大学入試のあり方に関する検討会議(第15回)議事録

1.日時

令和2年10月16日(金曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省省議室

3.議題

  1. 討議
  2. その他

4.出席者

委員

(有識者委員)三島座長、川嶋座長代理、益戸座長代理、斎木委員、宍戸委員、島田委員、清水委員、末冨委員、両角委員、渡部委員
(団体代表委員)岡委員、小林委員、芝井委員、柴田委員、萩原委員、牧田委員、吉田委員
(オブザーバー)山本大学入試センター理事長

文部科学省

萩生田文部科学大臣、藤原文部科学事務次官、伯井高等教育局長、森田文部科学戦略官、西田大学振興課長 他

5.議事録

【三島座長】
 定刻となりましたので,ただいまから第15回大学入試のあり方に関する検討会議を開催させていただきます。
 毎回のお願いですけれども,今回もコロナウイルス感染拡大防止のためのウェブ会議方式でございます。もし音声等に不都合がございましたら,御発言をお願いしたいと思いますが,よろしゅうございましょうか。
 本日も,そういう訳で,傍聴者・報道関係者の入室を認めない,ライブ配信での公開でございます。後日,議事録をホームページに掲載することにしたいと思います。毎度のお願いですが,よろしいでしょうか。
 それでは,よろしくお願いいたします。
 初めに,事務局から何かございましたら,武藤さん,お願いいたします。
【武藤高等教育局企画官】
 失礼いたします。本日の出欠状況ですが,荒瀬委員が欠席,それから,小林委員が途中から御出席です。
 前回までと同様に,聞き取りやすいようにはっきりと御発言をお願いいたします。また,御発言の都度お名前をおっしゃっていただいたり,あるいは資料参照の際,該当箇所などを分かりやすくお示しいただければと思います。また,ハウリングを避けるために,御発言の希望の際は挙手ボタン,それから,指名されたときはミュートを解除して,発言後はミュート状態に戻していただくようお願いいたします。
 以上でございます。
【三島座長】
 それではまず,会議の開催にあたり,萩生田文部科学大臣から御挨拶をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【萩生田文部科学大臣】
 本日もお忙しい中,本当にありがとうございます。引き続き,菅内閣におきましても文部科学大臣を続けることになりました。また先生方と一緒に頑張ってまいりたいと思いますので,よろしくお願いいたします。広く国民の皆さんに受け入れられる入試制度の構築は,高大接続改革の要であり,新政権においても重要な政策課題であります。今後とも本検討会議の議論をしっかりとフォローし,よりよい政策につなげるべく尽力してまいりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 1月から始まった本検討会議も,はや15回目となります。委員の皆様からの意見発表から始まり,約40名の外部有識者・団体の皆さんからのヒアリングや,広く国民の皆さんから頂いた御意見を踏まえた議論を行うなど,コロナ禍の中でも精力的な検討を続けていることに改めて感謝を申し上げたいと思います。
 本日は,これまでの議論を踏まえ,英語4技能評価や記述式出題の在り方の前提となる事項を整理していただくこととなっていると聞いております。本日も活発な御議論をどうぞよろしくお願いいたします。
【三島座長】
 大臣,どうもありがとうございました。
 それでは,議事に入りたいと思いますけれども,川嶋委員から,まずその前に御発言がございますので,よろしくお願いいたします。
【川嶋委員】
 川嶋でございます。少し本日の議事に入る前に,皆さん,今朝の朝刊各紙でも御案内かと思いますけれども,昨日の政府の新型コロナ感染症対策分科会で,共通テストにおける濃厚接触者の受験について新しい考え方が示されたところです。6月の時点では,濃厚接触者は14日間自己隔離した上で,もし試験日には陰性,健康が戻っていれば受験を認めるということでしたけれども,昨日の分科会では,濃厚接触者にも別室で受験を認めるというふうに決まったと今朝の各紙で報道されておりました。
 これについては,一部の朝刊でも,私立大学関係者のお話として,さらに受験会場を増やさなければいけないというようなコメントも出ておりました。大規模な大学は,教室や,あるいは監督要員の配置はできると思うんですが,中小の大学ではさらに負担が求められるというようなこともあるかと思いますので,この点について,文部科学省のお考え,あと,大学入試センターのほうのお考えをぜひお聞かせいただきたいというのが私の今回の発言の趣旨でございます。よろしくお願いいたします。
【三島座長】
 それでは,西田課長,よろしくお願いいたします。
【西田大学振興課長】
 大学振興課長の西田でございます。今御指摘いただいた点についてでございますが,文科省では6月の段階で,大学入試全体についての感染症防止のガイドラインを策定しておったということでございます。共通テストにおいてどういったような形で感染対策を取るのかということ,これは大学入試センターで検討しておったわけですけれども,これについて昨日の政府のコロナ対策の分科会においてその原案をお諮りし,御了承いただいたというような経緯でございます。
 このガイドラインでは,試験実施時の試験室の設定とか,各種感染防止策,試験入場時の対応等,それから,受験生への周知事項,発熱・せき等の症状を申し出た受験生の対応などについて定めているものでございます。その中で,6月に定めていたガイドラインでは,濃厚接触者については14日間の健康観察が必要とされますので,その健康観察の期間については,受験できないというような考え方を示しておったわけですけれども,それについては,様々な御意見も踏まえまして,PCR検査の結果が陰性,それから,受験当日も無症状,公共の交通機関等を利用しないこと,それから,受験時は別室で受験をするというような条件をクリアできていれば,受験を認めるというようなことで,かつ試験の際にも,別室等,それから,動線を別にする等の対応をするというような条件の下,受験を認めるというような案について,昨日分科会から了承をいただいたというような状況でございます。
 今後,この方針を大学入試センターと連携をして,具体的な実施の方針として策定をし,速やかに大学のほうに周知をさせていただきたいと思っております。これに基づきまして,必要な対応については,入試センターとも十分協議をして,私どもできることを対応していきたいというふうに考えているところでございます。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,山本理事長,何かコメントがございましたら。
【山本オブザーバー】
 ありがとうございます。川嶋先生のほうから,昨日の分科会のこと,それから,今,西田課長から,分科会での方向性と対応,いい具合にといいますか,これまで文科省と相談しながらやってまいりましたが,ほぼこれでよかろうと言っていただきました。今後、整理をして,さらに試験場の別室受験その他もろもろをガイドラインに盛り込んでまいりたいと思います。別室の準備,それから,動線を分けるといったような警備上の整備とか,こういったことで試験会場を受け持っていただくそれぞれの大学にやはりまた新たな御負担をお掛けすることになると思います。これは人的な面もそうですし,経費的な面でもそうです。そういったことについて,ぜひ国のほうでもこれのサポートをきちんとしていただきたいなというふうに思っております。
 また、第2日程の受験予定者数のほうは,800人を現時点では若干下回るというような数字でございます。大学に対していろいろとこれまで御苦労いただいて,全国の試験場を多数確保していただきました。ただ、準備したほどには要らないということにはなるんですが,このコロナ対策,やはりきちんと感染防止対策を取っていくという上で,財政的な支援について,国のほうに改めてお願いを申し上げたいというところでございます。
 今日はそれぞれ大学の団体の代表の先生方もお見えになっておりますので,この辺どういうふうにお考えになられるか,どういうふうな対応を今しているかといったようなことについても,今日のあり方検討会議の全体のアジェンダから逸れるんですが,せっかく川嶋副座長から言っていただいたので,その辺の意見も少しお聞かせいただければありがたいなと思っております。
 以上です。ありがとうございました。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,本件はここで議論をするのは控えまして,議題に入っていきたいと思いますので,現状を御理解いただければと思います。
 それでは,議題に入ります。本日は,本来であれば,全国の大学に対する実態調査の結果を踏まえた議論を行いたいというふうに考えておりましたが,まだ一部に未提出の大学もある上,項目も多岐にわたることから,取りまとめになお時間を要する見込みでございます。このため,本日は,これまでの委員の皆さんや外部有識者の意見発表,ウェブ意見募集の結果も踏まえつつ,英語4技能の評価や記述式問題の検討にあたって,その前提となる原則や観点を整理しておくべきであろうということで,その事項について議論をしていただきたいと考えてございます。
 副座長である川嶋先生に,論点についてペーパーを作成していただきました。資料1でございます。これをまず川嶋先生に御説明をお願いした後,議論をしたいと思います。よろしいでしょうか。川嶋先生,よろしくお願いいたします。
【川嶋委員】
 川嶋です。お時間をいただきましてありがとうございます。ただいま三島座長から御説明があったとおりでございますが,私,一委員としまして,これまで委員の皆さん方の御意見,あるいは外部有識者からのヒアリング,また,前回御報告がありましたウェブでの意見募集の結果等を改めてレビューした上で,我々の会議としてはこの辺りでほぼ共通認識ができるのではないかと思われる事項について,本日の配付資料1にありますような形で少し整理をさせていただきました。この議論は,もともとこの会議の発端となりました英語4技能の評価あるいは記述式問題の具体的な在り方を検討する上で,その前提となる原則や観点を確認しておいてはどうかという観点から整理させていただきました。
 それでは,資料1を御覧ください。ある意味いろんな観点からこれまで様々な御意見をいただいているんですが,さらに今後本会議での議論を深めるために,大きく3つのくくりで整理をいたしました。
 まず最初は,大学入試に求められる原則等ということで,一番の入試を考える際の出発点になる観点かと思われます。御承知のように,十数名の外部弁護士さんの協力を得て,これまでの検討の経過についての事実関係や整理が行われ,また,それに基づいて本検討会議でも議論が行われてまいりました。それらを踏まえまして,大学入試に求められる原則や政策決定において留意すべき事柄を整理しておく必要がまずあるというふうに考えております。
 (1)でございます。まず今回の検討会議の経緯になりました英語4技能あるいは記述式の問題についての政策決定過程について,様々な御意見やレビューを行ったところでございます。この政策決定過程について問題と考えられる点は,1つは,重要な課題であっても常に先送りされて,実現可能かどうかという確認が十分なされてこなかったということ。それから,工程の柔軟な見直しが行われなかったこと。委員の方々あるいは外部有識者の方からは,2020年ありきであったのではないかという御意見もいただいております。また,共通テストと個別選抜との役割分担の議論があまり十分なされていなかった。これについては,3番目のところでまた改めてお話しさせていただきたいと思いますが,共通テストの在り方にかなり議論が傾注されていたということでございます。
 それから,4番目としては,大学入試への過度の依存と過大な期待ということです。本来,高大接続改革ということで高校教育改革,大学教育改革,それから,両者を取り結ぶ大学入試改革という,この3つそれぞれの役割を踏まえた上でそれぞれ議論されるべき課題だったところが,入試のところに重点ばかり置かれて,大学入学後の教育との関係,役割分担が必ずしも議論されてこなかった。あるいは,高校教育への影響という観点から,入試改革の影響というものが過大視されてきたということがあったのではないかということです。
 (2)ですが,こうした点を踏まえまして,今後,大学入試の在り方を考える際に,原則としては以下のようなものがあるのではないかと考えております。まず大前提ですが,大学入学者選抜の意義とは何かということでございます。大学入学者選抜というのは,当然のごとく,大学教育を受けるために必要な能力を判定・評価するという行いでございます。したがいまして,入学後の教育の在り方と,どういう人材を合格とするのかというのは当然大きく関連しております。したがって,これまでも何度も強調されてきましたけれども,いわゆるDP・CP・APという3つのポリシーの中できちんと大学入試の在り方,大学教育の在り方を考えていく必要がある。
 2つ目は,やはり高校教育を修了した人について大学教育を受けるにふさわしいかどうか評価するわけですから,高校教育と大学教育を接続するという観点も非常に重要でございます。ただし,社会人とか留学生等については,別途配慮が必要であろうと思います。
 3番目としては,大学入学者選抜というのは,個々の大学の主体性が一番重要であるということになります。ただ,大学入試というのは,1つの大きな社会制度ですので,個々の大学が自由に選抜を行えばいいというわけでもなく,一定のルールは必要であろうというふうに考えております。
 マル2でございますが,大学入試に求められる原則としては,これまでも3原則等というふうに言われておりましたが,改めて今日の状況を考えますと,以下の5点にまとめられるのではないかと思います。
 (ア)公正性・公平性の確保でございます。手続の公平性は当然でございますけれども,今回明らかになったのは,試験実施業務における利益相反が問題になったという御指摘も委員の方からございました。したがいまして,利益相反防止の原則を追加する必要があるのではないかということです。
 (イ)は,当然のことでございますけれども,志願者の能力を適切に判定するということ。妥当性と識別力確保というのが学力検査においては求められているということです。
 (ウ)は,これも今回,先ほども問題点として指摘させていただきましたけれども,高校教育への過大な影響力を期待するということは必ずしも望ましいことではありません。けれども,他方でやはり大学入試が高校教育に影響を与えているという事実は否めません。そこで,今回のような副作用を念頭に置きつつ,高校教育によりよい影響を与えるような方向で大学入試の在り方を改めるべきではないかということです。
 (エ)として,入学志願者の保護ということで,一番重要なステークホルダーである志願者の権利を保護するのが重要であるということです。これは当然でございます。今回少し御迷惑を掛けたという点はあるかもしれませんけれども,やはり2年前程度の告知という点では,これをこれからも遵守すべきであろうと思います。
 最後に,今回も大きな問題となりましたけれども,地理的・経済的事情への配慮,あるいは障害者への合理的配慮等がどうしても不可欠であるかと思います。以上のような5つの観点で大学入試に求められる原則を整理させていただきました。
 3番目としては,今お話しした2年前ルール等のこととも関連しますけれども,大学入試政策における望ましい意思決定の在り方についてでございます。今述べさせていただいた原則を踏まえることに加えて,大学入試政策の議論の透明性の確保ということが非常に重要であろうかと思います。
 2番目として,専門家から十分に意見を聴いた上で最終的な判断を下すとことが重要ではないか。もちろん今回も様々な専門家の方に参加していただいたわけですけれども,より多様な御意見をお持ちの専門家の方の参画が必要だろうと思います。
 3番目は,先ほど申しましたように,受験生やその親御さん,保護者の方々等ステークホルダーが大学入試政策の決定の過程に参画することが望ましいのではないか。
 それから,単に思いつきとか,過去を振り返ってこうだったということではなくて,きちんとデータ・エビデンスに基づいた政策決定をするべきだろうと思われます。今日頻繁に聞かれますが,エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングということは大学入試政策の決定についても当然不可欠なことでございます。
 最後に,大学改革や入試改革を議論する際,その改革案が実現可能かどうかという確認が不可欠であります。いくらすばらしい改革案でも,実現可能性が低ければ,それはやはり改めてもう一度見直す必要があるということでございます。
 2つ目の大きな観点としては,これまでの議論あるいは現在の日本の大学入試を考える際,様々な課題が山積しておりますので,その点を少し整理させていただきました。英語4技能の評価や記述式問題の検討の前提として,また,この検討会議でも新たに浮かび上がった大きな課題として,ウィズコロナ・ポストコロナ時代の大学入試の在り方についても議論していこうということについては,前々回,座長・副座長提案としてお示しさせていただいたところでございます。これまでに指摘されてきた諸課題とコロナ禍で顕在化してきた課題とを整理して議論する必要があるのではないかと考えております。
 この点から、より具体的に課題を整理させていただきました。まず1つは共通テストの課題でございます。大学入試センターにおける大学入試センター試験は,これまで30年間にわたって,大学入試で大変重要な役割を果たしてきましたけれども,同時に幾つかの課題も浮かび上がってきたのではないかと思われます。
 1つ目は,大学教育に共通して本当に必要な学力を問う科目構成ができていたのかどうかということです。今,6教科30科目ございますけれども,それが大学で学ぶために最低限必要な学力・能力を測定するための科目として提供されていたかどうかという点でございます。令和7年度入学者選抜に向けて新しい出題教科・科目が決まるわけですけれども,新しい教育課程への対応ということについては,以下に述べます3や5の観点も踏まえて,改めて共通テストの科目編成・在り方を議論するべきではないかと思います。
 2つ目として,共通テストの課題ですけれども,御承知のように,現在50万人,今年度は52万人余りですかね,受験するということで,非常に多様な学力層の受験生が受験いたします。一方で,共通テストの利活用につきましては,本日の参考資料2のスライド番号125にも書いてございますけれども,日本の大学の約9割近くの大学が様々な活用方法を用いてセンター試験・共通テストを活用しております。こういう多様な活用方法へも共通テストとしては対応せざるを得ないということになります。
 3番目は,個別入試との役割分担が非常に曖昧であるということでございます。今回の議論でも,やはり共通テストの在り方に議論が集中したという点もあろうかと思います。共通テストについては,大学教育を受けるために共通して不可欠な学力を問う科目等で構成すべきであって,それでは問えないものを個別入試で評価すべきものであると思います。共通試験と個別試験の役割分担をきちんとすべきであろうということです。
 4番目は,今の共通テストの実施の在り方からすると,一般選抜以外への活用が限定的でございます。現行の試験実施時期は,特に成績提供の時期の観点からしますと,総合型選抜や学校推薦型選抜,留学生入試等への活用が,不可能ではないですけれども,非常に困難な状況にあると思います。
 最後に,これはまたいずれ山本理事長のほうから御報告があるかと思いますけれども,現在の大学入試センターの経営問題や体制問題というのが大きな課題となっているというふうに理解いたします。本日も報道されましたけれども,少子化による志願者減により年々受験者は減少しております。昨年に比べて2万人程度減っているという報道がございました。御承知のように,大学入試センターの収入は全て自己収入,受験料等で賄われておりますので,当然,志願者が,受験者が減れば,財務状況が悪化してくる。また,新しい,例えばCBTによる入試問題の開発ということが必要とあれば,大学入試センターの研究開発体制が充実される必要がございます。またさらに,共通テスト・センター試験というのは,大学入試センターと大学の共同作業であるということでございますけれども,なかなかこのことが大学関係者の間でも十分理解されていないところがあるようでございますので,関係者の一層の理解と協力が不可欠であるということです。
 2つ目は,個別選抜の課題でございます。個別選抜の改革は,御承知のように,各大学の創意工夫によりまして改革が進んでおりますが,次のような課題があるのではないかと考えております。
 1つ目は,一部の大学においては,残念ながら,大学教育に本当に必要な学力の測定が不十分なまま合格させているのではないかという点が従来からつとに指摘されております。例えば一般選抜で2科目,3科目という少数科目を課している場合,理工系学部に進学するのに数学や理科の科目を課していないとか,経済学でも同様に数学Ⅲを課していない学部があったりするわけです。それによって,入学後,いわゆるリメディアルとか補習教育が必要になってくる現状があるわけです。それから,これも随分前から言われておりますけれども,総合型選抜・学校推薦型選抜では,十分な学力担保がされていないのではないかということです。最近になって必ず学力確認をするようにというふうな指示も出ておりますけれども,十分その考え方が浸透していないのではないかと思われます。
 2つ目の問題としては,多面的な評価の取扱いでございます。それぞれ一般選抜,総合型選抜,学校推薦型選抜で多面的評価を行うということが求められておりますけれども,選抜区分ごとに学力の3要素のそれぞれ比重の置き方が必ずしも明確になっていない。特に一般選抜においてどのように多面的・総合的評価をするのかというのは非常に大きな課題であり,今議論されております一般選抜で調査書等の資料を参考にしてはどうかということもございますが,高校関係者の側からは,調査書作成についての負担増ということが働き方改革の観点からも指摘されております。
 3番目は,問題作成・実施運営を巡る負担の増大ということです。多くの大学が,自分のところの個別試験の入試問題は作成しているわけですけれども,大きな大学でもだんだん条件が厳しくなっているということがございます。ですから,全て自分の大学で作問しなければならないという自前主義というものはそろそろ限界にきているのではないかということで,これもウェブ意見聴取等でも御意見がございましたけれども,大学間連携とか,あるいは作問等の専門人材を共同で育成する必要があるのではないかということです。
 4番目は,この会議でもこれまで多くの委員の方々から御指摘されていることでございますが,日本では一旦入学して4年後に卒業するということが当たり前のようになっておりまして,入学後,他の大学に転学するといったようなことは,定員管理の問題もあり,なかなか難しいという現状があります。それは高等教育の質の保証の観点からも大きな課題になっているわけですが,大学関係者の間で御不満があるのは,定員管理が厳格すぎるからだというようなことも言われております。あるいは,入試時期が集中して,3月末までに全ての入試業務を終えなければいけないというようなこともあります。入試も含めて学生の定員の在り方あるいは流動性が非常に硬直化しているという点がつとに指摘されて,それが入試改革を阻んでいるという御指摘もございます。定員管理ついては,中央教育審議会大学分科会で検討が行われつつあるということでございます。
 5番目は,今回の英語4技能や記述式で明らかになりました経済格差・地域格差への配慮が必要ということでございます。これについては,例えば移動を伴わないオンライン入試の導入とか,給費生入試とか,地域枠の設定等,幾つかの大学が既にこれらに対応する新しい入試を導入しております。それから,多面的評価における多様な経験の評価,これは非常に重要でございますけれども,格差の観点から申しますと,留学などはどの家庭でも可能というわけではございませんので,評価の際には十分留意が必要だろうと思います。
 6番目は,先ほども申しましたけれども,障害者への合理的配慮のさらなる推進ということで,各大学での取組にはまだまだ大きな格差があるのではないかと思います。
 最後に3番目の項目は,コロナ禍で顕在化した諸課題に関してです。個別入試に伴う越県移動リスク,それから,共通テストにあっては,むしろ移動しなくても近くの試験場で受験できるということでセーフティネットの役割が高まっているわけです。それから,3番目に,先ほどの意思決定のところですけれども,何か緊急事態,今回のような新型コロナの感染が広まった場合に,どのようにして我が国の入試制度の在り方を調整・検討するのか,この辺りの仕組みがまだ十分に出来ていないのではないかということでございます。
 最後に,改めて繰り返しになりますけれども,共通テストと個別選抜の役割分担や,異なる選抜区分の意義や役割について整理をさせていただきました。今回の大学入試改革を巡る議論は,一般選抜,とりわけ共通テスト改革に,先ほど申しましたように過度に集中していたきらいがあるのではないかと感じております。このため,共通テストと個別選抜の役割分担や異なる選抜区分の意義と役割について一定の整理を行う必要があるのではないかということでございます。今回の高大接続改革の議論の中では,個別選抜,一般選抜等も含めて多面的・総合的評価に変えるべきだという提言はされておりますが,その辺りの議論が十分進んではいないのではないかということです。
 それから,本検討会議の最大のミッションであります令和6年度実施の大学入試及び大学入学共通テストにおける英語4技能や記述式問題の在り方の検討のためにも,その前段の議論として,こういった共通テストと個別選抜の役割分担や,あるいは3つの選抜区分の役割等について議論しておく必要があるのではないかと思います。
 1つは,改めてになりますけれども,共通テストと個別選抜の役割分担と改善の方向性でございます。共通テスト,個別試験の関係は,先ほど述べたとおりで,改善もされて,改革もされてきましたけれども,依然,例えばそれぞれ同じような能力を共通テストと個別選抜で測定しているのではないかというような問題もあるかと思います。
 それから,私,第何回目だったかは失念しましたけれどもこの会議でも御報告させていただきまして,また中国や韓国等の御報告もございましたが,諸外国の入試制度の動向をよく見てみますと,日本の入試の特色として,志願先の大学へ行って個別の学力検査を受けなければいけないという,そういう非常に特色といいますか,特異性があるということです。この点は,先ほど申しましたように,今回のような新型コロナの感染が広まりますと,非常にリスキーな仕組みであるわけです。当然,受験生も,例えば九州の受験生が北海道の大学を受験する場合には,移動の経費もかかるといった受験生の負担もかかっております。
 それから,高校との関係も,今回何人かの高校関係者の方にも御参加いただいておりますけれども,なかなか大学との間の意見が合わないというようなこともございます。諸外国では,高校の修了試験というのは高校側の責任で,高校の先生が作問も採点もして,高校が合否を決めるというようなことになっておりますが,日本の場合には個別大学が選抜するということで,大学の教員が入試にも関わらざるを得ない。この辺りも,年度末に集中的に入試を実施するということが,大学教員の教育と研究にも大きな負担がかかっているという現状があるのではないかということで,すぐには解決できないけれども,徐々によい方向に変えていってはどうかということでございます。
 それから,これも先ほどと繰り返しになりますが,今年度から初めて実施される大学入学共通テストの役割と課題ということです。1つは,求められている制約条件としては,非常に高い識別力,あるいは今回もいろいろ議論になりましたけれども,公平性・公正性,それから,国立大学,公立大学を中心として一次試験としての役割を大きく担っていること。また,入試の日程の在り方,これも随分高校関係者と大学関係者ではこれまで議論してきたところでございます。
 さらに,共通テストの役割としては,高等学校での学習した基礎学力をきちんと評価するということが重要です。加えて,先ほど申しましたように,県境を越えることなく近くの大学や高校で受験できるというセーフティネットの役割を持っていることも特色です。
 さらに,そういうことを踏まえると,今後,一層確実で安定的に実施でき,受験生やステークホルダーからより多くの信頼を得るような,そういうより重要な試験として国全体として改革してはどうかということでございます。検討の1つの例としては,繰り返しになりますけれども,科目をどうするのか。それから,身近なところで受験できるということで,近くの高校を会場として受験できないかどうか,もっと増やしてはどうかという検討も必要かと思います。
 4番目としては,個別選抜で測定すべき資質・能力の明確化です。これも先ほどからの何点かの繰り返しになりますけれども,共通テストと個別試験の役割分担を明確にして,それぞれの大学のアドミッション・ポリシーに即して,個別試験では共通テストでは測りにくい資質・能力に重点を置く方向で改革してはどうかと思います。その際,自前主義に拘泥せず,共通テストを活用したり,各種の外部検定試験で代用したりするなど,できるだけ効果的・効率的な実施に努めてはどうかと思います。
 最後に,一般選抜と総合型・学校推薦型選抜のそれぞれの意義と課題を考えて,それぞれの意義と役割を明確にする必要があると思います。一般選抜と比較した場合の総合型・学校推薦型選抜の意義と役割については,極めて多くの時間と労力を要するのですけれども,今求められている多面的・総合的評価には最も適した選抜形態であるわけです。また,それぞれ大学のミッションに基づき多様性を持ったキャンパスを実現していきたいという観点からも,総合型・学校推薦型選抜は,そういうキャンパスの多様性を実現するには非常に有効な方式ではないかと思います。最後に,感染症耐性の向上ということで,オンラインによる面接も可能となりますし,また,受験機会を複数回化できる可能性も秘めている方式ではないかというふうに思っております。
 最後に,今お話しした点を踏まえて,今後より適切な総合型・学校推薦型の選抜を一層推進してはどうかと思います。ただし,例えば先ほど御指摘させていただいた学力不問の是正が不可欠であります。きちんと学力を把握した上で,それ以外の要素を多面的・総合的に評価していく方向に変えていく必要があると考えます。幾つかの大学が既にそういう方向で改革を行っていますので,改めてそういう優れた取組を共有することも必要だろうと思います。
 それから,一般選抜での多面的・総合的評価を今,入学者選抜実施要項では求めているのですが,しかし,実際はそうなっていない。ですから,規程を変えるのか,実態を変えるのか,この辺りをきちんと整理する必要があると思います。そういう意味で,一般選抜でも可能ならば多面的評価に変えるべきですけれども,それが難しいのであれば,入学定員を総合型選抜のほうに切り替えるという方向性もあるのではないかと思います。
 最後に,繰り返しになりますけれども,格差の問題への配慮というのが,総合型・学校推薦型の選抜では可能であると同時に,先ほど申したように,例えば留学を評価に入れるといった場合には格差をかえって助長しかねないということに留意が必要であります。
 今回も文部科学省から示されましたけれども,オンラインによる面接を導入すれば,感染症や,あるいは移動といった負担は軽減されるのではないかということでございます。
 以上,少し駆け足になりましたけれども,私から御提案をさせていただきます。以上です。ありがとうございました。
【三島座長】
 川嶋先生,ペーパーをまとめていただきまして,本当にありがとうございました。
 それでは,このペーパーを材料として議論を行いたいと思います。項目が3つ,要するに,3ページにわたっておりますので,3つございます。これに沿って時間を区切って意見交換を行いたいと思いますけれども,今日の終わりの予定時間までが75分をちょっと切っているぐらいでございますので,一応20分ずつということで,時間が来ましたら次へ移るという形にして,それで,もし時間が残れば,そこでまた御意見をいただくという形にしたいと思います。
 それでは,大学入試に求められる原則等という最初の課題の1ページ目でございます。これに御意見がございましたら,挙手ボタンを押して……。それでは,益戸委員,どうぞ。
【益戸委員】
 今日は,整理しておくべき事柄ということでございますので,まずは極めてベーシックになることを2つコメントさせていただきたいと思っております。
 まず1ページ目の(2)の大学入試の意義と求められる原則の中のマル1,大学入学者選抜の意義についてです。この(ア)が,大学教育を受けるために必要な能力の判定と記載されており、3つのポリシーの明確化の重要性とありますが,これについては,今年の1月に中央教育審議会の大学分科会におきまして教学マネジメント委員会がありました。この教学マネジメント委員会で指針が取りまとめられております。私も委員として議論に参画しました。この指針というのは,入試について考える上でも極めて重要なものだと思いますので,次回以降,事務局からぜひ概要を御説明いただいて,本検討会の委員の皆様の間でも共通認識としていただけるとありがたいと思いました。
 次ですが,(イ)の高校教育と大学教育を接続するということです。ついつい入試改革に議論は当然集中するわけですが,入試改革の議論と併せて,大学教育の改善や高校教育の充実も同じ次元で私たちは考え合わせていかないといけないと改めて感じております。
 この中での高校の教育改革について言えば,最大の問題点というのは,従来から指摘されている地域差とか,学校差,教員差ということも非常に大きいと思うのですが,今回特に基礎資料2としていただきましたものの49ページから55ページを見ますと,英語力が高い地域・学校というのは,英語を用いた活動とかパフォーマンステストの実施率,あと,ALTやICTの活用率が高いという共通点があるように見受けられます。また,外部資格検定試験も,生徒のモチベーションを高める観点から積極的に使われているようです。そして,授業以外で英語を使用する機会が多い都道府県ほど,正解,正答率が高い傾向があります。学校や生徒の事情に応じて,英語の時間だけにとどまらないで,ディベート,プレゼンテーション,短期留学,ウェブ英会話の活用なども積極的にやはり推進していかなければいけない。ということは,当然のことながら,以前,萩原委員も御指摘がありましたけれども,都道府県や学校間のリソースの格差は無視できないという問題ははっきりしているのではないかと。したがって,国としても,学校現場の声に耳を傾けながら差を埋めていくような施策をすべきではないかと改めて感じております。
 また,高大接続改革と言うからには,本検討会議というのは高等教育局が中心としてやっているわけですが,やはり初等中等教育局と高等教育局がよく連携してシームレスに政策を考えていく必要は否めないと思いますので,この点についてもぜひ私たちは忘れないようにしていきたいと思います。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは続きまして,柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】
 福岡県立大学の柴田でございます。川嶋先生,大変明快に御整理いただきまして,ありがとうございました。
 まず1つでございますが,最初の政策決定過程の主な問題点のマル4でございます。入試への過度の依存と過大な期待というのは,これは従前から既に指摘されていたことでございますので,私の理解では,今回の高大接続改革というのは,こういうものを少なくとも先生の御説明にありましたように3つに分けよう,入試の負荷を軽減しようというところにあったんだと理解しておりますし,改革の流れもそういう具合に来ていたんじゃないかと考えておりますけれども,報告書等でこういう指摘を改めて受けたということは,なかなか御理解が深まっていないのかなという感慨がございます。それが1つでございます。
 2つ目が,大学入試の意義と求められる原則の中のマル1意義のところで,先生は大学の主体性の尊重ということを書いていただいています。ルールが必要ということなんでしょうけれども,大学関係者にとって大学入学者選抜の意義というのは,あり体に申しますと,入学者数をどれぐらい確保するかというところに尽きるわけでございます。いつぞやもございましたけれども,それから,後ほどの2ページ目のところで指摘されております厳格な定員管理がある上に,いろいろな制約の中でどうやって質のいい入学者を確保していこうかというのに腐心しているというところでございます。ルールは必要というので,それぞれの,少なくとも国立・公立では分離分割法で一般選抜を実施しているところでございますが,各大学の主体性というのを改めてどれぐらいまで発揮できるかということは,大学団体としても考えていかなければいけないのではないかなと思っているところでございます。
 それから,マル2の原則のところ,これ,それぞれ非常に重要なところでございます。特に高校教育への望ましい影響,「望ましい」とあえてお書きになったというところが前向きに捉えておられるんでしょうけれども,高校の方々からは,望ましくないような影響も多々あるという具合な御指摘もいただいているわけでございまして,そういうものを今後どう是正していくのかというところは,大学関係者に求められているところなのではないかと思っております。
 少し長くなりましたけれども,今後大切なのは,3番目のマル4にございますデータ・エビデンスの重視。これがあまり進んでいなかったというのが残念なところでございます。よく入学者を追跡していって,その分析を選抜にというようなことをよく一般の方から指摘されるんですけれども,これは長い積み重ねがありまして,私の理解では,入学時点での分別というのはそれほど後々まで影響を及ぼさないということは関係者にはよく知られていることなんですけれども,一般の方々はそういう指摘を繰り返しなさっているというのは,やはりデータ・エビデンスできちんとその辺りを説明する必要があるのではないかと思っております。
 長くなりますからこれぐらいにしておきますけれども,御指摘いただいた点は非常に真っ当な御整理をいただいたということで感謝申し上げたいと思います。以上でございます。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは続いて,両角委員,どうぞ。
【両角委員】
 両角です。ありがとうございます。川嶋先生,大変的確なまとめをしていただいてありがとうございました。どれも本当にそのとおりだなというか,なぜこんな当たり前のことができなかったんだろうか,今後もこうやって残さなければまたどこか間違えるかもしれないという危機感からこういうまとめをされているのだと思いますけれども,極めて重要なまとめをしていただいたと思い,感謝申し上げます。
 ここにもう一つ付け加えるかどうか分からなくて,似ている観点かもしれないのですが,大学入試といったものの,コストパフォーマンスと言うと言葉が悪いかもしれないのですが,少しコスト面のことも考えてもらいたいなというところがあります。教育関係の議論というのは,何でももっと良くしようと,入試ももっと良くしよう,もっと公平にしよう,もっともっとというふうになって,やはりどんどん負荷が大きくなるような議論が何回も繰り返されるような気がします。
 先ほど柴田委員がおっしゃったように,入試への過度な依存とか期待を無くそうといって議論が始まったはずなのに,また今回も議論していると,いろいろな方から御意見を伺うと,もっとこうしようということが出てくるわけですが,それこそ入学者がどのような区分だろうがその後の大学での成長に意外に影響が小さいとか,そういったこととか,あるいは大学も高校も受験生とかも,どこにコストを掛けるべきかといったところで,入試そのものだけではなく,もう少し高校教育であったり,大学教育であったりという,コスト的な観点からも入試の適度なバランスを考えていく必要があるのかなと思いました。
 取りあえず以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。それでは,末冨委員,どうぞ。
【末冨委員】
 末冨でございます。川嶋先生の大変的確なおまとめに対して,まずは感謝申し上げるとともに,幾つか意見を付け加えさせていただきたいと思います。
 1つは,1の(1)ですけれども,政策決定過程の主な問題点につきましては御指摘のとおりなんですが,そもそも高大接続改革の場合には,理念が非常に大き過ぎたことがフィージビリティを度外視した改革につながっていった面があると思っております。特に学力の3要素をそのまま大学教育まで接続させようとしていった点については,大学改革の課題としても認識されるところですので,高大接続改革の場合,高校側も大学側も,学習者にどのような能力を保証し,入試を経て接続するかといったそもそもの理念自体をもう少しステークホルダーの参画の下でもんでいかなければ,また同じ問題を繰り返すであろうということを指摘したいと存じます。政策決定のまず一番最初にあるであろう理念の検証自体も,この会議の中でも,その在り方自体も政策決定過程として検討しておくべきだろうと思います。
 それから,先ほどもありましたように,その際にやはりエビデンス・ベーストであることが重要であると。理念だけが先行しないということについても改めてお願いをしたいと思います。
 併せまして,(3)です。専門家からの意見聴取についても既にこの会議でも実施はされておりますが,やはり入試改革の場合には,試験を設計し,実施するというときには,試験自体のテスト理論の専門家もそうですし,それから,各教科あるいは英語の技能に関わっての多くの専門家がおられます。例えば日本学術会議の8月提言もそうですけれども,専門家や学会などの多様な意見を聴きながらの決定が大事になると思います。とりわけ慎重派の方々がおっしゃることは,入試のフィージビリティを考える上でも非常に重要なことになると思われますので,こうした専門家プラス関係学会やあるいは学術会議提言なども踏まえながら,より妥当性の高い,合理性の高い意思決定をしていくべきであるという原則の確認も重要であると思われます。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,次,斎木委員,どうぞ。
【斎木委員】
 斎木でございます。ありがとうございます。まず冒頭に,川嶋副座長におかれては,時宜にかなった的確なメモを作成くださいまして,ありがとうございました。極めて重要なおまとめをいただきましたことに心から感謝申し上げます。
 私からは,2点申し上げたい点があります。一つは,入試と高校教育との関係です。それから,もう一つは,大学における英語教育についてです。
 まず1点目でありますけれども,このメモの(1)のマル4,そして,(2)のマル2の(ウ)にもございますように,高校教育と大学入試の関係について,本検討会議の場におきましても,また,ウェブ意見募集におきましても,大学入試で高校教育を変えようとするのはおかしいという御意見が多くありました。まさに高校教育を変えること自体を大学入試の目的とするようなことはあってはならないと私も考えております。その意味で,この(1)マル4にありますとおり,入試への過度の依存と課題な期待という点については反省すべきです。
 他方において,(2)のマル2の(ウ)にございますように,大学入試が高校教育の在り方に大きな影響を与えているという,その事実から目をそむけてはならないとも考えております。高校と大学は目的が異なっておりますので,小学校,中学校,高等学校を接続するのと全く同じ発想で高校と大学を接続することはできないかもしれませんが,大学入試が高校教育に悪影響を与えることなく,むしろ好影響を与えるようにとの視点を持つことは極めて重要であり,この視点を踏まえて大学入試の改善を行っていく必要があると考えます。こうした視点を見失ってしまいますと,実態から遊離した議論に陥りかねないことを懸念いたします。高校教育を変えることは,決して大学入試の主たる目的ではないと申し上げたとおりですけれども,同時に大学入試を改善することにより高校教育によい影響を与えることは十分可能ですし,私たちはそれに向けての改善をする必要があると考えている次第でございます。
 2点目に申し上げたかったのは,大学の英語教育についてです。(2)のマル1の(ア)で,「大学教育を受けるために必要な能力の判定(入学後の教育との連動,3ポリシーの明確化の重要性など)」とある点につきましては,大学入試の最も重要な機能を端的に示していただいたものと強く賛同する次第です。しかしながら,実際に入試がどの程度入学後のカリキュラムや学位授与の方針と連動しているかにつきましては,必ずしも明らかではないように思います。この点はさらなる改善が求められているところと考えております。
 また,教育の成果は数字では表わせない部分も多いわけですけれども,英語力は例えば外部検定試験などを適切に活用すれば,ある程度の評価は可能と考えております。その意味で,お配りいただきました基礎資料,参考資料2の59ページを御覧いただきますと,学部段階において英語に関する教育目標を設定している大学数についての取りまとめがあります。これを見ますと,誠に残念でありますけれども,学部段階において英語に関する教育目標を設定している大学は35.5%にしかすぎないということであります。
 それから,同じ資料の61ページには,全国学生調査の結果が出ております。ここには,外国語を使う力を身に付けるために大学教育が役に立っていると思う大学生がどのぐらいの割合いるかということでありますけれども,驚くことに30%,3割弱の大学生しか外国語を使う力のために大学教育が役に立っていると考えていないということでございます。これは専門分野に関する知識や将来の仕事に関連する知識,多様な人々と協働する力,幅広い知識等については,大学教育が「とても役に立っている」「役に立っている」という割合が8割,物によっては9割近い,ということに比較しますと大変に低い値と言わざるを得ません。
 こうした現状を踏まえると,各大学がディプロマ・ポリシーやカリキュラム・ポリシーにおいて,卒業後に必要な力を見据えて外国語能力に関する目標設定を行い,これを積極的に公表していくことが必要ではないでしょうか。併せて,各大学には,その目標に見合うような,学生のニーズに応じた質の高いプログラムの充実をぜひお願いしたいと思います。
 国際舞台における日本あるいは日本人の存在感は年々下がっているとの指摘も残念ながら聞かれるところです。国際機関などで活躍できる高度な人材も,日本人の潜在的能力から見ると現状は明らかに不足しているように思います。また,地方創生の観点から求められる,グローカルに活躍できる人材も,さらに養成をする必要があります。それぞれの大学は,自らの特性を生かして,社会と対話を重ねながら,教育プログラムの質を高めていただきたいと強く願っております。その意味で,入試のみならず,入学後の教育も含めて改革を考え,進めていく必要があると申し上げたかった次第です。
 以上です。ありがとうございます。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,ちょうど20分を経過しましたので,1番目の大学入試に求められる原則等は一旦ここで打ち切って次に参りたいと思いますが,ここで大臣が公務のため退席されますので,ここまでの有識者の皆様からの御意見を聴かれて感想などございましたら,お願いしたいと思います。
【萩生田文部科学大臣】
 会議の途中で失礼いたします。まだ引き続き2つのテーマについて先生方から御議論いただけると思います。後ほどまた議事録等を通じて確認をさせていただきたいと思います。
 川嶋先生におかれましては,大変御多忙の中,ペーパーをお作りいただいて,本当にありがとうございます。我々がもやもや思っていたことが一通り網羅されて,ちょっとすっきりしてこれから先進む道が見えた感がするのですが,1点だけ反論といいますか,意見を申し上げて,また後ほど,今日は聞けませんので,お答えをいただければなと思います。
 といいますのは,川嶋先生が,個別入試との役割分担の必要性をクローズアップしてくれました。私が,記述式の試験をやめようと思った最終的な判断は,受験生にとって,自分の人生を懸けた受験で,志望校の先生にバツを付けられることは許容できるかもしれないけれども,民間企業の誰が付けたか分からない採点によって合否の判断をされるというのは納得ができない,という納得感の部分で,ここはなるほど,そういうことはあるのだろうなと思いました。したがって,例えば記述式が大事だということを各大学がおっしゃっていただけるのだとすれば,多少採点に時間がかかっても個別試験でやってもらえないかなというのが当時私の考えだったのです。
 一方,川嶋先生に限らず,多くの現場の先生方はやっぱり多忙を極めていますので,なかなか設問を作ったり,採点に携わるということが大変だというお話も聞いていまして,それは多分そのとおりだと思います。しかしながら,各大学が自らAPやDPを示し,これに基づきそれぞれ学校に合う学生さんを採るという仕組みの中で,私は入試の作問というのは,学校側が,言うならば,個性といいますか,それぞれの学校の目指す方向を,受験生に分かりやすく示すいい機会ではないかなと思っています。
 川嶋先生のような立場になるまでの間に,若い頃は多分随分そういうことをされていたのだと思うのです。したがって,各大学の各学部には,若い准教授の先生とか,それを目指す講師の先生だとか,もっと言えば,研究室に在籍する若い人たちがいて,今のまま,大学の先生は忙しいんだ,大変なんだというところで大学の自前の設問作成などが非常に難しいということにもしなってしまうと,そういう経験を積む人たちがまた今度,大学の中でいなくなってしまうのではないかということを,私,ちょっとお話を聞いていて心配に思いました。
 したがって,本当は,個別試験では各大学が個性を出して,今回コロナでリモートの面接なども取り入れて推薦入試などやってくれる学校も出ました。来年までは1年間あるわけですから,1年間それぞれの大学の各学部や学科のチームで設問を作るということが本当に先生方にとってものすごく負担なのか,仮にそうだとすれば,それを本当に外注をしてしまっていいのかということは次の機会にまた教えていただければ有り難いなというふうにお話を聞いていて思った次第でございます。
 先生方にはどうぞ忌たんのない御意見を交換していただいて,いい入試制度にブラッシュアップをしていきたいと思いますので,引き続きの御指導をお願い申し上げて,失礼をしたいと思います。ありがとうございました。
【三島座長】
 大臣,どうもありがとうございました。
  (萩生田文部科学大臣 退席)
【三島座長】
 それでは次,2番目のところにまいります。大学入学者選抜を巡る諸課題の整理ということでございます。芝井委員は,手が挙がっておりますが,御用意よろしゅうございますか。
【芝井委員】
 よろしいでしょうか。
【三島座長】
 どうぞ。
【芝井委員】
 芝井でございます。先ほどのことも少し重ねながらお願いしたいんですけれども,1つは,2番目のところの(2)のマル4,入学・転学システムの硬直化のところについて,この御指摘の,繰り返しになるんですけれども,やはり本来ならば,日本の大学の定員の管理の仕方,厳格であるかどうかだけではなくて,入学者を管理する必要があって,なおかつ4年間のうちに卒業させねばならないという,こういう在り方自体が,やはり日本の入試に大変大きなマイナスの影響を与えているような気がして仕方がないわけです。
 本来ならば,そこまで厳格な定員管理をしないで,希望する人間を入学させた後で,厳格な成績管理をすることによって,多少の退学者は出ていくけれども,しっかりとした教育を保障する,というやり方もあるはずなんですね。ですから,これは文化の問題なのですぐに変わっていくわけではないんですけれども,今あるような厳格な定員管理,あるいは4年間で学生を1人の退学者も出さずに送り出さねばならないという制度の中でやっていくと,どうしてもゆがみが出てくる。この問題について何らかの,解決は無理だとしても,そういう問題があるんだということはきちんと書いていただきたいと思っています。
 最初のほうに戻りまして,もう一つ大きな問題があります。1番,あまり詳しいことはしゃべりませんが,具体的に言いますと,1のところでいうと,(2)のマル1の(イ)のところ,高校教育と大学教育の接続という,大学入学者選抜に意義があるということなのですが,括弧の中を注目していただきと思っています。社会人入試等については別に配慮とあります。実は現状の中でこういう書き方は可能だと思うんですけれども,御承知のように少子化が進行しております。その中で86万人を切る出生者数ですので,そのような状況の中で,こういった高校教育と大学教育を選抜型の入試で接続していくということはいつまで本当に可能なのかどうかはやはり見ておかなくてはいけない。大量の18歳人口が,例えば移民政策によって可能であるならばまた別ですけれども,あるいは物すごく多くの大学が倒産してしまえば別ですが,現状ではやっぱり生涯学習社会を見据えた形で,年齢にかかわらず高等教育機関が広く希望者を入学させる体制にどこかで移行していかなくてはいけないはずで,そのことも少し見ながら,大きく見ながら考えていく必要はあると思います。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは続きまして,小林委員,どうぞ。
【小林委員】
 ありがとうございます。まず共通テストの課題で(1)のマル3ですけれども,役割分担が曖昧ということで,「大学教育に共通して(真に)必要な学力を問う科目構成」をするべきだということなのですけれども,そもそも共通テストを基にして個別試験をやるというのは,国公立はそれでよろしいんですけれども,私立大学は,成績発表時期の頃から,2月の上旬から一般入試をスタートしてしまいますので,中でも医学部については1月の中下旬からスタートしておりますので,共通テストを活用する機会がそれほどないという,時間的な問題もまず考えていただきたいと思います。
 さらに,共通の学力というのは何かというのは,これまたちょっと議論する必要があるかと思います。
 それからあと,個別選抜の課題といいまして,川嶋委員にまとめていただいたとおりなんですけれども,実際の私立大学はもう本当に入学者の奪い合いというのが現状でありまして,あまり悠長なことは言っていられないので,学力の測定が不十分だと言われても,定員割れして学校が潰れてしまったら元も子もないという現状をもっと見据えて考えていただければと思います。
 それから,申し訳ございませんけれども,さっきの1ページ目の政策決定過程の主な問題点のところで私,発言したかったんですけれども,1つ付け加えさせていただければと思います。
【三島座長】
 どうぞ。
【小林委員】
 今までの議論を見てみると,かなり厳密な過程を経て,中教審の答申から始めて,接続改革とか,いろいろな会議体とかを通してやられているのは確かなので,政策過程そのものはしっかりとやられていると思うんですけれども,やっぱり問題は,もうお尻が決まっていて,このときまでにバックキャストしてタイムラインを決めていくというのがちょっと無理があったのではないかと。つまり,もう必ずやるということを前提にしてタイムラインを決めていくというのが,やはり少し政策の最近のやり方がそうなってきているんですけれども,それがちょっと無理があるんじゃないかという気がしました。それが付け加えさせていただきたい点です。
 以上です。どうもありがとうございました。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは続いて,島田委員,どうぞ。
【島田委員】
 筑波大学の島田です。よろしくお願いいたします。2番の(2)のマル3に関することです。各大学における個別選抜の課題ということで,問題作成あるいは実施運営を巡る大学の負担が増大しているということについてです。実は,外部の方がお考えになる以上に,今まさに各国立大学は大きな危機に直面しています。本当に一刻の猶予もできないぐらいこれは大きな問題になっています。大学の教員が忙しくて作問ができないということではないんです。作問できる人が急激に少なくなり,そもそも人がいないので,なかなか作問自体が難しくなっているのです。
 そうした中で,自前主義の限界ということになると,これは,アウトソーシングということになるかと思います。大学間連携,コンソーシアムで大学が協力して問題を作っていくというのも現実的な解かと思います。また,少し前に話題になって,今,実施されているのかどうかちょっと分かりませんけれども,過去問を活用しようというような動きもあったかと思います。これらの解決策は今のところ,アウトソーシングにしても,コンソーシアムにしても,過去問の活用にしても,十分には進んではいないようです。それはなぜかと考えると,こういったことをしていいのかどうか,社会的な理解が得られるのかどうか,大学はどうも自信が持てないというところがあるんじゃないかと思うんですね。だから,こういったことを解決策として進めていく,考えていく過程では,本当にこれらについて社会的な理解が得られるのかどうか,慎重に確かめながら進めていく必要があるのではないかと思った次第です。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは次に,萩原委員,どうぞ。
【萩原委員】
 萩原です。私のほうは,(1)のマル4のところ,現行の試験実施時期では,とあるところなんですけれども,共通テストそのものを,この位置付けということを考えたときにどうなのか。この共通テストをここで書いてあるような総合型選抜とか学校推薦型で使っていこうという考え方があるのかどうか。それによって実施時期が大きな問題になってくると思います。
 高校の現場としては,共通一次試験のときもそうでしたけれども,高校3年生で学ぶ科目が実は共通テストでも出題をされている。そうすると,早期に実施ということになれば,その学習をいつさせるのかという問題になってくる。それで,センター試験のときにも1月のこの時期ということで,そして,今回の共通テストにおいても同じ時期,1月のこの時期にということで実施ということに落ち着いたと私は記憶しています。ですので,今度の新しい共通テストの位置づけを考えたときに,実施時期についても,高等学校側としてはなかなか動かせないという問題があるということの御理解をいただければと思っております。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは次,岡委員,どうぞ。
【岡委員】
 ありがとうございます。国立大学協会として発言をさせていただきます。共通テストと個別試験というのはもう何度もここで申し上げておりますけれども,高等学校の段階における一般的な基礎的な学習の達成度を評価する試験として共通テストを位置づけています。したがって,共通テストは極めて重要であると考えています。
 それから,先ほど作問の問題がありましたけれども,私も島田先生のお考えと全く同じであります。小さい大学においては特にすでに危機的状況にあり,それが中規模の大学まで及んでいるということを申し上げたいと思います。
 それから,先ほど発言したいことがあったんですけれども,この中でエビデンスを十分に活用することと,それから,本当に可能かどうかということを議論しなくてはいけないと前から思っておりました。特に先ほど言いましたように,受験生はどう考えているかとか,データについては,益戸委員が言われましたように,地方と都会,大都市の高校との差がどの程度あるかとか,いろいろなことを,ここにありますけれども,これを中心に生かしていくべきだと。
 それから,CBTとか複数受験とか科目数とかいろいろ議論をしておりますけれども,全てヒト・モノ・カネになってまいります。特に入試センターの経営状況ということも十分この中で考えながら,科目を本当に今度,情報Ⅰをまた入れていくという話がございますけれども,これはどうなのか。それから,もう一つ懸念されるのは,情報Ⅰに関しては,教員が本当に全国の高校にいるのか,それで,どのレベルまで皆さん同じになって試験を始めるのかというのは,またこれが同じようなことが繰り返される可能性がありますので,こういうところは慎重に検討してセンターの試験に入れるべきだと,こういうような議論をしているところです。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,続きまして,清水委員,どうぞ。
【清水委員】
 ありがとうございます。筑波大学の清水です。今日このような形で整理していただいた,今議論になっている2番の項目も,実は1番の原則あるいは前提が決まらないと,本来の議論はなかなかできないものになっているかなと思って,2番の項目の(1)のマル3,共通一次からセンター試験も同じなんですけれども,役割分担の問題。それから,(2)番のマル3の,先ほどから議論になっている問題作成の問題,これ,いずれも作問の質の問題,クオリティーの問題が背後にやはりあることに目を向けなければいけないと思っていました。
 先ほどの1番の選抜の意義を,私たちはどうもシステムとかセレクションの判断の妥当性,それから,公平性・公正性に目が行きますけれども,実は受験者や,あるいは大学生から見たときには,アセスメントを受けること自体が教育の営みの一部になっているという面がありますので,出題された問題がいわゆる良問になっているかどうかということが受験者や,あるいは大学生にとっての学びのゴールにもなるという面があってですね。教育の場合には。ですので,セレクションであるという面と,それから,学習者から見たときには,それがゴールにもなるという,その2つの面を両方見て大学入試の選抜の意義を語る必要があるなと思って考えていました。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,一応,この2番のところは最後にいたします。それでは,牧田委員,どうぞ。
【牧田委員】
 牧田です。川嶋先生のメモを踏まえて,非常に乱暴な言い方になるかもしれませんけれども,大枠の原則みたいな意見を述べさせていただきたいと思います。
 率直に申し上げて,今の大学入試制度というのはいじり過ぎだと実は感じています。理想と言っていいのかどうか分からないですけれども,共通一次試験が導入されたとき,あの発想が私は非常にマッチするんじゃないかなと思っています。その理由は,大学という高等教育機関に進学するためのテストなのでありますから,最低のレベルとして5教科全てを履修して,そこそこの履修成績のある者が大学に進むというのが私は大原則ではないかなと思っています。そういったことで,例えばこういう共通テストを導入するということであれば,国公立,私立を問わず一次試験として導入するというふうに決めて,その上で個別入試を各大学において独自に実施するというのがいいのではないかと思っています。
 いずれにしてもシンプルかつプリミティブな入試制度というのが,子供たちにとっても,保護者にとっても求められるところでありますし,先ほど芝井先生がおっしゃったように,定員管理とかいろいろな規制が多分あるんだろうと思いますけれども,それはやっぱり入試制度と並行して規制緩和を進めていただいて,その代わり,規制緩和が進むということは自由競争が進むということですので,これはある意味,大学側も生き残りをかけて,大学入試制度改革を進めていくというのが私が思う大枠のスキームだと思っております。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,2番目のところはここまでといたしまして,3番目,共通テストと個別選抜の役割分担,異なる選抜区分の意義と役割という,3ページ目でございます。ここのところで御質問,御意見を述べていただければと思います。それでは,渡部委員。
【渡部委員】
 どうもありがとうございました。今まで委員の先生方がおっしゃったことに全く同感でして,大変分かりやすく要点がまとめられており感謝申し上げます。第15回でそういえばこういうまとめがあったなということではなくて,ぜひこれを基礎に今後に生かして,例えば最後に提案書を出すことになると思いますので,そのときの例えばひな形を作るための足場とする等,そういった建設的な使い方をすべきだと思います。
 数点申し上げたいことがあります。まず全体を通して言えることですが,私立,それから,国公立の一次・二次,これらに分けて,本会議のある段階で,これらを分けて議論するということが必要になろうかと思います。私立大学だけに当てはまる論点,国立公立の一次試験に関わる課題,国公立の二次に当てはまる問題点等と,そういったはっきりした方向づけが必要になろうと思います。特に配布資料3番の(1)番などでは,個別試験と共通テストの役割分担とありますが、これらは私立大学にはほとんど関係がありません。これは国公立の問題,課題となると思われます。こういったそれを区別しないままに進めますと,混乱が起きやすいのではないかと思います。
 第二に、アドミッションセンター専門の職員について記載があります。これは大学教員が入試を作ることがどうなのかということに関係ありますが,例えば米国などでは,アドミッションセンターに専門家を置いて,そして,入試に関わるということをやっていますので,教員はほとんど関わってはおりません。一方,日本では事務方で入試に関してすべてが処理されるということは恐らく行われ得ないと思われます。やはり入試に教員が関わるということは,これからも少なからずあることはやむを得ないことだと思います。
 ただ,そのときに,好ましいことも多々あると思われます。入学試験を作る際は,やはり教員は学習指導要領と教科書にじっくり目を通す機会となっています。このような作業を通して,人間として人を介して,システムではなくて人を介して高大連携が行われるということが,入試を作成するということで実践されるということがありますので,一概に悪いことばかりではないということは,やはり過度の負担を強いられているということと同時に念頭に置いておくべきだろうと思います。
 その際,日本に特有の試験文化、入試文化と言えるかと思いますが,入試の作成委員に過度の負担がかかる原因の1つは,多分に,入試問題を全部公開するということにあります。つまり,リサイクルができないのです。これまで何度となく項目応答理論が話題となりましたが,適用範囲はごく限られていると思われます。それは全て公開されるということが原則となっているからです。英検ですら公開されますので,入試はやはり秘匿ができないということになります。もし,入試問題をリサイクルするため公開しないということが原則になれば,TOEICやTOEFLのように非公開にする,そうすれば,やや負担は減るだろうと思われます。
 次に,大学入試センターの経営状況を私,詳しく存じ上げませんが,およそお話の中から推測はできます。これは素人考えになりますが,これは誠にゆゆしきことだと思います。例えば英語の4技能試験ということを考えた場合に,もし必要であれば,そして,必ず実現可能なのであれば,それは大学入試センターが中心になって進めるというのがあるべき姿だと思うんです。したがいまして,経営状況が悪化しているので入試がうまく作れなくなるというのは本当にゆゆしきことで,ぜひ改善すべきことだと考えています。
 最後に,入試の作成、実施等運用にかかわる全般についてガイドラインが必要です。これまでの議論では入学試験のガイドラインがないままに進められてきたのではないでしょうか。意見を基にしてこっちに動いたり,あっちに動いたりということになります。国際的な観点からすると試験に関するガイドラインが整備されています。例えば国際言語テスト学会でそういったガイドラインがありまして,私が関わっている言語テスト学会では日本で運用できるように日英版を作成して公開しています。今,私の手元にありますが,どなたでもダウンロードして御覧になれます。ここには、実施者はこういうことを守ってください,作成者はこういうことを守ってください。このような基準は例えばTOEFLやIELTなどの大規模なテストでは必ず守っています。 問題は,実施上のガイドラインの部分です。これは使い手として知っておくべきことですので,その両方があって,作成者の意図があって,ガイドラインがある。そして,使う側の準備があって,そして,うまく回っていきます。私共の研究会では啓蒙に努めているところではありますけれども,いろいろな場面で啓蒙しながら,そして,こういうガイドラインを例えばこの場で提案する場合にも,何らかの形で参照して作り上げていくということが必ず必要になろうかと思います。
 少し長くなりました。失礼しました。以上です。ありがとうございました。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは次,末冨委員,どうぞ。
【末冨委員】
 末冨でございます。3ページ目にもございますけれども,地域・経済格差への配慮あるいは対応ということにつきまして,意見を述べさせていただきます。まずこの点については,私が非常にもともと懸念しておりましたところですが,現実の入試に反映させていくときには,やはり性急にではなく,各大学の自主性を尊重しながら,社会に確実に根差していく形での実現が重要であると考えております。この点については,私自身もリサーチしておりますこと,それから,入試制度に詳しい研究者とディスカッションも行いつつありますので,いずれ機会がありますときに意見出しをさせていただければと思います。
 それから,少し前のほうに戻りますけれども,2ページ目,大きい番号2のところにございますけれども,各大学での英語民間試験等の活用が進むことは,それはそれで結構なことなんですけれども,例えばですが,今年度の場合も,コロナの災害の中で家計が急変しており,民間試験に十分挑戦できない,あるいは英語民間試験自体も回数が制限されている場合に,果たしてそれが個別の大学の入試であっても,本当に公平・公正であるかという点については,入試政策全般としての検討が必要であると考えます。
 とりわけ現行の高校生世代への支援政策は,英語民間試験の複数回受検あるいは各大学のアドミッション・ポリシーに基づいて要求されるような資格試験に対しての支援が不十分であると考えます。ですので,入試政策を考えるに際しては,高校生世代あるいは受験者層,恐らく将来的には社会人も含むことになると思いますが,そうした大学入学者候補への支援政策を入試政策のパッケージとして検討しなければ,また不平等であるという議論が起こり,挫折に至ると考えます。ですので,単純に入試をどうこうすればいいというだけではなく,機会の均等の保障の仕方,十分な受検機会が確保されるような支援政策とセットで考えなければ入試政策としては不十分だと考えます。
 併せて,経済的・地理的なこともそうですけれども,多様な学習者を大学に迎え入れるための大学の社会的使命も大学のアドミッション・ポリシーに位置づけていくことが必要であると考えます。聖マリアンナ医科大学に文科省が御指導なさったというニュースも流れましたけれども,この国の大学において社会の平等を達成するためにいかなる貢献をするかということは,まだなお考証の余地がある部分であろうと思われます。大学は入試を通じて格差の拡大を支持するのか,あるいは社会の平等に貢献するのかといった点も含めて,大学のアドミッション・ポリシーに位置づけることを考えていく必要もあると思います。
 併せて,1ページ目のところの指摘で申し上げ忘れたんですけれども,議論の透明性の確保の際に,これまで慣習になっております大学入試の改善協議や,大学の入学者選抜実施要項の策定プロセスが必ずしも公開されておらず,透明性といった点でもやはり改善の余地があると思われます。とりわけ今年度の入学者選抜実施要項を巡る短期間でのいろいろな意思決定を見ていると,特に当の受験生たちの意見ですとか,あるいは高校側の意見が本当に十分に反映されていたのかという点については,やはり不透明さが残ると個人的には考えております。これは今年度に限ったことではなく,大学入試の在り方を決めていく実務レベルでの意思決定で重要なのは,やはり改善協議と入学者選抜実施要項であるということを鑑みますと,その部分の透明性あるいは協議の合理性,手続的合理性の確保も含めて詳細に検討していく必要があると考えます。
 利益相反については,ナショナルテストとしての在り方もそうですけれども,安直な民間試験への依存は,やはり個別大学と特定事業者との癒着を深めかねません。これもやはり国としての利益相反のガイドライン等の在り方,入試としての公平性・公正性の在り方といったものの位置付けも必要になってくると思われます。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,今手を挙げていらっしゃるのが,芝井委員,岡委員,斎木委員,柴田委員でございますが,その中でこの3番目に係る意見ですという方,手を挙げてみていただけますか。そうすると,3名ですかね。それでは,芝井委員から先に参ります。
【芝井委員】
 ありがとうございます。それでは,大変短い形で意見を申し上げます。3のところの最後辺り,(2)のマル1及びマル2に関わって,一般選抜と総合型・学校推薦型選抜のそれぞれに関わることです。特に総合型・学校推薦型の推進が必要なんだけれども,(ア),(イ),(ウ),(エ)のところで問題がある,特に(ア)に関しては,学力不問の是正を図らねばならないという,そういう話なんですが,本来的には,センター試験の改革の中で基礎学力テストを行うことになっていたはずで,私は大いにそれはすばらしいことだと思ったんですけれども,最終的にそれはできなくなった。
 そうすると,総合型選抜あるいは学校推薦型選抜でどんな形で学力を担保するのかというのは,個々の大学の課題になっているわけです。そうすると,何らかの形でテストをするのかという話,あるいはテストはできないけれども,面接をして試問をすることで確認をするとか,あるいは高校側にしかるべき形で学力に関する資料を出してくださいということになってしまっているんです。ですから,本来的には基礎学力テストをすべきだと私は思いますので,何らかの形でやっぱり反映させていただきたい。本来そういう形で設計されていたはずなので,ぜひその議論をさせていただきたいと思っています。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,斎木委員,どうぞ。
【斎木委員】
 斎木でございます。どうもありがとうございます。私も手短に申し上げます。3の(1)のマル4でございますけれども,「APに即し,共通テストで測りにくい資質・能力に重点を置く方向で改革」をする,これが個別選抜で測定すべき資質・能力である,というふうにおまとめをいただいております。この方向とは,すなわち,英語のスピーキングやライティング,記述式問題などは個別選抜で見ていくということになると思いますけれども,単に「個別の試験に任せます」として各大学に言わば丸投げをするということでは改善が進まないことを危惧いたします。英語4技能や記述式問題について個別選抜で適切な措置が講じられるように,何らかのインセンティブを設ける等の促進策を講じることが有益ではないかと考えます。その際には,(2)のマル1でおまとめいただきましたように,総合型や学校推薦型はより多面的・総合的な評価が可能な区分でございますので,一般選抜のみならず,こうした様々な選抜区分も含めて,英語4技能や記述式問題の在り方を考えていくことが大変重要だと思います。
 それから,その次の(2)のマル2の(イ)でございます。「一般選抜を無理に総合的にするのではなく,適切な総合型選抜を拡充」するとの点について全く異論なく賛成でございます。せっかく選抜形態を多様にすることにより,受験生の多様な能力を多面的に測り,もって大学を多様化することを実現しようとしてきておりますので,一般選抜をあまりに総合的にしてしまうとすれば,それはこれまでの努力に逆行するものではないかと考える次第です。
 以上です。ありがとうございます。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,次に吉田委員,どうぞ。
【吉田委員】
 ありがとうございます。私,文科省にちょっとお尋ねしたいのですけれども,この会議自体のことです。何か今伺っていても,大学入試全体の在り方を改めて討議しているようなのですが,この会議自体は,既に高大接続会議というのがあって,それで出た結論に基づいて,「『大学入試の英語成績提供システム』及び大学入学共通テストにおける国語・数学の記述式に関わる今般の一連の経過を踏まえ,大学入試における英語4技能の評価や記述式出題を含めた大学入試の在り方について検討を行う」と,会議開催時の大臣決定にあります。そして,この会議の検討事項は,「英語4技能評価の在り方」,「記述式出題の在り方」,「経済的な状況や居住地域,障害の有無等にかかわらず安心して試験を受けられる配慮」,そして4つめが「その他大学入試の望ましいあり方」だったわけですけれども,その望ましい入試の在り方の議論が何か優先してしまっている。
 昨年11月1日に大臣が,受験生及び高校生並びに保護者に向けて送られたメッセージで,大学入試における新たな英語試験については,新学習指導要領が適用される令和6年度に実施する試験から導入することとし,今後1年を目途に検討し結論を出すこととします,皆様が安心して受験に臨むことができる仕組みを構築していくことをお約束しますというあのメッセージからしても,今の子供たちが本当に安心するというのは,今までのものをどういうふうにしていくかということを言わなければいけないのではないかと思います。ここで改めて高大接続会議と同じことをやっていくのだとしたら,私はとても時間的にも間に合わないし,子供たちが迷子になるだけだと思います。その辺ではっきりしたお答えをいただきたいと思います。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,岡委員,どうぞ。
【岡委員】
 ありがとうございます。3の(2)のところ,国大協では,既に総合型と学校推薦型選抜,これにつきましては国立全体で30%にするという目標を立てております。総合型と学校推薦型選抜の中に,民間試験の英語の試験を入れているという状況でありますし,一般入試においてもそれを利用する大学はございます。ただ,一般入試全体で各大学が英語の4技能を測るということは今のところ不可能だというふうに前も申し上げましたけれども,考えております。今,いろいろな大学が試みを行っておりますので,国大協でもそれを考えてみたい。ただ,国大協の中では,やはり入試センターが中心となってこの4技能の試験問題を作り,実施する,それには十分な予算を国が付けるということをぜひともお願いしたいと思います。
 それから,遠隔試験に関しましては,不正防止,セキュリティ,リスク対応,様々なことがありますので,すぐに導入するということは大変難しいのではないかとは思いますが,いずれにしてもこれは持続的に,継続的に検討することなのだと思います。
 最後に,緊急事態に対応する仕組みについても,是非とも御検討いただきたいと思います。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは最後に,柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】
 柴田でございます。手短にお話しします。共通テスト,個別試験,それから,選抜区分の意義ということでおまとめいただいておりまして,特に私が考えておりますのは,3ページの下のほうの(2)のマル2の(イ)でございまして,一般選抜で多面的・総合的評価を求めている規定というのが,今回学力の3つの要素を必ずということを求められているわけでございますけれども,議論が深まりますと,その次の(ウ),多面的・総合的評価に背景などまで入れることになりますと,地域・経済,それから,学校格差等をどうするかという話もございますので,ここにございますように,実態との乖離をやっぱり改めて見直していく,前回もありましたけれども,主体性評価というのがどれぐらいまでフィージブルにできるのかというところも考えていかなければいけないんじゃないかということです。
 それに関連して,先ほどのデータ・エビデンスの重視ということからいいますと,ちょっと話が飛ぶんですけれども,先ほどのセンター試験のところで,多様な学力層で成績の二極分化というのがございました。これについてたしか入試センターのほうで4つに受験生を分けられるんだというデータを私,拝見したことがあるんですが,あれが外に出せないデータなのかどうなのかということで,もし出せるものだったら,あれを公開していただけると,非常に明瞭に区別しておりますし,先ほどから議論が出ております,牧田委員のお話等,いかにこれを実現するのは現状では難しいかというのがかなり理解が深まるんじゃないかと思うので,御発言させていただきました。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,これで大体時間でございますので,皆様委員からの御意見を伺いましたが,最後から2つ目の吉田委員の御発言に対するお答えを文科省の森田戦略官からお願いいたします。
【森田文部科学戦略官】
 文部科学戦略官の森田でございます。先ほど吉田委員から文科省へのお尋ねがございました。吉田委員の御指摘のとおり,この会議は,英語4技能評価の在り方,記述式出題の在り方,それから,経済的・地理的事情等への配慮の在り方,その他入試の望ましい在り方,この4本柱でありまして,英語4技能評価の在り方,記述式出題の在り方,これは大きなこの会議のテーマでございます。大臣から会議の際に,高大接続改革の理念,それから,英語4技能の育成・評価の重要性,記述式出題の重要性,これ自体が変わるものではなく,そのことを踏まえた上で忌憚のない御検討をお願いしたいということでスタートしていることはそのとおりでございます。
 今日は,最初に川嶋副座長のほうからもありましたように,それらの課題に具体的検討をしていく前段に当たる原則に当たるような事柄,あるいは課題の整理などについての御議論をしていただいたと思っております。吉田委員の御指摘のとおり,今日御議論いただいたような観点,原則を踏まえて,英語4技能の在り方,記述式の在り方について今後詰めた議論をしていただくということになると考えているところでございますので,委員の先生方には,引き続きよろしくお願い申し上げたいと思っております。
【三島座長】
 森田戦略官,ありがとうございました。
 それでは,時間がもうそろそろ無くなりますが,もし山本理事長から,今の御意見の中で何かコメントがございましたら伺いたいと思いますが,いかがでしょうか。
【山本オブザーバー】
 山本です。先ほど柴田先生のほうからありましたお話ですが,センターでもいろいろと分析しておりまして,私はできるだけそういった情報も皆さん方にお知らせしていったほうがいいと思っております。
 併せて,ちょっと宣伝めいたことなんですが,実は11月23日に,「『センター試験』を振り返る」というシンポジウムをやろうと思っています。その中で,今,柴田先生がおっしゃったような,受験者層による点数の分布の違いとか,そういったことも報告をさせていただこうと思っています。ぜひそういう機会を捉えて,議論の結果を冊子にして公表していたいと思っていますので,お話のあったデータなどはどうしても秘匿しておかなければならない情報ではないと考えております。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,本日は長時間にわたる意見交換ありがとうございました。時間の関係もございますので,本日の検討会議はここで閉会したいと思いますが,最後に,事務局から,武藤企画官,何かございますでしょうか。
【武藤高等教育局企画官】
 失礼いたします。次回の日程,第16回の会議でございますが,10月27日火曜日に行いたいと思います。具体的な時間等については,先生方の日程調整の上で御連絡をいたします。
 以上です。
【三島座長】
 それでは,以上をもちまして,第15回の大学入試のあり方に関する検討会議は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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