大学入学者選抜協議会(第18回)議事録

1.日時

令和7年4月17日(木曜日)16時~18時

2.出席者

委員

川嶋座長、内田委員、圓月委員、大橋委員、小方委員、小川委員、沖委員、兒玉委員、澤辺委員、柴田委員、島田委員、長塚委員、西郡委員、春名委員、日吉委員、安井委員、山口委員、渡邊委員
 

文部科学省

伊藤高等教育局長、森友審議官、石橋大学振興課長、片柳大学入試室長 他

3.議事録

【川嶋座長】  それでは,所定の時刻になりましたので,ただいまより大学入学者選抜協議会の第18回目を開催したいと思います。委員の皆様におかれましては,御多用の中,お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 本日の議題は,令和8年度大学入学者選抜実施要項についてとなっております。まずは事務局から本日の資料等の確認をお願いします。
【片柳大学入試室長】  失礼いたします。入試室長の片柳でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 資料に先立ちまして,委員の変更について御紹介させていただきます。国大協の東京外国語大学の林先生から,新たな学長の春名先生に代わられましたので,委員のほうも春名先生に本日からお越しをいただいております。よろしくお願いします。
 また,有識者でございまして,西郡委員,佐賀大学の先生に本日から御出席を賜っております。
 また,事務局のほうでございますけれども,4月1日付で補佐の梅木が着任をしておりますので,また,どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして,資料の確認でございます。電子媒体等で既に皆様のお手元にあられるかと思います。随時,画面の共有させていただきながら進めたいと思っておりますけれども,本体資料のほうが資料1-1から1-3でございまして,通番で資料1-3の最後が51ページとなっております。また,参考資料のほうですけれども,参考資料も1から7までございまして,通番のページで最後のページが93ページとなっております。電子媒体でございますので,最後のページの番号が恐らく合っていれば,見ていただいている資料は間違いないかと思いますので,もし何か不都合等ございましたら,随時お知らせいただければと思います。
 また,今日の会議でございますけれども,いつものとおりでございますが,ウェブ会議方式でやらせていただいております。御発言の際でございますけれども,挙手ボタンを押していただきまして,指名された後に御発言をいただければと思います。また,聞き取りやすい御発言,資料参照の際は通番のページをそれぞれ振っておりますので,そちらを示していただくですとか,また,ハウリング等を避けるために,指名後のミュート解除,また,発言後のミュート戻しについて,御協力をいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  よろしいでしょうか。新たに参画される先生方,よろしくお願いします。
 それでは,議題に入りたいと思います。令和8年度大学入学者選抜実施要項についてでございますが,事務局より御説明をお願いします。
【片柳大学入試室長】  続きまして,失礼いたします。主に資料の1-1と資料1-3で御説明をさせていただければと思います。
 資料1-1でございますけれども,今回,資料1-2と資料1-3のほうが要項の見直しの中身についての本体となっております。資料1-1のほうが,その見直しの概要ということで,主なものについてこちらで幾つかを記載させていただいております。追って資料1-3で修正点については,順に説明をさせていただこうと思いますけれども,主なものということで,先に1ページ目のところで御案内をさせていただきます。
 内容の変更に関するものといたしまして,最初でございますけれども,入手方法,こちらは学校推薦とは何かというところで,前回も議論がまだ完全にはまとまっていなかったかと思いますけれども,学校推薦ということを踏まえまして,推薦の数ですとか推薦に受かった後の取扱い,表記としては,どのように表記をするのがいいのかというところを事務局でも悩んでいたところでありますけれども,ここ,どこまでを実際に求めて,どういう表現にするかというところについては,本日,会議の中でも御議論いただければと思っております。
 次,第4,試験期日等のところでございますけれども,こちらが前回,主に議論をいただいたところを反映しているようなところでございまして,教科・科目に係るテストを2月1日よりも前に行う場合の条件といいますか,こういう場合には可能であるというようなところをこちらで表現させていただいているところでございます。
 第6,評価方法のところでありますけれども,昨年,実施されていたもので,とある大学ではございますけれども,小論文というような形式でもって,実態としては中身を見てみますと,教科・科目に係るようなことが行われていたというのが実際ございましたので,そうした形にならないようにということでの留意事項を評価方法の中に付させていただいております。
 その他注意事項の中でございますけれども,一つが体調不良の入学志願者への対応の仕方についての部分,もう一つが,実は第13の2つ目の丸は情報公表のところでございますけれども,こちら,第4の試験期日等のところとも実際,議論とは関連しているセットの話でございまして,全校長さんと中高連さんからも御指摘をいただきました。大学側が試験内容ですとか解答もそうですけど,出題の意図もしっかり公表していくようにということを御発言いただいておりました。こちらはまた,学教法施行規則のほうで,実際,入学者選抜に関することの情報公表もしっかりやるということに,この4月からなっておりますので,それらも踏まえての追記というような形になってございます。
 また,その下,文言の適正化を図るものということで,今回各団体からの意見書でも幾つか御指摘をいただきましたけれども,表現が若干曖昧じゃないかというような御指摘がございました。特にもともとの記載ですと,学力検査,個別学力検査,また,学力検査等というような3種類,似たような表現でそれぞれが何を指しているのかというようなところも若干曖昧であったというようなことの御指摘がありましたので,そういったところを整理させていただきまして,個別学力検査につきましては,各大学が実施する教科・科目に係るテストと,学力検査等につきましては評価方法というような形に直させていただいているところでございます。
 続きまして,各個別の修正点について,1-3の通番で申し上げますと27ページからのところでございます。今回,先ほども申し上げました文言の適正化に伴うようなところもありますので,例年よりも見え消しの部分,修正しているようなところが多くなってございます。中身的な主なところを中心に御説明を申し上げます。
 28ページでございますけれども,特に中盤,第3の入試方法のところ,ここら辺のところから定義の見直しに伴って,いろいろ書き方のところを修正させていただいております。また,第3の1(1)の少し上の小さな米ですけれども,「入学志願者本人が記載する資料のほか,エッセイ,面接」というようなところについても,こうした例示をいろいろ出しているところがほかのところでも複数ございましたけれども,それぞれのところで例示で出ているもの,出ていないものなどがあって,そこら辺も整理をすべきというような御指摘がありましたので,今回,例示するものは同じような例示で全部表現を整えさせていただきまして,こうした米印のものについては,同ページの,下のほうの(3)学校推薦型選抜の少し上のところなんかも,例示としていろいろなものを書いているところがあったんですけども,これらは全て消させていただいて,その表現については統一するというようなことにさせていただいております。
 内容的なところですけれども,今見ていただいております28ページから29ページにかけてのところが学校推薦型とは何かというところに伴いまして,少し追記をさせていただきましたが,ここは学校推薦,専願ではないのかというようなところでの御議論がありましたけれども,具体に,来年の選抜において,どこまでのことをこのルールの中で決めていくかというところについては,今回まさに御議論いただければと思っておるところでございます。
 29ページ上の②のところでございますけれども,推薦書の内容として何を書くべきなのかというようなところも御議論ございました。御指摘ありましたのが,大量に推薦書の推薦理由を書くのは高校側の負担にもなってしまいますけれども,大学,学部等のアドミッションポリシーに対応して,本人の良いところですとか学力の3要素に関する評価についてを,ここはお勧めできますというようなことを端的に書くということがよいのではないかという御指摘がありましたので,こちらのほうを少し追記させていただいております。
 続きまして,同ページの一番下でございますけれども,教科・科目に係るテストの試験期日についてのところでございます。前回御議論をいただいて,大学団体のほうから御提案をいただきまして,それに基づくような形でこちら,黄色のマーカーのところでございますけれども,追記をしているところでございます。
 1点,補足的に説明をさせていただきますと,前回,大学団体のほうからは適切に組み合わせてというようなことでの御提案だったかと思います。ですので,「第6の3,または5に掲げる評価方法と組み合わせて」とさせていただいておりますけれども,第1から5について少し補足をさせていただきますと,通番31ページでございますけれども,第6,評価方法の中で1つ目が教科・科目に係るテストでございます。これが第6の,いわゆる1でございます。第6の2が次のページでございますけれども,大学入学共通テストの利用になってございます。そして,先ほど挙げられました第3が小論,面接,実技検査等の活用でございます。33ページに4がございまして,こちら資格検定試験等の成績の活用,同ページ下のほうですけれども,5がありまして,志願者本人が記載する資料や高校等に記載を求める資料等の活用ということになっております。
 組合せの適切さでございますけれども,教科・科目に係るテストに加えて,もう一つを組み合わせるというようなことでございました。実際,全てではないと思いますけれども,資格検定試験につきましては,基本的には教科・科目に係る能力を図るような資格検定試験が,英検等をはじめ,大多数かと思いますので,教科・科目に係るところを測ったものを組み合わせても,もともと教科科目に係るものを自大学で測ったものと同じ尺度でのみ見ることを組み合わせても,多様な評価,総合的な評価にはつながらないだろうというようなことを考えまして,組合せとしては,6-3または5というようなことで,多くの方が多分イメージされていたのは面接等だと思いますので,こうしたような記載をさせていただいております。
 ページお戻りいただきまして,30ページでございますけれども,前回の会議のときにも御指摘がございました,仮に2月1日よりも前の学校推薦型ですとか総合型の中で教科・科目を認めるにしても,高校教育への影響等についてはちゃんと配慮すべきというようなことを,高校の団体からも御指摘ありましたので,こちら,ただしということで十分配慮するというようなことを書かせていただいているところでございます。
 続きまして,31ページから,先ほど少し触れたような評価方法のところで,特に教科・科目に係るテストというようなことでの言葉の置き換えを31ページのところはしているところでございます。次のページ,32ページでございますけれども,こちらも黄色で振っているところについては,先ほど概要のところでも述べましたけれども,繰り返しになりますが,小論文という形式の名の下に,実質的には教科・科目に係るような試験をやっていたような事例がございました。先ほど,資格検定試験の活用だと教科・科目に係るテストとの組合せとして,同じ評価尺度なので適切な組合せにはならないのではということで,先ほどの組合せは例示をさせていただいたわけですけれども,こちらも同じような理由で,小論文の形式であっても,実質として教科・科目に係る試験をやってしまいますと,結局,やっている評価尺度が教科・科目に係るものだけということになってしまいますので,それを防ぐためにということで,専ら教科・科目に係る知識等を問うことにならないように留意しなければならないというようなことでの留意点を記載させていただきました。
 なお,専らというような形にさせていただいたのは,実際例えば小論文なんかですと,英語の文献を題材に扱ったり,社会問題だったり歴史的文献だったりということで,ある程度,題材等を扱うに当たって教科・科目に係る知識に関するものも多少は触れる可能性がございます。それも含めて全部駄目だと言ってしまいますと何もできなくなってしまいますので,専らそれを問うようなことはしてはいけないということで,多少教科・科目に係る知識を使いながら書くものについては,それまでを否定するものではないのではないかなというところで専らというような表現をさせていただいております。
 続きまして,33ページ上のところですけれども,こちら記載の全体のところを見直しまして,ページで言いますと,39ページに飛ばしているものでございまして,表現をなくしたとか,そういうわけではございません。
 また,次は35ページでございますけれども,35ページの2の入学手続の上の部分も消しておりますけれども,こちらも37ページのほうに記載の場所を移させていただいております。入学手続のところを幾つか追記させていただいておりますのは,就学支援の関係で新たに出された通知ございますので,その通知に書いてある内容について,こちらのほうでも反映をさせていただいているというような状況でございます。
 次,36ページでございますけれども,先ほど概要のところでも触れました体調不良等,特に最近では月経随伴症等への対応で何らか柔軟な対応をというようなことを,特に高校入試なんかでも言われているところでありまして,大学のほうでも体調不良等,実際大学の側でも可能な範囲でいろいろ柔軟な対応をしていただいていると思いますので,こちらのほう記載をさせていただいております。
 続きまして,37ページのところが,入試情報の取扱いでございますけれども,こちら,情報公表のところについて,改めて記載をさせていただいております。従前,こちらの公表すべきというようなこと,ある程度もともと書いていたわけでございますけれども,今回,施行規則のほうの改正を踏まえまして,要項に基づく求めではなくて,法令に基づく求めということになりましたので,ある意味,要項にも書いてあることの重み自体は増しているところでございます。(2)のところは前のほうのページからの記載の場所の移替えでございます。
 続きまして,38ページ,39ページが幾つか書いてありますが,ここも場所の移替えで持ってきているような部分になってございます。
 あとは40ページの中盤でございますけども,事件・事故というところを付け加えさせていただきました。こちらは去年の共通テストなんかのときにも少し話題になりましたけれども,痴漢被害ですとかそういったところへの対応というようなところも,この中で読めるようにしておいたほうがよいと思いまして,こちらは追及をさせていただいております。
 全体としては,3月13日の議論を踏まえたような形で,このように修正をさせていただいているところであります。どうぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  御説明ありがとうございました。
 今,片柳室長もおっしゃっていましたように,前回の皆様方からのいろいろ御意見等を踏まえて,今回,新たに修正を施した事務局案を提案させていただいております。幾つか論点,修正点ございますけれども,どこからでも結構ですので,御意見のある方は挙手ボタンでお知らせください。柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】  まとめて修正していただいてどうもありがとうございます。大体,前回の線に沿った変更だと思います。まだ気になるところがあるので,数か所お尋ねいたします。
 一番気になったのは,28ページの第3の入試方法(1)の一般選抜のところです。ここのところの出だしは「学力検査,または小論文・面接・実技検査等を主な資料としつつ」というんですが,これ「または」だったら,orですからまずいんじゃないかなという気がいたします。できましたら,「及び」か,あるいは「または」をのけて,以前のように,並列的に「学力検査・小論文・面接・実技試験等」となさったほうが誤解がないんじゃないかなと思いますし,一般選抜の多面的,総合的な選抜ということの趣旨を強調するんだったら,「及び」で学力検査だけじゃないんですよという形になさったほうがいいんじゃないかなあという具合に感じました。
 それと,そのページでもう1か所,ようございましょうか。上のほうへ上げていただければと思います。第3の入試方法というリードになっていますが,1か所だけ今回,この入試方法という文言を37ページのところで「選抜方法」に変更なさっている箇所があります。この機会に,入試という言葉よりも選抜,総合的,多面的な選抜という意味では,入試方法よりも選抜方法のほうが世の流れに沿っているんじゃないかなと感じた次第でございます。
 以上2点でございます。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  ありがとうございました。ほかに,今のご指摘の「または」のところ回答ありますか。
【片柳大学入試室長】  失礼いたします。表現の問題で今「または」にしていますのは,従来と同じ趣旨を適切に表現をするという意味で,「または」にしているところでございまして,多分従来は,ここに記載しているもの等のいずれかを主な資料としつつという読み方だったかと思いますけれども,その趣旨は変えているつもりはございません。先生御指摘ありました,「及び」にしてしまうと,そのほうが確かに総合的な評価という点では望ましいところではあると思いますけれども,かなり大きな変更になってしまいますので,その点はさすがに学力検査だけじゃなくて,一般選抜ももう一つやるんだ,「及び」だと必ずもう一つということになりますので,それは趣旨としては,今の議論の範囲を超えてくるかなと思っております。
 単純な並列で,点つなぎのほうがよいということであれば,元の形に戻すことはやぶさかではないかなと思っています。表現したい趣旨としては,そこは元と変わっておりません。変えていないつもりでございます。
 入試方法のところでありますけれども,今,考え方としては,入試方法は3分類というようなことで,選抜はその中での選抜区分じゃないですけれども,もう少し細かいといいますか,もう一段落とすようなところでの区分けとしての選抜というような表現で,全体をある程度整えているつもりではございます。
【川嶋座長】  よろしいでしょうか。柴田先生。
【柴田委員】  それで結構なんですけれども,あえて1か所,入試方法を選抜方法と変えた箇所があるものですから,この機会に全部変えられたらということで発言させていただきました。以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございます。選抜方法ごとにというのは,情報公表のところだったと思うので,それぞれの入試方法,入試全体じゃなくて,もう少し詳細に選抜区分ごとの情報公表を求めると,そういう趣旨で,そこでは選抜方法というふうに表現されているんだと思います。よろしいですか。
 島田委員,どうぞ。
【島田委員】  ありがとうございます。大方のところは了解できたんですけれども,1点,非常に瑣末なところですけれども確認をお願いいたします。
 通し番号32ページの一番下です。小論文が「専ら教科・科目に係る知識等を問うことにならないように留意しなければならない」という記述なんですけれども,実は本学でも小論文という形式で行っている,出題している問題が,これは専ら教科・科目に係る知識等を問うているのではないかと,そういう御指摘を外部から受けたところでもありました。実際に個々の問題について子細に考えていくと,どうも区分けがなかなか難しいというところも出てくるように思うのですけれども,ひとまずはそうならないように留意するということでよろしいんでしょうか。
 また,例えば総合問題のような出題の形式で,教科を横断するような問題,出題というのは,これは小論文の範囲と考えてよろしいのか,その辺り,もう少し御説明を加えていただけるとありがたく存じます。よろしくお願いします。
【片柳大学入試室長】  事務局でございます。従来,小論文の形式でやっていただいていたのには恐らく理由があると思っていまして,個別学力検査は2月1日より前には行えないというようなことを,そこについては守ろうという趣旨で小論文の中で実施していただいていたのではないかなと思慮しているところでございます。今回,議論をさせていただきまして,教科・科目に係るテストを2月1日よりも前にやるのであればということでの条件づけ等も御議論いただいているところでありまして,教科・科目に係るものを問うのであれば,小論文という形式ではなくて教科・科目に係るテストの実施ということでしっかりそこは捉えていただいてやっていただくということかと思っています。
 総合問題でございますけれども,今の要項の中でも,それは教科・科目に係るテストに,今,31ページを見ていただいて,もともと見え消しとなっていないところですけれども,1の教科・科目に係るテストの実施の(2)番のところでございます。なお,複数教科を統合して学力を判断する総合的な問題の出題など,工夫に努めることが望ましいということで,従前よりこちら,総合問題に関しては小論文ではなくて,もともと個別学力検査という位置づけでありましたので,この点については,引き続き,名目は,名称変わりますけども,教科・科目に係るテストの中として捉えていただくということで,この扱いを変えることはなくていいのかなと思っております。
【川嶋座長】  いかがですか,島田委員。
【島田委員】  分かりました。総合問題に関する点は見落としておりました。ありがとうございました。
 今後、ご説明の内容にあうように出題を整理していきたいと思いますけれども,例えば、今まで小論文という形式で実施していた出題をよく見直して,これは教科・科目に係るテストに相当しそうなので,そちらに名前を改めよう、ということになった場合に,これは2年前予告の対象にはなるんでしょうか。
【片柳大学入試室長】  ありがとうございます。2年前予告,まさにこの中にも記載ございますけれども,すみません,後でページのほうも御紹介しますけど,2年前予告は,かなり皆さんの中で曖昧な捉えられ方をしている部分があるかなと思っております。
 そうですね。第7のところでございまして,2年前でお願いをしているのは,第7の3の学力検査,教科・科目に係るテストか共通テストですけれども,において課す場合に,教科・科目が新しくなる,変更するということになりますと,受験者のほうが当然履修選択の段階から影響が出てくるというようなことがありますので,教科・科目の変更等が伴うような場合には,2年前程度には予告,公表するということでお願いをさせていただいているところであります。なので,入試を変えるときに何でもかんでも2年前までにしておかないといけないですよということではなくて,そういった教科・科目に係る変更があるような場合には,少なくとも2年前までにということでございます。
 ただ,他方で,ある程度変更が分かっているのであれば,当然ですけれども,これに関わらず,教科・科目に関わらず,早め早めに志願者に対して提供していくということは大事だということだと考えております。
【川嶋座長】  よろしいですか。
【島田委員】  分かりました。ありがとうございました。
【川嶋座長】  特に受験生に負担が増えるとか,そういうような変更は2年前程度予告の対象になるかなとは思いますけれども,内田委員,どうぞ。
【内田委員】  ありがとうございます。文言等を整理していただきまして,大分,全高長の求める方向に整理されているのではないかなと思います。
 今,島田委員のほうからお話がありました学力検査と,それから推薦に基づく選抜の,特に小論文と称して学力検査の試験ということは,一部の私立大学が試験を実施する中で,情報提供の形でマスコミ等を介して我々も受けたところで,実際に数学の問題を出してというところがあったものですから,そういった形が高校生に小論文という形で示されるというところは是正をしていただかなければいけないということで,文部科学省とも相談の上,是正をしていただくという方向に示されたのかなと思っている次第です。論述の形を何かしら入れることで工夫は可能かと思いますので,ぜひ大学側で取り組んでいただければと思っております。
 また,学力検査につきましても,基礎学力検査が実施可能にはなるわけですけれども,逸脱していくことのないよう,ある程度,高校教育にも配慮していただいて実施していただくよう重ねてお願いをしたいと思います。また,前回の会議でも,実際にこういった要望が示されても守らない大学が出てくると困るのではないかというお話がありました。ぜひ大学側でこれは可能かどうか,この会議で御検討いただきたいと思いますけれども,「本学は大学選抜実施要項に基づいて,入学者選抜を実施している」という旨を各大学の要項,もしくはホームページ等に記載するという方法も一つの縛り,あるいは,自主規制に当たるのかと思いますので,そういった方向も含めて御検討いただければ幸いに存じます。
 あくまでもミッションポリシー,大学の理念に従って,高校側は受験指導,進路指導をしてまいりますので,様々な形で理念に基づいて御配慮頂ければと思っている次第です。どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  ありがとうございます。御意見の最後のほうの遵守して実施しておりますというところは,また大学側の御意見も伺いながら詰めていきたいと思います。ありがとうございました。
 長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】  28ページの最後から29ページにかけて,入試方法の(3)の推薦型入試の入試方法の黄色マーカーがついている部分ですが,29ページの最初のほうに,高等学校及び大学双方において適正な取扱いを行うものとするとあります。この適正という言葉がどのような意味を持つか各大学,あるいは高校においても,受け止め方が違ってくる可能性があると考えられます。ここに関して,前回も申し上げたとおり,学校推薦型選抜というのは専願的でないといけないと思っているわけなんですが,これは全校長さんも一致していたと思います。実はその前の28ページの上にある総合型選抜の①に,「入学志願者自らの意思で出願できる公募制という性格に鑑み」と書いてあるんです。つまり,総合型選抜は公募制だと。公募制だから専願でなくてもいいのだという意味合いだと私は理解しています。
 それに対して,学校推薦型のほうは公募制ではなくて,学校長が推薦するという意味合いでは,基本は公募制ではないということを適正な取扱いというように受け止めていただきたいところです。総合型選抜は公募制であるということをここでうたっているのであれば,学校推薦型のほうは公募制ではないと。前回,指定校推薦と公募制推薦の2つに分けられるとおっしゃっていたと思うんですが,そもそも公募制推薦ということはおかしな話で,公募制の併願であるならば,これは総合型選抜にしていただきたいと思うわけです。
 一方,学校長推薦でなくて,いわゆる一般の専門家の推薦を必要とするような場合は,総合型選抜の中での推薦書があってもおかしくはないと思いますし、それは公募型であろうと思いますので,学校推薦型のほうは,ぜひとも公募型ではないという趣旨,総合型とは違うぞということを適正なということの中にしっかり表記していただければなと思うんですが,いかがでしょうか。以上でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございます。ここはこれから皆さんで議論するところで,事務局も相当苦労した表現とお聞きしております。
【長塚委員】  そのとおりです。
【川嶋座長】  いろいろほかの委員の方からも御意見を伺いながら,最終的にはどこかに明確に示していきたいと思いますけれども,順番で,まず,西郡委員,どうぞ。
【西郡委員】  ありがとうございます。通番5ページの黄色い網掛けの部分なんですけれども。ここの表現で「丁寧に評価しなければならない」という「丁寧に」というのが非常に重要なポイントだと思うんですけれども,ここの部分が形骸化しないように考えておかなければいけないと思います。というのも,例えば志願者本人記載の資料であるとか,面接といってもペーパーインタビューという形で実施することができると,こういう選考資料を課したとしても,例えば点数化しないとか参考扱いであるとか,合否ボーダーになったところ,同点者のみに使用するとかという形をすると,それが必ずしも丁寧な評価とは言えないとも言えます。一般選抜であれば,ある程度理解できるんですけれども,丁寧に評価とうたっている総合型であるとか学校推薦型において,そういった形での利用というのは必ずしも適切ではないのかなと思いますので,丁寧に評価という丁寧にという部分が,ある程度共通理解が得られるような工夫が必要ではないのかなと考えます。以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。ここら辺は大学によって粒度があるような解釈があるところかと思います。それでは,内田委員,どうぞ。
【内田委員】  再び失礼いたします。先ほど長塚先生からお話のありました件につきまして,全高長といたしましてもコメントをさせていただきたいと思います。
 学校推薦型を分析しますと,高校側が受けているものといたしましては,指定校推薦というものと公募型の学校推薦というのが現状ではあるというところがあります。公募型の学校推薦につきましては2つありまして,専願,つまり第一志望である者というところと,併願が可能であるということで募集をしているところがあるわけで,ここが文部科学省のほうとなかなか難しいところだということでお話をさせていただいているところで,もしこれ,公募型で併願が可能だというところについて大きく制限をしてしまいますと,そういったところを希望して,さらに上を目指すという生徒については,ある一定の制約を受けるということになりますので,単純に全高長としてそれまで駄目だということまではいかないのではないかというところが正直なところです。
 ただ,高校側といたしましては,そういった学校から推薦をするものについては,公募で併願が可能であろうと,あるいは専願であろうと,推薦に関しては1校を限度とすると,学校としては推薦する対象は大学1校であるということを貫いて,高校側は対応しておりますので,そういった視点でしばらくは対応していくことが現実的ではないかなと。特に関西地区も含めて現状も踏まえて考えますと,専願に限定するというところがなかなか難しいのではないかなとも考えております。御検討よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  ありがとうございました。取りあえず御意見を承って,論点ごとにまた御意見を伺いたいと思います。沖委員,どうぞ。
【沖座長代理】  沖でございます。いろいろと皆様準備をしていただきありがたく,また,今まで出た意見,基本的に私もなるほど,参考になるし,前向きな改善が必要かなと思いました。今2点,申し上げたいと思います。
 1点目は,今ちょうど出ておりました学校推薦型についての専願の話ですけれども,もし専願,学校推薦型がもし推薦したら100%受かるのだと,必ず進路が保障されるという制度だと捉えるのであれば,専願というのは考えられますけれども,実際に出願で倍率が1.何倍とか2倍とかになって不合格者が出るという場合に,不合格という結果が出るまでの間,当該の受験生はほかの学校,大学に出願することができなくなる。従来からの就活などであって1人1社制のような,いい面もありますけれども,課題もあるというのをそのまま大学入試に持ち込むということになりますので,もう少し慎重な議論というのもあっていいのかなと思って聞いておりました。それが1点目であります。
 2点目は,今回のこの内容については,基本的に改善の方向について,私賛同しております。そのうえで、さらに重要なことだと思われるのは,ここまででも何回か出ております高校教育に影響を及ぼさないということを,いかに,どういうことが影響を及ぼさないと考えられるのかというあたりは,今すぐというよりは少し何年か,いろいろな経験,知見を得た上で固めていく必要があるのではないかと思います。それは,例えば試験のタイミングの問題なのか,内容の問題なのか、あるいは,従来からの高大接続改革で議論されてきた選抜を目的とした一般選抜,学力検査なのか,あるいは,本当にできるかどうかはともかくとして,到達度を見るのだというようなタイプの検査として考えるのか,もう少しいろいろな解釈があり得るでしょう。
 今,必ずどれかにしなければならないというのは恐らく無理なので,今回の要項に反映させることは無理であり,また,今の表現で十分必要であるということは共有されていると思うんですけれども,今後もう少しこの辺りはこの協議会の中で,そもそもほかで議論する余地がなさそうなので,中期的に数年かけてでも検討していく必要があるかなと思いました。
 以上であります。
【川嶋座長】  ありがとうございました。それでは,続きまして,日吉委員,どうぞ。
【日吉委員】  ありがとうございます。日吉と申します。今の西郡委員と沖委員のお話に少し関連してなんですが,ページ数で言いますと,今の29ページから30ページのところの黄色い部分でございまして,ただし書として,高等学校教育に対する影響や入学志願者に対する負担に十分配慮するということを記述していただいたのは本当にありがたいと思います。
 私のほうで心配しますのは,黄色い部分がいろいろと解釈が変わってくるというところもあるのかなというところを心配しておりまして,特に言葉の問題なんですが,組み合わせて丁寧に評価しなければいけないという「丁寧に」という言葉なんですが,これが,乱暴か丁寧かという概念よりも,むしろこの趣旨から考えると,しっかりいろいろなものを組み合わせて評価することが望ましいといいますか,当然のことというように考えれば,ここはもう少し違った言葉でもいいのかなとも考えます。例えば,適正とまでは言いませんが,例えば適切であるというような概念で,組み合わせて適切に評価しなければいけないというような,適切か不適切かというような概念があってもいいのかなというようなところに考えます。
 言葉の問題として,申し訳ないんですが発言させていただきました。以上であります。
【川嶋座長】  ありがとうございます。とりわけ総合型選抜というのは,もともとAO入試と言われた時代から,時間をかけて丁寧に評価するということが言われていまして,それで最初の頃は8月から願書を受け付けて,時間をかけて評価をしていたのですが,それは少し早過ぎるというので今は9月出願,11月合否発表という形になっています。もともと旧AO入試として丁寧に,時間をかけて評価をする入試だというのは定着していたので,こういう書きぶりになったかと思いますけれども,これについては,事務局のほうから何か御提案ございますか。
【片柳大学入試室長】  すみません,失礼します。こちらですけれども,まさに趣旨としては,今座長がおっしゃっていただいたように,元の総合型ですとか学校推薦型,丁寧にということで,だからこそ早い段階から選抜を行うことができたということで書かせていただいたんですけれども,ここに関しましては,基本的には条件をしっかり明記をするというところで記載をさせていただきまして,どういう表現がいいかと,表現を入れたほうがいいのか,もしくは,ここの丁寧にですとか適正にというような表現を,ひとまずは抜いて,組み合わせて評価をするんだということをシンプルに書くということでも,今回の改定には沿うのかなと思いますけれども,また皆さんの御意見をいただければと思います。
【川嶋座長】  ありがとうございます。この辺りは,いろいろ実際の大学,個々の大学の入試を念願に、いろいろ御意見もされているのかもしれませんが,ほかに全体を通して御意見ある方,圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】  圓月です。非常に瑣末なところなんですけど,28ページの一番下のところです。「なお,本選抜については特定の大学・学部」と書いてあるんですけど,下のところでは「大学・学部等」というのが入っている。実際大学のほうでは学科別,時にはコース別に募集をしているところもあるので,やはりそこと照合関係があるんだということを明確にするために,「等」を書かれたほうがいいのかなと思っていました。
 また,大学の側にもいろいろ宿題いただきました。この場で即答するということはなかなか難しいですけれども,私個人的には入学者選抜実施要項に従った形で入試選抜を行うというのが大学の基本だと思っています。それについては,ここに出席している各大学団体が協力していきたいと考えます。あと認証評価のところなんかで適切な入試の中で,入学者選抜実施要項に従った選抜方法を実施しているという文言を入れていただくというのが一番早いのかなとは思っております。
 その辺り,他のいろいろな制度との調整というものがありますので,そことの関係というのも,またこれから議論していただいたらと思ってお伺いしました。どうもありがとうございました。
【川嶋座長】  ありがとうございました。それでは,山口委員,どうぞ。
【山口委員】  ありがとうございます。共通テストに絡んだ部分について,若干気になった点をお話しさせていただきます。
 まず,28ページの入試方法のところの学力検査,括弧書きで,「各大学が実施する教科・科目に係るテスト,または大学入学共通テスト」としています。今までは個別学力検査という,個別という言葉がついていました。教科・科目に係るテスト,この部分は各大学が実施するという言葉がついているので明確に分かれるのですが,この後,いろいろなところで各大学云々が抜いた形で「教科・科目に係るテスト」と,それから大学入学共通テストと言われる部分もあります。となると,大学入学共通テストも実は教科・科目に係るテストですので,若干据わりが悪いかなという感じがしていて,例えば「教科・科目に係る個別テスト」というようにして明確に分けることはなかなか難しいでしょうかという指摘といいますか,問題提起です。当然ここで定義していますから,そういう定義だと言えば済むので,決して強い意見ではございません。
 それから,もう1点,関連して,一般選抜の部分,先ほど柴田先生から「または」ということに関して御指摘あったんですけれども,入試方法の部分です。やはり28ページの一般選抜のところ,学力検査または小論文云々なんですが,学力検査の中に共通テストは入っていますので,必ずしも「又は」はないほうがいいのではないかという意見でございます。
 それから,一般選抜に絡んで気になった点がもう一つありまして,29ページ,試験期日のところです。ここで第4の2項,教科・科目に係るテストの試験期日というのが出ているんですが,実はその下,5項のところです。学校推薦型選抜については2行目,一般選抜の試験期日の10日前までというように,「一般選抜の試験期日」という文言がございます。ところが,上のほうは「一般選抜の試験期日」としては定義していませんので,ここが若干,一般選抜と教科・科目に係るテストの整合性、また先ほどの教科・科目に係るテストと小論文の関係も含めて,整合性に欠けるように思います。この辺は文言をうまく整理していただいて,整合性を取っていただくことで結構かと思います。
 以上です。ありがとうございました。
【川嶋座長】  ありがとうございました。各パーツ間の整合性については,また今後,事務局のほうで精査していただきたいと思います。ほかに全体を通して,大橋委員,どうぞ。
【大橋委員】  いろいろとかなりいい感じに直していただいてありがとうございます。かなり細かいところになりますけれど,28から29ページにかけて黄色があって,その下に①があります。そこの2行目以降で,推薦書等の出願書類だけでなく第6の1から4に掲げる評価のうち,少なくとも一つを活用しと言ってしまうと,第6の1は教科・科目にかかるペーパーテストにあたるので,少なくとも一つを活用だと,それだけを実施,つまり,推薦書は一応取るけれど,普通の試験だけをやるのでもいいよと読めてしまいます。そのためさっきから言われている試験期日のところの黄色,すなわちいわゆるテスト以外にほかの面接等も含めなさいということと矛盾しているのではないかという気がしました。私の誤解かもしれないですけれど。
 それから2番目は,今,山口先生から御指摘のあった一般選抜という言葉について,第3の入試方法,つまり28ページのところは,(1)一般選抜,(2)総合型選抜,(3)学校推薦型選抜とあるのに対して,第4の試験期日のところは,番号でいうと4番のところに総合型選抜,5番のところに学校推薦型選抜と書いてあって,一般選抜という言葉が出ないままここへ来ていて,だから一般選抜が宙ぶらりんになっています。赤で消してしまった以前の文言を見ると,第4の2教科・科目に係るテストの期日についてはというところの括弧ですが、消ししまった各大学で実施する一般選抜における学力検査という表現,これを例えば復活させれば,教科・科目に係るテストというのが一般選抜とつながるので,多少よくなるのではないかという気がしました。
 以上です。
【川嶋座長】  御意見ありがとうございました。ほかに全体を通して何か御意見ございますか。ありがとうございます。
 幾つか論点があって,表現に関する整合性等については,また事務局のほうで精査していただきたいと思いますが,今回,幾つかご意見があったのは推薦入試の在り方,専願なのか併願なのか,また,推薦入試でもいろいろ公募型とか指定校推薦とか学内推薦とか,付属校推薦とかあるということで,推薦型選抜のありかたについてと,もう一つは、総合型選抜とか学校推薦型選抜における丁寧な評価を行うというところの丁寧の意味するところ,更に、これを実質化できていないかもしれないというお話もありました。
 推薦入試については,各大学いろいろな戦略で行われていると思うんですが,本日,高校側の内田先生とか長塚先生から推薦入試,専願か併願かということについて,はっきりさせてほしいというお話も出ています。大学側の委員の方々からこの辺りいかがでしょうか。それぞれの大学の連合体を代表されているので,なかなか具体的にはお話ししにくいかと思いますが,柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】  柴田でございます。前回も発言させていただきましたけども,国公立,分離分割方式でやっている範疇の中で,推薦についても1校のみという精神でやっているのが根底にありまして,そういう意味では専願ということになって,その趣旨を募集要項にもうたっているんですけども,高校のサイドから,実態としてそれが守られていないんじゃないかという御指摘を受けたことがございまして,高等学校のほうでどういう具合に理解されているのかというのも,我々は見過ごしできなかったんですけど,これは志願を受ける大学のほうでコントロールというのは,なかなか具体的には難しいんですよね。
 高校のほうで,推薦なさる側で1校だけに絞るとか何とかそういうことをやっていただくと,我々としては対応ができるんじゃないかなあと思っている次第でございますし,それからもう一つ,それに関連して,学校推薦型で1校落ちた場合に,再び再チャレンジしていいのかどうかという問題も,一つ残っている次第でございます。さっき沖先生がおっしゃったように,受験機会,受験生のためには多く準備したほうがいいんじゃないかという受験生サイドで考えると,そういう考え方も成り立つのかなあということで,公立大学協会として悩んだことがございました。高校サイドの御意見をいただければと思います。
 以上でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございます。今,内田委員から手が挙がっております。いかがでしょうか。
【内田委員】  ただいま柴田委員から御質問いただきました件について,お答えをいたします。基本的に,国公立大学については,第一志望ということで高等学校側は捉えております。専願ということで推薦を行っております。
 一方,私立大学につきましても,公募型の学校推薦につきましては,要項中に第一志望であることと明記されている場合は,必ず高校側が第一志望ということで,専願で推薦を行っておりますし,併願可と記載がある場合のみ併願を認める。ただ,学校側では,1回の推薦に基づいて1校しか推薦をしないという形を取っておりますし,公募であれ,あるいは,そのほかの推薦であれ,不合格になった場合に,次の推薦応募の機会がある場合には推薦をすることができる形を取っております。ただ,時期的にかなり各大学とも一致しておりますので,機会がなければ,その段階で一般選抜に切り替えるという形になっております。
 以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございます。ある時点では1校分の推薦しかしないという理解でよろしいですか。今の内田委員のお話は。
【内田委員】  さようでございます。
【川嶋座長】  分かりました。ほかの委員の方々,圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】  推薦入学については前回も発言をさせていただきました。常務理事会などでは専願が基本なのではないかという意見が多かったわけですけれども,ただし,併願というものの中で,大学から見ても,これまで御縁がなかったような高校から推薦をいただいて,すばらしい生徒さんが来ていただくということなんかもあります。これについては,高校,大学両者にとってメリットがあり、この協議会の中の高大接続の改善というものなんかにも寄与する部分があるかなと思います。実際に大学でやっていて指定校を選定するというのは物すごい作業なんです。自分の大学にふさわしい高校をあらかじめ指定するという作業は,係になった先生方が非常に大きな負担を感じておられます。その点で,いろいろな自主的推薦をしてくださる高校がおられたら,うれしいというか,メリットがないわけでもないという御意見もございました。
 もう一つは,これは先ほど柴田委員がおっしゃったとおり,技術的な問題ではありますけれども,実際に専願であるということなんかを決めても,専願か併願かを実際に点検することは非常に難しいんじゃないかと。ですから,点検することができないような基準を設けても,またいろいろな混乱をさらに生じさせないかという,そういう御意見もあったということをお伝えさせていただきます。
 以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございます。大学ではなかなかチェックできないというお話でございました。小川委員,どうぞ。
【小川委員】  小川です。このたび文言の整理等ありがとうございました。専門高校の立場からお話をさせていただくと,どちらかと言えば,普通科などからすると,学力の面で弱い面があるのも否めないところです。ですから,柴田先生,内田先生,圓月先生が言われた部分で言うと,専門高校から出す生徒は,もう学校の中で選りすぐりの生徒であるということで,専願であるのか,併願なのかというのは,基本的には明確に出していただきたいなと思っています。
 こちらのほうが出すのは,専門高校としては,専願を意識して出しているということでございますので,その辺りはまた御勘案いただければと思います。よろしくお願いいたします。以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。それでは,続きまして,安井委員,どうぞ。
【安井委員】  安井です。ありがとうございます。大変よくまとめていただいて,最初に感謝を申し上げたいと思います。学校推薦型の選抜についてですけれども,適正な取扱いというところが一つネックにはなるだろうと思っておりまして,この場合は,高等学校長と大学の学長との合意というところで,それが高等学校との関係性を示しているということになると思いますので,要項のほうに高等学校はそれぞれの大学がどのような形で学校推薦を取っているかというのは理解をされるというのが普通だろうと思いますから,ここは適正な取扱いというよりは,高等学校と大学双方での合意に基づく取扱いを行うという形で,それぞれのいろいろなシチュエーションで幅のあるものを学校,高等学校と大学とのしっかりした合意に基づいて行われるものが学校推薦型だというような,少し規定を,定義をそういうようにしていただいたほうが,それに外れるものは総合型としていただいたほうがよろしいかなと思いました。
 以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。それでは,春名委員,お願いします。
【春名委員】  今,御意見を伺っていて,特に安井先生がおっしゃったことを受けて,国立大学のほうから申し上げますと,国立大学の場合も,学校推薦は指定校ではないので,特定の高校との合意の下に基づいてということはなかなか,なかなかというか,できないんです。現実に多分,多くの国立大学がそうではないかと思いますが,学校推薦型も倍率があるんです,数倍の。ですから選抜になってしまう。たとえ専願であろうと,合格を保障するということはできない状態でもある。逆に恐らく,高校の側のほうも専願だということで校長が推薦状を出したとしても,学生,生徒本人のほうは別に公募型の総合選抜でほかの大学に出すことができるので,現実に,私の大学の場合でも,学校推薦で受け入れた学生が結局はほかの大学に行ってしまうということもあるんです。
 だから,現実的に適正な取扱いをするという文言に全く反対はありませんし,それはそうすべきだと思う一方で,具体的に何をすればいいか,大学のほうに適正な取扱いというのは,結局,ほかの志願者と並べて適切に選抜を行うというほかないのかなという印象を持ってはいます。
 以上であります。
【川嶋座長】  ありがとうございました。それぞれの設置者ごとの御事情をいろいろお聞きしましたが,この点はなかなか現実も多様なので,すぐには整理ができないかと思います。本日はいろいろ御意見をお伺いしたいと思います。
 ほかの委員の方々いかがですか。学校推薦型入試のバインディングか,ノンバインディングかと,英語ではそういう表現をするのですが,専願で出願してもノットイコール合格ではないというところが難しい日本の大学入試の現実なんですけれども,ほかにこの件に関して御意見ございませんか。これは引き続き,また意見交換しながら検討を進めたいと思います。
 それから,もう1点は,西郡委員等からございましたが,「丁寧な」というところで,これも二,三の委員からお伺いしましたけれども,多面的,総合的な評価の実質化ということについて,どのように大学に浸透させるのかというところですけれども,この点については,何か御意見ございますか。文言の書き方,表現も含めて,先ほど事務局のほうからも「丁寧」というのは先ほど御意見あったように,丁寧なのか乱暴なのか,その程度は決め難いということで,もう取っちゃえという事務局からの提案がございましたけれども,この点について,何か御意見ございませんでしょうか。いかがですか。内田委員,どうぞ。
【内田委員】  度々失礼いたします。文科省のほうから,事務局のほうから取っちゃえばという話はありましたけれども,今回まさに学力に基づく試験が実施されて,乱暴に実施されたわけなので,組み合わせて丁寧にというところは残したほうがよろしいのではないかなと思います。具体的に丁寧か,あるいは複数取り入れるときに点数化みたいな言葉があるんですけれども,それぞれの大学の御事情があると思いますので,そこまではなかなか難しい部分はあると思いますので,丁寧なという文言が,ある意味,無難かなと思った次第です。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  ありがとうございました。この点について,ほかの委員の方々から御意見ございませんか。よろしいですか。小方委員,どうぞ。
【小方委員】  本省の方は,私よりよく分かっていらっしゃるはずで,法令と違って要項というのは,今回も改めて見ましたけども,価値語とか帯同がたくさん出てきて,結局それをめぐる解釈がどうなんだというところなんですけど,言葉でぶれがないように,きちんと書き切ればいいんですけど,そうすると極めて法令のような近い形になっていて,これがまた非常に運用しづらいと思うので,今回,丁寧ということは乱暴の,あえて多分意図としては,あったほうがより守ってくれるということで入れられたのではないかと思うんですけども,結局,このような言葉ってどこまでも見る人の解釈によって変わってきたりするので,私は入れること自体については別に反対はしていないので,委員の方から幾つか今回も文言について,専願かどうかということも懸念が出されましたけど,そういうところについては,要項の中で全て処理し切れなければ,通知であったり解釈の補助のところで,あえてそういう用語を使う意図のようなことを入れて,より徹底していただくというか,守っていただくというやり方もあるのではないかと思いながら,皆さんの意見を聞かせていただきました。以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。いかがですか,ほかに。圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】  私も丁寧にというのが何を指すのかというのは難しいんですけれども,今の段階では,皆さんでの共通理解として,適切にでも結構なんですけども残しておいたほうがいいのではないかなと思っています。
 もう一つ,もし文言を変えるとしたら,むしろ,この間,問題になっていたとおり,その前のところの第6の3,または5に掲げる評価方法と必ず組み合わせてと明記する。組み合わせるというのが丁寧の数ある用例の一つのように感じられているようなところがあるので,これは学科,教科に関する,そういう一つのものだけではなくて必ず組み合わせて多面性を保障するんだという趣旨を皆さんで合意できたら,丁寧にという文言の解釈をするよりも,少しでも実質的になるのではないかなと思いながら聞いておりました。以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。組み合わせるということを明記するという御意見だったと思います。
【片柳大学入試室長】  事務局から。
【川嶋座長】  どうぞ。
【片柳大学入試室長】  すみません,事務局から失礼します。もともと,ここ丁寧にということで事務局提案でさせていただいたのは,参考資料のほうを見ていただいて,参考資料の91ページに,参考資料6として,前回3月13日の大学団体からの提案があるんですけども,まさにそこでも丁寧にということで書いていただいていたので,その趣旨をそのまま持ってきているということでございます。先ほど,ないならないでということで申し上げたところではありますけれども,多分ここは今回の議論で,内田先生からもありましたけど,大事なところでもあると思いますし,先ほど圓月先生からおっしゃられた必ずというところは,まさにそこは,その趣旨でもともと書いているところではありますけれども,しっかり明記をさせていただいて,ここのところを徹底していくというところで,必ず組み合わせるということが実質的には丁寧な評価につながるということかとも思いますので,そういう意味で,丁寧か乱暴かというところではないですけれども,残すような形でもよろしいと思いますし,もしくは,例えば,先ほど座長からもありましたけども,総合型については,多面的,総合的な評価という表現もありますので,「丁寧に」が非常に何なんだという議論になるのであれば,従前からある程度使っております多面的,総合的にというような言葉への置き換えというのもあるのかなと思いました。
【川嶋座長】  ありがとうございました。補足の説明いただきました。ほかにこの点についてはいかがですか。特にほかに御意見ございませんか。ありがとうございました。
 それでは,もう1点,ガバナンスというか,先ほど小方委員からも御意見ございましたけれども,解釈に揺らぎがないような書きぶりにすると法律のようになってしまうのではないかという御意見もありましたが,逆に,今の書きぶりだといろいろ解釈の余地もあるということで,高校側からは必ず選抜実施要項に基づいて,我が大学,我が学部,学科は入学試験を実施しますという文言をぜひ入れてほしいという御意見もございましたし,圓月委員のほうからは認証評価でそういうのを確認してはどうかという御意見も出ました。
 要項なので,どの程度縛りというか,各大学にあるのかとなかなか難しいことかと思いますが,この辺り,御意見ございましたらお伺いしたいと思いますが,事務局,もし認証評価でということになると,省令細目の変更になるんですか。
【片柳大学入試室長】  確認をさせていただきますけども,今も入試自体については,たしか評価のもちろん対象になっておりましたので,その点,それぞれの認証評価団体が,間違いなく要項との関係でも見ていただいているところかとは思いますけど,どこまで詳細を細かくチェックするかというところがありますので,少し確認をさせてください。
【川嶋座長】  ありがとうございます。結局,以前お会議でも、それぞれの大学団体のガバナンスの問題というお話があったんですけれども,それぞれの団体の中でもいろいろ大学は多様なので,なかなかこの辺り,一貫して執行させるのは難しいところかと思いますけれども,何かいいアイデアがあればお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。澤辺委員,お願いします。
【澤辺委員】  すみません。短大協会の澤辺と申します。いろいろと直していただきまして,ありがとうございます。
 期日の部分なんですけれども,それを含めて,私の読みが甘いのかもしれないんですけれども,入学者選抜実施要項,これをしっかりと遵守していくんだという文章は,ここの基本方針のところから私のほうでは読み取れないんですが,そういう形でもう少し守っていきましょうという文章を入れるというのは難しいんでしょうか。以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございます。これは確か局長名で発出している文書中に遵守するようにという趣旨の文言があったように思いますが……。
【片柳大学入試室長】  原則守っていくものということで当然お考えをいただいていて,まさにこれがルールという形で各大学さんにはお願いをしているところで,基本的にまず守っていくものだという認識は,前回の会議のときにも,大学の皆様からもそういうものだということ御発言もいただいておりますので,その点は間違いがないのかなと。それを,まさに実効性をより担保していくというような観点からいたしますと,内田先生からの御提案としては,本人がちゃんとそれを宣言しているということがより実効性が高まるのではないかということかと思います。
 実際,通知の中でも当然守って適切に実施することということは局長名の通知で,定めた後で求めておりますので,その点は,先生御心配のところは大丈夫かなと思います。
【川嶋座長】  よろしいですか。
【澤辺委員】  分かりました。前回の会議でもペナルティーとかそういった形はないので,なかなか皆さんに守っていただくのは難しいのかなと思っているところでしたので。以上でございます。ありがとうございます。
【川嶋座長】  ありがとうございました。圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】  圓月です。先ほど認証評価機関のことを触れたので,それはそれでまた難しい問題があるということを補足しておきます。認証評価機関,今のところは文部科学省によって評価機関として認証された機関が自主的な基準を掲げて,各大学を評価していく,大学の質保証というものを実施していくと規定されています。ですから,細目のところまで,この項目のこれを評価基準に足並みを揃えて入れようという形ではなかなか受けていただけない可能性もあります。ですから,交渉の仕方が難しくなる,実は昔,大学基準協会で長い間仕事をさせていただいていたんですけれども,文部科学省のほうから細かい評価基準の文言についてまで指導が入ると,会議の中ではそれはそれでまた抵抗があったりすることもありますので,交渉の仕方というものもまたいろいろ考えていただいたらと思いました。
 先ほど認証評価のことを言ってしまいましたので,少し付言させていただきました。以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございます。ほかに,この点,要項の趣旨を徹底させるということについて,何かお考えがあればお伺いしたいと思いますが,いかがでしょうか。柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】  柴田です。別件になるのかもしれないんですけども,学校推薦型選抜について様式を徹底するということで,本日の参考資料のほうの93ページに,参考資料の7という文書がついているんですけども,例えばこういうものを要項の調査書のイメージ図のような形で添付していただいておくと,大学のほうも,こういうひな形で,これに沿って推薦書を頂くというのはできるんじゃないかと思いますが,今はかなり各大学にも自由な推薦書の様式でやっているようですけども,いかがでしょうか。
【川嶋座長】  事務局は,この資料について説明をお願いします。
【片柳大学入試室長】  内田先生,先に御発言あられますか。
【川嶋座長】  どうですか。
【内田委員】  よろしいでしょうか。
【川嶋座長】  どうぞ。
【内田委員】  実はこれ,事務局にお願いをして,神奈川県で各大学,県と協力しながら共通様式ということで推薦書を作成したものであります。全高長の大学入試対策委員会のほうでも,非常に推薦書作成が高校側,担任サイドでかなり負担になっているものですから,大学入試協議会のところで共通でお認めいただければ,ある程度の標準様式ということで決めていくのが,高校にとっても大学にとってもよろしいのではないかということで御用意いただいたものです。
 議論が一段落ついたところでお話触れようと思っていましたので,すみません,今になりまして,よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  ありがとうございます。常々大学から求められる内容に多様性があると高校が対応できないので何とかしていただきたいという御意見はずっとお伺いしておりましたが,神奈川県では,こういう共通の推薦書を活用し始めたとお聞きしておりますが,ただ,問題は西郡委員の御指摘のように,これを高校から出していただいても大学はちゃんとこれを評価に入れるかどうかというところが,また問題かなとは思いました。
 片柳室長,何か追加の情報ありますか。
【片柳大学入試室長】  まさに推薦書の様式は,先ほど内田先生からも御案内あったとおりで,これは神奈川県のほうで一致して使っているということになっております。大方,大学で推薦書を求める場合に,多分内容としては当然学校名,学校長名,どこを志願しているのかというようなことと本人の名前,かつ最後の推薦の理由のところですけれども,こちらは学力の3要素を踏まえたということを書いておりますけれども,我々の今の議論で申し上げると,各大学,学部等のアドミッションポリシー等に応じた形での学力の3要素等の推薦理由というようなことになるかと思うんですけれども,それを標準とまでは言わないまでも,イメージの形で要項の中に一つ例示を出すということは,皆様御了解をいただければ,それはそれで可能かなと思っております。もし必要であれば,次回のときに,これと似たような形になると思いますけれども,事務局のほうから一つ提案をさせていただくということは可能でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございます。澤辺委員,どうぞ。
【澤辺委員】  すみません,推薦書の様式の件ですけれども,以前本学のほうも同じような形の様式を使っておりましたが,高校側のほうから,このように一連に理由を書くというのが,非常に文章をつくるのが大変だということで,学力の3要素の3つに項目を分けて,箇条書で書けるような形に変えてほしいというような要望もありましたので,なるべく高校側のほうの負担を減らすような形を,もう少し工夫できたほうが私としてはよろしいのかなと。また,本学はそのような形で対応しているという状況でございます。以上でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。今日,最初の資料の1に整理していただきました前回からの宿題といいますか,見直しに関しては,例えば最初の第3の入試方法,推薦型選抜については,前回大学側から出していただいた意見書にもありますように,学校推薦型選抜の在り方等についても一定の条件を求める方向で協議するということでしたけど,この辺りはまだ完全には合意に至っていないのかなと思いました。
 第4の試験期日等については,大学等の御提案を,高校側も異論がないということで教科,科目に係るテストを2月1日よりも以前に実施してもよろしいとなりましたけれども,その際は,それのみならずに多面的,総合的な評価を行うように第6の3,または5に係る評価方法と組み合わせて丁寧に評価するという,丁寧にというところはまた表現を工夫する必要があるかもしれないという御意見もあったかと思います。
 それから,これについては,ほかの箇所で,学力テストのみというように誤解を受けるような表現もありますという御意見,大橋委員でしたか,ございましたので,またそれについては,事務局のほうで修正させていただきたいと思います。
 それから,第6の評価方法,小論文,面接,実技検査等については,これまで教科・科目に係るテストを小論文と称して行っていた大学もあるということで,教科,科目に係る知識を専ら評価するようにならないように,本来の小論文の形式でということで御理解をいただいたのかなと思います。
 あと,第13,その他注意事項,これについては特に御意見はございませんでした。
 それから,試験問題,回答,または回答例及び出題等について原則として公表する,これは学校教育法施行規則に基づいての加筆ということになっておりまして,これについても特に御意見はなかったと理解しております。
 それから,最後に一番下の文言については,繰り返しになりますけれども,学力検査というものを,これまでのいわゆる個別学力検査と大学入学共通テストですけれども,そこを教科,科目に係るテストというように書き改めたということで,これについても,少し山口理事長等から分かりにくいという御意見がありましたので,また事務局のほうで精査して加筆してもらいたいと思います。
 内田委員,どうぞ。
【内田委員】  すみません,川嶋委員長のほうで今おまとめいただいた内容で,マスコミ等から一部分を切り取られると危険だと思っておりますし,全高長としては,個別の学力検査を2月1日以前に実施をするというところだけ切り取られて報道されると非常に不本意な状態になってしまいますので,あくまでも学校推薦型,あるいは総合型選抜において基礎学力を実施する場合,私立大学協会のほうでおまとめいただいたような文言,高校側の学習について配慮した上で実施することも可能とした程度に集約していただけると非常に助かります。実際の要項案については,そういった文言になっていると解釈をしております。
 あくまでも,2月1日より前に実施することが可能になったというところの切取りは避けていただきたいということを重ねてお願いいたします。
【川嶋座長】  ありがとうございます。まだこれ最終的には要項として,令和8年度用の要項として確定しておりませんので,社会に対して,公表についてはもう少し後になります。この辺りについては,後で最後に事務局のほうからいろいろアナウンスがあるかと思います。
 ほかに今日の議論を通じて御意見ございますでしょうか。よろしいですか。今日1回だけで片が付くとは事務局のほうも,腹落ちはしていなかったと思いますので,引き続き今後,今日いただいた御意見を事務局のほうで精査していただいて,さらにブラッシュアップしていただいた上で,また次回の協議会を開催するということになろうかと思います。
 それでは,片柳室長のほうから今後の流れについて御説明をお願いします。
【片柳大学入試室長】  ありがとうございます。次回でございますけれども,現在,日程調整のほう進めておりますけれども,6月初旬が毎年,こちら定めているところでありまして,それに向けて,また5月のほうも皆様方,お忙しい中かと思いますけれども,一,二回程度,議論のほうさせていただければと思っておりますので,どうぞよろしくお願いします。
 最後に,先ほどの最後出ました情報の取扱いでございますけれども,前回の会議の際には,3月13日のときには,そもそもかなり来年の入試はどうなるんだというところで混乱が生じておりましたので,皆様方,一定合意が取れたということに関して,私どものほうから,その点をしっかり説明させていただいたところであります。今回の取扱いは通常と同じように,情報の取扱い等については十分御留意をいただければなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  ということですので,また,日程調整決まりましたら次回。澤辺委員,どうぞ。
【澤辺委員】  すみません。選抜実施要項の内容ではなくて,その適用の範囲につきまして,一言,意見のほうを述べさせていただきたいなと思っております。
 前回のときにも申し上げましたとおり,専門学校のほうの入学者選抜,こちらのほうにも選抜要項の適用範囲のほうを広げていただきたいなと,短大協会としては思っているところでございます。特に今年に入りましてから,札幌市内の専門学校,保育士養成をしているところが,幼稚園教諭の資格を取るのに試験の模範解答を丸写しというような,そういった問題もございました。文科省のほうでも調査のほうは入られていると聞いておりますけれども,そういった点で,しっかりとしている専門学校のほうでは,本学ではありませんというような,そういった公表もされている中で,ちゃんとやっている専門学校を守る意味でも,高校卒業時点での進学につきましては,専門学校も含めて公平公正な形で実施できるように,ぜひ御検討のほうしていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上になります。
【川嶋座長】  御意見ありがとうございました。なかなか難しい。所管が違うというように文科省は答えるかもしれません。
 いろいろ今日,御意見いただきまして,ありがとうございました。先ほど申しましたように,今日いただいた意見を基に,また次回に向けて実施要項の内容をブラッシュアップしていきたいと思っております。
 本日は貴重な御意見を賜りまして,ありがとうございました。これにて本日の会議は閉会としたいと思います。次回もよろしくお願いします。ありがとうございました。
 

── 了 ──