令和7年3月13日(木曜日)10時~12時
川嶋座長、内田委員、圓月委員、大橋委員、小方委員、小川委員、沖委員、兒玉委員、澤辺委員、柴田委員、島田委員、田名部委員、長塚委員、林委員、日吉委員、安井委員、山口委員、渡邊委員
森友審議官、石橋大学教育・入試課長、片柳大学入試室長 他
【川嶋座長】 皆さん,おはようございます。聞こえますでしょうか。年度末のお忙しい中,お集まりいただきまして,ありがとうございます。
それでは,所定の時刻になりましたので,ただいまより大学入学者選抜協議会の第17回目を開催したいと思います。御多用の中,お集まりいただきまして,誠にありがとうございます。
本日の議題は,大学入学者選抜における個別学力検査の試験期日等になっております。
まずは本日の配付資料について,事務局から御確認をお願いします。
【片柳大学入試室長】 失礼いたします。大学入試室長の片柳です。よろしくお願いいたします。
本日の資料でございますけれども,皆様には電子媒体の形でお届けをさせていただいておりまして,まず議事次第がございます。それと,ファイルとしてはもう2つございまして,「資料」のファイルがありまして,それに資料1-1から1-3が入っておりまして,ページ番号通番で1ページから53ページまでというような形の資料1-1から1-3となっております。また,参考資料でございますけれども,参考資料1から7-2までございまして,通番で1ページから66ページまでの資料となっております。恐らく電子ファイルでありますので落丁等ということはないかと思いますけれども,何か資料等でご不明な点等ございましたら御発言等,いただければと思います。
また,会議運営の留意事項についても併せて説明をさせていただきます。本日,このようなウェブ会議の方式で開催をさせていただいております。御発言の際には挙手ボタンを押していただきまして,指名された後に御発言をいただければと思います。ウェブ会議でございますので,聞き取りやすい御発言,資料等を参照の際はまた該当ページ,先ほど申し上げましたように通番でそれぞれ資料,参考資料に打っておりますので,お示しをいただけると大変ありがたいと思っております。また,ハウリング等を避けるために指名後のミュート解除,発言後のミュートの戻し等々,円滑な会議運営に御協力をいただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】 よろしいでしょうか。それでは,議題に入りたいと思います。議題,大学入学者選抜における個別学力検査の試験期日等についてです。これにつきましても,事務局より資料等の御説明をお願いします。
【片柳大学入試室長】 引き続き,失礼いたします。まず資料1-1でございますけれども,まさに昨年の10月にこの協議会を開催いたしまして,そのときにも話題になりました入学者選抜における入試日程の遵守について,当時も議論になりました。その点につきまして,その後の状況を踏まえて文部科学省から改めて各大学に対して,遵守をしていただきたいという連絡をさせていただきましたのが,資料1-1でございます。
その際に,今回,各団体から意見書の提出をお願いしておりましたけれども,高等学校から出していただいた意見につきましては,各団体に先んじて御確認をさせていただきまして,この通知の中に一部,高等学校関係団体から出てきている意見についても載せさせていただくというようなことで,まさに懸念の点ですとか、しっかり趣旨に沿った形でやってほしいというようなことを,改めて大学にお伝えしているところでございます。資料1-1についてはそのようなものでございます。
また,ページ番号5ページ,資料1-2でございます。昨年の10月に座長から最終的に団体としての意見をお願いしたいということでお願いをさせていただきまして,各大学団体,高校関係団体から意見を頂戴しております。簡単にではございますけれども,それぞれの団体からいただいた御意見について,大部になりますので,恐縮ながら事務局のほうで,雑駁にはなりますけれども,簡単に説明をさせていただければと思っております。
通し番号7ページをお開きいただきまして,こちらから国立大学協会でございますけれども,国立大学協会から文言の整理をしっかりすべきだというようなことですとか,やはりルールの明確化が必要であろうというようなことを御指摘いただいております。
また,8ページでございますけれども,昨年の協議会の開催からもいろいろ報道等がありましたけれども,こうした形,混乱を招いているというような状況を考えますと,やはり何らか一定のルール化を進めていくことが望ましいという御指摘をいただいております。また,学力の把握に関してでございますけれども,入学後の学習等の観点からも重要であるということについて触れていただいたことと,また,やる場合に関しても,面接などその他の評価方法と組み合わせることが必要ではないかということに触れていただいているところでございます。
また,照会事項(3)のところですけれども,通し番号9ページのところでは,調査書の電子化等をはじめとしたオンライン化の推進などについて,より進めていくべきだということに触れていただいております。
続きまして,通し番号11ページ,公立大学協会からはなかなか統一的な見解ではないですけれども,いろいろ複数の大学から寄せられた意見について述べさせていただくというようなことで,いただいております。その中でも,適切な学力を測る試験科目の在り方について要望する意見は多数あったということですとか,共通テストに関しましても,それを学力把握に使っている場合には日程の改善,1か月程度前倒しをというようなことでの改善の意見などが述べられております。
また,12ページ以降でございますけれども,基礎学力検査への要望は大きいというお話でございますけれども,個別に実施する場合,また統一的な何か標準的な基礎学力試験を要望するというのは,大きく2つに分かれるのではないか。ただ,いずれにしましても,知識偏重ではなく,大学教育の適性など多面的,総合的な評価の一部として,一定の条件の下に何らかを実施すべきではないかということに触れていただいているところでございます。
また,その他の意見ということで,例えば共通テストに関しましては,有効期限を延ばして複数回受験みたいな話について触れていただいたり,繰り返しになりますけれども,テストの1か月程度の前倒しというところがこちらでも触れられているところでございます。また,先ほど国大協でもありましたけれども,調査書の書類等の電子化についても触れていただいているところでございます。
続きまして,通し番号15ページ,私立大学連盟からの御意見で,冒頭,学力把握は一層重要な課題であるということに触れていただきつつ,今回,試験期日等のルールの遵守について私立大学に対してもしっかり求めていかなければいけないということと,総合選抜,学校推薦,一般選抜,それぞれの区分の目的に沿った選抜方法となっているかについて,しっかり精査すべきであるという御指摘がなされているところです。
15ページ下から16ページのところについては,しっかり文言の整理をすべきであるということが中心に言われておりまして, 17ページで具体的な御提案がありまして,総合型,学校推薦型において,知識の定着度合いを測るのであれば共通テストが極めて有効だということにも触れていただきつつ,他方で今のスケジュール感ですとなかなかそれを使うのが難しいのではないかというところから,1か月程度の前倒しなどについても検討いただければという御指摘がございます。
続きまして19ページ,私立大学協会でございますけれども,こちらでも各大学でしっかりこの要項を遵守することが入学者選抜の公平性,公正性を確保する上で極めて大切だということに触れていただいた上で,年内入試においても各教科,科目に係るテスト,これが実際問題を生じているわけではありますけれども,その適切な在り方について検討するべきではないかという御指摘をいただいております。
また,20ページ以下でございますけれども,基礎的な学力レベルの基礎的なテストについて,その学力レベルの出題であることが公的に証明されたテストとして実施することも含めて,検討する価値はあるのではないかということ。基礎的なレベルのテストについて賛同の上,もしやるのであればということで,20ページ下のほうでございますけれども,高校・大学関係者でしっかり議論を積み重ねることは大事だけれども,例えば複数回の受験ですとか複数学年間での受験を可能とするような制度設計,また1点刻みの評価ではなくて,そのレベルに達していることの認定とするようなものが考えられるのではないかという具体案が出ております。
また,21ページの「おわりに」のところでありますけれども,現状,一般選抜の試験については2月1日以降ということに決まっているところではありますけれども,大学等も増えてきている中で従前と変わらない実施期間中でやっている状況が,非常に受験生の選択の余地を狭めている原因にもなっているのではないか。そういうところから,例えば共通テスト終了後からであれば一般選抜についても実施を可能とすることも検討してもよいのではないかという御指摘がございます。
続きまして23ページ,私立短期大学協会からでございますけれども,23ページ中段でございますが,いろいろ今回の学力検査に関しての大学の報道がある状況でございますので,総合型選抜も含めて選抜方法の再整理が必要であるという御指摘でございます。
また,24ページのところでございますけれども,専門学校の取扱いについてどうしていくのかということについて,この協議会の中で今,専門学校は入っておりませんけれども,取扱いを検討すべきではないかという御指摘をいただいているところでございます。
続きまして,25ページでございます。全国高等学校長協会からでございまして,25ページから26ページ上段にかけて,現行の要項を運用しつつしっかりルールを守るべきだというようなお話を丁寧に御指摘いただいているところでございます。また,改めての整理ということで御指摘いただいていますのが,総合型ですとか学校推薦型に関しては入試方法多様化,入試尺度の多元化に対する大学の努力の一環であり,選考に当たり丁寧な資料の見取りとそれにかかる時間を相応に有するということから,一般選抜に比して早期に実施されるものと理解しているということで,基本的なところを再度確認いただいているようなところもございます。
基礎的な学力把握に関してでございますけれども,現状もそうですが,共通テストの受験を必須にしてそれを活用するのが第1ではないかというような御指摘,また学校推薦型というものに関してはまさに推薦の基準があって,学校の中での選考過程等を経るので,そもそも学力水準自体が一定程度担保されることから,12月の早期の学力検査,基礎学力テスト等については,意義はあまりないのではないかという御指摘をいただいています。
また,今回の発端でもありますけれども,出願条件等は明確に示されないと高等学校としての推薦が非常に難しいのではないか。そういう状況であればなかなか推薦しにくいということで,総合型として行うべきなのではないかという御指摘もございます。なお,4つ目の丸ですけれども,総合型,学校推薦型において基礎学力を把握する場合には,志望する分野に関する教科の学力試験に加え,実施要項の趣旨を踏まえて小論,面接のいずれかを課すべきであるということで,仮にやるのであれば複数のものを課すべきではないかという御指摘もございます。
ページをおめくりいただきまして27ページのところでは,上のほうで,配点等が不明確なものも多いというような御指摘もいただいて,大学側のほうでそうなっているのではないかというような御指摘もあります。また最後,2つのところでございますけれども,事前に作成したレポート等での提出を可としているようなものについて,それは結局本人がちゃんと書けているのかどうかというところがなかなか確認出来ない,最後のところではAIとの判別もつかないとかいったこともあるので,当日に試験会場で行う方が適切なのではないかという御指摘もいただいております。基礎的な学力把握に関しましてですけれども,何らかの整理をする必要があろうということは27ページ下段でも御指摘をいただいておりますが,他方で慎重に考慮の上検討すべきであろうというとも併せて御指摘をいただいております。
28ページでございますけれども,入試日程の早期化については慎重に対応すべきであるという御指摘,また28ページ,照会事項(3)の3つ目の丸でございますけれども,学校推薦型は専願制,総合型は併願可などといったような整理をするとともに,専願制のところに出願した場合は併願が認められないなどの整理をした上で,しっかり周知を図ってほしいということにも触れていただいております。また,幾つかの団体でも触れていただきましたけれども,調査書の電子化と電子出願についての推進の御意見ですとか,また最後のところ,29ページでございますけれども,推薦書の様式についての御指摘,ある程度の統一化等があったほうがいいのではないかという御指摘をいただいているところでございます。
続きまして中高連からの御意見でございまして,通し番号31ページでございます。中高連からは現状との兼ね合いで,学校推薦ですけれども推薦基準も高校に委ねられていたり,総合型のような選抜の中で早期の囲い込みみたいなことが行われているような事例も実際にあるという御指摘から,こうしたことが実施要項に違反しているだけではなくて生徒の安易な進路選択につながってしまっているので,よろしくないのでしっかり守るようにということを改めて御指摘いただいているところでございます。
32ページでございますけれども,学力把握措置については,基本的には共通テストがその役割を担うべきという御指摘もございます。改めまして32ページの下でも実施要項の遵守をしっかり,文科省も含めて指導していくべきだということですとか,33ページでは,実施要項が遵守されないのであれば何らかの対策を講じるべきだという御指摘もいただいているところでございます。
35ページでございますけれども,産業教育振興中央会等ということで,専門高校からの御意見でございます。こちらではかなりいろいろな意見を多く載せていただいておりまして,ざくっとまとめていただいているのが一番最初の太字の回答というところになっておりますけれども,まず日程の関係で総合型,学校推薦型共に日程を前倒ししていただきたいという御指摘があります。その理由として下のところに幾つか事例等々を書いておりますけれども,それぞれ試験結果によっては次の準備を進めていかなければならない中で,受験準備の期間が短くなってしまうのではないかということですとか,選考日程が短期的にある程度集中してやられることになるので,受験生にとって若干過度な負担になっているのではないかという理由で,前倒しを全体的にしていただきたいということになってございます。
36ページでございますけれども,専門教科,まさにここは専門高校からの御指摘だと思うんですけれども,専門教科の学びが最大限評価されるような仕組みにしてほしいということでございまして,総合型,学校推薦型の中でも主体的に取り組んだ内容がしっかり評価をされるような選抜として実施してほしいという御指摘がございます。
38ページでございますけれども,新しい基礎学力の定着度合いの評価方法を新たに整理する,つくるということについては疑問があるということでございまして,基本的には共通テストがそれを担っているのではないかという御指摘となってございます。
また,40ページのところでは,出願手続のデジタル化ですとか様式の統一化というところについての御指摘がございます。
41ページからは専門高等学校長協会からの意見を大分網羅的に載せていただいているところでございます。
続きまして,49ページでございますけれども,全国都道府県教育委員会連合会からでございます。基本的にはしっかり今の要項を周知して,遵守を徹底してほしいということを言われております。また,総合型,学校推薦型というところが,先ほどほかの団体からもありましたけれども,早期の事前の囲い込みみたいなことに結局なってしまっていて,しっかり要項の遵守徹底をしてほしいという御指摘がございます。基礎学力テストの関係でございますけれども,それについては十分な議論が必要であるということになってございます。
最後,全国高等学校PTA連合会からの御指摘,51ページでございます。基礎学力の定着度合いについては,共通テスト等を用いてやるのがいいのではないかということ,いずれにしても全ての大学がしっかりルールを遵守すべきであるという御指摘をいただいております。他方で,今このような状況になってきているということを考えますと,改めて何らかの整理をする必要があるのではないかという御指摘もいただいているところでございます。なお,日程の前倒しの関係については好ましくないということで,高等学校でのいろいろな取組への影響を考えますと,あまり早めるのはよろしくないという御指摘をいただいているところです。
駆け足となってしまって,かつ団体の皆様からすると,いやこの点もというようなところがほかにもあったかと思いますけれども,私のほうで今,雑駁ながら説明させていただきました。また,補足的に御指摘をいただくようなところがあれば,この後の意見交換の中でもまた触れていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】 御説明,ありがとうございました。ただいま事務局から御報告がございましたように,照会事項に関しましては大学団体と高校側の団体等から様々な御意見をいただいているところでございます。これらの御意見をもとに大学団体等から資料1-3にありますような御意見,あるいは提案が出ております。このことについて大学団体等の取りまとめをいただきました圓月委員より,御説明をお願いしたいと思います。圓月委員,よろしくお願いします。
【圓月委員】 日本私立大学連盟の圓月です。このたびは,受験生の皆様に混乱を与えた一部の加盟大学がありましたことを大変心苦しく思っておりますけれども,このような議論の場を与えていただいたこと,座長をはじめ委員の皆様に御礼申し上げたいと思っております。そこで,僭越ではありますけれども,大学団体を代表して御提案,あるいは今後の前向きな議論を進めていくためのたたき台というようなものを示させていただき,お知恵を貸していただけたらと思っております。
まず、実施要項を遵守する,これは御紹介いただいた各団体からの御意見の中でも統一したものとしてあると思っております。ちなみに,御批判を浴びている加盟大学がある日本私立大学連盟の立場は,もしお手元にございましたら見ていただいたら結構ですけれども,資料1,2の通し番号15ページのところにございます。今回の一般選抜の前倒しというふうに第1ページの線が引いてあるところ,通し番号15ページの2つ目のパラグラフの最後のところですけれども,総合型選抜,あるいは学校推薦型選抜において,要項が定める試験期日以前に個別学力検査と誤解されかねない形式の選抜を実施しており,実質上の一般選抜の前倒しという批判をいただいているということを,重く受け止めております。
そして,高校や大学の関係者の間で構成されるこの協議会の合意によるルールである要項が遵守されない事態,すなわち要項が十分に遵守されているとは言い難い事態なのではないかということを,強く認識しております。そして,その後のところですけれども,このような事態を招く結果となったことに関しましては,私大連として各加盟大学間に理解の偏りが生じていたこと把握できず,遺憾に思う。会長名で発出した文章の中で,私大連として遺憾に思うという表現を使わせていただいたこと,非常に重いものと受け止めていただいたら大変幸いかと思います。
日本私立大学連盟といたしましてもこの入試要項の遵守は大原則であり,守らなければならないものであるということを理解しております。ちなみにこちらで紹介するべきかどうかですけれども,この意見書は常務理事会でも確認した上で,会長名で発出させていただいております。それを受けまして,さらに理事会のほうでも確認し,2月21日には全ての加盟大学に対しまして会長名で,今後この入試要項の遵守ができているかどうか,これまで以上に厳格な自己評価点検を行うこと,もし不適切な部分があれば速やかに改善すべきことを会長名で強く求める文書を発出しております。
日本私立大学連盟としては今回のことは非常に遺憾な出来事だとは思っておりますけれども,実施要項の遵守に向けて皆様のお力を借りたい。何よりも大事なことは,来年度受験生がこれ以上混乱することなく安心して勉強していただき,正しい選択肢を見つけることができるように私たちが体制を整えることが一番重要だと思っておりますので,本日も御理解と御協力をいただければということであります。そこで僭越ですけれども,先ほどの文章になりますけれども,大学を代表して提案,あるいは今後の議論のためのたたき台を提出させていただいた次第であります。
それでは,2番目のポチのところですけれども,高大接続改革における議論も含めて,総合型選抜や学校推薦型選抜について多面的,総合的な評価を実施するという基本原則に立ち戻る。今回,こういう混乱を引起した原因をこちらでも分析しており,いろいろな要因があることは理解しております。ただし,入試要項を議論する本日の会議の中でできることといえば,総合型選抜,学校推薦型選抜及び一般選抜という3つの区分について,改めてさらに明確な共通理解を形成することだと考えます。高大接続改革プランのときには多面的評価というものが非常に大きな話題になり,ワーキンググループなどもつくって別途議論しておりましたけれども,この多面的評価に対しての理解というのがおろそかになっていたということが今回の混乱の大きな原因の一つではないかと思っております。そこで,この多面的,総合的な評価を実施するということを踏まえた上で,以下のような提案,たたき台を提出させていただきたいと思っております。
最初のレ点,総合型選抜は調査書,学校型推薦選抜は調査書及び推薦書に加えて2種類以上の評価方法,小論文,面接,実技検査等を適切に組み合わせて丁寧に選抜を行うこととし,その評価方法の一つとして教科科目に係る基本的な知識を問うテストで基礎学力を把握することも認めていただきたい。今回の大きな問題の原因は,いろいろございますけれども,学力検査のみによって総合型あるいは学校推薦型選抜が入試日程以前に行われていたということが,やはり大きな問題なのではないか。この問題を認識しつつ,その反面,入試においてどの区分においても適切な学力の把握をするということは重要なことであると考えています。
特に総合型選抜が導入されたときにも,この学力把握の重要性に関しましてはいろいろな議論があり,本協議会で確認したところであります。そこで,教科科目に係る基本的な知識を問うテストを,その他の評価方法,小論文等と組み合わせて多面的な評価というものが保たれている限り,認めていただきたいと思っております。これに関しましては,特定の大学だけではなく,いろいろなレベルの問題があるとも思っておりますので,それも含めてこの教科科目に係る基本的な知識を問うテストというものを認めていただきたい。
ただし基礎学力とは何かというのも多面的評価同様,これまでのこの協議会においても議論になり,なかなか難しい問題かと思います。高校のほうでも,それまでにまだ十分に高校のほうで履修していない問題が出てきたときに,受験生に不安を与えるのではないかということがございます。ここは難しい問題です。そこで「ただし」以下のところで,実施時期が主に年内となることが想定されるため,高等学校の学習状況に十分配慮した問題,例えば進学後の学部学科で学ぶために必要な関連分野の基礎的理解度を把握するための基礎的な内容や範囲に限定するということで,教科に関するテストを行わせていただくことはできないか,それを積極的に認めていただけないかということであります。
これについても科目ごと,教科ごとにいろいろと意見があり,基礎的とは何かというとまた難しい議論にはなるかと思いますけれども,大学のほうでもこれに気をつけながら教科に関するテストを行いたいということを,一度提案させていただきたいと思っております。
2つ目のレ点のところですけれども,今回,特に学校推薦型選抜という形で,事実上、教科の個別学力検査のみでの判定を行っている大学があったということが大きな問題になったかと思います。そこで,日本私立大学連盟におきましても,学校推薦型選抜とはどういうものなのかということに関しての共通理解が少し曖昧になっているのではないかという意見を複数の大学,あるいは理事の方からいただきました。
そこで,推薦の在り方についても一定の条件を設ける方向で,高等学校側と協議の上で検討していただきたいと提案したいと思います。私からどこまで言うのがいいのかどうかですけれども,これにつきましては御紹介ということですけれども,日本私立大学連盟のほうの議論の中でも,学校推薦型選抜は基本的には専願ではないのかという意見もございました。それに対して大学の中でも,いや必ずしも専願というわけでもないし,また専願かどうかという点検することができない基準を持ち込んでも難しいのではないか。それよりも弾力的に学校推薦型選抜,適切な推薦を行っていただいているんだったら,受験生の方に複数の選択肢を与えていくという方向で,ある程度弾力的な活用があってもいいのではないかという御意見がございました。
もし間違っていたら訂正させていただきますけれども,高校でも厳密に推薦型選抜を専願に近い形でやっていただきたいという御意見もあるかと思えば,柔軟に複数のところでもアドミッションポリシーとの整合性があれば推薦して,受験生に選択肢を与えていくということは悪いことではないのではないかという御意見もあるかと思っております。そこで,どういう御意見があるか,高校にも,また大学にも,同じぐらい多様性がございますので、いろいろな考え方があるかと思います。意見を教えていただいて,できるだけ柔軟で,そして受験生の方が不安をこれ以上持つことなく,正しい選択肢を与えられて,自分の志望する進路に向かって進んでいけるように体制を整えていきたいということで,僭越ですけれども以上のようなことを提案させていただきたいと思いました。
取りあえずこの辺りで一度切らせていただきます。どうもありがとうございました。
【川嶋座長】 圓月委員,御説明ありがとうございました。改めて資料1-3を確認していただきたいと思いますが,大きく2つ御提案がございまして,1つ目は実施要項を遵守した入学者選抜の実施を徹底する,これは言わずもがなの御提案かと思います。今日,御議論いただけるとしたら2つ目の大きな黒丸の,高大接続改革等を踏まえて学校推薦型,総合型選抜では多面的,総合的な評価を実施するというのは基本原則であるので,その多面的,総合的な評価を行う一つの手段として,複数の評価方法の一つとして,教科科目に係る基礎的な知識を問うテストを実施することを認めていただきたいという御提案になるかと思います。また,最後に学校推薦型選抜の在り方についての問題提起もございました。まず,この1つ目の黒丸についてはどなたも御異議はないかと思いますけれども,よろしいですかね。
島田委員,どうぞ。
【島田委員】 筑波大の島田です。ありがとうございます。もちろん異議はないんですけれども,実施要項を遵守するために文言の整理というのは前提になろうかと思います。国大協の意見の中にもありましたけれども,解釈に揺れが生じたというところも一つ,問題の遠因としてあったと考えられますので,遵守の前提としてまず文言の整理ということはあってもいいかと考えます。以上です。
【川嶋座長】 御意見ありがとうございました。
澤辺委員,どうぞ。
【澤辺委員】 日本私立短期大学協会の澤辺でございます。1つ目の実施要項の遵守についてなんですが,もちろんこちらは遵守すべきところと理解しておりますし,私大連のように短期大学協会のほうもしっかりと会員に伝えたいと思っているところですが,ただこれに関しまして2点ありまして,一つはペナルティになるようなものがないというところが現状なのかと思っておりますので,もちろん自己点検評価であるとか認証評価であるとかそういったところでの確認というのはあるかと思いますが,なかなか今厳しい状況の中で本当に皆さん守るのかというところが,少しこういうふうに疑問に思ってしまうのはよろしくないかと思いますが,考えているところです。
もう一つは,意見のところで説明をいただきましたが,高校生の進路選択という中で専門学校というのは一つ大きな選択肢になっている中で,なかなかこの実施要項の範囲には入ってこないということにつきましては,専門学校が大学,大学院への進学といったことも認められて,現在,高等教育機関の一つになっていくような形で大学との距離が縮まっておりますので,その辺りもぜひ御検討のほう,今後ですけれども,していただければと思っております。以上でございます。
【川嶋座長】 ありがとうございました。
柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】 公立大学協会の柴田でございます。実施要項を遵守するというのはもう当然でございますけれども,現行の実施要項は高大接続改革からの議論を取り込んで以前の実施要項に変更を加えたようなところがあって,どうもこなれがよくない,先ほどの文言のいろいろな多義的な解釈等もありますけれども,遵守することは前提なんですけれども,再度整理というようなこともこの際,必要なのではないかという具合には考えております。以上です。
【川嶋座長】 ありがとうございました。
内田委員,どうぞ。
【内田委員】 ありがとうございます。大学側から様々な御意見を頂戴して,私ども全高長といたしましても,初等中等教育及び高等教育いずれにおいても教育機会,そして学ぶ期間を大切にし,内容を充実させていくということが改めて重要であると認識をしたところです。早期に実施をするということは,大学入試にとってはお互いのためによろしくないと認識をしております。
先日も報道でありましたけれども,就職の面接等が解禁される時点で大学においてもう40%の内定者がいるというところについては,大学側もかなり苦労されているところではないかと思います。その上で我々としては,安定して公平公正な大学入学者選抜を実施していただくことが望みであります。大学側はそれに向かって今回のようなことがないように努力をしていただきたいと思いますし,今回,入試ビジネスともとれます併願という形で早期選抜を実施されたことについては,受験者,保護者の受験料や入学金の過度の負担につながったという面でも,混乱を招いたということが否めないと思います。
入学選抜,併願については大学から様々な御意見があり,また高校側にも意見があることは承知しておりますけれども,基本的に学校推薦というのは高等学校において,まずそこを目指すということも含めて1人1校ということで推薦をさせていただいた上で,その合否結果に応じて次の段階に進むという原則を多くの学校が組んでいるということについては,御理解いただきたいと思います。例えば,今回最終的に私大連から御提案のありました,実施要項を遵守した入学選抜の実施を徹底するということは非常に重要なことだと考えておりまして,次年度の大学入学者選抜実施要項につきましては,例えば各学校,大学が設定しますホームページや要項中に,「本学の入学者選抜は令和8年度大学入学者選抜実施要項に従い実施しています」というような文言の明記を義務化するということも必要ではないかと思います。
大学進学については今までも議論がありましたけれども,統一試験についても今回,意見として触れている意見書が見られましたが,今までの議論の中でなかなか難しい部分があったかと思います。高大接続改革の中で,大学が求める力は総合的な学力であって,単に知識偏重の部分ではないと思いますので,こちらについては慎重に御配慮いただくことを望んでいます。全高長から意見を述べさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】 ありがとうございました。
1つ目の入学者選抜の実施を徹底するということについて,いろいろ文言の整理とか,ペナルティを設けてはどうかとか,来年度から大学に必ず実施要項に従った選抜を行いますみたいな宣言を求めたらどうかというような,様々な御意見もございました。個人的には何も御意見なく認めていただけるものと思いましたけれども,もちろん文言の整理は今回の混乱の一つの原因かと思いますので,これはまた次回以降の,来年度の入学者選抜実施要項の策定に向けて,また整理をしていきたいと思っております。
それでは,2つ目の御提案ですけれども,総合型選抜とか学校推薦型選抜については,多面的,総合的な評価を実施するという基本原則に従えば,教科科目に係る基本的な知識を問うテストの実施は多面的,総合的評価の一つとして認めていただきたいという御提案。ただし,その内容については大学で学ぶための基礎的な能力等に限るという御提案でございました。まず,圓月先生から,私大連からの具体的な取組についてもお話していただきましたけれども,この点に関して大学関係者の方で何か補足等ございますでしょうか。
安井委員,どうぞ。
【安井委員】 私立大学協会の安井でございます。私どもも400校以上の大学が協会に加盟しているわけでございますけれども,基本的に私どもはお預かりした学生が最後にディプロマ・ポリシーをしっかりと備えた上で卒業していただく,社会に出ていただくというのが基本的に重要だと考えております。そういう点では,もちろん調査書は重要視しておりますけれども,各専門になったときの基礎学力がある程度備わっているかどうかという判断をさせていただければ,途中で学生が中退するとかそういった不幸な状況を防げるのではないかと考えている関係で,基礎的な基本的な知識を問うという点ではその学生が総合的,多面的,プラス進んでいこうとする領域の基礎的な学力を有しているかどうかということを把握させていただくということが重要であると考えております。以上でございます。
【川嶋座長】 ありがとうございました。
そのほか大学関係者の側から,圓月委員からの御提案について追加とか補足ございませんか。
それでは,高等学校関係者の方の受け止めをお聞きしたいんですが,いかがでしょうか。長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】 中高連の長塚でございます。圓月先生から御紹介がありました,総合型選抜,学校推薦型選抜でまずは多面的,総合的な評価を実施するという,基本的原則に立ち返るということが非常に重要であるということを改めて,共通認識をまた持たせていただきたいと思っております。その上で,基礎学力を把握すること,これは総合型及び学校推薦型においては極めて重要であると私どもも,またそのように生徒の多面的,総合的な資質能力をぜひ把握した上で選抜を行っていただきたいと思うわけです。ということで,いわゆる丁寧な選抜の一環であるならば,教科科目に係る基礎・基本的な知識を問うテストを行うことについては,問題はないのではないかと受け止めております。
一部の大学だけがいつの間にかそれを導入してしまっているというようなことは,受験生にとっても混乱を招くということもありますので,大学全体として必要性を感じて基礎学力の把握をするということは問題ないと思っております。ただし,特に学校推薦型は専願,第1志望であるべきで,その場合には,基礎学力の把握をするということであれば,いわゆる一般入試の前倒しというようなことにはならないだろうと思います。ちなみに総合型のほうは,併願であってもまさに多面的,総合的に選抜する制度でありますから,こちらは必ずしも専願ということにはこだわらないでよいのかもしれません。推薦は,1校1校の受験をするという,高校側からの推薦をしっかりと踏まえた上での受験にしていただきたいと思っております。
どのような推薦の在り方がいいのかということについてはまた後ほど,次のレ点のところで議論があろうかと思いますので,取りあえず以上でございます。
【川嶋座長】 ありがとうございました。
それでは,続きまして内田委員,どうぞ。
【内田委員】 ありがとうございます。圓月委員から御提案のありました内容については,至極もっともだという部分がございます。総合型選抜,学校推薦型選抜においても,高等学校から提出される調査書,推薦書に加えて,複数の内容についてしっかり問いていくというところが,その趣旨からいって適切であると考えております。今回問題になった受験制度につきまして,関西を中心に行われてきたという報道もございまして,非常に関西域の高等学校から入試制度が大きく変わるのではないかという不安の声も聞かれると,全高長にも意見が寄せられているところです。
長期的に見ますと,そういった入試制度の慣れの中で感覚が麻痺していくのが一番怖いところで,まず丁寧に複数の資料をもとに大学の入学選抜が行われるというのは非常に意味深いことだと思いますし,その趣旨を踏まえて基礎学力に問いていくということは,全高長としても理解できるところだと考えております。一方で一般入試と何ら変わらない内容ですと,受験者,あるいは高等学校,保護者に誤ったメッセージとして捉えられる可能性がありますので,そういった誤解のないよう,御説明いただいた趣旨を十分踏まえて実施されることを望んでおります。どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】 ありがとうございました。
ほかにこの件,御意見ございませんでしょうか。よろしいですか。
それでは,大学側も高校側も,この圓月委員の御提案のように総合型選抜,学校推薦型選抜において多面的な評価のうちの一つの評価方法として,教科科目に係る基本的な知識を問うテストの実施も可とするという方向で,今後,入学者選抜実施要項を整理していきたいと思っておりますが,渡邊委員,どうぞ。
【渡邊委員】 申し訳ございません。少しタイミングが遅れました。全高長の大学入試の委員長,渡邊でございます。今の内田会長の補足的な内容にはなりますが,趣旨については十分書いてあることを踏まえ,それについては了とするところではあります。多面的,総合的な評価を実施するというのは当然で,ありがたいこと,歓迎すべきことだと思います。
ただしなんですが,1点目は,一番危惧しているところは今回のような在り方をある意味追認するような,同じような形式でそれが広がるということを大変危惧しています。一番大きいのは,総合型選抜については従来のAO入試と基礎学力の把握というのが非常に大切だという流れでこうなったと僕は理解しているんですが,学校推薦型選抜につきましては,今回はそれで行われたわけですけども,各学校が基本的な知識や理解を得ている生徒であるということで学校から1名,かなり成績のいい生徒を出していると,かつ専願であるという認識なんですが,今回これが認められる方向ということで,そこが崩れることになると,先ほど内田会長からもあったとおり,保護者,生徒もかなり混乱するかなという危惧をしています。
各学校での推薦,学力の,いろいろあると思いますが,大学側も評定基準の条件等を様々工夫されて出されていると把握しております。今回のようにそういった評定等も何も条件がないまま基礎学力テストがあったということについて,一般受験と何ら変わらないということですが,こういった形にならないように御配慮いただければと思っています。私からは以上です。
【川嶋座長】 ありがとうございました。
よろしいですか。ちょうど渡邊委員から推薦入試の現状というか,高校側の推薦状況について情報がございました。最後のチェックのところで,学校推薦型選抜においては推薦の在り方についても一定の条件を設ける方法で,高等学校側と協議の上で検討していきたいという,圓月委員からの御提案でございます。学校推薦型ですけれども,今回焦点になったのは公募制学校推薦型という入試区分で,学校推薦型といってもいろいろ実際には各大学によって条件が違うようでございますが,専願か併願かということも含めて,これについていろいろ御意見,大学側,高校側,あるかと思いますので,現状も踏まえた方向性などについて御意見を賜れば幸いだと思います。
柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】 公立大学協会の柴田でございます。本件について先ほども御発言ございましたけれども,専願か併願かということで,我々国公立大学の分離分割方式は一般選抜だけではなくて総合型選抜,それから学校推薦型選抜も一応,これに合格して入学手続を取った者は,他を受験等々しても入学できない,ある意味専願という具合に理解していて,その旨を募集要項にも記載することを徹底しているんですけれども,高等学校さんの理解がどうも揺れているようでございまして,我々公立大学協会に御指摘をいただいたことがございました。
先ほどの御発言でも,不合格になった者に対しては再度推薦を出すというようなことは,高等学校ではそういう理解で進行しているということでございましたので,我々としても御指摘が高等学校サイドから来たんですけれども,そういう理解で大学側も運営していいのかどうかということを含めて,この際はっきりさせていただければと思いますし,もう一つは分離分割方式で一応専願という形に徹底しているんですけれども,私立大学さんはこれには加わっていないんですよね。だから,そこまで広げられるのかどうかというのも,できればこの際,御検討いただければと思っております。以上です。
【川嶋座長】 ありがとうございました。国公立大学の状況のお話でした。補足すれば,前期で入学手続をした志願者は後期,そのほかの入試区分には出願できないという,辞退すれば受験は可能ということになっております。私立大学もいろいろ多様かと思いますけれども,高校側の,また先ほど渡邊委員から高校側の捉え方のお話もございましたが,大学側,高校側,いかがでしょうか。学校型推薦入試について現状と課題と,あとこうしたほうがいいという御提案があれば承りたいと思いますが,いかがでしょうか。
内田委員,どうぞ。
【内田委員】 内田でございます。ただいまお話がありました件につきましては,基本的に高校側としては,推薦は原則単願をしておりますけれども,併願と記載をされているところについては優先順位を設けて,そちらについてまず学校として推薦を行う。校内の機会をできるだけ確保するという意味でもそういったルールを設けて,実施をしている学校がほとんどのはずでございます。
【川嶋座長】 ありがとうございます。
長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】 中高連の長塚です。高校は入り口の段階で高校の推薦入試,それから一般入試というのを行っております。これは公立も私立もございますけれども,推薦入試はやはり専願,第一志望なんです。ですから高校の現場としては,入り口の段階でそういうことに我々は慣れているというんでしょうか,当然のように思っています。入試の段階でも推薦の場合には専願,第一志望であってほしいと。多面的,総合的に行うという意味での併願であれば総合型選抜のほうでしっかりと,より多面的に把握していただきたいと思うわけでございます。
一般選抜でも本来ならば多面的・総合的に評価すべきであって,例えば学力試験だけではなくて面接も行うとか,何かしら総合的な評価をするというのが本来の入試改革であったはずです。その辺のことを実際に行うときに,日程がなかなか難しい。私立大学は多数派でございますけれども,国公立大学の入試に合わせて実施要項ができていますので,2月1日以降の一般選抜では多面的・総合的な選抜ができないぐらいのタイトな期間になっていると,現状では思われるわけです。
そういう意味で,総合的,多面的な評価をするためにはしっかりとした時期を,期間を取ってしっかりと生徒の力を見ていただきたい。そういう意味で今回,年内に行う入試制度として改めて整理されているわけでございますので,ただし,現状の一般入試と同じようなものになってしまわないための歯止めとしても,推薦選抜は,学校推薦型は専願にしていただきたいと思うところでございます。
なお,推薦の在り方についてもう一言触れさせていただきますけれども,推薦書に多くの内容記載を高校側に求めるという場合がございます。今般行われた一般入試と変わらないような大学さんの推薦型は,もう推薦書もほとんど形式だけのもので,あまり中身を求めてないという意味ではまさに正反対のことですけれども,逆に多くの記載を求められるというのは高校にとって大変なものでございまして,基本は各大学のアドミッションポリシーのもとで求める推薦基準を明確にしていただくことが必要です。推薦基準がないような推薦書に記載するというのはなかなか難しいものです。
そして高校では指導要録が随分と今簡素化されていますので,簡素化された指導要録から調査書をある意味そのまま作成しているわけです。公式に把握できるのはその指導要録の範囲ですので,あとは生徒自身の活動報告書,自己申告書と言ってもいいでしょうか,実施要項にもそれは添付されていますけれども,生徒自身の様々な活動の状況については高校に求めるのではなくて,受験生本人にしっかりと申告してもらうというふうにしていただきたいところです。
まとめて言えば,高校が推薦書を書くときには,限られた公式の指導要録,調査書の情報と生徒自身による活動状況の情報うを踏まえながら,各大学が定めるアドミッション・ポリシーに基づいた,推薦基準に合っているかどうかを推薦書に書き込む,その程度のことになるのではないか,またそのような形にすべきではないかと思うところです。長くなりましたが,以上でございます。
【川嶋座長】 ありがとうございました。推薦書の内容の在り方について,御意見いただきました。
続きまして圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】 いろいろな御意見をいただいて,ありがとうございました。学校推薦型選抜については,私立大学連盟の中でもやはり意見のぶれが出てくる。その原因についていろいろ考えていたんですけれども,先ほど座長から公募型とかいう言葉が少し聞こえましたけれども,今多分大きく分けて2つの学校推薦型選抜が行われていると思います。一つは指定校型の学校推薦選抜,こちらのほうは指定校というのをあらかじめ選定させていただいて,信頼関係のもとで推薦していただく。この場合はおおむね専願を前提にして行われる場合が多いかと思います。
ただし多分,今回問題になったケースもそうですし,関西で似たようなことが行われているという御指摘もありますけれども,そちらは公募型の学校推薦型選抜というやつで,必ずしも事前に高校を指定するのではなく,このような入試の中で推薦できる方がおられたらぜひ奮って御推薦くださいという形で,オープンにしている。どちらもメリット・デメリットがあるんですけれども,この学校推薦型選抜についての意見を言うときに,想定なさっているのがどちらかによって意見が分かれてくるのかと思います。
その場合,何か解決法になるかわからないのですけれども,公募型の学校推薦型選抜の場合にはこれまで以上に求められる学力等を明確に示して,それに合うような推薦状を書いていただくとか,もう一歩踏み込んだ取組があるのかと思いながら考えておりました。以上です。
【川嶋座長】 ありがとうございました。推薦型といっても複数あるということでございました。
それでは内田委員,どうぞ。
【内田委員】 先ほど長塚委員が言われたことに補足の形で申し上げたいと思います。一部の国立大学から,英語検定,推薦によって合否に関わらずスコアを求めるというような調査書への記載,推薦書への記載を求められたケースがありました。実際の要項に書かれていなくて細かく定められているというところが大学によっては見られまして,受験生に有利不利が生じるということもありますので,改めてこういったことも含めまして推薦基準,要項の確立を大学側に求めていきたいと思います。また,学校推薦型,指定校も含めてですけれども,それから総合型選抜については結果をぜひ公表,明示していただきたい。そういったところで正確に目指して,受験指導や,あるいは学びへの道につながるのではないか,誤った選抜が行われなくて済むのではないかと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】 ありがとうございました。推薦基準等の明示化と,あと選抜要項をより詳細に記載してほしいという御意見だったと思います。
安井委員,どうぞ。
【安井委員】 ありがとうございます。私立大学協会の安井でございます。基本的には指定校での高等学校との推薦型選抜につきましては,一定の基準を大学と学校長との間で十分に了承をした上での,学校長からの推薦ということと理解をしておりますので,この点についてはほぼ専願という理解が多いのではないかと思っています。公募型の推薦と総合型選抜との分けがなかなか難しいのではないかと考えておりまして,公募型という部分については学校推薦でなくても自分,子供たちが,生徒が自分で手を挙げていくということであればほとんど総合型選抜に近いところがありますし,高等学校側として私はここを受けたいというような申出があったときに指定校型で指定校ではないところでの推薦についてどのように対応するかということについても,少し御意見をいただきたいと思ったところです。以上でございます。
【川嶋座長】 ありがとうございました。少し総合型との区分が曖昧になっているのではないかという御意見でした。
小川委員,どうぞ。
【小川委員】 よろしくお願いします。専門高校の立場で話しをさせていただきたいと思いますけれども,指定校公募について専願,併願という考え方については理解するところであります。ただ,評価の方法の一つとして教科科目の基礎的な知識を問うテストというところについては,先ほど渡邊委員からも出ていましたように,追認にならないようにぜひお願いしたいと思います。また,そもそも専門高校は普通科に比べて学んでいるボリュームというか,単位数が少ないものでございまして,ぜひ毎度お願いしているとおり,商品開発や実践的な体験的な教育活動,全国の大会で発表していることなどについての評価をぜひ,今後も継続してお願いしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
【川嶋座長】 ありがとうございます。
学校推薦型選抜に関して,何か御意見ございませんでしょうか。よろしいですかね。
学校推薦型の在り方,総合型選抜との区分が曖昧という御意見もございましたが,総合型選抜,あるいは学校推薦型選抜の在り方については引き続き本協議会で整理をしながら,より高校側にも大学側にも誤解のないような形での実施要項作成に向けて検討していきたいと思いますので,引き続き御協力のほどお願いしたいと思います。
もう少し時間がございますので,選抜実施要項に係って,今日の資料1-3以外で何か御意見がございましたら承りたいと思いますが,いかがでしょうか。
長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】 大学側のどこかの御意見の中にもありましたけれども,教科学力の試験が2月1日以降となっているんですけれども,共通テストは1月中旬に実施されているとということで,これは整合性がないのではないか。もう既に1月中旬に教科学力試験が始まっているということからすれば,先ほどの意見にも重なるんですが,特に私立大学の一般入試日程というのが国公立大学を基本に同様になっていますけれども,共通テストが始まった段階ではもう教科学力の試験がもう始まっているというふうに考えられるわけですので,その辺の整合性をというんでしょうか,矛盾がないような形に今後は,今回いきなりということではないものだとは思いますが,大きな視点でその辺の矛盾も解決していかなければいけないのではないかと思っているところでございます。以上です。
【川嶋座長】 ありがとうございました。
内田委員,どうぞ。
【内田委員】 ありがとうございます。先ほども申しましたけれども,推薦,総合型選抜に限らず一般入試もそうですけれども,結果についてはできるだけ様々な視点から公表していただきたいと思います。公表することによって,公正公平な選抜というのがより一層,推進されると思いますので,よろしくお願いいたします。時期の前倒しに関しましては,これが前倒しになりますと,受験生というのは受ける生徒が非常にたくさんのスケジュールを立てるケースもありまして,こういったことになりますと結局教育活動に大きな影響を与えるということを念頭に,慎重に議論する必要があるかと考えておりますので,こちらも併せてよろしくお願いいたします。以上です。
【川嶋座長】 分かりました。
それでは安井委員,どうぞ。
【安井委員】 ありがとうございます。私大協会でございます。今,長塚委員がお話をされましたけれども,私大協会としても子供たちに大学で,いろいろな大学がそれぞれ個性を持ってやっておりますので,多くの大学を受験する機会を持っていただきたいという点で,共通テストがもう既に終了している段階で個別の学力試験を2月1日以降にするということは,そういった自由を妨げる可能性もあるということでございますので,地方に受けに行ったりとか,あるいは非常に限られた学部学科を受験する子供たちにとっては,2月1日にこだわらず共通テストが終了した時点でそういった機会を多く与えていただける方向がよろしいのではないかと考えております。以上です。
【川嶋座長】 ありがとうございました。
引き続きまして,柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】 公大協としても,先ほど長塚先生に言っていただいて大変助かったんですけれども,共通テストを終了後,解禁されてもいいのではないかという意見,これは以前,2月1日というルール,私の記憶では共通一次が導入されたあたりから厳格化されたように思うんですけれども,受験生が少数の時代の名残ではないか。今はユニバーサル化で非常にたくさんの方が受けているので,非常に入試の日程が窮屈なので,それを少し緩めるという意味でも前倒しというのはあり得るのではないかと考えておりました。
もう一点なんですけれども,国公立には直接関係ないことなので発言すべきことではないかもしれないですけれども,以前から学校推薦型選抜については合否判定結果が一般入試の10日前という10日前ルールというのがありまして,これも共通テストの成績提供の影響を受けるのでそれを利用する場合は前日までというんですけれども,このルールの必然性が果たしてあるのかどうかというのも併せて考えていただければと感じております。以上でございます。
【川嶋座長】 ありがとうございました。スケジュールのいろいろ見直しが必要だという御意見だったと思います。
島田委員,どうぞ。
【島田委員】 島田です。先ほど推薦基準を明確にするということに対して,アドミッションポリシーを,あらためてしっかり打ち出してほしいというお話があったかと思いますけれども,これは非常に重要なことだと思っています。各大学がいろいろな入試を実施しますけれども,各大学は入試ごとにその入試でどのような人物を求めるのか,それを踏まえてどういうアドミッションポリシーで入試をするのか,それを踏まえてどういう選抜方法で学生を選ぶのかという,その3者の整合性を説明する責任があるのだろうと思います。
先ほど、各大学は募集要項に選抜要項を遵守する旨,明記してはどうかというようなお話もありましたけれども,まさに募集要項で,求める人材,アドミッションポリシー,それから選抜方法と,この3者の整合性をきちんと明記するというような工夫があってもいいかと思います。そうすると,おのずと各大学の推薦入試と総合選抜がどのように違うのかということも明らかになるでしょうから,ぜひそのようなところ,募集要項の書きぶりというのも各大学でしっかりするように促したらいいのではないかと思った次第です。以上です。
【川嶋座長】 ありがとうございました。
続きまして内田委員,お願いします。
【内田委員】 度々恐れ入ります。先ほど入試日程の前倒しということを重ねてお願いでございますけれども,共通テストの後,追試験もございまして,高校側では受験指導の切替えというところがございます。そういった面も含めまして,大学側の日程が非常に厳しいことは分かるのですが,御配慮いただきたい。実際,合格が出るまで,国公立の二次を受けるまで,高校生はかなり追い込みもかけて,学力が伸びていく大切な時期だと認識をしております。安易な前倒しは最終的には大学のためにもなりませんので,共通認識の上で制度設計をしていくことが必要だと思います。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】 ありがとうございます。
それでは圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】 圓月です。長塚委員から御意見をいただき,また安井委員からもサポートがあった一般選抜の前倒しの件であります。それについてはメリットもあるだろうという意見も,私大連の中でも出ております。ただし,これまで日本私立大学連盟のほうでは,高校の先生方に御賛同はいただいていないんですけれども,共通テストを前倒しにし,共通テストの結果を活用する可能性を広げていくべきではないかという形で議論をして,日本私立大学連盟の主張ということにしている。もちろんこの主張を一切変えるつもりはないというわけではありませんけれども,そちらの考えと抵触するということです。
もう一つとして,受験生の負担が増える恐れがあると思います。特に日本私立大学連盟には比較的大規模総合大学が多く,今入試日程に関しましては同一学部などができるだけ重ならないように,非常に緻密な日程調整というものが行われている。ここを安易に前倒しするとかなりの混乱が容易に予測できるところもありますので,一切これから検討しないというわけではございませんけれども,拙速は禍根を残すおそれが多いのではないかと思っておりますので,その点だけ一言コメントをつけさせていただきます。ありがとうございました。
【川嶋座長】 貴重な御意見,ありがとうございます。
そのほか,関連して御意見ございませんでしょうか。よろしいですかね。
本日は,資料1-3の圓月委員からの御提案の2つ目の黒丸の最初のレ点のところについては共通理解が得られたと理解しておりますので,今後,具体に選抜実施要項に記載する方向で,さらに整理を進めたいと思います。ただし,学校推薦型入試の在り方や,後半で入試日程の前倒し等ございましたが,これらについてはまだ十分に議論が煮詰まっていないと思われます。特に入試日程の変更は,大学側にも受験者側,高校側にも非常に大きな影響を及ぼすと思われますので,慎重にいろいろシミュレーションしながら検討していく必要があるかとは思っております。
それでは今申しましたように,この資料1-3の1つ目の黒丸と2つ目の黒丸の最初のレ点については共通理解が得られたということで,選抜実施要項の具体化に向けてまた議論を進めていきたいと考えております。
それでは,本日の協議会,その他として大学入試センターの山口理事長より,令和7年度の共通テストの実施状況について御報告がございますので,山口理事長,お願いします。
【山口委員】 ありがとうございます。大学入試センターの山口でございます。お手元の参考資料5,ページで言うと41ページ,事務局,共有いただけますでしょうか。そこに令和7年度大学入学共通テストの実施結果についてお示ししてございます。
令和7年度共通テストにつきましては,御存じのとおり,新学習指導要領に対応した出題教科・科目の試験となりました。また,コロナ禍以前に戻すという形で,追・再試験も本試験から1週間後と,様々な変更のもとに行った次第です。おかげさまをもちまして,大学や高校の関係者の皆様の御協力をいただき,全体を通して見れば大きなトラブルもなく,無事終了することができたと思っております。改めまして,皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
【山口委員】 42ページに移っていただけますでしょうか。ここから実施結果の概要,数字も示してございますので,これに基づいて若干御説明させていただきます。
まず,本試験についてです。1月18日,19日,受験予定者数といいますか志願者数は49万5,000人強,前年度比で3,000人強増えておりました。実際の受験者数は46万1,500人強,前年度比でこちらも5,000人近く増えたというところでございます。試験場数651で行ったという結果ですが,実施状況,下にまとめたものが4項目ございます。
まず1番目,交通機関の遅延等による試験開始時刻の繰下げ対象者数ですけれども,右側に括弧書きで昨年度,前年度と比較して示してありますが,今年は854人,11大学と多くなっております。この理由は左の米印に書いてございますように,1つの大きな沿線で人身事故がございまして,影響を受けた大学が7大学あったことから,繰下げ対象人数が849人と,極めて多くなったということによります。大都市といいますか,近隣に試験場がたくさんある電車関連の事故は大きな影響を及ぼすということを目の当たりにしたところでございます。
それから2番目の監督者等の対応誤りで再試験対象となった人数も今年若干多くて,7大学,163名に及びました。ただ,リスニングの再開テスト,あるいは不正行為については昨年並みといいますか,同じような数で推移したところでございます。
次のページに移っていただきます。43ページ,今度は追・再試験についてです。先ほど申し上げました,1週間後に行いました。追試験受験許可者数ですが,そこに記載のとおり992人と,昨年に比べると637人減っております。さらに,おととしのコロナ禍最盛期に比べますと,令和5年度で3,900人程度いましたので,かなり落ち着いてきたところでございます。具体的な許可理由ですけれども,そこに小さい字で書いてございます。インフルエンザの心配があったところですが,そこも253人,新型コロナウイルス感染症が135人というところで,少ない人数で抑えることができたと思っております。
それから再試験受験希望者数ですが,先ほど再試験の対象者数163人と申し上げましたが,そのうち54人を対象としておりました。実際に受けたのはもっと少ない人数でございます。追・再試験については特に問題なく,交通機関の遅延もなく,極めて順調に行うことができたと言えます。
次のページといいますか,45ページに飛んでいただけますでしょうか。その次ですね。確認しました。ここからは2月6日に公表した実施結果の概要の数値データをたくさん示してございます。あとでゆっくり御覧いただければと思いますが,次のページをお開きいただけますか。ここには本試験における全教科科目等の平均点等一覧を示しました。細かい話はしませんけれども,ぱっと見お分かりいただけますように,新課程対応の教科科目以外に旧課程履修者向けの経過措置問題も加えているところから,「旧」というのが頭についている科目ですが,極めてたくさんの科目を試験として行ったということが見てお分かりになるかと思います。
平均点,細かいですが後で御覧いただくとして,極めて幸いなことになんですけれども,得点調整をする必要がなく,平均点のばらつきもなく終えることができたところでございます。若干注目を浴びた情報についてだけ申し上げますと,一番下にございます情報Ⅰ,新課程対応と旧情報,それぞれ平均点が69.26,72.82ということで差も小さい。それから受験者数で言いますと情報Ⅰが27万9,000人強,旧情報が2万2千人強といったところでございます。
試験問題につきましては,評価分析を現在鋭意進めているところでして,6月末に公表をする予定でございます。その中身は,高校の教科担当の先生方による外部評価,また教育研究団体からの外部評価,それに問題作成部会の自己点検といった3部構成で検討しております。今回初めての新課程対応問題ということでいろいろな御意見をいただけているところですけれども,今回の点をしっかり分析し,次年度以降の共通テストの良問作成に努めてまいりたく思っております。
最後に今回の試験では,新課程対応ということもあり,地歴公民と理科の選択科目のマークにミスがやや多かったと理解しております。この点についてはさらに分析を加えて,今後,受験生への周知徹底を図り,高校の先生方の御協力も得てですけれども,そういうことに努めてまいりたく思っております。
少し長くなりました。以上で共通テストの御報告とさせていただきます。ありがとうございました。
【川嶋座長】 山口理事長,御報告ありがとうございました。
引き続きまして,片柳室長から御報告をお願いします。
【片柳大学入試室長】 失礼します。時間も迫っておりますので,端的に申し上げます。参考資料の資料番号通番の58ページを御覧いただければと思います。
これは御参考でございますけれども,昨年私立大学において寄附金の収受と入学者選抜,寄附金の収受によって公正性が害されるような事案がございました。報道等でもかなり報じられておりましたのでお耳にされた方も多いかもしれませんけれども,この点について,そういったことが起きないようにということで,当然のことでございますけれども,改めての周知をさせていただいているところでございます。
もう1点,報告でございます。通し番号で62ページでございます。昨年10月のこの協議会の中でも,大学院の入学選抜の実施要項が当面見直されていなかったので,この協議会のもとにワーキングを設置させていただきまして,そこで議論させていただきますことを御了解いただいたところでございます。その後,昨年,令和6年中にワーキングの開催をさせていただきまして,大学院の入学者選抜実施要項の見直しをさせていただきました。
大きな点としては,基本的には20年弱,見直しがされていなかったものですから,法令で既にマストで求められているものですとか,かなり時が経っておりますので,その間の法令改正,また学部入試に係る要項との並びみたいなところについて,必要最低限のところをしっかり見直しさせていただきまして,それを周知させていただいているところでございます。
今後でございますけれども,今日熱心に御議論いただきまして,本当にありがとうございます。実際まだもう少しいろいろ御議論いただかなければいけない部分がありますので,何回か協議会を開催させていただきまして,例年と変わらない,もしくは少しでも早くに令和8年度の実施要項が決められるように会議をさせていただきたいと思いますので,その点また改めて御協力のほどよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】 それでは,本日全体を通じて追加の御意見等がございましたら,挙手ボタンでお知らせください。特にございませんか。
本日,少し前進したという感を持っております。御協力,ありがとうございました。
それでは,本日の会議はこれにて終了したいと思います。御多用の中,御出席いただきまして,ありがとうございました。これにて失礼いたします。
── 了 ──