大学入学者選抜協議会(第14回)議事録

1.日時

令和5年5月24日(水曜日)14時~16時

2.出席者

委員

川嶋座長、浅井委員、石崎委員、石山委員、内田委員、圓月委員、小方委員、沖委員、空閑委員、兒玉委員、柴田委員、島田委員、髙田委員、田中委員、長塚委員、安井委員、山口委員、山田委員

文部科学省

池田高等教育局長、伊藤文部科学戦略官、古田大学教育・入試課長、平野大学入試室長 他

3.議事録

【川嶋座長】  皆さん,こんにちは。所定の時刻になりましたので,ただいまより第14回大学入学者選抜協議会,今年度最初の協議会を開催したいと思います。委員の皆様におかれましては,御多用の中お集まりいただき,誠にありがとうございます。
 本日の議題は,議事次第にございますよう,1つ目は令和6年度大学入学者選抜実施要項について,2つ目が令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱について,3番目は令和4年度大学入学者選抜実態調査についてとなっております。
 議事に先立ちまして,本協議会委員に変更があったということですので,事務局から御紹介いただくとともに,併せて本日の資料の確認もお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【平野大学入試室長】  失礼いたします。大学入試室長の平野でございます。まず,委員の変更について御紹介をさせていただきます。公大協,竹中委員から浅井委員に交代がされてございます。全高長,大山委員から内田委員に交代がされております。産業教育振興中央会,大林委員から石山委員に交代をされております。学識経験者として,小方委員にも新たに参画をいただいているところでございます。委員の変更の紹介は以上でございます。
 続きまして,本日の資料について確認をさせていただきます。議事次第に記載のとおりでございますけれども,本体の資料が資料1-1,資料1-2,2,3でございます。そのほか,参考資料をつけさせていただいております。こちらについては必ずしも触れないものもあるかと思いますけれども,議題に関係するものでございますので,参考までに御参照いただければと思います。
 また,本日の会議運営時の留意事項も併せて補足をさせていただきます。本日はウェブ会議方式での開催でございます。御発言の際は挙手ボタンを押していただき,指名された後に御発言ください。また,聞き取りやすい御発言,資料参照の際の該当ページのお示し,ハウリング等を避けるため指名後のミュート解除,発言後のミュート戻しなど,円滑な会議運営に御協力をいただければ幸いでございます。こちらからは以上でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございました。それでは早速,本日の議題の1に入りたいと思います。令和6年度大学入学者選抜実施要項についてです。まずは,事務局からそれに関する資料の説明をお願いしたいと思います。平野室長,よろしくお願いします。
【平野大学入試室長】  資料1-1,実施要項改定の概要,資料1-2,実施要項の見え消しに基づいて御説明をさせていただきます。まず,あらましについて御理解をいただけるよう,資料1-1を使って見直しの概要を説明させていただきます。
 昨年度の大学入学者選抜については,スマホを使った不正,刺傷事件,このようなものがあったことに加え,コロナ禍での実施ということでございました。要項もそれに対応する観点から,かなりの変更を加えていたところでございます。各大学・高校関係者の御協力もいただきまして,昨年の大学入学者選抜については,おおむね適切に行われたと言われているところでございます。それも踏まえまして,今年の入試要項の見直しの概要でございます。
 まず第1点目として,新型コロナウイルス感染症対策の関係でございます。御案内のとおり,5月8日から新型コロナウイルス感染症は,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律上の位置づけが,2類相当から5類に変わったということでございます。これは,従来のインフルエンザ等との扱いと同様でございます。これに伴いまして,要項で昨年,コロナウイルスの感染症対策等については手厚く記述があったわけでございますけれども,こちらについては,一般化できるものについては一般化した形で残すと。一方で一部,後で御説明いたしますけれども,影響が残るもの,これについては残すということ,その他不必要な部分は削除をするということで考えてございます。また,感染症対策のガイドラインということで,無症状濃厚接触者の扱い,公共交通機関の利用や,そのようなところの詳細について,お示しをしていたところがございますけれども,これについては作成しないこととしたいと思っております。
 その上で,大学入学共通テストについてでございます。まず,新型コロナが5類という形で位置づけられることを踏まえまして,追試験の会場につきましては,これは今後何らか大きな事情の変更があればまた適切に対応してまいることになりますけれども,47都道府県に置いていたものを従来の東西2か所に戻すことを考えております。一方で日程につきましては,激変緩和措置といたしまして,以前は本試験の1週間後に追試験という形でございましたけれども,今度の共通テストについては2週間後に設定をするということで考えているところでございます。
 各大学の個別選抜でございます。調査書についての取扱いでございます。令和6年度大学入学者選抜の受験者の調査書については,新型コロナウイルス感染症の影響が残る部分があるため,昨年と同様の記載にしたいと思っております。具体的に申し上げると,今年度4月から5月についてはまだ2類の状況であったということ。昨年,コロナというものがある状況で,今年度の大会やいろいろなイベント,このようなものについて中止を決めているようなケースが想定されること。また,今後の取扱いについては詳細,見えてこない部分もございますけれども,学校長の判断で出席停止の扱いが一部残るというような話があること。このようなことも踏まえまして,調査書については記載内容が少ないこと等を理由に不利益を被らないようにする。また,出席日数の扱いについても,授業日数,出席停止,こういうものについては記載しないという取扱いなどを続けたいと思っております。
 続きまして一般化できるものということでございます。1つ目は,オンライン面接等における留意事項でございます。オンライン面接はコロナ禍という中で行われるようなってきたものでありますけれども,今後も実施されることがあり得るということでありまして,その利用環境の差異等により不利益が生じないよう配慮することや不正行為への注意喚起,このようなものについては一般論として継続していくということ。2つ目の黒丸,外国人を対象とした入試における留意事項でございますけれども,渡日を伴わない方法で実施をするなどの工夫ということも,今後も起こり得る話かと思いますので,このようなことについても一般化した上で継続としております。
 次の2ページでございます。不測の事態が生じた場合の受験機会の確保ということで,不測の事態により試験に遅刻した者,または受験できなかった者がいる場合には,試験時間の繰下げや別日程の振替等の対象とするなど,受験機会の確保には引き続き御配慮をお願いしたいということでございます。これにつきましては,参考資料でも触れておりますけれども,昨年度報道などでも,参考資料6でございますけれども,受験生の痴漢被害への対応というようなことの文脈で,試験の受験ができないことを恐れて被害を申告できないと,このようなことがないように柔軟に対応していただきたいということをお願いさせていただいてございます。このような取扱いなどもこういうところには含まれるものと承知しております。
 元の資料に戻りまして,一般的な感染症対策ということでございまして,感染症の流行状況等を踏まえ,効果的な換気や手指衛生の励行など,基本的な感染症対策を講じるという旨の記載を盛り込んでおります。
 その他でございます。昨年度,教学マネジメント指針の追補ということで,入学者選抜について触れたものが完成いたしました。アドミッションポリシーを策定する上でこのようなものは参考にしていただきたいということを盛り込んだことが1つ。2つ目の黒丸,高等学校教員や受験生等の負担軽減という観点から,調査書以外に志願者本人または高等学校が記載をするような資料について,編集可能な様式のデータファイルを提供することにより,作成者の負担軽減に努めること。このようなものを活用できるかどうかについては,それぞれの設置者のルール,このようなものにもよる部分があると思いますけれども,編集可能な媒体によって,手書きなどをこれまでしなければいけなかったところが,一定軽減できることも想定しているところでございます。
 3つ目,受験生等への情報提供と書いてございます。具体的には成績開示でございます。昨今はメールでのお問合せや郵送といったこともあるわけでありますけれども,一部の大学で自分のキャンパスまで来て,それを確認していただいたのでメモをして帰ってよいという運用を継続しているというようなお話がございます。こういったところも,情報を受け取る者の利便性の向上に十分努めていただきたいところでございます。
 4つ目は,これは作問のものでございますけれども,機密性の確保ということで,パソコン等を使用して試験問題を作成する場合,第三者からのアクセスを防止するということでございます。具体的に申し上げると,ネットワーク上で問題を格納していて,アクセス制限が不適切であったことにより,関係者以外が問題を試験実施前に閲覧できるという状況があったという事例がございましたので,そうしたことが起こらないような注意喚起でございます。概要は以上でございます。
 それでは,本文のほう,今申し上げたことでおおむね尽きているわけでございますけれども,修正点について,念のため確認をさせていただきます。1ページ目は技術的な修正でございます。2ページ目は教学マネジメント指針の追補をアドミッションポリシー策定の参考にする対象として加えたということでございます。3ページ目でございます。ここは共通テストの日程を中心とした修正でございます。4ページ目でございます。調査書についてでございます。こちらについては,従前後ろのほうに書いてあったものを,今年度のコロナの影響も踏まえて,取扱いについて記載しているものでございます。
 続きまして,5ページは技術的な修正でございます。6ページ目は,先ほど申し上げた編集可能な媒体というものを記載,ダウンロード可能とするといったことを含んでいるものでございます。7ページ目,8ページ目は技術的な修正でございます。9ページ目の修正は,試験の成績開示を含む情報開示についての利便性の向上でございます。10ページでございます。こちらについては,主としては,先ほど申し上げたアクセス制限の適切な措置について触れているものでございます。
 続きまして,11ページはICTを活用したオンラインの試験の実施ということで,オンライン面接などの注意事項を一般化して触れてございます。6番の災害等の不測の事態への対応は,これは場所の変更でございます。後ろのほうから前のほうに変更しているということでございます。12ページでございます。こちらについては,感染症対策について一般的なものと注意喚起ということで,三行入れ込んでいるということ。または外国人の渡日前の試験の実施と,こういったことを含んでいるところでございます。
 12ページから13ページ,先ほど申し上げた災害等の不測の事態の対応を,場所を移したことに伴って消えております。13ページでございます。13ページのその他でございますけれども,学校推薦型の対象として,高等学校,中等教育学校のみならずということの対象に,専修学校高等課程についても,あえて特出しにする形で出しているところでございます。
 13,14,15,16,こちらがコロナに関して特別に述べていたところ,これについて消えているということでございます。あえて申し上げれば,日程のところの上,13ページの一番下でございます。従来,コロナ禍以前については,追試験の会場等については大学入試センターの発出する文書で記載していたところでございますけれども,このコロナ禍においては13ページの下,通し番号15ページの下の部分,追試験についてはと,試験場の設置場所は新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえ別途決定し,周知することとするということで,文部科学省の文書でイニシアチブをとって決めることにしていたわけですが,これについては記載をやめると,その心はと問われれば2会場に戻すことの趣旨でありますけれども,これが決定され次第,文部科学省としても説明していく予定としてございます。
 続いて,通し番号で説明させていただきます。21ページ,調査書の記入上の注意事項でございますけれども,ここについては従来から特別支援学校の自立活動等について記載の方法が書いてあったわけでありますけれども,特別な教育課程の日本語指導というものについても併せて対象とする修正をしております。続きまして21ページ,これもコロナウイルス感染症について触れていたものですが,少し技術的に,令和6年度についてはこうしてくださいということで,下の部分で引き続き従前の取扱いを継続するということを書かせていただいております。以上で要項そのものの説明については終わらせていただきます。よろしくお願いします。
【川嶋座長】  ありがとうございました。ただいま,令和6年度大学入学者選抜実施要項の改正点等についての説明がございましたが,この説明を踏まえて,選抜実施要項の内容について議論したいと思います。どなたでも結構ですので,もし御意見,御質問等ございましたら,挙手ボタンでお知らせいただければと思います。いかがでしょうか。
 柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】  柴田でございます。2点ほど発言させていただきます。一つは試験期日のことについてでございます。従前,1週間後に追試験をやるということでございましたけれども,今回も激変緩和措置を理由にして2週間後になさるということ,これはこれで一つの判断だと思うんですけれども,5類分類になったときに,御承知のように,感染後,従前は7日以上間を空けるということで2週間ということが必須になっていたと思うんですけれども,5日でよいという話になっていたんで,それを根拠にすると1週間後でも可能であるというような判断も成り立つと思うんですけれども,今回は激変緩和措置ということでこういう具合に措置されたということ。と申しますのは,我々公立大学協会では,あらかじめ2024年度の実施要項を1週間後に設定していたものですから,説明,変更するんだったら今から,このままだと変更しなきゃいけないですけれども,説明が求められるということが一つございますので,確認のために発言させていただきますし,もっと何か追加の御説明があるんだったらお承りしたいと思っております。
 もう一点でございます。これは瑣末なところですけれども,10ページ目の改正,追加点の2番目でございますね。入学者選抜の公平性・公正性の確保の(2)のところ,また,電子計算機を用いて試験問題を作成する際にはという,電子計算機という,昔はよく使っていたんですけれども,ところが先ほど最初の見直しの概要のところにはパソコン等を使用してと書いてございます。電子計算機と改めて書かれると,クラウドとか何とか,今頃最近ありますChatGPTとかいろいろなことが想起されるので,ここはパソコン等とされたほうがいいのではないかと感じましたので,発言させていただきました。以上でございます。失礼いたしました。
【川嶋座長】  ありがとうございました。まず1点目,追試験日程2週間後ということで,激変緩和措置として今回は2週間後という御提案ですが,これについて何か追加の理由があれば教えていただきたいという御質問だったと思いますが,いかがでしょうか。
【平野大学入試室長】  失礼いたします。大学入試室長でございます。先生から御指摘いただいた2週間という点については,従来,御説明いただいたように,自宅待機期間とこれは関係していたわけでございます。また,法令上自宅待機を求めているという中で,受験機会をなるべく確保するという観点からも設定していたわけであります。今回,2類相当から5類に変わったということでございまして,会場数を47から2にする,そしてまた日程を1週間にする,これは両方,組合わせとしてはとり得る選択肢でございます。そこをあえて激変緩和と申し上げているところというのは,会場数が47から2になる中で,そこのところと2週間を1週間することを併せて行うのは,非常に負担感という意味で大きいのではないかということ。
 それと高等学校の現場とか受験生も含めてここ数年間2週間でやってきたということもありますので,いきなりそれをがらっとというよりは,今年については激変緩和としてやりますよということで,実はまた後で御説明申し上げますけれども,追試験の日程については,これは変わるものでもあり得るんだということを,認知を与えておくということ,数年間の積み重ねがあったこと,このようなことを踏まえて総合的に判断したと御理解いただければと思います。
 電子計算機の部分については,これは私どもの行政とか法令の用語はいまだに電子計算機という用語を使っていると。いまだに法令ですとカタカナのコンピュータとかパソコンという言葉はないということで,このような用語を選択したところでございます。この要項上はこれしか出てこないですけれども,ほかの関連文書等では電子計算機とか電子情報処理組織とか,そのような用語を用いているところでありまして,ここだけいじっていいかどうかについては,もう1回改めて検討させていただいて,座長とも相談させていただきたいと思います。ありがとうございました。
【川嶋座長】  よろしいでしょうか。
【柴田委員】  どうもありがとうございました。
【川嶋座長】  電子計算機については私も,案を下見させていただいたときには昔のメインフレーム計算機を想起したのですが,実際には何を指しているかというとパソコンということなので,御意見申し上げたこともあるんですけれども,今,室長から御説明あったとおりで,政府の文書の用法にならったということです。
 続きまして,空閑委員,どうぞ。
【空閑委員】  国立大学の立場から発言させていただきますが,内容は柴田先生の最初の発言内容と全く同じ意見でございます。国大協でも,昨年度公表した「国立大学の2024年度入学者選抜についての実施要領」では,共通テストの追試験を1週間後に戻すスケジュールで作成しておりましたので,そこについては公立大学と同様に,本試験の2週間後に追試験を実施することとなりますと実施要領の修正が必要になってくるということもございまして,同じように発言をさせていただきます。
 国立大学側としても,激変緩和措置ということで,平野室長からお話があった件は十分理解できるものと捉えております。その一方で,柴田先生のお話とも重なってまいりますが,この3年間追試験が2週間後に後ろ倒しになったことで,その後の日程が非常にタイトになっております。追試験の後ろ倒しに伴い,共通テストの成績提供も後ろ倒しになることによって,共通テストを課す学校推薦型選抜や総合型選抜などの合格発表の準備とその後の一般選抜の実施準備期間が重なり,実施する側の立場からは,業務負担が非常に増えた状況での実施ということになっておりました。
 今年度の対応は,激変緩和措置ということですので,今年度限りとし,今後このまま新型コロナウイルスの状況が順調に推移していくのであれば,今回の追試験会場を2会場に戻すことと同様に追試験のタイミングに関しても元に戻し,2週間後にずらした追試験というのが恒常化することがないようお願いしたいと思い発言させていただきました。
【川嶋座長】  室長から先ほど御発言あったように,今後の日程等についてまた後ほど事務局から御提案があるということですので,令和6年度については追試験は2週間ということを提案させていただいているということで,今後についてはまた後ほど改めて事務局から御説明,御提案がございます。
 続きまして,石崎委員,どうぞ。
【石崎委員】  よろしくお願いいたします。私も追試の話ですけれども,追試の試験会場ですけれども,従前の2会場に戻すということで,従前に戻すことについては一定の,コロナが明けたということで理解するところもあるんですけれども,もともとその従前が全てよかったのかというと,地方の方々からは,受験生側の立場で言うと,なかなか全国2会場というのは地域によっては負担が大きいという声がございました。47会場でやるということはもちろん考えていないですけれども,もう少し,6会場とか全国の地区分けを,感染状況も見ながら,まだまだ追試を受ける受験生が従前よりは多いということも考えられると思いますので,もう少し感染状況を見ながら,状況によっては全国の会場を6会場ぐらいにするとかというようなことも御検討いただければと思いますので,よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  室長。
【平野大学入試室長】  ありがとうございました。これは,今回はコロナが5類に変わったことで2会場,従前の形に戻すことを原則として考えている。これは,コロナ禍の特有のものは,コロナ禍以前の形に戻していくというのが,これは大学入試に限らず大きな流れで,方向性ということでこのようにさせていただいてございます。
 一方でこれは,コロナについてはこのような取扱いになったわけでありますけれども,ここから先何が起こるかは分からないところがございます。そうした中では当然,従前行っていたということだけではなく,またその新たな状況に応じて適切に考えていかなければいけない部分はあるんだろうと思っております。そのようなことが生じた場合には,今先生がおっしゃったような観点は,これはまた同時に考えなければいけないことでありますので,しっかりとこちらもテイクノートさせていただいて,考慮するということでお答えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
【川嶋座長】  石崎委員,よろしいでしょうか。今後,状況を見ながら,変更もあり得る事をお含みくださいということでしたが,よろしいでしょうか。
 続きまして,圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】  圓月です。瑣末なところで恐縮ですけれども,21ページの17のところ,新型コロナウイルス感染症対策に伴いという文言を原則に従って消されておられると御説明いただきました。しかし、その後(1)のところで,「新型コロナウイルス感染症対策の影響により」と,新型コロナウイルスのことを特記しているのは,少し混乱を呼ばないかなと思いました。最初の「影響により」のところまでは削除して,最後の例示のところだけで,例えば新型コロナウイルス,という形で書かれる程度にしておかれるのが,文書としてはふさわしいんじゃないかなと思いながら拝見していました。以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。どうぞ。
【平野大学入試室長】  こちらについては,(1)番とか(2)番,(3)番については,(1)番,御指摘いただきましたけれども,基本的にはコロナ禍の特例ということで位置づけていたものでございます。その他の部分についてはコロナウイルス感染症対策に伴いと言っているんですが,感染症対策は消えたんですね。「感染症対策」という概念は特別な概念は消えたと。ただ一方で,(1)とかにございますように感染症の対策の影響というのは過去のものとしては残っているということがありますので,このような書き方にしているということでございます。ここについては,誤解を招かないように我々としても説明の徹底に努めてまいります。
【川嶋座長】  圓月委員,よろしいでしょうか。
【圓月委員】  分かりました。過去に遡るということで了解いたしました。ありがとうございました。
【川嶋座長】  2年間ほどはコロナ禍で学習していた,生活していたということもありということで,このような記載になっているということだったと思います。
 続きまして,長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】  ありがとうございます。概要の説明のところでもあったんですが,実施要項では6ページでしょうか,志願者本人の記載資料とか高校で記載を求める資料を編集可能な様式のデータファイルをダウンロード可能とするっていう,これは編集可能な例えばWordとかExcelで記載できるという意味でのファイルを提供するということだと思うんですが,記載した後それを提出するところをオンライン上でやっていいというようなことまで意図しているのか,それだとすると前に調査書の電子化という時に議論されたことにつながっていくんですが,これはファイルをただ編集する,そのファイルそのものを提供するということだけを意味しているんでしょうか。確認をしたいと思いました。
【平野大学入試室長】  先生の御指摘のとおり,編集という段階だけについてここは意図をしております。
【長塚委員】  分かりました。
【川嶋座長】  よろしいでしょうか。
【長塚委員】  ありがとうございます。
【川嶋座長】  先ほどの件も含めて,今後地区ごととか団体ごとにまた改めて説明する機会があると思いますので,そういう点については大学入試室から丁寧な説明をしていただきたいと思っております。
 ほかにこの選抜実施要項について何か御意見とか御質問ございませんか。
 それでは,幾つか確認の質問をいただきましたけれども,特に修正という御意見はなかったと思いますので,これで令和6年度大学入学者選抜実施要項については,決定したいというふうに思っております。ありがとうございました。
 それでは議題の2つ目ですけれども,令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱についてです。資料について事務局からまた説明をお願いします。
【平野大学入試室長】  失礼いたします。先ほどの提案,パソコンの取扱いは少し検討させてください。
 議題2でございます。令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱ということで,これは次の次の共通テストについての実施大綱でございます。こちらも見え消し版に基づいて説明をさせていただきます。
 1ページにつきましては,これは従来から大学入試センターからもお知らせをしているところでございますけれども,新旧両方の出題教科科目を出すため経過措置を講じるという点について触れているということが,1ページ目でございます。
 2ページ目でございます。2ページ目から3ページ目にかけて大きな修正が入っているように見えるわけですけれども,これは従前,大学入学共通テストを利用する,もしくはやめる,こういった場合には文部科学省高等教育局長及び大学入試センター理事長,2か所に通知をする必要があったわけでございますけれども,今後は大学入試センター理事長のみに通知をして,センターから私どもに取りまとめて報告をいただくと,このようなやり方に変えていくということでございます。大学の宛先が一つ減るということでございます。
 続きまして,通し番号の31ページでございます。大学入学共通テストの実施期日でございます。これは改めてここで確認ですが,次の次の共通テストについての文科省の実施大綱で決定するのは,本試験の日程のみでございます。その上で令和7年1月18日及び19日という,従前のカレンダーにはめ込んで決めているということでございます。4ページ目は適切な配慮としていた部分を合理的配慮という,用語,障害者差別解消法の用語などに合わせたということでございます。
 5ページ目から6ページ目以降,7ページ目,この辺りは教育課程の見直しに伴って出題科目が変わるということを表している内容でございます。これまで知らされている内容から大きな変更とかということは当然,含まれておりません。出題範囲の組合せというものについても,これもセンターからも御説明をさせていただいているとおりでございます。
 続きまして,通し番号36ページでございます。こちらは旧教育課程による出題教科・科目でございます。こちらについても,DNCから御説明をいただいているとおりの内容を記載させていただいているところでございます。9ページ目以降でございます。こちらも物すごくいろいろなことが書かれているというような印象があるわけでありますけれども,技術的な内容でございまして,大学入学共通テストを新たに使いたい場合にいつまでに何を通知するのか,そして何を備えていなければいけない要件なのかということでございます。内容については,実質的な修正はございません。今まで書きぶりが分かりにくかったところとかを,この機会に整理をしているということでございます。それが11ページまで続きます。
 12ページについても,これは取りやめる場合の通知の期限等ということでございます。13ページ,14ページ,こちらについては科目等の利用方法についての様式ということでございます。こちらについても,基本的な修正はございません。旧教育課程などが入るというところは,来年度限りの取扱いということになるかと思います。こちらの大綱についての説明は以上でございます。
 追加で御説明したいものがありますので,画面投影で少しお示しをさせていただきます。先ほど申し上げたとおり,大綱で決定するのは次の次の大学入学共通テストの本試験の日程でございます。追試験の日程等については,これは来年決めていくということでございます。ですので,本来であれば今日の審議の対象ではないわけでありますけれども,先ほど1個目の議題で出てきた追試験の日程をいかがしていくかということに関わりますので,このタイミングで一つの材料として説明をさせていただきます。
 共通テストの日程について,令和7年度については18,19に本試験をやると。ここは決めていきたいと,今回ですね。その上で,2週間後に追試をした場合というのが,1日,2日ということになるわけですが,大学入試センターで処理をして成績提供するというのは,御存じのように本試験,追試験をずらしてやるというわけにまいりませんので,2月の10日以降になると。すると,カレンダーの都合などもございまして,前期日程は25日まで8営業日しかないという状況で非常にタイトになるということでございます。
 右側が1週間後の追試に戻した場合でございますけれども,この場合にはおおむね12日とれるということでございまして,それなりの時間が確保できるということでございます。こちらについては公立大学協会,国立大学協会から先ほど御意見いただいたとおり,今年度については激変緩和措置ということでございますけれども,来年度については永続的に2週間というような打ち出しは今年度我々もしていかないということの前提の上で,また来年,様々な状況ということを踏まえて考えていくということが必要な議題であると。そういう意味において,先ほどいただいたような問題意識という点については我々としても理解した上で,また今後御相談していきたいということでございます。この議題についての説明は以上でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございました。新教育課程が対象となる令和7年度の大学入学共通テストの実施大綱について,説明がございました。先ほど,御説明繰り返しますけれども,本試験の日程は今回決定ですけれども追試験の日程については参考のために共有されていましたけれども,実際に2週間後,1週間後のいずれにするかは,今後の状況を見ながら来年度決めることになろうかと思います。
 何か御質問,御意見ございましたら挙手ボタンでお知らせください。いかがでしょうか。
 沖委員,どうぞ。
【沖座長代理】  沖でございます。ありがとうございます。非常に今,重要な情報を提供していただいたと理解しております。今回の日程に関しては,そもそも高大接続改革以降の改革の考え方との整合性の問題といったことも少し,実務の問題と理念の問題,両方考えておく必要があるかと思います。といいますのも,2週間を1週間にするというのはコロナの影響ということからも重要である,あるいはそれを回復させるという点で1週間という,するかしないかという議論があるかと思いますけれども,そもそもこの考え方を入れる段階においては,共通テストをできるだけ総合型,あるいは学校推薦型選抜でも活用するという考え方からできるだけ早いほうがよいというような考え方もあったわけです。
 さらに2月の上旬,従来どおり,大体イメージとしては2月の5日よりも前の段階で成績提供があると。実際にはその段階でもう既に多くの私立大学が2月1日から学力選抜をしているわけなので,一般選抜を行っている後に成績提供がさらに10日も遅れて出てくるということは,いろいろな意味で入試のスケジュールを大幅に変更せざるを得なくなるだろうということが起こるわけです。なおかつ総合型,学校推薦型で活用するという理念そのものも大きく影響を受けて,なかなか使えなくなると。現在でも使い方についてはかなり厳しい状況ですけれども,少なくとも2月10日に出てくるということを前提とすると,相当この共通テストを私立大学が使うことが困難になるということはぜひ御理解いただいた上で,場合によっては今申し上げた理念としてこれまで10年ほど使うんだと,知識・技能なり思考力なり判断力なりを確認する試験として使うことをかなりの部分,断念せざるを得ない。
 国立大学,公立大学あるいは日程が後ろのほうの私立に関しては維持ができるかもしれませんけれども,多くの私立大学においては少しその理念は事実上なくなったものだと理解していいかどうか。それは,原則は依然として残るのだというのであれば,そちらも考えながら日程を御検討いただければと思う次第です。以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。追試験,本試験,本試験は置いておいても追試験を2週間後か1週間後かという点については,先ほども説明ありましたけれども,令和7年度については一応今回情報をお示ししましたけれども,決定は来年度に行うということで,その際に今,沖委員の御指摘の点も考慮していただきたいという御意見だったと理解しております。
 ほかに,この大学入学共通テストの実施大綱の内容につきまして,何か御意見とか御質問ございますか。山口理事長,実施当局としては何か御意見,御質問とかございませんか。
【山口委員】  ありがとうございます。山口です。基本的にこれからといいますか,令和7年度入試に関する日程の問題については,既に文科省ともいろいろ協議を進めさせていただき,入試センターとしてもやれることやれないことを検討しているところでございます。今の御意見,当然,十分理解した上でさらに詰めてまいりますけれども,1点だけあえて申し上げておきますと,以前は1週間後に追試を行っていた,日程だけで見るとそうですが,もう一つ論点があって,コロナのとき,2週間にしたときは,追試験の受験許可単位を試験時間単位で行っています。
 これはコロナ対応ということできめ細かく追試験受験者を扱うということでそうさせていただいたんですが,そうしますとかなり作業が煩雑になるのは御理解いただけると思います。実はコロナ以前,1週間後に追試験を行っていたときは,追試験の受験許可単位は1日単位ということで,1日目,2日目という大くくりでやっていただいている事実がございます。この辺もしっかり見据えながら,できることできないことは検討していきたいと思います。いずれにしましても,成績提供期日が遅れることは決していいことではないことは我々も認識していますので,今後さらに文科省と一緒になって詰めていきたいと思います。以上でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございました。ほかに御意見ございませんか。
 石崎委員,どうぞ。
【石崎委員】  直接実施大綱のことではないですけれども,この実施大綱が決まって,入試センターから配点が示されて,それを受けて各大学は令和7年度入試の配点等を公表しますよというような今,状態になっているかと思います。実際に高校2年生が今それに該当する学年ですけれども,まだ配点も示されてないって,それぞれの大学の使い方が示されてないことについて受験生は非常に不安を抱えているので,文科省の方々は従前から少しでも早く,できれば高校2年生になる前にそれを示せるようにしますとおっしゃってくださっていたんですけれども,現状まだ不安を抱えた受験生の状態というふうになっていることを御理解いただいて,1日でも早くそうしたものが示されるように,ぜひ促していただければと思いますので,よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  了解しました。ほかに御意見,御質問ございませんか。
 特段これ以上御意見がなければ,令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱は,事務局案で御了承いただいたことにさせていただきます。今,石崎委員から御意見ございましたように,これを受けて各大学,大学関係団体におかれましては,できるだけ早く配点等,詳細な入試情報を公表していただきたいということになるかと思います。ありがとうございました。
 続きまして,3番目の議題ですけれども,令和4年度大学入学者選抜実態調査について,資料がございますので,これについては報告になるかと思いますけれども,事務局から御説明をお願いします。
【平野大学入試室長】  失礼いたします。令和4年度の大学入学者選抜実態調査についてでございます。こちらについては,昨年の夏に各大学に回答を依頼いたしまして,おかげさまで回答率100%ということで全体の動向を把握しているところでございます。この調査については,あり方検討会議の提言を踏まえて,データエビデンスに基づく政策決定ということでございますので,私どもの政策決定に生かしていくことは言うまでもないことですが,このような結果を各大学にフィードバックをして,各大学のより一層の入学者選抜の改善にも活用していただくと,このような趣旨もあるわけでございます。
 本日はそのごくごくあらましでございますけれども,文部科学省ホームページには非常に多様な項目も含まれた大部の報告書も掲載されております。ぜひ,また関係する委員会などにおいても活用・分析をしていただければ幸いでございます。
 内容については,ごく簡単に御説明を申し上げます。2ページでございます。令和4年度の大学入学者選抜については,一般選抜,総合型選抜,学校推薦型選抜の割合というものが動いているということでございます。見ていただくと分かるように,総合型選抜が増えてきている傾向があると。これは私立大学においても顕著でございますけれども,公立大学,国立大学においても同様な傾向があるということでございます。
 続きまして,3ページでございます。英語の資格検定試験の活用のある選抜区分の割合については,あり方検討会議で示したときの数字よりも,これは伸びてきていると。総合型については若干低下になっておりますが,見ていただくと分かるように,総合型選抜のほうは区分がほぼ倍増しているということで,このようなあたりの影響があったかと存じ上げてございます。
 続きまして,記述式の状況でございます。これは,記述式問題,短答式,穴埋め式を除くものの出題を経て入学した学生さんの割合でございます。国立・公立大学が9割以上,私立大学は55.6%でございます。これはあり方検討会議の中でも触れられていますように,各大学の受験者数,また実際の入学者数,その中でどれだけこういったところの採点に力を注ぐことができるかといった環境的な問題,このようなものはあるわけでございますけれども,昨年の好事例集でも示させていただいたように,例えばマークシートと併せて出題するけれども,マークシートについて一定の点数に達したもののみ記述式を採点するなどの方法で,工夫をする大学も出てきているという状況でございます。
 続きまして,最後のページについては,主な調査結果でございます。この辺りの調査結果につきましては,新たなものが発見されたというよりは,私どもも含めて日常的な感覚として持っているものがしっかり数字として裏づけられていることが改めて確認されたことの意味合いが大きいかと思いますけれども,試験問題の公表という部分については,約9割,国立大学,公立大学,私立大学で公表していただいていると。全て全部だけではなく一部,著作権の都合などもあるかと思いますけれども,公表しているという状況でございます。
 共通テストを利用して合否判定する区分ということで申し上げると,国立・公立は95%程度を超えたり下回ったりという程度,私立大学では45.6%の区分でございます。合否判定に用いる科目数は,国立大学は7,公立は7,4,5,私立は2,3が多いという現状,これはデータでございます。個別選抜ということで申し上げると,共通テストを利用している区分のうち,もう一度,さらに個別学力検査をやっているものについては,一般選抜が6割,総合型3.8%,学校推薦型3.6%ということで,大きな傾向の違いがあるということでございます。選抜区分の科目というところは,これは文系,理系いろいろな側面で変わってきておりますけれども,英語は共通して出題されていると。数学,国語がそれぞれ高いのは,恐らく文系,理系といったような区分に応じて出ているということだと思われます。
 学校推薦型選抜の実態ということで,これは公募型というのは指定校ではないという意味でございますけれども,国立で98.6,公立85.8,私立大学で22.1%でございます。記述式問題の出題,先ほどのほうは入学者の割合ということで聞いておりましたけれども,こちら出題状況でいうと国立,公立ではほぼ全て,私立大学で40.2%というような状況でございます。なお,この個別学力検査については,小論文とか面接とか討論等は含まないことについては注釈をつけさせていただいております。このものについては,また今後とも分かりやすく普及に努めていくとともに,政策決定にも生かしてまいりたいと思います。以上でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございました。本冊というか,もともとのものは文部科学省のホームページで御覧になれるということで,ダイジェストだけ今,簡潔に御紹介いただきましたが,この報告に関しまして何か御質問とか御意見ございましたら,また挙手ボタンで教えていただければ,こちらから指名させていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。
 沖委員,どうぞ。
【沖座長代理】  ありがとうございます。1点,確認をさせていただきたいのは,結果そのものは大きな変化というか,改革そのものがある程度進みつつあることが少しずつ見える,一定の意味のある調査であり結果であると理解しているんですが,今回ダイジェストだからという可能性もありますけれども,共通テストの段階表示の活用状況といったようなことについて,1回目の調査については,結果としてはどこも使わなかったという結果が出てしまったわけですけれども,2回,3回ということで,どういうふうな状況になっているのかと。これも実は先ほど申し上げたように,改革の理念の問題から見て,そもそもこれでよかったのかという検証といったものがどこかで必要になる可能性があると,私としては受け止めているところです。
 もともと導入した段階では,まさに1点刻みではなくて,何らかの到達目標,達成を図るという話でしたけれども,学術的な観点からスタナインが導入されて,実際これを得点調整で活用するというのがこの1年で改めて修正されるということで,意義があることは間違いないですけれども,もともと言われていた改革の方向性とは違う形で使われている,あるいはそもそも個別の大学入学者選抜では使われないとするならば,果たしてこれが適正なのかどうか,結構それなりの労力をかけているような気もするので,その辺り,この改革案自体をどう考えるかについて,今日というよりは今後の継続的な課題としてぜひ,文科省ないし大学入試センターで御検討いただくのがいいかと思いましたので,申し上げました。以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。スタナインの利用状況は,調査報告には……。
【平野大学入試室長】  今手元に資料がないものですから確認させていただきますが,ただ先生のおっしゃることについてはスタナイン,得点調整の話も御紹介いただきました。あれはスタナインの本来というよりは便宜的に利用しているということでありますけれども,スタナインの本来の利用については,これはDNCとも含めてどういったところにまだ障壁があるのかとか,もっと分かりやすい何かがあるのかといったところは継続的にお話いただきましたので,少し検討させていただきたいと思います。
【川嶋座長】  よろしいでしょうか。
 圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】  圓月です。ありがとうございました。先ほどの沖委員からの御指摘とも関連するんですけれども,この今回の調査に関しましては私立大学の個別試験の日程のデータなどもあったかと思います。また,来年度以降,日程等を考えていただくとき,参考資料としてこちらも出していただき,この会議の中で共通認識を確認してから決定していただくようにしていただけたらうれしいと思って,発言させていただきました。以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございます。詳細は,私立大学の一般選抜の実施時期が日ごとに分析されておりますが,ここで言っていいのかどうか分かりませんけれども,2月1日以降というところをフライングしている大学が幾つかあるのが事実でございます。
 ほかに御意見,御質問ございませんか。特にございませんか。
 ありがとうございました。これで用意した議題,3つ終わりました。
【平野大学入試室長】  1点だけ追加で。
【川嶋座長】  どうぞ。
【平野大学入試室長】  実は昨日の今日の件で急に申し上げさせていただけなければいけないということで,資料も用意できず大変恐縮でございますけれども,1点,御紹介をさせていただきたいと思っております。
 5月23日,昨日でございますけれども,参議院の厚生労働委員会で,公明党の山本香苗議員から入試に関して質問がされたことを御紹介させていただきます。こちらについて,問題意識としては,女子生徒の生理,月経について非常に苦しんでいる方がいらっしゃると。そのようなものについて高等学校の現場,また入試についてどのように扱うべきなのかということが主たる内容でございます。
 答弁申し上げたのは伊藤文部科学大臣政務官でございますけれども,1個目の部分は,直接入試ということではないですが,生理休暇の導入についてということ。これについては,一般的に出席停止ということではなくて欠席として取り扱われていることに触れながら,一方で入試についてこういったものに伴う欠席が影響することは好ましいものとは考えていないと。しっかり考えていきたいという上で,山本議員から高校入試については既に東京都,広島県では欠席日数は入試には必要ないとして,内申書からそもそも欠席日数自体を消している。大阪,奈良,神奈川,こういったところでも進んでいるということで,高校レベルにおいては引き続きしっかりと推進していただきたいと。
 大学入試は,高校と違いましてまさに私ども,この協議会を通じて決定していくということでございますけれども,今日の要項の通し番号の10ページに書かれているわけでありますけれども,入学志願者の健康状況については原則として入学者選抜の判定資料としないということで,健康状況を理由として不合格の判定を行うことはよろしくないと申し上げているわけでありますけれども,出欠の記録の欄自体を削除するといったことについて考えていただきたいという御意見が出ております。
 政務官からは,大学入試についてはということでございますけれども,まさに大学入学者選抜協議会において協議の上,様式については定めていると。調査書,出欠の記録欄の記載方法も含めて,調査書の在り方については丁寧に議論を重ねながら継続的に検討を行っていくということ。なおということで,先ほど申し上げた身体健康上の理由により合否判定において不利に扱うことがないように求めているということで,触れているわけであります。議員からはさらに,事前にお伺いしたところによると,このテーマについて関係者で話合いをしたことはないと,今回こういった形で議論をしていただけるということで,スピード感を持って決めていただきたいとおっしゃいまして,政務官からは,しっかりと対応していきたいということでございます。
 昨日の今日のことでありますので,今日,この場で御意見をということではありませんけれども,私どもとしても,また高等学校の状況,もしくは高等学校における指導要録の取扱いなども関係してくる部分もありますので,そうしたものの状況,このようなものも整理をさせていただいた上で,また協議会において議論をいただくという場面もあると思いますので,そこの部分について今日こういったお話を御紹介させていただきます。各団体においてもこのようなやり取りがあったことについて御承知おきいただきまして,必要に応じて,御検討を内部で進めていただければありがたいと思っております。団体の性格という部分にもよりますので,あえてそのように申し上げました。私からの追加での説明は以上でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございます。昨日の国会でのやり取りの御紹介で,文科省としては協議会で今後,検討するという引取り方をしたのが今の状況になるかと思います。この件について何か御意見,御質問ございますか。では,この件は今後また,本協議会でまた意見交換等をしていきたいと思います。
 ほかに何か全体を通じて御意見,御質問がございましたら,挙手ボタンでお知らせください。特にございませんか。
 柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】  最初に発言しましたように,公立大学協会が既に発出している2024年の実施要項を,先ほど試験の追試日が2週間ということなんで,変更の作業とそれから周知しなきゃいけないですけれども,先ほどお決めいただいたこの実施要項案,これはいつ公表の御予定なのかお聞かせいただければと思います。
【川嶋座長】  ありがとうございます。いかがですか。
【平野大学入試室長】  これから,今日の会議というところでおおむね一定の方向を出していただければ,また今後中で調整を進めて,例年どおり6月上旬という辺りを目指して作業を進めていきたいと考えております。
【川嶋座長】  よろしいですか。
【柴田委員】  ありがとうございました。
【川嶋座長】  ほかに御質問,御意見ございませんか。
 それでは,これで本日の議事,議題は全て終了しましたので,本日の協議会はこれにて終了したいと思いますが,最後に,今の件も含めて今後の日程等について,御説明をお願いします。
【平野大学入試室長】  本日の審議状況を踏まえまして,いただいた論点,幾つか検討の必要なものは座長と相談させていただくという取扱いになったものと承知しておりますので,5月31日,10時から12時ということで日程の確保をお願いしておりました協議会については,中止という形でさせていただきたいと思います。次回の日程については,改めて事務局より日程照会をさせていただきたいと考えておりますので,引き続き御協力のほどお願いします。
 また,毎年のお願いでございますけれども,情報の取扱いについてでございます。本協議会の審査の過程は非公開でございます。審議において知り得た情報については漏えいすることがないよう,本日の議事の内容や資料につきましては委員限りとしていただくとともに,情報の取扱いにはくれぐれも御留意をいただきたいと思います。本日,委員の先生以外に傍聴者として入っていらっしゃる事務局の方などもいらっしゃると思いますけれども,その方々についても同じようなことがないように,委員の御責任の中でぜひしっかりと対応をお願いしたいと思います。その上で議事資料について,万が一委員の皆様方へ外部から問合せがあった場合には,文部科学省まで御連絡をいただければ幸いでございます。社会的関心の高い事項でございます。情報の管理については我々も十分留意してまいりますけれども,御協力をお願いしたいと思います。
 そのほか本日の議題に関係するところ以外も含めて,入試に関してお気づきの点や追加の御意見等がありましたら,いつでも私どもまでお知らせいただければ幸いでございます。本日はありがとうございました。
【川嶋座長】  本日はスピーディーな審議に御協力いただきまして,ありがとうございました。これで閉会いたします。ありがとうございました。
 
                                              ―― 了 ――

(高等教育局大学教育・入試課)