令和7年4月18日(金曜日)15時00分~17時00分
WEB会議
河田悌一座長
安達 励人、大野博之、 大橋隆哉、 小原芳明、 小林雅之、 高橋哲也、田中正弘 、仲谷善雄 、両角亜希子 、山田礼子の各委員
(事務局)吉田高等教育企画課長、石橋大学振興課長、髙見高等教育政策室長、花田高等教育企画課課長補佐
濱中 義隆氏
【河田座長】 それでは、所定の時間になりましたので、全国学生調査に関する有識者会議の今日は第12回目、前回は去年の9月3日でしたが、今日は御多忙の中、御出席いただきましてありがとうございます。
今日は、この会議は対面出席、ここに4名ほど、あるいは文部科学省の方もおられまして、それから、ウェブで出席されるというハイブリッドの形式で開催したいと思います。
それでは、議事に入る前に、事務局のほうから連絡事項をお願いいたします。
【花田高等教育企画課課長補佐】 花田から説明いたします。本日の会議は、対面とウェブのハイブリッド形式の会議を円滑に行う観点から、御発言の際は挙手のボタンを押していただきまして、座長から御指名されましたら、名前をおっしゃってから御発言ください。御発言後は再度挙手のボタンを押して、表示を消していただきますようお願いいたします。また、発言時以外はマイクをミュートにしていただくなど御配慮いただきますと幸いです。会議中、不都合が生じることがあるかと存じますが、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
会議資料につきましては、議事次第に記載のとおり、事前にメールでお送りしているとおりでございますので、御確認いただければと思います。
また、有識者会議の委員に交代がございましたので、御報告いたします。
貞静学園短期大学理事長・学長の奥委員が辞任されたことに伴い、令和7年3月19日付で有識者会議委員として、国際学院埼玉短期大学理事長・学長の大野博之委員が就任されました。
参考資料4のとおり、新たな名簿をお送りしてございますので御確認ください。
連絡事項は以上でございます。
【河田座長】 それでは、議事に入りたいと思います。本日は、令和7年度の本格実施の要領案について、先生方の御意見をいただき、議論していただきたいということでございます。
事務局において、令和6年度第4回の試行を実施いたしました。その実施状況を踏まえまして、令和7年度の本格実施の実施要領案を整理したということであります。
したがって、事務局のほうから、資料についての御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【花田高等教育企画課課長補佐】 お手元の資料1を御覧ください。初めに、令和6年度全国学生調査(第4回試行実施)の回答状況について御説明させていただきます。
こちらは3月14日時点での4回目の試行実施の回答状況でございまして、下段のほうが、第3回の試行実施の回答状況でございます。それと比較できるように表示をしております。
参加した対象校数に関しましては、大学は532校から540校に増加しておる一方で、短期大学は148校から131校に減少してございます。
この短大の減少について分析させていただきましたところ、昨年度、募集停止を決定した短期大学が多くございましたが、募集停止を機に不参加とする短期大学が多数あったというところでございます。
また、回答率に関しましては、こちら文部科学省が実施するインターネット調査を「調査方法1」と、本会議では申し上げますが、その調査方法1のみの回答率でございますが、前回と比べますと大学は微増、短期大学は27.9%から34.2%に増加をしておりまして、全体といたしましては11.1%から11.3%と微増しております。
なお、参加大学が実施する学生調査を活用した調査方法を、本会議では「調査方法2」と申し上げますが、この調査方法につきましては、文部科学省へのデータ提出期間が4月30日までとなってございまして、現時点では未集計でございますけれども、これらの大学の回答状況としては、全体の傾向としては、調査方法1よりも回答率が高いような傾向でございました。
続いて、資料2のほうを御覧ください。こちらは、第4回の試行実施において、本格実施に向けて各大学から要望や問合せ等があった主な事項を、「Ⅰ.検討を要する事項」と、3ページ目からの「Ⅱ.その他改善を行う事項」に分けて整理をしてございます。特に前者につきましては、本日、委員の皆様に御確認いただきたい部分でございます。
検討を要する事項として、まず、昨年度試行実施から導入いたしました調査方法2についていただいた御要望でございます。
(1)大学独自の質問項目について、全国学生調査の質問項目の文言に統一せず、各大学の判断で、同じ趣旨の質問項目を全国学生調査の質問項目に読替え、あるいは、全国学生調査の質問項目の要素を分離して大学の学生調査を実施したいという御要望につきましては、各大学の判断で質問項目の読替え等を認めた場合、調査結果の正確な比較分析が困難になるケースが想定されるため、原則として不可としたいと考えております。
ただし、読替えにつきましては、ですます調などの違いなど軽微なものも想定されることから、文部科学省に個別相談を行い、認められたものは全国学生調査の回答として取り扱うことを認めてはどうかと考えております。
続いて、(2)選択肢について、大学の学生調査は8件法で実施されており、データ提出の際に4件法に置き換えたいという御要望につきましては、全国学生調査の選択肢は、例えば「よくあった」「ある程度あった」「あまりなかった」「なかった」といった4つの選択肢で実施をしておりますけれども、各大学で行われている学生アンケートの選択肢が8件法で、例えば「必ず当てはまる」「とても当てはまる」「まあまあ当てはまる」「少し当てはまる」「あまり当てはまらない」「めったに当てはまらない」「ほとんど当てはまらない」「全く当てはまらない」といった選択肢で行われている場合に、例えば上位2つの選択肢、「必ず当てはまる」や「とても当てはまる」の2件を、4件法の「よく当てはまる」に置き換えたいというようなものでございますが、これについても、比較分析が困難になるケースが想定されるため、原則として不可としたいと考えてございます。
ただし、文部科学省に個別相談を行い、軽微なものとして認められたものは全国学生調査の回答として取り扱うことを認めてはどうかと考えております。
続いて、(3)生活時間数は時間数そのものを回答させ、データ提出の際に全国学生調査の選択肢(時間数帯)に置き換えることができるようにしてほしいという御要望については、自由記述と選択肢の違いで、必ずしも回答内容が同じになるとは限らず、回答の内容にずれが生じる恐れがございますため不可として、実施要領上も明確にしたいと考えております。
最後に、(4)全国学生調査の全33問を大学の学生調査に設定しなくてもよい設計にできないかという御要望につきましては、これまでの試行実施は全問回答を前提に設計してきておりまして、調査方法1との整合も必要なため、これまでの試行実施と同様に不可としたいと考えております。
次に、結果公表の同意について、本格実施からは、結果公表の同意が得られた大学の回答の全体の集計結果を文部科学省が公表することになっておりまして、このことについて御要望いただいております。
まず、(5)結果公表の同意は学部単位でもよいかという御要望につきましては、これまで全国学生調査への参加は大学単位であり、結果公表も同様とすることが適切と考えており、結果公表の同意は大学単位とする形で、実施要領上で明確にしたいと考えてございます。
続いて、(6)結果公表に同意する時期は、自大学の調査結果が把握できてからでよいかという御要望につきましては、令和8年度以降の全国学生調査では結果公表に係るインセンティブ設定が検討されておりますが、調査実施後の結果同意となる場合に調査実施翌年度となり、令和8年度から適用ができないなどの不都合も考慮いたしまして、結果公表の同意につきましては、参加意向等の確認時(調査実施前)として、実施要領において明確化したいと考えております。
Ⅱ.その他改善を行う事項につきましては、各大学からの御要望を踏まえて改善を行うことを予定しているものでございます。
まず、調査方法2のデータ提出方法について、いただいた御要望といたしまして、(1)大学の学生調査を3月下旬まで実施しているため、データ提出を4月以降にしてほしいということにつきましては、第4回の試行実施では4月30日までをデータ提出期限としてございまして、実施要領上においてその点を明確にしたいと考えております。
続いて、(2)独自調査データを調査方法1の回答データに合わせる作業を効率化できないかという御要望につきましては、今後、各大学において集計作業を行う際の負担が減少するようなツールを開発いたしまして、各大学に提供するなど、対応する方向で調整したいと考えております。
続いて、(3)全国学生調査は匿名式としているが、大学の学生調査は記名式で行っている。これまでどおり記名式で実施し、個人を特定する情報を削除した上で文部科学省にデータを提出することとしてよいかという問合せにつきましては、第4回の試行実施では、参加意向があった大学にだけお送りする調査実施マニュアルの中で、個人を特定するような情報の削除を指示しておりましたけれども、参加を検討している大学や不参加の大学にも分かるように、実施要領において明確化したいと考えております。
次に、質問項目の表記についていただいた御要望として、(4)選択肢、1「よくあった」から④の「なかった」等について、丸囲み数字は環境依存文字なので、半角数字にするとともに、ポジティブな選択肢に大きい番号がつくように並び順を変更してほしいということについて、よりポジティブな選択肢に大きい番号をつけることで、ポジティブリスト作成時の点数換算にも資することから、この点は実施要領に反映させていただきたいと考えております。
また、(5)実施概要の質問番号の、問1の4、5、6……といったものと回答データ様式の設問番号が異なっておりまして、変換が必要なのでそろえてほしいといった技術的な要望についても、対応する方向で検討しております。
次に、ポジティブリストの公表手続に関する問合せとして、(6)ポジティブリストに掲載される学部(学科)は、参加大学の結果公表の同意を得ずに公表するのかということについて、ポジティブリストは参加大学の結果公表の同意を得ずに公表する旨を実施要領に明確化するとともに、参加意向調査時にもしっかりとアナウンスをしたいと考えております。
最後に、英語による周知に関する御要望、(7)英語版のチラシや英語版の周知・回答依頼など英語による周知も行ってほしいについて、英文の質問項目だけではなく、その周知や回答依頼についても英語による周知文例を大学に提示するなどして、対応する方向で調整したいと考えております。
続いて、資料の3-1を御覧ください。こちらは、昨年9月に本有識者会議で御審議いただいた後に、各大学に周知いたしました全国学生調査(本格実施)の実施方針でございますが、本年2月に中央教育審議会において、「我が国の「知の総和」向上の未来像~高等教育システムの再構築~」が答申として出されており、3ページ目の参考にございますとおり、教育研究の質のさらなる高度化の⑤情報公表の推進において、全国学生調査の活用について言及されたことから、1ページ目の冒頭のところにこの答申名を追記しており、また、2ページ目のところ、こちらはポジティブリストの公表についての部分ですが、第4回の試行実施においては、分野別に学部(学科)単位でのリスト化を想定していることから、それに合わせてこの実施方針を改訂したいと考えております。
また、続けて3-2を御覧ください。令和7年度(2025年度)の全国学生調査(本格実施)実施要領(案)です。
こちらは、本格実施の実施方針の内容をそのまま四角囲みで記載しまして、その枠外に実施方針の内容を補足する形で、第4回の試行実施の実施概要の内容をベースに、令和7年度の本格実施から追加・修正する内容を下線にして記載をしております。
下線部分には、先ほども御説明いたしました改善・検討事項の多くを反映しているところでございます。特に、先ほど資料2で検討を要する事項として御説明した箇所は、黄色マーカーで(P)、ペンディングという形にしてございますので、御確認いただければと思います。
また、本日参考資料3として、今後の第4回の試行実施の結果公表ですとか、本格実施の調査実施に関するスケジュールを記載したものをお配りしておりますので、併せて御参照いただけると幸いです。
私の説明は以上になります。
【河田座長】 ありがとうございます。丁寧にチェックをしていただいて、問題点を明確に示していただいたというふうに思います。
ただいまの説明について、実施要領案の項目ごとに確認をしていきたいと考えます。特に本格実施において、第4回の試行実施の実施概要から追加する内容、下線の部分を中心に確認したいと思います。
まず、3の調査実施の時期、4番目の調査の方法について、各委員のほうから御意見、御質問があれば御発言をお願いしたいと思います。どうぞ御自由に、先生方のほうから御意見ください。いかがでしょうか。
山田先生、どうぞ。
【山田委員】
調査方法の2について教えていただきたいのですが、第4回の試行調査、同志社は参加しなかったからということで分からない部分もありましたのですが、独自の学生調査の中に本調査の質問項目を設定という場合、もともと私が持っていたイメージというのは、ほかの国などで行われている調査で、大学の学生調査の項目というのを、追加項目として分かるように設定しているというイメージだったのです。
でも、これで見ますと何となく、参加大学の学生調査の中に文部科学省の全国学生調査の項目が入っていくという感じがするのですが、そうなったときに、先ほどの検討事項でもいろいろ、こういうことをしていただきたいとかいうようなことがありましたけれども、どうやって全国学生調査と独自の学生調査が、2の方法だったら、つまり答える学生としては分かるのかなと思ったりするわけなのです。
つまり、何が言いたいかというと、全国学生調査だけをする学生たちは、これは国が行っている調査ということで回答するのでしょうが、全国学生調査ではなくて学生調査をする場合、独自の大学学生調査の中に、分からないような形でもし入っているとすれば、そこが回答とか分析のときに影響を及ぼすのじゃないかなと思いましたので、お尋ねしております。
【河田座長】 その辺はいかがでしょうか。
【花田高等教育企画課課長補佐】 そこについては、現状としては、全国学生調査であることを、大学の独自の調査の中で、この項目は全国学生調査の項目ですといったことを学生向けにしっかりと表示して明確にしてくださいというお願いは各大学にはしておりませんので、大学の学生調査に全国学生調査の質問が含まれていることを、今後、大学向けに、学生に周知してほしいといったことをお願いするかというところは議論としてあるかと思っております。
【河田座長】 これは文部科学省の調査だということが分かるように、各大学にお願いせざるを得ないのですよね。
【花田高等教育企画課課長補佐】 はい。
【河田座長】 それでないと、大学独自のか、学生は多分そんなの区別できないから。
山田先生、そういうことで、文部科学省のほうからきちっと、これは文部科学省の調査だと。
【大橋委員】 すみません、関連して、ちょっと確認なのですがよろしいですか。
【河田座長】 どうぞ。
【大橋委員】 今のお話で、この部分の設問は文部科学省の全国学生調査であるということは、事前の実施要領に、こういう質問だというのが、今日の資料3-2にも含まれているので、大学でも学生でもよいですが、知ろうと思えば知ることはできるという状態になるわけですね。
【花田高等教育企画課課長補佐】 そうです。
【大橋委員】 分かりました。
【河田座長】 ほかに、先生方のほうから何か。
髙見室長、お願いします。
【髙見高等教育政策室長】 先ほどの山田先生の御質問の件については、いろんな段階があると思っていまして、例えば今回、大学独自が行う調査の中に学生調査が含まれているという事実だけ伝えるのがよいのか、個々の質問それぞれに対して、これは国の調査ですというふうに伝えたほうがよいのかというと、先生の趣旨を踏まえると、やっぱり後者のほうがよいということになるという理解でよろしいでしょうか。すみません、山田先生に逆に質問してしまっているのですけども。
【山田委員】 私ですか。やはり、全国学生調査として受けられる学生さんが一方でいる。一方で、独自の学生調査として、その中にちょっと分かりにくいような形で文部科学省の項目があったりする場合、これって回答者として見たときに、何らかのインパクトといいますか、回答傾向に影響があると思うのです。
だから、ほかの国なんかで行うときは必ず、これは国の調査であって、追加したい場合、独自のものを入れるとかという形で、明確にそこは区別しているというのが私の認識だったのです。
だから、やっぱりそうかなと思っていたので、個人的には、明確にしないと分かりにくくなるのではないかなという感じはいたします。
【髙見高等教育政策室長】 ありがとうございます。もしそういうことであれば、今回の実施要領の中にも、調査2の場合には、各質問の中で全国のものと共通するものについては、問の幾つと幾つであるとか、もしくはこれがこうであるみたいな形で、丁寧に御説明するということを要件として書くと、そういった形で考えたいと思いますが、もしほかの先生のほうから異論等なければ、そのようにさせていただければと思っております。
【河田座長】 ということですが、何か。
高橋先生。
【高橋委員】 高橋です。山田先生がおっしゃる形でよいと思うのですが、ちょっと追加的に確認させていただきたいのですけど、私、大学IRコンソーシアムというところの学生調査のほうも担当しているので、今回は全国学生調査の質問項目に全部合わせて、プラスしてIRコンソの質問項目をつけようと思っているのですが、例えば問3の中に、「知識や能力などが身についたと思いますか」というところに、ほかの能力等を付け加えようと考えているのですけど、その時、この文部科学省の質問の順番は変えないのですが、間に挟まる形になるのですけど、それ自体は特に問題はないでしょうかと。
例えば批判的思考力とかを、論理的に文章を書く力の下に置こうとか、そんなようなところの形のものを今考えているのですが、そこは問題ないかということで、今、山田先生がおっしゃったように、学生調査の質問項目とコンソ独自の質問項目は、回答者が分かる形で質問シートは作りたいと思いますが、この中の順番で間に入ることは特に問題ないでしょうかということをお聞かせいただければと思います。
【花田高等教育企画課課長補佐】 その点は、今回の第4回の試行実施からも特に禁止はしておりませんで、それも資料3-2の3ページ目の調査方法2の上から3つ目のポツの最後に、その際、質問項目の順序変更を可とするという形で明確化したいと考えております。
3-2の3ページ目の、調査方法2の3つ目のポツの下線部分です。事務局案としてはそのように考えているという次第でございます。
【河田座長】 3-2の3ページ、傍線のところですか。上から2行目から始まるところね。その際、質問項目の順序変更を可とする。濱中先生。
【濱中オブザーバー】 調査を専門にされている方からすれば、厳密に言えば回答に影響が出ることはあるということになると思うのですが、もともとこの調査方法2というのは各大学が既に調査をやっているという状況の中で、全国学生調査に参加してくれる大学をとにかく増やしたいということで、学生が重複して回答するとなると負担が重たくなるから、大学で既にやっているのだったらそれをこちらに回してもらっても結構ですという形でスタートした経緯があります。ある程度の柔軟性を持たさないと、最初から全国学生調査をメインにして、山田先生がおっしゃるように各大学が独自調査をつければいいじゃないですかということになってしまいますけど、とにかくスタートとしては参加大学を増やしたいということでしたので、この形でやらせてもらうほうが適当かなというふうに思います。
あと、学生さんにとって、全国学生調査だから2にして、自分の大学の調査だったら3と回答しようということが本当に起こるのかどうかというと、僕はあんまりそのように思えないのですが、ただ、全国学生調査にデータを提供するということなので、調査倫理上は確かに、この部分は文部科学省に提出されますよということを事前に断っておかなければならなくて、どの質問までと言う必要があるかどうかは分からないですけど、少なくとも一部の質問については文部科学省に提出されるという断りをきちんと実施要領に入れておく必要があるかなというふうに思いました。
【河田座長】 ということで、山田先生、よろしいでしょうか。
両角先生、何かございますか。
【両角委員】 今のところは特にはありません。ただ、なかなか難しいなと感じておりました。もともとそれぞれの大学で調査しているところは、ワーディングもかなりこだわって作られていて、過去と比較できるとか、あるいは、この調査は4件法が多いのですけれど、社会調査をされる方は5件法を好む傾向があるように思います。もともと各大学の方針で議論を経て行っている調査をここに合わせるというのもなかなか限界があるのかなという気がしておりました。大学としてはこの調査に合わせるかあるいは2つの調査をするか、どちらかの選択をするしかないのだろうなと思いました。文部科学省の調査だから、この調査に協力してくださいというほうが、かえってすっきりはしているような印象もあります。むしろ違うものとして分けるタイプ1が、やっぱり原則なのではないかなというようなのが聞いていたところの印象です。感想のような発言ですみません。
【河田座長】 小林先生、何かございますか。
【小林(雅)委員】 今までの議論ですけれど、やはり大学独自調査項目を本調査の中に入れ込むというのは相当無理があるということはもう承知の上で、やるかどうかなのかと思います。
それぞれの大学の調査というのはそれぞれやっていますし、両角先生が言ったように5件法か4件法かとか細かい部分になると、各大学は自分たちでこれが一番いいと思って作ってやっているわけですから、そこにはめ込むという形になりますので、かなり無理があるといえば無理があるのです。
ただ一方、濱中先生が言うように、できるだけ協力していただきたいということになると、私としては、中にはめ込むというのはちょっと、高橋先生が言われたケースですよね、それはかなり難しいのではないかという気がするので、ここは文部科学省の調査で、ここは文部科学省じゃなくて大学の調査ですというふうに、質問項目を分けたほうがむしろすっきりするのではないかなという気がしますが、高橋先生、それは無理ですか。
【高橋委員】 はい。無理だというのは、例えば能力がどのようなものが身についたかというのを分けて2回聞くというのは、調査されるほうからするとよく分からないというか、逆に調査したら非常に不自然なものになってしまうのでということです。ということで、今お聞きしている。
もちろん、この中で決まればそれに従うということになるのですけど、知識や能力が身についたというのが一つあって、それが文部科学省の質問が終わった後に、またIRコンソ独自の項目という中にまた、身についたか、どんなものが身についたかということを聞くのは、ちょっと回答する側からすると、あまりよろしくないのではないかということです。
【小林(雅)委員】 分かりました。それは、解決は難しいと思います。いずれにしても。
【河田座長】 ほかの先生方、何か。
大橋先生、どうぞ。
【大橋委員】 今、高橋先生もおっしゃったとおり、うちも試行には参加していなくてこれからなのですが、既にいろんな学生調査やアンケートの類いが、少しずつ違うのが幾つもあって、かなり学生もアンケート疲れというのがあって、今ちょうど昨年度から、そういう全ての調査やアンケートをなるべく統合して一回でやろうと検討しています。
実際、卒業生アンケートも、ウェブで答える仕組みを導入するとすごく回答数が減りました。昔は教員の前で紙で答えさせていたのですが。そういうこともあるので、学生の負担については極力一回で完了というふうにせざるを得ないかと思います。多少の困難はあるとしても、本調査をうまく入れ込んでまとめるという方法を、うちでも考えつつあると、そういう状況です。
【河田座長】 大野先生、何か。
【大野委員】 よろしくお願いします。今の項目の件でいうと、本学でも独自と、それから大学・短期大学基準協会のアンケートの調査と、あと、この文部科学省のと、学生中心に考えると大変な話なのです。ありていに言うと、どこかを採用したらどこかをなしにしてさっぱりしようと、今そういう方向で検討しています。
それから、質問よろしいでしょうか。濱中先生からも、補佐からもあった、資料1の回答率って、改めて見てみると結構少なくて、情報を公表しようとか、それから、国としていい質の教育機関をしっかりと応援していこうという大きな流れの中で、グランドデザイン答申から言われていて、この参加率だとちょっと期待に応えていないのかなと。
どういうふうにしたらいいかというのはなかなか妙案がないのですが、質問は、これまでどういう議論があって、どういうふうにすればうまくいくかなというところがあったら教えていただきたいというところで、質問でございます。
以上です。
【河田座長】 その辺、文部科学省。髙見さん。
【髙見高等教育政策室長】 ありがとうございます。先生おっしゃるように、この参加率、これは大学がまずどれぐらい参加するかという視点と、大学の中でまたどれぐらいの学生が回答するか、このいずれも、やはり全体を上げていくというのは非常に、これまでの第4回までの試行実施の中でも非常に大きな課題になってきたわけでございまして、そういった中で、前者につきましては、先ほど来議論のあったような調査方法1だけではなくて、2の各大学のやり方にもそのまま融合させていく、そういった形の方法を導入することによって、より多くの大学に参画いただく、あるいは、今日の参考資料1の後ろのほうに資料をつけておりますが、ポジティブリストというものを7ページ以降につけております。こういった形で、各大学にとっても参画したことがメリットになっていく、あるいは、8ページ以降には教学IRの様式をつけておりますけども、これでほかの大学、全国との状況を比較していく、そういったことを可能にしていくことによって、より多くの大学の参加を求めるということを取り組んできたところでございます。
一方で、各大学の中の回答率を上げていくということについて、第1回目は比較的回答率は高かったわけでございますが、2回目、3回目、4回目と、まだまだ回答率としては10%ということでございまして、この回答率をしっかり高めていくということも、今後の検討に当たっては非常に重要な視点であるというふうに考えているところでございます。
【高橋委員】 すみません、ちょっと補足してよろしいでしょうか。これまではどうしても試行ということで、各大学も大学独自のアンケートもやりつつ、全国学生調査のほうにも、こちらのほうは文部科学省のウェブサイトで各学生が自分のスマホで答えればいいので、そんなアナウンスをして、リマインダー等は送るとしても、もともとやっている各大学独自のアンケートは、大学がそれを分析等、教学IR等に使うために回答率も当然必要なのですけれど、今までは試行という部分で、どうしても文部科学省のほうはそういう形でやってはいるけど、なかなか回答率を上げるというところまで、大学も学生に対する負担等もあるので、そこまでできなかったと。
ただ、今回から本格となれば、もう当然、大学もこの後、しかもこれが当面続くということと、先ほどありましたようなポジティブリストだけでなくて、さっきの、この後の中教審の答申等に書かれているような、これからの活用等も考えたときに、大学もこの調査を、大学独自の調査とこの調査を、質問項目を合わせる等も含めて、今後はそれをやっていかないといけないとともに、回答率も上げないと、そこに関して公表とかしていくときにも使えなくなりますので、それは本格実施になれば、かなり上がっていくのではないかなとは、個人的には思っております。
ただ、とはいえ、やっぱりウェブの調査の回答率というのは、大学であってもなかなか、大学が自分たちで努力してもなかなかそこまで上がらないところもありますので、そこについては今後も検討をし続けていかなきゃいけないかなと思っておりますが、一定は上がっていくのではないかなというふうに考えております。
【髙見高等教育政策室長】 補足の補足になってしまうのですけれども、学生の回答率を上げるということについては、もう一つ変化してきた内容としましては、調査の実施時期というのより幅広くしていくということで、この会議の中でも、例えば卒業式のタイミングでやることで回答率が上がるという事例も紹介いただいたところでございますし、また、質問項目自体も、もともと48問あったものを33問に精査するということで、学生の負担感というのもできるだけ減らすといった取組も進めてきたところでございます。
先ほど高橋先生におっしゃっていただいたような視点も含めて、今後さらに回答率を上げる取組というのは、またこの会議の中でも、先生方からいろいろとアイデア、知見等いただければと思っているところでございます。
【河田座長】 先ほど大野先生から、これまでどういう話になっていたかというのですが、奥先生の前の理事長が出ておられたときは、短大もこういう中に入れるということが一つの大きなメリットだということで、積極的に入ろうという話で、ただ、2年間なのでどこでやるのかが非常に難しいということは言っておられたのを、ちょっと思い出したので申しました。
【大野委員】 ありがとうございます。
【河田座長】 それでは、もうちょっと質問があるので。第5番目の質問項目、これにつきまして、大分、先ほど言われたように44から33まで減らしたわけですけど、これにつきまして何か御質問、あるいは御意見がありましたら、先生方のほうから意見を出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
玉川大学の小原先生、いかがでしょうか。何か御意見ございますか。
【小原委員】 設問の数ですが、これは一方では学生の負担もあろうと思います。実際、文部科学省は何を知りたいのかということを中心に、設問の数を設定していけばいいのではないかなというのが私の考えです。
各方面から調査は入ってくるので、学生にとって、一言で言うと面倒くさいとのことです。その面倒くさいことをやらされるわけですから、数の問題だけではなく、文部科学省は何を知りたいのか、あるいは産業界は採用試験、合否の判定にどのような目的で使いたいのかという、それが設問の中に入っていれば、私はそれでいいのではないかなと考えています。
【河田座長】 ありがとうございます。
その辺を、文部科学省のほうから何か。何が究極的に聞きたのだというのが、今の小原先生の質問でした。
【髙見高等教育政策室長】 まさに先生おっしゃるように、文部科学省としてということでございますが、この会議の中でも、これまで累次にわたって、まさにこの質問項目についてもいろいろ御意見いただきながら、この33問という質問項目になったところでございます。
これはまさに、一人一人の学びというのをしっかり実態把握しながら、その成果というのをしっかり結果として分かるようにしていくと、可視化していくといった観点で、今まさに立てていただいた項目というのは、現時点ではこれがベストのものであると捉えているところですが、以前の会議の中でも申し上げたとおり、一部の大学から、毎回ころころ変えられては困るというような御指摘もいただいたところでして、全体の当面の間の実施方針については、原則としてこの第4回試行実施の質問項目からは変更しないという方針になっております。
ただ、これは未来永劫変えないというものではなく、今後、認証評価の見直しや情報公表など、今回の「知の総和答申」を踏まえてもろもろの改正を行っていきますので、その中で、その都度、必要に応じて、見直しについても何年か後には検討していくということも考えるべきかと捉えているところです。
【河田座長】 ということで、小原先生、よろしゅうございますか。
【小原委員】 数と同時に、どれだけ学生の時間を取るかということもあらかじめ想定していたほうがよろしいかなという気がします。実際、私のところにもいろんな調査が来るのですけども、5分ですとか10分ですという、その時間である程度、横に出したり答えたりする面もあるので、あまり時間を要することは、学生は敬遠するのではないかなという気がします。
ですからその辺の、どこで折り合いをつけるかというのは非常に難しいと思うのですけども、取りあえずやってみて、それで最後に感想で、長く感じて嫌だったとか、もっと質問したほうがいいのではないかというアンケートも取って、数を変えていけばよろしいのではないかなと思います。
以上です。
【河田座長】 ありがとうございます。
それでは質問項目はこれで。6番目の、調査結果の取扱いというところでございます。これにつきまして、何か委員の方々から御意見、あるいは問題がございますでしょうか。
どうぞ、小原先生。
【小原委員】 この調査結果ですけれども、いわゆるランキングに使われるのではないかなというのは、地方の中小規模の私立大学が懸念していることなのです。国立大学と私立大学、全然施設設備とか違う、教授陣の数も違う、それも一律に比較されるということは、小さな大学にとって非常に嫌な気持ちを強く持っているのです。大きな大学というのはいいのでしょうけども、小さな大学になればなるほど、やはり何で国立と同じ尺度で比較しなければいけないのか、挙げ句の果てに第三者から、大した教育をやっていないのだから撤退「助言」へと続くのではないかという懸念を持って非常に疑いの目で見られているということは指摘させていただければと思います。
【河田座長】 そういう御意見ですが、何か。
【髙見高等教育政策室長】 ありがとうございます。まさに先生がおっしゃっていただいた御懸念というのも、この第1回の試行実施のときから、いろいろ御意見いただいたところでございますが、今日の参考資料1の7ページ、この中に書いておりますけども、ポジティブリストということで、第4回の試行実施からということで、前回、前々回の会議でもお認めいただいた内容でございますけれども、肯定的な回答率が高かった大学、あるいは短期大学について、上位校の一覧化したものを公表するといった取扱いをしているところでございまして、いい取組をしっかり伸ばしていくといった方向で、まずは進めていただくことが必要ではないかというふうに捉えております。ありがとうございます。
【河田座長】 そういう御意見ですが、何か。
【髙見高等教育政策室長】 ありがとうございます。まさに先生がおっしゃっていただいた御懸念というのも、この第1回の試行実施のときから、いろいろ御意見いただいたところでございますが、今日の参考資料1の7ページ、この中に書いておりますけども、ポジティブリストということで、第4回の試行実施からということで、前回、前々回の会議でもお認めいただいた内容ですけれども、肯定的な回答率が高かった大学、あるいは短期大学について、上位校の一覧化したものを公表するといった取扱いをしているところでして、よい取組をしっかり伸ばしていくといった方向で、まずは進めていただくことが必要ではないかというふうに捉えております。ありがとうございます。
【河田座長】 小原先生、これまでもそういう、先生がおっしゃったような、小さな大学は嫌な思いをするんだと言っておられるんですけれども、それについては徐々に、文部科学省のほうも考えていただいておりますので、御納得いただければというふうに思います。
安達先生、よろしくお願いします。
【河田座長】 小原先生、これまでもそういう、先生がおっしゃったような、小さな大学は嫌な思いをするのだと言っておられるのですけれども、それについては徐々に、文部科学省のほうも考えていただいておりますので、御納得いただければというふうに思います。
安達先生、よろしくお願いします。
【安達委員】 ありがとうございます。先ほどのポジティブリストのことなのですけれども、私も一つ質問をさせていただきたいのですけれども、小さな大学で予算規模の小さなところというのは、中には地道に教育をやっているところもあって、そういうところにとりましては、ポジティブリストというのはひょっとしたら大きなインセンティブにもなり得るというふうにも考えています。
私の質問というのは、集計基準に合致した参加大学が対象になるということなのですが、その実数といいますか、そのものには下限というものを何かお考えになっていらっしゃるのかということです。
どういうことかといいますと、先ほど、小さな大学・短期大学ほど、ポジティブリストに載ることは大変名誉なことでありがたいことだと申し上げましたけれども、私は岡山県ですけれども、小さな大学・短期大学というのがありまして、学部数も、学部の学生数も非常に小さなところがたくさんありますので、さらに最近、定員も割ってきているようなところもありまして、本当に1学部十数名というようなところもあるわけです。
大変マイナーな話で恐縮なのですけれども、50%ということですから、そこの半分ということになると、本当に10人、あるいは10人行かないような人が回答したようなものを、一方で500人以上も学部生を抱えていらっしゃるようなところと同じように扱うことになるのかなという、ちょっとそういうことを考えております。
例えば規模別に細かく分けることがある程度できるのか、できないのか、あるいはそういうことなしに今回は一律にやるのか、マイナーな話で大変恐縮ですけれども、何かお考えがありましたらお聞かせいただければということです。失礼いたしました。
【河田座長】 確かに、先生のおっしゃる倉敷の市立大学なんかの実態があると思いますので、その辺、どういう配慮というか、なさればいいでしょうかね。
【花田高等教育企画課課長補佐】 この集計基準につきましても、この有識者会議でも過去に何回も御議論いただいて出来上がってきた基準でございまして、統計学的に有意な考え方を導入して、このような形を取らせていただいているということでございますので、おっしゃるとおり、規模によらずというところももちろんあるとは思うんですけれども、やはり代表するような学部学科の意見を、傾向をある程度つかめるよう、統計学的にこういったものをこれまでも活用させていただいておりますので、引き続き、これについては、他のいい基準がないか、もちろん今後検討は必要かと考えておりますけれども、現時点ではこういった形で採用させていただければと考えております。
【河田座長】 よろしゅうございますか。
小林先生、どうぞ。
【小林(雅)委員】 ありがとうございます。今の件なのですけれど、実際の実施要領のところなのですけど、調査結果の取扱いというところでポジティブリストの話が出て、今の基準の話が出てくるのですけど、この関係が少し分かりにくいのですよね。
多分、意図としては、有効なもののみの中でポジティブリストを作るという、そういうことでまずよろしいのでしょうか。
【花田高等教育企画課課長補佐】 はい、おっしゃるとおりです。
【小林(雅)委員】 そこのところが、この書き方だと分かりにくいのですよね。ですから、もう少しそこを明確にしていただけると、今の御質問にも回答になるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
【河田座長】 それでは、その辺は文部科学省のほうで考えていただいて、一応私も目を通しまして、先生方に、こういう形にしましたという御報告をするという手続を取りたいと思います。
【小原委員】 河田先生、ちょっと言葉尻をつかむようですけども、ポジティブリストのポジティブというのはどういう意味なのでしょうか。
というのは、ポジティブリストがあるということは、暗にネガティブリストもあるということですよね。それは第2次調査でどこかの研究者がデータを使って、文部科学省はポジティブリストでこれだけ挙げましたが、その反対にネガティブリストもありますよと出されるのではないかなという気もします。それはどういう意味でポジティブであり、その反対であるネガティブというのはあるのかないのかという、この辺ははっきりさせておかないと、データが独り歩きしてとんでもないものに使われるのではないかなという懸念は残ってしまうのではないでしょうか。
【花田高等教育企画課課長補佐】 ポジティブリストというのは、出し方については改めてこの有識者会議で御議論いただく予定でございます。第4回の試行の結果についてもポジティブリストは対象になっておりますので、改めてこの有識者会議において御議論いただきまして、やはり一定数の母集団が得られる中での、分母がある中での、どこで切るか、上位をどこで定義づけるかというところは、ポジティブというのが概念になるかと思っております。
一方でネガティブの部分につきましては、基本的にはポジティブリストのみを公表し、結果公表の同意が得られた大学については、結果のよしあしはあまり関係せず、結果を公表してもいいという大学に関しては公表していくという形で我々考えてございます。
【河田座長】 今まで私が、これで12回目ですか、その中でネガティブリストを作るという話は全くなかったので、それは小原先生、御心配されなくてもいいかと思います。
むしろ推奨するという意味でのポジティブリストで、こういういいことをやっているから、これは小さな大学だけれどすごいよという、そういう形でのポジティブリストだというふうにこれまでは考えられてきましたので、ネガティブリストはないものとお考えいただいていいのではないかなと。
【花田高等教育企画課課長補佐】 一点補足させていただきます。データの取扱いについては、もちろん結果公表が得られた大学は公表していくのですけれども、結果公表を得られない大学に関しては対外的には公表しませんので、文部科学省の中で、公表されないものに関してはしっかり管理していきます。
【河田座長】 そういうことでございますので。
山田先生、どうぞ。
【山田委員】 今の小原先生の御質問にも関連して、花田さんのお答えにも関連した質問なのですけれども、今年から、例えば科研なんかで、データについて、結局オープンデータにしていくというようなことを非常に重視されるようになってきて、例えば私どもが行っている科研の中での国際比較のデータなども、それを例えば一般にも公表していくようにするのかどうかということを決めなければいけないような時代になってきているわけなのです。
そうなってくると、先ほどのこのデータそのものが、国の行うデータとして、公表しないところは公表しないということをおっしゃいましたけれども、一般の人たちが、それは公表すべきでオープンデータにするべきだとか、そういうことを言ってくる可能性というのがあるのかなと、ちょっと心配になったものですから、その辺りはどうなのでしょうかということをお聞きしたいです。
【河田座長】 その辺、いかがですか。
【髙見高等教育政策室長】 ありがとうございます。その辺り、また今日の御指摘を踏まえて、きちんと整理していきたいと思いますけども、基本的には、今回は我々としては、こういった条件の下で各大学に同意いただいて調査を行うという前提のものですので、その範囲内で情報を扱っていくということが、まず原則になってくるのではないかと思っております。
そういった意味では、御懸念のような点はないような形で考えていくということが、大きな方向としては考えられるところですが、いずれにしても、そこの辺りはきちんと整理してまいりたいと考えております。
【河田座長】 あと、何か先生方のほうで御意見ありましょうか。
では最後に、具体的な、もっとこれも聞いておきたいということがございましたら御発言いただいたらと思いますが。よろしゅうございますか。
【高橋委員】 すみません、ちょっと1点だけ。今回、この要領にはないのですが、今、補助金の申請等に当たって、申請要件のところに、令和8年度以降の全国学生調査本格実施においては、この答申を踏まえて、大学教育再生戦略推進費に係る申請採択等において、本調査への参加――本調査というのはこの全国学生調査ですが――への参加や結果公表を加点要素ないし要件とすることを検討していますと記載されていて、この辺りの情報は、どこまで今回、大学への周知をするときに出されるのかというのを確認させていただければと思うのですが、いかがでしょうか。
【花田高等教育企画課課長補佐】 この点はまだ検討中でございまして、今回は、この会議でお諮りさせていただきました令和7年度の実施要領につきましてお認めいただきましたら、この内容について大学に周知させていただくということでございまして、そちらのインセンティブの件は、また別の担当において検討中でございますので、結果が出次第、周知させていただくという形になっております。
【高橋委員】 ただ、こういうことが文部科学省の補助金等の公募要領等に記載されているので、やっぱり何か要領に書いておいたほうがいいのではないかとは思うのですが、いかがでしょうか。
【花田高等教育企画課課長補佐】 前回の実施方針を各大学に周知させていただきましたときは、その文言を事務連絡の中に入れさせていただいておりますので、御指摘の点、事務連絡という形で今後出させていただきますので、検討させていただきたいと思います。
【髙見高等教育政策室長】 若干補足なのですが、すみません、ちょっと構造が分かりにくかったかもしれませんが、資料3-1というのが実施方針で、これは全体の、これから何年かの大きな方針ということを定めたペーパーです。
今回御審議いただいた資料3-2というのは、令和7年度の本格実施の調査、今年度の調査についての説明ということになりますので、先生おっしゃっていただいている令和8年度の調査の内容については、また令和8年度の実施要領の中で入れていくのかどうかということを御審議いただくということになります。
ただ、先生おっしゃるように、そういったことはなるべく早くいろんな方に伝えることが必要だという御指摘は非常に重要だと思いますので、先ほど申し上げた通知の中等で、しっかりとそういった、可能な情報は伝えていくという形で考えたいと思います。
【高橋委員】 資料3-1の「参考」がありますよね。そこにある程度書いてもいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
【花田高等教育企画課課長補佐】 実施方針自体は資料3-1の1枚目と2枚目だけで、「参考」を添付することは可能でございますが、いずれにしても、何らかの形でお伝えする方向で考えたいと思います。
【河田座長】 その辺はまた、どういう形にしますというのは、御連絡を先生方にするということで御納得いただければと思います。
小林先生、何か。
【小林(雅)委員】 すみません、さっきの調査のやり方について、なかなか難しいということを申し上げたのですけれど、結局は、山田先生の最初の質問に関わるのですけど、もう全く別にやるのか、それとも大学の調査に文部科学省の調査を組み込むという、その2案になっているのですが、山田先生のほうから出ていたのは、文部科学省の調査に大学独自の項目を組み込むことができないのかという質問だったと思うのですけど、これはもう可能性としてなくなったということでしょうか。
【濱中オブザーバー】 それは可能で、そういうシステムを今回作ったのですが、まだ使い勝手がいま一つで、独自項目を追加してくれた大学……でも結構、何十校かあったと聞いていますけれど、本当はそっちにしていただけるとありがたいです。大きな大学は既にシステム構築しているからそれを使いたいというのはあると思いますが、これからという大学は、むしろ文部科学省のシステムに独自項目を付け足してくれるほうがはるかに効率はよいというふうに考えています。
【小林(雅)委員】 だったら、それを実施要領とかに入れなくていいのですか。もうこれはあくまで例外ということですか。
【濱中オブザーバー】 いや、入っていますよ。
【花田高等教育企画課課長補佐】 入れてございまして、実施要領の2ページ目のところに、調査方法1についてということで、インターネット(WEB)調査にて、大学独自の質問項目を追加で設定できるよう文部科学省において準備する。ただし、今後の委託業者との調整により変更があり得るという形になっております。
【小林(雅)委員】 分かりました。ただ、これも分かりにくい表現ですよね。3通り、ですからできるということですよね。
ただ、今、濱中先生からあったように、なかなか難しいところもあるということでこういう表現になっているかもしれませんけど、もう少しそこの部分をクリアにしたほうが参加しやすいのではないかという気はしますが、これは意見ですので、検討していただければと思います。
【河田座長】 じゃあ、そこは検討してもらうということで。
【高橋委員】 今の2ページの一番最後にあるやつは、4の調査方法の1のところに書いてある留意点のほうに書いたほうが分かりやすいのではないかですかね。
「調査方法1について」と書いてあったり。そちらのほうに移してもらったほうがよいかと思います。
【河田座長】 じゃあ、そこのところは直していただいて、先生方に見ていただくという形にしたいと思います。
よろしゅうございますか。
両角先生、どうぞ。
【両角委員】 ありがとうございます。先ほどの高橋先生のところと同じところが実はずっと気になっていました。以前も事務連絡のような形でかなり重要なことが書いてあって、びっくりした大学関係者がかなりいました。うちの大学でも驚いた担当者から私のところに問合せが来て、私も驚きました。今おっしゃられた、別のところで議論するというのが、どこで議論して、いつぐらいに分かるのかみたいなことは、やはり参加する大学、これから検討するというか、参加せざるを得ないような感じにだんだんなっていますので、もう少し説明を丁寧に書いたほうがいいのではないかなということは前から疑問に感じておりましたので、意見として改めてここでお伝えさせていただきました。
【河田座長】 じゃあその辺も。
【髙見高等教育政策室長】 先ほどの資料3-1の参考に移すかどうかも含めて、きちんと伝わるように工夫をしたいと思っております。改めます。
【河田座長】 そういうことでよろしゅうございますか。
小原先生、どうぞ。
【小原委員】 ちゃぶ台返しと言われればちゃぶ台返しになるかもしれないのですけども、実際データを分析するのは委託業者と言っていましたよね。この業者って、どういう業者なのですか。
そこからデータが流れて、コンサルティング会社のほうに流れる懸念というのはまだあると思うのです。私もこれ、聞いた話ですけれども、タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの調査があります。そこのランキングを少し上げませんかという業者が必ず出てくるのです。
同じように、これでポジティブリストに入らなかった大学に対して、このようにやったらいいのですよという業者が入ってくることはないというか、その業者が本当にきちっとデータを管理して、漏れないようになっているという、勝手に2次利用しないという保証というのはどこかあるのでしょうか。
【河田座長】 その辺、どうですか。
【花田高等教育企画課課長補佐】 この点については、そういったことは全くございません。委託業者とも我々はしっかりとした情報管理をするような形で契約を結んでございますので、そういったことは全くございませんので御安心いただければと思います。
【小原委員】 東京都が英語試験でどえらい事態になりましたよね。いわゆる業者に投げて。そのようなことはないし、その業者というものもどの程度信用できる業者なのかというのは、この辺は文部科学省はきちっと責任を持って選定しているんでしょうか。
【花田高等教育企画課課長補佐】 はい。こちらも、委託業者を入札公告なり、きちんとした手順で選ばせていただいておりますので、その中に情報管理といったところも含まれてございますので、その点については対応しております。
【河田座長】 ということでございます。
あと、何か御意見ございますか。
それでは一応、今日、いろいろ本格的なというか、根底に関わるような御質問あるいは御意見も出ましたので、それを基にしながら、御報告をきちっとさせていただきたいということでございます。
一応、実施要項についての修正につきましては、今日の意見を基に修正したところをきちっと明記して、こういうふうにしたということを私も見せていただいて、先生方に報告して、御納得いただきたいというふうに思います。
ありがとうございました。それでは最後に、事務局のほうから、事務連絡という形で御報告をお願いしたいと思います。
【花田高等教育企画課課長補佐】 本日は非常に活発な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。本日御発言できなかった内容等ございましたら、事務局まで御連絡ください。
次回の会議につきましては本年の7月頃を予定しており、日程等につきましては改めて御連絡をさせていただきます。
なお、最後に御報告がございます。これまで、全国学生調査の立ち上げから第4回試行実施まで高等教育企画課が担当してまいりましたが、全国学生調査の本格実施が開始される本年の秋以降に関しましては、所管課が大学振興課に変更になる予定でございます。
本日は石橋大学振興課長に御出席いただいてございますので、簡単に御挨拶をお願いいたします。
【石橋大学振興課長】 ありがとうございます。大学振興課長の石橋でございます。
この学生調査に関しましては、私個人的には立ち上げに関わっておりましたので、このたび再度担当させていただけるということで、大変光栄に思っているところでございます。
先生方にはここまで、本当にこれを本格実施に導いていただいたことを心から感謝申し上げます。課題となることは、まだいろいろあるかと思いますけども、先生方と引き続き御議論させていただきながら、よりよい学生の声が大学教育に反映されていくように、そのような調査にしていけるよう努力してまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【河田座長】 ということでございます。これまでも関わってこられた大学振興課長の石橋さんが担当ということになります。
どうも今日はありがとうございました。これで本日の会は終わらせていただきます。では、失礼をいたします。
―― 了 ――
高等教育局高等教育企画課高等教育政策室