第3回国立大学法人ガバナンス・コードに関する協力者会議 議事録

1.日時

令和6年5月8日(水曜日)16時00分~17時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 国立大学法人ガバナンス・コードの改定案について
  2. その他

4.出席者

委員

上山委員、江戸川委員、河原委員、武井委員、増江委員、山口委員

オブザーバー

国立大学協会

5.議事録

【片柳(事務局)】  今回の会議に入る前に、参考資料の1として会議運営要領を添付させていただいておりますけれども、本会議につきましては、公開で原則を行うということとなっておりまして、現状、YouTubeの方で同時で配信させていただいておりますので、御容赦いただければと思います。 また、今後の議事録作成等々の関係で、レコーディングの方をさせていただいておりますので、その点も御容赦いただければと思います。
 では、早速中身の方に入らせていただければと思います。
 今回、ガバナンス・コードの改定ということで、資料の2でございます。
 こちらが今回御議論いただくメイン資料になるわけでございますけれども、事前に各委員の先生方に資料の方はお配りさせていただきまして、あらかじめ説明をさせていただきました。
 この資料2でございますけれども、従前のガバナンス・コードからの変更点を赤で表示させていただいております。
 また、先生方に説明をさせていただいたところから、各先生方から御意見を賜った部分で変更させていただいているところを黄色のマーカーで塗っております。
 ですので、あらかじめ説明をさせていただいところからの変更点を中心に説明をさせていただきます。
 おめくりをいただきまして、9頁、画面共有の方もさせていただきますけれども、今回大きな変更点といたしまして、新しく設置されます運営方針会議の関係のところがこの9頁から始まってございます。
 この9頁からのところで、委員の御指摘を踏まえて2点ほど直しているところがございますので、この点について、今日改めて御議論いただきたい部分でございます。
 1点目でございますけれども、9頁下段、現在黄色マーカーで「法人運営や財務経営など」という記載を追加してございます。
 こちら、御意見としてございましたのが、その直後にあります、「多様な専門性を有し~」というところの、この専門性が何なのか、というところについて、例示等があった方が分かりやすいのではないか。逆に例示がないと、その専門性という単語だけ聞くと、例えば、サムライ業、士業ですね。弁護士ですとか、会計士というようなところの専門性の方がより意識されてしまうのではないか、ということで、元々運営方針会議でイメージしている専門性というところがそれにとどまるものではないことでしたので、それについての例示を入れた方がいいのではないか、というような御指摘がありましたので、こちら国会等での御議論の中でも、どういう専門性を有した人を入れるのか、というようなことを聞かれておった時に、まさに法人運営ですとか、財務経営、そういったところについての専門性を持っている人にもぜひ入っていただきたいというようなことを御説明申し上げていたところでありまして、その例示を追加させていただいたのが変更点の1点でございます。
 変更点2点目の提案でございますけれども、10頁でございます。
 10頁のところで、元々、この委員の構成にあたって、どういうバランスか、というところについて記載がありました、補充原則2-2-1②のところで、構成の多様性に留意すべきというようなところの例示として「ジェンダーバランスを始めとする~」という記載をしておりました。
 こちら、国会の審議等で、まさにこれが例示で指摘をされていたこともありまして、かつ、昨今の男女共同参画、そういった流れも踏まえまして、例示として記載していたところでございますが、頁で言うところの12頁、こちらは通常の職員等も含めた人材登用確保のところの原則2-4-2のところにもございますけれども、こちらですと、「性別や国際性の観点で~」というようなことでのダイバーシティの確保が既に述べられておりまして、必ずしも今回の運営方針会議のところについては、ジェンダーバランスだけを例示しなくてもいいのではないか、というような御指摘がございましたので、その御指摘を踏まえますと、この例示としては消すということが一つあり得るかということで、今の10頁のような記載にさせていただいておるところでございます。
 委員の先生方に説明をさせていただいて、そこからの修正点といったところはこの2点でございまして、この2点について、委員の先生方からも御意見を賜れればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 もし、特段この点について御意見・御要望等がないようでしたら、このような形でまた文案としては進めていければと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
 ありがとうございます。では、御指摘いただきました部分は反映させていただいて、今後の手続の方に進めたいと思っております。
 事前に説明させていただいたところからの文案としての変更点は、先ほど説明させていただいたところでございまして、そのほかにも事前にレクをさせていただいた際には、まさに文案としては今の文案で良いけれども、まさに国立大学の方で、このガバナンス・コードの遵守を進めていく上での留意点といいますか、そういったところについても、事前の説明等の際には御指摘ございましたけれども、文案以外のところも含めて、この資料2の関係で、また御指摘等あれば、ぜひいただければと思います。いかがでしょうか。
 もし特になければ、そうしましたら、ガバナンス・コードの本体といたしましては、この形で今後の手続を進めさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
 ありがとうございます。各先生方に事前説明をさせていただいた際に、いただいた意見として少し御紹介だけさせていただければと思うのですけれども、いただいた文案以外のところとして、何人か先生方から御指摘いただきましたのが、この運営方針会議のところもそうですし、後ろの方にございます、研究インテグリティ、19頁の部分でございますけれども、こういったことを書いて、まさにガバナンス・コードでやっていくにあたってのコードとしての文章はこれでよいけれども、これについてしっかり大学の方で記載を、どういう取組をしているのか、そういったところについて、まさにこのあとの資料3の方にも関わってきますけれども、そのフォーマットで各大学がしっかり積極的に取組について説明をしてほしいというような御意見を何人かの先生方からいただきましたので、今回、その点について共有させていただきます。
 続きまして、資料3の関係でございます。
 資料3の位置付けでございますけれども、こちらはまさにガバナンス・コードに対して、各大学の取組を記載いただいて、最終的に公表するフォーマットでございます。
 このフォーマットの方も変更点について赤字で記載しておりまして、基本的にはその運営方針会議ですとかの記載が加わっているというところに関しまして、そこを追加しているというようなところでございます。
 フォーマットの2枚目をおめくりいただきますと、今回の運営方針会議に関するところの記載の部分が変更点としては多数になってございます。
 この点でございますけれども、この一番上の部分にチェック欄を付ける項目を新しく追加しておりまして、と言いますのも、運営方針会議自体は、必置とされている法人は、現状政令で5法人が指定されておりまして、それ以外の法人については、手を挙げて設置をするということに仕組み上なっております。
 そのため、今回のガバナンス・コードのコードに対応する部分が、全ての法人が対応、記載するということではなくて、運営方針会議の部分につきましては、運営方針会議を設置している法人のみが記載するということになっております。
 その点が、最初のところでは明確になるように、ということで、ここのチェック項目を設けておりまして、チェックが入る法人については、運営方針会議に関するガバナンス・コードのところについてもしっかり記載いただく、というようなことの様式となっております。
 以下のページにつきましては、まさに運営方針会議のところを追加しておるところですとか、原則のところで条項がずれているようなところについて、条ズレ等の対応をさせていただいているところでございます。
 こちら、資料3につきまして、御指摘・御意見等ございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
 ありがとうございます。特段、御指摘・御意見等なければ、資料4の方の説明に入らせていただければと思います。
 なお、先ほど申し上げたとおり、資料3のまさに記載していく部分については、しっかり取組状況について記載をしていただくことが大事だと思っておりますので、その点については、有識者会議の方でも複数の委員の先生方から、そうした意見があったという意味では、各大学の方にもぜひお伝えしたいと思っております。
 続きまして、資料4でございます。こちらはコードの公表に関してのルールのところについての、ある種の御報告となってございます。
 現状このコードでございますけれども、原則、当該年度の10月の末までにホームページに掲載するというようなルールとなってございます。
 今般、コード内容の改定をこれからさせていただくわけで運営方針会議の関係の規定についても改定させていただきますが、実際運営方針会議に関する法人法の施行自体は、今年度10月1日となってございます。
 そのため、通常のルールに当てはめますと、10月末までに公表するということで、もう正直ほとんど時間もなくて、その取組状況について、ほとんど時間もないというか、期限的にちょっと難しい状況にありますので、運営方針会議の必置を求められている法人ですとか、または設置を予定している法人につきましては、運営方針会議を設置した後、適切な基準日を各大学において設定して、6年度に限りではございますけれども、来年の2月末までにホームページに掲載をいただくというようなことで対応頂き、大学が取り組んだあとに状況をしっかり書いていただけるというようなことを担保したいと思っております。
 他方で、研究インテグリティへの取組の関係でございますけれども、基本的には、全ての法人において改定後令和6年の適合状況に反映いただきたいと思っております。
 ただ一方で、基準日については、各大学で設定をして進めるということに今なっておりますので、既に令和6年の報告について、作業等を進めている法人も一部あるというような状況でございますので、そうした法人につきましては、改定日よりも前に既に動き出しているということであれば、今年度については、既に今進めているものでやっていただきまして、来年度、令和7年度の適合状況から報告を反映していただくというようなことで対応させていただきたいと思っております。
 また、最後ところでございますけれども、令和6年中に、今回法人法の改正によって統合をします法人が一つございます。
 令和6年の10月1日でございますけれども、東京医科歯科大学と東京工業大学が統合いたしまして、東京科学大学となることが法律の方でお認めいただいております。
 通常の取扱いといたしますと、東京科学大学についても、統合からひと月で10月末までに作成公表という手続になりますけれども、この点については、やはり統合の事務負担の軽減もありますし、さすがに統合してから1か月の間に、ほかの手続もある中で、すぐさまというのも非常に難しいところがありますので、令和6年度に関しましては9月末、それぞれの法人が存在する9月末までに、それぞれの状況について報告書の作成公表をいただきまして、令和7年度の分からは科学大としての履行状況の報告を作成公表いただくというようなことで進めたいと思っております。
 資料等の説明は、資料4も含めて、今回以上でございますけれども、先生方から御意見・御指摘等あれば、ぜひお願いいたします。武井先生お願いします。
【武井委員】  すみません、どこで発言しようかと思いましたが、黙っているのもあれなので、大したコメントでもないのですが。資料の3に多分関わる事項だと思うのですけれども、ガバナンス・コードへの対応は抽象的に考えてはいけないと。今回研究インテグリティの話が出てきていて、また研究インテグリティの話に限りませんけれども、また別に大学法人に限らず、いろいろな組織体においていろいろな社会の要請にどう対応するかというインテグリティの要請があります。社会の要請に対応できない時、それが場合によってはコンプライアンスの話になり、法令遵守を超えた社会の要請に何か反しているとコンプライアンス違反だと言われやすい状態であると。そうした中でこれらの事項についてどういう形でガバナンスを整備するかという具体性が、結構重要な問題になってきます。今の点は別に大学法人に限らず、広くそうなってきているわけですけれども。そうした状況で例えば、参考資料の3の研究インテグリティを一つの例にすると、例えば、Q1、Q2、Q3は相当進捗が見られる、Q4、Q5、Q6辺りはこれからだということが多分参考資料の3だと思うのですが、こういったQ4、Q5、Q6などの各論的な事項についても、大学さんの方でこういう体制をきちんと整備される一つの取っ掛かり、きっかけとして考えていくことが重要だと思います。
どういうふうに整備するかについては、いろいろな幅、裁量、いろいろな独自性があってよいと思うのですけれども、共通する対応の仕方というものもある程度あるように思います。そういった対応のありかたを現場で考える一つの取っ掛かりとして、このQ4、Q5、Q6的なことは報告書の中に盛り込んで書いていただく方がよいのではないかと思います。大学さんの側の方としても一から考えるというよりもいろいろ整備がしやすいのではないかとも思います。なのでこうした事項について、最後の報告書のアウトプットのところの書式等で工夫することがありえるかと思います。以上です。
【片柳(事務局)】  ありがとうございます。
 まさに研究インテグリティのところについて、記載を追加いたしまして、各大学さんの方からしっかり記載をいただきたいと思っています。
 どういった内容について記載をするか、というところでございますけれども、まさに先生に御指摘いただきましたとおり、Q1からQ6のところで、今参考資料のところを表示させていただいておりますけれども、まさにアンケート調査で促しているものが、このQ1からQ6の部分でございまして、御指摘ございましたQ1からQ3部分は、だいぶ赤色が濃い方は整備が進んでいる状況でございまして、それこそQ1、Q2、Q3、関係者に適切な理解を促す取組ですとか、利益相反・責務相反に関する規定を整備しているか、適切なリスクマネジメントを行うことができる組織体制を整備しているか、みたいなところについては進んできているというところでございます。
 一方で、Q4からQ6の部分については、まだ赤色の部分がさほど進んでいないようなところでございまして、他方で、この研究インテグリティの関係は、どこまで何を求めるのか、というところは、コードの文章の中では、ある程度抽象的に研究インテグリティの確保に向けた取組ということで記載しておりますけれども、この取組とはそもそも何だ?というようなところで申し上げますと、まさにこのQ1からQ3までだけではなくて、当然Q4からQ6の部分も含めて、全般的に取組を求めていくというようなことについては、既に国立大学の方からも御質問等をいただいている時に、我々の方からも御回答させていただいているところでございまして、まさにこのあと委員の先生方からの御指摘というようなことで、この点についてもしっかり伝えさせていただければなと思っております。
 他に御意見ございますでしょうか。河原先生お願いします。
【河原委員】  よろしいでしょうか。
 事前の時にも少しだけお話させていただいたのですが、やはり改革や組織文化の変化がスピードを上げて進んでいくためには、総長さん、学長さんのリーダーシップの発揮というものが欠かせないと思うのですね。
 ですので、この運営方針会議というものが、トップの方にとっての新たな足枷になるのではなくて、トップの方が改革したいと思うことに対して、それに賛同し、加速する役割で、ぜひ運営されるようになっていってほしいなと思うことが一つと、やはり、トップのリーダーシップの発揮という意味では、理想的には、この中期目標、中期計画の6年と総長任期みたいなものが完全に一致する方が、おそらくリーダーシップというものを発揮しやすいのかなと。
 そこは事務局の方から、必ずしも任期が一致しなくても、組織として改革は続くのだから、という話もあったのですが、トップが変わり、運営方針会議のメンバーが変わるとなると、またそのやり方や価値観も変化することもやはり予想されますので、とにかくリーダーシップが発揮されること、運営方針会議がそれをフォロー、実行できること、理想的には任期と中期計画の6年間というものが合致するのがよいのかなというふうに感じました。
【片柳(事務局)】  ありがとうございます。
 運用の部分については、またそれを各大学にお伝えさせていただくとともに、任期等の仕組みの部分については、なかなかガバナンス・コード本体でどうこうということではなく、多分法令上の対応も必要にはなりますけれども、事務局も含めて、今後の御指摘事項として承りたいと思います。ありがとうございます。
 そのほか御指摘・御意見ございますでしょうか。上山先生お願いします。
【上山委員】  
 多分、運営方針会議の重要な役割として、何となく想像できることは総長の解任とか、総長の運営そのものに対する疑義みたいなことが出てくることがよくあるのだと思いますけれども、その時に、この研究インテグリティのところというのは、結構重要な話になるのではないかなと想像しています。
 例えば、アメリカのある大学の学長が辞めざるを得なかったのは、彼のラボにおける研究不正の問題というものを、同僚の人たちが非常に問題視をしたということがあって、それが総長の辞任につながったということもありますし、こういうような大学が広く開かれた形で判断を受ける際には、この研究インテグリティのところは、まだそんなに綺麗には書けていないとは思いますけれども、それぞれの運営方針会議の中で相当議論されるのではないかなと思ったりはしています。
 その意味で、今現状ではこれでよいとは思うのですが、様々な対応を求められるところではないかなと想像しています。
 今申し上げたのは研究不正、研究倫理ではありますけれども、今後は研究のセキュリティみたいな話も出てくるかもしれないですね。
 そうすると、秘密保持の問題とか、様々な問題もおそらく出てくる可能性はあって、その意味では、文科行政を束ねている当局とすれば、その辺のところの動きもちゃんと見定めていく必要があるかなというふうに思っております。私のコメントは以上でございます。
【井上課長(事務局)】  上山先生ありがとうございます。
 まさにセキュリティクリアランスから、アンコントロールだけれども注視しておかないといけないレベルのものというのが新しく、日本としては新しく、ただおそらく、欧米のそういった国々では当然のこととして、国際頭脳循環の中で必要なこととして求められていると認識していまして、省内のそういったことを担当している科政局と今よく連携をしながら、どういった大学、特に研究力のあるところで、どれくらいのことをどういうふうにやっていくという相場観でやっていくのか、あとそれに必要なリソースは何か、というようなことも十分議論していきながら進めたいと思っております。
 その上で、ここの運営方針会議、河原委員がおっしゃってくださったとおり、リーダーシップを適切にサポートするということが、これは重要なところでございまして、また、コーポレート・ガバナンスの方が進んでいらっしゃるので、またいろいろと教えていただきながらと思っていますけれども、一方でモニタリングして、分かっている人がモニタリングして、ガバナンスをしっかりやっていくというところも片やあるので、今運営方針会議はそういったモニタリング機能プラスしっかり大きな運営方針としては、強固なものを継続性を持たせるというところで何とかやっていければと。
 これは実際の運用は本当に魂を込めて人が実際に入って動かして、というところで進んでいくものと思いますけれども、しっかりそういった理想が少しでも実現に近づけるように、また具体の運用のノウハウだったり、共有ということも、細やかに我々としても、何とかアシストとフォローとしていければと思っております。
【上山委員】  今アメリカの大学では、とても政治の季節を迎えており、イスラエルの問題もあって、多くの学長が辞任に追い込まれたり、議会に公聴会に呼ばれていたりとか、かなり激しくやっているのですが、日本の大学においても、そのようなことが起こらないとも限らないとは思うのですよね。
 その時に適切なアドバイスをする役割というものが、やはり運営方針会議には求められるのではないかなと思いますけれども、それに依拠するようなガバナンス・コードという形を考えていくべきかと思います。依拠することが十分できるような場所として、運営方針会議を使えることができるような方向かな、というふうには想像しています。
【片柳(事務局)】  ありがとうございます。増江委員お願いします。
【増江委員】  ありがとうございます。
 今皆様の河原様、井上様、上山先生の御発言を聞いていて改めて思いましたけれども、やはり運営方針会議に改めて入っていらっしゃる外部の方々というのは、国立大学法人の運営であったり、意思決定のプロセスがどうなっているか、ということについて、詳しい方々ばかりでは決してなくて、新しい役割を与えられた運営方針会議において、その力を発揮していただくためには、やはり彼らが大学の方々と十分にコミュニケーションを取って、機能を発揮するためのサポートをする仕組みというものが必要ではないかなというふうに思います。
 私、監事をさせていただいておりますが、やはり監事協議会であったり、国立大学法人であったり、文科省の方々からのレクチャーを受ける中で、その役割であったり、進めるべきことを理解してやっていくということができているというふうに思いますので、もちろん外部の方々は専門性を有する方々ですので、そういったことは十分理解された上でだと思いますが、やはり当初冒頭では必要なのではないかなというふうに思いました。
【片柳(事務局)】  ありがとうございます。
 まさに今御指摘いただいた点は非常に重要でありまして、そこについては資料の方で、ガバナンス・コードの方にも記載させていただいておりまして、補充原則の2-2の2②でございますけれども、やはり学外から御参画いただく方について、まさに的確な判断ができるような状況をまず醸成していくということが大事でございますので、大学における教育研究ですとか、その成果を活用して、どういう取組をしているか、人事財務状況等、また現状を抱える課題、そういったところについてもしっかりと説明をいただくということは大事かなと思っております。ありがとうございます。
 そのほか何か御意見はございますでしょうか。
 
  山口先生お願いします。
【山口委員】  大学のガバナンス・コード自体について少し言えると思うのですけれども、やはり、これはむしろ点検していく、翌年度、次年度にどうつなげるか、という方策の方が極めて大事なのかなという気がします。
 と言いますのも、今回例えば、研究インテグリティについても、単にこれは研究インテグリティ確保のための取組のおかげと、それでQ1からQ3みたいなものを参考にせよといった場合に、結局各大学でやることは、それで決めたものを何やら貼り付けて、形が整いましたというエビデンスだけを置いて、それが内実的にどれだけ浸透しているかのチェックというものが、これはガバナンス・コードだけを一応書いてしまえば、特に大きな大学になると毎年これを書き換えることはとてもできないのですよね。大変で。
 だから、研究インテグリティの部分も、今年1年どう書くかは確かに大事なのだけれども、それを継続的にどう見ていくのか。そういう方策を考えることの方が大事なのかなと。
 その意味で、このガバナンス・コードを作って以来というのが、活用のされ方はそれほど動いていないのかなという感じがちょっとするのですが、いかがでしょうか。
【片柳(事務局)】  ありがとうございます。
 確かに、活用がどこまで十分できているかというところには課題があるかもしれません。
 一方で、今回この有識者会議においては、ガバナンス・コード自体の審議をいただいているところでございますけれども、例年10月までに各大学が掲載したものについて、また先生方にその記載について確認いただくということをお願いさせていただいております。
 つきましては、今年度につきましても、特に変更点、運営方針会議ですとか、研究インテグリティの関係が中心にはなってくるかと思いますけれども、そこの取組について各大学に記載いただいたものを、出てきましたら、また先生方にも御確認いただきまして、逆にそこでまたコメントをいただければ、それを大学の方にも我々の方からまたお伝えして、対応としては、そういった形でガバナンス・コード自体は回させていただければなと思っているところでございます。
【山口委員】  それともう1点、運営方針会議についてお聞きしたいのですけれども。
 これは、それなりに、特に国際卓越研究大学、今年2回目の募集がありますけれども、そういうところに対して、それなり運営方針会議の在りよう、これは上山さんにお聞きするべきなのかもしれないけれども、ある種CSTIの段階から出たものとはだいぶ形はやはり違っているわけで、これがどの程度のものが求められているか。それなりの理解は進んでいるのでしょうか。各大学はそれなりに支援課が回られているのですか。
【片柳(事務局)】  ありがとうございます。私から説明させていただきます。
 確かに、元々今回の議題、国大法の改正に至る経緯の発端としては、CSTIからの御提案というところもございましたけれども、そこも踏まえて法制度等を検討した上で今の形になっておりまして、あくまで国際卓越大学に求められるガバナンスと、今回の国立大学法人での特定国立大学法人に求めるガバナンスは、一応制度上は別のものということでございまして、国際卓越大学に求めるものについては、また別途の国際卓越大学の方の基準で、また詳細については定めさせていただいているところでございます。
 また、運営方針会議の設置にあたって、どういった形がありうるかですとか、どういった形を目指していったらよいのか、というようなところにつきましては、まず必置のところについては個別にまた説明させていただいているところはもちろん、必置でない大学さんに対しても、今年の3月に全大学に一応呼びかけをいたしまして、説明会の方は開催させていただいております。
 もちろん置かないところ、少なくとも必置か、必置ではないか、というところで申し上げると、必置でないところの方が大多数ではありますので、皆様どこまでそれを具体性を持って聞いていただけたかというところは、多分各大学によるかと思いますけれども、そういった形で大学への説明については十分させていただきたいと思っておりますし、その後やはり興味のある大学さんからは、別途お問い合わせ等もいただいておりますので、その点は丁寧に説明させていただいているところであります。
 課長、補足があればよろしくお願いいたします。
【井上課長(事務局)】  ありがとうございます。
 今回のここのガバナンス・コードのところは国大法改正を踏まえて、というところで、その意味でのガバナンス・コードということ。
 卓越については、もちろん国立大学法人について卓越で求めるところの合議体というのは運営方針会議になるわけですけれども、その卓越の趣旨からして、その法律の趣旨を踏まえて、こういうところは特に、というようなところは、今片柳から話があったように、卓越の制度の方で、こういう観点で見ますよ、というところを整理して、そういう立て付けになってございます。
 山口先生から御質問いただいたとおり、丁寧な御説明と大学との対話が十分必要だと思っていますので、複数回振興局と一緒に特に卓越に出されているような大学には、御質問等に答えつつ、御説明に回っているところですけれども、そういったことを繰り返しながらやっていければと思っております。
【山口委員】  余計なことかもしれませんけれども、私が横で見ている限り、私の居る大学でそれほど理解が進んでいると思えない部分を感じるのですね。
【井上課長(事務局)】  ありがとうございます。
 なかなかこれは、広い方に深く理解いただくというのは本当に繰り返し丁寧に、というところが本当に必要だと思っておりますので、率直に先生からそういうコメントをいただけて、ありがたいと思っておりますし、また重ねてそういうこともやっていかなければ、という思いで、今改めて抱きましたので、これは単発で突然終わる話ではなくて、長きに渡ってのことでございますので、十分時間も使いながら議論を深めていければと思います。ありがとうございます。
【片柳(事務局)】  江戸川委員お願いいたします。
【江戸川委員】  江戸川でございます。
 運営方針会議について、確認も含めてコメントしたいのですけれども、運営方針会議は、やはり他のいろいろな組織のガバナンス構造と比較しても、かなり特殊な立て付けになっていると理解しておりまして、中計、予算、決算を握っているという意味では、経営、それから執行の重要なところを握っているという側面がある一方で、ガバナンス機関としての機能もかなり強く求められているということだと思います。そういう立て付けであるにも拘わらず、運営方針委員は組織の役員ではないということですよね。
 今大学にもたくさん委員会があるわけですけれども、その委員と比較して、相当程度の権限を持つので、それにバランスするような責任も負う立場にあるのだろうと理解していますが、その辺りがどう整理されているのか、ということが、十分に私が理解できていないところがあります。
 加えて、任命に関しては、今回の資料でかなりクリアになっている感じはしたのですが、運営方針委員が適切な人ではないというか、適切に役割を果たしていない状況になった場合に、一体どういうプロセスで解任されるのか、誰がそのトリガーを引いて、どういうふうにアクションが行われるのだろうかと、その辺がちょっとよく分からなかったので、どういう立て付けになっているかとか、法令の中で明確になっていないとすると、どういう形を想定されているのか、という辺りを教えていただきたいと思ったのですが、いかがでしょうか。
【片柳(事務局)】  ありがとうございます。
 まず一点、訂正をさせていただければと思いますものが、運営方針会議に関しましては、執行に関しては直接は担わないという組織として整理させていただいております。
 そのほか御指摘いただいた、まず委員の位置付けでございますけれども、御指摘のとおり役員そのものというような形には法令上位置付けられておりません。
 他方で、役員が負うような損害賠償義務ですとか、そういった義務に関しましては、法令上しっかり役員並みの義務を課しておりまして、そこはこれで担保させていただいているところでございます。
 また、委員の任命に関しては、多分この図である程度御理解をいただけることかと思いますけれども、解任の時のトリガーにつきましては、今回、学長選考・監察会議が、ある程度学長と運営方針会議に関して、任命に関して関わるような形になりますけれども、役割が十分に果たせていないというような時のトリガーといたしましては、学長側から引けるパターンがあり、そこは法令上しっかり担保させていただいておるところでございますので、曖昧にやるということではなくて、一応条文上も担保させていただいているというようなところでございます。
 また、直接ではないですけれども、例えば監事、すみません、この資料上は入っておりませんけれども、監事につきましても運営方針会議のそれぞれの委員をしっかり監督するような地位にありますので、そういったところからもトリガーとしてはありうるかと思っております。
【江戸川委員】  分かりました。ありがとうございます。
 そうすると、役員並みの責任負うということになってきますし、中計、予算、決算を握るという意味では、経営の根幹を握っていくということになるので、経営協議会の外部委員とはだいぶ違うところで、そこをこのガバナンス体制になる大学の方々が十分に理解して、委員の打診をすることが重要だと思います。おそらく数か月に1回会議に出るだけということでは、全く務まらない役割だと思うので、その辺りの業務の関与の仕方なども、どういう形がモデルケース、モデルと言えるのか、ということを示した上で、適正な報酬を払うことも必要だと思うのですけれども、ちゃんと理解して、スタートしていくということはすごく大事になるなと思います。その上で、きちんと学長選考・監察会議が監視をしていくというような立て付けになっていくことがポイントかなと理解しましたが、最初が肝心だと思いますので、御対応をしっかりお願いできればと思います。以上です。
【片柳(事務局)】  ありがとうございます。
 まさに各大学の方でいろいろと検討をされていて、何度か文科省の方にも相談をいただくような形で、大学の方で検討を進めているというふうに思っております。
 そこに当然文科省の方も、しっかり寄り添いながら一緒に、こちら側が形を示すということではないかと思いますけれども、大学の相談にしっかり乗っていって、我々としても目指すべき方向と全く異なるような形にならないように、そこはしっかり見ていきたいなと思っております。ありがとうございます。
 そのほか、皆様御意見はございますでしょうか。
 ありがとうございます。では、今回、文案で修正いただいた部分もそうですけれども、そのあと皆様からいただいた御意見も、しっかり国立大学協会、これを実際にやっていく国立大学に対しても伝えていきたいなと思っております。
 では、今回協力者会議の方からは、こうした形で御意見を頂戴をいたしましたものをしっかり伝えながら、この先のプロセスに進めていきたいと思います。
 また、最終的に確定しましたら、また委員の先生方にはその旨御報告させていただければと思います。
 本日、議事としましては以上でございますけれども、何か最後にございますでしょうか。
 では、特にございませんようですので、今回の会議といたしましては、以上で終了させていただいまして、また今回のコードの改定を踏まえた各大学の取組状況について、また御審査いただくことになると思いますので、また引き続き、どうぞよろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。

お問合せ先

国立大学法人支援課