大学入学者選抜協議会(第19回)議事録

1.日時

令和7年5月20日(火曜日)10時~12時

2.出席者

委員

川嶋座長、内田委員、圓月委員、大橋委員、小川委員、沖委員、兒玉委員、澤辺委員、柴田委員、島田委員、田名部委員、長塚委員、西郡委員、春名委員、日吉委員、安井委員、山口委員、渡邊委員
 

文部科学省

伊藤高等教育局長、森友審議官、石橋大学振興課長、片柳大学入試室長 他

3.議事録

【川嶋座長】  皆さん,おはようございます。聞こえますでしょうか。定刻より多少早いですが,御参加の委員の方々全員お集まりいただいているということになりましたので,ただいまより大学入学者選抜協議会の第19回を開催したいと思います。委員の皆様におかれましては,御多用の中,お集まりいただき誠にありがとうございます。
 本日の議題は,1つ,令和8年度大学入学者選抜実施要項について,2つ目,令和9年度大学入学共通テスト実施大綱についてとなっております。まずは事務局から本日の資料の確認等をお願いします。
【片柳大学入試室長】  失礼いたします。大学入試室長の片柳です。本日もよろしくお願いいたします。
 資料でございますけれども,いつもと同じように電子媒体でお配りをしておりまして,配付資料が,資料のほうで1-1から2までありまして,ページ番号を通番で打っておりますけれども,1ページから65ページまでが資料になってございます。併せて参考資料でございますけれども,こちら参考資料1から参考資料10までになっておりまして,ページ番号で通番1ページから119ページまでとなっております。恐らく最初と最後が合っていれば,皆様にちゃんとしたものがお届けになっているかなと思います。何か不都合等ございましたら事務局のほうに,途中でも構いませんのでお知らせいただければと思います。
 なお,今日の会議運営の留意事項についても併せて補足をさせていただきます。本日,いつもどおりでございますけど,ウェブ開催となっております。御発言の際,挙手ボタンを押していただきまして,指名された後に御発言をお願いいたします。また,聞き取りやすい御発言,また,資料参照の際,通番の該当ページ等をお示しいただきまして,よろしくお願いします。ハウリング等を避けるために,指名後のミュートの解除,発言後のミュートの戻しなど,円滑な会議運営のほうに御協力をいただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  よろしいでしょうか。
 それでは,議題の1に入りたいと思います。議題の1は,令和8年度大学入学者選抜実施要項についてです。内容につきましては,事務局に御説明をお願いします。
【片柳大学入試室長】  失礼いたします。続きまして,資料の説明でございます。資料1-1から資料1-3について御説明させていただきます。
 1-1でございますけれども,見直しの概要についてでございます。こちら,前回からの修正点を青字で記載させていただいておりまして,文言等の修正もございますが,大きな修正点としては一番初めの第3,入試方法のところでございます。こちらにつきまして,前回の御議論,専願かどうかというようなところも御議論いただきまして,なかなか今の状況的に,専願とまで示すというところではないのではないかという御意見のほうが大勢でございました。
 そういったことを踏まえまして,他方で学校推薦型,昨年のいろいろ混乱のあった状況を考えますと,誰でも学校推薦型いけますというようなお話ではなくて,学校長の推薦をするというようなところはありますので,そのための推薦の要件を可能な限り具体的に示すというようなことで書かせていただいております。詳細については,資料1-2でまた説明をします。
 また,推薦書のイメージ例,これはこの間,見ていただきまして,資料としてつけたほうがいいということの御指摘がありましたので,新しくつけさせていただくところでございます。
 具体の部分について,資料1-2で説明をさせていただきます。ページ番号通番で4ページでございます。この青で塗っている部分が前回の会議からの修正点になってございます。例えば,4ページ上のほうでございますが,もともとは各大学が実施する教科・科目に係るテストというような形にしておりましたが,ここを個別テストというような形のほうが,共通テストとの関係で分かりやすいのではないかというような御指摘ありましたようなところ,直させていただいております。
 大きな修正としては,4ページの中下段のところで,先ほどの概要のところでも説明をさせていただきましたが,学校推薦型の定義について改めてこちらで記載をさせていただいております。このなお書きのところでございますけれども,「本選抜については,入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく,特定の大学・学部等で教育を受けるのに相応しい能力・意欲・適正等を有する入学志願者を高等学校長が判断するものであることから,推薦要件を可能な限り具体的に設定し,募集要項等により示さなければならない。」ということで,当然ではあるところでございますが,この点が昨年度の混乱を生んだ状況の一つともなっておりましたので,改めて明示して示させていただいたところでございます。
 その他の修正の部分は,青マーカーのところでございますけれども,前回,先生方に御指摘をいただいたようなところを反映しているところでございまして,そういったものを一応取り組んだものとして資料とさせていただいております。
 資料1-2が前回からの修正のもので,資料1-3は,昨年度分からの修正を見え消し等で示させていただいているような資料となってございます。見栄えは若干違いますけれども,書いてある中身は資料1-2と1-3自体は同じでございます。協議のほどよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  御説明ありがとうございました。それでは,ただいまの令和8年度大学入学者選抜実施要項(案)につきまして,これから意見交換に入りたいと思います。どなたでも結構ですので,挙手ボタンでお知らせください。柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】  おはようございます。柴田でございます。どうも,前回の議論を取り込んでいただいて,推薦等,内容が非常に濃くなったように思います。どうもありがとうございます。
 それで,2つほどちょっと気になることがございますので,発言させていただきます。
 1つは,以前から,前回も山口委員が御発言になったと思うんですけれども,第4の試験期日のところで,項目として,一般選抜という項目が出てこないんですよね。ページで3から4,見え消しでいくと31から32になると思います。ここのところ,1番目が共通テスト,2番目が教科・科目に係る個別テスト,それから4番目が総合型選抜について,5番目が学校推薦型選抜という具合になっているんですけども,どうも一般選抜の項立てがないというのは何となく落ち着かないといいますか,どこかでやっぱりきちんと項立てして言及しているほうが分かりやすいのではないかなということで,これは以前にもお尋ねしたことあるんですけども,一般選抜というのが前は通常のもので,それ以外のものは例外的なものだったんで,黙示的にといいますか暗黙的に一般選抜というのが込められているんだというような御提案もいただいたと思うんですけども。
 一つ御提案ですけれども,この第4の3ですね,1,2以外の3から5にかかるものについては,2月1日よりも以前から実施することができるが,配慮することになるという,ここを例えば,一つの策かもしれませんけども,例として「一般選抜において」か「一般選抜については,令和8年2月1日以前に,第6の3から5に掲げる評価方法を実施する場合には十分配慮するものにする」というように,ここに一般選抜という項目立てを立ててはどうかなということを考えました。この3は一般選抜だけじゃなくて,総合選抜,学校推薦型選抜にも関わるものですけれども,このことにつきましては,もう既にそれぞれの選抜のところでこういうものを取り組んでやりなさいよと言っておりますので,ある意味では期日だけ記載されて,もう既に期日を記載されていますので,何となくそぐわないような気がしますので,ここに一般選抜を強調する文言を入れてはどうかと考えた次第でございます。御検討いただければと思います。
 それからもう1点,ようございましょうか。
【川嶋座長】  はい,どうぞ。
【柴田委員】  通し番号の7ページの学校推薦型の2の「推薦書の中に」とあるんですけれども,ここが,ちょっと細かいんですけれども,学力の三要素については記載を求めると,全体なっているんです。ところが,以降でずっと読んでいくとまた「配慮を要するものがあればその内容について記載する」となっていまして,これ,「記載する」の主体が大学なのか高校なのかがちょっと読み取れないというか,もし大学であれば,むしろこういうことはアドミッションポリシーの具体的な選抜要件のほうに書くべきではないかと思いますし,高校のほうに求めるんだったら,やはり前段と同じように「記載を求める」というのをつけていたほうがいいんじゃないのかなと考えた次第です。
 以上,2点でございます。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  ありがとうございました。前半の部分は柴田委員が常々御指摘されていた,一般選抜で2月1日以前に実施している大学が相当あるということで,期日をしっかりと守るということを明確にしたほうがいいという点からのご発言かと思います。
 ただ,2点目の,ここの文章のところ,「記載を求める」のは誰なのかというのは,これは事務局のほうから補足願います。
【片柳大学入試室長】  失礼します。2点目のところでございますけれども,まさに記載していただくのは基本的に,推薦書の記載でございますので,高校側から出していただくもので記載をいただくので,表記としては「記載を求める」というような形で統一をさせていただければと思っております。
 先ほどの1点目の点もちょっと補足をさせていただきますと,前回御議論があって,一般選抜について書いてないではないかというところについては,今,第4の2のところで,個別テストの括弧書きのところ,「(各大学で実施する一般選抜,総合型選抜,学校推薦型選抜において,実施する教科・科目に係る個別テスト)の期日については」ということで,実際,今縛っている一般選抜の中身としては,教科・科目に係る試験を2月1日以降にするということだけでございますので,そこについては,ここで一般選抜をあえて明示することで説明ができるのではないかなということで,一応前回の御指摘を踏まえて直したつもりではありましたが,これ以上にやはり一般選抜の項目を設けるべきというような御指摘でしょうか。
【柴田委員】  はい。2のところに「各大学で実施する一般選抜」と書いてありますけども,これがほかの総合型選抜,学校推薦型選抜と並列的になっているんですよね。だからどうも項目として見えづらいのと,先ほど,川嶋先生がおっしゃったように,一般選抜でも2月1日以前からいろいろやっているし,大学によっては合格発表まで2月1日以前にやっているというのがデータで出ていますので,その辺りやっぱり歯止めをきちんと書いて,配慮するということを書いておいたほうがいいんじゃないかと考えた次第でございます。
 以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございます。この一般選抜の開始時期に関しては,これまでの議論で十分,委員の間での合意ができていなかったので,今後の課題かと思いますが,室長から御説明があったように,括弧書きの中で,全ての選抜において2月1日以降ということが明記されていますので,一般選抜だけを取り出して、その下の(1)ですか,なお書きにあるような黄色のマーカーの部分と同様な形で改めて明記するのかについては,皆様と今後議論させていただきたいと思いますが,柴田委員,いかがでしょうか。
【柴田委員】  結構でございます。ただ,ちょっと見えづらいなというのと,前回,山口委員も同様な御発言なさいましたので,一般選抜というのがどうも近頃影が薄くなって,半分以下になっていますので,本来,望ましい選抜の一つ,日本的な選抜の一つであろうと思いますので,あえて発言させていただきました。
 以上でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございました。
 続きまして,内田委員,どうぞ。
【内田委員】  ありがとうございます。ちょっと画面共有をさせていただきます。画面見えていますでしょうか。御覧になっていらっしゃる画面につきましては,前回議論をした後,大手の私立大学が公表した総合型選抜のデータでございます。御覧になって分かりますように,学力検査を課す,基礎学力評価方式ということで,国語及び英語について100点,調査書について10点ということで,こちらの加盟の校長先生からの御連絡を受けまして,文部科学省にも御連絡をし,大学入試室のほうで早速対応していただいて,大学側に是正を求めて対応するということで,速やかに対応をしていただいたことを感謝申し上げます。
 一方で,こういった合意をした後に,一般選抜とほぼ変わりないといいますか,一般選抜そのものの受験が横行するようですと,それこそモグラたたきのような状態になってしまうということもありますので,この状態であるならば,高校側としては,前回の推薦型及び総合型の選抜においての基礎学力検査の合意についても破棄せざるを得ないという状況かと思います。
 改めて,加盟の各大学の関係者の皆様には,この協議会で合意された選抜要項が遵守されるよう,また,一般選抜と学校推薦型,総合型選抜は明らかに違うんだ,複数の評価項目を十分時間をかけて行うから早い段階で選抜が行われるんだという共通認識を取っていただいて,ぜひガバナンスを取っていただければというふうに思っている次第です。
 今回お示しいただきました要項に関しましては,今までの議論を踏まえた,守っていただければ高校にも十分配慮して教育活動にも影響が出ないものと考えております。これを守っていただくということが第一義に必要かというふうに思いますので,ぜひ大学関係者の皆様には改めてお願いをする次第でございます。
 以上でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございました。事務局は何かフォローありますか。
【片柳大学入試室長】  失礼します。今ほど内田先生からも少し御案内いただきました大手の私立大学の件でございますけれども,まさに私どもで,大学に実際に来ていただきまして,お話を伺わせていただきました。実際,出ていたホームページのとおりに宣伝はされているわけでございますけれども,今の協議の状況を説明できる範囲は3月13日時点をベースになっておりますけれども,丁寧に説明をさせていただきまして,若干大手の私立大学さんのほうで誤解も生じていて,やはり,改めて私どもも思いましたのは,丁寧に今回のこの改定の趣旨の説明をしっかり周知していかなければいけないなと思うところでございます。
 大手の私立大学さんとしては,若干先走っているところはもちろんあるんでございますけれども,組合せの趣旨をかなり大きく誤解されていて,なので調査書のほうで得点化をというようなことにはなっていて,それが我々の今の議論の方向の組合せとしては適切ではないんですけれども,そこには一応は配慮というか考えは及んでいたようでございまして,実施要項自体は遵守をするものだというようなことの御発言は冒頭からも話を聞いているときにもありまして,丁寧に我々のほうで説明させていただいたところ、しっかり守ってやっていきますと,見直しますということで,ホームページのほうも,今,まだ修正に及んでないですけれども,本日ないし,遅くとも明日までには直すというようなことを大学からも報告をいただいておるところでおりますので,この点については,追って改善がされるかなというところでございます。
 先生からも御発言いただきましたけども,これをしっかりかつ丁寧に,分かりやすく大学に周知していくというようなことは,大学団体の中でもその周知をいただくことも大事ですけれども,最終的に要項を出す文科省でも,しっかりそこをできる限り早い段階で,かつ大学に丁寧に説明をしていきたいと思っておりますので,例えば要項の頭書きというか,要項本体ではなくて通知の中身についても,通常とはちょっと違う書き方をさせていただき,かつ今回の変更点ついても,概要で,全体を見なくても特にポイントとなるところが一見して分かるような資料も併せて概要につけるなどして,大学のほうでも分かりやすくなるように,文科省としても周知を徹底していきたいと思っておるところでございます。
【川嶋座長】  よろしいでしょうか。ありがとうございます。これから行われる各団体等への選抜実施要項の説明については,しっかりと趣旨を文部科学省のほうからもしていただくとともに,各大学団体においてもしっかりと情報を伝えていただきたいということになるかと思います。【川嶋座長】  圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】  受験生の皆様に不安を与えかねないような事例がまた出てきまして,大変遺憾に思っております。私立大学連盟の立場としては,この入学者実施要項を厳守するという点では一切変わりはございません。ちょうど今,会長のほうからも,この大手の私立大学の学長とお話合いをしていただき,改めて私大連としても改善を求めていく努力をしております。また,内田委員からもモグラたたきという言葉がございましたけれども,正直なところ,私大連のほうでも同じような考えは持っております。
 そこで,文科省のほうからも御指導いただけるということですけれども,やはり私立大学連盟も大学団体として責任を持って,正しい理解を周知していくという試みをしていかなければならないなということを議論しております。まだ具体的なやり方等については,私からここで申し上げる権限もございませんし,控えさせていただきますけれども,最大限の努力をさせていただくということを確認するために,この場で発言をさせていただきました。
 以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございます。よろしくお願いします。
 ほかに,この来年度の選抜実施要項について何か御意見ございますでしょうか。よろしいですか。それでは,これ以上特段,御意見も出ておりませんので,ただいま事務局から示されたこの案で,令和8年度の大学入学者選抜実施要項を決めたいというふうに思っております。繰り返しになりますけれども,趣旨については十分,文部科学省並びに各団体で周知をお願いしたいところでございます。よろしくお願いします。
 それでは,2つ目の議題に入りたいと思います。令和9年度大学入学共通テスト実施大綱についてです。この件につきましても,事務局より説明をお願いします。
【片柳大学入試室長】  失礼いたします。資料2,通番で55ページをお開きいただければと思います。令和9年度大学入学者選抜に係る共通テストの実施大綱になってございます。
 今回でございますけれども,基本的には年度の改訂に伴うようなものがほとんどでございます。といいますのも,昨年度の共通テスト,大きくさま変わりいたしまして,新しい指導要領に基づくテストになったところでございまして,当面はこのような形で続く可能性が高いというようなところで2年目でございますので,大きな修正はないというところでございます。
 1点だけ,少し大学サイドに対しての補足になりますけども,63ページをお開きください。共通テストを大学のほうで利用を取りやめる場合の連絡でございますけれども,実際利用を取りやめるということに伴いまして,共通テストの運営,実際の試験会場の運営のほうにも影響してくるようなところがございます。そういったところがありますので,仮にやめるというような場合にもできるだけ早くに連絡をいただきたいという趣旨でございまして,1番の通知の期限のところでございますけれども,もともとの2月末までに連絡してくださいというところ自体は変わっておりませんけども,他方で,早く決まっているのであれば意思決定後速やかに通知をいただくということをお願いしたいと思っております。
 これによりまして,例えば,次の年からやめるという場合で実施するのが最終年度になるような場合にも,県内で引き続きその会場を設営するのか,しないのかというような御議論もあると思いますけれども,仮に引き続きそこの会場を使うような場合に,前年度というか当該大学が行う最終年度に視察等も県内の大学間でフォローしたりできると思いますので,できるだけ早く意思決定後に連絡をしてほしいということで,ここだけちょっと中身的に変えている部分がございます。
 説明としては以上になります。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  ありがとうございました。大学入試センターの山口理事長,何か補足などございますか。
【山口委員】  特にございません。
【川嶋座長】  ありがとうございます。委員の方々,いかがでしょうか。何か御発言ございますでしょうか。特にございませんか。
 新しい学習指導要領に基づく試験,2回目になりますが,会場の確保の点からできる限り早く大学から情報を提供してほしいということの追加の説明でございました。よろしいですか。
 それでは,特段御意見もございませんので,今の事務局案に決定したいというふうに思います。ありがとうございました。
 それでは,最後,その他として,片柳室長から御報告お願いします。
【片柳大学入試室長】  失礼いたします。参考資料10,通番でいいますと119ページをお開きください。1点御報告をさせていただければと思っております。
 資料ですけれども,令和6年度大学入学者選抜実態調査の結果ということで,既に今年の4月1日に報道には出させていただいておりまして,毎年,文科省で,委託事業になりますけれども,その中で,各大学の選抜の実態を調査しております。率大きな変更というようなところは,数値的に見てもありませんけれども,試験問題の公表状況,選抜方法の実態の中身,共通テストの利用状況,個別選抜の実施,あとは資格検定試験の活用の状況,また,記述式等でどのようにやっているかというようなところのデータをそれぞれ結構細かく取らせていただいて公表させていただいております。ちょっと本体のほうがかなり大部になりますので,今回参考資料にはこちらの概要の結果だけを載せさせていただいておりますけれども,適宜,この点についても高校サイド,大学サイドともに御活用いただければと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。この委託の報告書はなかなか見つけにくいので、文部科学省のホームページの大学入学に関するポータルのところにリンクを張っていただくと,ありがたいと思います。
【片柳大学入試室長】  承知しました。改善をさせていただきます。すみません。ありがとうございます。
【川嶋座長】  この件について,委員の方々,何か御意見ございますでしょうか。特にございませんでしょうか。
 それでは,本日,議題1,議題2,それから最後のその他の報告を含めて何か,全体を通して御意見があれば承ります。島田委員,どうぞ。
【島田委員】  島田です。恐れ入ります。令和8年度大学入学者選抜実施要項ですが,いつ頃公表になる見込みでしょうか。スケジュール感を教えていただければと思います。よろしくお願いします。
【川嶋座長】  それでは,事務局のほうから今後の点についてお願いします。
【片柳大学入試室長】  今回,10月以降,協議を進めさせていただいておりまして,8年度実施要項につきまして,先ほど御議論いただきまして,この形で最終的に今年は出させていただければと思っております。タイミングでございますけれども,今年度,御議論いただきまして,この後,最終的に通知の形にさせていただいて,文言の再度の見直しなどを私どものほうでさせていただきまして,かつマスコミのほうにも,一斉にこちらからプレスレクという形でさせていただく関係で,まだ日付は明確には決まっておりませんけども,6月上旬には皆様方に通知をさせていただく所存でございます。その6月上旬の通知の発出とまさに同じタイミングでマスコミにも説明をさせていただければと思っておりますので,一応その直前には,委員の皆様方には,この日付で皆さんに周知しますというようなことは御案内をさせていただければと思っております。
【川嶋座長】  よろしいでしょうか。
【島田委員】  ありがとうございました。
【川嶋座長】 内田委員,どうぞ。
【内田委員】  ありがとうございます。今,片柳室長から御説明をいただいたところなんですけれども,前回の合意の協議会以降,マスコミ各社からの取材がかなり相次いでおりまして,前回,合意の内容が年内の学力検査容認というようなタイトルで報道したところもあって,また,これも大学入試室のほうにお伝えをしておりますけれども,Google等の検索,AIの検索をかけると,次年度学力検査が年内に実施できるようになったというような誤った要約も出てきてしまうような状況があります。モグラたたきと先ほど申しましたけれども,報道によって誤った入試制度が導入されないよう,丁寧な御説明と,マスコミ対応についても慎重にされるようにということで共通認識をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  分かりました。沖委員,どうぞ。
【沖座長代理】  先ほどから出ている議論について,この十数年の状況を踏まえて考えますと,今回いろいろ起こっている一連の状況というのは,基本的には,個々の大学の上級スタッフ,理事会であるとか,かなり上位の意思決定機関の誤解といいますか,いろいろな,文書を適切に読めていないという状況,あるいはちょっと誤解をしているかなというようなことから起こっているということのようです。また,現場のスタッフ,アドミッションオフィサーと呼ばれているような,広報の実務面を担当したりとか,選抜の実務に携わるような方々の中でも,2010年代にかなりいろいろな議論をしてきたところの,そのために必要な研修が行われたりとか,いろいろなレベルで共通理解を上げていくという試みが行われていた一方で,この数年間,コロナなどいろいろあったということもあってやむを得ないのかもしれませんけれども,とりわけそのアドミッションオフィサーの水準での理解というのがなかなか追いついていないように思われます。少しイレギュラーな形で当たり前のことが当たり前じゃないというような,十分理解されてないという状況が起こっているようにもちょっと見られるわけです。
 そうしますと,2010年代から20年代初頭にかけて,あるいは現在でも少し続いているのですけれども,そのアドミッションオフィサーにちゃんと研修を行うとか,それは国レベルで恐らくやってきたことがまだ続いているものもあるようにも思いますので,その辺りの質であるとか内容面について,ある程度文部科学省の中でも少し検討していただき,必要に応じて各大学の団体などにも支援というか示唆をしていただくような形で共有をしていって,こうしたきちっと守っていかれるべき文書をいかに適切解釈していくか,もちろん大学側もいろいろと取組をしていくということは当然必要なことなんですけれども,日本全体で少し考えていくためには,ある程度,文科省のリーダーシップあるいはこれまでの要請とか情報共有の在り方についてもう少し確認をしていただいて進めていただけるといいのかなというふうに思いました。
 私からは以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。長塚委員どうぞ。
【長塚委員】  今回の1点目の選抜要項の見直しについて,特に推薦型のところで,まだ十分整理ついているとは言い切れないところがあるとは思うんですが,いずれにしましても,学力三要素に基づいた,生徒の多面的、総合的な資質能力を評価する選抜に変えるというのが今回の大学入試改革だったと思うんですが,その意味で早く個別テストを行うことも可能にしたということでございますので,大学側にしっかりと,その意図をご理解いただきたいと願っております。とくに、ただいま沖先生からありました,アドミッションオフィサーのほうでそれを見ることができるような体制が,不足しているなということを感じています。
 それから,アドミッションポリシーが,大学ごとにどうも書き方などが違っておりまして,アドミッションポリシーに対応するものであるかどうかを各高校で判断して,推薦する難しさがあります。アドミッションポリシーを各大学がもっと分かりやすく提示するようなことを文科のほうで何かお考えになっているのか,もう一段,そういうことをプッシュしていただければなというふうに思っているところなんですが,その辺はいかがなんでしょうか。
【川嶋座長】  2人の委員から文科省に要望が出ておりましたけど,いかがでしょうか。
【片柳大学入試室長】  失礼します。文科省でございます。アドミッションオフィサーも含めた,こうした要項の周知徹底にかかるようなところで,研修に近いような部分あるかと思いますけれども,要項策定後になりますけれども,説明会を開かせていただいております。ただ,従前の説明会の状況を申し上げると,正直,要項の解説というよりは,全体で今の状況という意味合いのほうが強くて,例えば去年でいいますと,共通テストがこういうふうに変わりますよというようなことも含めて,かなり幅広の範囲で入試について説明をさせていただいておりましたけれども,今年に関して申し上げると,やっぱりこの要項の内容の見直しの部分が大学にとっては非常に大きいところになっていきますので,むしろそこを中心にしっかり周知徹底を図らせていただいて,それこそ,おっしゃるとおりで,直接御議論をさせていただいている方々には今の状況というのは多分,非常によく伝わっているかなと思っておるんですけれども,内田先生からもありましたように,マスコミが報道した内容を中心に聞いていると一部しか入ってこなかったりするような部分もありますので,しっかりそこの部分を丁寧に説明していくということは,文科省としてもそうですし,先ほど御指摘もありましたけども,団体の中でもしっかり説明をいただければと思っています。それで,例えば団体の中でいろいろ説明をされる際に,文科省も一緒にやってほしいというような御依頼があれば,もちろん喜んで参加させていただいて,できる限り皆様方に,よりルールが分かりやすく説明できるようにと工夫していきたいと思っております。
 長塚先生から御指摘ありましたアドミッションポリシーの件でございますけれども,今改めてアドミッションポリシーだけについてどうこうということはありませんけれども,まさに今回,要項の改定そのものにはアドミッションポリシーのこと自体が入っているわけではございませんけれども,他方で要項の中で,従前よりアドミッションポリシーの大事さについては書いてあります。そこについて今回変更があるわけではございませんけれども,今回こういった議論がございましたので,そこの点もより大学で明確にしていくことが求められていますよというようなことも含めて,この要項についての,改定された部分ではございませんけれども,全体のポイントとしてしっかり周知をさせていただければなと思っておるところでございます。
【川嶋座長】  よろしいでしょうか。
【長塚委員】  お願いします。
【川嶋座長】  ほかによろしいですか。
 それでは,最後に,情報の扱い等も含めて,改めて事務局のほうから今後の予定等も御連絡をお願いします。
【片柳大学入試室長】  失礼します。毎度になりますけれども,今後の状況については先ほど申し上げたとおりでして,全体の情報の取扱いとしては,今回の今日の会議もそうですし,最終的にその通知文発出のタイミングまで非公開の扱いでさせていただいておりまして,繰り返しになりますけども,途中情報が受験生に断片的にでも出ていってしまうといろいろ混乱を招く懸念があるということがございますので,その取扱いについては十分御留意をいただければと思っております。
 また,本日傍聴で入っていただいている団体事務局の方々も複数おられるかと思いますけれども,同じように団体のほうにお問合せが行くかもしれませんけれども,その点,十分御配慮いただいて御対応いただければなと思っているところでございます。
 通知の際,皆様に事前に連絡をさせていただきますので,そんなに前には連絡はできないかもしれませんけれども,できるだけ早く,いつのタイミングで通知をするのかぐらいは先んじて先生方にも御連絡をさせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
またもう1点追加がございます。今年もそうですけれども,毎年,6月ぐらいを念頭に,大体,年度明けてから,入試のシーズンが終わってから御議論を始めて,6月ぐらいに発出という流れで従前この協議会をさせていただいたところでありますけれども,やはり大学の準備のことなんかを考えますと,できるだけ早くこの要項については示していくことが大事だろうということが,先日,各団体からの意見書の中などにも盛り込まれていたところでございますので,来年度の発出のタイミングを今言うのもちょっと早いんでございますけれども,次年度以降の要項の策定は,できれば4月ぐらいに策定をして発出できるようなスケジュール感で,また協議会のほうは開催をしていきたいと思っております。従前よりも少しサイクルとして前倒しにしてやっていきたいなと思っていますので,入試の最終3月の時期ともかぶるかもしれませんけども,どうぞその点,何とぞ御配慮いただいて御協力をいただければなと思っております。
【川嶋座長】  ありがとうございました。柴田委員,何か御意見ございますか。
【柴田委員】  時間が今日はゆっくりしているみたいなんで,先ほど長塚先生がおっしゃった,アドミッションポリシーを大学のほうでどのように徹底するかというお話,ちょっと補足させていただきますと,今の大学のほうは御承知だと思いますけども,教学マネジメント指針というのが出されておりまして,この中に,「入学者受入れ方針」に基づく大学入学者選抜の実施というのがマストで求められております。これに基づいて,前回,認証評価で徹底したらどうかというような御議論があったと思いますが,認証評価でもチェック項目には入っています。ただ,認証評価,御承知のように7年に1遍のサイクルなものですから,なかなか徹底しないところはございますが,今までやったところではやはり,長塚先生御指摘のように,アドミッションポリシーというのが,非常に高邁なことをうたっているだけで,具体的に入学者選抜に直接結びつかないというような面がございましたので,私が関係している評価機関ではそれを徹底して指摘するようにしております。そうしますと,やっぱり3分の2ぐらいの大学が不十分だったというような状況があったように記憶しております。だから,大学のほうでも努力はしているということを御理解いただければと思います。
 以上でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございました。ほかに,本日通して何か御発言ございますでしょうか。今年度の会議はこれが最後になりますが,よろしいですか。
 それでは,皆様の御協力のおかげで予定した時間よりも相当早く終わることができました。御協力ありがとうございました。
 それでは,本日の会議は終了したいと思います。本日は御多用中,御出席いただきまして誠にありがとうございました。
 

── 了 ──