大学入試のあり方に関する検討会議(第23回)議事録

1.日時

令和3年3月18日(木曜日)14時~16時

2.場所

文部科学省省議室

3.議題

  1. ウィズコロナ・ポストコロナ時代の大学入学者選抜

4.出席者

委員

(有識者委員)三島座長、川嶋座長代理、益戸座長代理、斎木委員、宍戸委員、島田委員、清水委員、末冨委員、両角委員、渡部委員
(団体代表委員)山口委員(岡委員代理)、小林委員、芝井委員、柴田委員、萩原委員、牧田委員、吉田委員
(オブザーバー)山本大学入試センター理事長

文部科学省

萩生田文部科学大臣、藤原文部科学事務次官、伯井高等教育局長、森田大臣官房審議官、西田大学振興課長 他

5.議事録

【三島座長】
 それでは,座長の三島でございます。皆様,こんにちは。今日も多数お集まりいただきまして,ありがとうございます。ただいまから,ちょうど時間になりますので,大学入試のあり方に関する検討会議(第23回)ということで始めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局から何かございますか。
【武藤高等教育局企画官】
 本日,国大協の岡委員が御欠席で,代わりに山口国大協専務理事にお出まし頂いております。また,芝井委員が途中で御退席ということでございます。
 前回までと同様に,御発言,聞き取りやすくお願いいたします。また,ハウリングを避けるための,挙手ボタンと指名後のミュート解除,それから,発言後のミュート戻しなどをお願い申し上げます。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。それでは,議事に先立ちまして,萩生田文部科学大臣から御挨拶を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【萩生田文部科学大臣】
 皆さん,こんにちは。本日もお忙しい中,大学入試のあり方に関する検討会議に御出席いただき,ありがとうございます。精力的な御検討を続けていただいていることに改めて感謝を申し上げます。
 新学習指導要領に基づく最初の入試となる令和6年度実施の入試の予告を出す本年夏に向け議論を進めていただいておりますが,前回からは,テーマごとに,これまでの意見を踏まえた討議ペーパーを座長,座長代理の御尽力で取りまとめていただき,更に議論を深めていただいております。
 本日は,ウィズコロナ・ポストコロナ時代の大学入学者選抜がテーマと聞いています。特に,オンライン面接については,今回のようなコロナの影響で大学によって選抜方法の変更を行うという場合に,大学に少し手間をかけていただくことで,少しでも丁寧な選抜を行うための有効な手段になり得るものだと思います。このことも含め,大学入学者選抜のデジタル化の在り方について議論を深めていただければと思います。
 本日は,今,衆議院の本会議がまだ続いておりまして,先ほど私が担当します小学校における少人数学級の法案が衆議院を通過させていただきました。その関係で10分程度で退出をし,本会議に戻らなくてはなりません。後刻,議事録をしっかりと読ませていただきますので,お許しを頂きたいと思います。
 本日も活発な議論を期待しております。どうぞよろしくお願いいたします。
【三島座長】
 大臣,どうもありがとうございました。
 それでは次,議事に入る前でございますが,事務局から,前回会議の際に委員の皆様から出た宿題等について御説明をお願いしたいと思います。武藤企画官,よろしくお願いいたします。
【武藤高等教育局企画官】
 失礼いたします。まず,参考資料2-525ページ以降をお開きいただければと思います。
 前回,末冨先生から基礎資料に追加するようにという御要望がございました,25ページの家計の年収別の進路の状況とか,あるいは26ページ以降で三大都市圏あるいはその他の地域ごとの年収と進学率の関係,あるいは28ページ以降,出身地域による学力格差等につきまして,基礎資料に追加を申し上げております。
 それから,参考資料2-4、55ページ以降に,学事暦の多様化等に関する現状という章立てをしております。今日も議論の中に含まれてくると思いますが,4月以外の入学,9月入学,秋季入学等の論点に関しまして,若干資料を御用意いたしました。
 56,57,58と続きますけれども,4月以外の時期に入学者数でいうと10人以上受け入れている7大学11学部,選抜区分でいうと36件,これに基づきまして公表資料を基に調べた結果でございます。56から58まで流していただくと,上から,横浜国立,国際教養,慶應義塾,それから,上智,早稲田,立命館,立命館アジア太平洋と,こういった大学が並んでございます。全36の選抜区分を拝見したところ,最初の黒丸ですけれども,出願時期は,通常の総合型選抜と同じように入学前年の9月から入学する年の3月ぐらいが多いということでございましたが,一部に入学年の6月まで募集している例もございました。また,選抜時期は10月から3月辺りが多うございましたが,一部,4月から7月に行っている例もございました。
 個別学力検査を実施している例や共通テストを活用している例は見られませんでした。ただし,合格後に受験を促している例が1件ございました。また,入学前期間の活用,いわゆるギャップタームと言われるようなものについては,募集要項上は記載のない大学がほとんどでございましたが,一部,合宿を実施する例とか,あるいは個人研究のレポートを求める例がございました。これはいずれも国際教養大学でございます。これも参考にしていただきながら御議論を深めていただければと思います。
 以上でございます。
【三島座長】
 武藤企画官,どうもありがとうございました。
 それでは,本題に入ろうと思います。前回申し上げたように,これまで頂いた御意見に基づいてテーマごとの資料を作成してございます。今回は,ウィズコロナ・ポストコロナ時代の大学入学者選抜についてペーパーが準備できましたので,座長代理である川嶋先生から御説明を頂きたいと思います。その後で,これを踏まえての討議の時間を取りたいと思いますので,よろしくお願いいたします。それでは,川嶋先生,どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋委員】
 ありがとうございます。川嶋でございます。先ほど来御紹介がございますように,これまで論点をお示しさせていただいて,それについて委員の方々から御意見を伺っております。それを順次まとめてきているということでございます。
 今回は,2月17日の第21回の本会議において論点をお示しさせていただいた,ウィズコロナ・ポストコロナ時代の入学者選抜の考え方について,表題にございますように,これまでの御意見を踏まえてまとめてお示しをしているものでございます。
 最初に,令和6年度実施の入学者選抜に向けてということで,丸1,第1回大学入学共通テストの実施状況ということでございます。これは再三再四,大学入学センターの山本理事長から御報告があったところでございます。
 最初の黒ポツでございます。コロナ禍の中,県域を越えない会場で高等学校の基礎的な学習の達成度の評価を行うことができる大学入学共通テストが果たす役割が改めて認識され,その安全かつ確実な実施の重要性が多くの関係者から指摘されております。
 2つ目のポツでございます。これまでの大学入試センター試験では,本試験の1週間後に全国2会場で追試験が行われていたが,今回は,新型コロナウイルス感染症への対応として,追試験を兼ねる第2日程が第1日程の2週間後に設定され,試験場が全国47都道府県に設定された。これらの措置は受験機会確保の観点から有効であったと考えられる。また,文部科学省,大学入試センターから感染対策のガイドライン等が示され,各大学や受験生の適切な対応により,感染対策を含め,無事に実施されたと考えられる。
 御承知のように,当初,第2日程を申請していた者の受験生以外にも,感染症等のために第1日程が受験できず第2日程に回った受験生が千名を超え,今年は例年以上に多かったということでございます。
 出題方針,その実現状況,今後の課題についてです。最初の点でございますが,第1回共通テストでは,センター試験の良い蓄積は継承しつつ,知識の理解や質の多様な情報を状況に応じて分析し判断する力が求められている問題や,日常的・社会的な事象と各教科で学習する理論を結びつける学習の推進など高等学校における授業改善に向けたメッセージ性を意識した問題の作成が重視され,様々な資料や実社会で用いるデータを読み解く問題や与えられた情報を基に考察する問題が多く出題されておりました。
 2つ目,各科目の個別の問題については,大学入試センターに置く問題評価・分析委員会を中心に,各科目の専門分野や教科教育の研究者,高等学校教員はじめ各方面からの意見を聞きながら,更なる改善に向けて検討を行う予定ということになっております。
 3番目,他方,50万人を超える受験者を対象にした一斉テストとして,出題できる問題に限りがあることから,各大学のアドミッション・ポリシーに照らして足りないと判断する部分については,個別試験で対応することも必要であると考えられる。
 次,2ページ目ですが,囲みの中については,これまでの委員の方々から出されました御意見をまとめております。
 丸2,共通テストの科目構成等の見直し,高等学校の新学習指導要領への対応等についてです。高等学校学習指導要領の改訂に伴う出題科目の見直し等については,大学入試センターが大学・高校関係団体等からの意見聴取の結果を踏まえて検討中であり,大学入試センターとしての案が3月中,今月中に公表予定である。文部科学省では当該案を踏まえつつ,大学入学者選抜の改善に関する協議を踏まえて,本年夏に予告を通知する予定となっている。
 その下の囲みには,先ほど同様,これまで頂いた意見をまとめております。
 丸3,入学後の教育に必要な入試科目の設定の推進。1つ目,大学入学者選抜に求められる原則1(当該大学・学部での学修・卒業に必要な能力・適性の判定)の観点からは,各大学・学部への入学後の教育に必要な入試科目については,共通テストの活用や個別試験での出題により,適切に課すことが重要と考えられる。
 2つ目,選抜区分ごとの実態調査の結果,例えば,商学・経済学部で数学を必須とする選抜区分は7.2%(全く課さない選抜区分は22.4%),医学系・農学系で生物を必須とする選抜区分はそれぞれ0.8%,5.1%(それぞれ全く課さない選抜区分は16.4%,10.1%)であった。一方で,令和3年度入試においては,文理融合等の観点から,従来数学を課していなかったいわゆる文系学部で,共通テストの数学を課すなどの改革が行われた例もあった。
 3番目,各大学においては,入試と入学後の初年次教育等との役割分担の観点も踏まえつつ,選抜方法の妥当性について検証を行い,入試科目や出題内容を不断に見直すことが重要である。また,国においても,大学入学者選抜実施要項の改訂や定期的な選抜区分ごとの実態調査を通じて,こうした取組を推進することが重要である。
 (2)秋季入学等の入学時期・修学年限の多様化に対応した入学者選抜のあり方。この現状については,先ほど武藤企画官から御紹介があったとおりでございます。
 1つ目,コロナ禍を契機として,教育再生実行会議においては,ニューノーマルにおける大学教育を実現する方策の1つとして,学事暦・修業年限を含めた学びの多様化・複線化についての検討が行われている。こうした検討に当たっては,入学者選抜の在り方についても議論し,受験機会や選抜方法の多様化を一層推進することが必要である。
 2つ目,特に秋季入学については,多様な価値観が集まり新たな価値を創造するキャンパスを実現する観点から,総合型選抜や社会人選抜,留学生入試など,学力試験を中心とする通常の一般選抜とは異なる選抜基準・方法を中心に選抜することが適当である。こうした観点から,秋季入学に対応した入学者選抜の在り方や留意点等について,大学入学者選抜実施要項に盛り込むことが必要である。
 本日,その下の四角の中にございますように,更にこの点について御意見を伺いたいということで,秋季入学に対応した大学入学者選抜の在り方を検討するに当たって,大学入学共通テストの扱いについてどのように考えることが適当か。共通テストの活用は想定するのか,想定すべきでないのか。活用するとした場合にはどのような留意点が考えられか等について後ほど御意見を賜りたいと思っております。
 (3)総合型・学校推薦型選抜の推進。1つ目,限られた時間で学力試験を基本に多数の受験者の合否判定を行う一般選抜と比較して,総合型・学校推薦型選抜は,評価に一定の時間を要する選抜方法,つまり,面接,口頭試問,小論文試験等を時間をかけて丁寧に実施するような選抜方法も実施しやすいなど,より多面的・総合的な丁寧な選抜に向いている。
 また,選抜時期の分散や面接のオンライン化も可能であり,同一日に一斉に実施される一般選抜と比べ,今回のような感染症や大規模自然災害への耐性が高いなど,ウィズコロナ・ポストコロナ時代の入試における意義は大きい。
 3つ目,その際,総合型選抜や学校推薦型選抜は,時間と労力がかかることから,実施体制の充実が必要である。我が国においては,諸外国と比較しても,入学者選抜が教員主導で実施される度合いが強いが,今後,専門人材の育成を推進し,アドミッションオフィスの役割・機能を強化していくことも課題である。
 丸1,学部が求める人材の特性に応じた総合型・学校推薦型選抜の推進。1つ目,実態調査の結果によれば,一般選抜とAO入試,推薦入試の入学者に占める割合は学科系統によって差があります。例えば一般入試が入学者に占める割合が高いのは,医学の75.9%,理学の72.0%,歯学の70.9%等である一方,家政の分野においては37.0%,芸術の分野では37.9%等と低い実態となっております。
 この点について,次のページの四角囲いの中で,本日また皆様方の御意見をお伺いしたいということで,1つ目としましては,総合型・学校推薦型の推進が求められる分野,それらのよさが発揮される分野についてどうお考えなのか。2つ目,例えば医学,歯学,薬学,保健,法学など学部の選択と卒業後の職業選択との関係が強い分野や人材の地域的偏在が問題となっている分野等において,志望の動機や目的意識など高い志を持った者等の選抜を一層重視する観点から,総合型選抜あるいは学校推薦型選抜の果たす役割についてどのようにお考えなのか。3番目,総合型・学校推薦型の推進に当たり,今回から導入された共通テストの成績の段階表示の活用についてどう考えるか。これについては,資料の中にも説明はございますが,スタナイン(Stanine)といいまして,9段階の段階表示を今年の共通テストから導入し,大学にも提供しております。
 丸2,総合型・学校推薦型選抜における学力の適切な把握。1つ目,総合型選抜は入学志願者本人の記載する資料を積極的に活用する選抜形態であり,学校推薦型選抜は出身高等学校長の推薦に基づき,調査書を主な資料とする選抜形態であるが,一部に学力不問となっているとの指摘もあったことから,大学入学者選抜実施要項においては,大学教育を受けるために必要な知識・技能・思考力・判断力・表現力も適切に評価することを求めている。いわゆる学力把握措置の実施でございます。
 2つ目,今般実施した実態調査によれば,これらの選抜区分において,調査書における各科目の評定平均に加え,レポートや小論文,面接,討論,口頭試問,プレゼンテーション,生徒の探究的な学習の成果等に関する資料,模擬講義,事前課題,各種の資格・検定試験の結果など多様な資料が活用されております。
 3つ目,大学入学者選抜に求められる原則1(当該大学・学部での学修・卒業に必要な能力・適性の判定)を踏まえれば,総合型・学校推薦型選抜の推進に当たっては,引き続き,学力の適切な把握を伴った形で行うことが必要である。
 (4)大学入学者選抜におけるデジタル化の推進。丸1,共通テスト出願の電子化についてでございます。1つ目,実態調査によると,各大学の個別入試においては一般入試で90.2%,AO入試で55.5%,推薦入試で57.8%,いずれも令和2年度入試での実績でございますが,それぞれの選抜区分で電子出願が可能となっております。
 2つ目,今後,大学入学共通テストの出願の電子化についても,各大学の個別入試と比べて出願者数が格段に多いことに伴って求められるシステムの安定性や高度なセキュリティの確保,デジタル環境を有しない志願者への配慮,現役生の出願における高等学校の関与の必要性の有無等にも留意しつつ,大学・高校関係者とも協議しながら,早期の導入に向けて積極的に進めることが必要である。
 3つ目,その際,各大学への出願前に志願者に得点を通知する仕組みを導入することについて,全体の入試日程と志願者への通知時期や疑義照会への対応との関係,システムに求められる安定性,セキュリティ,コスト等を踏まえた上で,その実現可能性について併せて検討することが考えられる。
 丸2,オンライン面接等の推進。1つ目,令和3年度入試においては,コロナ禍の中,総合型・学校推薦型選抜等において,面接試験がオンラインで実施される大学が増えたが,コロナ禍が収束した後も,先ほど大臣からも御発言ございましたけれども,自然災害等の事態への対応や地理的・経済的事情への配慮の観点から,面接試験のオンライン化は引き続き有効な手段であると考えられる。
 2つ目,その際には,通信環境の不具合が生じ試験の継続ができない場合や入学志願者において通信環境を整えることができない場合等への配慮が不可欠であり,例えば日時を繰り下げ再試験の機会を設ける,志願者と個別に連絡を取って大学でのオンライン受験も可能とする,大学に連絡窓口を設け不測の事態に個別対応できるようにする等の措置を講じる必要がある。
 3つ目,また,大学の立地によってはオンライン入試の実施に十分な回線が確保されていない地域が一部に見られるとの指摘もありました。国においては,今年度の各大学における面接のオンライン化の実施状況や課題認識についての実態を把握し,必要な措置を講じるとともに,具体的な留意事項等を取りまとめて各大学に示すことが有益であると考えられる。
 4つ目,他方,一般選抜における学力検査をオンラインで行うことについては,不正の防止策等をはじめ,大学入学者選抜に求められる原則の2番目(受験機会・選抜方法における公平性・公正性の確保)の観点から高いハードルがあるため,将来の技術進歩等もにらみながら,当面は先行事例の分析や研究を行うことが必要であると考えられる。
 丸3,CBT化の推進。CBTは,これまでの累次の提言でも,その導入に向けた検討が求められており,マルチメディアを利用した多様な方法での出題,採点や試験実施の効率化,成績提供の迅速化,試験の複数回実施など,様々な可能性を有するものである。
 2つ目,その際,大学入学共通テストへのCBTの導入については,様々な試験や調査の中でも格段に高い実施水準が求められる。具体的には,1つ目,全国的に均質で質の高い受験環境の確保,2つ目,トラブルが生じた場合の対応体制の構築,3番目,新しい試験の在り方に対する受験者を含めた社会全体の理解により複数回受験を可能とする試験の場合には,試験問題の非公開,これについては,IRTで非公開ということになっておりますが,我が国の試験文化のこれまでの素点第一主義といった試験文化の変容が必要となる。これらの課題がたくさんあるため,こういう課題の解決が必要と考えられます。
 3番目,このため,大学入試センターにおいては,海外の共通テストへのCBT導入の状況など,国内外の取組事例の研究やコスト負担の在り方も踏まえ,知見を有する大学等の協力を得ながら課題解消方策の検討を含む調査研究に引き続き取り組む必要がある。その際,導入自体が自己目的化しないよう,どのような方法が適切かつ実現可能かについて,高校・大学関係者との協議を経ながら慎重かつ具体的な検討が必要である。
 4番目,同時に,既に総合型選抜における学力把握の観点からCBTを導入している大学も一部にあり,こうした事例を収集し,情報提供を行って,各大学の個別試験や総合型選抜・学校推薦型選抜における先行事例を拡大することも重要である。
 最後でございますが,5番目,(5)大学入学者選抜の実施・検討体制。丸1,各大学の入試情報の公表。1番目,大学入学者選抜に求められる原則2(受験機会・選抜方法における公平性・公正性の確保)に基づけば,同一選抜区分における公平な条件での実施など形式的公平性の確保とともに,地域的・経済的事情への配慮等の実質的な公平性の追求が必要である。
 2つ目,こうした受験機会・選抜方法の公平性・公正性の確保の観点から,試験問題,解答・解答例や出題の意図,ただし,先ほど申しましたように,IRT方式の出題の場合にはこれは公開できないということになっております。それから,選抜基準,受験者数・合格者・入学者数や属性別内訳などの入試情報は各大学において適切に公表することが必要である。
 丸2,国による選抜区分毎の入試実態調査の定期実施・公表・分析。本検討会議は,選抜区分ごとの詳細な実態調査を行い,データに基づく丁寧な議論を行ってきました。今後もデータやエビデンスを重視した意思決定を行うことが重要であり,今回実施したような実態調査を,改善を図りつつ定期的に実施し,大学入試政策を考える上での資料とすることが重要である。
 丸3,大学入試センターの事業・経営の改善。1つ目,大学入学者選抜の改革を適切に進めていくためには,政策立案に資する専門的な知見を生かすことが重要である。このため,大学入試センターにおいては,外部研究者とも連携協働しつつ,入学者選抜の改善に資する研究開発を更に充実することが求められる。また,入試改革に関わる主要な論者の主張や関連データの有無等について知見を提供することも有益であると考えられる。
 2つ目,大学入試センターの自己収入は,約9割が検定料収入であるため,18歳人口の減少に伴い,その収入も減少していくことが見込まれていることから,これまで同様高い質を保って安定的な運営を図っていくための財源の確保は大きな課題である。
 3番目,今回のコロナ禍での大学入試を考えてみても,共通テストが果たす役割は極めて重要であり,今後も共通テストを安定的に実施していくためには,関係者間で議論しつつ,利用大学が支払う成績提供手数料や試験実施に係る大学配分経費,国からの支援の在り方の検討,入試センターの事業の見直し等を通じた経営の改善が必要である。
 丸4,大学入試についての高校・大学等関係者間の恒常的な協議体の設置。1つ目,大学入試の日程や留意事項等については,毎年,高等教育局長によって招集される大学入学者選抜の改善に関する協議の合意を踏まえて,大学入学者選抜実施要項の通知を行っているが,緊急事態における機動的な協議を可能とする観点からの会議体の常設化,協議のプロセスの透明性の確保,構成メンバーの代表性の明確化等が必要である。
 2つ目,新たな協議体においては,令和3年度入試において出願の直前に個別試験の中止を発表する大学があり,受験生等から戸惑いの声が出されたことなども踏まえつつ,次年度選抜の日程や方法等の協議を行うこと,さらに,中期的な我が国の入試文化の変容を含む継続的な課題への対応も含めた検討を行うことが求められる。
 下の囲いの中は,この点についてこれまで頂いた御意見をまとめております。
 以上でございます。よろしく御審議のほどお願いします。
                          (萩生田文部科学大臣退席)
【三島座長】
 川嶋先生,どうもありがとうございました。それでは,今御説明いただいたペーパーについて,御質問,御意見等ありましたら,御発言をお願いしたいと思います。発言を希望される方は,挙手ボタンを押していただければと思います。
 まずなるべく多くの委員に御意見を頂くとともに,委員の間でのやり取りも行っていただきたいということもありますので,御発言はポイントを絞って,1回3分程度でお願いしたいと思います。
 それから,項目が今回5つございますので,今まだ90分以上残っておりますけれども,1項目当たり20分ずつぐらいをめどにやっていただきますが,(2)と(3)が内容的・分量的に合わせて御検討いただくという形になると思いますので,(2)と(3)を合わせて30分ぐらい,その他の(1)と(4)と(5),これが20分ずつと,このような形で考えていきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 それではまず,(1)令和6年度実施の入学者選抜に向けてに関して御質問,御意見がございましたら,お手を挙げていただければと思います。それではまず,末冨委員,どうぞ。
【末冨委員】
 まず川嶋先生,本日も重要なメモ,ありがとうございました。
 私からは,(1)の第1回共通テストについて2つございます。1つは,前回もですが,第1回共通テストについて一定の評価を得ないで結論を出すことはあり得ないと申し上げましたけれども,このことが本日の資料の主な意見に盛り込まれていないので,改めて確認をさせていただきたいと思います。
 2月17日の会議の際には,大学入試センターの山本理事長から,共通テストについては,問題評価・分析委員会を中心に各方面からの御意見を伺ってということはおっしゃっておられました。けれども,そもそも外部からの意見提出の締切りがいつ頃になっておられるのかお教えいただきたいです。特に,センターのホームページを拝見しましたけれども,センター試験時代は大体3月に評価を出しておられましたので,今回,時期が少し後ずれするということでしたが,なぜそうなのかということ。
 前回申し上げましたように,フルスペックの評価でなくとも,外部からどういう評価が寄せられているのかという点については御紹介いただけるはずだと思います。前回ともう一回同じ指摘をさせていただきますけれども,ショートレポート程度なら不可能ではないと考えます。まずこれが1点目の指摘になりますけれども,大学入試センターの評価検証作業の現状と今後のスケジュールについてお教えいただきたいと思います。山本理事長,お願いいたします。その上で2点目の意見を申し上げます。
【三島座長】
 山本理事長……。
【山本オブザーバー】
 よろしいでしょうか。山本です。
【三島座長】
 はい,どうぞ。
【山本オブザーバー】
 末冨先生,前回もそういった話を頂いて,今年は少し遅れるというふうなことを申し上げておりました。というのは,なかなか集まってディスカッションしながらレポートをまとめていくという作業ができないものですから,例年とは違うような体制でやっているということが1つございます。
 それと,今の進捗状況でございますが,おおむねといいますか,粗々の評価というのは今ほとんど集まりつつあります。これをあと,ブラッシュアップしていって最終的な報告書にまとめていくという段階でございますので,この検討委員会は次回がいつになるんでしょうか。少し頑張ってそれを整理した形で,共通しているような部分について整理した形で何か報告をするということは可能だと今のところ考えております。
 以上です。末冨先生,今みたいなことでよろしいでしょうか。お答えになりましたでしょうか。
【末冨委員】
 はい。様子が分かりました。ありがとうございます。その上で,恐れ入りますが,2点目のお願いなんですけれども,特に第1回共通テストは,あらかじめ英語民間試験の利用,そして,記述式テストの導入を前提に当初の設計がされてきたものになります。その際に,入試の実態調査はこの会議のような形で行われておりません。すなわち,現状のアセスメントや,あるいはセンター試験時代の制度設計の総括をしないままセンター試験を廃止したということに象徴される,ずさんとも言っていいような議論の在り方ということが,とりわけ受験生に大きな不安を与え,あるいは高校の現場にも大きな不安を与えてきました。
 であればこそ,第1回共通テストの評価を全く行うことがなく令和6年度実施の入試の在り方を決めるというようなことをしましたら,今回我々がこの会議で合意した望ましい意思決定の在り方というものに我々自身が反してしまうと考えます。せっかく丁寧な議論を重ねてきた本検討会議のプロセスに大きな瑕疵が残りかねず,将来に大きな禍根を残すことにもなりかねません。
 であればこそ,この会議の提言が国民の納得を得られるもの,とりわけ来年度以降の受験生や,あるいは高校の現場,そして,関わられている教育産業や保護者の皆様の納得に値するようなものであるためには,必ず第1回の共通テストに関する振り返りを待って提言すべきであるということを改めて申し述べさせていただきたいと思います。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。山本理事長,どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは次,今,手が挙がっておりませんが,いかがでございましょう。芝井委員,どうぞ。
【芝井委員】
 ありがとうございます。1ページの丸1の2つ目のところですが,今回は追試験を兼ねる第2日程が第1日程の2週間後に設定されて,試験会場が47都道府県に設定された。その後なんですが,「これらの措置は受験機会の確保の観点から有効であったと考えられる」という御判断なんですが,私,ちょっと違った認識を持っております。
 第1日程の2週間後に第2日程が置かれたのは,御承知のように,授業の進捗に遅れがあるので,その不公平を考えたときに,第1日程か第2日程かを受験生が選択できることが望ましいということを前提に,受験生がどちらかを選んでくださいというふうに提示をしたわけですね。結果はあんなふうになってしまいました。つまり,ほとんど第1日程,つまり,従前どおりの日程で受験をし,第2日程を受験するのはごく僅かであった。その分,ここに書いてあるように,確かに受験機会の確保の観点からは,1,000名近い人間が,コロナウイルスのこともありますので,第2日程で受けることができた,よかったですねということなんですが,主たる目的から考えると,うまくいったのではなくて失敗したのではないでしょうか。私はそのように考えておりますので,是非これはちょっと議論というか,あるいは川嶋先生,どういうお考えか教えていただきたいと思います。
 以上です。
【三島座長】
 それでは,特に御発言ございませんので,次に参ります。両角委員,どうぞ。
【両角委員】
 ありがとうございます。両角です。先ほどの末冨委員の意見に賛成だということを一言述べたくて発言しました。山本理事長の方からまた御説明があるということでよかったなと思って聞いていたんですが,やはり第1回の共通テストがどうだったのかといったことの振り返りというか,個別の科目に限らなくて,今の第1回,第2回というところの芝井先生がおっしゃったことも含めてかなり今までと違うことをやって,それぞれの立場によっての捉え方も随分違うのではないかと思います。
 ここについて意外にもこの会議で十分議論していませんので,そういった入試センターからの御報告を頂くと同時に,前回,私は渡部委員の資料もとても参考になりましたので,例えば,勝手に名指しをして恐縮ですけれども,島田委員とか清水委員とかからもこれについて,共通テストについてどうだったのか御発表いただけるとよいかなと思いました。研究者も皆さん立場によって,見方によっていろいろあるとは思うんですけれども,1つの意見として出していただいたりしながら議論をすることが必要なのかなと思いました。
 あと,もう一つは,これ,令和6年度のというところに入っているんですけれども,共通テストの科目構成の見直しで少しスリム化をしていくとか,情報を入れるとか,あるいは入学後の教育に必要な科目の設定の推進というのは,必ずしも令和6年度に全部やらなければいけないこととも限らないのかなという気がしましたので,若干,ここに入っているのでよいのかなというところだけ,細かいことですが,気になりました。
 以上です。ありがとうございます。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは次,柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】
 福岡県立大学の柴田でございます。ちょっと大きな話と,あと,細かい話をさせていただきます。
 大きな話としましては,今回の入試について,先ほども議題にございましたように,コロナの影響を受けた受験生だったわけですね。本日のテーマは共通テストに集中しておりますけれども,本学で集計しております調査書を調べてみましたら,3年生の授業出席日数,これが当然のことながら例年に比べて極めて少ないんですね。例年大体,3年生になっても140日ぐらいの出席があるのが,110日ぐらいが大体標準ぐらいになっている。この影響がどういう具合に出ているのかなというのがちょっと気になるところでして,できましたら,萩原先生辺りにお尋ねできればなと思うのが1つと,データが集まれば,恐らく来年の受験生は,2年生のときの出席日数が減っているんじゃないかなと推測するので,その辺りもデータとしてフォローできればなと思っているのが1点でございます。
 もう一点は,ここに入っている記述の話で,ちょっと細かいんですけれども,2ページ目の丸3の丸ポツの,私たちが該当します医学系の生物の話でございます。これについては,先日も発言させていただきましたけれども,確かに医学,直ちに生物という反応がございますけれども,大学の生物というのはほとんど高校の化学と言われておりますし,大学の化学というのは大体,高校の物理というような感じでございますので,できましたら,これ,物理,化学も含めて理科全体を取って,そういう見方でやっていただければなと思っております。生物学というのは広範で,かなり記述の部分が多うございますので,入学してからのキャッチアップもできる。それに対しまして,基盤的な化学,物理をもっと現代の科学的な医学では優先しておりますので,ひとつ御検討いただければと思います。
 以上2点でございます。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,ちょうど萩原委員が手を挙げておられますので,最初におっしゃった,高校生の,今年でいえば高3学生の出席日数の話,そんなところを萩原委員に伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
【萩原委員】
 今,柴田先生からお話があった点ですが,例えば東京圏であると,4月,5月は学校が臨時休業中ということですから,出席すべき日数が全体としてやはり2か月分ちょっと,60日程度減っているというのは事実だと思います。ですので,授業の遅れ等が発生するのではないかということで,全高長では,1か月程度入試を後ろ倒しにという要望をしていたところです。実際には高等学校で巻いて授業を進めましたので,どうにか入試までには間に合ったと考えています。
 ただ,大筋のところではやっているけれども,例年もう少し演習等をやらせていた分をはしょっていたりということは当然あると思っています。ですので,今年の入学生が例年の入学生と学力の具合がどうなのかということについては,大学で見ていただく。高等学校としては,何しろ例年の学力になるようにと仕上げて受験させているというのは実態ではありますけれども,細かいところでの状況等については,今後入学してくる学生を見ていただくと分かると思います。
 また,今の現2年生,1年生についてもやはり同じような状況になっています。ですので,2年生では,文部科学省から次年度に回しての指導も可ということもあり,2年生については全体として遅れている学校があるというのも事実と思います。ですので,3年次に巻き返しを図りながら指導していく,受験対策を含めて行っていくということになると思います。
 私からは以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,手が挙がっているのが,今,末冨委員でございます。2度目ですが,よろしくお願いいたします。
【末冨委員】
 私としては,先ほど芝井先生の方から御意見出ました共通テスト日程について,少し個人的な意見を述べさせていただきたいと思います。私自身は,大学入試のどちらかというと最前線,監督サイドとか採点サイドを担う教員として申し上げれば,今年度,共通テストの日程について第3日程まで設定されていたこと自体は,ある程度リスクマネジメントとして意味があったことと考えています。とりわけ6月の早い時点で予定どおり実施であるという方針を大学入試センターとして打ち出されたことは意義が大きかったと思います。テスト理論上は数多くの議論があることは承知しておりますが,それでも,感染状況がどうなるか分からない状況の下では,第1日程,第2日程,第3日程が設定されていたことの意義というのは小さくないと考えております。
 とはいえ,私大連としては恐らく加盟校の多様な御意見もあろうかと思いますし,来年度の入試についても,引き続きコロナの中での,あるいはインフルエンザもそうですが,例年どおりの感染症の中での対応となりますので,大学側の御意見を,特にリスクマネジメントの観点から大学入試センターと合意をなさっていくということ自体が非常に重要なことなのではないかと思います。私としては,リスクマネジメントの観点からは,今年度の大学入試センターの早い御決定と第3日程まで設定ということ自体は,正直申し上げて,有り難かったという面もあるなと思っております。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,20分までもう5分ないぐらいになりました。清水委員のお手が挙がっておりますので,一応(1)については,清水委員の御意見で次へ移りたいと思います。では,清水委員,どうぞよろしくお願いいたします。
【清水委員】
 今,末冨委員,それから,先ほど芝井委員からもあったお話もちょっと関連するんですけれども,(1)は令和6年に向けてとありますけれども,受験者はもう既に日程が発表された令和4年,そして,5年に向けて準備をしているという状況がありますので,大学入試センターの方では既に日程と問題の出題方法や作成方針は公開されていますけれども,今年度取ったような第2日程のようなことが今後どうなるかといったことも中に少し入っていると,文書としてはよろしいかなとちょっと思ったのが1つです。
 それから,先ほど両角委員から少しお話がありましたが,問題の出題の実際についての評価ということで,前回渡部委員から貴重な御意見がありましたけれども,もし時間がいただければ,どこかの機会で私も意見を申し述べさせていただければとは考えております。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,もうお一人できそうですが,ございませんでしょうか。それでは,まず(2),(3)合わせて30分という形で進めさせていただきます。後,また時間がもし残りましたら,戻ってもいいかなと思いますので,よろしくお願いいたします。それでは,(2)が秋季入学等の入学の時期・修学年限の多様化に対応した入学者選抜のあり方,そして,(3)総合型・学校推薦型選抜の推進,これを合わせて御意見,御質問をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは,山口理事,国大協,岡委員の代理で,よろしくお願いいたします。
【山口委員(代理)】
 ありがとうございます。私の方からは,(2),秋入学に絡んだ点について若干意見を述べさせていただきます。ここに記載されている2つのポツの基本的な考え方,つまり,複線化とか多様化の観点から秋入学は進めるべきであって,その場合には,総合型選抜などを中心に,通常の一般選抜と異なった選抜基準とあるべきという部分,これについては賛同いたしたいと思っています。
 ただ,そのときに,更に御議論いただきたい点として挙げられている,共通テストの活用云々の話についてですが,これ,先ほども御説明ありました参考資料2-4で秋入学の現状等を考えると,当面かなり限定的な秋入学になっている,そういう実態も含めて考えていくと,当面の間は,共通テスト活用云々は個別大学に任せるということになるのではないか。更に言えば,秋入学のために共通テストを新たにやるということは非常に問題が多いというふうに現時点では考えているというところです。
 そんなもろもろのことを考えますと,これは強い意見ではありませんが,2つ目のポツにある「大学入学者選抜実施要項に盛り込むことが必要である」というのはちょっと強過ぎる意見かもしれないという気がしています。検討すべきであるのは間違いないですが,現状でも各大学の実施要項の中でうたっていますので,しばらくはそれでも済むかもしれないということも含めて今の最後の発言になります。
 私からは以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,両角委員,どうぞ。
【両角委員】
 両角です。ありがとうございます。2つあります。
 1つは,今の山口先生の御意見と恐らく近い発言になるかと思うのですが,同じ個所の書きぶりが気になりました。順番が逆なんじゃないかというのが私の印象です。社会人であったり,留学生であったり,多様な受験生を受け入れていくということを考えていくと,入学時期の問題であったり,修学年限が多様化していくとか,その中での入学者選抜の在り方というところで必然的に多様になっていくということだと思うんですけれども,何か最初に秋入学とか修学年限の多様化といった制度を変えて,それでもって社会人だ,留学生だというのが,何か順序が反対な気がします。
 既にそれぞれの大学が判断して今もやっておられることですし,留学生とか社会人を私は増やしていくのが望ましいと思っているんですが,そういった中で,各大学が実際できるので秋入学を部分的に入れていくとかすればよく,そういったものが増えていったときに,みんなで,じゃ,大規模になったから秋に向けて共通テストやりましょうかというのが出てきたら考えればいいことで,今ここで議論する問題ではないんじゃないかなというのが,この(2)に関する印象です。
 (3)のところもいろいろ言いたいことは山のようにあるんですけれども,(3)の3ポチ目のところで,現在,日本の大学だと教員主導で実施される割合が強く,専門人材の育成をというところも,分からんではないんですけれども,これも何ていうか,学部主体でやっているという,学部でやっているからこそこうなっているのであって,そこが変わっていけば,多分その姿も変わって,専門人材も育っていくんじゃないかと思うんですね。そこを変えずに,ただ専門人材を育成して入試がどうこうなるという感じは私はしないなという印象を受けました。
 時間もあれなので,取りあえずこの2点です。ありがとうございます。
【三島座長】
 ありがとうございました。秋入学自体の問題については,教育再生実行会議で御議論いただくところということでございますけれども,今日資料等を併せて出していただいたのは,実際にどのぐらい秋入学が行われているかというデータを見ていただくことと,それから,入試に関する多様化,すなわち多様な人材を採用するというようなことから見たときの観点として少し意見を出していただいたというような位置づけかと思います。今後もまたいろいろ教育再生実行会議等で議論があることかと思います。
 それでは次,芝井委員どうぞ。
【芝井委員】
 1つは,両角先生と全く同じ意見を秋入学に関して申し上げようと思ったので,手を挙げるボタンを押しました。
 もう一か所ですが,4ページなんですけれども,更に御議論いただきたい点の中に,2つ目の中黒ですけれども,「例えば」で始まる文章ですね。学部の選択と卒業後の職業選択との関連が強い分野や人材の地域的偏在が問題となっている分野等についてですが,恐らくそれ以外に,高校の教科の中に基本的には教科として教えられていないか,あるいは副教科としての役割が強くて,通常の学業,勉強の中であまり触れることのないような分野というのは割合と大きなポイントかなと思っています。一般試験の割合がすごく高い学問分野とそうでない分野があるでしょうという御指摘も資料と共に頂いているのですが,上のはそういうのありますよね。それもやはり高校での勉学の成果がすごく大きな役割を,入学後の勉学とつながりが強い分野とそうでない分野というふうに大まか分かれるのかなという感じがします。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,ほか,今,手が挙がっておりませんが,いかがでございましょうか。柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】
 柴田でございます。2つほど発言させていただきます。
 1つは,秋季入学でございます。今回資料を整えていただきました,参考資料2-4の56から58の大学の例を拝見しますと,意外なことに選抜の期日が現在の春の入学とかなり重なっていて,私は,春が一段落した後,秋の入学の選抜を行うのかなと思っていたんですけれども,どうやら高校を終えて,日本人の場合だと,3月に卒業した人が,しばらくして9月に入るというイメージになるので,これらの大学はこの間ギャップタームとしてやっておられるのか,どういう具合に活用しておられるのかなというのが大変気になったところでございます。
 と申しますのは,秋の入学というのを一般に,ここに書いておられるような帰国子女,社会人,留学生を除く一般の高校生対象にやった場合には,仮面浪人が多くなるんじゃないかなという全く的外れな懸念をしていたものですから,その辺りが,選考しておられる大学ではどうなっておられるのか,それから,今御検討になっておられる場ではその辺りをどう想定して,どういう方を入学の対象と考えておられるのかなというのが気になるところでございました。
 それから2点目,これは全く別ですが,先ほどもちょっと御指摘がございました,総合型・学校推薦型選抜については,選抜のための専門人材の育成というのが必要であるということで,これは私,先ほど両角委員,教員主導で実施されるというのは,結局これ,日本の入試文化といいますか,入試風土,非常に厳格な選抜,1点刻みというのを求めている以上,なかなか教員以外の者が手が出しにくいのではないか。そのためにも,この辺りを強化するためには,やはり専門人材の育成・養成というのが必要ではないかと思っております。
 私も一時期アドミッションオフィスに関与していたので,非常に悩ましい問題といたしまして,アドミッションオフィスでは,入学希望者と接触する機会が非常に多いんですね。その方々が志願してきた場合,これがダイレクトに選抜して合否を判定するというのが,日本の入試文化,入試風土に合うのかと言われると,かなり厳しい目で見られるのではないかなという懸念は持っておりました。
 だから,この辺り,職業倫理とか,今まで日本の大学の中であまり考えていなかったような,専門的なアビリティー,職能を持った人材が必要になってくるのではないか。これは必ずしもポジションといいますか,職階とか,それから,定員配置とかそういう問題とは別に,これに関与する人材というのは,ある程度のコンプライアンスを身につけた人間が日本では対応しないと,非常に疑義が巻き起こるのではないかということです。
 御承知のように,普通の採点でも,多くの大学ではブラインドでやっていますね。名前を書いたら失格だとか,受験番号も隠して採点するとか,その辺りまで厳密にやっているものが,ふだんから志願者に接している者がそのまま合否判定に関わるというと,人情が移るというような話まで出てくるのではないかなと懸念しておりますので,やっぱり専門人材というのが丁寧な選抜には必要になってくる。
 今後の日本の入試文化が変わるためにも,その辺りはきちんと押さえておかなければいけないなと日頃から考えている次第ですので,専門人材,川嶋先生のところも,九州大学でもそういう養成講座も今いろいろな大学でやっておられますので,是非そういうムーブメントというのは広がる必要があると考えます。これ,必ずしも新しいポジションをつくるという話でもなくて,従来から担当しておられる方の能力を上げ,クオリティー,クオリフィケーションなど必要なのではないかなと考えております。
 以上でございます。
【三島座長】
 どうもありがとうございます。人材育成というか,そういった人材を養成していくというような切り口のお話で,大変参考になりました。
 ほかにいかがでございましょうか。小林委員,どうぞ。
【小林委員】
 質問なんですけれども,秋季入学は,コロナがかなり蔓延して高校が休校になったときに一度議論されて,結局それは駄目になったんですけれども,それは日本の制度を大幅に変えなきゃいけない,つまり,秋季入学だと,普通にやれば秋季卒業になってしまって,就職のときに,会社の方もそれに対応しなければいけなくて,この状況で秋季入学は結構厳しいという話だったと思うんですけれども,今,突然,秋季入学の話が出てきたんですけれども,これは秋季卒業になるんでしょうか。それとも,修了年限の多様化ということを書いていることから考えると,春の普通の卒業ということを念頭に置かれているのか,ちょっと例示したということでしたので,それは結局どうなのかを伺いたいのが1点。
 それからあと,総合型・学校推薦型選抜の,領域によって一般入試が多数ということで,医学は75.9%って書いているんですけど,残りにそんなに総合型・学校推薦型が多かったか,ちょっと私,印象がなくて,これは附属高校からの推薦入試も含まれている数字なのか,附属高校を持っているところは,それが推薦の中に入っているのかどうかというのがちょっと気になるんです。
 それから,推薦・総合型入試というのは,できればそういったものを多様化したいんですけど,分野によってちょっと難しいというのは,例えば医学部だと,地域枠というのがあるんですけども,地域枠で入れようと思っても,なかなか学力が達していない方々が多くて,入学させてもついていけないということがあって,なかなか入れにくいというのが現状ですので,あまり理想的なことだけ言っても現状がついてこないので,地域枠をいくら持っても,結局地域枠で採れないという現状はあるということは御理解いただければと思います。以上です。
【三島座長】
 今の秋季入学の話は,別に学事暦を大きく日本の中で変えようという話ではなくて,いかに多様な人材を大学の中に入れるかというのを,一つ,入試の時期が春だけではなくというような意味での秋季入学でございますし,今日,資料を出していただきましたように,そんなにまだ数は多くないという状況ですけれども,入試のやり方の一つとして多様な人材を大学に入れるというようなことのやり方として考えているということが基本的な考え方だろうと思いますし,それから,秋に入った人は卒業はいつになるのかという,その辺のところも,むしろ,いかに多様なプログラムをつくるかという中でこういうデータを見せていただいたというふうに私は理解してございます。
【小林委員】
 参考までにという考えでよろしいですか。参考までに見せていただいたということで,これが大きな制度設計に関わるということではないですよね。
【三島座長】
 そういうやり方をしている大学が実際にどのぐらいあるかというデータを見せていただいたということでございますし,少し前になりますけども,海外からの学生を日本の大学に入れようとすると,学事暦からいくと秋入学がいいというなことで,一時,そういう意味で学事暦を留学生をたくさん入れるために変えようというお話がございましたけれども,話はあくまで入試のやり方,多様な人材を採るための一つのやり方というか,位置づけであろうというふうに。
【小林委員】
 はい。分かりました。
【三島座長】
 それから,その次の一般入試の比率が医学で75.9というのは,ほかのAO,推薦入試に比べて一般入試で採る人が高いということですので,推薦とかそういうものがそんな数字だということではないということは御確認いただければと思います。
 それでは,島田委員の手が挙がっております。お願いいたします。
【小林委員】
 はぁ?
【島田委員】
 島田です。(3)の総合型・学校推薦型選抜の推進に関して幾つかお話ししたいと思います。私,勤務校ではアドミッションセンターの専任になって既に20年以上がたっております。20年の中で,国立大学の中にはアドミッションセンター専任の教員が増えてきました。アドミッションセンターを設置する大学自体も徐々に増えているわけですが,そこに専任で勤める教員が増えてきました。
 柴田先生御指摘のように,専門人材,教員,職員含めて,育成を推進しようという動きも活発になっておりまして,いろいろな人が育つといいなと考えているところです。
 現在では,アドミッションセンターの専任の教員というのが相当な数いて,日頃,情報交換しながら,悩みであるとか,うまくいったこととか話し合う機会もあるのですけれども,多くの教員が悩みとして口にするのは,アドミッションセンターの専任として,ある大学に突然飛び込んでいっても,学部の壁が厚くて,データもなかなか見せてもらえないし,そう簡単に助言ができるような雰囲気にもならないというようなことがあるとということです。両角先生がおっしゃってくださったとおりです。そういう意味で,学部主導からの脱却というようなことが進んでいけばいいなと私も強く感じているところです。
 それから,もう1点失礼します。4ページの方の,今日更に議論いただきたい点としてまとめていただいているところですけれども,1つ目のポツが少し面白くて,「総合型・学校推薦型の推進が求められる分野,それらのよさがより発揮される分野についてどう考えるか」というような項目があります。
 勤務校ではもう20年以上,いわゆるAO入試,総合型の入試に取り組んでいるわけですが,そこでは高校生の主体的な探求的な学びのプロセスなり成果なりを評価するようなAO入試をやっております。その選抜に携わってきた印象で申しますと,高校の探求的な学びの成果が直接引き受けられるような分野はかなりうまくいくといいますか,相性がいいと感じております。
 具体的に言うと,生物であるとか,理学の幾つかの分野ですね,高校生が生物や化学や物理の授業で直接勉強するような領域であるとか,人文科学の中では歴史とか民俗学などというのは高校生にとっても取り組みやすいという意味で,相性がいいなと感じています。
 一方,高校生には直接見えにくいような,例えば経営であるとか,なかなか理解が難しい心理学であるとか,人間系の幾つか領域などはなかなか難しいというところがありそうに思います。そういったところで総合型・推薦型を進めていくためには,高大連携を進めて,高校生にその分野をよく理解してもらうということが大切なのかなとも思います。しかし一方,そこでまた柴田先生が御指摘になったような難しさというのが出てきて,高校生を指導した教員が選抜に当たるというのはちょっと難しいところがある。そんなわけで,本学では高大連携と高大接続のところははっきり意識的に分けるような形にしているというような現状もあります。
 それから,2つ目の医学,歯学,薬学,それから看護などの領域における総合型・推薦型の果たすべき役割ということですが,これらの領域はいずれも国家資格を最終的には控えているわけで,こういう領域ではやはり基礎学力を入り口のところでしっかり確認したいという意識がどうしても領域の先生方にはあると思います。こういう領域で総合型・推薦型を進めていこうとするためには,学力の担保というのをどのようにしていくかということが重要なのかなと思いました。以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは次,渡部委員どうぞ。
【渡部委員】
 どうもありがとうございます。渡部です。今,島田先生のお話を伺いながら思ったんですが,4ページの上の四角ですね,ここでそれぞれの大学で追跡調査をするという必要があろうかと思いますね。もし行われているとすれば,それを共有できるような形にしてみることは非常に有益ではないかと思います。
 以前,本校で,これ立ち話程度ですけれども,私どもはカトリックのAO入試というのがあります。それで,その子たちの入ってからのパフォーマンスはどうなんですかと,そういう情報はありますかということを事務方に聞いたんですが,あるそうで,かなりいい成績を修めていると聞いたことがあります。
 これから入試が多様化する上で,それぞれの入試の妥当性を検証する上で,そういった追跡調査の予測的妥当性といいますけれども,入ってからどうなのかというパフォーマンスを確認するということはますます重要になろうかなというふうに思いました。以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございます。それでは,30分ということですので,あとまだ5分ぐらいございます。じゃ,末冨委員,どうぞ。
【末冨委員】
 4ページの枠の中の一番下なんですけれども,共通テストの成績の段階表示の活用については,当初,英語民間試験ですとか記述式のためのルールであったというふうに理解しております。ただ,実際に今年度,大学入試センターの方で第1回共通テストについての段階表示をされてはいらっしゃるんですが,実際にこれを用いられている大学というのがあるのかどうかがそもそも把握しておりませんので,その辺りの実態が分かればお教えいただきたいということです。
 個人的には,以前の会議でも申し上げましたが,定員管理が厳格にされている限りにおいては,この段階表示というものは技術的にはフィットしないものでもあるということですので,その点について,もし実際に運用されている大学があれば,その辺りの事例もどのように克服していらっしゃるのかを知りたいなと思っております。以上です。
【三島座長】
 その辺はどうでしょう。
【武藤高等教育局企画官】
 まだないです。
【三島座長】
 分かりました。今年度の初めての共通試験の検討結果が,センターから御提示されれば,お話しできると思います。
 それでは,柴田委員。それでは,(2)(3)の最後と一応させていただきます。柴田委員,お願いいたします。
【柴田委員】
 ありがとうございます。ただいま話題になっております4ページの括弧の中の丸ポツの3番目についてです。段階表示については我々も非常に興味を持っておりますけども,どういう利用法があるのか具体的に,まだデータは手に入れたばっかりですので,今後いろいろ検討していきたいと思っているのが1点と,もう一つ,以前から発言させていただいておりますけども,この学校推薦型選抜を共通テストの成績を入れると,非常に不自由になるという,今,要項上の制約があるのを10日前ルールで御指摘しておきたいと思います。
 共通テストを使うと,少なくともその成績が入手された2月の初旬以降に合否判定をした後,一般入試を行わなければいけないんで,一般入試が,特に私立大学においては大分後ろの方にずらさざるを得ないという制約,何かこれは導入した理由が昔はあったんだと思うんですけども,今としては非常に大きな制約になっているんじゃないかなと思っておりますので,御検討いただければと思います。以上でございます。
【三島座長】
 ありがとうございます。
 それでは,おおよそ30分になりましたが,もう一人,芝井委員,お願いいたします。
【芝井委員】
 すいません,次のつもりで。
【三島座長】
 それじゃ,(4)に移りましょう。(4)に参ります。芝井委員どうぞ。
【芝井委員】
 すいません,5ページの丸1の共通テスト出願の電子化の3つ目の中黒ですけれども,「その際,各大学への出願前に志願者に得点を通知する仕組みを導入することについて」云々というところですが,これ,大変申し訳ないんですけど,国公立の話になっていますので,「各大学への出願前に」をやめていただいて,「共通テスト受験後,直ちに」とか,そういう言葉に変えていただきたいと思います。
 私立大学は既に出願をうんと早く終えているところも結構多いですから,このままだと,ごく一部の大学用に書かれている文章になるかと思いますので,よろしくお願いします。以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,(4)20分ほどと思っておりますが,いかがでしょうか。それでは,萩原委員どうぞ。
【萩原委員】
 (4)の丸2の2つ目のポツに関しては,高等学校側においても同じと考えています。通信環境の不具合が生じた場合の試験等々ということについての配慮をお願いしたいということで以前からもお話ししているとおりです。
 それから,3つ目のポツの部分ですが,「また,大学の立地によっては」と大学に関して書いてあるんですが,高等学校側も同じで,十分な回線が確保されていないという状況もあるので,これは大学の立地だけではない,高等学校側も同じであると御理解いただけるというか,記述いただけるとと思います。
 ただ,この文章,後ろの方は「国において」というのは,この部分は大学に関しての段落で記述されていますので,高等学校においてはGIGAスクール構想等々で回線を太くしていくとか,いろいろな動きはありますが,実際には,回線が太くなっても機器,端末類が十分にそろわなければまた機能しないということになりますので,まずは,高等学校においてもこの問題はあるということを御理解いただければと思います。以上です。
【三島座長】
  ありがとうございます。それでは,斎木委員どうぞ。
【斎木委員】
 斎木です。ありがとうございます。最初に,川嶋先生におかれては,すばらしいおまとめを頂きましたこと,感謝申し上げます。
 私は丸1について申し上げます。共通テスト出願の電子化ですけれども,これについては大変強く支持をしております。
 2つ目の黒丸で記述いただいているとおり,当然それに伴ってシステムの安定性や高度なセキュリティーの確保,デジタル環境を有しない志願者への配慮等々と,多くのことを検討しなくてはなりませんし,実際に,電子化をするに当たっては,多額の初期投資が想定されます。従いまして,是非大学入学共通テストの出願の電子化は可及的速やかに実現をしたいと思いますので,要すれば,その初期投資のコストについては国として手当てすることも検討する必要があるのではないかと思います。
 以上です。ありがとうございます。
【三島座長】
 どうもありがとうございます。それでは,宍戸委員どうぞ。
【宍戸委員】
 ありがとうございます。私は丸2のオンライン面接等の推進というところでお願いをしたいと思います。
コロナ禍で面接試験のオンライン化は引き続き有効な手段である。確かにそうだと思います。その際に,オンラインをする前に,面接試験で,例えば,音声言語でコミュニケーションできないような学生さん,生徒さんに対しては,これまでどういうふうに対応してきたのか。つまり,手話通訳を配置するなどが適切に行われてきたのかどうかということも確認していただければというふうに思います。数は少ないとは思いますが,是非そういう意味での公平性を担保していただければというふうに思います。
 さらに,今度オンライン化が進んでくると,じゃ,耳の不自由なお子さんの場合に手話通訳をどうするかということが,画面上で行われる必要が出てくるかというふうに思います。そういう意味で,コミュニケーションが不得手な人たちに対する合理的配慮,筆記試験については大分配慮がされてきたと思うんですが,面接試験についても同様に御検討いただいて,3番目のポツにありますように,何らかの形で留意事項を大学に提示するというようなことも含めて御検討いただければ有り難いと思います。以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。今のところ,事務局,そういう事例というのはございますか。面接のときに言語や,そういう。
【武藤高等教育局企画官】
 これも含めて,今年の高校入試におけるオンライン面接の実態,把握をしてみたいと思っております。
【三島座長】
 分かりました。宍戸委員,じゃ,そういうふうに状況を把握して,またよく考えたいと思いますので。
【宍戸委員】
 はい。お願いします。
【三島座長】
 次は,それじゃ,牧田委員どうぞ。
【牧田委員】
 牧田です。オンライン面接の推進についてなんですけれども,同じくコロナで我々も就職活動といいますか,採用活動でオンライン面接をしたわけですけれども,これはもちろん面接する方のスキルによると思うんですけれども,直接会わないと分からないことって実は面接ではたくさんありまして,特に,面接する方が知覚を生かして,感性といいますか,感覚としてその相手を捉える,雰囲気を捉えたりするということが,非常に大きなポイントになるというのが今回よく分かったんですけれども,これは例えば高校生にとっても非常に重要な大学入試という機会で,なおかつ大学側にとっては,いわゆる3つのポリシーにマッチングした子供たちを採りたいという非常に重要なチャンスになるわけで,オンライン面接が万能ではないということを踏まえて,何らかの直接面接をできるような工夫を私はどこかに仕組みとして入れた方がいいのではないかなというふうに感じたので,意見として申し上げます。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,続いて小林委員どうぞ。
【小林委員】
 ありがとうございます。まず,丸1の共通テスト出願の電子化のとこの最初の丸ポチに,これ共通テストじゃなくて,一般入試でかなり電子出願が可能となっているということが書かれているんですけども,現状は,最初のアプローチはウェブで出願ができるんですけども,実際には後で紙ベースのものをいっぱい送ってもらわなきゃいけなくて,結局,本当にウェブ出願なのかどうなのか分からないような感じになっていますので,eポートフォリオがもっと普及して,一般入試でも採用されるようになれば,もう少し紙が減るのかもしれませんけど,実際には郵送部分が相当残っているということを御認識いただければと思います。
 それから,2番目のオンライン面接等の推進については,今回はコロナがあったのでオンライン面接を試みたというのが現状で,実際には,例えば医学部の入試は,2次試験は大抵の大学は面接をやっていて,人間性というものをちゃんと吟味しないと,採らないんですけども,これ多分オンラインでは確かに難しいんじゃないかと思います。
 総合型・学校推薦型選抜だから,確認のためにオンラインということはあるかもしれませんけども,一般入試でしっかりと採りたい,しっかりというか,総合的に判断したいというときには,インフラの問題もありますけれども,ものによってはオンライン面接は難しいんじゃないかと思います。
 それから,あと,文科省の方で実態調査をされるということなんですけども,実際オンラインをやろうと思ってもできなかったという実態も調査して,なぜそれができなかったのかというのも調査していただければと思います。もちろん大学だけじゃなくて,高校とか,そちらの方も調べないといけないと思いますけど,よろしくお願いします。以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,渡部委員どうぞ。
【渡部委員】
 引き続きのトピックになりますが,オンラインの面接に関してです。これにつきましては,大学院ですので,学部とはまた違うかと思いますけれども,私の本務校でかなり前に議論したことがあります。そのときに主に話題になったのは公平性です。
 オンラインですと,恐らく皆さん自宅で受験されると思います。リラックスした状態で受けられるでしょう。極端な場合何かを見ながら応答するということもできないわけではないと思うんです。何らかの方法でモニターすることが必要になるでしょう。
 あるいは一方,大学に来て,対面で面接を受ける受験者は,かなりの緊張感を持って,不安を持っているでしょう。遠方から来る場合には疲れも出るでしょう。オンラインの場合このようなは問題は軽減されます。公平性の確保というのが何よりも重要になります。
 オンラインを使う人は,公平性を確保されていない人たちだということは表面的にありますので,十分計画性を持って実施すべきであるとか,しっかりとした意図を持って行うべきであるとか,何かそういったかなり注意深く設計すべきである必要があると思います。以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。それでは続いて,柴田委員どうぞ。
【柴田委員】
 デジタル化の推進につきまして,先ほど小林委員が御発言になりましたけども,確かに共通テストだけでなくて,既にほかのところでも検討していますが,調査書の電子化というのも進めておりまして,その場合には,小林先生が御発言になりましたように,現在,出願の電子化だけだと,ほかに共通テストの成績請求票とか,調査書はペーパーで提出しなければいけないという現状があるので,それを一体的に進めていただきたいことと,それについては,御専門の方は技術的には可能であるというお話も伺っているということで,できましたら,4番目のデジタル化の推進の中にそういう面も入れていただければと感じた次第でございます。以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,今,手が挙がっておりませんけれども,ほかいかがでございましょうか。
 もしないようでございましたら,(5)に移りたいと思います。大学入学者選抜の実施・検討体制ということでございまして,資料としては7ページ,8ページですね。(5)につきまして御意見,御質問がございましたら手を挙げていただきたいと思います。萩原委員どうぞ。
【萩原委員】
 萩原です。(5)の丸1の2項目,試験問題,解答・解答例や出題の意図,それからデータ等ですね,これは公表していただけると,高等学校側としては今後の指導にも大変役に立つということで,是非ともお願いをできればと考えています。以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。ほかにいかがでございましょうか。吉田委員どうぞ。
【吉田委員】
 ありがとうございます。どちらかというと,5番というよりも全般的なことになると思うのですけれど,今回,川嶋先生がおまとめいただきまして,本当にありがとうございました。そういう中で,ウィズコロナ・ポストコロナ時代の大学入学者選抜ということで,6年度からの入試に対してのコロナ等がどうなっているかということももちろん絡んでくるんだと思うのですけども,先ほどのデジタル化の件1つとりましても,私,今年1年間だけとっても,日本のデジタル環境というか,ICT環境って大きく変わったと思っているのです。
 オンライン授業って言葉自体だって,我々からすれば,昨年の3月2日からの休校命令以降,4月,5月と学校によってオンライン授業ができた学校,できない学校によって,もちろん御心配のあった授業日数の問題等もみんな変わってくるとは思いますけれども,この環境が今どんどん,GIGAスクール構想はじめ,高等学校にもGIGA化とか,いろんなことが入って,環境が変わってきているわけですね。
 それから,それに伴って,今,デジタル出願の話も何も,ごくごく当たり前のように私は令和6年のときには,今考えている以上の進化があるのではないかなって気がしているのです。
 そういう中で,私たちがやっていることというのは,あくまでも対面教育であると先ほど小林先生もおっしゃっていたと思うのですけれど,対面でやることによる重要性,それから牧田委員のおっしゃっていた,人と人が会うことによる判断とかいろいろなこともあると思いますけれども,やっぱりそのとき,そのときにコロナだとかインフルエンザだとかいろいろなことが起きる,そのときにどう対応できるかということの一つの解決策が,このデジタルというキーワードではないかなと思っています。
 オンラインということで考えたときにいろいろな問題がありますけれども,やはり子供たちを対象に考えたときに,私はこのパーフェクトというのは今有り得ないと思うのです。3つのポリシーに基づく各大学の基準に基づいてやらない限りは,全ての子供に均一に共通してということは,やはり不可能だと思うのです。ですから,それをやる意味でも,この共通テストというものが何のために必要なのかといったときに,やはり一次テストとして必要である。そうなったときに,共通テストが,やはりこの1月ということが,今回はコロナ禍ということがありまして,2回目,3回目というものまで用意されたわけですけれど,実際に国立大学の選抜ならば,学校推薦形等についても,その試験の結果で学力というものを判断なさいますけれど,私立学校の学校選抜だと,10月,11月にもう判断が出てくるケースが多いわけです。そうすると,そこのところを考えたときに,やはりこのCBT化の問題とかいろいろなことも含めていくと,共通テストが本当に1月でいいのだろうか,もう1回,12月とか11月ということも考えていかなくてはいけないのかもしれませんし,英語だけだって,英語4技能試験が早くから資格試験としてあるのだったらそれを用いることによって,少しでもそういうコロナ等の緊急事態が起こっても解決する方法にもなる。そういったことも総合的に含めて考えていけば,きっと私は,この入試自体というものが本来の令和6年度からの新しい学力というのですか,主体的な学びをしっかりと捉えた,そういう教育に対応した入試になっていくのではないかなと思ってあえて申し上げさせていただきました。ありがとうございました。
【三島座長】
  ありがとうございます。これはもう正におっしゃるように,デジタル化がどんどん進むでしょうし,今から例えば10年後になったら,どんな世の中になっているかという中で,入試にとってのCBTの役割なんかも増えてくるでしょうけれども,この辺をどうやって,そういう世の中が変わりつつある中で,入試を考えていくかというところに,恐らくこの8ページの高校・大学関係者間の恒常的な協議体の設置というようなことが関わってくるのかなというふうに思います。
 本当に世の中の変化というのが非常に激しいので,その中で,毎年,1年ごとの入試が少しずつさま変わりしていくということの中で,よりよい道を探していくという形になろうかというふうに私は思います。ありがとうございました。
 それでは,次,山口理事,国大協,お願いいたします。
【山口委員(代理)】
 ありがとうございます。私から2点ほど意見を述べさせていただきます。
 まずは,(5)の丸3です。大学入試センターの事業・経営の改善,これについては極めて重要な課題と認識しておりまして,基本的にここに記載のことはこれで結構なんですが,ちょっと気になる点は3番目のポツです。それの下から3行目から,「関係者間で議論しつつ,利用大学が支払う成績提供手数料や」云々のところなんですが,これについては,昨年の11月に岡先生の方からこの場での御意見を述べさせていただいておりますが,基本的に手数料の値上げをしても解決できない経営課題を抱えていらっしゃるんだと思っております。そういう意味では,そのときに申し上げましたのは,国としては,まず,大学入試センターの存続について最優先事項として考えるべきであること,これを改めて御指摘させていただければと思っております。
 それから2点目です。8ページ,丸4の2つ目のポツです。協議体の設置については,これは是非お願いしたいと思うものの,この2つ目のポツにある令和3年度入試において出願の直前に個別試験中止を発表する大学があって,受験生などから戸惑いの声が出されたこと,これは事実として重く受け止めてはおりますが,この判断には,各大学がその時々の状況に応じて苦渋の決断として出された決断であるということも加味しつつ,この協議体でどういう議論にしていくかということもお考えいただければと思います。協議体そのものの議論を否定するつもりもありませんし,ここに書いてある文言は事実ですので,これはこれで結構なんですが,ある一面だけではなくて多面的に考えを捉えて検討いただければと思います。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。それでは,続いて小林委員,どうぞ。
【小林委員】
 ありがとうございます。ちょっとここで言うべきかどうか分からないんですけども,芝井先生も先ほど御指摘されていましたが,全般的に川嶋委員の書かれた内容はよく分かるんですけども,やっぱり国公立大学を念頭にしたような書きぶりになっていて,私立大学は今ユニバーサル化なんです。コロナ時代というのは,大きな攪乱ではありましたけれども,通奏低音のように(問題として)流れているのは少子化なんです。少子化の中で,私立大学はそれなりに頑張ってやっているんですけども,だんだんとやっぱり選抜という考え方というよりはマッチングという考え方に少ずつシフトしてきていますので,総合型・学校推薦型についても,選抜という言葉というよりは,いかに自分の大学の理念とかアドミッション・ポリシーにマッチしているかという考え方の方が,よりすっきりするんです。
 ですから,今回,大学入試の選抜について語る会議なのかもしれませんけども,どこかでやはりマッチングということも考えて,心にとどめていただきたいというふうに考えます。よろしくお願いします。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,ほか,いかがでしょうか。
 この後,それでは,まだ時間が20分ぐらいはございますので,全般的に今日の1から5までのところ,どこでも結構ですので,もし御意見ございましたらよろしくお願いしたいと思います。
 末冨委員,どうぞ。
【末冨委員】
 先ほどの(5)と関わってなんですけれども,大学入試センターの財政問題というのは,私自身も教育財政の専門家であるだけに大変憂慮しております。とりわけ,下手に大学入試センターで赤字を積み増す,あるいは現在もそうでしょうけれども,決して十分な運営経費が保障されていない状況で非常に重要な役割を担っている共通テストの実施体制を,クオリティを保ちながら維持し続けることは,恐らく極めて難しいことなのであろうというふうに思います。
 こちらの7ページの方にも書いてありますが,国からの支援の在り方の検討につきましては,以前は交付されていた,国からの交付金がなくなったという経緯も含め,果たしてそれでよかったのかという経緯の検証ですとか,あるいはやはり国からの支援をきちんと確保しながら望ましい共通テストの水準を確保していくことも重要であろうと。もしくは共通テストの作問・実施体制もそうですが,必要な予算は政府財政から確保していくという判断は,いずれかの段階でしなければ,少子化の中では極めて厳しい状況になり,共通テストであってはならないミスを起こしてしまう原因にもなりかねないというふうに危惧しております。
 ほかの施策分野で申し上げますと,例えばですが,教員免許更新制度も中教審で柔軟に見直されているということですので,これまでの政策の経緯にこだわり過ぎることなく,必要である国の補助については柔軟に対応されるべきであろうと存じます。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。それでは,斎木委員,どうぞ。
【斎木委員】
 斎木です。どうもありがとうございます。
 今,末冨先生から,そして先ほど山口先生からも御指摘がございました③の大学入試センターの事業経営の改善について,私も一言申し上げます。
 お二方の御意見に賛同するところであります。大学入試センターが果たしている役割の重要性に鑑みて,センターの自助努力といったものは引き続き求めつつ,同時に,必要な支援を国として行うことは当然であると考えますので,しっかり政府として取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【三島座長】
 ありがとうございます。それでは次,両角委員,どうぞ。
【両角委員】
 両角です,ありがとうございます。
 私も,先ほど小林委員がおっしゃったことと同じような感想をずっと抱いていたので,意見を申し上げたいなと思いました。
 中長期的にというで,日本の大学入試の文化もあるんですが,中長期的にはやはり18歳人口は今減っていきますので,大学は潰れもしない限りは大体同じ数があって,むしろ今は微増ぐらいな感じかと思います。そうすると,やはりぎりぎり今までのように選抜で,もちろん大学によっては,ここの議論の難しさをすごく感じていまして,一次で足切りしなければいけないような大学もあれば,入学したい方は受け入れてその後にしっかりと教育して能力を伸ばしてあげる大学があってもいいのではないかということを私はずっと言っているんですけれど,そういう入試の文化とか今後18歳も入っていく中で,あるいは留学生や社会人などのいろんな学生が増えていくというところの入試というふうに,少し考え方を実態に合わせて変えていった方がいいかなという気もしていました。
 例えば,今回御議論いただきたい点と幾つか書いてあることに関して,議論すること自体はとても大事だと思うんですけれど,違和感を覚えたところがやはり幾つかありまして,例えば4ページ目に書いてあるようなことは,それぞれの大学がきちんと考えていきちんとアドミッション・ポリシーにしてやればいいことで,それができてないんであればそれが批判されればいいことであり,一般論として何が望ましいというものでは,私はないんじゃないかなというふうに感じております。
 どこで発言してよいか分からなかったので,最後に意見述べさせていただきました。ありがとうございます。
【三島座長】
 ありがとうございます。それでは,柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】
 先ほどから多くの方が御指摘になっておられます大学入試センターの経営問題ですけれども,これは,私,以前関与して,事業仕分のときに,受益者負担の考え方が出されて,自立的な経営というのに移行したように記憶しているんですけども,現在は大きく入学者選抜改革とか,それからマッチングとか,新しい考え方,政策的に大きな転換期に来ているときに,広い意味での少子化時代の受益者が単に受験生,大学だけではないんではないか。社会全体への公共的な役割が,ナショナルセンターとしての大学入試センターに今求められているという見解,見方が必要と思いますので,是非公的資金で,CBTにしても,いろんな改革的な取組を,入試センターを中心にしてやっていただけるような財政的基盤が整えられるように願っておりますので,是非この委員会でもそのようなコンセンサスがいただければと思っております。
 以上でございます。
【三島座長】
 ありがとうございます。非常に重要なところですね。それでは,清水委員,どうぞ。
【清水委員】
 ありがとうございます,清水です。今日のメインのテーマでしたポストコロナ・ウイズコロナの時代ということの中で,この非常に複雑な中で大きなトラブルもなく共通テストが終了したことは,驚きというとちょっと語弊ありますけれども,とても大きかったなと思います。私自身,たまたま今回試験の監督に当たったものですから。マスクはもちろんフェイスシールドをして相当注意しながら当たったわけですけれども。その結果として,セーフティネットというか,最後のとりで的な色が随分強くなった感じがするんですけれども,その一方で,やはりこの共通テスト自身に対するリスク管理という面も考えますと,全て,そこを共通テストに,セーフティネットで頼るというばかりにもいかないんじゃないかという気もします。その意味で,これは以前,山本理事長からこれまでのセンターの歴史的な流れ等もお話しいただいたんですけれども,やはり機能がどんどん大きくなって肥大化していたものを,どこかではスリム化していくようなベクトルというか,それも必要だと思います。今話題になっているCBTやICTの活用等も,現在のリスニングのテストになるまで,カセットテープの時代から20数年かけて開発が進んだというお話もありましたので,やはりそういう研究面での支援というんですか,財政的な支援というか,そういうのもやはりこの委員会として強く訴えていく必要があると思っていました。
 というわけで,特に大学入試センターの運営のサポートというか,その辺を強く訴える必要があるのかなということを思いました。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。ほかございますでしょうか。
 それでは,手が挙がりませんが,どういたしましょうか。いいですか。
【川嶋委員】
 手が挙がりました。
【三島座長】
 渡部委員,どうぞ。
【渡部委員】
 6ページ上、3番目の項目について訂正が必要ではないかと思われます。CBT化とあります。テスティングでCBTというのは,ペーパー版のテストをそのままコンピューターに載せたということに過ぎません。関連してIRTと記載されていますが,IRTが有用なのはCAT―Computer Adaptive Testing―であります。CATは、受験生のデータをどんどん蓄積していって,統計的に分析し,視力検査のような形で言語能力が絶対尺度で測定できるようなシステムです。今,とっさに書き換えの文言を示すことができませんので、機会を改めて何か申し上げられればなと思っています。川嶋先生におかれましても情報が得られましたら文言を書き換えることを検討していただければと思います。
 以上です。
【三島座長】
 CBTというやり方に対する中身のものですか。
【渡部委員】
 6ページの2番目の黒丸です。ここに「IRT(項目反応理論)」とありまして,素点ではなく段階別評価というふうに書かれていますが,必ずしもIRTと段階別評価は結びつきませんので,やや注意深く文言をつくる必要があるかなというふうに思いました。また7ページにもIRTに言及がありますが、ここもミスリーディングではないかと思います。書き換えの文言を検討してみます。
【三島座長】
 分かりました。ありがとうございます。ほかいかがでございましょうか。よろしいですか。
 それでは,お手が挙がらないようでございますので,今日はここまでとさせていただければと思います。長時間様々な御意見を頂きまして,ありがとうございました。本日頂いた意見を踏まえて,座長代理とも御相談しながら,さらなるブラシュアップをしていければというふうに思うところでございます。
 それでは,次回会議等,武藤企画官,何かございますでしょうか。
【武藤高等教育局企画官】
 次回会議の具体的な時間につきましては,委員の皆様の日程を調整の上で近日中に御連絡さしあげたいと思います。
 以上です。
【三島座長】
 それでは,どうもありがとうございました。本日は以上でございます。ありがとうございました。

―― 了 ――

 

 


 

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