寄附等の自己資金や,あるいは設備の自己所有などが整っているか,あるいは経常費の必要な資金を持っているか,このような辺りを審査し認可しているというものでございまして,法令の現行法の立てつけからいたしますと,ガバナンス機能の保障というのを認可を通じてしているというよりは,まずはそこは学校法人の自主的な運営を尊重する認可の仕組みになっているというように御理解いただければと思います。
【八田委員】
 先ほど資料の2のほうでもお答えいただいているんですけども,(4)で寄附行為の話で,2つ目のセクションで,現在認可事項になっているのを届出事項にするという考え方,これについては文科省はどういうお考えをお持ちなのか,教えていただきたいと思います。
【相原補佐】
 寄附行為の認可の考え方,先ほど申しましたように,基本的に資産の要件の確認に重点を置いているということであります。
 この部分は,ただ,届出という仕組みも既に入っておりまして,届出でよい事項は,施行規則の省令で定めることで届出事項を導入できるような仕組みが既に導入されておりまして,特に学校の設置の中でも,大学などでは改組転換の中で,特に同一性が近いような形で,学位の種類とか分野が変わらないようなものは,学校のほうの設置も認可ではなく届出に緩められておりまして,そのような事項は,例えばこちらの私学法における認可も届出事項に緩めるといった形での緩和も図っておるところです。
【野村委員】
 私のほうからは,今日お示しいただいた事例とは違うんですけども,大学入試におきまして,医学部で女性差別って,女子学生差別というのが一時期起こりまして,かなり社会問題になりました。
 入試は教学にとっては命でありまして,ここでやっぱりきちっとした公平性を確保,正しい入試を実施することが大事なんですが,理事会のほうとしましては,寄附が多く集まる人の御子息を入れたいとか,そういうゆがんだ動機が出てくる可能性が高いわけですね。これ,ガバナンスの要だと思うんですが,この入試不正の問題について十分な監督が行われていないのはなぜなのか,そこを教えていただければと思います。
【戸張委員】
 私のほうでは,まず確認で,措置命令とか役員の解任勧告が過去なかったという話だったんですが,これは文科省所轄のみの話ですか。それとも知事所轄も含まれている数値なのかを確認していただきたい。もし知事所轄が含まれてないのであれば,知事所轄の数値は確認されているのかということ。
 それから,役員の解任勧告,措置命令がなぜゼロだったのか。本当にいろいろ検討した結果,そういうのが今のところないのか。例えば私立学校審議会の意見聴取であるとか,裁判のリスクだとか,いろいろなハードルがちょっと高いので,検討はしたけれども,そこまで至っていないとか,何か特別な内部的な御事情があるのか,その辺を教えていただければと思います。
【山本調査官】
 あと入試に関しては,すいません,私ども,ちょっと今,入試担当でございませんので,その辺りの行政処分の判断につきましては,担当でもございません,担当もいませんので,ちょっとお答えができない状況でございます。
【相原補佐】
 そちら,追って,報告のほう,またさせていただければと思います。
【山本調査官】
 最後に戸張委員からございました措置命令についての数でございますが,こちら,文部科学省が発出した数でございまして,都道府県につきましてはちょっと把握をしておりません。すいません。
 また,なぜゼロだったのかというところでございますが,基本的には措置命令に至るまでの間に学校法人が自ら改善をしていくというところでございます。その中でどうしても措置命令というところも中では検討はしているケースもなくはないというようなところでございますが,最終的にはそこまでいかなかったというのが実情でございます。
【相原補佐】
 最後に戸張委員から知事所轄の法人に関しての命令等のお尋ねがありましたが,私ども,網羅的には都道府県知事所轄の状況は把握はできておりませんが,我々の知っている範囲でこの3年間について申し上げますと,平成29から令和元年度分ということで申し上げますと,まず29年度が解散命令が1,30年度が解散命令が4,措置命令が1,令和元年度が解散命令が3というような状況となっております。
 このうち30年度の大阪府の措置命令事案につきましては,3月まで開催されておりました前のガバナンスの有識者会議におきまして大阪府から一度ヒアリングをしておりまして,その会議資料が公開されておりますので,また後ほど御覧をいただければと思います。
【野村委員】
 入学試験についての部分が,役所の中で,デマケーションがいろいろあるということは分かったんですが,私が申し上げたかったのは,そういったことは現象として入試に表れているだけで,ガバナンスの観点から見たときに,理事会のほうに何か妙な意思があるわけですね。たくさん寄附をくれた人に対して,その御子息を何とか入学させてというふうに言われたら,問題を漏えいするとか,あるいは点数の底上げをするとかというのは,これは確かに現象は入試なんですけども,そういうことをやっぱり学校で,理事会がやっちゃいけないということなんだと思うんですね。教員の採用などで,地方でいろんな名士の方がおられるんですけども,リタイアした後に箔をつけるために大学の教授ってなれないのかって言ったら,理事会のいろんな人間関係の中で,それは俺が人事権を持っているんだから採用してやるよと言って何の業績のない人も教員として採用するという,これ,ガバナンスの一丁目一番地じゃないかなと思うんですが,この問題についてはあまり関心がないと考えてよろしいんでしょうか。
 それについての考え方を,文科省の整理を教えていただければと思ったんですが。
【山本調査官】
 決して関心がないわけではなくて,当然入試を担当している者が,課がメインで検討というか,いろいろなところで調査はその辺りはしているところでございますが,当然我々も併せて確認等をしたところでございますが,最終的には入試問題につきまして,ガバナンスも含め,行政処分に至らなかったというのは,ちょっとすいません,今把握してないのでちょっとお答えができないというようなところでございます。
【西村委員】
 資料2-5の(5)の質問に関連するところで,ガバナンスの実効性について,問題や不祥事の把握というものが監事から報告された事案が3件のみだったと思います。少ないという印象を持っています。大きい大学の事案もありましたので,常勤の監事や専門の会計士などを設置されていると思いますが,そのように整えたとしても,組織の問題のところについて,まずガバナンスの最初だと思いますが,問題把握に対して有効に機能しないのかどうか,このとこをどのように判断しないといけないのか,文科省のではどのように考えているのか,伺いたいと思います。
【山本調査官】
 西村先生からの監事の報告が機能しているかどうかというところでございますが,そこはすいません,我々も,監事,内部で最終的にどういう判断されているのかというところはちょっと全体をつかみ切れていませんが,少なくても監事以外にも直接不正行為を発見した人が文部科学省に報告するケースもございますので,そういう意味では,その辺りも含め,今の制度上そうなっているのかなというところで,ちょっと機能しているかどうかというと,なかなかそこは私も判断が難しいところでございます。
【石井委員】
 私も今の19ページにも関連している内容で,ここの不正等発覚した法人の中で,監査法人等の監査報告書というのは全て出ているような形なんでしょうか。監査法人のほうでもそういった不正とかの顕著というのが見落とされていたのかというところを確認させていただきたいと思っています。
【岡田委員】
 今の監事のお話ですが,資料の6ページ目に文科省への報告という,これ,私学法に決められている規定はあると。そのうち3件の報告があったということに加えて,監事に対する研修会の実施というのをやられているということなんですけれども,これは対象となる監事というのは,これは任意に希望者が受けているということなんでしょうか,それとも監事に義務づけて,必ず受けろと,あるいは何らかのフォローアップをしているとか,そういう対策を取られているのでしょうかというのが1つ目の質問です。
 それから,もう一つ,2ページのところに管理運営状況の確認。これはいわゆる健全性を確保することを目的として,不祥事を未然に防ぐという観点からこういう委員会,委員制度を設けられているということで調査をされているということなんですが,これは対象をどういうふうに選ばれて,この効果は,未然に防ぐ効果が,やった結果でも,先ほど発表があったような不祥事が起きているのか。これそのものが何らかの理由で機能してない。それをどういうふうに文科省は評価されているのか,教えてください。
【山本調査官】
 会計監査人,監査人のほうでどういう調査,報告がされているのかというのは,すいません,今手元に資料がないので,ちょっと正確なところは把握はできません,お答えはできませんが,少なくてもそれぞれ監査人の監査を受けてそれなりの評価を受けているということかもしれませんが,すいません,今手元にないので,どういう評価されているのかというのはちょっとお答えはできないということでございます。
 また,岡田委員のほうからございました監事の研修につきましてでございますが,基本的には全学校法人さんに案内をお送りしまして,その中で,監事複数名いますので,どなたが出席するかは学校法人さんのほうにお任せしているところでございます。
 当然その中で,実際,あまり出席率が悪いところももしかしたらあるかもしれませんが,その辺り,我々,把握をしているというところにとどまっているかもしれません。その辺り,すいません,今,そちらも正確なところはちょっとお答えできないので,いずれにしても出席者については把握しているところでございます。
 また,運営調査につきましては,これ自体はいろいろな面で,調査内容が,管理運営面,また財務面,また教学面と3つございますので,それぞれ,いろいろな観点を含めまして,最終的には,運営調査委員会というのがございまして,その中でどこの法人に行くかというのを御審議いただいて選定しているところでございます。
 実際こちらが機能しているのかどうかというところでございますが,少なくても管理運営面,財務面,教学面の中で,委員の方々から御指摘いただき,その中で,例えば3ページ目にありますが,指摘事項,管理運営組織とか,財務面とか,教学面について指摘事項をさせていただき,その中でフォローアップして文科省とも指導等を行っているところでございます。
 また,2ページ目でちょっと下で書かせていただいていますが,さらにこちら,管理運営面じゃないんですが,経営基盤の安定確保ということで,必要な学校法人に対してはきめ細かな集中的な経営面,これは財務面でございますが,指導しているというところで,その辺りについては適切に行われていると思っております。
【岡田委員】
 監事に対する研修会というのは,その内容も含めて,私はあまり勝手なことは言えないですけど,監査役協会とも打ち合わせながらというか,監査役協会のほうも,これから学校法人,こういう私学法が,監事に関する規定も変わっていくと思いますので,監査役協会も協力していったらどうかなということが1つあります。
 それと先ほどの管理運営状況の確認のところで,もちろん不祥事を未然に防ぐという観点もあると思うんですが,経営基盤の安定確保が必要とされたと,そういう財務状況,これもチェックされているということなんですけれども,この中でこういう調査をされた中でやはり不祥事の芽を摘めたとか,あるいは未然に防げたということはあるのかというのをちょっと伺いたかったんですけれども,先ほどのお話ですと,そこまではまだ分からないというお話だった。ここで,やはり未然に防ぐという教訓というんですかね,それを今後はやっていっていただきたいなと思いました。
【山本調査官】
 今後検討していきたいと思います。
【相原補佐】
 野村委員からお尋ねの入試の件でありますけれども,入試については,全体の入試関係の不正の調査というのを踏まえて,それぞれの各大学の,そして調査の進捗というのも勘案して,全体として私学助成における減額の処分というのも講じてきているということで,全体としては,多くの大学は平成30年度に処分がされておりまして,減額は,そこは速やかな対応を取ったということも含めての25%減という取扱いがほとんどであります。
【久保利委員】
 私は質問じゃありません。今のいろんな質問に対するお答えを聞いていて,私の感想ですけれども,監督官庁によるガバナンスは全く効いてないということがはっきりしました。行政ガバナンスに期待をしても無理だし,今や行政によるガバナンスがあらゆる分野でそんなに機能しないと思うんですね。ということは要するに,大学自体がいかに自分のガバナンスをしっかりやるかということが大学の未来を決定的に決める,そういう問題なんだということが大変よく分かりました。従来から監督官庁としての文科省がしっかり見ているからよろしいという意見をいろんな協会からも頂戴しましたけれども,今のお答え,とっても誠実で,分かりやすく無理があるんだと,とてもできないんだということが分かっただけでも大変結構だったなというのが感想でございました。
【安西委員】
 理事あるいは監事が何やっているのか等々のことについて,文部科学省側,それからさっきありましたけど,実は教育委員会等もあって,大学だけじゃないわけですね。小中高等々は,教育委員会が権限を持っている部分,非常に大きくて,そういうこと全体を考えたときに,一体行政側に任せておけばちゃんと管理できるのかというと,これはほぼ不可能だと私としては思います。これは行政側だけの責任じゃないと思うんですね。それについては,先ほどの話,例えば運営調査委員とか,そういうところも比較的学校関係者が入っていることが多いんですけれども,それはやっぱり第三者を多くしていただいて,しっかり経営のガバナンスを見ていただくということが必要なのではないかと思います。
 ただ,久保利先生が言われたように,大学側がちゃんとやればいいと言っても,これはなかなかちゃんとやるかというと,そこはまた課題がございまして,しっかり見ることのできる第三者をむしろ育成していく必要があるんじゃないかと思いますね。そういうことであります。
 監査法人も含めて,やっぱり例えば1,000億とか2,000億,日大の場合2,000億を超えているわけですけれども,その監査,あるいは理事の在り方を行政側でもって全部きちっと見ろということだけではなくて,やはりそういうことをきちっと見れる第三者を育成していくということが大事だろうと思います。
 これ,やっぱり教学の自治というのが入ってくるので,そこが難しいことになります。さっき野村委員が言われた,例えば教授の任用とか,そういう問題になりますと,これ,教学の自治に絡んでまいりますので,行政側も非常に言いにくい面があるんですね。そこもちょっと一応申し上げておければと思いますので,経営のガバナンスに限ってもやることはたくさんありますので,さっき申し上げたとおりでございます。
【山本調査官】
 引き続き我々としては,学校法人に対して指導,そのようなことを踏まえてやっていければと思います。
【野村委員】
 私も久保利先生お話しされたように,文科省のことをあまり責めていっても,意味がないんじゃなくて,大変かわいそうな部分があると思うんですね。一生懸命やっておられても,無理は無理なところがたくさんあって,むしろ本当に最終手段だと思うんです,文科省自体は。そこが距離感がすごく大きくて,ちょうど真ん中の部分のガバナンスを効かせるための装置がなくて,そこをしっかり埋めるというのが大事だと思います。1つは,大学自体の自治の問題と,安西委員がおっしゃられたようなもう少し独立性のある人たちがどこまで関与していくかという民間レベルでの関与の問題,第三者性のある人たちの関与の仕方というのをきっちり整えていくということが大事かなと思っています。
 ですから,文科省,最後のところなんですが,ぜひ私は,文科省,これからの一番の課題として見ていっていただきたいのは,延命させないということだと思うんです。これだけたくさん私立大学があって,少子化が進んでいく中で,学校というのはそう簡単に維持できないという状況がこれから来るわけなんですけども,このときに学生たちとか生徒たちをちゃんと守っていくということが文科省の今最大の課題になっていくと思うので,場合によっては早い段階で合併とか,そういったようなことを促していくというような作業はぜひしていただきたいなと。ですから,不正を見るということも大事なんですけど,きちっとした学校運営を維持させていくためにどのように関与していくのかということについてはぜひしっかり頑張っていっていただきたいなと思います。
【相原補佐】
 まさに御指摘いただいたような部分は,大学の規模,今後の将来について大変大きな課題であり,中央教育審議会などでもグランドデザインというのも答申されておりますが,さらには,骨太の方針,あるいは成長戦略といった部分でも大学の連携・統合の在り方というのを深めていくということが求められておりまして,私どもも,今,取り急ぎの話で申し上げれば,学部単位での設置者変更というのは,事業譲渡のようなものの類型を増やしたりというような対応も進めておりますが,引き続き検討のほうを深めていきたいと思っております。
【増田座長】
 ありがとうございました。時間が大分過ぎてきましたけれど,もしどうしてもこれだけは聞いておきたいというのがあれば,最後ですけども,委員の方でおられますか。
 もしなければ次の議題に入りたいと思いますが,いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 じゃあ,ありがとうございました。

<議題2 学校法人のガバナンスについて>
・松本委員から配布資料について説明。

【増田座長】
 次に,議題の(2)に移りたいと思います。学校法人のガバナンス改革に関する論点整理,資料3として示しておりますので,作成いただいた松本委員,八田委員からそれぞれ御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【松本委員】
 これまでの論点で,何が整理できて,何が合意できて,何が合意できていないかということをまとめました。
 評議員会では,最高監督・議決機関という位置づけを置いてきたことで,職務や権限,どんな人が評議員になれないのかなどはおおむねまとめることができました。どんな人がなれるのか,逆ですね,どんな仕事をするのかなど,具体像を結ぶための御議論をお願いいたします。
 参考までに,1ページ右下に書き出したのは一般社団法人法にあります評議員会の条文です。具体を考える上での皆様の御参考にと思って記載いたしました。
 4ページ,5ページ,6ページは理事会,理事,監事についての論点整理です。合意できた部分がまだ一部にとどまっております。
 評議員会にしてもまだ積み残しもございますので,併せて,いずれにしても,何をどこまで法律に書き込むべきか,政令,省令に書き込むことはどれかなどを腑分けしながら議論していただけると,聞いていらっしゃる学校法人の方も考えやすいのではないかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【増田座長】
 八田委員は追加で何かあります?
【八田委員】
 特にありません。
【増田座長】
 それでは,今の御説明について,御質問,御意見をいただきたいと思いますが,今松本委員から話がありましたとおり,今回は,中間取りまとめ的な時期に来ているわけなので,やはりここで法律に盛り込むべき事項を決めるべきだと思うんですね。これは,前回までに久保利委員、酒井委員,野村委員等の法曹の専門の方から御意見がございましたけれども,法律に盛り込む事項,それから政省令に入れる事項,ガバナンス・コードみたいな,ソフトローに入れるべき事項,一応分けて考えていく必要があると思うんですね。法律に盛り込むことについては今回の報告書の中でもきちんと書いていかなくちゃいけないと思っておりますので,そういう点を含めて今回確認をさせていただきたいと思っています。
 それでは,委員の方の御意見,御質問をいただきたいと思いますが,いかがでしょうか。
【松本委員】
 とても論点が多いので,例えば今は評議員会についてというふうに絞っていただけると,皆さん,整理がしやすいのではないでしょうか。
【増田座長】
 はい,分かりました。それでは,最初の段階の1ページ目ですね,6分の1のところの評議員会のところに行きましょうか。それでは,1ページの目のところの評議員,評議員会のところですね,これについて御意見,御質問いただきたいと思いますが,いかがでしょうか。
 この役割のところはいいですね。評議員会を最高監督・議決機関とする。それから,職務・権限のところですけども,理事,監事,会計監査人の選任・解任等を議決機関として議決するというところがありますね。これについては何か御意見はございますでしょうか。
 その下の中期計画からずっと,合併や解散などがございますが,これについて同様に,議決の事項にするということについて,御意見,御質問ございますか。
【松本委員】
 増田座長,一番右側の列の合意事項については既に何回か確認をさせていただいているので,真ん中の要検討事項について,御意見,これはやはり合意事項として法律に盛り込むとか,そういうふうに聞いていただけるとありがたいです。
 真ん中の列。一番右側が合意事項なので,既にこれは何回か確認させていただいています。要検討事項,真ん中の列のところ,例えば,最高監督・議決機関とするのならば,評議員会の議決事項を理事会等が代わりに決定できるとした寄附行為の定めを無効とすることを明定すべきではないかという考え方も,一般法人法,それから社会福祉法人法,社会福祉法の考え方を使えば言えるのではないかと考えます。そうすると,これはどういうふうに,ここで扱うべきなのかどうかもよく分からないんですが,お考えいただければありがたいです。
【久保利委員】
 私も進め方について松本さんと同じことを考えていまして,要するに,右をはっきりしている。左もはっきりしている。真ん中の要検討事項というところ,さあ,どうすべきか。今座長がおっしゃいました役割というところで,寄附行為の定めを無効とすることを明定すべきと。それは果たして権限役割論の話として,それに反するものは無効とするという,どこか別の条項に入れるべき話なのか。要するに評議員会の権限みたいなことで,寄附行為との関係をここにうたっちゃっていいかどうかというのは,細かい話ですけど,あると私は思いました。
 むしろ職務・権限とか,この辺りをやっていったほうが,最後の役割論の中に盛り込むかどうかは後で決めるとして,こういう議論があるんだということを踏まえた上で,次のところでいくのはどうか。監督機関でも,議決機関でも,経営に関する事項などに絞るべきではないかというのは,もっともです。経営に関する事項というのは結構広いわけで,大学については,自主性,自立性,教育及び研究の特性を尊重しなければならないとはいえ,学部の開設やキャンパス移転などは線引きが難しい。結局は法律で限定列挙し,ほかは現場で決めると言うんですが,じゃあ,何を法律で限定列挙し,何を現場で決めるのかという,この腑分けをちゃんとしないとぐちゃぐちゃになっちゃうかなという気がいたします。そうだとすると,右のほうの合意事項というところから逆算をしていくと,これに関わるようなものは全部入れるんですが,そこで,じゃあ,逆に,限定列挙しないものは何というのを決める必要があるのかなと思いました。
 例えば会議の公開,オンラインなど,いろいろ検討するべき事項がいっぱいありますので,これを一つ一つ,職務・権限とか,義務・責任とか,こういうのと照らして決めていくという作業をするのが一番効率的かなと私は思いました。
【野村委員】
 議論の進め方ではなくて,まず一番最初の箱の真ん中のところですけども,権限分配で最高機関が決定されているときには下位の機関には権限を移譲できないというのは,これはもう当然の事柄なので,これは書いていただかなければおかしいと思います。これは会社法ですと株主総会295条の第3項に規定されていて,一般社団法人の場合には178条の2でしたっけ,178条か何かに書いてありまして,これは最高機関として決定した場合には下位には権限移譲できないと。下位の権限を上位に権限移譲することができるって,これは昔からの伝統的な通説ですので,これはもう法律に書いていただくという法律事項でいいと思います。
 もう一つ,2つ目のところが恐らくクルーシャルな問題で,一番皆さん御懸念で,私がすごくしゃべっているので,そのことに気にされておられるんだと思うんですね。要するに,教学についての話を理事会のほうが,あるいは評議員会が決定するということは越権ではないのかという,そういうような議論だと思います。
 ただ,これ,施設の話とか,そういうものについては,やっぱりこれはもちろんキャンパスの施設によって教育内容には変更が出てくるという話はもちろんあることはあるんですけど,私がやっぱり絶対に避けなきゃいけないのは,教員人事とか,教員の報酬とか,そういうようなところで,例えば差別的な取扱いをすることによって教員を追い出したりとか,そういうことができるような仕組みにならないようにしていただくことは大事だとは思っていますが,あとはカリキュラムとか,そういうことについては,やっぱり決めるところは違うだろうとは思います。
 ただ,施設,要するに予算とか,そういうものによって,確かに切り分けは難しいんですけど,施設みたいなもの,キャンパスを移転させるとか,あるいは増設するとか,そういうようなものについては,やっぱり経営の中核的な事項ではあると思いますので,そこはやっぱり評議員会のほうの権限の中に入れておいていただいてもいいんじゃないかなと思います。
 大学のやることは全て教育に関わっていますので,そう言ってしまいますと,全部できないことになってしまいますから,そういう意味では,人事を中心としたところ辺りから,手を突っ込んではいけないところというところには入らないでいただくようにしていただければいいかなと思います。
【増田座長】
 ほかに御意見ございますか。これ,なかなか内容を決めるのが難しいところがありますけども,一つ一つやっていきます?
 評議員会と理事会との関係なんですけども,理事会のほうの決議事項といいますか,それについてはどう考えるんですかね,評議員会との関係は。理事会で決議したものを同意するとか,評議員会でも決議できるという,当然できると思うんですけども,その場合は評議員会のほうが優先するんだと思うんですけれども,そういうふうな決め方というのはできるんでしょうかね,この辺は。特に学部の移設だとか,開設だとか,キャンパスの移転等については,確かに両方に関わってくる,執行状況については両方だと思うんですよね。
【酒井委員】
 今の質問も含めて,評議員会の職務・権限をこれから考えていくに当たっては,文科省も積極的に推し進めております産学協同ということ,これを念頭に入れた制度設計をしていく必要があって,これは要するに,教学についても,民間から研究費をいただいて,研究を促進して,その例えば知的財産をシェアして企業ももうかるような,こういう仕組みなものですから,今までの昔言っていた教学独立みたいなイメージとはこれからの学校の運営の在り方というのは変わってくるので,まず,評議員会の職務・権限を考えるに当たっては,産学協同の在り方を前提として,それで利益相反ポリシーというのがありますので,そういった前提で考えていくべきだと思います。それをちょっと今法律事項にするのか,どこまでは寄附行為に落とすのかというのは別の話ですが。
 それともう一つ,今座長がおっしゃられた,どこまでが評議員会でどこまでが理事会なんですかということは,これは会社でも同じでして,例えば会社法上,取締役会で決めなきゃいけないことは書いてあるんですが,これは非常に大ざっぱで,重要財産の処分とか書いてあるだけで,じゃあ,具体的にどれが重要財産かということになると,その会社の中の例えば取締役会の付議事項の規定とか,そこで賄っていっているんですね。
 ですから,恐らく法律の中で,これは評議員で決めなきゃいけないとか,これは理事会でというのを法律で定めるのは非常に難しくて,例えば大学の規模が物すごく大きい大学だと,10億,20億ぐらいのものだったら恐らく理事会に委ねちゃうことになると思いますが,小さなところだと,10億,20億だと評議員会にかけなきゃいけないということもあり得るので,ここはやっぱり学校の中の規定に委ねるべきだと思います。
 ですから,法律事項としては,大きなもので,今言った中期計画,事業計画と,こういうボンボンって書いておいて,これは当然産学協同を前提として動くようなものを列挙していく必要がありますが,細かいところは,恐らくこれは大学に委ねる形になると思います。省令ではなく,大学で決めてもらうということになると思います。
【増田座長】
 今の話は,今の真ん中のところ,合意事項,合意事項でないところね,合意すべき事項なんですけど,これは,だから一応,法律に盛り込まないけど,全部こちらのほうに,合意した事項に入っているという考え方ですかね,結局,今の真ん中の。
【酒井委員】
 そうでしょうね。
【増田座長】
 だから,これ改めて絞るべきじゃないかということはないと。小さな大学であれば当然。
【酒井委員】
 大体合意事項に含まれてきていると思いますけどね。
 評議員会が機能していれば,これは評議員でやると言えば,それでいいわけであります。
【野村委員】
 私が申し上げたことと酒井委員がおっしゃったことは必ずしも矛盾しないとは思うんですけども,産学協同は確かにそうなんですが,いわゆるテニュアを与えるパーマネントな形の任用をするというのは,一応学位を授与する人であるとか,そういったような基準の中で人事が行われていまして,学位を授与するためには一応内部の現時点における研究の水準の中から一定程度研究者として評価されているということがないと,次の学位を授与するということは難しいんですね。これはやっぱり学問というのを発展させていくために,ここはレベルを下げてはいけない部分だと思っています。
 産学協同で例えばいわゆる寄附講座みたいな形で外部から資金を調達してくるときに,そこに企業の最先端で研究されている方々にお越しいただくことは悪いことではないとは思うんですけども,たくさん寄附してくれるから,そこで研究業績のない人でも元社長の人を教授にして入れましょうみたいなことが起こらないようにしていくためには,やっぱりある程度教学としての自立性というか,厳しいお互いのピアレビューがちゃんと行われるというような環境をどう確保するかというのはすごく大事なことだと思いますので,その点をあまり産学協同という言葉で全て解決させてしまうのはいかがなものかなというのはちょっと私個人的には思います。
 そこと,それから,先ほどありました評議員会とそれから執行のところの立てつけなんですけども,皆さんは普通の株式会社を念頭に置いておられるので,何となく,295条の2項というのがありまして,株式会社取締役会設置会社の場合には,株主総会は法定決議事項及び定款決議事項に限り決議することができるというのが,これが大前提だと皆さん思っておられるんですけども,これは大前提ではなくて,株式会社における多数の株主がいることを前提にいいかげんな決議が行われることを防止するために所有と経営を分離しているという姿なんですね。もともとの意思決定は,執行と,それから最高意思決定機関が並存で意思決定を行う形になっていまして,こちらが取締役会不設置の会社の場合の基本形です。これ,株式会社の基本形で,本来執行サイドが通常意思決定を行っているんですが,それに文句がなければ,ずっとその執行が行っている意思決定が容認されていまして,ほかの株主総会みたいな最高意思決定機関で,株主が私たちは違う考え方を持っていますということを表明したときには,これは現在の条文でいきますと,決議遵守義務というのを負わせていまして,執行のサイドのほうは株主総会の決議を遵守しなければいけないという規定でつないでいまして,それで最高意思決定機関のほうを優先するということになっています。
 ただ,ここは解釈がありまして,善管注意義務の解釈の中で,最高機関が仮に決定したとしても,その結果が不合理だった場合には執行機関のほうは自分たちの意思を貫いても善管注意義務を負わないという,こういう議論になっていて,こっちがまず基本形です。それを今の普通の大きな株式会社のほうを基本だと据えると,あれは例外ですので,そこのところをちゃんと整理したほうがいいと思います。
 ですから,私は思うに,評議員会の決議事項は一定程度絞ったほうがいいと思います。ただ,これに関しては,日常的には執行サイドが通常意思決定を行って管理運営を行っているということが可能になっていて,ただいつでも評議員会が上書きできるという,こういう制度設計にしておくことが柔軟な運用につながっていくんじゃないかなと思います。そうしないと,執行がうまくいかないという形になると思います。これは諮問機関じゃありません。決議機関なので,決議してしまうとそれが優先しますので,特に不合理な決定でない限りは,その決議を遵守するという執行側のほうに義務が発生するという仕組みにしておくのがいいのではないかなと思っていますが,この仕組みがもし違和感があるのであれば,まずそこの立てつけを整理したほうがいいのではないかなと思います。ちょっと余計な議論になってしまったかもしれませんが,ぜひそこをよろしくお願いいたします。
【増田座長】
 今の話でいきますと,例えば評議員会の決議事項として合意している事項がございますよね。それを前提にして僕は考えているんですけど。
【野村委員】
 ちょっと口挟んで恐縮ですけども,例えばキャンパスを移転するということについて,執行側の理事会のほうでキャンパス移転計画というのを立てるとします。そうなったときに,当然これ,そのまま進めていくという選択肢もあるんですけども,評議員会のほうが決議をする権限を持っていますので,そこにやっぱり諮らないといつひっくり返されるか分からないわけですよね。
 ですから,通常の運用としては,評議員会のほうにまずお伺いを立てて,それで評議員会のほうで決定を行ったら,それに従うという形になるということだと思うんですが,評議員会のほうが原案をつくって先に自分たちで決めるということは無理だと思うんです。
【増田座長】
 それは無理ですね。
【野村委員】
 ですから,通常は,執行サイド,理事会のほうがキャンパス移転計画というやつを綿密に計画を練って,これが自分たちの案だけども,これでいいかという形で了解を取るという形になると思うんですが,これでもし違う案が出て,提案が出れば変更ということになると思いますけども,了解が得られれば,それによって議決が取れたという形で前に進んでいくというようなイメージじゃないかなと思います。
【増田座長】
 私もそういうイメージを持っていたんですけど,分かりました。ほかの委員の方にお聞きしましょう。
【安西委員】
 今と重なりますけれども,先ほど松本委員の出された一番右側の評議員会の決議事項で並んでいるものは大体妥当ではないかと思います。その上で,先ほどありましたけれども,大規模な学校法人だったら何億円以上は評議員会にかけるとか,そういう大学ごと,あるいは学校法人ごとのルールを設定して,そのルールが妥当かどうかということは第三者のほうでチェックするようにすべきだと思います。
 それから,それ以外は理事会決定にしておいて,今もありましたけども,理事会決定が妥当かどうかということを評議員会がチェックできるようにすべきだと思います。
 それから,教学の問題につきましては,一方で教員人事とか,そういうことについては,これは日本の学校法人,特に大学の状況がアメリカとかイギリスとかフランスとはまた違った,ある意味で競争関係がないというんでしょうか,何というか,一旦なってしまえば,もう,私はそれは大事だと思いますけどね,学問の在り方としては大事だと思いますけれども,いろんなそういうことがございまして,それについては,また別途,やはり外からきちんと,学校法人,特に大学がしっかり学問をやっているかどうかということについてはチェックしていくべきだと思いますので,ここではやっぱり学校法人の経営のガバナンスについてしっかりした枠組みをつくっていただければと思いますね。
 一方で教学の自治というのは,あまりにも自治が出て,教学の義務というほうがおろそかにされるのはよくない。野村委員が言われましたけれども,やはり私はあまり産学連携とかが出るよりは,やはり教員の水準の厳格さというんでしょうか,そこはきちっと担保してほしいと思っております。
 ちょっとガバナンスとは別の問題かもしれませんけれども,申し上げておければと思います。
【酒井委員】
 私の申し上げたことは,野村委員,安西委員の言われたことと全く内容は同じでございまして,評議員会の権限については,ここに列挙されているようなもので差し支えないと思います。あとは,じゃあ,具体的にどこまで議決するのかは各大学,学校によって決めていただければいいと思います。
 それからまたこれらの発議は,発議というか,そもそも原案を作成するのは恐らく評議員会ではできないので,理事会で行って,ただ議決は評議員会でやると。
 それから,教学の自治の問題も,私は産学協同と申し上げましたが,それは自治の問題に踏み込むつもりは全くないので,やっぱり教学の自治というのは非常に大事な守るべきものだと思っておりますので,私が産学協同を念頭に入れてというのは,評議員会もこれからはそういった側面にも関わっていく必要があるというだけの話であって,人事まで介入するとか,自治に関与するとか,そういう意図は全くございませんので,私の発言の真意も野村委員,安西委員と全く同じでございます。
【増田座長】
 じゃあ,一応真ん中の話なんですけども,経営に関するものということに絞ることはなくて,右側に書いてあるものでいいということですね。
【酒井委員】
 はい。そういうことです。
【増田座長】
 そういうことで,皆さんの同意をいただいたと思いますが,あと,会議の公開というのは,これは後でまた出てくると思いますけども,この辺は,公表のところでまたちょっと議論したいと思いますので,今回のところは,右側のところで一応合意はできたということで,絞ることはないということでよろしいでしょうかね。
【松本委員】
 先ほど安西委員がおっしゃられていた,教学の自治も大事だけど,教学の義務とおっしゃられたので,参考までに聞かせていただけないでしょうか。
【安西委員】
 私,教学の自治というのは学問の発展のためには本当に大事だ,基本だと思っております。その上で,義務というのはちょっと,何というか,分かりにくい言い方かもしれませんけれども,そうであれば,特に大学の場合,学者は学者の本分をきちんと全うすべきだということを申し上げているだけでございます。それは教育に,自分の研究だけではなくて,教育についても同様であります。そういうことです。
【野村委員】
 すいません,私,しゃべって恐縮ですけど,教員ですね,日本の大学の教員,1回になっちゃうと,めっちゃ楽なんですよ,はっきり言って。それにやっぱりちゃんとレベルを維持して,さらには面倒な教育をやっぱりずっとちゃんとやり続けるということが管理できてないんですね。これをやっぱり見ていると,もし理事の側になったら,やっぱりそこに手突っ込みたくなるんですよ,基本的に。そこの緊張関係はあっていいと思うんですよ。
 要するに,でたらめにやっている教員に対して,やっぱりどうなのという話ができるという,そういうコミュニケーションはあっていいとは思うんですけども,その話とさっきの大学の自治の話はちょっと別で,だから,教学のほうは教学のほうとして相互監視をしたりとか,お互いにそこできちっとやらなきゃいけないと。
 だから,私ども,ロースクールですけど,私,学部にいたときはほんと楽だったんですけど,今,ロースクールは本当に教育も相互に授業参観をしたりとか,あるいはお互いにレビューをしているんですね。で,評価して,それでやっていますし,教育の教材も全部開示していますし,それから学生からの評価も受けているという,そういう状態になっていて,こういうようなことをちゃんとやっていくということが,これは必要なんですが,今回の議論とはまた別だと,さっき安西委員がおっしゃられたことだと思います。
【増田座長】
 じゃあ,そういうことで,とにかく1ページ目のところは,一応ご同意いただいたということで,真ん中のところは,経営に関することに絞る必要はないということで合意いただいたということでよろしいですね。
【安西委員】
 真ん中辺にキャンパス移転と書いてあって,一番右に事業計画と書いてありまして,キャンパス移転とか,そういうのは含むのって,当然学校法人にとってキャンパス移転というのは非常に大きな事業計画なんですね。ですから,事業計画が評議員会の決議事項に入るということは,当然キャンパス移転というのが入るということです。ちょっと一応付け加えさせていただきます。
【酒井委員】
 私は会議の公開のところなんですが,個人的にはやはり評議員会の自由な議論を促すために会議の公開はあまり賛成ではないんですが,少なくてもこれは法律事項ではなくて,さらに下にガバナンス・コードとか,それぞれの大学に委ねるという,そういうところに位置づけるべき話だと思います。
【相原補佐】
 大筋の合意の事項の部分に御異論を差し挟むものではございませんが,1点,細かいことですけれども,申し上げますと,先ほど野村委員から忠実義務の取扱いというのと最高機関としての考え方,結びつける考え方,御説明いただいて,大筋そうだと思うんですけれども,1点留意が必要なのが,会社法の355条と一般財団法人の忠実義務の,これは197条で準用されている83条になるんですけれども,少しずれがありまして,財団法人の忠実義務は,株主総会決議を遵守しという部分に相当するものが実は読替えによって削除されていて,ここは法令及び定款を遵守しということに実は限定されているというのが一般法人法の制度設計になっております。この趣旨というのは正確に理解しているところではありませんけれども,基本的には,おっしゃられているように,ここに最高監督・議決機関としての設計という方向ではありつつも,最後の最後のところでの多分関係性においては,理事あるいは評議員というのもいずれも法人との委任関係というところで,ある程度等しいというか,どちらが上かというところに最終的な決着というのを,法律上一般法人法は多分決着をつけずに,しかし,機関としては評議員会が上という,そういう少しねじれた関係がここにあるということで,その点,結果的には,多分野村先生がおっしゃられたように,上書きできるという部分は上書きできる。そして,その部分の考え方は,何でも上書きではなくて,恐らく合理的でない理事会決定であれば上書きできるというような,そういうことになるのかな。ここは合意事項の範囲というより,もっとその先の細かい部分の考え方ではあると思いますけど,その最後の整理のときにまた細かい点,御留意をいただければということで申し上げました。ありがとうございます。
【野村委員】
 忠実義務の規定が準用されてないのは,株主じゃないからですよね。
【相原補佐】
 そうです。
【野村委員】
 株主の場合には,利益に,要するに,ここ,利益相反関係があるので,だから利益相反関係についての規律を抜いておかないと,ここ駄目なので,そう書いてあるだけなんですけども,そこはだから,一般社団法人の場合には,出資者じゃないので,だから,そこのところは決議遵守義務を書かなかったということだと思うんです。このレベルになると,法令上の話なので,ここでやってもあまりよくなくて,もしあれだったら,ちょっと詰めましょう,そこのところは。
【増田座長】
 ということで,いいですか。ちょっと時間も過ぎちゃっているわけだから。今回は1ページ目しかできませんでしたけど,次回,2ページ以降,詰めていきたいと思っております。
 よろしいでしょうか。

<議題3 その他>
・事務局(相原私学行政課課長補佐)より,次回は10月28日(木)15時~17時に開催するとの案内があった。

―― 了 ――

お問合せ先

文部科学省
高等教育局私学部私学行政課

(高等教育局私学部私学行政課)