大学入学者選抜における多面的な評価の在り方に関する協力者会議(第12回)議事録

1.日時

令和3年3月26日(金曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省13F3会議室

3.議題

  1. 審議のまとめ(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

(有識者委員)圓月主査、川嶋委員、明比委員、石崎委員、井上委員、柴田委員、柴原委員、髙井委員、田中委員、長塚委員、西郡委員、星野委員、牧田委員、巳波委員

文部科学省

森田大臣官房審議官、西田大学振興課長、前田大学入試室長 他

5.議事録

【圓月主査】
 それでは,ほぼ定刻となりましたので,出席予定の委員の先生方も皆さん御出席いただいていると思います。ただいまより,第12回大学入学者選抜における多面的な評価の在り方に関する協力者会議を開催いたします。
 本日の運営形態及び出席者等につきまして,事務局から御報告をお願いいたします。
【小川大学振興課専門官】
 事務局の小川でございます。本日の会議も,引き続きウェブ会議の形で開催させていただきます。委員の皆様におかれましては,御多忙の中,遠隔での御出席をいただきまして,誠にありがとうございます。
 本日も傍聴者,報道関係者の入室は認めておりませんが,今,YouTubeでライブ配信をしております。また,議事録は後日ホームページへ掲載することとしたいと思います。
 以上のような方針で進めさせていただきます。
 本日は髙田委員,垂見委員が欠席でございます。
 議事に入る前に連絡事項がございます。
 前回までと同様,聞き取りやすいようはっきり御発言いただく,発言の都度お名前をおっしゃっていただく,資料を参照する際は該当箇所などを分かりやすくお示しいただくなどの配慮をいただくようお願いいたします。また,発言を希望される場合は「挙手」ボタンをお願いいたします。
 本日は事務局に初等中等教育局教育課程課も参加しております。
 以上でございます。
【圓月主査】
 それでは,早速ですが議事に入らせていただきます。
 本日は「審議のまとめ(案)」について,前回の会議の議論を踏まえまして,私及び川嶋副主査,事務局にて相談した上で,一部修正しておりますので,これを基に議論を行っていただきたいと思います。
 まず,事務局から資料の説明をお願いいたします。
【小川大学振興課専門官】
 事務局でございます。資料1「審議のまとめ(案)」に基づきまして,説明をいたします。ただいま圓月主査からお話がありましたように,前回の議論を踏まえまして審議のまとめ(案)を修正しまして,主査,副主査,事務局で整理をいたしました。さらに,会議前に何人かの委員から御意見を頂いておりまして,そちらも反映させていただいております。主な変更点を中心に説明をいたします。見え消しの部分を中心に説明をいたします。
 まず1ページ目の1ポツ,検討の経緯というところは,こちらの表現の適正化を図っているものでございます。
 続きまして,1ページの一番下の部分,脚注の部分でございますけれども,こちらの脚注,以前1と2の2つの表記をしておりましたが,両方とも「学力の3要素」に関する説明でありましたので,統合しております。
 続いて,2ページ目でございます。2ページ目につきまして,1ポツの一番下の丸ですけれども,「今後,文部科学省においては」云々というところでございます。こちらにつきましては,この協力者会議として,文部科学省に今後求めるということを追記しているものでございます。
 続きまして,3ページに移ります。3ページ目の上の丸,「志願者の中には」というところでございますけれども,こちら,前回,牧田からの御発言を踏まえまして,追記をしたものでございます。志願者の中には,将来の進路選択や目的意識を明確に持った上で大学に志願する層がいる一方,必ずしもそうでない者がいるということを明記しているものでございます。
 続きまして,3ページの一番最後から4ページにかけてでございます。「このうち学校推薦型選抜については,推薦書において,入学志願者本人の学習歴や活動歴を踏まえた学力の3要素に関する評価を記載するとしている取扱いは継続することが適当である。」というふうに追記をしております。こちらにつきましては,長塚委員からの指摘を踏まえまして,この取扱いについては引き続き継続するということを明確にしたものでございます。
 この点に関して補足いたしますと,参考資料5,平成29年7月に発出いたしました,いわゆる予告の通知を御参照いただければと思います。
 こちらの最後のページ,4ページ目の一番上,(2)に推薦書の見直しという項目がございます。こちらの平成29年7月の予告の際に,学力の3要素に関する評価については,推薦書に記載を必ず求めるというような形にしておりました。
 これを受けまして,資料2に変わりますけれども,こちらが昨年6月に発出した大学入学者選抜実施要項になりますけれども,こちらの実施要項の本体の2ページ目の一番下のほうになります。こちら,(2)に,学校推薦型選抜という項目がございまして,ここのマル2において,学力の3要素に関する評価については記載を求めるとしており,「必ず」という文言は,長塚委員御指摘のように,確かになくなってはいるんですけれども,基本的には,各大学は推薦書の中に記載を求めるというような意味合いになっておりますので,こちらを御理解いただければと思います。
 続きまして,5ページに移ります。5ページの中ほどの「この点に関しては」という丸でございます。こちらにつきましては,前回,柴田委員,西郡委員などから発言がありましたけれども,1個前の丸を受けての記載しているものでありまして,意図が明確になるように表現を適正化したものでございます。
 続いて,同じく5ページの2つ下の丸,また,「主体性を持ち」云々というところでございますけれども,こちら,前段部分の過度な動機付けに関する記載に関しましては,表現の適正化を図ったものでございます。
 後段の「目的」あるいは「過程」というような表現が修正前にはあったんですけれども,こちらについては,委員から,例えば,目的は学習過程の中で変わりますが,動機は変わらない,評価の対象にしやすいので,目的という言葉よりは動機に修正してはどうかというような意見もございました。また,過程の部分については,前回,星野委員からの御発言もありましたけれども,未達の場合もニュアンスとして含められるように,「達成に向けての過程」というような表現にしているところでございます。
 続いて,次のページ,6ページ目をお願いいたします。6ページ目の一番上の項目ですけれども,こちらの「可能な限りわかりやすく明らかにする」というようなことで,前回議論がございました。こちらにつきましては,前回石崎委員から指摘がありましたように,こういった記載をした基となる話については,高校側の不安にどういう対応をするかというようなことがございましたので,特に修正はせずに,このまま「可能な限り」という表現にしております。前回,星野委員からも御指摘がございましたけれども,基本的には大学の裁量で行われる部分だと認識しておりますので,あまり具体的過ぎる表現も避けるべきなのではないかと考えております。
 続きまして,7ページに移ります。7ページ目の2つ目の丸の「特別選抜」という文言を削っておりますけれども,こちらは大学入学者選抜実施要項上は定義がない,記載がない言葉ですので,削除しております。
 もう1点,その下の3ポツのタイトルでありますけれども,こちら,表現の適正化を図っておりまして,「調査書及びその電子化の在り方について」というタイトルにしております。
 その下の(1)の部分ですけれども,こちら,表現のばらつきがございまして,基本的には,「新学習指導要領」という言葉で統一をしているものでございます。
 続きまして,7ページの一番下の丸,「他方」,8ページにかけてのところでございます。こちら,観点別学習状況評価に関する事項でございますけれども,ここは修正前には丸が2つありましたけれども,その2つの丸を統合しております。
 前段の部分でございますけれども,前回御指摘のありました,高等学校における観点別学習状況の評価の状況がどうなっているかということについて追記をしたものでございます。具体的には,7ページ目の一番下からですが,高等学校においては,中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会の報告などを踏まえて,新学習指導要領の下で観点別学習状況の評価を更に充実し,その質を高めるための取組が開始されたばかりであることや,大学入学者選抜における観点別学習状況の活用手法が確立されていない状況にあるというように修正をしております。
 続いて,後段の部分でございますけれども,大学は各高等学校の運営方針,育成しようとしている資質・能力を把握することは現実的には難しいという指摘もございましたので,その文言を修正しております。
 8ページ目の2つ目の丸,「ただし」のところでございますが,こちら,以前に調査書に観点別学習状況の評価の項目を直ちに設けないことで,高等学校側に誤ったメッセージにならないか懸念をしているというような意見がございましたので,こちら,ただし書きを追記したものでございます。
 続いて,10ページ目でございます。10ページ目の中ほど,「その際」の丸でございます。こちら,前回,井上委員からの指摘を踏まえまして,調査書の電子化の部分について修正しております。さらに,柴田委員や長塚委員から御指摘がございましたけれども,調査書以外の志願者本人が記載する書類や推薦書等の電子化についても,併せて記載するものでございます。
 最後に,文案には記載がない件で補足でございますけれども,前回の会議の際,西郡委員から,調査書の枚数制限についてはどうするかという質問がございました。また,井上委員から,高等学校においてリモート授業を実施した際に,指導要録に別紙を添付することになったが,調査書ではどう扱うかとの質問がございました。こちらにつきましては,あくまで事務局の考えでございますけれども,前者につきましては,この会議では大きな方向性を示しまして,技術的な点につきましては,今後通知に落とし込む際に,改善協議の議論に委ねてはどうかと考えております。後者につきましては,こちらは令和6年度に実施する入試の話ではございませんで,来年度,令和3年度に実施する入試の話ですので,これも改善協議で議論をしてはどうかと考えております。
 私からの説明は以上でございます。
【圓月主査】
 どうも御丁寧な説明をありがとうございました。
 それでは,今回も原則といたしまして,項目ごとに順番に審議をしていただきたいと思います。まず,「1.はじめに」「2.大学入学者選抜における多面的・総合的な評価について」御審議を行いたいと思います。ただし,先回もございましたとおり,3とのいろいろな関連性というものもあるかと思いますので,その場合には,弾力的に指示をしていただいて御発言いただければと思います。よろしくお願い申し上げます。
 それでは,西郡委員,よろしくお願い申し上げます。
【西郡委員】
 言葉の確認だけさせてほしいんですけれども,「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」というのが表現される一方で,選抜実施要項とかでは,「協働しつつ学ぶ態度」というふうな表現がされています。これは今後「しつつ」のほうに合わせて表現していくという理解でよろしいでしょうか。確認です。
【圓月主査】
 ありがとうございました。
 事務局のほうはいかがでしょうか。
【小川大学振興課専門官】
 基本的には,大学入学者選抜実施要項の表現に合わせていくというふうに考えております。
 以上でございます。
【圓月主査】
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 ほかに御意見,御質問等ございましたら,よろしくお願い申し上げます。
 星野委員,よろしくお願い申し上げます。
【星野委員】
 星野でございます。修正をありがとうございました。
 5ページ目の下から2つ目の丸の,また,「主体性を持ち」というところでございます。それから,私が前回の会議で,過程の振り返りなどもということで意見を述べさせていただきましたが,今回,「目標達成に向けての過程なども併せて」ということで,ここの文言で,振り返りなども含めた形ということで理解をさせていただくということでよろしいでしょうか。確認です。
【圓月主査】  
 ありがとうございます。そのとおりで結構かと思いますけれども,事務局のほうから補足ございますでしょうか。
【小川大学振興課専門官】
 事務局でございます。事務局としても,そのように考えております。
 以上でございます。
【圓月主査】
 ありがとうございました。
 ほかには御意見ございますでしょうか。
 柴田委員,お手を挙げていただいたと思っております。よろしくお願い申し上げます。
【柴田委員】
 漠然とした話ですけれども,検討の経緯という項目立てをしていただいたので,確認なんですけれども。当初,これは改善協議の場の専門委員会のような形で設置されて,それが途中から,圓月先生座長のまま協力者会議ということになったんですけれども。検討の経緯の最後のところに,改めて丸で,「今後,文部科学省においては」ということで,この「審議のまとめ」の内容を十分に踏まえた検討を求めたいということが出たということで,この会議の位置付けといいますか,そういうものがもうちょっとどこかで明白に書いていたほうが分かりやすいのかなという気がしたんですけれども,そのあたりはいかがでございましょうか。
【圓月主査】
 どうも貴重な御意見ありがとうございます。
 事務局のほうとしては,どのようにお考えでしょうか。よろしかったら御説明をお願いしたいと思います。
【小川大学振興課専門官】
 事務局でございます。
 今,柴田委員から御指摘がありましたように,この会議につきましては,もともと改善協議の下にあった電子調査書ワーキングというものがある意味母体になっておりまして,電子調査書の関係だけではなく,多面的評価全般的に審議が必要ということで,昨年の2月に設置されたというような経緯がございます。
 今,柴田委員からの御指摘につきましては,どのような形で反映させることができるか,検討させていただきたいと思います。
 以上でございます。
【柴田委員】
 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【圓月主査】
 御意見,確かに承りました。ありがとうございます。
 それでは,長塚委員,よろしくお願い申し上げます。
【長塚委員】
 長塚です。6ページの上のほうにある志願者本人が記載する資料の活用に関することなんですが。
 資料2の25ページに,実施要項の別紙様式として,活動報告書のイメージ例というのがあるんですね。今回,調査書の変更案のページはあるんですが,活動報告書のイメージ例というのは,次回の実施要項に付けるのか。付けた際にも,こういう活動報告書のイメージ例という内容でいいのか。ここの志願者本人が記載する資料の活用といったときに,大事なものの一つだと思うわけです。
 調査書のほうで,指導上参考となる事項というところを,新しい指導要録に合わせて,今,今年から区分されて細かく書くとなったところが,以前のように大くくりになったわけで,具体的な内容というか,本人が活動した,特に学校外の活動などは,本人から出してもらおうということになりましたので,活動報告書の,ここではイメージ例と言っていますが,こういうものが今後も必要ではないか。つまり,大学さんにとっても,ある程度このような内容が基準として示されていることは必要ではないか。志願者からすると,一体どんな内容を活動報告書などに求められるのか。調査書ではなくて,本人に求めることが多くなったとして,受験段階で示されればよいということになると,こんな活動が本当は求められていたんだとか,こういう記録が必要だったんだということになりかねない,やはり最初の段階から分かっていることが大事だと思うんですね。
 今回,このイメージ例というのは今後も生かされるのか。そして,意見としては,このイメージ例などを参考にして,大学が志願者に求めていく内容をあらかじめ示していく。これ以外のものを求めていくようであれば,できるだけ早く,在学中の過程の中で,そういう記録も取りながら,出願の際に記録を基に大学側に出せるというふうにしていかないといけないのではないかと。このことがちょっと気になっていたものですから,申し上げました。
 以上でございます。
【圓月主査】
 貴重な御意見ありがとうございました。
 事務局のほうからは何か御説明いただけるでしょうか。
【小川大学振興課専門官】
 活動報告書のイメージ例,実施要項に記載の部分でございますけれど,意見として承りました。
 こちら,内容につきまして,来年度に向けて,変更するかしないかといったことにつきましても,これも基本的には,実施要項をまた決める際に検討の俎上に上がることなのかなというふうに理解をしております。
 以上でございます。
【圓月主査】
 ありがとうございました。
 今回,新たに電子化するときには,併せてそれも検討するという文言もありますので,そのことなんかも踏まえた上で,皆さんに分かりやすい形でのまとめ方にしていきたいと思っております。意見はお承りいたしました。
 ほかには何かございますでしょうか。
 特に,この1,2に関しまして,御意見は全てお伝えいただいたものと考えてよろしいでしょうか。
 それでしたら,次に,3のところについての御意見も頂きたいと思います。また,いろいろ関連性がございましたら,その旨を明確に言っていただければ,1と2のところに戻っていただいても結構です。
 それでは,3のところについての御審議をお願いしたいと思います。
 星野委員,よろしくお願い申し上げます。
【星野委員】
 星野でございます。失礼します。
 7ページ目の下の丸のところです。「他方,高等学校においては」という,観点別評価の記載のところなんですけれども。1つは,資料の出し方といいますか,「他方」以下のところで,中央教育審議会の報告が本文中に入っているんですが,ほかの通達とかいろいろなものは,欄外に注のような形で書いてあるんですけれども,ここだけ何か特出しのようになっているのがちょっと違和感があるということが1つ。これは,そういう様式の点なので,内容に直接は関係ないんですけれども。
 もう一つは,今度は少し内容のことについてです。7ページ目の終わり頃から8ページ目の上のほうにかけて,例えば,7ページ目の終わりのほうからの,「新学習指導要領の下で観点別学習状況の評価を更に充実し,その質を高めるための取組が開始されたばかりであること」,これは「高等学校においては」のことですよね。その後に,「や」となっていて,「大学入学者選抜における観点別学習状況の活用手法が確立されていない」,これは大学側の話ですよね。ですから,ここは「や」の後が,あるいは,また,大学においては,大学入学者選抜における観点別学習状況の活用手法が確立されていない状況にある,というようにしたほうがいいのではないかなと思います。
 それから,続けて,もう1点よろしいでしょうか。その後の,「このような中において」からずっとあって,赤字でアンダーラインが引いてあるところ,それが切れたところ,「ことを踏まえると,観点別学習状況の評価を調査書に記載し」,それを「直ちに活用することには慎重な対応が求められる」というようにあるんですけれども。「このような中において」以下から「十分に理解することが必要であるといった指摘もある」というところは必要なんでしょうか。というのは,その前の文章で,「観点別学習状況の活用手法が確立されていない状況にある」というふうにもう言ってあるので,それ以上また何か言う必要があるのかなというのが私の意見です。確立されていない状況にある。そのことを踏まえると,観点別学習状況の評価を調査書に記載し,活用には慎重な対応が求められるというのでいいのではないかなとちょっと考えました。
 以上です。
【圓月主査】
 ありがとうございました。3点,貴重な御意見を頂いたものと思っております。
 まず7ページの下のところの書き方につきましては,事務局とまた検討させていただくということになるかと思います。
 あとの2点等につきましては,事務局のほうから何かお考えがあれば示していただけるでしょうか。
【小川大学振興課専門官】
 事務局でございます。
 8ページ目の「また,大学においては」といった表現を入れてはどうかというようなことにつきましては,そのような方向で修正すべきだとこちらも考えますので,そのような形で修正したいと思います。
 「このような中において」の以下の部分につきましては,御意見承ります。削除するかしないかも含めて,こちら,事務局で検討させていただきたいと思います。
 以上でございます。
【圓月主査】
 ありがとうございました。
 後の2つのほうも,それぞれ御意見は非常によく理解できますので,一度検討させていただきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
 それでは,石崎委員,手を挙げていただいているでしょうか。お待たせいたしました。
【石崎委員】
 よろしくお願いいたします。石崎でございます。
 私も同じところなんですけれども,やっぱりここの7ページの下から全体が非常に分かりにくい内容になっていて,結局,ここの議論というのは,前回も申し上げたんですけれども,観点別の学習状況の評価を指導要録に載せられることになったのに,調査書には載せるのか載せないのかというところが一番の検討する材料だと思うんですけれども,答えが曖昧になっていて,直ちに活用することには慎重な対応が求められるんだけれども,じゃあどうするのかというところが非常に分かりにくくなっていると思うんです。これ,一般の人が読んだら何だか分からないのではないかと思うんですよね。載せるの,載せないのという。載せないんだったら,いつから載せるのとか,そういう話だと思うんですよ。そこが非常に分かりにくくて,入学者選抜において直ちに活用することには慎重な対応が求められる,引き続き取組を促進することが重要であることに留意すべきであるというのは,どうしたいのかというのはやっぱり伝わらないと。
 載せないほうがいいという意見もあったし,私を含めて,複数,載せたほうがいいという意見もあったので,そのことをはっきりと書いてもらったほうがいいのではないかなと思うんですよね。ここのところは非常に分かりにくいし,何でそこをはっきりさせようとしないのかという意図がちょっと分からないので,もう一回御検討いただけないですかということです。
【圓月主査】
 こちらも先回及び先々回からも御意見いただいていますけれども,重要な御指摘かと思っております。打合せの段階でも非常に苦慮している箇所でもございます。
 事務局,あるいは,もしよろしかったら,副主査のほうからも何か補足や御説明をいただきたいと思います。事務局,まず何か御説明いただけるでしょうか。
【小川大学振興課専門官】
 事務局でございます。
 星野委員,石崎委員の意見を踏まえまして,こちらも事務局で検討させていただきたいと思います。
 以上でございます。
【圓月主査】
 ありがとうございます。
 副主査の川嶋委員は,特に御意見ございませんでしょうか。
【川嶋委員】
 御意見が複数あるということは理解しておりますが,表現ぶりをどうするかというところで,主査,事務局とも御相談させていただければと思います。
 以上です。
【圓月主査】
 ありがとうございました。
 今,御発言いただきました星野委員,そして,石崎委員の御意見をできるだけ反映させ,皆様に読んでいただいても分かりやすい形で,少しでも文章を整えたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
 それでは,森田審議官,よろしくお願い申し上げます。
【森田大臣官房審議官】
 今,石崎委員から御指摘になった,結論が結局何なのかが分かりにくいのではないかという点ですが。その次の8ページの(3)調査書の様式の見直しの方向について,ここで令和6年度実施の入学者選抜における新しい調査書の様式は,以下の方向で見直すこととすると。その最初の1つ目のところに,観点別学習状況の項目については,直ちに設けることはせず,高等学校における状況,大学における状況を見極めつつ,条件が整い次第可能な限り早い段階で調査書に項目を設けることを目指し,引き続き高校・大学関係者において検討を行うと。検討に当たっては,教育委員会,高校,大学と協働して実証研究に取り組み,その成果を普及していくことなどが考えられると。
 (2)のところは,これまでの議論の経過と,これまで出た意見,考え方などが書いてあって,それを踏まえて,(3)で,この協力者会議としての今回の結論をここに書くという構成になっていると思うんですけれども。
 この構成もちょっと分かりにくいということであれば,それも含めてちょっと検討する必要はあるかもしれません。その辺を含めて,また主査,副主査とも御相談して,より分かりやすくなるにはどうすればいいかを検討させていただければと思っております。
【圓月主査】
 どうも補足説明をありがとうございました。
 今も言ってくださったとおり,(3)のところで方向性はこのような形で示してあります。(2)のところとの整合性,あるいは,そのつながり等をもう少し明確にできるように努力したいと思っております。
 ほかには何か御意見ございますでしょうか。
 星野委員,よろしくお願い申し上げます。
【星野委員】
 星野でございます。
 今の御説明で,調査書の様式の中に直ちにこの観点別評価のことについて設けることはしないということなんですけれども,その後,大学とか,高等学校とか,教育委員会とか,検討を行って,恐らく実証的な研究を行って,その後ということだと思うんですけれども。やっぱりある程度目途が見えればいいのかなとは思うんですけれども,それも難しいということはよく理解できるんですが。実証研究して,その成果を検証してというふうになると,恐らく3年ぐらいかかるのかな。ですから,新しい令和6年度からの入試が始まっても,令和9年度ぐらいにその方向性が出て,令和10年度ぐらいから,じゃ,それでいいというか,いいかどうか分からないんですけれども,そういうような形が取れるのかどうかということだと思うんですが。
 恐らくこれを出すと,いろいろなところで聞かれると思うんですよね。いつぐらいから観点別評価って使えるようになるんですかというふうに。そのときに,どういうふうに答えていくのがいいのでしょうか。この内容とは直接関係ないんですけれども,もしお答えがあればお聞かせください。
【圓月主査】
 ありがとうございました。
 明確な目途を示せるといいのですけれども,なかなかこのあたりも苦慮しているところでもございます。
 事務局のほうから補足説明とかしていただけるでしょうか。
【小川大学振興課専門官】
 事務局でございます。
 今の星野委員の御発言ですけれども,基本的には,こちらに書いてある表現以上のことは言えないと思っておりまして,そういう実証研究の成果,検証結果を踏まえた上で,その時期についても判断するということになろうかと思います。
 以上でございます。
【圓月主査】
 ありがとうございました。
 それでは,柴原委員,石崎委員が手を挙げていただいておりますので,まず柴原委員,その次に石崎委員に御発言をお願いしたいと思います。柴原委員,よろしくお願い申し上げます。
【柴原委員】
 柴原でございます。
 私は,基本的に,この内容について特に異論はないんですけれども,考え方として,調査書に記載をすることと,それを大学入学者選抜に使うって,また別だと思っているんです。ですから,記載はされていても,使う使わないは大学の自由ですから,その点で,指導要録にあって調査書には記載をしない。そのことがやっぱり納得できるような説明はどこかに必要かなと感じています。
 以上,考えであるので,返事は特に必要ございません。
【圓月主査】
 ありがとうございます。
 御意見承りました。今後の検討にぜひ参考にさせていただきます。
 石崎委員,よろしくお願い申し上げます。
【石崎委員】
 私も似たような意見なんですけれども。結局,目途がないというのは今分かったんですけれども。これ,二,三年で,例えば,じゃあやっぱり載せましょうみたいな話になると,高校側も指導要録とか調査書を出すシステムを作り替えなければいけないし,大学も多分同じようなことをされるんだと思うので,これ,相当な無駄が生じるような気がするんですよね。だから,やっぱりそういう部分でも,目途というのはとても大事で,当座は使わないけど3年でやっぱり使いますというわけにはいかないと思う。だから,使う使わないは別にして,載せておくのは,今の御意見にあったように,別に害はないと思うんですよね。ここの書きぶりは,載せておいて誤解を招くとか,誤った使い方をするとかという害があるという考えなんだと思うんですけれども,でも,使う使わないをやっぱり慎重に判断していただけば,載せておけば,システム改修とか,そういうような余計な負担も出てこないと思うので,何で要録に載せているものが載せられないのかというのは,繰り返しになるんですけれども,やっぱり分かりにくいし,無駄も生じるのではないかなというところを指摘させていただきました。
【圓月主査】
 ありがとうございました。
 事務局から何か補足はございますか。同じ目途の問題ですので,先ほどと同じ答えというふうに理解しておいてよろしいでしょうか。
【小川大学振興課専門官】
 事務局でございます。
 目途については,先ほどの回答と同じになります。今,システム改修等のお話がございましたけれども,実際に実証研究を踏まえて導入をするというような話になった場合には,もちろん一定の猶予期間といいますか,周知期間を置いた上で行うということになりますので,そういう事前の準備にも配慮するような形にはしたいと思っております。
 以上でございます。
【圓月主査】
 ありがとうございました。
 私も,事前の情報提供などに関しましては,ぜひ慎重にやっていただきたいと思っております。
 それでは,西郡委員,よろしくお願い申し上げます。
【西郡委員】
 西郡です。
 今,調査書には記載しておいてもいいのではないのかという御意見がありましたけれども,大学の立場からすると,一方で,実施要項のほうでは,調査書を積極的に活用しようというようなことが書かれていれば,ここに懸念されているように,例えば,Aだったら3点,Bだったら2点,Cだったら1点みたいな形で重み付けして単純に点数化する活用の仕方というのは容易に考えられますので,大学が主体的に判断すればいいというような考え方もありますけれども,安易に掲載して,それを活用するとなると,こういった弊害も考えられますので,私としては,ここは慎重に議論すべきだと思います。
 以上です。
【圓月主査】
 ありがとうございました。
 それでは,柴田委員,手を挙げていただいておりますので,よろしくお願い申し上げます。
【柴田委員】
 柴田でございます。
 先ほどの柴原委員の御発言に関係してですけれども。私も,この会でたしか,不明を恥じますけれども,発言したと思いますが,大学としては,主体性等々の評価というのは今非常に苦心してまして,もし観点別評価のような情報が提供されれば,この8ページの上に書いておりますように,例えば単純に点数化したり,それから,主体性等の項目もあったと思いますから,その項目の評価だけを取り出してやるというのは,これ,十分に考えられることでございます。我々としては,それをもって主体性の評価という説明責任を果たすというのは,安易な考え方かもしれませんけれども,十分あり得るということは承知しておいていただければと思いますし,そういうものが非常に不適切だということであれば,それを防ぐ手立てというのが,これもたびたび出てますように,大学の自主的な判断とアドミッション・ポリシーに基づいて主体性等を定義するということであれば,そういう安易な方法,安易と言ったらちょっと失礼なのかもしれませんけれども,我々にとってはかなり客観的な方法という説明も可能なのではないかということがございますので,やはり7ページの末からありますように,まだ十分にこの観点別評価というのが成熟していないという状況は理解できましたので,慎重になさったほうがいいのではないかなと,私,最初にこれに飛びついた者として,改めて現時点では不明を恥じつつ,そう発言をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
【圓月主査】
 どうもありがとうございました。
 慎重論,推進論の両論がそれぞれありまして,私も大学人の一人として,揺れているところは,正直なところございます。
 事務局のほうから何か補足説明いただけることはございますでしょうか。
【小川大学振興課専門官】
 事務局でございます。
 今,慎重な意見と,調査書に載せておくほうがいいのではないかというような意見,2つございまして,そのことにつきましては,7ページの(2)のところで,例えば,2つ目の丸ですけれども,評価の資料とすることが可能となるのではないかという期待があるというような意見を示しつつ,次の丸で慎重な立場の意見の両論併記するような形になっておりまして,その上で,(3)のほうで結論を書いているというような構成になっている。これまでの意見,審議を踏まえてということだと理解しております。
 今の御意見も踏まえまして,ここの構成についてどのように修正するかということについては,検討させていただきます。
 以上でございます。
【圓月主査】
 ありがとうございました。
 先ほど石崎委員が言ってくださったとおり,両論があるということが記録としても明確に分かるほうがいいのではないかと思います。できるだけ工夫をさせていただきます。ありがとうございます。
 ほかには何か御意見ございますでしょうか。
 星野委員,よろしくお願い申し上げます。
【星野委員】
 星野でございます。
 次のところ,9ページ,3つ目の三角印の「備考」についてはというところです。なお書きのところですね。なお,「備考」に関連してというので,何行か後に「調査書における取扱は廃止するものとする」とあって,2点述べられているんですけれども。前回の会議で私が読み間違えたというか,このマルAは残るけど,その理由を備考欄に記載させるのをやめるというふうに取ってしまったんですが,これはやはりマルAを付ける付けないというのは,「学習成績概評」の欄のことなので,ちゃんと「学習成績概評」についてはとかというようにして,最初のマルAの取扱廃止というようなものにしたほうがいいのではないかと思うんですよね。やっぱり誤解を生みかねないような書きぶりになっているかなと思います。
 以上です。
【圓月主査】
 ありがとうございました。
 御指摘の点につきましては,先回初めてこの文章の中に出てきたものですね。ですから,いろいろな誤解を生じる余地もまだあるのかと思います。文章を一度検討させていただきますけれども,事務局のほうから補足していただけるでしょうか。
【小川大学振興課専門官】
 事務局でございます。
 今の星野委員の御指摘を踏まえまして,書き方についてまた検討いたします。
 以上です。
【圓月主査】
 どうも貴重な御指摘ありがとうございました。
 ほかには何かございますでしょうか。1,2の「はじめに」のところにも戻っていただいても結構ですけれども,御意見は全てお伺いしたものと考えてよろしいでしょうか。
 それでは,本日も非常に貴重な御意見を多々頂きました。御意見はもう出尽くしたと考えておりますので,この審議のまとめ(案)の基本的な内容については御賛同いただけたものと考えさせていただきたいと思いますけれども,それでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは,本協力者会議で,この基本的な内容については了解したものと考えさせていただきます。何回にもわたる長時間の審議をありがとうございました。
 本日頂いた御意見も含めまして,文言の修正等に関しましては,改めて副主査の川嶋委員,そして私,及び事務局等と相談をしながらまとめていきたいと思っておりますので,御一任いただきたいと思っております。こちらも併せて御了解いただいたものとさせていただいていいでしょうか。どうもありがとうございます。
 文言を修正,調整の上,近日中に取りまとめを公表したいと思っております。
 また,この審議のまとめにつきましては,取りまとめを公表の後,私から「大学入試のあり方に関する検討会議」において,報告をさせていただく予定をしております。
 それでは,本協力者会議における審議はこれで終了とさせていただきますが,伯井文部科学省高等教育局長より御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
【森田大臣官房審議官】
 審議官の森田でございます。本来,局長から御挨拶申し上げる予定であったんですけれども,国会開会中で他の公務と重なってしまいまして,代わりまして,私のほうから御挨拶をさせていただきたいと思います。
【圓月主査】  
 それでは,森田審議官から御挨拶をよろしくお願い申し上げます。
【森田大臣官房審議官】
 「大学入学者選抜における多面的な評価の在り方に関する協力者会議」のこれまでの御審議に当たりまして,圓月先生はじめ,委員の先生方には,昨年3月の第1回以来,12回にわたり精力的な御議論を重ねていただきまして,心から感謝申し上げます。
 本協力者会議におきましては,多面的・総合的評価を行うに当たっての意義や留意すべき事項等を明確にしていただきますとともに,主体性を持って多様な人々と協働しつつ学習する態度,これの評価に当たっての考え方について改めて整理を行っていただきました。また,この多面的・総合的な評価を行うための資料の一つであります調査書の在り方,その電子化の在り方について検討を行っていただきました。
 各大学においては,この会議の場でも御意見いただきましたように,これまで以上にアドミッション・ポリシーを明確にし,また,選抜方法,あるいは,選抜に活用する資料の活用方法などを明確にしていただくことが今後求められると考えておりますが,文部科学省といたしましては,本協力者会議における「審議のまとめ」を踏まえつつ,御提言いただいた内容について,充実が図られていくように努めてまいりたいと思いますし,また,大学への取組のお願いもしてまいりたいと思っております。
 今日頂いた御意見,最終的に座長,副座長と御相談して修正させていただいて,取りまとめとさせていただいた上で,本年夏を目途に,令和6年度に実施される新しい学習指導要領に対応した最初の入学者選抜に係る予告を策定する予定としております。そこに,今回の「審議のまとめ」を十分踏まえて,そして,高校・大学関係者の協議の場で検討を行っていただくというふうにしてまいりたいと考えております。
 改めまして,委員の先生方の御協力に感謝を申し上げまして,御挨拶とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
【圓月主査】
 どうも,こちらこそありがとうございました。
 これまで円滑な審議に御協力いただき,主査の私からも御礼申し上げます。いろいろ行き届かないところもあったかと思いますけれども,審議に御協力いただいたことに感謝しております。
 最後に,事務局から御連絡をよろしくお願い申し上げます。
【小川大学振興課専門官】
 事務局でございます。
 皆様,本日も御多忙のところ,誠にありがとうございました。また,これまでの審議につきましても,ありがとうございました。
 主査からも御発言がございましたが,近日中に文部科学省のホームページにおきまして取りまとめを公表する予定としております。その際は,委員の皆様に御連絡をさせていただきます。
 私からは以上でございます。
【圓月主査】
 どうもありがとうございました。
 それでは,想定外のウェブ会議中心になりまして,事務局も御苦労が多かったことと思いますけれども,御審議に最後まで御協力いただき,本当に感謝しております。
 これで12回の協力者会議を終わらせていただきます。本当にどうもありがとうございました。

── 了 ──



 
 

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