大学入試のあり方に関する検討会議(第12回)議事録

1.日時

令和2年7月21日(火曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省15F特別会議室

3.議題

  1. 外部有識者・団体からのヒアリング  1宮田 一雄(日本経済団体連合会 教育・大学改革推進委員会企画部会長) 2春日 雄一(日本労働組合総連合会 経済社会政策局長)
  2. 大学入学者選抜に関する実態調査について
  3. 自由討論      

4.出席者

委員

(有識者委員)三島座長、益戸座長代理、荒瀬委員、川嶋委員、斎木委員、宍戸委員、島田委員、清水委員、末冨委員、両角委員、渡部委員
(団体代表委員)河野委員(岡委員代理)、小林委員、芝井委員、柴田委員、萩原委員、牧田委員、吉田委員
(オブザーバー)山本大学入試センター理事長

文部科学省

藤原文部科学事務次官、伯井高等教育局長、森田文部科学戦略官、角田文部科学戦略官、西田大学振興課長 他

5.議事録

【三島座長】
 皆様,おはようございます。主査の三島でございます。定刻となりましたので,ただいまから第12回大学入試のあり方に関する検討会議を開催いたします。
 今回も新型コロナウイルス感染拡大防止のため,ウェブ会議方式での開催となってございます。音声などに不都合ございませんでしょうか。本日も傍聴者,報道関係者の入室は認めず,ライブ配信での公開とし,後日,議事録をホームページに掲載することにしたいと思いますが,よろしゅうございましょうか。それでは,どうぞよろしくお願いいたします。
 本日ですが,前回に引き続き,本検討会に多様な意見を反映するため,関係団体の方からのヒアリング,意見交換を行うこととしてございます。ご参加いただきます関係団体の皆様,お忙しい中,誠にありがとうございます。
 本検討会議では,本日まで6回にわたり外部有識者・団体からのヒアリングを重ねてまいりました。予定されているヒアリングは本日で最後となりますが,委員の皆様,本日も活発な御議論をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは,議事に入る前に事務局から何かございましたらお願いいたします。
【武藤高等教育局企画官】
 事務局でございます。
 本日,吉田委員が御欠席,それから岡委員の代理として長崎大学の河野先生に御出席いただいております。
 本日も意見発表者の方々も含めまして,前回までと同様,聞き取りやすいような御発言をお願いいたします。また,御発言の都度,お名前をおっしゃっていただいたり,資料を参照する際,該当箇所などを分かりやすくお示しいただければと思います。また,ハウリングを避けるために,御発言を希望される際,挙手ボタンをお願いいたします。また,指名されたときにミュートを解除してから御発言いただいて,発言後,必ずミュートに戻していただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
【三島座長】
 ありがとうございました。
 それでは,議事に入ります。
 まず最初の議事は外部有識者・団体からのヒアリングでございまして,本日は産業界からの視点ということでございます。
 まずお一方目,日本経済団体連合会教育・大学改革推進委員会企画部会の宮田一雄部会長から15分程度で御発表いただき,その後,15分程度の意見交換を行いたいと思います。
 それでは,宮田部会長,どうぞよろしくお願い申し上げます。
【宮田氏】
 経団連の教育・大学改革推進委員会で企画部会長を務めております宮田と申します。聞こえていますでしょうか。よろしいですか。
 本日は大学入試に関する経団連の考え方について御説明させていただく機会を頂戴し,誠に光栄に存じます。
 経団連が7月14日に公表した「Society5.0に向けて求められる初等中等教育改革 第一次提言」の内容を中心にお配りした資料に沿って御説明いたしますので,そちらを御覧ください。
 表紙をめくって1ページ目を御覧ください。大学入試のあり方について説明する前に,その前提となるSociety5.0で求められる能力と大学教育についてお話しいたします。
 上段の左側の図を御覧ください。経団連はIoTやAI,ビッグデータの活用によるデジタル革新が急速に進展し,世界の産業構造が劇的に変化するSociety5.0において,デジタル技術を最大限活用しながら,イマジネーションの想像力とクリエイティビティの創造力を発揮して,様々な社会課題を解決し,新たな価値を生み出す人づくりが重要であると考えております。こうした観点から,経団連と大学のトップで構成する「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」では,上段右の図に記載されているとおり,Society5.0の人材には最終的な専門分野が文系,理系であることを問わず,数理的推論・データ分析力,論理的文章表現力,外国語コミュニケーション力などのリテラシーに加え,論理的思考力と規範的判断力,課題発見・解決力,未来社会の構想・設計力,高度専門職に必要な資質と能力が求められると指摘しております。もちろん,これらの能力は高等教育機関のみで育成できるものではありません。初等中等教育の各段階から子供の成長段階に応じて,これらの能力や,その基盤となる基礎学力,素質を育成することを踏まえつつ,Society5.0で求められる大学教育からバックキャストして,大学入試や初等中等教育のあり方について検討する必要があります。
 2ページをお願いします。上段では7月14日の提言で指摘した大学入試の現状の課題として,近年,大学入試センター試験を利用する大学の大多数が私立大学であり,かつセンター試験の結果のみで入学者選抜を行っている大学もあること,選ばなければ誰でも大学に入れる大学全入時代を迎える中,定員割れを防ぐために実質無試験で学生を入学させるなど,「入学者受入れの方針」が形骸化している大学も存在すること,Society5.0では文理融合の知識が求められるにもかかわらず,大学入試に文系・理系の区分が設けられていることを挙げています。こうした現状を打開するために,大学入試改革を進めていくことが求められます。
 経済界の立場から,求められる大学入試改革の方向性について申し上げます。第1に,各大学は,自らのアドミッション・ポリシーに基づいて「学力の3要素」,すなわち「知識・技能」,「思考力・判断力・表現力」,「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価する入学者選抜のあり方について改めて真剣に考えること,第2に,各大学は,大学入試センター試験の後継となる大学入学共通テストと個別入試との組合せにより,受験者が大学入学後の教育・研究に必要な学力を有しているかを判定すること,が重要です。
 次に,3ページをお願いします。3ページでは,大学入学共通テストと個別入試のあり方について示しております。7月の経団連の提言では,政府に対して,大学入学共通テストの実施目的と各大学が実施する個別入試との役割分担を明確化することを求めております。また,一部の企画部会委員の企業にヒアリングを実施したところ,「大学入学共通テストは,各大学の提示する基準点に到達しているかどうか,あるいは大学教育を受けるための最低限の学力を有しているかどうかを確認するために必要」との意見がありました。一方,各大学が実施する個別入試については,「各大学・学部が示すアドミッション・ポリシーに基づいて,専門性の高い講義・研究に対応できる学力があるかどうか,あるいは論理的思考力や表現力があるかどうかを確認するために必要」との意見がございました。いずれにしても,ヒアリングを通じて会員企業から,「各大学は,大学入学共通テストと個別入試との組合せによって,アドミッション・ポリシーに沿った入学者選抜を行うべきである」との共通認識が得られました。
 4ページをお願いします。4ページは,英語4技能を評価する英語資格・検定試験の大学入試への活用についての考え方を示しています。グローバル・ビジネスにおいて英語は世界共通語となっていることや,アジア諸国と比べても日本人の英語力は低いことを踏まえれば,英語4技能をバランスよく育成することが喫緊の課題と言えます。このため,2022年度から実施される高校の新学習指導要領では,英語4技能を総合的に扱う科目や英語による発信能力が高まる科目の設定などが組み入れられています。しかしながら,地方の公立高校を中心に,英語4技能をバランスよく教えられる教員の不足等により,英語の授業方法の改善が進んでおらず,従来どおりのリーディングとライティングに偏った授業が行われております。この結果,都市部の高校や私立の高校との教育格差が拡大しているとの指摘があります。こうした状況を踏まえますと,大学入試における英語4技能の測定は,Society5.0の人材に必要な能力の評価だけでなく,高校における英語の授業方法の改善,ひいては教育格差の是正につながるものと考えております。
 経団連としては,大学入試センターは「大学入試成績提供システム」において,英語4技能を評価する民間の英語資格・検定試験の成績を一元的に集約・管理した上で,可能な限り数多くの大学が大学入試センターから提供される民間英語資格・検定試験の成績を大学入試に活用する仕組みを早急に構築することが必要と考えております。
 なお,民間英語資格・検定試験の成績を大学入試においてどのように活用するか,どのレベルの成績を求めるかなどは,各大学のアドミッション・ポリシーに基づいて判断すべきことと思います。また,これまでに指摘された民間英語資格・検定試験の活用に関する批判に対しては,まず,受験に係る地理的事情への対応として,試験会場を増やすとともに,離島や地方部に居住する生徒を念頭に置いてオンラインでも受験できるような仕組みとすること,また,経済的理由で受験が困難な生徒には受験費用を政府や自治体が補助する制度の拡充を行うなどの対応を取るべきと考えています。
 5ページをお願いします。「学力の3要素」のうち,「知識・技能」以外の「思考力・判断力・表現力」と「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」についても大学入試で評価すべきであるとしております。7月の提言でも,「各大学は,知識・技能だけでなく,生徒の多様な能力やリーダーシップ等の資質,高校時代に実施した様々な体験活動なども,総合的に評価することが望ましい」と指摘しています。また,企業からは,「『思考力・判断力・表現力』が重要であることは論を待たないが,ペーパーテストのみで正確に測るのは困難」との意見や,「これらの能力を評価するためには,総合型選抜や国際バカロレア入試など多様な入試を実施することが必要」との意見を頂いております。
 次の6ページをお願いします。7月の提言では,Society5.0では,数理的推論・データ分析力がリテラシーとして求められることを踏まえ,全ての大学が文理を問わず,数学の試験を課すべきと指摘しています。
 また,記述式問題について,論理的な文章構成・表現力を測定する観点から,各大学が個別入試で出題すべきと提言しています。ヒアリングした企業からも,「記述式問題は,文章表現力を評価するために個別入試で実施すべきであり,大学入学共通テストでは,採点上の公平性の担保が難しいことから,導入は避けるべき」との意見を頂いております。
 最後,7ページをお願いします。最後に,これまでの説明を総括すると,大学入試において,英語4技能も思考力・判断力・表現力等も評価していくことが重要ですが,実際の評価は各大学のアドミッション・ポリシーに委ねられること,そして各大学が主体性・専門性を発揮し,自らのアドミッション・ポリシーに基づいて,入学後の学び・研究に耐えられる基礎的な学力・素養があるか否かを,大学入学共通テストと個別入試の組合せで見定めることが重要ということにまとめられます。
 私からの説明は以上です。大学入試のあり方に関する検討会議の委員の皆様には,是非経団連の考え方を御理解いただき,今後の御検討の参考にしていただければ幸いです。
 御清聴ありがとうございました。
【三島座長】
 宮田部会長,どうもありがとうございました。
 それでは,御質問,御意見等ございましたら発言をお願いしたいと思います。発言を希望される方は挙手ボタンを押していただければと思います。なお,発言が終わりましたら手を下げるボタンを押していただくということをお願いしておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは,御意見ございましたら,どうぞ。それでは,芝井委員,どうぞ。
【芝井委員】
 おはようございます。関西大学の芝井です。宮田様から経団連の考え方をコンパクトに教えていただきましてありがとうございます。
 ちょっと根本的なことを一つ,質問といいますか意見を申し上げたいんですが,基本的には経団連のお考えの中にはSociety5.0で求められる大学教育からバックキャストして,大学入試のこととか初等中等教育のあり方について検討するというスタイルになっていると思うんですけれども,以前からすごく気になっているんですが,Society5.0というのは実はほとんど学術的な基礎がない,言葉がちょっと過ぎるかも分かりませんが,ある種の思いつきなんですが,その思いつきを将来のイメージとして固めて,そこから大学の教育であるとか,あるいは人材養成のスタイル,あるいは初等中等までバックキャストしていくという発想は,私はかなり危ないのではないかと個人的には思っています。お尋ねしたいことは,Society5.0というのは実は学術的根拠はほとんどないということについてどのようにお考えか,是非教えていただきたいと思っています。
【宮田氏】
 まず,Society5.0に関しては,経団連の方でいろんな企業や有識者の方々の御意見を頂いてまとめ上げているものです。そういう意味で,学術的根拠がないという御指摘に対してはそのとおりだと思いますが,産業界として特に大事にしているのは,これからの社会がどういうふうになって,日本がどういうふうに今までの教育のスタイルを変えて,それに合った形で子供たちを社会で活躍させるというか,社会で価値を生み出していく人間にどう育てるかということが我々の使命ですから,我々としてはこういう社会をイメージした上で子供たちを育てていくことが重要だ,そういうことで我々としてはこれをベースにバックキャスティングして今回の提言をまとめています。
【芝井委員】
 それでは,ちょっと具体的なことを申し上げた方がはっきりすると思うんですが,一番最後のところ,英語4技能に関しては明らかにグローバル・ビジネスにおける世界共通語になっているという現実を踏まえて4技能が必要である,バランスよく4技能を育成することは喫緊の課題であるという御認識だというのはよく分かるんですが,例えば少しいかがかなと思うのは,Society5.0の社会では数字的な推論・データ分析力等はリテラシーとして求められると。そこを踏まえると,文理を問わず数学の試験を全ての大学で課すべきであるという御提言があるんですけれども,これは多分,小,中,高,大,全ての関係者にとってはかなり不思議な提言であるという気がいたします。どんなレベルの数学の試験を課すつもりなのかということは当然あるんですけれども,多分,Society5.0という目標を全ての人が共有できるのであればそういうこともあるのかもしれませんが,未来のあり方というのはそれぞれの人,例えば日本国民一人一人が将来,どんなふうに描き出すのかというのは様々であるべきであって,単純にバックキャストとしてこういうことを提言されても,ちょっと現実感がないというのが私の正直な感想です。ちょっとこれは議論すると長くなるので,一応,そういうふうに思いましたということでお受け取りいただいて,そんなふうに思っている人もいるということを頭の隅っこに置いていただければと思います。
 以上です。
【宮田氏】
 私もそういう意味で意見として述べさせていただきますが,論理的に物事を考えていくというベースがちゃんと育成されずに社会に出てきている学生たちも多いという現実を社会人としては感じております。今は,相当コピペでいろんな物事をつくり上げてしまうということからすると,論理をちゃんと考えて,地道にそういうものを組み立てていって,みんなと合意形成をするという,ベースになる能力として,論理的な能力が必要になっていると思います。
 以上です。
【三島座長】
 はい,ありがとうございました。
 それでは,次に両角委員,どうぞ。
【両角委員】
 両角です。ありがとうございます。
 2つあったのですが,1つは今,芝井先生がおっしゃったことと正に同じことをちょっと感じていまして,Society5.0という考え方自体,そういうやり方はあると思う一方で,そうではないような社会のあり方もありえるのではないかと思いますので,全ての議論がここから出発するというところに違和感がありました。同じなのでこちらは省略します。
 もう1つは,4ページ目の英語4技能に関するところなのですが,確かに地方の公立を中心としてバランスよく教えられる教員の不足など,学校によって教員の能力とか,いろんなばらつきがあるというのはおっしゃるとおりだと思うのですが,大学入試で4技能を課してしまうと,先生たちのばらつきが一定になるというよりは,それ以外の,都心部であれば塾に通うとか,むしろ,もっと格差が広がってしまうんじゃないかなというふうに私は思うんですが,その点についてはいかがお考えでしょうか。
【宮田氏】
 今の御指摘のように大学入試に課すということは,高校生のときにリーディングとライティングに偏って学ぶということではなくて,英語4技能を測定する民間の試験を受けて,それを大学入試成績提供システムに登録し,その結果を大学側が合否判定に使っていけば良いと考えています。我々,経団連がいろんな教育界の先生の御意見をいろいろ伺った中で,教育が入試に偏ってしまっているという現実があるので,聞くとか話すということも含めて,大学側でのアドミッション・ポリシーの中にそういうことがうたわれて,民間試験でこの程度の成績が必要ということであれば,高校生のときから先生たちもそういうことをちゃんと育成して,そういう試験を受けさせるということにつながって,全体のバランスが上がっていく。そうすれば,英語4技能をバランスよく学んだ子供たちが大学に入っていくということになるのではないかという捉え方でおります。
【両角委員】
 ありがとうございます。
 その場合に,今,個別の大学で民間試験などを入試に使うところも増えてきていると思うのですが,これは個別ではなく,共通テストで必要とお考えなのか,もしそうだとしたら,その辺りの根拠を教えてください。
【宮田氏】
 なぜかというと,それを大学に任せてしまうと,そういうことを重視する大学とそうではない大学ということができてしまって,日本人の全体のリテラシーを上げていくという観点から,今,アジア諸国に比べて英語力が明らかに劣っているという状況が改善されないのではないかということを懸念します。大学入試成績提供システムを使って,我々の立場としては,全大学がそういうふうに変わってほしいと。それが現実的にどうしたらできるのかということは横に置いた上で,我々の希望としてはそういうことだと御理解していただきたいと思います。
【両角委員】
 ありがとうございます。
 ごめんなさい,もう一つだけ追加で。むしろ,大学教育の方で英語の教育を充実させていくという考え方もあり,私自身はそれも重要だと思うんですけど,やはり入試がまず大事というお考えですか。
【宮田氏】
 私の感覚で言うと,今は,例えば全て最新情報は英語ですぐに見られる状況ですから,大学に入ってそこから英語力を鍛えるというよりは,大学入学までに基礎的な能力を身につけた上で,大学に入ったらすぐにグローバルな人たちとのコミュニケーションが取れるとか,すぐに留学するとか,そういうことのためには,高校までに身につけてほしいなということを我々の立場では感じています。
【両角委員】
 ありがとうございます。すみません,長くなりまして。
【三島座長】 いえいえ。
 それでは,続いて牧田委員,お願いいたします。
【牧田委員】
 牧田です。宮田さん,どうもありがとうございました。
【宮田氏】
 はい,とんでもありません。
【牧田委員】
 2点,お伺いしたいと思っていまして,ポイントは経団連の会員企業の皆さん方の大卒者の採用に関わるポイントなんですけれども,御説明資料の1ページ目にSociety5.0でリベラルアーツを重視するということが書いてあったと思うんですけれども,具体的に会員企業で本当にリベラルアーツを重視している姿勢が,私は少なくとも現段階では見えていないと思っていまして,それに対して経団連さんは会員企業にどのように周知といいますか,理解を求めていらっしゃるのかというのが1点。
 それから,もう1点は4ページ目でアドミッション・ポリシーに従って大学はしっかり入試をしなさいという話だったんですけれども,これからアドミッション・ポリシー,それからカリキュラム・ポリシー,ディプロマ・ポリシーという3つのポリシーをそれぞれの大学が重要視していこうとしているわけでありますけれども,どうも会員企業の皆さん方,特に経団連の企業は一部上場の皆さん中心ですので,比較的,就職戦線に影響を与える採用形態になっていくと思うんですけれども,その辺は出身大学のそういったポリシーをどこまで理解しているといいますか,確認していただいて採用活動を行っているのかということについてお伺いをしたいと思います。
【宮田氏】
 いい質問をありがとうございます。
 1点目はおっしゃるとおりです。経団連の議論の中でも,最初,リベラルアーツを我々サイドからお話しして,大学の先生たちとお話しした上で,我々も初めて理解したんですが,単にいわゆる一般教養を身につけるということではなくて,リベラルアーツという意味は,大学の中で一つの学問をちゃんとしたルールの中で深く勉強して論文を書いてという,そういう学問を身につけるという姿勢がまずあって,そうすると一つの学問領域だけでは答えが出ない世の中になっているので,いろんな学問を学ばなければいかず,そういうふうになっていく。大学では,一つの学問領域をしっかりと学ぶ能力を身につける必要があり,そのベースとなるリベラルアーツ教育が必要であるということを文章で明確に示して,この提言の中に入れました。なので,「リベラルアーツ」をしっかりと定義した上で,我々も今まではどちらかというとふわっとした感じでリベラルアーツを身につけてほしいということを大学側に要求していたことを反省して,リベラルアーツをしっかりと定義した上で,我々もそういうふうにちゃんと理解をして,一つの学問領域をしっかりと身につけた上で,複数の学問領域を身につけて,多様な複雑な問題を解いていく人材になっていかないといけない。そういうことがリベラルアーツ教育なんだという理解をさせていただいて,定義をさせていただきました。今,おっしゃった御指摘は,産業界も今までのぼやっと「教養が必要だ」というレベルで捉えていたことを,今回はアカデミアにはアカデミアでしっかりと学問を身につけていくということをトレーニングしていただくことが,社会に出た後,これからロジカルにグローバルな人たちと論理を闘わさないといけない世代にとっては重要だということで,半分反省をしながら,今回,こういう定義をしっかりさせていただきました。
 2点目の御質問もある意味おっしゃるとおりでして,企業側は,結局,ガッツのある人間とか体育系の人間とかを採用して,大学で何を学んできたか,論文を読んでいる人事部門の人たちがあんまりいなかったということは事実です。それに関しては,今,我々サイドとしては一括で採用して企業で育成するんだと,大学にはある意味,そんなに期待してないんだという態度で今まではなってきたことを反省した上で,現実として,企業に入ってくる学生の中には基礎的なところがトレーニングされずに入ってきている人たちもいるので,これから大学は大学でしっかりとそこを教育してもらって,論理的な思考能力を持った上で,論文でちゃんと自分の考えを書き表し,いろんなインプットをベースに,自分で論理を組み立てて他人と議論ができる能力はちゃんと身につけていってもらう前提で,我々もある意味,論文とかそういうものをちゃんと人事が採用のときに見るようにします。また,今後はジョブ型採用ということで,専門性を持った人を企業は採用します。要するに,スピード感がもう間に合わなくなってきているので,今述べたぐらいのことは大学でちゃんと身につけてもらった上で,企業は入社後に一から教育するということではなくて,どちらかというと入社後は応用問題をどんどん解いていくというように,これから変えていこうと我々も思っていますので,今回はまずはそのスタートラインを産学で合意したという状況です。
【牧田委員】
 是非経団連さんだけではなくて,経済同友会とか日商とかとも連携して,大いに大学に対する期待を高めていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
【宮田氏】
 ありがとうございます。
【三島座長】
 今,あと4名の委員の方が手を挙げていらっしゃいますけれども,今日は後半の方で自由なディスカッションの時間を取りますので,取りあえず2つ目のヒアリングに移らせていただきたいと思います。
 宮田部会長,どうもありがとうございました。
 それでは,次に日本労働組合総連合会経済社会政策局の春田雄一局長から15分程度の御発表いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【春田氏】
 皆さん,こんにちは。連合経済社会政策局の春田と申します。
 今日,私の方から資料を2点,用意させていただきました。1点目は参考の連合が目指す社会像という資料をお願いできればと思います。
 まずはこのような場で説明する機会を頂きまして,本当にありがとうございます。私は連合で経済社会政策局を務めており,この経済社会政策の中に教育政策が含まれておりまして,その中で働きかけ等々を含め連合は活動をしているところでございます。ただ,連合本部の中で教育政策をやっておるんですが,なかなか大学入試のあり方という点について,本部の中で今まで余り議論をしたことがなかったというのが正直なところで,今回,1か月前にこの話を頂きまして,そこから我々の加盟組織の中でも教員の関係,教育の関係をやっているところもございますので,そこにヒアリングに行ったりとかする中で考え方をまとめてきたということで御理解いただければと思います。有識者の皆様の御意見も先ほど聞かせていただきましたけれども,そういった中で,私たち働く者の立場で少し御意見などを述べさせていただきたいと思います。
 連合が目指す社会像ということで,簡単に説明させていただければと思います。我々,「働くことを軸とする安心社会」ということで,働くことに最も重要な価値を置いて,公正な労働条件のもと,多様な働き方を通じて社会に参加できる,こんな世界を目指しております。その中で,相互に支え合って自己実現に挑戦できるセーフティネットが組み込まれている活力あふれる参加型社会を目指して取組を進めてまいりました。
 その次のページをお願いします。その中で,我々,「働くこと」に結びつける5つの「安心の橋」という形で提言をまとめて活動,取組をしてきました。その中にありますとおり,家族と雇用,それから退職と雇用,失業と雇用,それからお話にあります教育と雇用,働く形を自由にするというふうな5つの安心のかけ橋といったことを理念として掲げて活動を続けております。本日のテーマの中では,教育と雇用をつなぐというところがちょっとかかってくるのかなというふうに思います。
 次のページお願いします。連合の中で,昨年,教育制度構想というのをまとめまして,これは2035年に向けて教育政策をどうやっていくのかというようなことでございます。その背景と位置付けというところがございますけれども,先ほど来,話があるとおり,第4次産業革命だとかIoT等々の進展,それから人口減少,超少子高齢社会の中で,我々としてどういったことを考えていったらいいのかというようなことを取りまとめてきたところであります。特に赤の文字であるとおり,そんな変化がある中でも,誰もが,個人が置かれた環境や属性の違い,障害の有無などによって取り残されることなく,生涯を通じてやりたいことを続けられる社会を実現すべきだと。2つ目にありますとおり,個人がどのような状況にあろうとも,学びたいときに学べる機会を保障される社会を実現することが求められていると考えております。そんな中で,教育制度構想をまとめてきましたけれども,下にあるとおり,持続可能で包摂的な成長を支える教育制度が重要かと。ここで持続可能性,包摂性というところを意識して活動を続けてございます。
 下に我々の教育制度構想の中身を少し書いておりますけれども,個人の学びを社会が支える教育制度の実現ということで,「教育費の無償化」ということやと,それから働く上で必要なワークルールに関する知識を身につけ活用という「労働教育」,それから社会保険や税などの負担を自分ごととして学ぶ,政治も含め「主権者教育」,それから個人が社会に出てから働く場と学ぶ場を自由に行き来できる「リカレント教育」,それから「人材育成」,こんなことを掲げて取組を進めてきてございます。ざっと教育構想の中身はこういうことでございますけれども,それでは今日の本分でございます設問に答えさせていただきたいと思います。
 ワードの方の資料をお願いいたします。設問を頂きまして,大学入試のあり方についてということで,1つ目,大学入試と高校教育や大学教育との役割分担ということで,社会との接続も念頭にということでございますけれども,ここに書いたとおり,今,「学歴社会」と言われておりますけども,何を学んできたのかというのが重要かなと。やっぱり「学習歴社会」への転換ということが重要かなと思います。過度な年齢主義による入学・就職システムからの脱却ということや,それから再び学校等で学び直しができるような,先ほどリカレント教育の話もありましたけれども,そういったことが重要で,“学びの場”の多様性を拡げる必要があるのではないかと言っております。
 2つ目のポツでは,今の成人年齢の引下げや選挙権など,受験生の世代を取り巻く環境が大きく変化してきているということもありまして,先ほど申しました主権者教育など,受験生を成年として多角的なスキルで選抜する方法も検討する必要があるのではないかと言っております。とりわけ,成年年齢の引下げということや,それから学び直しということで,社会人の方もこれから大学入試を受けられる方も結構出てくるんじゃないかなと思います。そういった中で,将来を見据えたときに,私もそんなに受験の全てを網羅しているわけではないですけれども,そういった人たちの年齢,今までだと,どうしても私のイメージで言うと,高校生の生徒を試験するというようなイメージをすごく持っていたんですけど,今,やはり生徒というか大学入試を受けるのは成人ですと。社会人の方も,もう一回,大学に入りたいという方ももちろん出てくるということを踏まえると,受験生と大学との向き合い方というのが少し今までより対話型というか,上から下というよりも,対話型のような形の入試というのが出てくるのかなと。具体的に言うと,もちろん,今もやっている小論文や面接等もあると思うんですが,とりわけ,面接,プレゼンだとか,何を大学で学びたいのかというふうなことをもっともっと面接の中でアピールさせる,そこをつかむというか,対話をするような方法というのがこれから重要視されてくるのかなというふうに感じているところであります。もう既にそういうことが行われているところもあるということは十分承知していますけれども,そういったことが重要になってくるのかなと思います。
 続きまして,その下の大学入学共通テストと各大学の個別入試との役割分担という中では,「大学入学共通テスト」を大学入学資格試験と位置づけてはどうかと。将来的にそういったことを考えてはどうかなと。この資格取得をもって,志望大学の個別の入試を受けるというような,どちらかというと入学共通テストなので,そこは学習指導要領に基づいてシンプルなものにしてはどうかなというふうに,将来的にそういった方向に持っていっていただければというふうに考えているところであります。
 それから,その下の1点刻みの入試の改善の必要性と入試の公平性・公平性の確保のバランスというところがあります。ここについては,やはり受験生の経済的格差,地域間格差,こういったことが拡大しないようにということで,やはり公平・公正な制度を構築し,丁寧な説明に努めるべきではないかと言っております。CEFRについても,学習の成果を大枠で判断するものさしであるというふうに捉えておりますけれども,このような判断基準,1点,1点というよりも,グルーピング的な考え方,こういったものもあるかなというふうに思っております。
 それから,施策のフィージビリティのところでございます。記述式問題導入について考えたときに,50万人の受験生の回答を短期間で正確に採点できるのかということや,そういった意味での採点者や採点の質の確保,受験生が正確に自己採点できるのか,そういったことが懸念されるというふうに言っております。
 それから,2ポツの個別項目のところです。先ほど来,話に出ていました英語によるコミュニケーション能力の育成・評価ということで,とりわけ検討されてきた民間試験の活用については,(1)から(8)までの課題が考えられると思います。本来多言語を比較するためのCEFR対照表ですね,これは趣旨・目的の異なる英語の民間試験を比較しているということがありまして,それぞれの試験の特性というのがあるので,なかなか比較するだけでいいのかなと,民間試験の活用という意味でいろんな試験があっていいのかなというのが少し疑問に感じるところであります。
 次のページお願いします。
 各大学等の英語4技能評価の活用方針が様々で,高校生や学校等に混乱をもたらしているところもあるということです。地域間格差の問題,それから経済格差の問題や民間試験の実施日時・会場,それから機器トラブル等の再試験等の確実な実施はどうなるのかということや,障害のある高校生等への配慮,それから参加要件を満たした民間試験が撤退,こういったいろんなことがあると思いますが,そういった課題があるので,できるだけ民間試験の活用,特に大学の入学共通テストというのはやっぱり大学入試センターが行うべきではないのかなと,公平・公正性の観点からそのように感じているところであります。
 それから,その次の思考力・判断力・表現力の育成・評価というところであります。記述式問題を大学入試で出題する理念,これは当然,個々の大学において,理解力・思考力・創造性・問題解決能力等の学力を多角的に測ることでいい話だと,当然評価すると。
 それから,共通テストの枠組みで評価すべきか否かというところは,なかなか共通テストで評価することは難しいんじゃないかというふうに思っております。特に先ほどの記述式問題の導入というところは,先ほど申したとおり,公平・公正性の観点から,なかなか難しい。方向性としては,私はあると思うんですが,なかなか実際として難しいと思います。
 それからマル3の一般選抜以外の選抜区分,AO入試や学校推薦が果たす役割というところは,やはりAOはロールプレゼンテーション,それからペーパーで読み取れない受験生の人物を,対話により多角的に引き出すことができるということや,それからノンエリート大学においても学力によらない能力を評価できる,こういったところについては,大学の中で高校の復習を行うということで補っていると思いますけれども,そういったこと。それから,AO入試は,学ぶのが目的である大学のあり方に合致しているというふうに思っております。
 それから,マル4の個別入試への国の支援の在り方ということで,大学の入学選抜方法の多様化や評価尺度の多様化,これはそれぞれ大学への補正も含め,そういったことは重要だと思いますし,それを支援すべきでないのかというふうに思っております。ただ,今,大学に入れればいいというような風潮がある。私は今,高校生,中学生の息子が2人いるんですけど,高校生の様子なんか見ていると,どうも大学で何を学びたいのか,その後,将来どういったことにそれを活用していくことをしたいのかというところが見えないまま,今,大学に入ればいいというような風潮がある。様々な生徒がいると思いますけど,あるなというふうに思っております。そういう意味では,先ほど申したとおり,大学入試,特に個別の大学の試験の中で丁寧な対応というのは必要なのかなと思います。そんな中で,面接やプレゼン,小論文というところを全て課していくということになると,なかなか先ほど話したとおり,人員不足の話もあるし,それからもっと言えば財源の問題も含め,今の大学の中でも非常勤の方も非常に多くなってございます。そういった意味での大学への助成金,それに伴う人への投資,そういったサポート支援,こういったこともセットで大学入試というのは考えていかないといけないのかなというふうに思っています。そういったことに財源を投入することで,このことが広い意味での人的投資という部分につながっておりますし,それから社会の持続可能性にひいてはつながっていくのかなというふうに思ってございます。
 少し長くなりますけど,私からは以上とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
【三島座長】
 春田局長,どうもありがとうございました。
 それでは,御質問,御意見等ありましたら,御発言をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 それでは,末冨委員,どうぞ。
【末冨委員】
 日本大学の末冨です。御報告ありがとうございました。
 かなり興味深く伺ったんですが,特にリカレント教育については,例えばですが,共通テストのほかに英語民間試験で記述式も課していくといったときに多様な学習者が大学に進学することを妨げてしまうのではないかというふうに懸念をしておりました。資料1ページ目の共通項目の最初の黒丸のところにも,多角的なスキルで選抜する方法というふうに御提言なんですけれども,既に高校を卒業されていて,あるいは高卒資格をお持ちだけれども,高等教育の進学機会がない方も日本には相当数の人口がいらっしゃるわけですけれども,そうした方たちへの進学機会の保障ですとか,あるいは入試のあり方について,もう少し詳しく御意見等ありましたら伺うことができればと存じます。
【春田氏】
 答えてよろしいですか。
【三島座長】
 はい,どうぞ。
【春田氏】
 ありがとうございます。
 おっしゃるとおりで,我々,理念として,やっぱり包摂性というところを先ほどの絵の中でも入れてきております。やっぱり誰もがひとしく教育を受ける,それは大学入試においても,その意味では同じだというふうに思っておりまして,確かに私,有識者でもありませんので,大学入試の仕組みの詳しいところまでは分からない部分がありますけれども,やはり大学を受験したいという者が全て受験できるような形で仕組みの方をつくっていく必要があるのかなというふうに思います。とりわけリカレント教育については,先ほど申したとおり,これから様々な世代の人がこれから大学入試を受ける可能性も非常にあるわけです。そういった意味で,そういったことを見据えた環境の整備というのはやっていきたいというふうに思います。余り具体的な政策を申し上げられなくて申し訳ないんですが,そのような考えのもと,進めていきたいなと思います。
【三島座長】
 よろしいでしょうか。
 それでは,次に渡部委員,お願いいたします。
【渡部委員】
 春田さん,どうもありがとうございました。上智大学の渡部と申します。
 先ほど宮田さんのお話を伺っていても強く思ったんですけれども,やはり春田さんのお話を聞いても同じようなことを思いまして。それは入学試験を変えるというふうなことを提言なさっているというよりも,むしろ,大学教育を充実させてくれというふうに聞こえるんですね。それで,入試を変えても,大学の教育が変わるということはあり得ません。例えば,前回,本会でマレーシアを見てくださいというふうなことでお話が何度か出てきましたが,ほかのアジアの国もそうですね。でも,マレーシアは,釈迦に説法だと思いますけれども,大学はほとんど英語の授業ですね。それで日本で全部,英語で授業をやっているところなんてほとんどないと言っていいと思うんですよ。特に限られたところはありますけれども。従いまして,入試を変えるというよりも,大学教育を充実させてくれというふうに捉えるんですが,これ,入試の改革の会議ですから,もちろん,そういうことを発言なさるということは理解できますし,重要なことでありますし,御意見を伺えるのは有り難く思います。ただ,根本は大学をどうにかしてくれ,即戦力をつけてくれといったことではないかなというふうに考えるんですが,それに対して御意見を伺えますでしょうか。
 以上です。
【春田氏】
 御意見ありがとうございます。
 私の知識で率直に話しますと,私も今のテストを大きく変えるというよりも,それが変わっても教育は変わらないんじゃないかというような話で,私,少し個人的に思っているのは,非常に様々に入試が多様化する中で,受験生の方は様々な勉強をし,今日の朝もちょっとニュースでやっていましたけど,いろんなプレゼンテーション資料を作ったりして,いろんなことに努力している。これを入試の勉強ということだけで終わらせたらいけないのかなという意識を持っていまして。それはなぜかというと,先ほど申したとおり,なぜ大学に行くのかというのをなかなか考えられない生徒というのも結構多いです。入るために勉強するというようなことで,私の息子の話を例に出しましたけど,多いんですが,私は入試が変わることで,より何のために大学に行くのかということをプレゼンさせるということが,ただ単に大学に行くために勉強するということじゃなくて,大学に行った後に何をするかということを入試改革の中で生徒が意識してくれたらいいなというのが一つ。それが将来,どういうことにつながるのかという,そこまで意識させるのに入試改革が少し影響を及ぼすのかな,そういったためのただ単にテストということではなくて,なぜ大学に行きたいのかと考えさせるような入試にすることが将来,大学の教育の中を変えるということよりも,生徒の教育に対する,大学に行った後の考え方というのにすごく影響を及ぼすのかなというふうに思っていまして,このような発言をさせていただいたということでございます。
 ありがとうございます。
【三島座長】  
 どうもありがとうございました。
 それでは,続きまして芝井委員,どうぞ。
【芝井委員】
 今もちょっとお触れになったんですけど,今の高校生は取りあえず大学に入ること,あるいは大学生になることを求めていて,実際,高校生自身,大学で何を学びたいのかというのが分かっていない状況であるということを繰り返しおっしゃっているんですが,確かにそういう側面があるんですけれども,私自身はそれをあんまり悪いことではないように思っています。例えばアメリカの場合だと,リベラルアーツ型の教育をしていて,文理も含めて,学部も含めて,ほとんど4年間をリベラルアーツの教育の中で育てて,その後,プロフェッショナルスクールに行くという制度があるんですね。そうすると,18歳から22歳の間,広く学問を学びながら自己形成をしていくプロセスが保障されている。日本の場合は早くに学部の専門教育に入っていきますので,むしろ,17,18の高校生が自分が経験してないことを選ばなきゃならないというふうになっているんです。そういう意味では,ちょっと無理があるのかと私も思わないではないわけです。はっきり将来の職業を考えなさいとか,人生のあり方を自分で選んでいきなさいとなると,17,18歳の時点で無理かもしれないという感じはしています,世界的に見て。そこも含めて,ある種,若者に迷いがある,つまり,職業選択であるとか,人生のあり方であるとか,あるいは自分の興味や関心,価値観の問題,そこの形成の部分で迷われるのは昔から変わらず,当然,認めてあげねばならないと思っています。むしろ,早期にある特定の学問分野に進むことを強いることは,日本の将来にとっても本当はよくないのではないかという感想を持っています。そこについて,何か御意見を頂ければと思いますが。
【春田氏】
 御意見ありがとうございます。
 おっしゃる点もあるなというふうに思います。大学入試を通じて,なぜこの大学に,ちょっと将来のことは,そこまで求めるのはおっしゃるとおりのところがあるかもしれませんが,なぜこの大学に行くのかというところは,ある程度,入試改革をすることによって,何かそこを思ってもらえたらなという希望もありまして,本当に今の現実,おっしゃるとおり,将来をそこまで縛るというのは,なかなか18歳で難しい部分はあろうかというふうに思いますけど,目の前の行きたい学部や,それに対して目的意識を持っていただけたらなという思いで発言させていただいたので,大学のその次というところまで求めるのは,少し先生のおっしゃるところもあるかなというふうに思います。
 ありがとうございます。
【芝井委員】
 どうもありがとうございました。
【三島座長】
 それでは手が挙がっている方はこれでおられませんが,よろしいでしょうか。
 それでは,春田局長,重ねてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
 それでは,次に議事の2番目に入ります。大学入学者選抜に関する実態調査についてでございます。事務局から御説明お願いしたいと思います。武藤企画官,お願いします。
【武藤高等教育局企画官】
 失礼いたします。資料3を御覧ください。「大学入学者選抜に関する実態調査について(概要)」という資料でございます。
 この調査,入試のあり方について,エビデンスに基づいた検討に資するために,令和2年度入試の選抜区分,一般,AO,推薦でございますけれども,選抜区分ごとの選抜の実態につきまして総合的な調査を行うというものでございます。第6回のこの検討会議での決定を踏まえまして,7名の委員の先生方,それから国大協,私大協,私大連,公大協,大学団体の御意見も踏まえまして,また実際,幾つかの大学にも見てもらいつつ,調査項目を設定しました。各大学における回答の負担の軽減の観点から,通常はこういう調査は1か月程度でございますけれども,2か月程度の余裕を持った調査期間を設定して,去る7月14日に発出いたしまして,9月14日を回答期限としておるものでございます。これは1度,第6回の会議で見ていただいているものですが,若干付け加わっておりますので,改めて御説明いたします。
 主な調査項目,まず,学部別調査というところで,3つのポリシー,あるいは出題方針の策定・公表の有無を聞きます。また,今回,この検討会議の中心的な議題である英語力,思考力・判断力・表現力を3つのポリシーや出題方針に示しているかどうか,それから選抜の妥当性・信頼性についての検証というのをやりましょうということが選抜実施要項に書かれておりますけれども,その状況。それと英語について言うと,スピーキング,ライティングの評価ですとか,入試における思考力・判断力・表現力の評価,あるいは記述式出題について,正にこの検討会議での中心的な議題について,各大学の学部としてどのようにお考えかということをアンケートで聞きます。また,さらに,一般,AO,推薦といった入試方法別の募集人員の割合を今後どのようにしていくお考えかということも併せて聞いていく予定でございます。
 2つ目のポツで選抜区分の基本情報ということでありまして,正にこの基本情報が全てのその以下の質問に連なって,いろいろなクロス集計ができる設計となっております。まず,選抜区分名,それから学部名,学科名・学科系統分類とかコース名,こういったところも聞きます。また,その入試がどんな選抜区分なのか,そして募集人員ですとか志願者数,受験者数,合格者数,入学者数,こういったものがどういうふうになっているか,基本的なデータでございます。
 それから,3ポツですけれども,その選抜区分がセンター試験を利用しているのか否か,利用しているとするならば,センター試験のみで選抜しているのか,あるいは個別選抜と合算して合否を判定しているか,あるいは一定の得点以上を2次試験の受験資格として設定しているか,それを一個一個の選抜区分ごとに聞きます。その上で合否の判定に要する科目数ですとか,特に外国語についてはセンター試験の科目が利用されているか,あるいは英語について言えばリスニングが利用されているか,こういったことを聞きます。
 その上で,今度は個別選抜の方ですけれども,選抜日程に加えまして,出題科目名・科目数・配点,英語の場合は4技能別の出題の有無,そして学力検査以外に考慮する資料等ということで,調査書とか面接とか,資格・検定試験なんかありますし,それ以外にいろいろ活動報告書だったり,適性検査だったり,レポートだったり,口頭試問だったりもろもろ,特にAO入試はいろいろあるわけですけれども,こういったことを細かくやっているかやっていないかというのを聞くということでありまして,その上で合否の判定時の換算の割合ですね,こういったことも聞く予定になっております。本検討会議でも何度か出てきたAO,あるいは推薦で学力が不問の入試が結構あるんじゃないかと。これはずっと課題になっている事項でございますけれども,今回の調査でどのような資料で合否を判断しているか,その中で学力把握に当たるものがどの程度取り入れられているかというのが明らかになるということでございます。
 次のページに参りまして,5ポツの英語資格・検定試験の活用ということで,活用の有無,それから活用していないところについて,今後の御予定を聞きます。それから活用しているところについては,活用の方法ということで,出願資格にしているかとか,加点しているかどうかとか,あるいは満点換算とか,みなし満点とか,いろいろございますし,もっと細かく言うんであれば,英語の資格・検定試験を活用しているときに,独自の英語の試験をやっているのかやっていないかとか,免除があるのかどうかとか,こういったことも明らかになる予定でございます。それから,具体的にどの資格・検定試験を使うことができるのか,そして複数の試験を活用できる場合には,それを比較,あるいは参照する方法としてどんなものを取り入れているのか,有効期限はどうか,スコアがどうしても提出できない場合の代替措置の有無や態様。例えばそもそもスコアが不要な選抜区分を同じ学部,学科の中で設けてあげるとか,あるいは高校による能力証明をしたり,面接を実施したり,あるいは成績の有効期限の延長を認めてあげたり,過去のスコアが使えるようにしたりとか,いろいろあり得ると思うんですが,この辺の実態を聞くことにしております。
 それから,6ポツで記述式でございますけれども,全ての教科科目等を対象にして,枝問ベースで出題形式の分類ごとに状況を把握する。例えば,そもそも客観式なのか,記述式なのかというところもありますし,記述の場合は単答式・穴埋め式,短文,長文・小論文,もろもろあるわけですけれども,これらについて,国語だけではなくて全ての教科科目を対象にして取り入れているかどうかを調べます。
 それから,7ポツでございますけれども,特に委員の御意見も踏まえまして,入学者の多様性を確保するための取組ということで,年齢,性別,国籍,あるいは家庭環境,障害等への配慮に関する大学としてのお取組ですとか今後の方針,これについては既に大学入学者選抜実施要項にもこういったことに配慮してほしいというのが関係団体の合意のもとに盛り込まれておりますけれども,実際,その項目がどのように今,取り組まれているのか,どんな方針で取り組まれようとしているのか,そこら辺を自由記述で伺う予定です。
 それから,8ポツ目,自由記述欄ということで,正にこの検討会議における検討課題への御意見というのを検討課題別に自由記載していただきます。また,今,コロナでいろいろな対応がなされておりますけれども,ウィズコロナですとかポストコロナ時代の入試のあり方について,もし御意見があればお答えいただきたいということでございます。
 最後は調査結果取りまとめのイメージ,飽くまでもざっくりしたものですけれども,例えば国・公・私ごとに,あるいは一般・AO・推薦入試の別に,募集定員に対する志願者数の割合ですとか,合格者数に対する入学者の割合,あるいはセンター試験の利用の割合を集計・分析する。あるいは,同様に学力検査の教科・科目数を集計・分析する。この辺は非常にベーシックな集計です。それから,英語の資格・検定試験の活用状況につきまして,国・公・私ごと,あるいは選抜区分ごとに調査事項の結果を集計・分析する。記述も同様であります。自由記述意見については,内容に応じて分類して,主な意見を個別の大学名が分からない形で取りまとめして分析したいと。その他,今,御覧いただいてお分かりのように,非常にベーシックなデータを結構取っているので,様々なクロス分析が可能であろうというふうに考えております。
 長くなりましたが,以上でございます。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。
 それでは,ただ今の内容についての御質問,あるいは今後の取りまとめの方法等について,もし御意見がございましたら発言をお願いいたしたいと思います。
 御発言ございます方は挙手をお願いいたします。小林委員,どうぞ。
【小林委員】
 ありがとうございます。
 第4回の際に,私は私大協の状況について,アンケート調査のプレゼンをして,第5回に末冨委員がEIPPのお話をされ,是非これはエビデンスに基づいていろんな議論をするべきだということで,第6回に資料2として,この実態調査についての案が出されています。私はその際,この程度でしたらお答えできるというのと,前提条件として是非匿名化してくださいというお話をさせていただきました。それで今日の資料3,いろんな方がこれを検討されたんでしょうけれども,第6回に比べて付け加えられた項目について,若干気になる点が多々ありまして,その点について,まず御指摘したいのと,それから匿名化について,先ほど説明もありましたけど,自由記述意見については主な意見を個別大学名が分からないような形で取りまとめ・分析と書いていますけれども,他の項目についても匿名化しなければいけないような気がします。その点,ちょっと幾つか指摘させていただきたいと思います。
 まず,第1の学部別調査についてですけれども,多々あるんですけれども,一番下の丸ポチの入試方法別の募集定員の割合を今後どのようにしていく予定かという内容ですけれども,これ自身は経営方針にも関係しているので,大学によっては機密情報扱いになっている可能性もあります。それから,私どもの大学の現状は,募集人数の割合というのは実際には出願状況を見ながら少しずつ変えているので,その時々で変わってしまうので,予定で決めるようなものではないということを御指摘させていただきたいと思います。
 それから,選抜区分の基本情報,ここで発言していいものかどうか分からないんですけれども,一応,推薦入試は5割以下というルールがあります。しかし,大学によっては,最後の最後で定員割れしないように,補助金もカットされますので,定員割れしないように,入学者を入れるために,場合によっては5割を超えてしまうような大学もあるにはあると思うので,その辺が,要するに真面目に答えにくいというところもあるかと思います。
 それから,4番目の個別選抜の配点,手前ども本校では配点を全て公開しているんですけれども,大学によっては非公開のところもあると思います。2番目の丸ポツと3番目の丸ポツが配点ですね。4番目の合否判定時の換算割合というのはちょっとよく理解ができなくて,それぞれの点数を換算しているわけではなくて,それぞれの入試形態に応じて合否を決めていますので,どういう意味かよく分からない。もし全体を換算したとしたら,その換算割合も大学によっては非開示情報になるかと思います。
 それから,ちょっと飛びまして7番目の入学者の多様性を確保するための取組,この項目自体が第6回のときにはなかったのが急に出てきたわけなんですけれども,先ほどこれを配慮するようにという指針があるとかいう話がありましたけど,実際問題,年齢,性別は配慮しちゃいけないというのが文科省の方針ではなかったかと思います。先般の医学部の不適切入試で問題になったのは,年齢,性別を合格判定に配慮したということが一番大きな問題になっていたと思いますので,この質問事項そのものがちょっと問題,もちろん,国籍もそうですけれども。家庭環境については面接でも聞いてはいけないという禁忌事項の中に入っていますので,これもどういう言い方で答えていいのかよく分からない。もちろん,障害を持っている方々への配慮は十分それぞれやっておりますので,その問題は少ないかと思うんですけど,残り4つについてはちょっと意味が分かりにくいというのが率直な意見です。
 かなり非開示情報を開示しなきゃいけないので,全体を匿名化するか,あるいはそれぞれについて非開示というのをタブで選べるような形にしないと答えられないと思います。先ほど私大協にも問合せをしたと言いますけれども,私が聞いたところでは,検討会議でお諮りするという報告を受けたのみで,私大協として了承した覚えはありませんという回答であると思います。よろしくお願いします。
【三島座長】
 ありがとうございます。
 武藤企画官。
【武藤高等教育局企画官】
 ありがとうございます。
 この調査の設計について,かなり綿密にいろんな方々とやり取りを致しました。特に一番御懸念の開示うんぬんというところですね,ここはすみません,2ページ目の調査結果取りまとめのところの下から2つ目で,個別の大学名とか学部名とか学科名とか,全て分からない形で処理をするというふうに考えておりまして,そのことについてはこの調査の事務連絡のところでも明示をしてございます。ですので,その点についての御心配は不要でございます。
 その上で,個別の点,今,御指摘いただいたことにお答えを申し上げると,ちょっと順番がぐちゃぐちゃになってしまって恐縮ですが,例えば4ポツの個別選抜の換算割合とか,正にそれぞれの選抜区分ごとの話として入れておりますので,当然,センター試験を使っていないのもあるし,学力検査なんてないのもあるし,ただ,複数使っている場合の換算というのをどのようにしているのか,していないのかということも含めてお伺いすると。
 それと,裏面の7ポツの入学者の多様性を確保するための取組ということでありまして,ここは正に大学入学者選抜実施要項の中にここ数年来,盛り込まれていることであります。正に先生おっしゃるように,年齢を差別しちゃいけない,性別でやってはいけない,そういうのは当然あるわけですけれども,入試だけではなくて大きな取組として,いろいろな全体としてのキャンパスの多様性の確保というのは,先般の中教審の大学分科会で出されたグランドデザイン答申なんかでも大事なことだと整理されておりまして,入試に限らず,全体としての取組ということでお答えいただけるのかなと思っています。入試に限って言うと,例えば経済的に厳しい環境にある生徒さんに対して,例えば給付金をつけた選抜区分を設定している例なんていうのもありますし,いろんなことがあるんだろうというふうに思っており,恐らくお答えも非常に多様だということで,我々も必ずしも全てを把握できてないものですから,飽くまでも選抜実施要項に書かれている事柄について,自由記載で現状のお考えを,あるいは状況を,お答えできる範囲でお答えいただければ大変参考になるのかなということでございます。
 すいません,もしお答えが不十分であれば,またおっしゃっていただきたいと思いますけれども,全体としてはそういうことで,個別の大学というのは一切出ないようにいたしたいというふうに思います。
【小林委員】
 あと聞いたのは,入試方法別の募集人員の割合なんですけども,これはちょっと予定しにくい。現状はもう既に出願状況を見ながら多少変え,入り繰りをしているので,予定するのは無理だと思うんですし,これはちょっと書きにくいですね。
【武藤高等教育局企画官】
 ありがとうございます。
 そこについても,実は今,調査を発出した後に御質問がいろいろ出てきております。それを少し取りまとめてQ&Aの形にしてお答えする予定にしておるんですけれども,募集人員のところはきめ細かく選択肢がどうこうあるわけではなく,例えばAOを増やしていく予定ですとか,あるいは一般入試を減らしていく予定ですとか,その程度の感じの選択肢になっております。その上で,ちょっとどうしてもお答えできないと,しかも外に出さない前提でもお答えできないということであれば,そこはちょっと対応を考えなきゃいけないなというふうに思います。いずれにしても,今,いろいろな大学から御質問を頂いているので,そこをしっかり整理して対応したいと思います。
 以上でございます。
【小林委員】
 私大協にも改めて質問していただければと思います。私も昨日,この資料を見て,慌てて聞いてみたところなので。そしたら,私大協では,文科省からやってください,と言われただけだということでしたので。その辺は御配慮してほしかったと思います。
【武藤高等教育局企画官】
 ありがとうございます。
【小林委員】
 7番はちょっと分かりにくいですよね。やはり入学者はこういうことで差別しちゃいけないことになっているので,入学後の多様性と言った方が分かりやすいかと思います。まあ,多様性は多様性なんですけれども,「等」の中にいろんなものが含まれるのかもしれませんけれども,年齢,性別はいずれにしても絶対駄目だということでコンセンサスがあるので。
 以上です。
【三島座長】
 よろしいですね。ありがとうございました。
 牧田委員,どうぞ。
【牧田委員】
 ありがとうございます。
 先ほどの渡部先生の御意見にも若干関連するんですけれども,せっかくこういう調査をされるのであれば,現状の入試に対する感想といいますか評価というのも是非聞いていただければいいのかなと思っています。加えて,要するに入試でいろいろな取組をやってきたことが最終的にはディプロマ・ポリシーを満足するために,学生たちにどういった成果を残させたかということの確認もこの機会に,もし取れるのであれば取っていただければ非常に有益なデータになるのではないかと思いますので,御検討いただければと思います。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。
 武藤企画官,何かございますか。
【武藤高等教育局企画官】
 ありがとうございます。
 現状の入試の感想というのは,先生,大学側の感想と,それから入った学生という御趣旨ですか,最後のところは。
【牧田委員】
 できれば大学側の感想でいいと思います。現行の入試に対してどういうふうに,要するに今でいいのか悪いのかということも含めて,それで最後は大学教育が果たして入試とどう関連しているのかということが見えてくれば有益かなと思いました。
【武藤高等教育局企画官】
 分かりました。ありがとうございます。
 8番の自由記述のところでいろいろとお答えいただけると思うんですが,今日,こういうふうに先生からも御指摘あったので,こういう議論の状況というのを各大学にお伝えして,お答えできるところは8番のところでお答えいただくような形で取り計らいたいと思います。
【三島座長】  
 ありがとうございました。
 それでは,もうお一人,芝井委員,どうぞ。手短にお願いいたします。
【芝井委員】
 はい,分かりました。
 2の入試方法ですが,ここは一貫して一般選抜とAO入試と推薦入試というふうになっているんですけれども,令和2年度時点ということですから,その名前でいいのかも分かりませんが,私,一貫して申し上げているんですが,推薦入試をやっている大学って,そう多くないんです。ほとんどが指定校推薦入学制度です。面接を行ったりしますけれども,入試,いわゆる入学試験をやっている大学って少数派だと思っています。AOと指定校推薦入学制度で回っているという現実です。ですから,推薦入試って言葉は,あんまり望ましくないというのが一つですね。みんな一般には推薦入試,推薦入試と言うんですけど,入学試験をしているわけではないんです,多くの場合。それが一つです。
 それから,もう一つですが,この3つだとものすごくもの少なくて,例えば私のところでざっくり数え上げると,うちの大学は社会人入試をやっています。留学生入試をやっています。編入学・転入学入試試もやっています。それから,9月入学生のための入試をやっています。それから,内部進学があります。内部進学についても,当然,基準を置いて学内で試験をやっているわけですけれども,大学と併設校,いわゆる附属との間で協議をしながら,試験をやって選抜をしながら内部進学をやっています。それから,例えば国連の難民入試もやっています。ですから,ここの中の3つというのは大変少ないので,はっきり言って,ざっくりした話はできるんですが,詳細については,多分,答えられないんだろうと思っています。とりわけ一番大きいのは推薦入試の問題で,ほとんどが指定校推薦入学制度を取っているという現実に合わせて,是非うまく処理をしていただきたいと思っております。
 以上です。
【三島座長】
 はい,ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは,どうもありがとうございました。以上で議事の2を終わりにいたしまして,今日は自由討論をする時間が30分以上ございますので,本日の御発表に関することでも結構でございますし,これまでの外部ヒアリング全体に関してお思いになること,それから今後の議論に関することなど,何でも結構でございますので,御意見を頂ければと思います。
 挙手をお願いいたします。柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】
 柴田でございます。
 2つあるんですけど,まず1つは先ほどの大学選抜に関する実態調査,これは私も一応,御相談を受けてやったんですけれども,これほど大規模なものになるというのは多分,今までなかったんじゃないかなと思います。ほとんどしっ皆に近いような形になるんだと思います。先ほどいろいろ御指摘いただきましたけど。
 それで,このあり方検討会議,随分,皆さん,熱心にやっておられますし,毎回,これまでの主な意見の概要というのをつけていただいていますね。既に44ページ,恐らく500項目ぐらいになっているんですが,いろいろ貴重な意見もございますので,是非これを,ある程度まとめておられますけれども,分かりやすい形で集約していただいて,これに対するといいますか,更に今,ウェブの時代ですから,今まで約40人の方々から御意見を頂いて大変参考になったんですけれども,もっと幅広く一般の方からウェブでの意見募集なんかをなさっていただいて,それも参考にして,今後,我々も考えていくというのが一つあるんではないかなと思っておりまして,是非御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【三島座長】
 今の件は事務局の方でもちゃんと考えているところでございますので,武藤企画官から少し方針をお話しいただければと思います。
【柴田委員】
 よろしくお願いいたします。
【武藤高等教育局企画官】
 ウェブ意見募集というのは,実は以前も複数の先生方から,やるべきだと,これはかなり本会議の最初の頃から御意見があったところでございます。私どもの方でも準備を進めていましたので,もしウェブ意見募集をやるのであれば,こういう意見の概要を参考になるような形でまとめておくのも一案かと思います。また座長や副座長とも御相談の上で考えたいと思います。
【柴田委員】
 よろしくお願いいたします。
 それから,すみません,もう1点,ようございましょうか。先ほどの宮田様の資料について,宮田様,まだおられますでしょうか。
【宮田氏】
 はい,大丈夫です。お願いします。
【柴田委員】
 私,公立大学法人福岡県立大学というところにいる柴田でございますが,資料の2ページ目ですね,大学入試の現状というのがございまして,この1行目に近年,大学入試センター試験を利用する大学の大多数が私立大学とあります。数からいうと確かに私立大学が圧倒的に多いんですけれども,この入試センター試験を今まで利用させていただいていたのは国立,公立,これはマストでございまして,一般入試では必ず使うということで使わせていただいているコアなクライアントでございます。だから,この表現,ちょっとミスリードではないかということを公立大学の立場から申し上げたいと思います。確かに私立大学の大多数が現在,入試センター試験を利用しているというのは事実でございますけれども,コアの部分で国立,公立も多大な関与があるということでございまして,この記述,大多数の私立大学がセンター試験を利用しているという具合な表現に変えていただければと思いますし,国公立でもセンター試験での入学者選抜には基本的なところで活用しているということを御認識いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【宮田氏】
 分かりました。事務局の方にも伝えておきます。それは御指摘のとおりだと思います。
【柴田委員】
 よろしくお願いいたします。
【三島座長】
 ありがとうございました。
 それでは,続きまして益戸委員,どうぞ。
【益戸委員】
 2つございます。1つは,この実態調査の結果に大変期待をしております。今までの会議の中で,それぞれ委員の皆さんのお立場からいろんなお話を聞かせていただきましたが,全国幅広く大学入試についての情報が出てくるというのは今後の議論のために非常に参考になるのではないかと思っております。
 2つ目は,コロナ感染の問題です。民間企業においては,ウィズコロナ,アフターコロナについて様々な対策,議論が既にもう始まっているところがあります。当然,大学入試のあり方に関する検討会議におきましても,しばらくの間,場合によっては数年の間,このコロナと我々はつき合っていかなければいけないという状況ですので,その点も踏まえて,少し議論をする必要があるのではないかと最近思っております。
 以上です。
【三島座長】
 今のコロナ関係のところもこれから非常に重要になってくる,いかにそういう中できちんとした入試ができるかということも視野に入れた議論が必要かなというふうに私も思います。ありがとうございました。
 それでは,次に末冨委員,どうぞ。
【末冨委員】
 それでは,先にこの会議の進め方についてということでちょっと全体について意見を申し上げたいんですが,最初にこの会議が発足したときには議論は年内を目安に,ということでございました。ただ,第1回の共通テストのあり方を含めて,それを見極めた上で報告を出さなければ,やはり今後の大学入試のあり方についての検討をしたことにはならないと思います。先ほど益戸委員の御発言にもございましたが,今年度の共通テストの対応というのは3回実施でして,過去に例のない異例の対応になっております。新聞報道等によれば,やはりテストとしての信頼性,公平性,妥当性の検証,あるいは本当に受験者が進路を保障されうる入試足りうるだろうか,特に共通テスト自体は第1回ということですから,試験の質,それから得点分散も含めて,特に第1回共通テスト,それから第2回共通テストの結果というのが重要になってきます。検討の期間については,当初予定されていたことにとらわれずに,少し柔軟に考える必要があるというのが私の意見です。
 それから2つ目なんですけれども,宮田様の御報告に関連してなんですが,少し確認と質問をさせていただいてもよろしいでしょうか。
【三島座長】
 はい,どうぞ。
【末冨委員】
 ありがとうございます。
 1つ目なんですけれども,私,実は経団連の提言というのはかなり重要な部分もあるなと思って受け止めていたんですが,会員企業へのヒアリングをなさったというのが一つ根拠になっていると思うんですけれども,どのようなポジションの方に御質問や御確認をなさったのかというのをちょっとお教えていただいてもよろしいでしょうか。
【宮田氏】
 会員企業の中でこの分科会に参加している企業に向けてアンケートを出して,そこからの回答です。なので,割と各企業の人事部門,経営の窓口を通じて回答をもらっているということです。
 よろしいでしょうか。
【末冨委員】
 ありがとうございます。
 私どもも,例えば学校に調査をするときなどは,このポジションの方というふうに決め打ちして御回答いただく場合が多いんですけれども,人材育成に関して,現在の若手の採用に関わっておられる人事部門の方と,それから社内等の将来的な人材の育成に関わっておられる人事部門の方で,また答えも分かれようかと思っておりまして,特に経団連の提言というのは非常に世の中に重く受け止められ,私自身も大変興味を持って読んでいるので,できればリサーチのあり方というものをもう少し一般社会に分かりやすい形で発信していただければなと思います。
【宮田氏】
 分かりました。
【末冨委員】
 併せまして,少し気になりましたのが,現状の丁寧な把握というのも,もう少ししていただけるといいかなと思いました。例えば英語の4技能の指導力を持った教員が地方には少ないということがございましたが,この検討会議の中では地方に少ないのではなく,むしろ,地域間格差が非常に大きいということが指導法への回答の分布で分かっていることですので,せっかく非常に刺激的,かつ前向きな提言であり,かつ大学人として,私は非常に重く受け止めた部分もございますので,リサーチベースドであるということももう少し大事にしていただければいいなと思います。
【宮田氏】
 承知しました。
【末冨委員】
 例えば,アメリカの団体さんなんか,どのような人にヒアリングしたのかという一覧を報告書に付け加えることもなさっておられますけれども,アメリカの団体の場合には立場に偏りのない形でヒアリング実施されているということがございますので,是非その点は経団連にも要望として出したいと思います。
 もう一つ,確認なんですけれども,英語4技能試験については民間試験の活用は提言されておられますが,この会議の中でも私自身も懸念しておりますのが複数の企業さんのテストを使うことになりますと,どうしても企業間競争が生じますので,利益相反の問題が出てまいります。この点については,例えば経団連として,医療界なんかでは既に利益相反のルールは企業さん含めてかなり厳しく設定されておられますが,特に教育分野への民間企業参入について,英語4技能については特に,何かの利益相反,あるいは企業倫理といったものについての御検討や御提言などございましたら,是非お教えいただきたく存じます。
【宮田氏】
 今の御質問に対して私自身が答えられるほどの状況の把握をしていませんので,経団連事務局の方から何かお答えすることはありますか。
 今のところ,多分,私の認識ではそこまでの利益相反とか,そういう企業倫理のことをやっているというふうには認識していないんですけど。今,御意見として2ついいただいていただいますので,今後,そういうことを反映していきたいと思います。
【末冨委員】
 是非ともお願いいたします。
 前回,ブリティッシュカウンシルさんはじめ,イギリス系の英語試験実施団体さんはイギリスのOfqualという政府系の監査機関の認証監査の仕組みについて,利益相反も含めて相当厳しいルールが課されているという話がございました。厳しいルールであるが故に,官民が合同して試験を実施することが可能だという御指摘も頂いておりますので,日本においてもなし崩しに英語民間試験を導入することなく,試験の信頼性,公平性が保たれるようなあり方ということも,是非,経団連の加盟企業にも英語民間試験に御参入の意図がおありだったと思いますけれども,これを機会にしっかりお取り組みをいただければと存じます。
【宮田氏】
 はい,そのように伝えるようにします。
【末冨委員】
 ありがとうございました。
【三島座長】
 ありがとうございました。
 末冨委員の最初のお考え,この検討会議のこれからのスケジュールのところですけれども,私自身も,今からいろいろな調査もいたしますし,ウェブの御意見も伺ったり,そして今,正に御指摘のあった来年の入試がどうなるのか,そういったことを含めると,ちょっと12月までにということは厳しいなというふうに思っております。日程ありきでやると,またよくないので,できることなら少し延ばしていきたいというふうに思いますが,委員の皆様方にこれはもちろんお願いしなきゃいけないことですけれども,私自身,今,そういうふうに思っておりますし,事務局とも検討しているところでございます。
 それでは次へ参ります。萩原委員,どうぞ。
【萩原委員】
 萩原です。私の方からも会の進め方ということで,今後,また民間とか各種団体からのヒアリングとか何かを予定されているのかどうか,その進め方等について,まずお伺いできればと思います。いかがでしょうか。
【三島座長】
 武藤企画官,お答えいただけますでしょうか。
【武藤高等教育局企画官】
 関係団体からの御発表ということでいうと,一通り今回で予定されていたものは終わっているということがございます。この後,どんな形で進めるかというのは,正に委員の先生方の御意見や,また,座長,副座長の御判断もあろうかと思いますけれども,当面,まず調査をやって,ウェブの意見の募集というのもやると。そこで,例えば今回どうしても御発表いただくことがかなわなかった団体から御意見を頂いたりなんていうこともあるんだろうと思うんですね。その後,全体のスケジュールの中でどんな形でやっていくのか,特にこの会議は萩原先生も含めて各団体の代表の先生方にお入りいただいていますから,そういった方々からまた御意見を頂く機会を設けるかどうかとか,多分,いろいろ論点があろうかと思います。また,先生方の御意見や座長,副座長のお考えも踏まえながら,私どもとしては必要な準備というのをしていきたいというふうに思います。
【三島座長】
 萩原委員,よろしいでしょうか。
【萩原委員】
 ありがとうございます。
 それで,1点,私の方から,今回,大学入試に関して言いますと,主体性評価の問題があるかと思うんですけど,この点に関して,例えばヒアリングであるとか,関係のお話は扱いがなかったかと認識しているんですが,この点に関してはいかがでしょうか。
【三島座長】
 主体性の問題というのはどういうヒアリングをするのか,意見を伺うのかというところがありますけれども,企画官,何かアイデアはございますか。
【武藤高等教育局企画官】
 この会議のメンバーの先生方との重複はそこそこあるんですけれども,別の会議で立ち上がっていて,そこで議論が行われています。ただ,その上で,この会議は,この主体性のことも含めて,大学入試全体のことを議論している会議です。現にこれまでの委員の先生方の御意見ですとか,それから有識者からのヒアリングの中でも関係するような御意見というのはあったわけですね。これらについては,私どもの方として取りまとめて,主体性の会議の方にも,以前も一度,御報告はしているんですが,今後もまとめて御報告するということは考えられるかと思いますが,そういう役割分担でやりたいと思っています。
【萩原委員】
 大学入試全体のあり方ということに関わっている部分なので,当然,英語とか,それから記述のところだけではなくて,大学入試となると,主体性評価の問題,要するに大学入試のあり方というところで,再度,きちんと整理をしていかないと別の部署で話がまとまってということでは,齟齬が出るのではなかろうかと思います。是非とも御検討いただければと思います。
 私からは以上です。
【武藤高等教育局企画官】
 よろしいですか,三島先生。
【三島座長】
  はい,どうぞ。
【武藤高等教育局企画官】
 御指摘ありがとうございます。事務局は同じ課でやっておりまして,よく連携を取りながらやろうと思っております。ですので,会議の主査,副主査とも御相談して,どんな形で2つの会議の連携を取れるか,私どもとしても検討してまいりたいと思います。
【萩原委員】
 お願いいたします。
【三島座長】
 それでは,次に斎木委員,どうぞ。
【斎木委員】
 斎木でございます。どうもありがとうございます。
 まず1点目に,末冨委員から御指摘があり,また,座長御自身からも問題意識の共有の御発言ありました検討スケジュールについて,一言申し上げます。
 私としましても,来年初めの共通テストの実施を見極めた上で検討会議としての提言を取りまとめることが適当であろうと考えますので,検討スケジュールは,各委員の方々の御協力と御理解を得た上で,柔軟に考えていくことが大変重要だと考えている次第です。
 それから,2点目,申し上げます。以前の検討会議の場におきまして,共通テストそのものの位置づけについて検討を深めてはいかがかと申し上げました。端的に申し上げれば,共通テストを身軽なものにしていくということを具体的にこの会議で検討してはいかがかということでございます。すなわち,これまでのセンター試験を概観してみますと,地歴,公民,理科において3年次に開設されている科目が極めて多いということが分かります。今回の新型コロナ感染の全国的拡大の中で,休校や不慣れなオンライン授業を余儀なくされた3年生が来年の共通テストに臨むに当たりまして大きな不安を抱えていることは想像に難くありません。今後とも,しばらくの間,コロナの収束について予断できない中,大きな方向性として,共通テストについては基礎的学力を問うことを主眼として行う,換言すれば,1,2年次で履修する内容を専ら取り扱うこととしてはいかがでしょうか。私としては共通テストのスリム化に向けて検討を進めることが適当ではないかと考える次第でございます。
 記述式出題や英語4技能評価の扱いにつきましては,私としては役割分担で各大学が行う個別テストにおいて実施することに賛成しているわけでありますけれども,こういった記述式,あるいは英語4技能の扱いについても,今,申し上げました共通テストの今後の方向性の中で,当然のことながら判断をしていく必要があるだろうというふうに考えております。
 さらには,各大学が個別テストを行うに当たりまして,関連の取組を当然,各大学が行います。その関連の取組を支援,推進するための方途も極めて重要だと思いますので,そういった議論についてもこの検討会議で深めていくことができれば大変有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。
 2つ目の共通試験の今後のあり方についてというところ,更に根本的なところではございますけれども,やはりしっかり検討した上で方向性を出していかなければいけないというふうに私も思っているところでございます。
 それでは,次に小林委員,どうぞ。
【小林委員】
 ありがとうございます。
 まず,ヒアリングが大体これで終了したということなんですけれども,私立大学の立場から考えると,自主性,自立性に委ねて,できるだけダイバーシティー,多様性を認めるべきだという主張は前からさせていただいたんですけれども,今日の宮田様の御意見にもあるように,例えば共通テストと個別入試を組み合わせるようにとか,だんだん全体的に統制色が強く,これは私の個人的な感覚かもしれませんけれども,こうやるべきだというような感覚が強くなってきて,私立大学というのはものすごく多様なので,その辺を見ていただきたい。例えば,芸術系の大学もありますし,国文学を主にしている大学もありますし,スポーツ系の大学もありますので,こういった大学は共通テストにどれぐらい重きを置いているかということもちょっとヒアリングの中で聞いてみたいなという気がします。例えば芸術系についても,例えば国立の東京藝術大学もあれば,私立の芸術大学もあるわけなので,その大学がそれぞれ共通テストをどういう扱いにしているのか,国立でもやっぱりそれだけ重要視しているのか,その辺がちょっと気になるんですね。例えば漆芸や陶芸をやる人が共通テストの英語とか数学が必要なのかというのはちょっと気になるところではあります。それが今後ちょっとヒアリングで考えていただきたい内容です。
 あとは今までの議論を通じて,ちょっと二,三だけ話させていただきたいんですけれども,課題1の英語4技能の評価について,私にとって一番分かってびっくりしたのはCEFRが必ずしもしっかりとした基準ではないということでした。これはケンブリッジの青山さんとか,6回目に渡部先生もお話しされていますけれども,イギリス系の英語に関してはかなり統制されたきちんとした査察機関もあって,検証されて,CEFRはしっかりと作られているんですけども,それ以外,TOEFLも日本の英検もGTECも,そのマニュアルに基づいて,それに合わせてやっているだけで,検証機関がちゃんと検証しているわけではないというのが大きな驚きでありました。それから,先ほど末冨委員でしたっけ,第三者機関,Ofqualがイギリスではあるというのを聞きまして,日本でもし民間試験を活用するのであれば,Ofqualのようなきちんとした機関がないと,ちょっと難しいんじゃないかというふうに感じました。
 あと,記述式も文理両方見なきゃいけないというような話もありましたけども,例えば私ども北里大学は,理系が必要とする文系の能力というのは,事実と意見をしっかり分けて,意見の中にも事実に基づいた意見と,単なる推測の意見というのをきちんと切り分けて表現できるかどうかを記述式の非常に重要な点としているわけなんですけれども,一方で大学によっては国文学とか,そういった大学もあるわけなので,その場合の文学の能力というのはまた違うので,記述式の内容まで一律に縛るというのはちょっと難しいんじゃないかなと思いました。
 この2点だけを指摘させていただきます。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。
 それでは,次に渡部委員,どうぞ。
【渡部委員】
 ありがとうございます。
 委員の先生方が既に御指摘になったことに重なるものですから,余剰になるかと思いますけれども,あえて申し上げます。特に共通テストについて,信頼できる委員の方々は別の部会で恐らく検討に検討を重ねていらっしゃると思いますので,これは希望だけですけれども,複数回実施となりますと,やはり公平性が大変問題になりますので,それをしっかりした形で,是非私たちもできれば情報共有する形で実施をするという,注意深く進めていただくように重ねてお願いいたします。
 それから,実態調査なんですが,私は項目をつくるときに少しお手伝いさせていただいた経緯もあります。それで申し上げるのですが,これは確かに第一義的な目的としてデータを収集する,情報を収集するということが最大であると思います。しかし,また一つの補助的な目的として,こういった実態調査をすることによって,意識を高めるといいますか,私たちが委員としてこの検討会議で行っていることを伝えると。それについて,また,御意見を頂くというような双方向の形で進める,それも一つの手段だと考えています。
 それから,これも一つ,お願いになりますけれども,進める場合に,先ほど座長がおっしゃったことにも含まれていると思うんですが,今こそスピーキングを入れないといけないんだとか,民間を使わないといけないんだ,4技能だということではなくて,やはり長いスパンを持って教育を進めるべきだと思いますので,リスクを覚悟でということは絶対にないようにということを重ねてお願いいたします。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。
 それでは,次に清水委員,いかがでしょうか。
【清水委員】
 筑波大学の清水です。時間も限られていると思いますけれども,2つほど申し上げたいと思います。
 1つは,いつも参考資料として作っていただいているこれまでの主な資料の概要というのは非常に大事だと思っていまして,1月15日にスタートして半年たった段階で,中締めにはちょっと早いような気はしますけれども,少なくとも一旦,論点を整理することも必要かなというふうに思いました。先ほど柴田委員からもお話があった件ですけれども。今日の経団連からの経済の中で国際的に闘っていかなきゃいけないという人材養成の問題と,それから委員の方からの理論的な根拠というか,前提は何かというような,お互いに対立するというか,論点というのは大分浮かび上がってきていますので,一旦,少し整理してみるようなセッションも必要かなというふうにちょっと思いました。多分,9月14日に上がってくるデータを解釈するための準備もしておかなければいけませんので,そういう意味でも論点整理が必要かなと思いました。
 そして,大学入学共通テストがコロナ対応という中で大変な船出になったわけですけれども,そのことの評価主体も,一定程度,時間がかかるんじゃないかなと思いまして,来年1月,それから2月にテストが行われ,個別試験との関係でそれが受験者の選抜に使われ,その後どうなったかというところまでスパンを長くして見る必要があるかなというふうに思いましたので,今後もそういう点から検討する仕組みを考えていただければなというふうに思いました。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございます。重要な御指摘だと思います。
 それでは,時間的にそろそろですが,芝井委員の手が挙がっております。どうぞよろしくお願いします。
【芝井委員】
 ありがとうございます。
 ほとんど今,様々な形で先生方からおっしゃっていただいたので,それ以外のことを言わねばならないんですけれども,一つは共通テストそのものというのは割合と重要な問題があって,この議論の出発点から言うと,やはりもともとSATのようなモデルを想定しながら複数回実施していくということが出発点だったと思います。つまり,センター試験でない形のテストを想定する。そのためにはSATのようなモデル,あるいはバカロレアかも分かりませんが,SATやバカロレアのモデルを考えながら,複数回実施ができること,つまり,受験の直前になって,3年間高校で勉強したよね,その成果を1回のテストで調べましょう,ではない形のテストの実施を想定していたことが一つ。それからもう一つは,いわゆる大学入学者のためのテスト以外に基礎学力テストを行うということになっていたわけです。こちらの方はもう少し前の段階で,高校の教育課程の中で一定の学力がついたことを証明できること,それができれば,AOの問題とか,あるいはスポーツ推薦入学のような問題も割合とクリアできたはずなのに,いつの間にかそれが学びの基礎診断に変わってしまったために,私たちは大学としては利用できないことになってしまう。だから,初期の設計の問題を少し議論してみたいというのが私の個人的な希望です。
 それから,もう一つなんですが,どこかで複数の解決案といいますか,プランをお示しいただきたいと思っています。これは今すぐにやることではないと思うんですが,最後,ばたばたと一つの案にまとまるのはちょっと困るので,仮のプランで結構ですので,複数のプランをお示しいただきたい。それについて十分な議論をさせていただく機会を頂戴したいと思っています。その2つを是非よろしくお願いします。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。
 それでは,今,手が挙がっている方もおられないので,時間もほぼ12時ということでございますので,本日の検討会議はここまでとしたいと思いますが,最後に事務局から何か御連絡がございましたらどうぞ。
【武藤高等教育局企画官】
 ありがとうございます。
 次回,第13回の会議ですけれども,8月7日の金曜日に行いたいと思います。具体的な時間は先生方の日程調整の上,御連絡を差し上げたいと思います。
 以上でございます。
【三島座長】
 それでは,長時間にわたりましていろいろ有益な御意見を頂きましてありがとうございました。
 本日はここまでとさせていただきます。

―― 了 ――



 

 

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