令和元年11月25日(月曜日)10時00分~12時00分
文部科学省 中央合同庁舎第7号館東館15階 15F1会議室
樫谷隆夫主査、植草茂樹委員、江戸川泰路委員、加用利彦委員、佐藤誠二委員、椎名弘委員、野々村愼一委員、水田健輔委員
玉上大臣官房審議官、生田高等教育局視学官、上野国立大学法人支援課長補佐、川辺国立大学法人支援課専門官
日本公認会計士協会
<一法人複数大学における財務諸表の開示について>
(委員)
一法人複数大学のマネジメント体制については、複数のパターンが想定されているが、それぞれのパターンによって開示基準を変える予定などがあるか。
(事務局)
現時点では開示基準を変えることは想定していないが、今後新たに一法人複数大学となる法人の状況など実態を踏まえつつ、必要性を検討していきたいと考えている。
(委員)
今後、どのパターンを法人が選択するのか、現時点では想定が難しい部分もあると思うが、必要があればその都度見直しを行っていくということか。
(事務局)
令和2年度から適用される法人があるため、現時点での方針として検討いただきたい。今後、第4期中期目標期間に向けた検討のなかで更に見直されることはあり得ると考えている。
(委員)
年数を重ねると、開示内容が経営の実態と乖離して、内部では使われないということもありうる。最初は、最小限のルールにおいて、どう振り分けるかについて、きちんと大学が説明していくということが経営の明確化につながる。経営のどの段階から始めるのかを決めて議論に入った方がいいのではないか。
(委員)
民間ではマネジメントアプローチで開示する方向性であり、大学別の開示で固定化させない方が良いのではないか。
(委員)
大学別に財務諸表を全て作成するとなると、相当の負担があると考えられるため、セグメント情報により大学別の情報を開示することでよいのではないか。
(委員)
資料では、大学別の表示となっているが、例えば「病院」セグメントの中にそれぞれの大学病院を表示するという考え方はないのか。
(委員)
セグメント情報で表示されるセグメントの順序を入れ替え、法人共通を最初に表示させてもよいのではないか。
(委員)
制度上はあくまで法人の下にそれぞれの大学を置くこととなっているのであれば、組織は全て各大学の下に設置されるのではないか。制度の仕組みを正確に提供いただきたい。また、法人へ交付された運営費交付金の大学間の配分などは統合法人で自由に決めてよいのか。その辺りは暫定的であっても概念を正確に教えていただきたい。
(事務局)
次回の会議で、改めてご説明させていただきたい。
<セグメント情報の開示について>
(委員)
セグメント情報の開示とは、学内の予算配分を入口と出口に分けるということだと思うが、それを公開する必要性はどこまであるのか。
一言で比較可能性といっても、学生数や様々な違いがあるので、方針を決めることは悪いことではないが、本当に大学間の比較ができるのか。
(委員)
運営費交付金は、予算執行に対応して収益化する仕組みのはずであり、外部資金も同様のはず。よって、会計基準に照らせば「使用セグメント」に計上するのが基本となるのではないか。
(委員)
大学の実態に合うか合わないかという点で、セグメントをまたがる人件費をどのように配分していくかを考える必要がある。費用と収益はパラレルであるが、使用実態を表すべきだと思うので、「使用セグメント」に計上した方がよいのではないか。
(委員)
例えば一つの経営方針として、「学生の在籍しているセグメントに学生納付金を配分する」など、どこにどう配分するかという経営者の判断を示すことが重要ではないか。
(委員)
構造的に赤字を出す部門と黒字を出す部門があったとして、赤字部門の貢献によって黒字部門の黒字が出るという場合もある。本来そういった貢献度をしっかりと配分したうえで評価しないといけない。
(委員)
運営費交付金にしても学生納付金にしても、予算配分から執行までの実際の流れが分からないと議論が難しいのではないか。
(事務局)
いくつかの大学の配分から執行までの流れを調査し、次回の会議でご説明させていただきたい。
(委員)
財務情報だけでなく、非財務情報の開示も重要で、将来どうなるかというところを見せていかなければいけない。経営者がどういう考えをしているかを明示していくことが要請されており、セグメント情報だけでそれを果たそうとするのは難しいのではないか。
(委員)
今後の議論のなかで、事業報告書の議論もあると思うので、セグメント情報の役割をどこまで持たせるかというところもあると思う。無理に指針を出すと、かえってミスリードする可能性もあるので、例えばコストだけを事業報告書に記載するとかそういう方法もあるのではないか。
(委員)
セグメントの収益計上では、先行している私学の例なども調べて参考にした方が良いのではないか。
<国立大学法人に対する会計監査人の監査に係る報告書の改訂について>
審議の結果、原案のとおり了承された。
高等教育局国立大学法人支援課