大学入試のあり方に関する検討会議(第13回)議事録

1.日時

令和2年8月7日(金曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省15F特別会議室

3.議題

  1. 大学入試に関するWeb意見募集について
  2. 今後の進め方について
  3. 自由討論      

4.出席者

委員

(有識者委員)三島座長、川嶋座長代理、益戸座長代理、荒瀬委員、斎木委員、宍戸委員、島田委員、清水委員、末冨委員、両角委員、渡部委員
(団体代表委員)岡委員、小林委員、芝井委員、柴田委員、萩原委員、牧田委員
(オブザーバー)山本大学入試センター理事長

文部科学省

萩生田文部科学大臣、藤原文部科学事務次官、伯井高等教育局長、森田文部科学戦略官、角田文部科学戦略官、西田大学振興課長 他

5.議事録

【三島座長】
 委員の皆様,こんにちは。座長の三島でございます。今日もお忙しいところ参加をしていただきまして,ありがとうございます。定刻になりましたので,第13回目でございますが,大学入試のあり方に関する検討会議を始めさせていただきたいと思います。
 今回もコロナウイルスの感染拡大防止のため,WEB会議方式での開催でございます。音声など不都合はございませんでしょうか。先ほど来,事務方とやり取りをしておりましたので,大丈夫かとは思いますが,いかがでしょうか。
 本日も,傍聴者,報道関係者の入室は認めず,ライブ配信での公開ということでございます。後日議事録をホームページに掲載することとしたいと思いますが,それでよろしいでしょうか。
 (「異議なし」の声あり)
【三島座長】
 それでは,そのようにさせていただきます。
 ではまず,事務局から何かございますか,武藤企画官。
【武藤高等教育企画官】
 失礼します。今日は,吉田委員が御欠席です。
 それから,前回までと同様,御発言の際,お名前をおっしゃっていただいたり,あるいは資料参照の際,該当箇所をお示しいただくなど御配慮をお願いいたします。また,ハウリング等を避けるために,挙手ボタン,それから,御発言後にミュートの解除をよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【三島座長】
 ありがとうございました。
 それでは,議事に入ります。まずは議事の1番目は,大学入試に関するWEB意見募集についてでございます。事務局から資料1-1,1-2で御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【武藤高等教育局企画官】
 失礼いたします。資料1-1,大学入試に関するWEB意見募集について御説明いたします。
 まず最初,ボックスのところですけれども,趣旨が書いてございます。本検討会議の検討項目について,広く国民の皆様から意見を募集することにより,これまでの委員からの意見,それから,外部有識者・団体からのヒアリングでの意見に更に加えるべき観点がないかなどについて確認をし,もって本検討会議に多様な意見を反映する,こうした観点から行おうというふうに整理をいたしました。1か月程度の余裕を持った募集期間を設定するとしておりまして,できればこの会議終了後,なるべく速やかに開始したいと思っております。
 中身は,大きく,基本事項,それから,自由記述欄と二本立てになっております。前回実態調査を設計したときと同様に7名の委員の先生方に御意見を頂戴した上で設計をしてございます。
 まず基本事項ですけれども,任意の項目として,氏名,住所,性別,メールアドレス。これはよくパブコメをするときに御記載を頂く事項について,ここでも記載を,任意でございますけれども,記載できるようになっております。
 それから,必須の項目として,年齢,それから,職業等,これらは属性でございますが,例えば大学生,高3,高2,高1,中学生,小学生。それから,高校既卒・大学入学志願者,高卒認定試験の合格者,教職員,括弧書きで大学,高校,会社員,会社役員,塾・予備校・教育産業従事者,公務員,括弧書きで教職員以外,自営業・自由業,専門職,パート・アルバイト,専業主婦,無職,その他ということで,なるべくこれまでの先生方の御意見を踏まえてきめ細かく属性を取れるような設計にしております。
 それから,意見の内容については1から8までの対象となる項目を選択して,それに対して御意見を述べていただく。そのときに,意見のパートと意見の理由のパートを分けて書いていただくという構成にしてございます。1から入試改革全体の経緯とか,高校教育,大学教育と入試との関係,大学入試の在り方,それから,入学共通テストの位置づけと各大学の個別入試との関係,英語4技能,記述式,それから,格差の解消・障害者への配慮,その他ということで8項目を立てております。
 これに関してということで,資料1-2を御覧くださいますでしょうか。資料1-2で,これも前回の御意見を踏まえて,これまで先生方から出していただいた意見を整理いたしました。ボックスの中の最初の丸は,先ほどのWEBの意見募集の趣旨を書いた部分ですが,これまでの意見の概要の2つ目の丸のところでございます。この資料ですけれども,このWEB意見募集において意見の提出を希望する国民の皆様にあらかじめ参考にしていただくと,こういう観点でこれまで12回開催された検討会議において出された意見について,便宜的に項目立てを行って整理したものでございます。
 その際,より参考としていただきやすいように,必要に応じてですけれども,委員の先生方,意見発表者・団体に確認を取りつつ,例えば団体としての意見とか,意見発表者のお立場・属性についても必要に応じて付記をしております。例えばということで,1枚めくっていただいて,番号でいうと1ページでございますけれども,凡例が一番上に書いてあります。この検討会議の委員の先生の御意見という場合,黒丸,それから,外部有識者・団体,ヒアリングで伺った意見については白丸,両方に重なるものについては,ほぼ同様の御意見があったものについては二重丸,これを付してございます。
 もう少し例えばで言いますと,この1ページの後段の入試改革の検討のあり方というところで,最初に二重丸で日本私立大学協会とか,あるいはヒアリングのときの地方教育行政関係者とか,ほぼ同様の御意見だったので二重丸を付したり,あるいはその次の黒丸で日本私立大学連盟ということで,芝井先生の御意見だと思うんですけれども,これを黒丸というふうに整理すると。ただ,団体の代表の御意見についても,必ずしも団体としての御意見でない,個人としての御意見だという場合は,それぞれの先生方に伺った上でこういうふうに属性をつけない整理として単純に黒丸にしてあるという,そういう整理でこの先ずっと続きます。全部で45ページまで続くという構成になっております。
 1枚目に戻っていただきまして,先ほど便宜的に項目立てを行って整理したものであると申し上げたその次,団体としての意見など意見発表者の立場,属性についても付記しているということで,この下にちょうど目次のようになっています。1の入試改革全体の経緯から,1枚めくっていただいて,最後の格差の解消・障害者への配慮ということで,ちょうどこの項目が資料1-1の自由記述欄の項目に対応するような形でございます。
 それぞれの項目について御意見を出したいと御希望の方々におかれては,こちらの資料1-2の該当の部分を見ていただいて,これまでこういう御意見がこういう方々から出たんだなと参考にしていただいた上で,御自分の意見について整理して記述をしていただくと,そういう設計にしてございます。
 私からの説明は以上でございます。
【三島座長】  
 ありがとうございました。それでは,ただいまの御説明に御質問や御意見がございましたら,御発言をお願いしたいと思います。発言を希望される方は,挙手ボタンを押していただければと思います。念のため繰り返しますが,発言が終わりましたら,手を下げるボタンを押していただくということを忘れないようにお願いいたします。いかがでしょうか。
 それでは,川嶋委員,お願いいたします。
【川嶋委員】
 川嶋です。私は先ほど御説明があった7名の委員に入っていたのですが,最終案を見まして1点だけお願いしたいなということは,必須項目のところに職業というのがあるんですが,一方で特に高校生・中学生のお子さんをお持ちの保護者というのも大学入試の非常に重要なステークホルダーでありますので,保護者というのは職業ではないんですが,何らかの形でその保護者であるかどうかというそのフラグが立つような少し工夫が必要かなと思いました。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。それでは続いて,渡部委員,お願いいたします。
【渡部委員】
 ありがとうございます。私もこの件について委員としてコメントを求められましたけれども,広く意見を求めること自体に特に反対はもちろんありません。好ましいことだと思います。
 ただ,2点ほど懸案事項がございます。1点目は,この会議でしばしば出てきましたけれども,地域による差が大きな話題になってきていました。そこで,特に住所を求める必要はないと思いますが,おおよその地域,住んでいらっしゃる地域は聞いておく必要があるのかなと思いました。これが1点です。
 それから,2点目ですけれども,聞く内容についてコメントありませんが,ただ,そのまとめ方ですね。多くの意見が寄せられた場合のまとめ方といいますか,扱い方について,方針はおありでしょうか。たくさんの情報が寄せられたという場合ですけれども,そういうことがあるかどうか分かりませんけれども,どういった扱いをするのかということについて,基本的な指針を何らかの形で明らかにしておいた方がいいんじゃないでしょうかということを思いましたが,もし今お考えがあるようでしたらお聞かせ願えればと思いました。
 以上です。
【三島座長】
  もし事務局,武藤さん,何かあればお話ししてもらえればと思いますし,なければ,御意見を引き取ってこちらで議論をして,今のようなものをどうやったら入れられるかを考えようと思いますが,武藤さん,いかがですか。
【武藤高等教育局企画官】  
 まとめ方につきましては,出てきてから考えようとは思っていたんですが,多い場合,やはりある程度整理することは,出てきた意見は出てきた意見でまとめるとしても,やはりこの検討会議にまたお出しするときに少し概要にしたり,いろいろな工夫は必要だと思うので,またその際に考えていきたいと思っております。
 すみません,以上です。
【三島座長】
 それでは次に,芝井委員,どうぞ。
【芝井委員】
 意見募集の方には,先ほどお話しになりましたこれまでの意見の概要を参照してということは特にないんですけれども,全く自由に書いてくださいということが前提なのか,あるいはこれまで意見の概要を読み込んだ上で意見をお願いしますということをされるのか,ちょっとそれが分かりにくかったので,確認のためによろしくお願いします。
【武藤高等教育局企画官】  
 よろしいでしょうか。
【三島座長】
 お願いします。
【武藤高等教育局企画官】
 参考にしていただくためというふうに2つ目の丸には書いていて,絶対参考にしなければいけないというところまで言うのはちょっと言い過ぎかなとは思うんですけれども,できればこれまでこれだけもう12回,今日も入れれば13回会議をやって,それなりの蓄積が外部有識者の方々も含めて出てきているので,できる限り見ていただきたいなという気持ちはございます。
 以上です。
【三島座長】
 これでよろしいですか。どうぞ。
【芝井委員】
 よく分かりましたけれども,これまでの意見の概要の案には書いてありますが,意見募集のところには何も書いていないんですけれども,そこはちゃんと合っていないんじゃないですか。
【武藤高等教育局企画官】
 失礼しました。
【芝井委員】
 意見募集では書かれるということですか。
【武藤高等教育局企画官】
 はい,意見募集には書きますし,これ,今,たまたま便宜的に会議の資料としてお配りしていますけれども,実際には……。
【芝井委員】
 よく分かりました。念のためにということですね。
【武藤高等教育局企画官】
 ありがとうございます。
【三島座長】
 それでは,末冨委員,どうぞ。
【末冨委員】
 私も川嶋委員と同じように,保護者属性はまず任意項目でよいので聞いておいた方が,意見の整理の際に活用できるであろうということを考えました。
 そして,渡部先生がおっしゃいましたけれども,住所が任意項目にはなっているんですが,住所というよりはやはり都道府県とか居住地域ですね。例えば関東地方だとか東海地方のように答えやすいプルダウンのような形で回答者のお住まいの地域が分かるということも非常に重要だろうと今,御指摘を聞いていて考えた次第です。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。それは何らか工夫しようと思いますが,武藤さん,すぐに何か答えがあれば。
【武藤高等教育局企画官】
 また検討したいと思います。
【三島座長】
 そういたしましょう。
 それでは,今,手が挙がって御指名をしましたのが3名で終わりですが,ほかございませんか。ほかよろしいでしょうか。
 それでは,今頂いた御意見をまた事務局と私の方で相談をして,取り入れられるものについては考えていきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは次,議題の2番目でございます。今後の議論の進め方についてということで,少しこれから,今日は非常に時間がございますので,いろいろな御意見を頂ききたいと思いますけれども,今後の進め方もまた重要だろうということで,私と副座長,益戸委員と,それから,川嶋委員で一応案を作成しましたので,益戸委員から御説明を頂いた後,御意見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
【益戸委員】
 資料2をお手元に見ていただきたいと思います。三島座長から御紹介がございましたとおり,これまでの検討会議での意見を踏まえまして,座長と川嶋副座長,そして,私で議論をいたしまして,今後の進め方についてまとめましたので,説明をさせていただきたいと思います。
 まず前段に,以下の諸点に留意して,WEB会議にて議論を継続してはどうか(当面月1~2回程度)と記載をいたしました。やはり現在,コロナ禍でなかなか対面での会議は難しいということもありますし,WEB会議自体は,移動の手間やコストも必要なく,大変効率的でございますので,本検討会議はこのままWEB会議形式での実施を続けてはどうかと思います。
 続きまして,具体的なポイントの説明に移ります。まず1つ目に,選抜区分ごとの実態調査,WEBによる意見募集の結果を踏まえた議論を行うと記載いたしました。実態調査は締切りが9月中旬,調査依頼は7月14日に発出しておりますので,約2か月ございます。WEB意見募集は9月上旬締切りの見込みです。従いまして,次回以降の検討会議というのは,これらの結果を踏まえた議論を行うこととして,その集計・取りまとめが出来次第,次回の会議を行ってはどうかと考えました。
 次に2つ目です。英語4技能の評価,記述式出題の在り方に加え,ウィズコロナ・ポストコロナ・アフターコロナ時代の大学入試の在り方についても議論を行うと記載いたしました。感染症のような緊急事態への耐性を高めていくという観点も踏まえながら,共通テストと個別テストとの関係はどうあるべきか,又はたくさんの人数が1か所に集まらないという意味では,コロナのような事態の下でも多面的・総合的評価が実施できるのが総合型選抜や学校推薦型選抜と思いますが,それらと一般選抜との関係や割合はどうあるべきか,また,社会全体で今,デジタルトランスフォーメーションの推進が議論されている中で,入学試験や入学試験の出願などのデジタル化はどうあるべきかということを例示しております。
 また,文脈が一部重なるところがあるかと思いますが,次の項で,大学入学共通テストについては,個別試験との役割分担,基礎的な学習の達成度の判定という試験の目的を踏まえ,その在り方について議論する。記述式や英語4技能評価の在り方については,その方向性も踏まえて判断する。例示といたしましては,科目等の精選,セーフティネットとしての役割等と記載いたしました。
 科目などの精選については,前回斎木委員からも御意見がありましたが,現在30科目まで増えている共通テストの実施科目の在り方について議論する必要があるという趣旨でございます。これにつきましては,大学入試センターにおいても並行して検討がなされるものと思います。また,セーフティネットと書いた趣旨は,共通テストは,都道府県を越えずに地元で受験が可能です。ウィズコロナの状況下で非常時のセーフティネットとしての役割にも改めて注目してはどうかという意味でございます。
 また,その次の項では,必要に応じ,関係団体等から再度の意見発表を行っていただくと記載をいたしました。本検討会議には,関係団体の代表にご参加を頂いて,団体代表委員の皆さんからは既に2月から4月にかけまして一度その時点での意見発表を頂いたところですが,既に今日を含めて13回の会議が行われました。今後適切な段階で改めて団体としての御意見を伺うことがあってもよいのではないかという趣旨でございます。
 共通テストの議論をするに当たりまして,共通テストを一度も実施しないままに結論を出すというのも適当ではないということ,また,ウィズコロナ・ポストコロナ・アフターコロナの入試の議論をするのであれば,正にコロナ対応でイレギュラーな形となるであろう第1回目のテストの実施状況を踏まえた上で方向性を出すべきだろうという考えに基づいたものです。
 そして,最後の項で,取りまとめに当たっては,十分な議論の時間を確保するということを記載いたしました。前回芝井委員から,複数の案に基づいて十分な議論の時間を確保すべしという御意見がありましたが,会議の終盤に短時間で1つの案に慌ててまとめるということにならないよう,具体的な案に基づいて十分な議論の時間を設ける旨を入れました。
 検討スケジュールといたしましては,当初,年末までとしていたものを,共通テストの実施状況も踏まえて結論をまとめようということになりますが,最後の※印にありますように,新学習指導要領に対応した令和6年度実施の大学入試に係る予定の通知を令和3年夏に行うことが必要です。ただ,その際も,スケジュールありきで無理に結論を出すということがあってはならないと考えています。このため,最後の※印において,取りまとめに当たっては,令和6年度実施を目指すものの,更にその先を目指して議論すべき課題などを整理して検討することが必要と記載をしております。
 説明は以上です。ありがとうございました。
【三島座長】
 益戸委員,どうもありがとうございました。それでは,今の今後の進め方についての整理を一応いたしましたけれども,これについていろいろ御意見をいただければと思いますので,また御意見のある方は挙手ボタンを押していただければと思います。
 それでは初めに,芝井委員,どうぞ。
【芝井委員】
 ありがとうございます。1つは,一番下の方に書いてあるところですが,来年1月に予定されている第1回大学入学共通テスト等の実施状況ということですが,御承知のように,来年1月だけではなくて,1月の終わりと,それから,追再試まで入れると2月半ばまでがあるわけでして,恐らく今回に関しては,先ほどおっしゃったウィズコロナの問題も含めて,第1日程,第2日程,それから,追再試という3回を見ないといけないのではないかと私は思っています。第1日程でほとんど問題がなくなった,あるいはそれによって実施状況が分かるという御意見もあるかも分かりませんが,私個人は実は第1日程,第2日程及び追再試全体で何らかの評価をすべきではないかと思いますので,その点が少し気になりました。これが1点です。
 それから,もう一つですけれども,おおよそよく分かりますし,そうだろうと思う,こういうことで進めていくべきだろうと思うんですが,一番初めこの議論というのは,直前に英語の4技能に関しても,それから,記述式に関しても,いわゆる組織としては撤回せざるを得なかったわけですが,それがこういった検討会議が置かれる最初のきっかけになったというふうに認識しています。
 そのときも申し上げたんですが,やはり受験生を中心に多くの人からの信頼を失ってしまったという状況があると思うんです。そこに関しては様々な意見があって,なおかつ反対意見とか危惧する声がありながらも最終的には直前の撤回ということを決定せざるを得なかったことについて一定の検証作業がこの会でも行われたといういきさつがあると思いますので,今後の進め方はこれで結構なんですが,是非その検証作業の結果についても最終報告の中で一定の明記をしておく必要があるのではないかと思いますので,その作業も大変ですけれどもやっぱりやっていただきたい。
 この2点になります。以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。
 それでは次に,柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】
 柴田でございます。御提案よくまとめていただいていると思いますが,別の観点から申しまして,ウィズコロナ・ポストコロナの時代ということ,こういう状況に至ったわけでございますが,日本におきます大学入学試験のシステムのぜい弱性というのはかなり以前から指摘されていたところでございます。
 1つは,共通テストというのが同一日程で全国一斉ですけれども,それ以外にも,国公立大学の分離分割方式の実施も,これ,かなり時間も場所も制約がございます。先ほど芝井委員が結果を見てというのも,国公立大学につきましては,分離分割方式というのは統一した入試になっておりまして,これが円滑に今回進められるかどうかというのも関係者の間では随分と薄氷を踏むような思いがございます。
 だから,先ほどの御意見では,AOとか,推薦があるので大丈夫だということなのでございますけれども,そういうことを含めて改めて,私学さんもいろいろやっておられますので,全体的に危機管理体制と申しますか,そういうものをこのウィズコロナ・ポストコロナの時代にしっかり考えてコンセンサスを取っておくべきではないかなと思っている次第でございますので,皆様方とも十分議論していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【三島座長】
 柴田委員,ありがとうございました。ここのところも皆さんの意見をまたいろいろ伺いたいと思ってございます。
 それでは次に,両角委員,どうぞ。
【両角委員】
 両角です。ありがとうございます。ネットの調子が悪いので,聞きづらかったら申し訳ありません。座長・副座長の提案,大変いい案だなと思って拝見しました。
 2点だけ気になったことがあります。1つは,先ほど芝井委員がおっしゃったことと同じことで,なぜこうなったかの検証という点で,後でまた御報告します,検証してお伝えしますと言ってそのままになっている事項,例えば基礎診断の方が学びの診断テストになってしまった経緯とかいろいろ,何でそうなってしまったのかということなど御質問を出していたかと思うんですが,その辺りのこういう事態になってしまったところの検証についても,もう一度議論する必要があるかなと思いました。
 もう一つ,ウィズコロナ・ポストコロナ時代の大学入試の在り方についての議論というのも,極めて重要な問題だと思っています。これをどのようなスケジュール観で議論されるのかなというところが気になっております。今年の受験生については,初めての共通テストで,これまでさんざん振り回されて大変だった上に,コロナというものが重なってます。それぞれの大学の案を見ていますと,それぞれの大学が一生懸命考えて,こうしよう,ああしようという案をつくっておられるなというのも分かる一方で,余りにそれぞれの大学が出してきたことがばらばらです。
 受験生からすると,今の時点から,もうあそこだけを受けるぞと1校と決めて狙い撃ちしていくわけではなく,現実的には幾つも併願して今年の受験を乗り切っていかなければならない。それで,各大学の方針が出たけれども,結構バラエティーがあったり,中には何を言っているのだかよく分からない記述もあったりします。今年のこのウィズコロナの入試というところをあんまりゆっくりはしていられないと思うのですが,そこまでこの会議で扱うのかどうかというところについて教えていただきたいなと思いました。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。それでは次に,末冨委員,お願いいたします。
【末冨委員】
 私も,共通テストの実施状況を踏まえて議論を行うといった際に,今年度がイレギュラーであるということを踏まえると,先ほど芝井委員がおっしゃったように,第1回,第2回,それから,追再試に当たる3回目のテストの状況を踏まえて考えた方がいいかなと思います。特に第1回目と第2回目につきましては,今後の共通テストと個別試験の関係を考える上でも極めて重要であると考えます。
 それから,もう一つ検討すべき論点としては,私個人といたしましては,今後の大学入試,それから,高大接続の在り方を考える際に,大学入学者選抜実施要項の在り方ですね。今年度の場合,かなりイレギュラーな状況の中で決められておりますが,例年は6月までに出て,受験生や大学側がそれを基に入試について臨んでいくわけです。そのときの意思決定のプロセスもこれまで必ずしも注目はされてはこなかったわけです。とはいえ,大学入試全体を左右する上では極めて重要な方針であることは歴史的にも確かです。私も第5回の会議のときに申し上げましたが,入学者選抜要項のプロセスの中で,既存のルールがあって,そのルールの中で,何に基づいてどういうふうに決めていったのかというようなことがもう少しつまびらかになるような意思決定の在り方,透明性を高める在り方についても少し工夫をするために,大学入学者選抜実施要項の意思決定プロセスがいかにあるべきかといったような議論もしておくべきことだろうと思います。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは次,萩原委員,どうぞ。
 ……萩原委員,申し訳ありませんけれども,ちょっと回線の具合が悪くて全く聞き取れませんので,先へ進ませていただきます。少々お待ちください。
 それでは,岡委員,どうぞ。
【岡委員】
 国立大学協会の入試委員長の岡です。ありがとうございます。今日のこれからのディスカッションの項目ですけれども,国大協でももう既にこれについてはワーキングをつくって議論をしております。まだ2回しかやっておりませんので,基本的には共通テストと個別選抜との役割の分担の在り方や,それから,一般選抜と総合型,学校推薦型との役割分担,各論としては,記述式,英語4技能について,多面的総合評価の在り方,共通テストの実施教科,大学入試の効率化やCBTの件,これらを議論しているところでございますので,これで問題ないというふうに思います。
 それから,先ほど柴田委員から分離分割方式についての議論が必要だという意見がございました。国大協としましては,分離分割を維持していく方向で今考えております。理由としては,ばらばらにするとそれだけ非常に入試が混乱するということで,今のところ,議論はいたしますけれども,しばらくはこれを維持していくという方向でおります。
 以上です。ありがとうございました。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは次,清水委員,どうぞ。
【清水委員】
 清水です。ありがとうございます。これまでの議論に基づいて,今後の進め方というか,アジェンダというか,当面の守備範囲を整理していただいて,大変有り難く思います。
 1点気になったのは,1つ前の議題であるパブリックコメントを求めた項目立てです。7つの柱がありましたけれども,それとこの進め方との関係がどうなっているかなというのが少し気になりました。具体的に申しますと,これまでのこの会議あるいはヒアリングで議論されてきた項目が,この調査を行った後にまた議論の対象になると思いますけれども,そういう観点から見ますと,例えば高校教育との関係の問題等がこちらの進め方の中では記載が少し薄いかなという感じを持ちました。
 それから,大学の個別入試についてもアンケートが進んでいくわけですけれども,1月の共通テストの実施状況を踏まえ,更にその後の個別入試との関係でどのような動きがあるかというようなことも波及してくるような感じもして,ですので,資料1にありました柱立てでもう一回少し今後の進め方を補強するような部分も考えていくのかなというふうに思いました。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは次に,渡部委員,どうぞ。
【渡部委員】
 渡部です。どうもありがとうございました。大変簡明にまとめてくださってありがとうございます。
 1点希望したいことがございます。既にお考えかと思うんですが,それぞれの作業にプライオリティをつけて,おおよそ何年何月までにこうしましょう,その次はこれをしましょうというふうなことを次の段階としてお示しいただくことを希望します。
 それから,これは文言の問題ですから今お答えいただくのでも構わないんですが,ウィズコロナ,ポストコロナというのは,これは正式な呼び方なんでしょうか。ちょっと気になるところがあります。この内部ではよろしいかと思いますけれども,正式な名称といいますか,文言をお示しいただくようにお願いいたします。
 以上です。
【三島座長】
 分かりました。今,最初におっしゃったのは,こういう進め方をするけど,どの項目はいつまでとか,そういう意味でございますか。
【渡部委員】
 そうですね。これを見る限り,今のところは臨機応変で大分タイムスパンがあるような印象を受けるんですけれども,大体この会議をもって,1つのユニットとして1年間だと思うんですが,少しでもこの何月までにこういうことを決めましょう,何月までにこういうことを,最終的にはこれをやりましょうということを具体的に記載されたものをいただけると有り難く思います。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは続いて,斎木委員,どうぞ。
【斎木委員】
 斎木でございます。どうもありがとうございます。今後の取り進め方について,座長と副座長におかれまして大変的確におまとめいただきましたことお礼申し上げます。基本的な項目として大きな違和感,特段の異論はございません。
 しかしながら,1点,この中に明示的には書かれていないんですけれども,これまでの議論の中で,私を含め他の複数の委員の方が指摘された項目について,今後議論を深めていくお考えかどうかについて御確認いただければ有り難く思います。それは具体的には,各大学がそれぞれ個別テストを行って,しかるべく共通テストで役割分担を図っていくということでありますけれども,例えば英語4技能評価や記述式出題について,各大学が個別テストで行うこととして各大学の判断に任せると,そういった場合に,それぞれの大学がいろいろな関連取組を実施するわけで,そうした取組を支援又は推進するための方途についてもこの入試の在り方の大きな問題設定の中で議論を深めてはどうかという点でございます。
 必ずしも入試そのものということではありませんけれども,入試の後,大学入学をした後の各大学の関連取組に対する支援推進の在り方についても是非私としては議論していきたいと考えているところでございますので,この辺りについてのお考えもお教えいただければと存じます。よろしくお願いいたします。
【三島座長】
 今現在,各大学にアンケートが出ておりまして,どういう試験をどんな比率でやるかとか,それから,個別入試のやり方とかについてアンケートがまた戻ってくると思いますので,そういったものを見ながら議論をするのがゼロからやるよりはいいのかなと思いますし,今まで頂いた御意見の中でも,やはりそういった,今,回収を,まだ最後の今日のWEBによる国民の皆さんへのメッセージはこれからですけれども,それ以外のものは徐々に戻ってくる状況でございますので,基本的にはそういうものを見ながらいろいろなポイントを整理していけばいいのかなとは思ってございます。今までに頂いた御意見もそういう形のお答えになるのではないかなとは思います。
 それでは,山本理事長から御意見を頂きたいと思います。
【山本オブザーバー】
 ありがとうございます。山本でございます。私,オブザーバーということで個別に意見を言う立場にないんですが,ちょっと気になったところが1か所ございます。下から2つ目の丸のところに,第1回の入学共通テスト等の実施状況も踏まえて議論を行うというふうに書いてございます。共通テストをどうするかというような議論にもあるいはなるかと思うんですけれども,ここが,具体的にはどういったことの実施状況をイメージされているのかなということです。
 例えば運営上の問題等は,これまでのセンター試験とほとんど変わりないような状況でありますので,新たなことといえば,問題作成方針が少し違う,これまでの作題方針とは違うということが1つ。それから,来年の試験については,日程が2回になるという,これは今のところ来年度限りというか,非常に特殊な事例でございます。問題の内容等も含めて,こういう作題方針でどうだったかということになってきますと,この分析にはやっぱりそれなりの時間がかかるわけです。例年,いろいろな角度からセンターの研究開発部の方で分析もしているんですけれども,そういう意味でいきますと,これはなかなか時間がかかって,今予定されている間の答申というか,まとめの報告の中に入れるのは難しいということになります。ですから,この実施状況も踏まえてという,この実施状況というのは何を示しているのかという辺りを,是非お教えいただければいいかなと思います。よろしくお願いします。
【三島座長】
  そこの時点では,先ほどの益戸委員からの御説明の中にもあったと思いますけれども,共通テストをどうしていくかというときに,共通テストの最初の1回目のテストのときにどういう問題があったかとか,あるいは非常にどのやり方が良かったというようなことを一応,それについてどうであったかを見てからの方がいいのではないか。また,例えば,先ほどのウィズコロナ・ポストコロナの表現は別としまして,しかし,こういった状況での入試というものもあって,それに先ほどのセーフティネットみたいな話もございましたけれども,とにかく共通テストの第1回,それから,こういう今の社会状況の中での第1回目の共通テストということがどんなふうに行われたかというようなことを一応見てからやるべきであろうというふうな議論だったかと思います。
 益戸委員,いかがでしょうか。もし補足していただければ。
【益戸委員】
 今,三島座長がおっしゃったとおりでございます。山本先生がおっしゃった,試験の問題内容がどうだったかとかという問題ではなくて,やはりこのコロナの状況というのは,大きく社会生活そのものを変えている状況です。ですから,決して入学試験だけでなく,出願も含めいろいろな問題が起こると思いますので,その辺をきっちり検証するべきであろうという意味での表現でございます。
 以上です。
【山本オブザーバー】
 よろしいでしょうか。山本です。
【三島座長】
 はい,どうぞ。
【山本オブザーバー】
 理解いたしました。ただ,実際の運営その他もろもろは,ほとんどこれまでのセンター試験と変わらない。ただ,変わっているのは,先ほど申し上げましたように,問題の作成方針が若干変わって,これまでの実績を踏まえつつ,より思考力・判断力うんぬんといったようなところとか,高校での学びを反映できるような問題,場面設定というようなことにしているところが共通テストとセンター試験の違いですね。
 ただ,益戸委員が最後に言われましたように,来年については,日程がコロナ状況下で学習が遅れている人たちに対しても十分配慮するとかそういう面というのは,これは来年1月だけに終わる話じゃないかもしれませんけれども,基本的に大学入試をどうするかという在り方ということとはちょっとまた別な話かなというふうに思います。
 ただ,上から2つ目にウィズコロナ・ポストコロナうんぬんということがありますので,そういう意味では,来年1月に実施予定のこういう複数の日程を設定してうんぬんと,試験場の準備とかこういったことについて検証しておくというのはこの機会にやってもいいのかなと思います。そういう意味でしたら,終わった後,少しどういう状況だったかというのを検討する必要があると思うんですけれども,大学入試の在り方のトータルとして考えるのは,ちょっと特殊な事例かなと思ったということでございます。
【三島座長】
 了解いたしました。いわゆる試験の内容とかそういうことではなくて,受験の体制がどうあって,このような社会状況の中でどういうふうに行われたかというようなところが重要かなというふうに思ったところでございます。
 それではここで,大臣がお見えになりましたので,一言御挨拶をいただければと思います。萩生田大臣,どうぞよろしくお願いいたします。
【萩生田文部科学大臣】
 皆さん,こんにちは。本日も大変お忙しい中,大学入試のあり方に関する検討会議に御出席いただき,ありがとうございます。1月から始まった本検討会議も,はや13回目となります。委員の皆様からの意見発表から始まり,前回までに計39名の外部有識者・団体の皆さんからヒアリングを行うなど精力的に御議論を頂いていることに深く感謝を申し上げます。
 現在,委員の皆さんの御指導も頂きながら,大学入試の実態に関する総合的な調査に着手しております。また,本日の御議論も踏まえてWEBによる意見募集も行う予定です。今後はこうしたエビデンスも踏まえながら,広く国民に受け入れられるよう,良い制度の構築に向けて議論を更に進めていただければと思います。
 さて,来年の大学入学共通テストの日程については,新型コロナウイルス感染症の影響に対応し,少しでも多くの選択肢を設け,受験機会を確保する観点から,学業の遅れにも対応できるように,第2日程を選択できるようにしました。現在,第2日程を選択する受験生が確実に試験を受けられるよう,文部科学省から各大学に対し,試験会場の確保について要請を行っております。
 また,大学入学者選抜実施要項において,新型コロナウイルスにり患した入学志願者の受験機会を確保するため,各大学の個別学力検査における追試験の設定などを求めるとともに,出題範囲等において学業の遅れへの配慮に努めることをお願いしております。各大学の取組を集約し,本日から文科省のホームページにおいて受験生への情報提供を始める予定です。
 文科省としては,不安を抱きながら大学進学を目指し努力をされている受験生の皆さんが安心して勉強に打ち込むことができるように,大学入試センターや各大学と連携してしっかり準備を進めたいと考えております。
 本検討会議には各大学団体の代表にもご参加いただいていることから,この場を借りて改めてお願いを申し上げます。それでは,本日も活発な議論をよろしくお願いいたします。
【三島座長】
 大臣,どうもありがとうございました。
 それでは続けてまいります。次に,島田委員,どうぞ。
【島田委員】
 島田です。よろしくお願いいたします。今後の進め方について整理を頂きまして,ありがとうございました。幾つか論点が既に挙がっておりますが,そのほかに,今日ここまでのところでも非常にたくさんの論点が提出されてまいりました。論点は非常に多岐にわたっております。
 こうした状況の中で,全ての論点について全員で議論を進めていくのがよいのかどうかということについては,一度考えてみることもあってもいいのかなと思います。中でも,ある項目についてはいつまでというようなスケジュールがあるのであれば,なおのことスピード感を出すためにも,全員での議論の前に少しグループに分け,この論点についてはこの人たち,この論点についてはこの人たちというような進め方が考えられてもいいのかなとは思いました。最終的なまとめの前には全員で確認する必要は当然あるわけですけれども,その過程においては,そういうような工夫もあってもいいのかなと感じた次第です。
 以上です。ありがとうございました。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは続いて,芝井委員,どうぞ。
【芝井委員】
 先ほどの山本理事長のお話と関係するのですが,その2つほど上のところに,「大学入学共通テストについては」という文言がありまして,その後の「個別試験との役割分担」はよく分かるんですけれども,その後ろの「基礎的な学習の達成度の判定という試験の目的を踏まえ」と書いてありますが,これは理事長がかつて発表していただいたことと少し目的が違うのではないかと思います。
 確かに高校における基礎的な学習の達成度を判定するというのは1つの目的だと思うんですが,そこでセンターの長としての理事長が出て,大学での教育を受けるにふさわしい学力があるかどうかということを1つの判断するための材料としてやっているというようにおっしゃったと思います。これはこういうふうに位置づけてしまうと,かえって誤解を生じるのではないかと思いますので,少し工夫をしていただきたいと思います。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。それでは続いて,牧田委員,どうぞ。
【牧田委員】
 ありがとうございます。牧田です。実は島田先生の御発言とかぶってしまうんですけれども,私もこれだけの議論内容を全員で一遍にやるというのはどうかなと思っております。何らかのカテゴライズをできればですけれども,それぞれのカテゴリーに応じてグループ分けをして議論をされていくのがいいかなと思っています。
 それと,中身については私は全然問題ないと思っているんですけれども,やり方であります。実はこのWEB会議というのは,多分皆さんこうやってお使いになっていて,まあまあ便利かなと思いながらも,何かストレスを感じながらこの会議に参加されているのではないかなと思ったりします。
 というのも,これ,やっぱりワンウェイといいますか,発言対発言みたいなそういうような会議内容にしかならないので,例えば複数の方が意見を同時に交換するといいますか,いわゆるわいわいがやがやミーティングするという環境にはならないので,WEB一本ではなくて,やはりオフラインといいますか,フェース・トゥ・フェースで議論する場も是非私は御検討いただきたいなと思っています。
【三島座長】
 ありがとうございました。これは確かに進め方といっても,どういう論点があるかというようなところでまとめてございますので,どうやってこれを検討していくかというのは,確かに全員でこういうWEB形式で全て並行してということはなかなか難しいかと思いますので,そこはまた改めてやり方については考えて整理をして,また御提示できればと思います。ありがとうございました。
 それでは次が,川嶋委員,お願いいたします。
【川嶋委員】
 ありがとうございます。三島座長,益戸副座長と私でいろいろ検討して出させていただいた案でございまして,飽くまでも今日はたたき台といいますか,皆さんの御意見を頂いた上で,最終的に今後この会議を進めていくのか。今後も引き続き意見交換したいと思います。今,牧田委員からもお話がありましたけれども,会議の持ち方も含めて,また更に座長,副座長で検討していきたいということでございます。
 その上で,今日はいろいろ御意見を頂きまして,その中で,飽くまでもまだこれは三島座長とか益戸副座長と意見を交わした上ではなくて,私個人の考え方を申しますと,この会議のそもそもの趣旨は,英語4技能と記述式問題が取りやめ,ないしは繰延べになったということについてのその決定過程の検証ということですので,当然今後もそれについては議論なり整理を進めていくべきだと思いますし,当然,報告書等にもそれは入れられるべきだろうと思います。
 ただ,御承知のとおりですが,今年になって新型コロナの感染が拡大し,入試だけではなくて,社会全体,様々な問題を抱えるようになり,当然これまでのやり方ではやっていけないだろうと思います。入試についても,学校教育・大学教育についてもそうですが,今後これまでのやり方に縛られないような形で新しい方式を考えていかないと駄目なのではないかという意識の下で,例えば2つ目のウィズコロナ・ポストコロナ時代の大学入試の在り方についても,議論をこの会議において,大きな方向性だけでもしっかりと議論しておくべきではないかと考え,こういう論点を示させていただきました。
 ウィズコロナ・ポストコロナという呼び方自体については,ビフォーコロナとかアフターコロナという,BC,ACという表現の仕方もあるということで,これが正式かどうかというのはまたいろいろ御見解をお伺いしたいと思います。
 渡部委員かと思いますが,これまでの意見の取りまとめやWEBでの意見聴取の項目と,今回御提案した論点の立て方が少し違うのではないかというお話がありました。当然,1つ目の丸にありますように,今後,大学からの実態調査,そして,WEBによるパブコメ等ではそれを基に意見を求めるということになっていますので,その結果を踏まえて当然,今ある項目立ても今後の論点の中に含めていくことにはなろうかと思います。
 それから,時間とかプライオリティの問題ですが,一番下に書いてありますように,やはり時間的に一番早急に何らかの方針をまとめなければいけないのが,令和6年度実施の大学入試に向けての考え方ということです。これについては,最終的には,先ほど末冨委員からも言及がございましたけれども,この会議とは別の改善協議というところで選抜実施要項の決定をしていくわけですけれども,これまで,あるいは今日の現状を踏まえて令和6年度実施の入試についてどうすべきかということについてのある程度の意向や方向性はこの会議としても示す必要があるかと思います。
 とりわけ,3つ目に書いてあります大学入学共通テストの科目の精選ということがありますけれども,先ほど益戸副座長の方からも御発言ありましたが,今は6教科30科目で,2日間の中でもうきつきつのタイムスケジュールの中で実施しております。それに,御承知のように,新しい学習指導要領では情報Ⅰが必履修科目として入ってきますので,今の30科目でいいのかという議論は,センターの方でお考えになることなのかもしれませんけれども,これについても一応我々の間で共通の理解はしておいた方がいいのかなということで御提案をさせていただいております。
 それから,下から2つ目の「大学入学共通テスト等の実施状況を踏まえて」というところについては,こういうふうに特出しで書きましたけれども,芝井委員からの御発言のように,個別入試の実態も踏まえて,出題内容というよりは,試験実施について,柴田委員の方からも分離分割のやり方で大丈夫かというお話もありましたので,こういう緊急事態の下でありますけれども,共通テストと個別入試のスケジューリングの問題もやはりきちんと実態を見た上で検討していくべきじゃないかというようなことで項目として挙げさせていただいております。
 それから,1つだけ少し懸念しているのは,下から3つ目に,必要に応じて関係団体等から再度の意見発表を行っていただくということになっておりますが,大学については今,大規模な実態調査や今後の入試の在り方について意見募集をしておりますが,萩原先生が委員として出ておられますけれども,高等学校側のお考えも,萩原先生のところで集約していただくような形で出していただいて,やはり大学側と高校側,そして,保護者とか受験生はどういうふうにお考えかというふうなことをきちんと理解を共有した上で,今後の入試の在り方についてこの会議で議論ができればというふうな思いで今回こういう提案をさせていただきました。
 今日いろいろまだこれからも意見が出てくるかと思いますけれども,それを座長,副座長としても受け止めまして,また先ほど申しましたように,次回の開催時については最後にアナウンスがあると思うんですが,いろいろな実態調査等の締切りを考えると9月末になるかと思いますので,そこまでに向けてまた改めて座長含めて検討して御提案をさせていただきたいなというふうには個人的には考えております。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,今ちょうど萩原委員のお話も出ましたけれども,回線を変えて,お話ができるという情報が入りましたので,ここで萩原委員の御意見を伺いたいと思います。萩原委員,どうぞ。
【萩原委員】
 萩原ですけれども,先ほどは大変,回線がつながらず,うまくいきませんで,すみませんでした。今,川嶋委員の方からもお話がありましたように,高校現場としてのということでの発言をまた今後もさせていただくことになりますけれども,特に前回もお話をしましたが,高校時代での活動記録含めてということで,それを大学入試でどう活用していくのか。一般に言われています主体性評価,その辺りについて,この会で検討する必要があるのかどうかということです。
 大学入試全般に関してということになれば,生徒の高校時代の活躍状況をということで主体性評価を取り入れていこうという流れであったかと思うんですが,その部分についてなかなか明確にお話としても出てこない。ただ,先ほどのお話の中では,入試におけるデジタル化というふうに言っておりますが,多分これが調査書の電子化ということにつながってくるんだろうと思いますけれども,大学としてどういうふうにこの主体性評価等も考えていくのかということについても議論の中に入れていただけると有り難いと思っています。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,一応ここまでで,先ほどの今後の進め方に対していろいろな御意見いただきました。ありがとうございました。今,川嶋委員からもございましたけれども,頂いた御意見についてはまた少し精査をして,もう少し具体的な指針を出せればと思っているところでございます。
【小林委員】  
 すみません,一言よろしいですか。
【三島座長】
 どうぞ。
【小林委員】
 ずっと手を挙げているんですけれども,指していただけなかったので。この座長・副座長提案については賛同いたしますけれども,非常に議論が多岐にわたっていったのでこの内容になったのかと思います。
 ただ,最初に萩生田文部科学大臣から頂いた御提案の課題が4つありまして,課題1が英語4技能の評価について,課題2が記述式問題について,課題3が,この中に入っていないんですけれども,経済的な状況や居住地域,障害の有無等にかかわらず安心して試験を受けられる配慮,課題4がその他大学入試の望ましい在り方と,こういう課題がありましたので,可能であれば,この課題に対するお答えというのを,まず1つ,今後の進め方の中に入れていただければ,つまり,課題3,これを検討していただければと考えます。
 それから,この今後の進め方の中にもうまくブロック化されていないところがあって,ブロック化というのは,重なるところがあって,丸の2つ目と3つ目は,英語4技能の評価,記述式出題の在り方に加えて,その中の例の中に共通テストと個別テストの関係というのがあるんですけれども,3番目の丸は,同じように共通試験と個別試験との役割分担というのが太字で書かれているので,この丸は必ずしもブロックになってなくて,重なる部分もあるのでちょっと分かりにくいかな,構成が分かりにくいかなという気がいたしました。
 それからあとは,検証作業については,もう既にすぐにまとめられると思いますので,できるところからどんどんまとめていった方が,後で一緒にまとめるというのは結構大変ですので,可能なところは先にまとめた方がよろしいんじゃないかと,そういうふうに考えます。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。ずっとお待たせしていたようで,申し訳ありませんでした。
 それでは,今日の資料としての進め方についてのいろいろな御意見を頂きました。ありがとうございます。そこで一旦,これを終わりにいたしますけれども,今日はまだ時間が大分ございますので,この後また自由ディスカッションをやっていきたいというふうに思いますが,山本理事長から手が挙がってございますので,御意見を頂きたいと思います。
【山本オブザーバー】
 すみません,先ほど芝井先生の方から御発言のありました丸3つ目のところの「基礎的な学習の達成度の判定という試験の目的」というのが,私がこの検討会議の最初の頃に,センターの目的とこの試験の目的を話したのと少し違うのではという御指摘がございました。
 私もこの2の書きぶりだと,これが目的になってしまっているのかなという感じがして,ここは「試験の目的を踏まえ」というふうに少し単純に書いていただいたらいいのではないかと。といいますのは,大学入試センター法の中の13条にこういった文言が出てくる。ただ,この13条は,3条というのはセンターの目的が書いてあるんですが,ここでは3条の目的を達成するためにということで13条が書かれているわけです。その3条の中には,大学に入学を志願する者に対し大学が共同して実施することとする試験に関する業務を行うことによって,大学の入学者の選抜の改善を図り,もって大学及び高等学校の教育の振興に資すると,こういうふうに書かれています。明らかに大学入試センターがやる業務というのは大学入学者選抜に関わる試験でありまして,基礎的な学習の達成程度を判定するという試験ではない,ということについて改めて申し上げさせていただきたい。
 ですから,ここの書きぶりは,先ほどの芝井先生のお話にありましたような,これだけで誤解を与えるということのないような書きぶり,例えば「基礎的な学習の達成度の判定」というところを削除して,その中でいいますと,個別試験との役割分担,試験の目的を踏まえということだけでもいいのかなという気がします。
 時間がないところで大変失礼いたしました。以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,先ほど,今の山本理事長のお話の前に私が申しましたように,この後は残された時間,自由討論ということにさせていただきたいと思います。もちろん今の進め方に関連したものでも結構でございますけれども,それ以外で,この9月以降のいろいろなアンケートが出てきてからそれを見ながら議論する前のところではございますけれども,是非ここで発言をしておきたいということがございましたら,お手を挙げていただければと思います。トピックは何でも結構でございます。
 末冨委員,どうぞ,お願いいたします。
【末冨委員】
 先ほどの議論の進め方の際に一度申し上げたんですが,少し付け加えさせていただきたいことがございます。1つは,恐らく,今日資料1で上がってまいりましたWEBでの意見を集めるというときにも出てくると思いますが,受験者や保護者に対しての説明責任の在り方というのは当然かなり指摘されるところであろうと思われますので,その点については恐らく主要な論点の1つとなってくるかなと思われます。
 それから,私自身は一貫して,例えば地方在住,あるいは女子,そして,この会議の中でも団体の意見聴取をしました障害を持つ受験生に対しての大学入試の在り方も考えていかなければいけないということは申し上げました。これは特に英語4技能試験と関わって考慮されるべきことというふうな論点もございますが,大学入試をそもそも選択できない受験生の潜在的な層がいるということに注目いたしますと,例えば特別支援学校の関係者,あるいは地方の,特に女子の大学出題率が非常に低い地域の高校の関係者なども含めて意見聴取をもう一回丁寧に行っていく必要もあろうかと思われます。
 それから,今の時点で意見を出していない団体も今後何か意見を出してくる可能性もございますので,特に英語4技能,それから,記述式といったものに関しては,関連団体の動向を見極めながら,適宜意見聴取はしていく必要もあろうかと思われます。
 以上です。
【三島座長】
 御指摘ありがとうございました。それでは次に,柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】
 柴田でございます。先ほど萩原委員からの御発言がございました,主体的評価ということについてでございます。本件は,川嶋副座長も入っておられる多面的評価の会議でも話題になっておりますけれども,いろいろな高校の先生方との意見交換をしているときに,主体的評価というものの意味がどうやら高校関係者と大学では大分捉え方が違っているようだというところがございます。それはそれでいろいろ見解,それこそ多面的に議論しているので意見が深まっているんですけれども,この辺りは今後の捉え方について,ある意味では擦れ違いが起こってしまうんじゃないかなというような気がしております。
 どういうことかと申しますと,先ほどの萩原先生の御発言にもございましたけれども,高校時代の活動状況全体を主体的評価という具合に捉えておられる捉え方が高校ではあると。ところが,大学関係者は,私に限らないと思うんですけれども,主体的な立場から多様な方々と協働して学ぶということからいうと,主体性というのは,アクティブな自主的な活動でクリエイティビティとか,それから,オーセンティシティとか,そういうことができる人間であろうかということを発掘する,そういう要素であろうとかなり限定的に考えておりました。
 ところが,どうやら高校の先生方は2つ分類があるというのをお示しになったんですけれども,その幅広い解釈だと何かちょっと違ってくるんじゃないかというようなところでございます。萩原先生のお考えなんかも改めて,こういう場がふさわしいかどうか分かりませんけれども,できれば共通認識を持って定義を限定的にしていた方がいいのではないかなと考えている次第でございます。
 ちょっと長くなりましたけれども,一応意見を申させていただきました。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。
 萩原委員,何かコメントございますでしょうか。
【萩原委員】
 今,柴田先生の方からお話があったとおり,明確になっていないというか,ですので,調査書の中身でとか具体的なところ,高等学校とすると,本人が活動したことを全てを書いていかなくちゃならないんじゃないかとか,その辺りが共通認識のところに立てていないだろうと思うんです。大学入試の中でこれを活用していくんだということであるならば,やはりこの部分についてきちんと議論をしておかなければならないだろうと思います。今,大学側の方と高等学校側でのすれ違いがあるんだという,私も大学側の先生方のお話を聞いていると,我々高校側で考えているのとは違うという認識も持っておりましたので,是非とも擦れ違いのないような形にする,そういうための機会にもしていただけると有り難いと思います。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,手を挙げていらっしゃる方がいらっしゃらないようでございますが,いかがでしょうか。今の件でも結構ですし,それ以外の,ここでしっかり指摘をしておきたいというようなことがございましたら,発言をしていただければと思います。
 それでは次に,渡部委員,いかがでしょうか。これは手が挙がっておりますよね。
【渡部委員】
 はい。1つ質問ですけれども,先ほど萩原先生がおっしゃっていた,柴田先生と萩原先生のやり取りで,大学と高校の先生方の見方の違いというところがいまひとつつかみ切れませんでしたので,それについてお話しいただければと思います。
 それから,これは先ほど芝井先生に対する山本先生からの御回答ということで伺っている件に関してですけれども,これ,いつも複雑になる要因の1つとして,例えば4技能に典型的に表れると思うんですが,スピーキングをやっているんだから大学入試にも入れてくれという議論があるんですね。ただ,それはすぐには受け止め難い意見だと見ているんです。高校でやっていることを全部大学でやってくれというのは,入試に入れてくれというと,いろいろなことが関わってきます。国語では何で聞き取りテストやらないんだとか,作文テストやってください,全部そういうふうになって,話がどんどん膨れていって複雑になってくるんですね。それで,やはり高校でやるべきことは高校で証明をする,ということが必要になると思うんです。
 それで,これはすぐにと言いますか,実行すべきかどうかということも問題かと思いますけれども,ただ,例えば卒業試験が,認定試験というようなものがあれば,かなりきれいに分かれて落ち着くんですね。高校でやるべきことは最終試験でやってください,卒業試験でやってくださいと,そういうことがあれば,こんなに複雑にならないんですね。
 大学入試に全部期待が大き過ぎて,これもやってください,これもやってください,やるべきですというふうになると,これはとめどもなく入試の役割が膨らんできてしまいますので,先ほど山本先生がおっしゃったような,大学入試センターの仕事は,大学でできるかどうかその資格であると,そういうふうな認識があるのであれば,高校でやるべきことは高校で証明を客観的にすべきであると,そういうふうに考えるんです。これについて,例えば萩原先生から御意見が伺えれば有り難く思います。
 以上です。
【三島座長】
 これに対して,萩原委員,いかがでございましょうか。
【萩原委員】
 本来,ですから,高校でやるべきことをやっていくというのが大前提だと思います。大学入試に関していえば,私自身としては,大学がその力を見たいということでの大学入試だろうと思います。ですから,高校で身につけた力を大学の方で確認をしたいということであれば,その内容を試験として導入されるということはあると思っています。ですので,例えば今,先ほどもお話が出ましたスピーキングテストというような部分,大学が必要だということであれば,その大学さんが確認をしていただく。高等学校としてはしっかりと指導はした上で,その力がどんなものなのかということを大学側で確認するということであればと思うところです。
 以上です。
【渡部委員】
 ありがとうございました。よく理解できました。
【三島座長】
 よろしいでしょうか。それでは,今の件についてちょっと関係すると思いますので,柴田委員,手を挙げておられますが,今のことに関連してでしょうか。
【柴田委員】
 はい。先ほどの渡部委員の御質問についてでございます。
【三島座長】
 よろしくお願いします。
【柴田委員】
 主体性についてのお話なんですけれども,主体性の評価というのに高校の先生が非常に何か警戒感をお持ちだったので,それが不思議でたまらなかったんです。だんだんお話ししていくうちに,先ほどのように主体性評価というのが一般名詞的に,高校時代の活動,学力以外のものを全て主体的評価と捉える捉え方があるということで,大学入試で主体的評価をやるんだったら,高校時代の活動全てが制約されてしまうんじゃないかというような御懸念を根強くお持ちのような印象を受けたわけでございまして,このすれ違いというのは単なるすれ違いで終わらせるというのは大変危険だなと思っている次第でございます。
 繰り返しになりますけれども,大学関係としては,主体性を持って多様な方々と多面的にいろいろ深めるというような学力の1要素としての評価というのが,アドミッション・ポリシーなんかで掲げた上で評価できればということを願っているわけでございますし,学力の3要素の中にも入っているわけで,大学の選抜にも要請されている要素だと思っています。
 川嶋先生も同じ会議の御発表だったんですけれども,部活動も主体性を持って参加する部活動とそうでない部活動という,何かお仕着せのような部活動もあるんじゃないか,そういうものも識別する必要があるんじゃないかというような議論まで深まっております。これを,先ほど言いました調査書の電子化等により,トータルなポートフォリオみたいな形で大学に提出されるというと,それはそれでやっぱり高等学校の日頃からの生徒指導というのは大変な影響を受けてくるのではないかなと私は改めて認識を深めたと,そういう経緯でございます。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。かなり根本的なところにも関わると思いますが,本件で何か発言をしたいという委員はおいででいらっしゃいましょうか。ここから手を挙げておられる方がどの趣旨で手を挙げておられるかまで分からないので,手が挙がっているところに今順番に振ってまいりますので,今のトピックに関連する発言がありましたら,そこで伺いたいと思います。
 ということで,川嶋委員,いかがでしょうか。
【川嶋委員】
 ありがとうございます。柴田委員から名前が出たので,答えなければと思っているのですが,まずその前に,渡部委員が御指摘になった,入試で何でもかんでも測るのかというお話がありましたのでそれについて少しコメントさせていただきます。もともと今回の高大接続改革は,高校教育と大学教育とその間を取り結ぶ大学入学者選抜について,余りにも大学入学者選抜に高校教育の質保証とか大学教育の質保証とか様々な役割が期待され過ぎているので,それをきちんと仕分して,高校でやるべきこと,大学でやるべきこと,入試でやるべきことをきちんと整理しましょうというところから高大接続改革の議論が始まったというふうに,私自身は理解しているので,改めてこのことは,高校関係者と大学関係者の間できちんと共有することは必要かなと思って,お話を聞いておりました。
 主体性等については,主体性「等」となっていて,これをどういうふうに解釈するかというのは高校側,大学側というだけではなくて,人それぞれどう考えるかは非常に多様かと思います。ただ,柴田委員も最後の方に御指摘になりましたが,このことは,基本的に大学がどういう能力を持った,あるいはどういう態度を持った人を自分の大学の学生として受け入れたいかということなので,これはきっちりと各大学がアドミッション・ポリシーとか選抜実施要項で明確にすべきかと思います。
 この問題は,高校教育と入試の関係ですけれども,高校関係者や高校生にしてみると,学力の他に主体性等が入試で評価されることになると,高校生活全てが入試に対応したものにしなければいけないのかということに,そういう意識を持ちがちかと思います。しかし,そうではないというメッセージをしっかりと大学は発するべきかと思います。飽くまでも個々の大学がどういう人材を求めているか,そこが重要と思います。
 この主体性等の問題は,柴田先生も入っておられる,大学入学者選抜における多面的評価に関する有識者会議ですか,そこで今,高校関係者と大学関係者で,私もそうですけれども,議論を深めているところです。この会議でどこまでこの問題を踏み込んで議論するというのは,別の会議でもなかなか難しいですし,この会議では先ほど御提案させていただいたようにたくさん議論すべき項目があります。そのため,主体性等の評価については,そちらの有識者会議の方での議論を,前回武藤企画官からも御報告があったと思いますが,適宜議論の様子をこちらの会議にフィードバックしていくという形で主体性等についての議論は考えていってはどうかと。
 たしか萩原委員の組織から石崎委員が多面的の会議には高校の団体代表として参加されていますので,そちらの方の会議で高校側の御意見も十分共有できると思いますので,主体性等の評価については,そちらの会議の情報を適宜こちらの会議の方にフィードバックして,頂くことで良いかと思います。その際,両方の会議に入っておられる委員が発言すべきなのか,あるいは事務局の方から整理していただいたものを流していただくべきか,その辺はまた検討事項だと思いますが,そういう形で議論を進めていけばいいのかなと思います。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。おっしゃったように,我々のこの会議のミッションという意味では,そちらでの有識者会議の情報を入れていただく,あるいはこちらからそちらへインプットするというようなことが正しい解釈かなと思います。ありがとうございました。
 それでは続いて,末冨委員,いかがでしょうか。
【末冨委員】
 7月21日の会議のときに時間不足で申し上げられなかったことが2点ございますので,この場を借りて改めて申し上げさせていただきます。
【三島座長】
 どうぞ。
【末冨委員】
 三島座長と川嶋副座長の方にメールで共有くださいというふうに個別にお願いはしておりましたが,こちらの会議の場ではまだ申し上げておりませんでした。
 1つ目が,まず9月中旬まで実施期間になっております入試の実態調査なんですが,エビデンスベーストで入試の在り方を見直していくという大きな意義がございます。とはいえ,過去に類例のない調査ですので,そもそも調査の設計自体も幾つか改善すべき点は申し上げました。全てが盛り込まれてはいないはずですけれども,一度,類例がない調査だけれどもやってみて,調査の在り方自体を見直しながら,今後の入試改革に当たって,継続実施をしながらエビデンス構築をしていくことこそが,高大接続改革あるいは大学入試改革の迷走を防ぐという意味でも大事なのではないかと思われます。
 それからもう一つが,主体性評価にも関わることなんですけれども,やはり大学入試あるいは高校教育の当事者である高校生や現場での教育実践に関わる教員などの重要なステークホルダーの意見が,英語民間試験,それから,記述式テスト,共通テストの在り方もそうですけれども,それらも含めて十分に反映されてはいないし,恐らく情報も十分に伝わってはこなかったであろうと思われます。
 この点については,今後の大学入試の在り方を考える際にも重要なステークホルダーの意見聴取あるいは意思決定の参画の在り方については,特に検討対象とすべきではないかと思われます。私は一貫して,当事者からの意見聴取をというふうに申し上げてきましたが,それはなぜかというと,大学入試というのは飽くまで受験生が受けるものです。受験生は高校を卒業していく,あるいは高校卒業に相当する能力・スキルを持っているということを考えると,やはり高校生も現場でのプラクティスを支える高校の教員の納得も得られる改革でないといけない。もちろん大学団体は,今この場に委員もいらっしゃいますが,大学側も改革の趣旨を理解した上で,自分たちの入試を決定していく必要もございます。けれども,恐らく文科省の従来の意思決定の中では,高校生あるいは実践に関わる教員といったレベルでのステークホルダーの参画というのはこれまでほとんど例がないことですので,この機会に改めて意見表明や参画の在り方を検討しておくべきではないでしょうか,ということを申し上げました。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。
 それでは,大臣が退席になりますので,一言感想を述べていただければと思います。
【萩生田文部科学大臣】
 皆さんの意見がすごく盛り上がっているところで,この続きも御一緒したいぐらいなんですけれども,恐縮です。ほかの会議があるので。また後ほど議事録を見たいと思います。
 御挨拶の前に,末冨先生,ちょっと個人的なお願いなんですけれども,日本中の国公立と私立の来年度の受験について,高校3年生,受験生がこういう状況の中で受験を迎えるので,何とかいろいろな配慮をしてくださいとして調査をしています。今日はその結果を発表していて,ある学校は受験範囲だったり,ある学校は追試の設定だったり,ある学校はAOを2回に分けたりするんですけれども,先生,別に日大代表でこの会議に出てもらっているわけじゃないんですけれども,コロナウイルスにかかってしまった人への受験機会の確保について,日大がまだ,検討中以上の何もコメントがないんですよ。この会議でいつも非常に迫力ある発言していただいているので,その勢いで学内で,日大は何もやらないままこの受験を迎えるのかということは,すみません,私個人的なお願いですけれども,機会があったら声を上げて調べてもらっていただけないかなと。
 芝井先生のところなどもいろいろな提案を頂いておりまして,ほとんどの私立大学の皆さんも,ボリュームはいろいろありますけれども,高校3年生,受験生,最後まで頑張れ,コロナに負けるなというメッセージを出していただいていますので,大きな大学ですから,是非協力をお願いしたいなと思いますので,この場を借りて,すみません,個人的なお願いをさせてください。
 皆さんから率直な御意見を頂いて感謝申し上げます。本検討会議は,英語4技能評価,記述式出題の在り方を中心的な議題として発足しましたが,これらに加えて,図らずもコロナを体験することになって,ウィズコロナやポストコロナを見据えた入試の在り方についても御議論を行っていただくことと承知しております。
 今日はたまたま主体性の評価で皆さんからの意見が盛り上がってしまったんですけれども,本当にこれは難しい問題であると同時に,1点刻みの入試をどう変えていくかという中で,やっぱり学生時代,高校時代の様々な頑張りを多方面から評価して差し上げる仕組みを少しずつ広げていこうということから始まったんだと承知しています。
 正に今年がこの主体性をどうやって大学が評価してくれるのか,高校がどう発信するのかが試される年に私は逆になると思うんです。といいますのは,例えば体育会系のスポーツをやっていた学生さんは,全国大会がない,インターハイもない。文化系の取組をしていた皆さんは,全国の文化祭もなくて,いつもだったら調査書の中に墨黒く書かれる全国大会出場とか,関東大会で入賞とかという,そういうことがなかなか書き込めない中で,この学生,高校生がちゃんと何をしてきたのかということを大学に伝えていただく必要が出てくると思います。
 私はそういった意味では各大学に,校長先生といいますか,担任の先生の調査書を機械的じゃなくて,今年はしっかり読み取ってあげてください,そのための時間を作ってあげてくださいということを大学当局の皆さんにもお願いしているところでございます。正に主体性をどうやってお互いが,送り出しも,受け止めも評価をするのかということが大事な年になるんじゃないかと思っています。そういった意味では,現場の皆さんの取組を私も見守っていきたいなと思っています。
 例えばなんですけれども,10年前に,この学生は,高校生は,高校3年間部活動には取り組んでいなかったけれども,駅前のスケートボードのチームに入って県の大会で優勝したなんていうことが書かれても,これをなかなか評価する大学はなかったと思うんです。ところが,今やオリンピックの種目ですから,スケートボードで県ナンバーワンだといったら,もうそれだけで,うちへ来ないかということにもなるわけで,時代の変化とともに主体性の評価というのは評価の仕方も変わってくるんだと思います。是非学校関係者の皆さんには,こういう年の受験というものを本当に丁寧に一緒に共有していただければなと,そんなことも考えているところでございます。
 委員の皆様には大変御苦労をお掛けすることとなりますが,我が国の未来を担う,毎年70万人以上の受験生のために,少しでも良い制度を構築する必要があると思っておりますので,引き続きどうかお力を貸してくださいますようによろしくお願い申し上げます。
 以上です。
【三島座長】
 大臣どうもありがとうございました。
 (萩生田文部科学大臣 退室)
【三島座長】
 それでは,自由討論でございますが,続けたいと思います。次,芝井委員,どうぞ。
【芝井委員】
 ありがとうございます。2点ありまして,別の問題なんですけれども,少し考える必要があるのかなと常々思っている問題です。
 1つは,高校・大学の関係とともに,大学の後あるいはそれまでの教育を通じて日本がどんな人材を育成するのかということと試験とは実は深い関わり合いを持っています。それは当たり前のことなんですが。その点について,これは少し言い過ぎると叱られると思うんですけれども,かつてに比べると明らかに,大学の教育に対して求められているものが,内容的にはやっぱり産業界の意見にかなり左右されているような印象を持っています。
 産業界の意見を取り入れることは大事だと思うんですけれども,大学の現状とか実情と違う形で,印象論あるいは御自身の体験を基におっしゃると,かなり当たっているところもあるかも分かりませんが,当たっていないことも多いのではないかという気がします。いまだに,大学で真っ当に授業が行われていないとか,これはコロナでということじゃありませんが,御自身が余り授業に出なかったけど,あんなの必要なかった,とかいうようなことを公言されるような経営者の方もたくさんいらっしゃって,そういう意味では大変悲しい状況ではないかと思うんですね。
 最終的にどんな人材を育成するのかというのはいろいろな考え方があるんですけれども,文科省も含めてですけれども,例えばSTEAM人材ということを軽々しく言うと,大学からすると,多様な大学があって,芸術系の大学もあれば,スポーツに力を入れている大学もあれば,あるいはそうではなくて様々な個性と可能性を持った人間に対してSTEAM人材を作れってどういうことなのかなとやっぱり思うんです。
 そういう意味で,この間の広い意味での高等教育政策の中で,余りにも画一的な目標を作り過ぎたのではないかと。それとの関係で英語の4技能の議論が出ているような気がして仕方がないんです,私個人は。第7回で新井紀子さんが来られてはっきりおっしゃいました,問題なのは日本語の読解力でしょうと。私,その方は,日本という国がこれから本当に力のある社会あるいは国家としてやっていくために一番大事な力で,4技能がどうのこうのというのは,はっきり言ってどうでもいい問題だと個人としては思っています。英語が話せるにこしたことはないし,4技能の力をつけるのにこしたことはないんです。だけど,本当に大事なことというのは恐らくそこではないんだろうという気がしています。そういった意味で,本当にどんな人材を育成するのかということをはっきりここでも1回は議論した方がいいと思っています。これが1つです。
 それからもう一つは,大臣が話していたのでちょっと言いにくくなったんですけれども,簡単に言うと,9月入学の議論を途中に挟んで,2021年度の入学者選抜が,要項に関してと,それから,センターでの具体的な発表でいうと,6月末まで遅れました。その中で追試験も含めて様々な要望がありました。センターの方は,共通テストを2回に,従前型のセンターのものにはなりますが,追・再試という形で3回の受験機会を保障することになったし,各大学は国公私立別にして,2教科2科目なのを1科目にしなさいとか,あるいは個別の試験で追試を受けなさいとか,あるいは発展的な問題を出すなとかいう形で注文を受けて,はっきり言って慌てて議論を詰めなければいけなかったわけです。これ,十分なことができたとは私とても言えません。多少触れていただいたので何か申し上げないといけないのか分かりませんが,ほとんど議論をすっ飛ばすような形で何とかまとめ上げて報告したという現状です。
 こんなことはもうやってほしくないです。入試が本当に大事なのは,時間をかけてじっくりしないと,いいことができるはずがないわけです。これは下手をするとミスを起こす原因になります。大学の責任者として,こういうことをやるようなことをどうして文科省は進めるんでしょうか。私,ほとんど分からない。だから,是非大臣とじっくり議論した上で,何ができて何ができないのかをはっきりしてほしいんです。それは責任を取るべき立場にある私の個人としての強い感想です。
 高校入試の方では,教育委員会であれば,中学校の義務教育の中の課程のある部分を出す・出さないはできると思うんです。だけど,大学入試ですよ,少なくとも。大学はアドミッション・ポリシーに従って,こういう人材を採るということを公言してきたわけです。こんなことできるはずがないじゃないというのが正直な感想です。
 議事録を作られるときには手を入れさせていただくことを前提に本音を2つ言わせていただきました。以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。
 それでは,今,手が挙がっている方はおられないと思います。もし,いや挙げているよということがございましたら,マイクでお声を入れていただければと思います。基本的にあと約10分ぐらいで時間が参りますので,是非これだけはということがございましたら,本当にマイクで名前をおっしゃって入っていただければと思いますが,いかがでしょうか。
【斎木委員】
 斎木でございます。
【三島座長】
 どうぞ。
【斎木委員】
 既に始めていただいております,大学に対する意見募集を含めた過去に例を見ない大規模な選抜区分ごとの実態調査,そして,今日これから実施をしていただきますWEBによる意見募集は,極めて重要な意義を持つ調査だと認識をしております。ただ,それにつけても膨大なデータが集まりまして,これをどういうふうに整理してどのように我々は分析し,評価し,提言につなげていくか,ここがポイントだと思います。
 まずは文部科学省の事務方におかれまして,冒頭にも取りまとめは工夫をしたいという御発言がありましたが,是非しっかりと取り組んでいただくとともに,私たちもこの検討会議で生データをどのように読み込んでいくか,どのように最終的な報告につないでいくか,しっかり取り組む必要があるということを改めて私自身も痛感し,また,ここで一言申し上げたいと思った次第です。ありがとうございます。
【三島座長】
 どうもありがとうございます。ほかいかがでございましょうか。
【小林委員】
 小林でございますけれども,よろしいでしょうか。
【三島座長】
 どうぞ。
【小林委員】
 私大協の団体代表です。今までの議論の中で,前回もお話ししたんですけれども,今回のアンケート調査はかなり膨大な調査になっていますけれども,実際大学は,次の入試をどうやってやるかということのそちらの方に今力を入れていて,なかなかこのアンケートにまで力が回らないというのが現状です。それが終わって,今や大体終わりつつあるんですけれども,それからやっとアンケート調査に関われるというところでございますので,まず今,大学側も結構忙しい時期になっていますので,それをちょっと御配慮いただきたいということです。
 それと3点ほど意見があります。1点目は,この前も発言させていただきましたけれども,これは議事録に載せるかどうか分からないんですけれども,アンケート調査で大学の本音の部分というのは余り出てこない可能性があります。例えば一般選抜と総合選抜と学校推薦選抜,これの入試の枠組みでどれぐらいに変えていくかというような質問が確かありましたけれども,それは枠は一応決めているんですけれども,実際現状を見てみると,最後の最後でどの枠を使って受験生を入れていくか。どんどん一般入試で合格者も抜けていきますので,かなり混乱した中で(抜けた枠を)埋めていくというのが現状なので,余り最初から決め打ちしていても現状は違う,ということを御理解いただいた方がよろしいかと思います。
 それから,今度,共通テストになりますけれども,それと個別入試,今までのセンター試験と個別入試との関係についても,現状は文科省の指導もあるので,センター入試の合格者も入れたいということで,実際はセンター入試を受ける多くの方は個別入試も両方受けていらっしゃるんですね。そして,両方とも受かっている場合にはセンター入試合格という形式にしてしまうので,実際の数としては両方とも受かっているというのはなかなか出てこない可能性もあります。そういった本音の部分がいろいろありますので,そこをどういうふうにして評価するかというのを,現場を見ながら考えていただければと思います。
 2点目は,芝井先生がおっしゃったように,私立大学は非常に多様なんですね。多様なので,1つの同じような議論で進めていくのは非常に危険性があると思います。経団連の方が,7月21日開催の第12回で発言されていたように,共通テストを資格試験のような形にできないかと。つまり,大学に入るためには全員が共通テストを受けなきゃ駄目だ,というようなやり方は余りに乱暴な議論で,私立大学はやはりアドミッション・ポリシーに沿った形で,共通テストを使う学校もいれば,使わない学校もありますし,共通テストのどの項目を使うかというのも自由に選択できるような措置をして,守っておかないといけないかなと思います。
 3点目ですけれども,現状を見てみると,1点刻みで入試はやるんですけれども,実際分析してみると,どこの大学も大体同じだと思うんですけれども,入試の試験成績と4年間の成績とは全然相関がないんですね。大体1年目の期末試験の成績が通年の成績と関係あるので,入試のテストというのは選抜にそれほど大きな役割はなくて,実際は入れた後に選抜する方が,本当は大学としては有り難いんです。
 実際,文科省の指導で,入学の定員というのもかなり厳密にコントロールしなければいけないんですけれども,例えば,私,留学先が当時の西ドイツで,今は統一されていますけれども,憲法に相当する基本法の精神で,教育の機会は均等だということで,採れる学生を全部大学は入学させなければいけないということで,例えば医学部は1年生が600人もいたんですね。その教育を年間6週間だけ担当したんですけれども,それが2年生,4年生でどんどんふるい落とされる。最初は本当に出来が悪い学生も入っているんですけれども,ついていけない。確かに入学定員を自由にすると私立大学間の入学生の奪い合いになってしまうので難しいところがあるんですけれども,そういう現状も理解していただければと思います。
 以上,3点申し添えさせていただきました。ありがとうございました。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。
 それでは,ほかに御発言ございましょうか。それでは,よろしいでしょうか。もうないようでございましたら,あと5分というところでございますが,ここまでで今日の検討会議は終わりにさせていただきたいと思います。長時間にわたりまして,本当にありがとうございました。
 武藤企画官,次の日程等についてもし御説明があれば,お願いいたします。
【武藤高等教育局企画官】
 失礼します。第14回,次回の会議は,皆様の日程を改めて調整の上で御連絡したいと思います。
 以上です。
【三島座長】
 それでは,今日の会議は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

 

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