大学入学者選抜協議会(第2回)議事録

1.日時

令和3年6月2日(水曜日)17時~19時

2.出席者

委員

川嶋座長、沖座長代理、穴沢委員、石崎委員、泉委員、圓月委員、大林委員、岡委員、柴田委員、島田委員、杉本委員、高田委員、竹中委員、田中委員、安井委員、山本委員、柳元委員、和田委員

文部科学省

伯井高等教育局長、森田大臣官房審議官、西田大学振興課長、安彦初等中等教育局参事官 他

3.議事録

【川嶋座長】
 それでは,所定の時刻になりましたので,ただいまより大学入学者選抜協議会の第2回を開催したいと思います。皆様におかれましては,御多用の中,御参加いただき,ありがとうございます。
 先週の第1回に引き続き,令和4年度大学入学者選抜等に関して,本日も御議論いただきたいと考えております。
 本日の議題は,議事次第にございますように,1つ,令和4年度大学入学者選抜実施要項について。2つ,令和4年度大学入学者選抜に係る新型コロナウイルス感染症に対応した試験実施のガイドラインについて。3つ,令和5年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱について。4つ,その他となっております。
 まず初めに,事務局より資料の確認並びに出欠状況も併せて御報告をお願いしたいと思います。
【前田大学入試室長】
 文部科学省大学入試室長,前田でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 まず,資料の確認でございますけれども,お手元の議事次第の配付資料,資料1-1から資料5がございます。それから,参考資料1から参考資料5-2がございます。先生方,よろしゅうございますでしょうか。
 本日の会議運営でございますけれども,本日もウェブでございまして,御発言の際は挙手ボタンを押していただきまして,指名された後に御発言をお願いしたいと思います。また,聞き取りやすい御発言,資料参照の際の該当ページのお示し,ハウリングを避けるため,指名後のミュート解除,発言後のミュート戻しなど御協力いただければと思います。
 なお,本日は長塚先生,それから鈴木基先生が御欠席ということになっております。
 以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。資料の過不足ございませんでしょうか。
 それでは,議題の1,令和4年度大学入学者選抜実施要項について,まずは事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【前田大学入試室長】
 お手元の資料1-1,資料1-2を御覧いただければと思います。令和4年度大学入学者選抜実施要項の概要と,実施要項本体の案でございます。
 資料1-1につきましては,前回御審議いただいた点から変更点がございまして,今,画面共有を。前回,段階表示の利用,それから選抜区分の表現の見直しという論点を提示させていただいておりましたけれども,令和4年度の要項のこのタイミングでの議論ということではなくて,資料5に後ほど継続協議の事項の一覧をお示ししておりますので,その際に併せて御説明したいと思いますけれども,その2点を落としたものでございます。
 実際に資料1-2から,要項の文言を御覧いただいて進めさせていただければと思います。まず,通し番号2番,2ページでございますけれども,基本方針のなお書きのところを消してございますのは,専門職大学と専門職短期大学の入学者選抜について触れている箇所でございますけれども,これは基本方針というところの場所があまりそぐわないと思いましたものですから,場所を移動して,通し番号11番に移動しております。
 おめくりいただきまして,通し番号4ページでございます。第4,試験期日等といたしているところの,1の本試験,共通テストでございますけれども,令和4年1月15,16日,追試験につきましてはその2週間後,令和4年1月29日,1月30日としております。その後,令和3年を令和4年と修正しておりまして,4番の総合型選抜のところは,入学願書の受付を9月15日といたしていたものを,令和3年9月1日以降と修正してございます。
 おめくりいただきまして,あとは元年を2年にしたりして,そういった更新でございますけれども,通し番号の7ページ目でございますが,第7の個別学力検査実施教科・科目,入試方法の決定・発表のところの1でございますが,これは7月31日までに個別学力検査の実施教科・科目,入試方法,その他基本的な事項について発表するというところに,全般的なことといたしまして,「発表後は,大規模な災害の発生などにより当該大学において入学者選抜が実施できない場合を除き,受験者に不利益を与える恐れのある変更は行わないものとする」としてございまして,新型コロナ対応については,また後ろのほうで書き加えておりますので,そのときにまた御紹介させていただければと思います。
 通し番号8番,8ページでございます。こちらは前回なかった入学手続のところでございますけれども,2の(2)として,入学料を含む学生納付金についての追記でございます。
 昨今,コロナ禍におきまして,学納金の負担に苦しむ学生,受験生の声が上がってきておりまして,文科省としましても累次にわたり,困窮者に対する柔軟な配慮などを各大学にお願いしてございます。こうした状況がございまして,入学金を含む学納金の分割納付や減額などの取扱いにつきましては,新しい号ではございませんけれども,既に私立大学に対する平成14年の事務次官通知がございまして,その内容を,国公立も含めて,改めて周知するものでございます。「入学料を含む学生納付金について,『私立大学における入学者選抜の公正確保等について』を踏まえ,その額の抑制に努めるとともに,独自の減免又は分割納入等の措置を積極的に講じるよう努めることとし,これらの措置の具体的内容を募集要項等に明記する」というのを入れさせていただいております。
 通し番号の11ページでございますけれども,これは先ほど申し上げました,基本的方針のところから移しました専門職大学,専門職短期大学の規定でございます。
 12ページでございますけれども,第14の新型コロナウイルス関係の配慮の事項をまとめたところでございますが,共通テストにつきまして,中ほどでございますが,「追試験については,本試験を疾病等の理由で受験できなかった者を対象として実施することとし,試験場の設置場所は,新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえ,別途決定し,周知することとする」といたしております。
 あとは,特例追試験等がございますので,そういった記述は削除しているということでございます。
 通し番号13ページでございますけれども,(3)の総合型選抜についてのところでございます。入学願書受付は令和3年9月1日以降とすると修正してございます。
 また,(5)の中止・延期等となった大会や資格・検定試験等への対応でございますけれども,丸2のところで,下のほうに(ア)とございますけれども,この(ア)に書いてあったものを上に上げて,本文の中に入れ込んでございます。「特に,総合型選抜及び学校推薦型選抜においては,評価の方法や重み付け等に配慮し,個々の入学志願者の成果獲得に向けた努力のプロセスや入学を志願する大学で学ぼうとする意欲を多面的・総合的に評価するなどの工夫に配慮するものとする。その際,各大学は,入学志願者の実情に配慮した丁寧な選抜を行う観点から,推薦書,志願者本人が記載する資料等においてこれらの努力のプロセス等について記載を求めることなど評価方法を定め,その内容を募集要項等で周知するものとする」としております。
 通し番号14ページでございます。(ア)と並んで(イ)というのがございましたけれども,これはICTに関する活用の規定でございまして,これは(6)として項目立てしておりますので,移したということでございます。
 ICTの活用等のところでございますけれども,「特に総合型選抜及び学校推薦型選抜においては,新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から,例えば,ICTを活用したオンラインによる個別面接やプレゼンテーション,大学の授業へのオンライン参加とレポートの作成,実技動画の提出,小論文等や入学後の学修計画書,大学入学希望理由書等の提出などを取り入れた選抜を行うなどの工夫に配慮する」としております。
 また,これは在外教育施設やその他外国の学校に在籍する生徒ということでございますけれども,そうした生徒については,水際対策の影響により,容易に帰国できないことから,同様の工夫に配慮するということを入れております。
 また,ICTの活用に当たっての配慮事項を何点か記載しております。「ICTの活用に当たっては,入学志願者による利用環境の差異や技術的な不具合の発生等によって,特定の入学志願者が不利益を被ることのないよう,例えば次のような配慮を行うとともに,受験者の不正行為を未然に防止するため,不正行為の内容及び罰則等について,募集要項に明記するなどの対応を行う」。
 丸1として,「通信環境の不具合が生じ,試験続行が困難になった場合,当日の時間を繰り下げ,又は予備日を設けて選抜を行う」。丸2,「入学志願者が通信環境を整えることができない場合,大学でのオンライン受験も可能とする」。丸3,「大学にサポートデスクなどの連絡窓口を設け,不測の事態に個別に対応できるようにする」。丸4,「ICTを活用して選抜を行う場合においても,障害等のある入学志願者に必要な合理的な配慮を行う」としてございます。
 (7)として,外国人入学志願者の選抜につきましても,「ICTを活用したオンラインによる試験の実施等の工夫により,可能な限り渡航を伴わない方法により実施するなどの工夫に配慮する」といたしております。
 また,2の出題範囲等につきましては,臨時休業は一斉でございませんので,この部分は前回御審議いただいたとおり,削除としてございます。
 通し番号15ページでございますけれども,調査書の欄でございます。ここはもともと(1)の丸1,丸2の2つありましたけれども,丸1については,臨時休業によるものの取扱いがございましたので,これを削除して,丸2を上の本文に入れているという整理でございます。「新型コロナウイルス感染症の影響による,大会,資格・検定試験の中止等により,特別活動の記録や指導上参考となる諸事項の記載ができない場合は,その理由を付した上で,当初参加を予定していた大会名や資格・検定試験名などを記載することができる」と。例えばとして,これこれに参加予定だったけれども,新型コロナウイルス感染症の影響により中止といった表現でございます。
 同じ15ページの先ほど申し上げました入学志願者への情報提供・周知の,7月31日以降の変更についての新型コロナウイルス対応のところでございますけれども,丸2としまして,「第7の1で示す場合のほか,当該大学が所在する地域の感染状況が著しく深刻であることにより,当該地域において入学者選抜が実施できないことが明らかであるような例外的な場合を除き,令和3年8月1日以降は,個別学力検査を実施する教科・科目の変更や個別学力検査の中止など,受験者に不利益を与える恐れのある変更は行わないものとする」と。
 「なお」といたしまして,「感染拡大防止の観点からオンラインによる面接の実施,試験時間の短縮,試験開始時間の変更,実技検査の方法の変更,試験場等の変更など,受験者に不利益を与える恐れがないような変更については,ホームページ等を通じて,可能な限り早期の周知に努めるものとする」としてございます。
 通し番号16ページでございますけれども,(3)の新型コロナウイルス等の今後の状況に対応した本要項の見直しにつきましては,当時はコロナ禍での入試という初の事象でございましたので,こういった文章を入れておりましたけれども,結果的には緊急事態宣言下でも試験を実施したということでございます。こういった留保は不要であろうということで,削除してございます。
 それから,別添に調査書がついてございますけれども,少し技術的な修正も御紹介いたしますが,18ページ,3の各教科の学習成績の状況のところに,「共・家庭」,「共・情報」と入れておりまして,この例としては,各学科に共通する各教科・科目ということで,一つ,専門学科において開設される各教科・科目との区別をするため,「共・」という表現に修正してございます。
 20ページでございますけれども,農業の例示が古いものになっておりまして,現行の指導要領に基づく科目名に訂正をしてございます。
 最後でございますけれども,24ページでございます。先ほど申し上げました調査書の記載の事柄について,調査書の様式の中にも記載しておりまして,検定試験の中止・延期等による調査書の書き方について,記載を明記してございます。
 以上が資料1-1,資料1-2の事務局からの説明でございます。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 それでは,ただいま事務局から説明がありました令和4年度大学入学者選抜実施要項について,前回からの変更点も含めて説明いただきましたので,内容等について御意見・御質問ありましたら,どなたからも結構ですので,挙手ボタンでお知らせいただければと思います。いかがでしょうか。
 それでは,石崎委員,どうぞ。
【石崎委員】
 すいません。お願いいたします。11ページの第14の1の(1)の丸1でございますが,追試験の会場のことなんですけれども,私ども全高長としては,47都道府県の追試会場の設置をお願いしていて,それは現段階では決められないということで,別途決定するということを書いていただいているんですけれども,その別途決定というのは,どこで誰がどのように決定するのかということをお伺いしたいんですが。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 岡先生,今,関連する質問でしょうか。
【岡委員】
 一つはそのことを聞きたいと思っております。共通テストの追試会場の決定がいつになるのか,用意をするのに少し時間が要りますので,早めにお願いしたい。例えば9月。いろいろな意見が出ております。よろしくお願いします。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 前回も少し御意見をいただいたところですが,今,全国的にワクチン接種が粛々と進んでおりまして,来年の1月が今年と同じような状況になっているかどうかということは,なかなか把握し難いとも考えていますので,現段階で決めるのはなかなか難しいというのが前回の皆様方の御意見だったと思うのですが,事務局から御回答いただく前に,ほかの委員の方々,追試験の時期について,何か御意見がある方があれば,挙手をお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。特にございませんか。
 では,まず当事者の山本理事長,いつ頃デッドラインというか,追試験の会場設定のスケジュール的にはいつ頃とお考えか,もしお答えがあればお聞きしたいと思いますが,いかがでしょうか。
【山本委員】
 入試センターの山本です。今,それぞれの御意見,以前に全高長からも全都道府県に置いてくださいという要望書もあったと聞いておりますし,できるだけ早くとは思っております。
 各大学の地区協議会等において会場設定の相談もされるということでございますので,文科省とも,できるだけここのところを早く決めてくださいということで話しています。いついつまでに決めますというのは,今,私のところで言えるということではないんですが,とりわけ実施会場になるかもしれない大学についてはできるだけ早く知らせないといけないということで,そういったことについて,各地区連絡協議会にもお知らせをしたいと思っております。
 ということで,また文科省ともいろいろ議論しながらと考えております。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 では,前田室長,いかがでしょうか。文科省としてのお考えは。
【前田大学入試室長】
 まず,どこで決めるかということでございますけれども,これは,またこの選抜協議会において御議論いただくということになろうかと思います。また,時期でございますけれども,一つの目安と申しますか,前例で申し上げますと,新型インフルエンザのときには10月に,秋口でございますけれども,追試験場,そのときは全国2から47にしておりますけれども,その時期のタイミングでお示ししたという前例はございますので,そういうところも参考としながら,入試センターともよく話し合って協議した上で,またこの協議会にお示ししたいと思っております。
 以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 ということで,高校側,国大協側,いろいろ御要望はあるようでございますが,先ほど申しましたように,今年の状況と同じ感染状況が,果たして再び起きるかどうかということは,今の段階では分かりませんので,もう少し状況を見極めて,今,室長からお話ありましたけれども,秋頃,またそこで状況を見極めて,本協議会で必要な対応策を取るということでいかがでしょうかということなんですが,よろしいでしょうか。
【山本委員】
 入試センター,山本ですけれども,よろしいでしょうか。
【川嶋座長】
 どうぞ。
【山本委員】
 今,室長からお話があったように,秋頃に最終的に決めないといけないということですが,試験場の準備は,各大学は,先ほども申し上げましたように,そろそろこれから始まっていくわけですよね。そういう中で,追試の会場をどうするかが決まってからということでは,ちょっと遅きに失する可能性がありますので,準備その他については,そういった心構えは一応しておく必要があるかなとは思っております。
 感染状況が昨年のようなことになった場合には,各都道府県とかいうことも意識しながら,地区連絡協議会で議論しておいていただきたいなと思います。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。状況は刻々と変わると思いますので,文部科学省並びに入試センターで状況を適切に把握していただいて,必要な対応をできるだけ早く取っていただくということしか,我々としては現段階では言えないのかなとは思います。
 ほかの委員の方々,いかがでしょうか。
 泉委員,どうぞ。
【泉委員】
 全国P連の泉です。保護者の側の意見としまして,会場を全都道府県に設置していただくということについては,強い要望があるということを御承知いただきたいということであります。
 加えて,先ほどの日程についても,早いアナウンスということをお願いしたいということでございます。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】
 それでは大林委員,どうぞ。
【大林委員】
 最終的な判断は,先ほど言われたように状況を見ながらで良いと思うのですけれども,準備はしておいていただかないと,結果として追試会場が手配できなかったからという,そんななし崩し的な理由で10月を迎えないようにしてもらいたいと思います。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 ほかの委員の方々,よろしいでしょうか。
 文部科学省あるいは大学入試センターにおかれましては,今出していただいた様々な御要望に留意の上,受験生の混乱や不利な状況を招かないような対応策を,今後も引き続き,していただければと思っております。よろしいでしょうか。
 岡先生,引き続き,今の追試験日程以外に,何か御意見ございますか。お手が挙がっているんですが。
【岡委員】
 幾つかありますので,よろしいでしょうか。
【川嶋座長】
 どうぞ。
【岡委員】
 13ページの(2)の個別学力検査の件ですが,この中で追試,振替受験という項目がございまして,昨年の場合は,必ずしも7月31日までに公表が必要ではないけれども,新型コロナウイルス感染症に罹患した患者さんの受験機会を確保するために云々と,通知が来ているんですが,今年も追試験等については,昨年と同様に7月31日までに必ず公表する必要はないのかどうか,これをお聞きしたいんですが。
【川嶋座長】
 前田室長,いかがでしょうか。
【前田大学入試室長】
 そこは昨年度同様,追試験と振替受験の設定,これは大学にお願いしている話でございますので,それぞれの個別の検討状況があると思いますので,なるべく早くとはお願いしたと思いますけれども,昨年同様の取扱いになろうかと考えております。
【岡委員】
 受験生に対して,できるだけ早く知らせるということは必要だと思っておりますので,一応,幾つかの大学からそういう意見がございましたので,紹介をさせていただきました。
 それから,引き続きよろしいですか。
【川嶋座長】
 どうぞ。
【岡委員】
 14ページのICTの活用なんですが,(6)のICTの活用に書いてある文章が,ずっと読んでいて,各大学の実情に応じた対応が可能なように修正していただきたいと。これで見ると,ICTを使うのが当たり前のような表現になっている気がしますので,こういう対応を行うことができるとか,そういう記載にしていただけないかと。
 特にICTに関しましては,高校側からも大変いろいろな問題点を,大学入試のあり方に関する検討会議でも述べられていますので,当然,ICTを活用することを今から拡大していかなきゃいけないとか,拡大する必要があるというのは理解しているんですが,公平性とか,不正防止とか,通信回線の問題とかいうことを,なかなかクリアできないところもございますので,これをやるのが当たり前という記載が,少し気になるという意見でございます。
 これについては,以上です。いかがでしょうか。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 前田室長,いかがですか。
【前田大学入試室長】
 今,岡先生がおっしゃるように,これは大学にICTの活用ということで明記させていただいておりますけれども,確かに,あり方検討会議での調査結果の中で,よかったという点もあれば,課題という点も幾つか挙げられておりましたので,必ずしもマストでお願いしますということではなくて,当然,各大学の実情,通信環境の整備でございますとか,高校との調整もございますので,そういった理解でこちらとしては考えている次第でございます。
 以上でございます。
【岡委員】
 このままいくと,やるのが当たり前と捉えられるのではないかという危惧が大変ございましたので,今,述べさせていただきました。
 多くてすいません。それから,15ページの3のその他の,入学志願者への情報提供・周知というところですが,これも,当該大学が所在する地域の感染状況が著しく深刻であること及び当該地域において入学者選抜が実施できないことが明らかであるような例外的な場合について,大学が判断するのか,文科省が判断していただけるのかということ。それから,その判断基準というのは一体どういうプロセスになるのかということが,とても分かりにくいのではないかという意見がございましたので,その点についても御回答いただければと思います。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 前田室長,いかがですかね。
【前田大学入試室長】
 この部分ですけれども,地域の感染状況が著しく深刻であることと書いてございまして,少なくともこの1月,2月,3月に行われた入試の時期における緊急事態宣言のレベルでは,取りやめることはできないと考えておりますので,それを上回る,まさに異常事態,はっきり申し上げて入試どころではないような,そういったことではないかと考えておりますけれども,この部分は今,先生から御指摘ございましたので,要項上,判断基準まで書き込むことは難しゅうございますので,事務局で大学団体とも調整しながら,Q&Aという形でお示しできることは整理したいと思っております。
 以上でございます。
【岡委員】
 ありがとうございます。
 最後に,医学部医学科の追試については,今,厚労省と調整していただいていると理解しているんですが,歯学部を持つ大学からも,厚労省と調整していただきたいという意見がございましたので,申し添えます。
 私からは以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】
 圓月です。本日修正されていないところについて,意見を述べさせていただいてもよろしいでしょうか。
【川嶋座長】
 どうぞ。
【圓月委員】
 10ページの4の入学者選抜の公正確保のところです。1行目に中立・公正と書いてあります。これにつきましては,経済的格差の解消なども含め,入学者選抜には何が必要か,多面的な評価の在り方に関する協力者会議でも,かなり議論を尽くしました。あり方検討会議でも,標準の言い方は,公平・公正と書くことになったと聞いていて,協力者会議の取りまとめのほうにもその用語を使わせていただいております。よろしかったら,文言の調整あるいは統一等についてお考えいただければと思って,発言をさせていただきました。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。ほかの有識者会議等での文言との調整に対する御意見だったと思います。ありがとうございます。
 泉委員,ありますでしょうか。お手が挙がっていますけれども。
【泉委員】
 先ほどの10ページの,同じく入学者選抜の公正確保の欄の,一番下の段の「自己点検・評価を実施する」というくだりがあるんですけれども,これは公表されるのか,それとも自己点検・評価を実施して終わりなのかを説明いただきたいんですけれども。
【川嶋座長】
 これは認証評価とも関連してくると思うんですが,あと,あり方会議でも,この点は議論しているところです。現段階で,室長,何か御回答ございますか。
【前田大学入試室長】
 今の取扱い上,これは医学部医学科の不正入試の話がございましたけれども,そういうところの会議でも御提言を受けて,こういった感じになっておりますが,必ずしも今の状況だと,自己点検・評価の結果について,各大学がそれを公表するというところにまでは至っていない。しているところもあると思いますけれども,必ずしもそれを求めているわけではない,それが現状という理解でおります。
 以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 泉委員,よろしいでしょうか。
【泉委員】
 ここのくだりのところ,適正性を確保するために,そういった点検・評価を実施されるんですから,その辺りは何とか公表していただいて,受験生側の根拠ということにしたいとも考えますので,できればそういうことを公表していただくということをお考えいただきたいということが,我々の思いということであります。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。今申しましたその辺りは,大学入試に関するあり方会議でも,そういう御意見も出ていましたので,きちんと自己点検・評価を行って,しっかりと情報公表するということが必要ではないかということも,今後,最終的な提言には盛り込んでいく方向性も議論されております。
 それでは,柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】
 柴田でございます。これも全く新しい論点で,4ページの第4,試験期日等についての2番のところで気づいたことがありますので,発言させていただきます。
 各大学で実施する一般入試云々ということなんですが,これは,あり方検討会議で話題になりました秋入学についてでございまして,あのときに,たしか全大学の悉皆調査で,現行でも秋入学をやっている大学がどういう選抜をやっているかというと,春の入学と全く変わらない日程という特徴があったわけで,不思議に思っていたんですけれども,少なくともそのままの要項だと,秋入学の場合にも,この日程に沿ってやるしかないということになっているんだなと,改めて気づいたわけでございます。
 現行でも秋入学は可能であるという流れになっているんですけれども,選抜については,この要項にのっとってやるというのは随分窮屈なのではないかなと思いますので,将来の検討課題かもしれないんですけれども,この4ページの第4の2で,各大学で令和4年の4月入学者に対して実施するとか,そういう文言があれば,秋入学者に対しては別のやり方もあるということになるんじゃないかなと感じた次第ですから,発言させていただきました。
 以上です。
【川嶋座長】
  ありがとうございました。
 秋入学については,今,言及ありましたけれども,あり方会議でも議論はしておりますし,教育再生実行会議でも,新聞報道等によりますと,そういう提言内容も含まれるということもあるようですので,柴田委員の御示唆のように,秋入学について,入試についてのルールをどうするのかということについては,最後の議題になっております今後の本会議での検討課題とするのが適切ではないかと思っております。急にここをまた変えると,混乱を招きそうな印象を持っています。
【柴田委員】
 よろしゅうございましょうか。
【川嶋座長】
 どうぞ。
【柴田委員】
 私,同感でして,この期に及んで発言するというのはじくじたるところがあるんですけれども,ここの書きぶりが現状では制約になっているんじゃないかなという御指摘だけはさせていただきたいというところでございまして,今後の大きな検討課題になろうかと思います。
 以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 ほかに……。
【前田大学入試室長】
 川嶋先生,よろしゅうございますか。
【川嶋座長】
 どうぞ。
【前田大学入試室長】
 すいません。今の柴田先生から御提案あったことで,大きな検討課題だと思っております。その上で,あくまで現状の要項には,秋季入学について規定しているところがあるにはありまして,今,画面上にお示ししているような,(4)秋季入学等,4月以外の入学時期に係る大学入学者選抜については,本要項を踏まえ,それぞれの大学において適切に判断すると書いてございますが,今先生がおっしゃった,もっと大きなところからのお話かと思いますので,このままでいいのかどうかというのは,まさに今後の継続協議として皆様方で御議論いただいて,決定していきたいと考えております。
 以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 令和4年度の入学者選抜実施要項について,何か追加で御意見・御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 なければ,おおむね原案どおり了承していただいたとは思いますが,多少の微修正,文字・文章表現等,修正が必要な箇所もございますし,また,先ほど室長からございましたが,御質問については,Q&Aとか,あるいは各地区で大学の入学試験関係者の集まり等もございますので,そういうところでいただいた御懸念とか疑問については丁寧に説明させていただくということで,微修正も含めて,今後の取扱いについては,大きな変更はないと理解しておりますので,私と事務局に御一任いただければと思いますが,それでよろしいでしょうか。
  (「異議なし」の声あり)
【川嶋座長】
  ありがとうございました。それでは,次の議題に進みたいと思います。
 議題の2は,令和4年度大学入学者選抜に係る新型コロナウイルス感染症に対応した試験実施のガイドラインについてでございます。これは前回も御議論いただきましたが,改めて事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。
【前田大学入試室長】
 それでは,お手元の資料2-1と資料2-2でございます。資料2-2は,ガイドラインそのもの,本体でございます。資料2-1は,前回御議論いただきましたけれども,そのポイント案に沿って,資料2-2で実際の文言について御覧いただければと思います。
 通し番号30ページ,基本的な考え方でございますけれども,前段に文言を書き加えております。今年度の実施についての概括でございますけれども,「令和3年度大学入学者選抜の実施については,令和3年1月7日『新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針』(新型コロナウイルス感染症対策本部決定)において,緊急事態宣言が発令された中にあっても,『実施者において,感染防止策や追検査等による受験機会の確保に万全を期した上で,予定どおり実施する』ことが決定され,実際,試験を実施する大学の徹底した感染症対策をはじめ,多くの関係者の協力等もあり,特段大きな混乱もなく実施された」というのを入れてございます。
 同じページの後段以降でございますけれども,感染のリスク,何と比較してどうなのかということで,「日常生活の様々な場面で感染する可能性よりも比較的低い」というのを入れてございます。
 31ページ,次のページでございますけれども,同じく基本的な考え方のなお書き,ずっと下に参りまして,「なお,今後の感染状況の見通しを含む様々な状況等に応じて」と文言を修正してございます。これは,現行は「新たな感染の拡大」等と書いていますけれども,今後,拡大のみならず,収束ということも視野に入れる必要があろうかと思いまして,「感染状況の見通しを含む様々な状況に応じて」というのを入れてございます。
 32ページ,丸2の受験生控室の確保でございます。これについて,「試験の実施方法によって,受験生控室を確保する必要がある場合には,本ガイドラインで示す様々な感染症対策を講じるとともに,控室内の飲食や会話等感染リスクの高い行為は控えることを記載した案内紙を掲示するなど,受験生への注意喚起を行うこと」と入れてございます。
 33ページの試験室の机,椅子の消毒のところでございます。これは,政府において,消毒・除菌について整理している用語に統一したという修正でございます。
 また,丸9,面接試験,実技試験の実施のところでございますけれども,ここに,「飛沫感染防止策を徹底すること。また」以降でございますが,ドア以外に窓というケースもあるだろうということで,窓を入れてございます。
 それから,実技試験の実施については,基本的には控えるといった打ち出し方でございましたけれども,実態に合わせた形で,「実技試験については受験生同士が密集する運動や近距離で組み合ったり接触したりする場面が多い活動,近距離で行う歌唱など感染リスクの高い内容を控えることが望ましいが,実施に当たっては,高等学校等における具体的な活動場面ごとの感染予防対策,各競技団体や文化芸術団体が作成するガイドラインを踏まえ,感染症対策を十分に講じた上で,実施すること」といたしております。
 なお,参考として,文部科学省の「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」というのも添付してございます。
 丸11,トイレの使用でございますけれども,「トイレは感染リスクが比較的高い」という言葉がございます。高いことは高いのかもしれませんけれども,特段,特別ということでもなくなったのかなと。飲食による感染の高さもございますので,ここはあえて強調せずに消してございます。
 また,会話は極力控えるということで,実際,大学からの実例といたしまして,トイレ内で,試験ができたとか,できないとか,そういった会話を生徒がやるということもあったということでございますので,「会話を極力控える」ということを入れてございます。
 それから,丸14の試験監督者に対する感染症対策の要請で,「5つの場面」という新しい概念が入りましたので,それを入れてございます。
 通し番号35ページ,試験当日の対応,マスク着用でございます。「鼻と口の両方を確実に覆うこと」といたしております。また,入退場時という場面を加えまして,それから,「会話を極力控えるよう要請するとともに掲示物等による注意喚起を行う」ということで,厚労省のホームページの「正しいマスクの付け方」を添付するという形にしております。
 丸3の発熱・咳等の症状のある受験生への対応でございますけれども,「試験当日までに発熱・咳等の症状を理由に受験生から追試験の受験等の申出があり,診断書の提出等を求める場合には,感染拡大リスクや医療提供体制の逼迫状況等により,その提出等が困難な場合を考慮し,個々の受験生の状況に応じて対応すること」としてございます。
 丸4,無症状の濃厚接触者への対応の,線で見え消しをしているところ,過去2週間以内の入国者の取扱いでございますけれども,これは関係省庁とも調整がつきまして,入国者の取扱いは,これまで濃厚接触者という扱いでございまして,2週間待機,ただ,その間に,以下にございます要件を満たせば受験できるという取扱いにしておりますけれども,これは,後ほど後段に書いておりますけれども,一律,防疫対策上のルールにのっとって待機をいただくという整理にしてございます。
 初期スクリーニングのPCR検査のところでございますけれども,自治体「又は」を加えまして,「自治体から指示された医療機関が実施するPCR等の検査」と入れてございます。
 それから,受験当日の無症状の義務,「PCR等の検査の結果が陰性であることを文書等で証明することはない」ということがございましたけれども,実際,保健所では,証明書を出す保健所もありますということなので,出すことは義務ではないということで,「義務はない」と正確性を期して表記を変えてございます。
 37ページでございますけれども,換気の実施。これは「少なくとも」「少なくとも」と2回続いたので,「少なくとも」を1個消しているという修正と,「また」以降,「試験室のドア等を介した間接的な接触を回避するため,試験実施上,支障のない範囲で受験生が利用するドアの常時開放等の工夫をすることが望ましい」ということで,こういう取組がされた大学もあるということで,もちろん飛沫感染によるものが大きいわけでございますけれども,間接接触についても言及をしているということでございます。
 38ページ,次のページでございますけれども,飲食時の感染リスクの高さを少し強調させていただいています。「短時間の食事に比べ長時間に及ぶ飲食は感染リスクが高まることから」としてございます。
 同じページの試験終了後,試験監督者の健康観察でございますけれども,いつまで毎朝体温測定,体調の観察等を行うのか,時期,目安が書いていなかったものですから,試験終了後2週間程度にということで明記をしてございます。
 丸2の修正は,先ほど申し上げました統一的な用語に直したということでございます。
通し番号39ページでございますけれども,受験生に対する要請事項,丸1,自主検温でございますが,試験日の7日程度前からということにしておりましたけれども,特に日頃からやってもらえればいい話だと思いますので,これは消しているということでございます。
 丸3の受験できない者でございますが,新しく追記しているのが,「なお」以降,「大学入試センター及び各大学は,新型コロナウイルス感染症に罹患していないことの証明や新型コロナワクチンの接種を,受験要件にしないこと」と入れてございます。
 同じところで,海外の入国の受験の場合は,先ほど御説明しましたように,「受験生は防疫対策として要請される事項に基づき行動することから,入国後の待機期間中は受験できない」ということで,入国者の対応が感染状況に大きく影響を受けますので,入国者が受験する場合には,無症状の濃厚接触者には含めず,入国後の待機期間は入国時の防疫対策に従っていただきたいということでございます。早めの帰国ということになろうかと思います。
 40ページでございますけれども,こちらも接触,会話のある場面を追加,「入退場時」というのを入れてございます。また,試験当日の服装,昼食につきましても,「食事を取り終えた後は,速やかにマスクを着用すること」ということで追記してございます。
 「新しい生活様式」の実践につきましては,今お示ししているとおりの文言で,最後に,COCOAでございますけれども,実際,地域独自のQRコード等による追跡システム,大阪でございますとか,神奈川でございますとか,幾つかございますけれども,政府の基本的対処方針においても,こうした追跡システムの利用の呼びかけがなされてございますので,これを入れているということでございます。
 以上が新型コロナウイルス感染症のガイドラインの事務局からの説明でございます。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 それでは,ただいま事務局から説明がありましたガイドラインの内容につきまして,御質問・御意見がある方,どなたでも結構ですので,挙手をお願いしたいと思います。とりわけ,感染症の専門医で,本日参加されているお二人の委員からは,追加の説明等がありましたら,ぜひお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。
 泉委員,どうぞ。
【泉委員】
 最初の30ページの基本的な考え方の「三つの密」の部分なんですけれども,換気の悪い密閉空間であるという根拠というのが,少し不明確なところではないかなと思うんです。換気の悪いということと,37ページの丸7,換気の実施の中に,一律に換気の目安を示すことは難しいものの,可能な限り換気の頻度を多くすることが望ましいと書いてありますので,換気が悪いから,これをするのではなくて,換気よしあしにかかわらず,換気の頻度を多くするということでよろしいんでしょうか。それとも,換気が悪いということは,何かの根拠があるということなんでしょうか。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 換気と感染の関係について,専門医の柳元先生,何か御説明ありますでしょうか。
【柳元委員】
 ありがとうございます。東京大学の柳元でございますが,御質問のことは必ずしも,今お話しすることではないかもしれないですが,換気に関しては,いろいろ国交省のビル管理基準ですとか,産業衛生学会が二酸化炭素濃度を参考にしたものを提唱して,その後,そういったものがいろいろなところでも提案されるようにはなってきています。
 あと,アメリカなどでも,部屋の空気全体が1時間に何回以上入れ替われば,感染対策上は大丈夫だろうとか,いろいろ数字的なものは出ていますけれども,これをいろいろな施設で一律に適用するのは難しい,あるいはそういう情報を収集することは困難であろうということで,昨年度の状況でも,こういった形で極力換気をしてもらってということではあったのかなと理解しています。
 お尋ねのことに関しては,私は,換気が悪いということが,どこから換気が悪いに該当して,換気をしなきゃいけないという話になるのかということかと思いましたが,全体として,そういう対応を各施設でやってくださることが感染対策に資するだろうという趣旨と理解しております。
 私からは以上になります。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 換気の件については,今,柳元委員からも御説明ありましたけれども,飲食店でもCO2のメーターを置いて,それが一定の濃度になったら換気をすることが,実際よく行われているようです。ここで換気を定期的にしろというのも,大学の置かれた地域によっては,なかなかそれができない。特に1月の半ばですので,寒冷地ではなかなかそれができないという事情もあって,望ましいという記載になっているんだろうと思いますが,できるだけ換気するにこしたことはないと,私は素人ですけれども,思っているところです。
 ほかに御質問・御意見。杉本委員,どうぞ。
【杉本委員】
 36ページの丸4の1初期スクリーニングのところなんですけれども,赤字で書かれた「自治体から指示された医療機関が実施するPCR等の検査(行政検査)」というのは,具体的にどういうものか教えていただいてもいいですか。
【川嶋座長】
 これは前田室長あるいは柳元委員,どちらがいいですかね。お答えできますか。
 柳元委員,どうぞお願いします。
【柳元委員】
 東京大学の柳元でございますが,この意味ですけれども,現在保健所が濃厚接触者を,国の疫学調査基準に基づいて判定していきます。この際に,感染者との接触状況ですとか,感染者が症状があった時期からの日数などに応じて,保健所の指示で検査を受けてくださいと言われるケースがあります。この場合には保健所が,どこそこの医療機関でいつ受けてくださいということで,行政検査として指示を出しますので,ここに書かれている文言は,自治体というのは保健所が,この医療機関で検査をするようにと言った場合の行政検査というのが,まず一つの意味なのかなと思います。
 個別事情で,今私が申し上げたようなこと以外でも,保健所を通して,指定した医療機関で検査を受けられるというオプションを提示されることがあるかと思いますので,文章からはそれも読めるようには思いますが,民間検査会社などいろいろなところがやって,コントロールされていないようなものは,この文章からは読めない,含まれないのかなと理解しております。
 私が申し上げる範囲じゃないことまで申し上げたかもしれませんが,もし何かありましたら,前田室長から補足・訂正をお願いいたします。
【前田大学入試室長】
 今,柳元先生から御説明あったとおりかと思いますけれども,特に何でもかんでもいいというわけでもなくて,厚生労働省の協議の中におきましては,自治体から指示された医療機関ということで,民間でいろいろ行われているものというよりも,自治体から指示された医療機関が担保される必要があるということでございます。
 以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 それでは,大林委員,どうぞ。
【大林委員】
 通し番号の39ページの3,受験生に対する要請事項の丸1,自主検温「等」になっていて,これはもともと自主検温の文章から中身を拡大して構成されているのですよね。特にQRコードで読み込んだ文章なんかを読むと,本当に感染防止策全般の話になっているので,ここを直すのだったらタイトルのところから,感染防止策の徹底とか,日頃からの心がけとか,体温の話じゃなくなっちゃっているのではないかなと思いました。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 御指摘のように,体調の変化の確認等もございますので,見出し等については事務局で適切に,御意見をベースに考えていただければと思いますが,前田室長,いかがでしょうか。
【前田大学入試室長】
 そのように考えて,改めたいと思います。ありがとうございます。
【川嶋座長】
 ほかの委員の方々,ガイドラインについて御意見・御質問ございませんでしょうか。
 沖委員,どうぞ。
【沖委員】
 沖でございます。よろしくお願いします。
 今の39ページのところで,丸3,受験できない者についての一番最後ですね。追加されている「海外から日本に入国して」ということで,考え方としてはよく分かるので,この文言自体は駄目だというわけではないんですが,恐らく防疫対策が,出国する側と入国する日本側で,例えば待機期間が短くなる分には問題がないんですが,突然直近になって長くなるようなときには,受験生の本人の責めではない理由で受験できなくなるというリスクが潜在的に出てきます。
 恐らくそのような場合は,個別の対応としては,受験料の返還であるとか,コロナに罹患して受けられない場合の対応に準じるということになるかと思います。ならないかもしれません。その辺りは,ここで決められないような気もしますので,これはQ&Aで,あるいは別の形で,柔軟な対応があり得るということを,どこかで共通理解にしたほうがいいのではないかなと思いましたので,申し上げました。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 先ほどの選抜実施要項同様,大学に対する説明会,高校に対する説明会とQ&Aで,いただいた御意見についてはきちんと説明していただくのがよろしいのかと思います。
 大林委員,手が挙がっておりますが,よろしいですかね。分かりました。
 じゃ,圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】
 通し番号の40ページのところですけれども,丸8の「新しい生活様式」等の実践。先ほど通し番号の34では「5つの場面」を加えたと言っておられたので,34ページに「5つの場面」の回避も入れられるんだったら,こちらも入れられたほうが整合性が高いのではないかなと思って拝見しておりました。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 この辺りは,最終的には整合性が,御指摘のように「5つの」ということを合うような形で,修正を加えていただければと思います。
【前田大学入試室長】
 先生,ちょっとよろしゅうございますかね。
【川嶋座長】
 室長,どうぞ。
【前田大学入試室長】
 すいません。今,圓月先生から御指摘いただいた「5つの場面」の話でございますけれども,これは34ですね。実は,飲食を伴う懇親会というのがございまして,これはアルコール的な要素が含まれておりまして,ですので,受験生に対する要請事項の中で引用していいかどうか考えたんですけれども,ちょっとどうかなということで,今はそういう形で整理しております。
 以上でございます。
【川嶋座長】
 分かりました。
【圓月委員】
 了解しました。御一任します。
【川嶋座長】
 高校生の場面にはふさわしくないと踏まえての御説明でした。
 ほかに御意見・御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 いろいろ御意見なりコメントをいただきまして,ありがとうございました。先ほどの検温のところの見出しについては,内容により合った見出しに,39ページ,通し番号39の丸1の自主検温等というところについては,ここに書かれている内容が,「等」とあるので,これでもいいのかなと私自身は思いますけれども,先ほどいただいた意見も引き取って,事務局と調整させていただきたいと思いますので,先ほどの選抜実施要項同様,最終的な文言等については,座長と事務局に御一任いただければと思っております。
 またいろいろ,ここが分かりにくいのではないかというコメントもいただいておりますので,そういう箇所については,付属資料としてのQ&Aや,各種の説明会で丁寧に説明していただくということにさせていただきたいと思っております。ありがとうございました。
 それでは,本日の議題3番目ですが,令和5年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱についてですが,これについても事務局より,まず説明をお願いします。
【前田大学入試室長】
 お手元の資料3でございます。令和5年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱でございまして,通し番号で申し上げますと42ページでございます。
 こちらを御覧いただきますと,利用に係る通知等のところで,2の「また」以降を新たに記載させていただいておりますけれども,これは,私ども事務局に時々,大学様からのお問合せがあって,改組の場合で利用しないという場合には,いつどうすればいいのかというお問合せがあったものですから,事務的に文言を加えておりまして,これもあらかじめ通知をお願いしたいということで,加えているものでございます。
 それから,通し番号43ページの第5,実施期日でございますけれども,1としまして,大学入学共通テストの実施期日については,1月13日以降の最初の土曜日及び翌日の日曜日とし,令和5年度大学入学共通テストの実施期日は,令和5年1月14日土曜日及び15日日曜日とするといたしております。
 第7,実施方法等に関する要項でございまして,「大学入試センターは,この大綱に定めるもののほか,実施方法,出題教科・科目の詳細,時間割,試験場,出願手続,検定料,成績提供,経費等に関する要項を定め,令和4年6月30日までに公表する」としてございます。
 別表の1としまして,出題教科・科目と,出題教科・科目の選択範囲及び試験時間割でございますけれども,昨年度初めて共通テストを実施したわけでございますが,それがこういった設定で実施したわけでございます。来年1月の共通テストについても,この枠組みで実施することについては,この会議の前身である昨年の6月の改善協議の場でも決定したわけでございますけれども,再来年1月の共通テストについても,この枠組みを踏襲するということの案でございまして,特段の変更を加えてはいないという整理にしてございます。
 通し番号の46ページ,47ページについては,年の更新でございまして,3を4にしたり,4を5にしたりということでございます。
 事務局からの資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】
 御説明ありがとうございました。
 それでは,この実施大綱について御質問・御意見がございましたら,どなたでも結構ですので,お手を挙げていただければと思いますが。どなたもございませんか。
 杉本委員,どうぞ。
【杉本委員】
 よろしくお願いします。大学入学共通テスト企画委員会でも話題になったんですけれども,数学の丸1の試験時間70分というところについて,多分,議論するのはここぐらいしかないんじゃないかと言われていたんですけれども,これは70分で継続するというのが原案なんですね。質問です。
【川嶋座長】
 前田室長,原案ということですね。
【前田大学入試室長】
 ええ,原案で,70分といたしたいと思っております。特に試験時間を変更するという事情は,この1月に行われた共通テスト以降,生じていないという認識でおりますので,これはこのとおりといたしたいと思っております。
 以上でございます。
【川嶋座長】
 よろしいでしょうか。
 ほかの委員の方々,いかがでしょうか。特にございませんか。
 山本理事長,何か補足ございますでしょうか。
【山本委員】
 山本です。特に補足はありません。先ほど室長が説明されたとおりでやっていこうということになろうかと思います。もちろん,この70分ということについては,センターの企画委員会でも若干議論がございましたが,先ほど,来年度1月の試験,この4年度大綱を出す去年の議論のところでも,特に異論がなかったということで,これを踏襲してはどうかということであります。
 ここで一つ変えるということになりますと,また作題方針の見直しその他,もろもろのことがあり,仮に見直したとしたら,それを受験生に知らせるということもあって,受験生に予見性を保護するという,受験生に混乱をもたらさない意味でも,この3年度試験,4年度試験と同様にやっていったらどうかということでございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 島田委員,どうぞ。
【島田委員】
 島田です。ありがとうございます。
 5年度については,これで了解です。新指導要領下での7年度の入試については,また別途,しかるべく議論ができればと思っております。それだけです。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 ほかの委員の方は,この件。
【山本委員】
 山本です。すいません。よろしいですか。
【川嶋座長】
 どうぞ。
【山本委員】
 今,島田委員がおっしゃったとおりに,これについては,新課程に対応した7年度試験に向けてのことについては,全体としてきちんと議論する必要があるかなと。科目等々も随分大きな変更がございますのでということです。ありがとうございました。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 ほかに追加の御意見・コメント等ございませんか。
 それでは,特に修正すべき御意見等もございませんので,令和5年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱については,この案で了承したということにさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
  (「異議なし」の声あり)
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 引き続きまして,本日の議題の4,その他でございます。その他は,前回も御議論いただきましたが,入試日程のルール遵守について御議論いただきたいと考えております。
 それでは,まず事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【前田大学入試室長】
 資料4を御覧いただければと思います。お手元の1枚物でございますけれども,前回お示しした入試日程ルールに基づく選抜の実施のところで,まず修正箇所等も含め,全体を御説明させていただきたいと思います。
 対応方針のところで,総合型選抜・学校推薦型選抜の入試日程ルール違反の是正の推進ということで,少し表記を変えてございます。ここに新しく加えておりますのは,「ルール違反に該当するかどうかの判断が難しいケースについては協議会で是正要請の可否を審議」ということでございます。
 これはどういうことかと申しますと,違反要件のところに3つ四角がございます。こちらを御覧いただければと思いますが,出願時期または合格発表時期が,総合型選抜は9月1日以前または11月1日以前,学校推薦型は11月1日以前または12月1日以前という出願時期と合格発表時期のルール,これを前倒ししているというところについては,形式的に見れば分かるものでございますので,これは違反しているということでございますが,下の2つの,出願前に実質的に選抜行為をしている,それから,出願前のエントリーなどが実質的に出願となっているという事象につきましては,前回,近畿の高等学校の進路指導連絡協議会からの要望にもございましたけれども,こういった事象があるのではないかということを,要望書として出されているわけでございます。
 例えば,出願前に実質的に選抜行為をしているということでございますけれども,出願自体は9月に入ってから,10月とかなんですけれども,その前に,例えば9月の中旬に面接などを行って,その結果を基に出願可否の通知を出しているという大学も,私どもも少し調べたら,ございました。
 もう一つが,出願前のエントリーにつきましても,出願自体は9月以降なんですけれども,その前にオープンキャンパス等といったことで,それが出願の際の要件になっているということで,実質的に出願になっているというのが,この3つ目でございます。
 こうしたことについて,下の矢印でございますけれども,報告事項といたしまして,出願時期,合格発表時期に加えて,出願可否や事前選考結果を通知している場合の選抜との関係,それから,エントリーや何らかの取組を求めている場合の出願との関係を,私どもに御報告いただきまして,それで私どものほうで中を拝見させていただいて,判断が難しいケース,恐らくは出願前の実質的選抜行為あるいは出願前のエントリー,実質出願ということになろうかと思いますけれども,これについては,この協議会で御審議いただいて,違反大学だと思われる可能性が高いものについて,ルール遵守を要請させていただくと。
 ただ,大学のほうでそれぞれの事情,理由等もあるかと思いますので,かつ,協議会で御審議いただいて,それがグレーだという結論もあろうかと思います。したがいまして,最後は大学名だけではなくて,大学自らでその理由をお出しいただいて,それを併せて公表してはどうかという案にしてございます。
 なお,前回,どれぐらいの大学かということでお尋ねございましたので,少し補足させていただきますと,出願時期,総合型選抜の,これは令和2年度選抜でございますけれども,スケジュール前倒し,選抜の出願が前倒ししているという大学は,12大学。短期大学は除いておりますので,12大学でございますが,規模としてはそんなに大きな数ではないだろうと思います。
 それから,出願前の実質的な選抜とありますが,エントリーなど。これは私どもで把握をしてございませんので,数字等については持ち合わせていないところでございます。
 また,学校推薦型選抜の日程の出願が11月1日より前だった大学,これも令和2年度選抜でございますけれども,336大学でございます。
 以上が総合型・学校推薦型選抜の事務局案でございますけれども,これについては,近畿の高等学校進路指導協議会もそうですけれども,全高長さんからの御要望に基づいて,こういう議論を提示させていただいておりますので,私の説明の後,全高長さんから,具体的な事案について御紹介をいただければと思っております。一般選抜については継続協議ということで,今回は特に総合型・学校推薦型についての御議論をしてはどうかというのが事務局の案でございます。
 以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 それでは,参考資料3を画面共有していただきました。この要望書。今,前田室長からも最後に言及がございましたが,この件については,全高長から文部大臣宛ての要望書を契機として,この場で議論することとなっております。
 通し番号の11ページの丸5には,大学選抜実施要項に示された日程等が守られていない大学があり,要項を遵守するよう指導いただきたい。
 次の丸,実質的に総合型選抜であるにもかかわらず,指定校推薦並みの条件をつけた入試が見受けられた。次年度は出願受付時期を含め,ルール違反の総合型選抜の実施をなくしてほしい。また,学校推薦型の中で実施時期が早い大学がある。
 次の丸,一部の大学の学校推薦型選抜で文部科学省の指針(入試日程),この選抜実施要項ですが,に従わないケースが見られ,対応に苦慮したとありますので,より具体的にこの場で議論するために,アンケートに書かれている事例の具体的内容について,全高長側の委員の方,杉本委員あるいは石崎委員から御説明をお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。
【石崎委員】
 石崎でございます。よろしいでしょうか。
【川嶋座長】
 どうぞ。
【石崎委員】
 今,前田室長から丁寧な御説明をいただいたので,特に総合型選抜のエントリーということについては,私のデータは今,全部持ち合わせてはいないんですけれども,従来から,六,七月からエントリーが始まって,エントリーにおいてレポートだとか,面接だとか,それから,大学によっては英語・数学・国語のドリルと言ったかな,要するに,学力を見るようなものが行われて,それで出願が認められた者だけが出願できるという,実質上,エントリーする学生の能力とか適性とか意欲とかを見た上で出願を認めているという,実質的な選抜行為が行われている大学が多数,短大もそうなんですけれども,特に関西のほうで多数あると聞いております。
 エントリーというもの自体が定義が曖昧で,エントリーとアプライが違うということを言いたいのかもしれないんですけれども,エントリーが事実上の出願で,出願が認められたのが,ほぼ合格ですよというような営業が高校を回って,関西のほうでは行われているという話も聞いております。
 ですから,この違反要件の特に2番目と3番目に書いてある部分が,住所・氏名・連絡先の登録というと,何か登録なんだなという気がするかもしれないんですけれども,そうではなくて,実質上の選抜行為がエントリー後に行われていて,その後,出願が認められるという仕組みになっている大学が,今年はデータがないんですけれども,平成31年まで全高長でずっと毎年調べて,それで文科省にも多分お知らせしていたと思うんですけれども,100じゃ利かないような数があったと思うんですね。それがずっと続いているということについて,ずっと言ってきたんですけれども,今回もそれを要望したということです。
 特に今年は,総合型選抜が9月1日に変わったということもありますので,知らなかったという言い訳もあるのかもしれませんけれども,それも含めて周知徹底を図った上で,守ってほしいというのが全高長側の要望でございます。
 指定校推薦の話も個別にはあるのかもしれませんけれども,その辺りは,学校と大学の関係がどうなっているのかという詳しい事情は存じておりませんので,ここではちょっとお話はできないんですけれども,以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について,御意見・御質問ございましたら挙手をお願いしたいと思いますが,どなたかございませんでしょうか。取りあえず,今の石崎委員からの御説明については,ございませんでしょうか。
 圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】
 圓月です。御説明,非常によく理解しました。
 ただし,こういうルール違反として,違反要件を3つ挙げてあります。1つ目のものに関しては,外形的な形で判断できますので,問題ないかと思います。2番目と3番目に関しましても,おっしゃる例というのも理解はできるんですけれども,実質的に選抜行為をしている,あるいは実質的に出願となっているというのを,どこで判断することができるかというのは非常に難しい問題かと思っております。
 ルール違反大学として名前が出たり,あるいは報告を受けたということが,その大学にとっても大きなダメージになることもありますので,その辺りについては慎重に議論をしていただきたいと思いながら拝聴していました。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 石崎委員,どうぞ。
【石崎委員】
 今,圓月委員がおっしゃられたことは,全くそのとおりでございまして,だから規制できなくなっているんですね。大学側も,言い方は悪いですけれども,抜け道を考えて,引っかからないように,実質的な選抜をやっているというのが現状だと思います。
 だからこそ,高校生にとっては,それは受験そのものになっているという実態を考えて,対策を考えていただきたいというのが要望の趣旨でございまして,文面上,間違っていないからいいんだということではなくて,実質的なところで高校生にどういう影響が出ているのかということを考えた上で,別に公表にこだわるわけじゃないんですけれども,とにかく9月1日以降の出願,そして選考というのが守られるような,実質的に守られるような方策を考えていただければということが趣旨でございますので,よろしくお願いします。
【川嶋座長】
 安井委員,どうぞ。
【安井委員】
 ありがとうございます。
 これも含めて,最終的にルール違反大学の公表とかという感じよりは,この協議会として取り組むのであれば,ルール違反とかということではなくて,入試時期の適正化に対して最初に訴えておく必要があるのではないかと思うわけです。適正化をしようよという,そこがなくて,いきなりこれがルール違反かどうかというところに入ってしまうのはいかがかと思うので,私としては,最初に協議会として,入試時期適正化ということは大事なんだよ,高校の教育にとっても非常に大事なんだよという,まずそのプレゼンテーションをしておいて,どういう違反がそこにあるのかということの実態をつかまえていくというプロセスを取られたほうがいいのではないかと思いました。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 それでは柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】
 この点,たしか私の記憶では十数年前に,8月1日からやろうよというルールを決めたワーキングに関与しておりまして,それ以前は野放しみたいな感じだったんですよね。特にAOにつきましては。そもそもAOの定義すらないという時代がありましたので。
 今回,高校の先生方のお話をもうちょっとお伺いしたいと思うのは,推薦入試については学校推薦型という形になっているので,学校長の推薦なるものはルール違反の大学に出しているのかどうかというところで,総合型選抜と推薦型選抜というのは,ある程度区別ができるんじゃないかという気がしております。
 それから,総合型選抜,昔のAO入試については,先ほどから御発言ございますけれども,なかなか難しいところで,やっと8月1日に,教育上望ましくないということで,ルール化したんですけれども,それでも影響があるというので,9月1日,昨年は9月15日になったという議論をして,こういう具合になっているということなので,今回,高校長協会から出てきた要望等に対しての対応というのは,次のステップを考えないと,またまた原則論まで戻ってしまうと,いろいろと今までのものが何だったのかなという気はしております。
 この議論でもう一つあったのは,大学としては,AO入試のときには時間をかけて選抜したいと。ぜひ夏休み中にやりたいと。大学のほうも時間をかけてやりたいという要望があって,8月1日からという具合になったように記憶しているんですけれども,それでも高校のほうでは教育に影響があるというので,9月1日まで,また後ろ倒しになった事情がございまして,大学としては前のほうでやりたいというのは,慎重に時間をかけてというのは,もともとからあった状況だと思います。
 ただ,こういう状況になっているので,抜け駆けというと言葉が悪いんでしょうけれども,そういう大学がまだ依然としてあるということについて,どう考えるかということで,今回はこの協議会で判断をするということなんでしょうけれども,これは随分悩ましい話になるんじゃないかなと。さっき聞くと,300大学もやっているというのが,聞こえてきたので,そうなると,これはちょっと手に負えないんじゃないかなと思うので,その辺り,例えば高校の先生方からそういう訴えといいますか,リストが上がってくるとか,そういう実質的なところをきちんとやっておかないと,この協議会で判断してくださいという話だと,実務的には随分苦しいんじゃないかなという感じはしております。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 ただいま柴田委員から,学校の先生方について,高校からの推薦状の提出について,時期とかについてお尋ねがあったと思うんですが,石崎委員,いかがですか。お答えありますか。
【石崎委員】
 すいません。さっきお話ししたように,学校推薦型の違反の事例の具体的なやつというのは,今持ち合わせていないものですから,主に総合型選抜のほうでお話を申し上げたんですけれども。
【川嶋座長】
 分かりました。
 ほかに,この件について御意見・御質問のある方はございますでしょうか。
 ほかに御意見。柴田先生,また手が挙がりましたが。
【柴田委員】
 総合型選抜についても,前回もエントリーシートという形で抜け道があると申しましたけれども,前の議論では,正式な入学手続というのは調査書の提出をもって進むわけでして,合否判定が出るためには,高校の調査書が要るんじゃないかと我々は考えたんですけれども,その辺りがどうなっているのかという実態が,我々も把握できていないものですから,石崎先生あたりにお尋ねできればと思うんですけれども,いかがですか。
【川嶋座長】
 石崎先生,手が挙がりましたが,いかがですか。
【石崎委員】
 結局,先ほどお話ししたような事例というのは,調査書を合否判定に事実上使っているわけではなくて,エントリーした学生に対して,意欲・能力・適性を見るようなことが行われた上で出願を認めている時点で,実質的にはもうこれで入れますよという営業が行われているということが,実質的な選抜行為ということに当たるんだと思います。
 ですから,その後,正規の手続で願書を出して,調査書をもらって,合格通知を出しているからいいんだという問題ではなくて,実質的な選抜行為が行われていること自体が問題だということだと思うんですね。ただ,それを取り締まるのが難しいというお話も,よく分かるんです。だから,この間ずっと解決していないんですけれども,そこを御議論いただきたいと思うんです。これは8月に決めようが,9月に決めようが,この抜け道はいつでも現状では許されてしまうわけで,そこを直すのが問題だと思うんですね。よろしくお願いします。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】
 石崎委員の御説明も非常によく分かりました。
 ただしもう一つ,今,高大接続改善の中で,高校生の大学の科目の先取り,及び入学時での単位の認定等,そういうものを推進するという動きなどもあることはありますね。既に数年前,ワールド・ワイド・ラーニングの中には,それを推奨するようなものも書いてある。私の仄聞するところでは,教育再生実行会議が今年度に入ってからも,高校生などの大学の科目を先取りし,入学時に単位認定をすることを前提として,在学年数等の弾力化なども考えていくという議論もなさっているとも聞いています。
 その辺りになりますと,単位をあらかじめ取っていたのが,実質的な選抜行為あるいは入学許可に近いものだと言われると,そのとおりにもなるんですけれども,政策面でそういうものが出てきたとき,大学の中でも,正しい共通理解ができているかどうかという点に関しても,少し疑問には思っています。やはり取扱いが難しい状況だなというのが正直なところであります。
 ちょっと補足させていただきました。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 ほかに委員の方,御意見ございますでしょうか。よろしいですかね。
 明確に証拠が挙がっている大学もあるわけですが,グレーな例も非常に多いということで,この議論をするには,もう少し具体的なエビデンス,事例が必要かなと思いますので,それをどのようにしてエビデンスを集めるかというと,大学側が自主申告してくることは,まずありませんので,できれば高校側で,より正確なデータを集めていただければと思うんです。
 石崎委員,どうぞ。
【石崎委員】
 高校だって,別に捜査権があるわけじゃないですから,本当に名前を出して公表していいというんだったら出しますけれども,それはお互いに困ることじゃないですか。
 平成31年までは,全高長もそれをリスト化して,それで私大協か私大連かと文科省にも,たしかお届けしていると思うんですよ。ずっとそれは調べていたんですけれども,結局改善されないでやめちゃったということに,ですので,その作業はできないんですけれども。
【川嶋座長】
 この協議会に情報提供していただく分には,それを直ちに公表するというわけでもないんですが,実態をしっかり把握しないと,なかなか協議会としても対応策を明確に決めていくことはできないので,できれば協議会に情報提供していただければ,それなりの対応はこれからできるんじゃないかなと私は思っているんですが,諦めモードでしょうか。
【石崎委員】
 いやいや,今年は集計はやっていないんです。だから,集計しろというのは膨大な作業なので,大学側が自首してもらったほうがよっぽどいいんですけれども。
【川嶋座長】
 そうでしょうけどね。
【石崎委員】
 自分のところで分かっているはずですから,それができないということ自体が,規範的に問題ということだと思います。
【川嶋座長】
 おっしゃるとおりです。
 髙田委員,どうぞ。
【髙田委員】
 ありがとうございます。
 先ほどから皆さんの議論をお聴きしていて,違反要件が3つありますが,協議会として,グレーではなくて,これが黒なんだという確定をするという作業は,非常に難しいだろうなという印象を持ったのが一つです。
 それから,先ほど事務局の御説明の中に,学校推薦型選抜において,336大学で期日についての疑義があるというお話がありましたが,その336という数に,私は非常にびっくりしておりまして,仮に協議会として,黒ですと,是正をしてくださいという要請をしていただければ,それが一番よろしいんでしょうけれども,そうでなくて,大学名を公表するということになったときに,どれぐらいの数になるんだろうか,本当に実効性を持って是正のほうに向かっていただけるのだろうかということが,少し心配になっております。それは,先ほどお話のあった300以上の大学で,現時点で期日に従っていない大学があるということでのお話がありましたので,実効性をいかに担保するかということは,かなり難しいのではないかと考えたところです。
 感想めいたことで申し訳ございません。以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 杉本委員,どうぞ。
【杉本委員】
 ありがとうございます。
 今,高田委員がおっしゃったように,判断して確定するというのは,すごく困難だと思います。それから推薦のほうも,一般推薦と指定校推薦とありますけれども,指定校推薦の要項は,その学校にしか来ないので,なかなか把握できません。その内容についても,生徒が人質ではないですけれども,生徒をそこに送りたいという気持ちがあるので,そういう学校側から,情報提供はなかなかいただけないなというのが現状かと思います。
 私としては,安井委員が言っていただいたように,このように日程が決められているならば,大学・短大のほうでも遵守してほしいということを伝えていただきたいところですし,あとは,総合型選抜,学校推薦型選抜という名称になって初めての入試ということもあったので,その辺のところが理解されていない大学も含まれているんじゃないかなという気がしますので,併せて周知をお願いしたいと思います。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】
 僕もやはり周知活動というのを最初にするべきかと思います。もし協力できるのでしたら,私大連でも周知に関しては協力させていただきたいと思っています。
【川嶋座長】
 柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】
 今,全く十数年前にやった議論が,またデジャビュみたいに出ているんですけれども,何かに似ているなと思ったら,就学協定に似ているんですね。立場が大学は全く逆なんですけれども,なかなか難しいというところがあるので,もしある程度歯止めのあるような措置を取るんだったら,かなり限定的にやらないと,あまり広げてしまうと収拾がつかなくなるんじゃないかなという気はしております。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 安井委員,どうぞ。
【安井委員】
 最高学府と言われるところですので,このまま社会にこういう話が出ていくということ自体も,あまり私はいいことだと思っておりませんので,取りあえず協議会としては,高等学校もこういうことで,授業の確保ということも必要だし,私たちは協定でこういうことを決めているので,まずはここをしっかりと守りましょうという周知を,私は私大協会から出ていますけれども,先ほど圓月先生も,連盟でもやっていただけるという話もありましたので,一応,協議会名でそういう周知を出していただいて,まずはスクリーニングを,気がついていないところもあると思いますので,そこをまず沈めてから,いろいろと検討しないと,最終的に私どもがそう判断しても,それは違うと今度は言い返されてきたときに,なかなか難しい状況に陥ることも考えられますので,まずはそういう周知のところで,ぜひスタートしていただければと思います。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございませんか。
 それでは,いろいろこの件については御意見をいただきました。それで,先ほど杉本委員から御指摘もありましたけれども,一般選抜,学校推薦型,総合型選抜と,名称も変わり,また実施時期も以前と変更があったということもあり,また新たに大学関係者,高校関係者が,大学入試の在り方について一堂に会して,きちんとルールを決めていくという協議会が新たに設置されたということもありますので,まずは,安井委員等から御指摘があったように,この協議会の設置,それから大学入学者選抜実施要項に記載されている重要事項,日程等について,何らかの形で協議会からのメッセージも併せて大学等に周知するということを始めることとして,この対応策については,本協議会の今後の継続審議とさせていただければと思いますが,それでよろしいでしょうか。
  (「異議なし」の声あり)
【川嶋座長】
 ありがとうございました。では,そのようにさせていただきたいと思います。
 それでは,最後になりましたが,今の件もそうなんですけれども,引き続き検討すべき事項について,事務局から整理していただいておりますので,説明をお願いしたいと思います。
【前田大学入試室長】
 資料5でございます。大学入学者選抜協議会において継続的に協議する事項,これは現時点案と申しますのは,試験日程の御議論がこの前にございましたので,現時点案としておりましたけれども,今のお話でございますので,試験日程,日程ルールの遵守方策については,継続協議ということかと思います。
 それから,冒頭申し上げました,各大学の個別選抜の選抜区分の表現の見直しの話につきましては,引き続きの継続協議ということで,令和7年度に入学する受験者の選抜要項の策定に向けての議論というのは,あり方検討会議等の御議論も踏まえながら,今後選抜協議会で御議論いただきますので,そういったところの中においての継続協議ということにいたしたいと思っております。
 調査書は,枚数見直しとございますけれども,圓月先生が主査を務められた多面的な評価の会議で,令和7年度以降の入試の調査書の様式について御議論いただいて,取りまとめいただいております。それはまたこの選抜協議会でお示しする必要があると思っているんですけれども,そのときに調査書の枚数制限が,今は2枚を撤廃して自由ということになっておりますけれども,この枚数の見直しについても御議論をお願いしたいと思っております。
 それから,段階表示の利用方法の整理につきましては,前回も私どものほうでお示しさせていただきましたけれども,趣旨といたしましては,例えば素点と段階表示で合否が逆転するといった,入試での公平性が,そういった入試に影響を与えないようにということで,利用する場合は利用方法を整理して,周知してもらいたいという考え方の下で,提示させていただいたものでございまして,この間お示しした文言については,担当者レベルでございますけれども,センターの担当者とも相談しながらお示ししたものでございます。推奨する意図はございませんので,今後要項で何か言及する必要があるのであれば,その点について御検討いただきたいということでございます。
 5のその他,想定される協議事項は,先ほど申し上げましたあり方検討会議において,引き続き検討を要することが求められる事項でございますとか,調査書の観点別評価の取扱い,また調査書の電子化といったものについても,協議の中で御議論いただきたいと思っております。
 資料5についての事務局の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 前回や本日の議論を含めて,継続すべきテーマについて整理していただいておりますが,これ以外に,本協議会で今後検討すべき事項,論点等ございましたら,御発言を。
 沖委員,どうぞ。
【沖委員】
 ありがとうございます。非常に悩ましい問題を一つ,御提案いたします。本年度からの実施要領で変更した一般選抜あるいは学力検査の日程の件です。
 従来,学力検査の試験は3月31日まで,合格者決定は4月15日までであったということを,学年度その他との関係で整合性を取るということで,この春の入試からは3月25日までに学力試験,検査を行った上で,3月31日までに合格者を決定する,発表するという手続に,日程が大幅に前倒しになったんですが,実際には国立大学・公立大学の欠員補充,第二次募集が,従来の日程と全く変わらないまま実施されましたので,3月28日から31日にかけて二次募集の合格者が決定され,手続を取る。あるいは,その前になるかと思いますけれども,追加合格の手続などで,27日頃まででしょうか,合格者が出るということになりました。
 そもそも第二次募集とかにおける学力検査というのをどのように位置づけるかというのも,悩ましいなと思っていたんですが,特に近年の定員充足の厳格化ということがあったときに,3月31日までに入学者を決定するというのを,全ての私立大学も含めて守った場合に,もちろん,ほかの全ての大学に不合格であるから,二次募集で合格をさせる,入学をさせるという形で限定されているのであれば,分かるというか,筋が通るんですけれども,少なくとも国立大学・公立大学も,国立大学ないし国公立大学に合格している者は,手続してはいけないみたいな形になっているようなんですね。細かいところは,実際にほかの先生方のほうがよく御存じだと思うんですが。
 要するに,3月の末になって,ほかの私立大学に入学が決まっていて手続をしている合格者が突然,国立大学に入るからやめますという話が,3月31日前後に集中すると。場合によっては手続上,4月1日以降になると。そうすると,学費を支払うか,支払わないかという,非常に厳しい問題なども含めて,相当悩ましい問題が本年度から,想定外に発生しているんですね。
 これは要するに,具体的に申し上げますと,横浜国立大学が80名ですね。10名とか数名であれば,各大学単位で,そういうことはあるねという形で済むと思うんですけれども,今回の二次募集に関しては,大学間で相当大変な状態だったのではないかなと推測しております。私が知っている範囲は本当に限られていますので,全く杞憂であって何の問題もなかったんだということであればいいんですけれども,結構この日程は,筋としては正しいんだけれども,実際面では相当リスクの高い変更になったのではないかということも考えています。
 これは,本年度変えて,またすぐ元に戻すというのは簡単ではないと私としては考えているので,中期的な課題だと思いますけれども,継続的に協議する事項の中に追加をしていただけるといいかなと思いましたので,申し上げました。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 今年はコロナでいろいろ例年とは事情が違ったということもあって,様々な玉突き現象が起きているということです。本年の特殊事情を別にしても,入学定員の厳格化ということで,昨年度も玉突きでいろいろ私立大学さんは合格者の確保に奔走されたというのは承知しておりますが,一方で,3月中,年度内に全て入試を終えるということについては,もともと,先ほど沖委員も御指摘あった4月15日までとなっていたんですけれども,逆に私学の関係者の方から,国立が4月以降に二次募集をする例がある。そうすると,今年と同じように,もう入学が決まっていた私学さんのほうから国立のほうに行ってしまうのは何とかならないかという御要望もあって,それプラス,入学試験というのを年度をまたいで行うのはおかしくないかという御意見などを併せて,3月31日,年度内に全ての入学の手続が終わるようにというふうになったと私は理解しております。
 それから,学力検査の定義については,前回も出ていましたけれども,一般選抜は2月1日以降にしか学力検査をしてはならないとなっています。ただし,小論文,面接等の実施は,それに限らないということもあって,一方で,学力検査とは何かということについても,必ずしも大学関係者,高校関係者で合意ができているわけでもないと私は理解しておりますので,この点,事務局とも相談させていただいて,今後の検討課題として,どういう形で入れるのが適切かどうか,少し検討させていただければと思います。よろしいでしょうか。
 ほかに協議会で。圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】
 継続協議の問題として,特に2と3は協力者会議の取りまとめ等を反映していただいて,本当にありがとうございます。
 2番目の各大学の個別選抜。これも,この間も少し問題提起していただきましたが,慎重に継続協議としていただくのがいいかと思います。もしできましたら,これは一般選抜のことだけに限っておられますけれども,取りまとめのほうでは,各選抜区分の特性について考え直す必要があると書かせていただいています。
 もちろん,一般選抜には非常に切実な問題があるんですけれども,もう一つありましたのは,地域格差,経済格差等を配慮した特別配慮での試験というのをどこでするか。取りまとめの中では,総合型あるいは学校推薦型のところで,配慮することはできないかとまとめましたけれども,あり方検討会議で報告をさせていただいたときも,別の区分をつくるぐらいのつもりでないと,なかなか進展しないのではないかという御意見もありました。
 それも含んだ上で,各選抜区分の特性について再整理するという形で,議論の枠組みをつくっていただくと,建設的な意見になるかなと考えております。よろしければ御検討いただきたいと思います。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。むしろ一般選抜に限定せず,選抜区分の再整理ということですかね。分かりました。
 ほかの委員の方々,継続審議,中長期的課題について,何か追加の課題等ございませんでしょうか。
 安井委員,どうぞ。
【安井委員】
 ありがとうございます。
 先ほどの沖委員からの発言なんですけれども,これを31日に決めたときに,沖先生もそこにおられて決めたことなんですが,基本的に4月に入ってからということでいきますと,私立大学は非常に大きな抜けが出てきていて,それを是正するという意味もあって,3月31日ということで会議では決まったことだと思うんですけれども,これをまた元へ戻していくことになりますと,また同じことをいろいろ考えなくてはいけないということもあるので,もう少し視点をどこに置くかを明確化しないうちにこれを議論しても,また同じことになるんじゃないかなと私は思いましたので,一応,発言だけさせていただきました。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。
 ほかの委員の方々,御意見・御質問ございませんか。よろしいでしょうか。
 それでは,本日いろいろ,今後本協議会で検討すべき中長期的課題について御意見をいただきましたので,これらの御意見を今日は一旦引き取らせていただきまして,事務局と相談の上,再整理していただいて,次回以降,また改めて皆様の御審議をお願いしたいということにいたしたいと思います。
 それでは,そろそろ予定した時刻も参っているところでございます。本日の協議,非常に熱心に御意見を賜りまして,ありがとうございました。
 それでは事務局から,今後の日程等についてお知らせをお願いしたいと思います。
【前田大学入試室長】
 本日の御意見を踏まえまして,令和4年度大学入学者選抜実施要項及び試験実施のガイドライン,令和5年度大学入学共通テスト実施大綱を取りまとめまして,6月4日,今週金曜日でございますけれども,各大学,教育委員会等へ発出したいと考えております。
 なお,毎回のことでございますけれども,審議途中の情報が公表されますと,不確定情報が提供されるということで,受験生にとっても大きな影響を及ぼすことがございますので,本日の議事の内容,資料につきましては,引き続き厳重な情報管理のほどお願い申し上げます。既にプレスからお問合せがあったかもしれませんけれども,文科省に全て投げていただければと思います。
 本日,事務局からの連絡事項は以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 本日も前回に続き,遅い時間からの開催になりまして,誠に申し訳ございませんでした。次回以降も引き続き,御協力のほどお願いしたいと思います。
 これにて本日の協議会は終了とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 

── 了 ──