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大学入試のあり方に関する検討会議(第4回)議事録

1.日時

令和2年3月19日(木曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省3階講堂

3.議題

  1. 委員からの意見発表
  2. 高等学校学習指導要領と英語資格・検定試験との関係について
  3. 「大学入学者選抜における多面的な評価の在り方に関する協力者会議」の設置について
  4. 自由討論
  5. その他

4.出席者

委員

(有識者委員)三島座長、川嶋座長代理、益戸座長代理、荒瀬委員、斎木委員、宍戸委員、島田委員、清水委員、末冨委員、両角委員、渡部委員
(団体代表委員)小林委員、沖委員(芝井委員代理)、柴田委員、萩原委員、吉田委員、牧田委員
(オブザーバー)山本大学入試センター理事長

文部科学省

佐々木文部科学大臣政務官、藤原事務次官、伯井高等教育局長、矢野大臣官房審議官(初等中等教育局担当)、玉上大臣官房審議官(高等教育局及び高大接続担当)、森田文部科学戦略官、西田大学振興課長 他

5.議事録

【三島座長】
 おはようございます。ほぼ定刻となりましたので,ただいまから第4回の大学入試のあり方に関する検討会議を開催させていただきます。御多忙の中御参集いただきまして,誠にありがとうございます。
 本日の議事は,議事次第にあるとおりでございます。
 なお,今日から当面の間,新型コロナウイルスの感染拡大防止のために,傍聴者の入室は認めないということにして,ライブ配信での公開として,後日議事録をホームページに掲載することとしたいと思いますが,この件よろしゅうございましょうか。
 (「はい」の声あり)
【三島座長】
 ありがとうございます。
 それでは,議事に入る前に事務局から少し御説明を頂きます。よろしくお願いいたします。
【武藤高等教育局企画官】
 失礼いたします。まず今日,国立大学協会から御参加いただいている岡先生が御欠席で,また私大連から御参加いただいている芝井委員が御欠席,代わりに早稲田大学の沖先生に御出席をいただいております。
 それから,新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から若干補足申し上げます。
 まず,先ほど御了承いただきましたとおり,一般の傍聴は当面取りやめて,代わりにライブ発信をいたしますが,報道関係者は従来どおりカメラ,ペンともに入場していただいております。
 また,各委員の座席,それから,報道関係者の皆様の座席は,隣から1メートル程度離すとともに,マイクは座席に備え付けのアルコール消毒済みのものを御使用いただくことといたします。万一,マイクの具合が悪い場合については,事務局がハンドマイクをお持ちしますが,これもその都度消毒をいたします。机とお手元のタブレット,筆記用具は全て消毒済みとなっております。
 それから,会議室のドアは,換気のため,終始開けたままにしておきます。それから,会議中盤にも全てのドアを10分程度開けて換気を行いたいと思います。
 それから,1点お願いでございます。議事のライブ配信を円滑に行う観点から,先生方の御発言に当たって,ネットでも聞き取りやすいように御配慮を頂きたいということでございます。例えば御発言の都度お名前をおっしゃっていただくとか,あるいは資料を参照する際に,資料番号,ページ番号あるいはページ内の該当箇所などを分かりやすくお示しいただくなど御配慮を頂けると大変有り難く存じます。細かいことで大変恐縮ですけれども御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
【三島座長】
 ありがとうございました。
 それでは早速,議事に入ろうと思います。まずは議事の1番目は,委員からの意見発表ということでございます。本日は,小林委員,宍戸委員,それから,両角委員の順番に,お一人10分程度で意見発表をお願いしたいと思います。各々発表後に質疑応答の時間を10分程度ずつ設けてまいりたいと思いますので,よろしくお願い申し上げます。
 それではまず,私大協の小林委員から,どうぞよろしくお願い申し上げます。
【小林委員】
 おはようございます。私立大学協会の代表として参りました,小林弘祐と申します。資料ナンバー1から見ていただければと思います。
 最初の鑑は全体のアウトラインで,この中の番号の4,5,6,7が今回の課題である英語4技能,記述式問題,それから,公正・公平,それから,その他望ましい大学入試という内容になっていますので,かいつまんで説明させていただきます。
 まず次,2ページ目でございます。日本の高等教育を支える大学の約77%が私立大学で,大学生の約75%が私立大学生ということでございますので,入学試験については,国公立のためだけではなく,私立大学のことも十分に御配慮いただきたいという趣旨で資料を出させていただきました。
 次のページ,3ページ目です。私立大学の特性に関しましては,まず建学の精神,これがまず大事で,多様で特色のある教育実践の第一歩であります。そして,2番目に,大学入試は私立大学の自主性・自立性に委ねられるべきであるということを主張しております。3番目は,少子化時代の大学入学者選抜では,これまでのセレクションの視点からマッチングの視点がより重要であること,全てがマッチングではありませんけれども,マッチングの視点が今後だんだん重要になってくるということを言っております。
 次,4ページ目です。大学入試の共通テストに関する緊急アンケートを私立大学協会で行いました。期間は2020年1月27日から最終的には2月7日までの間でございます。つまり,英語4技能の民間試験を使用しない,それから,記述式試験を使わないという決定がなされた後に,私立大学協会の加盟校がどのような考え方をしているかということをアンケート調査したものでございます。
 通常は,回答率を増やすために中間集計結果を出して回答率を増やしますけれども,今回はバイアスを掛けないために中間集計結果は開示しておりません。対象は私立大学全加盟校404校のうちの大学院大学と募集停止校を除く400校でございます。この赤の囲みの中にありますように,最終的に回答率が84.8%と非常に高い回答率を呈しております。
 アンケートの内容ですが,大学の特性をまず聞いて,これは匿名化しております。現在の大学入試センターをどのぐらい利用しているかということを幾つか質問しております。次に,課題1,英語4技能の評価についての質問,課題2の記述式問題についての質問,3番目が経済的な状況や居住地域,障害の有無等にかかわらず安心して試験を受けられる配慮について,それについて大学の施設協力をする,あるいは人員の協力をするかという話を質問しております。4番目がその他のことで,これは自由記載でいろいろ書いていただいております。
 次の右下5ページ目,センター試験の今現状の利用実績ですけれども,センター試験を利用する加盟私立大学は40%を超えております。これは左下の四角の中の解析をしたものです。次,右下の利用方法について見てみますと,個別試験との併用,それから,センター試験のみでの合否判定とを見てみますと,センター試験のみで合否改定判定をしているものが65%に達していることが分かります。
 次のページ,ページ数がちょっと欠けていますけれども,6ページ目になります。センター試験の利用実績でございますけれども,ア,イ,ウが全体の入学者の中におけるセンター利用入試の入学者割合で,ウまで合わせますと,これが1割,つまり,10%以下が全体の中のセンター試験での入学者で,約6割の大学は1割以下でございまして,入学者の中でのウエートは比較的低い。御存じのようにいろいろな採用の仕方がありまして,そのうちのone of themとしてセンター試験入試を利用しておりますので,それは約10%ということになります。したがって,私立大学において今後共通テストを活用する場合も,各大学の自主性に基づいて判断されるべきであると考えます。
 次のページ,7ページです。それぞれへの課題についての質問の結果です。まず英語4技能評価については,下の内容,つまり,令和和3年度の入学試験における英語4技能評価の実施について,アの「実施する」が27.4%,「検討中」が23.3%で,いずれにしても私立大学では各アドミッションポリシーに基づいて特色ある多様な入試を実施する中で,一般入試においても英語4技能評価を導入するという考え方の人たちが,検討中も合わせると5割ぐらいは導入したいと考えております。
 「実施する」というところでございますけれども,どういうふうにして実施するかということが8ページ目,次のページに書かれております。この中に書かれているように,一般入試における英語4技能の測定は,民間の資格検定試験が中心で,アの出願資格に使うもの,それから,合否判定に使うもの,これを両方合わせると77.4%と,かなり多くの部分が一般入試において英語4技能の測定をする場合には民間の資格試験を中心に使うという考え方になっております。
 次のページ,9ページ目です。これは多様な入試を展開する私立大学で,センター試験での入学者,これは1割ぐらいですけれども,全体でやる共通テストに民間資格検定試験を活用する必要性を感じているかどうかということですが,これは必要と感じているのが約2割で,残りは必要とは考えてないと。どうして必要なのかということで,黄色の網掛けの中に書いていますけれども,これは自由記載という形で書かれて,たくさん意見をまとめたものです。
 社会や時代のニーズで共通テストで民間資格試験は必要だろうとか,これは有効であるとか,自分の大学で一般試験で4技能評価をするのは難しいので,共通テストで民間資格試験も利用しながらやっていきたいとか,そういった内容がずっと続いております。
 これについて所見をまとめますと,この一番下に書いていますが,多くの私立大学で一般入試においても各アドミッションポリシーの下で既に英語4技能に民間資格検定試験を活用する,あるいは活用する予定になっています。ただし,多様で特色ある教育を展開する私立大学では,英語の4技能評価の実施はあくまでも各大学の自主性に基づくものでありたいと。センター試験活用入試による入学者は約1割ということからすると,共通テストでの民間試験導入は必ずしもやらなければいけないというものではないというふうに皆さん感じているようです。
 次,10ページ目です。話題は変わりまして,課題の2,記述式問題についてです。このクエスチョン7は,令和3年度に一般入試における,共通テストでではなくて一般入試における記述式問題の実施について質問したところでは,「行う」と「検討中」がそれぞれ,64%と17.1%ということですので,かなり記述式問題を採用するということをうたっております。上に書いていますけれども,既に多くの私立大学において,各アドミッションポリシーに基づき,一般入試においても学力の3要素の重要性に鑑みて記述式問題が実施される,あるいはされているということになります。黄色のところに書いていますけれども,約8割がもう既に一般入試で記述式問題をやろうというふうに考えております。
 次,11ページ目です。これで既に一般入試の記述式問題を実施し,入学共通テスト活用試験での入学者もセンター試験と同様少数であると予想される私立大学では,入学共通テストに記述式問題を出題する必要性を感じていないと。つまり,全国でやる入学共通テストで記述式問題をやる必要はないと答えている人が85.3%ということです。黄色の網掛けのところは自由記載欄を幾つもまとめたもので,不要は分かりますけれども,必要という人たちはどういう考え方かというと,それは3要素を測るために必要だとか,学習指導要領に対応するために必要だとか,高校も頑張って準備していたのだから必要だとかという意見がありますけれども,その他の中で気を付けなければいけないのは,地方の私立大学で,記述式問題を作問したり採点したりするのは無理なので,できれば共通テストでという考え方も,数は少ないですけれどもありました。
 次のページ,12ページです。質問は,令和6年度共通テストに記述式問題を導入する場合の採点者はどうかということですけれども,どこも多くは,入学センターでやるべきであって,民間業者に任せるものではないというふうに考えています。この所見,これは自由記載でいろいろ御意見を頂きましたけれど,まず一般試験で記述式問題の実施が65%,つまり,もう現実的にやっているということなので,私立大学ではわざわざ共通テストでの記述式問題の導入を不要と感じております。次に,私立大学の学力の3要素評価では,多様な評価方法が選択可能であると。出題だけじゃなくて,調査書とか高校提出書類の活用などいろいろなやり方で3要素の評価ができるのではないかということです。さらに,共通テストに記述式問題を導入した場合には,タイトな入試スケジュールを一層タイトにし,私立大学の入学者確定のみならず,受験生にも大きな影響を及ぼしかねない。今以上に成績提供が遅くなると本当に困ってしまう。現実的には使えなくなるということを言っております。
 次,13ページ目,私立大学における施設の使用協力。公正・公平ということで余り格差を出さないために協力する意思はあるかということを聞いたところでは,アとイが,施設に加え職員も協力と,施設を協力するというのを合わせると約半数が協力すると。しかし,44%ぐらいは,今のセンター試験以上の負担をしたくはないということは主張されています。もちろん協力はするけれども,それ以上はちょっと勘弁してくれと。
 次,14ページ目に,私立大学から見た望ましい大学入試については,これは自由記載欄,それをまとめたものですけれども,各私立大学の自主性・自立性に委ねられるべきであり,入学者選抜は公平性・公正性に最大限配慮して実施されるべきであるということが書かれております。④は,大学受験資格試験のことが,わずかですけれども意見がございます。その他もいろいろ書かれていますが,一番最後に,結果として現場や受験生が混乱しないようにするべきだという意見がありましたので,これが非常に印象的でございました。
 最後,15ページです。これは以上の4課題に対するメッセージです。課題1の英語4技能の評価については,もう既に多くの私立大学で英語4技能の評価を行っており,あるいは行っていく予定です。さらに,民間の英語資格検定試験を活用している,あるいはもう活用することにしており,これは私のイメージとは若干違って,多くの大学が民間資格検定試験を活用することにしているようです。したがって,入学共通テストに新たに英語資格検定試験を活用する必要性を皆さんはあまり感じていないということです。入学共通テストにあってもなくても,自分たちはやるということのようです。
 課題の2,記述式問題については,既に多くの私立大学で一般入試で行っている,あるいは行うことにしています。したがって,入学共通テストに新たに記述式問題を出題する必要性を感じていない大学が多い。ただし,先ほどお話ししましたように,地方の私立大学などでは入学共通テストによる負担軽減を希望されているところもありました。
 課題の3,経済的な状況や居住地域,障害の有無等にかかわらず安心して試験を受けられる配慮については,意外にも多くの私立大学は施設提供を表明しています。半数近くです。でも,残りの半数では,今のセンター試験以上の負担は困難と考えております。あとは,国としても,受験生に対する支援策を検討してほしいと。
 課題4,その他大学入試の望ましい在り方については,繰り返しになりますけれども,私立大学における大学入試は,各私立大学の自主性・自立性に委ねられるべきであると。次には,現在のセンター試験よりも成績提供時期が遅れてしまうと,入学共通テストを利用できない私立大学は増加する。一般入試の発表日にほぼ重なる形で提供されておりまして,その提供を見てから合格発表を決める大学がほとんどですので,その提供時期が遅れてしまうと入試日程に影響を及ぼしますので,結局使えないということになってしまうのを危惧しております。
 あとは,全体のアンケート調査だけでなくて私の個人的な意見もありますけれども,学力の3要素の到達度測定については,入学共通テストではマークシートあるいはCBTで可能な限り対応してはどうかと。それから,民間資格検定試験の活用は,入学共通テストとは切り離してやっていただいてはどうかと。これは入学共通テストとは切り離して使用できるということはもう既に方針として書かれていますので,利用しない選抜でも利用を可能にするというのが大事とは思います。
 記述式試験については,その採否を各大学の一般入試あるいは二次試験に任せてはどうかということです。既に私立大学では記述式問題は一般入試の中でやることに多くの大学がしておりますので,余り共通テストで使う必要もないのではないかということです。
 結論として,私立大学の入学試験は多様であって,入学共通テストでの民間資格検定試験の活用や記述試験をもし実行するのであれば,その採否については各々の大学に任せてほしいということです。
 以上です。ありがとうございました。
【三島座長】
 小林委員,どうもありがとうございました。
 それでは,ただいまの御報告発表の内容について,御質問,御意見等ありましたら御発言をお願いしたいと思いますが,発言を御希望なさる方は名札を立てていただければと思います。また,先ほど事務局から説明がございました留意事項を踏まえまして,冒頭にお名前をおっしゃっていただくとともに,簡潔に分かりやすい御発言をお願いできればと思います。
 それでは,いかがでございましょうか。では,益戸委員,どうぞお願いします。
【益戸委員】
 1つ質問させて下さい。私立大学では,記述式試験の導入が盛んという印象を受けましたが,選抜方法は,推薦入試,AO入試,一般入試と様々な種類があるかと思います。その選抜区分において,それぞれどのような記述式問題を出題されているのか,具体的にお分かりになるようでしたら是非御説明を頂ければと思います。
【小林委員】
 資料が今手元にはありませんけれども,個人的に知っているところでは,AOとかそういったところでは記述式を課している,それから,推薦でも記述式を課すところがあり,それから,一般入試でもデータを解析してそれを記述で表現するとか,そういう形でいろいろな形で記述式を採用しています。一方で入学の多様化がありまして,その中では記述式が全くなしで入れる人たちもいます。
【三島座長】
 それでは,吉田委員,どうぞ。
【吉田委員】
 ありがとうございます。中高連の吉田でございます。
 何点かお尋ねしたいのですが,まず3ページで私立大学における入試の基本的考え方というのは,飽くまでも建学の精神に基づく教育実践の第一歩,そして自主・自立,そして,これからはマッチングの視点がより重要であるというお話ですが,5ページでセンター試験の利用実態のところで,イのセンター試験のみで合否判定を出しているものが65%ぐらい,200校というのが出ております。センター試験の利用で実際に入っている方は10%程度というお話ですけれども,実際に10%入っているということは,逆に言えば,その何倍もの人がセンター試験のみで願書を出して合否が決定されている。それと,先ほどのマッチング,そして,何といっても,各大学のアドミッションポリシーとの観点から考えたときに,それだけでおっしゃっていることが実際にできているのかどうか。
 例えばの話が,記述式の問題に関しても,一般入試等では使われているからと言いますけれども,では,アドミッションポリシーに沿ったそういった試験が,センター試験のみで行われているところでは,どうやってできているのか。そして,記述式が不要であるという85%の方々にとって,本当に新しい学力というのはどういうふうにして調べていくのか。そして,記述式の採点も入試センターがやるべきであって,民間業者がやるべきでないと言いますけれども,センターにそこまでの人がいるのでしょうか。そして,各大学のアドミッションポリシーということであれば,記述式問題も,各大学が自分たちの学校に合った,どういった形の学生が欲しいということで,アドミッションポリシーに沿った採点をする方がよっぽど意義があるのではないかというふうに思っております。
 施設利用のところでもおっしゃっていましたが,大学にとってはこれが負担になっているというようなお話がありましたが,では,もしセンター試験がなかった場合に,各大学でどうやって試験をなさるのか。我々高校でいえば,自分たちの学校で自分たちの学校に合った生徒を採るために,全教員が努力をして入試を作り,入試をやっております。大学は実際に,最後のページに課題に対するメッセージとして,共通テストに新たに英語4技能は要らないというふうに書いてありますが,それでしたら,この4技能は,10%かもしれませんけれども,センターだけで入った子たちはもう学習する必要がないのでしょうか。
 そして,記述式問題についても必要性を感じていないというのも,10%以外はみんなやっているんだからということなのかどうか。そして,経済的な状況等に国からの支援と言いますが,大学生がやはり大学に入るというときに,受験校に行くということも必ず二次試験等では起こってくるわけです。だから,その辺のところも含めて全て国が支援してくれるのかどうか。そうなれば,高校以下はどうなっていくのかということもお尋ねしたいです。
 そして,望ましい在り方として,各私立大学の自主性・自立性に委ねられるべきである,センター試験よりも成績提供時期が遅れると入学共通テストを利用できない私立大学が増加する。それなら,利用しなければいいじゃないですかと。自分たちの都合だけで考える必要はないのではないですか。それよりも子供たちを迷子にしないでいただきたいと思い,質問させていただきました。
【小林委員】
 御質問ありがとうございます。幾つもありますので,どこから答えていいか分かりませんが,一応センター入試だけで入るということで書かれてはおりますけれども,例えば私たちのところでは,センター入試を受けられる受験生は,多くの場合,一般入試も受けています。センター入試の結果が出て,センター入試で合格範囲にある者に関しては,センター入試ということで合格発表いたしまして,一般入試は,センター入試は受けていない人あるいは受けたけれども不合格だった人たちを一般入試の中から選ぶというようなやり方もやっていまして,センター入試だけで合格しているという表現は,数字の上では出てきますけれども,必ずしも正しくないかと思います。
 それから,大学によって定員割れをしている大学も当然ありますので,そういったところはいくらかでも門戸を広げていきたいということで,センター入試だけの合格も使用せざるを得ない。
 それから,御存じのように,センター入試は全国で受けられます。私の大学も,当初はセンター入試を一次試験のように使って,二次試験として更に試験を課していましたけれども,これは現実的に不可能です。来られない。つまり,地方で受けた方がわざわざ都会まで来て二次試験を受けるということはできないので,これは現実的に2回やるのは無理だということになりまして,1回の入試で決めたと。そういう事情がありますので,私立大学の特性として御理解いただければと思います。
 それから,アドミッションポリシーにおいて記述式試験は各大学でやるところが多いということで,これは千差万別,先ほども質問がありましたけれども,やっております。これは,共通テストにしたときに,入試センターで採点してほしいというのは,各大学は別に一般試験の記述式問題をやっておりまして,この記述式問題の採点は通常3人以上が全部採点をして,その中で採点が合わない場合には再度協議してと,そういった厳正なチェックをしながら採点をしておりますので,それだけでかなりの労力を使用しております。そこで,更に加えて共通テストの採点を大学にやってくれというのは,かなり負荷が掛かり過ぎるので無理だということをお話ししているわけで,記述式の採点を全て入試センターにお願いするというのとは,ちょっと認識が違っておりまして,各大学の記述式試験は大学の中できちんと自分たちで採点しているということは御理解いただければと思います。
 あとは,提供時期の問題は実際ぎりぎりです。2月上旬に提供されますが,一般入試は1月下旬あるいは2月上旬からずっと始まっています。AOと推薦入試も始まっておりますので,この提供時期が遅れると合格発表の時期が遅れてしまうので,非常に厳しいです。私立大学も,入学定員の適正化ということでかなり厳しく人数を決められておりますので,一つ一つの試験の合格者数を順次決めていかなければ,3月の最終日に間に合わないということもありますので,できるだけ早く提供はお願いしたいということを主張しているだけで,提供が遅くなったら使わなければいいという言い方はちょっと難しいかと思います。
 以上です。
【三島座長】
 では,吉田委員,短くお願いいたします。
【吉田委員】
 申し訳ありません。今のお話の中でも1つだけまだ理解できないのですけれども,センターテストのみでやることは,会場的な問題,それから,負担の問題でいいことなんだというお話でありまして,その上に,記述式については一次や二次で自分の学校でやっているとおっしゃいますけれども,センターのみでやる子たちには記述式はないわけですね。そのことを私はお尋ねしているのであって,その辺のところを含めた場合にどうなのでしょうかというお尋ね。
 それから,今,期日の問題ありましたけれども,それだったらやっぱりセンターテストの時期を早くするとかそういう問題が今回のこの会議で出てくるのではないかという意味でお尋ねさせていただきました。
【小林委員】
 記述式をセンターでやっていただいて早くすることに関しては,全く異議はございません。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,牧田委員。牧田委員のところで次へ移りたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
【牧田委員】
 牧田です。ちょっと間接的なお尋ねになると思うのですけれども,我々側の課題で,経済的な状況をいかにという課題が与えられているのでそこでお尋ねしたいのですけれども,私立大学を受験するとなると,大学個別といいますか独自の試験を受けるのに受験料が当然掛かるわけですが,加えて,センター試験を利用する場合も受験料が掛かります。
 そういう観点から見ますと,私立大学さんは,センター利用をする場合の受験に対する,これはコストといっていいですかね,それと,個別試験で判定をされるコストと,どのような考えで受験料を設定されているのかといいますか,どのようなお考えでそのような方針になっているのかを,お分かりになる範囲でお答えいただければと思います。
【小林委員】
 コストというか,受験料は大体ほかの大学とも見比べながら決めていくのと,それからやはり,受験料収入というのは大学を運営していくわけで非常に重要ではございますので,それをセンター入試と絡めて質問される理由がよく分かりません。
 センター入試は,コストという考え方からすると,教員に対しては非常に不評です。重労働ですし,それで,大学としても,何か間違いがあるとすぐ報道されてしまいますので皆さん非常にピリピリしています。それも相当前から何回もシミュレーションの練習をして,一方,マニュアルも毎年厚くなって全て理解できないぐらいですので,教員の負担は一般入試と比べても格段に大変です。ですから,そういう意味では,そのために幾らか収入が増えたとしても,やめたいという学部はたくさんあります。それが私立大学の現状です。
【三島座長】
 ありがとうございました。
【牧田委員】
 済みません,私がお尋ねしたかったのは,同じ大学で,片や独自の個別試験をやって決める試験と,センター入試だけで判定する試験があり,こちらが申請をすることによって判定されるだけなのですが,それぞれ受験料に掛かるコストの考え方はどう違うのかということをお尋ねしたかったので。
【小林委員】
 はっきり言って,センター試験を採用しなくても,コストだけ考えれば,一般入試で十分です。要するに,センター入試で入ってくるのは本当にわずかです。
【三島座長】
 時間もございませんので,ここで切らせていただきたいと思います。
 それでは引き続き,意見の発表をお願いしたいと思います。次は,宍戸委員,どうぞよろしくお願いいたします。
【宍戸委員】
 国立特別支援教育総合研究所の宍戸といいます。資料2を御覧ください。
 私は3つのことをお話しさせていただきたいと思います。1つ目は,1ページにあることですが,合理的配慮の提供ということについてです。合理的配慮につきましては,国連の障害者権利条約において規定されております。我が国は平成26年1月に批准をしておりますが,批准に先立ち,国内法の整備を行いました。例えば平成25年に障害者差別解消法を制定して,障害者が不当に差別されることがないようにしたということです。
 次の○,これは合理的配慮とはどのようなものかということについてまとめております。障害のある方御本人から合理的配慮の申出があれば,申出を受けた者と当事者の間で合意形成を行い,障害のある方が必要としている支援を受けられるようにするという仕組みでございます。国公立学校,つまり,国立大学とか公立大学は法的義務として合理的配慮を行うことになっております。学校法人,つまり,私立の学校などにおいては努力義務となっています。
 次の○は,現在,大学入試に絞ってみるとどんな合理的配慮が行われているかをまとめたものです。これは参考資料2の方にも書いてあるものです。大学入試センターにおきましては,ここに示しましたように,例えば視覚障害の方ですと,点字による解答を認めたり,試験時間の延長を行ったりしています。聴覚障害の方であれば,リスニングを免除したり,補聴器の使用を認めたり,そういう配慮を行っています。
 このように障害のある方の特性に応じて個々に必要な支援が異なりますので,申出を受けたセンターにおいては,専門家の方の御意見を伺いながら,適切であると認められた場合に合理的配慮を提供しているという実態がございます。その意味では,大学入試センターのお取組で,障害のある方も試験を受け,大学へ進むことができるという実態があると言えると思います。大学入試センターが以前からこのような形で障害のある方に御苦労していただいているということです。
 次に,2枚目を御覧ください。こちらは,特別支援教育の視点から高大接続を眺めてみました。まず青い方ですが,こちらは,高校,高等部――これ,高等部というのは特別支援学校の高等部という意味です。高校と同じような教育をしております。高校と高等部の多様な実態が高校段階においては見受けられるということです。普通科があったり,専門学科があったり,多様な学科が設置されておりますし,また,全日制,定時制,通信制,単位制という形でそれぞれ多様な教育課程がございます。また最近では,中高一貫教育校とか中等教育学校とか,そういう高等学校と中学校を結び付けたような学校も出てきております。
 その中に,少し赤い字で書いておりますが,発達障害の生徒の顕在化ということで,小中学校の調査では,6.5%の割合で発達障害と思われるお子さんがいるのではないかという調査結果が出ております。その調査の内容については下の方を御覧ください。そういうことがありますと,中学校から98%の割合で高等学校に進学してくるということを踏まえますと,高等学校においても多様な実態の生徒が在学しているというふうに言えるかと思います。
 そういう多様な実態の生徒さんがおられるということで,高等学校では例えば学び直しを行うとか,あるいは学校設定教科・科目を設けたりするというような形で工夫しておられるというふうに思います。併せて,平成30年度からは高校においても通級による指導が導入されました。通級による指導は平成5年から小学校,中学校で行われてきましたが,しばらく時間を経過して,高等学校の実態を踏まえて平成30年度から高等学校でも通級による指導を行うようになってきています。
 こういうふうに考えていきますと,高等学校あるいは高等部においては,多様なお子さんに対して多様な形で個に応じた指導が行われています。特別支援学校では自立と社会参加ということを掲げて教育を行っていますが,この自立と社会参加というのはある意味,高等学校においてもそういうことが目標として考えられるような時代になってきているんじゃないかなと思います。
 続いて,右側のオレンジの方を御覧ください。こちらは大学における実態です。入学試験で多種多様な形で生徒が試験を受けて大学に入ってきます。こちらは高校から53%の進学率で上がってきますが,大学においても恐らく様々な実態の学生さんがおられるんじゃないかなと思います。その結果として,高校の科目の補講を行ったり,あるいは障害学生支援室というようなものを設けて,障害のあるお子さんの支援を考えるというような流れが出来ております。
 こういうことを考えると,今後の共生社会の形成に向けて,障害のある人とない人が共に大学でも学修を行うということが必要になってくるし,ある意味,今後の日本の社会を考えていく上で重要な役割を果たすのかなと思います。高等学校,高等部が個に応じた指導ということで進めてきましたが,大学においても,個に応じた学修というものが行われつつあるんじゃないかなというふうに特別支援教育の視点からは考えられるところであります。
 それを結ぶ,高校あるいは高等部と大学を結ぶものとして入学試験があるというふうに受け止めています。先ほどもアドミッションポリシーの話がありましたが,大学でどのような人材,人間を育てるかということがそれぞれの大学において今後ますます重要になってくるんじゃないかなと。それを踏まえた一方で入学試験というものも考えられなければいけないと思っています。
 それでは,3枚目を御覧ください。3枚目は,この会議のテーマである大学入試について整理してみました。後期中等教育と高等教育を結ぶものとして,多様な入学試験が行われています。これは多様な実態の生徒を学生として迎えるために工夫しながら出来上がった仕組みであるというふうに考えます。
 しかし,今後の社会で活躍していく人間の育成を考えると,英語の4技能あるいは記述式の問題は共に必要だと思います。ところが,今,入試センター試験(共通テスト),それから,個別試験,これは一般試験も入るかと思いますが,AO入試や推薦入試,こういう多様な制度をすぐに整理できるんだろうかということもありますので,ある意味段階的に改善を図ることが必要ではないかと思います。
 また,4技能,それから,記述式の問題は,今後の社会を考えると重要なテーマであると思いますので,これが共通テストですぐに行えるか,あるいは個別試験等に盛り込むのか,その辺はそれぞれの大学の実情あるいは今後の在り方を考えて検討していく必要があるんじゃないかなと思います。障害のある方もこの試験を受けて,障害のない方と同じように大学へ進もうと今していますので,そういう意味ではこの在り方がやはり障害のある方にも影響するというふうにお考えいただけると有り難いと思います。
 また,英語の民間試験活用においては,入試センターの試験で先ほども話しましたように様々な配慮が行われていますが,民間試験の活用においても同じように合理的な配慮が適切に行っていただけるのかどうかという課題もあります。こちらは義務ではありません。努力義務ですので,そういうことも課題としてあろうかと思います。
 最後に,大学入試の際の合理的配慮を考えるというだけでなく,入学後の合理的配慮の提供,あるいは共生社会の形成を目指して,障害のある者とない者が共に学ぶということが重要だと思いますので,こちらの方も踏まえた上での入学試験ということが大事かと思います。
 私からの意見は以上です。ありがとうございました。
【三島座長】
 宍戸委員,どうもありがとうございました。
 それでは,御質問のある方は名札を立てていただければと思います。まず,末冨委員,どうぞ。
【末冨委員】
 日本大学の末冨でございます。大変興味深く伺いました。重要な課題であると思います。2点ございます。
 1点目は,実際にセンター試験に限らず大学入試において行われている,障害を持った方への合理的配慮については,個別の大学入試も含めてどの程度対応できているのか。そして,その範囲というのがかなり問題になってくるであろうと考えます。センター試験の場合には,病弱の方も含めて相当多様な配慮はされていると思われますので,そういった実態が分かれば,文科省の方でも結構ですし,宍戸先生の方からもお教えいただきたいということです。
 2点目が,これと関連しまして,性的な多様性への対応というのは大学教育の現場でもしばしば必要とされるところではございますが,そういった性的な多様性への配慮についても大学入試等で対応されているのかどうか,あるいはその必要性について,共通テストの在り方も含めて,いかなる検討が行われているのかといったこともお教えいただければと思います。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,柴田委員でしょうか。
【柴田委員】
 柴田でございます。まず資料の確認ですけれども,2枚目のところの中学からの進学率98%,それから,高校からの進学率53%というのは,これは一般の学生さんも含めた数? それとも,障害の方の数なんでしょうか。
【宍戸委員】
 これは一般です。
【柴田委員】
 一般ですね。先ほどからお話を伺っていてまさに感ずるところは多いんですけれども,末冨委員の関係等もあるのかもしれませんが,最近日本学生支援機構で障害者支援を事業の1つで調査しているんですけれども,日本の大学における障害を持った学生の数,比率というのは極めて低いんです。アメリカだと10%以上あるんですけれども,約1%という実態になっております。
 これがなぜかというと,大学は,来たとき,入学を志願する方,それから,入学した後の合理的な配慮というのは最大限努力していますけれども,そもそも志願される方が少ない現状があるのではないかなと思います。先ほどの資料では,発達障害の方が小中学校で6.5%ですけれども,センター試験で,発達障害で受験特別措置を申請する方は極めて少ない。だから,そもそも大学進学を志望されるところでかなりの障壁があるのではないかというような気がしております。
 もちろん選抜方法等々も配慮しなければいけませんけれども,障害を持ったお子さんの進学意欲とかそういうキャリアパスのようなところから考えていって,それに対応できるような入学者選抜といいますか,もっと大きな意味で大学の入学者を選ぶ,そういうような風土ができない限り,これはなかなかそういう方々に対する社会的な配慮というのが不十分なままではないかという具合に感じた次第でございまして,ちょっと論点が違うかもしれませんけれども発言させていただきました。
【三島座長】
 ありがとうございます。重要なことだと思います。
 では,宍戸委員,短くお願いします。
【宍戸委員】
 今お話しいただきましたように,以前は高校あるいは高等部から大学を受験するとなると,大学の方に「こういう障害のある子なんだけれども,受け入れてもらえるでしょうか」というように話をする機会が多かったんですが,以前はそこで,言葉は悪いですけれども,門前払いをされるケースが多かったと思います。でも,最近はそういうことがなくなってきて,それは合理的配慮の提供という,そういうバックボーンもあるかもしれませんけれども,門前払いを受けることは少なくなってきました。だから,そこは障害のある方が高校に在学したり,あるいは高等部に在学したりしながら,大学へ進学するというケースは少しずつ増えているかなというふうに思います。
 それから,先ほど話がありました多様な支援の実態につきましては,今お話がありましたように,日本学生支援機構の方で取りまとめていますので,もしそういうところでの実態を教えていただければと思います。私のところは初中教育を担当していますので,高等教育まではなかなか情報が回ってこないというところです。
 それから,性的な部分での取り扱い,こちらについても,申し訳ありませんが,なかなかまだ情報がないということでお答えさせていただきます。済みません。
【三島座長】
 分かりました。それでは,事務局から何か。
【武藤高等教育局企画官】
 お手元の入学者選抜関連基礎資料集,参考資料2というのがございまして,それの102ページを御覧いただければと思います。ございますでしょうか。102ページ,ピンクの帯が掛かっている資料ですけれども,障害のある者に対する特別措置の内容という,まさに今,宍戸先生からあったんですが,一番下に注がありますけれども,学生支援機構が行った実態調査の結果の報告書でございます。ここから取っている資料でございます。
 帯の下の枠囲みのところを見ていただくと,特別措置を実施した学校数459校,これは大学と短大と高専も含めた分母があってそのうちの459校ということで,実施校数が多いのは,別室の設定,これが246,補聴器の持参の使用が198,文書伝達180,それから,試験時間の延長,それから,トイレに近接する試験室に指定とか,いろいろな措置の内容がございます。いずれもこれは学校数が調査の単位となっております。簡単ですけれども,こういう資料がございます。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,ちょっと時間も押しておりますので,次へ進ませていただければと思います。それでは,両角委員から意見発表をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【両角委員】
 東京大学の両角です。資料3を御覧ください。一応文書としても書いてきましたが,かいつまんで説明させていただきます。
 まず,これまでの政策過程の検証については,大変丁寧な検証作業をしていただいて,なぜ理念先行というか現実性のない計画が推し進められたかということが浮き彫りになって,特に専門家とか現場の意見を軽視したということの問題点を,資料を読み返す中で改めて痛感しました。教育問題は誰もが一定の経験をしていて,それぞれの経験で語って,それはすごく重要なんですが,普遍的に正しい保証はないわけです。そういったことをしっかり検討している研究者であったり,多様な現場の声にもう少し真摯に耳を傾けていれば,こういうことにならなかったのではないかなと感じました。
 2つ目のポイントとしては,検証作業で様々な意見が反映されなかった過程は分かったのですけれども,英語民間試験の導入と記述式が2つの目玉政策になっていたといった議論の背景については,資料からはよく理解できませんでした。そもそもこの議論が始まった頃は,学力不問入試などが大きなテーマであったと思うんですが,議論の中心が学力の不問から,私学も関係ないことはもちろんないんですけれど,ほとんど国公立を中心としたところの共通試験に変わっていった背景については,もう少し検証が必要かなと思います。
 3つ目のポチのところで,そう考えると,もともと国公立の入試の一体何が問題だったんだろうということを考えておく必要があると思います。この議論が始まった頃にリクルートの『カレッジマネジメント』という雑誌と共同で4年制大学にアンケート調査をしたんですが,そのときに,これまでのセンター試験は教科学力を選抜する機能を果たしているという回答は,むしろそれを多く活用している国公立の方で評価が高かったということで,どこに問題を感じていたのかなと思うと同時に,国公立大学で何が問題だったというふうに答えていたかというと,入試の負荷の問題が大きいということが問題になっていたと。次のページの方に少しずつ行きますけれども,そのようにそれぞれの入試の当事者である大学が,入試,とりわけ共通試験に関わる問題をどのように認識し,どう変革したいのかといったことを明確にした上で議論がなされる必要があると考えています。
 次のポチに行きまして,大学が入試の負荷が大きいというその負荷の問題というのは,私は軽く考えてはいけないと思っています。特に近年は,業務はすごく増えているんですが,教職員数はむしろ減少していて,現場もかなり疲弊していまして,入試も教育も研究も社会貢献も全て頑張りますという問題ではなく,現実にいるスタッフでできることで考えていくべきですし,その上で負担を減らす上で協力・連携することでできる工夫というのは,共通試験の内容とはまた別の問題としてきちんと検討される必要があるというふうに考えています。
 次,2つ目の論点で,私は高校のことは余り詳しくないので,大学のことで多様性の理解の重要さということについて述べたいと思います。例えば表1とか表2に,それぞれの設置形態別の入試の実態とか,表2は私学と一言で言ってもものすごく多様ですので,志願倍率とか歩留り率の分布のようなもののデータを示しました。例えば一部の大規模な私立大学というのは,一般受験の受験者数は多いんですが,ほとんどが国公立と併願していて,安いし偏差値も高いので第1希望は国公立なので,実際に受けて合格しても入らないという,歩留り率が極めて低い,そういう状況にあります。
 それは大学の努力だけではしょうがない面もある中で,なかなか記述式,導入している記述式のイメージも随分大学によって違うんじゃないかと思うんですけれども,国立大学でやっているような記述式を導入できないということも私は理解はできます。むしろそういったことを考慮して,入学後の学生の能力に応じたライティング指導に力を入れていく,入った学生の面倒を見ることに力を入れていくという方が現実的ではないかと思います。定員割れした大学のところでもいろいろ入れていますけれども,そういったところでも入学させた学生の学力を伸ばしているいい大学もありますので,そういうところに注力してもらいたいなと思います。そういうすごく多様な状況の中で,共通テストの目的とか意義は何かを再検討する必要があるというふうに思いました。
 続きまして,次の4ページ目の3つ目の話で,高校あるいは大学の教育現場の変化を理解する必要があるということについてお話ししたいと思います。第1回の会議で,入試を変えて教育を変えるという発想自体が間違っているんじゃないかということを指摘しました。私も英語の4技能とか記述式を重視するということは,それ自体は全くそのとおりだと思うんですが,そういった動きは入試を変えなくても教育現場で既に広がりつつあり,それを支援することでより多くの生徒・学生が利益を受けられるようになるのではないかというふうに思います。
 例えば大学も,入学前教育とか初年次教育でレポートライティングとか記述力を上げるための取組をする大学も増えています。ただ,もちろんそれ以外の授業との連携が十分かとかいろいろな面で不十分だと私も思いますが,努力はしてきています。また,英語の能力を上げるためにも,これまでの語学教育に比べて留学のサポートあるいは検定試験の受検料の支援とか,学内に英語で話せる機会を持たせる,例えば少人数クラスを設置するとか,英語カフェを作るとか,混合寮などを作るなど,それぞれの大学の目指す教育像とか学生の能力に応じて様々な取組をしています。
 ただ,やはりお金が掛かります。政府からの補助金も頭打ちですし,競争的なものは大体3年すればあとは自前で頑張ってというふうに切られてしまう。また,授業料の値上げも昨今の状況で厳しい中で,それぞれの大学で優先順位を付けて取り組まざるを得ない。なので,例えば留学の機会とかは増えているけれど,一般入試で入ってきて,英語に自信がないからもうちょっとしゃべれるようなりたいという,そういう学生のニーズに応えているかというとまだ不十分であったりとか,それぞれの大学に応じて,やりたいけれどもできていないことはたくさんあるように思いますので,そういった取組をすることで,より支援することでより多くの学生の能力を上げてあげられるのではないかなと思います。
 なお,入試を変えれば高校生の学習行動が変わるという前提についても,進学中堅校では当てはまらないといったような調査分析の結果なども示されており,その点についても慎重に検討する必要があるかなと思います。
 続いて,英語の4技能についてはいろいろ指摘されているとおりなんですが,これまでも主に技術的な問題点について多く議論がなされてきたかと思い,それもとても重要だと思うんですが,共通試験の理念としてもそもそも本当に正しいのだろうかということを私はちょっと疑問に思っています。4技能という,読む,書く,話す,聞くという能力というのが,4技能と呼ぶことで別の能力の独立した能力のように扱われていることにすごく違和感を覚えています。それらは相互に関連し合った能力で,読んだり聞いたりすることができないのにぺらぺらしゃべるはずはないとか,そういう関連性といったものが見落とされているような印象を受けます。必ずしも全部を本当に入試で測る必要があるのか。
 あるいは,それらももちろん独立ではないにしろ,習得には順序があるというような指摘もあったりするので,入学の時点では少し読む,書くを中心に見て,少人数教育が不可避であるようなものは,入学後によりその大学の方針に合ったきめ細やかな教育をするという方向もあるのかなと思います。また必要な英語能力も学生が将来どのような分野で活躍するかによっても異なっておりますので,一律に共通テストで求めるというよりも,それぞれの大学が個別に判断し,必要なものを活用すればよいのではないかと思います。
 5番目の記述式についてということで,これについても私の基本的な考え方は英語4技能と同じで,それぞれの大学の御判断で望ましい形で導入すればよいのではないかと思います。ただ,記述式は,もちろん50万人を対象としたもので採点の限界があるということもなぜ気付かなかったんだろうという疑問もすごくありますが,そういった技術的問題だけではなくて,これも知識の詰め込み批判ということがなされるんですが,一定の知識などの基礎学力の上に立った思考力・判断力・表現力が必要なのであり,実際は深く関連し合っている能力・知識を別個のように議論されることに少し違和感を覚えています。
 最後に,入試は本当に大事なんですけれども,期待し過ぎないことも大切,少し冷めた目で議論するということも大切ではないかということを感じています。入試は過度な期待を寄せてはいけないというか,自分の大学に入学したい学生を選ぶものであり,受験生にとってはどのような努力をすればよいのかが明確で,それがきちんと報われる,公平・公正であるということが大事で,それ以外のいろいろなものを全部入試で問う必要が私はないのではないかと思っています。
 入試の課題があればそれぞれの大学で解決すればよいし,こういう能力が足りないということがあれば,それをアドミッションポリシーとして書いて入試に課せばいいということではないかと思いますし,あるいは大学の方針で,多少,例えば数学の知識が必要で,足りないかもしれないけれども,入ってきたらしっかり教育してあげるから来てくれという,そういう大学があっても私はいいのではないかと思います。
 また,次の,学力3要素の全てをまた入試で問う必要も私はないと思っています。今後主体的な評価なども電子化した共通基盤を作るという議論が進んでいて,有識者会議も,今日ですかね,午後から開始されるというふうに聞いていますけれども,私もそれは高校生の過ごし方を大きくゆがめるのではないかと危惧しています。
 その他の論点として,高大接続という点では,入学後のミスマッチの問題が大きいということも大きな課題で,そういったところを減らすというのも重要な高大接続の課題として行うべきだと思います。
 また最後に,やはり定員管理の問題がある中での1点刻み批判とか,入試のことだけでは解決できないような問題がすごくあると思います。その結果として,特に私立大学で入試がものすごく複雑化して長期化している。それは高校生にとっても何が何だかよく分かりませんし,大学にとってもすごく負担で,私は解消されるべきだと思うんですが,入試のところだけをいじれば済むという話ではなく,それについては少し別の会議体でより包括的な議論をきちんとしていただきたいなと思います。
 以上になります。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。
 それでは今の御発表に御質問,御意見がございましたら,また名札を立てていただければと思いますが,いかがでございましょうか。はい,どうぞ,島田委員ですね。
【島田委員】
 はい。筑波大学の島田です。両角先生,どうもありがとうございました。共感するところが多々ありましたので,賛同する意見を述べるというだけなんですけれども,ちょっと申し述べます。
 例えば資料3ページの中ほどでしょうか,多様な私立大学がある中で,記述式の問題を導入できないことも理解できるとか,それよりも高校までの学習歴の活用や入学後の自大学の学生の能力に応じてライティングの指導に力を入れていくことが現実的であるという御指摘とか,大学で入学させた学生の能力を伸ばすことにより多くの努力を向けることが大事だという御指摘は,全くそのとおりだと思いまして,強く共感をしたところです。御指摘のように,この点については,大部分の大学がかなり大きなコストを払ってこういうことにも力を入れ始めているところです。また,関連学会での研究も活発に行われているところです。
 また,次のページで,レポートライティングなど記述力を上げるための取組をする大学も増えている,入試を変えなくても大学教育は変わってきた,というところですが,私は,今度は高校教育が変わる番だと思っています。そして,私の見聞きする限りでは,この数年,高校教育は変わりつつあると感じています。少なくともその兆しは見えているように思います。要因がどこにあったのかということは軽々には分かりませんけれども,このたびの接続改革が推し進められたということも一端にはあったのかもしれないという,そういう希望的な見方もしているところです。
 以上です。
【三島座長】
 ありがとうございます。ほかに御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では,荒瀬委員,どうぞ。
【荒瀬委員】
 ありがとうございます。大谷大学の荒瀬です。両角先生,ありがとうございました。入試に余り期待をしない方がよいという先生のお考え,これは入試には期待するものも当然あるわけですけれども,しかしながら,必要以上に期待しなくてよいというのは私も全くそのとおりだと思っておりまして,大変いろいろと学びながら伺っておりました。
 ただ,1つ,私は長らく高等学校におりましたので,高等学校の感覚として申し上げますと,今島田先生がおっしゃってくださったように高校教育も少しずつ変わりつつあるというのは事実なんですが,やはり大学入試の影響を受けないということには必ずしもならないと思っております。こちらで5ページの上から2つ目の段落のところにお書きですが,進学中堅校では当てはまらないなどの指摘がなされているということで確かにそういう指摘もあるのかもしれないんですけれども,私が思いますのが,いわゆる進学校と言われる比較的希望の多い大学に入っているような高等学校の方がむしろ大学入試の影響を余り受けないのではないかということを思います。
 これは1つだけの経験で大変恐縮ですけれども,私がおりました学校は今いわゆる進学校と言われている高等学校でありますが,例えばセンター試験にリスニングが導入されましたときに,その際にリスニングの準備は一切いたしませんでした。なぜかというと,英語を学んでいく上で,耳から入る,聞くところから入っていくというのが言語の習得・獲得という点では大事なんじゃないかというふうに考えまして,そして,リスニングをずっとさせていたんです。ですからセンター試験に入ったからといって今さらリスニングの対策をやるということはいたしませんでした。機器の使用方法については,それは業者の人たちがいろいろと手配してくれますのでやりましたけれども,とりわけリスニングに対して対応したということはございません。
 あるいは,記述式の問題ということも,これは受けます大学が基本的に二次試験で膨大な記述量を求めますので,そういったことに対する対応というのは,必要になるとも言えるのですが,実際には特に入試対策ということでなく,もともと大学に入ってから研究者になる人もたくさんいますからやっていかなければならないということでやっておりました。
 だから,私の経験からしますと,ここのところだけが少し違和感を持ったということを申し上げておきたいと思って発言させていただきました。ありがとうございました。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それではほかはよろしいでしょうか。
 それでは,2つ目の議題に移りたいと思います。これはもう前回,前々回と非常に重要な点だということで御指摘がございまして,今日の次の議題で,高等学校の学習指導要領と英語の資格検定試験との関係について,御説明をお願いしたいと思います。初等中等教育局からその点を含めて矢野審議官に御説明を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【矢野大臣官房審議官】
 初等中等教育担当の審議官の矢野と申します。それでは,資料4の高等学校学習指導要領と英語資格・検定資格等の関係という資料をお開きいただきたいと思います。
 まず2ページ目でございます。学習指導要領とは何かということ,今回は大学の先生もかなりいらっしゃいますので,学習指導要領と資格・検定試験の関係をお話しする前に,そもそも学習指導要領とはどういうものかということを御説明申し上げます。2ページでございます。学習指導要領は,各学校の教育課程の編成基準になるものでございまして,これは飽くまでも基準性あるいは最低基準という言い方をすることもあるように,上限を定めるものではございませんというのが1つでございます。
 3ページ目をお開きいただきたいと思います。学習指導要領の目標・内容でございますが,英語で実際に伝え合う言語活動を行うことが学習指導要領に定められた内容でございまして,これは昭和35年に初めて学習指導要領が告示されて以来,常に4技能育成を目指しております。
 語彙についても,高校の場合,目安として中学校で学習した語に400語から1,800語を加えるとしているところでありますけれども,上限はなく,どのような語彙を入れるかという定めはなくて,つまり,教科書に委ねられている。教科書によって様々な取り扱いがなされております。文法事項につきましては,コミュニケーション英語1まで一通り学ぶこととしておりまして,それ以降の科目は,言語活動のタスクが高度になったり,語彙が増えたりするというような状況でございます。
 10ページから11ページの参考資料も御覧いただきながらお聞きいただければと思います。10ページに御覧いただくとおり,学習指導要領の目標,内容の記載自身は大綱的なものでございまして,これを基に年間指導計画を学校で立てていただいて,達成度を評価するためには,各学校が目指すところや生徒の実態等を踏まえた学習到達度の設定をしていただく必要がございます。聞く,読む,話す,書くの4技能ごとに,何ができるようになるかという項目を整理して,いわゆるCAN-DOリストという形で目標を使って作っております。それは14ページから15ページにございますので,御参照いただければと思います。
 また,新学習指導要領では,小・中・高等学校を通して学習指導要領の目標そのものをCAN-DO形式で示したところでございます。これは参考資料の13ページに,ちょっと細かくなっておりますが,後で御参照いただければと思います。
 4ページ目をお開きいただければと思います。英語成績提供システムに参加する試験と学習指導要領との整合性の確認について,前々回ぐらいだったでしょうか,御指摘がございましたので,示させていただいております。4ページ,英語成績提供システムの参加要件の1つと致しまして,学習指導要領との整合性が取れているかということが設定されました。参加要件を満たしているかどうかは基本的に大学入試センターにおいて確認されておりますけれども,学習指導要領については,これは文部科学大臣の告示でございますので,センターの理事長から初等中等教育局,高等教育局宛てに確認の依頼がなされました。
 確認の方法でございますが,学習指導要領の改訂にも関わった大学の先生や文部科学省における教育課程の基準の専門家,外国語教育担当職員が確認したところでございます。確認に使用したものは,各試験の出題方針,実際,試験問題の全体を公表してない試験については守秘義務契約を結んで問題全体の提供を受け,問題一つ一つをチェックした。各試験の出題方針,試験で測定しようとしている能力及び実際の試験問題を確認したということでございます。
 5ページをお開きいただきたいと思います。この公表資料にございますように,大きく分けて2つの視点から確認をしました。まずは評価する資質・能力という視点でございます。学習指導要領で育成することを目指す,聞く,読む,話す,書くのコミュニケーションの力を測るものであるかどうか。各検定試験においても,それぞれの級やスコアの目安などCAN-DOを示しており,学習指導の方向性と整合していることが確認できる。また,いずれの試験も話す,書くについては,設定された課題に対して自分の考え,与えられた情報を基に整理した情報や要点を話したり書いたりするパフォーマンス評価になっており,日本語を英語に訳せというような問題はないということで,詳しくは参考資料の22ページから23ページにお示しいたしておりますので,御参照いただければと思います。また,採点や評価の観点,基準がしっかりと示されている。これで学習者としてはしっかりとした準備ができるというような点。
 2番目でございますが,言語の使用場面という視点でございます。学習指導要領では身近な生活上の話題や社会的な話題に関するコミュニケーションの場面を想定しておりまして,それと各試験が測ろうとしているものが適合しているかどうか。TOEICではビジネス,TOEFLやIELTSはアカデミックな力を測るものではございますけれども,それぞれの分野特有に限定されているわけではなくて,幅広いものとなっているところでございます。
 確認の結果でございますが,前回までの本検討会で,例えばIELTSやTOEFLは大学留学レベルであり,学習指導要領と対応してないという御指摘がございましたけれども,これらの試験では,測定する最低のレベルはCEFR B1以上となっておりまして,我が国の平均的な高校生の習熟度に比して難易度が高いというものであることは間違いないというふうに考えており,特に語彙のレベルにおいて顕著であると考えております。しかしながら,測定しようとしている資質・能力自体は,聞く,読む,話す,書くのコミュニケーションを図るための知識や技能であるということには変わりないということが出題方針や出題内容等からも確認できるということ。それと,高等学校の学習指導要領においては教えてはいけないというものはないわけでありまして,つまり,難易度の上限はありません。高校入試では中学校学習指導要領の範囲内で出題を求めておりますけれども,大学入試については上限がないわけでございます。こうしたことから2019年の確認作業において,申請のあった全ての試験に対しての学習指導要領との整合性について問題ないと初等中等教育局として判断したものでございます。
 6ページをお開きいただきたいと思います。課題と留意点でございます。御案内のとおり,試験によって内容や形式の特色をそれぞれ持っている,難易度にも大きな開きがあるということでございまして,このため受検生が自分自身の習熟度に合ったもの,どのような英語力を伸ばしたいかという意向に合ったものを適切に選べるよう適切な情報提供が非常に重要であるというふうに考えられました。このため,「英語4技能試験サイト」や高等教育局が作成していたポータルサイトなどで情報提供を行ってきたところでございます。
 また,学習指導要領と整合性があるといっても,飽くまでも英語の総合的な運用能力を測る試験,テストでありますので,そのための指導を行うことや,例えば定期試験に代えるといったようなことは適切ではない。また,学習指導要領との整合性はあるとは言えるものの,より適切に英語力を測るため,各試験の質の向上を図っていただく余地はあるであろうということと考えております。
 また,これまでの議論の中で,各試験と学習指導要領との整合性に関して,大学の個別の試験と学習指導要領との関係についての御指摘がございましたけれども,例えば学習指導要領では4技能を育成するということをしていながら,多くの大学では例えば読むだけの試験を課しているということ,あるいは読むこと,書くことなどの試験の内容についても,文法等の知識を問うために文脈のない不自然な和文英訳問題,あるいはネイティブ・スピーカーも間違えるようなアクセント・発音問題や,どのような力を評価しているのかよく分からない問題,例えば絵を見て思ったことを英語で書けというような問題とか,そういったような問題も散見されてきたところでございます。ということで,学習指導要領が目指す資質・能力を評価しているとは言えない出題が大学入試においても数多くなされているのではないかという指摘もございます。
 今の話は,6ページと参考資料の17ページを御覧いただきながらお話をさせていただければと思います。高校生の声として,17ページの下の方ですが,私は話す力を付けたいのに,先生は国立大学の入試には和訳が出るから和訳をやりなさいと言って,全文和訳の授業しかしてくれないという声も紹介されたところでございます。その他,17ページの下に生徒や教職員の葛藤が書かれているところでございます。
 今回の議論の中でも,先ほどの先生方の御議論の中でも,大学入試改革を高校の改革に使うのは間違いであるというような御意見がございました。その通りだと思います。高校は高校の教育の在り方があるわけでありますが,しかしながら,高等学校の先生方からお話のありましたとおり,例えば26ページ,27ページをお開きいただきたいと思いますが,高等学校の学習指導要領では,もう既に英語の授業の発問は英語で行うということになっているところでございます。中学校については次の学習指導要領から基本的には英語で発問を行うということになっておりますが,実際のところ,エビデンスベースで申しますと,26ページにあるように,中学校では,義務化されてないなかでも,75%程度が実行されている。ところが,高等学校においては,学年が上がることによって実施している割合が落ちていくということです。
 あとは,31ページ,これは英語ではありませんけれども,学習指導要領では,例えば理科の観察実験に関する指標は,知識だけではなくて,実験をしっかりとやりましょうというようなことを求めておりますが,中3から高1にかけて大幅に実験が減っているとか,その次の32ページも,御覧いただくように,中学校に比べて高等学校においてはどんどん教師主導の講義の授業が増えていくと,こういったようなことがございます。
 これを見ると,背景には様々な要因があると考えられておりますが,高等学校が改革をしようとしても,入試が影響を与えているというようなことは否定できないのではないかというふうに初等中等教育局としては考えております。大学入学者選抜の在り方を御検討いただくに当たり,高大接続を進める観点から,大学入試が高校教育に与える,そういう影響を御議論いただきながら,引き続き大学入試について御議論いただければというふうに考えております。
 以上です。
【三島座長】
 御説明ありがとうございました。
 それでは,ただいまの御説明でございますが,御質問,御意見がございましたら,名札を立てていただければと思いますが,いかがでしょうか。渡部委員,どうぞお願いいたします。
【渡部委員】
 どうも御丁寧にありがとうございました。渡部です。
 今お話しくださったことは,私,足りないところはありますけれども,十分とは言えませんが,理解しているつもりです。ただ,今おっしゃったことは,高校現場での授業の改革・改善,そして,あえて言えば,卒業試験を作ると,そういうことであれば非常によく分かるんです。しかし,ただいまお示しになったデータが大学入試と直接関係があるとは思えません。
 検証なさったと言いますけれども,不十分じゃないかなと思うんです。例えばセンター入試であれば,一々委員が2年間掛けて学習指導要領を研究して,それで,教科書にない単語については注釈を付けるというところまでやって,日本人の学習者がちゃんと測定したかどうかと,そういうことをきめ細かく検討して,そして,作っています。それで,最終版が出来上がるわけです。
 しかし,例えばケンブリッジ英検,TOEFL,IELTSがとても日本の学習指導要領を検証して作っていると思えないんです。後付けで,学習指導要領の内容をケンブリッジは測れます,IELTSも測れますと,そういうことは言えます。それは英語力を測定している限り当然です。しかし,それは,最初から日本の学習指導要領に全部全て合致するように設計しているという意味じゃないんです。
 それから点数だけでは見えてこないことがたくさんあります。例えばCEFRのA2レベルのCAN-DOステートメントには「簡単で日常的な範囲なら身近で日常の事項についての情報交換に応ずることができる」とあります。しかし,例えば英検,GTEC,それはそれぞれ全て良いテストではありますが,そこで行われているスピーキングテストは,質疑応答があるわけではありません。読解内容を口頭で確認したり,絵を説明したりということはあります。しかしやりとりをする能力があるかどうかはわからないのです。質問をするということはコミュニケーションの上でとても大切な能力ですが,この能力を測定できるのは受検者同士に対話をさせる ケンブリッジ英検だけです。しかし,この試験を入試のために受ける受験生はほんの少しであると思われます。それぞれのテストの得点はCEFRに記載されている運用能力と必ずしも保証しないのです。いろいろな民間試験が選択肢としてあって,各大学がアドミッションポリシーに合致したテストを入学考査で使うのは,現在行われていることですし,何の問題もありません。しかし,センター試験あるいは共通テストの代わりに民間試験を使うということは全く異なる問題なのです。そして,この委員会で議論すべきは後者の方だと考えます。その上で,繰り返しになりますが,CEFRの換算表はほとんど意味がないと思うんです。といいますのは,ここに並べられているのはそれぞれ違うテストです。例えばリーディングとリスニングができて得点が高かった人と,スピーキングとリスニングができて得点が高かった人との区別が得点だけ見ても区別ができません。スピーキングテストが入っているから高校での指導に好ましい影響があるということですが,それは保証の限りではありません。高校の教員は,スピーキングは自分でやっておけということもできますし,あるいはスピーキングは配点が低いので集中して準備する必要はないだろうという判断が受験生をすることはありうることです。今お示しになったデータや資料,情報は,高校の授業改革に何が必要か,英語能力を高めるために何が必要か,といったことを知る上では重要で,それは疑いようもありません。しかし,大学入試ということを考える場合には関係性を示す必要があるんです。そのためにもっと絞った,焦点を置いた議論が必要になってきて,そのために私たちはここにいるんだと私は理解しております。
 最後ですが,CEFR,すなわちCommon European Framework of Referenceは,そもそもは複言語主義といって,いろいろなヨーロッパの言語を,例えばドイツ語とフランス語の通訳になるのであれば,ドイツ語もフランス語もC1レベルは必ず持っていてくださいとか,あるいはこちらの国に入ってこられるのであれば,スピーキングはA2レベル,でも,書けるのはそれほどじゃなくてもいいですよと,そういうことを判断するために開発されたシステムです。多くの研究者が熱心に研究に取り組んでいることは十分承知しています。しかし,それを実践に生かして,テストをこういうふうに並べて,そして,それを入試に使いましょうと,そういったことについてはまだ不十分です。十分に注意して進める必要があると考えます。
 以上です。どうもありがとうございました。
【三島座長】
 矢野審議官,何かございますか。
【矢野大臣官房審議官】
 今おっしゃったことは,最後の課題の部分で私も申し上げたのですが,民間の技能試験が我々もベストだと考えているわけではなくて,学習指導要領というか高等学校教育との関係から考えると,いろいろな考え方があろうかと思います。しかしながら,説明の最後の部分で申し上げましたように,今の大学入試の例えば和訳だけとか,英訳だけとかいうものよりは,はるかに英語民間試験を活用する方が有用ではないかということを申し上げたつもりでございます。
 以上です。
【渡部委員】
 最近の各大学の入試問題を御覧になればすぐに分かりますけれども,そんな入試問題はほとんど今ありません。それから,アクセントの問題等もおっしゃいましたけれども,それは今現在であれば,例えばセンター入試の第1問目にあります。しかし,意味があって出題されているのです。入試作成者の立場としては,プロダクション(言語の産出)のテストはできないので,せめてその代わりに残しておきたいということなのです。
 それから,入試への影響とおっしゃいますけれども,例えば英検は今何人受けているか御存じですね。年間で360万人が受けています。それは,職業を持っている方だとかいろいろな方が受けてらっしゃるので入試とはイコールで考えられませんが,それでも350万人の人を受けていても,それでも相変わらず日本人は英語できないじゃないかと,そう言われているわけです。GTECは150万人です。その方たちが受けていても,日本人は相変わらずできないじゃないかと言われているわけです。それを大学入試に入れれば良くなると,そういうことが本当に単純に言えるんでしょうか。
【三島座長】
 それでは,事務局,よろしくお願いします。
【小野外国語教育推進室長】
 初中局の外国語教育推進室長の小野でございます。ありがとうございます。
 基本的には渡部先生がおっしゃるとおり,一つ一つの試験が必ずしも最初から,日本の大学入試に必要な力,日本の高校教育で育てる力を測るものとして最初から設計したものばかりでなく,もともと世界的に使われていて日本でも使われている試験であるが,必ずしも日本のために作っているものではないということは,おっしゃるとおりかと思います。
 そういったことからしますと,各大学が個別の選抜試験をやるときにいろいろな制約がある,あるいはセンター試験においてもマークシート型というところのいろいろな制約があるというのと同様に,既存の様々な資格検定試験を使うことにもやはりメリットとデメリットの両方があると思います。いずれの試験の形にもメリット・デメリットがあることを前提に御議論いただければということで1つ論点をお示したものというふうにお考えいただければと思います。
 渡部先生に御指導頂いて実施いたしました,中学校の全国学力・学習状況調査におきましても,できるだけ学習指導要領で言っていることを様々な角度から全て評価したいと思いましたが,例えばスピーキングのインタラクションについてはかなり制約のある形でやらざるを得ませんでした。しかし,全国学力・学習状況調査は,これがなければ授業が変えられない,あるいはこれさえやれば変えられるというものではありませんけれども,1つのメッセージとなっているということは,中学校の先生などからも反応として聞いています。ただ,それでは中学校の授業では,学力調査対策をすればいいのねということではもちろんありません。
 高校教育までで終えて,大学に行かない生徒もたくさんいます。職業系の専門学科の生徒は,まさに高校1年生で必履修科目を学ぶだけでも時間が一杯一杯で,あとは専門科目に入ってしまうという生徒もいます。こうしたことを前提に,大学入試を受けるか否かに関わらず,学習指導要領の理念を実現することを目指さなければなりませんが,できるならばそこで身に付けた力を的確に測る評価を大学入試で使っていただいた方が,授業改善をする後押しになるだろうということで,様々な声を紹介させていただいたところであります。それでは,どうするのがよいのかというのは是非この会議で御議論いただいて,御示唆頂ければと思います。ありがとうございます。
【三島座長】
 それでは次に,吉田委員ですか。
【吉田委員】
 ありがとうございます。私も今渡部委員のお話でちょっと疑問なのですが,センターは学習指導要領に基づいて入試を作るということは理解できますけれども,各大学はどうなのかといったときには,実際に各大学の入試で,もちろんその大学によって違いますけれども,英語のことに関して言えば,学習指導要領を全く外れたものを出している大学だっていくらでもあるわけです。
 そして,この4技能試験に関しては,どの試験を受けるか,どの試験を必要とされるかという,両方の問題があると思うのです。子供たちにとって,例えば海外大学を受験したい,留学したいと思っている子は,当然TOEFLだ,IELTSだ,受けなければならなくなります。ただ,もう本当に,言い方は悪いですけれども,そんなに高い方の大学ではないのを受ける子たちに,そんな高い試験を受ける必要はなくて,英検とかGTECで十分であるということになるのだと思うんです。
 ですから,4技能を測るという問題をしたときに,センターで4技能が作れない。センターで実施できない。先ほど来お話があったように,大学入試の時期を考えたときにセンターの結果を出すこと考えたら,センターが4技能試験をやることは不可能なわけです。ですから,いろいろな4技能試験を採用して,そして,それを入試に利用できないかということでこの制度がスタートしたのだと思うので,私は,まだこれから時間もありますけれども,各大学さんが,これだけ今日も最初のお話でもあったように,いろいろな大学が4技能試験を使うようになってきたのですから,高校生は,中学生もそうですけれども,今はコミュニケーション能力として英語4技能を学ぶように指導をされています。もう既に英語で授業を行うということが行われてからもう10年以上たってきているわけです。ところが,高校3年生になると,英語で英語の授業をやるということが減ってきているというのは,なぜかと言えば,大学入試が2技能の試験で4技能の試験じゃないから。先生方も,言い方は変ですけれども,コミュニケーション能力よりも記憶型の試験を教える方が楽だから。
 そしてさらには,今,350万人の方が英検を受けている云々のお話もありましたけれども,それは英検にも,話せるようなレベルからもう本当に初歩の5級だ,4級だというのもあるわけですから,級が高ければ話せると思いますけれども,その辺の差もあると思います。ただ,それをどうやって大学さんが使っていただけるのか。
 それとともに私が今感じていますことは,高校で4技能教育をしっかりやったとしても,入試で4技能能力を使ったとしても,大学で果たしてどこまで4技能を使っていただけるのか,4技能教育をしていただけるのか,その部分でも疑問がございます。実際に4技能で入れた生徒たちが,大学に上がって,TOEICの2技能を進級要件として勉強させられているというような話を聞くと,私は実際ショックを感じているところでございます。
 とりあえず以上です。
【三島座長】
 末冨委員,札を立てていらっしゃいますか。じゃ,お願いします。
【末冨委員】
 私も,英語学習指導要領と民間試験,4技能試験との対照について疑問を提示させていただきましたが,幾つかやはりお話を聞いて,かなり作業自体にも課題があるということと,お示しいただいた課題が入試改革では改善しきれないだろうなという考えを持ちました。
 頂いた資料の4ページにございますけれども,センターからの要請を受けられて英語教育の専門家と教育課程基準の専門家と,それから,英語教育を所管される文科省の職員とで照合されたということではありますが,どうしても形式的な作業にならざるを得ないということですね。基準同士を比較するというのはそういう性質のある作業でして,形式では,逸脱するものではないぐらいの確認しかできないだろうと思います。
 高校教育や大学教育の話にせよ,入試の話にせよ,ですけれども,この国の若者たちに知識・技能を保障したいという思いはおありでしょうが,その際に想定されるべきなのは,後の方で資料を頂きましたけれども,高校教育における実践と評価をどう改善していくかということだと思います。
 高校教育における実践と評価は,恐らく必ずしも大学入試によってのみ規定されるものではないと思われます。27ページの資料を見ていただきますと,パフォーマンス評価ができているかどうかというのは,都道府県間差が多いということが指摘されております。恐らくこれは公立学校が主流の都道府県において,かなり県教委の主導性というものが発揮されているはずです。併せて,私立学校への支援といったものも考えなければ,恐らく英語学習指導要領が昭和35年当初から目的としてきた4技能の形成は実現し得ないと思います。つまり,高校教育は都道府県行政の主導性が大きいというメカニズムの理解なしには,入試だけに責任を負わせるような言い方というのは正確ではないのだろうというふうに思います。
 ということは,例えばパフォーマンス評価にせよ,クラスルームイングリッシュの指導がどんどん行われなくなっていくということにせよ,各都道府県の考え方をやはりイノベーションしていかなければならない。それは国公私立の全てにおいてそのように歩調を合わせていくような機運というのを初等中等教育局が作らなければならないんだろうと思います。したがって,入試というものに責任を帰すというロジックは違うかなと思います。
 併せて,非常に大事なことだと思ったんですが,実は大学入試における不適切な出題のチェックの仕方については,恐らく大学の規模に依存するんだろうと思います。私どもの日本大学は非常に大きい規模の大学ですので,英語学習指導要領を踏まえながら,内部のチェックを何重にも行って出題をしてまいります。ところが,そうではない大学の独自出題というのは,必ずしも質の保証には結びつきません。初中局の方でこのように丁寧なチェックをしていただけるのであれば,そのフィードバックの仕組みをいい形で,懲罰的ではない形でと申し上げたらいいんでしょうかね,補助金削減だとかそういうオプションを伴わない形でフィードバックをされるということも,また文科行政としては望ましい在り方ではないかというふうに思われます。
 最後に,なぜリーディングとライティングを大学入試で課すのですかということについては,アドミッションポリシーに基づいてそれぞれの大学で行っていることでございます。特に最先端の学術的な知見というのは,常に英語で発信されます。例えばですが,私の授業でもPISAのデータは分析しますけれども,PISAのデータも英語でダウンロードするというのが当たり前で,英語のコードを使いながら統計分析をしていきます。だからこそリーディング,多少のライティング,日大の場合にはリーディング中心のスキルが必要とされておりますが,まず大学入学者たるにふさわしいリーディングスキルがなければだめだと。
 4技能の形成というのは,当然,高校の指導要領あるいは授業の中でお取り組みだということは承知しておりますけれども,大学入試として私たちが専門的技能を養成するためには,まずリーディング,次にライティング。そうじゃないと,世界についていけないし,戦ってもいけないからなんです。ですから,リーディングやライティングにバランスが偏ることの意味というのを,知の国際競争の枠組みの中で捉えていただきたいです。
 もちろん,例えばですけれども,分野によっては学部レベル,大抵の場合,修士レベルからの国際的な学会に学生たちをデビューさせていくことになりますが,大学4年間の教育の中での英語4技能スキル形成というものは各専門分野において行われます。大学教育との接続を踏まえたときに,リーディングやライティングに偏っているという大学入試の批判をすることは,やや実態を突いていないであろうというふうにも思われます。これは意見として申し述べます。
 ともあれ,御説明ありがとうございました。
【三島座長】
 ありがとうございました。矢野審議官,どうぞ。
【矢野大臣官房審議官】
 私の表現が非常にまずくて,申し訳ありませんでした。高等学校の英語教育改革の責めを入試改革に全て負わせるというようなことを申し上げるつもりは全くありません。末冨先生が最後におっしゃったように,大学で何が求められているかということや,大学への進学率が五十数%であり,残りの四十数%の大学に行かない子供たちが英語が必要ないかというと,当然そうではないといった前提で初等中等教育局としてはお話し申し上げているつもりであります。
 また,末冨先生が最初の方でおっしゃったように,都道府県によってかなりの差があるということは事実です。先ほどのデータは,国全体の平均値を示しているのですけれども,都道府県で比較してみますと,あるいは学校ごとで比較してみますと,かなりの差があるというのは事実でありますので,そのところを踏まえた取扱いは必要だと思います。
 ちなみに,25ページの資料を御覧いただきますと,今,高等学校の生徒の英語力の向上を支える取組と致しまして私どものやっていることは,目標の設定を行って,事業,研修の実施をし,英語教育実施状況調査をして,例えばこの一番下,生徒の英語力CEFR A2以上の割合や,あるいはCAN-DOリストの目標の達成状況の把握率,こういったものを適切に各都道府県で設定していただいて,授業の改善を図っているところでございます。
 ということで繰り返し申しますと,大学入試を主犯にしようという意図ではなくて,前回までの会議で議論のあった学習指導要領との関係をご説明するとともに,どうしてもやはり大学入試に引っ張られている部分もありますということを申し上げたかったというのが我々の意図でございます。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,少し時間がもう押しておりますので,最後に小林委員から御意見を頂いて,それで次に移りたいと思います。よろしくお願いいたします。
【小林委員】
 手短に。学習指導要領と整合性の確認というテーマだったと思いますが,前からこの議論を聞いていて,ちぐはぐに感じるのは,学習指導要領というのは,例えてみれば馬の乗り方を教えて下さいということです。ところが,この議論の中で,じゃあ,これはダービーの競争馬の乗り方,それから,馬術競技の馬の乗り方,馬の乗り方は皆違うわけです。その議論が常に交錯していて,どうも居心地の悪い感じがするというか,結論がよく分からないというふうに私は感じております。
 そういう意味で学習指導要領がやはり一番基準だと思います。それで,もし高校の教育の中にダービーの競争馬の乗り方ばかりに特化するような高校とか,馬術競技に特化するような高校とか出来てきてしまうと,それもまたゆがんだ教育体制になってしまうのかというのを危惧します。
 一方,私自身は,資格試験に関して,民間のものを使うことに関しては少し疑問を持っていましたが,私立大学協会加盟校の中で見ますと,4技能を入学試験に使う予定になっているところが5割ぐらいで,そのうち8割ぐらいはもう既に民間資格試験を使うことを予定しているので,民間資格試験は共通テストとは切り離して,それぞれの大学が必要に応じて自由に採用するという形にするのが一番妥当な着地点というふうには自分自身は感じております。
【三島座長】
 ありがとうございました。それでは,議題の2つ目,時間はここまでとさせていただきまして,事務局から1点報告事項がございますので,それをまず済ませたいと思います。資料5につきまして,西田大学振興課長から御説明いただきます。よろしくお願いします。
【西田大学振興課長】
 大学振興課の西田でございます。資料5を御覧いただきまして,大学入学者選抜における多面的な評価の在り方に関する協力者会議の設置について御説明をいたします。
 先ほど両角先生にも触れていただきましたけれども,大学入試,これまでの改革の論議の中で,受験生が持っている能力・適性を多面的に総合的に評価するというのが基本だったと思います。この路線の中で,筆記試験をやるだけではなくて,高校で作成する調査書や志願者本人が自分の活動とか実績などを記載するような資料も入試に活用いただきたいというようなことを各大学にお願いをしてきたというようなことがございます。
 その一方で,今,働き方改革というようなことで,特に高校の現場での先生方の負担軽減の観点,それから,学習指導要領が変わります。それに応じて指導要録も変わりますので,そういった見直しも踏まえた上で,入試の在り方,そこでの調査書等関係資料の活用の在り方などについても新たに御検討いただくというような視点が必要になってきているわけでございますので,2月21日付けで高等教育局長決定で,今申し上げた協力者会議を設置し,入学者選抜における多面的な評価に関する具体的な内容・手法等について,高校・大学の関係者,それから,有識者や保護者,関係者などから成る会議で御検討をいただこうということにしたわけでございます。
 資料5の2番の検討事項に4つほど検討事項を挙げておりますけれども,こういった内容について御検討いただくこととしております。メンバーは,2ページ目に記載しているメンバーで,本検討会議からも川嶋委員,それから,柴田委員,牧田委員に御参加をいただくことにしております。第1回の会議は,本日午後この同じ会場で実施をする予定にしているところでございます。
 この協力者会議での議論も適宜,節目節目で本検討会議に報告をできるような形で進めていければというふうに考えているところでございます。
 以上です。
【三島座長】
 どうもありがとうございました。それでは,こういう会議が設置されて,1回目が今日の午後ということですので,この委員会から3名の方に委員になっていただくということで,どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それでは最後に,本日の委員の皆様の御意見を聞かれて,佐々木政務官から御発言を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
【佐々木文部科学大臣政務官】
 前回に引き続きまして,委員の先生方には,お忙しい中,御出席,意見発表をいただきまして,誠にありがとうございました。
 私立大学のお立場から,また,障害のある生徒・学生に対する合理的配慮という観点,また,大学入試の果たす役割とその後の大学教育と,そして,最後の英語の資格検定試験と学習指導要領の関係と,いずれも重要な点について率直に活発な御議論をいただいたというふうに思っております。多くの御示唆を頂いたと感謝を申し上げます。
 それぞれお立場はあるかと思いますけれども,この検討会議の場を通じて問題点や課題の認識を共有していくということが,大学入試のより良い在り方を検討していくに当たって非常に重要であると思っております。
 次回以降もしばらく委員の先生方からの意見発表と,それに基づく意見交換,議論が続くと思いますけれども,どうぞ引き続き建設的な御検討をお願い申し上げまして,一言御挨拶とさせていただきます。本日は大変にありがとうございました。
【三島座長】
 政務官,どうもありがとうございました。
 それでは,時間の関係もございますので,本日の第4回の検討会議はここで閉会させていただきたいと思います。もう少し皆様方の御意見も聞きたかったんですが,時間がなくなってしまいまして申し訳ございませんでした。
 それでは,次回以降もまた引き続き有識者委員からの意見発表を行っていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 最後に,事務局から何かございますでしょうか。
【武藤高等教育局企画官】
 失礼します。第5回,次回の会議は3月31日火曜日の10時から12時で行いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【三島座長】
 それでは,今日はどうもありがとうございました。これにて閉会といたします。

―― 了 ――

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