大学入学者選抜協議会(第5回)議事録

1.日時

令和3年7月26日(月曜日)17時~19時

2.出席者

委員

川嶋座長、沖座長代理、石崎委員、泉委員、今岡委員、圓月委員、大林委員、岡委員、柴田委員、島田委員、杉本委員、髙田委員、竹中委員、田中委員、長塚委員、安井委員、山本委員

文部科学省

伯井高等教育局長、森田大臣官房審議官、前田室長、中村補佐、安彦初等中等教育局参事官 他

3.議事録

【川嶋座長】 
 所定の時刻になりましたので,ただいまより大学入学者選抜協議会の第5回を開催したいと思います。皆様におかれましては,御多様の中,御参加いただき,誠にありがとうございます。
 本日の議題は大きく2つございます。1つ目は令和7年度大学入学者選抜実施要項の予告の内容について,2つ目はその他となっております。
 まず,事務局から資料の確認等をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【前田大学入試室長】
 大学入試室長の前田でございます。よろしくお願いいたします。
 まず資料の確認でございますけれども,資料と参考資料,2パターンございまして,資料が1-1から資料4-2までございます。それから,参考資料は,1から参考資料10までございます。過不足等ありましたらおっしゃっていただきたいと思います。資料1が要項の見直し,それから,資料2が共通テスト実施大綱の予告の案,それから,資料3が当面の予定,それから,資料4が,今後協議する必要があると提言されている事項を整理したものでございます。
 本日もウェブ会議でございますので,御発言の際は挙手ボタンを押していただきまして,指名された後に御発言をお願いできればと思います。また,聞き取りやすい御発言,資料参照の際の該当ページのお示し,ハウリングを避けるための指名後のミュート解除,発言後のミュート戻しなど御協力いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。それでは,議題に入ります。まず1つ目の議題,令和7年度大学入学者選抜実施要項の予告の内容について,事務局から資料の説明をお願いします。
【前田大学入試室長】
 資料1-1,それから,資料1-2に基づきまして,前回からの変更点を中心に御説明致したいと思います。
 資料1-1,通し番号1ページでございます。赤字,別紙要項見直しイメージ(案)を参照と書いてございます。これは選抜協議会の方でおまとめいただければ,この予告案と,それから,後ろにある新旧対照表のような形のイメージ案,これにつきまして,各大学,それから,高等学校の方にもこのイメージ案をつけた形で送付したいと思っておりますので,この別紙というのを新たに赤字で付記させていただいております。
 それから,1ページ目は変更は特にございませんで,2ページ目でございます。後ほどイメージ案に沿って御説明したいと思いますが,外国語におけるコミュニケーション能力を評価・判定する観点から,資格・検定試験の活用について御意見がございましたので,例示をしておりました,具体的な活用方法を例示ということがございましたけれども,各大学のアドミッション・ポリシーに基づき,取組を逆に縛ることにならないかということと,縛る意図で例示をさせていただいたわけではございませんけれども,そういった捉え方をする可能性もなきにしもあらずということで,例示については削除いたしております。ただ,家庭環境,居住地域に関する配慮の例につきましては,そのままの形で残しているという修正でございます。
 それから,選抜実施要項の見直しイメージで,3ページ目から御覧いただければと思いますが,変更点が,2ページ目,3ページ目の入試方法でございます。今,画面に映っておるところでございますけれども,一般選抜,総合選抜,それから,学校推薦型選抜ということで,(1),(2),(3)という整理をしております。定員につきましては従来どおり,左が現行,右が新でございますけれども,現行にありますような,一般選抜のほか,各大学の判断により,入学定員の一部について,以下のような多様な入試方法を工夫することが望ましいというものを今回も赤字で追記いたしております。
 それから続きまして,ページ数で申し上げますと,通し番号11ページでございます。11ページは,先ほど申し上げました外国語におけるコミュニケーション能力の評価・判定というところで,従来から英検やTOEFL等を,「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を測ることのできる資格・検定試験等の結果を活用するとしてございましたけれども,その具体的な活用方法としては,例えば以下のところ,先ほど申し上げました理由あるいは御指摘によりまして,この部分は例示はあえて書かずに,「その際」といたしまして,家庭環境や居住地域により資格・検定試験等を受検することの負担が大きい入学志願者の進学機会の確保に当たっては,「例えば」として以下の文章につなげておるということでございます。
 それから,12ページ目でございます。こちらは,少し11ページに戻っていただければと思いますけれども,11ページの資格・検定試験等の成績の活用に際しては,(2)番でございますけれども,この活用に際してはこれこれと書いてある文章の中に,各大学のアドミッション・ポリシーに基づき,適切に活用方法を判断する,分かりやすい形で入学志願者に明らかにするというものを追記してございます。
 それから,調査書の様式で,16ページでございます。観点別学習状況で御意見をいただきました。項目は直ちに設けないと致しておりますけれども,3月の多面的会議の審議のまとめの中には,条件が整い次第,可能な限り早い段階で調査書に項目を設けることを目指すというまとめがされておりますので,この部分を注記する形で付記をしているという形でございます。
 以上がイメージ案なんですけれども,これはあくまでもイメージということでございまして,これは令和7年度の入試に係るものでございますので,これをこのまま,つまり,左側にあるような現行の規定,これまでいろいろ現行の規定がございますけれども,これは毎年度,左側はまた定めるということになりますので,あくまでも現時点でのイメージという形をお示ししているものでございます。
それから,資料1-2,通し番号の24ページでございます。先ほどの入試方法及び選抜区分の整理(案)での修正箇所に従いまして,右側,具体的な入試方法(各論)と紫の色で書いてあるところに注意書を入れまして,「入学定員の一部について総合型選抜及び学校推薦型選抜のような多様な入試方法を工夫することが望ましい。」というのを追記してございます。
 以上が資料1,資料2で,前回からの御意見を踏まえまして整理した修正箇所でございます。事務局からは以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。今,最後に御説明ございましたが,前回も御議論いただいて,その御意見を基に事務局のほうで今回修正していただいたものを提案させていただきました。
 それでは,これから質疑応答に入りたいと思いますが,御説明あったこの案について御意見,御質問がございましたら,挙手ボタンでお示しいただければこちらから御指名させていただきますが,いかがでしょうか。
 杉本委員,どうぞ。
【杉本委員】
 ありがとうございます。では,お話をさせてください。予告案について大きく2点意見があります。
 第3,入試方法の1,イメージ案の3ページに当たりますけれども,こちらのほうでは赤字で書かれている,各大学の判断により,入学定員の一部について,多様な入試方法を工夫することが望ましいという,この点については賛成です。一方,募集人員について,第8の2,イメージ案でいうと12ページになります。こちらにおいて,学校推薦型選抜の募集人員については,入学定員の5割を超えない範囲において各大学が定めるとありますが,総合型選抜の募集人員についての記載はないというふうに確認しております。前回の協議にあったように,全て総合型選抜というような極端な解釈ももしあるというならば,それは受験の早期化につながることとなりますので,高校の教育活動に影響が出ることのないよう,各大学で適切に判断していただきたいと思います。ただし,総合型選抜の募集人員について規定がないことから,総合型選抜の募集人員が極端に増加するようなど影響が懸念される場合は,ぜひこの協議会等で改めて検討すべきだと考えています。よろしくお願いします。
 2点目です。第6,学力検査等,4番の資格・検定試験等の成績の活用の(1)の丸1,イメージ案ですと11ページになります。総合的な英語力評価の推進を図るという点については異論はありません。しかし,「その際」以降の「例えば」という部分ですが,資格・検定試験等の結果を利用しない募集区分の設定や,有利となるほうを選択的に利用することの措置が望ましいというふうな記載があります。
 しかし,この方法では,資格・検定試験等の活用促進にはつながらないと考えます。受検生を増やすことにはならないと思います。前回の繰り返しとなって誠に恐縮ですが,7月の各都道府県の回答から,地域格差・経済格差が解消していないという40都道府県の85%以上が回答しています。各大学の利用実績のある民間検定試験について,都道府県別の高校生の受検データをぜひ示していただいて,受検できない実態を明らかにしていただけると助かります。受けたくても受検できないという声を真摯に受け止めていただいて,まずは民間試験の受検における地域格差・経済格差を少しでも縮減できるように,国の責任とイニシアティブで尽力していただきたいと思います。
 その上で,丸1の加筆される下線部ですけれども,現状でも,各大学が受験生の立場では分かりにくい入試が,別枠の募集区分の設定や選択的利用を導入することによって一層複雑化するかと考えます。利用方法を多様化することにより必ず有利・不利が生ずるので,公平性の確保が困難になる。ならないように各大学が,多くの受験生が納得できて,社会から信頼される選抜方法の基準をつくることができるようお願いします。このように実効性が担保されるよう,文科省で指導・監督していただきたいと思います。
 最後,地理的・経済的事情への配慮のところです。文科省,大学,実施団体,高等学校等に対する配慮が5点記載されていると思います。しかし,実施要項の見直しには,2ポツ目の大学が措置を講ずる配慮しか例示されていません。資格・検定試験の活用促進のために,文科省には希望する試験を誰もが受検できる環境整備のために必要な措置を早急に講じていただきたいと思います。大学入学英語成績提供システムの見送りの段階等で指摘された諸課題が解決されなければ,なかなか活用推進は果たされないと考えますので,ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 長くなりましたが,以上です。ありがとうございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。ただいまの御発言は,今後文部科学省に対する御要望ということでよろしいですか。この選抜実施要項自体の修正等を求めるという御意見ではないというふうに理解して,それでよろしいでしょうか。
 それで,最後の点ですけれども,これについては,英語について協議会を設けるべしという,あり方会議での提言もされておりますので,今後そういう協議会で受検会場の不平等の解消とか受検料の減免措置とか,そういうものがここで議論されるんだろうと思いますが,そういう形の御要望というふうにお聞きして,それで杉本さんよろしいでしょうか。
【杉本委員】
 強く要望している部分というのと,配慮のほうにもやっぱり順番があると思いますので,その辺のほうをよろしくお願いしたいと思います。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。この件は,今後の中長期的に検討する課題のところでも,今後議論することになろうかと思います。
ほかにこの令和7年度の大学入学者選抜実施要項について……,石崎委員,どうぞ。
【石崎委員】
 私も今の英語のところの11ページの話なんですけれども,「例えば」のところを今回例示に変えたということなんですけれども,この「例えば」というのが,逆にもうこれが免罪符になるというような誤解を与えるような表現じゃないのかなと。前回もお話ししたんですけれども,別の募集区分を設けさえすればいいんだろうみたいなそういう誤解を与えるような表現にならないか心配なんです。ここのところがもう少し,そういう誤解のないような表現にできないでしょうか。措置を講じることが望ましいんじゃなくて,結果的に実質的な公平性が追求されるというのがあり方検のお話だと思うので,今お話あったところは,別の協議会で詰めていくというお話は分かるんですけれども,ぜひ誤解のないような形の表現で,実質的な公平性を追求するというところを明記しておいたほうがいいんじゃないかなと思います。
 以上です。
【川嶋座長】
 実質的な不公平を避けることについて,誤解を受けないような表現として,何か代案はございますか。
【石崎委員】
 例えば,措置を講じ,実質的な公平性を担保することが望ましいとか,例えばですけど,今ぱっと思いつかないんですけれども,そういうような,これ,何のためにやるのかというところを,公平性というところをやっぱりしっかりとうたっておくことが大事かなと思いました。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございますでしょうか。よろしいですか。
 杉本委員,どうぞ。
【杉本委員】
 大丈夫です。すみません。
【川嶋座長】
 よろしいですか。
【杉本委員】
 手を下げます。
【川嶋座長】
 ほかの委員の方,御意見,ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは,今,高校側の全高長代表と石崎委員,双方から御要望と文面の修文案を提案していただきました。この件も含めて,本日いただいた意見の扱いについては,今後予告の最終案を作成するに当たっては,座長と事務局に御一任いただいて,石崎委員から御意見が出たようなことの趣旨も表現するように工夫したいと思います。柴田委員ですか。
【柴田委員】
 柴田でございます。今までの議論の流れとちょっと違う発言なんですが,ようございますでしょうか。
【川嶋座長】
 令和7年度選抜実施要項についてですか。
【柴田委員】
 イメージ案のところなんですけれども,ようございますでしょうか,発言して。
【川嶋座長】
 はい,どうぞ。
【柴田委員】
 今回このイメージ案になりますと,実施要項のストラクチャーといいますか,ちょっと構成が変わった箇所が,第3の入試方法のところなんですね。中に書いてあるコンテンツはそう違わないと思うんですけれども,文脈が変わったように私は感じております。
 それが具体的に出ているのが,5ページ目,通し番号の7ページの第4の試験期日等の上にある3の箇所,そこですね。ここに従来の案と,今回の案に変更はないんですけれども,「上記1及び2の入学者の選抜に際しては」という記載,その上記の1,2の性格が新しいイメージ案では変わっているように私は思うわけです。
 すなわち,1については,新たなルールと申しますか,(1)一般選抜,(2)総合型選抜,(3)が学校推薦型選抜という,選抜方法をこの3つに大別したわけですよね。だから,これが新たなルールなんでしょうけれども,それに続いた2に相当するところは,これは募集対象を多様化するという具体例を記載してあるわけでございまして,従来の1,2とは性格が異なるような構造になっていると思います。したがいまして,それに続く3で,「上記1及び2の入学者の選抜に」というのはちょっと何か違和感があるというか,齟齬があるのでは。あえて「上記1及び2」というこの記載は不要なのではないかと。
 総論的に,入学者の選抜に関しては云々という3にしたほうが文脈的にはすっきりするんじゃないかなと感じた次第でございますし,それから,新たなルールとして,ここの入試方法というのを,こういう書き方,要するに,選抜方法と,それから,募集対象に分けると。新しい考え方で従来とはここが違っているんじゃないかなという具合に感じた次第ですので,御指摘だけさせていただきたいと思います。
 今後,この点については議論がさらに深まっていくのではないかなと思います。すなわち,先ほどもちょっとございましたけれども,一般選抜,それから,総合型選抜,学校推薦型選抜,これが令和7年までこのままで行くのかどうかまた今後も議論が出てくるんだと思いますけれども,一応そういう御指摘だけはさせていただきたいと思います。
 これは私としては個人的には,非常に明確になっておりますし,多面的な選抜でも議論になった箇所がこういう具合に整理されていると理解しております。
 以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。この選抜実施要項,ほかに御意見ございますでしょうか。圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】
 同じ7ページのところで,(3)の上のところに性別という言葉が使われているんですけれども,ダイバーシティーの問題等との関連で,この性別というものを配慮するという表現がいいかどうか,将来にわたってまた考えていただきたいと思います。特に(3)の中には,括弧の中で,例えば理工系分野における女子等とかなり具体的なところに踏み込んだ記述もございますので,その辺りについて,どのようにこの協議会の中で位置づけをしていくかということを今後確認していただきたいと思いまして発言させていただきました。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。ここの表現,ジェンダー等の表現については,あり方会議でもかなり議論して,今のところはこういう形に落ち着いておりますけれども,御指摘のように,今,世の中は大きく変わりつつありますので,これについても少し,後ほど提案させていただく中長期的な検討課題の中にまた組み込んで議論をお願いできればと思います。
 この件,ほかに御意見ございませんでしょうか。よろしいですかね。それでは,今日何点か御意見いただきましたので,その点を含めまして,最終的な取扱いについては,私と事務局に一任していただいて,令和7年度大学入学者選抜実施要項の予告を作成したいと思っております。当然,最終案については,委員の先生方の御確認もお願いすることとしたいと思っております。
 それでは,この件は終わりまして,次,その他でございます。議題2のその他ですが,3点ございます。まず,前回御議論いただきました令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱に係る予告についてです。
 まず,事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。
【前田大学入試室長】
 資料2を御覧いただければと思います。通し番号26ページになります。共通テスト実施大綱の予告(案)と致している資料でございます。前回御議論いただきまして,その後,少し追加した点がございます。それが27ページなんですけれども,赤字の部分でございます。これ,共通テスト実施方針(平成29年7月13日),それから,共通テスト実施方針(追加分)(平成30年8月10日)に文部科学省から通知を出してございます。これは本日の参考資料の8番と9番にそのもの自体をおつけしておりますけれども,中身は,記述式と,それから,英語成績提供システムに係る内容が書いてある通知でございます。
 例えば国語共通テストであれば,記述式問題を出題するというようなこととか,ページ数で申し上げますと155ページです。155ページの大学入学共通テスト実施方針の中の,例えば5の出題教科・科目ですが,国語,数学Ⅰ,数学Ⅰ・数学Aは記述式問題を出題するといった部分とか,次の156ページに記述式問題の実施方法,それから,157ページは英語の4技能評価,こういったことが当時はこういうことで通知をしておるものでございます。今回のあり方会議の提言,それから,この選抜協議会での御議論も受けまして,この通知については廃止をしたいと思っております。したがいまして,先ほどの27ページにお示しした赤字の部分,この部分を追記いたしたいと思っております。
 事務局からは以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。この予告案は,前回御議論いただいて,特段修正等の御意見はございませんでした。ただ,今回は,今,前田室長からも御説明ございましたこの枠の中の赤字の部分,参考資料にあります実施方針,これについての記載を廃止するということを追記するということでございますが,特に前回から変更はございませんので,よろしいでしょうか。
  (「異議なし」の声あり)
【川嶋座長】
 ありがとうございました。この案で各大学へ通知する際に,過去の通知を廃止する旨も明示して通知したいと思います。ありがとうございました。
 それでは,議題2のその他の2点目ですが,今後の本協議会の当面の予定について,まず事務局から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【前田大学入試室長】
 資料3,通し番号29ページを御覧いただければと思います。当面の予定といたしまして,本日が7月26日,第5回の選抜協議会でございます。今回,今御意見いただきました選抜実施要項の見直しに係る予告,それから,共通テスト実施大綱につきましては,近々,大学,それから,都道府県教育委員会等に通知をいたしたいと思っております。
 その後でございますけれども,1か月ちょっと空けまして,9月上中旬に6回,7回と書いてございます。ここで御審議いただきたいことといたしましては,令和7年度の大学入学共通テストの試験日程,出題科目の試験時間,それから,既卒者用の経過措置の有無,例えば地歴公民,あるいは「情報」といった教科・科目,これについて御審議をいただきたいと思っております。
 こういう形で,今,共通テスト実施大綱の予告を近々致したいと思っていますけれども,それに補遺という形で9月上中旬以降に別途,大学・都道府県教育委員会にお知らせしたいと思っておりますけれども,特に今回,「情報」を出題するということになった場合に,共通一次,それから,センター試験を通しまして初めての教科の新設でございます。ですので,活用方法について,大学のほうで具体的な学内検討を行うための時間とか,受験生にとっての大きな変更点でございますので,なるべく早いタイミングで予告の補遺を出したいと思っております。
 この9月上中旬に至るまでの間,大学入試センターのほうでの企画委員会とか,あるいは関係団体からの御意見を頂戴しまして,その結果をこの選抜協議会のほうにお示しして,協議をして合意していただくという手続を踏みたいと思っておりますので,次回は9月の上中旬に共通テストの令和7年度の試験日程,出題科目の試験時間,既卒者用の経過措置の有無についてをまずは御審議いただきたいと思っております。
 その後,あり方検討会議や多面的会議でも提言いただいておりますような検討課題について協議をいただくということを予定しております。まずは第6回,第7回にお示ししている内容について御審議をお願いしたいと思っております。
 事務局からは以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明にあった今後の予定について何か御質問とか御意見,ございますでしょうか。次回の協議会,時間が空きますけれども,また9月になったらよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。それでは,今後このスケジュールで御議論いただきたいと思います。
 議題2のその他の最後の3番目ですが,あり方検討会議の提言などにおいて,今後大学・高等学校関係者で協議する必要があるとされている事項について,前回の協議会で複数の委員から整理したほうがいいのではないかという御指摘がございましたので,事務局で資料をまとめていただきました。本日も二,三,そのような御提案がございましたので,それも今後含めた上でまた課題を整理していただければと思いますが,本日時点での課題の整理をしたものを事務局から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【前田大学入試室長】
 資料4-1につきまして,事務局から御説明さしあげたいと思います。通し番号30ページで,今画面共有されているページでございます。大学・高等学校関係者で協議する必要があると提言されている事項(案)でございます。以下に検討事項が書いてございますけれども,審議のまとめ,これは多面的な評価の在り方に関する協力者会議のまとめ,それから,あり方検討会議の提言,ここでの報告書の中に協議する必要があると示されている事項の一覧でございます。
 具体的に提言の抜粋のほうから,31ページを御覧いただければと思います。まず総論としまして,選抜協議会に求められる役割が書かれております。1つ目の黒丸のところ,アンダーラインでございますけれども,緊急事態における機動的な協議を可能とする観点からの会議体の常設化,協議のプロセスの透明性の確保,構成メンバーの代表性の明確化ということでこの協議会がつくられております。
 ここでは,2つ目の丸でございますけれども,次年度選抜の日程や方法等の協議を行うことに加え,持続可能な大学入学者選抜についての課題への対応を含めた検討を行うと。中長期的な視野に立って望ましい在り方を継続的に検討することが必要だというふうに提言されています。
 3つ目の丸でございますけれども,3つ,丸1,丸2,丸3が例示として掲げられております。将来的な入試日程の在り方,丸2としまして,高校会場の拡充可能性,それから,丸3としまして,高校生のための学びの基礎診断の検証を踏まえつつ,いわゆる基礎学力テストの可能性(CBTの研究開発の可能性も含む)と,こういったことにつきまして,新たに設けた常設の協議体,いわゆるこの選抜協議会で継続的な検討を行うこととすべきというふうに提言されております。
 それから,32ページでございます。提言の順番でピックアップしますと,まず1つ目は秋季入学でございます。ここで1つ目の丸が,教育再生実行会議において,ポストコロナ期における新たな学びの在り方について検討する中で議論されることになったとありまして,同会議においては,ニューノーマルにおける高等教育の姿を実現する方策の1つとして,秋季入学や4学期制など学事暦・修業年限の多様化・柔軟化を図ることなどが提言され,その在り方について検討する必要があるということが書かれております。
 それから,第5章のウィズコロナ・ポストコロナ時代の大学入学者選抜の2つ目の丸でございます。秋季入学については,4月入学者の一般選抜の延長線上で検討するのではなく,学力検査を中心とする通常の一般選抜とは異なる多様な選抜基準・方法を中心に推進することが適当。最後の丸でございますけれども,この秋季入学に対応した入学者選抜の具体的な在り方,想定される課題に関する留意点,定員の在り方,他の模範となる取組への促進策等について,さらに専門的に検討した上で,選抜実施要項上の取扱いを明確にすべきというふうに提言されております。
 それから,33ページ,過去問利用でございます。過去に出題された問題や類似した問題の再利用が良質な試験問題の出題という観点からは1つの選択肢であるとされておりまして,大学・高等学校関係者等との協議の場において,過去問の利用について相互の理解を深める機会を設けるというふうにされております。
 それから,34ページは,先ほど杉本先生から御指摘がございましたけれども,文科省,国のイニシアティブによる試験団体及び高大関係者による恒常的な協議体の設置で,英語についての記述でございます。個別試験における資格・検定試験の活用,文科省には,関係機関・団体と連携・協力し,必要な措置を講じることが求められるとされておりまして,実質的公平性を最大限確保できるように,文部科学省,大学,高等学校,資格・検定試験実施団体をはじめ関係者が連携・協力し,地理的・経済的な事情への配慮措置を可能な限り講じることが必要だとされております。
 (3)の黒丸でございますけれども,そういったことを議論するために,文科省のイニシアティブにより資格・検定試験実施団体と高大関係者による恒常的な協議体を設けると。そういったことを議論することが有益であるというようなことが書かれております。
 それから続きまして,35ページでございます。この流れの中で,障害者への合理的配慮の充実につきましても,診断書等の取扱い,合理的配慮に対する申出の取扱いも含め,必要な措置を協議することが考えられるというふうにされております。
 それから,36ページ,高校会場の拡充可能性でございます。共通テストについては,高校会場の拡充の検討が必要との指摘がある。このことについて,試験の安定的で確実な実施や大学・高等学校関係者の負担への配慮等が必要。それに伴うコストや地域の実情を踏まえる必要があるため,まずは都道府県ごとの大学・高等学校関係者の協議において,適切な現状把握を踏まえた検討を促し,その結果を大学入学者選抜協議会において継続的な検討を行うことが適当であるというふうにされております。
 それから,37ページが調査書様式への観点別評価の追加ということです。前回少し御議論がありました観点別学習状況の評価の取扱いでございますけれども,こちらの審議のまとめでは,大学側の意見,それから,高等学校側の意見,両論述べた上で,最後の丸でございますけれども,各教科・科目の観点別学習状況の評価を調査書に記入することの意義は認められるものの,現時点において大学入学者選抜に直ちに活用することには慎重な対応が求められるとされております。最後に,では,どうするかということでございますけれども,できる限り早い段階で調査書に項目を設けることを目指す。引き続き,高等学校・大学関係者において検討を行う。それに当たっては,実証研究に取り組み,その成果を普及していくことが考えられるというふうなことを提言いただいております。
 それから,38ページ,電子出願でございます。まず調査書の電子化,速やかな完全電子化を目指すべき,公益性,安全性,利便性の確保という条件を満たすことが必要である。その際には,特定の実装方法のみを検討するよりも,様々な可能性を追求するということで,入試事務の効率化,省力化の観点から,志願者本人が記載する資料や推薦書等の電子化についても併せて検討することが望ましいというようなこととされております。
 その電子化,多面的な会議の中には幾つか実装方法の例示がされておりますけれども,それぞれの方法のメリット・デメリットを踏まえつつ,引き続き文部科学省,高等学校,大学関係者で実現に向け取り組むことが重要であるとされております。
 それから,入試の電子出願でございますけれども,共通テストの電子出願,これについても言及がございまして,大学,高等学校関係者とも協議しながら,できる限り早期の導入に向けて積極的に進めることが必要であるとされております。
 それから,40ページでございます。将来的な入試日程の在り方といたしまして,先ほど冒頭御紹介しましたが,通し番号40ページ,将来的な入試日程の在り方,自然災害や感染症等に耐え得る入試の在り方,雪害や感染症拡大期である1月実施を回避する観点から,高等学校教育に与える影響を勘案しつつ,共通テストを例えば12月に前倒しすることの適否,新たに設けた常設の協議体の中で継続的な検討を行うことをすべきというふうにされております。
 それから,最後でございますけれども,学びの基礎診断の検証を踏まえつつ,いわゆる基礎学力テストの可能性(CBTの研究開発の可能性を含む。)でございます。丸3番として,高校生のための学びの基礎診断の検証を踏まえつつ,いわゆる基礎学力テストの可能性を,新たに設けた常設の協議体の中で継続的な検討を行うことをすべきであるというふうにされております。
 これらを事項として整理いたしますと,先ほど冒頭お示ししたような資料4-1の一覧になるということでございますけれども,1点だけ,全てをこの選抜協議会で議論するかどうかというのはまたあると思います。例えば共通テストの電子出願でございますと,これは業者との,どういうふうにうまく設計できるかという話もございますので,いわゆる技術的な側面によるところが大きいものもございます。全てについてこの選抜協議会でやるのかどうか,適当なのかどうかということはございますけれども,今日お示ししたのは,この提言や審議のまとめで,高校と大学関係者でよく話し合いましょうとされている事項の一覧という整理でございます。
 資料4-1の説明は以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。ここ一連の審議まとめとか提言から本協議会で議論する可能性のある事項について整理していただいたところでございます。ありがとうございました。
 引き続きまして,本件に関連して私大連から大学入学共通テストの実施時期に関する意見と題する資料が提出されております。これにつきましては,圓月委員のほうから資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【圓月委員】
 それでは,圓月です。少しお時間をいただきます。日本私立大学連盟では,今回,大学入学共通テストの実施時期等に関しまして意見交換を行い,このような見解をまとめさせていただきました。資料4-2を御覧ください。
 まず先般6月11日付で貴協議会,本協議会から大学長宛てに総合型選抜及び学校推薦型選抜の試験期日等の遵守をお願いしたいという通知を受け取りました。これにつきましては,先回も前田室長から報告いただきましたけれども,この会議でもお約束したとおり,日本私立大学連盟のほうでは加盟大学等に通知を行い,また今回改めてこの問題についての御指摘をしておられた高校側の方の御意見を十分に理解した上で,高等学校教育に悪影響を与え,学校教育の進展を阻む要因にもなりかねないということを認めた上で,私立大学は自律的に試験期日を遵守し,入学者選抜を推進していくということを確認しております。よろしくお願いいたします。
 その上で,本意見書では,私立大学がそれぞれのアドミッション・ポリシーに基づき,能力,意欲,適性,活動歴等と多面的・総合的に評価・判定するという現在の大学入学者選抜の体制を確立できるよう,喫緊の課題として,特に大学入学共通テストの実施時期に関する現状について意見を述べさせていただきます。丸2つのところにまとめさせていただきました。
 1つは,現行の大学入学共通テストの実施時期は1月中旬の2日間,そして,私立大学への成績提供日は令和3年度が2月8日,令和4年度が2月7日という設定になっています。私立大学の個別学力検査は,一方,2月1日から開始されるため,多くの私立大学は,大学入学共通テストの成績結果を判断材料とすることができません。
 また,次の丸のところですけれども,学校推薦型選抜の判定結果の発表の日程について,大学入学者選抜実施要項では,一般選抜の試験期日の10日前まで,学校推薦型選抜で大学入学共通テストを活用する場合は前日までのなるべく早い時期と定められています。しかし,2月1日から一般選抜を開始する私立大学におきましては,現行の成績提供の日程では,学校推薦型選抜の判定に大学入学共通テストの成績を利用することが日程上不可能ということになっています。
 私立大学が大学入学共通テスト,以前はセンターテストでしたけれども,その参加率が低い,あるいはあまり積極的ではないのではないかという御意見を時々耳にすることがあって,若干不本意に思っております。このような日程から,私立大学におきましては共通テストを活用するということが非常に難しい状況になっているということをまず御理解いただきたいと思います。大学入学共通テストを活用した個別学力検査(一般選抜)を行おうとしても,現在の日程では非常に大きな限界を私立大学のほうでは抱えることになっているのであります。
 また,現在の日程では,学校推薦型選抜において,知識・技能や思考力を評価するために大学入学共通テストを活用しようとしても,事実上不可能というふうになっております。そこで,共通テスト利用枠などを別に後ろの日程でつくって利用するということがほとんどの事例となっています。
 私立大学が各大学入学者選抜に知識・技能を確認する手段として大学入学共通テストを活用できるように,実施時期をできれば1か月程度前倒しに,12月辺りをめどにして,成績結果を多面的・総合的な評価の一部として使えるように見直していただきたいというのが日本私立大学連盟の共通の理解であります。
 ちなみに,こちらにはございませんけれども,少し付言させていただきます。実は,ルール遵守の点につきまして確認した上で,やはり総合型選抜等に関しまして,もう一か月早くてもいいんじゃないか,すなわち,夏休みを利用して総合的・多面的に評価したいという要望はできないかという御意見も比較的強くありました。ただし,今回,本日も杉本委員が,また先回も石崎委員も含めて早期化についての懸念を言っておられました。その趣旨も十分理解できますので,対立図式を明確にするということがこの会議の目的ではないと思いますので,その要求に関しましては自重していただきました。
 ただし,また広い観点から申しまして,国際的に見ても,必ずしも募集時期を一律に縛るということをしなくても,必ずしも公平性・公正性を損なわずに入学者選抜をしているという事例もありますので,中長期的には募集時期等の一律の規則等についても,弾力的に考え直していただく機会を持っていただきたいと付言させていただきたいと思います。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。ただいまの大学入学共通テストの日程については,それも含めて,先ほど事務局から当面の予定の中で説明がありましたように,9月にまずは令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱に係る予告(補遺)を策定した後,資料4-1にリストアップされておりますような中長期的な課題については,秋以降に本協議会で協議していくと考えております。
 そのため,本日,資料4-1あるいは本日の圓月委員からの御提案については議論を特に行う予定とはしておりませんが,資料4-1,それから,圓月委員からの御説明も含めて,本日確認事項等ございましたら,御確認をお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。
 石崎委員,どうぞ。
【石崎委員】
 1点質問なんですけれども,今,圓月委員から御説明いただいたことは今日は議論はされないということなんですけれども,先ほどのスケジュールの資料3で御説明いただいたところの,令和7年度大学入学者選抜に係る試験日程というところに関してこの要望を議論するという,そういうことなのでございましょうか。資料3との部分での確認をしたいんですけれども。
【川嶋座長】
 これは,すみません,資料3は中長期的なので,令和7年度が中期的・長期的かということの解釈にも関わってくるかと思うんですが,いつからのということも含めると,ただ,令和7年度からは,時間的にはちょっと議論が間に合わないのかなというふうには個人的には思っております。そういう点も含めて9月以降また御議論をお願いできればと思います。よろしいでしょうか。
【石崎委員】
 要するに,第6回,第7回で議論するわけではないということですね。
【川嶋座長】
 そうですね。
【石崎委員】
 分かりました。
【川嶋座長】
 では,杉本委員,どうぞ。
【杉本委員】
 圓月委員のほうから,対立構造をつくるのは目的ではないというふうなお話をいただいてはいるものの,やっぱり高校のほうとしては,共通テストを1か月前倒しするということは認められないなということがありますので,議論はないと言っても少しお話ししてもよろしいですか。
【川嶋座長】
 どうぞ。
【圓月委員】
 私にも聞いておられるのでしょうか。
【川嶋座長】
 杉本委員,どうぞ。深い議論には入らず,今現時点でのお考えとか御懸念とか御質問があればお願いします。
【杉本委員】
 分かりました。では,現時点での全高長の考えをお話しさせてください。各高等学校のほうでは,学習指導要領を踏まえて,地域や学校の実態に応じて教育課程を編成して,適正に実施しています。これがもう大前提です。提言の中のほうにも,大学入学者選抜に求められる原則の丸3,参考資料16ページ,高大の円滑な接続というところに書かれておりますが,大学入学者選抜は,高等学校以下の教育課程や指導方法に与える影響が大きいことから,それらの発展の障害とならないよう,高等学校教育を尊重する観点から種々の配慮を行うことが重要であるというふうにも記載していただいています。
 特に令和7年度からの大学入学共通テストの出題教科で,国語と「情報」を除く残りの科目・教科は,出題範囲に必履修科目以外の内容が含まれています。中でも,地歴の3つの探究教科,探究科目,それから,物理,化学,生物,地学の理科4科目は,多くの高等学校では高校3年生で履修しているという実態があります。現在でも,本来授業時間内で教えるべき内容を夏期講習等で補わざるを得ない状況があります。加えて,高校3年生が参加する,サッカー,バスケット,バレーボール,ラグビー,アメリカンフットボールなどの全国高等学校選手権大会は,12月から1月上旬で実施されています。
 これらのことからも,大学入学共通テストの実施時期を1か月前倒しというのは,やはり高等学校教育をゆがめることになりかねないということなので,現状の提案ではちょっと受け入れることができないなというのが我々の考えです。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。今の御意見も含めて今後協議会で慎重かつ丁寧に議論できればと思います。
 ほかの委員の方々,現時点で何か確認すること,資料4-1の検討事項も含めていかがでしょう。柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】
 柴田でございます。今までの議論とちょっと外れるんですけれども,この資料4-2の私大連から出ている意見に2つ丸があります,その2番目のほうです。学校推薦型の判定結果の発表日程について,いわゆる10日前ルールというのがあるんですが,これがどういう必然性があって設定されたのかというのがどうも今となってはよく分からない。恐らく,国公立の共通一次試験のときに定められて,分離分割方式でやるので,あらかじめ選抜する必要があったんだと思うんですけれども,最近聞くところでは,一番やっぱり影響が大きいのは私立大学なんですね。国公立についてはさほど影響がない,日程的には。これの必然性というのをもうちょっと検討して,これは今後も存続するのかどうかというのを検討されたらいかがかなと思ってはおります。私の個人的な意見でございます。
 以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございます。柴田委員が従前より繰り返し疑問を投げかけられている点かと思いますので,こういう設定がされた経緯も含めて,事務局でまた調べていただきたいと思います。
 ほかに。長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】
 長塚です。ありがとうございます。4-1から2でこれから検討すればいいということなんだろうと思うんですが,先ほど全高長さんのほうから,共通テストの時期の問題が指摘されました。なかなかこれ,難しい問題だというふうに認識はしておりますが,やはり多面的・総合的な評価をしていくというのは大学入試あるいは高校教育の大きな変化の根幹になっておりますので,その辺を総合的に考えながら,入試の中身や入試日程,共通テスト以降の時間が限られた中での判定でいいのかというようなことを真剣に考えないといけない時期に来ているなというふうに思っております。しっかりとした議論がこれから必要だと思います。
 あと一つだけ,もう議論は先ほど終わったんですが,今回イメージ案で示された調査書の変更に関連することです。かつての調査書の変更に関しては,生徒の活動報告書イメージ案例が載っていたわけですけれども,今回はそれが割愛されています。これこそイメージだったんですけれども,大学のほうであまり利用されていないということもあったのかもしれませんが,生徒たちが3年間で活動した内容を報告していくというときに,標準的にどういうものが求められるのか示されていたほうがいいのではないかと,多面的評価の議論のときにも申し上げました。生徒の活動の詳しいことは生徒に出してもらうということになりましたから,それはそれでいいんですが,どういうものが求められてくるかということについては,もう少し生徒たちのためには親切な案内をしてあげたいものだなと。それこそ高3になって,こういうものが求められるということが分かったのでは少し遅いのではないかなと,そんなことがありまして,今後の議論でも結構なんですが,1つ課題とさせていただければと思っております。
 以上です。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。ほかはよろしいでしょうか。
 いろいろありがとうございました。今日いただいた御意見は,今後の中長期的な検討課題として,秋以降,本格的に御意見をお伺いしたいと思いますが,容易に合意ができるものからなかなか調整が難しいもの,幅広に検討事項がございますので,秋以降もぜひ御協力をお願いしたいと思っております。
 それでは,本日,予定した時間よりも早く議事,議題が全て終わりましたので,本日の協議はこれにて終わりとしたいと思いますが,最後に,事務局から今後の日程等について御説明いただければと思います。
【前田大学入試室長】
 次回でございますけれども,先ほど資料3で今後の予定を御説明致しましたが,9月7日火曜日5時から7時ということで,令和7年度共通テストの試験日程,それから,出題科目の試験時間,既卒者用の経過措置の有無について御審議いただきたいと考えております。
 なお,大学入試センターのほうから,情報Ⅰの経過措置について,本日,各団体宛てに8月20日締切りで意見照会をしております。今回この選抜協議会,団体からの代表制ということでございますので,各大学にとっても必要な情報になると考えておりますので,御協力をよろしくお願いいたします。
 また,これまでもお願いさせていただきますとおり,審議途中の情報が公表されますと,受験生に不確定な情報が提供されるということで社会的に大きな影響を及ぼしますので,本日の議事の内容,資料につきましては,情報管理のほどお願い申し上げます。
 また,運営要領のとおり,実施要項等の予告を公表まで議事・資料については非公開・非公表としておりますので,万が一委員の先生方に外部から問合せがありましたら,文部科学省の事務局に聞くようにということで御対応いただければ幸いでございます。
 事務局からは以上でございます。
【川嶋座長】
 ありがとうございました。それでは,本日の協議はこれにて終わりたいと思います。毎回遅くからの開催で皆様には御多用のところ御参加いただきまして,ありがとうございます。今後も御協力のほどお願いしたいと思います。
 本日はこれにて散会としたいと思います。どうもありがとうございました。

―― 了 ――