国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議(第4回)議事録

1.日時

令和2年5月22日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省3階 15F特別会議室 ※WEB会議

3.議題

  1. 地方国立大学の機能強化について
  2. 国立大学の学生定員管理の柔軟化について
  3. その他

4.出席者

委員

金丸座長、濵口委員、上山委員、大野委員、五神委員、篠原委員、曄道委員、冨山委員、星委員、松尾委員、松本委員、柳川委員、山極委員

文部科学省

伯井高等教育局長、川中審議官(高等教育及び高大接続担当)、森審議官(高等教育及び科学技術政策連携担当)、淵上国立大学法人支援課長、生田高等教育局視学官

5.議事録

【生田高等教育局視学官】 定刻となりましたので,ただいまより第4回国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議を開催いたします。
本日も前回に引き続きまして,新型コロナウイルスの感染拡大防止のために,このようなウェブ方式での開催とさせていただいております。委員の皆様には御参加いただき,誠にありがとうございます。
現時点で,音声に不具合はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
本日の議題は,お手元に議事次第をお配りさせていただいておりますけれども,その2つを想定しております。本日,傍聴者,報道関係者の入室は認めない形で,後日,恐らく今日ないしは来週にも,ウェブ会議の動画をホームページで配信することとしたいと考えてございます。
まず,会議開催に当たって事務局からのお願いでございますけれども,ウェブ会議を円滑に行う観点から,御発言に当たりましては,インターネットでもお聞き取りやすいよう,なるべくはっきりと御発言いただくようにお願いしたいと思います。そして,御発言のたびにお名前を,念のためにおっしゃっていただいた方がいいかなと思いますし,あと発言いただく以外は,マイクを今のようにミュートにしていただきたいと思っております。
御発言に当たりましては,前回やっていただいたように,手を挙げるボタンというものを押していただく,若しくはお分かりにならない場合は,カメラに写りやすいように手を振っていただくという形でお願いしたいと思っております。
そして,資料を参照する場合には,前回座長から,ウェブ上で資料を共有できないのかという御提案がありましたので,今回そういう形に対応したいと思ってございます。ですので,資料番号,そしてページ番号,ページ内の該当箇所を分かりやすくお示しいただきたいと考えてございます。
最後ですけれども,いつも時間が限られていますので,できるだけ多くの委員の方から御発言いただきたいと思っておりますので,1回当たりの御発言は二,三分で厳守という形でお願いしたいと思っております。御理解のほどよろしくお願いいたします。
それでは金丸座長,よろしく進行のほどをお願いいたします。
【金丸座長】 皆様,改めましておはようございます。本日もよろしくお願いいたします。
それでは,本日の会議を開催させていただきます。
本日の会議は,小林委員,宮内委員から欠席の御連絡を頂きましたので,委員15名中13名の御出席で開催いたします。また,小林委員からは,議題それぞれに関してコメントを頂いておりますので,資料3-4として配付していただいております。
また今回,委員以外の有識者として,一般社団法人国立大学協会副会長及び金沢大学学長である山崎光悦様に御出席いただきますので,御紹介させていただきます。山崎様には,後ほど議題1の中で御説明を頂くこととしています。
それでは,議事に入ります。
前回の会議で,委員の先生方には,国立大学法人に期待される役割について御議論いただきましたが,その際,経済財政諮問会議での地方大学におけるオンライン教育・STEAM人材育成の拡充に関する議論の状況も御紹介いただいたところでした。議論を通じて,国立大学法人に期待される役割や機能は今まで以上に拡張しており,さらに,アフターコロナ時代を見据えた対応も求められていることを認識させていただきました。
そして,地方の国立大学には,地域の人材育成ニーズ等に対する期待に一層応えていけるよう,オンラインを活用した国内外の大学の資源の活用や,STEAM人材育成機能の強化が重要な課題であることを認識させていただき,文部科学省には,やる気のある地方国立大学の機能強化に向けた具体方策の検討に取り組んでいただくようお願いしたところです。
これを踏まえ,今回の議題1では,「地方国立大学の機能強化について」と題して,まずは,事務局から前回の議論の状況を整理して示していただきます。
次に,先ほど御紹介しました山崎様から,地方の国立大学である金沢大学における,オンライン教育の取組などの現場の取組を中心として御説明を頂き,その後,質疑の時間を設けたいと思います。
最後に事務局から,地方国立大学の機能強化に向けた具体方策の検討に向けて考えられる論点を説明していただいた上で,自由討論を行いたいと思います。
それでは,議論に先立ちまして,まずは事務局から,前回の議論の状況の説明をお願いします。
【生田高等教育局視学官】 ありがとうございます。事務局から,資料1-1に基づきまして説明をさせていただきたいと思います。
資料1-1,2ページ目から最初の方は,前回のこの検討会議でも示させていただいた,令和2年度の第5回の経済財政諮問会議におきまして,文部科学省から提出をした資料となっております。
最初のこの2ページでございますけれども,課題といたしまして,大学進学率や18歳人口の減少が,三大都市圏とそうでないところで格差が出てきているですとか,学部の留学生の数や競争的資金の獲得の額の差というのも出てきていると。こういった中で地方の大学を機能強化,活性化していくことが重要ということで,方向性を示させていただいております。
3ページ目,4ページ目でございますけど,3ページ目は様々な地方大学における取組の好事例ということで,本日御出席いただいております金沢大学につきましても,この右下で,今後の取組構想ということで紹介をさせていただいております。
4ページ目は,地方大学の活性化に向けた取組の推進,ITを使った取組ですとか,若しくは今の新型コロナに係る対応の遠隔授業の取組,こういったものを書かせていただくと同時に,左下は,地方の中で国公私の枠組みを超えた連携の法人,こういったものも紹介をしてまいりました。
5ページ目は,こういった地方大学に対して,文部科学省として今どのような振興策を打っているのかの参考として,つけさせていただいております。上2つが,いわゆる運営費交付金や私立大学の経常費補助金ということで,基盤的なお金で対応している部分,そして下2つが,それに加える形で国公私を通じて,人材育成ですとか研究開発を支援しているような事業となっております。
6ページ目に行かせていただきますが,こちらは,この検討会議の前回,そもそも地方だけを取り出した議論ではなかったんですが,その中で少し地方国立に関する御議論もしていただいたかと思います。そこでの御発言を幾つか紹介させていただいております。
まず1点目,地方国立大学が,大学運営をダイナミックに動かすことでバージョンアップをする,そして,地域活性化のコアになっていくことを期待。そのバージョンアップという中の様々な事例,民間人材の活用ですとか,国内外の優れた大学との単位互換等々の御紹介がありました。
また2つ目として,ポストコロナ時代のお話でございますけれども,やはり国際競争力のある高等教育システムへ変革していかなきゃいけないと。その上で,多様な地方創生の活動拠点となることを期待といった御発言や,又はポストコロナ時代で物理的な空間のものが分散化していく,そういった中での地域の独自性ですとかリアルな部分,ここの創意工夫というものが求められるのではないか。
そして最後のポツ,やはり日本全国の国立大学が,高度なデジタル神経網を支え,活用していく役割を担っているのではないか,このような御発言があったかと思います。
7ページ目,8ページ目が,これも前回少し紹介させていただいたんですが,第5回,4月でございますけれども,経済財政諮問会議での民間委員の発言及び資料を記載しております。
7ページ目は,そのときの議事録から幾つか引っ張ってきてまいりましたけれども,例えば地方活性化のみならず,今このコロナ危機といったことを踏まえると,分散化自体が社会のレジリエンス向上にとって必須であると。その意味において,大学はもっと地域の特性について関心を持って,それを産業界,自治体と一緒になって,単なる連携にとどめず,大きな展開に図っていくことが重要ではないかといった御意見ですとか,STEAM教育,よく言葉は言われるんですけれども,例えば地域の将来設計,デザイン思考といった形の観点も必要ではないか。そして,民間人教員の別枠定員での登用ですとか,やはり何といっても,企業がその大学出身の学生を採用したくなる大学を作っていくことが必要ではないか,このような御発言があったと聞いております。
そして,その会議の最後の総理の締めくくり発言におきましては,地方大学におけるSTEAM人材の育成が,活力ある地域づくりを進めていく上においては不可欠だという御発言で終わっていたと伺っております。
次の8ページ目はそのときの資料でございます。続いて9ページ目ですが,実は経済財政諮問会議は今月も開かれておりました。そのときの議題は,「教育・科学技術政策について」というタイトルでございましたが,その中で,大学・地域のデジタル化といったものが捉えられております。
この中で,地元の枠,要するに地方大学で人材育成するのはいいんですけれども,その人材が地元に定着しなければならないと。そういった問題意識から,地元枠で,一定期間の地元就業を前提とした定員枠の設定ですとか,若しくは,例えば地元に新しい産業を興すという意味での起業,スタートアップを作っていくといったものを支援する,このような工夫が必要ではないかといった内容ですとか,若しくは,やはり先ほど来出ておりますように,グローバルも含めてオンライン化をうまく使って,大学間交流協定による単位互換,若しくは再チャレンジできるリカレント教育の拡充,こういったことが,今月開かれました経済財政諮問会議の民間議員ペーパーの中でも書かれておりました。
このような流れを受けて,本日は,地方国立大学の機能強化といったことを御議論いただければと思っております。
最初の事務局からの説明は以上でございます。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,次に,山崎様から御説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
【山崎金沢大学学長】 山崎でございます。おはようございます。
では,早速ですが,資料を御覧いただきながら,説明をお聞きいただければと思います。資料をめくっていただいて,目次があって,その次からページ番号が右下についておりますが,御覧いただきます。
1ページ目を御覧ください。これは,現状認識や国立大学の役割,機能について,特に説明は必要ないと思いますが,1点だけ触れさせていただきますならば,箱書きの下,真ん中の1つ目の矢印の「高度知識基盤社会は」から始まる文,「知を継承し,新たな知を生み出し,牽引する人材の育成」の後に括弧書きで記載させていただきましたが,日本の研究力では,THE世界ランキング1,400位に57の国立大学が,また,QSランキングの1,000の中に30国立大学がそれぞれランクインしておりますことを少し指摘させていただいて,日本の研究力というのは多くの国立大学によって支えられているということを,強調させていただきます。
それでは早速ですけど,地方国立大学に絞ったときに,それらに求められる役割・存在意義は何かという点について,次のスライドから順にお話をさせていただきたいと思います。2ページ目をお願いいたします。
地方国立大学は,それぞれの地域の初等・中等教育に必要な教員養成や,医療サービスを提供する医師,メディカルスタッフ養成,そして,自治体職員や地域産業への人材養成を担いつつ,その一方では,我が国全体の産業を支える全国規模での人材育成も担うという両面を有し,歴史的変遷を経て,現在ある程度の適正規模・適正配置で地域社会を支え,かつ地方都市の中核を成していると理解をしております。
地域を支える基本的な人材育成機能を堅持しながらも,今後は東京一極集中を是正し,知,人材,資源の地方分散を促して地方創生を先導するには,ポストコロナを見据えた我が国の国際競争力の復活,そして持続的な発展,産業構造の変革に向けた人材の育成,研究力強化などの機能強化を急がねばならんと捉えております。
3ページ目に移らせていただきます。ポストコロナを見据えた地方国立大学の機能強化の方策を,次の4つの視点で今回整理をしてみました。地方が持つ歴史,文化,そして風土など,それぞれの地域の強みを地方創生の武器として,1つ目には,地域に存在する各種機関・組織が総力を挙げて協働し,社会変革・地方創生を担うための知の拠点としてのプラットフォームの構築であります。2点目は,世界水準の特色ある研究を核に,社会変革・地方創生を先導するイノベーションの創出です。3点目は,持続的な社会変革・地方創生を担う人材育成であります。その中心は,分野融合型教育やSTEAM教育などに代表されます。4点目は,社会変革・地方創生に向けた研究展開と人材育成とを戦略的に実践するための,経営・運営ガバナンスの改革です。
以下では,この4つの視点から,金沢大学及び成功を挙げていらっしゃる地方国立大学の代表的な取組事例を簡単に御紹介し,最後にまとめ,そして,規制緩和などへの私からの要望を述べさせていただきたいと思っております。
次に,プラットフォームの構築についてまず述べますが,4ページを飛ばして5ページ目を御覧いただきます。
まず第1に,社会変革・地方創生を先導するプラットフォームの構築についての金沢大学の取組事例の中から紹介をします。スライド左上のイノベーション形成では,平成30年度に先端科学・社会共創推進機構を設置し,先端学術研究,産学連携,オープンイノベーションなどのクラスターから成るプラットフォームを整備し,教員,URA,そして事務職員を複層的・戦略的に配置して,それぞれの機能をサポートする体制としました。特にオープンイノベーションを促進するため,全ての産業,全てのセクターから成る,その下にございますように,北陸未来共創フォーラムを現在組織中でございます。
右側でございますが,大学コンソーシアム石川が取り組む県内定着を目指したインターンシップ活動や,それから共同教育課程の例であります。またその下には,戦後の高度経済成長期に配置された理工学系のリソースを活用した研究拠点形成も,北陸の3大学で現在構想中であります。
地方国立大学は,それら固有の多様な卓越した研究力と地域資源とを活用した教育力をベースに,企業・教育機関と強固に連携をし,地域特性に応じた「地方から社会を変革する」取組の中核,エンジンという機能を担わねばならんと考えます。
続いて,6ページ目を御覧いただきます。同じくプラットフォームの関係で,左側は,ICTを活用した遠隔教育や地域のスマートシティ構想の紹介,そして右側は,金沢大学を核とする新学園・研究開発都市構想であります。石川,金沢の文化・観光資源を活用しながらも,現在の数倍規模の学都を形成し,併せて企業の研究開発機能を併設することで,社会変革人材の養成と地方都市での新産業創出を誘引し,人材の地産地消,そして地方中核都市の人口集積に貢献する構想であります。
ダイバーシティ環境を創出して人材の集積を図り,地方から社会変革を先導するイノベーション人材の育成と研究開発により,新たな地方産業を創出することを目指します。その実現には,都市基盤整備のための巨額な投資を呼び込む必要があると考えております。
次に,7ページ目を御覧いただきます。このスライドは,ほかの地方国立大学のプラットフォーム形成に関する取組事例を紹介したものであります。左上は神戸大学のポートアイランド医療特区,その下は宇都宮大学のスマートシティプロジェクトです。右側には,鹿児島大学の社会共創,豊橋技術科学大学・長岡技術科学大学の大学間連携の例も示させていただきました。
続いて2点目,イノベーションの創出でありますが,9ページ目を御覧いただきます。
左側は,金沢大学が異分野融合に取り組んできた典型的な成功事例,世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)による新学問領域「ナノプローブ生命科学」の創出を目指すナノ生命科学研究所設置の取組事例です。その下には,国内の最先端をリードする自動運転技術の開発・実装プロジェクトを示しております。
右側には,社会共創を目指す地域イノベーション・エコシステム形成プログラムによる振動発電の例を,そして,共同研究講座から派生した,30数億をかけた大規模な産学連携・産産連携研究棟の整備の例をお示ししました。
企業との連携を強化し,企業からの投資を呼び込み,そして企業との協働による研究開発,企業・社会への社会実装という循環を誘引するイノベーション・エコシステムを構築・展開することが,地方にあっても重要であると考えております。
続いて,10ページ目でございます。このスライドの左側は,異分野融合研究を促進する新学術創成研究機構という機構を設置し,そこから生まれた異分野融合の研究グループ形成の成果の例を示しております。概算要求や外部資金獲得によって,次々と大学附置の研究所設置をこつこつと現在進めてきております。この機構は,そういう意味では,言わば鶏が産んだ卵を温め,ひなを育てるふ卵器の役割を果たしております。
右側は,文科省の頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プロジェクトの一例でございます。ここ七,八年の間に金沢大学は7つのプロジェクトを採択させ,海外の世界トップレベルの研究拠点との国際ネットワーク形成を推進してまいりました。組織的な研究展開を核として,持続的なイノベーションの担い手となる優れた若手研究人材の育成拠点としての機能強化を,現在図りつつございます。
続いて,11ページ目を御覧いただきます。このスライドは,同様に他の地方国立大学の,イノベーション創出に向けた典型的な取組事例でございます。弘前大学,信州大学は,COI STREAM事業による成果でございます。山形大学のエレクトロニクスハブは有名ですが,多くの競争的資金を総なめにし,最近では,オープンイノベーション機構の整備事業などの支援を受けておる看板事業,イノベーション研究拠点でございます。
続いて,3点目の人材育成でございます。12ページを飛ばして,13ページを御覧いただきます。
分野融合型教育の実践を目指して,金沢大学が学部・学科制を廃止し学域・学類制に移行したのは,平成20年でございました。人間社会学域,理工学域,そして医薬保健学域の3学域,その中に学類ということで16の学類に再編をいたしました。当時,ゼロ免課程を原資にして,目的型の教育,国際学類と地域創造学類を10数年前に設置いたしました。最近の多くの地方国立大学教員養成系の定員を活用した地域密着型人材育成の先駆的な事例と現在なっております。当時,併せて教員組織と教育組織との分離,いわゆる教教分離を断行いたしましたが,その定着が,今日の様々な組織改編促進の礎となっていると理解をしております。
中央は,文理融合型の第4学域,融合学域の令和3年度創設を目指した計画でございます。18歳の日本人と海外からの留学生,また3年編入では社会人などを入学させて,ダイバーシティ環境でアントレプレナーシップ教育を通して切磋琢磨させ,社会変革を先導するイノベーター養成を目指します。外国人枠の新規定員増について,粘り強く法人支援課とも交渉してまいりましたが,土壇場で先日否決されてしまいました。
右側は,工学系,医学系での美大との連携,それから,基幹教育でのSTEAM教育の実績例でございます。
自然や文化,伝統など地域が持つ資源を生かしながら,地域が直面する様々な課題に対応し,地域に新たな価値を見いだし,地方創生を実現する地域づくりのリーダー,日本の変革を先導するリーダー養成を目指しております。
続いて,14ページ目を御覧いただきます。このスライドは,SDGs事業への取組や社会人を対象としたリカレント教育,それから,地域ニーズに対応した教育研究施設整備と人材育成などについて示したものでございます。金沢大学は多様な学生を集め,ダイバーシティ環境でグローバルな視点で学生を鍛え,ローカルな地域課題の解決にも取り組めるグローカル人材の育成を実践いたしております。
続いて,15ページ目でございます。他大学の地方創生に資する典型的な人材育成例でございます。後ほどゆっくりと御覧いただければと思います。
続いて最後,4点目の戦略的な経営・運営改革でございます。17ページ目を御覧いただきます。
学長に就任した2014年度から,中期目標・中期計画とは別に,在任中の改革目標をビジョン,戦略,行動計画,アクションプランに落とし込み,YAMAZAKIプランとして示しております。全ての教職員と具体的な計画,そしてKPIを共有し,スピード感を持って,全てのセクターにわたる大学改革を推進してまいりました。迅速な意思決定システムの導入と構成員との定期的な対話を通して,現場の課題を常に吸い上げ,解決に導いてまいりました。研究グループ形成を促進する教員配置計画の推進,先駆的な教員評価システムの導入と処遇へ反映する改革を進めると同時に,様々な手段を講じて若手研究者比率を上げ,常勤教員数の増員に努めてまいりました。
社会変革・地方創生に向けた研究展開と人材育成を持続的に行うため,ガバナンスを生かした学内運営,中長期的な視点で,これまでの取組にとらわれることのない戦略的かつ大胆な経営・運営を展開することが大切だとの認識でおります。
18ページ目を御覧いただきます。そういう意味で,他大学の私が見本としております典型的な例を,幾つか示させていただきました。左上は,筑波大学のガバナンス,人事給与,財政基盤強化の三位一体の改革の例でございます。右側は,広島大学の目標達成型業績指標の例でございます。また下には,北海道の3大学の組織マネジメント,名工大の意思決定迅速化の取組の事例もお示ししました。
まとめに入らせていただきます。19ページ目でございます。以上,見てまいりましたが,ポストコロナを見据えた今後の改革の方向性を,2つの視点からまとめてみます。
1点目は,地方創生を先導するイノベーション人材育成の観点です。高水準の研究力と地域資源の独自性を基盤に,今,全ての大学が取り組んでいるオンライン授業のメリットを引き出し,サイバー空間での集中化と,その一方で,対面型の授業の良さもございますので,対面型授業,体験型授業とのハイブリッド型の教育へと大胆な転換を図ることで,学生らの自律的な学びを支え導く新たな方式へと,その教育法を変えることができる絶好のチャンスではないかと捉えております。さらに,文理融合型の発想力育成,アントレプレナーシップ教育の加速による課題解決能力を早期に醸成させるとともに,地方の変革を先導する人材育成のために,それらが重要であると考えます。
2点目は,東京や地域が持つ知・人材・資源を流動化し,そして,それを地方に集積することで,東京一極集中を是正し,地方創生を推進する観点です。地方に位置する国立大学が核となって自治体・産業界の力を結集して,強靱なインフラ,そしてレジリエンスのある中核都市形成を目指すことであります。そのためには,先ほどお示ししたようなスマートシティ構想や研究開発機能一体型の学園・研究開発都市構想など,大胆な発想で大がかりな地方創生を50年,いや100年をかけてもやるべきだと考えております。地方大学はその中核にあって,日本の人口,産業の再配置を目指すべきと私は考えております。
また,知・人材・資本の潮流を生み出す源泉として,地方にあっても,やはり世界水準の研究力が基盤にないといけないと考えます。そして,国内外の大学間の連携の強化,地域独自の特色ある資源を基盤に,強い分野を更に強くする研究力強化を加速すべきであります。地方にあっては,あらゆる業種,産業分野のセクターとの連携を強化し,企業・自治体・団体組織などからの投資を呼び込み,企業との連携による研究開発を格段に強化,成果の社会実装の好循環を巻き起こすイノベーション・エコシステムの定着を目指すことが,地方でも重要であるとまとめます。
最後,20ページです。学生定員管理の弾力化,財政支援,規制緩和などの要望についてまとめたものでございます。
少子高齢化による人口減少が予測される中,今後,大学間の生き残りの競争が激化し,このままでは自然淘汰が進行すると考えます。学生定員管理や授業料を弾力化することで,競争的環境が生まれることが期待でき,強い者が生き残るということになるかと思います。
日本のGDPを今のレベルに保つ,あるいは,更に効率的に伸長させるということを考えますと,たとえいろいろな自動化やロボット化が進行するとしても,ある一定量の上質な労働力確保が重要であります。期待できるのは,優秀な外国人の国内定着と,女性,そして私のような前期高齢者の活躍が,我が国の将来の経済活動を支えます。人口分布を適正に地方に分散させ,出生率を増やし,再び人口増に転じるには,地方都市の中核となる地方国立大学の役割が,今後ますます重要になると考えます。
最後にもう1点,産業規模の小さい北陸に位置する金沢大学は,産学連携経費の獲得でなかなか苦労をしております。規制緩和では,産業界の内部留保を吐き出させるためにも,研究開発税制のさらなる拡充を強く強く要望して,私のプレゼンとさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。以上でございます。
【金丸座長】 ありがとうございました。金沢大学における山崎学長の強いリーダーシップを発揮されて,いろんな意欲的な取組をされているプレゼンテーション,そして,ほかの大学の,また特色あるプログラムについても御説明いただきました。ありがとうございました。
それでは,これから質疑応答に入りたいと思います。今の山崎学長の御説明を受けて,皆様から御質問,御意見があればお願いいたします。
それでは,どちらが早かったかちょっと分かりませんが,松本委員,お願いします。
【松本委員】 山崎先生,お話ありがとうございました。1点教えていただきたいんです。地方国立大学の定義を教えていただけませんか。
【山崎金沢大学学長】 私が逆にお聞きしたいです。
【松本委員】 私が聞きたいです,本当に。地方と都市の国立大学という分類がいつも聞かれますが,例えば運営費交付金という観点から言えば,上位例えば400億円で線を引いたとすると,東京,京都,大阪,東北,九州大学,つまり東京以外は全部地方にある大学です。それから,指定国立大学とそれ以外というところで線を引けば,一番大きいのが東京大学で,一番小さいのが一橋大学。一橋大学は東京大学の10分の1以下です。どうしてこういうふうに地方とそれ以外というふうに線が引けるのか,いまだに私は理解できないので,最後に提言の中にも「地方国立大学への」ということをおっしゃっていたのですから,伺いました。
【山崎金沢大学学長】 今日の私の切り口は,首都圏にある大学プラス旧帝大を地方国立大学ではないなと理解をして,そういう切り口で今日のプレゼンの資料はまとめさせていただきました。いろんな切り口がありますので,1つの定義で地方国立大学とそうでない大学というふうに分けることはできないのではないかというのが,私の認識です。
以上です。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,大野委員,お願いします。
【大野委員】 ありがとうございます。私たちも地方にあって,様々な努力をしておりますので,その例を,山崎先生のすばらしいプレゼンテーションに加えて,御紹介させていただきたいと思います。
資料を提出しておりますので,3-1の2ページを御覧いただくと,趣旨が分かると思います。これは,今回のコロナで,我々はオンライン授業を通して,オンラインの力をすごくよく理解できたわけです。それは,我々の課題が様々なスケールを持っているので,そのスケールに応じていろいろな単位で取り組むことで,更に発展させることができるということを示したと思っています。そういう意味で今,県単位であったり,市単位であったり,全国であったり,あるいは世界的な単位であったりということに加えて,例えば東北地域は,15年先の全国の少子高齢化を行っているわけですけれども,課題が共通している,あるいは生活圏が共通している,経済圏が共通しているという単位で,様々な動きができると思っています。
この場合には,東北6県と新潟県の計7県の知事が年に2回,主要な大学の学長,あるいは金融機関,産業界と会合を持っています。その中で「東北創成国立大学アライアンス」というものが構想され,数理・データ教育をはじめとするSTEAM教育を,一緒に協働して取り組もうという話合いが行われています。
次のページを見ていただくと,ポイントを幾つか挙げておりますけれども,例えば最初の項目では,様々な地域産業を担うSTEAM人材は,バーチャルでできるある種のジェネリックな部分と,それからリアルな,その地方,あるいは地域に応じた部分を組み合わせるということが,非常に有効だと考えています。そのときに,その地域で教育をしようといったときに,必ずしも1大学で全てをそろえることができないので,先ほどのアライアンスのようなものが外部法人として,そこに優秀な教員を集めて,さらには,そこに学部学生の定員を集めて,担わせるということができるのかではないかと。そうすると,その時々の課題に応じて,例えば10年時限でこうした外部化法人を活用して,その時代時代に必要な教育をそこで提供することができるかと思います。
もちろん学部定員増にしても外部化法人の設立にしても,現在は規制があるために,簡単にはできないということであります。
次の項目の,地域産業の経営人材と活性化も,これは既に全国展開の話も頂いていますけれども,地域に立脚したある種のMBAと言うことができます。経営人材と経営人材をサポートする銀行の人たちなどの塾があって,既に300人ほどのOBがそこで活動し,ネットワークができています。このうち半分ぐらいの会社が売上高が増,あるいは半分が利益が増ということで,非常に求心力が高まっていますので,こういう広域の取組もできるのではないかと考えています。
ページの下の方に行きますと,オンラインを徹底活用することによって,こういうような単位と,それから世界や他地域との戦略的な連携もできて,SINETなどの活用もすることにより,非常に大きな,ダイナミックな動きができると思っています。
しかも,知識集約型社会が身近にあることによって,教育格差の解消,進学率の向上が期待されます。我々の地域では,東北6県のうち5県が30%台の大学進学率ですので,後で添付資料を見ていただければと思いますけれども,進学率と所得の関係が非常に強く出ていますから,進学率を上げるということは地方創生に資すると思います。
あと1点だけ関連して,次のスライドの真ん中にありますけれども,グローバルという意味でも地域は重要で,真に優秀な留学生を入れたいと。これは繰り返しお願いし,主張しているところですけれども,今は世界の大学が,中国からの留学生に頼っていた大学は特に,ビジネスモデルを転換しなければいけない中で,オンラインを通して世界中の学生を囲い込もうとしています。ですので,我々も今,北米の大学と様々な共修を,共に学ぶ仕組みを作っていますけれども,ゆっくり規制緩和して,「はい,どうぞ」と言われたときには,全部勝負がついているということになりかねないので,戦略的にかつ迅速に,山崎先生のお話にもありましたけれども,進めていきたいと,いってほしいと願っています。
以上です。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,濵口委員,お願いします。
【濵口委員】 2点お話ししたいんですけど,1点目は,地方国立大学というこのキーワード,私はちょっと前から引っかかっています。皆さんも同じだと思うんですけど。論点は各地域の活性化の問題ですから,各地域の国立大学,あるいは国立大学の各地域の機能強化という議論にすべきではないかと思うんですね。特にダイバーシティがありますので,「各」ということは大事ではないかなと。ここら辺,山崎先生の御意見も聞きたいんですけど。
もう1点は,これから機能強化して活性化していかなきゃいけないんですけど,キーポイントは資金ですね。今でさえかなり細っていますけど,今度ポストコロナの状況で,恐らく相当厳しい不況が来るだろうと。リーマンショックの後,企業の投資は2,000億円ほど下がったんですね。この現実がもう目の前に来ている状況で,いかにして資金確保をするか。1つは,山崎先生,税制の改革ということは言っておられたけど,もっと大胆な税制の改革をして企業からの投資を誘導する,あるいはもっと企業が投資したいプログラムを作るためにはどういう議論が必要かということを,もう少しお聞きしたいんですけど。この2点です。いかがでしょうか。
【山崎金沢大学学長】 山崎です。最初の件ですけれども,私もうまく整理をしていただいたなという感じがしますけど,各地域にあって複数ある国立大学が,それぞれの特徴を生かしながら,またその一方ではタッグを組みながら,それぞれどう大切な機能を発揮するかと。機能の最大化,マキシマイゼーションが大事だと考えております。
そういう意味では,地方国立大学が「やる気のある」とおっしゃられると,俺のところはないのかみたいにみんな思われて,いろんな議論を,別の議論を醸し出すような気はしますが,そうは言いながら,やっぱり競争的環境で頑張り合うということが,いろんなことを加速すると理解をしています。なので,我が社も頑張らねばと思います。
それから,2点目ですが,いろいろ考えますけど,最終的にはやっぱり企業が留保しているとちまたでいつも言われている700兆円,800兆円を,もう100兆円でもいいからどう引き出すかというのは,大学,国立だけではなくて,全ての高等教育機関にそれが入ってくれば,日本の研究力,あるいは製品開発力がぐっと上がって,世界といろいろ勝負して,十分利息をお返しできると私は思うんですけど,そういう仕組みを国に作っていただくというのが大事かなと。そのためには,やっぱり何かもう少しあめ玉がないとねという感じはします。国債ぐらいの利率じゃ,とてもじゃないけどお貸しできませんわと言われるに決まっていますから。
勝手なことを申し上げました。
【濵口委員】 ありがとうございました。
【金丸座長】 ありがとうございます。
たくさんの方から挙手がありまして,これを受けていると終わってしまいそうなので,申し訳ございません。ここでもう1回,一旦区切らせていただいて,次の文科省からの説明が終わった後,またまとめて御意見を伺いたいと思いますが,次は五神先生,山極先生,そして上山先生と,この順番で指名させていただきたいと思います。御容赦願います。
それでは生田さん,皆さんから御意見を頂いたので,各地域にある国立大学の連携機能強化に向けた具体的方策の検討に向けて考えられる論点の説明をお願いします。
【生田高等教育局視学官】 ありがとうございます。資料は,先ほど説明途中で終わっております1-1の10ページ目,11ページ目,残りの部分になります。
もう既に,様々な御議論のイントロまでしていただいているので,改めて説明するのもあれなんですけれども,なぜ今,各地域にある国立大学を機能強化していくことが必要なのかという論点,そして,その機能と言ったときにどのような機能なのか,どのような機能を強化や拡張していくことが求められるのか,こういった論点を少し整理したいなと思いまして,ここで整理をさせていただいております。
ここでチェック項目で書かせていただいているのは,今まで有識者の方々からいろいろ頂いている御意見を少しまとめてみたということでございますので,これにとらわれず,本日御議論いただければと思いますけれども,幾つか紹介させていただきますと,なぜ今というところについては,言うまでもなくポストコロナ時代,分散化による日本社会のレジリエンス向上,そういった中でも地域の多様な活動の中核,コアとして大学が活性化していかなければならないのではないかという観点ですとか,やはり地域の経済社会を支え続ける,これが一過性ものではなくて,恒常的なエコシステムとしてのエンジンが大学に求められているのではないか,このような形で記載をさせていただいております。
そして,そのような機能は,もう少しブレークダウンするとどんなものなのかというところで,下4つ書かせていただいておりますが,STEAM人材育成と言いますけれども,言葉は簡単なんですが,具体的にどのような人材なのか。例えば数理・データサイエンスなどの素養を持つ人材,これは当然のこととして,地域の特性やニーズをしっかり洞察力を持って理解して,それを将来設計につなげるデザイン思考,こういったところも観点としてあるのではないかですとか,あとはアントレプレナー精神とか実行力,実践力,こういったものも必要とされるのではないか。
そして,新しい労働市場を作るための分野融合という観点や,人材育成・研究開発も,単純にやっていくのは当然なんですけれども,地域の特性・ニーズを踏まえて,実践力・専門的なリカレント教育ですとかインターンシップ,さらには本格的な,先ほど来話がありましたように,産業界のお金をどう引き出すかという意味での産学連携共同研究,そして,ニューノーマルという中では,やはり地方の持つ強みというのが,ある意味リアルな接触がすごく価値の高いものとなってくるのではないかと。そういったものを強みとして,プラス,デジタル技術を使いながら,国内外の様々なリソースを活用するwin-winな連携関係,こういったものが求められるのではないかと整理をさせていただいております。
続いて最後の11ページ,そういった機能を強化していくために,国としてはどういったことをしていくべきかというのを少し書かせていただきたいと思っておりまして,先ほども,まず資金力という問題提起があったと思うんですけれども,まず資金を国から提供するに当たっても,恐らく全ての大学というよりは,やはりそういったことを本気でやっていく,それは言葉尻のみならず,ある意味チャレンジ精神を持って本当に経営を改革していく,そういったところを選んで,やはり支援していくことが必要ではないかと。
選ぶといっても,では,どのような観点で選んだらよいのかというのが2つ目の四角で書かせていただいておりまして,当然ながら時代や地域のニーズを踏まえ,国の政策を踏まえていく。これは当然なんですけれども,それだけではなくて,やはり自分のその地域の持っている強みをある意味しっかりと見極めた上で,それを伸ばしながら新しい価値創造といったことができる,そのためには大学の中,そして大学の人々,これは事務局も含めてですけれども,マインドセットが必要ではないかという問題意識で,幾つか書かせていただいております。
安易に民間人を入れればいいというものだけではないとは思うんですけれども,新しい発想をもたらし得るという観点での民間人材の活用ですとか,あと,例えば自治体や産業界の人との人材交流,そういった自治体職員を登用するといったことですとか,それから,1個戻りまして,自治体や産業界とのネットワークとかプラットフォーム,本当に今,数は増えてきていると思うんですけれども,それが本当の意味での実効性が持たれているのか,そういったところをどうやって担保していくのかという工夫,そのような観点も見ていく必要があるのではないかと思っております。その下,単位互換ですとか,あとSTEAM人材育成強化,そして,様々な研究開発や社会実装を続け得るエコシステムの構築,こういったものは当然必要となってくると考えてございます。
支援のメニューという意味では,当然ながら基盤の経費,この在り方については別途,運営費交付金第4期に向けて検討が必要かと思いますが,そういったものにのせる形での補助金の枠組み,そして,これは諮問会議でも問題提起されておりますように,必要性が高く認められる人材育成の部分については,現在はその運用上認められてはいない学部の収容定員の総数の増加といったものも,認めてはどうかと考えてございます。もちろん地方に置かれた大学の在り方というのは地方創生に関わってくる部分でございますので,文部科学省のみならず,今後,まち・ひと・しごとの創生本部ともうまく連携をしながら,検討を深化させていくことが必要ではないかと考えてございます。
説明は以上でございます。
【金丸座長】 ありがとうございます。それでは,自由討議に入りたいと思います。
それでは,五神委員,お願いいたします。
【五神委員】 東京大学の五神です。資料3-2を提出させていただいています。
先ほど発表された山崎学長は2014年に就任されたということで,私は2015年に総長になりましたので1年先輩にあたりますが,大きな改革を進めるためにはやはり先行投資資金が必要です。それなしで改革を進めるのがいかに難しいかというのを,同じ時期に同じような苦労をされているということを実感します。
私たちはこの会議で,先行投資資金を新たな形で調達するという意味で,長期の大学債を発行するということを議論し,すぐに実行すべきだということで,政令改正直前まで来ていると聞いていますが,まだ改正には至っていません。私は世界的な金融,あるいは証券の関係の方にお話を伺って,海外の長期大学債の価値がどういうふうに推移しているかを把握し,コロナ後のことを推測していますが,誰に聞いても発行のタイミングが今だと言います。アズ・スーン・アズ・ポッシブルなのです。それが遅れていることを大変心配しています。そこは今日の論点ではないのですが,是非皆で共有したいと思いました。
今正に産業構造全体が大転換をしていることは間違いなくて,これが世界同時に起きています。世界同時であるということは,例えば大学でいえば,多くの欧米の強い大学のビジネスモデルが壊れていくという話は先ほどもありましたが,例えばスポーツで大きなお金を稼ぐということもできませんし,寮生活を前提に,寮費や食堂で稼ぐということもできないという中で,モデル転換が迫られています。その出口として皆が集中しているのはやはりオンラインの活用でありまして,これは熾烈な国際競争になります。
その中で,どうしたらいいかということで,大きなお金をどう調達するかということは,前回までで議論してきたことですが,それに加え,あるものを使うということがものすごく重要です。その意味で,再三言っているように,日本列島に張り巡らされているSINETは,極めて重要なインフラになります。オンライン講義をリアルタイムでされた方はもう御経験済みだと思いますが,話しているのが時々ぶつぶつ切れるということでは,効率が相当下がってしまいます。
もう一つ重要なことは,情報利用のセキュリティの問題と,それがエコであることが重要です。国内同士でオンライン会議をしているのに情報が海外のサーバーを経由していることもありますが,これはセキュリティの上でも問題がありますし,エネルギーの無駄使いで地球環境にもよくない。そういう意味で,クローズの専用回線は極めて重要です。
ここへ来て,柴山大臣のときに進めたGIGAスクール構想の価値が非常に高くなってきていることは,皆さんも理解されていることだと思います。次のページをお願いします。
GIGAスクール構想の議論で,私が最も重要だと思うのは,全国に3万6,000ある小中高に,SINETという世界最高品質のネットワークがつながるということです。これによって,全国どこでも,リアルタイムで瞬時にハイパフォーマンスな資源を使えるということは,極めて重要で,夢のある話です。これは,単にオンラインの講義をスムーズに配信するということだけではなくて,3万6,000人の住んでいるところどこでも,最高品質のデータ収集ポイントができるというところに大きな意味があります。
例えば教育についても,いろんな教育調査は重要ですけれども,これをリアルタイムで取ることによって,各地域の習熟度の差などを全体で分析することもできますし,しかも,この前のページに書きましたように,産学連携を使えば,産業界にとっても日本列島全体で大変革することにつながりますし,あるいは防災とか行政のネットワークも,実は極めて日本は脆弱であるということが分かりましたが,これにSINETを使えば,一気に世界最高品質のものに上げることができます。
さらに,今,Local 5G,Beyond 5Gということで,Wi-Fiではない形のローカルの情報伝達手段が非常に高度化していますので,民間プロバイダーなども巻き込む形で,地方の再生に直結させることができます。
次のページをお願いします。現在,日本にはメガプラットフォーマーがないということが大きな問題となっています。このときに大事なことは,データをどういうふうに集積して,それを皆で利活用できるかということで,既にここに示したような大学と連携して,大きなデータサーバーを分散型で置きながら,リアルタイムで使えるようにするということを進めています。これは,例えばドイツのGAIA-X構想とか,米国であればGAFAなどに代わるものを,日本の既存インフラを活用しながら作っていくという意味で重要であります。そういうものをシステムとして,つまりオールジャパンで勝ち抜くために,大学というのは非常に重要な転換のための資源です。そのときに,全国津々浦々にしっかりとした総合大学,国立大学が配置されているという戦後の先行投資を,最大限活用するというのが極めて重要です。
次のページをお願いいたします。もう一つ重要なことは,この既存インフラを使うということと同様に,頭の切替えをするために,今の仕組みがどうなっているのかということを考えました。細かいことは後で見ていただければと思いますが,私たちが,新たにオンラインを最大活用して,高度な,文理を超えたエリート教育のコースを作りたいというイメージを持って,それができるかどうかと考えてみたときに,多くが大学設置基準によって縛られているという状況であることが分かりました。戦後の大学の設置数がどう増えたかという絵を見れば分かるように,文部科学行政の重要なところは大学設置のコントロールだったわけでありまして,ですから,設置基準が大学コントロールの一番重要なツールになっているというわけであります。
しかし,これはもう明らかに古い話です。つまり,これは新設ラッシュ時代のツールだったということであります。今大事なことは,幅広いステークホルダーからの適切なフィードバックで,自律的に改革をしたり退場するシステムであります。この点で,実は,長期大学債は極めてそれに適合した仕組みになっています。長期の債券ですから,公益性の高い市場から幅広い納得を得られないと,お金が入らないからです。
次のページを示してください。そういう意味で,もうこの機会に設置基準行政から脱却することが,一番スピーディーに改革するための手段だと考えます。私たちは,コロナ後の「大学ニューノーマル」でどんなことをやりたいかを構想してみたのですが,そのためにはここを大転換する必要があります。これは多分,文部科学省の伝統的なやり方を大きく変えなければいけないということで,大変なところもありますが,今正にスピード勝負なので,こういったことを考えることが,極めて重要だろうと考えています。
以上です。
【金丸座長】 それでは,山極委員,お願いいたします。
【山極委員】 京都大学の山極です。資料3-3を見ていただきたいんですが,その前に,先ほどの松本さんの御質問に対して,私が5年前に国大協の副会長だった頃に,文科省が突然,国立大学を3分類すると言い出したんですね。だから,その定義は文科省に振った方がいいと思います。文科省の言い分は,理由はどうあれ皆さんどの分類に入るか手を挙げたじゃないですかということでしょう。地方大学,単科大学,研究型大学というふうに3分類したんですよ。そのときの文科省は,これは便宜上の分類であって,何らこれまでと変わることはありませんと言っていたんですよ。ところがどっこい,どんどん変わってきた。その実情を文科省から説明してもらった方がいいと思う。
もう一つは,山崎先生がおっしゃった地域の活性化という点で言えば,企業のマインドチェンジが絶対必要なんですよ。都市集中を解消するためには,我々の大学でも東京から学生を取ることを心がけているわけですが,東京から学生を取ると同時に,ミニ東京,ミニ東大を地方に作らないために,大都市からどんどん地域へ流れるような雇用の仕方を各企業が考えなければ,これは解消しません。例えばオンラインで社員を地域に定着させて,月に1回か2回ぐらいしか,本社がある東京に出張させないようにするとか,いろんなやり方があると思うんですけど,それをやっぱり早急に考えていかないと,これは解消しません。
それから,今日お配りした資料を見ていただきたいんですが,さっき山崎先生も,オンラインと対面を合体させたハイブリッド型の授業というのがこれから重要になるとおっしゃいましたけど,正にそうで,ICT活用による大学システムの変革というのは,これまでもやってきたし,これから非常に重要になると思うんですね。とりわけ留学生,つまり,地球の大きな距離を超えて日本にやってくる学生のコストを削減するためには,絶対重要です。
こういう5つの特徴があるわけですけれども,1つ京都大学がやっている授業を御紹介します。それは反転授業というもので,高等研究院の上杉先生がずっとMOOCを使ってやっているんですが,反転というのはFlipped Classroomといって,アメリカ等々で随分もうやっていることなんですけれども,授業と対面というものを反転させて,まずMOOCで必要な授業の内容を送りつけて,事前に自学自習してもらいます。それから,例えば現地に上杉先生が行ったときに,対面で個人指導する。これは非常に効果的なんですね。京都大学は,オンサイトラボを,11の国外の大学や研究所と組んでやっているわけですけれども,そういうときに,非常に現地の優秀な学生や研究者とコンタクトが取れ,連携が可能になります。
そういったことをこれからやっていかないと,国際的なこの授業のスタイルの競争力に追いついていかないし,日本がリードするためには,そういった方式をどんどん取り入れていくことが必要だと思っております。
その上で,最後の3ページ目なんですけれども,どういうことが必要か,4つ書いてありますけれども,国内の大学のダブルディグリーをやりたい。それは今,海外の大学としかダブルディグリーをやっていませんけれども,国内のダブルディグリーというのが必要だということですね。それから,今,オンラインの遠隔授業による単位取得数の上限があります。これは60単位なんですけれども,この上限を撤廃するべきです。それから,授業に使う教材の著作権ですね。これは五神先生が中心になって,文科省から,期限をつけて今この制限を解除してもらっていますけれども,これをやっぱり長期的に解除しないと,オンラインでの詳細な授業というのは難しいです。それから予算措置,これは結構予算がかかりますので,これを早急に国が措置していただいて,様々な,GIGAスクールもそうですけれども,各大学にいろんなことに対応できるようなICT教育を実現するというのが,今一番求められていることだと思います。
以上です。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,上山委員からお願いします。
【上山委員】 総合科学技術・イノベーション会議の上山です。私から3点ほど申し上げます。
まず最初は,地方国立大学の定義ということですけれども,これは今,山極先生からもお話があったように,3分類というのがもう数年前になされました。一委員としてその会議体に出ていたのですが非常に驚きました。というのは,3つに分類をしようとする意図はもともと文科省にはありましたけれども,それを分類する指標あるいは根拠を,文科省は当時持っていなかった。そのことを,会議体の中で非常に驚いた経験があります。
結果として,すべての分野で国際的に強い大学というカテゴリー,第3分類のところは,それぞれ手を挙げてくださいということになり,最終的には16大学が手を挙げられて第3分類になりました。そして,地方の国立大学と,あるいはワールドクラス・ユニバーシティーとの間の境界は,非常に曖昧になってしまったと思います。その結果,それでは非常に問題であるので,指定国立大学という枠を作ろうという話になっていきました。
更にその指定国立大学を作るという委員会にも参加しましたが,その当時,選定されるのはせいぜい3校か4校ぐらいだろう,いわゆるワールドプレミアム・ユニバーシティーとなれるのはそのくらいの数だろうと内内で話をしたのを覚えています。しかし,最初の1巡目として3校選ばれた後,その指定国立大学というもののカテゴリーを作る指標が随分緩くなっていって,どんどん拡大していったという経験を持っております。
その意味で,改めて思いますけれども,やはり国はプロフェッショナルな視点で,ワールドクラス・ユニバーシティー,何校になるか分かりません,5校ないし10校なのかもしれませんが,指定国立大学を中心にして,きちんとした指標で作るべきであり,かつセカンドティアとして,幾つかの領域において非常に強い研究基盤を持っているような大学,そのような研究と教育のインフラを作っていくような国立大学を選ぶべきです。更に言えば,地方の経済や社会に対して貢献していく大学を別枠で選定し,3つの分類を完成させるべく地方国立大学の役割の定義を明確にすべきであると思っております。
第2に,様々な地方国立大学の執行部の方々と交流をしていきましたけれども,改めて驚いたのは,地方の国公立大学のヘッドの学長や総長さんとその地域の首長とは,大体意見が合わないことが多いということでした。それは,よく考えてみると非常によく分かるのです。地域国立大学に求められている人材の育成であったり研究のパターンであったりということを,当然ながら地域の首長の人たちは,地方の国立大学に求めるわけですね。求めるけれども,地方の国立大学はやはりグローバルを目指したいと思っていますし,あるいは中央の方を見ていますから,地域の首長の人たちが求めるような研究と教育と,どこか合わないところが必ず出てくる。そうすると,首長の人たちは,国立大学ではなくて,県立大学のようなところに頼っていこうとする傾向があって,そこのところで大きな齟齬が起こっているという現実を見ました。
その意味では,恐らく今後やるべきは,ワールドクラス・ユニバーシティーというのは世界に羽ばたいていく大学ですから,恐らく間違いなく成長していかなければいけない。更に言えば,年間7%ぐらいで予算が増えていくような,大きな成長を遂げていくような大学,地域の国立大学というのは,新たな別のミッションというものを持って,地域に貢献していくという考え方が必要なんだろうなと思っております。
そのことは,3番目の問題とつながります。恐らく今後,グローバルにも公的資金の在り方というのがどんどんミッションオリエンテッドになっていくということは,もう明確だと思います。ミッションオリエンテッドになっていくということは,国から何かの目的を与えられて,それに応じてやっていくということではなくて,むしろ社会的な貢献として,地球温暖化の問題であったり,人口の問題であったり,食糧の問題であったり,様々解かないといけない,今回のコロナもそうですが,そのような社会的に大きな課題に関してミッションを国が定義し,それについて,それぞれの大学なり組織が手を挙げて,そこに参加していく。それを選ぶということですね。そのミッションを選んでそこに入った限りは,自律的な契約関係によって,自由な経営の下でそれについての貢献をしていくという選択をしていき,それに対してやがて評価を受けると,そういうことなんだろうとは思っております。
その意味で,今後やるべきことは,このような新しいミッションの再定義ということをすべきであるし,そういうことをすることによって,恐らくは地方国立大学に,もう少し大きな公的資金というものが担保されるべきであろうと考えております。ある意味ではミッション性を持って,追加的に地方の国立大学の役割をきちんと定義して,そこに公的資金を投入していくという方向性を国は打ち出すべきであろうと考えています。
以上でございます。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,曄道委員,お願いします。
【曄道委員】 ありがとうございます。上智大学の曄道でございます。
私の質問は非常にベーシックでございまして,今日御発表いただいた山崎先生にお伺いするのがいいかなと考えておりますけれども,呼び方はさておきの地方の国立大学の機能強化ということを考えたときに,1つ大きく挙げられるのは,この資料の中にもずっとありますけれども,その地域のニーズに応える人材を育成していく,それは地方創生につながっていくというベーシックな考え方があると思うんですが,一方で,先ほどの大野先生からの御紹介にもありました,山崎先生の御紹介にもありましたけれども,やはり世界水準の研究を行っていく。
そういったものを考えたときに,学生の確保,この後の学部の定員の問題とも絡むんですが,世界水準の研究拠点として集まってくる学生,その学生たちは,もちろん東京から,都市部からも参加すべきだと思いますし,留学生もその対象になろうかと思うんですが,その学生たちが社会に出てこの地域に貢献をしていくというその道筋みたいなものが,なかなかちょっとつかみにくい。要は地域に根差していて,地域を愛して,その地域の発展に貢献したいという志を持つ学生と,それから,世界水準の研究拠点に集まりたいという学生たち,この学生の確保であるとか学生の移動に関して,山崎先生はどういうお考え,方針をお持ちなのか,伺えればと思います。よろしくお願いいたします。
【金丸座長】 それでは,山崎先生,お願いします。
【山崎金沢大学学長】 山崎です。先ほどの発表の中の資料の中でも,私の考えを入れさせていただきましたけれども,金沢は地方にあって数少ない,18歳人口が増える都市であります。もちろん働き場所の数が不十分ですので,22歳から26歳あたりでがくっと減ってはおります。もともと出超というか,石川県からは出る方が多いので,来た学生の多くもまた出ますので,やっぱりどんどん,実際には若者の数が減っていっているというのが現状です。
それを止め,逆に逆流させるための1つの方策として,私,常々この地域の政治家等にも訴えているのが,学園・研究開発都市構想であります。地産地消と申し上げましたように,地方にあっても,そういった筑波のミニチュアみたいな感覚から始まってでもいいんですけれども,やっぱり世界を目指す研究をやってきた人たちが,地方にあってもちゃんと働き場所を地方が確保するということが重要であると考えます。今度のコロナ騒ぎで,いろんな大きな会社も,自分の研究開発部門を安全な場所,安全な田舎地域に疎開させるというような動きが,少し加速してくれればいいなと私自身は思っています。それの受皿を自治体と一緒に大学群が準備できれば,地方にあってもそういうことができる。ミニ東京になりたいとは思っていませんけど,もう少し違う形の地方都市構想が作れればと考える次第です。
私の考えはそんなところです。
【曄道委員】 ありがとうございます。
【金丸座長】 よろしいでしょうか。
それでは,議論が尽きないものですから,また少し先に進めさせていただいて,挙手をしていただいている委員の皆様には,その後に優先的に指名させていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは,次の議題……。すいません。ここでちょっとまとめなきゃいけなかったんですね。
いろんな御意見を賜って,まだ意見も頂いていない先生方もいらっしゃるわけですが,私も,政府の会議体で,産業競争力会議及び未来投資会議で人材を担当することになったときに,先ほど御意見,御説明のあった大学の3分類というのを知って驚いて,正直,私はそのときにどう思ったかというと,こんなオリを3つ用意されて,どこに入るかと言われていて,私が学長だったら,その3つのオリには入りませんという答えをすべきだと思ったんだけど,皆さん以外と素直で,この3つのオリのどれかに手を挙げるかという議論があって,私はその先には,未来はないんじゃないかと思っていたら,今日お話をお伺いしていると,やっぱりそうかなと思っております。
それで,私が座長をさせていただいていますので,座長色も出させていただかないと,やっている意味がないので,私はどう思っているかというと,これまでの議論で,何かネーミングとかデフィニションとかそういうものよりも,是非何か本質的なところから,しかもこれだけの知見のある皆さんが集まっていらっしゃいますので,本質的に,今回の提言の骨子は再構築したいと思っています。
それから,GIGAスクールも,先ほど柴山大臣のリーダーシップとありましたけど,もともと私は未来投資会議でこれを推進する立場にありまして,当時の文科省は全然反対でした。さっきのデジタル教科書もまだ実現もしていませんし,それから,さっきの上限とか,全て必ず上限が出てきて,半分以下とか,何を言っているんだと思って説得を試み,いろんな交渉をした結果,文科省が生まれ変わったんだと思っていまして,よかったわけです。
だけど,お金がやっぱりつきませんで,最初のGIGAスクールの国の予算も,一番最初の答えは100数十億ぐらいでしたから,これは私は桁が違うんじゃないかということで,今,もちろん補正プラスアルファですけれども3,000億ぐらいです。これも多少の後悔があって,バトルをもっと早めに仕掛けておけば,今頃こんな休校みたいな,世界中の先進国で格好悪いこと,子供たちが家庭の中に閉じ籠もらないといけないというのは,これは大人たちが作った環境なので,私,今まで反対してきた人は本当に何してきたんだと,今思っているんですね。ですから,今回,皆さんの御意見を頂戴しつつ,いい提言をまとめたいと思っています。
今日の議論ですと,まだ星先生から御発言いただいていないんですけど,やる気のあるという言葉も曖昧で,やる気はどうやって証明するのかというのも難しいので,今日のお話でいうとミッションとか,そしてコミットメントがあって,それに対してアクションがあって,その後,評価があると。評価のプロセスは,私たち企業も,経営していて,いろんな人に評価されて,その評価を受けたら,今度はその評価に対して異議申立てもできる。当社では評価をすると,2週間以内に異議申立てというのを明るくイベント的にやっているんですが,そうすると,年俸とか昇給・昇格について異議申立てがどっと出てきて,これは割と面白いんですね。
日本社会って,異議を申し立てるというのはあっても,格好悪いとかハレーションを起こすんじゃないかといって,そういう決断もできないリーダーでは,私は駄目だと思っていまして,文科省におかれては,政府における地方創生の推進を行うまち・ひと・しごととか,いろんな組織もおありになるようなので,そういうところとも連携をして,地域にある国立大学において,アフターコロナでは,自分の大学を,県内人材とか,あるいは自分の大学に来てもらった学生が,自由自在に活躍できるような,それぞれが特色ある運営をなさればいいと思っています。そういうことも踏まえて,ちょっと長くなりましたけれども,どうやってそういう地域にある大学等が,多様性の中から,日本社会及び世界に貢献できていくかという方策について,御検討を引き続き取り組んでいただきたいと思います。
それでは次のテーマが,国立大学の学生定員管理の柔軟化について議論いただきたいと思います。
それでは,生田さん,説明をお願いします。
【生田高等教育局視学官】 ありがとうございます。それでは,お手元の資料2に基づいて,事務局から,学生定員管理の柔軟化の方向性について,事務局提案をさせていただきたいと思います。
先ほどの議題1にも多少関わってくる部分でございますけれども,資料2の中では,前半部分と後半部分で,少し分かれた議論となっております。まず前半部分は,総定員を増やさない中における柔軟性をどう担保していくのかという観点,後半は,総定員の総数についてどう考えていくかという論点に,分けさせていただいております。
まず前半,2ページ目でございますけれども,そもそも国立大学における定員の取扱いはどうなっているのかというのを,少し整理させていただいております。まず,設置基準というもの,これは省令でございますけれども,その中におきまして,収容定員は学部ごとに定めると規定がされております。そして,その定員の規模に応じて,教員数ですとか校舎の規模等,いわゆる教育環境の水準が定められているという形になってございます。
また,お金については定員に応じた運営費交付金が配分され,大幅な定員の超過・不足が起きた場合においては,学部・学科等を設置したり,若しくは運営費交付金の配分といったところにおいてのペナルティーというものが科されるという形で,ある意味,かなり厳しく定員が管理されているというのが現状になってございます。
これ,詳しくはその左側が,学部・学科の設置等に係るペナルティーの話,右側が,運営費交付金の配分というか,国庫返納というペナルティーに関する説明が書かれておりますが,左側については,基本的に公私立大学と同じような基準,公私立大学で定められている基準に準ずる形での国立大学の対応となっておりまして,右側の運営費交付金は,国立大学の場合のペナルティーという内容を書かせていただいております。
次の3ページ目でございますけれども,そういった定員管理が,具体的にどのような形でなされているのかというものを,国立・私立を少し比べた形で記載させていただいております。まず前提条件として,こちらについては,先ほど申し上げましたように,収容定員の総数の増加がない場合の部分の比較を見ていただきたいと思うんですけれども,下の表の赤いところでございます。収容定員の範囲内において学部・学科等を整備する,こういったケースにおいて,どういう状況に今なっているのかというところでございますけれども,まず右側,私立大学につきましては,設置審で届出をするというプロセスになっているのに対しまして,国立大学については,学部・学科等の再編に伴う場合は,たとえ収容定員の総数が増加しない場合におきましても,運用上で設置審の審査手続を行う。それとともに,組織の名称変更が伴う場合は中期目標が変更しますし,若しくは収容定員の人数が変わる場合は中期計画が変更されますので,ある意味形式的ではあるんですけれども,中期目標・計画の変更認可というものになってまいります。こういった観点から,私立大学に比べて結構厳しい状況に置かれているというのが,現状でございます。
なお,申し遅れたんですけど,一番下に書いてございますように,こちらについては,飽くまでも学位の分野の変更がない場合のケースでございまして,学位の分野の変更が生じる場合におきましては,当然ながら私立も含めて,認可というものが必要になってきております。
こういった現状を踏まえての提案を,4ページ目でさせていただいております。まず収容定員の総数を増やさない,増加を伴わない場合において,学部・学科等を再編したいといったときにつきましては,学位の分野の変更がない場合において,国立大学の場合は,設置審による審査手続,事前伺いという手続を行うとともに,中計の変更認可というものを要しております。
ただ,一方で国立大学は,世の中を考えてみますと,社会のニーズですとか産業構造の変化等に伴いまして,ある意味臨機応変に,スピード感を持って教育研究組織の整備というものが求められている組織ではないかと考えてございます。
こういった観点から,一番下の四角のところでございますけれども,まずは学位の分野の変更がない場合において,そして,総数の増加がない場合の学部・学科の再編等を伴う変更につきましては,ある意味大学側に委ねるという形で文部科学省への報告ベース,かつ,更に中期目標・計画の観点については,前々回,この検討会議でも様々な議論をしていただいたと思うんですけれども,学部ごとの定員を大臣認可事項としていることを改める方向で議論をしてはどうかという御提案をさせていただいております。
ここまでが前半の,総数が増えない場合における柔軟な定員管理といったものを,提案させていただいた内容でございます。
後半の5ページ目以降が,今度,収容定員の総数に係る議論として,資料を準備させていただいております。
まず,少し話は変わるのですが,東京23区,これは先ほどの地方創生の話にも絡むのですが,まち・ひと・しごと創生基本方針が閣議決定で平成29年になされております。この方針に基づきまして,平成30年,下の四角のところ,法律ができております。この法律において,これは国公私共通の話なんですけれども,東京23区内における学部の設置ですとかキャンパス移転等による収容定員の増加は認められないという形で,これは法律で,時限立法となっておりますので令和10年3月31日まで,このような抑制がなされているところでございます。ただしこの法律の中では,例外措置といたしまして,少し青字で書かせていただいておりますように,社会人,留学生に限定した定員の増加というのは,例外的に認められているというような状況でございます。
このような状況もちょっと参考にしつつ,6ページ目に行っていただきまして,収容定員の総数について,まずどのように考えていくのかという問題提起をさせていただいております。もちろん現状において,18歳人口の減少の中で総数を増加させない,こういう抑制的な対応を今まで行ってきております。23区内につきましても,これは国公私共通の形で,収容定員の増加を原則として抑制している。一方で,先ほど申し上げましたように,社会人学生,留学生については例外的に許容すると。
こういった状況の中,先ほど申し上げましたように,新たな分野の必要性が求められた場合ですとか,臨機応変な教育研究組織の整備が求められた場合,こういったことも横に置きつつ,そもそも収容定員の総数についてどう考えるのか。そして,万が一,仮に増やすとした場合においても,例えばどこの部分,どういった条件下で,増やすということがあり得るのか,このような問題提起をさせていただいております。
それをもう少しブレークダウンしたものを7ページ目に記載させていただいておりまして,まず総数をどう考えるかに係る論点といたしましては,1点目,先ほども申し上げましたように,18歳人口が減っていく中,今まではスクラップ・アンド・ビルドという形でやってきております。それを,あえてこのタイミングで収容定員を増加させる必然性,必要性,そういったものがあるのかどうか。
そして,当然ながら公私立大学との役割分担を,どのように今考えていくべきなのか。
3点目,これは正に今,インコロナの中,オンライン化がどんどん進んでおります。こういったところで,従来はオンキャンパスにおける物理的な制約といったものを踏まえ,教育環境の水準を定める基準として定員がなっておりましたけれども,今後,世の中が変わっていく中で,その収容定員の定義というものをどう捉えていくべきか,これも論点となってくるのではないかと書かせていただいております。
次に,仮に増やすとした場合に,どのような条件なのかといったところの論点でございますけれども,1つあり得るのは,先ほど23区規制の中でも例外措置となっていた,留学生,社会人学生でございます。これについては,先ほどの議題1でも,留学生についてのディスカッションはあったかと思うんですけれども,本日の資料の中でも8ページ目,9ページ目は,1回目のこちらの検討会議で,大野委員及び山極委員から提出していただいた資料の中でも,言及がされていた部分でございます。また,人材育成・研究の緊急度が高い領域分野といったものがもしあればというところも,論点として挙げさせていただいております。
2つ目としては,もし増加を認めるといった場合に,やはり大学サイドにおいて,何らかの質保証といった観点から,備えるべき要件があるのかどうか。
そして,3つ目として,これは先ほどの地方に置かれた大学の場合というのも念頭にあるんですけれども,進学率も当然地域によって違いますし,その地域において,例えば公立・私立の分野ごとの定員配置というものも,様々多様性を持っております。そういった中において,何らか存在する地域に係る限定なりバウンダリーコンディションみたいなものを作る必要があるのかどうかというのを,3つ目の論点として書いております。
最後は,先ほど23区規制の法律が10年間の時限立法でありましたけれども,このように何らかの,例えば総数を増やすとした場合に,時限付きということもあるのではないかということで,時限付き,若しくは,一度増やすというものであれば,それは恒久的という方がよいのかどうか。これも,あえて論点としてここに書かせていただいている内容でございます。
以上,事務局からの説明は終わらせていただきます。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,最後の論点の定員のところも含めて,先ほどの挙手をしていただいていた先生方に,御意見を伺いたいと思います。
それでは,星委員,お願いいたします。
【星委員】 どうもありがとうございます。時間もないので,最後の定員設定の自由化という提案のところだけにとどめたいと思います。国立大学の定員設定の自由化1の提案というところで,こういうルールがあるということも僕は知らなかったのですが,これを自由化するというのは当然だと思います。
その次の1の問題提起の方ですが,これも全面的に自由化するというか,そもそも定員管理自体を廃止するのが良いと思います。ここでは,収容定員の増加があえて必要であるかという言い方をしていますが,これは間違った方向の質問で,どうして定員管理が必要なのかということを問題にすべきと思います。大学ごとに定員を管理する,定員を決めるということになると,何がまずいのか。僕にはどういう問題が起きるか理解できないので,そういったところから議論すべきだと思います。
僕の研究対象は金融ですが,昔は銀行の支店の数まで財務省(当時の大蔵省)が管理していたという時代がありましたが,いまはもう全部自由化されているのにどうして大学だけでこういった国の管理が残っているのか,理解できません。生田さんが質の保証ということをおっしゃいましたが,個々の大学の定員をどうするかというのと,そこの質がどうなるかというのは直接関係ない問題だと思うので,定員管理自体を廃止するという方に持っていくべきだと思います。
最後に,23区内の定員を増やさないということですが,これはどういう経緯で決まってきたか,この法律ができるときに経済学者の意見が聞かれたかどうかということは分かりませんが,これは経済学的に考えると,不思議な政策です。東京に人が来過ぎるのを防ぐために,東京の大学の定員を抑制するというのは,例えばアメリカの貿易赤字を是正するために中国の生産を抑えるというのと,全く同じ議論です。そうすると,これはトランプの貿易政策以上におかしい政策だと思います。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,篠原委員,お願いします。
【篠原委員】 ありがとうございます。それでは,簡単に幾つか申し上げます。
まず1点目,この23区の定員規制について,どんな分野にというお話がございましたけれども,今の産業界の立場から見ると,ほぼ全ての産業で,やはりデータサイエンスとか数字統計とか,そういう部分は人が足りていないというのは明らかでございます。ですから,少なくともそういう分野に限っては,緩和するという方向があってもいいのではないかと思っています。
次に定員管理ですけれども,今のいわゆる定員管理というのは,学生が1つの学部に入ったら,4年間でそのまま卒業するということが,大前提になっていると思います。ただ,言うまでもなく,学問の多様化が進展して文理融合が進んでいく中では,多様な学生が多様な期間で卒業するような状況になってくるのではないかと。そういう観点では,もし定員管理を行うのであれば,学部単位の入学定員ではなくて,大学単位の収容定員で見た方がいいのではないかということが1つと,あとは見るにしても,単年度で見るのではなくて,複数年度の平均値のような格好で見ないと,さっきお話ししたとおり,4年間でみんなそのまま卒業するという大前提に基づいていること自体が,今の時代にはマッチしないのではないかと思います。
もう1点,地方の大学の件ですけれども,地域の大学が,地方創生のリーダーとか地域の産業競争力の向上に貢献するという観点では,いわゆる卒業後の地元への定着ということが必要になってまいります。山極先生がおっしゃるとおり,1つの大きな問題は,大きな産業が東京圏,それから大阪圏に集中しているということです。これについては,今回のコロナの影響で,多分テレワークだけではなくて,地方勤務というふうな話も出てくるでしょうから,緩和する方向にあると思いますけれども,一方で,やはり地域での新しいイノベーションというところの結果が,まだ少ないと思っています。
去年,経団連の関係で仙台に行きましたときに,仙台でソーシャルイノベーションをやっている若手がいました。そういうふうな動きというのをもっと加速させていって,それを水平展開していくことを考えていかないと,やはり就業イコール大企業というところだけでは,まずいと思っています。
本音で言いますと,もちろん地域の大学においても,世界水準の研究というのは大切ですけれども,世界水準の研究を含めて大学が持っているケーパビリティーと,その地域のニーズとか地域の産業が求めているもの,そこにミスマッチがあると思います。ですから,先ほど内部留保の話もございましたけれども,我々企業の側から見ると,各大学が持っている地域独特の機能が見える大学というのが実は少ないです。だから,多分やっていらっしゃると思いますけれども,自分たちの地域の大学が,こういう地域特性に応じた部分を強化しているということを,言っていただいた方がいいのではないかと思っています。
その場合には,さっき大野先生もおっしゃったとおり,1つの大学とか1つの県で考えるのではなくて,ある程度県をまたいだような経済圏というところで考えた方が,ミスマッチは少ないと思いますし,そうすることによって,それぞれの大学が,もっと選択や集中ができるのではないかと思っています。
最後に一言ですけれども,さっき山極先生がおっしゃった反転授業,僕も,これからはこの反転授業のようなものが中心になっていくのではないかと思っています。そうなった場合に,大学というのは,全ての大学が同じような授業をすべきかどうかというのは,MOOCを考えると,多分違ってくると思います。ですから,この反転授業の時代になったときに,大学がリアルな場で果たす役割というのは,先生と学生の会話とか,若しくはフィールドワークというところをもっと強化してくというような格好で,大学の在り方そのものが変わってくるのではないかと思っています。
すいません。長くなりましたけど,以上です。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,次が冨山委員,お願いします。
【冨山委員】 ありがとうございます。私は金沢大学さんとは,日本人材機構等々で実は一緒に仕事をさせていただいて,東北大学さんともいろいろやっているので,お二方のおっしゃることは,もう200%同感であります。
ただその一方で,さっきちょっと東京の大学の定員抑制の関係で,地方大学・地域産業創生交付金というやつの委員を坂根さんと一緒にやっていることがあって,一方の現実として,さっき上山さんが言われた,何だかなーという地方国立大学があることも知っていて,さっきの星さんが言っていた定員の緩和の話は,私も全く同感で,結局これからいろんなビッグバンが起きてくるので,要はなじまないんですよね,そういう供給サイドの規制って。それはもうどんどん自由化して,それで駄目だったやつはもう潰れりゃいいじゃんと思っていて,これ,やっぱり地方の大学の環境は,ぼーっとしていたら厳しくなるんですよ。やっぱりリモート化が進むということは,ある種の集中化現象が起きるので,そこに,さっき山崎先生も言われたように,ちゃんとできていないところは落ちこぼれていくんですよ。学生は集まらないですよ。お金も集まらないです,はっきり言って。でも,僕はもうそれでいいじゃないかと。
それで,問題は,そこで救わなきゃいけないのは,学生を救えばいいんですね,その大学が駄目になったら。そこは,僕ははっきりした方がいいと思います。ある意味では,国立大学と国の関係については,ビッグバンを僕は起こした方がいいと思っていて,そこは多分,金丸さんが言われたように本質的なテーマなんだと思うんですけど,私はそこはもう割り切るべきときが,ある意味で,コロナショックでタイミングがより早く来たんじゃないのかなという感じを強く思っています。
ここはやっぱり私は思い切った自由化をやって,自己責任でやっていくというのを国立大学にも適用すべきだし,国立とは名がついていますけど,やっぱり国というのは,飽くまでも税金という形でサポートしているという意味で一種のステークホルダーですけど,最終的には社会に対する責任を大学は負っているので,それを果たせなくなったら退出するというのが,私は国立大学だろうが私立大学だろうが,共通化するということが一番大事だと思います。
以上です。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,柳川委員,お願いします。
【山極委員】 今,国立大学の学生定員というのは,学部と大学院とで違っていて,学部は内数になっているわけですね。だから,こういう定員管理が非常に厳格にできる。だけど,さっきどなたかおっしゃったように,篠原さんでしたか,やっぱり大学院と一体化して大学の戦略を考えないといけない。留学生は修士でめちゃくちゃ増えています。博士では社会人が増えています。これが国立大学の現状ですよ。
そういうのを,中期目標・中期計画の中でそれぞれの大学に戦略化させて,自由化をする。どういうふうに大学運営をやっていくのか。しかも,定員は授業料とセットになっていますよ。ですから,学生をどのぐらい集めるかということと授業料をどうするかということは,もう大学に任せてほしい。その中で大学の戦略を考えた方がいい。
さっき上山さんがおっしゃったように,外部資金を取ってくるということも必要ですけれども,授業料をどう使うかということも,非常に重要な大学の戦略になってきます。今,日本の国立大学は,運営費交付金と合わせて,年間の資金の中で授業料が占める割合が10%程度。だけど,イギリスの大学は半分以上を授業料が占めています。それは,イギリスの大学がブレア首相の時代に,21世紀の初めに,そういう戦略を国家で作ったからです。そういうことを,日本は,授業料の自由化と定員の自由化をセットにして,大学の戦略としてやらなくちゃいけない。そこに地域の大学の個性も表れてくるし,やり方がいろいろ,自由度を増すごとに多様化してくると思います。是非それは今回考えていただきたいと思います。
以上です。
【金丸座長】 ありがとうございます。
私の発音が悪くて,柳川先生を指名したつもりが,山極先生に行ってしまいましたけれども,お待たせしました。
柳川委員,お願いします。
【柳川委員】 ありがとうございます。柳川でございます。
皆さんがお話になったように,今この時代,改めてオンラインでこうやってやってみて,大きく変わったことというのは,やっぱり今までの発想では,定員とかこういうものは考えられないということですよね。だから,冨山委員が強調されたように,あるいは金丸座長がおっしゃったように,やっぱりここがある種の大きなビッグバンだと思うんですよね。なので,ある種,改めて発想を見直して,自由化の方向で考えていく。そのためには,何人かの先生がおっしゃったように,いわゆる退出戦略というか,そういうところはきっちり考えなきゃいけないと思うんですけど,そういう意味では,定員管理って,これは外部の人に言うと,さっぱり意味が分からないと言われるんだけど,大学では非常に重要な話で,ある種のクオリティーコントロールと,それから,さっきお話があったお金ですよね。予算のところがかなり関わってきた難しい問題なんですけど,やっぱり定員でクオリティーコントロールするというのは,ほぼ意味がない状況になってきたというのは分かっているので,そこは,別のクオリティーコントロールを,少なくとも事後的に何かやる仕組みというのが別個あった上で,自由化していくというのが望ましいんじゃないかと思います。
ずっと私は,他地域居住とか他地域就労とか他地域就学という,1個の組織とか1個の地域に縛られない形で,複数のところに帰属できるような社会になっていくべきだという話をしてきたんですけれども,このコロナの結果,皆さんがオンラインでこうやって活動するようになった結果,それがリアルにできるんだということがかなり実感されてきて,地方に住みながら東京の単位を取るとか,あるいは,逆に東京に住みながら地方の仕事をするということができるようなった。そういう意味では,企業もそういうふうに変わってきているわけで,大学は,正にそういうことが変えられる,あるいは変えていくべき大きな,重要な組織なので,その点でも自由化が必要だと思います。
なので,そこでは非常に柔軟化が必要ですし,前半の話もちょっとだけさせていただくと,ある意味で,地方の国立大学にとっては,非常に大きなチャンスがここにあるんだと思うんです。グローバルに開いていく,あるいは独自性を発揮していく。そのためには,やはり先ほどの話も含めて,柔軟に動けるだけの体制ができるように,そこの自由度を上げなきゃいけないんだろう。そういう意味では,民間との共同研究みたいなところでも,まだまだそこに壁がありますので,ここも自由度を広げていく必要があるだろうと思いますし,組織の帰属というところも,さっきのように1つの大学にだけ所属するというのも,これは学生も教職員も変わってくるんだと思いますので,クロスアポイントメントだとか,ダブルディグリーだとか,単位互換だとか,こういうものの自由化をしっかり進めていくということが重要かと思います。
その点では,やはりどうしてもこの後,各地方国立大学がどれだけちゃんとやったんだという話になってくると,評価はその大学ごとにやると,先ほどお話があったように,連携して活動していこうというところに,なかなかそこが,この大学でどうだったなんていう話をされちゃうと,非常に抱え込み型の活動をせざるを得なくなるので,ここの評価の仕方も,やっぱりきちっと,広い連携を取っているならそれでしっかり見るということも重要だと思いますし,それから,何人かの先生がおっしゃいましたけど,やる気のあるという話はなかなか難しいんですけど,やっぱりプロセスで見るのではなくて,目的オリエンテッドで,その地域に必要とされているものは何かいうことを,各大学がしっかり目的を決めて,その目的が達成されているかどうかというところで,ちゃんとチェックをすると。何かこういう活動をやっていますというプロセスで評価するのではなくて,やっぱり目的を設定して,その評価をする,事後的な評価をする,こういう方向にもう抜本的に変えていく必要があるんだろうと思います。
ちょっと長くなりましたけど,以上でございます。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,松尾委員,お願いします。
【松尾委員】 幾つかコメントさせていただきます。
まず,地方の話は,僕もやっぱり柳川先生がおっしゃったように,グローバルにどう戦っていくのかというのが,一番重要だと思っていまして,東京が相手というよりは,世界と,特色あるところとどう戦っていくかと。地方の特色を生かしてということだと思いますが,地方には優良企業もたくさんありますので,そういうところの競争力を高めるように,地方大学も連携していくということだと思います。一方で,戦略系の人材が地方には不足しているという状況があって,なかなかそこがうまくできないと,グローバルな目線で動いていくというのができないということがあるんですが,最近,先ほど冨山さんからもありましたように,日本人材機構の小城さんの話を何回か聞く機会がありまして,やっぱり東京にいる人が副業として月に何回か行くということでも,十分にワークする。日本は狭いんだから,地方といっても,もう本当,あっという間に行って帰ってこられるんだからということで,オンラインを活用することとあわせて,そういう副業を活用していくことで,恐らく都市圏に,首都圏にいるそういう戦略系の人材をうまく活用していきながら,グローバルに競争力を高めていくという目線でやるということなのかなと思っております。
それから,ちょっと僕のAIに近いところで言いますと,今,東京大学で人工知能の講義をやっておりますけれども,基礎の部分とプロジェクト形式の演習というか,応用と言っていますけれども,その2つをやっているんですね。僕がやっているのがきっかけになって,情報理工にも同様の講義ができて,今2つやっているんですけれども,ところが,今,スタンフォードでディープラーニングの講義が幾つあるかというと,10個あるんです。これ,10個がどういうのがあるかというと,もちろん基礎,プロジェクトみたいなのもあれば,強化学習ですね。ロボット等に活用できる手法に関して,あるいは自然言語処理に特化したディープラーニングに関して,あるいは,ゲノミクスとかバイオメディシンに特化したディープラーニングの活用について,こういう講義がもう10個もできているんです。
ここに対して,僕は非常に問題意識を感じていて,東大の中でもどんどん広げていきたいと思っているんですが,ところが,やっぱり東大の中ですら,基礎をやる学生,応用をやる学生の母集団というのはまだまだ少ないので,そこまで広げていけないんですね。
ところが,大学の講義って今,オンラインにできて,地方にも広げていけるわけなので,じゃあ,どこかの地方の中のバイオをやっている産業の学生というのは,実はその講義を取りたいはずなんですよね。東大生の中では数が足りなくても,日本全体でいうと,そういう特化した講義は欲しいはずなので,ということを考えると,先ほど大野先生からジェネリック・プラス地方独自のとありましたけれども,一般的な講義をちゃんと提供することによって,もっと尖った講義がどんどんできるようになってくるということもあるんだと思っています。そういう意味でも,うまく日本全体としてオンラインを活用して連携していくということが,大事じゃないかなと思います。
ですから,最後に1点だけ,定員の話ですけれども,これは,僕の現場目線から少し問題提起をさせていただきますと,今,AIが重要ということで,そこのポストを増やそうとか,そういう講義を増やそうと日本全体で言われていると思いますけれども,僕から見ると,多くの場合,看板の掛け替えです。これは,やっぱり教員の定員が決まっているもんだから,何か新しいことをやれと言われたときに,もう新しい人を入れる,入れ替えるということが基本できないので,今いる人の中でどうやってやっていくかとなると,今やっていることの見え方をどう変えるかという話がほとんどだと思っています。
数理・データサイエンスという言い方すら,僕はちょっとおかしいと思っていまして,本当はAI・ディープラーニングなんですよ。技術のイノベーションが起こっているというところからすると,AI・ディープラーニングというのが正しいんだけれども,数理・データ化サイエンスというふうに広げちゃうと,やっぱりそこに該当する人はたくさんいるので,看板の掛け替えがしやすくなるということです。やっぱり大学の本来の顧客というのは学生であるし,それから社会に対しての役割というのを持っているわけなので,学生,社会が求めるものをきちんと考慮した上で,教員の定員を決めて,社会で必要とされる教育を提供していくべきだというのが,本当だとは思います。ただ,これもいろいろ難しいことであるのも分かって言っていますけれども,本来はそういうことなんじゃないかなと思います。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,松本委員,お願いします。
【松本委員】 ありがとうございます。収容定員については,まずほかの先生方と同様で,基本的に自由化,もう国が管理する時代は終わったということについて,私は異論は全くありません。そもそもそういうふうに言っていました。
それから,授業料についても,山極先生がおっしゃったように,まず大学に任せてほしい。大学は最も知的な水準の高い人たちの集まりなので,お任せになればよろしいんじゃないでしょうかというのが1つ。
それから,もう一つ確認なんですが,今日の地方国立大学の云々の中で,まち・ひと・しごとの検討会議でやる気のある地方国立大学を選定するというのを,この委員会でやるという意味なんでしょうか。
【金丸座長】 生田さんいいですか。
【生田高等教育局視学官】 まだどちらで具体的にどのような検討をするのかというのは,決まっている話ではございません。ただ,いずれにしても文部科学省だけではなくて,当然,地方創生を担当している部局とも連携しながら,そこは検討していくことになるのではないかと考えております。
【松本委員】 じゃあ,もう1回。だとすると,反対です。やる気のあるというのも意味不明だし,地方国立大学ということについても,当の山崎先生に聞いても山極先生に言っても,文科省に聞けという話であって,どなたも分からないものについて,ここでじゃあ,指定しましょうってばかげた話です。だから反対します。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,手を挙げてもらっているのが,濵口委員,お願いします。
【濵口委員】 2点ありますけど,1点は生田さんに確認なんですけど,旧国立大学のときには,運営費交付金は学生等積算公式というのがあって,学生定員と密接にリンクして動いていたわけですね。今回,定員を自由化するに当たって,もしこのコンセプトが残っているとしたら,運営費交付金と定員とのリンクは,切ると考えていいですかね。ここ,1つ確認しておきたい点ですね。
2点目は,やっぱりいろいろ今日お話を伺って,地方で仕事がないと駄目なんですよ。仕事は今,地方でほとんどのところが,公務員になるか,学校の先生になるか,医者になるかしかない。それ以外の仕事をどうやって作るかという議論をもう少しストレートにやらないといけないと思いますし,それを作るための学生の教育の在り方というのが,もう少し議論が深まらないといけないと思います。それは,金丸さんは実体験として持っておられるわけですから,やっぱり座長の立場も考えながら,もう少しそういう議論をしたいと私は思うんですね。
実例はいろいろあるんです,海外を見ていますと。私も調査をいろいろやったんですけど,カナダのウォータールー大学というのは非常に積極的にやっています。私,2回ばかり行っているんですが,学部学生を半年間修行させるんですね,入学直後に。給料をもらわせて,世界中に派遣します。帰ってきた学生を勉強させて,それから,学部の4年からマスターにかけて,アントレプレナー養成のコースを作っていくんですね。そのサイトもちゃんとオファーをして,資金もオファーをして,育てて,地域に密着した企業をどんどん作ってくと,その企業が大学にまた投資をするわけですね。そういう循環を作れるような構図を作らないと,公務員を作るだけの大学になっちゃうと思うんです。この議論をもっと深める必要があると思います。
この2つでございます。
【金丸座長】 ありがとうございます。最初,生田さん,答えられますか。
【生田高等教育局視学官】 まず,すみません。おっしゃるとおり,今,学生数,定員に応じて運営費交付金が配分されておりまして,その前半部分の御議論については,そもそも収容定員の総数を増加しない中においての柔軟性という部分ですので,そこについては多分影響はない。
【濵口委員】 はい,ないですね。
【生田高等教育局視学官】 多分,おっしゃっているのは後半の,もし増やすとなった場合の話かと思うんですけれども,そこについては,すみません,今の時点で,こうするという結論が当然出ているわけではございませんので,引き続き,まず総数の在り方自体を検討して……。
【濵口委員】 率直に言って,これは文科省として腹を決めて結論を出していただかないと,大学側からは決められないんですね。
【生田高等教育局視学官】 はい。もちろんその点も含めて,検討が必要だというのは認識しております。ありがとうございます。
【金丸座長】 まずはこの会で覚悟を決めて文科省に迫り,文科省が覚悟を決めて,その他各省とかと交渉するというイメージだと思います。
【濵口委員】 そうですね。
【金丸座長】 あともう4分ぐらいになったので,一言ずつになっちゃいますけど,上山委員,五神委員,冨山委員で今日は終了します。皆さん,1分ずつでお願いします。
上山委員,お願いします。
【上山委員】 私はもう徹底的な自由論者なので,レッセフェール信奉者ですから,全てを基本的には自由にすべきだと思っているんですね,授業料も学生数も。しかしながら,ここに難しい問題があるのは運営費交付金の問題なんです。あるいは公的資金の問題なんですね。そして,文部科学省は運営費交付金あるいは私学助成金というそれぞれの大学の基盤的な資金に大きな行政権を持っている。だから,簡単になんでもオーケーですということにはならない。そして,そのことをきちんと考えるだけのプロフェッショナルの役割を,文科省がちゃんと果たさなければいけないと思っています。
イギリスも,9,000ポンドまで授業料をあげてもいいとなった瞬間に授業料がその水準までと上がって,更に留学生の授業料は更に高額になっていきました。今度,中国の留学生が減るとなると,恐らく多くのリサーチユニバーシティーで学科ごと潰れていくという事態が生まれてくるでしょう。具体的には学科を潰そうとさえするでしょう。学科を潰せば,そこにいる教員が切られるということですよね。こういうようなかなりドラスティックな変化が起こってくる。授業料を自由にあげるということは,そのような事態も引き起こしかねないということも想定し,それを公的資金でどう考えるかということを,文科省はプロフェッショナルに分析して方針を示さないといけない。そういうふうに思います。
以上です。
【金丸座長】 ありがとうございます。
では,五神委員,お願いします。
【五神委員】 ありがとうございました。この検討会はユニークな会だと思います。私もたくさん,金丸委員と同じようにいろんな会議に関わっていますが,やはりここでなければできないことに集中すべきです。今日は時間があまりなくて説明できませんでしたが,設置基準行政からの脱却に真面目に取り組む必要があります。定員の話にしても何にしても,全部設置基準で細々と決められてしまっています。これは大学が増える時期には合理的だった,設置時点での質管理でした。しかし,コロナ後について見れば,例えば設置基準で必要とされている面積はソーシャルディスタンスの基準を満たさないわけですから,ほとんど根拠がなくなってしまったものに縛られているということになります。責任ある経営をするにはやはり財源の多様化が必要で,多様化するとステークホルダーが増えてきます。それができたところでは,今度は経営体制をどう立て直すかということが重要ですが,理事の数については法律で決められています。経営資源である学生定員の数も縛られ,経営のために必要な理事の数も縛られているという中で経営体になるのは,とても難しいので,根本を直していただくという提案に大賛成いたします。よろしくお願いいたします。私も協力したいと思います。
【金丸座長】 ありがとうございます。
それでは,冨山委員,お願いします。
【冨山委員】 ちょっともう上山先生に言われちゃったので,同じようになるんですけど,また星先生が言われていたことともかぶるんですけど,かつて金融行政が,大蔵型の行政から今,金融庁型に変わったわけですよね。この過程で,当然,金融庁は,全然前とは違うプロフェッショナリティーというものを持たなきゃいけない。SESCもそうですよね。ああいう転換が,多分文科省自体に求められるんだと思います。
ですから,そういった意味合いで言うと,そのプロフェッショナル・ケーパビリティーを,今度は文科省側がどう作っていくかというのはすごく大事だし,退出させるということは,当然退出の処理の仕方を……,だから,銀行で言うと,ブリッジバンクの処理とかいろいろありますよね,予後の。ああいう仕組みを作っていかなきゃいけないので,そこは,この後ちゃんとやっていかなきゃいけないということを1つ私も言いたかったので,付け加えて,どうも申し訳ありません。
以上です。
【金丸座長】 ありがとうございます。あっという間に時間が参りました。
様々な御議論を頂いたわけですけれども,議論2のテーマの定員のところについては,皆さんの意見が収れんできていたのではないかと思います。
まずマル1の,収容定員の総数の増加を伴わない,かつ学位の分野の変更がない場合の学部・学科等の再編については,皆さんから自由化でいいのではないかという話がありましたので,是非簡素化に向けた運用改善等を行うべく,事務局において必要な諸手続を,迅速に進めていただきたいと思います。
収容定員の総数の考え方については,これも皆様からいろんな議論を頂いたわけですけれども,政策的観点から緊急性を持って必要とされるSTEAM人材などの育成等に係る定員や,23区内の定員抑制においても,例外的に許容される社会人学生や留学生の点については,一定の条件の下,増加させることも視野に,また皆様からそれ以外の自由化のお話もありましたので,是非今日の議論を踏まえながら,文科省においては検討を更に深化させていただきたいと思います。
以上のような方向性で進めさせていただこうと思いますけれども,委員の皆様,いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは,事務局におかれては,具体的な運用改善等に向けた諸手続を進めるとともに,さらなる検討を進めていただくようお願いいたします。
また,今日,地域にある大学のミッションのお話で,やっぱり新しい事業とか新しいサービスがそこで生まれないと,そこで仕事に就けないというお話がありまして,ようやく私の出番も少しはあるかなと感じたところでございます。引き続き貢献してまいりたいと思います。
この会議はユニークな会議と,五神先生からポジティブなお褒めの言葉を頂戴いたしました。私としては,この会議は皆さんがまずユニークだということと,それから,政府の中枢の会議のメンバーが,この会議体には参加しています。経済財政諮問会議からは柳川さんが参加していて,私は未来投資会議からでございますし,五神先生もそうですし,小林委員は現在,規制改革推進会議の議長を務めておられますので,本質的な議論から生まれ出てきた規制改革とかそういうものについては,持ち帰っていただいて,またそれぞれの会議体で更に議論を深めていただければいいのではないかと思っています。
私自身は,ほとんど岩盤規制と言われる規制改革にこの6年間を費やしてまいりまして, 70年ぶり,60年ぶりの規制改革,50年ぶりの規制改革というのを手掛けさせていただきました。そういう意味では,一番短いもので50年間変わらなかったものの規制改革をやっておりますので,今回の,特に日本の未来にとっては重要だと思われる教育の分野ですから,教育の分野がうまく成功すれば,これを知財に換算していけば無限の価値が生まれ出るわけでして,これがうまくいかないと,実は没落のスピードが速くなるという,これは裏腹だと思います。
今後とも皆様の御協力を得て,この会の運営をうまく,次回も回していきたいと思います。本当に本日はありがとうございました。
それでは,事務局に戻したいと思います。生田さん,お願いします。
【生田高等教育局視学官】 ありがとうございます。本日のこのウェブ会議の議事の状況につきましては,恐らく遅くても月曜日中には,動画をホームページに掲載させていただきたいと思います。掲載の際には,事務局から委員の皆様方にも御連絡を申し上げたいと思います。
また,次回の第6回につきましては,6月19日の14時から,当初2時間で予定していましたが,やはりちょっときつそうなので3時間,今回は予定しております。また近づきましたら改めて御連絡したいと思います。
以上でございます。
【金丸座長】 ありがとうございました。本当に長時間ありがとうございました。
山崎先生,今日はありがとうございました。大いに勇気が出ました。ありがとうございました。
それでは皆さん,引き続きコロナに気をつけていただいて,また次回よろしくお願いします。
【生田高等教育局視学官】 ありがとうございました。


―― 了 ――

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