「全国学生調査」に関する有識者会議(第5回)議事録

1.日時

令和4年1月13日(木曜日)10時~11時

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 座長の選任等について
  2. 「全国学生調査(第2回試行実施)」について
  3. 第2回試行実施に係る今後のスケジュール(案)について

4.出席者

委員

河田悌一座長
奥明子,岸本強,小林浩,小林雅之,高橋哲也,竹中洋,田中愛治,千葉吉裕,服部泰直,両角亜希子,山田礼子の各委員

文部科学省

(事務局)西田高等教育企画課長,柿澤高等教育政策室長,髙橋高等教育企画課課長補佐,大和田高等教育政策室企画審議係長ほか

オブザーバー

 濱中  義隆氏

 

5.議事録

(1)座長の選任等について
 委員の互選により,河田委員が座長に選任された。また,事務局から,資料1-2「全国学生調査」に関する有識者会議運営規則(案)について説明があり,原案のとおり決定された。また,運営規則に基づき,この時点から会議が公開された。

(2)「全国学生調査(第2回試行実施)」について
【河田座長】  それでは改めまして,全国学生調査の第2回目の試行実施について,これから会議を始めたいと思います。本会議の座長に選任していただきました河田悌一でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは,議事を始めたいと思います。本日は第2回の試行実施を目前に控えまして,昨年度からの懸案事項でありました新型コロナウイルス感染症の影響に関する質問項目についてと,文部科学省において全国の大学,短期大学に対して実施した参加意向等の調査の結果というのを資料に基づいて確認したいと思います。
 この資料につきまして,髙橋企画課課長補佐から資料2に基づいて御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【髙橋高等教育企画課課長補佐】  資料2-1から2-4を使って御説明したいと思いますが,その前に参考資料2を御覧いただければと思います。
 こちらの参考資料2は昨年度,令和2年度に実施しておりました有識者会議で議論いただいたまとめでございます。おおよそ1年ぶりの会議となりますので,おさらいを含めて昨年までにどのような議論がなされたかということを確認して,そこから御説明させていただければと思います。
 昨年度の議論においては,全国学生調査の目的については,学修者本位の教育への転換を目指す取組の一環として,学生の学びの実態を把握することにより,各大学の教育改善に生かす,我が国の大学に対する社会の理解を深める一助とする,今後の国における政策立案に際しての基礎資料として活用するという目的において,第1回の試行調査を実施したところです。
 ここに関して,この点線囲みの中の下から二つ目のポツ,下線を引いてあるところですが,目的としまして,丸4,学生からの本調査についての意見として,これまでの自身の学びの状況や大学生活を振り返ることができたという声がありましたことから,本調査を通じて学生一人一人が振り返りを行うことにより,今後の学修や大学生活をより充実したものにしてもらうこと,卒業後の進路等を考える上での一つの契機としてもらうことといった,学生目線からの意義を目的に加えようという意見をいただいたところでございます。
 また,次のページでございますが,調査対象・時期・方法等については,点線囲みの中,一つ目のポツでございますけども,まず試行実施の間は全ての大学で,短期大学も含むものを調査対象とすると。
 2ポツでございます。第2回の試行実施から短期大学を対象に加える。あと対象学年でございますけども,2ポツの続きですが,大学は2年生と最終学年の学生全員,短期大学は最終学年の学生全員を対象とするという形で御意見をいただいていたところでございます。
 かいつまんで進めますが,3ページ目,論点3,回答方法については,匿名によるインターネット調査というものを維持することが妥当であろうというふうに御意見をいただいておりました。
 また論点4,質問項目についてでございますが,今後の方向性といたしまして,この下線部,問1,問2,問3,問4とあったときの問4の部分,大学での学び全体を振り返ったときの実感・意識というものを新たな項目として立てさせていただくということ,あとその他,コロナ禍を踏まえた質問項目について,第2回の試行実施までに検討をするというようなことで結論をいただいていたところでございます。
 また,次のページでございます。公表内容・方法についてですが,数字でございますので詳細なところまでは省きますけれども,集計基準として,真ん中のところの括弧に書いてあります基準を用いましょうということで合意をいただいたということ,この基準については,第2回の結果の検証を踏まえて改めて検討しようということ,この試行実施の間は,大学・学部単位での公表を行うことはせずに,回答の集計を行う際に,この基準を使いましょうということでございます。
 公表単位についてでございますが,4ページの点線囲みの一番下のポツですけども,本格実施においては大学・学部単位で調査結果を公表することを前提といたしました上で,その際,結果の数字の羅列だけではなくて,調査の結果の見方等と併せて結果に関する大学等の取組を記載していきましょう、大学・学部間で順位づけをするようなものではなくて,各大学の強み・特色の発信につながるよう特段の工夫をして示していく、そのやり方についても検討が必要、というような形で御議論をいただいていたところでございます。
 そのため,今回の第2回の試行調査においては,各大学,各学部の結果を公表するという前提には立ちませんが,フィードバックされた各大学が自ら公表することは差し支えないものということで御議論をいただいておりました。
 最後,5ページ目でございます。論点6の今後の方向性のポツの下半分ですけども,特に本調査に大学独自の質問項目を設けられるようにするかどうかというところについて御議論いただきましたが,こちらは大学のニーズを確認した上で,質問項目数があまりに多くならないように気をつけながら,第3回の実施まで,次回までに検討させていただくということで議論いただいていたところでございます。

 長くなりましたが,これを踏まえて今回,第2回の実施について事務局の方から案を作成いたしましたので,提示させていただくものがこの資料2でございます。
 まず資料2-1で,実施概要でございます。背景・目的のところは,先ほどの丸4の学生一人一人にとってこれまでの学びを振り返ることで,今後の学習や大学生活をより充実したものにしてもらうことというような目的を1個追加させていただいたということ。
 2番,調査対象については,参加意向のあった大学の学部に在籍する2年生及び最終学年生,今回は2学年を対象とすることといたします。また,短期大学が今回から調査対象に追加されておりますけれども,短期大学については標準修業年限が2年ということで,最終学年生のみを対象として実施するものとしております。
 調査方法については引き続きインターネット,ウェブでの調査ということにさせていただこうと思います。
 調査実施時期についてですが,こちらは前回の議論の中では11月という,前回の試行実施の時期と合わせてというような御意見もあったところではありますけれども,今年度前半における新型コロナウイルスのまん延の状況等で,調査の実施等が実際にできるかという形で判断に時間を要しましたので,1月31日から2月28日ということで現行案として御提示させていただきます。
 資料2-1,裏面でございます。質問項目について。御意見をいただいて質問項目が増えた結果,現在,選択式で問数としては60問,自由記述式は2問ということで,かなり増えた形にはなっているところでございます。
 また,調査結果の取扱い等については,先ほど御説明させていただきました昨年度の議論を踏まえてという形でまとめさせていただいているところでございます。
 実施概要については以上でございます。
 資料2-2でございます。今回既に12月に各大学に意向確認を行ったところでございます。まだ回答が返ってきていないところがありますが,1月11日現在,今週の火曜日時点の結果でございます。今のところ参加意向を示している大学は568校,これは778校から見ると73%に当たります。現時点で,前回515校の参加希望でしたので,それよりは多くの大学が参加意向を示していただいている形になります。これに伴い,対象学生数はこの568大学に在学する学生の数を足し上げますと,おおよそ92万人が調査の対象となります。
 同じく短期大学については315校中の147校,46.7%が参加意向を示している。対象としましては最終学年ということで,2.4万人が対象になるというような形での参加の見込みでございます。
 またこの際,不参加の理由というのをきちんと聞いた上で,それを今後の調査設計に生かしていくべきという御意見が昨年度までの議論の中でございましたので,不参加の主な理由について以下に示してございます。
 一番多いのが,学生の負担を考慮しますというものが,大学7割,短大6割と。また次が,学校独自で同様の調査を実施しているというのが,大学5割,短大4割,そのほか案内等の事務負担を考慮,団体等の同様の調査に参加しているという回答がございました。
 また,その他といたしまして,実施時期が期末試験や国家試験,春季休業期間と重なって回答者の確保が困難であるため,あるいはコロナ禍の状況であることから,本来の調査結果が得られない可能性があるということ,また,ほかの調査との重複があると。また,大学独自の質問項目を追加できないと。現時点,追加できる形にはなっておりませんので,追加できないためというようなことが理由として挙げられているところでございます。
 これを踏まえて資料2-3,2-4というのは,実際に学生に聞く質問項目の案でございます。見え消しになっております資料2-3を基に説明をさせていただければと思います。
 前段のところは飛ばさせていただいて,問1以降のところでございますけれども,これは前回実施のものに比べて変更があったところを赤字で見え消しにして資料を作成してございます。
 問1,「大学に入ってから受けた授業で,次の項目はどれぐらいありましたか」と問う質問においては,5番の「授業内容やその分野を学びたいという意欲が湧く内容だった」という項目を追加,また「予習・復習などの自主学習について授業やシラバスで指示があったか」という7番の項目を追加させていただいています。あと,細かなところの文言の修正等はほかの項目でも入れさせていただいております。
 また問2については,「大学に入ってからどのような経験があったか」と聞く設問でございます。こちらでは14番で,「大学生活全般について相談をする機会がありましたか」というような問いを追加しているところでございます。
 また次のページ,2ページ目になりますが,18番,「授業時間以外で他の学生と一緒に学習する機会はありましたか」という問いを追加させていただきました。
 また,21番から23番にかけてでございます。海外留学に関する質問については,今回調査対象とした短期大学を念頭に,3か月未満の海外留学を追加させていただきました。また,23番においてはオンライン履修というものが増えているような現状を踏まえまして,海外大学等が提供するオンライン授業,いわゆるオンライン留学というような機会があったかどうか,オンラインでの海外の大学等の学生と交流する機会があったかどうかという設問を追加してございます。
 次,問3のところでございますけども,時間に関するものは問題の構成を変えまして後ろに移動させておりますので,後で説明をさせていただきます。
 改めて新問3でございますけども,「大学教育を通じてどのような知識や能力が身についたか」という設問です。こちらは基本的には文言の整理で,あまり変わってないような形になっておりますが,3ページ目の33番のところ,「統計数理の知識・技能」としていたところを,「統計などデータサイエンス」というような文言に変更させていただいているということ,あと,35番のところが新設で,「答えのない問題を自分の頭で考え抜く力」,こういう設問を追加させていただいております。また,36番のところも「協働する力」としておりましたのを,「多様な人々の理解を得ながら協働する力」と修正をさせていただいております。
 問4につきましては,先ほどから申しておりますとおり,学生の方の経験についての問いというのを柱ごと新設しているところでございます。学生にこれまでの大学での学びを振り返ってもらうような設問項目になっています。
 こちらは全て新設ということになりますけれども,39番から46番,「具体的な目標・目的をもって主体的に学んでいるか否か」,「大学が学生に卒業時までに身につけることを求めている力を理解しているか否か」,41番,「授業アンケート等の回答を通じて大学教育が良くなっていると実感しているか否か」,42番,「教員が学生と向き合って教育に取り組んでいると思うか否か」,43番,「大学での学びによって自分自身の成長を実感しているか否か」,44番,「知識やスキルを組み合わせて一つのものをつくり出す力(デザイン力)が必要だと感じているか否か」,45番,「大学での学びを通じて社会に対する理解が深まっているか否か」,46番,「卒業後も主体的に学び続いていくことの大切さを感じているか否か」という項目を追加させていただいているところです。
 また,問5については前回からございました時間の使い方に関する設問でございます。こちらは前回の御議論を踏まえて内容等をかなり整理させていただいた形になっておりますけれども,まず47番,48番,49番まで入れまして,授業への出席,卒論・卒研・卒業制作というものに費やしている時間,予習・復習・課題など授業に関する学習で,卒業論文等は除く,授業の予習・復習・課題以外の学習というような形の学習関係を四つの項目に分けているところでございます。
 また51番,「部活動/サークル活動」で,52番,「アルバイト/定職」でございます。
 旧22番,「就職に関わる活動」というのは,今回最終学年の後期であるということと,前回の実績において,あまり平均的な時間という形で設問を立てたところ数字が出てこなかった,今回もあまり見込まれないであろうということから設問としては落としているところでございます。
 問6以降が今回,昨年度から宿題としていただいておりました,コロナ関係で設問を増やしましょうと言われていた部分で,当方で作成させていただいたものでございます。
 まず問6としましては,「今年度の授業期間中にキャンパスに通った日数は,1週間でそれぞれ何日くらいですか」と。これを「前期,後期にわたって週のうち何日キャンパスに行きましたか」というものを聞かせていただく設問を立てております。
 また,問7,昨年度と今年度に受けた授業のうち,次の授業形態の割合はそれぞれどのぐらいですかと。昨年,今年ということでちょっとスパンが長いのですが,同時双方向型オンラインとオンデマンドのオンラインというのをそれぞれ何割ぐらい受けましたか,受けた授業のうち,これらはどれぐらいの割合でしたかということを問う設問を立てております。
 問8についてでございますけれども,今回オンライン授業の中でも同時双方向とオンデマンドに分けて,それぞれどこが良かったですか,悪かったですかというのを対面授業と比較してお答えくださいという設問を59番,60番で立てさせていただいております。ここまでがコロナ関係で追加した問いということになります。
 問9,10に関しましては,それぞれ大学での学びについて,あるいはこの調査について学生から意見がありましたら教えてくださいという自由記述の設問でございます。
 このような形で現在,第2回試行実施の準備ということで御準備させていただきましたが,内容について御審議お願いいたします。

【河田座長】  ありがとうございました。ということで,資料2-1,2-2,2-3で特に昨年度,質問項目をどうしようかというので先生方から積極的な御意見が出て,特にコロナ禍の中でどういう学生生活を学生諸君一人一人が過ごしたのかを調査しようということで,先生方の御意見を基に文科省の方でまとめてもらったものであります。これにつきまして,先生方の方から御意見をいただければありがたいと思います。特に資料2-3を中心に御意見がいただければ結構かと思いますが,いかがでしょうか。
 今年初めて参加された京都府立医科大学の竹中委員,いかがでしょうか。

【竹中委員】  特に付け加えさせていただくことはございませんが,医学部はかなり学生にプレッシャーがかかっていたとは思うんですけれど,それは職業育成という意味もありまして,ある意味でこういったものを広く参考にさせていただくのはありがたいことだと思っております。

【河田座長】  ありがとうございます。では,ほかの委員の方々から御意見をいただければ。
 桜美林大学の小林委員,お願いいたします。

【小林(雅)委員】  非常にオンラインの関係が増えて,今の時期にちょうど聞くべきことが増えたと思うんですが,私が今単純に数えましたところ,大体18問ぐらい増えているんです。
 今回参加しなかったところも学生の負担というのは7割,6割ということで,やはりその辺りのことが気になりますので,所要時間10分ということで前回やったわけですが,これは大体10分で終わるかどうかということをお聞きしたいんですけど,その辺り,髙橋補佐,時間は計っておられますか。

【大和田高等教育政策室企画審議係長】  事務局から回答させていただきます。
 前回,令和元年度の際の質問項目が選択で35問と,講義形態の割合を入れていただくのが1問あって,36問あったと。プラス自由記述2問で,大体回答時間の平均値が6分台でございました。
 今回,単純に36問から60問,全体で見たら24問増える形になっておりまして,スムーズに回答いただければ10分程度になろうかと。ただ,その最後のあたりで良かった点,悪かった点とか,あと割合を考えるところで少し時間を要すればもう少し,もしかしたら11~12分かかってくる可能性はあるかなと見ています。
 以上です。

【河田座長】  ということで,10分ぎりぎりで何とかという感じかと思いますが,いかがでしょうか。

【小林(雅)委員】  それなら結構なんですけれど,最初に所要時間10分ということを学生にまず出していますので,あまり時間がかかると少し学生の方でも負担が多くなるということがありますので,今の御説明ですと平均的には10分ぐらいでできるだろうと。丁寧に回答した方についてはもう少し時間がかかるということなので,所要時間10分ということでよろしいかなと思います。
 以上です。

【河田座長】  ありがとうございます。

【大和田高等教育政策室企画審議係長】  事務局から一点,補足をさせていただければと思いますが,今回その所要時間も初めに書かせていただいたのと同時に,実際のアンケートの回答画面では,昨年度小林浩委員からも御提案いただいたのですが,回答の進捗状況が見えるようにした方がよいということでしたので,今,全体の何問目,60問のうち何問目を回答中というのを画面の一番上で見られるようにしています。その形で何となく終わりが見えるようなシステム設計は進めているところですので,その辺りでも途中離脱のことを考えたときには,多少防げるのかなと予想しています。
 以上でございます。
 
【小林(浩)委員】  ありがとうございます。私どもで特に高校生に対して調査をやるときは半分ぐらいまで回答したら,あと半分だぞ,頑張れみたいな挿絵を入れたり,あともう少しだみたいな回答するモチベーションを高めるような工夫をしております。大学生はもう少しレベルが高いとは思いますが,今のような,最後まで答えてねみたいなモチベーションを高める工夫は,やはり回答率を高めるためにあった方がいいんじゃないかなと思っております。

【河田座長】  なるほど。そうしたら,どこか途中ぐらいで,もうちょっと頑張ってねとか,その辺は若い方もたくさんおられるので,何か考えていただくということにしたいと思います。
 あといかがでしょうか。山田礼子委員,こういうことですが,いかがでしょうか。

【山田委員】  特にこれまでの質問項目などは議論してきたとおりでいいかと思うんですが,実はこの問8というのがコロナ禍の中での新しい質問項目だと思います。
 私のゼミの学生が3年生なんですけれども,プロジェクトをずっと行っておりますが,当初コロナ禍が収束したとすれば,対面教育に戻ってくることを学生たちがほとんど希望しているだろうという前提の下で100名ぐらいにアンケート調査をしましたところ,意外や意外で多くの,4年生と3年生を中心に行いましたので,対面を完全に経験している学生たちです。そうすると,オンラインの評価が非常に高かったということがありまして,今回4年生と2年生ということでこの質問調査をするわけですが,2年生がやっぱり全国的に見たときに対面教育を経験している比率がちょっと限定的になってくるので,4年生と2年生で結構この辺りの違いが出てくるかなとは思ったりします。予想ですけれども。その辺り,どういうように処理していくのかなというところもちょっと興味がございます。
 以上です。

【河田座長】  ありがとうございました。あと両角委員,いかがでしょうか。

【両角委員】  ありがとうございます。
 私も質問項目については大体よろしいかなという気はしたんですが,一番最初に小林雅之委員のおっしゃった負担の件がもしあるのであれば,問8のところで,同時双方向型とオンデマンド型の割合自体は問7で聞いていますので,もう一回ここでオンデマンドと双方向型でそれぞれに回答というのがひょっとしたらちょっとヘビーかな,もし減らすとしたら可能性としてはここではないかなというようなことを思いました。
 なかなか質問数をこれ以上増やすことはもうできないと思うので,全体としては,私はこちらでよろしいのではないかと思いますし,先ほど山田委員もおっしゃった,やはり2年生と4年生では随分違うので,結果を出すときには2年と4年というのは分けてちゃんと出さないと,意味が大きく違うのではないかなということは感じておりました。
 以上です。

【河田座長】  ありがとうございました。では,高橋委員,お願いいたします。

【高橋委員】  大阪府立大学の高橋です。今年もよろしくお願いします。
まず一点は,今の回答数が増えた部分なんですけど,これは途中離脱すると,データとしてはその部分は残らないんですよね。また入って途中から始めることはできないということでよろしかったでしょうか。

【大和田高等教育政策室企画審議係長】  そのとおりでございます。

【高橋委員】  そうすると,少し心配されるのは,逆に進捗が分かると,まだこれだけあると思ってやめてしまうという可能性はそれなりにはあるかなとは思います。60,これは増えているので,ここまで,まだ進捗がこれだけというのが見えてくると途中でやめちゃうという学生はそれなりに増えるかなと危惧しますが,途中まででセーブするのがシステム上できなければやむを得ないかとは思います。
 それと,具体的な質問のところで,問4の44のところに,これは事前に言えばよかったんですけど,「知識やスキルを組み合わせて一つのものをつくり出す力(デザイン力)」とあるんですが,このデザイン力というのがこの力を指すというのはあんまり一般的ではない気がするんですが,どうでしょうかという。

【河田座長】  たしか服部委員が言ってくださったので,ここにデザイン力というのを入れたという経緯でしたが,服部委員,何か御意見ありましょうか。

【服部委員】  すいません,ありがとうございます。確かに一般的に言うと,デザインと言ったときにどういうものをイメージするかというのは,それぞれすごく広い言葉なのであると思いますけども,よくイノベーションとか,今言っているアントレプレナーシップの話のときのデザイン力というのは,こういう一つのいわゆるイノベーションを起こす力ということでデザイン力というのを使っていると私は理解して,デザイン力ということで入れていただいたと思っていますけども,わざわざデザイン力を括弧で入れなければいけないかというと,そうではなくて,今,前の方で説明していただいているので,混乱をするのであれば,もうデザイン力というのを削除して,組み合わせて一つのものをつくり出すような力が必要かと。そこを聞きたいわけですので,言葉としてはそれほどこだわりませんので,ちょっと御検討いただければと思います。
 以上です。

【河田座長】  はい,分かりました。では,この件につきましては,括弧のデザイン力を入れるか否かはこちらでお任せいただくことにさせていただきます。

【高橋委員】  ありがとうございます。すいません,もう一点ですが,もともと今回オミクロンとかの急速な拡大とかは想定されていなかったので,先ほど話もありましたけど,入試に対する大学のいろんな負担と,それから特にこの後,2月,回答時期がいわゆる私学,国公立を合わせた大学の入試時期にもろにかぶっているので,ちょっと回答率自体を上げるのがかなり厳しいと思われます。
 先ほどの部分で,公表の基準等のところの数値で,前回からも回答率を上げることが課題だという話だったんですが,このタイミングはその部分に関しては非常に厳しいと思うので,その辺りは少し検討しないと,公表できる部分の割合が非常に減ってしまうという危惧もあるかなと思うんですが,そこの点はいかがでしょうか。

【大和田高等教育政策室企画審議係長】  事務局から回答させていただきます。
 ただいまの回答率に関する御懸念ごもっともと考えておりまして,ただ一方で,実際に調査を行った上でどれぐらいの回答が出てくるのか,また現行の集計基準に照らすとどれぐらいの結果というか,公表する数になってくるのかというのもちょっと状況を見て改めて検討したいと思いますので,また次回この有識者会議の場で結果を御確認いただいて,是非その際に御検討いただければと思っております。
 以上でございます。

【高橋委員】  分かりました。では,それは結果を見ながら,また基準等も検討していくということで了解いたしました。ありがとうございます。

【河田座長】  そうですね。とにかくやることの方が先かなという感じでございますので,そういうふうにさせていただきたいと思います。
 田中先生,どうぞ。

【田中委員】  全体に関しては非常によく質問票を作られたと思います。見え消し,資料2-3と2-4,両方拝見しましたけども,文言も非常に丁寧に直されていますし,前回までに私どもが申し上げたことをほとんど全部配慮していただいているようですし,また新しい質問も随分うまく入れていただいたと思って,非常によかったと思っています。
 私も世論調査を自分でやってまいりましたけれども,進捗状況を入れるというのは,コンピューターを使った調査をやったんです。対面でコンピューターを使った調査と,それからオンラインの調査を両方やっているんですが,やはり進捗状況のバーがあった方がよろしいです。どのくらい前に進んでいるかと見えるといいんですが,これが見えないと,12問目のときにあと何問あるか全然分からないわけです。
60問ですと言われていませんので,10分としか聞いていませんから,ですから,やっぱり15問だったら4分の1なのかということとか,30までくれば半分だということが分からないと多分めげてしまうので,30で半分だと思えば,まあ,やれるということで,電話調査でも大体10分から15分が限度と見ていましたので,今の若い子たちはスマホで答えるならば,多分ネット上でこれを10分で答えると思いますし,彼らの動きは我々より全然速いので,この60問10分は大丈夫。
 やっぱりおっしゃったように,両角委員が御専門のお立場から,問7が少し重複感があって重いかもしれないというのはおっしゃるとおりかもしれないと思いましたけれども,それ以外は大丈夫だと思います。
 あと二点だけちょっと申し上げます。最後のところで,「質問は以上です。御協力ありがとうございました。いただいた回答の集計結果は,文部科学省ウェブサイトで公表しますので,是非御覧ください」なんですが,この「公表します」のところは,括弧の中でもいいので,個別のことは一切出ませんということを一言断っていただかないと,自分の回答が分かっちゃうのと思ってしまうと思うんです。個人情報ですから。冒頭のところでもそこはあまりはっきりおっしゃっていないんです。「回答は匿名で所属大学へ提供し,活用していただきます」なんですが,あなたの個別の回答は一切公表されませんということは,冒頭のところでも,最後のところでも2回言っていただかないと,やっぱりその心配で答えない学生がいると思います。
 これが指導教授に見つかったら,授業を悪いと言ったねなんて言われちゃうんじゃないかという,学生はそういう恐れをかなり持っていますので。自分のゼミの先生に怒られちゃうんじゃないかとかいうことをよく考えていますから,是非そこは入れていただく必要があると思います。
 これは個別の,あなた個人の回答は決して公表されることはありませんし,どなたにも分かりませんという,大学の関係者どなたにもあなたの回答の内容は一切分かりませんということは,どこかに入れていただかないといけないと思います。

【河田座長】  はい,分かりました。いい御指摘をいただきました。確かに私のゼミ生でも多分そうだと思いますよね。

【田中委員】  もう一点は,私大連の今,会長を拝命しているんですが,会長になる前から私大連の中で相当強い意見が出ていましたのは,今回対応していただいていると思っています。
 各大学で「良い」が何%だったというようなことは公表しないとおっしゃっていただいていて,全体の数値が幾らかということで,それを各大学にはお知らせするので,自分たちが全体の中でどの位置にいるかということはよく分かると。それは大事だと思います。
 私大連の各学長先生たちはものすごくそれに反発していまして,これでまた順位をつけられて,偏差値とは違うランキングをつけられたらたまらないということをすごくおっしゃっていましたので,これはそういう目的ではなくて,学びをよくするために各大学がこれを参考にするということでございますので,ランキングではないということは今回明確に言っていただいているのでよかったと思っています。
 ただ,大規模大学とか,大都市圏かそうではないかということは区別した,全体集計とは別にそういう集計もあると,各大学にとっては自分たちはそのグループでどうなのかということが分かってよいと思うんですが,ともかく個々の大学が,例えば問7とか,問28では何位であるとか,満足度はどこが1番だったとかいうようなことは出さないでいただきたいというのは各大学が申しておりますので,そこは今回,公表はそういうふうにいたしませんということを文部科学省も一応おっしゃっているので非常に心強いと思いますが,そこは是非御留意いただければと思っております。
 以上でございます。

【河田座長】  ありがとうございました。確かにおっしゃるとおりですので,最初と最後,2度使ってもいいから,あなたの個別の意見が絶対に公表されませんということを入れさせていただきたいと思います。
 あと,ちょっと時間が押してまいりましたけど,何か特に御意見ございませんでしょうか。
 ありがとうございました。それでは,建設的な御意見をいただいたので,速やかに文科省の方としても第2回の実施が行われるように準備を進めていただきたいと思います。
 それではその後,スケジュールにつきまして,事務局の髙橋補佐の方から資料3に基づいて御説明いただきたいと思います。
 
(3)第2回試行実施に係る今後のスケジュール(案)について
【髙橋高等教育企画課課長補佐】  資料3を御覧ください。第2回試行実施に係る今後のスケジュールでございます。
 まず令和4年1月13日,本日でございますけれども,この第5回の有識者会議をさせていただきたきまして,今回,質問項目等についての御意見をいただきましたので,これを基に準備を進めてさせていただいて,示しておりますとおり,1月31日から2月28日の間で調査の実施をしたいと考えております。
 そちらの回答をいただいて集計等をした後で,4月か5月かという細かいところまでは未定なんですけれども,取りまとめましたら,またこのメンバーで有識者会議を開催させていただいて,結果の方の内容についてどのような形で公表するかとか,その数字がどうであったかというのを議論していただくような回を2回ほど設けさせていただければと考えているところです。夏にはその結果の公表にこぎつけたいと考えているところでございます。よろしくお願いいたします。

【河田座長】  ということでございます。何かこの進め方につきまして,先生方から御意見がございませんでしょうか。
 小林浩委員,どうぞ。

【小林(浩)委員】  小林でございます。このスケジュールの中というか,後になると思うんですけども,先ほど田中委員がおっしゃったように,大学の側からすると,これが新たな序列化とかランキングにつながるというのは非常に御懸念を示しているのもすごくよく分かる一方で,社会や保護者から見ると,逆に偏差値しかいまだに情報がないというのが実態だと思いますので,これはどこかがランキングをつくるということではなくて,積極的にこの会議なり,文科省の方から先に,この1回,2回の調査を経た上で,こう読むんだとか,調査結果からはこのような大学を見る視点があるとか,こういうところが改善ポイントだというようなシンポジウムなり,セミナーなりを,これだけの先生がいらっしゃるので,積極的にこちら側から発信していくということがいいんじゃないかと思います。
 どこかが勝手にランキングをつくるのは,多分それはそれでちょっと御懸念を示していると思います。こちらから主体的に発信していくというのを,是非この調査を分析した後にやっていくといいんじゃないかなと,一つの御提案ではありますが,申し上げたいと思います。

【河田座長】  ありがとうございます。良い御提案でございます。
 それからあと,田中委員,どうぞ。

【田中委員】  田中です。度々すいません。
小林委員のおっしゃるとおりで,非常にポジティブな御提言ありがとうございました。なるほどと思って拝聴しました。
 文部科学省としては,恐らくスケジュール的には,これ,1月31日より開始の前倒しはできないんですね。関西の大学は2月1日からもう入試が始まりますから,これは本当に3日でも早く,4日でも早く開始していただくと大分違うなと思うんです。無理ならば,開始は31日でも,学生にこれがあるよということは周知できるといいと思うんですね。入試期間に入る前に,こういうアンケートがあるよということを学生に周知していただければありがたいなと思います。
 もう一つお礼を申し上げたかったのは,今回今まで,昨年度相当議論したことを非常に緻密に実現していただいていると思っておりまして,感謝しております。非常によく調査票を作っていただきましたし,公表の方法も丁寧に考えていただいていて,私ども私大連としても大変ありがたいと思いますし,多くの大学がこれをプラスに,有効に使えるような調査の仕方を工夫していただいたと思っておりますので,感謝しております。一言お伝えしたかったと思っておりました。ありがとうございました。

【河田座長】  ありがとうございました。あと,短期大学の方の奥委員,何かございませんか。

【奥委員】  短期大学の方は今回初めての参加ということで,私の方もよくよくあんまり事情が分からないままこれまで参加させていただいてきたのですけれども,質問内容は非常に細かく,分かりやすく作ってくださっていて,短大生もこれであれば大丈夫,最後まで答えられるかなという感じは持ちました。
 あと,それから一点だけ,くどいかもしれませんが,先ほども個人情報,個人の名前は特定しないというのを最初と最後に2回入れた方がいいという御意見で,私もそう思うのですが,問1のところにもし可能であれば,「大学(以下含む,短期大学)」というのも入れていただければ,より短期大学生にも分かりやすいかなということは感じました。
 大学というので,全部大学になっていますけれども,最後も「この大学に入って」という文言があるのですが,問1のところで「大学(以下,短期大学)」と一言入れていただければ,ずっと短大生も含まれるのかなと短大生は思うのではないかなと思いましたので,そこをもし可能であれば入れていただければと思いました。

【河田座長】  もちろん可能です。

【奥委員】  質問内容は本当につぼを押さえていて,短大生も答えやすくて,先生方の御意見も全部入っていて,私どもの方も非常にいいなと,短大の方にも勧めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

【河田座長】  ありがとうございました。正に全大学ということで,国立,公立,私学,そして短期大学と,全ての大学がこれに含まれるということで,是非最初のところに,「以下,短期大学を含む」という形で出させていただきたいと思っております。

【奥委員】  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

【河田座長】  それからまた,終わった後に,これを基にしてシンポジウムとか,セミナー,まだ先の話ですけれど,是非それにつきましても文科省の方と先生方と打合せをさせていただきたいということで,次は4月から5月頃ということ,それから6月から7月頃ということで,これは一応今のところは非公開という形でさせていただくというふうに思っております。
 あと,よろしゅうございますでしょうか。小林雅之委員、どうぞ。

【小林(雅)委員】  すいません。今の奥委員のことなんですけれど,そもそも大学と短期大学は違う見え方をすると思っているんですが,例えば学部ではなくて,学科が出るわけですから,大学用と短大用はもう分けて,ある程度調査票が作られると考えていたんですけど,そうではないんですか。
【大和田高等教育政策室企画審議係長】  事務局から回答させていただきます。
 今のところ,例えば質問票の1,2,3の部分で「在籍する学部(学科)」ということで,短期大学を見据えてこの文言を入れていたところだったんですが,基本的に質問回答用のウェブサイトは大学,短大ごとに作成しますので,今,小林雅之委員がおっしゃっていただいたように,少しそこを変える,大学は大学,短期大学は短期大学で学科という形に変えるということも技術的には可能ですので,検討させていただければと思います。
 以上でございます。

【河田座長】  ありがとうございました。ちょうど時間となりましたので,議事は以上で終わらせていただきます。
 最後に何か事務局の方から連絡事項がありましたら,大和田係長,よろしくお願いします。

【大和田高等教育政策室企画審議係長】  事務局でございます。本日は限られたお時間の中,活発な御議論をいただきまして誠にありがとうございました。
 次回の会議につきましては,また今後日程照会をさせていだきますので,御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それから一点,すみません。YouTubeライブ配信を御覧になっている方におわびを申し上げたいのが,この会議,途中でシステムエラーにより配信URLが変更になってしまったという事情がございまして,御覧の方に御迷惑をおかけしたことをここでおわび申し上げます。
 以上でございます。

【河田座長】  ありがとうございました。それでは委員の方々,お忙しい中,ありがとうございました。本日の議事を終わらせていただきます。失礼いたします。
 
―― 了 ――
 

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