大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会(2019)(第4回) 議事録

1.日時

令和元年10月4日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省東館15階 15F1会議室(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会第一次報告について
  2. その他

4.出席者

委員

   秋山委員,井村委員,江澤委員代理,大島委員,岡島委員,鎌倉委員,上泉委員,岸委員,小見山委員,高田委員,中根委員、彦根委員,平野委員,宮﨑委員,柳田委員
 

文部科学省

   伯井高等教育局長,丸山医学教育課長,荒木医学教育課企画官,杉田医学教育課看護教育専門官
 

オブザーバー

   島田厚生労働省医政局看護課長
 

5.議事録

【杉田看護教育専門官】 それでは,定刻になりましたので,第4回大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会を開催いたします。
交通事情の関係で少々遅れると上泉委員より御連絡が入っておりますが,開始させていただこうと思います。
文部科学省高等教育局長の伯井より一言御挨拶を申し上げます。
【伯井高等教育局長】 皆さん,こんにちは。高等教育局長の伯井でございます。
委員の先生方におかれましては,大変忙しい中,大学における看護学教育の更なる充実に向けまして,検討会委員としてこれまで3回にわたり御検討いただきまして,改めて感謝申し上げる次第でございます。
近年,我が国では少子高齢化の進展による人口構造の変化,あるいは医療の高度化・複雑化,医療技術の進歩などによりまして,医療の安全・安心の重視とともに,医療の質がより一層重視されるようになってきております。このような中で看護系人材により一層幅の広い役割を担っていただくということが期待されておりまして,すぐれた看護系人材の養成を使命とする看護系大学の役割は極めて重要であると認識しております。こうした背景を踏まえつつ,これまでの検討会では,大学において養成する看護系人材像とその能力,あるいは看護系大学における指定規則の位置付けと指定規則の改正案などにつきまして活発に御審議いただいたと承知しております。
本日は本検討会の第一次報告の取りまとめに向けて引き続き御議論いただくとともに,今回から新たに3名の委員に御参加いただきまして,大学における看護系人材養成に関する実習ガイドラインの策定に向けまして御検討いただくこととしております。委員の皆様方,また新たにお加わりいただいた3名の皆様方,それぞれのお立場から引き続き積極的かつ活発な御意見を頂戴いたしますようお願い申し上げまして,会議冒頭の挨拶とさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。
【杉田看護教育専門官】 それでは,高田座長,よろしくお願いいたします。
【高田座長】 それでは,よろしくお願いいたします。
本会議は冒頭より公開とさせていただきますことを御了承ください。なお,カメラでの撮影につきましては議事に入るまでとさせていただきますので,御協力をよろしくお願いいたします。
本日は,第3回の検討会で作成することが承認されました,大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会の第一次報告と,実習のガイドラインについて検討していきたいと思っております。第一次報告は指定規則の改正案とともに発することが必要と思いますので,本日検討した内容を早々に反映した完成版としていきたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。
次に,本日の出席状況と配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。
【杉田看護教育専門官】 では,まず,本日より新たに3人の委員に加わっていただきましたので,御紹介させていただきます。お手元の委員名簿をご覧ください。
日本看護系大学協議会看護学教育向上委員会委員長の鎌倉やよい委員です。
【鎌倉委員】 よろしくお願いいたします。
【杉田看護教育専門官】 日本赤十字社医療センター周産母子・小児センター副センター長・看護副部長の中根直子委員です。
【中根委員】 中根でございます。よろしくお願いいたします。
【杉田看護教育専門官】 神奈川県平塚保健福祉事務所保健福祉部長・地域統括保健師の彦根倫子委員です。
【彦根委員】 彦根です。どうぞよろしくお願いいたします。
【杉田看護教育専門官】 本日は鈴木委員より御欠席の連絡を頂いておりますので,委員15名,オブザーバー1名,計16名の御出席となる予定でございます。
続きまして,配付資料を確認させていただきます。まず会議次第,資料1といたしまして「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会第一次報告(案)」,参考資料として厚生労働省より,「看護基礎教育検討会報告書(案)の概要」と,「改正カリキュラム適用のイメージ(案)」となってございます。そして,資料2といたしまして「大学における看護系人材養成に関する実習ガイドラインについて」,そして,御検討いただく参考資料として「日本看護系大学協議会看護学教育向上委員会資料」となってございます。
机上の参考資料でございますが,今回は新たな資料はなく,これまでの検討会にて参考としてきた資料となっております。
資料は全てWeb上にて公表されておりますので,傍聴者の皆様は後ほど御確認をお願いいたします。
事務局からは以上になります。
【高田座長】 カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
それでは,早速,議事に入りたいと思います。
最初に,島田看護課長から資料に基づいて御説明をお願いいたします。
【島田看護課長】 厚生労働省,看護課長でございます。それでは,資料につきまして説明させていただきます。
お手元の資料1の参考資料をご覧いただければと思います。前回のこちらの検討会で,私どもで行っております看護基礎教育検討会の検討状況について資料を提示いたしまして,御報告させていただきました。そして,9月30日,今週の月曜日でございますけれども,第10回看護基礎教育検討会がございまして,そちらで検討会の報告書について御議論いただきましたものをこの資料1として概要をお示ししております。9月30日の検討会では,前回,こちらの検討会でお示しいたしました改正カリキュラムの内容につきまして御議論いただきまして,その方向性でまとめるという方針の下,報告書の方をまとめておりますけれども,最終的には若干の文言修正などがございますので,現時点では案ということで報告書の概要をお示しさせていただいております。ただ,ここで書いておりますような内容につきましては,基本的には,誤字脱字以外は修正がないような形でのまとめということになっております。
資料1に記載しております内容が報告書としてまとめましたカリキュラムの改正の内容でございますけれども,背景,目的ですとかといったところは前回もお示ししておりますので,今回詳細は申し上げませんけれども,保健師,助産師,看護師,そして厚労省検討会では准看護師の教育内容についても見直しを行っておりまして,その内容についてポイント,それから何単位に増加したかといったところをまとめさせていただいております。こちらの内容も前回こちらの検討会にお示しした内容と変更なく,単位数なども最終的にはこの案ということになっております。そして,当検討会では,この資料1(参考資料)の一番下にございますけれども,今後,この教育の内容の充実に向けて検討するに当たっての課題なども御議論いただいておりまして,幾つかポイントございましたけれども,この概要としては,今回の改正内容について必要な検証を行い,その結果を踏まえつつ,社会における看護職員のニーズに一層応えていくための更なる能力向上に向け,実習を含めた教育内容及び方法の継続的な検討を行う、といったようなことが今後の課題として示されているといったところでございます。
そして,後ほどまた資料の御説明があるかと思うんですけれども,資料1の報告書一次案,文科省さんの方でおまとめになられる報告書の案の8ページをご覧いただければと思いますが,8ページ,9ページ,10ページに,保健師助産師看護師学校養成所指定規則に掲載するものとなります別表一・二・三の改正案がこちらの方にございます。私どもの検討会の方でも今まで御議論いただきました内容を反映しまして,この別表一・二・三の改正案の方をこれと同じ内容で最終的に取りまとめを行っております。8ページが保健師養成課程の教育内容に係る別表一でございまして,アンダーラインを引いているところが改正点でございますけれども,総単位数は31単位という変更になっております。それから,9ページでございますけれども,別表二が助産師養成課程の教育内容に係るものでございまして,こちらは31単位との改正案になっております。別表三でございますけれども,こちら,看護師養成課程の教育内容,単位数でございまして,こちらにつきましては102単位という改正になっておりまして,こういった内容で改正を考えているというところがまとめられたところでございます。
資料,お戻りいただきまして,先ほどの資料1(参考資料)の2枚目をご覧いただければと思います。改正カリキュラム適用のイメージということで,こちらも9月30日の私どもの検討会の方でもお示しした内容でございますけれども,今回の検討会で検討いたしました改正カリキュラムについて,いつから実際に学校,養成所に適用するかといったことを報告書の方でもまとめさせていただきましたので,その概要のイメージをこちらにお示ししております。これまでのカリキュラムの改正の際にも,看護師,それから保健師,助産師,それぞれ養成課程の修業年限が異なるところでございますので,何年度からの入学生に適用するのかといったところをしっかり定めませんと,国家試験への適用年度を勘案しつつ,改正カリキュラムをいつから適用するのかといったところを決めていくということが必要になります。今回の御議論を踏まえ,なるべく早く学生さんに改正後の教育内容で学んでいただきたいということになろうかと思いますので,2022年度の入学者から保健師,助産師,そして看護師3年課程について適用するといった方針でいきたいと考えております。看護師養成課程につきましては,2年課程という,准看護師の免許を持った方が看護師になるために学ばれる課程がございますけれども,そちらにつきましては2023年度の入学生からの適用ということにしたいと思っております。
検討会の報告書といたしましては,こういった適用にすることが望ましいというとりまとめとしておりまして,最終的にはこのカリキュラムの改正についていつから適用するのかといったことですとか,それから国家試験の出題の方針といったところにつきましては,医道審議会保健師助産師看護師分科会の方で最終審議の上,方針を決定するということになりますので,この時点で決定ということではございませんけれども,検討会ではこういった方向が望ましいということでおまとめいただいているところでございます。
簡単でございますけれども,御説明は以上でございます。
【高田座長】 ありがとうございました。
続きまして,資料1について,事務局の方から説明をお願いします。
【杉田看護教育専門官】 では,お手元に資料1を御準備いただけますでしょうか。
1ページおめくりいただきまして,「はじめに」ですが,ローマ数字のⅠ以降の項目の概要を示してございます。一番最後の文章で,指定規則改正に伴いカリキュラムを検討する際に活用いただきたいという,本報告の狙いとすることを示してございます。
2ページに参りまして,Ⅰ,看護系大学を取り巻く背景につきましては,前半で社会情勢を,後半で文部科学省の政策の動向を示しています。
次のページをおめくりいただき,3ページに行きます。ローマ数字のⅡ,大学における看護系人材養成の充実に向けたこれまでの検討の経緯,ここでは,平成14年から大学における看護学教育の充実に向けてと題した検討会を実施してまいりましたので,それをスタートに,隣の4ページの,直近の看護学教育モデル・コア・カリキュラムを作った,その時の検討会までの経緯を示してございます。
4ページですが,ローマ数字のⅢ,指定規則の改正案を踏まえ,教育課程を体系的に編成する上での留意事項では,この検討会で検討いただいてきた内容をまとめさせていただいております。冒頭に「今般,指定規則に係る教育内容および単位数の改正案が提示された」ということで,先ほど島田課長から御説明いただきました改正案として示されている別表を3つ資料として入れ込んでおります。
そして,これ以降ですが,本文をこのまま読ませていただきます。「今回の指定規則改正の趣旨は,看護基礎教育における卒業時の看護実践能力の強化である。これまでの大学における看護系人材養成の充実に関する複数回の検討会にて提言されてきた方向性を踏襲しながら,今回の改正の趣旨を捉え,さらに教育課程の充実を図っていくことが求められる。看護系大学においては,令和4年度(2022年度)の入学生から新カリキュラムを適用できるよう確実に準備を進めることが必要である」。
そして,前回の検討会で確認いただいた,平成16年の学士課程における看護学教育の特質として5点確認してきておりますので,その5点を示しました。
そして,「平成30年度(2018年度)に,文部科学省が指定している看護師学校のうち大学において,卒業単位は平均126.8単位であったが,そのうち123.8単位が指定規則に該当する科目とされていた。助産師学校に関しては平均146.3単位であったが,34.0単位が指定規則に該当する科目であり,保健師学校においては平均138.0単位,指定規則に該当する科目は32.4単位という実態であった」ということで,第1回の検討会でお示しした資料を資料3として添付してございます。「このような実態を捉えつつ各看護系大学は,指定規則改正の趣旨を踏まえ,カリキュラム・ポリシーに照らし合わせて教育課程全体を見直し,不十分な点が確認されたらそれらの点を補い,指定規則に該当する科目と大学独自に設定している指定規則に該当しない科目とを十分に吟味し,それぞれの大学において独自性のある教育課程を編成していくことが必要である」。
長くて申し訳ないのですが,「さらに,看護系大学においては,指定規則は国家試験受験資格の取得にかかる必要最低限の基準を規定するものであるという前提に立ち,看護コアカリ等の外部基準を参照しながら,これまで以上に効果的かつ効率的な独自の体系化された教育課程を,自ら編成していくことが必要である。教育課程を編成していく際,例えば,看護系人材の養成において重要な科目である実習科目の充実だけを考えるのではなく,養成する人材像の育成に向かうという方向性を捉えながら,講義・演習・実習科目の各科目の目標の達成に向け,科目を連動させ,教育課程を編成していくことが重要である。
少子高齢社会の進展による人口構造の変化,医療の高度化・複雑化や医療技術の進歩,等の社会情勢の流れの中で,看護サービスに対する期待はますます高まっている。さらに,地域包括ケアの推進,地域におけるヘルスプロモーションや予防に関する保健活動も重視されている。このような社会情勢の中,これまで以上に高い実践力を必要とされていることから,各看護系大学においては,在宅領域を含む地域における看護実践に関する教育内容として,早期からの学修,科目内容の充実等を検討することが早急に求められている。
そして,高い実践力を修得していくには,臨床判断力(臨床推論力)の修得が必須であり,現行の科目内容の工夫だけでなく,新規科目の可能性も検討することが必要である。合わせて,教育方法を検討することも必要である。教育方法に関しては,看護系大学等を含む大学における教育方法の開発は確実に進んできており,看護系大学は,近接領域の教育方法も参考としつつ,今回の改正で言及されていない点も含め,継続的に教育方法とその評価方法を工夫していくことが必要である」とまとめてみました。
そして,次のⅣになりますが,前回までに出していただいた御意見を大きく4ポイントにまとめております。1が「本検討会で引き続き検討が必要と考えられる事項」,2が「看護系大学の教育内容および方法の向上に向けた取り組みの必要性」,3,「卒業時の看護実践能力の評価の仕組みを検討する必要性」,4,「看護系大学における指定規則の在り方に関する今後の課題」としてまとめさせていただいております。
事務局からは以上になります。
【高田座長】 ありがとうございました。
御質問,御意見等はございますでしょうか。いかがでしょうか。なお,御発言に当たっては,挙手の上,お名前をおっしゃってから発言をお願いいたします。次のガイドラインのこともございますので,30分程度でできればこれは終えたいと思っておりますけれども,いかがでしょうか。どうぞ,何なりと御意見。岸委員,どうぞ。
【岸委員】 済みません,東邦大学の岸です。御説明ありがとうございました。
5ページのところの中ほどに,先ほども読んでいただいたんですけれども,「このような社会情勢の中,これまで以上に高い実践力を必要とされていることから,各看護系大学においては,在宅領域を含む地域における看護実践に関する教育内容として,早期からの学修,科目内容の充実等を検討することが早急に求められている」ということで,今回,地域・在宅看護論ということが位置付けられたと思うんですけれども,こちらについてちょっと私も認識が十分ではないので,島田看護課長さんに,経緯も教えていただけるとありがたいんですが,資料2の方ですかね。別表三の看護の方の第四条関係の看護の単位数のところを示されたものになりますが,ここで地域・在宅看護論というのは6(4)となってございます。併せて教育できるものについて,このように4単位でも可能ということになっているんですが,これまで保健師,助産師についてはそのような形で括弧の単位数を示して,併せて教授しようとする場合にあっては括弧内の数字によることができるとなっておりまして,それはもちろん私どもは了解しているんですけれども,看護師の中で併せて教育ができるものとして,このように括弧で示されたというところがちょっと今回新たに出てきたことかと思いますので,このことがどういう経過で6(4)という形で括弧の数字が示されたということなのかという経緯をお伺いできればと思います。なぜかというと,この指定規則というのはミニマムなものですので,括弧で示されてしまいますと,もしかすると低きに流れる可能性があります。そういったときに,地域ということをあえて入れて,そのような視点をきちんと教育することが重要だということを社会情勢の中でも踏まえていらっしゃるわけなんですけれども,ここにあえて括弧として4という数字を入れたということの意味合いというところを教えていただければと思います。
【高田座長】 島田課長,お願いいたします。
【島田看護課長】 厚生労働省,島田でございます。
御質問の件につきましてでございますけれども,今回,看護師の別表三に該当するところですが,御指摘のように,在宅看護論が「地域・」ということで教育内容が改正されております。その改正の趣旨としましては,先ほどの資料,報告書の概要のところにもございますし,前回お示しした資料にもございますけれども,今,療養している方々の場が広がっているということですとか,それから,様々な疾患の概念なども変わっているということを考えますと,生活しながら,治療というか,疾病を持ちながら生活するという方々も増えているということを考えますと,その対象者が広がり,それから対象者を看護する場も広がっていくといったことから,「地域・」ということで教育内容を変えるということと,それを強化するということで単位数の増を図るといったことが,私どもの検討会での議論の後に,この改正案ということで示させていただいたところです。改正内容というところの趣旨を考えてみますと,そこは一定程度,従来,保健師の養成課程で学んでいる対象や場といったものと重複するところがあるといったことから,従来の指定規則の規定にもある,併せて教授する場合といったところの考え方から,今回,看護師の課程における地域・在宅看護論のところは2単位減ずるといった形で教授することが妥当ではないかといったことで,こういった案を示させていただいているところでございます。
以上です。
【高田座長】 ということですが,いかがでしょうか。
【岸委員】 ありがとうございます。そうしますと,従来,保健師教育として学んでいるので,ここは,保健師教育も併せて教育しているところは4単位になってもいいということになり,ただ,そういったことは資料2の方の保健師の方の別表一の方で括弧として示されているので十分ではないのかなと思ったんですが,看護師の方にも括弧が付き,すごく単純な発想で申し訳ないんですけれども,保健師の方に括弧が付きというところで少し,違和感を感じたのです。ただ,併せて教育するということが効率的で,保健師教育で学べるものであるということで,2単位看護師の方で減らしてもいいというお考えでなされたということで了解いたしました。ただ,私としては,地域看護と在宅看護というのをやはりきちっと教育してほしいと考えますと,大学教育では,本来は地域看護,在宅看護,私の方では違うものと認識しておりますので,きちっと教育してもらうということでは,ここで2単位減ずるということがあることによって,せっかく地域包括ケアに看護師が非常に大事な役割を担うという時代になっているのに,ここであえて減じるということをすることによって,教育,能力を強化しようとするところが妨げられてしまうことはないかなということを危惧して質問いたしました。
以上です。
【高田座長】 島田課長,どうぞ。
【島田看護課長】 厚労省,島田でございます。
補足で,すみません,説明させていただきますと,資料1の8ページの別表一の改正案の方で保健師の教育内容の方が示されておりまして,そちらの単位数をご覧いただきますと,岸構成員から御指摘ありましたように,括弧の中で数字が示されている部分がございます。こちらも,看護師の課程と併せて教授する場合には,この単位によって教授することが可能という単位数でございますが,こちらにつきましては,改正前,現行もこの教育内容の部分につきまして単位数を減ずることができるといったことになっておりますので,ここの取扱いについては従前のとおりでございますことを改めて御説明させていただきます。
以上です。
【高田座長】 大島委員,どうぞ。
【大島委員】 大島でございます。
今の,全く同じところの解釈のことなんですが,私も何度も読んでみたんですけれども,看護師課程の方を考えていたときには,そこに保健師課程を持っている,例えば大学ですと選択コースとかいろいろございますけれども,その学生に関して言えば4単位でもいいという解釈になりますか。そして,例えの話で言えば,ほかの学生たちに関してはもしかしたら6単位必要ということでしょうか。具体的なイメージが,理解がちょっと十分できなくて,もう少し補足して説明いただきたいんですが。
【杉田看護教育専門官】 厚生労働省というよりも文部科学省の方で,要はどう考えるかという御質問になるかと思ったんですが。委員の皆様が懸念されていますように,看護師のこの別表の中でこれまで括弧という存在がなかったんですが,今ご覧いただいている別表三の11ページの方に行きまして,アンダーラインが引かれております,新たに加わった箇所ということで,三番,「保健師学校養成所のうち第二条第一項に規定する課程を設けるものと併せて指定を受け,かつ,その学生又は生徒に対し一の教育課程によりこの表及び別表一」,要は看護師学校と保健師学校を一緒に大学でもって教授しようとするものにあっては,「括弧内の数字によることができる」というふうに,これまで保健師の別表一と助産師の別表二で,大学においてはこの括弧の方の単位をとってきている大学もございますので,それと同じ解釈が今度,別表三の方でもできてしまうようになっていると読めるかと思います。大学教育においては,この別表三にできた括弧の取扱いをどう考えていくかというのは,法令上はもちろんそのように括弧をとることができるとなるんですが,大学教育においてこれをどう運用,考えるかという御意見をやはりこの検討会から出していただけたらと考えております。
【高田座長】 宮﨑委員,どうぞ。
【宮﨑副座長】 済みません,宮﨑です。
このことのもう一度基本的なことを確認したいんですけれども,この括弧というのはそもそも統合カリキュラムでやっている専門学校に対して作られた括弧であるという理解でよろしかったですか。
【島田看護課長】 厚労省,島田です。
今ご覧いただいております資料の8ページをご覧いただければと思うんですけれども,8ページの別表の下,備考の二をご覧いただきまして,看護師学校養成所のうち何々と規定する課程と併せて指定を受け,かつ,その学生に対し一の教育課程によりこの表及び別表三に掲げる教育内容を併せて教授しようとするものにあっては、となっておりまして,ここの規定と同じ規定ぶりを別表三にも今回追加したというところでございます。従前の別表一の保健師養成課程に係る別表の中で規定されているものにつきましては,看護師学校養成所に対する規定でございますので,ここは厚生労働省が所管しております養成所と,それから文部科学省さんの方で所管しておられる学校,看護学校の方にも係る規定と承知しております。ただ,一方で,運用をどうされているのかというのは,文科省さんの方で御説明された方がいいのかも分からないんですけれども,この規定としてはそういった規定になります。今般新しく規定することとなる別表三の11ページにあります備考の三のところでございますけれども,こちらにつきましても現在の案ですと今までと同じ考え方での規定と考えておりますので,保健師学校養成所,すなわち厚労省所管の養成所,それから文部科学省さんが所管していらっしゃる学校にも係る規定といったものとして置くというのが従前の整理と承知しております。
【宮﨑副座長】 そうすると,大学教育においても,複数の課程を包含して教授している大学においては,この括弧という考え方が法律上は可能である。だけど,それをどう考えるかということでしょうか。
【島田看護課長】 はい。この指定規則としての定めとしては,今までも定めてございましたので,それと並びで別表三に規定を設けることになりますので,指定規則上の意味としては同じになります。
【宮﨑副座長】 そうすると,どう考えるのかということをこちらの検討会でも十分議論した方がよろしいということでしょうかね。
【高田座長】 どうぞ。
【江澤委員代理】 済みません,釜萢委員の代わりで出席させていただいております,日本医師会の江澤と申します。
初めてなので,的外れだったら申し訳ないんですけれども,1つ質問させていただきます。今,5ページの,先ほどから話になっている「在宅領域を含む地域における看護実践に関する教育内容」というフレーズがございますけれども,この中で,今,地域包括ケアシステムは,御存じのように,主役は地域住民で,そして,本質は地域づくり,まちづくりで,今求められているのは,我々医療機関におきましても異業種・異分野連携あるいは地域貢献活動といった視点が重要視されているんですけれども,今回の見直しで,そういった非常に重要であると思われる地域包括ケアシステムの教育というのは十分確保できるんでしょうか。
【高田座長】 島田課長,お願いします。
【島田看護課長】 厚労省,島田です。
先生に御質問いただいた内容につきまして厚労省の検討会の方で議論させていただきましたので,私の方から御説明させていただきますと,御指摘のように,地域包括ケアシステムを推進するということが施策として国を挙げて,様々なお立場の方に御協力いただきながら進めているというところでございまして,こういった方向性については,今,これから教育を受ける看護職員が活躍する10年後ですとか15年後ぐらいを見据えても重要な方向性であろうということを考えますと,やはり保健師,助産師,看護師の卒前教育においてはそういった視点が重要であろうということで,今回,私どもの検討会の初回から,そういった点は多くの構成員の先生方に御指摘いただいておりまして,保健師のみならず,助産師,看護師,准看護師,全ての免許取得前の教育においてそういった視点を重視するといったところで,具体的には教育内容においても,看護師につきましては地域・在宅看護論という形で地域という文言を明示した上で単位数を増加させており,到達目標においてもそういった点を重視したりといったような改正しておりまして,そういったことの学びを深めていただくことで,看護職員が地域でも活躍し,地域包括ケアの中でも活躍できる力を培っていただくことができるのではないかなと考えております。
以上です。
【高田座長】 鎌倉委員,どうぞ。
【鎌倉委員】 JANPUの鎌倉でございます。
先ほどの杉田専門官の御発言で,これから文部科学省の方は先ほどの括弧の数の考え方について検討していくという御発言だったかと思いますが,11ページの三を見ていきますと,どうしても,この2行目ですね。「かつ,その学生又は生徒に対し一の教育課程によりこの表及び別表一に掲げる教育内容を併せて教授しようとするものにあつては」ということを読んでいきますと,例えば40人の学生に看護の課程と,それからもう一つ保健の方の課程と,両方併せているときというふうに読めるんですけれども,先ほどの大島委員からの質問にありましたように,一部の学生に保健師の課程を選択させているというときにも適用されるというような,それを御検討されるという御発言だったかのように思いますので,そのあたり可能なんでしょうか。これを読みますと,難しいかなと思えてしまったんですが。
【杉田看護教育専門官】 ありがとうございます。事務局になります。
ここの備考の三で言っている「一の教育課程」の取扱い,捉え方になりますが,8ページの別表一,従前からある備考の文言,同じ文言があるんですが,備考の二をご覧いただきまして,同じく,「かつ,その学生又は生徒に対し一の教育課程によりこの表及び別表三」,今度,看護師の方ですね。看護師の方と,つまり保健師と看護師を一の教育課程で教授する場合となっているんですが,事実,大学においては,今,新しい数字になっておりますが,現行が別表一は28(25)ですので,大学においても,保健師必修校,選択校によらず,括弧の方の単位をとっている大学はございます。つまり,大学においては,必修校,選択校によらず,この括弧をとって運用していることになります。これまで,その大学,例えば選択校をとっている大学の中で分けて運用するというところはございません。御質問に答えておりますでしょうか。
【鎌倉委員】 ちょっと混乱しております。
【高田座長】 今の御質問の趣旨というのは,一部の学生さんが保健師と看護との両方とっていると。それから,残りの学生さんは看護だけしかやっていない。1つの大学で。そのときに,保健師と看護師と,両方とっているコースの学生さんたちにこの括弧内が適用できるんでしょうかという御質問ですね。
【鎌倉委員】 はい。全体の学生は,看護の課程をとっている学生と,看護と保健師を両方とっている学生がいますので,カリキュラムで設定していくときに必修科目何単位としますけれども,ただし,保健師の方を選択している学生については4単位でいいという形を念頭に置いてやることができるのかと。つまり,大学の中で混乱するかと。
【杉田看護教育専門官】 これまで別表三には括弧が存在しませんでしたので。
【鎌倉委員】 はい,今までは。
【杉田看護教育専門官】 やはり大学においてどう運用するかを決めていかなければいけないと考えておりますので,是非とも御意見を頂ければと思います。
【高田座長】 では,御意見をどうぞ。どうぞ,お願いします。
【岡島委員】 日本看護協会の岡島です。保健師教育については従来も括弧の適用がされてきました。保健師コースを選択する人もしない人も,また保健師教育を併せている学校も併せていない学校も,今回102単位に改訂される看護師養成に必要な教育内容は,大学教育においても養成校においても括弧内の数字ありきではなくしっかりと教育するよう是非取り組んでいただきたいと思います。
【島田看護課長】 厚労省看護課の島田でございます。
こちら,お示しさせていただいております内容につきましては,私どもの看護基礎教育検討会の方で結論を得たものでございまして,前回の,こちらの検討会の方ではこの別表まではまだお示しできる段階ではございませんでしたので,御報告しておりませんけれども,私どもの9月30日の検討会の方では,これについても含め結論を得ているところでございますので,それを御了解の上でこちらの方でも御議論いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
【高田座長】 では,岸委員,どうぞ。
【岸委員】 ありがとうございます。そうすると,既に厚労省の看護基礎検討委員会では,6(4)という,この部分が議論されたということでしょうか。そうだとすると,その中で,今回このように混乱してしまったりとか,なぜ括弧が必要なんだろうかとか,102単位でどの学校もいいのではないかという議論が出ているんですけれども,厚労省の看護基礎検討委員会ではそのような議論は全くなく了解されたということでしょうか。ちょっと議論の課程を教えていただけるとありがたいなと思います。
【島田看護課長】 厚生労働省の島田でございます。
9月30日の検討会で,この資料の8ページ以降,こちらの内容についても含めた上で資料として提示した上で結論を得ているところでございます。
以上です。
【高田座長】 厚生労働省の方の検討会では,ここにある別表一・二・三というような形で一応確定したということでございますね。それをこの文科省の方の検討会ではどういうふうに大学で運用していくのかということを検討してほしいというような今,専門官の方からのお話だったと思いますけれども。どうぞ。
【井村委員】 全国助産師教育協議会の元会長の井村でございます。
今の点に関しまして,第2回会議の議論でも,統合カリキュラムという言葉と統合的なインテグレートされたカリキュラムの言葉の使い分けをしていただきたいと申し上げた件に関係していると思います。指定規則においてこのような改正が行われたということを踏まえて,この会議では, どのように運用して,大学における保健師,助産師,看護師という国家試験が異なっている教育課程の基礎の教育をどのように質保証していくかということがここで議論されるべきという御提案でしたので,それはもっともであると思っております。まず,ここまでが1点目です。
そして,それを踏まえて,ここから2点目の発言させていただきます。例えば7ページの指定規則の解除の是非を検討すべきではないかということも書かれております。一方で,私の立場から発言させていただきたいのは,保健師,助産師,看護師の教育課程が厚生労働省の会議で検討され提示された単位を,同じ科目を重複的に読み込むことなく,しっかりと十全に行っていくことが望ましいと考えているということです。これを意見として提案させていただきたいと思います。
【杉田看護教育専門官】 事務局になります。
今,井村委員から御発言いただいた後半の件につきましてですが,案として示させていただいている資料1の中の4ページのローマ数字のⅢの,平成16年の検討会で示された学士課程における看護学教育の特質ということで前回の検討会で皆様に再確認いただいた1点目に該当することかと考えております。この点については皆様で一緒に確認したと事務局としては捉えてございます。
【井村委員】 ありがとうございます。井村でございます。
今,報告書の話をしているということでよろしいですね。第1の議論としては。
【高田座長】 そうです。
【井村委員】 済みません,言葉が足りませんでした。そのようなことも提示されていることも理解しています。そのうえで,私の提案といたしましては,7ページにあります指定規則の解除の是非を検討すべきではないかという,そちら側の意見も出される一方で,3職種の教育課程において,科目を重複的に読むことはすべきではないという別の意見も出されたということをこの報告書に記載していただきたい,文科省の報告書においても両論併記の方針をとっていただけるとありがたいという,報告書の文言に対する提案でございます。
【杉田看護教育専門官】 今の御発言に対して,是非とも委員の先生方から御意見頂ければと思います。
【高田座長】 宮﨑先生,何かございませんか。上泉先生,どうぞ。
【上泉委員】 これまでの議論におきましても,大学教育においては,それぞれの大学の理念やポリシーに基づいて,内容に基づいてカリキュラムを決めていくというような方向性が話し合われたかと思っております。そのことに基づきますと,また,単位数を増やすということだけではニーズに対応できないんじゃないかという意見もこの検討会で出されましたし,やはり教育方法についてもっと検討すべきといったようなことも出ました。ですので,今回のこの単位数については従来どおり,やはりそれぞれの大学が自分たちの目的,目標あるいはポリシーに基づいた教育内容,それから単位というものを見て決めていくということにすべきではないかと思っています。
【高田座長】 いかがでしょう。また議論が。はい,どうぞ。
【井村委員】 発言したいのですけれども,ほかの方の発言の機会を奪うといけませんので,後ほど発言させていただきます。
【高田座長】 このあたり,いかがでしょうか。前も論議したかなと思いますけれども。
【宮﨑副座長】 よろしいですか。宮﨑です。
やはり今日の資料の4ページの,先ほど杉田専門官が述べられた,この4ページの中ほどの①のところですね。保助看に共通した看護学の基礎,ここを教授する課程だというところをやはり踏み込んで考える必要があるように私は思います。それぞれの課程で専門性が高いところは固有性を持って教えなければならないところもあるけれども,やはり保助看に共通した看護学の基礎というところをしっかりと認識して,そういうところをカリキュラムの中に位置付けて教授していくという,そのことを踏み込んだ形で今回明文化するなり位置付けるなり,ちょっとうまい表現はまだ見つかりませんけれども,何かそのようなことが私は必要なのではないかと思っております。
【高田座長】 御議論たくさんございますけれども。
【井村委員】 ほかの方の御意見はいかがでしょう。
【高田座長】 ほか,いかがでしょうか。
【井村委員】 もしなければ。
【大島委員】 ちょっと,じゃ。
【高田座長】 大島委員。
【大島委員】 済みません,大島ですが,1つずつで申し訳ないのですけれども,先ほどの括弧の話のところを1回決着をお願いしたいのです。前回の第3回のときに,厚労省から頂いた段階においては括弧というのはなかったので,その内容で議論をここで重ねて,そして進んだと記憶しております。今回,括弧が付いた,その内容になったときに,先ほど来出ているように,運用上,果たして本当にいろいろなことが可能なのかというような疑問は残ります。それで,今回,一次報告書の中の5ページのところを,もうちょっと強調した方がいいのですけれども,5ページの真ん中辺のところの,先ほど出てきた地域の必要性,そして早期からの学修,科目内容の充実等を検討することが早急に求められるという,このことが先ほど言っていた,6単位を確実にやっていけるような,そういう内容の充実と読めるとも期待しまして,そのことではここに触れられている。つまり,括弧の4というのは,先日の3回の会議のときから、もし出ていればもっと大きな議論になったのかもしれないと思っています。今回これを見た上で,私はそのことを,強調というか,ちゃんと言っていると理解はしました。ただ,これが本当に具体的に伝わっていくかということにおいては,何らかの方策を立てないと,やはり括弧と6とあった場合,今の(4)でやっている大学が多かった場合,その括弧を取り外さない4のままやっていく可能性もあるのかと懸念はいたしています。でも,この内容が踏み込まれていれば方針としてはよいと思いました。
以上です。
【高田座長】 4単位となっているんだけれども,これは最低限なので,もうちょっとやった方がいい,そういうことですか。
【大島委員】 できれば6。だから,6でいきたいのだということを。
【高田座長】 大学としては。
【大島委員】 だから,本当はもっと,6とかと,でも,出すわけにはいかないと思うので,それが強調して読めるという形にしたい。この感じだけですと,もう少し具体的な何かアプローチがないと,それが本当にいくだろうかと,そういう懸念はあります。
【高田座長】 では,どうぞ。
【井村委員】 済みません。井村でございます。
その点に関しては,私が3つの専門職種の教育課程を読み替えせずに,科目を重複的に読むことなしに十全に行うべきだという議論と恐らくある部分一致しているのだと思います。つまり,今回の厚労省,文科省の合同省令として出される単位数が,看護が102単位ということが出され,しかし,(100)となった。どちらを教育として行っていくのかといったら,やはり102で行っていこうということをこの会議で全国に向けて発出するぐらいの腹のくくり方といいますか,覚悟はやはりあってしかるべきだと思います。何のために今まで厚労省の会議で約2年間を掛けて検討してきたのか,それはやはり教育の質向上とそれを担保することを目指したということです。もちろんインテグレーテッドされた,工夫したカリキュラムの構成は大切です。しかし,あえて量として102単位という量を出した。量は質を変容させるということもございますので,やはり看護は102単位,保健師は31単位,助産師は31単位の教育をしっかりと行っていくということを推奨したいと全助協としても考えておりますことは再三申し上げました。ですから,それをやはりこの会議においても,方向性として出していただきたいとは考えております。しかし,他方,先ほど申し上げたように,指定規則の解除,そもそも大学は自校教育の独自性において行うべきものだ,これも私は賛成でございますけれども,指定規則解除という大きな課題が記載されるのであれば,一方でそれぞれの改定,本当に各委員が厚労省においても文科省においても相当な知恵と労力を出し,絞って作り上げた31単位,31単位,102単位というのはやはり大切に考えなければいけないと思いますので,両論併記ということで,それぞれの教育課程においては,出された教育単位はしっかりと行っていくという意見も出されたことはきっちりと残していただきたいと考えております。
済みません,長くなりました。
【高田座長】 ほか,いかがでしょうか。秋山委員,どうぞ。
【秋山委員】 秋山です。
議論の的の地域・在宅分野の臨地実習を引き受けるといった立場です。この別表三の括弧付けなんですが,11ページ目の括弧のことは,保健師学校養成所のところだけしか,ただし書きがないですね。私の捉え方は,成人でも老年でも小児でも母性でも精神でも,在宅で療養している人のところに看護は出るわけです。そういう意味では,そこも含めて,これから臨地実習の今までの規定を少し幅を広げて変えていくという文言が9月30日の厚労省の検討会のときには出されています。そのことも含めて,少し少なくなっても,またがったところは一緒に学んでいけるのではないのかなと,良い風にちょっと解釈した形です。この括弧付けの意味は,保健師学校,保健師の養成のみに限局した括弧だったのかどうかがちょっと良くわかりません。第3回目は欠席させて頂いた立場なので、解釈不足かもしれませんが。

【大島委員】 第3回は括弧はなかったんです。
【秋山委員】 括弧はなかった。
【大島委員】 なかった,もともと。
【秋山委員】 そうなんですね。
【井村委員】 そこは言語化されて今まで語られていないので。
【大島委員】 今日,初めて出てきて。
【秋山委員】 現場では入院期間は非常に短くなり、,本当に多岐にわたる方のところの在宅療養者に看護実践が行われていますし,そして予防的な活動ももう始まっている。特にそれは地域包括ケアの中で,より健康な,健康寿命を延伸するというところにも在宅,地域の看護を充てていくと。そういうことが本当にもう今進められていまして,実践の場でも取り組んでいるという現状があるので,そういうことを踏まえて,少し整理された中で,短い時間だけれども,演習等,実地の実習等も含めて工夫がなされる必要もあるんじゃないのかなとは思います。現場としての感覚ですけれども,感じましたので発言させていただきました。
【高田座長】 ありがとうございました。大学は4年間で124単位という大きな枠もございますし,その中にどう入れ込んでいくかというところが腕の見せどころみたいなところがあるかなと思いますけれども,ほかに御意見はございますでしょうか。大分時間もたってきたんですが。この報告書自体は,最初申し上げたように,厚労省の方では指定規則の別表といいますか,こちらの方はもう報告書が近々に出るわけですよね。そうしますと,皆さん,どうしようかということで,大学の関係者の方も非常にお困りになると思います。できれば早目に私どもも報告書を出したいなと思っているんですけれども。
柳田委員。
【柳田委員】 柳田でございます。
済みません。いろいろな御意見を頂いて,やはり一番皆さん気にされているのは,この看護のところ,別表三で出てきた6(4)というところで,ここの取扱いが非常に難しくて,ただ,今までの話を伺うと,これ自体はもうほぼ確定したものであって,それは揺らがない。ここからなんですが,テクニカルにというか,この検討会で許されるのはどこまでかということなんです。先ほどからいろいろな委員の方が,どこまで踏み込んでこれを言えるのか。多くの先生は,やはりこれは6であるべきだと。つまり,括弧はあるけれども,102でいくべきだという御意見がほぼ,そこは共通しているかと思うんですけれども,それはこの検討会としてそれぐらい踏み込んで言ってもいいという理解なんでしょうか。それとも,やはりそれはちょっと言い過ぎであるので,大学で判断すべきという理解でしょうか。どちらなのか,ちょっと回答しにくいところかもしれませんが,よろしくお願いいたします。
【高田座長】 それは法令上は……。
【柳田委員】 法令は,あくまで法令。
【高田座長】 指定規則はあくまで法令なので,それをいかにうまく生かして,すぐれた人材を養成するかというところが大学の腕の見せどころであると。それに対して,検討会としての立場としては,例えばこれ,どうですかね。指定規則を超えて,必ずこれをやりなさいというところまではちょっと言えないのかなとは思いますけれども。
【柳田委員】 ある種の提言といいますか。
【高田座長】 ただ,こちらの方がいいでしょうとか,質を高めるためにはここまでやった方がいいでしょうとかというようなことは当然言えるかと思いますけれども。前の論議でもあったと思いますけれども,指定規則はあくまでもミニマムであると。大学はそのミニマムで終わるんじゃなくて,さらに,それぞれの大学の設置の理念から始まって,それこそ3つのポリシーもございますので,それに従ってカリキュラムを作るのが腕の見せどころなんだよというような,そういう論議もたしかあったかなと思いますけれども,それが,今回の報告書もそういう形でたしか整理してあったかなと思いますけれども。
【柳田委員】 ありがとうございます。
【杉田看護教育専門官】 事務局からになります。
委員の皆様も御存じのように,大学において教育課程を編成する上で,設置基準上,自ら教育課程を編成するという条文がありますので,やはり,大学のお考えになるかと思うんです。にしても,その前提に立ちながら,やはり文科省としては,よくストーリー性という言葉を使いますが,養成する人材像を,大学の外からのニーズと,そして大学のそれまでの強みを生かしながら,どういう人材を養成するかという養成する人材像を明確にして,それに到達するように3ポリシーを策定し公表していただきたいと,それをメインストーリーと言っていますが,そのメインストーリーに沿って,例えばですけれども,看護師の100という申請が出てきた場合,そこにやはりストーリー性がしっかりあり,100単位というのが矛盾がなく展開されていれば,自ら,教育課程を編成し,そして法令上には触れませんので,そこには何も矛盾はないと思うんです。なので,その前提に立ちつつ,でも,この検討会としてはやはりミニマム,だからこそ102にしていきたいというふうには,もちろん文書の方は作ることはできます。文書の方を作って,先ほど座長からも言っていただきましたように,できるだけ早くに発出したいと考えておりますので,委員の皆様から御意見を頂ければと考えております。
【高田座長】 どうしてもという方は。では,上泉委員から。
【上泉委員】 今のことは102単位にするということですか。
【杉田看護教育専門官】 いえいえ。
【上泉委員】 じゃない。違いますよね。
【杉田看護教育専門官】 大前提はあくまでも,大学自らが教育課程を編成するのが大前提です。なので,102単位を設定するところももちろんあるし,100単位を設定するところもあると捉えています。
【上泉委員】 もう一度,大学は124単位ですので,やはり重複して,内容によって単位数を見ていくということは,これは継続すべきだと思っています。
【高田座長】 では,どうぞ。
【井村委員】 第1の議案が報告書の作成でございますので,文言のことと簡単な内容に関する意見でございます。
「はじめに」ということで社会情勢について書いてくださっています。「少子高齢化の進展による」という1ページ目,そして5ページ目にもほぼ同様の文言が。2ページにもそれが,ほぼその文言があり,5ページにもあります。少子高齢化の進展と人口構造の変化,そして,老人のことばかりでなく,女性の社会進出であるとか,女性とか子育て世代のことにも言及してくださって大変ありがたいと思っています。そのときにキーワードとして,地域包括ケアというと高齢者のことだけ言っているように誤解されたりすることも懸念いたしました。ですので,子育て包括支援も含まれるように,例えばキーワードとして,「全世代型」であるとか,あとは,医療モデルだけではない,「生活モデル」であるとか「生活者の視点」などの言葉があると,どのような社会背景,現状認識かということがもう少し深まると思いました。「全世代型」であるとか,「生活モデル」とか「生活者の視点」であるとか,「多職種連携」とか「協働」という文言を入れてはいかがでしょうか。ちょうど厚労省の会議でも相当議論されたあたりのキーワードがこちらにも時代認識として書かれているとよいと思いました。
そして,済みません,飛んで4ページなのですけれども,今回の文科省における今までの議論の中では,具体的な議論の論点にはそれほどならなかったと私自身は認識しているのですけれども,4ページの学士課程における看護教育の特質の5点というのは,これは16年のものを基にしてお書きくださっていると思います。「学士力を高める」という言葉がこの報告書に入っていることが,4年制大学,つまり文科省において出す報告書にとっては重要ではないかなと考えましたので,「学士力」という言葉も含めていただけたらよろしいと考えました。
以上です。
【高田座長】 ありがとうございました。
まだまだこれ,お気付きの点あるかと思いますけれども,どうですか。平野委員。
【平野委員】 医師会の先生の方からも出されていましたが、私もやはり学士として看護師免許を持つということは,どういう力を持って卒業できるのかが出され、それに関することが議論されたと思います。例えば秋山委員は,習ったことができるだけではなくて,新たなことに出会っても探求していける,新たに自ら探求するというようなことを話されました。学士と言うならばこれということが幾つか出ていたと思うので,そこを是非追加していただきたいと思います。
【高田座長】 ありがとうございました。
どうぞ,では。手短に。
【上泉委員】 済みません,遅れて来て。
「はじめに」の部分ですけれども,看護系人材の必要性については触れられておりますけれども,是非,大学における学士教育の必要性ということでここに記述していただきたいと思っております。それがやはり後々につながってくるのではないだろうかと思っております。
【高田座長】 ありがとうございました。
では,どうぞ,柳田委員。
【柳田委員】 申し訳ありません。柳田でございます。
これは報告書に書いていただくというのは非常に難しい内容ですので,問題点を少しだけ共有していただけたらということでお話しさせていただきます。専門基礎のところで,例えば資料1,参考資料の資料1にしても,臨床判断能力や倫理的判断等に必要な基礎的能力の強化のためということで,こういうことが必ず書かれて,単位数も増えると。ですが,実際にここの教育を担当しているのは,実はかなりのところで(看護学科以外に)アウトソーシングされているところが多いと。アウトソーシングされているところで単位が増えて,更に質的に高めてくださいというのは,なかなか,ほかの医歯薬看護の中で医歯薬にはなく,看護だけに非常に特徴的なところだと思いますので,これ,安易にこれをお願いしますというのは非常に他の領域に負担を掛けるものだと感じています。というのは,医学部は82大学ですけれども,看護は283,現時点でですね。非常に大きな数のものをほかに依頼しているということを踏まえて,やはりこれは連携・協力を求めるというよりも,看護から連携・協力に進んで行くということをしていかないと達成できないんじゃないかと思いますので,もし可能ならば何らかの御配慮が頂けたらと思います。
【高田座長】 大変大きな課題かなと思いますけれども,ありがとうございました。
これをまとめるに当たって,やはり今出た御意見を伺うと,「大学」という言葉を,大学における看護系人材の養成に関する検討会でございますので,そこのところを大きく出していくというような御意見が多かったかなと思います。それで,大学はやはりそれぞれの大学の個性といいますか,設置のそもそもの趣旨から始まりまして,理念から始まって,何のために大学を作ったかというところがあります。それに併せて,今回別表がございますけれども,それを取り込む形で,ミニマムとして,いかに高いレベルの人材を養成するかと,それが期待されるというような形でこの報告書を最終的にはまとめる形になるかなと思いますけれども,そんなことでいかがでしょうか。細かなといいますか,個々の表現とか文案等につきましては,少し今頂いた御意見を取り込みまして,また案を作った上で委員の先生方にお諮りするということで,できるだけ早くこれを出したいと思いますけれども,そういう方向でよろしいでしょうか。
ありがとうございます。時間が大分たってしまったんですけれども,次の,今度は実習ガイドラインに関する議事に移りたいと思っております。事務局,これ,よろしいですかね,今の件に関しては。報告書に関しては,そういう形でやりますか。
【杉田看護教育専門官】 はい。今,座長から御照会,確認していただいたとおりで進めさせていただければと思っております。
【高田座長】 よろしくお願いします。
次の議事の実習ガイドラインに関する件に移りたいと思っております。資料2でございますけれども,事務局の方から説明をお願いします。
【杉田看護教育専門官】 では,お手元の資料2をご覧になってください。
資料2では,大学における看護系人材養成に関する実習ガイドラインについてということで,前回の検討会で確認いただいた点になります。位置付け2点,コンセプト5点について確認いただきました。今から鎌倉委員より,委員会で作っておられる看護学実習ガイドラインについて御紹介いただきますが,前回のこの検討会で確認した点の視点からどうかということで是非とも御意見を頂ければと考えております。よろしくお願いいたします。
【高田座長】 それでは,資料2の参考資料というところを基にして,鎌倉委員の方からお願いいたします。
【鎌倉委員】 資料2の参考資料の表紙をご覧ください。そちらに書いてありますのは,このガイドラインの目次でございます。見ていただければ分かるように,かなり大枠でくくっております。看護学臨地実習総論,倫理的手続,臨地実習前の調整,指導体制,実習における安全管理,臨地実習における事故発生時の対応,指導方法,評価方法,あとは資料となっております。
1枚めくっていただきますと,看護学臨地実習総論になります。こちらにつきましては,コア・カリキュラムに付随するものとして,各大学のカリキュラムに位置付けられるということを1)に明記いたしました。そして,各大学のカリキュラムが,看護師課程,そして保健師教育課程,助産師教育課程,全てに通用するということが言われておりますので,ここで括弧として,この課程を含むという形で位置付けられるということを明記いたしました。
そして,(2)番としまして,ここでは,日本看護系大学協議会の方で調査研究を実施しておりまして,その調査研究の結論として基準に基づくとしました。その基準の方は付録として付いておりますので,今のつづりの中の最後2枚を見ていただきますと,看護系大学学士課程の臨地実習の基準,これがこれまでの調査研究の結論でございます。
そして,3番目としまして,カリキュラムの一環であって,具体的な方法論は各大学の決定に委ねられるということを明記し,そして,考え方としては,コア・カリキュラムと同じように,参照基準としての位置付けであるとさせていただいております。
そして,(4)のところで,大学だけではなくて,臨地実習の場面においてもということを書きまして,当該病院・施設が提供する看護ケアの質を維持,さらには,実習を受けることによって,相互作用によって質が向上することが望ましいと書かせていただき,(5)番のところで,両者,実習指導者,そして管理者,そちらにも通用するという,大学,学生,実習指導の指導者その者と管理者,そこに資する位置付けという形で,大前提をこの目的のところで書かせていただいております。
その次の,策定の目的の次の2)の臨地実習の目的につきましては,モデルコアカリの文章と齟齬があってはいけないと思いまして,モデルコアカリの文章を一部引用しながらここには書いております。
そして,(2)のところで,大学は,アドミッション・ポリシー,カリキュラム・ポリシー,ディプロマ・ポリシー,この3Pとの関係で位置付けなければいけないということをここに書いておりまして,そして,今申し上げた看護系大学学士課程の臨地実習の基準,それに基づいていくということと,ここでは基準1,2を参照するという,関連したところをここに書いてございます。
そして,3)は学生・大学・実習施設の役割としまして,大きなところでざっと書いています。
(1)では,どういう内容か。臨地実習は,学修する学生,学生を教育する大学における教育環境及び実習場における教育環境から構成されると書きまして,そして,環境とは,人,組織,物品,予算等の全てを含むということで,大学,学生,臨地実習の大枠をここに書いてございます。
そして,倫理のところでは,基準2に該当いたします。そこの中では,臨地実習における説明と同意,そして個人情報の保護,臨地実習で実施することができる看護技術,そこまでを書いてございます。こちらについては,今までに言われている内容,報告されている内容を活用いたしまして,そして,今実際に行われている,本当に基準となるようなところ,3つの教育課程に共通するということが大前提になりますので,そこで齟齬がないような形で,共通するような内容を記しております。
そして,臨地実習前の調整。
ここでは実習施設の要件についてどこまで踏み込むかということはありましたけれども,各大学が設定する臨地実習目標を到達することができる条件を満たした施設であること。臨地実習目標を満たすために必要な臨地実習指導者が存在すること。この2件だけにして,ほかの細かなところは省いております。
大学と実習施設との事前調整。これも事前に調整するということと,それから,臨地実習を引き受ける施設の方は,学生が学修目標を達成できるように参画できる機会を提供しという役割をここでは書いております。
そして,その次が指導体制になりますが,指導体制については,先ほどの基準でいきますと基準3に該当いたします。
そして,ここの中では,臨地実習指導体制の原則と,それから大学に対する指針と,それからもう一つは実習施設に対する指針という形で大きく分けまして,そして,原則の中では2項目書いてございます。指導体制,そしてあと「大学と実習施設の臨地実習に関する責任者は」ということで2項目書き,そして,大学側としては一体何をしていただくのかということで,原則的なことのみ書いています。看護教員は大学に勤務することで,臨床から離れる,実践から離れるということが多いので,実践力を維持・向上する努力,大学はその機会を提供しなければならない。特に,臨地実習指導を行う教員の指導能力の育成が重要である。ここでは,大学での役割,教育の役割を書きまして,そして,(2)番につきましては,事前打ち合わせを調整する役割,そこの中では一体何を調整するのかということを①②③④⑤⑥という形で記してございます。
3番目は,学生が学修成果を上げることができるように,実習環境を整える責務ということで具体的に書いております。
そして,実習施設に対する指針としては,細かく書いておりますが,ここの中ではやはり実習施設の調整をしてほしいということがかなり大きく出てきまして,少し細かいかなと思いつつ,4ページの(5)のところ,下から2番目になりますが,「実習施設は,学生が学修するために必要な備品について」ということで,「学生用更衣室と休憩室,カンファレンスルーム,実習記録等の保管場所を準備することが望ましい」というレベルで書かせていただきました。
そのほか,実習施設にこれだけのことはということの意見が出ておりましたので,上から読んでいきますと,「実習施設が大学との事前調整において」,これは同じようなことが書いてあります。
(2)のところでは,法令が定める要件を維持するということと,それから実践を基本とする質の高い実習指導を提供するために,実習指導者,物品,設備等の環境整備のことが書いてあります。
そして,その次には,キャリア開発の規定に基づき,学生を担当できる看護職者を実習指導者として選定することと,それから,少なくとも連続する5日間は同一人物が担当できる体制が望ましい。これも,ここまではお願いしたいというような意見が出ておりまして,このように書かせていただきました。
あと、実習における安全管理としましては,今現状で求められるような内容の,保険の加入,それから免疫獲得状況と感染の有無の把握,ワクチンの接種,そしてその具体的なものが書いてございます。最低限という形で書かせていただいています。感染症発症時の対応,そして実習中の感染予防対策。
そして,その次には臨地実習における事故発生時の対応として,大学でのマニュアルの整備と,それから,実習中の「インシデント」「アクシデント」への対応について書かせていただいています。
そして,7番目の指導方法(基準2)につきましては,指導方法の原則として大まかなことを書かせていただき,そして,大学に対する指針,実習施設に対する指針として示させていただきました。
皆様方はかなり読み込んできてくださっているというお話でしたので,概略だけをざっと説明させていただきましたが,あとは御質問を受けるという形でお願いいたします。
【上泉委員】 評価方法。
【鎌倉委員】 失礼いたしました。最後に,抜けておりました。最後のページ,8ページでございます。評価方法につきましては基準4でございます。基準4に基づいていますが,実習到達目標に基づく評価。大学の方は責任持って評価していくわけですけれども,3Pの一貫性を持って,実習科目の到達目標と,その実習評価項目と基準を設定することと,そして,実習指導者の意見を十分に聴取して,大学教員が最終評価を決定する。
そして,2)番として,実習評価項目を設定する際の外部基準として,モデル・コア・カリキュラムとともに,それから,看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標などの外部基準を積極的に活用して,各大学で作成していただくということを記しました。
あと,9は資料でございます。
以上が概略ということになりますが,よろしくお願いいたします。
【高田座長】 鎌倉委員,ありがとうございました。
かなり大部にわたっておりますので,これからこの案に対する御質問とか御意見を頂きたいと思いますけれども,まず全体に関することと,それから1の総論というところがございますが,この辺についてまず伺って,それから順次,時間が余りないんですけれども,少しブロック分けして論議を深めていきたいと思いますが,最初,1のところ,いかがでしょうか。全体に関する総論的なところですけれども。どうぞ,大島委員。
【大島委員】 大島です。
理解するために,全体のことで,これを作っている,構造なんですが,1つはJANPUが調査された基準がありますね,後ろに付いている。それが,縦軸か横軸か分からないけれども,どこかに組み込まれている。それともう一つは,今度はコアコンピテンシーの出された骨格がありますね。
【上泉委員】 コアカリ。
【鎌倉委員】 コアカリ。
【大島委員】 ごめんなさい。失礼しました。コアカリの骨格がありますね。それが,マトリックスじゃないんですけれども,何か構造化された形になって,このガイドラインの目次を拝見すると,目次はそれなりに必要なものがちゃんと並べられているなと思っているんですけれども,その裏付けというか,出てきている内容の評価基準を設定した考え方と,それからコア・カリキュラムの枠組みと,どんな構造になってこれが出てきているのか,読む側になると,ところどころに今度は基準幾つとかというのが記されたりしているので,その構成要素,構成の仕方,それから,基準の方で見ていきますと,相当細かな基準のレベルを定めているものと,基準の方も大きさがいろいろみたいに見えるんです。これは今回出されているのは全くその基準に沿ってではなくオリジナルなものなのか,全体の構造図みたいなのを少し教えていただきたいんですが。
【高田座長】 鎌倉委員,お願いします。
【鎌倉委員】 御質問ありがとうございます。鎌倉でございます。
先ほど説明させていただいたモデル・コア・カリキュラム,モデルコアカリの方の,ここにも書きましたように,Fに臨地実習という項目がございます。この臨地実習に付随するということになりますので,ここの目的,目標に沿った形で作成するというのが1つでございます。そして,内容としては,(2)番で書きましたように,これまでの臨地実習の基準,この基準というのは,臨地実習で何が必要なのかということを基準としてまとめられていますので,これが全体に含まれるということを前提に考えました。
そして,もう一つは,先ほどの資料2にありますように,位置付けとコンセプトという形で,このような形で策定いたしましたので,基準をそのままここに反映させているというわけではなくて,モデルコアカリに従って,それに基づいて実際に行うときの,特に保健師,助産師,看護師に共通するものとするというのが大きく謳われておりますので,これに合致するような形で考えたというのが現状でございます。
そして,先ほどから基準がところどころ出てきますが,またタイトルのところに基準1とか書いてございますが,最終的にはこの基準はタイトルには書く予定はございません。今,論議するに当たって,そこと相当していますよということを分かりやすくするために,メモ的にですが,ここには書かせていただいております。最終的にはこの基準1とか基準2というのは削除する予定でおります。
【大島委員】 済みません,大島です。
モデルコアカリの中の一番最初に,臨地実習における学修というのは,例えば人材として,資質・能力のところに,目的に①から例えば⑨とかとございますけれども,こういう内容が一番最初に,そうすると,どの辺に該当しているのかというのは,これはどこかにいろいろちりばめられていますよというようなこととか,それから,あるいは臨地実習における学修の在り方とか特徴とか,その枠組みが大分違うものがどのような筋道になって生かされているのかというのが一見しただけでは分からないので,そのあたりは何か,コンピューター化じゃないですけれど,1の1,1の2,こっちはここ,これに入っているとか,そういう図でもいいですが,この目次立てで見ていくと,それはストーリーとして分かるんです。ただ,そことドッキングしていると言われるので,じゃ,これはどのような形で組み込まれているんだろうというのが私には理解ができないのです。
【高田座長】 大島委員が今御指摘になったのは,資料2というのを見ていただきますと,そこに位置付けとなっていて,看護のコアカリに付随するものとしという,そこのところが関係がどうなのかと,そういう御質問ですかね。
【大島委員】 はい。そうです。それと,コアカリと,それからJANPUが……。 追加で,済みません。コアカリの骨子と,それから先ほどJANPUがもともと調査されていた内容をうまく組み込まれているんだと思うのですが,その組み込まれ方の全体が分かりたい。そうすると,先ほどの,これがこれに,コンセプト,一番最初の目的が分かるんじゃないかと思ったので。済みません,そういうことです。
【杉田看護教育専門官】 事務局からよろしいでしょうか。
【高田座長】 はい,どうぞ。
【杉田看護教育専門官】 このコアカリ自体の御説明をさせていただきますと,学修目標を列挙しているのがコアカリで,Fの臨地実習のところでももちろん学修目標が列挙されているので,今お作りいただいているこの内容がなされていくと,この内容の下に各大学において各シラバスが立てられて,その中に実際にこの学修目標,コアカリでお示ししている学修目標を参考にしながら,かつオリジナルな学修目標が立っていって,コアカリの到達する狙いというところに行くと捉えてございます。この中に,どれと対比していくというのを細かく示すということはお願いしていないところになるんですが。
【鎌倉委員】 いいですか。鎌倉でございます。
お手元の資料の参考7がございまして,参考7の48ページ,49ページ,そちらの方に,50ページまでですね。臨地実習という項がございます。参考7の48ページ,49ページ,50ページでございます。そちらを見ていただきますとお分かりいただけるように,これは学修目標で,内容になっておりますので,この内容に関しては各大学が設定していただくときに参照していただく。そして,あと,例えば安全なケア環境の整備だとか,チームの一員としてのケア参画だとか,そういったことの項目が書いてございますので,そのあたりは基準と照合させながら,それを中に入れるような形で工夫したというのが現状でございます。
【高田座長】 ほかにいかがでしょうか。それでは,よろしいですか。どうぞ。
【井村委員】 御説明ありがとうございました。私も文科省から出すものとしてモデルコアカリと実習のガイドラインがひも付けされ,整合性があるものになるとよいと思いながら拝見いたしておりました。先ほど大島委員が御指摘なさった点はとても重要と考えました。それで,これからの進め方ですが,こちらが親会議になって,JANPUさんの方の委員会で様々御検討くださるとも聞いておりますので,もし可能であれば,せっかく出されたモデルコアカリの文言などを活用した表記になるとよろしいと思いました。各論としては,指導方法のところが比較的,学生の学修の内容に近しい項目,内容が列挙されていると読み取らせていただきました。指導方法,これは教員の側の立ち位置からの言葉になっておりますが,学生としてどのような学修が臨地実習において行われるのかということと,この臨地実習における学修というF-1に書かれている内容が,言葉も可能な限り同様の言葉を用いながら,ひも付けしたような内容がそこに書かれると整合性が出てくるのではないかと思っておりました。そのあたりを含めて御検討いただけるとありがたいと考えました。
そして,教員が指導するというあたりの表記については,技術を披露するなど,様々,非常に細かい記載になっています。大変御苦労されて細かく検討なさったことの片りんを伺い知るわけですが,このあたりも学修を促す教員の関わりという点から整合性を持たせながら,学生の学修と教員の関わりという両サイドからの立ち位置で少し内容と表現を整理していただくとすっきりしたガイドラインになると思いました。僣越ながら今拝見いたして気づいたことです。御検討いただけるとありがたいと思いました。
【高田座長】 ありがとうございました。
では,どうぞ,岡島委員。
【岡島委員】 岡島です。
今回のガイドラインの案を拝見してまず感じたこととして,実習に入る前の準備や手続き,実習体制について非常に詳細にまとめていただいていると思います。資料2に示されている,実習ガイドラインの位置付けとコンセプトは前回皆さんで確認し了承したものです。これに照らしますと,まずコアカリに付随するものということで,各学校が分かりやすく,また国民が見ても分かりやすく,そして,関連する職種や教員,実習施設も分かりやすいものとなることが望ましいと思います。その点から考えると,特に7番の指導方法のところがもう少し具体的であった方がいいのかなと感じます。例えば,学修内容一つ一つについて,コアカリの目標に対して全部を記載するのは難しいとは思うのですけれども,目標達成に向けてどのような実習を行うのか,評価,記録,指導はどのような方法でやることが望ましいかなどがもう少し記載されても良いのかなと思いました。
もう1点は,厚労省の検討会、それからワーキングでも,教育内容の工夫や演習が能力獲得に効果的だという議論が随分ありましたので、事前の学習と演習と臨地実習がどのように連動しているかということも実習受入施設側が分かりやすい解説があると良いのではないかと思いました。
最後に,医療系専門職のガイドラインを何点か拾って見ましたけれども,もう少し,実習場所で何をするかということが具体的に書いてあったので,この検討会で作るガイドラインはどこを目指すのかということを一旦確認した方が良いのではないかと思いました。
以上でございます。
【高田座長】 鎌倉委員,何かございますか。
ほかの方でも,また御意見あれば。どうぞ。
【宮﨑副座長】 案の提示,ありがとうございました。拝見しての印象としては,非常に詳細にといいますか,具体的な手続のところ,踏み込んで書いていただいているという印象です。ですけど,私の勝手ながらのイメージというのは,もう少し大学としての臨地実習とは何かというあたりで,この総論のところをぐっと膨らませていただけるといいのかなと。特に先ほどの検討会の一次報告書の4ページにあった,大学における看護学教育の在り方というところに,またそことの関係を見てみますと,この④のところですね。人間関係の形成過程を伴う体験学習という,非常に対人的な関係性の中で知識や技術を適用していくんだという,中核に人間関係の形成という,そういう体験が伴うというところですよね。そういう学士課程における実習の大きなコンセプトというのがあって,その中で教員と,それから臨地がどう役割をとるのかということで,臨地の方に関しては役割モデルとなるということが7ページの方に書いてあって,私はこれは言葉としては納得です。ですけど,大学教員の役割というのが,細かな具体的なことは出ているんだけれども,明確に記載されていないように思います。大学の教員というのは,具体的にそこの臨地で体験したことをもう一度その理念ですとか,基本的な考え方に引き寄せて,概念的に理解させると,そういうところに落とし込んでいくというのが教員として重要な役割であると思うんです。ですから,臨地の方の役割と,大学教員としての役割ということをもう少し強調されていいのかなと思いました。
まずの印象で済みませんが,以上です。
【高田座長】 では,現場の方からどうぞ。
【小見山委員】 ありがとうございます。小見山です。
今,総論のところで……。
【高田座長】 もう時間がございませんので,全体のことで結構ですので。
【小見山委員】 済みません。では,2ページの学生・大学・実習施設の役割というところで1点お伝えしたいと思います。ここを見ますと,③と④に,学生は実習科目の学修目標に到達するように努力する,臨地実習を引き受ける施設は学修目標を達成できるように何々するとあるんですけれども,大学が臨地実習において,学生が学修目標を到達できるように何をするということが書かれていません。この点が加えられると,7番のところにあったような指導方法などとつながるのではないかなと思いました。臨床の場におりますと,教員の先生方がやはり学生の看護の知識,技術の統合ですとか実践への適用の観点から学生を指導していると思いますので,そのような立場から学生を指導するとともに,実習全体をマネジメントするという観点を入れていただくと,これらに書かれているものが役割として網羅されるのではないかと思いました。
以上です。済みません,お時間頂いて。
【高田座長】 先ほど申し上げましたけれども,時間が大分なくなってきましたので,最初,総論について御意見ということで承っていたんですけれども,全体についてでも結構でございますので,何かお気付きの点があれば,今日,意見をたくさん出していただければと思います。どうぞ。
【江澤委員代理】 実習施設の立場から幾つか御質問と御意見を述べたいと思います。
まず,細かいことで恐縮ですけれども,2ページの倫理的手続の2)の(2)の最後のところに,文書について,保管期間終了後に破棄するとありますけれども,今,一般的に医療機関では保管期間を越えて,ほぼ永久的に診療録は保存しているんですが,それについてまず御質問として伺いたいと思います。
続きまして,4ページの3)の(1)の実習指導者と大学教員が持つ責任の範囲ということで,要は,大変たくさん書いてあってありがたいんですけれども,いずれにせよ,十分な事前調整をよろしくお願いしたいと思います。
それから,その下の(5)のところに,学生用更衣室と休憩室とあるんですけれども,医療機関もいろいろ規模がございまして,これが職員の更衣室と併用でもいいのかどうか,必ずしも学生用更衣室,専用が必要なのかどうかについてまた御検討いただければと思います。
続きまして,5ページの5番の2),(1)ですけれども,これは大学側でされるものだと思いますけれども,実際にこれが全て要るのかどうか。①のところですと,B型肝炎は抗原となっていますけれども,多分抗原及び抗体なのかということと,クオンティフェロンも,これは陽転化することが感染の疑いということになるので,実際にこういったものが必要かどうか,また検討していただければと思いますし,あと,もちろん検査結果については実習施設の方では開示していただけるとありがたいと思っています。
それから,その下の3)の感染症発症時の対応については,恐らく多くの医療機関がノロウイルス等の感染のときには何日間休むとか,就業規則に恐らく相当定められていると思いますので,実習施設の就業規則とも是非連携していただければと思います。
続きまして,6ページの6の2)でインシデント,アクシデントがありますけれども,ここもインシデント,アクシデントの定義が医療機関によって若干差異があるのが現実でございますし,医療機関によってはインシデント,アクシデントをまとめて違う形で対応している大学病院等も伺っておりますので,またこのあたりは事前協議で,何をインシデント,アクシデントとするかを検討していただければありがたいかなと思っています。
最後に,実習施設に対する指針というのが7ページにありますけれども,これはお願いですが,特に実習に学生さんが来られるに当たって,やはり患者さんとのコミュニケーションスキル,特に受容と共感でございましたり,尊厳の保持というのを十分踏まえて教育していただけるとありがたいかなと思っております。
それから,併せて医療倫理の4原則,これもなかなか医学部でもどうかとは思いますけれども,医療倫理の4原則を踏まえて,そういった教育もしていただいて実習に来ていただけるとありがたいかなと思っております。特に今,ACPをすごく盛んに国の方も推進している中で,医学的な最善が本人の最善であるとは限らないし,医学的な無益が本人にとって無益とは限らないということもあって,これは現場の医療従事者もなかなか難しいところですけれども,そういった,真摯に患者さんの人生と,価値観と向き合うことが今医療現場では非常に求められておりますので,またそのあたりも是非御協力していただければありがたいと思います。
いずれにせよ,事前協議を,こういったことも含めて十分に事前調整の場を設けていただければありがたいかなと思っております。
以上でございます。
【高田座長】 ありがとうございました。
ほかに御意見いかがでしょうか。どうぞ,岸委員。
【岸委員】 済みません,全保協会長の岸です。
すごく細やかにガイドラインを作成いただきまして,ありがとうございました。その中で,資料2にあります,前回検討しました位置付け,コンセプトということに照らし合わせたときの御意見を申し上げたいと思います。1つは,先ほど宮﨑副座長からもお話があったんですが,実習総論のところにやはり大学の実習というところで明記していただき,大学の実習の質を高めるためにどういうことが必要なのかということを明記していただくといいかなと思いました。
それから,コンセプトの2番目にあります,臨地実習科目であることの条件(定義)を明示するということが前回出されたんですけれども,これはどこまで細かく明示するのかというのが多分非常に難しいので,出しにくいところだと思っております。先ほど杉田専門官からストーリー性が大事ということだったので,目的に照らし合わせて,そのような実習がきちんとされていれば,臨地が何日とかということではないと私も思っているんですけれども,何日いれば臨地実習かという表現ではなくて,演習ではなくて臨地実習科目であることの条件を,日数とかそういうような瑣末なことではなくて,何らか定義していただけるとありがたいなと思っております。
次に,コンセプトの3番目なんですけれども,実習科目をカリキュラム策定においてどのように捉えるかという考え方を提示するというところでは,今回,実習のガイドラインではあるんですが,再三,看護基礎教育検討会でも,演習を充実させるべきということとか,実習の前も後も演習を充実させることによって実習の質を高め,学生の学びを深めるということを議論されておりますので,そのような,実習直接ではないんですけれども,実習をより生かすためにも,その前後の演習を充実させていくことが必要というようなことを,細かく書く必要はないと思うんですけれども,何らか今回の検討会の方向性として明示していただけるとありがたいなと思います。
コンセプトの最後なんですけれども,国民が概要を理解できるものとなるようにするというのは非常に難しいなと思いながらこれを読んでいたんですけれども,患者・利用者,家族側の立場に立って読むと,これが理解できるのかとか,その立場に立った文言というのはなかなか難しいかと思うんですが,コンセプトとして,ここも何らか示すようにしていただけるとありがたいと思いました。
最後に,細かいことなんですが,3ページ目の臨地実習前の調整というところで,私ども臨地実習前には調整しているんですけれども,やはり臨地実習後のフォローアップというんですか。そちらの方も次の実習に向けては非常に大事になってくると思いますので,ここだと前が強調されているんですけれども,同様に事後のフィードバックというところも入れていただけるとありがたいと思いました。
最後になりますが,瑣末なところで,5ページ目の実習における安全管理の2)のところなんですけれども,ここのところでワクチン接種のこと,これは各大学で非常に,実習前にさせるところで困難を極めているところなんですが,これはあくまでも代表例ではあるんですけれども,例えば②番のQFT検査等ということが示されたときに,これを施設側も共有して見るということになると,多分QFT検査までやっているところは非常に少ないのではないかなと考えると,どこまで代表例として示すかということも,少し各大学の現在の状況を踏まえて示す内容を御検討いただけるとありがたいと思いました。
以上です。
【高田座長】 ありがとうございました。
では,手短にお願いします。
【柳田委員】 柳田でございます。
先ほどの岡島委員の,より具体性というか,内容というところがお話にあったかと思います。同じようにコアカリと実習のガイドラインということでいうと,例えば薬学系がありますが,それで項目を比較してみると,実習内容という項目がございます。それで,例示ということで,SBOに沿ってそれをどうやっていくかというものが,そのときには大学と薬局と病院となっているんです。そうすると,大学という項目があると,先ほどの演習といったものがそこに加わって,演習と実習を組み合わせて教育するというものがイメージしやすくなります。そういうものがあると例示されることによって,このコンセプトの最後の,国民が概要を理解できるようになるという意味では,内容を例示するというのは非常に良いのかなというのも感じております。よろしければ御検討いただけたらと思います。
【鎌倉委員】 1ついいですか。
【高田座長】 では,鎌倉委員,お願いします。
【鎌倉委員】 ほかのガイドラインも全部拝見しました。薬学も拝見しました。ただ,例えば医学にしても薬学にしても,実習については,実習先にお任せして,打ち合わせはするけれどもという形で,そして,それぞれの例示がされています。看護学の場合はかなり異なっていまして,大学ごとにそれぞれ実習要項を作って,各大学のコンセプトに基づいて行われていて,そして,学生と,それから教員も一緒に実習場に入り,実習指導者と一緒に行うというのが今の現状でございます。そのために,しかもそれを保健師と助産師と看護師という形でガイドラインを策定しようと思いますと,そこまで具体的な内容まで踏み込むことがなかなか実は難しいというのが現状でございました。そのために,余り具体例というところよりも,コアになるものをということで検討してきたというのが現状でございます。
【高田座長】 それでは,最後にどなたか。どうぞ。
【彦根委員】 保健師の臨地実習を受けている側から。総論的なところもあるのかもしれないのですが,本当にいろいろな大学の学生さんを受け入れています。大学により,何を求めているのかということとか,それから先生の関わり方であるとか,それから,4週間続けてお願いしますというところもあれば,前期・後期2週間ずつ,その間に演習や授業が入るというように,かなりバラエティーに富んでいます。ある一定のメンバーで実習についての受け入れを,県の立場,県所管域の保健所の立場からすると,市町村との調整も含めてやらせていただいているというような現状がまずございます。ですので,事前の調整というのが全てを物語っていて,いかに大学としてのこの臨地実習の位置付けが,例えばこういうカリキュラムの中の一環として,2週ずつになっているから,ここの前期と後期はこうなんですとか,その間にこういう演習を充実させてくるのでよろしくお願いしたい,できればそういうお話をいただくと,ここに少なくとも5日間連続する,同一人物が担当できる体制が望ましいと書いてある,4ページのところなんですけれども,大学側のポリシーが分かれば,できるだけ受け入れる側もやり方が考えられるのかなと思います。反面,あまりにも,神奈川県も大学が10か所になりまして,大体1つの保健福祉事務所,市町村が4つの大学ぐらいを受け入れるというような中で,私どもの能力的なこともあるのかもしれませんが,できるだけ大学側の意図を知っていく中で,受け入れる側としても最大限できることは考えていきたいかなと思っているところです。また、感染症のことは気になります。学生さん自身がかなり緊張して,実はインフルエンザにもかかわらず家庭訪問をしてしまったというようなことがあり,受け入れ側としてはそこのトラブルシューティング,御家族側にも申し訳なかったというような説明は受けている側がやはりさせていただくというような現状もございました。学生さん自身の健康管理であるとか,もちろん受け入れ側も注意するんですけれども,事前にオリエンテーションというのは大変重要,大切というか,きちんとしていないとお互いに良くないのかと思ったこともございました。
以上でございます。
【高田座長】 ありがとうございました。
中根委員,何かございますか。最後,ちょっと時間がありますけど。
【中根委員】 最後に少し。私は助産師ですので,少子高齢化というので,特に母性の実習場に非常に困られていて,非常に広範囲のところから実習依頼を受けたりとかします。やはり同じように,彦根委員がおっしゃったとおり,複数の大学のそれぞれのポリシーがありまして,できるだけ合わせようとするんですけれども,難しいところもございます。できるだけ教員の先生方と実習場がうまく話をできるような,事前調整が本当に一番だと思いますけれども,ここのちょうど4ページの実習指導者を教育する仕組みというところにも大学の方で力をかしていただければ大変ありがたいですし,今の病院の中で,7対1で縛りがある中で,実習指導者をどのぐらいやるかというところは非常に難渋しているところでもありますので,是非協力を頂けると臨地実習場も助かります。どうぞよろしくお願いします。
【高田座長】 ありがとうございました。
時間も過ぎておりますけれども,どうしても言っておきたいということがもしあれば承りたいと思いますけれども,よろしいでしょうか。
それでは,ただいまの議論を生かしまして,日本看護系大学協議会の方で更に御検討をお願いいたします。ありがとうございました。
それでは,事務局の方から何かございますでしょうか。
【杉田看護教育専門官】 次回,5回目の検討会の日程につきましては早々に調整させていただきたいと考えております。
机上に配付してございます参考資料のファイル2冊はそのまま,持ち帰らずに,置いておいていただければと思います。
【高田座長】 座長の不手際で少し時間がオーバーになってしまいまして,申し訳ございません。それでは,本日の会議はこれで終了といたします。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

 

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